HTML5開発ホスティングのDivshotをGoogleが買収、前に買収したFirebaseと一体化して強力な開発環境に

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Googleが、HTML5によるWebホスティングプラットホームDivshotを買収した。Divshotは、“パフォーマンスとデベロッパの生産性のための最適化”、を謳っている。

同サービスは12月14日に閉鎖し、チームはGoogleが昨年10月に買収したFirebaseに加わる。

同社はホームページでこう言っている:

DivshotはGoogleでFirebaseのチームに加わることになりました。FirebaseはGoogleがデベロッパに提供している総合的なプロダクトスイートで、私たちのビジョンはその一員として加わり、Divshotのミッションはこれまでよりも大きなスケールで前進し、継続します。

私たちが加わることにより、Firebase Hostingがデベロッパにとってすばらしい体験になりますから、これまでのDivshotのプロダクトとサービスはすべて、2015年12月14日(月曜日)に閉鎖します。Divshotの現在の顧客は、移行ガイドをお読みのうえ、アプリケーションをFirebase Hostingへ移してください。ご心配なく。二つのプロダクトは完全に互換性があります。

私たちのすばらしいユーザのみなさまへ: これまでのサポートを感謝いたします。そして、もうじき、Firebaseでまたお会いしましょう!

FirebaseチームのMichael Bleighは、この件についてこう述べている:

両チームは最高のデベロッパ体験を作りたいという情熱を共有している。これからは両者が一体となって、共通の目標を目指していく。DivshotとFirebaseは、前にもチームを組んだことがある: DivshotのハッカソンStatic ShowdownをFirebaseがスポンサーし、参加したデベロッパの50%以上がFirebaseを利用した。

Divshot社はサンタモニカにあり、これまで118万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

セキュリティやプライバシーはプログラマの仕事(責任)ではなく開発系のデフォルト機能になるべき

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【抄訳】
ビッグデータやクラウド、それにますます増えつつある複数のサービス間の相互接続の時代に、セキュリティを確立しプライバシーを保護するためには、ソフトウェアの開発のされ方に構造的な変化が導入されることが必要だ。

MITで博士号を取った研究者(MIT研究助手)Jean YangLinkedIn)は、そう考えている。彼女が自作したプログラミング言語Jeevesは、その主張を実現するために、正しいプライバシーポリシーを正しく強制するという開発負荷を言語自身が担い、プログラマの肩の荷を軽くしている。

“言語など開発基盤の構造がプライバシー/セキュリティの強制機能を持っていれば、プログラマがいちいちチェックやフィルタを書いたり、書き忘れたり、書き方が正しくなかった、などなどの負担と責任がなくなる。プログラマがやることは、最初の、正しいポリシー設定だけになる。これにより、プログラマがミスを犯したり犯さなかったりといった、表層的な問題が解消する”、と彼女は語る。

今月末にラスベガスで行われるカンファレンスPrivacy.Security.Risk.で講演をするYangはこう語る: “学部のころは毎年、こればかり考えていた。人びとはプログラムが正しくないことを気にするけど、プログラマは別に、正しくないプログラムを書こうと思って書いてはいない。だから問題をプログラマに転嫁するのは、正しい方向性ではない”。

Yangも認めるように、最近ではプログラマの瑕疵というより、レガシーコードが抱えるソフトウェアの古い設計に、プライバシーやセキュリティの問題の根因がある、という見方に変わりつつある。

2013年にはNSAの内部通告者Edward Snowdenが政府の諜報機関による監視行為を暴露し、ネット上のプライバシーに関する関心が一気に盛り上がった。Snowdenの暴露により、多くの消費者向けサービスがエンドツーエンドの暗号化を採用するのようになった。そういう消費者サービスも監視の対象になっていた、と分かってからは、そういう商用サービスにおけるユーザ保護が政治の課題にもなってきた。

しかしそれでも今だに、データの盗難は毎週のようにニュースになる。人も企業もアプリケーションも、ネットの上ではますます相互接続性を増してくるが、今のソフトウェアとシステムはそんな時代に合っていないのではないか、という印象がいよいよ鮮明になる。あらゆる面でもっと良い方法を考えなければならないが、Yangの主張では、それには、プログラムの作り方をその構造のレベルで再考する、ということが含まれる。

“今のプログラミングのやり方は、1970年代のやり方から変わっていない。そのころも今も、ソフトウェアは小さなレシピの集合、小さな手続き/ 手順の集合と見なされる。その一つ一つは10〜20行ぐらいだろう。そんなものを大量に使って、弾道の計算など重要なコンピューティングをやっていた。当時はまだ、機密データの保護、という問題はなかった。個々のプログラムはとても小さく、また機密データを扱わなかった。それが1970年代だ”、と彼女は語る。

…お互いについて知る機会のない複数のプログラムが、同じ物理マシンを共有している。そこにはきわめて興味深い、…おそらく恐ろしい…、プライバシーとセキュリティの問題が暗黙裡にある。

“今では、プログラムは巨大だ。ソフトウェアの大きなエコシステムが、いくつもある。プログラムは簡単に、数百万行に肥大する。そのコードのサイズは、70年代にはコンピュータのメモリに収まらなかったほどのサイズだ。つまり書いたプログラムが大きいだけでなく、実動コードも大きい。今や、大量の人間がプログラミングに携わっている。それまでは、一つのプロジェクトを担当するのはひとにぎりのプログラマで、プロジェクトの全貌が彼らの頭の中に十分収まる。そのプロジェクトをめぐるお互いの会話も容易だ。しかし今では、クラウドや仮想マシンを使って、それらの上にコードを置く。お互いについて知る機会のない複数のプログラムが、同じ物理マシンを共有している。そこにはきわめて興味深い、…おそらく恐ろしい…、プライバシーとセキュリティの問題が暗黙裡にある”。

Yangの主張では、さまざまな特色の豊富なデータを大量に集めているFacebookのようなデータリポジトリは、プライバシーにとって、まるで火薬庫のように危険で恐ろしい。Facebookやそのユーザが、ユーザの情報を今後どのように切り刻むのか、それがまったく不明だから。

たとえば、と彼女は言う、ユーザの情報はFacebookのプロフィールの上に時系列で表示されるだけでなく、いわゆるグラフ検索機能(Graph Search feature)によっていろんな方法で検索される。ユーザは、自分のデータが将来どのように見られ共有されることになるのか、知ることもコントロールすることもできない。

“彼らはあらゆるものを持っている。数百万行のコード、プログラマの大群、そしてコードのさまざまな箇所で、機密データが利用される。しかしプログラマは、あらゆる箇所で、“ここでは一体どんなポリシーを強制されるのか”と、問うことしかできない。答はない。

“Facebookに関して人びとは、‘プライバシーのポリシーに一貫性がない。しかも頻繁に変わる’と不平を言うが、自分の情報をプロフィールの上では保護できても、グラフ検索など、そのほかの間接的な方法で情報が見られることに関しては、打つ手がない”。

Yangによると、今でもプライバシーのポリシーを正しく強制し、問題を緩衝する手段はある。たとえばそれは、ライブラリ関数の呼び出しにポリシーを埋め込むのだ。でもそうなるとプログラマは、どういう場合にはどの関数を呼び出す、ということをおぼえて正しく実行しなければならない。プライバシー保護がプログラマの負担・責任になる、という問題は変わらない。

クラウドの時代に機密データを正しく保護するためには、大きな構造的ソリューションが絶対的に必要、とYangは信じているが、ただし、そういうソリューションの採用やそれらへの移行が、プログラマにとって大きな負担になるようでは、どんなに良いソリューションでも正しく普及しない、と彼女は言う。

もっと、‘それとなく’的なソリューションが必要、と彼女は言う。つまりプログラマは従来どおりにコードを書いているが、そのコードの“ボンネットの下”では、ちゃあんとプライバシーとセキュリティの強制が行われている、そんなソリューションだ。例えば暗号化が必要な場面では、プログラマが暗号化をとくに気にしなくても(暗号化のためのコードを書かなくても)データの暗号化が行われる。また、ある箇所ではシステムを保護的な手続きで保護して“まずいことの発生を防ぐ”。最初から、データの健康と安全のための措置が、言語やライブラリに焼きこまれている。…。

“こういう、一見何も変わっていないけどシステム全体に浸透しているソリューション、それで行くべきだ”、と彼女は付言する。

この夏、YangとPhDの同級生Frank WangはMITで、Cybersecurity Factoryと名づけたアクセラレータのパイロット事業を開始した。目的は、Yangらのような学生起業家がセキュリティに関する深い技術的ソリューションを身につけて、上述の構造的問題に取り組んでいくことだ。このパイロット事業はHighland Capital Partnersが出資し、最初の二つのチーム、AikicryptとOblivilockには、どちらも複数のPhDが参加している。来年はこの事業を拡大して、もっと広い範囲から、計五つぐらいのチームを育てたい、という。

またこのアクセラレータでは、アイデアの技術的実装以外に、セキュリティ事前埋め込みタイプの開発系の、普及活動(対投資家、対デベロッパ、対企業、など)も起業家の事業領域とされる。

【中略】

Yangによると、Y CombinatorのSam Altmanも最近は、セキュリティの分野に注目している。たとえばこの夏のツイートで彼は、次の二年間でセキュリティ関連のスタートアップを“数ダース”育てたい、と言っている。システムやデータの保護とプライバシー保護は、Yangたち学究ばかりでなく、投資家の投資ターゲットとしても着目され始めているのだ。

【後略】

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

オープンソースのGitコラボレーションプラットホームGitLabが$4Mを調達、オンプレミスユーザが10万社を超える

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GitベースのオープンソースのデベロッパコラボレーションプラットホームGitLabが今日(米国時間9/17)、Khosla VenturesからシリーズAで400万ドルを調達したことを発表した。

Y Combinatorで孵化した同社は、そのサービスを無料のコミュニティエディションと、無料のSaaSバージョン、そして有料のエンタプライズエディションで提供している。同社によると、今回の資金は成長の加速とグローバルなオペレーションの拡大に充てられる。また、中国や日本の企業とのパートナーシップも検討している。

GitLabのCEOで協同ファウンダのSytse “Sid” Sijbrandijによると、現時点で新たな資金調達を行ったのは、今の勢いを維持するため、資金が本当に必要になったとき、それが手元にあり、調達努力に時間を取られたくないためだ。先月のキャッシュフローはプラスだったが、“Khoslaは成長を維持するための優れた機会を提供してくれた”、という。

Gitは今や、多くのデベロッパチームにとってコード管理ツールの定番だ。そのGitをホスティングするサービスとしてはGitHubがいちばんよく知られているが、この分野はコンペティタが多い。それぞれが他にない独自性とユーザインタフェイスを打ち出し、Gitを主にSaaSで提供している。たとえばAtlassianは、無料と有料両方のGitホスティングサービスを提供している。

GitLabはオープンソースのソリューション集合を提供していることが、他のコンペティタにない特性だ。Khosla VenturesのVinod Khoslaも、今日の声明でこの点を強調している: “GitLabへの投資はいわば既定の路線だ。未来はオープンソースのソリューションにあり、GitLabは、今の市場でもっとも人気の高いオープンソースのコードコラボレーションプラットホームとして、未来へ向かう道をリードしている”。

またSijbrandijは、ユーザの選択を挙げている: “ソースコードがオープンで改変可能だから、それを自社のサーバの上で動かしたり、GitLabを自社独自のソリューションのベースとして利用することができる”。

同社によると現在、10万あまりの企業や団体がGitLabをオンプレミスで使っており、その中にはNASAやCERN、Alibaba、SpaceX、O’Reilly、IBM、Expediaなども含まれる。有料サービスに関しては、数百社の企業がEnterprise Editionを利用しており、その多くはFortune 500などに含まれる大企業だ。

GitLabは、サービスの次のアップデート(バージョン8.0)を、来週9月22日にローンチする、と発表した。このアップデートでディスクの使用量を50%減らし、コードをマージするプロセスが従来よりも相当速くなる。また継続的インテグレーションをGitLab自身がサポートし、インタフェイスを改良、そして”reply by email”機能によりモバイルデバイスからのコメントが容易になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleがPlay Gamesのプレーヤー分析機能をアップデート、iOSサポートを改良、より詳細なユーザ実態報告

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数か月前Googleは、Play Gamesのプレーヤー分析機能(Player Analytics)をローンチして、ゲームデベロッパが、自分のゲームをプレイしているユーザの実態を、もっとよく把握できるようにした。

今日(米国時間9/9)同社はこのサービスをアップデートして、ゲームプレイの最初の2分間のユーザの状況レポートや、デベロッパがユーザの状態に合わせてゲームの流れを変えられるために分析機能のAPIを公開、iOSのサポートを改良、などの新機軸を導入した。

とくに、ユーザの状態を時系列でチェックできるPlayer Time Series Explorer機能を使うと、ゲームの重要な時点でプレイヤーが何をしているかを理解できる。とくに重要なのが、プレイの最初の数分だ。その間(かん)にユーザは、そのゲームが難しすぎるか、やさしすぎるか、ちょうど良いかを判断する。この、今度導入された時系列レポートにより、デベロッパはその最初の時間帯に何が起きているかを知ることができ、ユーザの引き止め率(retention)を高めるためにゲームを改作したりできる。最初の数分間だけでなく、ほかの時点のレポートも得られる。

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また、このユーザ分析レポートのAPI、Player Stats APIによりデベロッパは、プレーヤーのタイプに合わせてゲームの流れを調整できる。たとえば、そのゲームをよく理解できないユーザに対しては、彼/彼女が迷う箇所で説明をポップアップできる。また、アイテムのゲーム内購入を勧めるために、アイテム無視で頑張る熱心なプレーヤーに無料のギフトを進呈してもよい。

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つねにAndroidに力を入れているGoogleだが、Player Analyticsは前からiOSをサポートしていた。今回同社はCocoaPodsのサポートを改良して、PlayのゲームサービスをXcodeで構成できるようにした。その新しいSDKはGoogleのサインイン・フレームワークをサポートし、GmailやYouTubeなどGoogleの人気アプリのアカウントからも認証できるようにした。これらのGoogleアプリをインストールしていないユーザには、SafariにスイッチせずにWebViewを立ち上げる。

SDKの新しい機能は明らかに、プレーヤーのエンゲージメントに力を入れている。今やゲームに対するプレーヤーの期待も、そしてゲームのビジネスモデルも変わりつつあり、プレーヤーの再訪率を高めることが前にも増して重要になっている。飽きさせないゲーム内ナビゲーションが、何よりも重要なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleの次世代Android OSはMarshmallow(マシュマロ)と判明―恒例のマスコットもお披露目

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GoogleはAndroid OSのバージョンに食べ物の名前を付けるのを慣例としている。アルファベットの(おっと!)の一文字を順に使ってきた。食べ物といっても身体に悪そうな食べ物だ。次世代バージョンはこれまで “M”と呼ばれてきた。それがついに今日(米国時間8/17)、何の頭文字であるかが判明した。

マウンテンビューのGoogle本社キャンパスでマシュマロの彫刻がお披露目された。

これまでに使われたデザート名の全リストは以下のとおり(最初の2つだけはデザート名ではない)。

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– Alpha
– Beta
– Cupcake
– Donut
– Eclair
– Froyo
– Gingerbread
– Honeycomb
– Ice Cream Sandwich
– Jelly Bean
– KitKat
– Lollipop
– Marshmallow

KitKatのとき、GoogleはNestléと共同でPRキャンペーンを実施した。今回は『ゴーストバスターズ』と共同でプロモーションをするのだろうか?

この命名の技術的詳細はAndroidのデベロッパー・ブログにも掲載されている。

そのままでも、あるいは中が半分溶けるまでこんがりキツネ色に焼いたのでも、マシュマロはみんなが大好きだ。もちろんわれわれも大好きだ。今年5月のGoogle I/OカンファレンスでAndroid Mのデベロッパー・プレビューが発表されてから、大量のフィードバックが寄せられたことにわれわれは深く感謝している。今日、GoogleはAndroid Marshmallowのデベロッパー・プレビューの最終版を発表すると同時にAndroid 6.0 SDKの提供とGoogle PlayへのAPI level 23を利用したアプリの登録受付を開始した。

“M”のプレビュー版はこれが最後ということは一般公開も近いわけだ。しかし正確なスケジュールはまだ発表されていない。

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マスコットがどのように製作され、設置されているのか、その詳細は以下のビデオで。

こちらはわれわれのMarshmallowレビュービデオ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Windows 10の立ち上がりを探る

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まずWindows 10について簡単におさらいしておこう。

  • Windows 10は7月末に一般公開され、かなりの高評価を得ている。
  • Microsoftはユーザーベースの早急な拡大に全力を挙げている。
  • Windows 10のユーザーベースが大きくなれば、アプリのダウンロードが伸びる。これはより多くのデベロッパーを惹きつける。
  • 良質のアプリが豊富に供給されればWindows 10のユーザー体験は改善され、さらに多くのユーザーがWindows 10を採用するようになる。

Windows 10への乗り換えが進まないと上と逆の悪循環が生じることになる。では現在までのWindows 10のインストール状況はどうなのだろう?

一般ユーザー市場

MicrosoftはWindows 10について「2、3年のうちに10億台のデバイスにインストールされる」ことを目標として掲げている。Microsoftは意識的にこのような曖昧な表現にしているのだろう。つまり10億のライセンスを販売するとは言っていない。Windows 10へのアップグレードは今後1年無料だという点を考えれば、ライセンスの販売目標について明確は数字を出すのは難しいだろう。

現在、Windows 10のインストール数についていくつかの数字が出ている。どれも不完全なもので、ソースも公式発表から噂程度のものまでいろいろだ。

Microsoftの数字

Microsoftは「Windows 10は、一般公開されてから24時間後に1400万台のデバイスで稼働している」と 発表した

この数字の正確な内容は不明だ。たとえば、500万人といわれるWindows 10のベータテスト参加者のデバイスはこの数に含まれているのか? たとえば私自身、Windows 10のベータ版を数台のコンピュータにインストールしている。一般公開後にどれだけの新たなインストールが行われたのかは不明だ。

Brad Samsのスクープ、その1

Windows情報専門サイトNeowinの Brad Samsは 、「私が入手した内部情報によれば、現在Windows 10がインストールされているコンピュータは1850万台だ」と書いた。 ネットでは一時6700万台という数字が飛び交っていたが、SamsによればこれはWindows 10へのアップグレードを予約したマシンの数かもしれないという。

1850万台という数字は8月3日のもので、1400万台という数字が出てから1週間経っていない時点だった。

Brad Samsのスクープ、その2

Brad Samsは最初のスクープから4日後に再び内部情報の入手に成功した。それによるとWindows 10のインストール数は2500万台に跳ね上がった。Samsによれば「あるいは2700万台に達しているかもしれない」ということだ。

先週の金曜に2500万(あるいは2700万)に達したということは週明けには3000万に届いているだろう。今月中に5000万に達する可能性は十分にある。

その他の兆候

Windows 10の採用状況を占うのに使える情報がさらにいくつかある。ひとつは検索トラフィックだ。GoogleトレンドでWindows 10とWindows 8、Windows 8.1、Windows 7を比較してみた。

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これは興味深いグラフだ。Windows 10への関心がWindows 8(赤と黄色の線)より大きいのは当然だが、これまでで最良のWindows と評されるWindows 7をも上回っている。しかもWindowsに対する検索ボリュームでも過去最高を記録している。これはWindows 10にとって前向きの情報だ。

次はゲーマーの動向だ。Steam’s excellent operating systemの統計は以下のとおり。

Screen Shot 2015-08-10 at 10.42.58 AM

この統計ではWindows 10は1.2%を占めている。ただしこのデータは7月分の集計だ。Windows 10の一般公開は7月29日だったことを考えると、悪くない出だしだろう。8月文の集計が発表されると状況はかなりはっきりするはずだ。

要約

これらの情報を総合すると、Windows 10のローンチはそう悪いようには見えない。いかにも及び腰なコメントに聞こえるかもしれないが、今のところそれ以上のことは言えない。今後さらに勢いがついてくるかどうかが勝負だ。

エンタープライズ市場

エンタープライズについて何か予測するのは早過ぎる。Microsoftによればエンタープライズ向けにWindows 10が供給され始めるのは今年後半になるという。【中略】

デベロッパーの動向

長期的にみてMicrosoftのWindows戦略の要になるのはやはりデベロッパーの動向だ。デベロッパーをWindows 10に引き寄せることができなければWindowsに将来はない。

IDCのアナリスト、Al Hilwaによれば、カギになるのはもはや開発ツールではないという。Microsoftの開発ツールは極めて優れている。問題はMicrosoftの閉鎖的なエコシステムから離れてしまったデベロッパーを呼び戻せるかどうかだ。Hilwaは、その手段として開発環境をオープンソース化するのが有効だという。

「デベロッパーを引き寄せるには、オープンソース化が必須だ。Visual Studioチームはこのことをよく理解しており、Microsoftのエコシステムをオープンソースにするという大事業をリードしている」とHilwaは語った。

ライバルが開発環境を無料ないし安い価格で提供している以上、Microsoftも開発ツールで金を取ることは不可能になった。Microsoftにとってデベロッパーを惹きつけることはWindows Phone戦略の上からも極めて重要だ。Windows PhoneもWindows 10で作動する。デベロッパーがWindows 10でコードを書けるようになればWindows Phoneのアプリを開発するのも容易だ。MicrosoftのOS共通化戦略が期待どおりに働くかどうか、今後に注目だ。【中略】

当面の結論としてこういうことが言えそうだ。一般ユーザーのWindows 10への関心は高い。エンタープライズ市場について判断を下すには早過ぎるが、クラウド化によってWindows 10への移行が加速される可能性がある。今後、正確なダウンロード数、デベロッパー数がMicrosoftから発表されることを期待したい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook本社で任天堂スーパーマリオメーカーを使った新コースづくりハッカソン開催

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Facebookの社員の役得がまた一つ増えた。任天堂のスーパーマリオメーカーを発売の一月前にプレイできたのだ。昨日(米国時間7/29)、Facebookが本社で開催したスーパーマリオメーカーを使って新しいコースを作るハッカソンには約100人の社員が参加した。

このゲームはスーパーマリオブラザーズの設定を用いて新しい障害物コースを作るというもの。Facebookの社員チームは最高のコースづくりに奮闘した。おそろしく難しいコースもあれば、Facebookの「バウザーのタイムライン」テーマにしたユーモラスなもの、「すばやく動いて、ものを壊せ」というFacebookのモットーを取り入れたMove Fast And Brick Thingsというキュートなものもあった。

上のビデオでハッカソンの模様とともににスーパーマリオメーカーの雰囲気が分かるだろう。マリオ自身も登場した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

この1年のハッカソンでいちばん人気があった言語、API、ハードウェアは?―Devpostが詳細統計を公開 

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今朝(米国時間7/28)、TechCrunch Disruptを始め数多くのハッカソンにバックエンド・ツールを提供してきたChallengePostがDevpostと改名したのを祝って大量の興味深い統計を公開した。これに昨年のハッカソンで使われたモバイル・プラットフォーム、使用されたプログラミング言語、APIなどの種類が人気順にリストアップされている。

この統計は13,281人のデベロッパーが1万のプロジェクトに取り組んだ160回のハッカソンに基づいている。オリジナルのレポートはこちらで公開されているが、いくつかハイライトを紹介してみよう

デベロッパーが好むモバイル・プラットフォームについては次のような結果になった。Android、38.2%。iOS、22.7%。Windows Phoneははるかに引き離されて4.9%。34.2%のデベロッパーは「特に好みなし」。

Devpostのハッカソンで使われたプログラミング言語トップ10:

  1. HTML/CSS (厳密な意味でのプログラミング言語ではないが、オリジナルを尊重して載せておく)
  2. JavaScript
  3. Python
  4. Java
  5. C/C++
  6. PHP
  7. Objective-C
  8. C#
  9. Swift
  10. JSON (これもプログラミング言語ではないので、11位を載せておく)
  11. Ruby

HTML/CSSとJavascriptがトップに来るのは自然だ。スクリプト言語vsプログラミング言語というテーマでたちまち議論が起きそうだが、ともかくどちらもとっつきやすく、コンパイルを必要とせず、OSと独立にブラウザ内で動作する。多くのデベロッパーが最初に学習する言語でもある。どんなハッカソンでももっとも使われる言語だろう。

注: HTMLはもちろん「プログラミング言語」ではない。これはドキュメントの要素をレイアウトし、コントロールするためのマークアップ言語だ。しかし「言語」であることには変わりない。またデベロッパーがもっとも頻繁に使う言語でもある。そこで言葉の定義には目をつぶってリストアップしておく。

Appleが公開してからわずか1年と1ヶ月しかたっていないのに早くもSwiftがリストされているのは驚きだ。

ではAPはどうだろう?

DevpostはAPIは細かいカテゴリー別に順位を公開している。いずれも非常に役に立つAPIだ。

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コミュニケーションAPIのトップはDevpostによればTwilioだ。ソーシャルは予想どおり、FacebookとTwitter。支払ではVenmoがPaypalを上回った。話題のStripeは3位にとどまった。Google Mapsが位置情報カテゴリーのトップなのも予想どおりだろう。

Twilioがコミュニケーションでトップになったのは、Twilioがハッカソンに非常に力を入れてきた成果だ。ときにはTwillioのエバンジェリストが非公式に会場に姿を見せるだけという場合もあったが、ほとんどあらゆるハッカソンにTwillioが何らかの形で参加しているのを私は見てきた。Twilioは新たに採用した社員に必ず同社のAPIを使ってプロジェクトを完成させるよう義務付けている。Twillioの上級エバンジェリストの一人は会社を辞めてMajor League Hackingという学生のハッカソンを世界中で組織するスタートアップを立ち上げたくらいだ。

ゲームではUnityが圧倒的だ。1000件ものプロジェクトがUnityを利用したという。2位のPygameのプロジェクトはわずか50件だった。

Devpostはテキスト・エディタのランキングも発表している。1位はSublime Textだったが、偶然これは私も愛用している。実はこの記事もSublime Textで書いている。

ではハードウェアはどうだろう?

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ハードウェア・ハッキングのキングがArduinoというのは誰しも納得だろう。比較的軽量なハードウェア・プロジェクトならなんでもこなす柔軟性があり、開発の途中でボードを数枚破壊してしまってもそれほど懐が傷まない。もっとトレンディーなところではMyoのジェスチャー・リストバンド、Pebbleのスマートウォッチ、Leapのモーション・ジェ・コントローラー、Oculus Riftヘッドセットなどが目立つ。Raspberry Piはなぜか6位にとどまった。

こうした統計は興味深いものの、現実世界の動向を表しているとは限らないという点は念を押しておきたい。このデータだけを頼りにどの言語を学ぶか決めたりするのは賢明ではない。初心者は取り付きやすい言語を選ぶのがよいだろう。その点でJavaScriptは悪くない。いずれにせよ、まずプログラミングというものの性質全般を学び、その後で各言語の差異に注意を向けるようにした方がよい。「そんな言語は古いからダメだ。なんとかいう〈今年のトレンディー言語〉を学べ」などという奴がいたら「くそくらえ」と言ってやるとよい。

Devpostのオリジナル・レポートはこちら。

TechCrunchの主催するDisruptサンフランシスコのハッカソン も数週間後に迫っている。

[Devpost(以前のChallengePost)がこの興味深いデータを送ってくれたことに感謝する]

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Windows 10の時代が始まる―間違いなく過去最高のWindows

2015-07-29-windows10

いよいよ今日、Window 10 が全世界で正式にリリースされる。

問題はWindows 10にアップグレードすべきか否か、だ。

Windows・アズ・ア・サービス

Windows 10のリリースがこれまでとまったく違うのは、MicrosoftはWindows 10を今日以降、随時、継続的にアップデートしていくという点だ。つまりMicrosoftがすでにメーカーに渡したバージョンにしても、今日われわれが受け取るバージョンにしても、単に「その時点」のコードであるにすぎず、いわゆる「最終版」なるものは存在しないということだ。つまり従来のような意味での「リリース」や「ローンチ」ではない。Windowsはこのバージョンで固定的なプロダクトからサービスへと大きく舵を切った。

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Windows 10の初期ビルド

Windows 10はWindows 8、8.1よりはるかに優れたOSだ。それまで私はWindows 7が過去最良のWindowsだと考えていたのだが、数々のベータ版をテストしているうちに、いつのまにかWindows 7よりWindows 10の方を気に入ってしまった。

Windows 10は現代的な、ということはつまりアプリ・ストア、Cortanaアシスタント、新しいブラウザなどの要素と、復活したスタートメニューなどのわれわれが長年慣れ親しんだユーザー体験の双方を備えている。果たしてMicrosoftがWindows 8で導入された現代的要素とWindows 7のDNAを融合させることができるかどうか、当初私は懐疑的だったが、その結果は嬉しい驚きだった。

しかもWindows 10は、この1年間は無料だ。Windowsパソコンを持っているなら迷わずWindows 10にアップグレードするようお勧めする。

機能

私はプロダクト・レビューは苦手だ。Windows 10の各機能の詳細なレビューならThe VergeのTom Warrenの記事 が素晴らしい。Warrenの総合評価は10点満点の8.8点だったが、これは私の直感的評価に一致する。新製品としては十分な完成度といえるだろう。

A Windows 10 sign on Microsoft's campus.

Microsoft本社に掲げられたWindows 10のサイン

最初に、Windows 10の新機能を簡単におさらいしておこう。 音声認識アシスタントのCortanaはデスクトップ・パソコンの使い方に新しいページを開くものだ。IEに変わる新ブラウザのEdgeはMicrosoftがとうとうインターネットを真剣に考え始めたことを意味する。アプリ・ストアはよくできている。スタートメニューは不評だったWindows 8のスタートスクリーンを置き換え、洗練させている。動作は快適だ。私自身はスタートメニューをあまり頻繁に使っていないが、Windowsコミュニティーからは好評だ。

大量のユーザーをWindows 10に乗り換えさせることができれば、それだけデベロッパーの関心を高めることができる

気が早く要約してしまえば、Windows 10は役に立つという意味で標準的といっていいだろう。オフィスでMacbook Airを使うときと同じ感覚だ。つまり仕事に使って不愉快な、邪魔になる要素が何もない。Windows 10はリリース時点でこのレベルの完成度に達しているので、今後にさらに期待が高まる。

(念のために申し添えておけば、私が使っているベータ版にはまだ多少のバグがある。製品版にもいくつかのマイナーなバグが残っているかもしれない。しかしそうしたバグは早急に修正されるだろうし、長期的には悪影響を与えないだろう。本質的な機能として優れているということが重要だ。)

ユーザー動向

Windows 10のリリースがいささかニュース性を欠くのは、これまでにMicrosoftが数多くのビルドを公開してきたからだ。もちろん、その間にユーザーから有益なフィードバックを大量に収集することができたのだから、これは悪いことではない。

しかし正式リリースと同時にMicrosoftはWindows 10のライフサイクルの中に投げ込まれる。市場がWindows 10を採用するスピードが問題となってくる。これはプラットフォーム企業としての将来のすべてをWindows 10に賭けているMicrosoftにとってきわめて重要な要素だ。

Microsoftは「2、3年以内にWindows 10を10億台のデバイスにインストールさせる」という中期的目標を掲げている。しかし同時、Microsoftはただ今現在、デベロッパーに「Windows 10向けアプリの開発を始める必要がある」と納得させる勢いを必要としている。

大量のユーザーをWindows 10に乗り換えさせることができれば、それだけデベロッパーの関心を高めることができる。そうなればアプリが急速に増え、ユーザー体験も向上する。それがさらにユーザーのWindows 10への乗り換えを誘うという好循環が始まる。

しかし当初の勢いを確保できなければMicrosoftはそれと逆の負の循環に陥ってしまう。だから当初の乗り換え率が重要になってくるのだ。

だからMicrosoftはダウンロード数、インストール数などの具体的な数字を発表する必要がある。単に「好評だ」ではすまない。MicrosoftはWindows 10の採用状況についてデベロッパーとユーザーを納得させるような情報をある時点で公開しなければならないだろう。

実際、数字が発表されないということも一つの情報だ。Microsoftが数字を公開しないなら、おそらくは期待ほどうまくいっていないのだろうと誰もが思うことになる。

Windows 10時代、始まる

この記事のタイトルは大げさと思った読者もいかもしれない。しかしそうではない。Windows 10はOSの機能として新しいだけなく、その配布手法もこれまでと全く異なる。今日以降、Windowsは新しい時代に入る。われわれシリコンバレーの住人は常に大量のMacに囲まれているので、Windowsのユーザーがどれほどいるかを忘れがちになる。だが依然として世界中で膨大な数のWIndowsが稼働しているのだ。Windows 10のローンチは間違いなく大事件である。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「アプリケーションをダウンロード」のモバイルサイト広告は、ページの閲覧者を減らすだけかもしれない

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膨大なリソースを投入してモバイルアプリケーションを作ったなら、もちろんそのアプリケーションを多くの人に使って欲しいと考えることだろう。アプリケーションストア内の順位も気になることだろう。当然のことだと思う。その考え方がおかしいなどという人はいないに違いない。ただし、どうやら多くのアプリケーション利用者は、アプリケーションをすすめられることを「うるさく」感じているようなのだ。

full_page_interstitial copy「うるさい」と思われる、「おすすめしすぎ」の状況については思い当たる人も多いことだろう。目的のページに移動する前に表示されるすきま広告などの話だ。目立つ文字で「アプリケーションをダウンロード」しようと提案する文字が表示され、ごくごく小さな文字で「このままウェブ閲覧を継続する」というオプションが表示されているものが多い。

そうしたすきま広告を「うるさい」と感じた人は多いことだろう。それでも「まあ便利に感じる人がいるのかもしれない」と大人の対応をしてきた人も多いのだろう。しかし、実は「便利に感じている人などほとんどいない」ことをGoogleが明らかにしてくれた。

実験はGoogle+を巡って行われたのだが、この結果についてはぜひとも意識しておくべきなのかもしれない。

わたしたちは調査の結果、すきま広告を排除すべきという結論にいたった。この結果は非常に興味深いものだったので、ぜひとも多くの人と情報を共有したいと考える次第だ。

– すきま広告での「Get App」(アプリケーションをダウンロード)のボタンをクリックしたのは9%だった(9%は多く見えるかもしれないが、この中にはすでにアプリケーションを持っている人も含まれ、また最終的にはアプリケーションのダウンロードを行わなかった人も含まれる)。

– 69%の閲覧者がページを離れてしまった。これらの人々はアプリケーションストアに遷移しなかっただけでなく、モバイルサイトの閲覧もやめてしまった。

この69%のひとびとも、どこかで情報を見つけて「面白い」と判断したはずなのだ。しかし閲覧途中ですきま広告が表示されるのをみて「うるせーよ」と思ってしまったわけだ。こうした傾向がみえるのはGoogle+関連ページのみではないはずだ。個人的には(よくできた)モバイルサイトは大好きだ。ネイティブアプリケーションでアクセスするよりも軽く感じることさえある。また、そもそも「アプリケーションを楽しみたい」というよりも、「情報を確認したい」ときに、アプリケーションのインストールをすすめられてもうるさいだけなのだ。

アプリケーションの導入を促したいと考えているサイトオーナーには申し訳ないが、べつに「いつでももアプリケーションが必要」なわけではないのだ。Google+も、まずは「アプリケーションの導入を促したい」と考えたようだ。しかし、だれもがネイティブアプリケーションを望んでいるわけではなく、それをすすめてもうるさく思われるだけに終わる可能性があることにも気づいたわけだ。

モバイルファーストを標榜するサービスも、どうやらそうしたことに気づきつつあるらしい(今回のようなデータが公開され、ゆっくりとではあるが認識が広がりつつあるらしい)。たとえばInstagramやVineなども、ウェブサイトでの機能を増強しつつある。アプリケーションのインストールを(しつこく)すすめることにより、コンテンツが閲覧される頻度を下げてしまい、また閲覧者数すらも減ってしまうことになるケースがあるわけだ。

GoogleのJennifer Goveも、昨年のI/Oで「Door Slam」という現象について話をしている。

たとえば、私自身、下のページを1日に10回程度閲覧する。そのたびにアプリケーションをすすめられていらいらしてしまうのだ。

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アプリーションはすでに持っているのだ。ただ、Twitterなどからリンクをたどったりするような場合、わざわざアプリケーションを使って閲覧したいと思っていないのだ。

みなさんはどうだろう。「ダウンロードなう!」と言われて迷惑に感じるケースが多いのではなかろうか。

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(翻訳:Maeda, H

アイデアを持ち込むと実動プロトタイプを作ってくれるGigster、あなたはデベロッパ管理の悪夢から解放される

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技術はなくても、アイデアと少々のお金だけあれば、あなたが構想しているスタートアップの完全なアプリケーションを作ってくれるのがGigsterだ。今日(米国時間7/22)ローンチしたGigsterは“フルサービスの開発ショップを自称し、ユーザ自身が、これはあの人、あれはあそこ、というように工程やチームを自分で編成しなくてもよい。

Gigsterのサイトへ行ったら、何を作りたいかを彼らにメッセージする。すると10分後に返事が来て、見積と納期が分かる。Gigsterに正式に発注したら、同社が優秀なフリーのプログラマやデザイナーたちを管理してあなたのプロダクトを作り、その後週に一回、ステータスを報告する。プロジェクトがあなたの手に渡った後も、Gigsterはコードをメンテナンスし、またアップグレードや新しい機能に関しては新たにお金を払うことになる。

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テクノロジ業界は慢性的に、大量の人材不足だ。できたてほやほやのスタートアップが、自力で優れたエンジニアを集めるのは、とても難しい。サンフランシスコのようなハブ的な都市に住んでいないと、なおさらだ。Gigsterは、起業家の貧しいふところに合わせて、MVP(minimum viable product, 機能・性能をなんとか評価できる最低限の製品)を安上がりに作ってくれるから、あなたはそれをぶら下げて歩きまわり、投資家を探しまくろう。

同社はY Combinator出身で、250万ドルをGreylock Partners、Bloomberg Beta、Felicis Ventures、それにAngelListのNaval RavikantやFacebook MessengerのStan Chudnovsky、TwitchのEmmit Shearといった高名なエンジェルたちから支援された。しかしコミュニティの信頼をまず築かなければならないGigsterは、今後数週間、激安で仕事をしてくれるから、あなたが夢の実現に向けて踏み出す、良いチャンスだ。

ここに手強い難問がある

Gigsterの協同ファウンダRoger Dickeyは語る、“プログラミングは小学校のころからやっている。週に2〜3回、新しいプロジェクトをフロッピーディスクに入れて学校へ持っていった”。このように、子どものころからラピッドプロトタイピングが好きだったDickeyは、その後Curiosoftという会社を作り、Facebookアプリを19も作った(その会社は2008年にZyngaが買収)。Zyngaの社員時代の彼は、ヒット作Mafia Warsを作り、そして2011年に投資家として独立した。

昨年Dickeyは、15のアイデアの中から勝者(投資対象)を決めようとしてプロトタイプ作りに励んだ。そのとき彼は開発をアウトソースすることの難しさを悟った。oDeskやElance(今のUpwork)のような人材マーケットプレースへ行くと、そこには何千人ものデベロッパがいて、ビッドする機会を待っている。しかも彼らの能力の保証はないし、仕事のクォリティーも玉石混交だ。

[Gigsterの作例]

Built On Gigster

Gigsterで制作

Dickeyと協同ファウンダのDebo OlaosebikanがoDeskを試したときには、同じプロジェクトに対して最安では22ドルのビッドがあり、そして最高額としては50000ドルのビッドもあった。最大の問題は、こんな事態になった場合でも、デベロッパに対する管理責任は100%、バイヤーにあることだ。それはおそろしく困難であり、時間を浪費する。アウトソーシングはワークロードを軽くしてくれるはずだが、逆に重くなってしまう。CrewToptalではフリーランスの人たちに対する事前評価ができるが、管理という難問は他と同じだ。

優秀なフリーランスを確保

Gigsterはこの問題を、“起用したスタッフ〜チームの中に必ずプロジェクトマネージャがいる”、という形で解決した。デベロッパの管理はすべて彼/彼女が担当し、彼/彼女をGigsterとの唯一の接点にする。進捗が遅いという報告を受けたGigsterは、デベロッパを増員、または有能なデベロッパへの入れ替えをする。そして、納期を守らせる。

同社は、牛乳の表面に薄く浮いてくる美味しいクリームのような、トップクラスの人材しか起用しない。Gigsterに応募してくるフリーランスのわずか7.7%しか、同社は受け入れない。そのギグスター(≒ロックスター)たちは、今GoogleやStripeなどにいて個人的なサイドプロジェクトを求めている人や、MITやCalTechの学生だがビール代が欲しい人、運転資金を稼ぐためのバイトを探しているスタートアップのファウンダ、といった人たちだ。

彼ら自身はビッドをやらなくてよいし、またバイヤーと直接コミュニケーションして苛立つ必要もない。彼らはGigsterのPM(プロジェクトマネージャ)から指示をもらって、それを作るだけだ。一人の学生が一つのプロジェクトを週末の二日間の徹夜で作って1万ドルを稼ぐ…これが典型的な例だ。

Gigsters

Dickeyはこう説明する:

“たとえば、ピザ配達のUberを作りたい人がいる、としよう。その人はまず、Gitsterの窓口であるセールスエンジニアに、詳しい話を聞かれる。‘配達はどうやるのかね?’、とか、‘車両は自前か、それとも配車サービスを利用するのか?’、とか、‘お客に正確な待ち時間を伝える必要はあるのか?’、とかね。それから予算と制作スケジュールを計算して伝える。その人はStripeで支払う。それから、その人のためのアルゴリズムと人間を集める。どのプロジェクトにも、プロジェクトマネージャが一人いる。そして一人以上のエンジニアと一人のUX/UIデザイナーがいる。チームは仕事を開始し、各週にアップデートを提供する。”

Gigsterはエンジニアリングを提供するだけで、デザインはしない。できあがったプロジェクトには簡素で機能的なUIがついているが、デザインに凝りたい人は自分で探すか、またはGigsterに誰かを紹介してもらう。

Gigsterは、信用を築くことも課題だ。IBMやInfosysが大量のアウトソーシングを常時受注しているのも、彼らに対し不安を抱く顧客がいないからだ。まだ若いGigsterも、デベロッパ管理の頭痛がなくなるだけでもお金を払う価値があることを、人びとに納得させなければならない。

[Gigsterの作例]

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Gigsterで制作

Pivotal LabsはGigsterの大敵のようにも見えるが、でもあっちは企業が対象だし、シリーズB以降のスタートアップが相手だ。Pivotalは、エンジニアを客先に派遣している。でもそのために、仕事がなくてもエンジニアを社員として抱えるので、結局高くつく。

Gigsterは小さなスタートアップやプロダクトが対象だ。フリーランスのネットワークも利用はオンデマンドだから、実際にプロジェクトをやっていないときには、一銭も払わなくてよい。GigsterをデベロッパのUberにたとえるなら、Pivotalはお抱え運転手を雇うことに相当する。

昨年、15のアプリケーションを自分で単価10000から15000ドルくらいで作るつもりだったDickeyは、結局それをせずに、Gigsterの準備で100万ドルぐらい使ってしまった。そして今の彼は、ソフトウェア開発につきもののギクシャクを、みんなのために解決しよう、という意欲に燃えている。“アウトソーシング”は、もっと健康的な言葉であるべきなのだ。

Gigsterの利用は今後数週間は料金が割引される。

〔訳注: この記事は原文のコメントを読むことを、おすすめします。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoft、Visual Studio 2015を正式リリース

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1年前にプレビュー版、今年の4月にRC(relase candidate)版を出した後、Microsoftは今日(米国時間7/20)、 Visual Studio IDEと.NETフレームワークの製品版をリリースした。

Visual Studio 2015(VS 2015)はすでにダウンロード (購入)可能だ。しかしMicrosoftのデベロッパー向けオンラインサービス、Team Foundation Server 2015は来月までRC態勢を継続するという〔記事末注参照〕。

これと同時にVisual Studioのエコシステムに属するいくつかのサービスでもこの最新版がダウンロード可能となっている。たとえば Visual Studio Communityは個人向けの無料のVisula Studioを提供しており、7ヶ月前のリリースでそれまでの無料版から大きく強化された。この無料版はすでに500万回もダウンロードされている。また320万人以上のデベロッパーがVisual Studio Onlineサービスに登録している。Windows、Mac、Linux向けのスタンドアローンのコード・エディタ、 Visual Studio Codeも3ヶ月前のリリース以来、50万回以上ダウンロードされている。こうしたVisual Studioのダウンロードの半数はMac、Linux向けだという。

Microsoftのデベロッパー事業部の責任者でコーポレート・バイスプレジデントの“Soma”ことS. Somasegarはわれわれの取材に答えて、Microsoftはすべての主要なプラットフォームにおいてデベロッパーに適切なツールを提供するという公約を守っていくと述べた。「VS 2015のテーマはクロスプラットフォームのツールセットであることだ。デベロッパーはそれを求めている。だからわれわれはそれを提供する」とSomaは述べた。

ととえば、Visual StudioにはApache Cordovaが統合されている。そのためデベロッパーはHTML、CSS、JavaScriptを用いてiOSとAndroidアプリを開発できる。またデベロッパーはC++言語の技能を生かしてiOS、Android、Windowsアプリの共有コンポネントを書ける。またXamarinとの提携により、デベロッパーはiOSとAndroid向けの.NETアプリが開発できる。Androidデベロッパーに対して、新しいVisual StudioはAndroidエミュレータをビルトインした。

Autodeskのソフトウェア・アーキテクト、Albert Szilvasyはわれわれの取材に対して「Autodeskは新しいVisual Studioのクロスプラットフォーム機能を利用してiOSとAndroidアプリを開発する計画だ(残念ながら詳細は明かさなかった)。AutodeskにとってAutoCADなど既存のアプリのコードの一部を再利用できるメリットはさほどでもないが、デベロッパーが新たなツールセットを一から学ばずにすむのは大きい」と述べた。

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「デベロッパーに豊富な選択肢を提供するのが今回のVSのアップデートの主要なテーマの一つだ」とSomasegarは言う。それはクロスプラットフォームだけにとどまらず多様な言語のサポートにも表れている。たとえば、VS 2015はC++、TypeScript、Pythonに加えてC# 6、VB.NET 12もサポートしている。 またC#とVisual Basicにはビルド前にコードの入力時点で欠陥に対して警告を発する Light Bulbs(電球プロンプト)機能がRoslyn projectを通じて提供される。これは今年後半にオープンソース化される予定だ。

Autodeskのzilvasyによれば、新SVはコンパイルのパフォーマンスも改善されている。AutoCADは最高スペックのマシンでコンパイルするのに40分もかかっているが、VS 2015は「これを大きく短縮した」という。

Somasegarはまた「VS 2015はWindowsとLinuxのサーバーをクラウドやバックエンドとして利用しているデベロッパーに対し各種のコンテナーを利用してデプロイすることを容易にする。Visual Studioを開いてアクセスを拡大し、ターゲットとなるプラットフォームを指定すれば後は自分の必要な処理を書くだけだ」と述べた。

VS 2015には新たない多数のデバッグと診断のためのツールが加えられた。これらはすべて 単一のツールにまとめられている。

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しかし最近、MicrosoftはVisual Studioを含めた総合的なデベロッパー・サポートに力を入れている。チーム・マネジメントやDevOpsのサービス、Visual Studio OnlineやTeam Foundation Serverなどが次第に重要性を増している。新しいVisual Studioはこうしたサービスとの連携についても数多くの改良が加えられているという。

最新版のリリースにより、VSにはさらに多数のバージョンが存在することになるが料金プランは下記のとおり。

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今日のリリースに伴って、MicrosoftはHumanitarian Toolboxに協力して、VS 2015を利用して災害時に人々を助けるプログラムを提供した。新しいアプリはオープンソース・プロジェクトとして今日からGitHubで公開されている。

〔日本版〕日本のMicrosoftのVS2015ダウンロードページによれば、「7 月 29 日まで、このリリースでは Windows 10 向けの開発をサポートしません。ユニバーサル Windows アプリを開発している場合、7 月 29 日までは引き続き Visual Studio 2015 RC を使用してください。」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Windows 10、リリースまであと2週間―Microsoft、ベータ版をさらにアップデート

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今日(米国時間7/15)、Microsoftはすべてのベータ版ユーザーに対してWindows 10の新しいビルドを公開した。今朝の噂では、このbuild 10240はMicrosoftがOEM向けに提供するのと同じ製品だという。

われわれの問い合わせに対してMicrosoftは次のようなコメントを返してきた。噂を否定してはいないが、なるべく新しい情報を出さないよう慎重に考えられた文面だ。

これは最新のWindows 10のビルドです。われわれは製品版のローンチまだに、またその後もアップデートを続けます。われわれは製品をユーザーに届ける方法を一新しています。

つまりWindows 10は今日アップデートされただけでなく、おそらく来週も、正式発表の時点でもアップデートされ、さらにその後も頻繁にアップデートが続くということだ。それでもMicrosoftはこのビルドがOMEメーカー向けに先行配布される、いわゆるRTM(Release To Manufacturing)版であるかどうかには直接答えなかった。賭けろといわれれば、私はこれがRTM版だという方に賭ける。もちろん次のアップデートがRTM版だという可能性はある。

ともかくbuild10240がRTM版、ないしそれにごく近い製品であることは間違いない。Windows 10がどんな製品であるかを知るには十分なレベルの完成度になっているはずだ。そうでなかったらWindows 10の正式リリース版はバグだらけになってしまう。

Microsoftは新しいビルドについてあまり積極的に発言していないが、興味あるユーザーは誰でもダウンロードしてインストールすることができる。

Windows 10の正式公開は今日からちょうど2週間後(7月29日)に迫った。読者はアップデートの準備をすませただろうか? 秒読み開始だ。

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Google、クラウドコンピューティングでWindowsサーバーのサポートを一般公開

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いささか妙な組み合わせに感じられないこともないが、今日(米国時間7/14)、GoogleはCompute EngineプラットフォームにおけるWindowsサーバーのサポート一般に提供すると発表した。これによりGoogleのCloud EngineでWindows Server 2012 R2とそれより古いWindows Server 2008 R2を稼働させるユーザーはCompute Engine SLA の適用を受けることができるようになる。.

今後リリースされる次世代プロダクト、Windows Server 2016やその極小化バージョンであるNano Serverのサポートも準備中だという。

これによりGoogleのクラウドを利用するデベロッパーはActive Directory、 SQLサーバー、SharePoint、Exchange、ASP.NETサーバーが使えるようになる。GoogleはMicrosoft License Mobilityをクラウドのユーザーに提供しているので、Microsoftの顧客は既存のソフトウェア・ライセンスを追加料金の支払なしでオン・プレミスからGoogleのクラウドへ変更できる。

ただし、GoogleはWindowsサーバーをプレミアムOSに分類しているため、そのインスタンスにはUbuntu、CentOS、DebianなどのLinuxよりやや高い料金がかかる。 (SUSEとRed Hat EnterpriseもプレミアムOS)。

ここ数ヶ月、Googleはクラウド・コンピューティングにおけるWindows Serverのサポートを強化してきた。これには、 マルチ・キューGRO(generic receive offload) (Googleによれば最大7.5Gbps)のサポートが含まれる。

Microsoftのエコシステムに含まれるISV(Independent Software Vendors)の膨大な数を考えれば、その一部がすでにWindows ServerをGoogleのクラウドプラットフォーム上でサポートしていても不思議ではない。Googleは今日の発表で、そういうISVの例として特にSwiftPage、nGenx、IndependenceITの名を挙げている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

PC販売台数、昨年同期に比べて11.8%の低下(Appleはシェアを拡大)

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IDCによると、2015年第2四半期におけるPC出荷台数は前年比でマイナス11.8%となった模様だ。これは市場関係者の予測よりも若干大きな減少幅となっている。IDC曰く、前年の同四半期はWindows XPのサポート停止と重なってPCの売上が伸びたせいもある。

具体的な数字をみると、この3ヶ月で販売されたPCの数は6610万台であるとのこと。但し「ハンドヘルドPC、X86サーバー、およびタブレット」などはカウントに入っていない。最近増えているキーボードを備えないデバイスはカウントされていないということだ。

そのような中、Appleはなかなかの成績を残している。マーケットシェアは昨年段階の5.9%から7.8%と伸びている。この四半期においては、数多くのメジャーPCメーカーのうち、Appleのみが販売台数を伸ばしているとのことだ。ちなみにAppleの好調具合については以前も記事にしている。

Apple以外については、とりあえずデータを掲載しておこう。

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年内の残り期間についても、IDCはPCの出荷台数はひとけたパーセントの割合で減少するだろうと予測している。

このような状況の中、みなが注目しているのは今月末にもリリース予定となっているWindows 10だ。時期は若干ぶれる可能性もあるが、「間もなくリリース」であることには間違いなかろう。

消費者や企業が、このWindows 10のリリースを待って新たなPC購入を控えているという状況はあるのかもしれない。そうであればリリースに伴ってPCの販売台数は増加に転じることになるのだろう。ただ新OSのリリースにともなって販売台数が増えるというのはなかなかない現象であるようでもある。

(Windows 8の登場に比して、Windows XPのサポート停止に対しての方が市場の反応度は大きかった)。

PCマーケットの今後についてはさまざまな意見が存在している。。

IMAGE BY FLICKR USER DELL INC. UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED) 

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(翻訳:Maeda, H

Microsoft、Windows 10リリースの詳細を発表―ベータ・テスターが7月29日に一番乗り

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Windows 10のリリースに関するMicrosoftの先月の発表はMicrosoftウォッチャーにさえわかりにくいものだった。 今朝(米国時間7/2)、Microsoftはベータ・テスター、一般ユーザー、大規模ユーザーに対してどのようにリリースが行われるのか、もうすこし詳しい計画を発表した。

まず今回のアップグレードの規模だが、Microsoftによれば、現在Windows Insiderプログラムに参加しているベータ・テスターは 500万人いるという。5月の発表では370万だった。またWindows 10アップグレードの予約者も「数百万に上る」としている。どちらの数字も納得のいくいものだ。

MicrosoftはWindows 7、Windows 8、8.1の正規ユーザーに対してWindows 10をリリース後1年間に限り無料で提供する。これにより、2、3年後には「十億台のデバイスにWindows 10をインストールさせたい」としている。いささかおおざっぱだが、巨大な数字であることに変わりはない。

さて、それではユーザーがWindows 10を入手するには具体的にどうしたらよいのだろう? 現在Windows 10のベータ・テストに参加しているユーザーは勝ち組だ。製品版を誰よりも早く入手できる。先日Microsoftのナンバー2に昇格したTerry Myersonはこう説明する。

われわれは7月29日からWindows Insiderのメンバーに対してWindows 10を提供を始める。その後、事前に予約登録をしているデバイスに対し、ゆっくり規模を拡大しながら順次アップデートを実施する。リリース開始後もわれわれは日々ユーザーからのフィードバックに耳を傾け、改良を続け、ただちに他のWindows 10ユーザーの製品もアップデートされる。

Windows 10にもっとも強い関心を抱いているユーザーがいちばん早くWindows 10を受け取るというのは理にかなっている。他のユーザーは落ち着いて待つことになる。ボリューム・ライセンスのユーザー(読者の大部分は違うだろう)がWindows 10を受け取れるのは8月1日になる。

Myersonによれば、

OEMパートナーが発売準備中のデバイスにWindows 10のイメージを搭載できるよう、われわれは近くWindows 10のビルドを提供し始める。OEMメーカーが現在開発中のWindows 10デバイスは素晴らしいものだ。ユーザーからのフィードバックを早く聞きたいと願っている。

その後、われわれは世界中の小売店にWindows 10のビルドを提供する。これにより小売店はWindows 8.1のイメージを搭載したデバイスを顧客の要望によりWindwos 10にアップグレードして販売することができる。

ということだそうだ。Windows 10の製品版を最初に入手するのはやはり各種のコンピュータ・オタクたちのようだ。最初に出回るのがRTM〔Release To Manufacturing=量産向けリリース〕版と呼ばれるのは理由のあることだ。Myersonの言葉でそれより重要なのは「近く」だ。ベータ・テスターにコードが配給されるのが7月29日だというのだから、この「近く」は「すぐにでも」と考えたほうがいいだろう。

今回の発表でMicrosoftは「対象となるすべてのデバイスが正常にアップグレードできるようになるまでわれわれはユーザーをWindows 10に移行させることはない」と強調した。これは一つにはメディアのネガティブ・キャンペーンに対する予防線だろう。今日も「Windows 10が学校のサーバーをダウンさせ、子どもたちが給食を食べられなかった」などというニュースが出回っているが、これはMicrosoftの責任ではない。同時に膨大な数と種類のデバイスでWindows 10を作動させるという決意の表明でもある。

なにしろ10億台が目標だ。

目が覚めたばかりのところに飛び込んできたニュースなので今はこのくらいにしておく。Windows 10のリリースについては引き続きフォローしていく。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

人気のJavaScriptフレームワークMeteorがデベロッパ企業Percolate Studioを買収してサポート付き有料プランを開始

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Y Combinatorで孵化したJavaScriptフレームワークMeteorが、Meteorのヘビーユーザでデザインとエンジニアリングの経験豊富なPercolate Studio買収した。何のためかというと、Meteorが今日(米国時間6/26)ローンチした会員制有料プランで、Percolateに高度にプロフェッショナルなデベロッパサポートをしてもらいたいからだ。

Meteorが買収をするのは、昨年秋のデータベースサービスFathomDBに次いで今回が二度目だ。

MeteorのCEO Geoff Schmidtが買収の発表声明の中でこう言っている: “Meteorのユーザは加速度的に増えており、JavaScriptがWebとモバイルのアプリケーション開発の標準になりつつある今日、弊社は評価の高い開発環境だけでなく、それにふさわしいコマーシャルなクォリティのサポートをご提供したいと考えている”。

同社が有料サービスを始めるのはこれが初めてだが、そもそもMeteorのようなオープンソースのプロダクトは、サポートを収入源にするのがほぼ定石だ。

有料会員制のユーザであるデベロッパは、アプリケーションの開発途上でさまざまなサポートを受けられ、そのほかセキュリティに関するプロアクティブなアラートや、彼らのアプリケーションのアーキテクチャに関するリビューも提供される。Percolateの協同ファウンダZoltan Olahが、Meteorのこのような顧客成功努力をリードする。

このサポートプランの料金などについては、情報が得られ次第この記事をアップデートしよう。

今のところSchmidtは、“契約は年ベース、商用アプリ/アプリケーションを作っているところならどこでも会員になれる。料金はサポートの内容にもよるが、まあいちばん多いのは1か月2000ドルぐらいのケースだろう”、と言っている。

2012年にローンチされたMeteorは、その使いやすさ、JavaScriptでフロントエンドとバックエンドの両方を書ける、デフォルトのデータベースとしてMongoDBがバンドルされている、リアルタイムアプリケーションを重視、などの特長により、早くからデベロッパたちの人気が沸騰した。でもそのわりには、Meteorで作られた大物の商用プロダクトはまだ多くない。本格的な、本当にプロフェッショナルな、商用開発にもどんどん使われたいがためにMeteorは、今回のアーキテクチャとスケーリングのサポートまで伴う有料プランのローンチに 踏み切ったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon、AlexaとEchoをアンバンドル、それぞれをサードパーティーに公開―1億ドルの支援ファンドも

2015-06-26-amazon-echo-new

Amazonは私が昨日述べた希望を早くもかなえてくれた。AmazonはAlexaバーチャル・アシスタントとその最初のハードウェアである「つながったスピーカー」、Echoに対するハード、ソフト両面でのサポートを大きく拡大した。 今日(米国時間6/25)、 AmazonはサードパーティーのデベロッパーがアプリにAlexaの機能を容易に組み込めるようにするAPI、Alexa Voice Serviceを発表した。またAlexaの音声認識機能を利用するデベロッパーやガジェット・メーカーを支援するため総額1億ドルに上るAlexa Fundがスタートした。

AmazonのEchoは一見したところ奇妙なデバイスだが、音声認識ベースのコンピューティングの可能性を初めて一般ユーザー・レベルにまで拡げた点は画期的だ。 ハードウェアはしっかりしており、音声認識は強力で、実際に役立つ機能が満載されている。Alexaをサードパーティーのデベロッパーに公開したことでAmazonは音声認識コンピューティングの先頭に立つことができるだろう。 Echoに対して私の唯一の不満は、IFTTTのレシピは部分的に利用できるものの、サードパーティーのサービスとの連携が強く制限されている点だった。

Alexa Skills Kitは、Alexaのクラウド・バーチャル・アシスタント機能を利用するためのSDKで、大企業から個人のデベロッパーまで、わずかなコードを書くだけでさまざまなウェブ・サービスにAlexaの音声認識機能を連動させることができる。利用は無料だ。Amazonによれば「サンデー・プログラマーは数行のコードを書くだけで子どもたちの学校のホームページに掲載された今日のランチのメニューを音声コマンドで調べさせたりできるだろう」という。

Alexa Voice Servicesは、Alexaの機能をサードパーティーのハードウェアに関連づけるAPIで、たとえば音声認識で時刻をセットできる目覚まし時計、話しかけると応答するiPhoneの充電スタンド、音声で商品が買える自販機などが可能になる。

つまりAlexaとEchoは公式にアンバンドルされ、サードパーティーがそれぞれを独自に利用することができるようになった。多様なデベロッパー・ツールはすべて無料で提供される。ローンチ時のパートナーの一つ、Scoutはセキュリティー・ソリューションに、Toymailは子供向けのおもちゃにそれぞれAlexaを組み込む計画だ。AmazonはAlexaによる音声認識コンピューティングを世界中に広める決意を固めているようだ。

さらに総額1億ドルに上るAlexaファンドは、Alexaエコシステムの立ち上がりを強力にサポートするだろう。始まりつつある音声認識コンピューティング革命でAmazonが先頭に立ったことは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GitHub、Atomテキスト・エディタの安定版1.0をリリース―月間アクティブ・ユーザーは35万人

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今日(米国時間6/25)、GitHubの高度にカスタマイズ可能なAtomテキスト・エディタが1.0となった。Atomが一般公開されてからまだ1年しかたっていないが、すでに130万回ダウンロードされ、月間アクティブ・ユーザーは35万人にもなる。この間、Atomの開発チームは155回もアップデートをくりかえし、大量の新機能を追加してきた。

しかしさらに重要な点は、Atomのユーザー・コミュニティーが2090種類もの拡張機能パッケージと660種類のテーマを作り出したことだろう。

AtomプロジェクトはGitHubの共同ファウンダー、Chris Wanstrathによって2008年に始められた。当時はAtomicityと名付けられ、その目標は一般的なウェブ・テクノロジーを用いてデベロッパーが自由にカスタマイズできるコード・エディタを提供することだった。GitHubが成功し、Wanstrathが多忙になったため、Atomプロジェクトは2011年まで棚上げ状態になっていた。その後3年かけて開発が行われ、Atomのベータ版が一般公開されたのは2014年になってからだった。

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1.0というバージョン番号が示唆するとおり、今回リリースされたAtomはコア部分が安定したプロダクトになったと考えられている。GitHubチームはリリース・ノートで「これまでの努力は主として1.0という安定したAtomの基盤を作ることに向けられてきた。その基盤が完成したからには、われわれはこのプラットフォームの持つ潜在能力を全面的に開花させる努力に重点を移すことができる。」と述べ、さらに将来の展望を次のように述べている。

もちろんわれわれはパフォーマンス、安定性、コアなユーザー体験をさらに改良していく。国際的なサポートの拡大も重要だ。しかし新たな可能性の追求は単なる細部の改良にとどまるものではない。われわれは次のようなテーマを自らに課している。「スーパー・ディープなgitへの統合はどういうものになるだろうか?」、「テキスト・エディタにおけるソーシャル・コーディングとは?」、「パッケージ開発者が好みの言語でIDEレベルの機能を実現するために何が必要か?」

他のコード・エディタの開発チームもこうした課題に向かっていることだろう。しかしAtomのように層が厚く活発なデベロッパー・コミュニティーの支持を得ているエディタは他にない。 Atomのモジュラー性はきわめて徹底しており、たとえばFacebookがデベロッパー向けにリリースした開発環境Nuclide IDEのベースとしてカスタマイズしたAtomが用いられている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アプリケーション開発の最初から最後までの全工程を描くビデオ…アイデアとプログラミングだけじゃないよ

アプリケーションは、アイデアとプログラミング(または〜〜をやってくれる人)だけではできない。終点に到達するまでには大量の雑事があるが、プログラムを自分で作ることを漠然と夢見ている段階では、それらに考えが及ばない。デベロッパのDavid Smithは、多くの人から愛されたPedometer++やEmoji++、Feed Wranglerなどを作った人だが、このほど、アプリケーション作りの全工程を表すビデオを制作した

比較的簡単なアプリケーションを作っていく過程を、最初から最後まで細かく追っていくところが、おもしろい。いちばん最初は、何を解決するのか、というニーズや悩みの把握だ。このビデオでは、Apple Watchやスマートフォンのナビゲーションアプリでお気に入りの場所を容易に検索できるためのリストを、できるだけ簡単に作りたい、がニーズだ。実際のプログラミングの過程は、このビデオでは圧縮されて早回しになっている。

プログラミングや納品の過程を早回しで見ても、あまり参考にはならないが、このTake Me Thereと名づけた、ものすごくシンプルなアプリでも、大量の作業をこなさないと作れない、と分かることが、このビデオの目的だ。おそらくいちばんおもしろいのは、アプリケーションを作るときの、Smith自身の発想だ。彼によると、最初は前途に大小の障害物ばかり見えるけれど、それを徐々に、エレガントでやりやすい方法を見つけて変えていくのだ。

なお、そのアプリそのものも良いアイデアだ、とぼくは思った。ときどきApple Watchをナビ的に使って場所を探す人には、とくに便利だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa