FB MessengerをFacebook外の顧客でも利用できるビジネス向けプラグインをリリース

Facebook(フェイスブック)は、そのMessenger(メッセンジャー)サービスを、各企業が自社のウェブサイト上で簡単に活用できるようにし続けている。同社はまず2017年11月に、顧客がメッセンジャーサービスを使用して企業のウェブサイト上で、相手企業と直接会話できるようにする、新しい顧客チャットプラグインをリリース(未訳記事)した。ただしそのプラグインは、ウェブサイトの訪問者がFacebookにログインする必要があるなどの制限があった。米国時間8月4日、それが変わるをFacebookは宣言した(Facebookサイト)こと。

以前のバージョンのプラグインは、堅牢なライブチャットサービスを提供できない中小企業でも使えるものだったが、顧客の対話機能も制限されていた。Facebookを使っていない顧客は、そもそもログインできないし、たとえ持っていたとしても、例えば自分のものではないデバイスからウェブサイトをアクセスした場合には、企業とチャットできない可能性もあった。

また自分の問い合わせを単純に匿名で行いたかった顧客もいただろう。たとえ実際には企業側にはその気はなかったとしても、のちのちMessengerでフォローが来て鬱陶しくなるのが嫌だという心理が働くからだ。

Facebookによれば、アップデートされたプラグインにより、顧客はログインしないまま企業と話すことができるようになる。ログインする代わりに「ゲストとして続行」(Continue as Guest)オプションを使用できるようになる。とはいえ企業側では、オンライン顧客がログインしているかどうかにかかわらず、変わらずこれまでと同じツールを使って会話を管理することができる。

Facebookは、ログインすることを要件にしていたことが、製品の採用を見送らせていた可能性があることを示唆している。たとえば、顧客用のWebサイトを作成する開発者たちは、Facebookにログインしていないユーザーに対して、何らかの代替手段を提供する必要があるため、そのプラグインが必ずしも簡単に採用されるということはなかったと口にする。

「開発者としては、すべての顧客が利用できるライブチャットサービスを使用するように企業を説得する方が、はるかに簡単です」と語るのは、Recart(リカート)の創業者である Soma Toth(ソーマ・トス)氏だ。「当社のお客様は、メッセンジャーでのエンゲージメントに直接結びついた売上を見ています。そしてこのチャットプラグインは、追加費用なしでFacebookページとウェブサイトの双方で同じ投資を活用するのに役立ちます。また、Facebookにログインしていないユーザーに対して、別ルートを用意しなければならない手間が軽減されます」。

今回のアップデートでは、プラグインのルック&フィールが一新され、Facebookはテスト中に企業と顧客のチャットが45%増加したと主張している。

ただし、この増加には、ただプラグインが優れていたというだけでなく、コロナウイルスのパンデミックによってオンラインショッピングの顧客が急増したことにも原因の一端を求めることができるだろう。

Facebookのプラグインは、大規模なソーシャルネットワークに結びついているという利点がある、そこでは多くの企業が自社のFacebookページを使って顧客にリーチしている。しかしそれでもHubSpot、Intercom、Live Chat、Zendesk、Zoho、その他多数(HubSpot記事)の、大小多くのチャットアプリたちと競合している状況だ。これらの競合するソリューションたちは、CRM、アナリティック、ヘルプデスクソフトウェア、リードジェネレーションとセールスのためのツールなど、企業が使用する必要がある他のサービスとのより深い統合を提供することが多い。

Facebookによれば、現在企業はこのプラグインを自分でインストール(Facebookサイト) するか、WooCommerce、ManyChat、Haravanなどのパートナーと協力してインストールするかを選択することができる。
画像クレジット: Blendjet

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(翻訳:sako)

eコーマス業者が顧客とのより良い関係を構築することを支援するYotpoが約79億円を調達

「マーケティングクラウド」は、マーケティングテクノロジーの世界でますます人気の高いコンセプトになった。これはSalesforce(セールスフォース)、Adobe(アドビ)、Oracle(オラクル)といった企業たちが、顧客を特定し関係を保つ機能を提供する自社のデジタルツールセットを表現するために使っているコンセプトだ。現在、特にeコマース企業を対象とした独自のツールを開発しているとあるスタートアップが、ここ数カ月のビジネスの急増に続き、資金調達の動きをみせている。

そんなスタートアップであるYotpo(ヨットポ)が提供するツールセットは、D2Cをはじめとする様々なeコーマス業者が顧客とのより良い関係を構築することを支援する。同社は米国時間8月4日、7500万ドル(約79億円)の資金調達を発表した。調達した資金はプロダクトの強化に用いられることはもちろん、新規顧客の獲得や、より多くのインテグレーションパートナーを得るために使われる予定だ。

今回のシリーズEには、Yotpoの既存の投資家の多くが名を連ねている。具体的にはBessemer Venture Partners(BVP)、Access industries(Warner Music Groupのオーナー)、Vertex Ventures(Temasekの子会社)、新しい投資家であるHanaco(イスラエルのスタートアップに集中している企業だが、Yotpoはテルアビブとニューヨークにそれぞれ本社を置いている)そしてその他の名もなき投資家たちである。

スタートアップがこれまでに調達した資金は合計で1億7600万ドル(約186億円)に上る。評価額は開示されていないものの、CEOのTomer Tagrin(トマー・タグリン)氏はそれを「ほぼユニコーン」(評価額10億ドル=約1060億円以上)と表現している。タグリン氏は同社をCOOのOmri Cohen(オムリ・コーエン)氏と共同創業した。

「私たちは自分たちが開発しているものをフラミンゴと呼びたいですね。珍しく美しい動物でありながら、実在の動物であることは間違いありません。私たちはきちんとしたビジネスを展開しています」と彼はインタビューに答え、そしてYotpoは来年年間1億ドル(約106億円)の年間経常収益(ARR)を目指していると続けた。

同社は、Shopify(ショッピファイ)のApp Storeアプリとしてスタートして、Shopifyの顧客に対してユーザー生成コンテンツによって顧客エンゲージメントを支援するためのツールを提供してきた。今ではそうした単一の機能には収まらず、Salesforce、Adobe、BigCommerce(ビッグコマース)をはじめとする500以上の戦略パートナーを得ているが、YotpoのCEOは今でも自身の会社をShopify風の言葉で説明するのが好きだ。

「Shopifyがあなたのビジネスを管理してくれるのと同じように、私たちはみなさんのお客様をエンドツーエンドで管理します」とタグリン氏は語る。彼はマーケティングクラウドにおける統合の大きな流れは素晴らしいことだが、それは万能薬ではないという。彼はYotpoのeコマースに特化したアプローチは、他のものとは一線を画すものだと信じている。なぜなら彼らのアプローチは、D2Cやその他のeコマース企業に特有の問題に対応しているからだ。

現在Yotpoのサービスには、SMSとビジュアルマーケティング、ロイヤルティーと紹介サービス、レビューと評価などが含まれていて、これらはThird LoveやAwayなどの新しいD2C業者から、パタゴニアや1-800-Flowersのような既存業者にも利用されている。こうしてサービスの中には、社内で開発されたものもあれば、買収によって開発されたものもある。最も新しいのは2020年1月に買収されたSMSBump(Cisionリリース)である。調達資金の一部を使って買収戦略を継続する予定だ。

「3年以上前に行った最初の投資以来、トマーとオムリの経営は問題なく行われ、製品ラインは拡大し幅広い顧客にサービスが提供され、組織全体で強力な人材を継続的に採用しています」と声明で語るのは、BVPのパートナーであるAdam Fisher(アダム・フィッシャー)氏だ。「Yotpoは消費者を魅了し、収益を増やすというeコマースブランドの二重の課題を解決することを支援することに特に重点を置いています。彼らのマルチ製品戦略と革新的な優位性によって、今後数年間は、eコマース業界で優位な地位を占めることができるでしょう」。

Yotpoはフリーミアムプラットフォームとして構築されていて、現在約9000の顧客が、有償でサービスを利用しており、無償のサービス枠は28万の顧客に利用されている。タグリン氏によれば、2019年の顧客増加は250%だという。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが、インターネットの利用特にeコーマスの利用に影響を与えたことは詳細に報じられている。これは人びとが、自宅避難命令に従ったりウイルスの拡散を遅らせるために、対人距離を広くとうろうとしたりしながら物事を動かそうとしてデジタルチャンネルに殺到したためだ。

eコマースは何年も成長し続けていたが、2020年2月以降この傾向の加速が顕著なものになった。デジタルマーケティングエージェンシーのCommon Thread Collectiveの調査によれば、ここ数カヶ月にわたって収益と支出の双方の数字が一貫して基準値を上回っている(Common Thread Collectiveブログ)。

これは結果として、より直接的かつ個人的な方法で営業を行うeコマースを支援する企業に、大きな影響を与えることとなった。Yotpoはその恩恵を直接受けた企業の1つだ。同社によれば新規顧客の登録が急増し、多くが有償サービスを利用し、ARRが前年比170%となり、顧客離脱率が低下したという。

もちろん全体として見たときには完全に良い話ばかりというわけでもなく、技術サービスの世界全体では何千人ものレイオフが行われ、膨大な数の実店舗が閉鎖されている。こうした経済指標が示すのは、単により多くのビジネスがオンラインなるということだけではなく、全体的な支出の減少を引き起こす連鎖反応につながる可能性があるということだ。

それは必然的に、Yotpoのようなスタートアップにも影響を及ぼす。現在はもちろん成長しているものの、これからも長期的な影響とより幅広いユースケースにフィットさせるためにその製品を多様化させる方法を考えていくことだろう。

例えば現在、同社はZendesk(ゼンデスク)などの企業とのインテグレーションを通してカスタマーケアのニーズに対応しているものの、長期的にはこのようなサービスを自ら導入して、D2Cブランドとその顧客との間の接触ポイントの構築を継続する可能性がある。特にYotpoのプラットフォーム上でプロファイリングされた顧客全体に対してそれを提供するのだ。

「これがミーティングなどで行われる製品に関する議論の大部分を占めています」とタグリン氏は製品の拡張について語る。

「私は、成長と資金調達のお祝いは、何か別のことでもたらされると考えています。私たちは何が起こっているのかをもっと内面化する必要があるのです」と彼はいう。「世界は正常に戻っていませんし、私たちは正常であることを前提に振る舞うべきでもありません」。

画像クレジット:skaman306 / Getty Images

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(翻訳:sako)

量子コンピューティングのRigettiが約83億円のシリーズCラウンドをクローズ

IBM(アイビーエム)やMicrosoft(マイクロソフト)、D-Wave(Dウェーブ)といった業界大手に挑む量子コンピューティングスタートアップのRigetti Computing(リゲッティ・コンピューティング)は米国時間8月4日、7900万ドル(約83億円)のシリーズC資金調達ラウンドをクローズしたと発表した。本ラウンドはBessemer Venture Partnersがリードし、Franklin Templeton、Alumni Ventures Group、DCVC、EDBI、Morpheus Ventures、Northgate Capitalが参加した。

BessemerのTomer Diari(トマー・ディアリ)氏、Veritas Softwareの前CEOのMark Leslie(マーク・リーズリー)氏がRigettiの役員会に加わる。

2020年初め、TechCrunchはRigettiが当時少なくとも7100万ドル(約75億円)の調達(未訳記事)を模索しておりダウンラウンドになるようだと報じた。Rigettiの広報担当は今回のラウンドでのバリュエーションについて詳細は明らかにしなかった。

「本ラウンドにより当社は量子のアドバンテージをマーケットに届けるという目標に一歩近づいた」とRigettiの創業者でCEOのChad Rigetti(チャド・リゲッティ)氏は述べた。「当社はスケーラブルで、エラーが修正される量子コンピューティングの構築にフォーカスしていて、クラウドを介した現行システムへの高パフォーマンスアクセスをサポートしている。実用的なアプリケーションのためにデザインされた特有のハイブリッドコンピューティングアクセスを提供する」。

Rigettiは現在、同社のマシーンへのアクセスのためにクラウドベースのサービスを提供している。また現在プレビュー中のAWSのBraketサービスを通じても提供している。Rigettiは最近、昔のコンピューターを上回る量子コンピューターを作るための860万ドル(約9億円)のDARPA(米国防高等研究計画局)賞を受賞した。

「ひと度、量子のアドバンテージが達成されると、量子コンピューティングが途方もなく価値あるものにならない分野はない」とFranklin Equity Groupの副社長でポートフォリオマネジャーのJonathan Curtis(ジョナサン・カーティス)氏は話した。「Rigettiは先端テクノロジー、素晴らしい専従チーム、そして重要な商業・政府・市場開拓の関係を備えていて、この重大な新興マーケットにおいて数少ないリーダーの1社だと確信している」。

量子コンピューティングは長い間多くの約束をしてきたが、過去数年は実際に前進している。さまざまな企業が現実世界のユースケースのほとんどにまだ十分に対応できないワーキングシステムを構築しているが、これは多くのことを約束している。Rigettiは、おそらく他社よりもそうだろうが、こうした現実世界のユースケースにフォーカスしてきた。

「我々が科学の境界をサイエンスフィクションの領域に押し込み続けるにつれ、量子コンピューティングは高パフォーマンスコンピューターにおけるパラダイムシフトを起こす」とディアリ氏は述べている。「量子テクノロジーは生物学、化学、ロジスティック、材料科学において目覚ましい発展を生み出す可能性を秘めている。Rigettiが生産レベルのシステムに向け、最もクリアな近道を提供すると我々は確信している」。

画像クレジット:Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナで延期されていた「ムーラン」が9月4日にDIsney+で公開、3000円以上の追加料金が必要か

果たしてThe Walt Disney Company(ウォルト・ディズニー・カンパニー)は、「Mulan(ムーラン)」の伝統的な劇場公開方法をやめるのかどうか気になっていた人たちへ。答えが出た。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、ディズニーはPixar(ピクサー)の「Onward(2分の1の魔法) 」をはじめとするいくつかの作品のストリーミング公開を早めた(未訳記事)ほか、「Artemis Fowl(アルテミスと妖精の身代金)」などの作品を直接 Disney+で公開したりしてきたが、「ムーラン」や「Black Widow(ブラック・ウィドウ)」といった話題作は、これまでストリーミングを遅らせていた。実際、「ムーラン」はChristopher Nolan(クリストファー・ノーラン)の「TENET テネット」と並んで、映画館再開の暁には最大の人気作品になるはずだった。

しかし、米国でパンデミックが収まる兆候が見られずニューヨーク、カリフォルニアといった主要市場で劇場が再開できる見通しが立たない中(The Atlantic記事)、Warner Bros.(ワーナー・ブラザース)は「TENET テネット」を従来の劇場公開スケジュールに従うことなく、一部の北米都市で9月3日に公開する前に、8月に世界の各都市で公開する予定だ。

そしてDisney CEOのBob Chapek(ボブ・チャペック)氏は決算会見の中で、「ムーラン」を米国、カナダを含む「大多数の国々」においてDIsney+(ディズニープラス)でプレミア公開し、一部の地域では劇場公開も行うと語った。

どうやら、登録ユーザーはこの作品を見るために29.99ドル(約3170円)を追加で支払う必要があるようだが、チャペック氏は仕組みの詳細を明らかにしなかった。もし「ムーラン」の評判が良く、もし一部地域で映画館を開くことがまだ安全でないなら、ディズニーは「ブラック・ウィドウ」や他の新作についても同じ戦略をとるかもしれない。

会見中チャペック氏は、 Disney+の有料会員が6050万人以上になった(未訳記事)ことも話した。

関連記事:Theaters are ready to reopen, but is America ready to go back to the movies?(未訳記事)

画像クレジット:The Walt Disney Company

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルのマーケティングトップを長年務めたフィル・シラー氏が裏方へ後任はグレッグ・ジョスウィアック氏

30年以上におよびApple(アップル)を登りつめ、マーケティングのチーフを務めていたPhil Schiller(フィル・シラー)氏が同社で一歩退き、同社で長年プロダクトマーケティングを率いたGreg Joswiak(グレッグ・ジョスウィアック)氏にその役を譲った。

シラー氏は、Apple Fellowとしての新たな役割を引き受け、App Storeと同社のイベントの指揮を継続する、と同社のプレスリリースで述べられている。シラー氏は1987年からアップルに在籍し、20年あまり同社の役員チームに所属し、アップルのイベントでは頻繁にステージに立った。Apple Fellowに就任し、CEOであるTim Cook(ティム・クック)氏の直属になる。

シラー氏に代わって彼の仕事の大半を引き継ぐジョスウィアック氏は、アップルのプロダクトマーケティングのベテランで、最近はイベントやメディア発表に登場する機会も多く、アップルの新しい顔になっている。ジョスウィアック氏のワールドワイドマーケティング担当上級副社長への昇進は、アップルへの20年近くの在籍を踏まえている。

これによってシラー氏は、主にアドバイザー的な役割に移るようだ。特に現在、同社が米国のテクノロジー企業の反競争的行為をめぐる話し合いの最前線に立ち続けている中、シラー氏がApp Storeのメッセージングを引き続き担当するのは興味深いところだ。App Storeは、デジタルサービス上の収益共有モデルを批判されており、CEOのティム・クック氏は最近、他の大手テクノロジー企業のCEOらとともに米国下院の反トラスト委員会で証言した。

「フィルは、アップルの今日を築いた功績者の1人であり、彼の貢献は多様、広大そして深いものだった。新しい役割で彼は、すばらしい思想的パートナーシップと、彼が数十年間アップルでそうであったような指導力を発揮し続けるでしょう。一方プロダクトマーケティング部門におけるジョズの長年のリーダーシップは、今回の彼の新しい役割に完全に適しており、チームが重要でエキサイティングな仕事に取り組んでいる今この時に、シームレスな移行を確実にしてくれるでしょう。経営陣全員が、彼の協力とアイデア、活力に助けられると思うと、私もわくわくしています」とクック氏は声明で述べている。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

不動産管理会社・不動産投資家向け資産運用・管理のWealthParkが9億700万円を調達

不動産管理会社・不動産投資家向け資産運用・管理のWealthParkが9億700万円を調達

WealthParkは8月5日、シリーズBラウンドとして総額9億700万円の資金調達を完了したと発表した。累計調達額は計18億9800万円となる。引受先は、SBIインベストメント(SBI AI&Blockchain 投資事業有限責任組合)、みずほキャピタル(みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合)、あおぞら銀行、日本政策金融公庫、国内外複数の個人投資家。

WealthParkは、主力事業として、不動産領域における資産運用・管理プラットフォームを不動産管理会社向けを中心として展開。2020年7月末現在、70社超の不動産管理会社、1万3000名以上の不動産投資家がサービスを利用しているという。また複数の海外管理会社にもサービスを提供しており、不動産投資家のニーズに対応したクロスボーダー展開も進めている。

不動産管理会社・不動産投資家向け資産運用・管理のWealthParkが9億700万円を調達

今後は、金融機関との連携による電子取引利便性の向上や各種手続きのオンライン化を計画しており、不動産管理会社、不動産投資家により多くの機能をオンラインでデジタルに提供することを計画。また同社提供のプラットフォームは「不動産」の領域にとどまらず、「テクノロジー」をキーワードに、不動産管理会社とともに、「ウェルスマネジメント」の領域へと事業領域を拡大していくという。

WealthParkは、不動産管理会社向けに、業務効率化・管理支援ツールを提供。また不動産管理会社と、その顧客である不動産オーナー間のコミュニケーションツールとして、4言語(日本語・英語・繁体字・簡体字)対応のモバイルアプリ(iOS版Android版)を用意。6ヵ国・地域でサービスを展開している。

アマゾンによるオンデマンド料理配達アプリDeliverooの16%株式取得を英当局が承認

ようやく正式なものとなった。Amazon(アマゾン)のCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が、同氏のeコマース帝国のマーケットパワーを懸念する米国の議員から変な質問責めにあった(未訳記事)数日後、英国の競争・市場庁(CMA)はアマゾンによる英国のオンデマンドフードデリバリーアプリであるDeliverooの16%株式取得を承認した。

CMAは、この件について15カ月にわたって調査してきた。調査第1段階を12月に終了した際、懸念が残るために第2段階の調査を行うことを決めた。アマゾンがオンラインレストランフードマーケットに再参入し、「英国におけるオンラインコンビニエンスグローサリー配達マーケットでさらにシェアを拡大する」ことを認めるべきかどうかを吟味するというものだ。

CMAが作業を開始してほどなくして、新型コロナウイルス(COVID-19)が欧州を襲った。新型コロナがDeliverooの事業に影響を及ぼしたように、調査も影響を受けた。当初、新型コロナの影響はネガティブなものでDeliverooはアマゾンの株式取得なしでは倒産する、と主張した。CMAはDeliverooを「破綻会社」として扱い、Deliverooのマーケットからの撤退が競争を悪化させることになるとして同社の意見に同意した。そして2020年4月にアマゾンのDeliveroo株取得を暫定的に承認した(英国政府リリース)。

そして6月に再びCMAはこの件を暫定承認した(未訳記事)。ただ、4月からはDeliverooを破綻会社としては扱っていない。というのも、レストランフード配達マーケットの回復が予想よりも早く、レストラン「ミックス」(脱大手フードチェーン、小規模の独立レストランへの回帰)の動きが認められたからだ。いずれも、Deliverooの金庫に金が流れ込む結果につながった。同社の財政は「急回転」を経験したが、それでもCMAは競争阻害のリスクの「実質的な評価」を完了させる必要があるとした。

そして最終的に、アマゾンによるDeliverooの16%株式取得に競争阻害のリスクはないとの結論が出た。そのためベゾス氏は大喜びできる。もちろん、彼はDeliverooが一体何かを知っているはずだ。

CMAは、競争の観点からの今回の承認は「アマゾンとDeliverooが提出した内部資料の集中的な分析、消費者3000人を対象に行った調査、利害があるサードパーティからの意見提出」(英国政府リリース)によるものだと述べた。

アマゾンによる16%の株式取得が、今後のレストランデリバリーとオンラインコンビニエンスグローサリー配達において、Deliverooと独立して競うためのインセンティブにどのように影響するかを調査した、とCMAは説明した。

「CMAはこのレベルの投資はいずれのマーケットにおいても競争を実質的に阻害しない、との結論に至った。ただ、アマゾンが例えばDeliverooの支配持分を取得するなどしてDeliverooの支配力を高めようとすれば、CMAによるさらなる調査につながる」と付け加えた。

声明文の中で、CMAパネル委員長のStuart McIntosh(スチュアート・マッキントッシュ)氏は「調査第2段階で適用した法的基準を考慮し、株式取得の取引はレストランデリバリーとコンビニエンスグローサリー配達の両方において実質的に競争を阻害しないと結論づけた」と述べた。

マッキントッシュ氏はまた、決定が投資の規模とアマゾンの「2つのマーケットにおける競争するためのインセンティブ」を反映したものだとわざわざ強調した。つまり、アマゾンがDeliverooの持分を増やそうとすれば、調査が行われることを警告した。

アマゾンがDeliverooアプリ事業の5億7500万ドル(約607億円)のシリーズGラウンドをリードすると発表したのは2019年5月のことだ(未訳記事)。

この動きは、eコマース大企業のアマゾンが2016年にPrime(プライム)会員向けにロンドンのレストランのオンデマンドフードデリバリーを立ち上げた(未訳記事)後の次なる行動を合図するものだった。しかし、同社はDeliverooやUber Eatsのような手強い競合相手に直面し、数年後にデリバリーサービスを取りやめた(未訳記事)。

CMAの承認について、DeliverooはCMAが調査の拠り所としてきた5つの「競争阻害要因にかかる理論」がいずれも実証されなかった、と強調した。

同社の広報担当は以下の声明を出した。

CMAが15カ月に及ぶ調査を終え、アマゾンのマイノリティ投資が前に進められることを喜んでいる。

これは英国の顧客とレストラン、そして英国経済にとって素晴らしいニュースだ。英国生まれのDeliverooは、今回の資金を顧客のための選択肢と価値の増加に、そしてレストランのサポートに使う。また、社が拡大するにつれライダーにさらに多くのフレキシブルな仕事を提供できる。

世界で最も顧客第一主義でイノベーティブな企業であるアマゾンが当社にかなりの信頼を示し、そして当社の未来への出資を選んだことに興奮している。

Deliverooは、アップデートされたビジネス指標のいくつかを示した。同社プラットフォームには現在、世界のレストラン10万店が登録されていて、今年だけで3万店が加わった。同社は、新型コロナ危機によりレストランが売上の生命線としてデリバリーに対応するようになったことが貢献している、と指摘した。

「Deliverooと協業している世界のレストランの7万5000店は小規模の独立経営レストランで、パンデミックで最も影響を受けている」と同社は付け加えた。

画像クレジット:Deliveroo

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(翻訳:Mizoguchi

2020年に再び盛り上がる特別買収目的会社上場、今度はEVメーカーLordstown Motorsが株式公開

2020年6月にピックアップトラックのプロトタイプを発表(未訳記事)した、創業1年目のオハイオ州の電気自動車(EV)メーカーであるLordstown Motors(ローズタウン・モータース)が、16億ドル(約1690億円)の評価額を持つ特別買収目的会社(SPAC)のDiamondPeak Holdings Corp(ダイアモンドピーク・ホールディングス)との合併契約を交わした。

この契約は、Lordstown MotorsがSPAC(別名ブランクチェック企業)との合併契約を通して上場企業になることを意味している。他のEVメーカーであるMikola Motor(ニコラ・モーター)や Fisker Inc.(フィスカー・インク)も、ここ2カ月のうちにSPACを介して公開企業になっている。またオンライン中古車市場のShift Technologies(シフト・テクノロジーズ)や、センサー企業のVelodyne Lidar(ベロダイン・ライダー)も、SPACを利用して従来のIPOパスを回避し、公開にこぎつけた。

今回のSPACの場合、合併後の会社は新しいチッカーシンボル、RIDEとしてナスダックに残る。DiamondPeak Holdings Corp.自身は、これまでティッカーシンボルDPHCとしてナスダックに上場されていた。

同社は、ゼネラルモーターズからの7500万ドル(約79億円)の投資を含む私募増資(PIPE)で、5億ドル(約529億円)を調達できたという。参加したその他の機関投資家はFidelity Management&Research Company、Wellington Management Company、Federated Hermes Kaufmann Small Cap Fund、そしてBlackRockが管理するファンドやアカウントなどだ。

合併手続きは2020年の第4四半期に完了する予定だ。合併後の新会社の取締役会には、Lordstownの創業者兼CEOであるSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏と、DiamondPeakの会長兼CEOであるDavid Hamamoto(デビッド・ハマモト)氏が参加する。

SPACは何十年も前から存在しており、これまで「ブラインドプール」「クリーンシェル企業」「ブランクチェック企業」など、さまざまな名称で呼ばれてきた。SPACは一般市場から資金を調達して民間企業を買収する以外には、明確な事業計画や目的を持たない企業だ。SPACは2020年になって、特に第2四半期からこの第3四半期にかけて再び増加している。

Lordstownは、このような若い会社にしては興味深い歴史を持っている。Lordstown Motorsはバーンズ氏の経営する他の公開企業であるWorkhorse Group(ワークホースグループ)から分かれた企業の1つだ。Workhorse Groupはバッテリー式電動輸送技術企業である。Workhorseは1998年に設立された小さな会社で、さまざまな点で財政的に苦労している。その派生会社であるLordstown Motorsは、請負業者や商用市場の顧客を対象とした、Enduranceと呼ばれる電動ピックアップトラックのプロトタイプ(未訳記事)を発表した。

計画では、この電動商用トラックを2021年の後半からオハイオ州ローズタウンにある旧GM組立工場で、年間2万台の規模で生産する予定だ。Lordstown Motorsは、2019年11月にGMから620万平方フィート(約57万6000平方メートル)の工場を買収した。

合併後の会社は、SPAC取引から得られる約6億7500万ドル(約714億円)を、Enduranceの生産に供給する予定だ。バーンズ氏によれば、トラックの発表以来、同社は14億ドル(約1480億円)相当の予約注文(約2万7000台分)を受けているということだ。

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(翻訳:sako)

米連邦通信委員会がSNSのコンテンツ免責をうたう第230条へのトランプ大統領の攻撃について市民にコメントを求める

【抄訳】
米連邦通信委員会(FCC)の委員長であるAjit Pai(アジット・パイ)氏は、現在のインターネット経済の創造に寄与したと思われるある種の保護を薄めようとするためにトランプ大統領が2020年5月に開始した計画に対して、それについての考えを、一般国民に求めることを決めた。露骨に報復的な命令は、法的には笑えるようなものであり、一般市民からの声がなくても解決する可能性があると思われるが、FCCはみんなの意見を求めており、それを伝えたほうがいいかもしれない。

コメントは長年使われてきた(未訳記事)FCCの電子的コメント提出システムで残すことができるが、ここで出すことができるが、その前にいくつかの事実を知っておいて欲しい。

問題の通信品位法第230条は、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)のような企業が、彼らが単にホストしたにすぎないコンテンツに関して法的に有責になることを防ぐ。ただし、不法なコンテンツを迅速に削除したならば、という条件が付く。一部の人たちは、この保護があることによって企業にそのプラットフォーム上の発言を操作する機会を与えると感じている。トランプ大統領はメールによる投票について立証されていない主張をして、Twitter(ツイッター)に「事実確認」の警告を出され、自らが操作のターゲットになったと感じた。

命令そのものを理解し、また、その影響を受けてしまう企業やその法律を作成したオレゴン州選出民主党のRon Wyden(ロン・ワイデン)上院議員からのコメントを読みたい人は、トランプ大統領がその命令に署名した当日の記事(未訳記事)をお読みいただきたい。ワイデン氏はその命令を「明白に違法だ」といっている。

第230条の不備な部分を補うための超党派の取り組みについて知りたい人は、6月に発表されたPACT Act(プラットホームの責任と消費者の透明性に関する法)をチェック(未訳記事)しよう。この新しい法律の起草についてハワイ州選出民主党のBrian Schatz(ブライアン・シャッツ)上院議員は、「削岩機ではなく外科用メスを使った」と述べた。

関連記事:米連邦通信委員会の委員がSNS関連の大統領令を非難、我々の専権事項と主張

FCC側の状況についてわかりやすいのは、現職の委員であるBrendan Starks(ブレンダン・スタークス)氏のコメントだ。彼は命令の適法性と倫理を問題視し、命令は一部の企業を脅かすための個人的な復讐だと比喩的に語った。

【中略】

なお、パイ委員長が公衆コメントの期間について触れているメモの中で触れているのはスタークス委員のことだろう。パイ氏は「法の無視や公衆の排除を要求する人たちには合意できない。すべての利害関係者がこの重要な問題の論争に加わるべきだ。活発な議論は歓迎するが、議論の排除はノーだ」という。

これに対してスタークス委員は、この命令にはFCC自身が迅速かつ権威をもって対処すべきだ、と考えている。なぜならこのコメント投稿のような形式の陳情の法的有効性が疑われる可能性もあるからだ。FCCが自ら考えて、自ら判断すべきものを一般市民に判断させようとするのも問題だ、とスタークス氏は考えている。しかもFCCがコメントの結論的な大勢をどれだけ真剣に受け止めるのか、それとも無視するのか、その採否すらわからないのだ。

【後略】

画像クレジット:Mark Van Scyoc / Shutterstock

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

TikTok売却で中国のネットユーザーが「売国奴」と ByteDanceのCEOを非難

たとえTikTokが最大のマーケットであるインドを失っても、米国で抗い難い困難に直面しても、ByteDance(バイトダンス)はグローバルなテクノロジー会社にとなるという野心を失ってはいない。しかし中国の一部の人々は、北京拠点のByteDanceが米国の要求に応じ過ぎだと非難している。

ByteDanceは降りかかってくるさまざまな困難にも関わらず、8月2日遅くに投稿した声明で「グローバル化した企業になるというビジョンをこれまで通り追求する」と述べた。

米国の議員や世論を動かそうと何カ月も取り組み、TikTokは不本意ながら2つの譲歩に至った。「CFIUS(対米外国投資委員会)によるTikTokの米国事業の強制売却、または米国でのTikTokアプリを禁止する大統領令の可能性に直面した」とByteDanceの創業者でCEOのZhang Yiming(張一鳴、チャン・イーミン)氏は8月3日、従業員に宛てたレターの中で説明した。

TikTokの件は目まぐるしく動いている。この記事の執筆時点で、Microsoft(マイクロソフト)がTikTok買収で米国当局と協議していることを認めている。先にDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は、米国企業による中国所有のアプリの買収は支持しないと話していた

中国側では、ByteDanceが「米国でTikTokアプリの提供を続けるための障害を取り除くのをサポートしてくれるテック企業と予備的協議を始めた」と張氏はスタッフに語っていた。このコメントは、TikTokの米国ゼネラルマネジャーであるVanessa Pappas(ヴァネッサ・パパス)氏の、TikTokは「どこかに行くつもりはない」という言葉をフォローするものだ。

張氏はレターの中で不満を堂々と述べた。「CFIUSの結論には同意しない。なぜなら当社は常にユーザーの安全、プラットフォームの中立性、透明性を守ってきたからだ。しかし、現在のマクロ環境の中での彼らの決定は理解する」。

怒れるネット市民

しかしByteDanceの対応は明らかに中国の一部の人の賛成を得ることができなかった。中国の人気ミニブログプラットフォームであるWeibo(新浪微博)では、数百人もの匿名ユーザーが張氏のレターについて投稿し、同氏を「売国奴」「米国擁護者」「臆病者」などとなじった。

「意見が一方通行の中国と違って、議論が許される米国を称賛するのに張一鳴は慣れている。そして今、彼は平手をくらった。彼はなぜ米国と議論しないのか」。この厳しい批判には3600以上の「いいね」がついた。

2010年初めからの張氏のWeibo投稿に言及するコメンテーターも現れた。それらの投稿はリベラルに偏っていて、こうした投稿によって同氏は「パブリックインテレクチュアル(公的な知識人)」ランキング入りした、と一部の人には映っている。インターネット愛国者はそうした人々を無知で西洋価値の崇拝者とみなし、「パブリックインテレクチュアル」は近年、軽蔑的な言葉として考えられている。

「中国人ソーシャルメディアユーザーの一般的な見方は、今回の件は米国・中国貿易戦争の一環としてのしっぺ返し策であるというものだ。またTikTokが成功し、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)といった米国プラットフォームにとって脅威となっているために、こうした事態になったと考えている」とAppInChinaのCEOであるRich Bishop(リッチ・ビショップ)氏は話した。同社は海外のアプリやゲームの中国でのリリースをサポートしている。

張氏のWeiboアカウントは現在一時凍結されている。これはおそらく、怒った愛国者たちが張氏の投稿に流れ込むのを防ぐためだろう。

オンライン上での感情がどれくらい中国社会を代表するものなのか、あるいはそうした動向が政府が雇ったコメンテーターによる操作なのかを見極めるのは難しい。インターネット上の怒りに比べると、中国政府は比較的、状況を甘受している。外務省の報道官は定例会見でTikTokに対する米国の主張を「いちゃもん」をつけていると否定した(CGTN記事)にすぎない(米政府はまだTikTokが国家保障の脅威であるという主張を支える確たる証拠を示していない)。

結局、中国で大々的に事業を展開している米国インターネット大企業が少ないため、中国政府はそれほど報復措置を取れない。

業界からは同情

中国のスタートアップや投資家はByteDanceに対して同情的だ。もしマイクロソフトによる買収案が進めば、TikTokにとっては最悪の結果とはならないかもしれないと考えている。

「彼らは動きが取れない」とSOSVが支援するクロスボーダーのアクセラレーターでChinacceleratorのゼネラルパートナーであるWilliam Bao Bean(ウィリアム・バオ・ビーン)氏は話した。「規則が急変する状況にある。消費者はおそらくTikTokを利用し続けたいはずで、マイクロソフトによる買収は使用継続を可能にする1つの方法だ。しかしByteDanceが真に望むものだとは思わない」。

AppInChinaのビショップ氏は、マイクロソフトの中国政府に対する対立的でない態度を指摘した。「どちらのサイドにとってもいい結果だと思う。もちろんマイクロソフトはTikTok買収でかなり恩恵を受ける。ByteDanceはそれなりの対価を受け取る。同社と中国政府はマイクロソフトに対して割に友好的だ」。

テック業界は、TikTokが珍しい存在であることをよく知っている。対抗措置は中国企業の米国進出、おそらく他の欧米マーケットへの進出にも萎縮効果をもたらすが、そもそも中国から欧米諸国に進出するインターネット企業はそう多くはない。

「中国のために構築されたソリューションのほとんどは、西洋諸国で人々が抱える問題を解決しない」とバオ・ビーン氏は述べた。

WeChatの親会社Tencent(テンセント)が示しているように、積極的な買収と数多くのヒット作で中国のゲームはおそらく西洋諸国で最も受け入れられているものだ。小規模のデベロッパーは、中国の企業であることを「表に出さない」戦略に頼っている。

米国に上場しているとある中国インターネット企業のCEOは「我々はメディアのインタビューを受けないようにしている」と匿名を条件に語った。

「問題は萎縮効果ではなく米国、カナダ、オーストラリア、インドなどで機会を失うことだ。ヨーロッパで成功するチャンスもまた小さくなり、リスクは増大している」と匿名希望のCEOは述べた。

「これから世界に出ようとする中国企業が目を向けられるのは東南アジア、アフリカ、南米だけになる」。

画像クレジット:DuKai photographer / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterが白人至上主義団体KKKの元リーダーのアカウントをついに永久追放

Twitter(ツイッター)は、白人至上主義団体のKu Klux Klan(クー・クラックス・クラン)の元リーダーであるDavid Duke(デービッド・デューク)氏のアカウントを永久に凍結したことを明らかにした。

デューク氏は何年にもわたりTwitterのプラットフォーム上で自由に活動してきた。約5万3000人のフォロワーを擁し、最近はトランプ大統領の再選を支持するとツイートした(Gizmode記事)。現在、同氏の@DrDavidDukeアカウントページに行くと「アカウント停止」のお知らせが表示される。

Twitterの広報担当者はTechCrunchに対し、デューク氏追放は恒久的な措置であると認め、次の短い声明を電子メールで送った。

あなたが参照したアカウントは、悪意ある行為に関するTwitterのルールに繰り返し違反したため永久に停止されました。この強制措置は、最近更新された有害なリンクに関するガイダンスに準拠しています。

この動きはどこでも「反ナチス」によって歓迎されたが、Twitterが「KKKの顔」を追放するのにこれほど時間がかかったことを喜んでいる人はいない。同社は長い間、プラットフォームにおける悪意ある行為を禁止するポリシーについて主張してきたが、一方で独自ルールの実際の施行には何年もかかった。

Twitterはポリシーに定義されている「許容される行為」の制限に関して積極的に行動しないことで悪名高い。同社は長年にわたり、誹謗や有害なヘイトスピーチを実質的にチェックせず、それらが蓄積され、拡がるのを許してきた。 最終的に同社は、ユーザーが怖がって逃げていく動きを止めるために自社の行動指針の整理を余儀なくされた。2017年にTechCrunchが指摘(未訳記事)したように、これはどんな基準によっても優れたリーダーシップの定義に当てはまらない。

それから数年の間にTwitterは施行の準備を徐々に進めてきた。2018年には、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOによる「対話的健全」(未訳記事)に向けた動きがあり、ヘイト行為に関するポリシーをさらに拡大した。施行の状況は依然つぎはぎ(未訳記事)で、まだら模様(未訳記事)だが、今年は大きく前進したようだ。それは悪名高い英国の右翼ヘイトコメンテーターの追放で始まった。

Twitterによる2020年の施行の原動力は、パンデミックと関係が深いかもしれない。Twitterは3月、新型コロナウイルスの偽情報がオンラインで広まることを懸念し、新型コロナデマと戦うためのステップとして、有害なリンク、または「悪意あるURL」の拡散をゼロにすべくルールを変更(@TwitterSupport投稿)した。

公衆衛生上のリスクがTwitter本部を施行に集中するよう後押ししたようだ。プラットフォームの誰もがその恩恵を受けるはずだ。

Twitterは最近、右翼の陰謀論グループQanon(Qアノン)を取り締まり、今月初めに7000アカウントを凍結した。同社はトランプ米大統領によるプラットフォーム乱用に対応する方法もついに見つけた。トランプ氏はプラットフォームを利用して暴力的な脅しを拡散し、人種戦争をあおろうとしている(そして政治的偽情報を広めようとしている)。同社は表示方法ファクトチェックラベルをトランプ氏のポリシー違反のツイートに適用することにした。

7月には新型コロナのパンデミックに関して命を脅かしかねない誤った主張を行う動画を共有したとして、大統領の息子であるDonald Trump Jr.(ドナルド・トランプ・ジュニア)もアカウントに一時的な制限が適用された。

これはトランプ氏に放つ意図的な警告ショットのようにみえる。つまり、Twitterは公職に就いているため大統領自身を追放するつもりはないかもしれない(未訳記事)が、トランプ氏が一線を越えれば息子を追い出すつもりだ。

Twitterのリンクのブロックに関するポリシーでは、マルウェアやスパムなどの悪質なものに加えて、テロ、暴力、悪意ある行為を含む多くのコンテンツカテゴリーに関連するリンクの拡散を制限するための措置を講じることができるとしている。さらに「当社がブロックするコンテンツを共有するアカウントやリンク共有ブロックを回避しようとするアカウントは、停止を含む追加措置の対象となる場合がある」としている。

Twitterは以前、デューク氏がKKKを去ったため追放の対象とならなかったと述べた(Washington Times記事)。これにより同氏は実質的に悪意あるURLの拠点となる力を得たようだ。巧妙に人間の体裁をとり、同氏のアカウントを利用して憎しみの福音を説くコンテンツへのリンクを広めた。

パンデミックの嵐の中でも密かに恩恵を受けた者がいたわけだ。

似たような右翼のヘイトスプレッダーと同様、デューク氏はTwitterのアカウントで批判者を脅し、嫌がらせをしていた。Twitterで同氏を支持する「ネット荒らしのナチス軍」を個人の中傷に向かわせた。彼らのツイートが大量に報告されることによりTwitterのシステムを騙し、彼らのアカウントが停止されるよう仕組んだ。

言うまでもなく、デューク氏もすべてのナチスと同様、見逃されることはない。

また、Twitter独自のコミュニティ基準への挑戦に関心が集まったのは、7月に行われた「#StopHateForProfit」広告ボイコットの影響であることは間違いない。ヘイトスピーチの排除に失敗したことに対する抗議として、主要なソーシャルメディアプラットフォームで複数の著名な広告主が広告を取り止めた(未訳記事)。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

米国の成人の大半はニュースをソーシャルメディアに頼っている

Pew Research(ピュー研究所)の最新のレポートは、ニュースの大半をソーシャルメディアプラットフォームで得ている米国の成人をより理解し、最近の出来事や政治情勢をどの程度理解しているのかをテレビやラジオ、ニュース出版物を情報ソースとしている人と比較しようという試みだ。同研究所によると、調査結果の最も注目すべき点は、ニュースをソーシャルメディアに頼っている人はニュースをさほど熱心に追いかけない傾向にあり、結果としていくつかの重要なテーマで情報不足となっていることだ。

これは、もちろん多くの人がすでに感じていることを裏付けている。それは、たとえば主にFacebook(フェイスブック)でニュースを得ている人はさほど情報が十分ではない、ということだ。

しかしピュー研究所がなぜこうした結論に至ったのかを理解し、データでは明確ではないが、そうしたプラットフォームにどの程度落ち度があるのかを議論することは重要だ。

ピュー研究所はまず、通常どのようにニュースを得ているかを人々に尋ねた。

おおよそ5人に1人(18%)が世間の動向を把握するためにソーシャルメディアを使っている、と答えた。この割合は、ローカルテレビ(16%)、ケーブルテレビ(16%)とほぼ同じだが、ニュースウェブサイトまたはアプリで直接チェックすると答え人(25%)より少なかった。他の13%はネットワークテレビと答え、新聞を読むと答えた人はわずか3%だった。

画像クレジット:Pew Research

はっきりさせておくと、自身がどれだけ何かをやっているかをユーザーに答えてもらう調査は、消費者が実際にやっていることについてのハードデータを集める調査ほど有益ではない。平たくいうと、ニュースの大半をテレビから得ていると考えている人たちは実際にはソーシャルメディアで費やしている時間を過小評価しているかもしれない。その逆もまた然りだ。

「主に」ソーシャルメディアニュースの消費者グループの8%だけが2020年米国大統領選の主要ニュースを「かなり熱心に」フォローしていると答えた。これに比べ、ケーブルテレビ視聴者では37%、印刷媒体を利用するユーザーは33%だった。ソーシャルメディアグループは、ローカルテレビグループ(11%)に近かった。

新型コロナウイルスに関しては、主にソーシャルメディアニュースに頼っている人のおおよそ4分の1(23%)が、新型コロナ(COVID-19)のニュースを「かなり熱心に」フォローしていると答えた。他のグループはまたしてもこのトピックに関する割合は高く、ケーブルテレビ利用者で50%、全国ネットワークテレビ利用者も50%、ニュースウェブサイト・アプリ利用者で44%、ローカルテレビ利用者で32%だった。

こうした結果に関連して、調査参加者はまた、トランプ大統領の弾劾や新型コロナパンデミックなどを含む最近のニューストピックに関する29種の事実ベースの質問を尋ねられた。こうしたトピックで最もスコアが低かったのは、ニュース源を主にソーシャルメディアに頼っていると答えた消費者だった。

基礎的な政治知識に関連する9つの質問では、ソーシャルメディアユーザーの17%のみが9つの質問で8つ正解という「高い政治知識」のスコアとなった。27%が「中程度の政治知識(6~7問正解)」、57%が「低い政治知識(正解は5問以下)」だった。「低い政治知識」割合が最も高かったのはローカルテレビのグループだった。

画像クレジット:Pew Research

一方、ニュースを主にウェブサイトやアプリから得ている人の45%が「高い政治知識」を有していた。ラジオでは42%、印刷出版物で41%、ケーブルテレビで35%、ネットワークテレビで29%だった。

ソーシャルメディアに頼るグループはまた、他のグループよりも陰謀論にさらされる傾向にあった。陰謀論とは、例えば新型コロナパンデミックは意図的に計画されたものだった、というような考え方だ。主にソーシャルメディアで情報を得ている人の4分の1近く(26%)が陰謀論について「かなり」見聞したと答え、81%が少なくとも「少しは」と答えた。この割合は他のニュースプラットフォームよりもかなり高く、陰謀論がいかにソーシャルメディアで多く拡散するかを示している。

画像クレジット:Pew Research

にもかかわらず、ソーシャルメディアを利用するグループは、作られたニュースの影響についてさほど心配していない、と答えた。おおよそ10人に4人の割合(37%)で、たとえば2020年大統領選に関する作られたニュースの影響について「かなり憂慮している」と答えた。これは、ローカルテレビ視聴者(35%)を除いて、他のグループよりも低い。ケーブルテレビ視聴者は58%と、最も憂慮していた。

おそらく最も心配なのは、そうした陰謀論が人々の心を支配するパワーだ。ソーシャルメディアニュース利用者の一部は新型コロナ陰謀論を認識していて、ソーシャルメディアで新型コロナ情報を頻繁に得ている44%が陰謀論のセオリーは少なくとも「おそらく正しい」と答えた。新型コロナ情報でさほどソーシャルメディアに頼っていない人では33%にとどまった。

画像クレジット:Pew Research

この調査ではまた同様の手法で、新型コロナ影響やそれに関する健康問題ニュースといったトピックについて、ソーシャルメディアニュース利用者の知識を他のソース利用者のものと比較した。そしてまたしても、ソーシャルメディアグループは知識の欠如を示した。

画像クレジット:Pew Research

今回の調査の結論はというと、ソーシャルメディアユーザーは情報を多く得ていないということだ。これはこうした特定のテーマに関してはかなり正確のようだ。しかし、結論が暗示するところ、少なくとも一部の人がこのレポートから得ることは、主要情報源としてソーシャルメディアに頼っているから情報が不足しているということだ。しかしこのデータからするに、それは必ずしも真実ではない。

そうした結論の問題の1つは、ソーシャルメディアの人口統計だ。ピュー研究所の踏査ではまた、ソーシャルメディアを主要ニュースソースとする人は若く、48%が18〜29才だ。彼らはまた受けた教育が高等ではない傾向にあり、カレッジを卒業している人は26%にとどまる。対照的に、ニュースウェブサイトを利用する人でカレッジ卒は47%、出版メディア利用者では49%だ。もちろん、高等教育の欠如は部分的にはソーシャルメディア利用者が若い世代に多いという事実と結びついている。

画像クレジット:Pew Research

これまでもそうだが、若い人は年配の人と同様には政治に関心持たない。また投票にも熱心ではない。彼らは大学や新たな仕事のために引っ越したり、あるいは投票する習慣がなかったり、そして往々にして有権者登録の期限を過ぎたりするため、地元の政治にさほどかかわらない。そもそも市民の義務について十分に教育を受けていなかったり、年配の人が受けてきた教育とはギャップがあったりするのかもしれない。若者の多くが政治から疎外されていると感じていたりする。

他のトピックに関しても、若い人は同様に距離を感じてさほどかかわらないのかもしれない。たとえば、多くの若年成人が新型コロナは年配の人にだけ影響を及ぼすと考えていつものような行動をとり、感染拡大に無頓着だ。

そうであれば、ニュースについての知識の欠如は使用しているプラットフォームのせいではなく、彼らの全般的な話題への関心や関わりの欠如のせいなのかもしれない。

画像クレジット: SuperStock / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Mammoth BiosciencesのCRISPRベースのCOVID-19テストがNIHのRADxプログラムを通して資金獲得

米国時間7月31日、CRISPR(クリスパー)技術スタートアップのMammoth Biosciences (マンモス・バイオサイエンス)が、米国立衛生研究所(NIH)のRapid Acceleration of Diagnostics(RADx)プログラムから資金を獲得したことをに明らかにした。Mammothは、自社が開発するCRISPRベースのSARS-CoV-2(新型コロナウィルス)診断テストを拡大し、米国全体の検査不足問題に対応するために、この契約を締結した。

MammothのCRISPRベースのアプローチは、PCR技術に基づく既存の方法と比較した場合、検査の手法が非常に異なるために、現在の検査のボトルネックを解消するための重要なソリューションとなる可能性がある。またスタートアップは製薬大手のグラクソ・スミスクライン(GSK)の協力を得て、新しいCOVID-19検査ソリューションの開発および生産を行っている。これはわずか20分で医療現場で結果を判定することができる、携帯性に優れた使い捨て式の検査手段である。

同社の検査はまだ開発中だが、今回受け取ったRADxの資金は、民間検査室で利用できるように、同社のDETECTRプラットフォームの製造を拡大するために使われる。これは、GSKと一緒に開発しようとしている「その場検査」ではなく、検査室で行うソリューションだが、それでも「検査能力を何倍にもできる」ものである。

すでに、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)は、FDAからSARS-CoV-2の検査のためにDETECTR試薬セットを使う緊急使用許可(EUA)を受けているが、スタートアップは同様の検査能力を米国内の他のラボにも拡張できることを望んでいる。

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(翻訳:sako)

CiscoがModcamを買収して自らのスマートカメラ製品ラインを強化

IoTの普及に歩調を合わせ、セキュリティカメラの高性能化も進んでいる。現在、こうしたデバイスには機械学習機能が備わっており、カメラの視野にあるものが何かを自動的に識別できるようになっている。例えば動物なのか、あるいは侵入者なのかなどを見分けることが可能だ。米国時間7月31日、Cisco(シスコ)はスウェーデンの新興企業であるModcam(モッドカム)を買収したこと、そしてそれを自社のMeraki(メラキ)スマートカメラポートフォリオの一部に加え、Modcamの技術を統合することを発表した。

両社は買収価格を明らかにしなかったが、Ciscoは買収が完了したと語っている。

契約を発表したブログの投稿の中で、Cisco MerakiのChris Stori(クリス・ストーリ)氏は、Modcamの獲得によってMerakiの機械学習が強化されると同時に、優れたエンジニアリング人材も手に入ることになると語る。

Modcamを買収することで、Ciscoは機械学習、コンピュータービジョン、クラウド管理カメラに対する豊富な専門知識を持つ、非常に才能のあるエンジニアのチームに投資することになるのです。Modcamはカメラを今よりもさらにスマートにするソリューションを開発したのです」と彼は書いている。

彼が語りたいのは、Merakiはすでにモーション検知機能や機械学習機能を備えたスマートカメラを持っているものの、これは現在1台のカメラだけに限定されているということだ。Modcamが提供するのは、情報を収集し複数のカメラ出力に機械学習を適用できる追加機能であり、カメラの機能を大幅に強化してくれる。

「Modcamのテクノロジーを使用することで、非常に微細なレベルの情報をつなぎ合わせることができるようになり、複数のカメラが現実世界に対するマクロレベルのビューを提供できるようになるのです」とストーリ氏は語る。例えば実際に、施設管理チームに対して利用可能なスペースのより完全なビューを提供することができる。これは企業がパンデミックの中で、安全な方法で営業を行おうとするときに特に重要なシナリオだ。Modcamが売り込んでいた別のシナリオは、製造現場で何が起こっているかをより完全に把握することだ。

Ciscoが「小さなチーム」としか説明していなかったModcamsの全従業員がCiscoに加わり、ModcamのテクノロジーはMeraki製品ライン内に組み込まれ、スタンドアロン製品としては提供されなくなると、Ciscoの広報担当者はTechCrunchに語った。

Crunchbaseのデータによると、Modcamは2013年に創業され、これまでに760万ドル(約8億円)を調達している。一方、Ciscoは2012年にMerakiを12億ドル(約1270億円)で買収していた。

関連記事:Cisco、企業向けWi-FiスタートアップのMerakiを現金12億ドルで買収

画像クレジット:Cisco

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(翻訳:sako)

TikTokが特許侵害でライバルのTrillerに提訴される

ソーシャルビデオプラットフォームのTriller(トリラー)は、最大のライバルであるTikTok(ティックトック)と親会社のByteDance(バイトダンス)に対して特許侵害訴訟を起こした。米テキサス州西部地区の連邦地裁への提訴では、TikTokがTrillerの米国特許第9691429号を侵害したと主張している。この特許は「音声トラックと同期する音楽動画を作成するためのシステムと方法」を対象としている。

この特許は、Trillerの共同創業者であるDavid Leiberman(デビッド・リーバーマン)氏とSamuel Rubin(サミュエル・ルービン)氏を発明者として認めている。もともと2015年4月11日に出願され、2017年6月27日に登録された。

この特許は、ある音声トラックが流れているときに複数の動画が再生される場合などに、音声と同期させた動画を作成する方法を記述している。同社によれば、TikTokでは現在、同じ音声トラックに対し複数の動画をつなぎ合わせることができるため(特許による)機能を侵害しているという。

Trillerは訴状で、動画といっしょに再生する単一の音声トラックを選択する点でTikTokがどう機能するかについて説明している。また、2019年12月11日付のTikTok Newsroomブログの投稿についても指摘している。TikTokは新しい「グリーンスクリーンビデオ」効果を紹介した。この投稿では、ユーザーが撮影した動画を背景に流し、曲と同期させる方法の効果について説明している。訴状の中ではこれを侵害的な利用例として提示している。

Trillerは訴状で、2020年7月27日に電子メールでTikTokに侵害の通知が送達されたと述べている。

TikTokは音声トラックに動画を同期するアプリを提供する唯一の会社ではないが、最大の会社だ。アプリストア情報会社のSensor Tower(センサータワー)のデータによると、TikTokアプリの現在のインストール数は米国で1億8900万件を超えているが、Trillerは2300万件超だ。Trillerよりもインストール数が多い競合他社はDubsmash(ダブスマッシュ)のみで、これまでに米国で4150万件ダウンロードされた。米国でのインストール数はLomotif(ロモティフ)が2120万件、Likee(ライキー)が1600万件、Byte(バイト)が250万で、いずれもそこまでの影響力はない。

TrillerはDubsmash、Instagram(Reels機能)、Lomotifなど、他の競合他社に対しても同様に特許訴訟を起こす可能性がある。ただし、個々のアプリのエクスペリエンスの侵害状況を弁護士が詳細に調査するため、提訴は一度に全部ではなく1社ごとに行われる可能性がある。

Dubsmashにコメントを求めたところ、Trillerからは何も受け取っていないと答えた。

「Dubsmashの立ち上げがTrillerのApp StoreとPlay Storeでのサービス開始6カ月前だったことを踏まえると、彼らが訴えるとしても無理があると思う」と、Dubsmashの共同創業者兼社長であるSuchit Dash(スチット・ダッシュ)氏は述べた。TikTokはこれまでのところ、コメントの要請に回答していない。Instagramもコメントしていない。

執筆時点でTrillerによる他の提訴案件はない。

Musical.ly(ByteDanceが買収したTikTokの前身)には、2016年出願、2017年登録の「リップシンクビデオの生成と共有」に関連する特許があるが、この特許については訴状では言及していない。

この訴訟に必要な資金をどう調達するつもりなのかTrillerに問い合わせたところ、同社は「複数の世界最大級の金融機関の支援がある」と回答し、法廷へ持ち込む準備は整っているという。

実際Trillerには、Lowercase Capital(ローワーケースキャピタル)、Carnegie Technologies(カーネギーテクノロジーズ)、映画制作会社のProxima Media(プロキシマメディア)、台湾のFubon Financial Holding Co.(富法金控)、インドネシアのGDP Venture(GDPベンチャー)(The Wall Street Journal記事)が出資している。WSJ(ウォールストリートジャーナル)は2019年にTrillerがベンチャーキャピタルから2800万ドル(約30億円)を調達し、事業が1億3000万ドル(約140億円)で評価されたと報じた。Crunchbaseによると同社は現在までに3750万ドル(約40億円)を調達している。

Trillerによる訴訟のニュースは、The Wrap(ザ・ラップ)とBloomberg Law(ブルームバーグロー)が最初に報じた。

訴訟は、TikTokのアプリが米国で厳しい視線にさらされているタイミングで行われている。

Steven Mnuchin(スティーブン・ムニューシン)財務長官は米国時間7月29日に対米投資委員会がTikTokのアプリを調査中であると認めた(CNBC記事)。同氏の発言はMike Pompeo(マイク・ポンペオ)国務長官の発言に続くものだ。ポンペオ氏は2020年7月初め、米国が国家安全保障上の懸念からTikTokやその他の中国のソーシャルメディアアプリの禁止を検討していると述べた。

禁止されればTrillerにとってはプラスだ。こうした背景を考えれば提訴のタイミングはまったく偶然ではない。

同社はまた、新たな資金調達を計画していると報じられた。Fox Business(フォックスビジネス)は、TikTok禁止が話題になる中、Trillerは2~3億ドル(約210~320億円)を調達する予定だと報じた。

特にTrillerの経営陣は、TikTokがユーザーにTikTokのプラットフォームだけに動画を投稿するようインセンティブを与えていることに驚いている。

「TikTokはインフルエンサーがTrillerに投稿しないよう、実際にはTrillerへの投稿を禁止するために、インフルエンサーファンドの資金からインフルエンサーに金を払っていることを知りショックを受けた」とTrillerのCEOであるMike Lu(マイク・ルー)氏は語った。7月29日の反トラスト法(独占禁止法)の公聴会で明らかになったような大手テック企業に対するネガティブな感情の高まりが利用できると期待して、ルー氏はTikTokの動きが反競争的だと付け加えた。

「それは倫理的でも合法的でもないというのが当社の意見だ」とルー氏は述べた。「もしすべての『200B企業(時価総額2000億ドル=約2兆1000億円以上の企業)』が顧客に金を払って競争相手のスタートアップに行かないよう促すなら、米国の起業家精神は死に絶え、新しい企業は存在できなくなるだろう」。

Triller v TikTok by TechCrunch on Scribd

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

今週の記事ランキング(2020.7.26〜7.30)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「ランサムウェア攻撃によってGarminのサービスが世界的に停止」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

フォードとVWが出資する自動運転スタートアップArgo AIの評価額は7830億円

自動運転車両技術のスタートアップであるArgo AI(アルゴAI)の企業価値が75億ドル(約7830億円)と評価された。Ford(フォード)から10億ドル(約1043億円)の投資を受けて世間の注目を集めてからまだ3年とちょっとである。

VW(フォルクスワーゲン)グループがArgo AIにに26億ドル(約2713億円)を投資してから、約2カ月後の7月30日にこの公式評価額が発表された。先の投資によって、フォードとVWは同等の所有権を持つこととなり、それぞれおよそ40%となる。残りの株式はArgoの共同創業者と従業員が保有している。またArgoの取締役会は、VWからの2名、フォードからの2名、Argoからの3名で構成されている。

2017年2月にフォードが発表したArgo AIへの投資は多くの人たちを驚かせた。このスタートアップが脚光を浴びたのは、創業からわずか6カ月のときだったからだ。創業者のBryan Salesky(ブライアン・サレスキー)氏とPeter Rander(ピーター・ランダー)氏は、緊密でしばしば重なり合う部分も多い自動運転業界では知られた存在だった。

Argoを創業する前、サレスキー氏はGoogle(グーグル)の自動運転プロジェクト(現Waymo)でハードウェア開発の責任者を務めた人物であり、ランダー氏はUber Advanced Technologies Groupでエンジニアリングリーダーを務めていた。しかし、サレスキー氏とランダー氏を知っている関係者でさえ、当時その取引をどう考えるべきかに頭を悩ませていた。

それ以来Argoは、センサー、ソフトウェア、コンピューティングプラットフォームなどの仮想ドライバーシステム、およびフォードの自動運転車用に設計された高解像度マップの開発に注力してきた。

そのミッションは現在、VWグループにも入り込んでいる。FordとVWは、契約条件に基づいて、Argo AIの自動運転車両技術の開発コストを分担している。ピッツバーグに拠点を置くArgo AIは、デトロイト、パロアルト、ニュージャージー州クランベリーにもオフィスを構え、オースティン、マイアミ、ピッツバーグ、ワシントンDCの公道上で自動運転車両のマッピングとテストを行っている。

VWによる投資は、その要員と事業をヨーロッパに拡大する。 2017年にVWグループの自動運転技術を開発するために立ち上げられた、自動運転子会社であるAutonomous Intelligent Driving(Foutune記事)は、Argo AIに吸収される。Autonomous Intelligent Drivingのミュンヘン事務所は、Argoのヨーロッパ本部になる予定だ。全体で、Argo AIの従業員数は現在1000人を超えている。

自動運転車の開発と配備は長い道のりになるだろうと、7月30日にフォードのCEOであるJim Hackett(ジム・ハケット)氏は発言したが、Argo AIへの投資はすでにFordに対して短期的でタイムリーな利益をもたらしている。

フォードは7月30日に、Argo AIの株式をVWに売ることによって第2四半期に35億ドル(約3650億円)を手にしたと発表した。この売却によって、同社は第2四半期に一時的な収益の増加を見ることになった。

Argo AIの取引を含んだフォードの第2四半期の利益は、11億ドル(約1147億円)と計上されている。同社は利息と税金と一時金を算入する前の段階では、同四半期に19億ドルの損失を出していたのだ。新型コロナウイルス蔓延のために工場が何週間も閉鎖されたフォードは、2019年の同時期に比べて売上が半減し計194億ドル(約2兆246億円)と報告されている。

だが結果がはるかに悪いものになった可能性もあった。すでにフォードは第2四半期に50億ドル(約5215億円)もの純損失が発生する可能性があることを警告していたのだ。

こうしたコロナ禍の逆風にもかかわらず、ハケット氏はフォードはまだAVの長期的な追求に取り組んでいると語った。CFOのTim Stone(ティム・ストーン)氏もその点を繰り返し「同社は商品開発、エンジニアリング、テストなどの自動運転車事業の商用化に向けた投資を続ける」と語った。

「自動運転車の旅は長いものになるでしょう、しかしフォードはほとんどライバルがいないような位置を占めつつ、この競争に臨むことができるのです」とハケット氏は付け加えた。

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(翻訳:sako)

ローコードアプリ統合プラットフォームのParagonが約2.6億円調達

ローコードは最近ホットなカテゴリだ。企業はコーディングスキルがなくてもワークフローやシンプルなアプリケーションを開発できるようになり、貴重なエンジニアリングリソースをより重要なプロジェクトに回すことができる。

ローコードアプリケーション統合プラットフォームを開発する、Y Combinator(Yコンビネーター)2020冬期メンバーのParagonは、米国時間7月28日250万ドル(約2億6000万円)のシードラウンドを発表した。

投資家には、Y Combinatorのほか、Village Global、Global Founders Capital、Soma Capital、FundersClubなどが名前を連ねている。

「Paragonを使用すれば、技術者でないユーザーでも、ビジュアルワークフローエディターを使用して簡単に統合を行うことができます。基本的に提供するのは、APIリクエスト、サードパーティAPIとの対話、そして条件付きロジックなどの機能を備えたビルディングブロックです。そのため、ユーザーはこれらのビルディングブロックをドラッグアンドドロップして、アプリケーションのビジネスロジックを記述したワークフローを作成することができるのです」と語るのは、同社の共同創業者であるBrandon Foo(ブランドン・フー)氏だ。

フー氏は、世の中にローコードのワークフローツールがたくさんあることは認めているが、UIPath、Blue Prism、Automation Anywhereといったツールの多くは、作業者の特定のタスクを自動化するためのロボットプロセスオートメーション(RPA)(未訳記事)に集中している。同氏と共同創業者のIshmael Samuel(イシュマエル・サミュエル)氏は、開発者に焦点を当てたかったのだと語る。

「私たちは、開発者の効率をどのように改善できるのか、そしてどのようにすれば低コードの利点を製品チームとエンジニアリングチームにもたらし、統合ごとに手作業でコードを記述せずに製品をより簡単に開発できるのか、そして製品開発を合理化することができるのかに、真剣に焦点を当てています」とフー氏はTechCrunchに語った。

それを使うには、Stripe、Slack、Google Driveなどの各ツール用に事前準備された1200種類のコネクターを、ワークフローテンプレートにドラッグ&ドロップして、なんらかのアクションをトリガーとする新しいコネクタを素早く開発すればいい。これらはAWSサーバーレスアーキテクチャに基づいて構築されているため、トリガーアクションとそれに続くアクションを定義すれば、あとはParagonがバックエンドインフラストラクチャに必要な要件を処理してくれる。

会社はまだ初期段階だ。1月にプライベートベータ版をリリースしたが、現在同社には80社の顧客がいる。同社は現在、かつてPolymailを共同創業したフー氏自身と、Uberの主任エンジニアだったSamuel(サミュエル)氏を含む6人の従業員を抱える。今年はさらに4人の従業員を雇用する予定だ。

有色人種である2人の創業者は、そのまわりに多様なチームを構築しようとしている。「すでに私たちのDNAに組み込まれていると思っています。多様性のある創業チームに一緒に仕事をしたい人を雇うという観点において、おそらくより広い視点と展望を持っているでしょう。もちろん、改善の余地は常にあると思います。そのため、私たちは常に、採用プロセスにおいてより包括的になれるような新しい方法を(成長しながら)模索しています」とフー氏。

新型コロナウイルスのパンデミックについては、彼は大変な時期だったとは言うものの、彼は自分たちが現実の問題を解決しており、現在のマクロ経済状況にもかかわらず成功できると信じている。

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(翻訳:sako)

ゲームプラットフォームRobloxの月間ユーザーが1.5億人突破、2020年の開発者報酬は263億円超の見込み

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行によって利用が急増したゲームプラットフォームであるRobloxの、月間アクティブユーザー数が1億5000万人を突破した。米国の在宅避難命令が発令される前の2020年2月時点では、1億1500万人(未訳記事)と発表されていた。また同社によれば、2020年に開発者コミュニティが手にする報酬は、2019年の1億1000万ドル(約116億円)から増えて、2億5000万ドル(約263億円)を超えるペースだという。

これらの数値やその他の企業ニュースが発表されたのは、新型コロナウイルスの大流行のために初めてオンラインで開催された、Robloxの年次開発者会議(RDC)でのことだ。

はっきりさせておきたいのだが、Robloxはそのプラットフォーム上で実行されるゲームそのものは構築していない。その代わりに、App Storeと同様の開発者向けのプラットフォームを提供するのだ。最も人気のあるゲームの多くは無料だが、Robux(ロバックス)と呼ばれる仮想キャッシュを、プレイヤーがゲーム内アイテムに対して使用することで収益化が行われている。パンデミックが発生する前は、同社の大きめのゲームの中には平均で月間1000万ユーザーを数えるものもあった。また2月の時点では10以上のゲームが、10億回以上のアクセスを誇っていた。

画像クレジット:Roblox

しかしパンデミックのおかげで、これらのゲームの各数値は大幅に拡大した。

2020年の前半には、Robloxゲームの「Adopt Me!」が、同時接続ユーザー数161万5000人、アクセス回数は100億を超えた。2020年1月に開始された「Piggy」という新しいゲームは、現在50億回以上プレイされている。「Jailbreak」は、2020年4月に開催されたライブイベント中に、50万同時アクセスユーザーを超えた。

合計でRobloxプラットフォーム上におけるゲームを収益化している開発者の数は34万5000人となり、Robuxのカタログの半分以上が、ユーザー作成コンテンツ(UGC)アイテムで占められている(UGCカタログプログラムが始まってまだ12カ月も経っていない)。

Roblox開発者の収益が前年比で2倍以上になっているのは、プラットフォームの成長するゲームカタログ、新しい開発ツール、国際的な拡大(Robloxリリース)、そしてもちろん子供たちを友だちから遠ざけて屋内に閉じ込め、オンライン接続に向かわせるパンデミック、といった様々な要因の組み合わせに関連している。

とはいえ、開発者の収益増加を牽引した1つの注目すべき要因は、Robloxが最近導入したプレミアムペイアウトの導入だった。この仕組はプレミアム会員がゲームに滞在した時間に応じて、支払いをするというものだ。今年の初春に開始されたこのシステムを通じて、開発者たちはこのプログラムからだけでも2020年6月に200万ドル(約2億1000万円)を獲得した。

画像クレジット:Roblox

RDCイベントの期間中、Robloxは、拡張される開発者ツールとプラットフォームの更新計画についても詳しく説明を行った。それには、大規模な開発チーム向けの新しいコラボレーションツールも含まれている。これによって、開発者はチームメンバーならびに外注業者にゲームの特定の部分のみで作業する権限を付与することができる。また、年末までにタレントマーケットプレイスを立ち上げて、開発者がゲーム開発に役立つ人材やリソースを見つけられるようにする予定だ。

さらにRobloxは、サポートされているすべての言語(ブラジルポルトガル語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語、スペイン語を含む)に対する自動機械翻訳の提供を開始するという。この機能は、開発者たちが国内版のゲームをより簡単に海外ユーザーに届けるための役に立つだろう。

Robloxはこの夏の終わりに「Developer Events」を立ち上げると発表した。これは開発者たちが、地元のコミュニティでお互いを知るために役立つ新しいサービスだ。最初の段階では、これらのイベントはオンライン開催となる予定だが、安全に開催できるようになったら対面イベントに移行する。

同社はまた、ゲームタイトルやMarshmello(マシュメロ)やVicetone(ヴァイストーン)といったアーティストとのコラボレーションで知られるインディーエレクトロニックミュージックレーベルのMonstercat(モンスターキャット)との、初の音楽レーベルパートナーシップにも署名した。このパートナーシップにより、開発者がゲーム内で無料で使用できる51の楽曲がまず提供された。これにはドラム&ベース、シンセウェイヴ、エレクトロ、チルアウト、エレクトロニック、ブレイク、フューチャーベースなどの、さまざまなEDMジャンルの曲が含まれている。Robloxによれば、今後さらに楽曲が追加される予定だという。

「私たちの開発者コミュニティの生み出す成果は、私たちの高い期待をはるかに上回っています。Robloxプラットフォーム上に生み出されたユニークでクリエイティブな作品に、圧倒されています」と語るのはRobloxの創業者でCEOであるDavid Baszucki(デビッド・バズッキ)氏だ。「私たちが力を注いでいるのは、開発者たちがビジョンを追求しより大きく、より複雑で、より現実的なエクスペリエンスを開発し、みんなで仮想空間(メタバース)を構築していくために必要なツールとリソースを、開発者に提供することです」。

Robloxは、新型コロナウイルスの危機が米国を襲う直前にAndreessen Horowitzの後期ベンチャーファンドの主導で1億5000万ドル(約157億円)のシリーズG資金調達を行った。そのときの評価額は40億ドル(約4198億円)だった。これに先立ってRobloxは、プラットフォームをより米国外に広げ中国へと展開するために、特にコーディングカリキュラムに力を入れたTencent(テンセント)との戦略的パートナーシップ(未訳記事)と、中国語へのサポート強化に取り組んできた。またRobloxは、前記の調達資金を使って、その拡大効果をさらに強化し、より多くのツールと開発者エコシステムを構築することを計画していると述べている。

画像クレジット:Roblox

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(翻訳:sako)

PayPayが各種ECサイト向けに決済APIを公開、リアルタイムデモ環境も提供

ソフトバンクグループでキャッシュレス決済サービスを開発・運営するPayPayは7月29日、各種ECサイトにPayPayでの決済機能を埋め込めるAPIを開発者向けに公開した。開発者向けサービス「PayPay for Developers」も利用可能になる。

PayPay for Developersは、ECサイトとPayPayの決済APIの連携した際の挙動をセキュアな状態でリアルタイムにデモで確認できる環境を用意。そのほか、ウェブペイメントネイティブペイメント動的ユーザースキャンアプリコールの機能もECサイトに搭載できる。

PayPay for Developers

ウェブペイメント機能

ウェブペイメントでは、スマートフォンやPCなどの異なる端末や、アプリ経由やブラウザー経由など異なる環境での決済への柔軟対応を実現する。利用者がPC(ウェブブラウザ)を使っている場合はサイト上にPayPayの支払い画面表示し、利用者がQRコードをPayPayアプリで読み取ることで決済が完了する。もしくは、ウェブブラウザ上で利用者がPayPayアカウントにログインして決済することも可能だ。スマートフォンで利用する場合は、ECサイトでの支払い時にPayPayを選ぶとPayPayアプリが起動し、アプリ上で決済が可能になる。

PayPay for Developers

ネイティブペイメント機能

ネイティブペイメントは、「Yahoo!ショッピング」や「PayPayモール」などで利用されている決済方式。ECサイト側がPayPayアカウントを自社サービスのアカウントに連携させることで利用できる。アカウント連携が完了していれば、アプリの起動やQRコードの読み取り、PayPayアカウントへのログインなどは不要で、ECサイトのアカウントを使ってそのままPayPay決済ができる。具体的には、ECサイト内でPayPay残高を確認でき、購入する商品の金額にPayPay残高が足りていればそのまま決済できる。残高が足りていない場合はスマートフォンのPayPayアプリなどでチャージすれば、ECサイト側にも即時反映される(一度、決済前の画面に戻って、決済手段の再設定が必要な場合もある)。

PayPay for Developers

動的ユーザースキャン機能

動的ユーザースキャンは、PayPay決済を可能にするQRコードをウェブサイト上などに動的に表示する機能。タブレットやテレビ画面、自動販売機で支払うケースが想定されている。また、請求書の支払い方法としてQRコードの印刷が必要な場合などにも利用できる。

PayPay for Developers

アプリコール機能

アプリコールは、スマートフォンでの決済時に各種ECサイトからPayPayアプリを呼び出せる機能だ。

PayPayの決済APIやPayPay for Developersを利用するには、開発者登録と加盟店申し込みが必要となる。開発者登録を済ませることで、Sandbox環境でAPI接続時のシナリオとコードスニペットを確認できる「PayPay Lab」が使えるほか、開発用のユーザーIDとパスワードを使って開発環境内でPayPayアプリを利用可能になる。API接続時のエラーハンドリングができる「PayPay Resolve」などのツールも用意されている。

新型コロナウイルスの蔓延でECサイトの需要が高まっているが、これまでバーコード/QRコード決済はクレジットカード決済に比べて大幅に出遅れていた。PayPay for DevelopersによってPayPayの決済APIが公開されることで、今後ECサイト上でのコード決済が広まっていくことに期待したい。