Facebookのソーシャルビデオチャット機能Roomsの実力をチェック

FacebookはこれまでもZoomのギャラリービューやHousepartyのビデオチャットをサポートしてきたが、このほど独自のビデオ・ミーティングとしてRoomsをスタートさせた。これはあらかじめ日時を設定しないインスタントなつながりの時代にふさわしいビデオサービスとなる。

Facebookの発表によれば、Roomsはモバイル、デスクトップの双方をサポートし、まず英語圏でスタート。Roomsがカバーする地域ではニュースフィードの上部に新たにRoomsのセクションが追加された。またFacebookは選定した親しい友達にRoomsが開始されたことを通知する。特定の友達を招待したり、「リンクを知っている全員」がRoomsに参加できるリンク作って共有することもできる。

現時点では8人まで参加可能だが、数週間以内に50人までに拡大される予定なので、ビジネスでも大がかりなリモート飲み会などの場合でも有力なZoomの代替手段になるだろう。ユーザーはすぐにInstagram、WhatsApp、またPortalデバイスからRoomsを作成して検索可能にできる。またさらに重要な点としてFacebookのアカウントなしでブラウザから参加できるようになる。こうなればFacebookとして初めての全てのプラットフォームで相互運用可能なサービスとなる。

FacebookのMessengerの責任者であるStan Chudnovsky(スタン・チュドノフスキー)氏はTechCrunchのインタビューに対して「人々はもっと一緒の時間を過ごしたい思っている。」と述べた。1対1ないしグループでのビデオ通話はすでに提供され人気を集めている。しかし、「パンデミックの突発ですべてが変わった。我々は以前から人々がいつでも好きなときにビデオで会話できるようにするための計画をいろいろ持っていた。しかし新型コロナウイルスのために計画を加速しなければならなくなった」 のだという。Roomsには今のところ広告その他の直接的な収益化の計画はない。しかしこのプロダクトの提供はFacebook人々の生活の中心に置き続けるために役立つだろう。

ニュースフィードのトップの非常に目立つ位置にRoomsのタブを設置したことでもFacebookがこのプロダクトを非常に真剣に考えていることがわかる。Roomsをスタンドアロンアプリにすれば島流しにあったようなもので見つけにくくなったに違いない。アルゴリズムで表示が選択されるニュースフィードに組み込めば即時性が損なわれただろう。Facebookはそうした方法をとらず、モバイルアプリの場合、ニュースフィード記事をスタート画面からほぼ完全に押し出す結果となってもRoomsとストーリーに大きな表示面積を与えた。これを見てもFacebookが即時性と一時性の高い共有を重視しているのが明らかだ。

Facebookはビデオに全力を傾注

Facebookは歴史的に1対1ないし1対多のコミュニケーションを本質としていたため、多対多の分野では力不足だった。Roomsのリリースはこの点を補うためにデザインされており、同様の目的で既存プロダクトへのビデオ機能の追加もすでに多数行われている。WhatsAppでは現在1日あたりの音声およびビデオ通話の利用者は7億人、 FacebookとInstagram Liveのビデオのユーザーは8億人となっている。Facebookはすでに1人が多数のフィードを見る分野のリーダーであり、1人が多数に向けてライブストリーミングする分野でも急上昇中だ。しかしチュドノフスキー氏は「しかしこの分野へはさらに大きな努力が必要だった」と言う。

ビデオ関連のアップデートの概要とその意味は次のとおりだ。

  • カスタマイズできる照明付きのバーチャル背景:Facebookは近々ビデオ通話にバーチャル背景を導入し、ユーザーの背後に写るごたごたを隠すことができるようにする。これには360°バーチャル背景が含まれ、ユーザーが移動するにつれて背景と照明が変化する。

  • WhatsAppではグループ通話の現在の4人までから8人までに拡大する。人数の多い家族や友人グループがまとめてビデオで会話できるようになる。この分野ではWhatsAppはZoomにとって非常に手強いライバルになるだろう。

  • Facebook Liveでゲストが表示できる。長時間自分に興味を引きつけておくためには努力がいる。随時ゲストをスクリーンに呼び出せる機能は話し手側のプレッシャーを低くし、ビューワー側にも面白い。
  • ライブ動画に寄付ボタンを付加。新型コロナウイルスによる危機に際して、ミュージシャンやパフォーマー、各種の活動家などの人々が資金を調達することがこのボタンによって容易になる。
  • オーディオのみによるライブ。 Facebook Liveでツアーを配信するミュージシャンが増えるにつれ、データ量を節約するためにオーディオだけが欲しいということがある。これなら外出中でも長時間聴いていることができる。特に携帯ネットワークの接続速度が遅い場合に便利だ。
  • ウェブ版Instagramでライブをサポート。デスクトップからライブ動画を見たりコメントしたりできるので、長時間のストリーミングであっても別のタスクを実行できる。

  • IGTVでライブできる。長時間のライブ配信がInstagramのIGTVアプリに保存できるようになったので配信終了と同時に消えてしまう心配がなくなった。
  • Portal from Facebookでライブ。ユーザーはPageやグループへのライブをポータブルなPortalデバイスからも実行できるようになったので動きまわるライブ配信ができる。

  • Facebook Datingでビデオチャット 。気の乗らない相手とデートするのではなく、Facebook Datingでマッチされた相手とビデオチャットしてはどうか? 本当にピッタリの相手が見つかるかもしれない。

Facebook Roomsの使い方

Facebookは この分野を一挙に制圧するブリッツスケーリングを狙って、グループのすべてアプリでRoomsを実行、検索できるようにしている。Roomsはニュースフィード、、グループ、イベント、Messengerから実行できるだけでなく、すぐにInstagram Directのビデオチャット、WhatsApp、Portalデバイスからも利用できるようになる。開始時間設定、説明、ユーザー招待を3とおりの方法で実行できる。

家族の会話などの場合は招待オンリーでRoomsを実行できる。あるいは友達全員に公開することも可能だ。友達というのはニュースフィード、MessengerのRoomsタブの通知に表示されたり検索できたりする相手だ(将来はほかのFacebookアプリからも検索可能なる)。Facebookが開始されていることを見逃さないよう親しい友達に通知することがある。ユーザーはRoomsのURLをどこにでも表示することができる。この場合は事実上Roomsを公開で実行することになる。

Facebookは公開ライブビデオに対する部外者の乱入、いわゆる「Zoom爆撃」がひどい災厄を引き起こすことを認識しており、Roomsのセキュリティには十分留意している。 ホストはURL経由でRoomsに参加できないようロックすることができる。Roomsから誰かを締め出すと自動的にロックがかかり、ホストがロックを解除するまでその状態が続く。悪人が何らかの方法でRoomsのURLを見つけた場合でも繰り返し邪魔しに来ることはできない。

当然ながら、 チュドノフスキー氏はZoomとHousepartyの影響を小さいものにしようと努め、「この種の自発性の高いビデオアプリが他にも多数あることは嬉しい。しかしそうしたアプリの一部がこのプロダクトに取り入れられたというこはないと思う」と述べた。また現在シリコンバレーの話題をさらっているボイスチャットアプリのClubhouseの非独占的なビデオ版と考えられることもRoomsにとっては都合がいい。

コピーはするがコピーされない巨人

Facebookは遅くとも2017年以降、密かにRoomsの開発に取り組んできた。重点はどのようにすればグループチャットの開始を友達が発見しやすくできるかだった。2017年にFacebookはBonfireというグループビデオチャットをテストしている。これはスタンドアロンのアプリだった。実はRoomsという匿名フォーラム用のアプリも2014年にテストしている。

新しいRoomsの優れているところはFacebookの最大の強み3つを総合したところにある。これによりRoomsにはライバルアプリからのコピーが含まれるものの、Facebook以外のプレイヤーがRoomsをコピーすることは非常に難しいものとなっている。

  • 普遍性:Facebookのメッセージングはモバイル、デスクトップ双方をサポートし膨大なユーザーがあある。このためは新たなアプリをインストールすることなく誰でも即座に使い始めることができる。
  • 意欲と革新性:ストーリーの場合と同様、Facebookはモバイル画面の上部の目立つ位置にRoomsを設置するという大きな賭けに出た。この強い意欲は、自然発生的かつ即時的なソーシャルビデオという新しいコミュニケーション・チャンネルの普及のカギを握ることなるだろう。しかもRoomsはFacebookグループの25億人のユーザーがすぐに利用できる。
  • ソーシャルグラフの蓄積:Roomを楽しく役立つものにするためにFacebookは膨大なソーシャルグラフを役立てることができる。Facebookはグループのアプリ全体の巨大なユーザーの全体から特定のRoomに誰がいちばん関心を抱きそうか推測し、きわめて効率的にメンバーを集めることができる。ソーシャルグラフに基づいてメンバーの関連度をランク付けできるのでユーザーの電話帳の全員にスパム的な通知を送る必要がない。

この3つの特徴をすべて備えたライバルは存在しない。Zoomにはソーシャルグラフの蓄積がない。Housepartyは急上昇中ではあるものの普遍的存在というには遠い。他のメッセージやチャットアプリも適切なメンバーを集めるために必要な検索能力に欠ける。

Facebookはモバイルでの深いつながりはメッセージの分野にあることをよく認識している。 1対1のスレッドや非同期のグループチャットはすでに提供されていた。あとはこの方向をさらに一歩進めるだけでよかった。Roomsの画期的な点は、他のリモート会議アプリのように主催者が日時を設定して予約したり、メンバーに通知して参加を要請したりするのではなく、友達がRoomsしているのを自然に見つけて参加するという能動的な努力を必要としないサービスにした点にある。Roomsはものに憑かれたようにひたすらフィードをスクロールするというソーシャルでない行動をせずにFacebookの使用頻度と使用時間を大幅にアップすることができるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

隔離生活で求められる自然発生的なコミュニケーションを生むソーシャルアプリたち

次世代版ソーシャルネットワーク、Clubhouse(クラブハウス)

カレンダーからの招待はもういらない。気軽に会話に飛び入りで参加しよう。これが新型コロナウイルス(COVID-19)による隔離で空白になってしまった我々のスケジュールを、商売の種にできないかと考えている新しいソーシャルスタートアップ企業に推進力を与えているコンセプトだ。しかし、こうしたソーシャルアプリはオンラインによる集いやオープンオフィスプランなど流動性あるアドホック、その場に応じた臨時的なコミュニケーションを実現することよって、新型コロナウイルス収束後の我々の働き方や人付き合いのあり方を変える可能性もある。「Live」は高性能ストリーミングの代名詞となっているが、これらの新しいアプリがスポットライトを当てているのは、目前のタスク、ゲーム、ディスカッションに加え、複数のユーザーである。

Clubhouse(クラブハウス)の「部屋」

Clubhouseの「room」

これらのスタートアップ企業の中で最も注目されているのが、ユーザーがいつでもチャットルームに参加できるオーディオベースのソーシャルネットワークであるClubhouseだ。ユーザーは自らがフォローするすべての人の部屋を確認し、ラベルの付いていない部屋を見つけたら、興味の赴くまま、会話に参加したり、ただ話に耳を傾けたり、といったことが可能である。活気のある部屋は多くのユーザーが集まるし、活気がなければユーザーは他のチャットサークルへ移っていく。

Clubhouseは先週末、人々が限定招待を求めて争奪戦を繰り広げたり、メンバーシップについて謙虚を装いながら自慢したり、人々のFOMOをからかったりするなど、VCのTwitterで大騒動を引き起こした。現在のところ、公開アプリやアクセスはない。Clubhouseという名は、人々が限定的な集団に属していたいと願う気持ちを完璧にとらえている。

Clubhouseは、Paul Davison(ポール・デイヴィスン)氏によって開発された。彼は過去にオフラインでの出会いを目的とした位置情報アプリHighlightおよびカメラロールすべてを公開するアプリShortsを開発した(2016年にPinterestが彼の開発チームを買収)。2020年に彼は、Alpha Exploration Coスタートアップスタジオを発表し、またラジオ形式の視聴者参加型番組を即座に放送可能なTalkshowを立ち上げた。新しい友だちを作る、生活をシェアする、考えを伝える、議論する。デイヴィスン氏の取り組みに通底するのが「スポンテニアス(自然発生的)」という概念だ。

Clubhouseはまだ始まったばかりの段階だ。ウェブサイトさえない。よく似た名前のClubhouse.ioと混同しないようにしよう。Clubhouseがどのようなものになるのかについての説明や、正式にリリースされるのか、またそれがいつになるのかは一切発表されておらず、またデイヴィスン氏も共同創業者のRohan Seth(ロハン・セス)氏もコメントを拒否している。しかし、肯定的な評価は、Twitterがテキストで行ったことを進化させるような、より即時的でマルチメディア的なアプローチに対する欲求があることを示している。

サプライズのない隔離生活

この隔離生活でわかったのは、皆と離れて1人になると、自然発生的な交流の機会を失うということだ。オフィスにいるなら、給湯室で偶然顔を合わせた同僚と軽い会話を交わしたり、インターネットで見つけたおもしろおかしいことを声に出してコメントしたりできる。パーティーではぶらぶら歩いて、1人でも知り合いがいるグループがあればそこに混じってみたり、興味をひく話が耳に飛び込んできたら、会話に参加したりできる。家にこもっているとこうした機会が失われる。相手の邪魔にならないテキストと違い、緊急性がないにもかかわらず手当り次第に友達に電話をしたりすることを我々は非難してきた。

Clubhouse(クラブハウス)の創業者ポール・ダビソン氏

Clubhouseの創業者ポール・デイヴィスン氏  画像クレジット:JD Lasica

日時の決まったZoomによる通話、実用的なSlackのスレッド、際限のないEメールのやり取りでは、意外性や、人々が互いのアイディアを交換し合う中で生まれる会話による喜びを捉えることができない。しかし、スマートアプリ開発者たちは、自然発生的というコンセプトがユーザーの生活やワークフローを絶えず妨害するものではないと考えている。ユーザーは会話に参加するかしないかについて決定権を持ち、また構わないで欲しい場合にはそれを表示することで、望む場合にのみ社会的つながりを持つことができる。

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

Housepartyはこの自然発生的というコンセプトを体現している。このアプリは新型コロナウイルスによる隔離が続く中、ユーザーがアプリを開いた瞬間に気分の赴くままに友だちとグループのビデオチャットルームに参加できるようにすることで、大ヒットしている。毎月5000万回のダウンロードがあり、一部の地域では新型コロナ以前の70倍を超える数に増加している。これは、米国を含む82カ国でソーシャルアプリ部門の第1位になり、16カ国でアプリ全体で第1位となった。

Discord本来はゲーム用に開発されたアプリだが、ユーザーはいつでも開いているビデオ、音声、およびチャットルームを通じて自然発生的に他のユーザーと交流を持つことができる。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州など、早期に外出を禁止した州での使用の急増もあり、米国において日常的にDiscordの音声機能を使用するユーザーの数は50%増加した。モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリのBunchもまたランクを上げ主流になってきている。主なユーザー層は1日の総会話時間が150万分にのぼる女性にシフトしてきている。これらのアプリを使用することで、友達と合流し一緒に選んでプレイするのが簡単になる。

モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリ、Bunch

Bunch

即席オフィス

企業のビデオチャットツールは、強引でかつ事前準備のいるZoom通話に代わり、自然発生的コンセプトを取り入れたものになっている。これはZoomに対する反動で、終日ビデオチャット続きで何も成し遂げられないことに人々が気づいたためだ。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信でき、同僚は時間のある時にそれを見ることができる。ビデオは撮影と同時にアップロードされるため、会話のスピードがアップする。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信できる

Loom

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウインドウが表示されるので、デスクトップの大部分を実際の作業のために使用しつつ、同僚と即座にコミュニケーションを取ることが可能だ。

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウィンドウが表示される

Around

Screenは画面共有を起動できる小さなウィジェットである。全員が共有ウィンドウをコントロールできるカーソルを持ち、その場でコーディング、設計、書き込み、注釈を付けることができる。

Screenは、画面共有を起動できる小さなウィジェット

Screen

Pragliはアバターベースの仮想オフィスで、ユーザーは誰がカレンダーミーティングに参加しているか、その場にいないか、時間があるかを確認できるので、全員の空き時間をわざわざ探す必要なく、ボイスチャットやビデオチャットチャンネルを同時に開くタイミングを把握することができる。しかし、Slackのように自宅にまで追いかけて来ることなく、Pragliでは仮想オフィスにサインインまたはサインアウトして、1日を開始、終了することが可能だ。

Pragliはアバターベースの仮想オフィス

Pragli

声を届ける

ビジュアルコミュニケーションは、我々がいる場所が示せる携帯電話の画期的な機能だったが、外出できない現在、我々に表示するものはあまりない。これが、手数をかけずに自然発生的なコミュニケーションが取れるツールが流行するチャンス拡大のきっかけとなっている。リモートパーティー、迅速な問題解決など用途を問わず、Clubhouse以外の新しいアプリには、ビデオだけでなく音声機能が組み込まれている。音声を使えば迅速な情報交換が可能で、その場に居合わせているような臨場感もある上、仕事中にディスプレイが占拠されたり注意を全部持っていかれることもないし、見栄えを気にする必要もない。

High Fidelityは、Second Lifeの共同創業者であるPhilip Rosedale(フィリップ・ローズデール)氏が現在携わっている、資本金7200万ドル(約77億4000万円)のスタートアップ企業だ。High Fidelityは最近、バーチャルリアリティのコワーキングツールの構築から離れ、音声とヘッドフォンベースのオンラインイベントプラットフォームおよび人々が集うためのギャザリングスペースのテストを開始した。初期のベータ版ではユーザーは地図上で自身を示すドットを動かし、空間オーディオで彼らの近くにいる人物の声を聞くことができる。相手に近づけばその声は大きくなり、通り過ぎると消えていく。ユーザーは気分の赴くまま、小さなドットの集まりに近づいたり離れたりしながら、声の届く範囲で様々な会話を聞くことができる。

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型 画像クレジット:DigitalGlobe / Getty Images

High Fidelityは現在テストマップとしてバーニングマンの衛星写真を使用している。実際のオフラインイベントと同じように思い思いの場所にDJが陣取り、リスナーはDJの間を行き来したり、友達と歩きながら会話したりする。バーニングマンは2020年の開催がキャンセルとなったため、High Fidelityはバーニングマンのオーガナイザーが約束したバーチャルバージョンを開催する候補者となる可能性がある。

Housepartyの元CEOであるBen Rubin(ベン・ルビン)氏と、Skypeエンジニアリング部門の統括部長であるBrian Meek(ブライアン・ミーク)氏は Slashtalkと呼ばれる自然発生的なチームワークツールを開発中だ。ルビン氏が去り、Housepartyは2019年中頃にFortnite-maker Epicに売却されたが、このゲーム業界の巨人は最近の隔離生活で成功の波に乗るまで、このアプリを放置していた。

Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツール

彼の新しいスタートアップ企業のウェブサイトには「Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツールです。我々は、適切な人員が適切な時に適切なトピックについて必要十分なだけ話し合えれば、ほとんどの会議は不要だと確信している」と書かれている。このツールを使えば、瞬時にボイスチャットまたはビデオチャットを始めることができ、日時の決まった共同セッションを待たずして、物事の段取りをつけることができる。

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

仕事にせよ遊びにせよ、これらの自然発生的な集いの場を提供するアプリは我々に縛りの少なかった若かかりし時代を思い起こさせる。カフェテリアや校庭をぶらぶらする、ショッピングモールに誰かいないかチェックする、部屋のドアが開け放たれた大学の学生寮の廊下を歩く、学生会館や広場でおしゃべりする。大人になる一歩手前の時代には、偶発的な交流の機会がたくさんある。

年を重ねてそれぞれが自宅を持つようになると、我々は文字通り壁を作って偶発的なコミュニケーションができるというシグナルを受ける能力を自ら制限してしまう。Down To LunchやSnapchatが買収したZenlyといったアプリや、Facebookが準備中のMessengerのステータス機能は、こうしたバリアを打ち破り、オフラインで誘うときの気まずさを感じないように設計されている

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実世界での交流や共同作業には、通常、交通手段や計画が必要になってくるが、ここで取り上げた新しいソーシャルアプリはたちどころに我々に集まる場所与えてくれる。前もってスケジュールする必要はない。妥当な距離圏内にいる人以外とつながることを阻んでいた地理的な制限もやはり消え去った。デジタルでなら、自らのネットワーク内から相手をよりどりみどりで選択可能だ。隔離生活で我々のカレンダーの一部は空白になってしまったが、これにより我々の選択肢が広がった。

様々な制限が取り除かれた今、必要なのは我々の意思だけだ。我々は繋がりを持ちたい相手と繋がり、望みを達成することができるのである。スポンテニアス(自然発生的)なアプリによって、瞬発力ある人間本来の性質は輝く。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Dragonfly)

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外出禁止の影響でビデオチャットのHousepartyが1カ月で5000万ものサインアップを記録

「フォートナイト」で知られるゲームメーカーのEpic Gamesが2019年に買収した人気のビデオチャットアプリであるHousepartyが新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で大幅な成長を見せている。外出禁止措置のため友達や大切な人と直接会えなくなり、ビデオチャットアプリの需要が突然増えた。アプリストア分析会社のApp Annieによると、アプリのビデオ会議カテゴリーは2020年3月に過去最高を記録した。ただしHousepartyは、これまで数字を公表していなかった。

米国時間4月15日、Housepartyは方針を変えて過去1カ月のサインアップ数が5000万だったことを明らかにした。一部の市場では普段のおよそ70倍になった。

アプリ分析会社のApptopiaのデータによると、ここ数週間でインストール数が急増し、モバイルのダウンロード数も記録的な結果となった。Housepartyは、過去30日間でiOSとAndroidの新規インストールは1720万回と推計している。一方、調査会社のSensor Towerは2800万インストールと推計している。

HousepartyアプリはMacChromeでも利用できるが、これらの数字には含まれていない。

Housepartyによると、需要が増加し多くの市場でモバイルアプリストアのランキングの第1位になったという。

Housepartyは、米国のApp Storeなど82カ国でソーシャルアプリの第1位になった。米国のGoogle Play Storeではソーシャルアプリの第3位になった。

16カ国ではアプリ全体でも第1位になっている。米国のApp StoreとGoogle Play Storeではアプリ全体の第2位に近い結果となった。

同社によれば、ユーザーがこのアプリを使う時間は長く、平均で60分以上会話をしていた。新型コロナウイルスの影響が発生してからは、平均で80分ほどになることもあったという。

Housepartyは溜まり場のように設計されているため、ほかのビデオチャットアプリに比べると主に若年層のユーザーに訴求してきた。まず、Snapchatと統合している。そしてSnapchatと同様に、年齢の高いユーザーが苦手とするジェスチャー主体のナビゲーションを大幅に取り入れている。さらにアプリ内で他の人たちとトリビアや言葉当てゲームも楽しめる。

一方、ZoomやSkype、Google Hangoutsといったビデオチャットアプリのライバルたちは、リモートワーカーや企業向けとして多く使用されていたところに、新たにコンシューマーの使用が増えてきた。そのためこれらのアプリはやや古くさく、「楽しむ」という意図とは距離がある。

とはいうものの、Housepartyは新型コロナウイルス感染拡大を受けて利用が広がり、今はあらゆる年齢や属性の人たちがこのアプリを使っていると同社は述べている。

Housepartyのユーザーは平均23人の友達とつながり、ユーザーの半数近くは会話をしながらゲームをしている。この数字も、同社は以前は明らかにしていなかった(最近すべてのゲームを無料にしたことが利用状況に影響していると思われる)。

これまでずっと米国がHousepartyの最大の市場だったが、App AnnieがHousepartyの成長に関する2020年3月の報告によると、ヨーロッパでの需要が顕著だという。3月21日の週のインストール数は、2019年第4四半期の週あたりの平均インストール数と比較して、イタリアで423倍、スペインで2360倍と急上昇した。新型コロナウイルスの危機が起きる前はスペインなどの市場で広く普及したアプリではなかったことを考えると、驚くべき成長だ。

Housepartyはユーザー数や売上など重要な数字を公開しない傾向があるが、最新の数字を今回公開したのにはさまざまな理由があるようだ。

まずHousepartyは、最近複数のユーザーからソーシャルメディアの投稿を通じてデータ流出を告発されたという困った状況に注目されたくないのかもしれない。ユーザーがTwitterで、Housepartyの自分のユーザーデータがNetflixやSpotifyなどほかのアカウントへのアクセスに使われたと主張した。しかしHousepartyは流出を否定し、さらにソーシャルメディアの投稿が同社のビジネスに損害を与えることを目的とした「お金をもらっている商業活動」の一部であったとさえほのめかしている。同社はこの説を裏付ける証拠に対して100万ドル(約1億700万円)の報奨金を提供するとした。証拠はまだ見つからず、告発の投稿は消えた。

さらに、Housepartyの競合であるZoomはセキュリティとプライバシーに関する多くの問題で最近批判されている。これについてZoomのCEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏は謝罪し、修正すると約束した。当面、HousepartyはZoomの代替を求める人々にアピールして、インストールベースをさらに増やしたいと期待しているかもしれない。

最後に、企業の歴史の中でこれほど規格外の成長を詳しく公表できる場面は、そう何回もない。米国で1億5800万人、世界中で何億人もの人々が家にいるように指示されるとは前代未聞の事態だ。この事態は、ビデオチャットアプリにとっては成長の絶好の機会となっている。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Kaori Koyama)

ニューヨーク市は学校でのZoom禁止、セキュリティ上の懸念からMS Teamsに移行へ

休校が続いても生徒たちは学習を続けねばならない。このほど米国ニューヨーク市の学校当局は、リモート教育にビデオ会議サービスのZoomを使用することを許可しないと発表した。セキュリティ上の懸念が理由に挙げられている。

ニューヨーク市教育庁の広報担当者、Danielle Filson(ダニエル・フィルソン)氏は「リモート学習を生徒に提供するにあたって安全性と信頼性の確保は不可欠だ。セキュリティ上の懸念をさらに検討したところ、学校はできるだけ早くZoomの使用をやめるべきだという結論となった。リモート教育に多くの新しいサービスがあり、われわれは(その採用に関しては)教職員、生徒の利益のを最優先してリアルタイムで意思決定を行っていく」と述べた。

同氏によれば、市教育庁は学校をMicrosoft Teamsに移行させているという。こちらは「適切なセキュリティ対策が講じられており、機能も同等」だとしている。

この禁止によって、市内の5つの区の1800校以上の学校の約110万人の生徒が影響を受ける。2018年に創設されたニューヨーク市のコンピュータ・セキュリティーを担当する組織であるNYC Cyber Commandはすでに学校でのZoomの使用を一部禁止している。

Zoomからはまだコメントがない。

新型コロナウイルスの流行拡大のために世界では何億人もの人々がビデオチャットのプラットフォームを利用することを余儀なくされている。このためZoomのユーザー数も急拡大していたが、同社のセキュリティとプライバシーに対する方針と行動に多数の欠陥が発見され、批判の嵐が起きていた。そこにこの禁止が発表された。

セキュリティ専門家がZoomのシステムは中国当局による傍受の危険にさらされていると強く批判した後、4月4 日に同社のCEOであるEric Yuan(エリック・ユアン)氏は、ルーティングの一部が中国を通じていたのは「設定のミスによるもの」だとして謝罪した。 同時にZoomは、このサービスがエンドツーエンドで暗号化されていなかったにもかかわらずそうしていると主張していたことについても謝罪した。

Zoomはまたデフォルト設定を「パスワードを有効する」に変更した。これはパスワードなしで行われているZoomのビデオチャットに部外者が乱入して妨害するZoombombingが多発したことによるものだ。

しかし一部の学校では他のサービスへの移行に困難を感じている。 Chalkbeatが最初に報じたが、3月16日にニューヨーク市の市立学校が休校となった後、Zoomはすぐにビデオチャットサービスの一番人気となった。ブルックリン区の校長の一人は、Microsoft Teamsの「使いにくい」を挙げて、「Zoomの禁止はリモート学習に困難さを加えるもの」とChalkbeatに答えている。

ニューヨーク市の広報担当者は、「学校に対してはすでに数週間前からMicrosoft Teamsの操作を訓練してきた」語った。同時に、将来(学校が)Zoomに戻ることを許可する可能性を除外しなかった。

ニューヨーク市は「Zoomの開発の状況をモニターし、引き続き詳しくレビューしていく。なんらかの進展があればすぐに学校にもアップデートを通知する」予定だという。

画像:ニューヨーク市の公立学校教室内部 Michael Loccisano/Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナ感染回避を強力に支援するビデオチャットアプリ8選

video call

ソーシャルディスタンス(社会的距離)の変遷を多くの人が驚きを持って受けとめる中、ビデオ通話が距離のある人との交流に欠かせない新しいツールになりつつある。しかし、巷にあふれる多くのアプリの中から、あなたと(テクノロジーに疎いかもしれない)友達や家族に適しているのはどのアプリなのだろう?お茶するときによし、家族の集まりによし、深夜のゲーム大会によしのお勧めアプリを紹介していこう。

ここで紹介するサービスは、簡単に他の人々とつながることのできる無料アプリを探している個人向けのもので、中小企業を含めた企業向けのものではない。セレクションのポイントは、使いやすさと一般の人々が魅力を感じる機能だ。アプリはすべて無料で、クロスプラットフォーム、つまり少なくともiOSとAndroidで使用でき、多くはmacOSやWindowsにも対応している。

多人数グループ向け

Skype(iOS、Android、macOS、Windows、Linux、ウェブ)

skype

良い点: 一度に多くの人と通話が可能
悪い点:他の機能に力を入れすぎ
Skypeは長く使われてきた。そのデスクトップアプリはいまひとつだが、モバイルバージョンは安定している。無料で多人数に対応可能で、実質上制限はない(1通話あたり4時間、月あたり100時間)。ビデオ通話をメインに考えているのであれば、優秀なアプリである。しかしSkypeの絵文字リアクション、ステータスの更新、およびその他のお粗末な機能は回避するのが最善。

Zoom(iOS、Android、macOS、Windows)
Zoom
良い点:一度に多くの人と通話が可能、主催者の権限が強い
悪い点:不完全なバックグラウンドデータポリシー、40分の通話制限
Zoomは、ビジネスビデオ会議アプリとしては最も人気のアプリの1つだ。信頼性が高く、安定したウェブ統合とその他の機能を備えている。Zoomは本来個人の通話用に作られたものではない。個人使用には必要ない機能も多数あるが無料版で十分だ。残念ながら、グループ通話には40分の時間制限が設けられている。40分は思ったより早く経過してしまい、全員がいったん通話を終了し、もう一度開始しなければならない。Zoomは無断で大量のデータを収集してたことで批判されてきた。友達とおしゃべりするだけなら、他にもっと良い選択肢がある。

友達・家族向け

Facebook Messenger(iOS、Android、macOS、Windows)
Facebook Messenger
良い点: 簡単に使用でき、多くの人が既に持っており、便利なグループ機能
悪い点: Facebookアカウントが必要
メッセンジャーの人気には理由がある。メッセンジャーがあれば、友達とのほぼすべてのデジタル通信の機能がある。無料の時間無制限のビデオ通話に最大8人が参加できる。2人で通話を行う場合は、サーバーを経由しないピアツーピア構造に切り替わり、渋滞を回避することができる。もちろん、これもFacebookの製品なので、Facebookアカウントが必要になってくるが、アカウントの作成を嫌がる人もいる。しかし、メッセンジャーは、Facebookへの投稿や画像よりもスヌーピングから保護されている。

WhatsAppメッセンジャー(iOS、Android、macOS、Windows、ウェブ)

whatsapp

良い点: 安全、多くの人が使用
悪い点: 1回のビデオ通話で4人まで
WhatsAppは、FBメッセンジャーの冴えない、やや見劣りする兄弟に例えることができる。かなりブサイクであっても、プライバシーに焦点を当てているため、WhatsAppは世界中で多くの人に支持されている。ビデオ通話はWhatsAppの主要機能ではないが、4人しか参加できないことが気にならないのであれば、悪くないアプリである。ビデオ通話をするには、グループチャットを開始し、右上の通話ボタンを押して参加者を選択し、カメラを押す。

Google Duoまたはハングアウト (iOS、Android、ウェブ)

Google Duo

良い点:シンプルなインターフェース、既存のGoogleアカウントの使用
悪い点:複雑なプラットフォームの問題、Duoは今後消えていく可能性あり
Duoは、Googleの比較的新しいメッセージング製品でAlloの補完を目的としている。ハングアウトのコンシューマーバージョンという位置付けで、ChatとMeetに分割されているが、独立した存在である。紛らわしい? それこそGoogleである。しかし現在このアプリはとてもうまく機能している。既存のGoogleコンタクトやアカウントに接続し、簡単にビデオ通話ができる上、特に制限はない。友達が新しいアカウントを作成したがらない場合、これはよい選択肢である。ただし、あまり依存してはいけない。人気のないGoogle製品の寿命は長くはないからだ。

Marco Polo(iOS、Android)

良い点: ビデオメッセージングはライブチャットの代替手段として楽しめる機能
悪い点: ライブチャットオプションがない
いわゆるビデオチャットアプリではないが、全員が対面式のライブビデオ通話を望んでいるわけではないのは事実だ。Marco Poloは合理化されたSnapchatのような存在で、落書きやフィルターなどを追加するオプションを使用して、短いビデオを友達やグループに送信するのに利用される。友達と話すのに30分も時間がない場合には、良いオプションになるだろう。

次点FaceTime、Instagram

FaceTimeは優秀なアプリだが、クロスプラットフォームではないため、かなり有用性が制限されている。友達がたまたまApple製品を使用していたら、FaceTimeは優秀でシンプルなオプションだ。Instagramにはダイレクトメッセージにビデオ通話が組み込まれている。内輪のグループにいれてもよいかどうか確信がもてない人と、ちょっとした通話を行うのに便利だ。

一緒に楽しいひとときを過ごすためのアプリ

Houseparty(iOS,、Android、ウェブ)

Houseparty

良い点: グループチャットへの出入りが簡単、ゲーム内蔵
悪い点: 基本的にHeads Upのためのトロイの木馬
Housepartyは、10代の若者が家に居ながらにして友達グループとチャットするために使用するアプリとしてそのブランドを確立した。大人には不評。しかし、そういったものの常として、子供には支持されている。Housepartyは仲良しグループでの使用に適している。誰かがオンラインになれば通知され、チャットにもで簡単に入ることができる。アプリ内のゲームも楽しめるが、Heads Upをするには課金されてしまう。ピクショナリークローンは楽しいが、限られた文字数では紹介しきれない。

Discord(iOS、Android、macOS、Windows、Linux、ウェブ)

Discord

良い点: ゲームをしながらボイスチャットをするか、たまに簡単なビデオチャットをするのに最適
悪い点:インターフェースが時々紛らわしく、ビデオが中心機能ではない
Discordはゲーム関連コミュニティーでは事実上の王者と言ってよく、ゲーム内チャットインターフェースやSteamなどの教育業界の大物に取って代わるものだ。Discordの主力サービスは音声チャットであり、そちらは良好だが、ビデオチャットも選択できる。複数のタブ、グループ、チャンネルがあるため、テクノロジーに精通していないユーザーには、そのインターフェースは紛らわしいかもしれない。

次点BunchSquad

新しいアプリ、Bunchは, ビデオチャットをしながらグループでゲームをすることに力を入れている。うまく機能するかどうかわからない上に一部のゲームにアプリ内課金がある可能性がある。しかしプラットフォームは当初から多くの人が利用しているので、この際試してみてはどうだろう。

Squadが力を入れているのが、自分がスマートフォンでしていることをチャットしながら共有する機能だ。一緒にTinderをチェックしたり、ビデオを見るといったことが可能だ。Bunchと同様、Squadは未だ新参のアプリであるため、友達にサインアップをしてもらわなければならないが、自分がスクロール(またはスワイプ)しているものをそのまま友達と共有するのには最適な手段だ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Dragonfly)

Facebookが通常のTVをスマートTVに変身させるチャットデバイスPortal TVを発表

米国時間9月18日、Facebookはリビングのテレビに接続して大画面でビデオチャットを楽しめるPortal TVを含め新しいPortalシリーズを発表 した。各種サービスからコンテンツをストリーミングすることもできる。価格は149ドル(約1万6200円)だ。カメラ内蔵のデバイスをテレビの上に置くことにプライバシー上の抵抗があるかもしれないが、Portal TVのカメラはワンタッチで物理的にフタができる。

AppleやGoogleなどライバルのプロダクトがテレビのスマート化が主目的なのに対して、Portal TVは大画面テレビで家族がビデオチャットを楽しめる点がユニークだ。ソーシャルネットワークをリビングに持ち込む足がかりとした点でPortal TVは新しいジャンルを切り開いた。ハード、OSともFacebook自身が開発・販売する。

Facebook Portal Lineup
Portal TVはこれまでの画面付きPortalデバイスに比べてはるかに小型化された。自動ズーム機能を備えたAIカメラ、 Alexa接続の音声アシスタントを内蔵し、Messengerのビデオチャットの他にWhatsAppの暗号化ビデオ通話が可能だ。またSpotifyの音楽に加えてAmazonプライムビデオを利用できるようになった。この149ドルのデバイスはHDMI端子を備えたテレビならほとんどすべてに接続できる。

全流通経路での販売に先立ち、今日からPortal.facebook.comでセールが始まっている。米国やカナダではAmazonとBest Buyで販売される。また英国やオーストラリア、ニュージーランド、スペイン、イタリア、フランスで発売が予定されているが、スマート音声アシスタントは当面、英語のみに対応する。Portalシリーズについては、Portal、Portal Miniが10月15日から、Portal TVは11月5日からそれぞれ出荷される。

Portal Mini Black

ただしPortalシリーズ製品は有力ビデオサービスのNetflixやHBOをサポートしていない。担当バイスプレジデントのボズことAndrew Bozworth氏(アンドリュー・ボスワース)氏は「この製品はRokuやFire TVなどに対抗するものではない。ライバルは我々のよう大規模な大規模なソーシャルネットワークを欠いている。Facebookはコミュニケーションのハブという本来の強みを生かし、新しいビデオチャット体験を提供する」と意図を説明した。

「プライバシーが心配」を克服

Portalシリーズは1年前にスタートし、おおむね好意的な評価を受けたものの「プライバシーについてFacebookは十分配慮していない」という記事tal!』と呼びかけるとそも多かった。一般消費者も同様に感じたかどうかは疑問だが、ボズ氏は「Portalはセールスもその後のエンゲージメント好調だ」と私に語った。ただし正確な数字は発表されていない。

もちろんPortalシリーズ製品のカメラにはワンタッチでレンズを覆うことができるスライド式カバーが設けられている。

Portal TV Closeup

しかしその後、FacebookだけでなくApple、Google、Amazonも音声の認識精度を改善するためにユーザーに無断で音声データを収集していたことが判明し、プライバシーの侵害だと強く非難されるという事件が起きた。ボズ氏によれば「ユーザーからの『ヘイ、ポータル』という音声を認識すると、それ以降の音声はFacebookに送信されて専門家の検証を受ける可能性がある。しかし我々は検証をオプトアウトでできるようにした」という。

しかしPortalが「覗き見されるような気味悪さ」を本当に払拭したいと考えているなら、人間による音声データの検証をデフォルトにしているのはなぜなのか?ボズ氏はアクセシビリティの観点からこの点について説明した。「広い地域をカバーしているため多くのユーザーには地域の訛りがある。また軽度の言語障害を持つユーザーもいる。こうした場合音声認識の精度が低下する」とのこと。彼は、音声データを効率よく収集するには、この設定をデフォルトにしておくしかないというが、プライバシーを重視することによってPortalデバイスのセールスが向上するかもしれないとうメリットも考えるべきではないか。

Portal Privacy Set Up Notice Screen

しかし「監視社会の尖兵」といった批判を受けてもFacebookがPortalデバイスに注力するのには理由がある。Facebookは生命線ともいうべきモバイルアプリがAppleとGoogleのストアを通じてしか配布できないという致命的な弱みがあった。「スマートフォンを押さえているプレイヤーには巨大な影響力がある。われわれはいわばそうしたデベロッパー、メーカーの好意にすがって生存してきたわけだ」とボズは書いている。Portalは(いかに監視能力をそしられようと)、Facebookが独自に開発・販売するコミュニケーションデバイスだという点で戦略的重要性があるわけだ。

新しいPortalシリーズをテストした

Facebookに対するイメージはさておき、各種Portalは便利で楽しいデバイスだ。ハードウェアの開発・販売が未経験の会社が1年前にスタートさせたプロダクトとは思えないほど、洗練された作り込みとなっている。デザインもエレガントで多くの家庭のリビングにもキッチンにもなじむだろう。

Portal Mini Portal TV

新しいPortal、Portal Miniはほぼ現行製品と同様だが左右に張り出していたスピーカー内蔵のベゼルが消え、スマートになった。Portal SpecsPortal TVはまったく新しいデバイスで、画面がないため省スペース。記事トップの紹介ビデオを見てもらえばわかるが、Portal TVにはテレビ台の上に置くための脚が付属している。この脚は90度開いてテレビを挟み込むクリップにもなる。接続に必要なのはHDMIケーブルだけだ。カメラは1250万画素、画角120度でマイクは8台のアレイとなっている。また部屋の向こうの端に向かって「ヘイ、ポータル!」と大声を張り上げずにすむようベーシックな動作を命令できるリモコンが同梱される。

Portal TVはスピーカーも内蔵している。接続しているテレビの画面がオンの場合はもちろんオフの場合も使えるほか、別系統からの音声入力にも対応する。HDMI CECでの接続も可能なので、Portal TVを外部から遠隔操作することもできる。

プライバシーシャッターと呼ばれるカメラのフタは、スライド式でワンタッチでレンズが覆い隠せる。すべてのセンサーが無効になっている場合に赤く点灯させるスイッチもある。こうした予防措置を信頼するなら、Portalシリーズは最もコストパフォーマンスに優れた大画面ビデオ通話デバイスだ。

Portal TV and Remote

Portal TVのAIスマートカメラは顔を認識できるだけでなく人体に関するデータベースを持つため、ユーザーがどんな動作をしても追従可能だ。今回新しくカバーされたWhatsAppを使う場合、ライブフィルターも利用できる。ビデオで紹介しているが、ユーザーは自分の顔をライオンにたりヒゲを生やしたり自由に変えることができるだけでなく、小さな子供が部屋中を走りまわるような状況にも対応する。

Portalは「ストリーミングのデバイスではない」というものの、Spotify、Pandora、Amazon Primeビデオをサポートする。今後、スマートホームデバイスとしてRingドアベルがカバートされる予定だ。

Portal Mini Alexa

Portal TVから別のPortal TVへのMessengerビデオチャットではWatch Together(一緒に見る)機能が利用できるようになる。これはPinP(ピクチャー・イン・ピクチャー)で画面の一部にチャット窓が開き、Facebook Watchビデオを通話先と共同視聴できる。PinP窓で相手のリアクションがわかるわけだ。ただし今のところPrimeビデオなど他のコンテンツでは利用できない。

PortalTV CoWatching

ボズは私に「ボーリングやったことあるだろう?ボーリング大好きなんだけど、考えてみると変なスポーツだよね。あれは一人でやっても全然おもしろくない。みんなで集まってビール飲んでワイワイやる口実なんじゃないかな?Portal TVの共同視聴やARゲーム機能もそれだと思っている。これは口実で、要するにみんなで集まって騒ぐのが楽しいんだ」と説明した。

おそらく、これがPortalの真の戦略的目的なのだろう。Facebookは我々のさまざまな情報を収集するために時間を費やしてきた。他者の製品はもう少し変わっていたり、興味深かったりするかもしれないが、FacebookとPortalの組み合わせに勝るものはないだろう。くだらないビデオや平凡なゲームでも大きな画面で家族や友達と一緒に体験すれば意味のあるものになる。ボーリングと同じでみんな集まって騒げば楽しい。Portal TVはFacebookがユーザーのリビングに確固たる地位を築く有力な一歩になるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOSの最新アップデートでFaceTime通話時のカメラ切り替えが前のようにワンタップで可能に

iOS 12になってからAppleは、FaceTimeしてるとき前カメと裏カメを切り替えるボタンを隠してしまった。前はワンクリックで済んだことが、突然メニューの中へ押し込まれて、ユーザーが通話時に5,6回は使うもの、ではないものにされてしまった。

この変更が嫌いな人に、良いニュース。Appleはそれをアンドゥーしたのだ。

今日(米国時間12/5)リリースされたiOS 12.1.1では、切り替えボタンがメインの通話画面に戻ってきた。なにしろ、あの変更によって、誰かが必ず、“ちょっと待って。どうやって画面を変えるの? どうなってんだい? あのボタンはどこへ行ったの?”、と言うようになった。だから元に戻ったことによって、おかしな通話はなくなるね。

さらにこのバージョンでは、1対1のFaceTime通話をしてるとき、Live Photoを撮れるようになった。ただし両者がこの機能をonにしてるとき。チャットしてる途中にLive Photoなんか撮りたくないって? そんな人は、FaceTimeの設定でそれを無効にできるんだ。

この二つ以外でも、今度のバージョンでは既存の機能が磨かれている。パッチノートから引用すると: Wi-Fiで通話しているときでもリアルタイムテキストができる; デュアルSIMが新たに追加したキャリアでもサポートされる; iPadのNewsアプリでサイドバーを隠せる; その他のバグフィクスとパフォーマンスアップ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

FacebookがPortalの発売を開始、プライバシーと広告のポリシーをあらためて説明

Portal現象に早く一枚加わりたい、と願っていたあなた、Facebookは今日(米国時間11/7)、そのビデオチャットデバイスの発売を開始する、と発表いたしました。同社の初めての本格的な専用ハードウェア製品には、構成が二種ある: AmazonのEcho Showに似たPortalと、大型のPortal+だ。お値段はそれぞれ、199ドルと349ドルである。小さい方は、二つで298ドルという売り方もある。

このデバイスが先月初めに発表されたときには、プライバシーを心配する声があった。同社はそれらの問題の一部を、ローンチ前に蕾のうちに摘み取ろうとした。なにしろ2018年は、Facebookのプライバシーにとって散々な年だった。同社はその後数週間、データ追跡と広告のターゲティングに関してあいまいな言い訳に終始し、またまた点を下げた。

そのことが念頭にあるFacebookは、ローンチを告げるブログ記事でPortalのプライバシーについてさらに呪文を並べた。その筆頭は、同社はビデオ通話を見たり聴いたりしないことを約束する、だ。通話は暗号化され、またすべてのAI技術はデバイス上でローカルに実行される。同社のサーバーには送られない。

その記事でFacebookはさらに、Portal上の会話の扱いはMessengerのそれと同じである、と約束している。その意味は、通話をのぞき見しないが、実際には使用データを追跡し、その後それをクロスプラットホームな広告に利用するかもしれない、ということだ。

Facebookはこう書いている: “Portalでビデオ通話をするとき、Messengerができるデバイス上と同じデバイス使用情報をわれわれは処理する。それには、音量レベル、受信量バイト数、フレームの解像度などが含まれる。そのユーザーの通話の頻度や長さが含まれることもある。この情報の一部は、広告目的に使われることもある。たとえばユーザーの大量の通話が、その人が見る広告を知る手がかりになるかもしれない。この情報には、通話の内容は含まれない”。

言い換えると、同社は個人を同定できるデータは集めないが、情報は追跡する。そして率直に言って、Facebookのアカウント保有者はすでにそういう条件で登録しているのだ。問題は、それのまた新たなレベルが登場してリビングルームやキッチンに入ってきても、ユーザーは平気かどうか、という点だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、ビデオチャット・デバイス開発中――スマートスピーカーは一時棚上げか?

Facebookはノートサイズのディスプレイを備えたビデオチャット専用ハードウェアの開発を行っているという。Bloombergの記事によれば、Facebookのハードウェア開発事業部、Building 8からの初の本格的製品となる。記事によれば、このハードウェアは物理的に離れた場所にいる友達が同じ空間を共有しているように感じて親しく会話できるようにすることを目指している。

BloombergはまたBuilding 8ではAmazon EchoやGoogle Homeのライバルになる音声認識機能を備えたスマートスピーカーも開発しているとしている。FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグ自身が自分の家庭のために映画『アイアンマン』のじゃーヴィスのような音声認識で作動するホーム・アシスタントを開発したことがある。これはザッカーバーグ恒例の「今年の目標」の2016年版だった。

Facebookのハードウェア開発に関するニュースは初耳ではない。先週はDigiTimesがFacebookのサプライチェーン関係者の話として15インチ・ディスプレイを備えたデバイスの開発が順調に進んでおり、早ければ2018年の第1四半期にもリリースされると報じていた。

こうした情報を総合すると、Facebookのスマートスピーカーと15インチ・ディスプレイは実は別々のプロダクトのようだ。15インチのスクリーンはノートパソコン・サイズのデバイスにちょうどよい大きさで、ビデオチャットに向いている。チャット・デバイスの価格は Bloombergによれば「数百ドル」になるという。もしFacebookが当面ビデオチャット・デバイスに集中するなら、スタンドアローンのスマートスピーカー製品は一時棚上げになるのかもしれない。スマートスピーカーの価格は100ドル台を目標としていた。

Bloombergによればビデオチャット用デバイスはマイクと広角カメラを内臓し、人工知能によってオーディオを最適化し、人間の顔を認識してズームする機能などを備えるという。テストではディスプレイを支えるために薄型のスタンドが用いられた。Facebookでは13インチから15インチ程度のサイズを考えているという。OSはインハウスの専用OSではなくAndroidが用いられるようだ。

またFacebookはこのデバイスに360°カメラを装備することも検討している。これが実現すればデバイスの全周を撮影することが可能となり非常にリアルなテレプレゼンスをもたらすはずだ。ただし最初にリリースされるバージョンには間に合わないようだ。

Facebookがビデオチャット・デバイスを販売することは理にかなっている。ユーザーがビデオチャットを利用する際のハードルを下げ、利用を大きく増加させるだろう。現在パソコンやタブレットなど汎用コンピューターでビデオチャットを行うにはプラットフォームにログインしたり、アプリにカメラのアクセスを許可したりするなどの手間がかかる。Facebookのビデオチャット・デバイスはFacebook Messengerをデフォルトでサポートするはずだ。これはMessengerを一層普及させ、コマースや金融などのトランザクションのプラットフォームとしての地位を確立することを助けるだろう。

記事執筆に協力: Josh Constine.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

口パク動画のMusical.lyが新アプリをローンチ―、今度は1対1のビデオメッセンジャー

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ティーンやトゥイーン(10〜14歳前後の子ども)をターゲットにした口パク動画アプリのMusical.lyが、App Store上で新しいアプリを公開した。数日前に、同社はPing Pongと名付けられたビデオチャットアプリの配信をApp Store上でスタートさせていたが、どうやらこれは一般公開前のテストリリースだったようだ。これで上海に拠点を置くMusical.lyがリリースしたアプリの数は、合計で4つになった。同社のフラッグシップアプリであるMusical.lyのユーザー数は、昨秋時点で1億人を超え、ライブビデオ配信アプリのLive.lyはリリースから数ヶ月のうちに、TwitterのPeriscopeを追い抜かした

サンフランシスコにも拠点を構えているMusical.lyの評価額は、昨年5月に1億ドルのラウンドをスタートした時点で5億ドルに達していた。当時のユーザー数は6000万人ほどで、まだMusical.lyは成長途中にあった。そして同社は資金調達後すぐに、ビデオを介してリアルタイムでコミュニケーションがとれるLive.lyを、同社にとって2つ目のアプリとしてローンチし、Facebook LiveとPeriscopeに挑んでいった。

共同CEOのAlex Zhuは、ユーザーが音楽以上のものを共有しているということにMusical.lyのチームが気づき、このトレンドをビジネスにできないかと考えた結果、Live.lyが誕生したと説明していた

その後同社は、3つめのアプリとなるSquadをローンチした。このアプリも、Musical.lyのユーザーをもっとソーシャルな方向へと動かし、お互いに交流できるような場を提供している。シンプルなグループビデオチャットアプリのSquadは、今年の1月にリリースされたものの、Product Huntで取り上げられた以外では、特にマーケティング活動の痕跡は残っていない。

そしてリリース後は、多くの人がSquadをHousepartyと比較していた。Housepartyもティーン向けのグループビデオチャットアプリで、ライブビデオ配信サービスの先駆者的な存在であるMeerkatと同じ会社が開発を手掛けている。なおMeerkat自体は、PeriscopeやFacebook Liveの登場でシャットダウンへと追い込まれた。

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Squadのスクリーン

一方Ping Pongは、ユーザーがグループではなく1対1でやりとりすることを除いては、Squadの変化形でしかないような印象を受ける。恐らくこのアプリの目的は、ユーザーがグループでリアルタイムにやりとりするのと、1対1での非対称ビデオメッセージを送り合うのと、どちらを好むのか検証することにあるのだろう。

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Ping Pongのスクリーン

SquadもPing Pongも、まだそこまでユーザー数は伸ばせていないようだ。App Storeのソーシャルネットワーキングのランキングを見てみると、Squadが318位に、Ping Pongは700位にランクインしている。ソーシャルメディア上でもPing Pongの話あまり見かけず、現在のところPing Pongはサインアップさえできない状態にある(Squadは問題なく動いている)。

サインアップができないというエラーメッセージが表示されるわけではなく、Ping Pongは利用者の多い時間帯にはまだ対応していないようで、読み込み画面でスクリーンが固まってしまう。Facebook経由でもサインアップはできないが、おかしなことにFacebookはPing Pongのことを「chacha」と呼んでいる。もしかしたらコードネームなのかもしれない(一方で偶然?にも、北京発のChaChaというビデオチャットアプリも存在する。しかし両社の関係についてはよくわかっていない)。

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TechCrunchは、先週末からMusical.lyに何度もコンタクトを試みているが、メディアにめったに登場しないことでよく知られる同社からのコメントはまだない。

Ping PongはApp Storeで公開されており、アプリの様子をみることはできるが、先述の通りサインアップは少なくとも今のところできなくなっている。

Ping PongもSquadもGoogle Playでは配信されていないが、主力アプリのMusical.lyはAndroid向けの「Musical.ly Lite」として公開されている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

100万人以上の若者が利用するグループビデオチャットアプリHouseparty

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ライブストリーミングには、大きなイベントを放映したり、一対一のビデオコールをしたりする以外にも使い道がある。Housepartyを使って、一日に合計2000万分も会話している100万人の若者はそのことを良く知っている。Housepartyとは、ティーンに大人気のグループビデオチャットアプリだ。

今はなきMeerkatをもとに開発されたHousepartyは、同時性を備えたソーシャルネットワークという、新たなカテゴリーを牽引しているサービスで、実際に友人と会って話すのに最も近いエクスペリエンスを提供している。

フィード上に投稿して誰かがLikeボタンを押してくれるのを待ったり、メッセージ機能を使ってテキストやメディアを送受信したりする代わりに、Houseparty上のやり取りは全てリアルタイムで行われる。しかも、Housepartyでは誰かが中心となってコミュニケーションが行われるのではなく、スクリーンを最大8分割することで、会話に参加している人全員が一緒に話したり笑ったりできるようになっているのだ。

インターネット上のサード・プレイス

ファウンダーのBen Rubinは、Housepartyのことをインターネット上の居間のように考えていると話す。しかし同サービスの例えとして、居間はやや孤立性が強いように感じられる。Google HangoutsなどのグループビデオアプリとHousepartyの大きな違いは、会話に参加して欲しい人に対して、誰かを家に招くように、リクエストを送る必要がないという点だ。同サービスでは、ユーザーがオンライン状態になれば、すぐに「家の中」で他にアプリを開いている友人とパーティーを始めることができる。

これこそ、社会学者の言う「サード・プレイス」に、Housepartyがネットサービスの中で最も近い理由だ。

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「ファースト・プレイス」は人の家、つまり親密だが外の世界からは孤立した場所を指す。そして「セカンド・プレイス」は、職場のように、社会的だがフォーマルで大きな責任が伴う場所を指す。最後に、「サード・プレイス」は、カフェやバー、ショッピングモールのように、リラックスや人との交流、アイディアの共有、ブラブラして過ごすことなどを目的とした公共のスペースを指している。サード・プレイスは、それ以外の場所の厳しさに疲弊した心を休める場としても利用されることがある。

houseparty-appオンライン環境では、しばしばサード・プレイスが、意図的に作られずとも自然発生することがある。World Of WarcraftのようなMMORPGのプレイヤーの中には、ログイン後すぐに戦闘に加わるよりも、一緒にダベる人がいないかまず周りの様子を伺うという人もいるのだ。さらにSecond LifeやAltspaceのような仮想世界では、架空の家を建てたり、コンテンツを消費するのではなく、オンラインコミュニティへの出入りを目的としたユーザーの存在も確認されている。

Housepartyは意図的にサード・プレイスをつくり出し、そこへはユーザーの電話帳の中に存在する、現実世界のソーシャルグラフのどこからでもアクセスできるようなつくりになっている。その結果、ユーザーは自分が動かなくても友人と会うことができるほか、何かを作りだすというプレッシャーを感じることなく人と交流することができるのだ。

ティーンや若年層は、持ち余した時間を使って、友人と集まりたいという強い願望を持っている一方で、家族からの自立や交通手段、家の所有権の問題からその思いを完全には叶えられないでいる。その背景こそ、Housepartyが、ユーザーの60%以上を占める24歳未満の若年層に人気を博している理由だ。

パーティーは続く

新鮮な仕組みのおかげもあり、Housepartyは5月のiOSアプリのチャートで総合3位に急浮上したが、現在でも同アプリは、一発屋では終わらない力を持っていることを証明している。今週のチャートで29位まで順位を戻したHousepartyのデイリーユーザー数は、本記事のインタビューから数日経った時点で120万人を突破した。同時性を持ったこのアプリでは、ネットワーク効果が全てを握っている。既存ユーザにとっては、友人が新たに1人Housepartyを利用し始めるだけでも、アプリの価値が急激に上昇するため、Housepartyがエンゲージ率を維持できれば、サービスの価値が雪だるま式に上がっていくことが予想される。

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それに加えて、同社はサーバーをダウンさせないように努めなければならない。というのも、ライブストリーミングアプリのMeerkatからHousepartyへのピボット後、Housepartyの親会社であるLife On Airは、シリーズBでGreylockから調達した1400万ドルを引き伸ばして使うため、従業員数を36人から現在の11人へと減らしたのだ。

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当時Rubinは、PeriscopeやFacebook Liveが得意とするブロードキャスティングの分野では、Meerkatには勝ち目がないと気付いた。競合他社には、多くのファンを持つ配信者を雇って、プレミアムなコンテンツを配信するための資金力とコネクションがあったのだ。そこで、Life On Airはコストと人員をカットしながら、携帯電話のカメラという広く使われている入力機器を利用し、一般層をターゲットとしたHousepartyの開発を進めた。

これこそ、FacebookやInstagram、Twitter、Snapchatといった競合ソーシャルメディアが、Housepartyをコピーするのが難しい理由だ。Housepartyの同時的ライブ体験は、ユーザーがアプリを開いた瞬間に会話に加われなければ意味がない。そしてこの機能は、Instagramが本日発表した、ダイレクトグループメッセージへのライブ動画機能追加のように、あと付けできるものではない。さらに競合となる大手企業が、同時接続型のグループビデオチャットをサービスの中心に置くという極端なピボットを行うとは考えづらい。

つまり、Housepartyこそがユーザーの集う場所なのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter