アップルがFaceTimeのアップデートを発表、Androidユーザーも利用可能に

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大が始まってから1年あまりが経った今、Apple(アップル)がWWDCでiOS 15に搭載されるFaceTimeアプリの大型アップデートを発表した。

注目されるのはAndroidユーザーがFaceTime通話に参加できることで、これによりコロナ禍での外出制限で急成長したZoomやGoogle Meetなどのアプリの競合となる。前もって「カレンダー」アプリから通話に参加するためのリンクを送信できる新機能もある。このFaceTimeリンクは、ウェブ、Androidデバイス、iPhoneとさまざまなプラットフォームで動作する。

FaceTimeのビデオ通話を実際の会話に近づけるアップデートもある。

Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏は「誰かと直接会って話をするとき、私たちの脳は社会的、音声的、視覚的な無数の手がかりを処理します。ビデオ通話ではそういった情報の多くが失われてしまうため、私たちは疲れてしまいます。そのため2021年は、FaceTime通話をより自然で心地よい実際の会話に近い形にすることを目指しました」と述べた。

空間オーディオ機能により、FaceTime通話は友だちと同じ部屋にいるような音に感じられる。誰かがあなたの画面の左側に表示されていれば、その人のオーディオはスピーカーの左側から聞こえるということだ。iPhoneなどの小さなデバイスでは効果があまり感じられないかもしれないが、iMacなどのデバイスでは興味深いものになるだろう。誰かが話しているときは、その人のビデオが白い枠で囲まれる。ユーザーは通話の参加者をZoomに似たグリッド表示にすることができる。

また、雑音のある場所で通話をしている人の音質を向上する「声の分離」も発表された。WWDCでの発表中に紹介されたビデオでは、通話をしている相手の室内に子どもがブロワーを使いながら入ってくる様子が披露された。TechCrunchのライブブログでは、ライターのDarrell Etheringtonがビデオはかなり編集されているようだと指摘した。

そして、友だちと一緒にストリーミングビデオを簡単に楽しめるSharePlayという機能をFaceTimeで利用できるようになる。SharePlayはグループでの視聴や画面共有をする機能で、アップルはSharePlayをすでにDisney+、Hulu、HBO Max、NBA、Twitch、TikTok、MasterClass、ESPN+、Paramount+、PlutoTVといったパートナーと共有している。SharePlay APIが公開されるため、開発者はこのAPIを利用して自分が開発するビデオアプリを統合できる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDC 2021WWDCFaceTimeビデオ通話iOS 15iOS画面共有

画像クレジット:Apple

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

デートアプリTinderはネットで新たに知り合いを発見する「ソーシャルディスカバリー」に足を踏み出す

デートアプリTinder(ティンダー)とその親会社Match(マッチ)が、アプリを通じた個人的なつながりの未来を模索している中で、どのようなアイデアを試し、破棄したのかをみていくのは興味深い。そうしたものの1つが「Tinder Mixer」(ティンダー・ミクサー)と呼ばれるもので、Tinderのユーザーがグループビデオチャットに参加したり、近くにいる人と「ゲーム」をしたりする方法が一時的に提供されていたのだ。

この機能は、2020年ニュージーランドで短期間テストされたとの情報を得ているが、今後の実運用はされない。

Tinder Mixer機能は、アプリ研究者のAlessandro Paluzzi(アレッサンドロ・パルツィ)氏が、TinderのAndroidアプリのコードの中に痕跡を発見したことで明らかになった。この発見はまだ公表されていなかったが、私たちはこの製品の起源について調べてみた。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

パルツィ氏によれば、彼がデートアプリの中で見つけたリソースは、まだ開発途中の製品のように見えたものの、結局それはTinderがデート市場で続けている実験の中で、すでにテストされてすぐに終了したものだったという。

Tinderによれば、このTinder Mixerのテストが2021年の製品ロードマップに影響を与えることはなく、上で言及したTinder Mixer体験が実際に登場することはないという。

とはいえ、この機能が特に興味をそそった点は、Tinderが短期かつ実験的とはいえ、Tinderがソーシャルディスカバリー(リアルの知人同士がつながるのではなく、新しく知り合いを「発見する」ソーシャル活動)分野に一歩踏み出したことだった。通常なら、Tinderのユーザーは1対1で、相手のプロフィールをスワイプし、マッチングし、チャットを行い、時にはビデオ通話を行う。しかし、グループでのライブビデオチャットのようなものは、今のTinderは提供していない。

画像クレジット: Alessandro Paluzzi

とはいえ、ビデオを使うライブというのはMatchにとって新しいものではない。

それはMatchがこれまでも実験を行ってきた分野だ。たとえば1対多のビデオ放送機能を提供する「Plenty of Fish」(プレンティオブフィッシュ)や、世界中の人々と1対1のビデオチャットができる「Ablo」(アブロ)などが挙げられる。こうした実験は、同社が考えている「デート隣接」体験なのだ。言い換えれば、このような動画でのやりとりを通じて誰かと出会うことは可能だが、それは必ずしも主目的ではないということだ。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

こうしたビデオ体験は、Match史上最大の買収案件となったソウルのHyperconnect(ハイパーコネクト)の17億3000万ドル(約1893億円)での買収が発表されても継続し「ソーシャルディスカバリー」やライブストリーミング市場を含む将来に向けた道筋をつけさせるものとなった。

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Matchは、ソーシャルディスカバリーが大きな可能性を秘めた分野であり、実際、デートの2倍の規模の市場になると見積もっている。

Match GroupのCEOであるShar Dubey(シャー・デュベイ)氏は、先日開催されたJPモルガン主催の「テクノロジー・メディア・コミュニケーション会議」でこの点について触れ、Matchのいくつかの大規模なプラットフォームでは、多くのユーザーが「プラットフォーム上で同じ指向を持つ独身者たちとの共有体験やコミュニティ意識」をより求めていることが観察されていると述べた。

彼女は、テクノロジーの進歩によって、従来のスワイプ、マッチ、チャットで行われてたデートの流れ以上の豊かな体験を通して、他者との交流が可能になったのだと指摘する。そうした体験には少数対少数、多数対多数、1対1などのものが含まれている。

Hyperconnectは、Matchがこうした分野に展開する際に必要となる技術の多くを提供できる。

現在Hyperconnectは、Azar(アザール)とHakuna Live(ハクナライブ)という2つのアプリを提供しており、ユーザー同士がオンラインでつながることができる。2014年に開始された前者は、1対1のライブビデオやボイスチャットに焦点を当てており、一方2019年に開始された後者はオンライン放送の分野をカバーする。これらのアプリが、MatchがPlenty of FishやAbloで行ってきたライブストリーム体験に対応するものであることは、偶然ではない。

このようなライブストリーミングサービスは、若い人たちによく使われていることが多いので、Matchが将来的な特定の製品開発のためのためではなく、単なるデータ集めのために、同じく若い層が多いTinderでもこのようなライブストリーミング体験をテストしたかったのは理解できる。

まもなく完了するHyperconnectの買収と同時に、Matchはまず、手に入るアプリを使ってライブストリーミングおよびソーシャルディスカバリー市場での活動をアジアで拡大することになる。なぜならHyperconnectの利用と収益の75%はアジア市場から得られているからだ。それからMatchは、その国際的な経験と知識を活用して、まだ開拓されていない他の市場での成長を加速させることを計画している。

しかし、買収のもう1つの大きな理由は、MatchがHyperconnectの技術を同社の既存のデートアプリのポートフォリオに導入することで、より豊かな体験を生み出せるだけでなく「西洋的」なオンラインデートのやり方はまだ完全には受け入れられていないものの、ソーシャルディスカバリーは受け入れられている市場でのユーザーに、アピールできる可能性があると考えているからだ。

デュベイ氏はJPモルガンの会議で「ソーシャルディスカバリープラットフォームで人気のあるエクスペリエンスを、私たちのデート・プラットフォームに持ち込むことで、真の相乗効果が得られると考えています。また、ソーシャルディスカバリープラットフォームを強化することで、利用者の方がデートの目的を果たすお手伝いをすることができるようになります」と説明した。

これらのことがTinderにとってどのような意味を持つのかは、まだはっきりしていない。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:デートアプリTinderMatch GroupSNSビデオチャットHyperconnect

画像クレジット:Tinder

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

ビデオ会議ソフトmmhmmが夏に向かって大量の新機能を発表

Phil Libin(フィル・リービン)氏とAll Turtlesが開発したコミュニケーションプラットフォームmmhmmに、さまざまな新機能が加わる。現在のビデオコミュニケーションは、リアルの世界のさまざな要素を表すだけでなく、それらを超えている部分もあるとリービン氏はいう。

その超えている部分を、mmhmmの新バージョンは提供するつもりだ。

目玉機能であるmmhmm Chunkyでは、プレゼンターが自分のスクリプトとプレゼンテーションを複数の塊、すなわち「chunk(チャンク)」に分割できる。プレゼンターを、スライドデッキに収まっている複数のスライドと考えるとよい。1つ1つのチャンクは完全にエディットでき、細部を仕上げることもできる。mmhmmのユーザーは、自分のプレゼンテーションを複数のチャンクに分割し、そのそれぞれの情報を完成できる。

プレゼンターはプレゼンテーションの間に、ライブと録画済みのチャンクを切り替えることができる。たとえば売り込みを行っているセールスマンなら、口頭で価格を言った後に、動画でその詳しい説明をするといいかもしれない。教師は授業の内容をライブで話しながら、ときどき個々の話題に関する動画を見せるといいだろう。

しかもmmhmmは、コンテンツを作る側だけでなく、それを消費する側のことも考えている。オーディエンスは、いろいろなチャンクやスライドを行き来して話を良く理解したり、あるいは早送りで時間を節約することもできる。プレゼンターは、プレゼンしているときやその後で、オーディエンスが今どこにいるかわかる。

リービン氏はこの機能を、時間をスーパーチャージする方法だと考えている。

「mmhmmでは、完全に分散したチームの同期アップデートをやめました。効率が悪いので、それぞれが自分の番がきたら話すという効率が悪いミーティングを行う必要はありません。チームは簡単なプレゼンテーションを送信するだけで、私はそれを倍速で見ることができます。なぜなら、人は話すより聞く方が速いからです。それを同時に行う必要はありません。重要なことをライブでやりとりするときだけにしています」とリービン氏はいう。

mmhmmは、同社独自のビデオプレイヤーを開発したことも発表した。それによりユーザーは、自分のmmhmmでのプレゼンを、どんなウェブサイトにもストリーミングすることができるようになる。なおmmhmmは従来どおり、ZoomやGoogle Meetなどと同時に使える。

新機能のリストにはCopilotのアップデートもある。Copilotでは、ある人がプレゼンをして、別の人がバックグラウンドからの別のプレゼンを「操作」したり「アートディレクション」したりできる。Copilot 2.0では、その2人が横並びして、好きな環境でビデオチャットできる。

リービン氏が披露してくれたプレゼンテーション、会話では、相手もリービン氏の家にいるような感じになる。この機能は1対1の会話に適しており、特に炉辺談話のような大勢のオーディエンスが前にいるときの1対1会話に最適だとリービン氏は説明してくれた。

mmhmm ChunkyとストリーミングとCopilot 2.0などに加えて、同社は構成をすっきりさせるための春の大掃除も行った。まず、ユーザーはPresentation Libraryで自分のベストテイクを保存してまとめることができ、「Loaf」を使ってすべてのベストビデオとプレゼンテーションを後日の全社的利用のために保存できる。また改良されたPresetsでは、多くのスライドや、プリセットとプリセットの間に、一度にプリセットを適用するのが容易になった。

他にも、mmhmmのiOSアプリとAndroidアプリがもうすぐ登場する。Windows版は、ベータを終了した。

リービン氏の説明では、発表した新機能やアップデートがすべてすぐ利用可能になるわけではない。夏になるまで、毎週少しずつ出てくるという。キーノートは、ここで行われた(日本時間5月28日午前2時)。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:mmhmmビデオ会議プレゼンテーションオンラインプレゼンテーション

画像クレジット:mmhmm

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(文:Jordan Crook、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マイクロソフトが今や1日に1億4500万人が利用するTeamsの開発者向け新機能やツールを発表

Microsoft(マイクロソフト)は、米国時間5月25日に(バーチャルで)開催された開発者・エンジニア向けイベント「Microsoft Build(マイクロソフト・ビルド)」で、自分たちのサービスをSlack(スラック)の競合製品であるMicrosoft Teams(マイクロソフト・チームズ)に統合したいと考えている開発者のために、さまざまな新機能やツール、サービスを発表した。マイクロソフトが、今や1日のアクティブユーザー数が約1億4500万人となったTeamsを、企業の社員が仕事を進めるための新たな拠点であると見做していることは明らかであり、サードパーティの開発者に彼らのサービスをTeamsに導入してもらいたいと望むのも当然と言える。

そこでマイクロソフトは、開発者がTeamsで新しいユーザー体験を容易に構築できるように、新しいツール群を提供することになった。

その内容は多岐にわたるが、最も重要なニュースはVisual Studio(ビジュアル・スタジオ)および Visual Studio Code(ビジュアル・スタジオ・コード)向けに強化されたMicrosoft Teams Toolkit (マイクロソフト・チームズ・ツールキット)の発表だろう。

「これによって開発者は、基本的にアプリケーションをより簡単かつ迅速に作成することができ、さらに豊富なマイクロソフトのスタックを活用した非常に強力なアプリケーションを作成することができます」と、マイクロソフトのグループプログラムマネージャーを務めるArchana Saseetharan(アーチャナ・サシーサラン)氏は説明する。「このアップデートしたツールキットで【略】、私たちは開発者が柔軟に対応できるようにしました。私たちは開発者の置かれている状況に対応したいと思っています」。

画像クレジット:Microsoft

このツールキットは、React(リアクト)、SharePoint(シェアポイント)、.NET(ドットネット)などのツールやフレームワークに対するサポートを提供する。今回のアップデートでは、Azure Functions(アジュール・ファンクションズ)との統合、SharePoint Framework(シェアポイント・フレームワーク)との統合、Microsoft Graph(マイクロソフト・グラフ)とのシングルライン統合などが実現した。

またマイクロソフトは、開発者が作成したTeamsアプリに認証ワークフローを簡単に統合できるようにもした。「ログインは、すべてのユーザーがアプリを使用する際に最初に体験することです。そして、ほとんどの落伍はここで発生します」と、サシーサラン氏はいう。「ですから、(シングルサインオンは)私たちが非常に力を入れて取り組んでいることです」。

また、Microsoft Teamsのための新しい開発者ポータルも開設され、開発者は1つのツールでアプリの登録や設定が簡単にできるようになった。ISV(独立系ソフトウェア事業者)は、この新しいポータルを使って、自社のアプリをTeamsアプリ内購入向けに提供できるようになる。

その他のTeamsの開発者向け新機能には、例えばホワイトボードやプロジェクトボードのようなリアルタイムのマルチユーザーエクスペリエンスを構築する方法や、会議の開始から終了までのワークフローを構築できる新しい会議イベントAPI、さらに開発者がTeamsの「Together(トゥギャザー)」モード用にシーンを簡単に作成・カスタマイズできる新機能などがある。

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他にもいくつかの新機能が追加されているが、要するにマイクロソフトは開発者の人々に、Teamsを自社サービスの実行可能なプラットフォームとして考えてもらいたいと思っているようだ。そしてそれは、1億4500万人のデイリーアクティブユーザーを抱えており、ソフトウェア企業にとって自社のサービスを新たなユーザーに提供するための有益な手段となる可能性がある。

「Teamsは、コラボレーションアプリと呼ばれるアプリの新たなクラスを実現します」と、マイクロソフトのTeams担当製品マーケティングディレクターであるKaran Nigam(カラン・ニガム)氏は述べている。「私たちはその協業スペースをさらに豊かにすることができる独自の立場にあります。拡張性の面で多くの革新を行うことで、アプリはより豊かになり、ツールキットのアップデートによって、それがより簡単に行えるようになりました。そして開発者ポータルは、ライフサイクル全体を管理できるワンストップショップとなります。最終的に、開発者は複数の場所に行く必要がなく、企業の観点からも1つの流れとして、開発を行えるようになります」。

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タグ:MicrosoftMicrosoft BuildMicrosoft Build 2021Microsoft Teamsバーチャルイベントビデオ会議コラボレーション

画像クレジット:Rick Lawrence / 500px / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

マイクロソフトが個人向けTeamsのデスクトップ・モバイル・ウェブ版を正式リリース

マイクロソフトが個人向けTeamsのデスクトップ・モバイル・ウェブ版を正式リリース

Microsoft

Microsoftは5月17日(現地時間)、個人向けの「Microsoft Teams」をデスクトップ、モバイル、Webで正式リリースしました。誰でも無料で利用できます。個人向けのTeamsは2020年3月に発表され、モバイル版のプレビューが6月に開始されていたもの。約1年のプレビューを経ての正式リリースとなります。

Teamsには、これまでも無料プランがありましたが、それはあくまでもビジネスユースのお試しプラン的な位置付けです。今回リリースされた個人向けTeamsは、チーム機能が省かれているなど、ビジネス版とは若干機能が異なっており、家族や友人とのビデオ通話やチャット、ToDoなどを共有するのが主な目的となっています。

個人向けのTeamsでは、1対1でのビデオ通話は最長24時間まで利用可能。3人以上のグループ通話は最大100人まで最長60分間、無料で利用できます。ただ、コロナ禍の状況を考慮し、当面は最大300人まで最長24時間の通話を無料で利用可能です。

同じ部屋にいるような気分でビデオ通話を行えるTogetherモードも利用できます。Microsoftによると、標準的なビデオ通話と比較して脳をそれほど働かせずに済み、疲労を軽減する効果があるとのことです。

マイクロソフトが個人向けTeamsのデスクトップ・モバイル・ウェブ版を正式リリース

Microsoft

また、ビデオ通話中にライブ絵文字やGIFを使用して会話に反応もできます。喫茶店や職場などで、声を出せないような状況でも利用できそうです。

このほか、グループチャットから共有のToDoリストを作成し、グループ内のユーザーにタスクを割り当てたり、グループで日程調整をしなければいけない場合などに、投票する機能も備えます。

単なるビデオ通話やチャット機能を超えて、個人や家族で利用できるコミュニケーションハブとして機能することを目指したものになっています。

個人向けTeamsは、日本でもすでに利用可能。職場で利用している場合には、違和感なく受け入れられそうですが、それ以外の家族にどれだけ普及できるかが活用の鍵になってきそうです。

(Source:Microsoft(1)(2)Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:ビデオチャット / ビデオ会議(用語)Microsoft / マイクロソフト(企業)Microsoft Teams(製品・サービス)

Zoomの会議を自動で文字起こしできるOtter.aiの新しいアシスタント機能

AIを利用した音声文字起こしサービスのOtter.aiは、企業ユーザーが会議を簡単に記録できるようにすることを目指している。米国時間5月19日、同社は新機能のOtter Assistantを発表した。これはカレンダーに入力されているZoomミーティングに自動で参加し、会話を文字に起こし、他の参加者とメモを共有できるようにする機能だ。Otter.aiはすでにZoomと統合しているが、アシスタントは毎回自分で会議の開始時に文字起こしを有効にしたり終了時に止めたりしなくても済むように設計されている。また、会議中に参加者が質問をしたり写真などを共有するなどの共同作業もできるようになっている。

この機能は、Otter.aiの統合を直接利用できるのはZoomミーティングの主催者だけというZoomの以前の制限に引っかからずに動作する。

会議の文字起こしを自動化しようというアイデアは、コロナ禍により発生したリモートワーク環境を考えれば納得がいく。この環境で人々は仕事や育児、在宅授業などに時間を割り振ってきた。このような状況では、会議から離れ、言われたことを聞き逃してしまうこともある。これはOtter.aiが役に立つケースの1つだ。他には会議が重なっている場合、あるいは長い会議の中で自分に直接関係するトピックはごくわずかだが他のトピックをリアルタイムではなく後で確認したいといった場合にも有効だ。

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新しいOtter Assistantを使うには、まずGoogleカレンダーまたはMicrosoftカレンダーをOtterのサービスと同期する。するとアシスタントが自動で今後のすべてZoomミーティングに参加する。透明性のため、アシスタントは1人のミーティング参加者として表示される。

文字起こしにアクセスするためのリンクがアシスタントからZoomのチャットで全員に投稿される。つまりこれは上司に知られずに会議をパスするための機能ではない。会議を文字起こしすることに全員が同意した場合に使う機能だ。

会議中に参加者はOtterのライブ文字起こしで重要な部分をハイライトしたり写真を追加したりメモをとったりすることができる。参加者は発言するのではなくコメント機能で質問をすることもできる。自分が騒がしい場所にいるときに便利だろう。

いったんアシスタントを有効にしたら、会議のたびにOtter.aiをオンにする必要はなく、会議をヘッドフォンでで聴いてもかまわない。Otter Assistantは会話の双方を録音する。

ただし、Otterのウェブサイトの「My Agenda」からOtter Assistantを会議ごとにオフにすることもできる。「My Agenda」には予定されている会議ごとにスイッチが表示される。

会議が終わったらOtter.aiの設定で参加者全員に自動で会議のメモを共有する機能もある。

Otter Assistantは1カ月20ドル(約2170円)からのアップグレードプランであるBusinessユーザーが対象で、2ファクタ認証、SOC2コンプライアンス、高度な検索、書き出し、カスタムの語彙、共有話者識別、データと支払いの一元管理などに対応している。

Otter.aiは2021年初頭に1億回の会議を文字に起こしたと述べていたが、そこからさらに増えてこれまでに1億5000万回以上になったという。同社はサブスクリプション利用者数の詳細を公開していないが、2020年に売上が8倍と大幅に増加し、2021年2月に発表された5000万ドル(約54億3500万円)のシリーズBにつながった。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Otter.ai文字起こしZoomビデオ会議アクセシビリティ

画像クレジット:Otter

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

グーグルが実物大の相手がすぐ向こう側にいるかのような3Dビデオ通話ブースを開発中

Google(グーグル)は、3Dディスプレイ上の3D映像を利用して、双方のユーザーをリアルに映し出すビデオ通話ブースの開発に取り組んでいる。まだ実験的なものではあるが「Project Starline(プロジェクト・スターライン)」は長年の研究と買収を基にしており、近い将来、よりパーソナルに感じるビデオ会議の中核となる可能性がある。

このシステムは、事前に何も知らなかった参加者のビデオを通じてのみ公開された。参加者たちはまず、スクリーンとカメラのセットアップがほとんど隠された部屋に入るように指示された。その後、スクリーンが点灯し、家族など大切な人のビデオ映像が映し出されたが、それは誰も予想していなかった方法によるものだった。

「彼女を見て、感じることができ、まるで3Dの体験のようでした。まるで彼女がここにいるかのようだった」。

「彼に本当に触れられるような気がしたわ!」。

「本当に、本当に彼女と私が同じ部屋にいるように感じました」。

Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)CEOは、この「エクスペリエンス」は高解像度のカメラと独自の深度センサーによって可能になったと説明している。これはほぼ間違いなく、人物や場所を撮影した動画をインタラクティブな3Dシーンに変換するという、グーグルの研究プロジェクトに関連していると思われる。

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ディスプレイの周囲に隠されたおそらく10数台のカメラとセンサーが、人物をさまざまな角度から撮影し、正確な形状を把握して、ライブで3Dモデルを作成する。このモデルと、すべての色やライティングの情報は、(多くの圧縮と処理を経て)相手のセットアップに送られ、迫真の3Dで表示される。さらに、頭や体をトラッキングし、その時々の視点に合わせて映像を調整する(この技術の初期バージョンについては、こちらでもう少し見られる)。

しかし、3Dテレビはどちらかというと廃れてしまった感がある。誰も特別なメガネを何時間もかけて見たいとは思わないし、メガネなしの3Dはこれまで一般的に画質がかなり悪かった。では、この特別な3D画像は何によって作られているのだろうか?

ピチャイ氏は「当社は画期的なライトフィールドディスプレイを開発しました」と述べているが、これはおそらく、独自の技術を軌道に乗せることができず2018年に解散した、ライトフィールドカメラのLytroを買収して獲得した人材とIPの助けを借りたものだろう。

ライトフィールドカメラやディスプレイは、さまざまな技術を使って2Dで説明したり見せたりするのが非常に難しい3D画像を作成し、表示する。スタートアップのLooking Glassは、3Dモデルや写真のシーンが小さなホログラムのように見える、実際に見ると非常に印象的なものを制作している。

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Googleのアプローチが似ていようと違っていようと、参加者たちが示すように、そのインパクトは同様に目覚ましいものであるようだ。現在、社内でテストを行っており、人の存在感が大きな違いを生むさまざまな業界(医療など)のパートナーにユニットを送り出す準備をしているという。

現時点では、Project Starlineはまだプロトタイプに過ぎず、おそらくとんでもなく高価なものになるだろうから、すぐに家に置くことはできない。しかし、このライトフィールド・セットアップのコンシューマー版が将来的に登場するかもしれないと考えることは、決して荒唐無稽ではない。Googleは、2021年後半にもっと情報を共有すると約束している。

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:GoogleGoogle I/O 20213Dビデオチャット

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Aya Nakazato)

やっぱり「ビデオ会議が続くと脳にストレスが溜まる」ことをマイクロソフトが科学的に証明

ビデオ会議を続けていると、脳に何らかの影響があることは、誰でも知っている。家の中で1日中座っているだけで、疲れてくたくたになるのだから当然だろう。ところで、Microsoft(マイクロソフト)がちょっとした脳科学的調査を行ったところ、ビデオ会議を繰り返し続けていると、脳にストレスが溜まり、集中力が失われてしまうことがわかった。今すぐ上司に伝えよう!

この調査では14人の参加者を対象に、30分程度のビデオ会議を、1日に4回ずつ、2日に分けて合計8回行った。ある日は4回のビデオ会議を連続して行い、別の日にはビデオ会議の間に10分間の休息(瞑想アプリを使用)を挟んだ。参加者は脳波用電極キャップを装着していたが、これは脳灰白質の活動の種類を大まかに把握するための脳モニタリング機器だ。

研究者たちが発見したことは、特に驚くようなものではない。というのも、我々の誰もがこの1年間(あるいはすでにリモートワークで仕事をしていた人はそれ以上の間)に体験してきたことだからだ。しかし、それをテストで示すことにはやはり意味がある。休息なしにビデオ会議を続けた日は、ストレス、不安、集中力に関連するベータ波のレベルが高くなった。ストレスレベルの最高値と平均値も高く、時間が経つにつれてゆっくりと上昇していった。

10分間の休憩を入れた日は、ストレスの数値が平均して低く保たれており、上昇を防ぐことができている。会議への積極的な関与を示す他の測定値も増加した。

画像クレジット:Microsoft / Valerio Pellegrini

当たり前のように思えることでも、確かに検証された。脳波測定はストレスを正確に測定するものではないが、かなり信頼性が高く、参加者に「2回目のビデオ会議の後、どのくらいストレスを感じたか、1~5段階で評価してください」と尋ねる回想的自己評価よりも優れていることは間違いない。もちろん、MRI装置でノートPCを使用している状態の脳を測定するわけにはいかない。というわけで、この調査による検証結果は参考にはなるが、それを誇張して捉えることがないように注意するべきだろう。また、ストレスというものが複雑で、時には不公平な職場環境がその原因となることも忘れてはいけない。

例えば、スタンフォード大学が発表した最近の研究によると、「Zoom Fatigue(ズーム疲れ)」と呼ばれる症状は、男性より女性に多く起こることがわかっている(ズームにとっては喜ばしいことではないが)。ビデオ会議の後に深刻な疲労感を訴えた女性は、男性の2倍以上だった。おそらく、女性の会議は長くなりがちで、会議の間に休憩を取ることも少ないからだろう。さらに女性の場合は外見が重視されることも多く、単に「ビデオ会議を好む人はいない」と一括にされる状況でないことは明らかだ。

当然ながらマイクロソフトは、自社の製品であるMicrosoft Teams(マイクロソフト・チームズ)で、問題に対する技術的な解決策を用意している。例えば、会議と次の会議がすぐに続かないようにバッファタイムを追加したり、全員の頭が講堂のような場所に置かれる、ちょっと奇妙な「Together(一緒に)」モード」(その方が自然に感じられるということらしい)を用意するといった具合だ。

スタンフォード大学では、1日の中でしばらくの間は音声のみ使用を許可するとか、カメラを遠くに設置して歩き回る(服装の確認を忘れずに)とか、あるいは単にセルフビューをオフにするなど、いくつかの推奨事項を挙げている。

最終的には、すべて個人で解決するのではなく、構造的に取り組む必要がある。我々は今、バーチャル会議のみの1年を終えようとしているかもしれないが、今後もバーチャル会議が増えていくことは間違いない。そのため、雇用主や主催者はこれらのリスクを認識し、リスクを軽減するためのポリシーを策定する必要がある。単に個々の従業員の責任を増やすだけではいけない。ビデオ会議の間に休息を入れることを提案したり、カメラの映像をオフにしようとした時、誰かにその理由を聞かれたら、「その方が良いと、科学で証明されている」と答えよう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:MicrosoftMicrosoft Teamsビデオ会議ストレス

画像クレジット:Microsoft / Brown Bird Design

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Google Meetに複数ピン留めや明るさ自動調整、背景置き換えなどの新機能追加

Google(グーグル)は米国時間4月21日、ビデオ会議サービス「Google Meet(グーグル・ミート)」のメジャーアップデートを発表した。デスクトップユーザー向けにはいくつかユーザーインターフェース(UI)の調整が行われた他、1人ではなく複数の発言者をピン留めする機能や、AIを活用した明るさ自動調整、オートズーム、低速なモバイルネットワークでのデータ使用量を制限するデータセーバー機能など、多くの新機能が追加されている。

筆者のようにビデオ会議にうんざりしている人は多いに違いない(しばしばカメラをオフにしているくらいだ)。しかし現実には、好むと好まざるとにかかわらず、このようなスタイルの会議は今後も続いていくだろう。

画像クレジット:Google

Googleは、このアップデートがビデオ会議を「より没入的で、包括的で、生産的」にすると述べている。UIの変更は抜本的なものではないが、多くの操作や機能をメニューの中に隠すのではなく、指の届く場所に置くようになった。従来のシステムではメインメニューバーと上部の小さなメニューに分散されていた機能も、最下段に集約された。

自分の姿を映したくない会議参加者は、自分のビデオフィードを最小化したり、完全に隠したりすることもできる。あるいは自分の姿を常に横目でチェックしたければ、自分のフィードの位置をグリッドに固定することも可能だ。Googleは近日中にすべてのMeetの通話で自分の映像をオフにできるようにすることも計画しているという。

画像クレジット:Google

ピン留めに関しては、特に便利だと思われる機能は、複数の発言者(またはグループ)の映像を同時に強調表示する機能だ。この新しいマルチピン機能を使えば、例えば、最もアクティブな数名のチャット参加者に、常に注目し続けることが容易になる。この機能は数カ月以内に導入される予定だ。

さらに数カ月後には、大きなサイズで表示された映像の中に、よりおもしろく(見方によっては鬱陶しく)見えるものが現れるかもしれない。Googleは今後、ビデオの背景を置き換える機能の導入も予定している(まだすぐには採用されない)からだ。最初に用意される背景は「教室」「パーティー」「森」の3種類だけだが、後からさらに追加されるという。ただし、自分で用意した映像を背景に使うことは、当面はできないようだ。

画像クレジット:Google

その他の新機能としては、周囲が暗かったり、あるいは強い照明の前に座っている場合にも、自動的に画面の明るさを調整して自分の姿がよく見えるようにする機能が追加される。これは数週間以内に利用可能になる予定だ。また、AIを活用して自動的にズームし、自分の姿を画面の中央に配置する「Autozoom(オートズーム)」機能も導入されるが、こちらはGoogle Workspace(グーグル・ワークスペース)の有料会員向けに、今後数カ月以内に提供される。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogle Meetビデオ会議アプリ

画像クレジット:Google

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

新型iMacがついに高画質なウェブカメラを搭載

Apple(アップル)は米国時間4月20日火曜日のイベントで、M1プロセッサを装備し、内部から外部まで再設計した新型iMacを発表した。ハードウェアもすばらしいが、Zoomを多用する生活にとって最大の改善点の1つはウェブカメラかもしれない。アップルはこれを「Mac史上最高のカメラ」だと伝えており、それ自体は大して意味はないが、スペックからするとこれは大幅なアップグレードだ。

今回のウェブカメラはついに1080p解像度での録画を達成し、大きなセンサーを搭載して低照度でのパフォーマンスを大幅に改善した。M1チップはより優れた画像信号処理能力を持ち、ソフトウェアにてオンザフライで画像を補正および改善する。これにより、古くて性能の悪いウェブカメラを搭載した既存のMacBook AirやMacBook Proのハードウェアでも、画質が向上する。

つまり、新型iMacのウェブカメラは本当に画質が良く、あるいは少なくとも恥ずかしい画質ではない。アップルがNeural Engineと呼ぶM1に搭載された機械学習プロセッサは、リアルタイムで動作して照明を最適化し、ノイズを低減する。

カメラに加えて、アップルは新しいビームフォーミングマイクを3つのマイクアレイに採用し、ユーザーの声に焦点をあわせて音声を最適化し、バックグラウンドノイズを除去するとしている。要は、古臭さを感じさせないビデオ会議体験を提供できるはずだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleAPPLE SPRING HARDWARE EVENT 2021iMacApple M1ビデオ会議Zoom

画像クレジット:Apple

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

アマゾンのスマートディスプレイ「Echo Show 10」がZoomとAmazon Chimeをサポート

アマゾンのスマートディスプレイ「Echo Show 10」第3世代がZoomとAmazon Chimeをサポート米アマゾンの首振りスマートディスプレイ「Echo Show 10」で、会議アプリのZoomが利用できるようになりました。

Echo Show 10は、10インチディスプレイを搭載したスマートディスプレイ。日本では14日に発売予定です。音声アシスタント「Alexa」と組み合わせることで、音声だけでなく画面表示でも天気予報やニュースなどを知ることができます。インカメラ内蔵。本体には回転機構を採用しており、ユーザーがいる方向へ自動で回転してくれます。

今回のZoom通話機能では、カレンダーをAlexaアプリに紐付けることで、ミーティングIDとパスワードを利用してZoom会議に参加することができます。またAlexaに直接ログイン情報を伝え、Zoomへの参加を音声でお願いすることも可能です。

さらに、アマゾンのビデオ会議ツール「Amazon Chime」も、ZoomとともにEcho Show 10へと配信されています。これまでも利用可能だったAlexa通話やSkype(スカイプ)とともに、Echo Show 10で外部と動画で繋がれる手段がまた増えることになります。

(Source:SlashGearEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Amazon / アマゾン(企業)Amazon Echo Show 10(製品・サービス)Amazon Chime(製品・サービス)Skype(製品・サービス)スマートディスプレイ(用語)Zoom(製品・サービス)ビデオチャット / ビデオ会議(用語)リモートワーク / テレワーク(用語)日本(国・地域)

複数の時間帯にまたがるグローバルなプロダクトチームための非同期ビデオチャット「PingPong」

パンデミックの初期から、ビデオチャットがこれから大流行することは誰の目にも明らかだった。

過去数カ月にわたり投資家たちは、特殊なニッチを対象とするビデオスタートアップに投資をしてきた。常時動いているオフィス監視用や、チーム全員が参加する長いミーティングではなく、大量のミニ通話を奨励するものなどだ。パンデミックが収まり始め、多くのスタートアップがハイブリッドなオフィス形態を模索するようになると、一部の者たちは逆に完全にリモートなワークフォースを目指すようになり、そのための新しいツールも必要になる。

たとえばY Combinatorの先のクラスでローンチしたPingPongは、ワークフォースのための非同期型ビデオチャットアプリを開発している。先日デビューしたスタートアップの中から、TechCrunchが気になる4社をピックアップしたが、PingPongはその中の1社だ。

同社の売りは、リモートチームが時間帯の違いを超えて、遅れることなく協調して仕事するためには、Slackやメールではない何かが必要だということだ。ZoomでのコミュニケーションはSlackの全社的ポストよりも企業文化をうまく伝えることができるが、完全にリモートなチームが複数の大陸に分散して存在している場合、全社ミーティングは端から不可能だ。

PingPongのサービスは、現在のところSlackのアドオンで、リモートのプロダクトチームが協力、コミュニケーションをとりながら、仕事を行っていくというものだ。ユーザーは自分の短いビデオを撮影、それをスタンドアッププレゼンテーションの代わりに共有し、それぞれが相手の進捗を自分の時間に合わせることができる。PingPongは、テキストではなく非同期の動画を使って、リモートのブレストやデザインレビュー、バグの報告などができるよう望んでいる。

PingPongのCEOであるJeff Whitlock(ジェフ・ウィットロック)氏は「Slackに代わるためには、まだやるべきことがたくさんあります。今はSlackとの協調の方が大切です。しかし、現在の若者が消費者生活の中でやってることを彼らが就職した企業でもできるようになることが長期的なビジョンとなります。私たちが2000年代にInstant Messengerを使っていて、職場に入りました。それがまさに、Slackが目をつけたポイントでした。これからの5年間では、もっとリッチでもっと非同期なSlack代替プロダクトが多くの関心を集めるでしょう」。

ウィットロック氏によると、複数の時間帯の中で仕事をするリモートのプロダクトチームのために特別設計されたチャットアプリは現在、希少でニッチなものだが、今後、より共通のものになるだろうという。PingPongはユーザー1人あたりの使用料が年額100ドル(約1万1100円)となっている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:PingPongビデオ会議slack

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マイクロソフトがゲームチャット「Discord」買収で交渉最終段階か、買収額は1兆円強規模

マイクロソフトがゲームチャット「Discord」買収で交渉大詰めか、買収額は1兆円強規模

MARTIN BUREAU via Getty Images

ゲームプレイ向けの低遅延なボイスチャットサービスDiscordが、買収に興味を持つ複数の企業と交渉に入っていることをGamesBeatなどが報じました。有力な交渉相手としてはマイクロソフトの名前が挙げられており、Bloombergは交渉が最終段階にあるとして、100億ドル以上の規模になると伝えています。

Discordは低遅延のボイスチャットがゲーマーなどに人気のサービスで、新型コロナのパンデミックによって人々の娯楽としてビデオゲームの人気が上昇したこともあり、2020年にはユーザー数が倍増、売り上げは1億3000万ドルに急成長しました。その企業価値は12月には70億ドルとも評価されていますが、まだ企業として利益を出すには至っていないとも言われています。

他に買収に手を上げている大手企業としてはFacebookの名前があります。ただ、FacebookはAmazon、Google、Appleなどとともに独占禁止法関連の調査を受ける立場にあり、いまの時点ではやはりマイクロソフトが最も有力な買い手ということになります。マイクロソフトは2020年末時点で1310億ドルの現金を保有するなど資金力は申し分ありません。今年初めにはゲームパブリッシャーZeniMax Mediaの買収を完了し、さらなるゲーム関連企業を買収すべく検討しているとうわさされていました。

Discordはすでに数百万のゲーマーたちが登録済みで、マーケティングやプロモーションを仕掛ける対象としても有望です。しかし、現在のDiscordの独立性もまた、ゲーマーたちに対する魅力の重要な部分といえるかもしれません。これが大企業によって買収された場合、その企業の関係するゲームやサービスにDiscordのサービスも偏っていく可能性があります。

DiscordのCEO、Jason Citron氏の以前の会社であるモバイルゲームソーシャルプラットフォームOpenFeintは、日本のGreeに買収されたものの、両社のサービス統合はうまくいかず最終的にOpenFeintが閉鎖されるに至っています。

(Source:GamesBeatEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Xbox / エックスボックス(製品・サービス)SNS / ソーシャル・ネットワーキング・サービス(用語)ゲーム(用語)ZeniMax MediaDiscord(企業)買収 / 合併 / M&A(用語)ビデオチャット / ビデオ会議(用語)Microsoft / マイクロソフト(企業)

iPhoneをビデオ会議用の高精細度カメラにするソフト「Detail」は開発中

DetailはiPhoneをソフトウェアでライブビデオ用に最適化するアプリを開発している。このスタートアップはいつもポケットに入っているスマートフォンのカメラをZoom、Google Meet、Twitch、Hopin、YouTube Liveなどのライブストリーミングプラットフォームで簡単に使用できるようにようとしている。

この1年間というものパンデミックのために大勢に何かを伝えなければならないときはライブストリーミングを余儀なくされ、各種の苦労をした人も多いだろう。Wall Street JournalのJoanna Stern(ジョアンナ・スターン)氏がビデオで実証したたとおり、ノートパソコンの内蔵カメラはウェブカムとして最悪だ。パソコンのカメラで見栄えする動画を流すことは不可能だ。iPhoneのカメラは圧倒的に優れている。しかしiPhoneの小さな画面で長時間のストリーミングや会議を実行するのは不可能に近い。

もちろんリングライト、専用カメラ、マイクなどを買えばよい。問題は、それがだいぶ高価だという点だ。しかも大勢がリモートワークに殺到したためストリーミング用機材のいくつかは入手が非常に困難になっていた。

さらに発信すべきコンテンツは持っているが映像制作の知識は乏しいという場合がある。映像制作は専門的なスキルであり、誰もがホワイトバランスやアンチフリッカーの設定方法について十分知っているわけではない。

Detailのチームは、知識ゼロの人々でも簡単にライブストリーミングを始められるようにしたいと考えている。ポケットの中にあるスマートフォンのメリアカメラが手持ちのカメラで能力最高という人は多いはずだ。ここ数年、コンピュータ画像処理の能力拡大によりスマートフォン写真撮影の質は飛躍的に向上した。しかしライブストリーミングに利用するためにはさらにいくつかの課題が残されていた。

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DetailのファウンダーであるPaul Veugen(ポール・ヴォイゲン)氏は、ライブビデオの配信が日常ありふれた行動になっていると指摘しているがこれはまったく正しい。同時にビデオの配信にあたっては改善の余地が非常に大きい。

Detailは、Macのウェブカメラとして簡単にiPhoneが利用できるようにするアプリを提供する。これはCamoEpocCamのような働きをする。加えて色相などを調整する各種のビデオフィルターが搭載される。スマートフォンをウェブカム化するアプリは多数出ているがDetailの場合はさらに高機能を狙うという。

少し内幕を話すとDetailのチームは、私が2013年に取り上げたアプリHumanを開発した人々だ。Humanは、活動をモニタして記録するトラッキング機能を備えたフィットネスアプリだった。設定によって過去数日間の活動状況を把握することができた。AppleがApple Watchを発表する以前にAppleのアクティビティトラッキング機能を先取りしていた。Humanは2016年に同じフィットネス分野のMapboxに買収されている。

DetailはConnect Venturesがリードしたプレシードラウンドで200万ドル(約2億2000万円)を調達した。このラウンドにはHustle Fund、Alexander Ljung(アレクサンダー・リョン)氏、Anke Huiskes(アンケ・ヒュースケス)氏、Arthur Kosten(アーサー・コステン)氏、Elodie、Tony Jamous(トニー・ジャマス)氏、Hiten Shah(ヒテン・シャー)氏、Janis Krums(ジャニス・クルムス)氏、Mart Kelder(マート・ケルダー)氏、Micha Hernandez van Leuffen(マイケル・ヘルナンデス・ファン・ロイフェン)、Othman Laraki(オスマン・ララキ)氏、Omri Amir(オムリ・アミール)氏、Sten Tamkivi(ステン・タムキヴィ)氏らが参加している。

画像クレジット:Detail

ご覧のとおり、Detallはまだ開発途上だが、まもなくベータテストが開始されるという。私は強く興味をそそられており、どのようなアプリに展開していくのか注目している。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Detallビデオ会議

画像クレジット:Detail

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(文:Romain Dillet、翻訳:滑川海彦@Facebook

グーグルの社内インキュベーターArea 120が一口サイズビデオで会話するチームコラボツールThreadItを発表

Google(グーグル)の社内スタートアップインキュベーターArea 120のチームによると、「ThreadIt」のアイデアは、新型コロナウイルスによって世界中の人々がリモートワークを必要とするようになるずっと前からあったという。もちろんパンデミックが起きたことで、この製品に対するチームの関心が高まったのは確かだ。

ThreadItのゼネラルマネージャー兼創業者であるKeller Smith(ケラー・スミス)氏は、TechCrunchにこう語った。「私たち誰もが、ものの見方を調整せねばなりませんでした。コロナ禍の前からその傾向は強まっていましたが、ご存知の通り、世界全体が一夜にして変わりました」。

ブラウザでアクセスできるサービスとChromeのプラグインとして米国時間3月18日に公開されたThreadItは、認識されている市場の穴を埋めようとする試みだ。ユーザーが短いビデオメッセージを録画できるこのシステムは、長時間のライブビデオ会議と短いテキストやメールの中間に位置している。

使い始める手順はとても簡単だ。ユーザーは:

  1. 自分が話しているところを録画する(最初に失敗しても録り直すことができる)
  2. そのビデオを選んだ同僚に送信する。

このアプリのインターフェイスは、他のGoogle製品の主要機能を参考にしている。例えば、受信者がビデオをどのように操作するかを決めるためのドロップダウンメニューがあり、ただ見るだけでなく、自分のクリップを追加することもできる。このアプリは、ショートビデオをスレッドとしてつなぎ、物事を時系列に整理して1つのビデオ会話にする。アプリを開発したチームは実際に一度も会ったことがないそうで、ThreadItをドッグフードしてきたという。

確かにこれは、時代のムードを映し出している。パンデミックが徐々に弱まった後も、多くの人々にとってリモートワークはリアリティーであり続けるだろう。そしてもちろん、ショートビデオクリップは再びブームになっている。短い情報ビデオを作ったり見たりするのをよりストレートなアプローチにした、仕事用のTikTokかVineと思えばいいかもしれない。

「ちょっとした構造を加えて、作品を分割し一口サイズにして見せられるようにすることで、より短いメッセージで、よりポイントを押さえたものになることがわかりました」とスミス氏はいう。「それが、今日のビデオ(アプリ市場)に見られた一つのギャップでした」。

米国時間3月18日からアクセス可能になった同アプリは、Area 120の慣例に従い、パブリックベータモードとなっている。チームはこれからフィードバックを集めてアプリへの関心をくみ取り、プロジェクトを継続する価値があるかどうかを確認する。これまでにArea 120から卒業したサービスには、コード教育ツールであるGrasshopperや、旅行アプリのTouring Birdなどがある。

つまりこのプロジェクトは、まだ初期段階にあるということだ。そのため、望んでいた機能がまだ実現されていないことも多々あるだろう。例えば筆者の場合、今年初めに健康上の問題で話すことが難しくなったため、カメラに映ることができない、あるいは映りたくない人のために、直接テキストで返信する機能が欲しいと思った。

Googleのプロダクティビティアプリとの連携を深めることもおそらく理にかなっているが、アプリを成長させるためには、どれだけスタンドアローンにするかを決めることも重要ではないだろうか。例えば、Gmailとの連携を強化するのは良いことだが、Gmailが提供していない機能を増強するアプリであるならば、そのプラットフォームに依存する状況は避けたいものだ。

このサービスは現在、スマートフォンではモバイルChromeブラウザを介してアクセスできるが、将来的にはスタンドアローンのアプリも必要になるだろう。「それは今後の課題として検討したいと思っています」とスミス氏はいう。「関心や反応を見て、そこからさらに深く掘り下げることができるという好例ですね」。

関連記事:Googleドライブ、TrelloやMiroと統合可能なコラボ重視のビデオ会議「Whereby」がシリーズAで13億円調達

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Google ビデオチャット

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

Google ドライブ、TrelloやMiroと統合可能なコラボ重視のビデオ会議「Whereby」がシリーズAで13億円調達

Zoom(ズーム)、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)の3社はパンデミックの際にバーチャルミーティングの分野でトップに躍り出たが、ノルウェーの勇敢なスタートアップには独自の構想があった。ビデオ会議のスタートアップWherebyは、ドイツのVCであるPoint Nine、SaaStrファンド、および20人以上のエンジェル投資家からシリーズAで1200万ドル(約13億円)を調達した。

同社のエンジェル投資家には、ProducthuntのCEOであるJosh Buckley(ジョッシュ・バックリー)氏、Hustle Fund(ハッスルファンド)のElizabeth Yin(エリザベス・イン)氏、Saastrの創業者であるJason M. Lemkin(ジェイソン・M・レムキン)氏などが含まれる。

Whereby社のCEOであるØyvind Reed(オイヴィンド・リード)氏は、声明の中で次のように述べた。「この1年で、多くの人が仕事の未来に疑問を持ちました。ビデオ会議は今後も、私たちの生活の大部分を占めることになるでしょう。これまで以上に、私たちがつながるために使用するツールは、効果的で楽しいミーティングを可能にし、フォーカス、コラボレーション、ウェルビーイングを提供するものでなければなりません」。

Wherebyのプラットフォームには3つの料金プラン(無料を含む)があり、他のビデオプラットフォームとは異なり、ユーザーはGoogle ドライブ、Trello、Miroなどのツールを直接ウェブ会議に埋め込むことができる。同社によると昨年、Wherebyのユーザー数は150カ国で450%増加したという。

共同創業者のIngrid Ødegaard(イングリッド・オーデガード)氏は2016年のOslo Innovation Weekで、Wherebyを筆者にコーヒーテーブルの上でデモしてくれた。私は同社がAppear.inから名前を変えた頃から存在していた自分のユーザーネームを瞬時に設定することができた。イングリッドはインタビューの中でこう語っていた。「より人間中心に、リモートでのコラボレーションに伴う人間の問題に焦点を当てようとしました。多くの人々が犯す大きな間違いのひとつは、オフィスでの行動をそのまま再現しようとすることですが、当社は、実際には根本的に異なる方法で仕事をする必要があると考えています。必要なときに簡単に会議に参加できるようにすることで、人々がそのような行動をとれるようにしたいと考えています。しかし、私たちの目標は、人々にもっと多くのミーティングをさせることではなく、むしろその逆です」。

このスタートアップの秘密兵器は、エンタープライズインテグレーションだ。昨年、英国の開業医とビデオ会議をしたとしたら、それはおそらくWherebyのビデオを使ったものだろう(実際、私もそうだった!)。その理由は、Wherebyが同社の最大のAPI顧客のひとつであるAccuRxと契約を結び、英国の国民保健サービス(National Health Service、NHS)がAccuRxのソフトウェアを使用しているからだ(WherebyはAccuRxのプラットフォームの一部としてビデオAPIを提供している)。

Point NineのパートナーであるChristoph Janz(クリストフ・ヤンツ)氏はこう述べている。「昨年はビデオ会議が大々的に導入されましたが、今はユーザーエクスペリエンスを次のレベルに引き上げることが重要であり、それを先導するのがWherebyです。スカンジナビアのスタートアップが、ハイテク巨人たちと肩を並べて活躍しているのは素晴らしいことです」。

関連記事:オンライン会話の気疲れを減らすビデオコミュニケーションツール「Around」

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:ビデオチャット 資金調達

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

オンライン会話の気疲れを減らすビデオコミュニケーションツール「Around」

コロナ禍でオンラインコミュニケーションでのコミュニケーションが増えた。プライベートでも「Zoom飲み」なども行われ、広く利用されているが、その一方で「Zoom疲れ」という言葉も生まれている。オンラインとはいえ、お互いに顔を表示させるコミュニケーションは気疲れしてしまうことが多いものだ。現在、Clubhouseといった音声のみのボイスチャットも人気だが、顔を映し出しながらも気疲れしにくいビデオコミュニケーションツール「Around」にも注目が集まっている。

Aroundは、2021年に行われたシリーズAでWing、Forerunner VenturesおよびSlack Fundから1000万ドル(約10億9000万円)、総額1520万ドル(約16億6000万円)を調達した。CEOであるDominik Zane(ドミニク・ゼーン)氏のブログによれば、複数人が遠隔で共有ドキュメントをわかりやすく作成、編集、管理できることで人気のMiroNotionがそうであるように、コミュニケーションについても、シームレスで同時接続的にしたいと考えているという。また同社自体、米国とヨーロッパに拠点を置くリモートチームであり、自らそのコンセプトを体現しようとしている。

AroundはGoogle、Slack、Appleのアカウントまたはメールアドレスでサインアップでき、パソコンで利用可能(MacOSとWindowsに対応済み、Linuxは追って対応)だ。アプリも用意されており、Google Chromeもサポートしている。モバイル版も今後リリース予定とのこと。ちなみにSlackと連携しておくと、Slackでコマンドを打つだけで起動できる。

顔は見えても気疲れが少ない

自社ホームページでも「創造性を阻害する疲労感を減らそう」というキャッチコピーを掲げるAroundだが、そのツールは顔を映しながらも気疲せずに会話できる工夫を盛り込んだ設計になっている。

まず特徴的なのは、基本的に映し出されるのはユーザーの顔だけで、表示範囲が非常に狭い点だ。Clubhouseのアイコンのように小さな丸に囲まれて顔のみ表示されるので、散らかった部屋、膝に乗ってきた猫、話しかけてくる子供たちなどは映り込まない。また、Instagramのように簡単にカラートーンも変更できるため、起きぬけでメイクをしていなかったとしても、フィルタを変えてしまえばそれもわからない。

小さな丸い切り抜きであれば映り込む背景が絞られ、どんな状況下からもミーティングに参加しやすい(ホームページのスクリーンショット)

また、参加者の顔が一覧表示されるタイプのビデオ会議ツールの場合、それらが共有中の資料や他作業のウインドウの邪魔になることもあるが、Aroundでは丸い顔アイコンのみが表示され、かつその大きさも簡単に変えられるため、煩わしさもない。

作業画面を邪魔せず、顔も確認できる(ホームページのスクリーンショット)

仕事でも使える必要十分な機能

Aroundには、画面共有の他に、ノート機能や共有画像をストックしておける機能がある。画像ストック機能は「Image Sharing」メニューから利用可能で、都度画面共有を切り替えたり、過去のチャットを遡って共有されたリンクを探したりしなくても、会話の中で登場した資料や画像をすぐに一覧で確認できる。

顔の表示方法や機能の切り替えがメニュー化されていてスイッチしやすい

ノート機能は「Notes」メニューから利用でき、従来、ZoomやWebEXで使ってきたチャット機能よりも長い文章を表示できるため、会話の流れを追いやすい。全員にメモを見せながら会話の流れをテキスト化することもでき、テレカンが終わったら自動メールでその内容を送ってくれる(今まではGoogle DocksかWordをわざわざ立ち上げ、Zoomで画面共有しなければならなかったあの作業だ)。

マイクは全員そのままで

また、これまでのビデオコミュニケーションツールでは、同じ部屋にいる者が同じビデオ会議に参加するとハウリングが発生してしまう。そのため発言時以外はミュートにしたり、1台のPCを複数人で使ったり、外づけのスピーカーを用意する、もしくはわざわざ別の部屋に分かれて参加するといった手間があった。

しかしAroundは、近くで同時にマイクオンにしていてもハウリングを起こさない(EchoTerminatorというソフトウェアを特許出願中とのこと)。また、人間の声とその他の声を識別し、私たちを悩ませてきた消防車のサイレンや犬の吠える声も抑えてくれる。

加えて、昨今問題視されがちなユーザーの個人情報やチャット、音声データの保有方法についても配慮されている。サービス提供者がそれらを保有し続けていることに対する気持ち悪さや、サイバー攻撃による個人情報流出を懸念する人も少なくないが、同社の公式FAQによれば、ビデオのストリームのみユーザーに転送し、処理はユーザー自身のデバイスで実行されるとのことだ。

Aroundは現在、パブリックベータ版で無料で利用できる。2021年後半にチームライセンスプランについて公表するとのこと。現状でも一度に30人まで参加可能であり、ベータ版でも十分に活用できそうだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Aroundビデオチャットレビュー

Zoomでの会話を自動で文字起こしする難聴者の新しいスタートアップ「Scribe」

Optimizely(オプティマイズリー)の共同創業者Dan Siroker(ダン・シロカー)氏は、自身の新しいスタートアップScribe(スクライブ)のアイデアはいくつかの個人的な体験に端を発していると話した。そして、Scribeの初のプロダクトはZoom(ズーム)にフォーカスしているが、そうした個人的な体験はまったくZoomに関連していなかったとも述べた。

シロカー氏は、耳が聞こえなくなり始め、補聴器を装着した時に初めて「ひらめき」を得て、失うだろうと思っていた聴覚が回復したことを回想した。

「それは本当に、体が自然に失うものを増強するための機会について考えさせる閃光でした」と話した。

また同氏は、特に自身がアファンタジア(頭の中に視覚的イメージを描けないこと)を抱えていて、それは「特定の物事を記憶しておくことを難しく」するため、記憶は明らかな増強するものの候補だったと付け加えた。

シロカー氏が2010年にPete Koomen(ピート・クーメン)氏とOptimizelyを設立し、2017年にCEO職から退き、そして同スタートアップが2020年Episerverに買収されたと書くと、思い出す人もいるかもいるかもしれない(そしていまEpiserverそのものがOptimizelyにブランド変更されている)。

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早送りして現在に目を向けると、シロカー氏はいまScribeのCEOだ。同社は初のプロダクトのサインアップを受け付けている。そのプロダクトをZoomミーティングに統合すると、ミーティングを検索可能なものに、そして筆記録をシェアできるものに変える。

シロカー氏は筆者とのZoomコールの際にそれをデモンストレートしてみせてくれた。Scribeはミーティングに追加の参加者として現れ、リアルタイムの筆記録を作成しながら録画と録音をする。ミーティングの間、あるいは終了後にユーザーは筆記録を編集したり、録画の関連する部分を視聴したり、重要な箇所にハイライトをつけたりできる。

テクノロジー的な視点からいうと、これらはすべて飛躍的な前進ではなさそうだ。しかし筆者はエクスペリエンスのシームレスさに感激した。追加の参加者を加えるだけで、フル録画でき、後にそしてこの記事を書く間にも確認するのに使える検索可能な会話の筆記録を手にすることができた。

画像クレジット:Scribe

Scribeはミーティングを録画するが、テープレコーダーというよりノート取りの代わりであって欲しいとシロカー氏は話した。

「あなたと私がミーティングにいて、私がペンと紙を持ってそのミーティングに参加し、あなたが言っていることを紙に書きます。それは完全に社会的に受け入れられることです。ある意味、相手を喜ばせるものでもあります。その代わり、テープレコーダーを持ち込んであなたの前にどすっと置いて録音を始めると、もしかするとこうした経験を持っているかもしれませんが、それはかなり異なるもののように感じます」。

シロカー氏の主張の要点は、Scribeのレコーディングと筆記録は編集でき、いつでも個々の構成要素をオンにしたりオフにしたりできるということだ。

「これは永久記録ではありません。ミーティングを持つ時のように作る、ちょうどGoogle Docのような共有アーティファクトで、いつでも戻って変更を加えられます」。

とはいえ、Scribeが恥ずかしいコメントを録音することは可能で、録音はミーティング参加者をトラブルに陥れる事態を引き起こすかもしれない(結局、リークされた企業のミーティング録音は数多くの刺激的なニュースになってきた)。シロカー氏はそれが「一般的ではない」ことを望んでいるが、もし時々起こるとすればある種のさらなる透明性と責任を生み出すかもしれないと主張する。

ScribeはOpenAIのCEO、Sam Altman(サム・アルトマン)氏がリードしたラウンド、そしてFirst Round Capitalがリードしたラウンドで計500万ドル(約5億4000万円)を調達した。

画像クレジット:Scribe

シロカー氏は、ZoomをScribeにとって単に「上陸拠点」としてとらえていると筆者に語った。次に同社はGoogle MeetやMicrosoft Teamsのようなプロダクトのサポートを追加する。ゆくゆくは、組織のための新たな「集合精神」の構築を同氏は望んでいる。そこでは、会話や知識が検索可能なためにみんなが「よりスマートで向上している」。

「どこで考えるかに本当に左右されるものを追求するところでは、我々は最大のポジティブな影響を人々の暮らしにもたらすことができます」と同氏は述べた。「配偶者と交わす個人的な会話に適用するのは難しいですが、価値とプライバシーとコントロールの正しいバランスを求めれば、実際にはウィンウィンの方法でこれを人々に浸透させることができるかもしれません」。

そしてもしScribeが幅広いコンテクストにある情報を我々が記録したり思い起こしたりするのをサポートするというミッションを実際に達成すれば、我々の物事を記憶するという自然な能力に影響を及ぼすのではないか。

「イエスというのが答えで、それはオーケーだと思います」とシロカー氏は答えた。「あなたの脳のエネルギーは限られています。何週間か前に誰かが言ったことを覚えておくことは、コンピューターでもできることです。それを行うのになぜあなたの大事な脳のサイクルを無駄遣いするのでしょうか」。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Scribeビデオ会議Zoom文字起こし資金調達

画像クレジット:P Getty Images

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

従業員同士が自分の都合に合わせてコミュニケーションがとれる新しい非同期ビデオツール「Weet」

Najette Fellache(ナジェット・フィラージ)氏が、数年前にフランスのナントからベイエリアに移動したのは、彼女が創業した会社Speach(スピーチ)を成長させるための手段だった。その時点ですでにGE、Tesla(テスラ)、Amazon(アマゾン)、Medtronics(メドトロニクス)などの米国大手企業を顧客として迎え始めていた。

6年前に創業されたSpeachが販売しているのは、基本的には企業の従業員たちが自身で作成した動画(多くの場合は文書による指示を補強することを目的とするもの)を使って、同僚間で知識を共有できる製品だ。このアイデアは、学習効率を最大化するためのものだが、投資家たちはそのアイデアを十分に気に入って、すでに1400万ドル(約15億1000万円)の資金をSpeachに提供している。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によってシャットダウンされた世界では、その技術はますます重要なものになる一方だったが、フィラージ氏の子供たちが、突然自宅からリモート学習をするようになってからは、社内のあるプロジェクトが彼女の興味を引き始めた。彼女によれば、彼女の気づきの瞬間は、末っ子の息子が描いた絵を見たときに得られたのだという。息子はなぜ自分の母親のビデオ会議が、自分より優先され続けるのかを理解できずに苦しんでいたのだ。

画像クレジット:Najette Fellache

この1年というもの、仕事と家庭の両立を模索していた多くの親たちと同じように、フィラージ氏は会社を経営しながら24時間体制で子育てをする方法を簡単には見つけられずにいた。ただ多くの親たちと異なり、彼女には、重要な情報をすばやく伝えたり、受け手の都合に合わせて閲覧したり、将来の参照用に保存したりできる短いビデオ作成を可能にする技術を開発できるエンジニアやSpeachの他のチームメンバーが身近にいたのだ。

実際、社内プロジェクトでは時々起こることだが、この技術はSpeachにとって非常にうまく機能したために、改めて独立した道を歩むことになった。Speachから少しの資金調達を行い(Speachに出資しているのは、Pinault家の投資会社であるArtémisが共同で運営するファンドのAlven and Red River Westだ)、今週フィラージ氏と10人の従業員で構成されるチームは、非同期ビデオスタートアップのWeet(ウィート)を立ち上げた。

同社が参入するのは現在混み合っている分野だ。電話やリアルタイムのミーティング、さらには雰囲気が失われやすく内容も誤解されやすい電子メールでのミーティングに代わる、魅力的な選択肢としての非同期ミーティングの威力を認めているのはフィラージ氏だけではない。例えばユーザーが自分で作成したショートビデオクリップを送信できる創業6年の企業向けコラボレーションビデオメッセージングサービスのLoomは、Sequoia Capital、Kleiner Perkins、Coatueなどの投資家たちからすでに少なくとも7300万ドル(約78億8000万円)の資金を調達している。

別の新規参入者であるSuperNormal(スーパーノーマル)は、スウェーデンのストックホルムを拠点として1年前に設立されたワークコミュニケーションプラットフォームで、同社が支援するのは動画と画面録画ツールを使用して、チームが日常的に非同期のビデオアップデートを作成して送信することだ。同社は2020年12月にEQT Venturesが主導するシードラウンドで200万ドル(約2億2000万円)を調達した。

それでも、もし将来もリモートワークに重点が置かれるものと信じるならば、ここにあるチャンスが大きいことは明らかだ。さらにWeetは、ブラウザーの拡張機能を使って無料でアクセスすることが可能で、Slack(スラック)やMicrosoft Teams(マイクロソフト・チームズ)との統合も2021年4月に予定されているので、すでに市場に出回っているいくつかの製品よりも優れた製品になりつつある、とフィラージ氏はいう。

Weetにはすでにインスタント録画、画面共有、仮想背景、ビデオフィルター、絵文字リアクション、コメントオプション、自動文字起こしなどの機能がすでに備わっている。開発中の有料プレミアム版では、ユーザー向けにディスカッションを整理しやすくする機能も開発しているという。例えば、営業担当者が見込み客についてのやりとりをを探していて、1通のメールにまとめられた自動文字起こしのメモを必要としているところを想像して欲しい。

プライバシーに関しては、Airbus(エアバス)やColgate-Palmolive(コルゲート・パルモリーブ)のようなプライバシーを気にするクライアントと仕事をする中で、データ管理の専門知識をSpeachが培ってきたことをフィラージ氏は指摘する。フィラージ氏によれば、Colgate-Palmolive社内ですでに使われているWeetには、同じレベルの基準と実装が達成されているという。

Weetはマーケティングの面でも違うアプローチをしているように見える。フィラージ氏によれば、ライバルの中には一度に1つの動画を公開できるものもあるが、Weetはより会話的なツールであり、チームメイトや連絡相手が同じ動画の一部をやり取りのために指定したり、動画のフィードバックや音声のフィードバックを送信したり、画面を共有したり、顔文字で反応したりすることができるのだという。

別の言い方をすれば、Weetは、より重要な情報の交換を可能にするだけでなく、より広く交流を促し、その過程でおそらくチームの関係を強化することができる。

「これは記録ではなくて議論なのです」フィラージ氏は語り、それが重要なのだという。彼女が身をもって感じたように、チームが世界中に徐々に分散しつつあるこの世界では、オープンなコミュニケーションが企業の成功、そして従業員の成功にとって、これまで以上に大切になるのだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Weetビデオ会議ショートビデオ

画像クレジット:Najette Fellache

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(文:Connie Loizos、翻訳:sako)

SpacialChatはVR利用のスペーシャル会話がZoomのビデオ通話に取って代われると強気

現在われわれのビデオ通話はZoomのよう長方形のウィンドウの中に閉じ込められている。一方で「こうした束縛から抜け出したい、仮想空間を自由に歩き回りたい」という欲求も強まっている。 そこで通話相手を表示する新しい方法がいくつも試されている 。例えば「仮想バー」はバーの平面図に小さな円で人々のビデオがいくつも表示され、その一つが自分だ。パンデミックによるロックタウンで引きこもっている間m私自身こうした「バーチャル・バー」に参加してみたことがある。それはそれで面白かったが、飲み物は冷蔵庫から取り出した本物のようなわけにはいかない。

このスペイシャル・アプローチの利点はユーザーがアバター操作の範囲大きく広がる点だ。 仮想体験であるとして物理的には遠く離れた目的地の間を自由に飛び回ることができる。自分が分身を自由にコントロールしているという感覚が得られる。

昨年4月にProductHuntでデビューしたSpatialChatはスペイシャル・テクノロジーを利用するスタートアップのパイオニアの一つだ。チャットの新しいデザインと長時間常時接続状態のおかげで人気となり、2020年4月20日のデビュー後、「今日のトップアプリ」の3位を獲得している。スタートアップの創立資金はファウンダー自身がポケットマネーで工面したという。

現在、SpatialChatはバーチャルオフィスや大勢の参加者が一つの場所に集まるタウンホールミーティングなどを運営する組織向けに特別な機能を備えたプランを提供している。3000以上の組織が有料ユーザーとしてサブスクリプションしている。MAU(月間アクティブユーザー)は20万人超えているという。

SpacialChatはホットな分野になり始めた仮想ソーシャルネットワークサービスの一部だ。この分野のプレイヤーにはTeamflowGatherRemoなどがある。 Spacialは当初オンラインでネットワーキングイベントをホスティングするサービスとしてスタートしたが、その後手軽な短時間のスタンドアップミーティングから本格的なオンライン会議などマルチグループをサポートするディスカッション・フォーラムにシフトしてきた。

SpatialChatのテクノロジーはマルチプレイヤーゲームで登場したチームの仲間と会話する「プロキシミティ・チャット 」を利用してビデオチャット化したものだ。通常50人の参加者が「ルーム」内に小さな円のアイコンで示される。サブスクリプションのプランはレギュラー、1週間、1回限り用意されている。ユーザーにはソニー、パナソニック、セガなどの日本のテクノロジー企業に加えてLinkedIn、Salesforce、McKinseyのの社員もいるという。またハーバード、スタンフォード、イェール、マサチューセッツ工科大学を始め、アメリカの108の大学の教職員学生が利用している。

SpatialChatの共同ファウンダー、CEOのlmas Abulkhairov(イマス・アブルカイロフ)氏はこう述べている。

多くの人々はバーチャルオフィスといえばSlack、Zoom、Microsoft Teamsなどを思い浮かべるでしょう。しかし当社のユーザーのほとんどはこうしたアプリはバーチャル・オフィスの実現に適していないと述べています。実際にオフラインで肩を並べて仕事をしているときに得られるような偶然性を含む発見、いわゆるセレンディピティを提供してくれないからです。「Zoom疲れ」という言葉が使われるようになったのには理由があります。われわれはオフラインの体験から得られるものを最高度に仮想化していきたいと考えています。

Data Soulsの最高プロダクト責任者、Konstantin Krasov(コンスタンティン・クラソフ)市は、このプラットフォームのユーザーであり「総勢5万人といわれるデータ・サイエンティストのコミュニティ向けにホストした2日間のイベントには2500人が参加しました。われわれは SpatialChatにより、データサイエンスのトップ・エクスパートによる素晴らしいネットワーキングイベントを開催し、Q&AやAMA(なんでも聞いてください)のセッションを成功させることができました」と述べている。

画像:SpacialChat

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(文:Mike Butcher 翻訳:滑川海彦@Facebook