学生向けジョブマッチングマーケットプレイスのZenjobが約57.5億円を獲得

欧州のカジュアルなジョブマッチングにさらなる資金を。小売、物流、接客などの分野で副業を探す学生を対象とし、一時的な労働力を必要とする雇用者と結びつけることを約束するマーケットプレイス・プラットフォームのZenjob(ゼンジョブ)は、5000万ドル(約57億5100万円)のシリーズDラウンドの資金調達を完了した。

ベルリンを拠点とするこのスタートアップは、3000万ドル(約34億5100万円)のシリーズCを調達して以来、わずか2年弱の間に、このような資金調達を行った。

他の多くの「現代的人材派遣会社」と同様、Zenjobは派遣社員を直接雇用し、給与や事務処理など関連する管理業務を請け負い、派遣社員の経験をさらに簡易化する。また、シフト終了後72時間以内に給与の半額を支払うという約束もあり、従来の派遣会社に比べて送金が早くなる可能性がある。

一方、雇用主はZenjobと契約を結び、必要に応じて短期・長期の仕事を含む派遣社員を予約することができる。

Zenjobは配送、小売、物流、eコマース、接客、サービス業などの「大手」企業と取引をしているというが、顧客名は明らかにしていない。

現在、欧州の2つの市場で1万カ所以上の場所にある2500社以上が、オンデマンドで派遣社員を確保するために同社のプラットフォームに登録しており、毎月4万人以上の労働者が副業を予約するためにこのプラットフォームを使っているという。

2015年に設立されたこのスタートアップによると、これまでにドイツとオランダで100万件以上の仕事をマッチングしているとのことだ。

今回のシリーズD調達はAragon(アラゴン)が主導し、Acton Capital(アクトン・キャピタル)、Atlantic Labs(アトランティック・ラボ)、Forestay(フォーステイ)、Axa Venture Partners(アクサ・ベンチャー・パートナーズ)などZenjobの既存の全投資家が参加している。

この新しい資金調達は、2022年夏に立ち上げを予定している英国市場を含む欧州内での事業拡大と、新しく「ホワイトカラー」タイプの職種のサポートなど、拡大する顧客基盤のニーズに対応するための、データに基づく新たな自動化機能を含む製品開発に当てられるという。

「当社は2022年、英国でZenjobの販売を開始し、欧州の新規市場に対する投資を継続します。また、ドイツとオランダでも事業を拡大しています」と、同社は説明している。「技術チームを増強し、プラットフォームのスケーリングと新しい自動化機能に多大な投資を行う予定です」とも付け加えた。

「需要が多いので、ナレッジワークとオフィスワークのオファーを拡大する予定です」と語る。

Zenjobは、スペインのJobandtalent(ジョブアンドタレント)CornerJob(コーナージョブ)、ルクセンブルグのJob Today(ジョブ・トゥディ)など、増加する、技術者を対象とした派遣社員のジョブマッチングを行うプラットフォームと競合している。

ギグプラットフォームのUber(ウーバー)もこの分野に注目しており、パンデミック時のロックダウンで乗り合いタクシーが需要の打撃を受けたため、2020年に英国のドライバー向けにWork Hubを立ち上げ、2019年には米国でUber Worksという、シフトを見つけるためのアプリを発表している。

欧州連合(EU)では、ギグプラットフォームにおける偽りの自己雇用に対処することを目的とした規制が導入され、プラットフォームワーカーに関する最低基準を定めた汎EU的な法的枠組みが設けられる予定だが、これにより、オンデマンド労働の需要が直接雇用する人材仲介業者に流れ、エージェント型の人材派遣プラットフォームの需要が加速される可能性がある。これにより、ギグプラットフォームは、何千人もの配達員やその他の非正規労働者を雇用する必要がなくなる。

競合状況について話すと、Zenjobは、人材派遣市場、ジョブマッチング、プラットフォームに関しては、テクノロジーが最大の差別化要因になると主張している。

「この市場に目を向けると、人材派遣と仕事探しを面倒で時間のかかるものにしているタスクを処理するためのテクノロジーを利用することに関して、私たちは表面を削ったにすぎません」と指摘する。「そのため、私たちは、プラットフォームと必要なすべてのプロセスの内部技術開発に多くの重点を置いています。現在、約75%のプロセスが完全に自動化されていますが、近い将来、95%以上にすることを目指しています」と語っている。

「私たちのモデルがうまく機能しているのは、技術に重点を置くことで、(高度な自動化により)高品質の人材を使った非常に迅速なサービスを、取引先の企業に提供することができるからです。私たちのビジネスの残りの半分は、人材に最高の経験と利益を提供することだけに集中しているので、高い成就率と信頼できる人材を提供することができるのです。提供する仕事には相場以上の報酬を支払い、現在アプリを使っていつでも仕事を予約できる4万人以上の人たちの体験と満足度をとても大切にしています」。と語る。

また、Zenjobは、まだ開拓されていない大きな成長があると主張している。例として、ドイツを挙げ、人材派遣の95%以上はまだほとんどオフラインで行われているという。

「そのため、私たちは、非常に伝統的な方法でジョブマッチングや人材派遣に取り組んでいる大企業と競合しています」と同社は述べている。「私たちのアプローチは100%デジタルで、私たちを通して仕事を予約してくれる人たちに提供できる利点を常に改善するよう努力しています。迅速な支払い、24時間365日いつでも仕事の予約が可能です」と語った。

画像クレジット:Zenjob

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Akihito Mizukoshi)

海外への大学出願を支援するシンガポールのCialfoが約46億円を調達

大学への出願は高校生にとって、特に海外留学したい生徒にとって、とても難しい。シンガポールに拠点を置くEdTechのCialfoは、学校情報の収集、カウンセラーと生徒とのコミュニケーションツール、留学生が1つの出願フォームで多くのプログラムを見つけて出願できる「Direct Apply」を備えたプラットフォームで、出願を簡単にしようとしている。

Cialfoは米国時間1月26日、Square Pegと SEEK Investmentsが主導するシリーズBで4000万ドル(約46億円)を調達したと発表した。

このラウンドには、以前に投資していたSIG Global、DLF Ventures、January Capital、Lim Teck Leeも参加した。2021年2月に発表したシリーズAの1500万ドル(約17億2500万円)と合わせて、これまでの調達金額の合計は5500万ドル(約63億2500万円)となった。

Cialfoには現在、シンガポール、インド、米国、中国に170人以上の従業員がいて、世界中の約1000校の大学と提携している。提携大学にはインペリアル・カレッジ・ロンドン、シカゴ大学、スペインのIE大学などが含まれる。

2017年にRohan Pasari(ローハン・パサリ)氏、Stanley Chia(スタンリー・チア)氏、William Hund(ウィリアム・フント)氏がCiafloを創業した。創業チームはTechCrunch宛のメールで、パサリ氏自身が高校生だった頃の体験が創業につながったと述べた。同氏はインドで育ち、在籍していた高校にはキャリアカウンセラーがいなかった。そのため、生徒たちは大学の出願を自分でしなくてはならなかった。

パサリ氏はもともとは米国の4年制大学に進学したかったが、両親には高額な留学費用を工面する余裕がなかった。そこでシンガポールのいくつかの学校に出願し、南洋理工大学(NTU)の全額奨学金を受けた。同氏は在学中に妹や友人数人の大学出願手続きを手伝い、そこから創業のアイデアが心に芽生えた。

はじめはチア氏とともに教育コンサルティング会社を創業し、ピーク時にはおよそ200人の生徒を担当した。しかし両氏はテクノロジーを活用して事業をスケールアップしたかったため、2017年に教育コンサルティング会社を売却し、その資金でCialfoを創業した。

Cialfoの事業はB2Bで、学校にサブスクリプションを販売している。学校のカウンセラーが生徒をプラットフォームに招待し、保護者もこのプラットフォームを利用できる。

チームはTechCrunchに対し「我々のミッションは大学に進学しようとしている100万人の生徒のジャーニーを手助けすることです。これには3つの柱が必要だと考えています。情報へのアクセス、1人ひとりに合わせたサポート、資金です。この3つが一体となって、教育の民主化を実現できます」と述べた。

調達した資金はグローバルでのユーザーベースの拡大と機能の追加に使う予定で、買収の可能性も検討している。

画像クレジット:Moyo Studio / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Kaori Koyama)

コロナ禍での友達同士の出会いを支援するアプリ「Flox」がNYの大学生に人気

新成人の困難に勝るものはないが、ロックダウンの中、人格形成期を過ごした大学生の年齢のZ世代にとって、有意義な友達づくりはさらに難しくなる可能性がある。パンデミック中はコロンビア大学のリモート授業に参加していたJamie Lee(ジェイミー・リー)氏は、この隔離がいかに同級生、特にクラスメイトと一度も顔を合わせることなく通学する2~3年生に影響したかに気づいた。

「ミドルスクールでInstagramをダウンロードしてから、オンラインで常に私自身を個人として表現してきましたが、オンラインでリアルに自己表現するのをとても不安に感じました」と、リー氏はいう。「『それじゃ、どうやってみんなとリアルにつながる方法を探そうか?』という考えを受け入れたかったのです。そして一番リアルな存在である友人と一緒に行うのが最善策だと思いました」。

2020年夏、リー氏はFlox(フロックス)のノーコードのベータ版を立ち上げた。人々が会うのを助けるアプリである。プロフィールを作成してマッチするTinder(ティンダー)、Hinge(ヒンジ) 、Bumble(バンブル)のようなもので、グループとしてサインインしてから他の友人グループとつながるだけでよい。

「利用者からはオンラインで体験したものの中で一番楽しいとのフィードバックをもらいました。私にとってはターニングポイントでした。これはとても本気のものになり得る、これをやるなら今だと思いました」とリー氏はいう。

そうして彼女はアプリに全力を挙げるため、コロンビア大学卒業まであと1年を残して中退した。

画像クレジット:Flox

2021年2月、リー氏と2人のフルタイム勤務のエンジニアは(彼女のチームの範囲では)約250人の利用者を対象にアルファテストを実施し、ニューヨークシティだけで学部生と最近の卒業生にプライベートなベータテストを開発した。これまでに順番待ちの利用者は2万人に達したが、リー氏は2021年11月頃にFloxを順番待ちしている大学生の年齢のニューヨーカーにも公開し始めると述べた。後に他の都市にも拡大する。さらに、FloxはHoneycomb Asset Management (ハニーコムアセットマネジメント)が主導しBBG Ventures(BBGベンチャーズ)とBanana Capital(バナナキャピタル)が参加した120万ドル(約1億3662億円)の資金調達ラウンドを終えた。

「正直なところ、最初のラウンドは驚くほど難しかったです。私はプエルトリコ人であり中国人です。当時21歳で、これに関する経歴もないし、コロンビアも退学しました」とリー氏は述べた。「こういう会話に入る上で、そもそもみなさんから私に関するご意見があるに違いないと思います。ピッチミーティングではもっとZuck(ザック)のようになれと言われました」。

リー氏は彼女自身の年齢層の人々のためにプラットフォームを開発する創設者として、賢いやり方でアプリを市場に出した。利用者にはリアルに感じて欲しいと考えた。そこで、TikTok(ティックトック)利用者でもあるオーディエンスに会い、アプリの販促用の動画を投稿したところ三つの投稿で閲覧数は180万回とバズった。

「トイレにも1人で行けないのに」リー氏はあるTikTokでいう。「なぜ1人で出会いアプリを使っているの?」。

@jamietylerlee

WELCOME TO FLOX. Waitlist early access in bio #startup #entrepreneur #app #friends #dating #fyp #selfimprovement #watchmegrow #tech #foryou

♬ original sound – Jamie Lee

Floxはグループ基準のソーシャルネットワーキングを試みる初のアプリではない。Tinderは友人とグループに参加し、他のグループとマッチする機能を持つTinder Social(ティンダーソーシャル)にこのアイデアを反映していた。しかし2016年の前途多難なスタートのあとたった1年ほどでこの機能は終了した。不注意にも、自身の連絡先からTinderのアカウントを持っている人を特定できたからである。リー氏は、Tinder SocialがうまくいかなかったのはTinderがすでに出会い(ナンパ)アプリとしてのブランドを確立していて、利用者1人がそのプロフィールを持っていると、同じバージョンの自分を友人やデート相手となる可能性がある人に見せることになったからだと考えている。

「個人に焦点を当てることはやめたいと考えています。それはデートを指すからです」とリー氏。「グループのアイデンティティを受け入れたいと思います。そうすればフロックは『アパートメント11』と呼ばれるかもしれません。グループを構成している人々よりも、誰がグループを立ち上げているかを見られます。強調されることを入れ替えているのです」。新たな人に会うことに焦点を置きながら、リー氏はFloxのグループ(フロック)を作る友人同士も近付くことを望んでいる。

Bumbleも出会いアプリとして始まったが、友達を作りビジネスパートナーを見つけるモードもある。リー氏は、Bumble BFF(バンブルBFF)をFloxのインスピレーションとして言及するが、彼女がアプリを使用したとき、ほとんどの人が新しく友達を作るよりもルームメイトを探しているように見えた。

画像クレジット:Flox

「Z世代は最も孤独で、不安で、落ち込んだ世代です。友人が必要な人はとてもたくさんいます」。リー氏は述べた。「しかし、『一対一の友情アプリを使用すること』にともなう社会的スティグマがあります。不運にも、一対一で友達を探すとき、相手や、あなたがBumble BFFを使用していることを知っているかもしれない誰かに、あなたが友人がおらず、希望する立ち位置に自らを置いていないことを示唆することがよくあります。そのため、私達のFloxの目標は、より快適に、安全に、楽しくすること、そして友人探しの裏にある社会的スティグマを取り除くことです」。

このアプリは、人は現在の友人に無視されると、新たな人と会うことを最も心地よく感じるというリー氏の仮説に依存する。しかし集団力学によって安全の層が新たに備わる。Floxは出会いアプリではないが、リー氏は一部の人がその目的でアプリを使用することを知っている。しかし、グループの中の人と出会うことで、他人と一対一で会うことにつきまとうリスクの軽減に役立つ可能性がある。

「2~3年前に住んでいた街で、出会いアプリで散々な目に遭いました。私はその出来事を報告しましたが何も措置が取られず、そのプラットフォームでは守られている感覚を得られませんでした」とリー氏はいう。「2020年、利用者と初めてお話ししたとき、利用者は『出会いアプリで他者に会うのは不安。一対一では安全ではないと感じるから。』と言っていました。そのため、私達はもっと心地よく、安全に人と会えるこの環境を提供したいのです」。

Floxの最近のシードラウンドにより、リー氏はアプリを構築し、利用者をどんどん増やし続けることを願っている。同時に、アプリ体験が既存の利用者にとって肯定的でリアルな物であり続けるよう慎重に進めたいとしている。

画像クレジット:Flox

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

テンセントが中国人留学生の授業料支払いに特化したクロスボーダー送金スタートアップに出資

Easy Transferのチーム(画像クレジット:Easy Transfer)

Tencent(テンセント)は、国外にいる何十万人もの中国人学生の学費支払いのストレスを軽減することを目的としているスタートアップEasy Transfer(イージートランスファー)に出資した。

Tencentはこの件についてのコメントを却下したが、Easy Transferの創業者でCEOのTony Gao(トニー・ガオ)氏はTechCrunchに、Tencentは現在Easy Transferの株式約5%を所有していると語った。この投資は2021年12月にクローズし、Easy Transferが現在行っているシリーズCラウンドの第1弾となった。IDGキャピタルとZhenFundがEasy Transferの初期投資家だ。

Easy Transferは取引を直接扱うのではなく、中国でのクロスボーダー決済ライセンスを持つ金融機関と連携している。ガオ氏は以前のインタビューで、同社の付加価値は、送金の手間を省くことだと語っている。従来のやり方では、親や学生は銀行を訪れ、たくさんの書類に記入し、送金先情報が正しいかどうかダブルチェックし、大学の口座に授業料が振り込まれるまで気を揉みながら待たなければならなかった。

Easy Transferでは、ユーザーはオンラインで簡単なフォームに記入するだけで、あとは同社が最大200元(約3600円)の手数料ですべてを処理する。

Tencentの戦略的投資により、Easy Transferはユーザー体験をさらに合理化するつもりだ。両社はWeChatベースの学費送金サービス「WeRemit」を共同開発した。WeChatのエコシステム内にある何百万ものサードパーティのライトアプリとは異なり、WeRemitはWeChatからの手厚いサポートを受け、WeChatが一部運営を行っている。

「マネーロンダリング防止、本人確認、情報のセキュリティなど、WeChatはクロスボーダー決済取引をより安全なものにします」とガオ氏はいう。「WeChatは膨大な量のユーザーデータを保有しているため、銀行でも対応できないような強固なリスク管理システムを構築することができるのです」。

お金を動かす前に、WeRemitはユーザーの顔をスキャンして本人確認を行い、WeChatにすでに保存されている個人情報を収集する。中国のインターネットプラットフォームは、モバイル決済やコンテンツ投稿などのコアな機能を有効にする前に、人々の真の身元を確認することが義務づけられている。

WeChatのAIを使った金融コンプライアンスシステムも活躍している。授業料の請求書、内定通知書、ビザ情報など、WeRemitに提出された書類を特定し、理解するために機械学習が使用されている。また、このシステムではリスクの高い取引にフラグを立ててマニュアルで確認したり、請求額と支払額の数字を比較して過払いを回避したりすることもできる。

WeRemitのサービスを支えているのは、Tencentのオンライン決済部門であり、WeChatのデジタルウォレットであるWeChat Payも運営しているTenpayだ。ユーザーから依頼を受けると、クロスボーダー取引ライセンスを持つTenpayが、Easy Transferを受け入れている大学2000校のいずれかに送金する。

中国で広く普及しているWeChatと提携することで、Easy Transferのリーチが大幅に拡大する可能性がある。ガオ氏によると、Easy Transferは2021年に学生12万人にサービスを提供し、20億ドル(約2280億円)以上の取引を処理したという。現在は、WeChatが「海外留学生」と呼ぶ50万人のユーザーをターゲットにしている。教育省によると、2019年には全体で約70万人の中国人学生が海外に留学していた。

Tencentにとって、Easy Transferとの提携は、海外に旅行する観光客をターゲットにしたクロスボーダーフィンテックサービスの幅を広げることにつながるかもしれない。ガオ氏は、Easy Transferのモデルをアジアの他の地域、特に南アジアや東南アジアで再現したいと考えている。インド、ネパール、ベトナムといった国々で増加している海外留学生を取り込む計画だ。これらの国々の家庭は、学費の送金に関して同じような悩みを抱えており、さらに手数料に敏感だと、ガオ氏はいう。

Tencentにとって海外展開は困難で、海外での影響力を拡大するために主に戦略的投資に頼ってきた。例えば、ビデオゲーム会社の膨大なポートフォリオがその例だ。Tencentは、Grab(グラブ)を含むアジア全域の複数のフィンテックサービスプロバイダーを支援してきた。Tencentは、海外送金に必要なライセンスを持つ適切な現地パートナーとEasy Transferを結びつけることができるとガオ氏は述べ、Easy Transferは現地チームの構築とWeRemitのような使いやすいプロダクトに注力するとしている。

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

ジャーナリングが可能な書く瞑想アプリmuuteによる学校共同プロジェクトがスタート、第1弾は9校の中高生約200人が参加

AIジャーナリングアプリ「muute」(Android版iOS版)を開発・運営するミッドナイトブレックファストは1月11日、生徒の自己理解力の促進やメンタルヘルス向上を目的とする学校共同プロジェクト「mutte for school β」の開始を発表した。第1弾として北海道、東京、静岡、大阪、高知から9校の中学校・高校より約200人が参加する。

ジャーナリングとは、欧米で人気のメンタル・セルフケアやマインドフルネスの手法のひとつ。頭に浮かんだことをありのままに書き出していくもので「書く瞑想」とも呼ばれる。自分の思考や感情、日々の行いを振り返り文字として書き出すことで心身の健康と自己肯定感の向上に効果があるという。muuteは、このジャーナリングを行えるうえ、書き出された内容や関連する感情や思考をAIが分析しフィードバックしてくれるアプリ。今まで気づけなかった自己の感情の揺れ動きや思考パターン、価値観などを発見できるとしている。

コロナ禍での生活により多くのストレスがかかるようになり、メンタルの不調を訴える人が増加しているという。若年層においても中程度のうつ症状を持つ子どもの割合が、高校生では30%、中学生は24%に上ることが明らかになっている(国立成育医療研究センター「『コロナ×こどもアンケート』第4回調査報告」)。

また学校現場では、自己の生き方や興味・関心のある分野を明らかにする「自己理解力」、必要な情報を収集し適切に整理・分析を行う「批判的思考力」、主体的に課題設定を行い解決に取り組む「主体的行動力」など非認知能力を高める取り組みが必要とされている。非認知能力とは、意欲・協調性・創造性・コミュニケーション能力といった、測定できない個人の特性による能力のこと全般を指し、OECDでは社会情緒的スキルと呼んでいる。

具体的には、学習指導要領の改訂により、高校において2022年度から「総合的な探究の時間」という新科目が実施される。人権問題や気候変動といった多様な社会課題を考えながら、個人的な興味と関心を基に「自己の在り方生き方」を考え自ら課題を発見し解決することを目的とするものだ。しかし具体的な指導方法の前例が少ないため、多くの学校で授業内容を模索する段階が続いている。

ミッドナイトブレックファストは、若者のメンタルヘルスの影響や学校教育現場の実態から、生徒の自己理解力の促進やメンタルヘルスのセルフケア手法において何か施策を提供できないかと検討する中で、教育機関との共同プロジェクトとしてmutte for school βを開始することとなった。同時に、自己理解やメンタルヘルスに関する状態変化などの効果検証と、実際の学校教育におけるmuuteアプリの活用および導入方法を検討する取り組みとしても行われる。

プロジェクト参加校は、札幌新陽高等学校(北海道)、ドルトン東京学園中等部・高等部(東京)、三田国際学園中学・高等学校(東京)、日本大学三島高等学校・中学校(静岡)、追手門学院中学校・高等学校(大阪)、大阪夕陽丘学園高等学校(大阪)、常翔学園中学校・高等学校(大阪)、四條畷学園高等学校(大阪)、土佐塾中学・高等学校(高知)の9校で、参加者は中学1年生から高校3年生までの約200人。実施期間は2021年1月11日~1月31日。

東進のアンケートで中高生の8割以上がプログラミングは必要なスキルと認識していると判明、競プロやKaggleに取り組む中1も

東進のアンケートで中高生の8割以上がプログラミングは必要なスキルと認識していると判明、競プロやKaggleに取り組む中1も

東進ハイスクールや東進衛星予備校を運営するナガセは2021年12月29日、東進が実施している「全国統一高校生テスト」と「全国統一中学生テスト」に関連するアンケート調査(2021年10月・11月。10万7450人に調査)で、中高生の8割以上が「プログラミングは必要なスキル」であると認識していることがわかったと発表した。また、「プログラミングができる」と答えた中学1年生は半数を超えていた。

「プログラミングが今後必要なスキルになると思うか」との問いに対して、「とても思う」「そう思う」と答えた生徒の割合は、中学生全体で87.3%、高校生全体で86.0%だった。中学1年生は82.2%なのに対して、高校3年生は86.6%と、全体的に学年が上がるほどプログラミングの重要性を感じていることがわかる。

東進のアンケートで中高生の8割以上がプログラミングは必要なスキルと認識していると判明、競プロやKaggleに取り組む中1も

また、「どの程度プログラミングができるか」との質問に対しては、競技プログラミングやKaggle(カグル)に取り組むレベルから、助けを借りてマウス操作のプログラミングができるという初心者レベルまでの合計の割合が、中学1年生の55.3%がもっとも多かった。学年が上がるにつれてなんらかの形でできると答えた割合が減っているのだが、これは学校でのプログラミング教育の変化に対応している。

2020年度から小学校でプログラミングが必修科目になったことから、現中学1年生は小学校でプログラミング教育を受けている。中学校では2021年度からプログラミング教育が始まっており、高校は2022年度から必修化が予定されている。アンケートの結果は、それにきれいに即した形となった。

大学入学共通テストにも追加され、国立大が試験科目に加える方針を示しているため、プログラミングへの関心はますます高まるものと考えられるという。

東進のアンケートで中高生の8割以上がプログラミングは必要なスキルと認識していると判明、競プロやKaggleに取り組む中1も

【コラム】テック企業は採用の場で恵まれた学生が持つ魅力とその潜在能力を混同するのをやめるべきだ

大学に通う低所得の学生の数は増加している。Pew(ピュー)研究所からの2016年のレポートによれば、低所得の家庭出身の各部学生が占める割合は、1996年の12%から2016年には20%に増加している。ただし、6年以内に学位を取得できるのは、収入が上位4分の1の学生の場合は58%に達しているのに対し、下位4分の1の学生の場合はわずか11%にとどまっている。

この不一致に対して思いを馳せる必要がある。なぜ低所得層の学生の多くが大学に進学しても学位を取得できず、労働力としての潜在能力を十分に発揮できないのだろうか?この疑問への手短な回答は、個別のターゲットを絞り込んだサポートとリソースの不足である。そして、特にテクノロジーの分野では、このようなサポートの欠如が存在する原因は、採用のエコシステムが、学生や将来の従業員候補者に対して、ある種の「特典」や豊かさを持っていることを仮定している問題ある構造になっているからなのだ。

こうした仮定(無意識的であるか否かに関わらず)は、門戸を開いてくれるはずの教育やキャリアの機会から、低所得の学生を間違ってそして一貫して排除してしまい、結果的にテック業界が重要で実りある人材プールにアクセスできない状況を続けさせている。

こうした技術系の教育からキャリアへのパイプラインが、学位を取得して私たちの経済の中で最も給料の高いセクター(この部分についてはここでは触れない)の1つに入ろうとしている低所得の学生を、途中で挫折へ追い込んでいるのは明らかだ。社会経済的地位は「多様性」の議論の一部でなければならないが、それは過小報告され、十分に議論されていない。

「特典」の産物と潜在能力を混同するとはどういう意味だろうか?

多くの業界と同様に、技術者の採用(インターンシップからフルタイムの仕事に至る)は卒業のかなり前の段階で行われる。この採用構造は、実際の才能や潜在能力よりも、環境的に恵まれていることとリンクしがちな特徴を過大評価し採用する傾向がある。しかし潜在能力が高いにも関わらず低所得の学生は、この採用構造が求める「理想的な候補者」の型には適合しないことがよくある。それはどのように発生し、どうすればそれを止めることができるのだろう?

たとえば採用担当マネージャーにテクノロジー業界で成功するために必要なスキルを尋ねてみよう。彼らは以下のような新しい候補者を探していると口にするかもしれない。

  • 優れた問題解決能力を持っている
  • 時間管理スキルを持つことが示されている
  • 勤勉である
  • トリッキーな問題に対して弾力的に粘ることができる
  • 適応性がある

こうしたスキルは、たくさんの異なる経験から得られる。例えば技術系学位を目指しつつフルタイムまたはパートタイムの仕事をしている学生は、強い労働倫理、時間管理能力、そして弾力性を身につける。また家族の知識や社会的ネットワークに頼ることなく、大学での経験を自力で切り開いている移民二世の学生は、優れた問題解決能力を身につけている可能性が高い。主観的ではあるが、これらはテクノロジー業界で成功するための非常に貴重なスキルである。

しかし、採用活動では、こうした実証されたスキルが実際に考慮されることはほとんどなく、次のような基準によって不平等の影が落とされているのだ。

  • 一流大学への進学へつながる、恵まれた環境にある高校における経験(テストの準備、質の高いアドバイス、高レベルの数学コースへのアクセスを含む)とそれに付随する多くの機会と支援
  • 大学のクラブやネットワークに参加したり、ハッカソンに参加したり、週末や夕方に会議やネットワークイベントに参加したりするための資金と時間(すなわち、自活のために働く必要がない、またはより少ない時間の労働で済ますことができる)
  • 面接のために旅行を実行したり、インターンシップのために転居したりするために必要な現金や知識
  • 高価なテスト準備コースへのアクセス、大学入学前の高度な数学の準備、そして何よりも、自分自身と家族を養うために働く必要がない人に与えられた勉強だけに集中できる自由などの恵まれた環境によって、大きく影響されるテストの点数、GPA、その他の定量的な指標
  • 社会経済的地位だけでなく、上記の多くの要因に基づいた受賞や表彰歴

先のスキルセット(問題解決、時間管理、回復力etc……)とは異なり、これらの基準は採用活動の世界では「潜在能力」のマーカーと見なされている。しかし、これらのマーカーを取得するには、多くの学生が利用できないある程度の特典と豊かさが必要なのだ。こうした経験はいずれも時間とエネルギーを必要とするため、家族の世話をしたり、学費を払うために働いたり、その他学校以外での重要な責任を果たさなければならない人間にとっては得ることが難しい。これらの経験の多くは個別に支出を必要とするし、またこれらの経験のほとんどは、課外ネットワーク、事前知識、準備を行うことができる恵まれた環境を必要とする。

だがこれは、企業にとって大きな機会損失であり、悲惨な結果がもたらされているのだ。テクノロジー業界は、イベントへの参加、受賞歴、そして通った学校という特性を、業界で実際に成功するための能力から切り離さなければならない。それらは同じものではないからだ。このまま恵まれた環境の産物と潜在能力を混同し続けると、実際に潜在能力の高い学生のコミュニティにアクセスできなくなり、人材不足が続き、技術セクターの多様性が低下する。

では、どうすればよいだろうか?

低所得の学生がその技術の旅全体を通して個別にサポートされるようにするためには、技術コースをどのように修正していけば良いのだろうか?

低所得の採用候補者の競争の場を平準化する

大学生の半数以上が住宅不安を経験していることを口にしている。率直な話、家賃を払えなければコンピュータサイエンスの試験で優をとるのは難しく、高速のインターネット接続がなければ課題を完了するのはほぼ不可能だ。

こうした積年の障壁に対処するには、それらをまず理解してから、解決するためのリソースに投資する必要がある。

まず、低所得のバックグラウンドを持つ学生のために、こうしたギャップを埋めるために働く組織を支援し投資する。次に、すべての新規採用者のための公平な競争条件を整える。テック企業の意思決定者または人事担当者である場合は、すべてのインターンと新規採用者に対して転居と採用のための移動費用を支援する。

学生がこれらの費用を前もってまかなうためのクレジットや家族の支援を持っていると仮定して、支給まで数週間待つべきではない。これを解決することで、候補者はベストな状態で訪問することができる。

多様性に投資するために大学生に投資する

テック業界はテクノロジーパイプラインの開始部分に投資する傾向がある。その結果、企業がK-12(幼稚園から高校まで)プログラムに慈善基金の66%を集中させているのに対し、大学レベルのプログラムに投下されているのはわずか3%である

K-12への投資は重要だが、必要な人材を生み出すには、高等教育レベルでのフォローも必要だ。私たちは、学生が学位を取得できるように支援する必要がある(そうするための過程全般を通してサポートを行う)。これによって、技術革新に貢献する準備ができた技術者と、私たち全員に利便性をもたらすより多様なマインドの形でリターンが得られるのだ。

これは実際にはどういう形をとるのだろう?1つの例を次に示そう。現在まだ学部4年生の新入社員を雇用する場合は、その春学期の間支援を行うのだ。つまり将来の従業員に投資するということだ。最終的な高レベルのクラスに集中するための余裕を提供することで、最後の数カ月の重要な時期に授業料、家賃、その他の費用を支払うことを心配するのではなく、仕事へとより良く備えることができるようになる。

コンピューティングの学位を取得して卒業する現在の学生の人口、およびテクノロジーセクター全体は、人種や性別だけでなく、社会経済的地位の観点からも、私たちの多様な社会を反映していないそしてそれは、テクノロジー業界が恵まれた環境により産まれたものと潜在能力を混同し続けているからなのだ。

その結果、重要なテクノロジーを生み出す役目を負いながら、決してすべての人に平等に役立つとは限らない、多様性に欠けたテクノロジーセクターが生まれるのだ。技術パイプライン全体を通じて低所得の学生を個別にサポートし投資していこう。

編集部注:執筆者のDwana Franklin-Davis(ドワナ・フランクリン=デイビス)氏は生涯現役の技術者だ、現在Reboot Representation(リブート・レプリゼンテーション)のCEOを務めている。同組織は、慈善活動のリソースをプールして、2025年までにコンピューティングの学位を取得する黒人、ラテン系、ネイティブアメリカンの女性の数を2倍にすることを目指しているテクノロジー企業の連合体である。もう1人の執筆者のRuthe Farmer(ルース・ファーマー)氏は、Last Mile Education Fund(ラスト・マイル・エデュケーション・ファンド)の創業者でCEOであり、テクノロジーとエンジニアリングにおける公平性とインクルージョンの世界的な擁護者であり伝道者である。

画像クレジット:PM Images / Getty Images

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(文: Dwana Franklin-Davis、Ruthe Farmer、翻訳:sako)

国際宇宙ステーションで高校や学習塾が科学実験、SpaceXのFalcon 9でJAMSS実験装置Kirara 3号機を本日打ち上げ

国際宇宙ステーションで高校や学習塾が科学実験、SpaceXのFalcon 9・ドラゴン補給船でJAMSS実験装置Kirara 3号機打ち上げ

国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の運用・利用支援などを行う有人宇宙システム(JAMSS。ジャムス)は米国時間12月21日、SpaceXのドラゴン補給船に宇宙工場モデル「Kirara」3号機を搭載しFalcon 9ロケットで打ち上げる(CRS-24・SpX-24ミッション。記事掲載時点では打ち上げ成功)。Kiraraは主に、創薬分野で利用される高品質タンパク質結晶生成を宇宙で行うサービスのための実験装置として、複数の企業や団体からの宇宙実験を請け負っているのだが、今回新たに「Kiraraシェアサービス」を開始し、初めての試みとして、日本国内の学校や学習塾から募った宇宙教育ミッションも行うことになっている。

今回の打ち上げに参加する団体は、東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部、欧州コンフォーカルサイエンス、静岡大学電子工学研究所、米国のBayer、ハンガリーのInnoStudio、フランスのInstitut Laue-Langevin、スペインのCSISとIACT、そして教育関連では、茨進、日本旅行(ミライ塾)、柳川高等学校、東京都立小石川中等教育学校、みどりの学園義務教育学校、Nikkei宇宙プロジェクト。

なかでも、市進教育グループの茨進では、JAMSSと共同でISSでの宇宙実験教育を実施する予定となっており、その材料の準備を子どもたちが行った。柳商学園柳川高等高校は、高校主催による宇宙でのタンパク質結晶生成実験を行う。みどりの学園義務教育学校は、持続可能な社会の実現に向けて学んだ成果であるデータやメッセージをSDカードに納めて宇宙に打ち上げる。

Kirara 3号機を載せたSpaceXのFalcon 9は、米国時間12月21日にケネディー宇宙センターから打ち上げられ、翌22日午前4時半ごろ(米国東部標準時間)にISSにドッキングする予定。

Google支援、みんなのコードが小中学校教員・生徒・保護者対象に「プログラミング教育実態調査」実施し報告書を公開

Google支援、みんなのコードが日本全国の小中学校教員・児童・保護者対象に「プログラミング教育実態調査」実施し報告書を公開

特定非営利活動法人みんなのコードは12月2日、Google支援の下、全国の学校教育における「プログラミング教育実態調査」を実施し、報告書を公開した。この調査では小学校児童の7割以上が、「プログラミングは楽しかった」と回答している。その一方で、教える側の問題も明らかになった。

報告書
小学校教員の意識調査の単純集計結果
中学校教員の意識調査の単純集計結果
子どもと保護者の意識調査の単純集計結果

これは、全国の小学校教員1037人、中学校教員1362人、小学校・中学校・高校の児童生徒とその保護者3000組を対象に行った定量調査と定性調査。中学校技術分野教員向けアンケート調査は、全日本中学校技術・家庭科研究会との共同で行われた。同時に、今後の日本の取り組みの参考にすべく、イングランド、オーストラリア、韓国、ケニアでのプログラミング教育の取り組みについても文献調査を行った。

たとえば、こんな結果が出た。プログラミングのプロではなく、学校の先生が教えることで、児童・生徒にプログラミングへの苦手意識が芽生えるのではないかと心配する声があるものの、同調査では、小学生の73.8%が「プログラミングは楽しかった」と回答した。また、プログラミングを経験した児童生徒は、未経験の者と比較して、「将来プログラミングに関する仕事に就くか?」との質問に、小学生では2倍、高校生では3倍、前向きな回答をしていることもわかった。

Google支援、みんなのコードが日本全国の小中学校教員・児童・保護者対象に「プログラミング教育実態調査」実施し報告書を公開

左端が小学生、中央が中学生、右端が高校生

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  3. Google支援、みんなのコードが日本全国の小中学校教員・児童・保護者対象に「プログラミング教育実態調査」実施し報告書を公開

子どもたちには、おおむね良好な結果となったが、その一方で教える側の問題も見えてきた。小学校では、7時間以上の研修を受けた教師による授業は、1時間未満の研修や、研修を受けていない教師によるものに対して、児童の関心度に大きな差が出た。ところが、校務や部活動などに大幅に時間をとられ、授業の準備時間がなかなかとれない(小学校教員、中学校技術分野教員で8割以上)という。

Google支援、みんなのコードが小中学校教員・児童・保護者対象に「プログラミング教育実態調査」実施し報告書を公開

Google支援、みんなのコードが日本全国の小中学校教員・児童・保護者対象に「プログラミング教育実態調査」実施し報告書を公開

小学校教員

Google支援、みんなのコードが日本全国の小中学校教員・児童・保護者対象に「プログラミング教育実態調査」実施し報告書を公開

中学校教員

おもな調査結果を要約すると、以下のようになる。

小学校

  • GIGAスクール構想(全国の児童生徒1人に1台のコンピューターと高速回線を整備する文科省の取り組み)の対応でプログラミング教育が後手になる
  • 研修時間が長いほど手応えを感じる
  • プログラミング教育の実施状況は半数弱、今後実施予定が3割
  • 児童のITやプログラミングへの関心が高まったと教員の7割が回答
  • 専門知識や指導事例が不足している

中学校

  • 授業の準備時間を十分に確保できない教員が9割弱
  • 積極的な教員ほど生徒の反応がよい
  • D情報の技術の実施状況は、2と3は4時間以上、1は3時間以下
  • D2に対する課題意識が強い
  • 生徒の考え方の変化や進路選択のきっかけになった

子どもと保護者

  • 保護者のITリテラシーが大きく影響
  • 保護者のITの関心度が学校外のプログラミング教育の機会に影響

66の国・地域から200チーム以上が参加、小中高生の国際ロボットコンテスト「WRO 2021国際大会」で日本の4チームが入賞

66の国・地域から200チーム以上が参加、小中高生の国際ロボットコンテスト「WRO 2021国際大会」で日本の4チームが入賞小中高校生のための世界最大規模のロボットコンテスト「WRO」(ワールド・ロボット・オリンピアード)に日本から7チームが出場し、4チームが入賞を果たした。シンガポール・サイエンスセンターの提案で2004年から始まったこのロボット競技会には、7万5000人以上の参加者があるという。今回の「WRO 2021国際大会」は、66の国・地域から200チーム以上が参加した。

日本では、2008年にNPO法人となったWRO Japanが、科学技術振興財団と協力して子どもたちの科学技術への興味と意欲の向上や、ものづくり人材育成を目的とした活動を行っている。

WRO 2021国際大会は、11月18日から21日の4日間、コロナ禍の影響でオンラインで開催された。入賞したチームは以下のとおり。

レギュラーカテゴリー

レギュラーカテゴリーは、自律型ロボットをチームで製作し、それを使って競技を行うというもの。SSS(名古屋市立猪高中学校、名古屋市立香流中学校、名古屋市立守山北中学校)がジュニア部門5位、YTHS 60 tomes(愛媛県立八幡浜工業高等学校)はシニア部門5位を獲得した。

ジュニア部門5位入賞:SSS(名古屋市立猪高中学校、名古屋市立香流中学校、名古屋市立守山北中学校)

SSS(名古屋市立猪高中学校、名古屋市立香流中学校、名古屋市立守山北中学校)

シニア部門5位入賞:YTHS 60 tomes(愛媛県立八幡浜工業高等学校)

YTHS 60 tomes(愛媛県立八幡浜工業高等学校)

オープンカテゴリー

オープンカテゴリーは、テーマに従ったロボットを製作し発表するというもの。Y&E(札幌市立西野第二小学校、札幌市立平岡公園小学校)がエレメンタリー部門4位入賞、Deer Japan -Memories-(奈良教育大学附属中学校)エレメンタリー部門4位入賞となっている。
エレメンタリー部門4位入賞:Y&E(札幌市立西野第二小学校、札幌市立平岡公園小学校)

Y&E(札幌市立西野第二小学校、札幌市立平岡公園小学校)

ジュニア部門6位入賞:Deer Japan -Memories-(奈良教育大学附属中学校)

Deer Japan -Memories-(奈良教育大学附属中学校)

またDeer Japan -Memories-は、大会プレミアムスポンサーであるレゴデュケーションから、Creativity Awardも受賞した。

デジタル教材プラットフォームのLibryがシリーズC累計で約3.4億円調達、プロダクト開発・営業体制強化

中高生向けデジタル教材プラットフォーム「Libry」(リブリー)を提供するLibryは11月17日、LITALICO(リタリコ)を引受先とした第三者割当増資による資金調達を発表した。同エクステンションラウンドを含めたシリーズCラウンドの累計調達額は約3億4000万円となり、2017年のサービス提供開始からの累計調達額は8億円を超えた。

リブリーは、デジタル教材とAIドリルの特性を併せ持つデジタル教材プラットフォームで、全国の高校・中学を中心に600校以上(2021年11月15日現在)で導入されている。大手出版社・教科書会社と提携し、既存の教科書や問題集をそのままデジタル化しているため、教師と生徒が「これまで通りの教材」として利用できるという。1つの端末で複数の教材・問題集を管理できるほか、生徒ひとりひとりの学習履歴に基づいた「類似問題」「苦手問題」機能などで生徒の学習状況や理解度に合わせた個別最適化学習を実現する。宿題の配信・回収・集計を自動で行なう「宿題管理ツール」や、クラスの学習状況をExcelデータで出力できる機能など、教師をサポートする機能も用意している。

日本の学校教育は、コロナ禍の影響もあり、急速にICT化が進んでいる。小・中学校では、2021年3月末までに全国97.6%の自治体でPC・タブレット1人1台環境が整備され、高校でも47都道府県のうち42自治体(89.4%)で生徒1人1台の端末整備を目標としている。そのような状況の中で、リブリーは2021年10月末時点で17社の出版社と提携。数学・物理・化学・生物・地学・英語の6科目で400冊を超えるデジタル教科書・デジタル問題集を提供している。

「一人ひとりが自分の可能性を最大限に発揮できる社会をつくる」をビジョンに掲げるリブリーは、2022年4月に学習者用デジタル教科書への対応を予定。調達した資金により、プロダクト開発・営業体制を強化し、日本の教育のデジタル化を牽引する教材プラットフォームとしてさらなる成長を目指す。今後はLITALICOとの協業の可能性についても検討を開始するという。

LINEアプリからスクールランチを予約注文、福岡拠点の給食スタートアップPECOFREEが総額6100万円の資金調達

LINEアプリからスクールランチを予約注文できるサービス「PECOFREE」(ペコフリー)を開発・運営するPECOFREEは11月15日、資金調達を行なったことを発表した。引受先はSun Asterisk、RKB毎日放送、テノ.ホールディングス。また9月に実施したNCBベンチャーキャピタルからの資金調達と合わせて、総調達額は6100万円となった。調達した資金は、システム開発、サービス認知拡大のためのマーケティング、人材採用の拡充に充てる。

PECOFREEは、学校で食べる食事をスマートフォンで予約注文(モバイルオーダー)できるサービス。学校単位での導入が可能。栄養士が監修した献立の弁当を毎日3種類用意しており、生徒が食べたいものを前日までにLINE上のLINEミニアプリで選択・予約注文すると、学校内に配置された受け取り・返却ボックスに当日配送を行う。

価格は1食(弁当)あたり税込450円(価格変更可能)で、支払いは保護者がチャージしたポイントから行なわれる。アプリからの注文は、学校が配布するログインコードをLINEアプリに入力するだけで誰でも開始できる。氏名や連絡先などの個人情報、さらに支払時のカード情報はシステムに保存されないため、保護者としても安心して利用できるとしている。

2021年2月設立のPECOFREEは、福岡を拠点とする給食領域のスタートアップ。「お腹を空かせた(ペコペコ)学生へ自由(フリー)な食事を!」をスローガンに、全国の高等学校を対象とした高校生のための給食(お弁当)モバイルオーダーサービスとして、2021年4月より同サービスを開始した。

リリース後、高校以外にも幼稚園・小中学校、専門学校、大学、塾などから問い合わせがあるという。現在は小学校学童施設、専門学校などを含めて県内外を含め約70校以上の導入が決定しており、学校寮の朝食・夕食の提供や自治体、市の給食への導入検討も進めているそうだ。

ガイアックスが学生のうちに起業体験ができる教育機関をリストアップした「全国起業部マップ」第1弾を公開

ガイアックスが学生のうちに起業体験ができる教育機関をリストアップした「全国起業部マップ」第1弾を公開

ガイアックスは10月20日、起業に興味がある高校生また大学生に向け、「全国起業部マップ」を公開した。同マップでは、学業で専門性を学びながら、部活・サークル活動という形式で起業の経験を得られる教育機関をリストアップしている。また、全国起業部マップ掲載の大学一覧は「全国起業部マップ by GaiaxStartupStudio」で確認できる。

ガイアックスが学生のうちに起業体験ができる教育機関をリストアップした「全国起業部マップ」第1弾を公開

全国起業部マップ掲載の大学一覧「全国起業部マップ by GaiaxStartupStudio

同社調査によると、コロナ禍の影響を受け、Z世代の64%が「自分らしさ」や「変化に強い」進路を目指すと回答しているという。同社ではそのニーズに応えるため、大学のうちから起業の経験を得られる大学リストを作成、また国内で初めて公開したという。同社は起業という選択肢を人生の早い段階から提供する環境作りに貢献することで、新しい未来を作る人材の育成に取り組むとしている。

  • 調査期間:2019年1月〜2021年9月
  • 対象:大学の公式・非公式の起業部またはサークル、その他ビジネスコンテスト運営組織
  • 手法:インターネットリサーチ
  • 調査方法:「全国起業部マップ」は、内閣府「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」選定地域に拠点を置く大学を中心に、起業部または起業サークルの有無を調査

同社調査では、日本国内のZ世代の約64%が、学生時代に未曾有の厄災を経験したことが「自身の将来選択に影響する」と回答した。将来の選択肢としては、「より安定的な進路を選択したい」(17.5%)という人よりも「より自分らしい進路を選びたい」(43.2%)や「より変化に対応できる進路をもちたい」(21.3%)と回答する人が多いという。

また同調査において、全国の大学で起業部の設立が続いており、2018年より起業部の数が250%増加していたことが明らかになった。ただ、社会人経験が少ない学生が、アイデアと技術だけで起業を選択することは容易ではない。そのため起業を目指す人は、大手企業やスタートアップに就職し、首都圏などに出てビジネス経験を持ち、起業する傾向があるという。

ガイアックスによると、今回一般公開したマップにより学生が起業経験を得られる大学が地方都市にもあるとわかるようになり、潜在的な起業家層となる学生が、首都圏に出ずとも起業を試みることができるとしている。

NPO法人CLACKが困難を抱える高校生対象に完全無料のプログラミング教室を大阪2拠点で開講

NPO法人CLACKが困難を抱える高校生対象に完全無料のプログラミング教室を大阪2拠点で開講

NPO法人CLACKは10月20日、経済的に困窮する、あるいは何らかの生きづらさを感じる大阪市と堺市の高校生を対象に完全無料のプログラミング教室「Tech Runway」を開講するにあたり、参加者の募集を開始した。授業は11月27日から3カ月間、週2回対面で行われる。パソコンの貸与、交通費の支給(800円まで)もある。応募はこちらから

「Tech Runway」概要

  • 募集人数:新大阪6期生15名、堺1期生10名
  • 実施期間:2021年11月27日〜2022年2月19日
  • 応募条件:高校生もしくは高校生年代の人。指定された曜日に3カ月、週2日間通える人(テスト期間などは除く)

応募多数の場合は、経済的に困窮している人、生きづらさを感じている人、プログラミングに触れる機会がないひと、「何か新しい一歩を踏み出したい」人が優先される。

CLACKは、困難を抱える高校生のためにプログラミング教育とキャリア教育を提供する非営利団体。代表で創設者の平井大輝氏は、自身が経済的な困窮や両親の離婚を経験し、厳しい高校生時代を送っている。その体験がもととなり、プログラミングを通じて高校生たちを支援する活動を開始した。「Tech Runway」という名前には、「ITの力で高校生一人ひとりがワクワクした未来に飛び立つための、きっかけや環境を提供する」という思いが込められている。

学習指導要領の改訂に伴い、高等学校では2022年から共通必履修科目「情報I」が新設。また2025年の大学入学共通テスト(旧センター試験)には、新教科としてプログラミングを含む「情報」の導入が公表されている。

しかし、経済的理由でパソコンに触れる機会がない高校生たちもあり、恵まれた高校生たちとの教育格差が心配される。プログラミングのスキルを習得できずに、進路選択の幅が狭まってしまう恐れもある。そうした危惧から、CLACKでは2018年より、困難を抱える高校生150名以上に無料のプログラミング教室を開いてきた。大阪では今回で6期目となる。堺は今回が初めて。

クリエイティブジャパンが大学・高専生対象の「IoT・エッジAIアイデアコンテスト2021」詳細を発表

クリエイティブジャパンが大学・高専生対象の「IoT・エッジAIアイデアコンテスト2021」詳細を発表

ITソリューションやクラウドソリューションなどを手がけるクリエイティブジャパンは10月18日、日本全国の大学、高専の学生を対象としたIoTおよびエッジAIの実用化のためのアイデアコンテスト「IoT・エッジAIアイデアコンテスト2021」の詳細を発表した。このコンテストで、学生の技術教育支援を通じてエンジニア育成に貢献し、日本のIoTとエッジAIの技術発展と普及を目指すとしている。

IoT・エッジAIアイデアコンテスト2021は、クリエイティブジャパンのグループ会社であるクレスコと共同で開催される。具体的には、ソニーセミコンダクタソリューションズ製IoT用ボードコンピューター「SPRESENSE」(スプレッセンス)と、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供するLPWA無線通信規格「ELTRES」(エルトレス)を利用した、IoTおよびエッジAIの実用化のためのアイデアを募集する。

アイデアが一次審査を通過すると、応募チームには、クリエイティブジャパン製「ELTRESアドオンボード」、最大4カ月の「ELTRES」IoTネットワークサービス、クラウド上でデータ解析できる「CLIP Viewer Lite」の無償利用、ソニーのボードコンピュータ「SPRESENSE」と拡張ボードをセットにしたIoT・エッジAI開発キットが無償で提供される(20セットを予定)。

クリエイティブジャパンが大学・高専生対象の「IoT・エッジAIアイデアコンテスト2021」詳細を発表

Spresense用ELTRESアドオンボード

これらの機材やサービスを使ってアイデアの実験を行ってYouTube動画で結果を発表し、二次審査の結果を待つという流れだ。

「IoT・エッジAIアイデアコンテスト2021」概要

  • 集内容:SPRESENSEとELTRESを利用したIoT・エッジAIの実用化を目的としたアイデア(一次審査)。優秀なアイデアの組は二次審査に進める。二次審査では、提供されたIoT・エッジAI開発キットを使ってアイデアの実現に向けた実験を実施し、その結果をYouTube動画で説明する
  • スケジュール
    アイデア募集期間:2021年11月1日〜11月30日午後8時のタイムスタンプまで
    一次審査発表:2021年12月上旬
    実験結果発表締め切り:2022年3月1日午後8時のタイムスタンプまで
    二次審査発表:2022年3月中旬
  • 参加資格:日本国内の大学、高等専門学校に在籍する学生(個人またはチーム)
  • 参加費:無料
  • 申し込み方法:申し込み情報をメールで期限までに提出(詳細を参照

賞品

  • 一次審査:一次審査を通過した20組には「ELTRESアドオンボード」、「ELTRES」と「CLIP Viewer Lite」の最大4カ月の無料利用権、「SPRESENSE」、拡張ボードを授与
  • 二次審査:最優秀3組には金賞、銀賞、銅賞が、それ以外のチームには特別賞が贈られる。
    金賞(1組):ソニー・デジタルカメラ「VLOGCAM ZV-1」
    銀賞(1組):ソニー・ワイヤレス・ノイズキャンセリング・ステレオヘッドセット「WF-1000XM4」
    銅賞(1組):ソニー・ワイヤレス・ネックバンドスピーカー「SRS-NB10」
    特別賞:ソニー・ワイヤレス・ポータブルスピーカー「SRS-XB13」

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

ITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」(パイザ)を手がけるpaizaは10月18日、バンタンと協業し、全国の中高生向けプログラミング共通テスト「P共通テスト」(バンタンテックフォードアカデミー中高プログラミング共通テスト)を開始すると発表した。P共通テストの第1回は、2022年1月22日に実施予定(オンライン開催)。10月18日より受験希望者の申し込みを受け付けている。

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

「P共通テスト」概要

受験の流れ

  1. 受験の申込(無料)
  2. paizaラーニング」への登録(無料・任意)
  3. P共通テストサイト(paizaラーニング for TEAM)の登録
  4. サイト内容の確認
  5. 試験の最終案内(12月頃予定)
  6. 試験本番前にログイン

ルール

  • 個人で参加すること
  • テストの開催時間は90分
  • テストの開催中に問題および提出コード、ヒントをブログやSNSなどに掲載するのは不可。ただし、テストの終了後には掲載可能
  • 解答やヒントを教えてもらったり他人のコードを利用するのは不可。ただし、ウェブで検索するなどの調査行為は可能(paizaスキルチェックと同様)
  • 利用できるプログラミング言語は、paizaスキルチェックと同様で、Java、 PHP、Python2、Python3、Ruby、Perl、C、C++、C#、JavaScript、Objective-C、Scala、Go、Kotlin、Swift
  • コード採点時の実行環境もpaizaスキルチェックと同様
  • 問題ごとに、提出するコードのプログラミング言語を選択可能。例えば、Q1はC#で提出し、Q2はJavaで提出するなどが行える

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

P共通テストは、プログラミング初学者からITエンジニアを目指して学習している方まですべての中高生を対象に、現在の自分がプロのスキルに対してどのレベルにいるのかを理解できるテストという。問題の作成にあたっては、2022年度から新しく始まる高校の情報科の科目「情報Ⅰ・情報Ⅱ」を考慮しており、今後導入を予定されている「大学共通テスト」に対する実力の参考として活用することも可能(情報Ⅰは、2024年度以降の大学入学共通テストの出題教科となっている)。

全国の中高生のプログラミング能力の向上を目指し、才能ある中高生を社会へつなぐことで、急速に進むデジタル社会が抱えるIT人材不足をサポートするものという。才能のある人材を社会へつなぎ、IT業界が抱える人材不足に貢献するとしている。将来的には、漢字や英語の検定のように、中高生がプログラミングスキルを測る共通テストとして一般に広く定着させていきたいと考えているとした。

今回の協業においては、paizaは問題の監修と採点を担当。同社は、サービス開始以来総受験回数1500万回以上(2021年10月現在)という、転職・就職を希望する方やプログラミングを学習する方の実力を判定する「paizaスキルチェック」を提供している。同システムをバンタンに提供し、中高生向けに出題範囲を設定して出題する。

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツールAppSheet用教材を11月から提供開始

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツール「AppSheet」用教材を11月から提供開始

子ども向けプログラミング教室「Tech for Elementary」(TFE)の運営などを行うエクシードは10月13日、中高校生向けにGoogleのノーコードツール「AppSheet」が楽しく学べる教材「はじめてのAppSheet」を、TFE向け教材として2021年11月より提供開始すると発表した。

TEFでは、「ひとりでも多くの子どもたちにプログラミングの機会を提供する」というミッションのもとで、映像授業をベースとしたプログラミング教室を、フランチャイズ事業として展開している。そこでは、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」の他、その次の段階として本格的なテキスト形式のプログラミング言語を使ったアプリ開発なども教えているが、プログラミング言語へ歩を進める生徒は全体の2割前後しかいないという悩みを抱えている。

その原因としては、プログラミング言語が難しい、教えられる講師が少ない、追加の授業料を払える保護者が少ない、中学生になると勉強や部活で忙しいといったことが考えられる。そこでエクシードは、Scratchと本格的なプログラミング言語をつなぐ中間的な存在として、GoogleのAppSheetを採り入れ、ノーコードでの本格的なアプリ開発のための映像授業を開発した。

AppSeetは、GIGAスクール構想で導入されている端末のうち約40%を締めるChromeOSで利用できるスプレッドシート「Google Sheets」との親和性がよく、無料で使えるなどの点で選ばれた。本格的なアプリやインターフェイスが構築でき、テキスト形式のプログラミング言語や「情報」科目への興味につながること、さらに、将来の進学や就職にも役立つことが期待されている。

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツール「AppSheet」用教材を11月から提供開始

GIGAスクール構想で導入されている端末のOSシェアは、ChromeOSが40.1%、Windowsが30.4%、iOSが29.0%となっている。その他には、AndroidとMacOSを含む。文部科学省「GIGAスクール構想の実現に向けた端末の利活用等に関する状況(令和3年7月末時点)について(速報値)

エクシードは今回の教材提供を、「中高生という時期において、テクノロジー教育が断絶してしまうのではという危惧、危機感と、DX人材や市民開発者の早期育成を民主化することで、IT人材の量的確保に貢献できるのでは、という希望が伴ったもの」だとと話している。

中国の教育弾圧の犠牲者たち。企業が閉鎖に追い込まれる中、何百万人もの学生、親、教師が前進への道を模索

中国のEdTech企業は、2021年の初めまではウォール街やベンチャーキャピタルの寵児となっていた。しかし今では、次の始まりを見据えるだけの支払い能力を持ち続けることができるだろうかと思案している。

一連の包括的な規制の中で、中央政府は何十億ドル(約何千億円)もの価値がある教育と試験準備産業に破壊的な打撃を与えた。この値は、国の都市部の中流家庭のスケジュールと財布の両方の総体価値である。

最もインパクトのある政策は2021年7月に導入されたものだ。そこには、国の中核的な公立学校のカリキュラムに特化し、成功を左右する高校や大学の入学試験に照準を合わせた営利目的の個別学習指導サービスの禁止が含まれている。また、生徒が授業に参加できる時間への制約も設けられており、平日の授業時間は午後9時までに制限され、週末は課外授業のみが認められるとしている。

この規制は、中国の大手EdTech企業に壊滅的な影響を及ぼしている。New Oriental Education and Technology Group(NYSE:EDU)の株価は前年同期比で86%下落し、ライバルのTAL Education Group(NYSE:TAL)の株価は、2月に史上最高値を付けて以来93%以上下落した。そうした企業の収益の50%から80%近くが個別学習指導、つまり現在は禁止されている活動からのものだ。その経営陣たちは、10億ドル(1000億円)規模のタイタニックを沈む前に立て直すという不本意な課題に直面している。

7月に打ち出された営利目的の個別学習指導の禁止措置は多くの注目を集めたが、世界で最も人口の多いこの国では、教育を受ける意味を再構築することを意図した政策が絶えず氾濫している。以前は大きな優先順位を与えられていた英語教育が、今では行政のカリキュラムの中で後回しにされている。オンラインでの外国人教師の雇用が禁止されたことで、国内で最も人気のあるEdTech企業の中でも、彼らがどうやって生き残るのかについて案じるところが出てきている。親と家庭教師が直接協力し合ってこの規則を回避しようとするケースに備えて、規制当局はオンラインやホテル、カフェ、個人宅などの未登録施設での個別指導も禁止した。

私たちが今、目にしているのは、関係者すべてにとっての広範な混乱の様相である。子どもの教育の未来のための計画を練り直す親たち、アンダーグラウンドに移動する教育者たち、そして限られた時間と資本を使い果たす前に企業のビジネスモデルを徹底的に見直すことに必死になっているEdTech起業家たち。教育をめぐる需要と供給の経済力はほとんど変わっていない。今問題となっているのは、規制がこれらの力をどのように振り向けようとしているかである。

中国語には無数にあると思われるような慣用句の組み合わせが存在するが「上有政策、下有对策」大まかに訳すと「統治者は規則を作り、臣下はその抜け道を見つける」という表現ほど、政治経済の議論に一貫して適用できるものはほとんどないだろう。最近の規制がこの国の教育産業を覆しつつある中、多くの人々が今問いかけているのは、その抜け道をどのような形で、どこで見つけることができるかということだ。

中国の子どもたちの競争の危機

今日の中国では一様に、取り締まり、抑圧、規制改革が継続的テーマとなっているが、最近の教育政策の大部分は、中国の人口危機のレンズを通して理解することができる。5月に発表された2020年の国勢調査データにより、多くの悲観論者が予想していた以上に出生率の低下が深刻であることが明らかになっており、家族への負担を取り除き、ベビーブームを促進することに対し、当局者たちの緊迫感が高まっているようだ。

すべての子どもたちが成功できるわけではない。それでもその親や、しばしば高齢の2組の祖父母を扶養することを期待されている子どもたちは、非常に競争の激しいシステムのなかに置かれている。多くの家族は、子どもたちがそのペースについていけるように、増え続ける時間とお金を投資しなければならないという義務感にとらわれ、身動きが取れないと感じるようになっている。北京に住む母親のYi(イー)氏(仮名)はこう説明する。「私は何百万という親の中の1人ですが、子どもが優秀になる助けになることを期待して、子どものための特別な教育に多額のお金を投じてきました。しかし、誰もがこうした教育を受けていれば、結果として以前と変わらないということになるでしょう。ただ家族の経済的負担が大きくなり、子どものストレスが増大するだけです。ですから、私はこれらの学校を閉鎖するという政府の決定を支持します」。

中国の人口危機はまた、同国の指導者たちに対し、職業的および技術的な熟練労働者が不足する可能性を示しており、世界で支配的地位にある製造業超大国の長期的な存続を脅かしている。教育政策の立案者たちは、この国のエリート大学における数少ない貴重な場所を確保しようと奮闘する親や子どもたちへの圧力を緩和することを追求しながら、教育制度の見過ごされがちな部分をより強調し、改革することによって、職業訓練や職業の魅力を高めることも目指している。

EdTech崩壊後の破片の拾い上げ

米国上場のEdTech大手企業の価値が一夜にして消えていくのを目の当たりにして、米国の金融メディアは当然のことながら業界の将来に関する問題に焦点を当ててきた。しかし、そのような企業とそこに留まっている従業員たちの運命は、他の企業よりも依然として楽観的に見える。

流動資産のライフラインにアクセスできないより小規模な企業にとっては、破綻が唯一の選択肢となっている。それは、かつて北京や上海の高級ショッピングモールの主軸を担っていた、高級語学研修センターWall Street Englishの中国子会社にも当てはまる。新型コロナウイルスの感染拡大、そして英語を母国語とする人々の採用と定着を難しくしている渡航制限といった継続的な衝撃に揺れる中、これらの新しい規制は救済資金を提供し得る顧客と投資家の両方に脅威を与えている。その余波を受けて、同社は突如として事業を閉鎖した。

このような突然の廃業は、特に経営破綻が絡んでいる場合、従業員にとって特に深刻な問題となる可能性がある。中国のホワイトカラー産業では、レイオフは実際のところ、中国の労働法のために退職した従業員にとっては小さな棚ぼたに等しい。ほとんどの場合、従業員は1カ月分の給与に、その従業員が当該企業で働いてきた各年の1カ月分の給与を上乗せした額の退職手当を受け取る。従業員を迅速かつ最小限の摩擦で解雇しようとして、企業がさらに寛大なパッケージを提供することは珍しくない。

しかし、企業が突然の崩壊に直面したとき、従業員も顧客も一様に責任を負わされることになる場合が多い。Wall Street Englishで10年以上営業の仕事をしてきたある女性は「船がゆっくり沈むときは、たくさんの救命ボートが利用できます。しかし時として、ボートがあまりにも速く沈むために、救命ボートに乗ることさえできないこともあります」と説明する。彼女のケースでは、会社の破産手続きが進む中で、自分の在職期間がささやかな支払いの最前線へと導くことを彼女は望んでいる。しかし、米国に上場しているあるEdTech企業の退職金は2000人民元(約3万4400円)にすぎないとうわさされており、自分が受け取るべき未払い賃金を受け取ることさえできたら自分は幸運だと思うだろう、と彼女は話している。

バーチャルで教えていた欧米の教育者にとっては、混乱が支配的なテーマになっているようだ。北京に拠点を置くオンライン教育のスタートアップ、Whales Englishで働いていたあるイギリス人教師(私たちは彼を「Ed(エド)」氏と呼ぶことにする)は、約3週間の不安の嵐のような状態を経験した。同社は、海外のフリーランスの教師を雇って中国の子どもたちにリモートの英語クラスを提供している多くの企業の1つだが、7月の規制はもはや法律に準拠していないことを物語っていた。

エド氏によるその出来事の説明によると、同社は7月28日まで拡大、広告、雇用を続けていたが、その後経営陣は新しい教師の雇用をすべて停止すると発表した。8月7日までに、Whales Englishはすべての新しいコースを中止し、すでに始まっていて支払い済みのものも終了することになると教師たちは知らされた。また、親たちは前払いしている授業をできる限り利用しようと急いだため、教師たちは自分たちのスケジュールを可能な限り解放するよう促された。

この頃、北京本社のスタッフの約3分の2近くがレイオフされたといううわさが流れ始め、会社の意向に反して、親や教師がWhalesのオンラインプラットフォームを迂回するための緊急時対策を講じ始めたとエド氏は話す。8月18日、エド氏が当局からの最新の命令があるのではないかと感じたことに呼応するように、すべての授業が直ちに中止されることがエド氏と他の教師たちに伝えられた。

会社の一貫性のない情報伝達に苛立ちを感じながらも、エド氏は自分の恩恵を尊重している。彼の報告では、自分の仕事に対して適時に全額が支払われ、すでに転職して日本の学校で教師の職に就いているとのことだ。

中国の有名なEdTech企業の1つであるVIPKidの教師向けの、1万4000人以上のメンバーからなるFacebookグループでは、エド氏のようなストーリーがありふれた光景となっている。しかし多くの教師にとって、中国のEdTechプラットフォームが提供する柔軟性と規則性は簡単には代替できない。新型コロナウイルスのパンデミックが親にさらなる育児のプレッシャーを与えていることから、教育や教職の経歴を持つ多くの人々は、こうしたプラットフォームを利用して生計を立て、子どもと一緒に家で過ごしてウイルスにさらされることを制限している。同等の仕事を見つけるのは難しいかもしれない。

だからといって、教師たちが何もしようとしていないわけではない。抜け穴がある一貫性のない執行は、不法な性売買や不法移民労働と違わず、個別指導や他の教育サービスのグレー市場を生み出している。需要は変化していないものの、規制によって大企業はこのようなビジネスに直接関与することを避けざるを得なくなった。そのため、取引はアンダーグラウンドで行われ、労働者(この場合は教師)には法の保護なしにフリーランスになる以外の選択肢はほとんどない。

親、行政そしてチャイニーズドリーム

教育弾圧に対する親たちの反応は、富と階級に沿ったものだった。以前と同じような課外補習を続けながら規則に公式的に準拠するために、教育技能と資格を持った在宅「ナニー」についての報道がすでに流れ始めており、月に3万人民元(約51万6500円)という額が支払われているという。例によって、新たな抜け道が見つかるのを待つだけということだ。

中国の裕福でつながりの深い家庭の多くにおいて、新しい規制は子どもたちの教育計画をほとんど変えてはいない。この記事のために話を聞いた何人かの親たちの間では、長い間、中国の教育制度を回避することが主な目的の1つとなっていた。これは中国に数多くあるインターナショナルスクールの1つに受け入れられることで達成され得るものだ。そこでは国際バカロレア(IB)カリキュラムが、国の厳しい入学試験を回避して海外の大学に入学するための準備を整えている。

成功と特権の恩恵により、子どもたちを海外の学校に行かせることができた人たちもいる。場合によっては、これは自分自身と彼らの富を移動させることも意味する。「より多くの親にとって、海外で勉強させることが最善、あるいは唯一の選択肢のようです」と引退した元企業幹部のGao(ガオ)氏(仮名)は説明する。同氏は現在米国に住んでおり、娘も米国で学んでいる。

最も裕福なエリート層から中産階級の層まで、共通のテーマがあるようだ。中国が歴史的に経済の奇跡を成し遂げた時代に成人した親たちにとって、社会的にも経済的にも進歩することは、可能であるとみなされるだけでなく、単に仲間と歩調を合わせるという観点から期待されるものでもあった。そして進歩が期待されるなら、停滞は失敗を意味する。停滞が失敗であれば、後退は破滅的である。

経済成長が鈍化し、習近平国家主席が「共同繁栄」を掲げ、高等教育より職業訓練と産業訓練が強調されている中、一部の親たちは、自分たちの夢が中国の新しい戦略に反することを認識しつつある。「行政の広範な目標があるにしても、自分の娘が高等教育を受けられなくてもいいと思えるでしょうか?答えはノーということになります」と上海在住の母親、Li(リー)氏(仮名)は率直に語った。「考え方を変えるには時間がかかります。少し利己的かもしれませんが、それは真実です。私は教育の平等を強く支持していますが、それは私の子どもが幸運な子どもの1人となる場合に限られます」。

お金の話ばかりしていると、ある言葉が表すものに対する子どもの機会を逃してしまうことを多くの親が心配していることは、あまり具体的に見えてこない。倫理、向上心、教育、社会階級を含む「素质(素養)」という言葉である。北京の教師Guo(クオ)氏(仮名)にとって、娘のために心配しているのはこの要素だ。「社会は職業労働者を必要としており、そうした人は大学に通う人よりも多くのお金を稼ぐことができることは承知しています。ですが、たとえ娘の収入が少なくなるとしても、私は彼女に大学に通って欲しいと思います」。彼にとって、自分の子どもが受ける教育や将来の収入は、彼女が成長する社会の中では副次的なものだ。「(専門学校生は)怠惰、喫煙、飲酒、不品行で知られています。娘が学校で作る友達は、彼女が一生持つ友達になります。私は娘に質の高い友達を持って欲しいのです」と彼は続けた。

中国の規制当局が教育だけでなく、国の最も困難な課題に対処するために多くの中心的な機関を見直す中、かつて抱いていた期待が今は根本的に変化する必要があることを多くが認識しつつある。しかし、あらゆる不確実性の中にあって、変化しそうにないことは、自分自身、家族、そして野望を前進させる意欲と工夫である。結局のところ、当局は絶えず規則を作り、国民は常にその抜け道を見いだすであろう。

画像クレジット:VCG / Getty Images

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(文:Elliott Zaagman、翻訳:Dragonfly)

学習支援プラットフォームMonoxerの「小テスト機能」がアップデート、記憶定着から確認テスト実施までのフローを一元化

  1. 学習プラットフォームMonoxerの「小テスト機能」がアップデート、記憶定着から確認テストの実施までのフローが一元化

モノグサは9月22日、記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」(Android版iOS版)の「小テスト機能」をアップデートしたと発表した。Monoxer上で作成したBook(問題集)をそのまま小テストとして使えるため、記憶定着からテストにおける確認まで、Monoxer上で完全に一元化できる。

これまでのMonoxerでは、先生が児童・生徒に憶えてもらいたい項目をBook(問題集)として作成し、その確認のための小テストは別途作成をする必要があった。今回のアップデートにより、学校や塾の先生方にとってより手間がない形で、記憶定着から確認テストの実施までのフローをサポート可能となった。

2021年4月に正式リリースした小テスト機能は、児童・生徒が学んだ内容をMonoxer上で小テストにし、AIが自動採点するという機能。多くの学校・塾では、先生が紙のテストをプリントアウトおよびコピーし、生徒に解かせた後に採点して、点数を集計している。膨大な時間が割かれていることから、同社は、このプロセスをMonoxerを活用し小テスト機能としてデジタル化した。

Monoxerでは、手書き入力や音声認識など機能を利用することで先生は様々な形式のテストを作成し、採点をすべてAIに任せられるという。作成する小テストは、配点・制限時間・難易度の設定が可能。択一問題から英単語や漢字を入力する問題まで、これまで紙でできていたテストから、デジタルならではのもの作ることも作成できる。

また、Monoxerにおける学習履歴・記憶度と小テストの結果を比べることで、一夜漬けなのか、日々の学習の成果なのかわかるため、長期の目標に対しても正しく進捗を把握できるという。学習履歴とテスト結果を紐付けることで、生徒や保護者に対して、結果だけでなく、プロセスも共有可能となっており、先生、保護者、児童・生徒の三者間でより強固な関係性を構築できるとしている。学習プラットフォームMonoxerの「小テスト機能」がアップデート、記憶定着から確認テストの実施までのフローが一元化

Monoxerは、児童・生徒におぼえてほしい内容を先生が登録するだけで、その内容を定着させるために必要な問題が自動で作成されるという、記憶定着のための学習プラットフォーム。生徒は作成された問題をスマホ・タブレットのアプリで学習可能な上、個別の習熟度・忘却度に応じて、リアルタイムで問題の出題頻度や難易度が調整される。このため、児童・生徒それぞれのレベルにあった学習が実現できるとしている。

また、遠隔でも生徒の学習状況・定着度がわかるため、通学・通塾が困難な状況でも、きめ細やかな指導を行うことが可能という。

 

学生の心のケアなどをサポートするNZのウェルビーイングプラットフォーム「Komodo」が約1.4億円調達

思春期というのは感情の浮き沈みが激しい時期であり、その難しさは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによってさらに悪化している。個人的な問題や学校での問題を抱えている10代の若者は、どんなに良い時期であっても、普段それらのことについて口にするのが難しいと感じるかもしれない。ニュージーランドを拠点とするスタートアップのKomodo(コモド)は、学生がスタッフとコミュニケーションできる場を提供すると同時に、学校側がうつ病やいじめなどの問題を発見して対処するためのデータを提供する、学生向けのウェルビーイング・プラットフォームだ。

2018年にChris Bacon(クリス・ベーコン)氏、Matt Goodson(マット・グッドソン)氏、Jack Wood(ジャック・ウッド)氏によって設立されたこのスタートアップは、Folklore Ventures(フォークロア・ベンチャーズ)が主導し、Icehouse Ventures(アイスハウス・ベンチャーズ)とFlying Fox Ventures(フライング・フォックス・ベンチャーズ)が参加して、180万ニュージーランド・ドル(約1億3900万円)のシード資金を調達したことを米国時間8月30日に発表した。個人投資家としては、従業員エンゲージメント・プラットフォームCulture Amp(カルチャー・アンプ)の共同創業者Rod Hamilton(ロッド・ハミルトン)氏、Culture Ampのピープルサイエンス・ディレクターChloe Hamman(クロエ・ハンマン)氏、ラーニング・プラットフォームEducation Perfectのリーダーたちと、Auror(オーラ)のピープルエクスペリエンス・ディレクターのKristi Grant(クリスティ・グラント)氏などが参加している。

ニュージーランドとオーストラリアにおけるKomodoの顧客やパートナーには、クイーンズランド州のMarist College Ashgrove(マリストカレッジ・アシュグローブ)、クライストチャーチのSt.Andrew’s College(セント・アンドリュー・カレッジ)、Australian Boarding Schools Association(オーストラリア・ボーディング・スクール協会:ABSA)、Independent Schools of New Zealand(ニュージーランド・インディペンデント・スクール)、Council of British International Schools(英国インターナショナル・スクール協会)などが挙げられる。

Komodoは、もともとベーコン氏がカンタベリー大学で博士号を取得した際に行った研究をもとに、青少年アスリートの健康状態をモニターするために作られた。Komodoの顧客の多くは学校であり、そこで初めてチームはKomodoの対象範囲を広げていくこととなった。

「具体的な事例を目の当たりにしたことが、自分たちにとって大きな魅力でした。学校側から『過去3カ月間、いじめられていた子がいて、彼らはスタッフに相談する自信がありませんでした。それが、Komodoを使うことでようやくそのような話ができるようになり、彼らも自分たちの悩みを伝えるための内々の手段があることに満足しています』という連絡がありました」。とウッド氏はTechCrunchに述べている。

Komodoの共同創業者であるジャック・ウッド氏とクリス・ベーコン氏(画像クレジット:Komodo)

Komodoには、ウェブアプリケーション版と、ほとんどの学生が利用しているモバイルアプリ版がある。このプラットフォームは学校ごとによってカスタマイズすることができ、心理学者が作成したアンケートや、生徒が学校に行くことについてどう感じているか、社交性や人間関係、高校入学や大学入学の準備といった人生の大きな転機に関するトピックの質問が含まれている。生徒がKomodoにアクセスする頻度は、学校によって異なる。週に1回のところもあれば、2週間や1カ月に1回のところもある。例えば、リモートで授業をしている場合は、より頻繁にチェックインするなど、学校の環境に応じてプラットフォームの使い方が異なっている。

学校側は、アンケートで収集したデータをもとに、傾向を把握し、ネットいじめなどの潜在的な問題を早期に発見することができようになる。Komodoを導入する前、いくつかの学校では学生のウェルビーイング調査を年に数回行っていたが、その多くはスタッフや教師の勘に頼っていた。例えば、普段は外向的な生徒が突然内向的になった場合などがある。Komodoを使えば、より効率的に問題を特定し、対処することができる。しかし、ウッド氏とベーコン氏は、Komodoが人と人との直接的なコミュニケーションに取って代わるものではないと強調している。

「できるだけ早い段階で学生に精神的なサポートを提供することが、私たちの最終的なビジョンです」とベーコン氏は述べている。また、Culture Ampのハミルトン氏とは「データを受け取った相手がそれを本当に理解し、定期的に活用できることがいかに重要か」多くの時間をかけて話し合ったという。「私たちにとって重要なのは、学校のスタッフをサポートするために必要な、状況把握のための能力と心理学の専門家を今よりももっと多く提供することです」と付け加えている。

Komodoのシード資金は、社内チームに心理学者を増やし、プラットフォームを開発し、米国を含む他の市場に進出する前に、オーストラリアとニュージーランドのさらに多くの学校に展開していくために使用される。

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画像クレジット:natalie_board / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Akihito Mizukoshi)