この車載ガジェットに外部から攻撃を仕掛けると、攻撃者が走行中にエンジンを止めることができる

いまや、スマートダッシュカム(多機能ドライブレコーダー)からヘッドアップディスプレイ、そしてBluetoohで通信する診断ドングルといった、多くのデバイスが、あなたの車の組み込み診断ポート(別名OBD-II)に、データと電源へのアクセスを求めて接続されようとしている。

問題なのは、実はこのポートは…こうした用途に利用することが想定されていなかったということだ。元々は、ときどき接続が行われて漠然とした「チェックエンジン」を簡単に行うことを主目的にデザインされていたもので、車両がオンになっているときに、様々な無線プロトコルを発信する常時接続の機器を接続することは、決して考えられてはいなかった。

事例。Argus Securityの研究者たちは、市販されているBluetooth接続診断用のドングルが、Bluetoothの圏内にいるならば車が動いている最中に、車両のエンジンをオフにしてしまうことに使えることを発見した。

問題のドングルは、Bosch Drivelog Connectというデバイスで、あなたの運転行動に対する洞察を与え、診断情報を対応スマーフォンアプリにBluetoothを経由して送るというものだ。Boschの名誉のために言い添えると、同社は警告を受けて1日以内に問題に対する対処を開始し、問題のアウトラインとそれへの対処方法をここに公開した

「誰が気にするってんだ?そんなデバイス、名前も聞いたことが無いね」とあなたは言うかもしれない。

それはもっともな態度だが、このような欠陥を持つのがこのデバイスだけだと考えているのだろう。実は似たような結果は、他のデバイスでも発見されている。一方、より多くのガジェットが、これまで以上にOBD-IIポートに接続しようとしている。2、3週間に1つは新しい商品の案内がメールボックスに届いている状況だ。私がチェックしたものの多くが、明らかにユーザーから見えるバグを持っているので…見えないところで働いているもの全てが、欠陥のないものだとは考えないほうがおそらく安全である。

そのピカピカの新しいダッシュカムやスマートディスプレイを車から持ち出す必要があるだろうか?おそらくはない — しかしあなたが乗り回す4000ポンド(約1800キロ)の金属の箱に、攻撃を可能にする要素を追加する際には十分留意すべきだ。デバイスのセキュリティに関する最新レポートに目を通しておくことや、デバイス自身を最新の状態に保つ(こうしたデバイスは簡単にセットアップできてその後完全に忘れられてしまう)ことは所有者の責任だ。

もっと深刻なのは、デバイスを徹底的にテストすることや、外部の会社に依頼してセキュリティホールを突く検証を行ったり、バグに対して可能な限り素早く対応していくかどうかは、結局デバイスメーカー次第ということだ。最悪のケースに備えて、「最重要警告」通知/強制アップデートをアプリに組み込むことを検討して欲しい。

もし上記のドングルに関する研究の詳細に興味があるなら、Argusはその手法の詳細をここに公開している。対応アプリを逆アセンブルし、デバイスのセキュリティの穴を突き、彼らの所有する動いている車を本当にシャットダウンした手法が説明されている。

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(翻訳:Sako)

Teslaの時価総額、GMも抜く―アメリカ自動車メーカーのトップに

Teslaの株価は引き続き今日(米国時間4/4)もアップした。これにより時価総額はフォードを抜いただけでなく、GMさえ抜き去った。つまりアメリカの自動車メーカーで時価総額のトップに立ったことになる。

値動きからするとこれは昨日の時点でかなり予測できたことだ。今年第1四半期のTeslaの生産、出荷台数が上向きだったことが確認されてから、株価は一本調子に上がっていた。これに対してアメリカの自動車の大メーカーの第1四半期のニュースは出荷台数含めて悪いニュースが多かった。投資家にとってTeslaは有望な成長株であり、ライバルの自動車メーカーは控え目に言ってもぱっとしない株に見えたということだろう。

Teslaの株価は主として今後の成長へ強い期待によって支えられている。 同社は新しい電気自動車、Model 3を準備中だ。グリーンカー奨励金を考慮する前の価格も3万5000ドルとこれまでのTeslaより手頃だ。需要もきわめて強力で、昨年5月にすでに予約注文が37万3000台入っていた。これまでのところスケジュールは順調に消化されており、2017年中に出荷を開始することができそうだ。今年の末には一部のユーザーの手元にModel 3が届き始めるかもしれない。

この記事の執筆時点でTesla株は1.8%アップして303.89ドルをつけている。時価総額は530.6億ドルだ。これに対してGMは34.40ドルで時価総額は498.0億ドルとなっている。

〔日本版〕Google Finance(日本時間4/5 AM6:00)によれば世界の自動車メーカーの時価総額はToyota:175.21、Daimler:76.19、VW:72.78、Honda:53.61、Tesla:53.07、GM:49.61、Ford:45.19などとなっている(単位:10億ドル)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Teslaの時価総額がFordを抜いた―投資家の電気自動車への期待は高い

Teslaの時価総額がフォードを追い越した。

Google Financeによれば、今日(米国時間4/3)のTeslaの株式時価総額は474.6億ドル〔日本時間4/4 AM5:00現在487.7億ドル〕となった。Teslaより創業がちょうど100年早いアメリカを代表する自動車メーカー、フォードの株価は下落し、時価総額は448.9億ドル〔同453.1億ドル〕をつけた。GMの時価総額は510億ドルで、もはや射程圏内だ。

この株価の乱高下はTeslaに良いニュースが出て、反対にフォードには悪いニュースが出たことによる。第1四半期のTeslaの生産、出荷台数がアナリストの予測を上回って上昇したのに対し、フォードは主力商品の一角であるF-150ピックアップ・トラックの一部のリコールを発表した。また先月のアメリカ市場での売上が7%下落した。

Teslaの株価は2016年の後半以来、右肩上がりだ。株価は2016年12月の181ドルから大きくアップし、現在の291.54ドル〔同298.52ドル〕は新高値だ。しかし時価総額は話の一部にすぎない。

昨年、Teslaは7万6000台を出荷したにとどまり、負債も巨額だった。この間、フォード始め他の自動車メーカーはそれぞれ数百万台を売った。バランスシートも創業13年のTeslaよりはるかに健全だった。Teslaの強みは「世界最良の電気自動車を提供する」というプロモーションにある。この株価は将来の自動車エコシステムにおいてTeslaがカギとなる地位を占めることを投資家が期待していることを示すものだ。

画像: Darrell Etherington

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

あなたの車をハックできる小さなArduinoボードMacchinaがKickstarterで資金募集中

IKEAの家具も、ユーザーがハックして改造できる。ビデオゲームも、ハックして友だちに自慢できる。そして今Kickstarterに出ているMacchinaを使えば、自分の車にいろんなトリックを教えられる。たぶん、法に触れない範囲でね。

大きさが分かるためにバナナを置いた

Macchinaは、車に挿入する小さなデバイスだ。そのこと自体は、別に新しくもない。Automaticが、前からやっている。でも、Macchinaが産んだちっちゃな神童は、車のECUの読み書きができる。だから、ボンネットの下の暗い神秘の空間で起きていることが分かるだけでなく、何かを変えることもできる。ただし、車に関して無知な人が数値をいじることだけは、絶対におすすめできないけど。

MacchinaはArduino Dueを使っている。だからコードのサンプルはたくさんある。

“これは初心者とプロフェッショナルの両方にとって、すばらしい開発プラットホームだ”、とMacchinaは言っているけど、上で述べたように、何かを大きく変えるためには、事前に十分な知識が必要だ。なお、ハードウェアもソフトウェアもオープンソースで提供されている。

このデバイスは総合的なプラットホームとして設計されており、いろんなペリフェラルに接続できる。ブレークアウト基板を使ってBluetoothやWi-Fi、Ethernet、セルネットワークなどにも対応できる。

車の周辺装置を完全にカスタマイズできるという点では、これはとってもエキサイティングなプロジェクトだ。お値段もそんなに高くはない。Kickstarterではすでに、目標額25000ドルの5倍近く集まっている。だから、きっとうまくいくだろう。Kickstarterのハードウェアプロジェクトは当たり外れがあるけど、でもこれは気になるプロジェクトだよね。

〔訳注: 日本の道交法等では問題になる可能性もありえます。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SpotifyとWazeのAndroidアプリが連携―カーナビと音楽ストリーミングがシームレスに作動する

車を運転しているときに音楽を聞く人は非常に多い。音楽ストリーミング・アプリのSpotifyとカーナビ・アプリのWazeがインターネット時代にふさわしく連携、シームレスに動作するようになった。Wazeアプリ内からSpotifyのプレイリストが再生できる。またSpotifyのアプリ内でWazeのカーナビ案内が聞ける。この提携でWazeアプリ内からSpotifyのプレイリストを切り替えることもできる(ただし車が完全に停止しているときのみ)。

新機能は全世界で利用可能だ。ただしAndroid版のみで、iOS版についてはコメントが得られなかった。

この提携はいろいろな意味で興味深いが、まず使い勝手から検討してみよう。

これまでカーナビ・アプリを利用中にSpotifyで音楽を聞こうとしたユーザーならよく知っているとおり、両者の関係には問題があった。

カーナビが音声案内をすると曲が飛んだりした。私のiPhoneではAppleのMusicプレイヤーがデフォールトになることもあった。“Waze and Spotify”というキーワードでGoogle検索するとユーザーが各種の問題で悩んでいることが分かる。両アプリの連携はこうした使い勝手の悪さを大きく軽減するという。

また画面表示も改善された。Spotifyアプリを立ち上げているときはナビの案内は短いバージョンが表示されるし、Wazeアプリにいるときは再生中の曲の紹介が短いバージョンになる。いちいちSpotifyアプリに移動しなくても曲をスキップしたり別のプレイリストに切り替えたりできる。.

Waze側からすると、ナビとの統合の相手方としてSpotifyを選んだところが重要だ。

Wazeの親会社はGoogleで2013年にWazeを11億ドルで買収している。Googleには独自の音楽サービスがある。しかし有料音楽サービスとしてSpotifyは世界的なリーダーだ。ユーザーは1億人以上、うち5000万人が有料契約者だという。つまりWazeから見るとこの連携が実際に利用される可能性がいちばん大きい相手ということになる。

Wazeに取材したところでは、Spotifyはこうしたアプリレベルでの提携では最初の相手だという。今後Wazeが提携の相手をさらに広げていくのかどうか注目される。

音楽ストリーミング・アプリにはPandora、Apple Music、Tidal…いやGoogle Playもある。カーナビと同時に利用されるアプリとして音楽ストリーミングはまず最初に思いつくが、車両の位置情報を利用するアプリは多数ある。たとえばどこかでランチを取ろうとすればFoursquareとかYelpを検索するだろう。こうしたアプリとの提携は便利に違いない。

しかし当面Wazeは他の面で存在の拡大に専念するようだ。

昨年、WazeはTransport APIプログラムをスタートさせた。これはクラウドソーシングと高度なアルゴリズムによって決定されるWazeのナビゲーションをサードパーティーの運輸系アプリにフィードするものだ。オンデマンド配車サービスのLyftとの提携の場合、ドライバーがLyftアプリを利用しているときにWazeによるルート案内が利用できるようになった。またWazeは新しいカープールの方式を別のレイヤーのサービスとして徐々に構築しつつある。

Spotifyにとっても、アプリ自身の改良とは別に、Wazeとの提携は注目すべきものだ。このプロジェクトは使い勝手を改善し、Spotifyアプリの利用を増やす効果が期待できるだろう。Spotifyでプレイリストが再生されるのは車内が一番多いはずだ。ドライバーは運転に集中しなければならないので、いちいち選曲できない。そこでプレイリスト再生とナビゲーションとのギャップを埋めるこうした連携は大いに歓迎されるはずだ。遅すぎたくらいかもしれない。

この機能を利用するためにはAndroidスマートフォン上に双方のアプリがインストールされている必要がある。どちらかのアプリの設定を開けば連携を実行できる。

Wazeから得た情報によって記事をアップデートした。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

救助活動用に赤十字が特注したLand Rover Discoveryはドローンを標準装備して視界を拡大

Land Rover Discoveryの捜索救助専用車‘Project Discovery’は、実際にオーストリアの赤十字が採用していて、走行時でもこのSUVの屋根から離着陸する四回転翼ドローンを標準装備している。任務のないときはドローンは磁石で固定されているが、捜索救助を助けるときには、赤十字の人間スタッフが車や徒歩で入り込めないところを探索する。

この車はJaguar Land RoverのSpecial Vehicle Operations(SVO, 特殊車両作戦)部門が設計した。チームの名前もクールだ。Land Roverは赤十字とこれまで63年の長きにわたってパートナーしており、この車もそのパートナーシップの一環としてのカスタムメイドだ。ドローンを標準装備したDiscoveryは、その長いパートナーシップの中でも、技術的には最も高度な成果だろう。

そのドローンは撮像をリアルタイムで、車にいる救助隊に送り、彼らに遭難者を探索するための鳥瞰的な視野を与える。また地震や雪崩、山火事、台風などのときは、地形の変化状況を伝える。緊急時に、刻々と状況が変化するようなとき、ドローンが提供する視界は大いに助かるだろう。

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ほかに‘Project Hero’と名付けられたプロジェクトもあり、そのためのLand Rover Discoveryには、緊急時の作業スペースとしてスライド式の床パネルがある。ドローンの装着点が車体上に複数あり、夜間用にLED照明がついている。また、国際標準規格のプラグを使っている各種デバイスのための、電源供給ポイントもある。

プロジェクトの最初のデプロイは、鉱山で有名なエルツベルグにある、オーストリア赤十字の訓練センターで行われる。最初の訓練期間は2017年6月からの12か月で、ドローンを使う救助活動のシミュレーションも、チームにそのための技術力をつけさせるために行われる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フォード、自動車大型パーツの3Dプリント化を実証実験

DETROIT, MI - JANUARY 09:  Bill Ford, Executive Chairman of Ford, speaks at the North American International Auto Show (NAIAS) on January 9, 2017 in Detroit, Michigan. The show is open to the public from January 14-22.  (Photo by Scott Olson/Getty Images)

将来のフォード車は、3Dプリント製ということになるのかもしれない。月曜日に行われたフォード・モーターの発表によると、フォードは大きな車体パーツを3Dプリントによるものにするテストを始めたのだそうだ。パーツ製造に関する技術は、3Dプリント業界大手のStratasysが提供する。まずは大規模パーツの3Dプリント化が可能かどうかという実験から始めることとなっている。うまくいくならば、コストの面から実現可能性がまったくなかった小規模ロットのパーツ製造が可能となる。

StratasysのInfinite Build 3Dにより商用プロダクトを製造できるようならば、車のパーツ製造の世界に、これまでは考えられなかったニッチを実現することとなる。コスト的に成立しなかったアップグレードパーツなどを提供できるようになるのだ。さらにFordにとってみれば、レーシングカーカテゴリーや、プロトタイプやコンセプトカーの製造が、短期間かつ低コストで行えるようにもなる。

一般利用者からみれば、カスタムパーツをオーダーしたり、完全にオリジナルなパーツを用いたエステティック・アップグレードが行いやすくなるという意味をもつ。3Dプリントの技術を用いれば、パーツの生成に金型を使う必要もなくなるわけだ。これまでは、完全オリジナルなパーツはもちろん、少ない量のパーツ作成すら、コスト面から成り立ち得ないものだった。製造には車本体よりも高額な費用が必要となっていたのだ。

3Dプリントによるパーツ製造のメリットはコスト面だけの話ではない。重量面でもメリットがあるのだ。フォードの試算によれば、3Dプリントによるパーツは従来品に比べて半分程度の重量におさめることが可能なのだそうだ。すなわちボディパーツの多くを3Dプリント化すれば、その分だけ軽量化されて、燃費も向上することが期待される。

とりあえず、フォードは研究開発部門におけるテストを重ねていく予定であるとのこと。車の製造シーンに新たな時代が訪れることになるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H

Teslaが保険もメンテナンスコストも入ったオールインワン価格を検討中

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Teslaは本日決算発表を行いその中で、保険とメンテナンスコストを含むパッケージ価格での自動車販売をアジア市場で開始したと伝えた。今後、他の市場でも同じようにパッケージ価格で自動車を販売する計画であり、そのために外部の保険会社とパートナーシップを締結していくという。ただ、保険は自社で提供することも考えているようだ。

「すでに実施しています」とTeslaのGlobal Investor RelationsのVPを務めるJeff Evansonは、決算発表で説明した。「宣伝してきたことではないですが、このパッケージを提供し始めたアジア市場では、すでに多くのTesla車がTeslaの車にカスタマイズした保険商品とセットで販売しています。この保険商品は、Teslaのオートパイロット安全機能を考慮していて、車のメンテナンスコストもカバーするものです。私たちはコンシューマーに自動車本体、メンテナンス、保険を全て含む単一価格で魅力的な提案をすることを目標としています。そしてそれはもう始まっています」。

「この保険商品が車のリスクに見合わないと判断される場合でも、他の保険会社の商品を排除することはありません」とTeslaのCEOであるElon Muskは続ける。「必要であれば、Teslaで保険を提供することも考えています。ただ、パートナーの保険会社はTesla車が持つリスクに合わせて保険料率を調整するだろうとも考えています」。

Teslaがこのような商品を作る理由の1つは、Tesla車は他社製品より耐用年数における安全性とメンテナンスコスト面で優れていることに自信を持っているからだ。パッケージ価格は他の選択肢と比べると支払い総額に透明性があり、総じて車の購入者にとって有益な取り組みであると言えるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

ニューヨーク市などの賃借車両4500台にMobileyeの衝突回避システムを搭載

A driver displays Uber and Lyft ride sharing signs in his car windscreen in Santa Monica, California, U.S., May 23, 2016.  About a half dozen ride-hailing firms have rushed into Texas tech hub Austin after market leaders Uber and Lyft left the city a little over a monthago in a huff over municipal requirements that they fingerprint drivers.    REUTERS/Lucy Nicholson/Files

Mobileyeのメイン・ビジネスは自動運転技術の研究開発と供給だが、その技術の中には今すぐ役立つものもある。高度な衝突回避システムも、その一つだ。同社は金曜日(米国時間2/17)に、UberとLyftとニューヨーク市が賃借で使っている車両4500台に、同社の事故防止技術をインストールした、と発表した。これは、保険会社Atlas Financial Holdingsとのパートナーシップ事業の一環でもある。

このシステムが搭載している“高解像度視界センサー”と車載コンピューティングが協働して、道路の危険予兆をリアルタイムで分析する。そして実際に事故になるよりも前に、ドライバーにアラートする。しかしこのシステムは、イスラエルのPointer Telocation社の技術により、事故時のドライバーのビヘイビアを接写して記録するから、ドライバーは歓迎しないかもしれない。

でもそれは、ドライバーに補助的機能や警報を提供するこの種のコネクテッド車両には避けられない側面だ。それらと反比例的に、言い訳は減るだろう。この技術をインストールしたことによって、賃借車両の事故発生数がどれだけ減ったか、それを一年後に知りたいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

クルマを降りずにガソリン代を支払い ― JaguarがShellと共同で新機能をローンチ

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車内で利用できる便利な機能の第一弾として、JaguarはShellと共同で新しいペイメント機能をローンチした。この機能を利用することで、クルマの運転手は車内にいながらApple PayやPay Palでガソリン代を支払うことができるようになる(近日中にAndroid Payにも対応する予定)。この機能はイギリスで最初に利用可能となるが、その後、全世界にも導入される予定だ。

この機能を利用するためには、あらかじめJaguarのインフォテイメントシステムにShellのアプリをインストールしておく必要がある。しかし、いったんインストールを済ませれば、そのアプリがタッチスクリーンに表示されるようになっている。その後、前述したようにPayPalかApple Payを使ってガゾリン代を支払うことが可能になる。この機能がイギリスで利用できるようになるのは現地時間の水曜日からだ ― ただし、Jaguar XE、XF、F-PACEの新しいモデルを所有していることが条件となる。

必要なガソリンの量はアプリで指定できる仕組みになっていて、その量に従って事前支払いをすることが可能だ。支払いのレシートもディスプレイに表示され、その後登録したEメールアドレス宛にコピーが送付される。

確かに、すでに多くのガソリンスタンドではクレジットやデビットカードでの支払いを受け付けている。しかし、このシステムでは財布をポケットから取り出す必要もないことを考えれば、従来より便利なサービスだと言えるだろう。そして、このシステムは来たるべき未来を暗示している。つまり、小売店やサービスプロバイダーが提供する車内アプリを使い、Apple PayやAndroid Payなどのデジタルペイメントシステムによってその支払いを済ませるという未来だ。また、クルマがネットワークとつながり、その位置情報を手に入れることが可能になったいま、インスタントなレシートや取引履歴なども大きな可能性を持っている。

近い将来、Jaguarオーナー以外もこの贅沢な機能を楽しむことができそうだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

イギリスの自動車購入サイト「Hellocar」が125万ドル調達

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自動車購入サイトを展開するイギリスのHellocarは現地時間11日、資金調達ラウンドで100万イギリスポンド(約125万ドル)を調達したと発表した。本調達ラウンドをリードしたのは、Innocent Drinksの創業者が創始したJamjar Investmentだ。その他にも、Zoopla Property Group創業者兼CEOのAlex Chesterman氏も参加している。また、Founders FactoryのCEOであり、lastminute.comの創業チームの1人でもあるHenry Lane Fox氏がHellocarの取締役に就任することも同時に発表されている。Hellocarは今回調達した資金を利用して、イギリスのマンチェスターにビジネスを拡大するとともに、既存チームの強化を狙う。

Hellocarを創業したのは自動車業界のアントレプレナー、Nic Carnell氏だ。Hellocarで、彼は自動車の購買プロセスから自動車ディーラーを取り除いた。イギリスの自動車業界を対象にした調査結果によれば、自動車ディーラーを信用していると答えたのは全体のわずか7%であり、80%の人々が自動車の購買プロセスにストレスを感じると答えている。

Hellocarがディスラプトしようとしているのは、450億ポンド規模(約560億ドル)とも言われるイギリスの中古車マーケットだ。同社はこのマーケットに透明性と利便性をもたらすことが目標だと話す。Hellocarに掲載されている自動車はすべて、イギリスの自動車協会による168項目の審査をクリアしている。購入したクルマは自宅まで配送されるだけでなく、もし購入したクルマが気に入らない場合、購入後7日以内であれば返金してもらうことも可能だ。

その意味では、HellocarはCarspring(Rocket Internet出身)やbuyacar.co.ukなどの競合他社と似ている。しかし、その点についてCarnell氏は、「私が思うに、Carspringのアプローチは機能的でかつ非感情的なものだと思います。その一方で、Hellocarは顧客に寄り添うサービスを提供し、エンドトゥエンドのカスタマーエクスペリエンスにフォーカスしています。私たちのWebサイトを訪れてから、購入後30日のフォローアップ電話を受け取るまで、顧客はそれを体験することができるでしょう」と語る。また彼は、「私たちは自動車1つ1つのクオリティにフォーカスしており、Webサイトにできるだけ多くの自動車を掲載しようという気はありません」と加えた。

Hellocarはイギリス自動車協会とのパートナーシップによって自動車の審査と保証を、そしてAvivaとのパートナーシップによって自動車保険を提供している。

Carnell氏によれば、Hellocarは現在、カーリース企業などとのパートナーシップ締結に向けて協議を重ねている最中であるという。それが実現すれば、Hellocarにリース企業のクルマが掲載される可能性もある。これにより、Hellocarはハイクオリティの自動車を確保することができ、リース企業は顧客へのダイレクトチャネルを獲得することができる。

[原文]

(翻訳:木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Lucidの電気自動車Airの冬季テストのビデオを見ると、雪って最高だねと思ってしまう

LucidのAirは、エンジン出力1000馬力の夢のEVで、まだ初期の実地試験をしている段階だが、すでに相当数の熱心なファンがいる。このたび同社は、ミネソタ州で撮影したビデオで、その冬季条件試験の様子を見せたが、それを見ると、州の観光局などがこれまでにマーケティングのために作ったどんなビデオよりも、この州が魅力的に見える。

このビデオには、コンピューターによるシミュレーションで得られた結果を、雪と氷で覆われた実際の道路条件下で実証しようとする映像が含まれている。そのときの気温は華氏-18度(摂氏-28度)で、ぼくが住んでいるカナダの亜北極地域よりも寒い。

雪道の運転を頻繁にやる人なら誰もが知っていることだが、終始もっとも気をつけるのは、Fast and Furiousに見られるような最大に大きなドリフトアーク〔ハンドルを使わずドリフトの大きな弧による方向変え〕を、できるかぎりいつも達成することだ。近くの食料品店に買い物に行くときや、毎日の通勤のときでもだ。

というより、なにしろこのビデオは超楽しい。しかも、運転技術は最高だ。Lucidが言ってるAirのキャッチフレーズは、“ドライバーのために作られた車”だが、まさにそのとおり。Airの発売予定は最初と変わらず2018年とされているが、お値段は10万ドルぐらいだろう。この、冬の勇士をどうしても欲しい人は、今から貯金に励む必要があるね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

車のシャシーとショックアブソーバーをソフトウェア駆動のアクチュエータに代えて車内安定性を高めるClearMotionが$100Mを調達

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ClearMotionは、自動車メーカーのために代替シャシーを作っている。それは、従来の物理的なショックアブソーバーに代わって、ソフトウェアが駆動するデジタルの適応型アクチュエータだ。同社はこのほどシリーズCで1億ドルを調達したが、主な投資者はJ.P. Morganの資産管理部門のアドバイスによるクライアントのグループで、それにNEA, Qualcomm Venturesなども参加した。

同社は“世界初のデジタルシャシーを作った”と主張するが、それは従来のショックアブソーバーとは全然違い、また一部のハイエンドのスポーツカーに見られるドライバーが調節できるサスペンションシステムとも違って、自動車が道路の状態をモニタしてリアルタイムで適応することによって、最適な快適性と走行性能を提供する。ClearMotionによると、それを実現するアルゴリズムは同社独自のもので、使用する車載システムは自動運転や運転者支援システムと、直接の関係はない。

しかしClearMotionの技術は、自動運転機能にとっても便利かもしれない。同社によると、その技術は、自動運転車の乗車体験をより楽しくする、という目標の実現に役立つだろう。また車の中で仕事をしても、道路の凸凹の影響が及ばないので、生産性が向上する、という。

昔ながらの物理的サスペンションにも、ソフトウェアのバグがないなどの利点はあるが、でもClearMotionの技術は、車内の安定性がより重視される未来には重宝されるだろう。車内の空間というものが、今後はますます、ふつうの生活空間の延長と見なされるようになるし、それだけでなく、運転中に大好きなホットコーヒーを飲もうとして、自分の膝をびしょ濡れにしたくはないからね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Fordの新しいカーアクセサリーSmartLinkは、古い車両をコネクテッドカーにする

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新しい車種にコネクティビティ機能が搭載されるのは、ますます普通のことになって来ている。特にセルラーモデムの搭載は、基本仕様の車種であっても当然のことになりつつある。今やコネクティビティはFordにとってとても大切なものになったため、同社は、2010年から2016年にかけて販売されたFordとLincolnの車両向けに、簡単にコネクティビティ機能を追加できる改造オプションの提供を始める。これはSmatLinkと呼ばれるハードウェアで、運転手がそれを車のOBD2(On Board Diagnosis second generation:自己診断機能)のポートに差し込むだけで利用できるようになる。

SmartLinkは4G LTEモデムを搭載し、車内で8台までのWi-Fi接続を許すホットスポットとして利用できる。また、リモートスタート、ドアの遠隔施錠と解錠を可能にし、ウェブとモバイルアプリを使って車の健康状態をチェックし、セキュリティーや整備の必要性に関連するアラートを受け取ることができる。

「私たちがSYNCで提供してきたものへ、多大な関心が寄せられていることは知っています。そして今度は私たちが車両に搭載するモデムに対しても関心が集まっています。多くの顧客と対話を重ねる中で、現在所有している車にはとても満足しているものの、最新のコネクティビティ機能も欲しいと感じる人が明らかに多かったのです」このように語るのはFordのカスタマーサービス部門のエグゼクティブディレクターであるBrett Wheatleyだ。「私たちは何年も、そうした機能に対して研究を続けてきました、私たちは私達自身のセキュリティ要求を満たす正しい製品を確実に手に入れたかったのです」。

Wheatleyは、顧客からフィードバックを得ながらSmartLinkを開発する過程で、ユーザーたちが、普通のコネクテッドカーに求められるものとは異なるものにも関心があることに気が付いた。盗難警報を通したセキュリティを求める人もいれば、保守整備のためにより詳細な情報を欲する人もいる。そして単に移動中に家族の携行するデバイスのための接続が欲しい人もいた。SmartLinkは、しばしば要求されるコネクティビティユースケースを、Ford車のオーナーのために提供する手段なのだ。

SmartLinkは、(より多くのサードパーティアプリやサービスと連携できる)SYNC 3車内インフォテイメントシステムとは異なるものだ、しかし純正のアプリを用いることで、例えば特定エリアへの出入りの検出や速度制限などの様々な便利機能を使うことができる。これは家の車を10代の子供が借りていく際には、両親にとって便利な機能だ。SmartLinkを搭載した車が設定した境界の外に出たり、特定のスピードを上回ったときにアプリで通知を受け取ることができるからだ。また時間をかけて運転習慣を追跡し、より良いドライバーになるための助言を提供することもできる。

この2014年のリンカーンMKXなどの古い車はすぐにスマートリンクで4Gアプリベースの機能を追加できるようになります。

この2014年型Lincoln MKXも、SmartLinkによって簡単に4Gを搭載し、アプリの提供する機能を使えるようになる。

SmartLinkは現在、米国内のいくつかのディーラーで試験運用中である。この夏にはディーラーを通して全米で利用できるようになる予定だ。最終的な価格もその際に発表される。SmartLinkはディーラーにとっては良い商材だ。これによってより利益を生み出す購入後の関係を、顧客と結べる可能性が高まるからだ。

「購入後も顧客と定期的にコンタクトして、その車を良い状態に保ち、顧客と関係を保ち続けるための良い機会を、ディーラーに与えることができると思っています」とWheatleyは私に語った。

実際、KPMGによって行われた自動車産業幹部への調査によれば、コネクテッドカーには非コネクテッドカーに比べて、大きな収益の可能性がある。前者は後者に比べて最大10倍もの収益の違いが生まれる可能性があるのだ。これが古い車両でさえもコネクテッドカーの仲間に取り込もうとする大きな動機なのだ。私はWheatleyに、新しいモデルに搭載されているSYNC 3で行ったような、サードパーティアプリとサービスのサポートを、この先SmartLinkでも考えているのかと尋ねた。

「新しい車でそうしたサービスを提供しているのですから、最新の素晴らしい技術や、コネクティビティ機能とその利便性を、古い車種の顧客にどのように提供できるかを検討できる機会はあると思います」と彼は言った。

SmartLinkはDelphi AutomotiveとVerizon Telematicsとの協業で開発されたが(情報開示:Verizonは、TechCrunchの親会社であるAOLの親会社である)、現在の段階に達するまでに、2年に及ぶセキュリティならびにユーザーエクスペリエンステストが行われて来た。これはFordにとっては、顧客のニーズに迫り、収益の可能性も拓く、賢明な動きであるが、現在の自動車産業に於いてコネクティビティが主役であることを示す別の証拠でもある。

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(翻訳:Sako)

Ford、GM、FCAのCEOがトランプと会談、環境規制や雇用創出について議論

US President Donald Trump speaks alongside General Motors CEO Mary Barra (L) and Fiat Chrysler CEO Sergio Marchionne (2nd R) during a meeting withautomobile industry leaders in the Roosevelt Room of the White House in Washington, DC, January 24, 2017. / AFP / SAUL LOEB        (Photo credit should read SAUL LOEB/AFP/Getty Images)

トランプ大統領は、現地時間24日(火)に米大手自動車メーカー3社の重役との会談を行い、アメリカ国内での工場の建設や生産量増加に向けた彼の思いを共有した。会談でのトランプのコメントは、選挙活動中や就任直後のTwitterやその他のメディアにおける彼の発言内容を反映したものだった。

規制カットを明言した彼は、”75%か恐らくそれ以上”の規制を廃止することができるだろうと話し、以前の発言の通り、新しい工場を設立する際の承認プロセスの短縮化を目指すと語った。また個人的な意見として、環境保護活動が全般的に「手に負えない状態」にあると述べた。以上はFCA CEOのSergio Marchionneが会場内にいるときのトランプのコメントで、FCAは排ガス試験を逃れる違法なソフトウェアを使用していた疑いで、現在環境保護庁(EPA)司法省による調査を受けている。

他にもGM CEOのMary BarraとFord CEOのMark Fieldsが会談に参加しており、いわゆるビッグ3のトップと大統領が一堂に会するのは、オバマ政権時代の2011年に行われた、2025年までにエネルギー効率を2倍にするという目標設定に関する会談以来だった。そしておわかりの通り、今回の会談の趣旨は前回のものとは大きく異なる。

US President Donald Trump greets Ford President and CEO Mark Fields (C) prior to a meeting with automobile industry leaders in the Roosevelt Room of the White House in Washington, DC, January 24, 2017. (Photo: SAUL LOEB/AFP/Getty Images)

Fordの社長兼CEO Mark Fields(写真中央)を迎えるドナルド・トランプ大統領。ホワイトハウス内ルーズベルトルームでの会談前。2017年1月24日ワシントンD.C.(写真: SAUL LOEB/AFP/Getty Images)

Fieldsは「トランプ大統領と彼が推し進めている経済政策には、とても勇気づけられています」と話し、TPPからの離脱を決めたトランプの判断を、彼が新政権とうまくやっていけると考える理由のひとつとして挙げた。

「トランプ大統領そして彼の政府と、税金や規制、貿易に関する政策に一丸となって取り組み、アメリカの製造業を復興させていくのを私たちは楽しみにしています」とFieldは会談後に記者の質問に対して答えた。

さらにGM CEOのMary Barraは「政府と自動車業界が一致団結することで、環境問題の改善や安全性の向上、そして雇用の創出や製造業の発展を実現する大きなチャンスが生まれるでしょう。Markの話していたような政策がそのサポートとなることを願っています」と付け加えた。

会談後にある記者が、製造業の雇用をアメリカに残せというトランプの語気の強いツイートにひるみましたかと、FCAのMarchionneに訪ねたところ、彼はなんとも滑稽な間をおいて”いいえ”とだけ返した。その後FCAは、Marchionneからの声明を以下のようにメールで配信した。

アメリカをビジネスのやりやすい国にしようとしている大統領の動きをとてもうれしく思っています。トランプ大統領やアメリカ連邦議会と一緒に、アメリカの製造業を強化していくのか楽しみです。

トランプは実質的にEPAを閉鎖し、政府による予算や政策のレビューを受けるまで全ての関連機関の活動を中止させたと報じられており、これは政権移行期だということを考えても異例の事態だ。さらに彼は、環境保護団体の反対を押し切って、キーストーンXLパイプラインとダコタ・アクセス・パイプラインの建設を推進する大統領令へ署名し、アメリカ国内の原油供給源を確保しようとしている。

速報: トランプが自動車メーカーCEOとの会談で一部規制廃止を約束。環境保護活動が手に負えない状態だと発言。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

自動車保険も将来はAIになる…Liberty MutualがAPIポータルを開設

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Liberty Mutual Insurance傘下のテクノロジーインキュベーターSolaria Labsが、デベロッパーが同社のAPIにアクセスするためのポータルを作り、そこでは一般公開されているデータと独自の保険情報を併用して、ユーザーにより安全なルートを教えたり、万一の事故時の損害を見積もる。

そのAPIのAIは、事故後の修理費を見積もる。Liberty Mutual InnovationのアシスタントVP Ted Kwartlerがメールにこう書いている: “自動被害見積もりアプリのAIは、匿名化された請求写真で訓練されている”。ユーザーが事故に遭ったら、たとえば折れ曲がったフェンダーの写真を撮ってアプリにアップロードする。するとAIはそれを何千もの写真と比較して、それとよく似たパターンを見つけ、スマホを持って現場にいるユーザーに修理費の見積もりを伝える。

APIはまた、車の盗難、駐車情報、事故などに関する一般公開情報を集めて、ユーザーに安全なルートや駐車スペースを教える。さらに、独自の保険情報により、ユーザーにとってより役に立つ情報を提供する。“保険の専門知識と消費者情報を合わせて、利用できるサービスやデータの整理の仕方などをガイドする”、とKwartlerは述べる。

写真は匿名化されてAIの訓練に利用され、ルートを判断するために使うデータは一般的に公開されている。“Liberty Mutualは同社が集めた、個人を同定できるデータを、法律で定められた機関以外のサードパーティにシェアしない”、とKwartlerは付言している。

このAPIを使ってみたいデベロッパーはSolaria LabsのWebサイトで登録すれば、今後のアップデートも受け取れる。なお、APIの一般供用は数か月後からだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米運輸省、Teslaの責任を否定―事故調査報告書は「オートパイロットで事故率40%減少」 と賞賛

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アメリカ運輸省の国家道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)は、今日(米国時間1/19)Teslaの死亡事故に関する最終報告書を発表した。NHTSAは昨年、半自動運転機能を搭載したオートパイロットを利用して走行中のTeslaが起こした死亡事故を調査していた。

報告書はTeslaのオートパイロット・システムには事故の原因となる欠陥がなかったと結論している。また報告書の複数の箇所で安全性の観点からTeslaのオートパイロット・システムのデザインを賞賛している。またTeslaのオートパイロットが全体として同車の事故率を下げていることも認定している。

NHTSAは報告書でTeslaがオートパイロットを広汎に導入して以後、事故率が40%近く下がったと認めた。また今回の事故調査において、Teslaのオートパイロットのデザインにも実装にもなんら欠陥が認められなかったことをことを確認している。Teslaの自動緊急ブレーキ(AEB)も、自動クルーズコントロールも事故原因とは関係がなかったと報告書は述べている。Tesla側ではドライバーが誤った方法でオートパイロットを利用する可能性も事前に認識しており、そのような利用法が及ぼす結果を考慮してデザインされたオートパイロットが市販車に搭載された。報告書全文は記事末にエンベッドしてある。

この報告書の結論は、Teslaとしてアメリカ運輸省の部局に望みうる最良のものだろう。事故調査はこの半年続行されてきたが、Reutersは木曜日にNHTSAはTeslaの責任を否定、リコールはないと報道した。最終報告書を読むとNHTSAは実際Teslaの責任を否定しているが、さらに随所でこのオートパイロットを賞賛している。

報告はTeslaがオートパイロットの限界についてさらに詳細に説明しておくことが望ましかったと指摘している。しかし同時に、Teslaのドライバーならびにオーナーには必要な情報がすべて開示され、利用可能であったとも結論している。

TeslaはNHTSAの事故調査と最終報告に関して以下の公式声明を発表した。

Teslaでは顧客の安全性を最優先している。われわれはNHTSAがきわめて広汎かつ詳細な報告書を公開したことにも、その結論にも深く感謝している。

Featured Image: Hadrian/Shutterstock

NHTSA's full report on Tesla's 2016 fatal Autopilot crash by TechCrunch on Scribd

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Ford、車載の自動撮影カメラの特許を申請―なんとSNS向けらしい

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Fordが車載カメラの特許を申請していた―と聞けば自動運転車関連と思うだろうが、そうではなかった。スピード、移動方向その他のデータを自動車から取得して「いちばんいい写真を撮る」のに使うのだという。

Ford特許は2015年に申請されたもので、Patent Yogiが発見した。記事によると、このシステムは人々が自動車の走行中に(多くの場合、自分が運転しているにもかかわらず)スマートフォンや通常のカメラで周囲の写真やビデオを撮ろうとする問題を解決するという。フォードの新システムはドライバーの操作、介入を必要とせず、自動的に撮影が行われる。このカメラは可動式で車外に装着されるが運転者の視界を妨げず、運転操作の障害にもならないという。

Fordのシステムではユーザーはどのような種類の写真、ビデオの撮影を望んでいるかを事前にシステムに教えておくことができる(おそらくはドライバーの見渡せる視界が対象となるのだろう)。しかし実際にシャッターを切るのはシステムが自動的に行う。これは撮りたい写真を指定しつつドライバーが撮影に気を取られないようにするのに良いアイディアだ。

大企業は常に大量の特許を申請するものだ。実際の製品に搭載されるようになるのはそのうちごく一部だ、しかしこの特許が面白いのは、メーカーはすでに自社の多くの自動車ですでに車外にカメラを搭載しているという点だ。これはもちろん自動運転ないし高度な運転補助のためだ。また自動車産業はモバイルデバイスの普及にともなって走行の安全性を確保する必要に迫られている。

自動車が「つながった」デバイスになるに従い、周囲の景色をインターネットを通じてソーシャル・メディアにアップしたいという欲求は強まっている。これが自動的かつ安全に行われるなら便利だろう。しかし同時にわれわれはいったい人生のどれほどの部分を「つながって」過ごしたいのかという疑問も呼び起こす。このシステムはまだ特許申請の段階ではあるものの、自動車メーカーがモバイル・デバイスがドライバーの注意をそらす危険性を認識していることを示すものとして興味深い。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

女性がCEOのGMがGirls Who Codeとパートナーして女性のための放課後コンピューティング教育事業に$250Kを助成

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GMが、STEM教育とその専門職分野における性差を解消する運動をしている非営利の全国団体Girls Who Code(GWC)(プログラミングする女の子)とパートナーして、GWCが展開している放課後事業に25万ドルを助成する。このClubと呼ばれる活動は、学校やコミュニティセンターなどを利用してコンピューティングなどの技術的スキルを教え、アメリカにおいてより多くの女性がハイテクの労働力に加わることを目指している。

GMのCEO Mary Barraはプレスリリースで、女性である自分のキャリアが成功したのは、大学は工学部、就職先の会社では技術者という経歴のおかげだ、と述べている。STEM教育の振興に関心を持つのも、そのせいだ。BarraとGWCのファウンダーでCEOのReshma Saujaniは、今日から始まるモーターショウ(North American Auto Show)で、自動車のインターネット接続や、自動運転、カーシェアリングなどの未来的な移動手段、などをテーマに、30名の生徒を対象にショウの会場で‘授業’を展開する。

AccentureとGWCが最近行った共同研究によると、コンピューティング分野で雇用されている労働者に占める女性の割合は、1995年の37%から今日の24%へと減少している。Barra とGMは、減少を増加に転ずる方法を模索している。今回のGMとGWCとの共同事業のようなものがもっと一般的なトレンドになれば、次の10年間で女性労働力三倍増も夢ではない。

GMからこの事業に参加するのは、カーシェアリング事業MavenのディレクターJulia Steyn、税務と会計監査担当VP Victoria McInnis、グローバル製造担当EVP Alicia Boler Davis、自動運転電気カー担当役員相当主席エンジニアPam Fletcher、などなどだ。さらにGMのもっと上の役員たちも、今年いっぱい、GWCのClubとその生徒たちに協力していく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

電動三輪車のArcimotoが本番生産のためにFundableで投資を募る

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Arcimotoの電動三輪自動車SRKの八代目がCES 2017に登場した。このバージョンは今年の春に、同社の本社のあるオレゴン州ユージーンで製造され、最初に買った人の戸口に届くのは今年の夏、とされている。

2007年にユージーンで創業したArcimotoにとって、それは長い道のりだった。ファウンダーのMark Frohnmayerは、自分の前の会社GarageGamesからArcimotoのための初期の資金をつぎ込んだ。SRKの本番生産が目前に迫った今、同社はFundableにアカウントを開いて、外部投資家を誘っている。

SRKは、本格的な自動車を目指していない。それはあくまでも、小型で安くてゼロ・エミッションの都市型乗り物だ。同社の最新のPRビデオは、Fun Utility Vehicle(楽しいユーティリティビークル)と呼んでいる。前輪を二つのモーターが駆動し、最高時速80mphを得る。シートの暖房など、快適性のための工夫はいくつかあるが、荷物スペースは助手席背後のバスケットだけだ。ドアはオプションだが、州によってはオートバイ用ヘルメットが必要かもしれない。

推定燃費が230MPGeで航続距離が100マイル、充電は家庭のコンセントでできる(110または220ボルト)。最初はエアコンやオーディオはないが、今後のバージョンには装備される。将来的には直流高速充電にも対応の予定。

電動小型無蓋車が欲しい人は、ArcimotoのWebサイトで100ドルを払うとよい(予約金、払い戻しあり)。製品が無事に届いたときには、メーカー希望価格11900ドルを支払う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))