Teslaのセミトラックのお披露目の(仮)予定が10月26日に設定された

テスラはこれまで同社の製造するセミトラック(荷台であるトレイラーを牽引する、頭部だけのトラクター)の大々的なお披露目を9月としていた。しかしこの大型トラックの最初のお披露目は、10月26日にカリフォルニア州ホーソーン(SpaceX本社の所在地)で行われることになった。

Elon Muskは水曜日にこの再スケジュールされた日付をツイートし、しかもそれが「試乗付き」であると述べた。すなわち公共に最初にお披露目される段階で運転可能になっているということである。

もともと4月の段階では、Muskは電気セミトラックの公開時期を9月としていたが、同社のタイムラインが元々の予定よりずれ込むことは、それほど珍しいことではない。様々なことを考慮すれば、わずか1ヶ月遅れというのは、Muskの基準に照らせばほぼ予定通りと言えるだろう。

テスラのトラックイベントは、テスラの輸送車両に関する私達の知識不足をさらに埋めてくれることだろう。それが自動運転技術を含んでいるのかどうかなども併せて(私たちはその可能性があることを、8月初めのレポートから知っている)。

また、想定されている走行距離を確認することもできるだろう:ロイターは先月、それを200〜300マイルの間だと報告していた。これは相当な大きさのバッテリパックを必要とし、再充電するためにはかなりの時間を必要とする可能性がある。

Musk自身は、予定されたイベントで、ある追加の驚きを発表することを約束している。それは6月に開催されたTeslaの年次株主総会で「話していたことを少々上回るもの」となる可能性がある。

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(翻訳:Sako)

ソフトバンク、滴滴らUberに大型投資へ――会社評価額は700億ドル前後

日本のソフトバンク、アメリカの投資グループ、Dragoneer、中国最大のライドシェア・グループ、Didi Chuxing(滴滴出行)はジョイント・ベンチャーを通じてついにUberへの投資を実施することになるという。

情報源がTechCrunchに語ったところによれば、Uberに対する株式公開買付けの実施は今月末を目標として準備が進められており、 これにはUberへの直接投資に加えて社員、初期投資家の株式の買い上げも含まれるという。

Uberに対する大型投資の提案が取締役会で検討されていることが最初に報じられたのは1月前のNew York Timesの記事だった。TechCrunchが得た情報によれば、この投資は実施される可能性が高いだけでなく、何千人にも上る社員の売却可能な持ち株を買い上げるという株式投資の歴史上、最大となる市場外取引を含むことになりそうだ。

BloombergはUberは$20億ドルから100億ドルに上る投資を受け入れることになるだろうと報じていた。TechCrunchの得た情報では、投資額はこの数字の上限近く、80億ドルから100億ドルになるもようだ。

投資プロジェクトをリードするのはDragoneer、Didi、ソフトバンクだ。ことにソフトバンクはビジョン・ファンドの1000億ドルの資金が利用できる。しかしGeneral Atlanticも参加することになるという情報を得ている。この投資を実施するために特別の組織(special purpose vehicle)が組成されているという。

Uberはこの問題に対するコメントを避けた。

今回の投資ラウンドはきわめて重要なものとなる。投資額そのものも巨大だが、非公開企業であるUberにとってこのラウンドの会社評価額は700億ドル前後になる見込みだからだ。最近のトラブルにより、Uberの企業文化について正式の調査が行われ、その結果、共同ファウンダー、CEOのトラビス・カラニックを含む多数の幹部がUberを離れることとなった。これによりUberの企業評価額は下がるだろうという観測がなされた。しかし現実には大幅にアップしたことになる。

また今回の投資が実現すれば、初期の投資家と多くの社員が持ち株を現金化するチャンスを得る。Uberは長年にわたってこうした持ち株の売却に制限を加えており、社員はストック・オプションなどの形で得た報酬を現金化することが困難だった

Uberのポリシーが厳しい批判を浴びるようになり、今年に入って同社は株式の買い戻しを実施した。情報によれば、Uberは先週、2度目の買い戻しを完了した。対象は持ち株を最大20%まで売却する権利を得ていた数百人の社員だという。

今回報じられた投資が実現すれば、保有株式の現金化(liquidity event)についてUberが受けていた圧力を緩和するのに大いに役立つだろう。新CEOのダラ・コスロシャヒはUber社員に対して「株式上場は18ヶ月から36ヶ月先」だと発言している。

2010年以来、90億ドルを投資してきた株式保有者はこの新たな大型投資の提案を喜ぶはずだ。株式の買い上げが実施されれば紙の上の価値に過ぎなかったものが現金化され、数多くの富豪が誕生するだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

World Viewの新型気球、成層圏で27時間滞空に成功――地表観測、有人飛行などに活用へ

World Viewは成層圏を飛行するStratollite気球を開発しているスタートアップだ。同社は先週末の実験で成層圏上層に気球を27時間滞空させるという新記録を樹立した。成層圏で1昼夜以上にわたって気球を制御下においての飛行に成功したのはこれが最初だ。

これはWorld Viewにとって大きな一歩だ。同社はStratollites気球を一週間以上、最終的には数ヶ月にわたって成層圏に滞空させたい考えだ(TechCrunchでは今年2月、アリゾナのWorld View本社を取材した)。同社は気球に高精細度のカメラなどのセンサーを搭載し、地表の状況を詳細にモニターするなどのミッションを考えている。成層圏気球は特定の軌道に制約されず、また衛星打ち上げにはともなう莫大な費用負担がない。

ただしStratollitesと呼ばれる成層圏気球が機能するためには大きな環境変化に耐える必要がある。特に成層圏上層では昼夜の温度差などの変化はきわめて厳しいものがある。先週の実験の成功でWorld Viewの気球は成層圏の環境変化に耐える可能性があることを示すことができた。また成層圏気球として始めて高度制御にも成功した。

World Viewのビジネスモデルにとって今回の成功は大きな意義がある。同社では最終的に気球による成層圏の有人飛行を計画している。これは気球に吊り下げられたVoyagerカプセルにより宇宙との縁となる大気圏最上層を飛行するというものだ。下のビデオでWorld View取材時のもようをご覧いただきたい。

〔日本版〕World Viewでは高度をコントロールすることで互いに異なる方向に吹くジェット気流を利用して一定の場所の上空に留まるテクノロジーを開発している。また成層圏有人飛行が実現した場合、1人7万5000ドルで観光飛行も計画しているという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Mapsで駐車場を見つけやすくなった(アメリカとヨーロッパのみ)

Googleが今日(米国時間8/29)発表したGoogle Mapsのアップデートにより、都市内で駐車場を見つけるのが容易になった。

最初はアメリカのユーザーのみだったが、Google Mapsのデスティネーションカード(行き先カード)(左図)で、目的地の場所ないし地域が駐車困難か容易かを、“駐車難度(parking difficulty)”アイコンで教えてくれる。この機能が今や25の都市に拡大され、アムステルダムやロンドン、マドリッド、モスクワ、パリ、ローマ、サンパウロ、トロント、バンクーバーなどでも利用できる。

アメリカのユーザーにはさらに、行き先近くの駐車用ガレージ(駐車場ビル)を見つけやすくなり、それはトリップ地図に自動的に加わる。しかも、最終目的地までの歩行時間も分かるけど、ガレージの利用料金や、いまいくつ空いているかなどは分からない。ヨーロッパで発達している駐車アプリなら、それらもすべて分かるけど。でもGoogle Mapsにもその機能がいずれ加わるだろうし、予約もできるようになるだろう。

Google Mapsのこの機能を利用できるアメリカの都市は、アトランタ、ボストン、シャーロット、シカゴ、クリーブランド、ダラス/フォートワース、DC、デンバー、デトロイト、ヒューストン、ロサンゼルス、マイアミ、ミネアポリス/セントポール、ニューヨーク、オルランド、フィラデルフィア、フェニックス、ピッツバーグ、ポートランド、サンディエゴ、サクラメント、サンフランシスコ、シアトル、セントルイス、タンパ、の計25都市だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SpaceXのHyperloopポッド324km/h達成――学生チームのコンテストはドイツの勝利

今日(米国時間8/28)、SpaceXは学生チームによるHyperloopのポッドのスピード・コンテストを実施した。 真空チューブ中を走行するHyperloopポッドのデザインは世界から寄せられ、予選をを通過した3チームによる実際の走行が本社近くのテスト施設で実施された。最高速度を争ったのはドイツのWARRHyperloopチーム、スイスのSwissloopとParadigmのチーム、アメリカのNortheastern大学とカナダのMemorial大学による北米チームだった。

優勝者はミュンヘン工科大学の学生による WARRチームで最高速度324km/h(201mph)を記録した。このスピードは2位以下を大きく引き離しただけでなく、テスト走行で最高速度に達することを試みたのもWARRチームだけだった。

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Hyperloop WARRのポッドが準真空の1.3kmのチューブ内走行で324km/h を記録。

SpaceXの共同ファウンダー、イーロン・マスクはWARRの達成を「すばらしい結果だ。学生チームの設計であることを考えればなおさらだ」と賞賛した。しかしマスクは続けて「SpaceXの1マイル(1.6km)のテストコースなら500km/h以上を狙うことが可能だろう」とさらにハードルを上げた。

マスクの今日の発表によれば、コンテストはさらに続けられる。SpaceXは3回目となるコンテストを来年主催すると決定した。このスピード競争はボランティア・ベースで、SpaceX(に加えて今回はThe Boring Company)の社員が自由時間を利用して行ったイベントだ。コンテストの実施以外に学生のポッドの開発についても助言を与えたという。【略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスク、SpaceX謹製宇宙服の写真を公開

SpaceXが有人飛行時に採用しようとしている宇宙服の写真を、イーロン・マスクが公開している。Instagramに公開されたこの写真は、モックアップのものではないとのこと。完全に動作する本物の宇宙服の写真なのだそうだ。通常の運用圧力の倍の圧力下でのテストも行ったものなのだそうだ。

マスク曰く、外観と機能のバランスを取るのが非常に難しいとのこと。従来の宇宙服と比較すれば、明らかに外観を意識したファッショナブルなものになっているといって良いだろう。ボーイングが、最初の有人商用ミッション用に予定している宇宙服と似ている面もある。両者とも、従来のものにくらべてより身体にフィットするようになっている。しかしSpaceX製のもののほうが、さらにスリムでファッショナブルになっている。

Instagram Photo

ちなみにこの宇宙服は、SpaceXの内製品だ。ボーイングが宇宙服開発を専門にするDavid Clark Companyに依頼しているのとは異なるやり方だ。コスト削減やサプライチェーンの管理のためにさまざまな製造工程を内製化しているSpaceXにとっては、これも当然のやり方であるといえるだろう。

マスク曰く、より詳細な情報を公開する予定であるとのこと。全体を写した写真などもまもなく公開されるのだろう。ところで、この宇宙服デザインをもとにした普段着などを作ってくれても面白い。個人的にはぜひとも入手したいと思っている。

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(翻訳:Maeda, H

コネクテッドカーにおけるビッグデータ技術開発のためToyota、Intel、EricssonなどがR&Dコンソーシアムを立ち上げ

テクノロジー業界の著名な企業数社がToyotaとチームを組んで、自動運転車と未来の高度な自動車技術をサポートするビッグデータシステムを開発することになった。

このたび日本の自動車大手と手を握るのは、Denso, Ericsson, Intel, そしてNTT Docomoだ。グループは今日(米国時間8/11)、Automotive Edge Computing Consortium(自動車用エッジコンピューティングのコンソーシアム)という共同事業体の立ち上げを発表した。発表によると、年内にそのほかの“適切なグローバルのテクノロジーリーダー”〔複数形〕を仲間に加えていく予定だ。

各社の共通の問題意識は、未来のコネクテッドカー(インターネットに接続された自動車)におけるデータの使い方だ。地図のリアルタイム構築や、運転の補助機能などのサービスを理論から実装へと孵(かえ)すためには、それが欠かせない課題だ。そしてさらにそのためには、大量のデータを安全確実に処理できなければならない。

グループの声明文はこう述べている: “2025年には各月の車両とクラウド間データ量が10エクサバイトに達すると予想される。それは現在の量のほぼ10000倍である。このような予想増加量はネットワークとコンピューティングインフラストラクチャの新しいアーキテクチャを要請し、それらが分散リソースとトポロジーを認識できるストレージ容量をサポートできなければならない”。

10エクサバイトは、100億ギガバイトである。なにしろ、膨大な量のデータだ。

控えめに言ってもToyotaはこのところ、コネクテッドカーの分野で相当多忙だった。先週はマツダとの株式持ち合いにより、AIと自動運転技術を前進させていくことになり、今年の顕著な進展としてはほかに、コネクテッドカーに関するNTTとの提携、ブロックチェーンの研究開発着手、AIスタートアップ育成のための1億ドルのファンド創設、などがある。

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画期的なLiDAR技術を自負するOryx VisionがシリーズBで$50Mを獲得、実車搭載試験は来年後半から

革新的なLiDAR技術を持つイスラエルのOryx Visionが、その開発の継続と今後の商用生産のために、シリーズBで5000万ドルを調達した。ラウンドをリードしたのは、Third Point VenturesとWRVだ。同社のLiDARは構造がデジカメ並に単純で、信頼性も感度も既存のLiDARより優れ、しかもコストが低い。

さらに、OryxのLiDARには可動部品がなく、従来の光検出器に代わってアンテナが環境を高精度でスキャンし、光点までの距離や速度を計測する。Oryx自身の言葉によると、そのユニークな方式により、感度は従来のLiDARの“100万倍高く”、また太陽光やそのほかのLiDARからの妨害にもうまく対応できる。

同社によると、同社の技術で達成できる性能レベルは、“既存の技術では不可能”であり、また複雑な可動部品がないので、従来製品よりもはるかに堅牢である。それらの技術特性はもちろん、自動運転車に最適であり、今後は長期間にわたる安定性能の維持と、さまざまな環境条件に対する強靭な耐性が、業界採用の鍵となる。

Oryxがそのプロトタイプを作り始めたのは6年前だが、実車に搭載してテストできるほどの製品を出荷できるのは来年の後半だ、という。今回の投資にはUnion Tech Ventures, Bessemer Venture Partners, Maniv Mobility, Trucks VCなども参加し、開発のスピードアップと自動車業界OEMやティア1サプライヤーなど各社との、商業的関係の発展育成が期待されている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Hyperloop Oneの実物大ポッド、で時速310kmで走行――ネバダのテストコースで記録更新

イーロン・マスクのHyperloop Oneは新たな記録を樹立した。同社は去る7月29日にネバダに建設されたテストコースでフルスケールのポッドの走行テストを行った。高速走行は500のコースのほぼ全長を用い、XP-1と呼ばれる実物大ポッドは時速310km/hを達成した。このスピードはドバイその他で現在計画されている路線が予定している営業速度に近づいた。

今回達成されたスピードは過去のHyperloopの記録をすべて上回るもので、同日SpaceXが主催したポッドのデザインのコンペティションに参加した開発者が記録したスピードよりも速い。最高速度は300メートルの加速区間で達成された。この後ポッドは徐々に減速してコースの端で停止した。

Hyperloop Oneが走行したチューブは海抜20万フィート〔60km〕に相当する気圧にまで減圧された。これは営業運転が予定している気圧に近い。ここまで減圧されると空気抵抗はきわめて低くなり高速を出せるようになる。同社によれば、モーター、制御装置、真空ポンプ、磁気浮上装置、その他システムのすべての要素は計画どおり正常に作動したという。

Hyperloop Oneがネバダのテストコースで最初の走行テストに成功したのはわずか数ヶ月前の5月のことだった。このテストは実物大ポッドが実際に走行可能であることを実証するのが目的で、走行距離も今回の500mに対し96mと控えめだった。また加速距離は30m、最高速度も111kmにとどまった。Hyperloop Oneの発表によれば、前回のテストではモーター出力は891馬力だったのに対し、今回はその3.5倍、3151馬力を発生したという。

Hyperloop OneではこのDevLoopテストコースの走行で最高速度400kmを目指している。ただしこの速度を実現するためにはコースをさらに延長する必要がある。現在計画されているアブダビ―ドバイ間のルートでは時速800kmでの営業運転を目指している。これが実現すると160kmの距離を12分で走破することになる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

LyftとAmtrakが旅のファーストならびにラストマイルの提供で提携

LyftとAmtrakは、Amtrakアプリユーザーがモバイルから直接旅行の予約ができるように、パートナーシップを組む。Lyft配車要求機能は、旅行者たちが旅の最初と最後の部分をアレンジできるようにデザインされていて、今回の提携により新しいLyftユーザーたちには最初の4回の乗車に5ドルのクレジットが供与される。

これはLyftが1週間のうちに発表した、自身の隣接領域で活動している主要プレーヤーとのパートナーシップを示すもう1つの例だ。他に発表されているものにはリゾートにおけるディズニーとの提携、そして途中立ち寄りを許すTaco Bellとの提携がある。

Lyftはそのエコシステムの成長を加速している。ライバルのUberが内部問題に苦しみ、経営陣の大幅な入れ替わりに対処している隙を突く形だ。このAmtrakとのパートナーシップは、他のトランジットプロバイダーとも共有できるモデルとしての可能性を秘めている。都市交通の改善に対しては、整備された長距離の大量輸送アーキテクチャが肝であり、これと(自宅から駅、駅から目的地などの)ファースト並びにラストマイルの提供はうまく組みわせることができる。

新しいAmtrak/Lyftのパートナーシップは今日(米国時間8月1日)から発効する。Lyftの新規ユーザーはキャンペンコード”AMTRAKLYFT”を使用すれば、最初の4回の乗車で5ドルのディスカウントを得ることができる。Lyftによれば、これによりAmtrakの乗客の97%にリーチすることが可能になるため、多くの新規ユーザー獲得の機会だと捉えているということだ。

FordのChariotをはじめとする他の企業は、ビジネスチャンスとしてのファースト並びにラストマイルを模索中だ。そしてより多くのスタートアップ、自動車メーカー、そして他の運輸会社の興味を、この先引き付けることになるだろう。

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(翻訳:Sako)

日本版SpaceX、初の民間ロケットを打ち上げ

商用ロケット打ち上げを目指す日本のスタートアップが、日曜日に「モモ」ロケットの打ち上げを行った。打ち上げには成功したものの、目標とした高度の5分の1にしか到達することはできなかった。しかし打ち上げを行ったインターステラテクノロジズは、すでに再チャレンジを見据えているようだ。今回の初打ち上げから得られたさまざまなデータを、次回以降に活かしていく予定であるとのこと。

Bloombergが伝える通り、日本において、私企業によるロケット打ち上げは初めてのことだった。打ち上げは日本の北部に位置する北海道の大樹町から行われた。インターステラテクノロジズは、衛星打ち上げのコストを大幅に減らすことを目的としており、今回の打ち上げにもクラウドファンディングを含め、さまざまな方向からの資金調達を行なっていた。目的とするところは、イーロン・マスク(Elon Musk)のSpaceXと重なるわけだ。

モモ・ロケットは高度20kmに達した時点で制御を失った。そこで緊急のエンジン停止措置がとられることとなった。目標高度は、いわゆる「宇宙空間」となる100kmとしていた。

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(翻訳:Maeda, H

HEREはAudi、BMW、ベンツ車の交通データをリアルタイムで共有

マッピングの専門企業、HEREはリアルタイム・トラフィック(Real-Time Traffic)をスタートさせた。これは現に道路を走行しているAudi、BMW、メルセデス・・ベンツの車両からのデータを集約して交通状況を表示するサービスだ。

HEREによれば競争関係にある複数のメーカーの車両から取得したデータを使ってリアルタイムで交通状況を提供する商用サービスはこれが初めてだという。

HEREはデータを提供するこれら自動車メーカーのジョイント・ベンチャーであり、メーカーはいずれも株主だ。Nokiaは2015年にマッピング事業を分離して自動車メーカーに売却し、HEREが誕生した。ただし同社のリアルタイム・サービスはどんな業種のどんな企業も契約が可能だという。このサービスは60カ国をカバーし、交通の流れの速度を含む多様なデータが提供される。

HEREのリストにある60カ国のうち30カ国では交通安全警報(Traffic Safety Warning)もあわせて提供される。これは車両の急ブレーキの回数から運転の障害となり得る道路上の問題を割り出すものだ。この情報もリアルタイムで提供されるので、交通事故発生の可能性を下げる効果が期待できる。

現在すでにHEREの情報源となるAudi、BMW、ベンツ車が「数百万台走行している」というものの、HEREではリアルタイム交通サービスのデータ・ソースとして他のメーカーの車両も加えようと努力している。

HEREからデータの提供を受ける顧客については、まず自動運転車のメーカーが考えられるが、現行のADAS(先進運転支援システム)を利用しているメーカーにとってもこの情報は大きなメリットとなるだろう。また公共交通機関運営者、都市計画官公庁、運送事業者を始め多数の顧客が想定されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

NASA、「静かな超音速旅客機」の開発プロジェクトをスタートへ

NASAは国際線の飛行時間を大きく減らせるような超音速旅客機の実用化に乗り出す計画だ。騒音レベルでコンコルドを下回ることもNASAが提示した超音速旅客機が実現を狙う目標のひとつだ。

Bloombergの記事によれば、NASAはこの8月から超音速旅客機のフルスケールモデル製作のため競争入札を開始するという。採用された場合、向こう5年間で4億ドルの予算が予定されるプロジェクトだ。

ビジネスがグローバル化し、仕事が世界に分散化する中、 航空旅客運輸の高速化のニーズが高まっている。NASAは新しい商用超音速機の開発によってにこれに応えたいとしている。NASAでは開発された航空機デザインを利用してロッキード・マーチン、ゼネラル・ダイナミクス、ボーイングのような巨大企業からコロラドのBoom Supersonicのようなスタートアップまでが広く製造に参加することを期待している。

私は今年に入って、コロラド州のBoom Supersonicを取材し、CEOのBlake Schollにインタビューしたことがある。Schollは現在開発中の機体の目標の一つは騒音の大幅低下であることを認めた。現在アメリカ合衆国の陸上を超音速旅客機が飛行することが規則で禁止されている理由の大きなものが騒音問題だ。Boomでは当初の空路をすべて洋上に設定し、この問題を避けようとしている(コンコルドの場合もアメリカについてはニューヨークの空港を利用する大西洋横断ルートのみが設けられていた)。

Bloombergの記事によれば、NASAではロッキードで開発されたデザイン(トップ画像)をベースとして高級車が高速道路を走行する程度の騒音レベルを達成しようとしている。これは60dBから65dB程度であり、Concordeの90dBよりはるかに静かだ。

NASAでは2022年までに人口密集地帯の上空飛行を含む本番テストを実施したい考えだ。アメリカにおける超音速旅客機の飛行を制限する規則を変えるためにこの結果を使う計画だという。Boomでは実証機の飛行を来年にも開始する。この10年ほど休眠状態だった超音速旅客機の実現に向けていよいよ競争が始まることになりそうだ。

画像: Lockheed Martin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

”走るリッツカールトン”――アメリカで話題の寝台バスCabinに乗ってみた

寝台バスのCabinが目指すのは、車輪がついたリッツカールトンホテルだ。

先々週、サンフランシスコ―ロサンゼルス間をCabinのバスで移動したので、その様子を以下にお伝えしたい。まずサンフランシスコの乗り場に到着すると、笑顔の乗務員が私を迎え、チェックインを済ました後に荷物を持っていってくれた。いざバスの中に入ってみると、乗車後すぐに寝たくない人のために設けられた談話ラウンジが目に入ってきた。

しかし私はそこを素通りし、まずは上階に上がって自分のベッドを選ぶことに。避難口付近の1番上に設置されているカプセルが今日の私の寝床だ。避難口横に並んだカプセルは、他のものに比べてスペースにゆとりがある。それぞれのカプセルには耳栓や水、メラトニンサプリ(睡眠導入剤)などバスで夜を過ごすのに必要なものが備え付けてある。寝床を選んでから少しすると、近くの人が写真を撮ろうかと聞いてくれたので、もちろんお願いした。

寝台バス仲間が撮ってくれたくつろぐ私の図

サンフランシスコからの出発時間は午後11時だったので、仕事を途中で切り上げる必要はなかった。さらに到着時間はサンタモニカに午前7時なので、土曜日をまるまるロサンゼルスで過ごせた。復路はロサンゼルスを日曜の午後11時に出発し、月曜の朝7時にサランフランシスコに到着というスケジュールだった。

SF―LAの往復で料金は230ドルだ。この料金には寝具、Wi-FI、水、紅茶、コーヒー、耳栓、メラトニンサプリが含まれている。バスの下部にはひとり2つまで荷物を預けることができ、自分のカプセルに収まるサイズの小さな荷物は1つだけ持ち込める。

Cabinは決して価格重視の交通手段ではない。BoltやMegaBusを使えば、SF―LA間を50ドルくらいで往復できる。もちろん飛行機という選択肢もある。移動にかかる時間は飛行機が1番短いし、(いつ頃チケットを予約するかにもよるが)そこまで高いということもない。

「ロサンゼルスまで行くのに1番安い選択肢ではない、ということは正直に伝えています」とCabinの共同ファウンダーで社長のGaetano Crupiは言う。彼は私たちと一緒に、初運行となるCabinに乗っていた。

とはいっても、Cabinがもっとも快適な選択肢であるのは間違いない。SF-LA間を50回以上往復している私が言うのだから信じてほしい。ただ、ベッドが装備されたカプセル自体は快適なのだが、デコボコ道が問題だ。往路ではなかなか寝つけなかったが、それが昼寝のせいなのか、デコボコ道のせいなのかはよくわからない。朝”目が覚めた”ときに、本当に自分は寝ていたのかわからなくなるような感覚を味わった。

それに比べて復路はかなりよかった。乗車後すぐに眠りに入って一晩中ぐっすり休め、寝台バスに乗っている夢まで見た(なんとメタな夢だ……)。朝を迎え、ラウンジがある下階へ向かうと、乗務員がエスプレッソを勧めてくれた。そしてモーニングコーヒーを飲み終えるころには到着時間が迫っていた。

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SleepBusからCabinへ

正式なサービスを開始する前に、CabinはSleepBusという名前で、LA―SF間を移動する寝台車を運行していた。このパイロットプロジェクトのチケットはすぐに売り切れ、4000人以上があぶれてしまったとCrupiは話す。Crupiともうひとりの共同ファウンダーTom Currierは、資金調達を行った後に何がそこまで好評だったのかを考え始めた。

「ただバスの中で寝たいなんていう単純なものではありません」とCrupiは笑いながら言った。「それが顧客の心に響いた理由ではありませんし、それではプロダクトにも成りえません」

そこでふたりは実際に顧客の一部から意見を聞き、全ては時間が理由なのだという結論にたどり着いた。しかし彼らはただの寝台バスではなく、ホステルのようなサービスを提供しようと考えたのだ。

「私たちの考えが反映されているのはここからなんですが」とCrupiは続ける。「今やどの会社も自動運転技術の開発を行っているため、将来的にこの技術はコモディティ化していくと思います。では車内で2時間過ごすとして、運転に気を使わなくてよくなったら、そもそも従来の車と同じかたちをしている必要もありませんよね?」

そんなCabinが目指すのは「リッツカールトンのような空間」だとCrupiは話す。さらに彼は、アメリカの長距離交通網の問題にも触れ、「本当にひどい状態」だと語った。また彼は、今後自動運転技術が発展するにつれて、高速道路を利用した長距離交通網が発達していくと考えている。

「私たちが考える未来は、”高速道路を走る電車”です」とCrupiは言う。「そして『顧客は車内に7時間いることになる』と考えると、デザインやサービスの重要性がわかってきますよね」

だからこそCabinは、乗務員やプライベートな空間、アメニティといった細かなところにまで気を配っているのだ。最終的にはコーヒーやお茶などの車内販売も考えているという。

「私たちは自動運転車のエクスペリエンスを、将来ではなく今提供しているんです」と彼は続ける。

Cabin設立当初から、CrupiとCurrierは常に自動運転車のことを考えており、将来的にはエクスペリエンスだけでなく本当の自動運転寝台バスを提供するようになるかもしれない。

Crupiいわく「私たちは、自動運転車が人の生き方にどのような影響を与えるか、ということにとても興味を持っています。通勤にエネルギーを使わなくてもよくなれば、都市部への人口集中が緩和され、子どもを自然の中で育てられるなど、街づくりや住む場所と働く場所の考え方に関し、さまざま良い変化が生まれるでしょう」

自動運転技術の実用化にはまだ時間がかかりそうだが、CrupiとCurrierは今の時点で自動運転車のエクスペリエンスを顧客に提供したいと考えたのだ。「車に乗って寝て起きたら目的地に到着している、というアイディアにずっと魅了されています」とCrupiはその理由を説明する。

走るホテルの運営にあたって

夜間に運行できるよう、Cabinはこれまでに3台の寝台バスを製造した。SF→LA、LA→SFに1台ずつを走らせ、もう1台をバックアップとして使っている。さらにこれから9月1日までに、だんだんと運行数を増やしていく予定だ。

先述の通り、私が乗ったのはCabinとしては初めて運行されたバスだった。先週末には2度目の運行が行われ、今後徐々に洗濯物やゴミ、排泄物の処理といったオペレーションのすり合わせが行われる。

「バスは常に動き回っているので、どこかと協業しないと運営していけません。洗濯物はどこかで回収してもらって、またどこかでピックアップしなければいけませんし、燃料についても同じです。その一方で、空港のような場所が要らないというのは、Cabinのような交通手段の大きなメリットのひとつとも言えます」とCrupiは語る。

営業時間外のCabinはさまざまな場所に停まり、乗客を拾うときはツアーバスの乗り場を使っている。サンフランシスコとサンタモニカでは運営許可を取得しているので、法的な準備も万全だ。

「多くのスタートアップは『規制対応は後から』という姿勢ですが、私たちは警察に没収されるかもしれない資産を使ってビジネスを行っているので、サンタモニカの都市設計部門から路線の許可をとりました。コンプライアンス面はバッチリです」とCrupiは話す。

彼によれば、次の四半期の間にCabinはホスピタリティの部分にさらに力を入れる予定だが、カプセルの大きさや見た目についても試行錯誤を重ねていくようだ。

路線拡大に関しては、ポートランドとラスベガスを次なる進出先として検討しているとのこと。その一方で、アメリカ中部にも「大きなチャンスが眠っている」とCrupiは関心を寄せている。

「線路が要らない高速道路網を使えば、割高でも利用したい人がたくさんいるというのに気づいたのは大きかったですね。限られたインフラを使って、ヨーロッパ旅行のような体験をアメリカ国内で提供しているようなものです」と彼は話す。

最近Cabinは330万ドルを調達し、新しい都市への進出を考えている。Crupi自身、Cabinは何億ドルという資金を調達できるようなタイプのビジネスではないと認めているが、今のところ同社には「十分に利益が見込めるビジネスモデルと、私たちに新たな洞察をくれる顧客ベースがある」と彼は言う。

FAQ

  • 車内で眠れた?
    往路に関しては多分。復路はしっかり寝られた。
  • カプセルに鍵は付いてる?
    付いていないが、特に不安は感じなかった。
  • 車内で騒いでる人はいた?
    ラッキーなことにいなかった。むしろ皆かなり早い段階で寝始めたので、物音さえほとんどしなかった。例え眠れない人がいても、ラウンジが用意されているのでそこまで問題になることはなさそう。
  • トイレは汚かった?
    全く!バスのトイレとしては綺麗な方だったと思う。タンポンも完備!
  • 飛行機の方が安いのでは?
    チケットを購入するタイミングにもよるが、ほとんどの場合飛行機の方が安い。
  • もう1度乗りたいと思う?
    長距離移動するとき、私は何かと不安に感じることが多い。フライトだと空港に遅くとも1時間前には着かなければいけないし、ようやくセキュリティゲートを抜けたとしても、天候やその他のくだらない理由(サンフランシスコ国際空港の滑走路の工事など)で遅延することもある。車での移動だと、何時間も起きていないと行けないし、助手席に乗っていたとしても脚は完全に伸ばせない。しかしCabinだと、出発10分前に乗り場に着けばよく、コンパクトながらもちゃんとしたベッドで寝られるのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

ダイムラーとボッシュ、駐車場のドライバーレス化を企図

ダイムラーとボッシュ(Bosch)が共同で、自動車運転に伴うもっとも面倒なことを改善するためのテクノロジーを実現しようとしている。「面倒なこと」とは、駐車スペース探しおよび駐車作業のことだ。ドイツのシュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツミュージアムにて、自動駐車システムの試験運用を開始したのだ。入り口で自動車を降りれば、自動で利用可能な駐車スペースを選択して駐車してくれる。

ミュージアムにおけるシステムの本格稼働は2018年を予定している。スマートフォンを通じて、ミュージアムから車をレンタルすることができるようになる。レンタル予約した車は自動的にピックアップエリアにやってくる。予約に用いたのと同じアプリケーションを利用して、開始手続きをすればただちに車を利用することができるのだ。そして車を利用し終われば、ミュージアム内に備えられたシステムとオンボードセンサーが連携して、適切な駐車スポットに自動的に駐車して利用完了となる。

システムを提供するのはボッシュで、メルセデス・ベンツ製の車載システムと連携して動作することとなる。ミュージアムおよび車載のセンサーが連携して障害物や歩行者を検知する機能も備えている。

システムのテスト運用が本日始まったわけだが、テストを通じて安全協会(safety agencies)や地方行政府からの運用許可を得ていく予定にしている。来年の早い段階で正式運用に移れる予定だとのこと。

テスト期間を通じて、利用者に受け入れられるのか、また実際の運用の様子をモニターしていくことになる。ボッシュとダイムラーは、この仕組みを広く提供することで、駐車場運用を大幅に効率化することができるとしている。スペース的にみても20%の効率化が望めるのだとのこと。膨大な投資や既存設備の大幅変更を行わずに、社会を効率化できるのだそうだ。一般道での自動運転の普及にはもう少し時間がかかりそうだが、用途を限定することで自動運転の実用化をしようとする意図もあるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

ナビゲーションアプリのCitymapperが、今年ロンドンで本物のバスを運行する

Citymapperは、長年にわたり、大都市の中心部でナビゲーションを行なってくれる人気アプリだが、今度は自前のバスを運行することで、さらに問題の核心へと迫ろうとしている。まずはロンドンでバスの営業運行を開始する。最初の運行ルートは夜間のもので、週末の夜にロンドンの東部地区で午後9時から午前5時の間に運行する予定だ。このルートはCitymapperのアプリとデータ解析ツールによって、現在公共の移動手段の提供が限られていると判断された場所だ。

アプリメーカー(Citymapper)は、運行予定のルートは、日中はTransport for London(TfL)によって、うまくカバーされているものの、乗客数が確実に増えている夜間のサポートは不十分あることを発見した。数多くの要素(その中には代替交通機関と運行頻度なども含まれている)を考慮に入れたスコアリングシステムに基いて、Citymapperはこの最初の営業運行のルートを決定し、適切な許可を得るための申請を行なっていた。そして許可がおりたところだ。

Citymapperのバスはまさに普通のバスだ。同社はシリコンバレーに向けて、彼らのバスを「ソーシャルハイパーローカルマルチパッセンジャープール車両」と呼んでくれても構わないと冗談を飛ばした。それらはCitymapperのブランドカラーである緑色で覆われ、大都市のバスとしてすぐに認識可能だ。だがその内部は、普通のバスとはとても異なっている。サービス運営者、ドライバー、乗客にとって、バス体験をより良いものにするためにデザインされた技術で埋まっているからだ。

Citymapperが更新し最適化する様々なアプリを実行できる車内のタブレットを使って
、ルートの走行時にはバス管理も行われている。彼らが解決しようとしている問題の1つが、「バスバンチング」(バスがまとめてやって来る問題)だ。つまり、例えば4つのバスが連続してやってきて、そのうちの3台には実質的に乗客がおらず、そのあと20分バスが来ないといった問題だ。

インテリアを飾るスマートディスプレイが乗客に、ルート運行に沿った情報を提供する。次の停留所まで何分か、目的地には何分かかるのか、遅延を含めた乗り継ぎの状況はどうなっているのかなど。Citymapperはまた、これから乗車しようとしているユーザーに、アプリを介したリアルタイムの乗客数を提供しようと考えている。これによってこれから乗る客に、もし空席があるとしたらそれはその便か、といった情報が提供される。

支払いは、Apple PayやAndroid Payだけでなく、ほとんどの英国デビットカード、もしくはクレジットカードでも提供されている非接触タップで行うことが可能だ。Citymapperは、アプリを使ったアプリ内支払いも評価している最中だが、非接触型オプションをより論理的な方法として推奨している。乗客のためのボーナスとして、座席にはUSBによる充電ポートが備えられている。これは特に夜中に使えるのがありがたいサービスだ。

この新しいCM2と名付けられた路線は、Citymapperアプリと経路データと完全に統合されて、拡停留所への到着時刻と共にバスから提供される。そのデータは他の交通系アプリやウェブサイトとオープンに共有されているが、その提供は、市や公的交通機関から要請が会った時に限られる。

これはCitymapperの事業に多大な潜在的影響を与える可能性のある広範な実験だ。市の交通当局に対して配車と経路管理に役立つデータを運営側が提供できるといった、様々な可能性を期待することができる。全体として、これは非常にクールなプロジェクトのように聞こえる。だがこのバスが基本的にはロンドンのどんちゃん騒ぎの後に運営されるバスであることを考えると、これが酔っ払いたちをどのように捌くのかに興味津々だ。

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(翻訳:Sako)

Google Mapsのストリートビューで国際宇宙ステーションの中を探検散策できる

Google Street View(ストリートビュー)でこれからは、国際宇宙ステーション(International Space Station, ISS)の中を探検できる。ストリートビューが宇宙に入り込むのはこれが初めてで、ISSを訪ねる機会などないわれわれ一般大衆に、その15のモジュールすべてを見せてくれるのだ。

最新の画像を見ながらさまざまなモジュールを歩き、というか漂(ただよ)い、あなたがその一時寄留の間(かん)に出会ういくつかの複雑な装置の説明を読むこともできる(下図)。なにしろISSは、複雑難解の塊(かたまり)である。ストリートビューにとっても初めてだから、今後何度も撮影して見せ場を増やしていただきたい。宇宙ステーションの中でも、ストリートビューならではの移動画像をそのまま見られるのが、なかなかすてきだ。

宇宙飛行士たちがこのプロジェクトのために画像を撮り集めてくれたとき、たまたまSpace XのDragonがISSに駐機していたので、ステーションへの貨物の配達の様子を見ることができる。

地上と違ってISSは無重力空間のラボだから、すべてを見るためには文字通り360度の撮影が必要だ。しかし残念ながら今のストリートビューの技術は宇宙空間向けに最適化されていないから、その点、まだ完全ではない。

でもユーザーインタフェイスはおなじみのストリートビューそのものだから、気楽にクリックしながらあちこちを見られる。ではでは、Google Mapsへ行ってこいつをトライしましょう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MicrosoftはクラウドサービスでBaiduの‘自動運転車のAndroid’、Apolloプラットホームに参画

すでにご存知のようにMicrosoftのAzure CloudはBaiduの自動運転プラットホーム連盟Apolloのメンバーだったが、しかしMicrosoftは今回、その業界横断的なパートナーシップで同社が提供するものについて、詳細を明らかにした。基本的にMicrosoftがやることは、Azureによるクラウドインフラストラクチャを、中国以外の市場でApolloを採用しようとしている顧客に提供することだ。ちなみにBaiduはApolloを‘自動運転産業のAndroid’、と呼んでいる。

Apolloはかつての月面着陸プロジェクトの名前をBaiduが意図的に借りた命名だが、それは、そのときと同じぐらいの規模の、業界横断的で多面的な協力体制が、自動運転技術の市場化のためには必要、という認識からだ。そのためにこのプラットホームは、クラウドサービスとオープンなソフトウェア、参照ビークル、センサー、そして計算機ハードウェアを提供する。この連盟にはすでに、TomTom(地図技術)、Bosh、Continental, Nvidia, そしてGrab(Uberのコンペティター)など、テクノロジー業界のトッププレーヤーたちが参加している。Microsoftもその一員だ。

Microsoftはこれまでも、最近成長著しい自動運転および自動車技術のためのクラウドサービスでパートナーシップに積極的だった。今では同社は、さまざまなプロジェクトで、BMW, Ford, Renault-Nissan, Toyota, Volvoなどと協働している。これにBaiduとApolloが加われば、さらに多数のOEMパートナーを獲得できる可能性がある。

Apolloはデベロッパーや自動車メーカーに対する段階的なリリースを考えており、まず今月内には、一定の限られた場所での自動運転技術へのアクセスを提供する。そして計画では、2020年までに都市とハイウェイの両方に完全に対応するプラットホームをデプロイする。現状でよちよち歩きのプロジェクトにしてはきわめて野心的なターゲットだが、でも世界の大手自動車メーカーの多くが、自動運転車の商用化ローンチに関して、やはりこれぐらいの過激なスケジュールをイメージしているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Nvidiaのチップ、Audiのレベル3自動運転車に搭載

この火曜日にAudiは来年登場予定の次世代A8はレベル3自動運転システムを搭載する初の量産車になることを明らかにした。Audi A8の自動運転システムにはNvidiaのテクノロジーが利用されており、「渋滞パイロット」機能を持つ。

Nvidiaはこれ以外にもA8のさまざまな能力を支えている。実際A8はNvidiaのチップを6基搭載しており、交通渋滞に対処するだけでなく、インフォテインメントシステム、バーチャルコックピット表示、後部座席用ヘッドレスト裏のタブレットなどを駆動する。

A8がレベル3になるということは、特定の状況、たとえば 時速60キロ以下あるいは高速道路を走行中などの場合、ドライバーは道路に注意を払う必要がなくなる。走行環境がそのような条件を満たすと、ドライバーは(現地の交通法規が許せば)車の運転に注意を払うことなく合法的に他の作業を行うことができる。ドライバーの操作が必要な状況になればシステムがドライバーにそれを要請する。

レベル3は現行のTeslaのオートパイロットより一段進んだ自動運転となる。Teslaのオートパイロットはレベル2に分類されており、ドライバーは走行中常に道路に注意を払い、即座に運転を代われる態勢を維持する必要がある。オートパイロットが高速道路で一定の範囲で速度を維持して走行することを主な目的としているのに対して、A8のシステムでは渋滞時にドライバーが一切の操作から解放されるのが大きな違いだ。

NvidiaのプロセッサはAudiのzFASシステムの頭脳となり、A8の自動運転を実現している。車両に装備されたレーダー、カメラ、レーザースキャナー、超音波センサーなどから得られたデータを処理し、車両が置かれた環境を総合的に認識する。渋滞パイロット・モードに入った場合、zFASシステムは自車の取るべき動作を決定する。このときシステムは毎秒25億回の入力を処理するという。

レベル3自動運転は本質的にある種の矛盾を抱えている。つまり一方ではドライバーはリラックスして他の作業をしてもよいとしながら、いざというときには即座に運転に戻らなければならず、完全に車任せにはできない。レベル4の自動運転になって始めてシステムが完全に車両をコントロールするようになる。自動運転中の事故の責任はシステム側にあるためAudiとNvidiaは自動運転システムに強い自信を持っているのだろう。

〔日本版〕自動運転のレベルについては日本もSEA(Society of Automotive Engineers)の区分を踏襲することを決定している。レベル3は「条件付運転自動化」とされ、システムが要請した場合を除いて車両側が加減速、ハンドル操作を含むすべての走行操作を実施する。詳しくは官民ITS構想ロードマップ2016(PDF)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスクのHyperloop One、実物大ポッドの走行テストに成功

Hyperloop Oneは最初のフルスケールモデルの実験に成功した( The Vergeの記事)。実物同様のサイズのポッドを密閉された真空チューブで走行させたものだ。このシステムは最終的には超高速運輸を狙っているが、ネバダ州における今回の実験は速度記録への挑戦が目的ではなかった。実験用ポッドの最高速度は時速112キロ程度にとどまった。

Hyperloop Oneの共同ファウンダー、Shervin Pishevarによれば、このテストは、速度ではなく、チューブ内に真空環境を維持し、ポッドが計画どおり走行できることを実証するのが目的だった。ポッドは高度60キロ程度の成層圏上層に相当する準真空中を走行した。Hyperloop Oneは空気抵抗を除くことによって高速と経済性の達成を狙っている。

ネバダ州に設けられた全長500メートルのテスト・コースにおける実験の次の目標は時速400キロでの走行だ。このシステム最高速度は理論上、時速1200キロに達するはずだが、現在のテスト・コースでは短すぎて実現不可能だという。

実用化までにHyperloop Oneが解決しなければならない課題はまだ数々ある。Hyperloop OneはUAE(アラブ首長国連邦)のドバイとアブダビを結ぶ時速800キロの路線を開設する計画だ。小さい一歩にしても進歩は進歩だ。フルスケールのポッドの走行テストが成功したのは実現に向かっての前進といえるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+