Appleが透明性レポートに政府からのApp Storeアプリ取り下げ要求を含める

Appleが、同社の透明性レポートの改良を目指している。その年に二度出るドキュメントの最新バージョンを発表した同じ日に同社は、今後のアップデートではApp Storeに対する政府の取り下げ要求を含める、と言明した。その最初のレポートは7月1日から12月31日までのもので、2019年にリリースされる。

その情報により、世界におけるAppleの活動と政府の要請に関する詳しい実情が分かるだろう。今後のレポートでは、どこの国の政府がそんな要求をしたのかが分かるし、またAppleがそれに応じたか否かも分かる。

具体的なアプリケーション名も明かす、とは言っていないが、もしそれが分かれば、取り下げ要求の動機を推察することもできる。最新のドキュメントのGovernment and Private Party Requestsの部分には簡潔に、“何かの法令や政策に違反しているという主張に基づいて行われた政府のAppStoreからのアプリの取り下げ要求を報告する”、と書かれているだけだ。

今このレポートは数字だけを挙げているが、レポート作成時点までの1年間で、国家安全保障に関わる政府からの要求が16000件あまりあり、前年度に比べて20%増加している。ロイターの記事によると、AppleだけでなくFacebookやGoogleも要求の大きな増加を見ている。

各国の政府がテクノロジーへの関心を深めるとともに、この数字はさらに大きくなっていくだろう。

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アプリストアのデベロッパー虐待でフランスがAppleとGoogleを提訴へ

フランスの経済相Bruno Le Maireが、AppleのApp StoreとGoogleのPlay Storeのやり方をめぐって、両社を批判した。彼によると、GoogleとAppleはアプリのデベロッパーに対して揮う権力があまりにも強大すぎる。Le Maireはその判断を法廷に求め、必要なら巨大テクノロジー企業に罰金を課すつもりだ。

“デベロッパーがアプリを開発してそれらをGoogleやAppleから売ろうとすると、それらの企業が価格を決め、一部のデータを取得し、デベロッパーとの契約を一方的に変更することもある”、とLe MaireはRTLで述べている。“これらはどれも、受け入れられない。これは、われわれが望む経済ではない”。

フランスの政府高官がApp StoreとPlay Storeを問題視するのは、これが初めてではない。先月はARCEP(電子通信郵便規制庁)のSébastien Soriano総裁が、ネット中立性はキャリアとISPだけにとどまるべきでない、という記事を共有した。大手テクノロジー企業も、インターネットの中立性に関して責任がある、というのだ。

Sorianoはそのとき、“スマートフォンのユーザーが直面しているすべての制約を初めてリストアップした”、と述べている。“ユーザーの意味は、消費者と、アプリをストアへ提出するデベロッパーの両方だ”。

デベロッパーには、App StoreやPlay Storeのルールに従う以外の選択肢はない。AppleやGoogleに売上の30%(会員制のアプリなら会費収入の15%)を払う以外の選択肢はない。

AppleやGoogleがストアからアプリを削除しても、事前の契約があるから法に訴えることはできない。ただし契約内容を、交渉によって変えられる可能性はある。

“GoogleとAppleを虐待的事業実践の罪でパリ商業裁判所に訴えるつもりだ”、とLe Maireは言っている。罰金はおそらく数百万ユーロぐらいだから、GoogleとAppleにとっては痛くも痒くもない額だ。しかし、公的訴訟としてはなかなかおもしろい。

大手テクノロジー企業に対するEUの徴税計画は、Le Maireによると2018年の終わりごろに発効する。今月初めに彼は、数週間後に詳細を発表する、と述べた

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AppleのWeb上のApp Storeがシンプル&クリーンに改装

Appleが、Web上のApp Storeのルックスをアップデートした、と9to5Macが報じている。それはAppleが昨年9月にデザインを一新したiOS 11のApp Storeに、とてもよく似ている。しかしiOS 11と違って、アプリの発見機能はない。

機能的には前と変わらないが、重要なのは、クリーンでシンプルなデザインになったことだ。そう感じるのは、ホワイトスペースが増えたせいかもしれない。また、レビューが前よりも強調されている。

アプリがiPhone X向けに最適化されていると、表示されるスクリーンショットはiPhone Xの画面になり、iPhoneの前の機種ではない。それと、そのアプリがiOSデバイス用のApp Storeでしか入手できないことが、前よりも目立つレイアウトで訴求されている。

では、比べてみよう。

以前のデザイン:

新しいデザイン:

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Apple、批判の的のテンプレート・アプリ禁止条項を修正――実質はほぼ変化なし

Appleは昨日(米国時間12/20)、App Storeにおけるアプリ・レビューのガイドラインを修正した。このガイドラインはテンプレートその他を用いるアプリ・ジェネレーション・サービスによって作成されたアプリの登録を禁止するもので、大きな議論を引き起こしていた。

Appleが今年に入ってApp Storeの利用規約を改正したのは低品質のアプリやスパム・アプリが登録されるのを防ぐ狙いがあった。しかしこの方針は 当初の目的を超えてはるかにおおきなマーケットに影響を与えることになった。つまりレストラン、NPO、クラブ、その他、オリジナルかつ高品質のアプリをインハウスで開発する専門知識、資金その他のリソースを持たない各種スモールビジネスがネガティブな影響を受けている。

Appleの新しいガイドラインは「App Storeで受け入れられないアプリ」の定義をさらに詳しく述べている。

改正前のガイドラインの当該部分、4.2.6 App Store guidelineは以下のとおりだった。

4.2.6 商用のテンプレートによって作成されたアプリ、またはアプリ・ジェネレーション・サービスによって作成されたアプリは受け入れられない。

これに対して、今回改正された文言は以下のとおり。

4.2.6 商用のテンプレートによって作成されたアプリ、またはアプリ・ジェネレーション・サービスによって作成されたアプリは受け入れられない。ただし、アプリの登録がアプリのコンテンツ提供者自身によって直接申請される場合はこの限りではない。〔アプリ・ジェネレーション・〕サービス等はクライアントを代理して登録の申請を行ってはならない。また〔これらのサービスは〕クライアントがカスタマイズしてイノベーティブかつ独自のユーザー体験を提供するアプリを作成できるツールの提供に努めなければならない。

テンプレートのプロバイダーはクライアントのコンテンツを一つのバイナリーに統合するいわゆる“picker”モデルを利用することもできる。たとえばレストランの情報アプリであれば、それぞれのクライアントのレストランがが独立のカスタマイズされたページを持つ単一のアプリを登録申請することは可能であり、イベント情報アプリであれば、それぞれのクライアント・イベントが独立のページとして表示されるような単一のアプリを登録することはできる。

これによってAppleがテンプレート・アプリについてどう考えているかがよく分かる。

根本にある考え方は、スモールビジネスがテンプレートや仲介者(アプリ作成サービス事業者)を通じてアプリを作成するのはかまわないが、テンプレートのプロバイダーが実際のビジネスに代わってアプリを登録することをは許されない、というものだ。

AppleはApp Storeに登録されるアプリはコンテンツの元となるビジネス自身が登録申請すべきだと考えている(この考え方は以前も述べられていた)。つまり、地域のピザショップであれ教会であれフィットネス・ジムであれ、アプリを登録しようとする組織はApp Storeのガイドライン、規約その他の文書を熟読し、登録プロセスに積極的に関与しなければならないということだ。

Appleでは2018年早々にもアメリカ政府・自治体諸機関およびNPOについて99ドルのデベロッパー手数料を免除してこの新方針を受け入れやすいものにするという。

またテンプレート・サービスのような仲介者もすべて排除されるわけではない。テンプレート・サービスがアプリを作成する手助けをするのはけっこうなことだ―Appleはアプリが「どのようにして」作成されたかにはさして興味を抱いていない(ウェブページを単にアプリ化したものでないかぎり)。Appleが審査するのは「その結果」だ。

App Storeに登録されるためには、アプリは高品質で優れたユーザー体験をもたらさねばならないというのがAppleの考え方だ。つまりアプリにはそれぞれ独自性が必要であり、多数のアプリがそっくりな外見を呈してはならない。つまり互いにクローンであってはならない。また、されに重要な点は、ウェブページやFaceookページをそのままアプリ化したものであってはならないということだ。

Appleは「アプリは単なるウェブページ以上の深く豊かな体験をユーザーに与えるものでなければならない」と信じている。

上図:AppMakrで作成されたThe Official Lumineersアプリ

ただし、このルールが適用されるべき範囲を巡っては見解の相違が残る。

たとえば、現在多くのユーザーが「テンプレート・アプリ」を使っている。お気に入りのタコショップ、所属する教会、地元の音楽クラブ、学校、その他のアプリだ。ユーザーはこれらのアプリが単一のテンプレートから作成され、相互にそっくりだと知らないし、知ったところでそもそもそんなことは気にかけないだろう。

またある種のアプリが互いにそっくりであることはユーザーにとってかえって使いやすくなっているという議論もある。たとえば「モバイルから注文」がそれぞれ独自のデザインで独自のプロセスだったら使いにくいだる。どこからメニュー表示をさせればいいのかアプリごとに探す必要があるのがユーザー体験の向上だろうか?

しかしAppleはApp Storeに無数のコピーキャット、クローン・メーカーがはびこっっているのを強く嫌っている。クローン・アプリが優勢になれば、わざわざ高品質のアプリを作成するデベロッパーが不利になる。テンプレート・プロバイダーが単一のデベロッパー・アカウントで一挙に2万件ものアプリを登録するといった事態はApp Storeを窒息させかねない、と考えている。

しかし低品質のアプリの大群を規制する必要があるにせよ、App Storeにおけるテンプレート・アプリ全般の禁止は行き過ぎでありエコシステムにネガティブな影響を与えるとする意見も強い。

この問題はTed W. Lieu下院議員( カリフォルニア、33選挙区) の注目を引いた。Liew議員はAppleについて「〔規制の〕網を広げ過ぎている」と述べた。スパム・アプリ、違法アプリの排除の必要は認めるものの、「App Storeに対しなんら危害を加えておらず、これまで長年にわたって役立ってきた正規のデベロッパーを排除するものだ」とLiew議員は批判している。

しかし一方でAppleはネット中立性を支持して、何人も平等かつ自由なインターネットへのアクセスの権利を持つと主張している。にもかかわらずApp Storeレビューの新しい方針はスモールビジネスや小規模なNPOに対して不利に働く。しかもモバイル・デバイスからウェブへのアクセスは次第にモバイル・アプリを経由する傾向を強めている(上記グラフ参照。ブラウザは時代遅れになりつつある)。【略】

なるほど、ピザショップはUber Eatsを使うこともできる(高額な手数料を払えばだが)。ネールサロンは店をYelpに掲載できるし、パパママ・ストアもFacebookページを作れる。また事実作っているだろう。しかし全体としてこれはスモールビジネスが巨大アグレゲーターの支配下に置かれるるという傾向をますます強めるトレンドだ。

最近、TechCrunchはApp Storeにアプリを登録している多くの会社が 2018年1月1日という締め切りを言い渡されたことを報じた。この期限までにアプリを新しいガイドラインに対応させないかぎり、レビュー・チームはアプリをApp Storeから排除するという。一部のアプリはすでにこの禁止条項を適用され、登録申請を却下されている(すでにライブであるアプリは次のアップデートまで適用を除外されているが、この状態がいつまで続くのかは不明だ)。

Appleの新方針のために一部の会社は運営停止に追い込まれている。

今回修正された後の字句をみても、影響を受けた会社が以前のとおり運営を続けられるようになったとは思えない。 こうしたサービスはやはり「クライアントがカスタマイズしてイノベーティブかつ独自のユーザー体験を提供するアプリを作成できるツール」を新たに提供する必要がある。

言い換えれば、Google Sites のようなシンプルな構成ではなく、Squarespaceのような凝った構成にせよ(ただしアプリだが)ということだ。

テンプレート・ベースのアプリの例。 一般ユーザーはテンプレートだと気づくだろうか?

しかし今回影響を受けた会社は、すべてがスパム・メーカーというわけではない。一部はウェブページをラップしてアプリにするだけのツールを提供していたものの、一部はグレーゾーンだった。

これにはChowNowのような、特定のバーティカルに属するスモールビジネスがApp Storeを利用することを助けようとするものが含まれる。CowNowは近隣のレストランがモバイル経由で注文を受けるためのアプリだが、同様のアプリはフィットネス・ジムや教会、スパ、コンサート、政治家など非常に幅広い分野に存在する。

こうしたビジネスはApp Storeガイドラインの4.2.6(ときおり4.3)項によって登録を拒絶されつつある。こうしたアプリの申請者によれば、Appleに対し電話などで直接説明を求めようとしても困難だという。

修正以前の4.2.6項は、テンプレート・ベースのアプリ全般を禁止し、4.3項はスパム・アプリ全般を禁じる網羅的条項だった。4.3項はAppleがあるアプリを排除したいが、アプリ作成ウィザードやドラグ・アンド・ドロップなどによって一挙に作成されたものだということを証明できない場合に用いられることを意図したものだということだ。

  1. screen-shot-2017-12-20-at-3-41-33-pm.png

  2. screen-shot-2017-12-20-at-3-41-42-pm.png

Appleがこの方針をWWDCで発表したとき、テンプレート・プロバイダーの多くは自分たちに影響が及ぶとは考えていなかった。この禁止方針はクローン・アプリ、スパム・アプリを締め出すためのものだと考えたからだ。そのため、App Storeのレビュー・ガイドラインがテンプレート・プロバイダー自身もApp Storeから締め出されれることを明らかにしたためパニックが広がった。これらのテンプレート・プロバイダーは自分たちがスパマーだとは考えていなかった。

修正後のApp Storeのガイドラインは、字句の訂正により明確化されているものの、本質的なAppleの意図は変わっていない。

ともあれアプリが実質的にはウェブページそのものである場合、あるいは他のアプリとデザインがそっくりである場合、申請の手間をかけるには及ばない。App Storeがそういうアプリを排除することは動かない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、2018年秋にiOSとMacアプリを統合との観測

AppleはiPhone/iPadではタッチスクリーンで操作でき、Macではマウスとトラックパッドで操作できるアプリを開発できるよう準備中だという。Bloombergによればこれが公開されるのは来年で、AppleはiOSとmacOSという2大開発環境を統合し、2つの別々のアプリではなく単一のアプリとして開発できるようにするという。

Bloombergの記事によれば、 Appleはこの機能を来年秋のiOSとmacOSのアップデート(現行方式でバージョン番号が付与されるなら、それぞれv12とv10.14となる)に含めるという。通例、この時期の消費者向けOSアップデートの後に新しいiPhoneのモデルが発表される。新しいサイクルに新しいアプリが消費者の手元に届くようにするには、デベロッパー向けツールはもっと早くリリースされる必要があるだろう。Bloombergは毎夏開催されるAppleのWWDCデベロッパー・カンファレンスでこのプランがまず披露されるだろうと見ている。

アプリの共通化、さらにはApp Storeの一本化はMacアプリに強い追い風となるだろう。これまでMac App StoreはiOSのApp Storeに対してアプリのバリエーションでも消費者の意識上でも大きな遅れをとっていた。消費者としてApp Storeが統合され、入手したアプリが双方のプラットフォームで問題なく動くということになれば便利だ。

プラットフォームの統合はテクノロジー界のトレンドでもある。Googleは今年に入ってAndroidアプリがデスクトップのChrome OS上でも動くようにした。Microsoftもかなり前からSurfaceシリーズのタブレット/ハイブリッドと通常のノート/デスクトップを単一のWindows OSに統合している。

iOSとmacOSのアプリ・レイヤーの統合は、次にAppleがノートとデスクトップの心臓部に使うために独自のARMベースのチップを製造するようになるのではないかという観測も生み出している。プロセッサの種類を変える際の最大の問題は、なんといっても過去のすべてのソフトウェアが新しいCPUでも正常に作動することを保証するという点だ。そこでmacOSがIntelチップで動いているうちに、統合問題に前倒しで挑戦するというのは理にかなっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

次期iOS App Storeでは評価とレビューを維持できる――インクリメンタルなアップデートが可能に

App Storeのアプリのデベロッパーが新しいージョンにアップデートすると、高い評価も好意的レビューも消えてしまう。この問題が近々解決されそうだ。デベロッパーはアップデートの際に現在の評価とレビューを維持するか消去するか選択できるようになる。

Appleのワールドワイド・マーケティング担当上級副社長、 フィル・シラーは今年のWWDCでジョン・グルーバーがホストするThe Talk Showに登場し、このことを発表した。

レビューを最近のものに限るのは数年前までは理にかなっていた。現在のInstagramアプリは以前とは一変しているので、 2010年のレビューなどは何の参考にもならない。そこでAppleはアプリがバージョンアップするごとにレビューをリセットすることとした。

また以前はアプリのデベロッパーもそう頻繁にバージョンアップを行うことはなかった。これはApp Storeで新たなバージョンが承認されるまでにかなり長い時間がかかったことも一因だ。しかし現在はアプリの承認にはほんの数時間しかかからない。

そこでアプリにバグを発見した場合、修正版を1日ないしもっと短い時間で作成、登録することが可能になった。これはApp Storeアプリの品質向上に大いに役立ったが、同時に評価とレビューがその都度リセットされてしまう仕組みが問題となってきた。一部のデベロッパーはこのリセットを避けるために、バグフィックスをすぐに行わず、メジャー・アップデートを待つようになった。

9月に一般公開されるiOS 11ではデベロッパーはアップデートをためらう理由がなくなる。現行の評価とレビューを維持したまま自由にバグフィックスやマイナー・アップデートが行えるようになる。

デベロッパーがアプリの中心的機能を変更するようなメジャー・アップデートを行う場合は、リセット・ボタンを押してそれまでの評価とレビューを消去することを選べる。というわけで、デベロッパーはApp Storeでもインクリメンタルな改良を行うことができるようになる。最初から完全を目指す必要はない。もしコア機能を変更するv2をリリースするなら評価とレビューを消去してゼロからやり直すこともできる。

〔日本版〕フィル・シラーとクレイグ・フェデリーギが出演したビデオはこちら。1:08:30あたりからWWDCのキーノートでは触れられなかったiOS App Storeの新機能が説明されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple App Storeのアフィリエイトのコミッション引き下げはアプリ内購入だけがターゲットだ

Appleは2週間前に、App Storeの全品目のアフィリエイトのコミッションを7%から2.5%に下げる、と発表した。Appleはこのほど、この変更を明確化して、コミッションのカットはアプリ内購入にのみ適用される、と述べた。

これがAppleの発表声明だ:

アフィリエイト事業に対して行った変更について、明らかにしたい。iOSのアプリ内購入はすべてコミッションがグローバルに7%から2.5%に下げられ、そのほかのコンテンツタイプ(音楽、ムービー、本、有料のiOSアプリ、TVなど)は現状の7%のままである。

Appleのこの心変わりに最初に気づいたのはMac Gamer HQだ。たぶん、予想以上に大きな反発があったのだろう。AppleのコミュニティのWebサイトは、その多くが収益をこのコミッションに依存している。

だれかがその商品やサービスのリンクをクリックすると、Appleは売上のごく一部を、その売上に導いたパートナーに支払う。デベロッパーは今でもアプリの売上の70%を取る。残りがAppleの取り分だ。

だからAppleがなぜアプリ内購入のコミッションを下げたいのか、よく分からない。たぶん同社は、アフィリエイト事業を利用してユーザーがアプリ内購入をタップしたらお金が入る、という方式をあまりにも多くのデベロッパーが利用していることに、気づいたのだろう。それは、最初にWebブラウザーにリダイレクトされるから、ユーザーにとっても愉快な体験ではない。

あるいはそれとも、今後さらなる変更があるのかもしれない。来月行われるWWDCで、App Storeのいろんな再調整が発表される、その前兆かもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleがアナリティクスサービスをアップデートしてアプリの発見のされ方を知るための新しい測度を追加

Appleは昨日(米国時間5/3)、iTunes Connect上の、モバイルアプリデベロッパーのためのApp Analyticsサービスをアップデートした。それにより、ユーザーがどうやってアプリを見つけているかに関する情報…App Storeでの閲覧や検索、ほかのアプリやWebサイトから知らされたなど…がより詳しくなった。またキーワードの変更がApp Store上の検索ランキングに与える影響や、検索よりもチャートで上位にランクされた方がベターか、などを理解できるようになった。

App Analyticsが初めて導入されたのは2年前で、今でもあらゆるサイズのデベロッパーに、技術を要しない方法で、重要な情報へのアクセスを与えている。それらは、ユーザーのエンゲージメント、マーケティングキャンペーンの効果、収益化の動向などの情報だ。このサービスは、Apple Developer Programの会員になると無料で利用できる。

このような測度はサードパーティの統合により、もっと詳細に得られることもあるが、AppleのApp Analyticsのアドバンテージはサードパーティでなくファーストパーティーが測定するソリューションであるところにある。つまりデータがAppleとApp Storeから直接来るので、信頼性が高い。

今週行われたアップデートで、次のようなソースタイプが導入された: App Store Browse, App Store Search, App Referrer, Web Referrer。〔AppStoreを閲覧、〃検索、アプリから知った、Webから〃〕

上記のBrowseでデベロッパーが分かるのは、顧客がアプリを見つけた経路がApp StoreのFeaturedからか、Categoriesからか、Top Chartsからか、という情報だ。一方Searchでは、顧客がアプリを検索のクェリ入力で見つけたことが分かる。

App Referrerでは、どのマーケティング関係が他より好結果だったかが分かるので、そういう、アプリのダウンロードの多いパブリッシャーを今後選べるようになる。

Web Referrer(以前のTop Websites)では、アプリをiOS上のSafariで見たWebサイト上で見つけた顧客が分かる。

これらの変更はAppleが小さなデベロッパーのニーズに応えるようになった最近の傾向の一環だ。昨年はデベロッパー向けWebサイトを改装して情報やビデオを増やしたし、今年はApp Store上でインディーのデベロッパーを優遇する措置を講じた。また最近では、デベロッパーが顧客のレビューに応答でき、ユーザーがいちいちApp Storeへ行かなくてもアプリ内でApp Storeのランキングができるなど、デベロッパーフレンドリーな機能を展開している。

WWDCでApp Storeの改造が発表されると思われるが、それによってアプリ発見における検索やランキングが果たす役割が変わる前に、これらの測度の展開は行われるだろう。つまりそういう変化の前に、アップデートされたアナリティクスサービスをデベロッパーの手に渡したいのだ。

(画像提供: トップ, Sensor Tower; そのほか, Incipia.co)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

App Storeアフィリエイト手数料が7%から2.5%に――Apple、大幅改革を準備か?

AppleはさきほどApp Storeのアフィリエイト・プログラムのメンバーにメールを送り、App Storeから支払われるコミッションが7%から2.5%に減額され、5月1日から実施されると伝えた。64%という大幅な減額だ。この変更はユーザー側には直接関係しないものの、App Storeのエコシステムに大きな影響をもたらす可能性がある。

Appleコミュニティーの多くのサイトがダウンロードによる手数料を得るため、ユニーク・レフェラルIDを得てApp Storeにリンクを張っている。ユーザーがこのリンクを利用してアプリないしアプリ内のアイテムを購入するとAppleはリンクを張ったパートナーに少額の手数料を支払う仕組だ。パートナーがこのインセンティブを得てもデベロッパーは通常どおり売上の70%を得る。

1ドルのアプリがダウンロードされた場合、アフィリエイト料金はどのみち数セントにしかならない。しかし真剣なオーディエンスを持つサイトの場合は結局かなりの金額になる。これについては私自身経験があるのでよく知っている。

2009年にApp Storeがスタートして数ヶ月後、私は友達とiAppstore.eu(ひどい名前だった!)というサイトを立ち上げた。これはアプリのディレクトリで、優秀と思われるアプリを評価して推薦するものだった。独創的なアイディアではなかったが、このサイトはApp Storeのアプリに興味のあるユーザーの時間とお金を節約できるだろうとわれわれは考えた。

当時のiPhoneは遅くて重く、App Storeも始まったばかりだったが、全体として非常にエキサイティングだった。Appleは一夜にしてまったく新しいビジネスを出現させた。当時はInstagramもSnapchatもWhatsAppもUberもなかった。インディーのデベロッパーがいろいろな実験をしていた。アプリの半分くらいはどこかしらが動かなかった。App Storeそのものがごく小さな存在だった。

われわれのウェブサイトには毎月1万5000人くらいの訪問者があった。われわれは最初の数ヶ月でアフィリエイト手数料とページ下部のGoogle広告で数百ユーロを稼いだ。とりたてて言うほどの金額ではないが、夏休みに汗水たらしてバイトをしたくない若者にはありがたい収入だった。実はこれが私がインターネットはビジネスになること発見した最初だった。後年、TechCrunchの記者に応募したのもこれがきっかけだったと思う。

その後すぐに大型のサイトがApp Storeを真剣に取り上げるようになり、同時に有料アプリの価格も急激に下がったためわれわれのサイトはいつとはなしに消えた。App Storeからアフィリエイトを得るというのはあまり有利なビジネスモデルではないし、個人的にいえば、私が早々に退出したのは正解だったと思う。しかし現在でもApp Storeに依存する大小のサイトが数多く存在する。

Appleがアフィリエイト料率を大幅にカットすれば、こういうサイトの書き手は疎外されたと感じ、数も減っていくだろう。しかしこれはAppleがApp Storeに何か大きな改革を準備しており、近々発表される前触れかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

App Store、定期購読より有料アプリを優遇してトップチャートを正常化するテストを実施

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この週末Apple App Storeのトップセールス(Top Grossing)チャートに、あまり知られていない有料アプリがいくつか登場した。App Storeが新しいアルゴリズムをテストしているのか、かなり大きなバグなのかどちらかと思われる。この状態が始まったのは金曜日で、トップセールスアプリだけの現象のようで、トップ無料とトップ有料アプリでは起きていない。

しかしトップセールスチャートは、全体チャートだけではなくApp Storeの全カテゴリーが影響を受けている。

あるデベロッパーによると、自分たちのアプリはカテゴリーで2位だったのが35位に下がったという。これが彼らに問題を知らせた最初の警告だった。その日は非常に好調で、過去最高の月になるかもしれない時だった。

先週末を通じて、トップセールスチャートでふだん上位を占めていたアプリが順位を下げ、人気の低いアプリが取って代わった。まるでアルゴリズムが有償アプリをアプリ内購入で稼ぐアプリより優先するようにアルゴリズムが変更されたかのようだ。

例えば、 アルゴリズムの変更は一部の絵文字アプリに有利に働いていてSteph CurryのStephMojiもその一つだ。しかし、絵文字アプリがいくつか急に人気を得るのはわからないでもないが、もっとニッチなContruction Manager Proや15ドルの翻訳アプリがチャートに登場するのは場違いに感じる(下の画像参照)。

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Image Credit: Sensor Tower

ソフトウェアメーカーのEquinuxが提示する一つの理論は、Appleが新アルゴリズムの実験を行っていて、定期購読による収益のウェイトを減らし、有料アプリを重視しているのではないかというものだ。

このところトップセールスチャートが停滞気味であることを踏まえると、これは理にかなっている。

近年App Storeのトップセールスチャートは、SupercellのClash RoyaleやCandy Crush、ポケモンGO等の常連人気ゲームと、Netflix、Pandora、Spotify等のトップストリーミングサービスで占められている。

最近Appleは定期購読サービスを拡大して、これまで以上に多くのアプリが利用できるようになっ たが、定期購読アプリの人気が高くなったためにトップセールスチャートには同じ顔ぶれのアプリが並ぶ傾向にある。これでは新しいアプリが割り込むのが難しくなり、チャートを見る楽しみが半減する。

変更されれば、有料アプリは定期購読アプリと同じ条件で競えるようになる。新アルゴリズムは定期購読の最初の新規利用分だけを勘案し、更新は考慮しなくなるらしいからだ。

インディー系アプリにとっては歓迎すべき変更で、ビッグネームと並んでランキング入りするチャンスがようやく巡ってくる。

残念ながらそうはならなかった。月曜日(米国時間2/20)の午前0時、すべてが元に戻った。

もちろんこれは、AppleがApp Storeのアルゴリズムについて少なくとも〈考えている〉ことを示すものだ。ただし、アプリの発見にどれほど効果があるかはまた別の問題だ。トップチャートで何がトレンドかを見るユーザーも何パーセントか存在するだろうが、大方はApp Storeをキーワードで検索するか、まとめ記事を見るのが普通だ。ともあれトップセールスチャートは改変の時期を迎えているので、Appleが今後もこの種の実験を続けても不思議はない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

App Storeでようやく、開発者がレビューに応答できるようになる

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Appleがようやく、開発者たちに対してApp StoreとMac App Store上でのカスタマーレビューに応答する方法を提供しようとしている。この機能はAndroidの開発者コミュニティではとっくに提供されていたものだが、Apple開発者コミュニティでは悩みの種だった。iOSの10.3ベータ版に付随した開発者ドキュメントによれば、このバージョンの出荷以降、開発者たちはApp Storeに投稿されたものに公に返信する機能に加えて、新しいやりかたでレビューを求めることができるようになる。

Appleの評価とレビューシステムは時代遅れだと感じられていて、開発者と利用者の双方のフラストレーションの源となっていた。ある顧客が否定的なレビューを投稿した際に、開発者はその(しばしば不当なこともある)批判に対して、App Storeという公の場で応答することができなかった。例えば顧客が機能を誤解している可能性があったり、後のリリースでは修正済みのバグについて訴えている場合もある。

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公の場所で迅速に状況を説明することができれば、他の潜在的顧客がそのアプリを試してみようと思う気持ちを後押しできるかもしれない。

更には、こうした公の場所でのコメント記録は、積極的にアプリケーションをサポートしたり、ユーザーからのフィードバックを考慮したりする開発者かどうかを、顧客が判断するための手掛かりとして役立つ。これはアプリが、ダウンロードまたは価格に見合う価値があるかを判断するための材料にもなる。特に昨年後半に沢山の古いアプリケーションをAppleがApp Storeから削除しなければならなかったエコシステムでは重要なことだ。

これは、新リリースにおける開発者の視点から見た最も歓迎すべき変化の1つだが、これで終わりではない。

火口-レビュー - ナグスクリーン

これに関連してAppleは、iOS10.3では新しいレビュー収集方法を提供すると述べている。新しいAPIが導入されて、開発者はユーザーがアプリを利用している最中に、評価またはレビューを依頼することができるようになる。これまでのようにApp Storeに利用者がリダイレクトされることはない。現在のアプリケーションに現れる煩わしい画面を時間はかかるが減らして行くだろう、中には起動する度にほぼ毎回アプリを評価するように迫るものもある。

好意的な評価はアプリのランクを上位に保ち、ダウンロードを促進する。これが開発者にとって関心が高くなる理由だ。しかし利用者にとっては、アプリを評価しなければならないことは、面白くない経験だった。しばしばアプリの利用途中で中断され、App Storeへの移動を依頼される、そしてそこではAppleのアカウントに入って、星を付け、レビュー文章を入力しなければならない。

新しいAPIを使えば、開発者はアプリのレビューを利用者に促すタイミングを決定することができる。そして利用者はあまり手間をかけずに評価を済ませることができるようになる。

The LoopでのJim Dalrympleの記事によれば、開発者は1年に3度まで利用者にレビューを促すことが可能で、顧客が1度レビューを残した後はもうレビューを促されることはないということだ。さらに、記事では、iOSの設定からアプリのレビューを促す通知をオフに切り替えることもできると述べられている。

今回のベータ版の中で、アプリの評価以外で開発者が関心を持つ主要な機能として、新しいファイスシステムAPFSの導入が挙げられる。これはSierra 10.12ベータで最初に導入されたものだ。HFS+を置き換えることを目指すAPFSは、SSDに最適化され、64bitのファイルIDを持ち、強力な暗号を提供し、ハードディスクの空きスペースの管理の効率化が行われ、レイテンシが向上し、その他にも多くの特徴を持つ。

消費者向けにも、新しいiOSは多くの変更を含んでいる。例えば「AirPodsを探す」オプション、クリケットのスコア、HomeKitの改良、アプリへのSiriのさらなる統合、 その他の改良点が含まれる。

iOS 10.3ベータが一般に正式リリースされるまでには、あと1、2ヶ月かかると思われる。

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(翻訳:Sako)

2017年元日、AppleのApp Storeは1日の最高売上を達成

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2016年は終わった。いろいろな企業やサービスが、2016年を振り返りつつ、成果をアピールしたりもする時期だ。Appleも、App Storeの成長について発表を行っている。

まず、「昨年」の話ではないのだが、2017年幕開けの日がApp Storeでは最高の日となったのだそうだ。アプリケーションの購買額が2億4000万ドルになったのだとのこと。クリスマスこそデバイスを手に入れてアプリケーションストアで買い物をすることが増えるのだろうと考えている人が多いと思う。しかし新年を迎えた日に最高額を達成したというのはなかなか面白い現象だ。

ちなみに、2016年に開発者に支払った額は合計で200億ドルに達したのだとのこと。これは昨年から40%の伸びとなる数字だ。アプリケーションストアが開設された2008年からの累計でみると、600億ドルとなっている。お気づきだろうと思うが、開設以来の額の3分の1が昨年1年で支払われたことになる。

売上額が多いのは、アメリカ、中国、日本および英国となっている。

中国についてみれば、昨年から90%の伸びを示している。Appleは中国重視の戦略をとっており、Appleにとって良い兆候だとみることができよう。膨大な人口に支えられてダウンロード数が増えるというだけでなく、支払額も大きく伸びているわけだ。中国の売り上げトップ2をみるとTencentとNetEaseであり、この両者はそれぞれ拠点を中国におく企業だ。

またApp Storeでのサブスクリプションサービスも27億ドル規模へと成長した。2015年日で74%増となっている。Netflix、HBO Now、Line、TinderおよびMLB.comのAt Batなどが人気のサブスクリプションサービスだ。

なお、AppleによればiMessage App Storeには現在、2万1000本のアプリケーションが登録されているとのこと。どうやら開発者たちの注目は集めているということになるようだ。ただステッカーアプリケーションなどにとどまらずに成長を続けていくためには、支払いやビデオチャットなどの機能についても提供できるようにしていく必要があるのだろう。そうしたサービスも徐々に実現されていきそうな感じではある。

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(翻訳:Maeda, H

任天堂のスーパーマリオランは最初の3日で3700万ダウンロード、売上1400万ドル―ヒットだが1つ星も多数

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任天堂の株主は当初新しいiPhoneゲームの成績に不満を抱いたようだ。スーパーマリオランのリリース後、アプリ内課金モデルに対する懸念から株価の下落を招いた。しかしゲームビジネスのデータ分析を専門とするApp Annieのデータによれば、ゲーム自身は十分なダウンロード数と売上を確保している。ゲーム公開後3日間の成績は世界で3700万ダウンロード、1400万ドルの売上だったとされる。

2016年12月の15日から17日までの3日間の成績についてのApp Annieのレポートによれば、このゲームは3700万ダウンロードのうち1100万を占めるなどアメリカで特に好成績を収めている。日本では750万ダウンロード、イギリスでは150万ダウンロード、それ以外の世界各地のダウンロードが1700万だった。

売上ではトータル1400万ドルのうち、アメリカの消費者が800万ドルとやはり貢献が大きい。2位日本で300万ドル、イギリスが60万ドル、その他の世界各地が2400万ドルとなっている。

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別の調査会社、Sensor Towerはスーパーマリオランはモバイルゲームとして2500万ダウンロードを最速で達成したと指摘している。

Sensor Towerの推計ではマリオの売上2100万ドルとしている(12月15-18日)。ただしこうしたアナリティクス会社の推計は会社ごとに非常にばらつきが大きい

マリオの機能をアンロックするためのアプリ内課金が9.99ドル〔日本では1200円〕という高額でなければ、売上はもっと増えていただろうか? 疑問の核心はそこだ。

マリオのモバイル化は長らく待ち望まれていたとはいえ、モバイル・ゲームに10ドルという価格(しかも拡張の予定はない)は一部のファンを怒らせた。

無料では数レベルしかないこと、常時インターネットに接続していないとプレイできないこと、という2点がApp Storeのレビューに大量の1つ星が残された理由だろう。

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われわれが入手した情報によれば、リリース当日のApp Storeレビューは半分が不満を抱いたユーザーによる1つ星だったという。Sensor Towerによれば日本のユーザーの63%、アメリカのユーザーの57%が1つ星だった。こうしたレビューに共通するキーワードは「価格」だった。

appFiguresのレポートもこれを裏付けるものだ。世界のレビューの58%が1つ星(アメリカでは53%)だった。

もちろん全員がこのゲームを嫌ったわけではない。しかしappFiguresのCEO、Ariel Michaeliによれば、スーパーマリオランの評価は二極化する傾向が見られた。つまりこのゲームが大好きなグループと料金の高さと常時接続の要求に苛立ったグループに分解したようだ。

Appleではスーパーマリオランを「App Storeで最大級のヒットゲーム」と位置づけるようだが、ここでも話はこれで終わりではなさそうだ。

Michaeliが発見したところによると、Appleはスーパーマリオランのレビューが公開されるまでの時間を他のゲームに比べてはるかに長くしているという。

「当初この遅れは40時間ほどあった。通常はレビューの投稿から反映まで8時間から12時間程度だ」とMichaeliは言う。この処理時間の長さは一挙に大量のレビューが殺到することによってiTunesがクラッシュすることを恐れたAppleが過剰反応したせいらしい。昨日になると遅れは徐々に縮まり始めたが、それでもまだ30時間ぐらいあるという。

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それでもスーパーマリオランのユーザーが残すコメント数はポケモンGOに比べてかなり少ないことが判明してきた(上のグラフ参照。グレーの線がポケモンGO)。アメリカのApp Storeの場合、現時点でポケモンGOのレビューが3万247件であるのに、マリオは2万7721に留まる。

ゲームのエンゲージメントとしてマリオはポケモンGOのレベルには届いていないことを推測させる。

もちろんマリオとポケモンGOはまったくジャンルが異なるゲームだ。ポケモンGOはそれ自身が新しいジャンルを切り開き、ユーザーを現実の世界に連れ出してミニ・モンスターとバトルさせた。このゲームはiPhoneの各種センサーやカメラの機能をプレイのために最高度に活用している。それに引き換え、マリオは古典的横スクロールゲームでキャッチは片手操作ですべての操作ができるデザインだった。

ユーザーの不満と株価の下落を教訓として、任天堂はAndroid版ゲームに調整を加える―すくなくとも今後のスマートフォン・ゲームのデザインを改良するという決断をすることになるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

App Storeのアプリダウンロード数は累計1400億、今年は前年比で二倍増、なぜ?

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AppleのCEO Tim Cookが今朝(米国時間9/7)、iPhoneのプレスイベントの冒頭で、App Storeに関する短い最新ニュースを述べた。それによると、Appleのこの、アプリケーションのマーケットプレースでは、これまでにアプリのダウンロードが1400億回行われた。また、過去2か月における前年比成長率が106%だった、と述べた。成長率100%というと倍増というすごい意味だが、その原因については何も語られなかった。

でも察するに、その原因はたぶんPokémon Goだろう。アプリの異端児、これまでのモバイルゲームの中で最高の人気を獲得したアプリだ。このゲームの先月のインストール数は1億を超え、一日の売上が1000万ドルに達した。今日のAppleの発表によると、合計ダウンロード数は5億を超え、このゲームはApple Watchにもやってくる。

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Cookは付け加える、“App Storeの売上は直近のコンペティターの倍であり、その成長はグラフの作図に収まりきれないぐらい、途方もなく大きい”。

彼によると、Appleのストアはゲームのプラットホームとしても世界最大である。今App Storeには、50万のゲームがあるそうだ。

もちろん彼のこの話は、一種の予告編だ。AppleのApp Storeについに、これまでで世界最高人気の、ゲームの主人公がやってくる。それは新作ゲーム“Super Mario Run”に乗ってやってくる、任天堂のマリオだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

App Storeから追放される不良iOSアプリは数十万のオーダーになりそうだ

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【抄訳】
Appleが最近発表した、App Storeから古くて一定の基準に合わないアプリを取り除くという予告の、対象になると思われる、見捨てられたアプリは、最新のデータ(後述)によると数十万にのぼることが分かった。ただしAppleの言い方は依然抽象的で、“意図されたとおりに機能しない”、または、“現在のレビューのガイドラインに従っていない”、または、“長期間、互換性アップデートによりサポートされていない”アプリが削除される、という。

上の最後の“長期間”は、具体的にどれくらいの期間なのか。それによっても、追放されるアプリの数は変わるだろう。

でも今日(米国時間9/6)得られた数字からは、リリースされたけどその後メンテナンスされていないアプリの数が意外と多いことが分かる。

上位にいるアクティブなアプリデベロッパーは、少なくとも毎月または隔月で、自分のアプリをアップデートしている。昨年のある記事によると、上位のiOSデベロッパーはアップデートの平均間隔が45日である。小さなインディーのデベロッパーは、そこまでできないかもしれない。でも、アクティブにメンテナンスされているアプリとは、少なくとも年に一回はアップデートされ、OSやハードウェアの更新に対応している、と考えるのが妥当だろう。

しかし、多くのアプリが、そうではない。

今日、App Storeのアクティブなアプリは全世界計で210万ある。しかし、アプリのマーケターたちのためのビジネスインテリジェンス企業Adjustのデータによると、すべてのアプリの50%が2015年5月以降、放置されている。このように、App Storeの半分が追放を検討されることになれば、Appleのこのマーケットプレースの姿は大きく変わることになるかもしれない。

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時間をやや延ばして2013年以降とすると、その間にアップデートされていないアプリは全体の25.6%になる。また逆に、最近の3か月でアップデートされたアプリはわずかに20%だ。App Storeのデビュー以降一貫してメンテナンスされているアプリは、ほとんどない、と言えるのではないか。

一方、App Storeから蹴りだされることが確実と思われるアプリのグループは、iPhone 5以降の大型画面に対応するためのアップデートをやってないアプリだ。Adjustによると、全アプリの11.4%がこれに該当し、またすべてのiOSアプリの10%が、iPhone 4以降放置されている。

もうひとつのアプリインテリジェンス企業Sensor Towerによると、32万8000のiOSアプリが3年以上前からアップデートされていない。これらすべてにAppleからの通知が行っても、意外ではない。一方Sensor Towerのデータでは、過去3か月以内にアップデートされたアプリは全体の約40%だ。ただし6.5%は、iPhone 6以降をサポートしていない。

App Storeにおけるアプリの検討評価と削除の作業は、明日(米国時間9/7)始まる予定だ。iPhone 7の発表イベントと同じ日である。同社によると、立ち上げ時にクラッシュするアプリはただちに排除される。そのほかの問題アプリは、Appleからのアップデートリクエストに、デベロッパーが30日以内に応じなかったら、App Storeから取り除かれる。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleは見捨てられたアプリをApp Storeから削除する

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Apple App Storeのお掃除の時間だ。Appleは、デベロッパーたちに送ったメールで、App Storeに近く訪れる変化について語っている。今や動かないアプリや、古くなってしまったアプリは、削除される。そして、今がその時だ。

“今行っているアプリの評価過程を通じて、もはや意図したように機能しないアプリや、現在のレビューの指針に合わないアプリ、あるいは時代遅れとなったアプリを削除いたします”、とAppleは書いている。

それまでのApp Storeでは、Appleはいつも、ものすごい数字を挙げていた。何百万ものアプリをインストールできる人なんかいないから、それは宣伝臭の強い数字でもあった。しかしそれでもAppleは毎年、新しい数字を共有し続けた。2016年では、iPhoneとiPad用のiOSアプリの合計が200万ある。それらはApp Storeがローンチされた2008年以降、1300億回ダウンロードされた。

でも、これらのアプリの多くは、まったく動かなかったり、あるいは、一度もダウンロードされていない。古いバージョンのiOSの上で開発されたアプリは数億にのぼると思われるが、そのほとんどがアップデートされていない。だから、App Storeを、良いアプリを見つけやすい場所にするためにも、改良すべきだ。それによってApp Storeのアプリの数が果たして激減するか、それが気になるけどね。

検索広告や、iOS 10におけるいろんなアプリのエクステンションなど、App Storeの検索ページを汚している無意味なアプリも、Appleはすべて削除する計画だ。

Appleが掃除するのは、見捨てられたアプリだけじゃない。同社は、スパム的な名前のアプリとも戦っている。たとえばApp Storeで“Instagram”で検索すると、その最初の方の結果には“[アプリ名] Photo Collage, Picture Editor, Pic Grid, F…”等々が出る。それらはすべて、削除される。

こんなSEOテクニックによって、アプリのデベロッパーたちはApp Storeの検索を騙そうとする。“pic collage”で検索したら、やはりこれらのアプリが見つかるだろう。Appleは、名前のクリーニングをして、App Storeの検索を再び、役に立つものにしたいのだ。これからは、アプリの名前は50文字未満でなければならない。

Appleは古いアプリの見直しを9月7日に開始する。立ち上げるとクラッシュするアプリは、直ちに削除される。そのほかのアプリは、最初にAppleから通知が来る。そして30日以内にアップデートされないと、そのアプリは削除される(そのアプリを再提出してもよい)。Appleはこの件に関する説明を、FAQのページに収めている。

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Webに接続するiOSアプリは2017年1月からHTTPSの使用が絶対条件になる、デベロッパーはご注意を

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Worldwide Developers’ Conference(WWDC)のセキュリティプレゼンテーションでAppleは、App Storeのすべてのアプリが、App Transport Securityと呼ばれる重要なセキュリティ機能へ切り替えるべき締切日を、明らかにした。それは、2017年の1月からだ。

App Transport Security(ATS)は、AppleがiOSに導入した機能だ。ATSが有効になっていると、Webサービスに接続するアプリはHTTPでなくHTTPSを使わなければならない。HTTPSは通信を暗号化するので、ユーザーのデータが盗聴などに対し安全になる。

HTTPSの”S”はsecure(安全)の頭文字で、銀行やメールのアカウントにログインするときブラウザー上で目にするだろう。しかしモバイルアプリが行うWeb接続は、セキュリティ関連の情報をユーザーに開示しない場合が多い。その接続がHTTPなのかHTTPSなのか、ユーザーが判別するのも難しい。

ATSは、iOS 9からデフォルトでは有効になっているが、デベロッパーが自分のアプリの中でそれを無効にできる。するとそのアプリは、HTTPでWebに接続する。でも、それができるのも今年の終わりまでだ。技術用語的に言うとATSはTLS v 1.2を必要とし、メディアストリーミングのようなすでに暗号化されているバルクデータを例外とする。

2016年の終わりには、App Storeに提出されるすべてのアプリで、ATSの有効化が必須になる。これまで不安だったデベロッパーも、締め切りが明示されたのでやりやすいだろう。またユーザーは、iPhoneとiPadのすべてのアプリが安全な接続になると知って、安心できるだろう。

デベロッパーにHTTPSを要求することになったAppleは、オンラインのデータを安全にしようとする大きな運動に加わることになる。セキュアなプロトコルはログインページでは一般化しているが、そのほかの接続ではまだHTTPのところが多い。しかしそれも今は、徐々に変わりつつある。Wired誌に、その過程をドキュメントした良い記事がある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、App Storeのレビュー・ガイドラインを改訂。定期購読のルールは明確化されず

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Apple毎年恒例のデベロッパーカンファレンス、WWDCの数あるニュースリリースの一環として、AppleはApp Storeレビュー・ガイドラインを改訂した ― App Storeに申請するアプリが受理されるか却下されるかを事前に判断するために、デベロッパーが利用する文書。Appleの説明によると、ガイドライン内容そのものに変更はなく、「よりわかりやすく」書き、「状況に応じた説明」が加えられたという。残念ながら、定期購読でアプリを収益化する機能の拡大等、新しいApp Storeのルールに関する追加説明は入っていない。

もう一つ注目すべきは、AppleがiOSとMacのApp Storeガイドラインを一本化したことだ。

後者の変更は、Appleがプラットフォームを扱う全体戦略を象徴している。iOS、macOS、tvOS、およびwatchOSが同じ傘の下に統合され、個別の規約文書が必要になるような特異性をなくそうとしている。また、従来のMac AppガイドラインとApp Storeカイドラインを統合することも、規則に多くこ重複があることを考えれば理にかなっている。

改訂された文書で、AppleはMac App Storeアプリ(2.4.5)の専用セクションを設け、アプリがMacとどのように協調して動くか、何をしてよいか、更新、保守が必要なのは何かを説明している。

Screen Shot 2016-06-14 at 11.22.09 AM奇妙なことに、Appleはこの新しいガイドラインの別バージョンを、コミック本形式でも公開しており、その反響は様々だ。

しかし、全体的に見て2つの文書に大きな違いはないというAppleの説明は正しい。規則そのもの ― プライバシー、スパム、ポルノ、その他の有害コンテンツ、暴力、誘拐、メタデータ、支払い、等々に焦点を合わせている ― は同じだ。

定期購読はまだ改訂が必要

ガイドラインには、定期購読を利用するアプリのための、長い専用セクションがあり、注目に値する。

これはAppleがデベロッパーの定期購読で利用できる機能を拡張するという最近のニュースを受けたもので、単なるアプリ内購入や有料ダウンロード以外に、アプリを収益化する一手段として定期購読を使えるようになる。しかしAppleは定期購読の利用方法に関する新ルールを明確に説明する改訂を行っていないため、現在多くのデベロッパーが混乱している。

Appleは、「今秋から適用予定の定期購読の規約変更に合わせて、数週間のうちにこのガイドラインを改訂する予定」とだけ言っている。

言い換えれば、自分たちの定期購読ベースのアプリが受理されるかどうかを判断するためにガイドラインを見ているデベロッパーたちは、まだ待たなくてはならないということだ。

定期購読がApp Storeで使えるようになってからしばらくたつが、利用できる分野は、雑誌、ビジネスアプリ、メディアプル等限られていた。今や人気の高いこのビジネスモデルをより多くのデベロッパーに開放することは、App Storeの売上を促進し、デベロッパーの利益拡大も後押しするかもしれない。

しかしこのニュースは、喜びより、混乱をもって受け止められている。

Appleは、定期購読があらゆるアプリで利用できるようになると言っているが、同社の “What’s News in Subscriptions” ページを見ると、何が許可されるかについて大きな落とし穴が待っている。「全カテゴリーのアプリが対象になるが、このビジネスモデルはどのアプリにでも適しているわけではない」。

例えばデベロッパーは、アプリ保守の資金を集める方法として定期購読を利用できるのかどうか確証がない ― Appleが定期購読に適した事例として提供した、「クラウドストレージや多人数オンラインゲーム(MMOG)のような継続的サービス」では必ずしもないため。もしこれが許されれば、放棄アプリの問題解決に期待がもてる。Appleは、App Storeのアプリが200万本に達したと言ったが、その多くはデベロッパーに時間と金がないために、更新されていない。

Appleは明らかに、ユーザーの利益にならない形で定期購読を使用するアプリがApp Storeに溢れることを望んでおらず、同社の考える正しい方法で定期購読を使わないアプリを受理または拒否する手段を持とうとしている。しかし、デベロッパーの今の混乱は、そもそも定期購読ベースのアプリを作ろうとしないことを意味している。なぜなら、拒否されるかどうかわからないからだ。

願わくば、Appleがこの後「定期購読」セクションの文言をまとめる際に、こうした懸念について考慮してくれることを期待したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleのApp Store、アプリ数200万本、総ダウンロード数1300億回、デベロッパーへの支払い総額は500億ドルに

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今日(米国時間6/13)午前に行われたAppleのWWDCイベントで、CEO Tim Cookは同社のApp Storeとデベロッパーコミュニティー全般の著しい成長について聴衆に語った。今日、App Storeは新たなマイルストーンに達した。アプリ数が200万本を超えた ― 昨年この時期に発表した時は150万本だった。そしてこれらのアプリは計1300億回ダウンロードされた。

昨年のWWDCでAppleは、アプリが1000億回ダウンロードされ、デベロッパーには300億ドル支払ったと言っていた。後者の数字も伸びていて、500億ドル近くになったとCookは言った。

8歳になったApp Storeは年々大きく伸び続けているが、多くのデベロッパーがアプリ開発を利益の出るビジネスにすることに苦闘している。アプリ発見の難しさは一つの課題だ ― そしてそれはAppleがWWDCの直前に発表したApp Storeの改訂で対処しようとしていることだ。改訂にはいくつかの変更が含まれ、検索広告もその一つだ。

Appleは、今回の変更は消費者が新しいアプリを探してインストールする刺激になると信じている。しかし、うまくいくかどうかはわからない ― 人々が定常的に使うアプリの数は限られていて、新しいものを探し続けさせるのは難しい。

それでもAppleは、デベロッパーコミュニティに大きく賭けている。それがAppleの未来の鍵を握っているからだ。Cookによるとこのコミュニティーは今でも伸びている ― 1300万の登録デベロッパーがいて、昨年だけで200万人増えた。

満員札止めのWWDCでは、参加者の70%が初めての参加だったとCookは言った。そして100人が18歳以下。「最年少はなんと9歳。ワォ」とCookは言い、彼女は「すごいデベロッパーになる」と付け加えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、App Storeをアップデートへ―審査を高速化、検索広告と開発者取り分85%プラン等を導入

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恒例のWWDCカンファレンスの開催を控えて、AppleはApp Storeにおける一連のアップデートを発表した。Appleはこれらの変更がデベロッパー、消費者の双方に利益をもたらすと期待している。

ワールドワイドマーケティング担当上級副社長で、昨年11月にApp Storeの担当になったフィル・シラーは、登録申請から公開までの時間短縮、Appleと開発者の取り分の見直し、アプリの発見などを改良したと述べた。アプリの発見についてはApp Storeに検索広告が導入されることになったのが注目される。

今回のアップデートについては「遅すぎた」との批判が多く出そうだ。デベロッパーは開発したアプリをApp Storeに登録させるにも、ユーザーに気づかせるにも、ダウンロードしてインストールさせるのにも長年苦労してきた。実際、消費者は新しいアプリを試すのに飽きてきたようだ。大半のユーザーはここ1月以内に一つもアプリをダウンロードしていないという調査も発表されている。

新しいを獲得し、引き止めることがますます難しくなりつつあるモバイル・アプリの世界で、 App Storeは心機一転したフレッシュな外観の下で適切なアプリと適切なユーザーを引き合わせ、デベロッパーの収入を最大化することに努力しようとしている。

アプリの審査

AppleはまずApp Storeのアプリ審査のプロセスを改良した。これまで受付から公開まで5日かかっていた。アプリが関係法律を順守しており、消費者がインストールしても安全であるなど、Appleの定めたガイドラインに添っているかを確認するためにそれだけかかっていたわけだ。しかし、シラーがThe Loopのインタビューで述べたところによると、最近、公開までにわずか1日しかかからなかったアプリが多数あった。

シラーによれば、Appleは毎週10万本のアプリを審査しているが、このプロセスを高速化する方法を発見したという。Appleは現在安定的に50%のアプリを24時間で審査し、90%を48時間で審査できる。

これまでApp Storeに対してGoogle Playはアプリの審査時間が短いという大きな優位性があった。これはGoogleがアプリの審査過程の大部分をアルゴリズムで処理していたためだ(最近、Googleは人力による審査も加えたが、これは全体的な処理スピードには影響していないもようだ)。

サブスクリプションに85/15の取り分比率

またAppleはビジネスモデルにも改良を加え、売上をサブスクリプションに依存するデベロッパー向けに新しい取り分比率を導入した。現在Appleは伝統的な70/30の配分率を採用している。デベロッパーが70%を得るという配分率は、アプリが主として売り切りだった時代に確立された。しかし時代は変わった。

今回の変更で、サブスクリプションの場合、1年めは従来通り70/30だが、2年目以降は85/15の分配率となる。これはゲームだけでなく、App Storeで公開されるあらゆるジャンルのアプリに適用される。

Appleによれば、サブスクリプションの認定を受けるためには次のような条件がある。つまりアプリが定期的にアップデートされるかコンテンツが配信されなければならない。あるいはクラウド・ストレージや多人数ゲーム(MMOG)のようにアプリ内から既存の有料サービスにアクセスできる必要があるということだ。

Appleは現在すでにユーザーが1年以上にわたって利用しているサブスクリプション・ベースのアプリは上記の新しい配分率が適用され、売上の85%をを受け取る資格があるとしている。この変更は次の月曜日、6月13日から適用される。

デベロッパーはまた地域別に異なる料金を設定したり、新規ユーザーに対するサブスクリプション料金をアップしたりすることもできるようになった。新システムはユーザーにとってもアップグレード、ダウングレードなどがしやすくなっているという。

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Above: App Store search ads (via The Loop)

アプリの発見と広告

最後に、今回のアップデートでいちばん影響の大きい点だろうが、アプリの発見についてもAppleは大きな変更を行った。

多くのデベロッパーはApp Storeはアプリが発見しにくいという問題に長年つきまとわれてきたと考えている。

Appleはこの秋、 App Storeのおすすめ(Featured)セクションを全面的にアップデートし、ユーザーがすでにインストールしているアプリは表示されないようにするなどの変更を予定している(Appleは今月、同様の改良をApple TVでも実験したが、この場合はトップ・チャートに影響が出てしまった)。

Appleはまた「カテゴリー」のタブを復活させる。ユーザーはApp Storeのナビゲーションがしやすくなるはずだ。また圧力を感知する3D Touch機能が利用できるデバイスの場合、友達とアプリ情報を共有できる。iOSデバイスのホーム画面でアイコンを押すとソーシャルネットワークでの共有が可能になる。Appleは便利な割に利用されていない3D Touchのショートカット機能をプロモーションしようとしているようだ。

現在App Storeは木曜日ごとにアップデートされているが、AppleがiMoreで述べたところでは今後は更新の頻度が増える。

ビジネスモデル上の最大の変化は、App Storeにおける検索広告の導入だろう。ユーザーが名称ないしキーワードでアプリを検索する際に広告が表示され、デベロッパーは掲載料金についてオークションで入札することができるようになる。これはGoogleのAdWords広告と似た仕組みだ。

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App Storeに150万ものアプリが登録されるようになり、アプリの発見に関して検索はますます重要性を高めている。Appleによれば、App Storeでダウンロードされたアプリの65%は検索を発端としている。

App Storeの検索広告は、検索1回について1件だけ表示されるとAppleでは強調している。また広告は検索結果一般とはっきり区別できるよう表示される(青地にAdのアイコンが付される)。表示内容はApp Storeに登録された内容そのものとなる。どのユーザーが広告をクリックしたかなどのデータはデベロッパーには知らされない。デベロッパーは広告のパフォーマンスに関するレポートは受け取るが、ユーザー情報を受取ることはできない。またAppleが不適当と認めた場合、広告は13歳以下のユーザーに対しては表示されないとシラーはThe Loopに語った。

検索広告の料金は最低料率や独占的契約を排除した純然たるオークション・システムで決定される。これは大手デベロッパーが広告で独占的な地位を占めるのを防ぎ、小規模なデベロッパーにも広告を利用しやすくするためだ。

検索広告は来週月曜日にまずアメリカ市場にベータ版として導入される。全世界に拡大されるのはこの秋になる予定。

今回のアップデートは単にiOSだけでなくAppleが運営するすべてApp Storeが対象となる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+