iPhoneやApple Watchでベイエリアの公共交通機関支払いが可能に

ベイエリアの人々に朗報だ。Apple PayがClipperカードに対応した。

つまり、iPhoneやApple Watchを使ってサンフランシスコ・ベイエリア高速鉄道やMuni、Caltrainやフェリーの料金を支払えるようになる。あるいは(ほとんどの)他の交通関連の支払いにも、プラスチック製のClipperカードを使うことができる。

ClipperのページにはApple Payの設定方法が説明されている。

ただし、簡単だが重要な注意点がいくつかある。

  • 既存のClipperカードをApple Walletに追加すると、そのカードから料金が支払われる。Clipperによると、カードを追加した時点で「プラスチック製カードは無効化される」ため、物理的なバックアップカードとしては機能しないようだ。
  • しかし、プラスチックカードを使い続けたいと思う人もいるだろう。Clipperによると、ベイエリアの自転車シェアリングの利用者やRTC割引カードを利用している人は、無効化された後もプラスチックカードを保管しておく必要がある。
  • Clipperは以前、Google Pay(Android)のサポートを「2021年春」に開始することを認めたが、米国時間4月15日からはApple Payのみに対応するようだ。

2021年2月にこの機能の実装が確認されたときに述べたように、ClipperはAppleの「Express Transit」機能に対応している。つまりスマートフォンのPINを入力したり、Face IDを使用せずに、デジタルのClipperカードをタップして支払うことができる。一部の新しいiPhoneでは、バッテリーが切れても数時間はClipperカードを使い続けることができる。いざというときにはとても便利だが、定期的に頼りたいものではないだろう。

カテゴリー:モビリティ
タグ:AppleApple PayClipperサンフランシスコ

画像クレジット:Apple

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(文:Greg Kumparak、翻訳:塚本直樹 / Twitter

アマゾンの最新Echo Buds 2は恥知らずなアップルの模造品

これがAmazon(アマゾン)の最新ハードウェア製品で、デザインを一新したAlexa(アレクサ)のワイヤレスイヤフォンだ。TechCrunchはこの発表を取り上げ、スペックと機能を紹介した。もちろん動作も問題ないだろうが、そのケースのデザインはApple(アップル)のAirPod Proをそっくり真似ている。

これはただの怠慢だ。

アマゾンは長い間、他の製品の類似品、模倣品、クローンを販売し宣伝してきた。同様に、アマゾンは同じ行為をしたとしてサードパーティーの販売業者を訴えている。同社はまた、企業に投資し後にその製品のクローンを作ったとして非難されている。2020年にJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)CEOは議会の公聴会でこの件について証言したが、同社がこのプロセスを終わらせる保証はない。多くの場合、アマゾンがコピーする製品は同社のような巨大企業と戦うためのリソースを持たない、小さなスタートアップのプロダクトだ。

関連記事:アマゾンのAlexaイヤフォンの新モデルEcho Buds2はさらに小型化、ワイヤレス充電対応

2021年3月、カリフォルニアに拠点を置くPeak Design(ピークデザイン)は、アマゾンがピークデザインのトップ製品の1つを堂々とコピーしたことをYouTubeで抗議した。同社が指摘しているように、アマゾンのコピー商品は低品質な素材で作られた安価な模造品であり、ピークデザインのように倫理的な製造方法を採用していない。動画は瞬く間に拡散し450万回以上視聴され、アマゾンのいかがわしい慣行を浮き彫りにした。

最新のEcho Budsでは、アマゾンは小さなスタートアップではなく、マーケットリーダーをコピーした。要約すると、1兆ドル(約110兆円)以上の企業価値を持つ同社が2兆ドル(約220億円)の企業価値を持つアップルのベストセラー製品と、本質的に同じように見える製品をリリースしたということだ。

Echo Budsはアップルの250ドル(約2万7000円)のAirPod Proよりもずっと安い。標準のEcho Budsは100ドル(約1万1000円)、ワイヤレス充電機能つきのEcho Budsは120ドル(約1万3000円)だ。アマゾンがコピーしたのは、どこにでもあるAirPod Proケースだけだ。

ここでは消費者が敗者となる。多くの国よりも多くの資源を持っているため、アマゾンは世界レベルの製品を生産することができるが、ライバルの市場をリードする製品をコピーすることにした。結局のところトレンドを作るよりも、トレンドを追う方が簡単(かつ安価)なのだ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AmazonAppleAirPodsヘッドフォン

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(文:Matt Burns、翻訳:塚本直樹 / Twitter

アップルの次回イベント「Spring Loaded」は4月20日開催

2週間前に、Apple(アップル)はWWDCに関する情報を公開したばかりだが、同社はまた別のイベントを発表した。米国時間4月13日朝、Siriが秘密を漏らしたのに続き、アップルは次回イベントを4月20日に行うことを正式に発表した。今回のイベント「Spring Loaded」の招待状には、iPadで描かれた落書きのようなものが添えられている。

また、イベントがクパチーノのApple Parkで開催されるというSiriの話は真実だった。2021年になった今でも、すべてはオンラインで実施される。つまり、ドローンで撮影され編集された宇宙船のようなアップル本社を拝むことになる。

製品の観点から見た場合、あらゆる兆候が新型iPadの登場を示唆しているようだ。具体的には、アップルはMini LEDや改良されたカメラ、高速プロセッサーを搭載した12.9インチモデルのiPad Proをリリースすると噂されている。しかし、供給面での制約が続くと問題が生じるかもしれない。

もう1つの長年にわたる噂は、AirTagsの登場だ。アップルはFind My(探す)機能を大幅に改善し、その土台を作ったばかりだ。同社はこのアプリを他社に開放するとともに、この技術を採用したサードパーティー製ハードウェアを多数発表した。その中には、アップルに先駆けてFind My技術を採用したChipolo ONE Spotも含まれている。

イベントは太平洋時間の午前10時(日本時間4月21日午前2時)から始まる。(バーチャルな)会場でお会いしよう。

関連記事:アップルのWWDC 2021は6月7日に開催、今年もオンラインのみ

カテゴリー:イベント情報
タグ:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

アップルとグーグルがアプリストアの競争に関する米上院公聴会に出席

姿を見せない思われていたApple(アップル)が、2021年4月末に行われる同社アプリストアの独占禁止をめぐる上院の聴聞会に代理人を送ることを約束した。

先に上院議員のAmy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)氏(民主党・ミネソタ州)とMike Lee(マイク・リー)氏(共和党・ユタ州)はAppleに圧力をかけた。クロブシャー氏はこの小委員会の議長を務めており、テクノロジー業界で最も支配的な企業に対する独占禁止法上の懸念に焦点を当てている。

Google(グーグル)も出席するその聴聞会では、AppleとGoogleによる「消費者とアプリの開発者と競争に及ぼす、モバイルアプリケーションのコストと配布と可用性に関するコントロール」を徹底的に掘り下げられる。

アプリストアはテクノロジー業界において、二社による複占の嫌疑を最もかけられている部分だ。その疑いは、FortniteのメーカーであるEpic Gamesに対するAppleの高飛車な法定闘争で一層深まった。しかし一方ではテクノロジー大手に対する州レベルの規制もいくつか芽生えており、アリゾナでは、AppleとGoogleによるアプリストアの利益の簒奪から開発者を護る方策が模索されている

関連記事:フォートナイトをApp Storeに戻すように求めるEpicの要求をカリフォルニア州判事が却下

先週の書簡で、クロブシャー氏と小委員会の有料メンバーであるリー氏は、Appleが4月21日に行われる公聴会に証人を送らないと決めたことを「唐突」に非難した。

「Appleが突然方針を変えて、4月に行われるアプリストアの競争の問題に関する小委員会で、証人の提供を拒否したことは、同社が他の公共の場では明らかにそれらの問題を議論する意思を示しているだけに、容認できない」と議員たちは述べている。

4月12日には、この圧力が効果を表したようで、Appleは公聴会への出席に合意した。この件に関して、Appleはコメントの求めに応じなかった。

議員たちはAppleの応諾を勝利に数えたが、同社CEOが出席するとは限らない。テクノロジー大手のCEOたちが議会に呼ばれる機会はここ数年増えているが、そこから得られる成果はむしろ減っているかもしれない。

テクノロジー企業のCEOたちは、AppleのTim Cook(ティム・クック)氏も含めて、議員から圧力を受けたときには実のあることを何も言わない術を学習している。CEOを引っ張り出すことは権力の誇示にはなるかもしれないが、テクノロジー業界の役員たちは一般的に、その長い証言の過程でほとんど何も明かさない。ヒアリングに本格的な取り調べが並行していない場合には、特にそうだ。

関連記事:アップルがApp Storeの反トラスト訴訟でEpicの秘密プロジェクトを告発、Epicは独占を批判

カテゴリー:その他
タグ:AppleApp StoreGoogle独占禁止法アプリGoogle Play

画像クレジット:Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップルが「Apple TV+HomePodのハイブリッド製品」と「iPad風スマートディスプレイ」を開発か

Bloomberg(ブルームバーグ)によると、Apple(アップル)はApple TVとスマートスピーカーの融合や、ビデオチャット用に統合されたカメラなど、スマートホーム分野への新たな参入に向けたいくつかの新しいオプションに取り組んでいるという。また同社は、HomePodとiPadを組み合わせ、Amazon(アマゾン)のEcho ShowやGoogle(グーグル)のNest Hubに似た機能を提供するスマートスピーカーにも取り組んでいるという。

Apple TVとHomePodのハイブリッド製品はテレビに接続して映像を出力し、現在のApple TVと同様に動画配信やゲームサービスが利用でき、スピーカーは音声出力、音楽再生、Siriとの統合に利用される。また、テレビでビデオ会議アプリを利用するためのカメラも内蔵されるという。

第2のデバイスは市販されているスマートディスプレイに似ており、iPadのようなスクリーンで統合されたビジュアルを提供する。ブルームバーグによると、このプロジェクトではiPadをロボットアームに接続し、動き回るユーザーに合わせてiPadを移動させ、ビデオチャット中もフレーム内に収めることができるという。

ブルームバーグはこれらの製品のリリース時期を明示しておらず、まだ開発段階のようだ。つまりアップルの決断次第では、これらの計画が簡単に断念されるかもしれない。アップルは最近、2018年に発売した300ドル(約3万3000円)のスマートスピーカーHomePodの販売を終了した。

関連記事:Appleが初代HomePodの販売を終了、好評のminiに注力

Apple TVが2021年中に刷新されるという噂が飛び交っており、これではプロセッサーが高速化されリモコンもアップデートされるはずだ。最新のテレビで利用可能な120Hzの高速なリフレッシュレートのサポートなど、他のハードウェアの改善の可能性もある。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleApple TViPadスマートディスプレイスマートスピーカーHomePod

画像クレジット:Apple

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

【コラム】頻繁に耳にする「巨大テック解体論」はまちがっている

本稿の著者T. Alexander Puutio(T・アレクサンダー・プーティオ)氏はレナード・N・スターン・スクールの非常勤教授であり、トゥルク大学での研究をAI、技術、国際貿易、開発の相互作用に捧げている。本稿で表現された意見はすべて彼のものだ。

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Big Tech(ビッグテック、巨大テック企業)との蜜月時代は、表向きは終わったと言ってもよさそうだ。

疑わしいデータ処理手続き、恣意的なコンテンツ管理ポリシー、明白な反競争的慣行が長年にわたり続いてきたのだ。ここで少し立ち止まってビッグテック業界との関係を考え直すのは当然のことだろう。

残念なことに、ビッグテックの解体を求める声をはじめとする、大方の注目を集めている意見のほとんどは、健全な経済学的思考というより、報復的な妄想から生まれている。

我々は、扇動的で成功の見込みが限りなく低い計画やゼロサム的解決策を追いかけるのではなく、スタートアップや競合他社独自のデジタル市場にとって公平な競争の機会を設け、ビッグテックが規模の拡大と同時により優れた企業に成長していくよう取り組むべきだ。

関連記事:EU競争政策担当委員の提言「巨大ハイテク企業を分割してはいけない、データアクセスを規制せよ」

大方の注目を集めている意見のほとんどは、健全な経済学的思考というより、報復的な妄想から生まれている。

20世紀の議員たちが、産業の寵児から停滞をまねく破壊的勢力へと変貌した鉄道独占企業をどのように抑制したかを見れば、その取り組みのヒントが得られるだろう。

問題は変わらない

100年以上前、急速に工業化が進む米国は、テクノロジーディスラプション(創造的破壊)がもたらした想定外の事態に直面していた。どこかで聞いたことがあるような話だ。

本格的な蒸気機関車が初めて登場したのは1804年だが、より強力で貨物に適した米国式の蒸気機関車が導入されたのは1868年になってからだ。

効率性が高く貨物に適した機関車は、野火のように急速に広がり、やがて鋼と鉄が山を貫き、ほとばしる川を飛び越えて、全米各地を結び付けた。

すぐに鉄道の走行距離は3倍になり、全都市間交通の実に77%、旅客事業の98%で鉄道が利用されるようになった。これにより、コスト効率のよい大陸横断旅行の時代が到来し、国全体の景気に大きな変化が訪れた。

画期的な技術の黎明期にはよく見られることだが、成功の初期段階には大きな人的損失がともなうものだ。

鉄道業界では当初から虐待や搾取が横行し、例年、労働者の3%近くが負傷したり死亡したりしていた。

やがて鉄道信託の所有者は、世間から広く非難を浴びる実業家グループの大部分を占めるようになり、いわゆる「悪徳資本家」と呼ばれるようになった。そして、そのような企業は行く手にあるものすべてを搾取し、競合他社、特に新規参入者を困窮させた。

鉄道会社の経営者たちは、慎重に構築されたウォールドガーデン(顧客の大規模な囲い込み)を維持することで自らの利益を確保し、強要や排除といったあらゆる手段を使って競合他社を破産に追い込んでいった。

鉄道の所有者から見れば、こうした方法は大成功を収めたが、競争が阻害され、消費者重視の視点が完全に欠落した世間には停滞ムードがただよった。

歴史は繰り返す

人間は過去の経験から学ぶことが苦手なようだ。

実際、ハイテク産業に対して我々が抱く懸念のほとんどは、20世紀の米国人が鉄道信託に対して抱いていた反対感情と同じである。

当時の悪徳資本家と同じように、Alphabet(アルファベット)、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)などは、競合他社やスタートアップが入る余地をほとんど残さず、取引の大動脈を支配するようになった。

ビッグテックは2桁のプラットフォーム料金を導入し、決済プロトコルに厳しい制限を設け、独自のデータやAPIを専有することで、人工的な参入障壁を築き、競合他社がビッグテックの成功を事実上まねできないようにした。

ここ数年、大手テクノロジー企業はAmazonBasics(Aamzonベーシック)のようなプライベートブランドを提供することで、サードパーティーソリューションのカニバリゼーション(共食い)に取り組んできた。その結果、ビッグテックの顧客は、プラットフォーム所有者に競争力を弱められ、完全に先手を打たれていることに気づくことになった。

以上を踏まえると、米国におけるテック系スタートアップの創業ペースが何年も前から低下しているのは当然の流れだ。

実際、Albert Wenger(アルバート・ウェンガー)氏のようなVC界のベテランたちは、ビッグテック周辺にある「キルゾーン」に注意するよう呼びかけており、もし我々が大規模なハイテク複合企業の競争的周辺部を再活性化する方向に向かっているなら、早急に何らかの手を打つが必要がある、と警告している。

ビッグテック解体論を止めるべき理由

20世紀に独占的な鉄道信託を管理するために策定された戦略から、ビッグテックに対処する上で役立つ教訓を読み取ることができる。

戦略の第1段階として、議会は1887年に州際通商委員会(ICC)を設立し、合理的かつ公正な価格で専用鉄道網を利用できるように管理する任務をICCに与えた。

しかし、ICCの活動は政党主導であったため、ICCにはほとんど権限が与えられなかった。1906年に輸送機能と貨物の所有権を分離するヘボン法が議会で可決され、本当の意味での進展がようやく見られるようになった。

議会は、独自のプラットフォームで私的金融取引や二重取りを行うことを禁止し、既存の競合他社と新規参入企業の両方が同じ条件でプラットフォームを利用できるようにした。つまり、複雑に絡み合って抜け出せなかった搾取的な慣行が排除され、現在の米国の繁栄を支える根幹が形成されたのだ。

これは、鉄道信託を細かく解体するだけでは決して実現できなかったことだ。

実際のところ、プラットフォームやネットワークは大きい方が関係者全員にとって有利だ。大きい方がより高いネットワーク効果を得られるし、小規模なプラットフォームを凌駕するその他の要因もいくつかある。

最も重要なことは、アクセスと相互運用性のルールを適切に設定すれば、より大規模なプラットフォームでより幅広いスタートアップやサードパーティを支えられるようになるため、経済のパイの縮小ではなく拡大が可能になるということだ。

デジタル市場をスタートアップの味方につける

パンデミック後の経済活動では、テックプラットフォームを縮小するのではなく、規模の拡大に合わせて優れたプラットフォームに成長させることに注目すべきだ。

第1段階で必要なことは、スタートアップと競合他社が公正な条件と適正価格でこれらのプラットフォームにアクセスできるようにすることだ。

現在、政策立案者が実施できる具体的な措置は他にも多数ある。例えば、データ可搬性に関するルールの書き換え、プラットフォーム間のより広範な標準化と相互運用性の推進、ネットの中立性の再導入は、今日の業界の問題に対処するのに大いに役立つだろう。

Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領が最近、連邦取引委員会(FTC)の次期委員として、「アマゾンを反トラストだと主張する急先鋒」 Lina Khan(リナ・カーン)氏を指名したことで、こうした変化が実現する可能性は突如として高まった。

最終的には我々全員が、巨人の肩の上に立ち(先人たちの知恵を借りながら)、巨人が作ったプラットフォームの上で力強く成長するさまざまなスタートアップや競合他社から恩恵を享受できるようになるだろう。

カテゴリー:その他
タグ:AlphabetAmazonAppleFacebookTwitterGoogleコラム

画像クレジット:Martin Poole / Getty Images

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(文:T. Alexander Puutio、翻訳:Dragonfly)

アップルがApp Storeの反トラスト訴訟でEpicの秘密プロジェクトを告発、Epicは独占を批判

Epic Games(エピックゲームス)対Apple(アップル)の後者による独占的慣行を巡る裁判は2021年5月に始まり、4月8日に両者の主張が発表された。裁判所の意向により一部削除されている。基本的事実の合意を踏まえ、両者はそれぞれの解釈について争う、そのために両CEOが(バーチャル)証言台に立つ可能性は高い。

先にTechCrunchでも報じたように、Epicの主張の論旨は、Appleのアプリ市場支配と30%の手数料が反競争的行動であり、反トラスト法で規制されるべきだというものだ。同社は、自社のゲーム内通貨ストアを人気のゲーム「Fortnite(フォートナイト)」に忍び込ませてAppleの支払い方法を回避するという、不法行為とされる行動で反逆した。CEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は後日、うかつにもこれを悪法に抵抗する公民権運動になぞらえた。

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Appleは市場独占の訴えを否定し、同社が自身のApp Storeだけでなく、市場全体で膨大な競争に直面していることを主張した。そして手数料の割合に関しては、ある程度調整の余地はあるだろうが(Appleは2020年を通じて批判を浴びたあと、デベロッパーの最初に100万ダウンロードについて取り分を15%に引き下げた)違法である可能性は低い。

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一方Appleは、反トラストの申立て自体も、関連した言いがかりも、Epicの人目を引くための宣伝行動にすぎないと主張した。

実際Epicは、訴訟を提起した時点で広報戦略の準備をすべて整えており、訴状には「Project Liberty」 と呼ばれる長期的社内プログラムがあった(Appleは下落しているFortniteの売上を強化するため、としている)。EpicはPR会社に30万ドル(約3300万円)ほどを払い「アプリ公正性のための連合」を通じたAppleとGoogleに対する複数企業による告発キャンペーンを含む「2フェーズのコミュニケーション計画」を指示したと見られている。

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Project LibertyはAppleの訴状の中で1つの節全体を占めており、Epic Gamesとスウィーニー氏による「Googleを(おそらくAppleも)反トラストを巡る法廷闘争に引き込む」計画が詳しく述べられており、内部のメールによると、決済システムを回避してアプリストアから追放されることをきっかけにしようとしていた。EpicはProject Libertyにはわずか1段落でのみ言及し、プロジェクトを秘密にしていた理由を「Epicは、AppleにFortnite Version 13.40を拒否されることなく、これを公表することが不可能だった」ためだと説明した。つまりそれは違法な決済システムが組み込まれたバージョンだったという意味だ。およそ説得力のない反論だ。

果たしてAppleの手数料は高すぎるのか、また果たしてEpicはFortniteの儲かる期間を伸ばすためにこれをやっているのか。裁判は反トラスト法と方針に基づいて裁定されるが、その点でこの裁判はAppleにとってさほど恐ろしいものには思えない。

双方の法的議論と事実の概要は数百ページにわたるが、要点はEpic Gamesの訴状の最初の一文に十分要約されている。「本訴訟はAppleによる同社iOSエコシステム内の2つの市場における市場独占を告発するものである」。

具体的には、Appleが自ら作り当初から管理し、デジタル配信およびゲーム分野においてあらゆる競合相手から明確に非難されているそのエコシステムの上で、Appleが支配者であると言えるのかどうかを争う裁判だ。

しかし、一介の記者の意見などあまり役に立たない。だから裁判が行われるのであり、2021年5月に予定されている。示すべき根拠はたくさんある。Epic Gamesの主張の説明は、Appleの反論と同じくらい正確でなくてはならない。その意味でも、Apple CEOのTim Cook(ティム・クック)氏、Epic CEOのティム・スウィーニー氏、Appleの元マーケティング責任者でおなじみの顔Phil Schiller(フィル・シラー)氏らによるライブ証言が楽しみだ。

証言と質問のタイミングと内容は後日までわからないが、聞くに値する興味深いやり取りがあることは間違いない。裁判は5月3日に始まり、約3週間続く。

これに関連して他にもいくつか裁判が進行中であり、AppleがEpicを契約違反で訴えている対抗訴訟もその1つだ。多くの訴訟がこの主要な訴訟の結果に全面依存している。すなわち、もしAppleの契約条件が違法であれば、契約違反そのものが成立しない。そうでなければ、Epicが自ら規則違反を十分認めていることから裁判は事実上終わっている。

双方が提出した「事実認定案」の全文はこちらで読むことができる

関連記事:アップルがEpicをApp Storeの契約違反で反訴、Epicは立証責任を果たせるか

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Epic GamesApple独占禁止法App StoreFortnite裁判

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルの「Find My(探す)」がサードパーティーの電動自転車とイヤフォンをサポート

TechCrunchは米国時間4月6日、Apple(アップル)が新しいアプリ「Find My Certification Asst.」の提供を開始したと報じた。サードパーティーのハードウェアのサポートをテストするためのアプリだ。もちろんFind MyはiPhoneやAirPods、MacなどAppleのハードウェアで長年使われてきた。しかし前回のWWDCで同社は、この機能をサードパーティーメーカーにも開放する計画を発表していた。

関連記事:アップルが「Find My(探す)」対応アクセサリのテスト用アプリを公開、互換性のある他社製アクセサリーも対応

そして米国時間4月7日、AppleはFind My Network Accessoryプログラムを正式に発表し、新しいMade for iPhone (MFi)関連サービスを利用できるひと握りのハードウェアを明らかにした。ユーザーはAppleのFind Myアプリ経由で起き忘れたデバイスの場所を特定できる。

画像クレジット:Apple

リストのトップにはVanMoof(ヴァンムーフ)の電動自転車2種がある。S3とX3はトラッキング機能を擁するようになり、クロスバーの底面には「Locate with Apple Find My」のロゴがくる。一方、Belkin(ベルキン)のSoundform Freedomイヤフォンもこの機能でAppleのiPodsの仲間となるが、Chipolo ONE Spotは長らく噂されているAirTagsの機先を制するようだ。

関連記事:アップルが未発表の忘れ物防止タグ「AirTags」の存在をうっかり証明してしまう

Appleによると、新しいプロダクトは来週から展開される。解説文書には、Appleが考える多くのさまざまなプライバシー懸念とともに、企業が順守しないければならない仕様がある。興味深いことに、前提条件の1つはこの機能を使うためにデバイスは音を出せる必要があることだ。ヘッドフォンのようなものにとってはどうということはないが、電動自転車のようなものはこの目的のために音を出す必要があることを意味する。

チップメーカー向けのドラフト仕様書は春にリリースされる予定で、企業はU1チップを搭載するAppleデバイスのウルトラ・ワイドバンド(超広帯域無線通信)を利用できる。数ある潜在的メリットの中でも、方向追跡は特に向上するはずだ。承認されたプロダクトは前述の「Works with Apple Find My」バッジを表示することができる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 14トラッカーVanMoofBelkin

画像クレジット:VanMoof

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが導入間近のデータトラッキング規制「App Tracking Transparency」の詳細をさらに公開

Apple(アップル)は米国時間4月7日、近く導入される「App Tracking Transparency(ATT)」機能についてさらに詳しい情報を発表した。この機能によりユーザーは、自分のデータが広告ターゲティングの目的で共有されるかどうかを、アプリごとにコントロールできるようになる。

現行バージョンのiOSを使用しているユーザーであれば、ある意味、App Tracking Transparencyがどのように機能するか確認できる。というのも、iOSにはすでに「プライバシー」設定の中に「トラッキング」メニューが含まれており、一部のアプリはすでにユーザーにトラッキングの許可を求め始めているからだ。

しかし、iOS 14.5(現在は開発者向けベータ版)が初春に一般公開されると、Appleは新しいルールを実際に適用し始めるため、iPhoneユーザーはより多くのリクエストを目にするようになるだろう。これらのリクエストはアプリ使用中にさまざまな場面で表示されるが、いずれも、アプリが「他社のAppやウェブサイトを横断してあなたのアクティビティを追跡することを許可」するか問う標準的なメッセージが表示され、その後、開発者からカスタマイズされた説明が表示される。

アプリがこの許可を求めると「トラッキング」メニューにも表示されるようになり、ユーザーはいつでもアプリのトラッキングをオン / オフに切り替えることができる。また、スイッチの切り替えでこれらのリクエストを一度にすべてオプトアウトしたり、すべてのアプリでトラッキングを有効にすることもできる。

関連記事:アップルのApp Tracking Transparency機能はデフォルトで有効に、早春にiOSで実装

Appleの開発者向けウェブサイトにはすでに記載されているものの、メディアの報道(TechCrunchも含め)では完全には明らかにされていないことで、強調に値するポイントが1つある。このルールは、IDFA識別子に限定されるものではないという点だ。確かにAppleが直接管理しているのはIDFAだが、同社の広報担当者によると、ユーザーがトラッキングを拒否した場合、Appleは開発者に対して、広告ターゲティング目的でユーザーを追跡するための他の識別子(ハッシュ化されたメールアドレスなど)の使用を中止し、そうした情報をデータブローカーと共有しないようにすることも求めるという。

ただし、開発者が複数のアプリをまたいでユーザーを追跡することは、それらのアプリがすべて1つの会社によって運営されている場合には妨げられない。

Appleの広報担当者は、同社自身のアプリはこのルールを遵守するとも述べている。しかし、Appleは広告ターゲティングを目的にサードパーティーのアプリ間でユーザーを追跡することはないため、AppleからのATTリクエストはないという(以前の記事で触れたように、Appleが自社のファーストパーティーデータを使って広告をターゲティングできるかどうか設定する、独立した「パーソナライズされた広告」オプションはある)。

Facebook(フェイスブック)はこの変更によって、効果的な広告キャンペーンを行うためにターゲティングを利用している中小企業が打撃を受け、Appleの収益にもつながると主張し、特に声高に批判してきた

Appleはそれに対し、プライバシーに焦点を当てた講演や「A Day in the Life of Your Data」と題されたレポートの中で、ユーザーが実際にどのように追跡されターゲティングされているのかを説明し、批判に反論していた。さらに加えて同社は最近、広告オークション、広告アトリビューション、Apple独自の広告製品に関する情報を追加して同レポートを更新した。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Apple広告IDFAiOSiOS 14プライバシートラッキング

画像クレジット:Emmanuel Dunand / AFP / Getty Images

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(文:Anthony Ha、翻訳:Aya Nakazato)

アップルが「Find My(探す)」対応アクセサリのテスト用アプリを公開、互換性のある他社製アクセサリーも対応

Apple(アップル)が「Find My Certification Asst.」と名づけられた新しいアプリの提供を開始した。これは、MFi(Made for iPhone)のライセンスを受けたサードパーティーのアクセサリー開発者が、Appleの「Find My(探す)」ネットワークと自社アクセサリの相互運用性をテストするためのものだ。Find Myネットワークは現在「探す」アプリでiPhone、AirPods、Macなど、紛失したApple製デバイスを捜索するために使われているが、互換性のあるその他のサードパーティー製アクセサリーも、間もなく探すことができるようになる見込みだ。

今回のテストアプリの公開は、Appleが近い将来、サードパーティ製デバイス向けプログラムの開始を発表する準備が整ったことを示唆している。

このアプリの説明によると、MFiライセンス取得者は、Find My Certification Asst.を使用して、AppleのFind Myネットワーク技術を組み込んだアクセサリの「検出、接続、その他の主要な必要条件」をテストできるという。また、AppleのMFiポータル(mfi.apple.com)に掲載されているFind Myネットワーク認証プログラムに関する情報も紹介されている。このポータルでは現在、Find MyネットワークがMFiプログラムのテクノロジーとして「launching soon(間もなく提供開始)」と書かれている。

この新しいアプリのスクリーンショット見ると、デバイスメーカーは、接続性、サウンド(例えば、アイテムが置き忘れられたときに音を出すなど)、ファームウェア、キーマネジメント、NFC、電源などの分野に関してさまざまなテストを行うことができるようだ。

画像クレジット:App Storeのスクリーンショット

Sensor Tower(センサータワー)のデータによると、このアプリは米国時間4月4日に、iOSのApp Store(アップストア)で一般公開されている。新しいアプリなので、まだApp Storeのどのカテゴリー(「開発ツール」も含め)にもランクインしていない。また、現時点では評価やレビューもない。

このアプリのリリースは、AppleのFind Myネットワークをサードパーティーに開放するという大きな目標に向けた第一歩だ。Apple自身もまた、新しいアクセサリー「AirTags」の発売を計画している。

Appleは2020年のWorldwide Developer Conference(世界開発者会議)で、Find Myをサードパーティのデバイスに開放することを初めて発表したが、これは米国や欧州の規制当局から圧力を受けていたためでもある。各国の規制当局は、AppleがTile(タイル)の探し物検索デバイスの競合製品となるAirTagsの発売を控え、自らを優位に立たせようとしているのではないかということを(他の数多くの件と並んで)調査していた。

画像クレジット:FMCAアプリのスクリーンショット

Appleを批判していたTileは、AirTagsがUWB(超広帯域無線通信)を使ったAppleのU1チップと接続すれば、より正確な捜索が可能になると訴えていた。また、米国議会の公聴会では、AirTagsがAppleのデバイスにデフォルトで搭載されている独自の「探す」アプリと連動することを指摘した。これによってAppleは、Tileが何年もかけて確立し支配してきた探し物発見機器市場において、ファーストパーティとしての優位性を得ることができると、Tileは主張していた。

これを受けてAppleは2020年「NearbyInteraction(ニアバイインタラクション)」フレームワークを通じて、サードパーティーの開発者にU1チップへのアクセスを開放。その結果、Tileは2021年1月、UWBを利用した新しいトラッカーを発売する計画を発表した。

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さらにAppleは最近、「探す」アプリをアップデートし「Items(持ち物を探す)」という新しいタブを追加した。これは同アプリが、AirTagsやTileなどのサードパーティー製アクセサリーのサポートを拡大することに備えたものだ。この「持ち物」タブは、最新のApple iOS 14.5ベータ版で有効になっており「『探す』に対応しているアクセサリー」を含む「毎日使う持ち物の所在場所を確認できます」と説明されている。

しかし、AppleのFindMyプログラムに参加するには、サードパーティーのデバイスメーカーが既存のアプリを放棄し、代わりにAppleの「探す」アプリの使用を顧客に要求しなければならないことを意味するため、事実上、顧客とそのデータをAppleに引き渡すことになり、Appleの譲歩は依然として、自分たちのビジネスに不利益をもたらすと、Tile(およびその他の企業)は感じている。

また、このアプリの起動時に、ヘッドフォン、バックパック、スーツケースの3つのアイテムを示すアイコンが表示されることにも注目しておく価値があるだろう。偶然かもしれないが、Tileが最初に統合したのは、Bose(ボーズ)のヘッドフォンとAway(アウェイ)やHerschel(ハーシェル)といった鞄・バッグメーカーだった。

Appleには新アプリのリリースに関するコメントを求めているが、回答はまだ得られていない。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 14Tileトラッカー

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ティム・クック氏が自動運転技術とApple Carについてヒントを出す

Apple(アップル)のCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、米国時間4月5日に公開されたインタビューで、大きな期待を集めるApple Carと、その重要な機能となるであろう自動運転技術の方向性について遠回しに語った。

「自動運転そのものがコア技術だと私は考えます」とクック氏はポッドキャスト「Sway」(スウェイ)でKara Swisher(カラ・スウィッシャー)氏のインタビューに応えて話した。「一歩下がって見れば、このクルマ、いろいろな意味でロボットです。自動運転車はロボットなのです。そのため自動運転では、いろいろなことができます。そこに、Appleがするべきことが見えてきます」。

多くを語らないよう言葉を控えるクック氏は、Appleが自動車を生産するのか、あるいはその車載技術を開発するのかというスウィッシャー氏の質問には正面から答えなかった。ただ同氏は、Project Titan(プロジェクト・タイタン)は中間地点に達していることをほのめかした。

「私たちは、ハードウェアとソフトウェアとサービスを統合して、その交差点を探し出すことを身上としています。そこに魔法が起きるからです」とクック氏。「そして私たちは、そこに関わる主要技術をぜひとも手にしたいのです」。

これに対してスウィッシャー氏はこう尋ねた。「よろしければ、自動車に関してその点をお聞かせ願えませんか。自動車のことが知りたいのです」。

私も知りたい。

マイクロモビリティー業界では、電動スクーターは車輪がついたiPhoneみたいなものだと考える人間が多い。だが、Apple Carは、もっと実質的に車輪つきiPhoneになるはずだ。Appleは、ハードウェアとソフトウェアのすべてを所有することでよく知られている。そのため、Apple Carの開発のためにAppleのエンジニアが自動車メーカーと密接に作業を進め、いつかその中間業者を排除して自分たちが自動車メーカーになったとしても、別段驚きはしない。

いわゆるProject Titanは、2019年の大量一時解雇のために、一般の目に触れる前に頓挫する危機に瀕しているかに見えた。しかし、最近の報告によれば、プロジェクトは現在も健在で、2024年までに自動運転電気乗用車を生産する予定に変わりはないという。

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2021年の初め、AppleとHyundai(現代自動車)傘下のKia(起亜自動車)は、ジョージア州ウェストポイントにあるKiaの工場でAppleブランドの自動運転車を生産するための契約を間もなく締結するとCNBCが伝えた。AppleがHyndaiに興味を示している件に詳しい情報筋は、Appleは、クルマに搭載されるソフトウェアとハードウェアの主導権を握らせてくれる自動車メーカーと提携したいのだと聞かせてくれた。

この契約は合意に達することなく、2021年2月に交渉が打ち切られたとを複数メディアが伝えている。しかし、Appleは日産などの自動車メーカーや、さらにはスタートアップも含むサプライイヤーと、以前から繋がりを作っているなど、Appleとその計画に関する大量の噂や報道が、それで止まることはなかった。

Apple Carがどのようなかたちになるかはまだ不透明だが、ロボタクシーや配送トラックではなく乗用車ということで、Tesla(テスラ)などと競合することになるのだろう。

「彼が作り上げた企業には大きな賞賛と尊敬の念を抱いていますが、イーロンに話を持ちかけたことはありません」とクック氏。「Teslaは、EV分野の主導権を確立しただけでなく、実に長い期間それを維持するという快挙を成し遂げました。なので私は、彼らを大変に評価しています」。

Project TitanはDoug Field(ダグ・フィールド)氏が率いている。彼はTeslaでエンジニアリング上級副社長を務め、Model 3発売の立役者となった人物だ。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:AppleTim Cook自動運転EVApple CarTesla

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:金井哲夫)

Apple Cardプログラムは公正貸付法に違反していないとNY州金融サービス局が報告

米国時間3月23日に、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は報告書を発表し、Apple Cardプログラムの差別的慣行、特にジェンダーに基づく差別の疑いは、2019年11月のオンライン上の告発を発端とした調査の結果、払拭されたことを明らかにした。

当時、技術系実業家のDavid Heinemeier Hansson(デイヴィッド・ハインマイヤー・ハンソン)氏がApple Cardを申請した際、同氏に設定されたクレジット利用限度額が妻に提示された額の20倍であったことについて、ジェンダーに基づく差別であるとツイートしたことから始まった同調査。同夫婦は共同で確定申告を行い、妻のクレジットスコアは同氏よりも高かったにもかかわらず、こういった利用限度額の判断がくだされていたのだ。Apple Cardプログラムは、AppleとGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が共同で運営している。

ハンソン氏のツイートをきっかけにこの問題が拡散し、Appleの共同創業者であるSteve Wozniak(スティーブ・ウォズニアック)氏をはじめとする複数の人からも反応があった。同氏もパートナーとApple Cardを申請したときに同じようなことを経験したという。

ハンソン氏の妻であるJamie Heinemeier Hansson(ジェイミー・ハインマイヤー・ハンソン)氏も、自身の体験を詳細に記録したブログ記事を投稿している。

消費者からの数々の訴えはすぐにニューヨーク州金融サービス局の注意を引くこととなり、同局はゴールドマン・サックスのクレジットカード業務について調査を開始し、問題となっているジェンダーに基づく差別が行われているかどうかを検証した。

NYDFSの報告書を他に先駆けて報じたAppleinsiderによると、ゴールドマン・サックスは初めの段階で、配偶者よりも著しく低い信用スコアを提示されていた一部の女性の信用情報ファイルを再調査し、配偶者の信用スコアに合わせて限度額を引き上げることを決定していたという。同行は当時、与信判断に対する異議申し立てのための6カ月の待機期間も廃止している。

これらの行動から、Apple Cardのアルゴリズムが、性別に基づく不当な信用価値評価をしている可能性があることがうかがえるが、同局はそのような事実は存在しなかったとしながらも、信用スコア改革の必要性や、信用アクセスに関する既存の法律の改正について強調している。

NYDFSは、Appleとゴールドマン・サックスからの数千ページに及ぶ記録と書面による回答を調査し、Apple Card利用者への聞き取りや、Appleおよび同銀行の代表者との面談を行い、Apple Cardに申し込みをしたニューヨーク州40万人近くのデータセットを使って同行の引受データを分析したと述べている。さらに、差別を感じたという消費者にもインタビューを行った。

同局は、公正貸付法に基づく申請者に対する「違法な差別」はないと結論づけた。しかし、金融サービス監督官Linda A. Lacewell(リンダ・A・レースウェル)氏の声明では、信用融資制度自体には依然として差別があり、信用スコアが信用への不平等なアクセスにつながる可能性があることが強調された。

「公正貸付違反は認められませんでしたが、今回の調査は、同一信用機会法(ECOA)が制定されてから50年近く経過しても信用へのアクセスにおける格差が存在することを、私たちに思い出させるものでした」とレースウェル氏は述べている。同氏は「報告書はまた、信用へのアクセスを改善するために、信用スコアリングにおける現在の慣習や法律、貸し手に対する差別規制に近代化と強化を施すべきという点についても触れています」としたうえで、アカウント所有者に承認されたユーザーを追加することを許可しないというApple Cardのポリシーは適切ではないと感じる消費者に対して「配偶者の信用へのアクセスに依存し、承認されたユーザーとしてのみアカウントにアクセスする場合、配偶者と同じ信用プロフィールを持っていると誤解してしまう可能性があります」と注意喚起し「これは、公平な信用アクセスに関して私たちが議論しなければならない広範な問題の一部です」と付け加えた。

苦情を寄せた消費者の間で共通する要素の1つは、同一の銀行口座やクレジットカードのような共有資産にアクセスできる配偶者は、たとえそれが認可されたユーザーにすぎないとしても、配偶者と同じ信用条件を受けられると考えていることだった。しかし現在のシステムでは、引受機関は承認されたユーザーをアカウント所有者と同じように考える義務はなく、他の要因も考慮する可能性がある。調査によると、これらの要因が組み合わさって、融資判断の低下につながったという。

同局はゴールドマン・サックスに照会し、消費者からの苦情を受けた融資の決定に関する引受手続きの文書化に至ったという。性別による影響は見られなかったが、配偶者のクレジットスコア、負債額、収入、クレジット利用率、未払い、その他クレジット履歴などの要素が関与していた。確認された要因のいずれについても、与信判断の「違法な根拠」ではなかったと同局は述べている。

もちろん信用スコアシステム自体は、全体的に見ると男性に有利なものだ。(特に白人男性に対しては)。その根拠は単一ではないものの、多くの場合、女性が主に保護者としての役割を果たしていることと、信用スコアリングモデルの仕組みに関係している。これは改革が必要なシステムではあるが、Apple Cardプログラムと差別に対する苦情が見られたケースについては融資決定に際して「合法的に」使用されていた。

しかし同局は、Apple Cardの融資決定には透明性が欠如していることを指摘し、これらの苦情に対する銀行の決定に関するデータを当局は入手できたが、影響を受けた消費者は入手できなかったことを明らかにした。また、Appleが6カ月の待機期間を設けるのではなく、より堅牢な異議申し立てプロセスを提供できたのではないかと指摘している。

Appleはそれ以来いくつかの問題に対応しており、2020年は申請者がApple Cardの承認に必要な手順を踏むのに役立つ「Path to Apple Card」をローンチした。これまでに7万人以上の消費者がこのプログラムに登録し、約5,000人が承認されている。Appleはまた、同社ウェブサイトを更新しApple Cardの承認方法に関する詳細情報を公開した。そして現在、Apple Cardファミリー共有機能のサポートを追加しようとしているところだ。これは少なくとも、配偶者がより高い融資限度額を利用できないという問題に対処することになるだろう。

それでも今回の調査では、Appleが自身の信頼あるブランドと、消費者が好まないような銀行慣行をともなう従来型の貸し手が発行するクレジットカードとを組み合わせることで直面した問題に加えて、透明性の欠如が融資決定に対する信頼をいかに損なったかが浮き彫りになった。

ゴールドマン・サックスは調査結果に関する声明を発表している。

「金融サービス局の徹底した調査に感謝するとともに、融資の公平性に違反がないという結論を好意的に受け止めています。引き続き、信用への公正で平等なアクセスを提供することに専心してまいります」と述べている。

この調査全体が動き出すきっかけとなった最初のツイートを発信したハンソン氏にコメントを求めた。

「これはゴールドマン・サックスのプレスリリースのようなもので、私たちのケースの特定の事実を無視しています。妻は私よりも高いクレジットスコアを持っていましたが、そのクレジットの10分の1の価値であると判断されました。信用評価プロセスには透明性がなく、申請者は拒否された理由を知ることができませんし、ゴールドマン・サックスやAppleの従業員も理解しているようには見えません。アルゴリズムによるブラックボックスの影響は依然として存在しており、監査が行われる可能性はなく、不公正な結果が継続しています。完全な規制の破綻と言えるでしょう」。

【更新(2021年3月23日午後3時)】初版発行後にコメント付きで更新した。

関連記事:アップルがApple Cardの審査に落ちた人のための信用度改善プログラム「Path to Apple Card」をスタート

カテゴリー:その他
タグ:AppleGoldman SachsApple Cardクレジットカードニューヨーク

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

アップルがゲームサブスク「Apple Arcade」にクラシックゲームを追加

Apple(アップル)はサブスク型のゲームサービスであるApple Arcadeの拡大を発表した。とっておきのゲームのリリースに加え、2つのカテゴリーを加える。Timeless ClassicsとApp Store Greatsだ。

「App Store Greats」には、「Threes+」「Mini Metro+」「Monument Valley+」「Fruit Ninja Classic+」「Cut the Rope Remastered」「Badland+」など、この10年にリリースされたお馴染みのiPhoneゲームがある。

Appleはこれまで独占タイトルにフォーカスしており、今回の動きは興味深いものだ。間違いなく、一部のApple Arcadeゲームは人気のApp Storeゲームの続きだ。例えばこのカテゴリーに「Mini Motorways」と「Rayman Mini(レインマンミニ)」を筆者は入れたい。

しかしAppleはスタンスを変えており、実質的にApp Storeゲームのバックカタログを購入している。そうしたゲームの一部はまだApp Storeでも利用でき、その一方で他のゲームはフレームワークとハードウェアのアップデートのため現代のiOS版と互換性がなくなった。例えば64ビットのプロセッサーは多くのゲームを互換性がないものにした。

いつものことながら、Appleはペイウォール外で無料のゲームを提供しているだけではない。App Storeには新しいダウンロードもある。広告やアプリ内購入なしにゲームをフルに楽しめる。

古いApp Storeゲームに加えて、Appleは「Timeless Classics」ゲームも加える。サブスクに含まれているボードゲーム、クラシックなパズルゲームのセレクションだ。「Backgammon+」「Chess Play & Learn+」「Good Sudoku+」「Tiny Crossword+」などが含まれる。

そうしたゲームは解約を減らすのに絶対役に立つはずだ。一部の人はチェスを何回も繰り返すのが好きだ。そうした人たちはチェスをするためにサブスクを開始し、同じアプリを使い続けるためにApple Arcadeのサブスク代を払うかもしれない。

アップルは米国時間4月2日、合計32のゲームを加え、Apple Arcadeのカタログには180以上のゲームがある。AppleはApple Arcadeを2019年9月に立ち上げた。月4.99ドル(日本では600円)でApple Arcadeのゲームをダウンロードでき、追加のアプリ内購入はない。ゲームはiPhone、iPad、Apple TV、macOSで利用できる。1つのサブスク契約で家族最大6人まで利用可能で、Apple OneサブスクでもApple Arcadeにアクセスできる。

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AppleはApple Music、Apple TV+、Apple Fitness+、Apple News+のようなサブスクサービスに大きく賭けてきた。Apple Musicのようにそうしたサービスのいくつかはかなり成功しているが、同社は消費者に長期にわたって契約すべきと思わせようと、コンテンツを次から次に加えている。そして今日のApple Arcadeのアップデートはゲームサブスクサービスに必ず役立つはずだ。

画像クレジット:Apple

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:AppleApple Arcade

画像クレジット:Apple

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが世界中の製造パートナー110社以上が製品製造に利用する電力を100%再生可能エネルギーに変更と発表

アップルが世界中の製造パートナー110社以上が製品製造に利用する電力を100%再生可能エネルギーに変更と発表

Apple

アップルは31日、世界中の製造パートナー110社以上がアップル製品の製造に用いる電力を100%、再生可能エネルギーに振り替えていくことを発表しました。この計画により約8GW(ギガワット)分がクリーンエネルギーにより調達可能になったあかつきには、CO2換算で年間1500万トン分の温室効果ガスの削減に寄与し、道路から毎年340万台以上の自動車を排除するのに匹敵する効果を上げられると謳われています。

昨年7月、アップルは2030年までにサプライチェーンの100%カーボンニュートラル達成を約束すると発表していました。あの発表以降、再生可能エネルギーへの移行を決めたサプライヤー(製造パートナー)の数を著しく増やしたとのことです。

すでにアップル本体の事業所は全世界における企業活動でカーボンニュートラルを達成しており、2030年を期限とする新たな目標は、アップルが販売する全デバイスについて気候変動への影響をネットゼロ(クリーンエネルギーへの移行等により相殺して実質ゼロ)にする取り組みであると述べられています。

そして最近も、アップルはグリーンボンドを通じて調達した資金47億ドルの投資先の内訳を発表し、この資金を世界中の環境プロジェクトの支援に投じることを明らかにしています。グリーンボンドとは、地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど環境改善効果のあるプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券のこと。こちらは米国内やデンマーク等に陸上風力発電やソーラープロジェクト拠点を建設し、道路から約2万台の自動車を排除することに匹敵するとされていました。

アップルが世界中の製造パートナー110社以上が製品製造に利用する電力を100%再生可能エネルギーに変更と発表

Apple

またアップルは、サプライヤー各社が再生可能エネルギー目標を達成するのを支援するため、新たなツールを継続的に開発しているとのことです。欧州ではDSMエンジニアリングマテリアルズの風力購入契約がオランダ国内の電力グリッドに新しいクリーンエネルギーをもたらし、モロッコではSTマイクロエレクトロニクスが国内に設置したソーラーカーポートが地域のエネルギー生成を支援しているなど。

そしてアップルが提唱するSupplier Clean Energy Programも広がりを見せており、中国でも過去半年間に15社が参加したと報告されています。

次々と対策を打ち出すなかで、アップルが次の目標と設定しているのが新たなエネルギー貯蔵プロジェクトです。風力および太陽光発電は世界の多くの場所で利用できるもっとコスト効果の高い電力源ながら「発電の中断」が普及する上で大きな壁となっています。そのため日中に生成された余剰エネルギーを貯蔵しておき、電力が最も必要な時間に活用できるバッテリープロジェクト「California Flats」への取り組みにも言及されています。

アップルが世界中の製造パートナー110社以上が製品製造に利用する電力を100%再生可能エネルギーに変更と発表

Apple

総合的にはアップルは純利益を増加させながら、カーボンフットプリント(商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通じて排出される温室効果ガスの量)を一貫して削減しており、2030年の目標に向けて着々と進んでいるとのこと。もしも世界中の企業が利益の追求と地球温暖化対策を両立できるようになれば、人間と自然との共生が実現する日が近づきそうです。

(Source:AppleEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:Apple / アップル(企業)カーボンニュートラル(用語)再生可能エネルギー(用語)

アップルが英語圏のSiriに2つの新たな声を追加、「女性」の声のデフォルト設定は廃止に

Apple(アップル)は、iOSの最新のベータ版で、Siriの英語版に2つの新しい声を追加し、これまで「女性」の声が選択されていたデフォルトを廃止した。これによって、Siriの設定をする人は誰もが自分で声を選択することになる。アップルの音声アシスタンスは初期状態で女性の声に設定されていることが、数年前から性差別的偏向として議論の的になっていた。

このベータ版はすでに公開されており、プログラム参加者には提供されているはずだ。

この種のアシスタントの中で、デフォルトの設定がなされておらず、ユーザーが自分で選ぶ必要があるというのは、おそらく初めてのことだろう。これは人々がデフォルトの設定に偏ることなく、自分で好きな声を選ぶことができるという意味において、ポジティブな一歩といえる。また、新たに追加された2つの新しい声は、Siriの声に求められていたバリエーションを増やし、ユーザーが自分で音声を選ぶ際に多様性を提供する。

一部の国や言語では、Siriはすでにデフォルトで男性の声になっている。しかし、今回の変更により、その選択が初めてユーザーのものになった。

「英語圏のユーザーのために2つの新しいSiriの声を導入し、Siriのユーザーがデバイスの設定時に好きな声を選択できるようになったことに、私たちは高揚しています」と、アップルは声明で述べている。「これは、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包括性)に対する責任を持ち、製品やサービスに私たちが住む世界の多様性をよりよく反映するという、アップルの長年にわたる取り組みの継続です」。

この2つの新しい声は、タレントの声を録音したものを音源として使い、アップルのNeural text-to-speech engine(ニューラル・テキスト・トゥ・スピーチ・エンジン)によって生成されるもので、実際に構成されるフレーズの中で、より有機的に聞こえるようになっている。

新しい声を聞いてみると、自然な抑揚でスムーズにつながり、とてもすばらしい。選択肢が増えることは、iOSユーザーに歓迎されるだろう。実際に使用されているボイスのサンプルは下のツイートで聞くことができる。

iOS 14.5でSiriに新たにラインナップされた米国人の声を録音してみました。声1と4が従来からあったもの、声2と3が新しく追加されたものです。

この最新のベータ版では、アイルランド、ロシア、イタリアのSiriの音声もNeural TTSにアップグレードされており、これで新技術を採用した音声は合計38種類になった。Siriは現在、5億台以上のデバイスで月間250億件のリクエストを処理し、36カ国の21言語に対応している。

新しい声は、世界中の英語圏のユーザーに提供される。Siriユーザーは16の言語で個人的な好みの声を選択することができる。

今回追加された2つの新しい声は、Siriの声の選択肢を広げる最初の試みである可能性が高い。声やトーン、地域の方言などの多様性が増えることは、スマートデバイスの包括性を高める上でプラスになるはずだ。ここ数年、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、アップルの3社には、否定的な言葉や乱暴な言葉を使った質問に対するアシスタントの回答に偏りが現れる状況を、積極的に是正しようとする動きがようやく見られるようになった。

このような状況を改善することは、社会的に公正なトピックへの対応や、全体的なアクセシビリティの向上と並んで、ボイスファーストやボイスネイティブなインターフェースの爆発的な普及を目指す上で、非常に大事な鍵となる。特に数億人の規模となると、この種の選択が重要になるはずだ。

【更新】一部の国や言語では、Siriのデフォルトが男性の声に設定されていることがわかった。

関連記事:アップルがiOS 14.5で「デフォルト」の音楽サービスは設定できないと明言

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:AppleSiriiOSインクルージョン

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Appleが独立系アーティストを支援する音楽配信プラットフォームUnitedMastersに出資

独立した音楽配信プラットフォームでツールファクトリーのUnitedMasters(ユナイテッドマスターズ)は、AppleがリードしたシリーズBラウンドで5000万ドル(約55億3600万円)を調達した。A16z(アンドリーセン・ホロイッツ)とAlphabet(アルファベット)もUnitedMastersのラウンドに再び参加した。UnitedMastersはまた、Appleと戦略的パートナーシップも結ぶ。

UnitedMastersについて説明すると、同社はInterscopeとSony Musicの元幹部Steve Stoute(スティーブ・スタウト)氏が2017年に立ち上げた配信会社だ。UnitedMastersは、ファンがコンテンツやコミュニティと関わっている方法に関するデータに直接つながるパイプラインをアーティストに提供することで、アーティストがチケット販売や宣伝、その他の販促活動を直接行えるようにしている。

こうした内容はいずれも音楽業界では一般的ではない。典型的なアーティストとの契約では、レコーディング会社がオーディエンスやターゲティングのすべてのデータ、そして所有権を持つ。これはコミュニティを育むために新しいテクノロジーを利用するなど、アーティストが機敏に動く能力を制限している。

Appleはさまざまな企業に投資しているが、通常は米国の製造を促進するため、あるいはシリコン鋳造ガラス製造など自社のハードウェア製品にとって重要な部品を作っているパートナー企業との戦略のために Advanced Manufacturing Fundを通じて行う。Appleは投資よりも買収を多く行っていて、自社の製品に関する取り組みを補うためにほぼ数週間おきに企業を買収している。そのためUnitedMastersへの出資は、特に音楽部門において比較的ユニークな提携となる。

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筆者はUnitedMastersのCEOであるスタウト氏に今回の資金調達について、そして現在と未来のアーティスト100万人のビジネスにとってそれが何を意味するのか話を聞いた。スタウト氏は、Appleの役員Eddy Cue(エディ・キュー)氏がUnitedMastersのビジョンと一致する哲学を持っていることが今回の取引につながったと考えている。

「我々は、すべてのアーティストに同じ機会を手にして欲しいと思っています」とスタウト氏は話す。「現在、独立しているアーティストが手にしている成功のための機会は少なく、そうした恥ずかしい点を取り除こうとしています」。

今回調達した資金は、UnitedMastersをグローバルな存在にするというミッションに燃える人材を雇用するのに使われる、とスタウト氏は説明する。UnitedMastersは世界中でプラットフォームを構築するためにローカルのテック人材とアーティスト人材を探している。

「どのアーティストもCTOにアクセスする必要があります。アーティストにとってのマネジャーの価値の一部は今日、CTOの役割に移行する必要があります」とスタウト氏は話す。

UnitedMastersは、アーティストがコミュニティレベルでファンベースを構築できるようにする先端技術を広範に提供したいと考えている。

画像クレジット:Steve Stoute

UnitedMastersは目下、通常はレーベルやマネジャーによって仲介される大きなブランドとの取引をアーティストが行えるようにする契約をNBA、ESPN、TikTok、Twitchなどと結んでいる。UnitedMastersはまた、すべての主要ストリーミングサービスに公開できるようにする直接配信アプリも展開している。さらに重要なことに、アーティストはストリームやファン、収益のデータをひと目でチェックできる。

「スティーブ・スタウト氏とUnitedMastersは、キャリアを積み、自身の音楽を世界に届けるための多くの機会をクリエイターに提供しています」とAppleのキュー氏はニュースリリースで述べた。「独立したアーティストの寄与は音楽産業のさらに発展させるという点で大きな役割を果たしています。Appleと同様、UnitedMastersはクリエイターに力を与えることに取り組んでいます」。

「UnitedMastersはアーティストがクリエイトし、作品の主有権を保持し、そしてファンとつながる方法を一新しました」とAndreessen Horowitzの共同創業者でゼネラルパートナーのBen Horowitz(ベン・ホロウィッツ)氏はリリースで述べた。「より良い、そしてさらに大きな、そしてより収益性の高い世界を音楽アーティストのために構築すべく、スティーブやUnitedMastersのチームに協力できることをうれしく思います」。

アーティストとファンが互いにつながるという点で、我々は現在ターニングポイントにいる。アーティストがソーシャルメディアや他のプラットフォームを使ってメッセージを出したり、ファンに話しかけたりする方法は無数にあるが、作品をコミュニティに配信し、そこから利益を得るという実際の業務は、レコーディング産業が始まって以来、完全にアーティストの手を離れてしまっている。NFT、DAO、ソーシャルトークンなどの最近の開発は、DTCフレームワークの爆発的な増加と同様に、そうした取引に変化をもたらしつつある。しかし大手は、この「アーティスト中心」の新世界を手にするために必要な、真にアグレッシブな姿勢にまだ転じていない。

配信のメカニクスは何十年もの間、DRMとDMCAによって定義されたフレームワークに基づいてきた。このフレームワークは常にアーティストのために価値を守る方法と宣伝されてきたが、実際のところ、配信業者のために価値を守るように設計されていた。我々は配信の仕組み全体を再考する必要がある。

筆者がUnitedMastersとTikTok(ティクトック)の取引を報じたときに言及したように、それはアーティストのためのより公平な未来において役立つ

カルチャーのクリエイターがそのカルチャーの恩恵を受けることは時間以上の意味があります。だからこそこのUnitedMastersのディールはかなり興味深いと考えています。レコーディング業界のヴァルチャーイズム(ハゲタカのように獲物を狙って自分のものにする風潮)の付き添いなしにオーディエンスに直接つながるパイプラインの提供は、本当にTikTokのようなプラットフォームとよく調和します。TikTokは「バイラルサウンド」をコラボレイティブなパフォーマンスにしています。従来の取引の構造は、数週間で変動させられるヴァイラルな誇大宣伝をとらえるのに適していません。

音楽業界では、Spotify(スポティファイ)のようないくつかの大手とともにAppleは激動の中心にいる。筆者の意見では、Apple Musicに近年欠けている最大のもの1つは、アーティストがファンと広くつながることができ、直接配信し、チケットを販売し、宣伝することができる、そして最も重要なことに自身のコミュニティを育てて保持することができる業界基準ポータルにApple Music Connectを変えなかったことだった。

UnitedMastersとのタイアップはその目標に直接つながらないが、材料を何かしら得ることができるはずだ。タイアップがどんなものを生み出すのか、楽しみにしている。

関連記事:音楽配信を支援するUnitedMastersがミュージシャン向けiPhoneアプリを提供開始

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AppleUnitedMasters音楽音楽ストリーミング資金調達Apple Music

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが「マップ」に世界300超の空港における新型コロナ指針を表示

Apple(アップル)は純正の地図アプリ「Map」をアップデートし、新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散を緩和しつつ旅行をアシストするための有用な情報を盛り込んだ。現在、iPhone、iPad、Macの「Map」アプリで空港を検索すると、空港の新型コロナウイルスアドバイスページへのリンクを通じて、あるいはアプリ内ロケーションカードそのものに、空港で実施されている新型コロナウイルス対策に関する情報が表示される。

この新しい情報は国際空港評議会との提携を通じて提供され、世界300超の空港で適用されている新型コロナ安全ガイドラインの詳細を提供している。情報には、新型コロナの検査、マスクの使用、スクリーニング手順、および現在実施されている検疫措置に関するものが含まれている。グローバルパンデミックが続く中、そしてワクチン接種プログラムや他の対策がグローバルの旅行の回復を促進しようとしている中で、旅行のプロセスを簡単なものにしようというのが狙いだ。

2021年3月初め、Appleは米国でアップルマップにワクチン接種会場の情報を追加した。テキストやSiri、あるいは位置情報に基づく「Find nearby」で会場を検索できる。また2020年は世界各地のマップに新型コロナの検査場所を追加し、新型コロナ情報モジュールをカードに加えている。

関連記事:Appleの「マップ」が新型コロナワクチン接種場所を表示、まずは米国で

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleAppleマップ新型コロナウイルス

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルのWWDC 2021は6月7日に開催、今年もオンラインのみ

Apple(アップル)は米国時間3月30日の朝、2年目となる完全にバーチャルな形式でのイベント開催を発表した。同社は2020年、新型コロナウイルスの影響で対面式のイベントを中止し、初めてオンラインのみでのイベント開催を実施した。世界の多くの地域ではワクチンの導入が始まっているが、オフラインイベントが復活するかどうかはまだわからない。なお、2021年のイベントは6月7日から11日まで開催される。

「私たちは、WWDC 21が史上最大かつ最高のイベントになるよう努めており、Appleの開発者のみなさんが私たちの生活、仕事、遊びを変えるアプリケーションを作り出すのを支援するために、新しいツールを提供できることをとてもうれしく思います」と、Appleのワールドワイドデベロッパリレーションズ、エンタープライズおよびエデュケーションマーケティング担当バイスプレジデントであるSusan Prescott(スーザン・プレスコット)氏はリリースで述べている。

オンライン形式には確かに利点がある。特に、アクセシビリティは最重要課題だ。Appleは2020年のイベント展示会が「過去最大」だったと述べており、今回も世界中から約2800万人の開発者が参加すると予想している。同社はSouth Bayのホテルに泊まる必要がないことはもちろん、移動に対応する必要がなく、すべての資格のある開発者が無料でイベントに参加できるとしている。

このイベントはAppleのさまざまなオペレーティングシステム(OS)にまたがり、iOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOSの新バージョンが発表される。2020年はMacが第一世代のAppleシリコンに移行するという、待ちに待った大きな話題があった。ハードウェア関連の予測は難しいが、なんらかのサプライズがある可能性もある。

大規模なキーノートや開発者をテーマにした1週間分のプログラミングに加えて、Appleは若いコーダーに焦点を当てたコンテスト「Swift Student Challenge」などのイベントを開催する。また、ここ数年オフラインイベントを開催しているサンノゼに拠点を置く教育イニシアチブであるSJ Aspiresに、100万ドル(約11億円)を寄付するとAppleは述べている。

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

Fleksyの共同創設者がApp Store詐欺による売上減でAppleを提訴

キーボードアプリFleksyの共同創設者であるKosta Eleftheriou(コスタ・エレフセリウ)氏(後にPinterestが買収契約で獲得)は、自身のアプリFlickTypeが詐欺の標的になったことを受け、偽レビュー、評価、サブスクリプション詐欺、悪質なクローンアプリなどのApple App Storeの問題に注意を呼びかけてきた。そしてこの開発者はApp Store改革の次の一歩を踏み出し、Appleを相手に訴訟を起こそうとしている。

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米国時間3月17日にサンタクララ郡のカリフォルニア州上級裁判所に提出された同氏の訴えでは、Appleは、安全で信頼できる場所であると宣言して、iOSアプリケーションを合法的に販売できる唯一の場所であるApp Storeのためのアプリケーションを作るよう開発者を促しながら、合法的なアプリ開発者が手にすべき利益を搾取する詐欺行為から開発者を保護していないと申し立てている。

さらに訴状によるところでは、詐欺師たちがサブスクリプションを利用して収益を生み出しており、そこにはAppleとの収益分配が含まれているため、Appleはそのような行為に対して無関心になっているとされている。

エレフセリウ氏は個人的にApp Store詐欺師の影響を受けてきた。同氏はPinterestでの高収入の仕事を辞め、Apple Watch用のスワイプ型キーボードの1つであるFlickTypeアプリの開発に努めてきた。ローンチ後、このアプリは模倣アプリ制作者たちの標的となった。彼らは、自分たちのアプリがFlickTypeと同じ機能セットを提供していると主張しながら、貧弱なデザインのソフトウェアを提供し、ユーザーに高価なサブスクリプションを押し付けている。さらに偽の評価やレビューを大量に表示することで、ユーザーがこの分野でアプリを探しているときにはるかに優れた選択肢であるように見せかけることも行っている。

一方、FlickTypeは3.5星の評価を受けており、開発者によるコントロールの及ばないApple Watchプラットフォームの問題や、ユーザーの関心を引きそうな機能が欠けていることなどがたびたび指摘されている。しかし、エレフセリウ氏は自身のアプリのユーザーと関わりを持っている。苦情に対応し、ユーザーが要求した機能が追加されたりバグが修正されたりしたことを知らせている。詐欺師たちは、アプリの総合的な評価を高く保つために5つ星のレビューを十分な数購入するだけだ。

言い換えれば、エレフセリウ氏がApple Watch用のスワイプ式キーボードのカテゴリを築くApp Storeの開発者として懸命に働いている間、潜在的な収入はApp Store上の偽アプリが横取りしているというわけだ。

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Appleは何年も前から、アプリの品質問題に真剣に取り組んできた。同社は、疑わしいサブスクリプションアプリを一掃し、定期的なスイープを通じてApp Storeからクローンやスパムを削除した。かつては、アプリの品質基準を高めるためにテンプレートを使って作られたアプリを禁止したこともあったが、これはより専門的なアプリを作るためのリソースや資金がない小規模事業者の怒りを買った。(Appleはその後、ポリシーをより公平なものに変更した。)

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しかし新たな訴訟では、Appleは開発者の不正行為から利益を得ているため、詐欺師のアプリを取り締まっていないと指摘されている。エレフセリウ氏はまた、自身の会社であるKPAW, LLCを通じてこれらの問題をAppleに提起しているが、Appleはこの問題を解決するために「ほとんど何もしなかった」と述べている。

だが、エレフセリウ氏のストーリーはさらに複雑だ。同氏のアプリは、Appleの特別プロジェクトマネージャーを務めるRandy Marsden(ランディ・マースデン)氏と買収の可能性について話し合った後、App Storeから何度も却下されているからだ。エレフセリウ氏はTechCrunchに対し、Appleと数字についても協議され、会議にはディレクターやバイスプレジデントなどが参加したと語っている。訴状によると、AppleはFlickTypeをApple Watchの機能にすることを検討していたという。

その直後、競合他社のアプリが承認されたにもかかわらず、FlickTypeはApp Store Reviewガイドライン違反でApp Storeから削除された。エレフセリウ氏はDeveloper Relationsを通じて抗議したが、今後同じ問題を防ぐ方法については何も指導を受けなかったという。

その後数カ月にわたって、FlickTypeはApp Store Reviewから拒絶され続けた。このアプリは多くのメディアの技術系ジャーナリストたちが称賛しており、Appleも購入を検討したことがあるにも関わらず、AppleのApp Store Reviewは「貧弱なユーザー体験」を提供するものだと伝えている。App Reviewは開発者に「フルキーボードアプリはApple Watchには適さない」とも伝えているが、競合他社によるキーボードアプリの公開は認めている。

AppleのApp Reviewチームは、FlickTypeの統合可能バージョンのキーボードを使っているサードパーティーアプリも問題なく承認した。その中には、RedditのNano、TwitterのChirp、WhatsAppのWatchChat、InstagramのLensなどのWatchアプリが含まれている。

Appleが2020年1月にFlickTypeを承認した後、常に拒否されていたわけではない競合他社のキーボードによって、FlickTypeの収益はすでに1年にわたって損なわれてきたと同社は主張している。それでもFlickTypeはApp Storeの有料アプリトップ10に名を連ね、最初の1カ月で13万ドル(約1400万円)を稼いでいる。その成功の結果、すぐに詐欺師たちの標的になり、彼らは水増しされたほとんど使い物にならない競合アプリをローンチし、FlickTypeの収益を減らしたのだ。FlickTypeの月間売上は2万ドル(約220万円)に落ち込んでいる。競合各社はまた、偽のレーティングを使って人気を保ち、疑いを持たないユーザーにアプリをインストールさせていた。

エレフセリウ氏のストーリーは、結果的に特殊なものではなかった。同氏はここ数カ月、App Storeにおける数百万ドル単位の詐欺行為記録してきたが、その中には同氏が直面したものだけでなく、同様の苦労を体験した開発者たちのケースも含まれている。ソーシャルメディアでの同氏の記述によると、Appleが何らかの対応をしたケースもあり、そうでないケースもある。また、詐欺アプリの1つを削除するだけで、同じ開発者アカウントの他のアプリが動作し続けることを許可しているようだ。

今回の新たな訴訟は、エレフセリウ氏が直面した問題についてAppleに責任を負わせることを目的としており、同氏が失った収益の回復と、裁判所が裁定したその他の損害賠償金の支払いをAppleに求めている。

Appleにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

訴状のコピーは以下の通り。検証のための公的記録検索にはまだ現れていない。この訴訟がオンラインで表示されるようになったら、状況に応じて更新する。

Kpaw, LLC対Apple, Inc、Scribdより、TechCrunch提供

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AppleApp StoreアプリFleksy裁判

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

アップルがiPhoneやiPad、Watch向けにゼロデイ脆弱性に対するセキュリティアップデートをリリース

Apple(アップル)はハッカーによる活発な攻撃を受けているiPhone、iPadおよびApple Watch向けに、セキュリティ脆弱性を修正するアップデートをリリースした。

このセキュリティアップデートiOS 14.4.2およびiPadOS 14.4.2としてリリースされており、iOS 12.5.2などの旧機種に対するパッチも含まれている。さらに、watchOSも7.3.3にアップデートされる。

Appleによると、この脆弱性はGoogle(グーグル)のProject Zeroのセキュリティ研究者によって発見されたもので、ハッカーによって 「積極的に悪用された」 可能性があるという。このバグは、 すべてのAppleデバイスのSafariブラウザーで利用されているブラウザーエンジンのWebKitに存在する。

誰がこの脆弱性を積極的に悪用しているのか、また誰が被害者になったのかは不明だ。Appleはこの攻撃が少数のユーザーを対象としたものなのか、より広範なものなのかについては明らかにしなかった。同社が積極的な攻撃を受けて、脆弱性を修正するためにセキュリティのみのアップデートを実施したのは(我々が調べた限り)これで3回目だ。Appleは6月に入り、WebKitに存在する同様の脆弱性に対するパッチをリリースした。

今回のアップデートは早めに適応するのが望ましい。

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タグ:AppleiOSiPadOSwatchOSゼロデイ脆弱性

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter