アップルがサプライヤーのクリーンエナジーへの取り組みを公開

Apple(アップル)は、現在44社のサプライヤーがAppleのプロダクト製造においてグリーンエナジーの使用に取り組んでいることを発表した。これはすべてのサプライヤーが再生可能エネルギーを使っているという意味ではなく、また、すべての顧客に対して100%クリーンなエネルギーを使っているというわけでもないが、取り組み自体は評価できるだろう。

Appleのすべての施設、例えばオフィスや小売店、データセンターはすでにクリーンエネルギーにて運用されている。しかし、同社はサプライヤーにおいても大量の設備や労働者が存在していることを認識していた。それゆえに、Appleは中国にて再生可能エネルギープロジェクトを援助するファンドを立ち上げたのだ。また、グリーンボンドに対しても25億ドル(約2800億円)を出資している。

このような取り組みの一環として、Appleは日本にて屋上太陽光発電に出資したり、またMacBook AirやMac Miniに再使用アルミ合金を使用している。

Appleはサプライヤーにて4ギガワットの再生可能エネルギーの使用を2020年までに目指すとしていたが、これは同年までに達成できる見通しだ。実際には、間接的に5ギガワットのクリーンエネルギーが使用される予定だ。

サプライヤーにはFoxconn(フォックスコン)やWistron(ウィストロン)、TSMC、Corning(コーニング)、STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)、それに数多くの消費者には馴染みのないメーカーが含まれている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルが31.6インチ6Kディスプレイを年内発売か

アナリストのMing-Chi Kuo(ミン・チー・クオ)氏がApple(アップル)の製品計画について新しいレポートを発行したことを、9to5macが報じた。同社は31.6インチの外付けディスプレイを開発中で解像度は6K。Mac Proとは特に相性がいいという。

Appleはかつて外付けディスプレイを販売していたが、2016年を最後に中止された。最終モデルとなった27インチApple Thunderboltディスプレイはアルミニウム筐体のLEDバックライト付き液晶ディスプレイだった。2560 x 1440ドットという解像度は27インチ5K iMacの4分の1だった。また、結局Thunderbolt 3には対応しなかった。

AppleがTechCrunchにMac Proの開発について話した時、同社は新しい外付けディスプレイを出すことを伝えていた。「我々がモジュラーシステムのためのディスプレイを開発中であることをみなさんに知ってもらいたい」とAppleのワールドワイド・マーケティング担当のSVP(シニアバイスプレジデント)、Phil Schiller(フィル・シラー)氏がTechCrunchのMatthew Panzarino(マシュー・パンツァリーノ)編集長に当時話していた。

クオ氏のレポートによると、この新ディスプレイは比較的早く発売されそうだ。Appleは今年の第2あるいは第3四半期に同製品を発売する計画だ。6月3日のWWDCでアナウンスがあっても不思議ではない。

新しいiPadとMacBook Proのモデルについてクオ氏は、AppleがミニLEDテクノロジーを使用して色域、コントラスト比などを改善すると見ている。この新技術ではバッテリー性能についても従来のLEDディスプレイよりも改善されるはずだ。

ミニLEDディスプレイを使用した一連の新しい機器は2020年末から2021年前半にかけて市場に登場すると思われる。Appleがそれ以前にMacBook Proを改訂する計画を持っているかどうかは不明だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

企業と社員のアップル製デバイス管理を自動化するFleetsmithが海外進出を目指す

Fleetsmithは2016年に、クラウド上のApple(アップル)製デバイスを管理することをミッションとしてローンチした。同社はAppleのDevice Enrollment Program(日本語ページ)を利用して、これまでは複雑だったITの活動を単純化する。同社は昨年そのサービスを大幅に充実し、そして米国時間4月8日、Menlo VenturesがリードするシリーズBのラウンドで3000万ドルを調達したことを発表した。

Tiger Global ManagementとUpfront Ventures、およびHarrison Metalがこのラウンドに参加した。契約の条件として、MenloのパートナーですNaomi Pilosof Ionita氏が同社の取締役会に加わる。彼女の同僚であるMatt Murphy氏が取締役会のオブザーバーになる。同社発表のデータによると、これで同社の調達総額は4000万ドルあまりになる。

同社の共同創業者でCEOのZack Blum氏によると、最初のミッションは痛点の解消を目指し、共同創業者はAppleのデバイスを管理する現代的なアプローチを手探りで探した。Blumはこう説明する。「Fleetsmithを利用すると、顧客企業はデバイスを社員たちに直接配布できる。そして、それをもらった社員はWi-Fiに接続し、デバイスは自動的に管理システムに登録される」。

彼によると、このような自動化と、同社プロダクトのセキュリティおよびインテリジェンスの機能が合わさって、ITはデバイスの登録やアップデートについて心配する必要がなくなる。社員は、世界中のどこにいてもよい。

最初は主に中小企業に問題解決を提供していたが、最近では規模の大小を問わず、ワークフォースが分散している企業が主な顧客だ。そういう企業にとっては、どこからでも自動的に登録ができるのでとても便利だ。登録が完了したら顧客企業は、会社の全社員にセキュリティアップデートをプッシュしたり、必要ならアップデートを強制できる。ただし社員がクライアントところで会議に出ていることもあるので、そのようなアップデートができない場合には、強力なリマインダーを送る。

昨年同社は、ITが管理下のすべてのデバイスを一望にできるために、ダッシュボードを開発した。それを見ると、個々のデバイスの健康状態や問題点が分かる。たとえば、ディスクの暗号化をやっていないMacBook Proが数台見つかるかもしれない。

このダッシュボードは、Office 365やG Suiteのアイデンティティ管理部位に統合できる。ITはこれら両ツールから直接に社員をダッシュボードへインポートし、すると社員はFleetsmitこれらツールの認証情報でサインインできるから、全社員を管理下に収めることが迅速にできる。

スクリーンショット提供: Fleetsmith

Fleetsmithはまた、Managed Service Providers(MSPs, 各種のマネージドサービスのプロバイダー)とのパートナー事業により、そのリーチをさらに広げた。MSPsは中小企業のITを管理しているから、彼らとの関係を構築すればFleetsmithの拡大も迅速に行える。

現在同社は社員数30名、顧客企業数1500社に成長しているから、このやり方がうまく行ってるようだ。今回の新たな資金は今後のさらなる社員増と、プロダクトの能力拡大、そして海外進出に充てられる(これまでは米国市場のみ)。

関連記事: 中小企業の多様なApple製品の利用を自動化クラウドサービスで管理するFleetsmith$7.7Mを調達(同社シリーズA時)

画像クレジット: MacFormat Magazine / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

BeatsのフルワイヤレスPowerbeats Proを試してみた

Beats(ビーツ)は、完全なワイヤレス化にかなり時間をかけた。これ以前に、Powerbeatsシリーズの最新モデルだったのは、2016年に登場したPowerbeats3。ちょうど最初のAirPodsと同じ時期の製品だ。Apple(アップル)製のW1チップを採用したもので、iOSとの相性も向上させ、Appleファミリーの一員としてのBeatsの地位を、より強固なものにすることに一役買った。しかしこの製品でも、左右のユニットはケーブルで繋がれていた。

第2世代のAirPodsが発売されてから数週間後、BeatsはいよいよPowerbeats Proを発表した。同社として初のフルワイヤレスのイヤホンとなる。Appleの新製品と比較されることは避けられない。なんだかんだ言っても、AppleとBeatsは、現在1つの大きな家族として円満な関係を築いている。技術を共有し、協力して開発にあたっている。

それでも、さまざまな点で、Beatsは独自のブランドとしての個性を維持している。AirPodsは、Apple流ミニマリスト的な「うまく動く」アプローチを体現するようなハードウェアであるのに対し、Proのデザインは、Beatsが長年アスリートを対象としてイヤフォンを設計してきたことを反映したものとなっている。仮に、LeBron JamesやSerena Williamsのような大物アスリートが、Proの広告キャンペーンに登場したとしても、それほど大きな驚きではないだろう。

今回の新製品が、以前のバージョンと同様、耳に掛けるフックを装備していることも、このヘッドフォンがアスリートをターゲットにしていることで説明がつく。これには、メリットもデメリットある。ユーザーがイヤフォンに何を求めているかによって、その受け取られ方は異なるだろう。少しでも小さなものが欲しい人は、Appleの製品を選んだほうが幸せになれることは間違いない。

かさばる部品があれこれ付いているが、実際に装着してみるとProは非常に快適だ。メガネを掛けたままでも問題ない。交換可能なシリコン製のイヤーチップが付属していることも、この快適さに大いに貢献している。人間工学的なデザインの効果も加わって、私の耳にぴったりとフィットした。私自身は、AirPodsがフィットしなくて苦労したという経験はないが、耳に入る部分が硬いプラスチック製であるだけに、どうしてもAirPodsがフィットしない耳を持つ人がいるのも確かだ。Proは、シリコン製イヤーチップのおかげで、そうした問題とはほとんど無縁だろう。

とは言え、この製品はサイズも大きく形もゴツいことが、大きな欠点として挙げられる。装着しているときには、まったく問題ないのだが、Proを外してしまっておくには大きな充電ケースが必要となる。これは、実際、本当に大きい。少なくとも、ズボンのポケットに入れて持ち歩きたくはないと思うほどは、十分に大きい。このケースの中にイヤフォンをしまうのにも一苦労する。慣れないと、すんなり収まりにくい。この点でも、AirPodsは、するっと滑り込むようにしまうことができる。

もちろん、その大きさにはメリットもある。バッテリ寿命は、スペック上、ヘッドフォン単体で9時間、充電ケースと組み合わせれば24時間と、圧倒的に長い。ということは、朝のランニングに出かける際には、ケースを持って行く必要はないことになる。

Powerbeats Proの音質は、Bluetoothイヤホンとしては非常に優れている。Beatsはこの数年間、歪んでしまうほど増強した低音によって、音質の欠点を過度に補っているという、人聞きの悪いイメージを振り払おうと努力してきた。そして、そのようなイメージは、もはや過去のものとなった。Beatsの音質は大きく進歩した。その効果は、より小さな製品にも反映されている。

今回私は、さまざまなジャンルの曲を、かなり広い範囲からピックアップして聴いてみた。どれも非常に感動的だった。楽器の音の分離は素晴らしく、低音が重厚なヒップホップやダンスミュージックでも、非常にクリアな音が楽しめた。

価格は、この種の製品の相場を塗り替えるものになりそうだ。250ドル(約2万7500円)という価格は、最新のAirPodsより50ドル(約5500円)高く、Galaxy Budsと比べれば100ドル(約1万1000円)も高い。これが市場に受け入れられるかどうか、微妙なところかもしれない。

Powerbeats Proの発売は来月に予定されている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

AppleがHomePodの価格を50ドル値下げ

米国時間4月4日、Apple(アップル)のスマートスピーカー「HomePod」が299ドル(約3万3000円)に値下げされた。

2017年中旬に発表され2018年初旬に発売された、Siriを内蔵したAppleのスマートスピーカーは、当初は349ドル(約3万9000円)の価格とプレミアムなサウンド、デザインにてAmazon(アマゾン)やGoogle(グーグル)が占拠するマーケットに挑んだのだ。

それにしても、299ドルという価格は相変わらずひどく割高だ。昨年のホリデーシーズンには、HomePodは249ドルにて販売されていた。なおAppleはTechCrunchに対し、今回の値下げが恒久的なものだと認めている。

また、299ドルという価格はHomePodの整備済み製品につけられていた価格だった。そして、現在整備済み製品は259ドル(約29000円)に値下げされている。しかしどちらのバージョンも売り切れており、これは後継機の存在を予測させる。

「HomePod 2」の噂は以前からあったが、その詳細はまだわかっていない。発見された特許出願を参考にすれば、本体上部のディスプレイの機能が拡張される可能性がある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

次期iPhoneに双方向ワイヤレス充電とバッテリー容量アップの噂

MacRumorsが掲載した実績あるアナリストことミンチー・クオ氏の報告によれば、次期iPhoneでは双方向のワイヤレス充電機能(リバースワイヤレス充電機能)がサポートされる可能性がある。これはつまり、iPhoneから他のデバイスを充電できるということだ。

このようなリバースワイヤレス充電は、韓国Samsung(サムスン)の「Galaxy S10」や、中国Huawei(ファーウェイ)の「 HUAWEI P30 Pro」などですでに採用されている。

SamsungのBluetoothイヤホンは、この「PowerShare機能」でケースをGalaxy S10の背面から充電することができる。さらにQi(チー)規格に対応していれば、他のスマートフォンやアクセサリを充電することも可能だ。

さらに、Apple(アップル)はワイヤレス充電ケースの付属した「AirPods」の販売を開始している。もしかしたら、次期iPhoneではAirPodsの充電ができるかもしれない。

クオ氏によれば、このリバースワイヤレス充電機能はiPhone XSやiPhone XS Max、iPhone XRの後継機種のすべてに導入される可能性がある。

さらに、Appleは新機能の導入に備えてバッテリー容量を増加させるかもしれない。次期iPhone XSは20〜25%、次期iPhone XS Maxは10〜15%のバッテリー容量の増加が期待されている。ただし、現在もっとも駆動時間の長いiPhone XRの次期モデルでは、バッテリー容量は変化しないようだ。

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(文/塚本直樹 Twitter

FBIとアップルの法廷闘争の内幕を暴く本が出版へ

Apple(アップル)のCEOであるティム・クック氏の新たな伝記が、今月中にも発売予定となっている。そこには、FBIが前例のない法的命令をAppleに突きつけた当時の葛藤が明らかにされている。それはAppleの主力製品のセキュリティを骨抜きにしかねないものだった。

その本は、「Tim Cook:The Genius Who Took Apple to the Next Level」(Appleを次のレベルに押し上げた天才)というタイトルで、著者はLeander Kahney氏だ。当時のスタッフの生々しい言葉でAppleがその命令とどう闘ったかが記されている。クック氏は、その命令に従うのは「危険過ぎる」と言ったという。

3年前に起こったSan Bernardinoでのテロ攻撃では、12人が死亡し、数十人が負傷した。その後FBIはAppleに、特別バージョンのモバイルソフトウェアを作成して、iPhoneの暗号化、その他のセキュリティ機能をバイパスできるようにすることを要求した。テロの実行犯の一人がiPhoneを使っていたからだ。しかし、裏口を設けたソフトウェアが、やがて悪意の第三者の手に渡ることを恐れたクック氏は、公開書簡で、AppleはFBIの命令を拒絶し、法廷で戦うことを宣言したのだった。「そうしたソフトウェアは、誰かが実際に所有しているiPhoneのロックを解除する能力を持つことになります」と、クック氏は述べている。この件の帰結は、このハイテクの巨人と政府の公の戦いは数ヶ月も続き、その後政府はハッカーにお金を払ってデバイスに侵入させることを選ぶ、というものだった。

Appleが長いこと主張していたところによれば、司法省はAppleに対して公に闘いをしかけ、テロ攻撃の余波を利用して公衆を納得させることを狙っていたという。つまり、Appleをテロリストの味方のように見せかけて、同社が反論する前に裁判所の命令を引き出そうとしていた。

もしAppleがその訴訟に負けようものなら、これまでずっとプライバシーとセキュリティを守り続けてきた同社の理念は、粉々に砕け散ってしまう。クック氏は、この命令に背くことを決断するにあたり、「社運を掛ける」とまで言ったという。そのことは、この本に登場する元Appleの顧問弁護士、Brian Sewell氏の言葉として伝えられている。

Sewell氏によれば、FBIの命令は1つの転換点だった。その前には「数々の活動」が見られ、それを受けて当時のFBI長官、James Comey氏は、命令書に署名するよう判事に求めたのだ。

その命令は、All Writs Actとして知られているあいまいな法律に基づいて発行されたもの。FBIは、その法律以外ではカバーできないようなことを民間企業にさせる場合、その命令の発行を裁判所に依頼する際の切り札として使っている。命令は「ひどく負担が重い」ものにすることはできないとされているが、こうした主観的な言葉づかいは、その命令を発行する裁判所によって決められることも多い。

Sewell氏は、FBIは2014年ころからAppleに対して「スマホにアクセスする共通の手段」を提供するように求めていたという。それは、AppleがiOS 8をリリースして、iPhoneとiPadをパスコードで暗号化できるようになった時期だ。法執行機関は、犯罪調査のために必要だと彼らが認めたデバイスに侵入することが、なかなかできないでいた。正しいパスコードを入力する以外、iPhoneに侵入するための現実的な方法はなかった。たとえ裁判所の命令があってもだ。Apple自身ですら、デバイスのロックを解除できなかった。そして同社は、FBIの要求を拒否したのだ。

しかしこの本では、法執行機関は「Appleに強制的に協力させる絶好の機会ととらえていた」と、著者のKahney氏は書いている。

「FBIには、これは最悪な事態だという感覚もあったのです」と、Sewell氏は述べている。「われわれは今、悲劇的な状況にある。われわれにはiPhomeがある。加害者の死体もある。今こそやり遂げるべき時だ。そういうわけで、FBIは命令書の発行を決めたのです」と。

Appleは世論が分裂していることを知っていたが、妥協はしなかった。

次の2ヶ月間、かつてAppleの本社があった、クパチーノのOne Infinite Loopのエグゼクティブフロアは、「24時間年中無休の危機管理室」になった。そこでは、プレス対応が徹底的に強化された。Appleは、もともと秘密主義の会社として知られていて、そのような対応は過去にほとんどなかった。

この件は、結局裁判を経ずに解決した。Appleが、カリフォルニア州の裁判所で政府と直接対決することになっていた日の前日になって、政府はその法的措置を取り下げたのだ。政府が、ハッカーにほぼ100万ドル(約1億1000万円)を支払い、iPhoneに侵入することに成功したためだ。クック氏は、この訴訟が裁判にかけられなかったことに「失望した」と述べたと、Sewell氏は語っている。なぜなら、この件の解決は、Appleにとって好都合のものとして裁定が下ると信じていたからだ。その命令の合法性については、今日でもまだ結論が出ていない。それでも政府は、Facebookなど、他の会社に対して、警察がアクセスできるようにソフトウェアを作り直すよう強要することをもくろんでいる。

司法省報道官のNicole Navas氏はコメントを拒否した。Appleもコメントしなかった。

「Tim Cook:The Genius Who Took Apple to the Next Level」は4月16日に米国で発売される。

(参考記事日本語版:FBI、暗号化でアクセス不能な端末数を水増し報告

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

AirPodsを発売した数日後にAirPowerをキャンセルしたアップル

「AirPowerマットで使えます」。嘘だろう。私に言わせれば、Appleがハードウェアの品質に求めているという「高い水準」は、その顧客の扱いには発揮されていない。ワイヤレス充電が可能な199ドル(日本では22800円)のAirPodsヘッドフォンを発売してからわずか9日後、やがて発売されるはずだったApple純正AirPower誘導充電マットとの互換性をウリにしていたのもむなしく、AppleはAirPowerを完全に破棄した。なんでも「普通に使える」ことを標榜する企業にとって、これはらしくない、ずさんな仕事だ。まったく使えない。

AirPodsの発売後、かなり短期間でAirPowerのキャンセルが表明されたことを考えると、3月20日に「AirPods with Wireless Charging Case」を発表した時点で、はたしてAppleはAirPowerが予定通り発売可能だと判断していたのかどうか、疑問が残る。それを明らかにしないのは、顧客の信頼を踏みにじるものだ。まだ誰も手に触れたことがないうちに、次々に登場する新製品を発注するよう、いつも促しているような会社にとって、これは痛手だろう。そうした顧客に償う方法を真剣に考えるべきではないだろうか。何しろAppleは、2450億ドル(約27兆円)もの現金を常に保有している会社なのだから。

AirPower廃止のニュースをすっぱ抜いたのはTechCrunchだった。「最大限に努力しましたが、AirPowerでは私たちの高い基準を達成することができないという結論に達し、プロジェクトをキャンセルしました。発売を楽しみにされていたお客様にはお詫びいたします。私たちは、ワイヤレスは将来有望だと相変わらず信じています。そしてワイヤレス体験をさらに推し進めるようコミットしています」と、Appleのハードウェアエンジニアリング担当上級副社長であるDan Riccio氏は、電子メールで述べている。

これは驚き以外の何物でもない。特に、AirPowerと互換性があると書いてあったワイヤレス充電可能な199ドル(日本では2万2800円)のAirPodsや、箱にAirPowerと組み合わせた使い方が大々的に描かれている79ドル(日本では8800円)の単品の充電ケースを買った人は、がっかりだろう。

Appleが、AirPowerマットを最初に発表したのは2017だった。その時点では、「来年」にはAirPodsのワイヤレス充電ケースといっしょに発売するとしていた。しかし、2018年は何事もなく行き過ぎた。そして、新しいAirPodsは3月20日に発売されたが、そのプレスリリースにもAirPowerについて何の言及もなかった。これで一気に疑惑が高まった。そして今、伝わるところでは過熱の問題によって生産が困難となり、製品自体がキャンセルされることになった。Appleは、火災の危険性が指摘されたGalaxy Note 7の二の舞になることを避けるため、発売を中止したのだ。

「AirPods with Wireless Charging Case」の箱には、AirPowerの図も載っていた(画像:Ryan Jones

AirPodsで使える充電マットは、他にもいろいろある。もしかすると、Appleが将来発売するiPhoneやMacBookは、ワイヤレスでAirPodsに電源を供給できるようになるかもしれない。しかし、粗悪なサードパーティ製品を避けて、Apple製品だけですべて揃えたいという人には、歯がゆい事態となってしまった。

ありがたいことに、新たにAirPods with Wireless Charging Caseを購入した人は、まだ返品することもできる。しかし、レーザー刻印によってパーソナライズしたApple製品は、普通は返品できない。私自身、よくなくすので、AirPodsには電話番号を刻印している。さらには、AirPowerの発売を楽しみにしながら、Apple Watcheや、iPhone 8以降のモデルを購入した人もいるはずだ。こうした例外的な返品を認めるのかどうか、Appleに問い合わせ中だ。

どうしようもなく壊れやすい新型MacBookシリーズのキーボードについての謝罪Mac Proについての謝罪旧いiPhoneの動作が遅くなることを通知するやりかたがまずかったことについての謝罪、Apple TV+とApple Arcadeを発表だけして、登場は何ヶ月も後になるという最近のベイパーウェアの発表イベント、そして今回のAirPowerについての謝罪とキャンセル。世界で最も多くの現金を保有している会社のゴタゴタが収まらない。こうした問題をうまく解決できなければ、Appleは、Android並に信頼性が低いものに見られてしまうというリスクを冒すことになる。

(関連記事:The greedy ways Apple got to $1 trillion

(関連記事:アップルが野心的ワイヤレス充電マットAirPowerをキャンセル、品質が水準を満たせない

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルが野心的ワイヤレス充電マットAirPowerをキャンセル、品質が水準を満たせない

Apple(アップル)はAirPowerシリーズ製品化の計画をキャンセルした。自身が設定した高い品質基準を満たすことが困難だと判明しためという。Appleのハードウェアエンジニアリング担当上級副社長、Dan Riccio(ダン・リッチオ)氏はTechCrunch宛メールで次のように述べている。

製品化に向けて努力を重ねてきたものの、AirPowerはわれわれが設けた高い品質基準を満たすことが困難だと結論せざるを得なかった。このため製品化はキャンセルされた。出荷を期待していた顧客の皆さんにはお詫びしたい。しかしワイヤレスはトレンドであり、Appleは今後ともワイヤレス体験の改善に向けてコミットしていく。

2017年の9月にAirPowerの開発がスタートしたことが発表されて以来、スケジュールは1年以上遅れていた。このワイヤレス充電マットは野心的な開発計画を製品の完成前に発表するというAppleのPR手法の代表的な例の1つだった。AirPodsも開発中に発表された一例だ。広く市販される前に限定販売が行われたが、その後量産体制が軌道に乗ると新しいカルチャーのシンボル的なプロダクトへと成長した。

しかしAirPowerのスケジュールの遅れははるかに長く、その間に各方面からさまざまな議論が起きた。最近AppleはMacBookのキーボードの不具合で謝罪を余儀なくされた。キーボード問題と共にAirpowerのキャンセルは「Appleのハードウェア開発のプロセスにはなにか根本的に問題があるのではないか?」という議論を引き起こしそうだ。

私が個人的に聞いたところでは(もちろんAppleは公式には何も認めていない)、AirPowerの遅れは物理法則上の非常に困難な問題から生じていたという。特に発熱が障害となったようだ。空間的にごく近接してコイルを配置しなければならないワイヤレス充電システムでは非常に微妙な電流制御が必要になるのだという。

仮にデバイスをオーバーヒートさせ、その結果損傷させる可能性があるワイヤレス充電マットを出荷してしまったらAppleにとって致命的な問題となる。それならむしろプロジェクトをキャンセルするほうがいいと考えたのだろう。このあたりの詳細をご存知の読者がいればぜひ情報提供をお願いする。

見込み発車で先進的な技術を搭載した製品を発表し、市販後に改良を加えていった例がAppleにはいくつかある。しかしAirPowerの場合、カメラの不具合などととは異なる次元の問題を引き起こす恐れがあったわけだ。ともあれキャンセルが決定されたのはごく最近のはずだ。新しいAirPodの箱にはAirPowerの上に置かれている画像が印刷されていたし、AirPodの説明にもAirPowerが登場していた。

Appleにしては非常に異例の失態といえるだろう。 AirPowerについての外野の議論は大いに盛り上がっていたものの、誰も「キャンセル」とまでは思っていなかった。Appleのハードウェアエンジニアリングは年来ほとんど不可能と思えるような難関を次々にクリアしてきた実績があり、それだけユーザーからの信頼も厚かった。しかしついに(少なくとも当面)ハードウェアエンジニアリング上の困難が開発チームを打ち負かしたようだ。

ハードウェアの開発というのは文字通りハードな仕事だ。ワイヤレス充電の原理は比較的シンプルだし、特定のデバイスのペアではすでに広く実現している。しかしAirPowerが約束していたような能力、つまりさまざまなデバイスを同時に載せて充電し、かつデバイスと対話して充電レベルをモニターするというのは非常に高いハードルだった。このケースでは高すぎた、ということのようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Apple Watchの心電図・不整脈検出機能、欧州と香港のユーザーも利用可能に

Apple Watchの最新バージョンは曲面ディスプレイと新しいデザインだけが特長ではなく、昨年ローンチしたそのウォッチの重要な機能のひとつは健康管理の能力が向上したことだ。それは特に心臓の健康と心房細動の検出だ。

その機能は米国では12月から使えたが、海外のユーザーは待たされた。米国時間3月27日にアップルは、その心電図機能と不整脈検出機能が、このウォッチの最新のアップデートでヨーロッパ19カ国と香港でも利用できるようになったと発表した。対象エリアのユーザーは、Apple WatchのSeries 1モデル以降で使える不整脈検出機能にもアクセスできるようになったことが、今回の発表の目玉だ。

今回新たにサポートされる国は、オーストラリア、 ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシア、香港、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、スゥエーデン、英国、スイスだ。

関連記事: Apple Watchの心電図機能が早くもその価値を証明した

不整脈を検出できるのはApple Watch Series 1以降だ。心電図機能はApple Watch Series 4のみで、手持ちのWatchを5.2にアップデートして、同じくアップデートしたiPhoneの上でHealthアプリを開けばインストールできる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルがMacBookの第3世代のバタフライキーボード問題で謝罪

Apple(アップル)はMacBookのバタフライスイッチキーボードの改善を続けてきた。実際、テクノロジーは第3世代となっており、今なお続く問題を解決するゴム加工膜が追加され、耳障りな音も減少されている。

しかし、最も熱烈なAppleファンたちでさえも、キーの固着やランダムな誤動作に不満を持ち続けている。本当の話、シアトルで行われたAmazonのあるイベントで、私は会場内の緊張した空気をいち早く伝えるべく社員のひとりに緊急メールを送った。どの子音が抜けたのかは思い出せないが、当時の決定的ニュースを伝えるためには決定的に重要だったようだ。たぶんあれは「M」だったと思う。

More recently, I had to take laptop into IT after it was firing off random spaces and period. I might have screamed at my desk a few times over that one. Then there was this, wic onestly couldn’t ave appened at a worse time.

最近私は、スペースとピリオドがランダムに入力されるようになったノートパソコンをIT部門に持ち込まなくてはならなかった。座席で何度か叫び声を上げていたかもしれない。そしてこれが、これ以上悪いときはないというタイミングに起きた[” wic onestly couldn’t ave appened at a worse time.”]。

Apple’s acknowledged issues in the past, suggesting free repairs. And now it’s offered The Wall Street Journal a bit of an apology for the on-going woes.

Appleは過去にこの問題を認めて無料修理を勧めた。そしてこのたび現在進行中の問題に関してThe Wall Street Journalで少しばかり謝罪した

「弊社は第3世代のバタフライキーボードで少数のユーザーが問題を経験していることを認識しており、申し訳なく思っている」と同社は言った。「大多数のMacノートパソコン顧客は新しいキーボードで有意義な体験をしている」

このあと、何か問題があればユーザーはAppleCareに連絡を取るよう勧めている。私は最新のキーボードが同社にとって正しい方向に進んでいると思っているが、初期の問題は今も十分続いているので、Appleはこれに関して設計図から見直したほうがよいのではないだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ニューヨークなどの交通機関でApple Payが使えるようになる

携帯電話で地下鉄やバスの運賃を支払えるのは不思議でもなんでもないかもしれないが、米国の大半では今も紙の切符や、いかにもなくしそうなプリペイドカードなどが必要だ。

日本時間3月26日のプレスイベントで、アップルは米国のいくつかの主要都市でApple Payがサポートされ、iPhoneやApple Watchをかざして運賃を支払えるようになると発表した。

詳しくは語られなかったが、アップルはニューヨーク、シカゴ、ポートランドで今年の後半にApple Payで公共交通機関の運賃を支払えるようになると認めた。

Apple Payが交通機関に対応するのは初めてではない。たとえば北京と上海ではおよそ1年前に利用できるようになっている。多くの都市で使えるようになれば、そこを訪れた時に交通機関を簡単に利用できる。それだけでも素晴らしいことだ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

新しいサービスに対応するApple TVアプリは5月に登場

長らく待たれていたアップルのテレビ・映画のストリーミングサービスの発表に合わせて、iPhone、iPad、Apple TV用の新しいApple TVアプリも発表された。アップルの新しいTVチャンネルサービス、Apple TV+、自分のiTunesライブラリ、ケーブルテレビや衛星放送、Amazonプライム・ビデオやHuluといった他社のストリーミングサービスなど、どのソースからでもコンテンツを見つけやすいデザインになる。

新しいアプリには「Watch Now(今すぐ見る)」タブがあり、ここから見ていた番組の続きを再生したり、人気コンテンツを見たり、これまで以上に賢くパーソナライズされたおすすめコンテンツを楽しんだりすることができる。

インターフェイスは、ストリーミングサービスらしいものだ。「What to Watch(必見)」や「New and Noteworthy(注目の新作)」といったセクションがあり、画像のサムネールで表示されている。

楽しみたいものを見つけたら、「Watch Later(あとで見る)」リストに追加できる。

Roku(米国で人気のストリーミングサービス)のテレビや映画のハブ、Roku Channel、AmazonのPrime Videoチャンネルと同様に、Apple TVアプリでもプレミアムチャンネルを簡単に購読できる。

保存済みの支払い情報により、わずか数回のクリックで、HBO、Showtime、Starz、CBS All Access、Epix, Tastemade、Nogginなどの有料チャンネルの無料トライアルを開始できる。

アドオンのTV「チャンネル」

アプリを操作するには、上部にある「今すぐ見る」「ムービー」「テレビ番組」「スポーツ」「キッズ」「ライブラリ」のセクションをタップする。このうちのいくつかにも、変更が加えられている

たとえば「キッズ」のセクションでは、Netflixと同じように子どもがお気に入りのキャラクターごとにブラウズすることができるようになる。

ほかにも、番組の冒頭部分をとばしてすぐにコンテンツを見たり、もちろんSiriを使ってコンテンツを探したり視聴の操作をしたりすることもできる。

Apple TVアプリで、新しいApple TV+のプログラムも楽しめるようになる。Apple TV+のプログラムには、オプラ・ウィンフリー、スティーブン・スピルバーグ、ジェニファー・アニストン、リース・ウィザースプーン、オクタビア・スペンサー、J.J.エイブラムス、ジェイソン・モモア、M・ナイト・シャマラン、ジョン・M・チュウといったビッグネームが顔をそろえる。

アップルのインターネットソフトウェア&サービス担当シニアバイスプレジデントであるEddy Cue氏はプレスリリースの中で「世界のクリエイティブな才能たちが自ら制作、出演した最高傑作を、Apple TV+でご覧いただけることを大変誇りに思っています。今回はプレビューだけのご紹介になりますが、今秋、みなさんにApple TV+のすべてをご覧いただくのを心より楽しみにしています。テレビや映画の熱狂的なファンのみなさんでもまだご覧になったことのない、最高品質のオリジナル作品をApple TV+にご用意してお待ちしています」と述べている。

新しくなったアプリは2019年5月にApple TV、iPhone、iPadで使えるようになり、さらに2019年秋には初めてMac版も登場する。OSのアップデート時には世界100カ国以上で使えるようになる見込みだ。

以前に発表されたように、Apple TVはアップル以外のデバイスでもこれから使えるようになる。サムスン、LG、ソニー、VizioといったスマートTVのほか、将来的にはRokuやAmazon Fire TVプラットフォームにも対応する予定だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

アップルイベントで発表されたサービスをまとめてみた

先週はApple(アップル)からiPad、iMac、AirPodなど新しいハードウェアが続けざまに登場した。しかしAppleにはさらに発表すべきプロダクトがあった。

米国時間3月25日、Apple本社のスティーブ・ジョブズ・シアターで開催された2時間のプレスイベントで、同社は多数のサービス、アプリを披露した。特に力を入れていたのがメディアのサブスクリプションサービスだ。生中継を見逃した人のために、イベントのハイライトをまとめたので参考にしていただきたい。

AppleTV+
Appleは広告なしのサブスクリプションによるビデオサービスを開発中だ。オリジナルコンテンツの製作には、オプラ・ウィンフリーからスティーブン・スピルバーグ、J.J.エイブラムス、ジェニファー・アニストン、リーズ・ウィザースプーン、ジェイソン・モモア、クマイル・ナンジアニ、オクタビア・スペンサー、ロン・ハワード、M. ナイト・シャマラン、ソフィア・コッポラ、 デイミアン・チャゼルまで大勢のセレブが参加している。

新しいApple TVアプリではHBO、Showtime、Stars、CBS All Accessなど他社のストリーミングも簡単にサブスクリプションできる。新しいApple TVはiOS、macOSをサポートするが、各種スマートTVにも拡張される予定だ(サムスンが最初で、ソニー、LG、Vizioなどが続く)。Roku、Amazon Fire TVなどのハードでも利用できるようになる。料金などの詳細はイベントでは明らかにされなかった。

Apple News+
Apple Newsもリニューアルされた。これにはApple News+と呼ばれるサブスクリプションサービスが含まれる。当面は北米対象で利用料金は月額9.99ドルだ。ユーザーは300種類以上のニュースメディアの記事(過去記事も含む)にアクセスできる。People、Vogue、Wall Street Journal、Rolling Stone、Wiredのデジタル版のサブスクリプションもできる。TechCrunchの有料デジタル版ニュース、Extra Crunch!の購読もどうぞ。

Apple Arcade
広告なしの使い放題式クラウドゲームサービスが発表された。このプラットフォームはiOS、macOS、tvOSをサポートする。スタート時点でディスニー、コナミ、レゴなどの100種類以上のタイトルがプレイできる。この秋から150の地域で運用が開始される。料金プランは明らかにされなかった。

Appleクレジットカード
Appleはクレジットカードの発行を準備している。スマートフォンアプリのバーチャル版カードに加えて通常の物理的カードも用意される。年会費、遅延手数料などはない。物理的カードにはカード番号、有効期限、サイン、裏面のセキュリティー用のCVV番号などの情報は一切記載されない。マーチャントがこうした情報を必要とするときはWalletを作動させればいい。これは1回ごとに使い捨てのセキュリティーキーを生成する。われわれの同僚であるZack Whittakerによれば、これによりカード情報を窃取するのは非常に難しくなっているという。カスタマーサポートはアプリ内からチャットで実行される。運用開始はこの夏。

公共交通機関向けApple Pay
今年後半にApple Payが一部のアメリカの都市の公共交通機関で利用できるようになる。まずポートランド、シカゴ、ニューヨークに導入されるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルイベントに登場したオプラが「ブッククラブ」計画を明らかに

ストリーミングその他サービスが発表されたアップルイベントの最後のほうは多くのセレブがステージに登場し、彼らが新たなApple TV+サービス向けに制作する番組について語った。そのセレブにはスティーブン・スピルバーグ、リース・ウィザースプーン、ジェニファー・アニストンらが含まれるが、大トリを飾ったのがオプラ・ウィンフリーだ。

Appleは昨年、ウィンフリーと「ユニークな、複数年にわたるコンテンツのパートナーシップ」を結んだと明らかにしていた。しかしその発表では彼女が関わるプログラムの詳細について示されなかった。

ウィンフリーは今日、2つのドキュメンタリーについて語った。1つが職場でのセクハラの影響にスポットを当てた「Toxic Labor」だ。もう1つはタイトル未定のメンタルヘルスに関するものだ。

それらに加え、ウィンフリーは彼女がこれまで展開してきた本について語るブッククラブの新バージョンをAppleと準備中だと話した。ウィンフリーいわく「地球上で最大かつ最も心に響き、刺激を受けるもの」とのことだ。このブッククラブでは、彼女の著者へのインタビューが世界中のApple Storeやデバイスに流れる。

「私は文字通り心のミーティングを開き、本を通じて人々をつなげたい」と語った。

さらにウィンフリーは、彼女のAppleコンテンツで「見識と釣り合いの取れた物の見方、真実、寛容性が実際に交差する、まさに正しい場所にたどり着きたい」とした。そして自身のメッセージをものすごい数の聴衆に届けるのにAppleのプラットフォームを活用することへの期待感を表し、「あなたたちも含め聴衆は10億ものポケットの中にいる。10億ものポケットだ」と話した。

イメージクレジット: Brian Heater

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(翻訳:Mizoguchi)

アップル発表イベントの全ビデオはこちら

ビデオは、今日のApple(アップル)イベントで形式的にも機能的にも大きな役割を果たしていたが、Appleは伝統的なAppleイベントのビデオについてもぬかりなかった。Apple Arcadeなどの新サービスのプレビューから、アーティストがApple TV+のコンテンツを作る様子、一連のビデオを見れば今日のライブストリームを見損なった人でもAppleの新サービスの概要を一覧できる。

例によって今日も初めはティーザービデオだった。

Appleが最初に発表した製品はApple News+で、300種類以上の雑誌や新聞を月額9.99ドルで利用できる。ちなみに、Apple News+は今日発表された中で唯一今日から利用できるApple製品だ。

2番目のApple製品はApple Card。Apple Cardとは、Apple Payが利用できる場所ならどこでも使える電子クレジットカード。Apple Cardアプリを使うと取引履歴を見ることができ、カードで支払うとその日のうちに2%のキャッシュバックが受けられる。すべてウォレットアプリの中に含まれている。

そして、もちろん。物理的カードもついてくる。チタン製で名前がレーザー刻印されていて番号は〈ない〉。Apple Cardは クレジットカードの不正を困難にするはずだ

次にAppleは、ゲームのサブスクリプション・サービス、Apple Arcadeを発表した。

同サービスは今秋にならないと始まらないが、スタート時点で100種類以上の有名ゲームがディズニー、コナミ、レゴなどから提供される。重要なのはこれがクロスプラットフォーム製品であることで、ゲームはiOS、macOS、tvOSのどこでもプレイ可能なので、AppleはiOSをきっけかにMac上でもゲームを推進できる。

これについてはビデオが2本あるが、価格は示されていない。

そして最後にAppleは、Apple TV+を発表した。近日公開予定のサブスクリプションサービスで、ユーザーはAppleの新しいオリジナルコンテンツのライブラリーを利用できるようになる。これには、ジェニファー・アニストン、リース・ウィザースプーン、スティーブ・カレルなどがニュースについて語るモーニングショウや、クメイル・ナンジアニが移民の毎日について真実を語るアンソロジーシリーズなどもある。

最後のワンモアシン、オプラ・ウィンフリーがApple TV+2つのニュース番組に出演する契約にサインした。

Apple TV+の開始は今年の秋からで、価格については未だに言及されていない。

アップデート:AppleはついさきほどApple TV+のプレビュービデオを公開した(これが今日のイベントで最高のビデオというのが正直な感想)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルがストリーミングサービスのAppleTV+を披露、スピルバーグも登壇

米国時間3月25日、クパチーノのApple[アップル)本社のスティーブ・ジョブズ・シアターで開催されたプレスイベントで、同社はストリーミングサービス「Apple TV+」をスタートさせることを明らかにした。

すでにAppleは多数のオリジナル番組を製作中だ。「相乗りカラオケ(Carpool Karaoke)」みたいなニッチな番組ばかりではないかという疑いも(おそらくは)一掃されるだろう。オリジナル作品ではスティーブン・スピルバーグが自身で手がけた「世にも不思議なアメージングストーリー」をリメイクするという。またアイザック・アシモフの傑作、「銀河帝国」を原作としたSFシリーズ、ジェニファー・アニストンとリーズ・ウィザースプーンが出演するテレビのモーニングショーの内幕ドラマまで豊富なジャンルが準備されている。

オリジナル番組の内容については1年前から情報が流れていた。そこで今日のイベントへの期待は、Appleがビデオストリーミングを始めるかどうかというより、いつ、どのようにしてユーザーがコンテンツにアクセスできるようになるのかが明かされることだった。それに料金プランも強い関心を集めていたが、そうした詳細が明かされるのはこの秋に持ち越された。

これまでも「AppleはiOS、tvOSのユーザーにはコンテンツを無料で提供するのではないか」と報じられていた。つまりオリジナル番組はAppleのハードウェアを売るためのある種のマーケティングツールの役割を果たすだろうという見方だ。

実際、AppleはApple TVアプリのリニューアルを発表した。リリースは5月でAppleのデバイスのユーザーなら無料だ。新しいApple TVチャンネルからはAppleだけでなく、HBO、Showtime、Starz、CBS All Accessなど他社のストリーミングサービスをサブスクリプションできる。

Appleがイベントに動員したプロデューサー、監督、俳優の顔ぶれは豪華だ。冒頭のプロモーション・ビデオにはスティーブン・スピルバーグ、J.J.エイブラムス、オクタビア・スペンサー、ロン・ハワード、M. ナイト・シャマラン、ソフィア・コッポラ、 デイミアン・チャゼル、そして前述のジェニファー・アニストンとリーズ・ウィザースプーンらが登場した。こうした映画人はもちろん全員がApple TV+で配信される作品に関わっている。

スピルバーグが登壇し、子供の頃にSF雑誌のAmazing Storiesの愛読者だったことを語った。スピルバーグは1980年代にNBSでこれをドラマ化し、「世にも不思議なアメージングストーリー」が製作されたのだという。

スピルバーグは「先見的でクリエーティブなAppleの人々のおかげで、私とアンブリン・エンタテインメントのチームは 生誕以来93年になるこの伝説的雑誌を復活させるチャンスを得た。新しいアメージングストーリーは世代を超えてすべての人々が楽しめるシリーズとなる」と述べた。

続いてモーニングショーの内幕ドラマに出演するアニストン、ウィザースプーン、スティーブ・カレルなど誰もが知るスターが登場した。ジェイソン・モモア、アルフレ・ウダードはSFシリーズ「See」について語り、オムニバスのシリーズ「Little Americaのクメイル・ナンジアニは「移民を主人公にしたヒューマンストーリーにしたい」と抱負を述べた。そしてビッグバード(あの黄色いビッグバードだ!)はプログラミングをテーマにした番組をセサミワークショップがApple向けに製作していると発表した。「Little Voice」のJ.J.エイブラムスとサラ・バレリスも登場し、バレリスは番組のテーマソングを歌うなど華やかなプレスイベントとなった。

この後も随時アップデートの予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Apple Arcadeはクロスプラットフォームなゲーム購読サービス

Apple(アップル)は新ゲーム購読サービス「Apple Arcade」を発表した。iOSとmacOS、tvOSにて、ダウンロードによる広告なしでのゲームプレイし放題サービスを提供することになる。

米国時間3月25日の朝、イベントにて発表されたApple Arcadeでは、月額料金を支払うことでハードウェアの枠を超えたゲーム体験をもたらす。AppleでCEOを務めるティム・クック氏は「ゲームをより良いものにしたい」と語った。

サービスでは100以上の新作、あるいは独占タイトルが登場し、今後も新作タイトルが追加される。さらにAppleはディベロッパーとも直接提携し、タイトルの開発を助けるようだ。初期パートナーとしてはディズニーやコナミ、レゴの名前が挙げられている。

その他の注目点としては、すべてのゲームがオフラインでプレイできることだ。これは、米Googleが発表したストリーミングゲームサービス「Stadia」とは大きく異なる。また先述のように、ゲーム内に広告は登場しない。

Apple Arcadeへは、Apple Storeアプリの下側のタブからアクセスできる。サービスの提供時期は秋からで、150地域にてローンチ予定。ただし、価格についての発表はなかった。

[原文へ]

(文/塚本直樹 Twitter

アップルスペシャルイベントと並行生中継、TCライブ配信は26日午前1時30分から

TechCrunch Japanでは、日本時間3月26日午前2時から開催されるアップルのスペシャルイベントに併せて、その内容を実況・解説するライブ配信を実施する。前回同様、ドワンゴとの共同で、配信プラットフォームはニコニコ生放送。出演は、TechCrunch Japan編集統括の吉田博英と、女優兼エンジニアの池澤あやかさん。

TechCrunchでも、イベント前にさまざまな噂記事が上がっているが、キーワードはやはり「サブスクリプション」。動画はもちろん、新聞・雑誌、ゲームなどのさまざまな定額配信サービスの登場が予想されている。

アップル新サービスはHBOやShowTimeなどを月額9.99ドルで提供か
26日午前2時開始のアップルイベントのテーマはサブスク、アップルクレカの発表も?
明日のアップルイベントの目玉はオンラインゲームサブスクの可能性
Netflixは3月25日発表のアップルのビデオストリーミングサービスに加わらないとCEOが声明
日本時間3月26日未明のアップルイベントを前に無人のスティーブ・ジョブズ・シアターを覗いてみた

Google、Apple、Facebook、AmazonはGAFAとしてまとめられることも増えたが、GAFAの中でハードウェアの依存度が高いアップルが、ソフトウェアで収益の大きな柱を構築できるのか、早朝の発表に注目したい。

アップル新サービスはHBOやShowTimeなどを月額9.99ドルで提供か

Wall Street Journal(WSJ、ウォールストリートジャーナル)がApple(アップル)のメディア進出について記事を書いた。米国時間3月25日月曜日、Appleは新しいビデオストリーミング・サービスとApple Newsのサブスクリプションサービスを発表する。

WSJによると、Apple TVと呼ばれる新しいアプリでは、複数のコンテンツパッケージを定期購読することビデオライブラリを増やしていけるという。このアプリが既存のApple TVを置き換えるのかどうかは不明だ。

新サービスはAmazon Primeビデオチャンネルと似たような仕組みになると思われる。ユーザーは、HBO、Showtime、Starzなどのチャンネルを月額料金で購読できる。WSJによると、これらのパートナー3社は、それぞれ月額9.99ドルの料金を徴収する。

CNBCの以前の記事によると、既存のApple TVアプリと異なり、別のアプリを開くのではなく、どのコンテンツも単一アプリの中で利用できる。

最初から最後まで体験を制御できることはユーザーにとって大きな利点だ。現在「サブスクリプション疲弊」に悩まされている人が多いことを踏まえ、Appleはすべてのコンテンツ購読をアプリ1つにまとめようとしている。必要に応じてオプションを選んだり外したりするだけでよくなる。

しかし、中にはAppleと提携したくない会社もあるだろう。NetflixやAmazon Prime Videoのコンテンツが、Apple TVアプリの中に出てくる可能性は極めて低い。これらのサービスも、最初から最後までユーザー体験を制御したいはずだ。データの収集や分析も自社アプリを使っている方が容易だ。

AppleはApple TVアプリを他のプラットフォームにも開放すべきだ。Apple Musicの楽曲をAndroidやSonosスピーカーやAmazon Echoスピーカーで再生できのと同じように、Appleは各社のスマートTV向けにアプリを開発している。すでにSamsung(サムスン)のテレビ向けにiTunes Storeアプリを提供していることを思えば大きな驚きではないはずだ。

Appleは自社サービス向けオリジナルコンテンツにも巨額の費用をつぎ込んでいる。この点に関する詳細まだほとんどわかっていない。月曜日の発表に間に合わないものも多いだろう。果たしてAppleのコンテンツを利用するために費用は必要なのか?いくらなのか?すべては月曜日(日本時間火曜日午前2時)にわかる。

Apple Newsに関しては、200種類の雑誌・新聞コンテンツが月額9.99ドルで利用できるとWSJは書いている。WSJは「同紙もそのサブスクリプションパッケージの一部である」というNew York Times(ニューヨークタイムズ)の報道を認めた。

またAppleは「App Storeを観察して複数の測定基準に基づいて人気アプリを判定している」とWSJは書いている。たしかにApp Storeを運営しているのはAppleだ。しかしFacebookは、同社がOnavoというVPNアプリを使って人気アプリを監視していたことが発覚したときに批判の目にさらされた。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook