Apple、OS X 10.10.3を公開。新写真アプリPhotos、絵文字が登場

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AppleはOS X 10.10.3を公開した。これはデスクトップOSにとって大きなアップデートであり、新しい写真アプリPhotosが一般ユーザーの前にお目見えした。アップデートはApple Storeで全OS Xユーザーが無料でダウンロードできる。

このアップデートでは、新しい絵文字が300種類以上追加された他、Spotlightのサジェスト機能、WiFi性能および画面シェアリングの安定性向上も実施されている。

Appleの新Photosアプリは大きな変更なので、このOS Xの新顔について詳しく知りたい人は本誌の総力レビュー記事をご覧あれ。

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Apple、iOS 8.3をリリース―絵文字の拡張とバグフィックス

今日(米国時間4/8)、AppleがiOSのアップデートをリリースした。これによって300種類の新しい絵文字が追加された。これらは同時にOS Xにも追加され、両プラットフォームのエモーティコンの表現の幅が大きく広がった。iOS 8.3では多数のバグフィックス、機能の改良も行われた。その範囲はWi-Fi、アプリのランチャー、Bluetooth、メッセージ、CarPlayなど非常に広い。

アップデート・ノートがそっけないほど短いAppleにしては珍しく、今回のノートは長い。重要なバグフィックスには、たとえば、iPhoneを回転させたときに表示の向きが自動的に変わらない問題、 Wi-FiやBluetoothでスピーカーのようなデバイスを接続しているとき接続がときおり切れる問題などが修整されている。

絵文字の他に今回のアップデートで追加された機能としては、CarPlay対応車種との通信機能、iMessageでのジャンク、スパムのフィルター機能、OS Xの新しいPhotosアプリに対応したiCloud写真ライブラリーのサポートなどが含まれる。

アップデートをインストールするには「設定」を開いて「ソフトウェア・アップデート」を実行すればよい。

〔日本版〕 日本語版もリリーズずみ。Apple Watchのサポート、ヘルスケア・アプリの機能改善、メール、マップ、ミュージックの安定性の向上などが主要な内容とされている。

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Apple小売部門トップのメモが「今後は物理店よりネット販売を重視」という新方針をリーク

Appleは小売販売の形を変えて、これまでの、新製品が発売されるたびにマスコミが大きく報じるような、発売日の店頭の行列騒ぎを、奨励しない方針にするらしい。それはAppleの小売部門のチーフAngela Ahrendtsが今日、小売ストア(Apple Store(s))の社員と共有したメモに書かれているとされ、Business Insider誌が入手して特ダネとして報じた。少なくともApple Watchと新しいMacBookに関して、Ahrendtsは、顧客には物理的な場所における幸運を試させるのではなく、オンラインで注文することをすすめるよう、店舗のスタッフに指示している。

そのメモは”Get in line online”(オンラインで列を作ろう)と題され、 Ahrendtsは、顧客にはApple StoreアプリやWeb上の店頭がApple Watchと新しいMacBookを確実に入手するための最良の方法であることを伝えよ、と小売のスタッフにアドバイスしている。そして、顧客をそのような販路へ導くことを、小売部門の役員(彼女自身)は、“重要で大きな方針変更”、と呼んでいる。

オンラインで列を作ろう

私たちのお客さまが、行列に並んで待ち、ひたすら幸運を祈る日々は終わりました。Apple Storeアプリと我が社のオンラインストアで、Apple Watchと新しいMacBookをもっと容易に買えるようになりました。お客さまには、製品がいつどこへ到着するかが、正確に分かります。

これは大きくて重要な方針の変更です。それが実際に実現するためには、あなたの助けが必要です。お客さまには、オンラインの方が在庫がずっと豊富であることを、お伝えください。そして、注文がとても容易であることを、お示しください。そうすることによってあなたは、お客さまを困らせるのではなく、幸せにするのです。

BI誌の記事は、われわれがすでに聞いていることを繰り返している。ローンチ時におけるApple Watchの店頭在庫は十分に供給できない。したがって飛び込みのお客への対応は難しい。新しいMacBookは思い切った新しい部位が多いため、やはり十分な量の初期在庫を準備できない。これらが、顧客をオンラインに向かわせる理由だ。

しかしいずれにしても、Appleがローンチ時にいつも以上の、異状なほどの需給不均衡を予想しているのでもないかぎり、これはAppleの基本的な考え方の大変化だ。iPhoneなどでは、Apple Storeの前に発売の数か月前から列ができるのが当たり前で、それをAppleは気にもしなかったのだから。

Appleの派手なローンチにはほとんどつねに、店頭の長い行列という見せ物が伴った。ニューヨーク、ロンドン、サンフランシスコ、そして世界各国の首都では、とくにそうだった。そんなときAppleの社員が、お客に小売アプリやオンラインストアをすすめるところを、目撃したことは一度もない。それには理由がある。行列はマスコミが取り上げる、そしてそれがさらに一層、Apple人気を燃え上がらせるからだ。

今回の一件が、製品が独特だったから、ということもありえる。Apple Watchは、徹夜で、あるいは何日もぶっ続けで列に並ぶ、という熱狂的なAppleファンの儀式が、似合わない製品ではないか。あるいは新任の小売担当トップが、製品のデリバリが円滑であることと、欲求不満の顧客を作り出さないことを、巨大な行列というスペクタクルよりも優先したのかもしれない。

Apple Watchで初めて導入される小売体験のシフトは、Ahrendtsの技量の評価にもつながる。だからそのローンチは、Appleの物理店の将来の方向性に関心のある人たちにとって、必見のショウなのだ。

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NuDockは、iPhoneとApple Watchを同時に充電できるスマートなスタンド

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目前に迫ったApple Watchについて人々の持つ最大の懸念の一つが、毎日充電しなければならない機器一つ増えることだ。携帯電話やタブレット、ノートPCに充電が必要な時にプラグを差し込むことには慣れてしまったものの、もう一つガジェットが加わることはひと仕事だ。

明日のためにガジェット類を準備する際に、増えたデバイスのために手間をかけない方法の一つは、もちろん一回のプロセスで全部を充電することだ。

そのための専用充電スペース ―キッチンカウンター、めったに使わないデスク等 ― を作り一日の終りに全部のガジェットをそこへ持ってきて充電している人たちもいる。私のApple Watch(今後次々とデベロッパーからやってくるすばしいアプリをテストするために入手予定)計画も基本的にその方式だ。毎晩iPhoneとApple Watchを、ベッドのすぐ横の同じコンセントにつなぐ。目覚ましにiPhoneを使っているのでこの場所になる。

しかし、枕元にケーブル2本をからませておく代わりに、私は今の充電スポットを、現在Indiegogoで予約受付中の専用充電ドックへとアップグレードすることに決めた。

上の写真のMiTagg NuDockは、スマホと腕時計のための電源ステーションで、付属のポータブルバッテリーおよび隠された高出力USBポートで第3のデバイスも充電できる。つや消しアルミニウム製でカラーはiPhoneやMacBookと同じシルバーまたはスペースグレーがある。さらにタッチ式調光器付きLEDランプを内蔵しており、私が寝室用にこれを買う理由はまさにそれだ。

残念ながら、これはMFi認定デバイスではないためLightningコネクターは内蔵されていない。買ってきたら、まずLightningケーブルをドックに通して充電の準備をする必要がある。Watchの充電ケーブルも同様だ。しかし、ひとたび設定が終れば後はスタンドの上にデバイスを置くだけで充電が開始される。ドックはどのiPhoneケースにもApple Watchの誘電充電方式にも対応しているので、一部のAndroid Wearウォッチのように小さなmicro-USBポートにケーブルを差す必要はない。

NuDockには充電ステーション本体以外に、NuKiと呼ばれる2000 mAhのポータブルバッテリーが付属しているので、長い週末や集中して使って充電が必要になりそうな日には持ち出すことができる。このキーチェーン付ポータブルバッテリーには充電以外にも気の利いた機能がある。スマホアプリでキーの場所を探せるほか、側面のボタンでiPhoneカメラのシャッターを切ることもできる。

NuDockは7月に出荷予定なので、Apple Watchを手に入れた後何ヵ月か待つことになる。Indiegogoの早割価格は129ドルだが、すぐ149ドルになるだろう。もしあなたがキャンペーンをスキップして出荷後の評判を聞いてから買おうと思っているなら、MiTaggによると最終小売価格は249ドルになるとのこと。

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Apple、ジェスチャー操作を学習する特許を取得

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Appleは、3Dジェスチャー制御に関する新たな特許を取得した(via AppleInsider)。具体的にはコンピューターがユーザーの手の動きを認識する手助けをするための技術だ。同特許のシステムは、ジェスチャーを識別するだけでなく、優れた学習能力によって手の一部が遮ぎられてカメラから見えない場合でも操作を認識することによって全体の精度を高めることができる。

Appleの技術はKinect方式の認識を、理想的でない条件下でも使えるようにするもので、ユーザーのジェスチャー操作の苦痛を減らすことで、そもそも使う人が増えることを期待できる。AppleがiPhoneの操作モデルで成し逐げた重要なイノベーションは、タッチ式入力を使いこなしたことだ ― 静電容量型スクリーンと高度に調整されたタッチ認識は、それまでユーザーが知っていた抵抗方式のタッチ体験とは全く異なるものだった。

2013年にAppleが買収したPrimeSenseは、初期のKinectセンサーに利用されていた技術に大きく貢献した会社だ。当時は、AppleがPrimeSenseの技術を使ってApple TVにジェスチャー入力を加えるのではないかという憶測もあった。昨年AppleはPrimeSenseの特許を首尾よく自社に移管した。今回の特許はジェスチャー認識精度を時間と共に改善するための重要な内容を含んでいる。

Appleがこの特許を最初に申請したのは2013年3月で、発案者にはPrimeSenseの元社員らの名前が記載されている。

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5歳になったiPad、最大の特徴はその永遠の柔軟性

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iPadは去る4月3日で5歳になり、このAppleタブレットが5年間成功し続けてきたことは誰にも否定できないが、もっと興味深いのは、ユーザーを魅了しそのコンピューティング・ワークフローの中に場所を見つけ続けてきた能力の主要因を探ることだ。私が思うに、iPadの主要な成功因子、最近売上が横ばいである理由、そしてなぜこの先何年もコンピューティングで最も成功したデバイス分野の一つであり続けるかの理由は、すべて一つに集約できる:驚くべき柔軟性だ。

Apple iPadは多くの人生を持つガジェットだ。初代iPadは、少なくとも私の友達何人かにとって未だに現役だ。ウェブブラウザーは、ちょっとしたインターネットサーフィン以上のことはめったに必要としない人にとって未だ完璧に機能を果たし、iPadのほぼ全モデルを持っている私でも、様々な用途のために古い機種がしょっちゅう現役に帰ってくる。

時として、iPadの必要性は周囲のテクノロジーの進歩によって薄れていくかと思えることがある ― 例えばMacBookのバッテリー寿命改善やiPhone 6 Plus等の大画面など。しかしiPadは常に特定の仕事に唯一適合し、それを持っていることは、必要になった時に持っていないのと比べて著しい利便性をもたらす。例えば、iPadは理想的なデジタルコミックリーダーであり、台所のインタラクティブレシピ本であり、YouTubeビュアーであり、ギター教師であり、車載ナビシステムであることが証明されている。

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私は自分がiPadのことを忘れているのに気付くことがよくある。発売から5年たった今ではなおさらだ。しかし、このAppleタブレットを見過ごしがちなことは、iPadが設計者の当初の意図を完璧に達成した証拠だ。これは人の邪魔をせずそれが起きていることに気付きもしないほど透明なコンピューティング体験を与えるコンピューターだ。結局、最高のプロセスとは、あまりに自然で殆ど気付かれないものなのだから。

iPadは、使い手が必要とするものなら何にでもなり、古いハードウェアでさえ多くのそんな機能を立派にこなす。それが最近の平坦な売上成長率をあまり心配すべきでないと私が思う理由だ ― 古い機種が陰で静かに意図された通りわれわれを助けているので、今すぐアップグレードしなくてはという強い誘惑にかりたてられない。しかしiPadの有用性は、古いハードウェアで最新ソフトウェアが動かなくなったり、壊れたりするまで気付ないようなものではない。

われわれは、存在すら知らなかったコンピューティング問題の解としてのiPadの可能性を見つけ始めたばかりなのだろう。例えばスマートホームを管理する理想的コンソールになるかもしれない。しかし、iPadの真の価値は、使用者のニーズを内に秘めた柔軟性で満たし続けていくことであり、それは後になってみないとわからない、

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IBMとAppleの提携がいよいよ動き出した―ヘルスケア、航空などエンタープライズ・アプリ8種類リリース

エンタープライズ向けモバイル・アプリの開発でのAppleとIBMの提携がいよいよ成果物を出し始めた。今日(米国時間4/1)新たに、iOSデバイス向けエンタープライズ・アプリが8種類発表され、MobileFirstプロジェクトのアプリは合計22種類となった。

今回のリリースで特に注目されるのはヘルスケア関連アプリだが、 以前のはプレス発表のとおり、AppleとIBMの提携はバンキング、ホテル、航空機、運輸、財務、エネルギー、法執行、小売、保険などの分野に広がっていくだろう。

IBMは今回の新アプリのリリースにあたって公式発表は行わないことを確認した。これはヘルスケア関連アプリに関しては、今月開催予定のHiMSS〔アメリカ・ヘルスケア情報管理システム協会〕のカンファレンスで詳しい説明を行う予定だからだという。

今回発表された8分野のアプリのうちではヘルスケア関連アプリがもっとも重要なものだろう。Hospital RNというiPhoneアプリでは病院の既存の情報システムとiPhoneを接続し、医師や看護師など職員は入院から退院までiPhoneアプリから必要な患者情報へのアクセスと管理ができる。これによって患者情報管理を効率化し、職員の負担を軽減するのが狙いだ。これにはさらにAppleのiBeaconテクノロジーが用いられ、患者の病室位置情報が利用される。職員が病室に近づくとその患者の情報が自動的に表示される。

iPad向けHospital Lead、iPhone向けHospital Techなど業務の優先順位を判定、管理することに特化したアプリもある。iPhoneアプリのHome RNは、看護師が患者の自宅など病院外でヘルスケア業務を行うのをサポートする。

ヘルスケア関連以外のアプリでは、iPad向けRapid Handoverは工場などの交代制職場の職長が設備のメンテナンスや製造目標などの情報を従業員と迅速かつ効率的に情報を共有し、生産性を向上させるのが目的だ。iPad向けOrder Commitアプリは小売業向け、Risk Inspectは損保業界向けのアプリで、iPadのカメラを利用して効率的に損害報告書が作成できる。

もうひとつ、航空会社向けアプリも発表された。IBMは 今年に入って、遅延やキャンセルとなったフライトの乗客を別のフライトに移す手続きを簡単にできるようにするエアライン向けアプリを開発していると発表した。このアプリが今回、iPhone向けにAncillary Saleという名前でリリースされた。またこのアプリでは客室乗務員が機内で席のアップグレードや機内販売を行うことができる。

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昨年発表されたAppleとIBMの提携の主な目標は、コンシューマ向けのソフトウェアの使いやすさをエンタープライズ向けサービスに導入することだ。エンタープライズ・ソフトウェアでは往々にしてユーザー体験が置き去りにされ、遅く、使いにくいものになっている。ここ数年「ITのコンシューマ化」が大きなトレンドになっているので、IBMがAppleとの提携によりこうした動きに先駆けようとするのは不思議ではない。一方、AppleとしてもIBMと提携して大企業のITシステムにiOSアプリが採用されることはiPhoneとiPadの企業向け売上を伸ばす効果が期待できるわけだ。

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Apple、永続的データベースのFoundationDBを買収


AppleはFoundationDBを買収した。高速永続的NoSQLデータベースに特化した会社だ。

FoundationDBサイトの注意文には、同社のデータベースソフトウェアはダウンロードできない、と書かれている。買収の金銭的条件は明らかにされていない。CEOのDavid Rosenthalは、元Omnitureのエンジニアリング担当副社長で、COOのNick LavezzoおよびDave Schererと共に2009年に会社を共同設立した。

FoundationDBの魅力は、ACID準拠トランザクションを扱うスピードと、強力なスケーラビリティーにある。FoundationDBは、2012年のTechCrunch Disrupt SF でブースを開き、同社の近代的NoSQLデータベースへのアプローチと、「NoSQL, YesACID」のモットーについて本誌で紹介した 。FoundationDBの最新エンジンについては、本誌コラムニストのJon Evansが昨年末に報じたように、毎秒1440万回の書き込みまでスケールアップしている。

FoundationDBのブログ記事には、最新エンジンについて次のような書かれている。

現在(2014年12月)のAWS(非スポット)プライシングで、エンタープライズFoundationDBの料金は、全480コア、24時間完全サポート付きでわずか150ドル/時。その1時間の間に、このメガクラスターは540億回の書き込みを行い、書き込み単価は3ナノドル。言い換えれば、FoundationDBは1セント当たり360万回の書き込みができる。

つまり。高速低価格な永続性データベースの会社がAppleに買収された。これは、AppleがApp Store、iTunes Connect、あるいはiTunes in the Cloudのためにサーバー側テクノロジーを強化する目的の買収である可能性が高い。アプリ数百万本、ダウンロード数十億回のストアにとって、改善の余地があることは間違いない。

もちろん、Appleには大規模テレビサービスの噂が常にあり、一部報道は今年中に開始されると主張している。その規模でビデオ配信を行うためにはシステムの強化が必須であることは、今週本誌がMLBのメディア責任者と議論したばかりだ。

Appleのクラウドサービスの信頼性とスピードは、7億台のiPhone ― さらに数百万台のiPadやMac ― を売りその全部がiCloudを使っている今、いっそう重要になっている。

「Appleは時々小さなテクノロジー企業を買収しており、一般にその目的や計画については議論しない」とAppleは本件についての質問に答えて言った。FoundationDBには、コメントを求めているがまだ返事はない。

FoundationDBは、2度のラウンドにわたりSV Angel、Sutter HIll およびCrunchFund(CrunchFundのパートナーであるMichael ArringtonはTechCrunchを設立した)から2270万ドルを調達した。

本稿の一部は、Jon Evansの寄稿による。

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Appleがキーがまったくないけど本物そっくりの打鍵感のある仮想キーボードで特許を申請

Appleは、新しく発表した技術Taptics(タップティック)をベースとする同社の既存の発明の、ちょっとした変形を、特許として申請した。Patently Appleによると、その特許申請は仮想キーボードの設計に関するもので、その構造は今のMagic Trackpadに似ている。つまりキーボードの物理的なキー、すなわち押し下げるボタンはなくて、それは一見、単なるアルミニウムの平面だ。そしてその平板が、タッチ方式の入力デバイスではなく仮想ボタンの集合として振る舞う。Appleは振動モーターによるhapticsを利用して、ユーザに打鍵感を与えるのだ(MacBookのトラックパッドが偽りのクリック感を与えたように)。

同社独自のtapticバージョンのhapticフィードバックは、AppleがMacBookと13インチのRetina MacBook Proに搭載したForce Touchトラックパッドと同じ方式だろう。それによりユーザに、あたかも実際にキーを押したかのような感覚を与えるが、キーそのものはまったく機械的な動きがない。これにより、従来の仮想キーボードに対するユーザからの最大の批判(打鍵感がない)に、Appleが答えることになる。

またForce Touchトラックパッドの場合と同じく、この入力デバイスもソフトウェアによる構成が可能で、ユーザがカスタマイズできるものだろう。たとえば、実際にはまったく動いていないキーに対して、その打鍵の“深さ”を指定できたりする。またForce Touch(第二のより深いプレス)を利用して、アクセント記号や特殊文字の入力を可能にするかもしれない。[F1]等に代わってファンクションキーにも、なるだろう。

スタンドアロンのキーボード製品として、あるいはMacBookなどのキーボードとして、このような仮想入力が可能になれば、新しいことがいろいろできるようになる。人間が埃(ほこり)をはらう必要のないキーボードとか、キー押し下げのスペースが要らなくなるので、超薄型のMacBookを作れる。機械的な可動部品が一挙に少なくなるので、製品の健康寿命(まったく修理を要さない寿命)が長くなる。タップティック技術により、キーのないキーボードから、打鍵感がないという欠点がなくなるので、他社との競合においてもすごく有利になるはずだ。

タップティックが次期のiPhoneとiPadにも載るという予想は、すでに多く出回っている。でもそれが、キーボード製品にも使われる、と考えるのは、実はとても自然だ。

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iPhoneのパスワード入力の試行回数制限を無視する解読マシンが登場…短い(文字数少ない)コードほど危険

簡単なPINでもあなたのiPhoneを、好奇心旺盛な幼児の手や酔っ払った友だちから守ることはできる。でも、ありうるPINをひとつひとつすべて試すロボットなら、やがてあなたのPINは、ばれてしまう。

そんなマシンがしばらく前から存在しているが、今回のは特別にクレージーだ。PINの入力に10回失敗したらiPhoneのすべてのデータがクリアされるように設定していても、そいつは10回以降も試行を続ける。

上で“試行”と書いたのは、失敗するケースもあるからだ。Appleはまだ確認の情報をくれないが、このいたずらが成功するのはiOS 8.1.1(2014年の11月発売)よりも古いバージョンのiOSらしい。8.1.1に関するAppleの記事は、バグCVE-2014-4451のパッチについて述べている。それは、“パスコードの失敗の最大回数”という制限がバイパスされてしまうバグだ。ただし、それが今回の問題と関係あるのかないのか、そのへんがまだ分からない。

下のビデオは、そのデバイスが実際に使われているところだ。情報源のMDSecは、この馬鹿力マシンを300ドルで入手したらしい。

上のビデオで何が起きているのか、ちょっと説明しよう:

  • 左にiPhoneがあり、内部がよく分かるように開けてある。
  • 右にその、馬鹿力マシンがある。
  • iPhoneの内蔵電池は接続されていないので、馬鹿力マシンは残った電力をすぐに消費してしまうだろう。
  • そのデバイスがパスコードの候補を作るたびに、USBでiPhoneに送られる(最初の候補を上のビデオの0:30あたりで作る。)
  • その候補が失敗したら、画面に付随している光学センサがそれを認識して、そして…
  • 一瞬後に馬鹿力マシンは電源を切りiPhoneをシャットダウンして、失敗したコードをメモリに書き込もうとする。
  • iPhoneはリセットし、マシンは再び自由に試行できる。
  • 光学センサが成功を検出したら(ビデオの1:53あたり)、マシンは候補の作成と入力をやめて、正しいPINをログし、ビープ音でそのことを知らせる。

失敗のたびにリセットするから、一回のトライに約44秒かかる。4桁のパスワードの候補を(正解以外を)すべて試したとすると、4日半かかるだろう。ハリウッドのスパイ映画なら、こんなに遅い暗号解読機はありえないが、実際にiPhoneを盗まれた場合には、その内部を見られるのはすぐだ。

ではどうやって被害を防ぐか?

  • OSをアップデートしよう。もしもこれがiOS 8.1.1や8.2で直っていないのなら(どうやらそのようだが)、Appleはこのビデオの流出後に急いでパッチを当てようとしているだろう。
  • もっと長いパスワードを使おう。JWZが指摘しているように、4桁のPINの試行に44秒かかるのなら、すべての候補を試すのに4日半かかる。しかし7桁のPINなら、すべての試行に12年かかる。

今Appleにコメントを求めているが、まだ音沙汰がない。

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見落とされているApple Payの本当の価値

編集部注この原稿は濱崎健吾氏(@hmsk)による寄稿である。濱崎氏は開発者向けクレジットカード決済サービスを提供する「WebPay」の開発者。WebPayは2015年2月にLINEの子会社であるLINE Payに買収されている

SuicaやEdy、WAONなどICカード、あるいはケータイやスマホのおサイフケータイで当たり前のように決済をしている日本人の私たちにとっては、2014年9月のWWDCでのApple Payの発表は拍子抜けだったかもしれない。また新たなNFCを使った決済の1つにすぎない、おサイフケータイと何が違うのか――、そうした記事を多く見かけた。

ネット決済が革新的に変わる

確かにiPhoneのおサイフケータイ対応が発表されたわけでもないから、日本市場から見ると特におもしろみがないように見える。

しかし、Apple Payには見落とされている大きな価値があると私は考えている。それはオンラインの非対面決済にある。レジ打ちの現場での対面決済ではなく、むしろ非対面の決済こそがApple Payの最大の活用の場となり、オンライン決済、ネット上の決済が革新的に変わっていくだろうと思う。そして、これは日本市場にとっても重要な意味を持つ。こういう問いを考えてみてほしい。「SuicaでECサイトの買い物ができますか?」と。

この記事では改めてApple Payの発表を振り返りながら、そこで多くの人が見逃していただろう重要なポイントを説明したい。

ティム・クックが唯一、甲高い声でアピールした点

Apple Payの発表はあっさりしたものだった。iPhone6/6 plusと、Apple Watchを前後に置いたApple Payの初お披露目の中、洋服屋のレジでの短い動画の後にティム・クックが”That’s it!”と声をあげた。短いのでもう一度と同じ動画を流して“It is so cool!”とレジでの決済の体験を革新するかのような紹介をしていた。

ティムが発表の中であんなに甲高い声を出したのはここだけだったので、ここがApple Payの最も本質となる部分であると誰もが認識したことだろう。

加えて、技術的には指紋認証とNFC、Secure Elementと呼ばれるチップ内にカードの代替となる情報を保存するのでセキュアであり、さらにSDK (API)も公開し誰もが自分のアプリケーションに組み込めることにも触れた。

また、AppleはApple Payによる一切の取引に感知しないので、山ほどいるiPhoneオーナーの動向を観察することもないという点も強調していた。

さらに、様々な発行会社のカードがPassbookに結び付けられるようになり、様々な店舗で使えるようになると、その数を強調し、いつものWWDCらしく開場に拍手を呼び起こしたところでApple Watchへの話題へと移り変わっていった(直近の2015年3月9日の発表会でもApple Watchを使った決済体験の様子も含め、その数の増加を印象づけるように語っていた)。

「新しいいい感じの対面の決済方法が出るからよろしくね」とでも言っているのだと、聴衆は受け取っていることだろう。

直後にウォールマートをはじめ、店舗での決済にApple Payを使えないようにし、独自の決済方法をユーザーに提案するという動きもあり、世の注目はさらに対面の決済の方を向いていってしまった。

しかし、筆者はじめ決済に関わる人間の受け止め方は違った。われわれには少しだけ裏側が分かっているため、恐ろしいことに気がつくのである。それは、セキュリティとAppleの関与の仕方だ。

長らく決定打のなかったカードのセキュリティ

ウェブ上で誰もがクレジットカードで決済を行うようになって久しいが、決済の世界にとってセキュリティは常に重要な課題だ。15、6桁のカード番号と4桁の有効期限、3、4桁のCVC(セキュリティコード)だけの情報で誰もがネット上で決済を行えてしまう。これだけの数字群では別にどこかの会社のミスでカード情報が漏洩しなくても、もともと漏洩しているようなものだ。50年を越える歴史がありながら、とティムも嘆いていた。

購入者にとってはカードの不正利用に遭遇することは滅多にないかもしれないし、カードホルダーは常に守られる側にあるので、大したことではないと思われるかもしれない。しかし、不正利用による損害というのは、カード会社、もしくは販売者が常にその損害額を被る形となっている。その被害総額は、実に100億円近くにものぼっている。(日本クレジットカード協会による調査)。

年々減少傾向にはあるものの、今もカード会社と不正利用の戦いは続いていて、いくつかセキュリティを高める手段がある。

アメリカでは主にカードに結びつけているカードホルダーの住所(Billing Addressと呼ぶ)を、日本やヨーロッパでは3Dセキュアというカード会社や決済代行業者が準備する別サイトに遷移してパスワードによる認証をするといった追加の手段はある。しかし、Billing Addressは入力項目が増える上、他者が知り得る情報であり大してセキュアにもなっていない。3Dセキュアはたまにしか使わないパスワードを要求されるため、これは決済を利用する事業者にしてみれば無視できない離脱ポイントとなってしまう。何故、善良な購入者が不正利用回避のために手間を負わねばならないのか。こうしたことから、クレジットカード決済の世界では数字だけによる決済の不正利用を防ぐ決定打がない状態が続いている。

そこに現れたのがApple Payだ。Apple Payは、本物のクレジットカードの情報を保存しない。カード情報の代わりにトークンを使用する。しかもその代替するトークンでさえ丁重に守るという強固な仕組みとなっている。その上、指紋による認証とiPhoneが揃っている前提で行われる決済なので、これは今までと違う次元で本人確認が行われているということでもある。購入者の負担が減って、セキュアになっているというのは、この問題がずっと解決されていなかったことを考えると魔法と言っても過言ではない。

そして、実はカード情報を代替するトークンの仕組みはApple独自のものではない。

Apple Payでは Visa,、MasterCard、 American Expressのカードが使えるとロゴが見せられていたが、元々それぞれのカードブランドが展開を準備していたセキュリティ向上のための施策なのである。

加えて、本来その代替トークンはクレジットカードのICチップに埋められ(厳密にはカードのICチップに埋められている情報とApple Payで用いられるトークンは異なるものである)、レジの端末にかざしたり、挿し込んだりすることで決済が可能になるものだったのだ。つまり、Apple Payによる決済を受け付ける端末は既にカードブランドが準備していたものを使うのだ。

カードブランドはApple Payの普及とともに、自ら準備していた端末が世に広がり不正利用の抑制が実現され、自分たちが準備してきた仕組み以上に不正利用に強い決済方法が利用されるのだから、泣いて喜ぶに決まっている。

Appleが決済を感知しないこと

Appleは決済のトランザクションについて感知しないことを平然と述べていたが、決済業界からすると、これはわけが分からない。誰が決済の処理を行うのか。

カード決済が行われる仕組みは複雑すぎて、また別の記事が書けてしまうボリュームなので割愛するが(手前味噌だが弊社ブログの記事を参照されたい )、カード決済を行うには、カード会社へ決済のリクエストを送り、購入者ともやり取りを行い、販売の管理を行う「販売者」というポジションが必要になる。

しかし、Appleが決済を感知しないとなると、彼らは販売者や決済代行業者になるつもりがないということを示す。順当に行くと、アプリケーションに組み込むお店や開発者がその役割を担うことになるのだが、それぞれが独自にカード会社と接続して決済機能を準備するとは考えにくい。

発表の中でこれは触れられなかったが、誰がカード決済を行うのかという問いに対する答えは、開発者向けのApple Payのドキュメントページのトップに行って知ることになる。Appleはこの部分の処理を、Stripeをはじめとする決済代行業者に譲っていたのである。

つまり、AppleはApple Payという仕組みを提供するが、その仕組みを使った決済の世話は他社に全部任せてしまうということだ。

逆にStripeをはじめとした決済代行業者は、これまで抱えてきた分はもちろん全てのユーザーにApple Payによる決済という選択肢を提供できるようになった。素晴らしい決済方法がいくらかの開発で自分のサービスを更に良くしてくれるのだから喜ぶほかない。筆者が開発、運営に携わっているWebPayでも技術的な検証は終えており、日本でクレジットカードがPassbookに結び付けられたのなら、すぐにでもユーザーに提供していただろう。

ちなみに現状のIn App Purchase(アプリ内課金)やApp Storeでの決済はAppleが販売者として決済代行業者を通しているかは定かではないが、どこかのカード会社や銀行に接続して決済を行っている、ということも付け加えておこう。

突如、決済業界にデビューして独自のポジションを築いたApple

こうしてAppleはウェブの決済において、カードブランド、カード会社、決済代行業者、販売者、購入者の全てに喜ばれる仕組みを生み出し、突然決済業界に独自のポジションを築くことになった。

Appleはカードブランドが販売者から徴収しているフィーの一部を、カード会社とシェアしているという噂もある。これが事実なら、Appleは誰もが喜びスケールしていくApple Payの普及によって淡々と儲けられることになる。

セキュリティを中心に決済におけるユーザー体験も向上したこの仕組みは、今はまだiOS向けアプリに留まるが、いずれウェブ上では当然の選択肢となるだろう。もしかしたらラップトップでの決済を手元のiPhoneで行う、なんてことが実現しているかもしれない。ラップトップでオンラインショッピングをしているときに、iPhoneで指紋認証をしてPassbookに登録してあるクレジットカードを使って購入する、ということだ。そうなれば、ウェブの便利すぎる決済体験を対面でも行いたくなるだろう。その準備はAppleが発表している通り、山ほどサポートされている店舗のレジで待ち構えてくれている。オンラインで多くの人が使い始めたApple Payは、対面というオフラインの世界にも一気に広がっていくのだろう。


IntelおよびGoogle、タグ・ホイヤーと高級Android Wearデバイスの製造について合意

どうやらTAG HeuerブランドのAndroid Wearウォッチが登場してくるらしい。IntelとGoogleは、TAG Heuerと手を組んでAndroid Wearデバイスを製作することになった旨をアナウンスしたのだ。

このアナウンスは、スイスのバーゼルで行われているBaselworldという有名な時計見本市にて行われたものだ。この見本市ではTAGやSwatchなどがシェア拡大を目指して積極的な商談を行ったりもする。今回の提携話は、Fossilや、Luxottica Groupとの提携と同じ流れにあるものと言ってよいだろう。どのような時計を製作する予定なのかなどについての情報はいまのところ入手できていない。また、実際にどのような時計の製作を目指していくのかが決まっているのかどうかについてもよくわからない。

現状では具体的な話が一切わからないわけだが、ともかくIntelは、ウェアラブル市場に打って出るために消費者ブランドの力を借りるべきだと考えているわけだ。また、LVMHグループの一員であるTAG Heuer側も、Apple Watchが将来の脅威となり得ると考えているのだろう。現在のAndroid Wear商品群に満足できない贅沢指向の利用者向けにスマートウォッチを提供することで、TAG Heuer、Intel、およびGoogleもスマートウォッチマーケットの中で、存在感を示したいと考えているのだ。

「技術革新の担い手と、高い信頼をえている時計ブランドが手を組むことになったわけです。強力なシナジー効果を発揮できるものと思っています。私たち3社にとってもウィンウィンの関係であるといえるもので、大いなる発展が期待できるはずです」と、LVMH Watch GroupのPresidentであるJean-Claude Biverは言っている。

今回の提携は突飛なものでもないはずだ。高価なAndroid Wearを待ち望む層もいるはずだ(大馬鹿者かもしれないが)。また、スペックばかりに気を取られるのではなく、腕時計市場でポジションを得ようと考えるのなら、時計市場での振る舞い方を教えてくれるパートナーが必要となるはずなのだ。TAG Heuerならマーケティング面からみても何の不満もない相手であり、今後の動きには大いに期待しても良いのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


「Appleのエンジニア」、新しいMacBookについて(真相を?!)語る

新しいMacBookについて、どうやらさまざまな見方があるようだ。TechCrunch内部に限っても裏切りだという記事があったり、あるいは裏切りではないという記事が掲載されている。

ただし、いずれの記事に与する人であっても、下のビデオを見た感想はきっと同じだと思うのだ。きっと誰もが「すばらしい」と感じるのではないかと思う。

ビデオは「Appleの技術者」が、新しいMacBookについて語るというものだ。

インタビューはスペイン語で行われている。出てくる単語がたまに聞き取れるという程度のスペイン語力があった方がより楽しめるかもしれない。但し、話している内容までは「わからない方が良い」。字幕と実際の単語の音がときに一致しながら、「Apple技術者の話」をツクりあげているのだ。

気になる人にはお話しておこう。友人によるとこのビデオの中で、本当は海でパエリア鍋を洗っていたら波にさらわれた、というような話が語られているのだそうだ。

しかし本当に「ポートはひとつだけだよ」な話をしているように思えてしまう。

[via daringfireball]

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(翻訳:Maeda, H


AppleがiOSの招待制ベータをローンチ

9to5Macによると、AppleはiOSのベータテストを開始した。メッセージフィルタなども含む最新のビルド、iOS 8.3が最初のシードとなる。今回は拡張ベータとして、ノンデベロッパでも申しこめば自分のデバイスにそのリリース前のソフトウェアを受け取ることができる。Appleは彼らに、バグへの忍耐とその修正要望の報告を求めている。

OS Xの公開ベータは昨年7月にローンチし、OS X 10.10またの名Yosemiteの公式リリース前の初期バージョンが(Appleの発表によると)100万名のユーザに提供された。今回のベータではプレローンチビルド(複数)がApp Storeにおける一般リリースよりも前に提供されるが、デベロッパオンリーのシードに比べると間隔は長い。それは、最終安定バージョンにより近い、ということだろう。

OS Xのテストプログラムは、フィードバックを得ることと、平均的な消費者、すなわち最終的なエンドユーザに近い人びとのグループによる実用試験が目的だった。OS Xは、ベータテストへの一般参加の試験台としても、見なされていたと思われる。ユーザ数がグローバルに膨大なiOSでいきなりやる、という冒険をAppleは避けたのだ。

iOSのベータにノンデベロッパが参加することの意味は、ローンチ前にできるだけ多くのバグを見つけて雨漏りの穴をふさいでおきたい、ということだ。そしてもちろん、新しい機能も公式ローンチ前に完成度を高めておきたい。またこれまでは、デベロッパのアカウントでベータにサインアップした者が、そのプレビュー版のソフトウェアに有料でアクセスさせるという灰色商法があったが、Apple自身が一般アクセスを提供すれば、その商法は成り立たなくなる。そういうねらいも、あるものと思われる。

ただし今のところは、Appleが予め選んだメンバーだけが、ベータに参加できる。選ばれた人には、セットアップのやり方などに関するインストラクションがAppleから送られてくる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


高級なApple Watchは「保護ケース」に入れてから使うべきだろうか?!

Apple Watchを買おうと心に決めた人の中には、果たして大事なApple Watchは保護ケースに入れてから身につけるべきなのかどうかを悩んでいる人もいるのではなかろうか。

腕時計を使うのに、保護ケースに入れるなどという話は聞いたこともない人がほとんどだろう。多くの人はばかばかしくさえ感じるのではないかと思う。しかし実際のところ、Apple Watchは小さなコンピューターだ。モデルによっては200万円もするものすらある(安いものでも4万円以上となっている)。

しかも、Apple Watchはさまざまな利用シーンを想定しているデバイスだ。フィットネスにも利用できるし、またインターネットサービスからの通知を受け取ったり、あるいは電話に使ったりもする。さらには人に見せつけるための役割もあるだろう(もちろんそのためには18カラットゴールドのモデルが必須だ)。すなわち、ハーフマラソンで汗だくになったときにも使っているし、またおしゃれなディナーの際にも身から離すことはない。非常に多くの役割りを期待されているデバイスなのだ。

さらに、スマートフォンを保護ケースに入れるのは、ごく普通の行為だと考えられている。それであれば、スマートウォッチを保護ケースに入れておくのも、ごくふつうのことだと考える人もいるかもしれない。

そんなことを考えて、ケースメーカーのLunatikはApple Watch用の保護ケースを作ることにしたらしい。iPod Nanoを腕時計風に使うために開発した技術(特許取得済み)を用いた保護ケースについて、昨年秋に行われたApple Watchの公式リリース以来ずっとプランを練っていたのだそうだ。本体に搭載されているセンサーや制御部などを一切邪魔することなく装着できるようになっている。

プロダクトの名前はEpik Apple Watch Kitというが、現在のところはまだプロトタイプだ(最新のプロトタイプ写真を下に掲載している)。Apple Watchは4月末に販売となるが、その3ヶ月後くらいに間に合うように出荷したいと考えているそうだ。すなわち夏頃の出荷を考えていることになる。

LunatikのファウンダーであるScott Wilsonによれば、クラウドファンディングで利用者のニーズをはかりたい考えなのだそうだ。馬鹿馬鹿しいと一笑に付されてしまう可能性も、若干ながら考えているのだろう。

確かに、冗談としか受け取られない可能性は高いようにも思える。

しかしスマートウオッチに200万円を支払うのなら、$99ないし$149というケースの値段自体は問題にならないといえよう。もちろん腕時計として利用できるようにバンドもついていて、本体に引っかき傷がつくようなこともなくなるわけだ。

「ウェアラブルデバイスというのは、電話を利用するのが不可能ないし適切でないケースでも利用できるという性質をもっています」とWilsonは言う。「但し、さまざまな環境に対処できるように、物理的に頑丈でありかつ、目的に応じたスタイルであることが求められます」とのこと。

Epikはアルミニウム製であり、「防塵および防湿の機能」を持っている。ケースにはオリジナルのプラスチックバンドもついていて、Apple純正の洒落たバンドもうちで大切に保管しておくことができるわけだ。

「おまけに、みんなとは違うApple Watchを身に纏うことにもなるわけです」とWilsonはアピールする。ウェアラブルにはファッション性も必要とされるわけで、ケースを装着することで人とは違うスタイルをアピールできるようになるということだ。

Apple Watchがきゃしゃに見えると言う人もいるわけで、そういう人にとっても、保護ケースは現実的なオプションとなり得るのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


この秋の新型iPhoneではForce Touch入力ができる

新しい12インチMacBookとApple Watchに搭載されたAppleのForce Touch技術が、次のiPhoneにも載る、とWall Street Journalが報じている。でも、実際に使ってみた個人的感想としては、むしろこの技術は、Appleのすべての新製品に使うべきではなかったか、と思った。この感圧入力方式は、通常の圧力とより深い圧力を、それぞれ異なる入力として区別できるから、タッチ方式のスマートフォンに、これまで不可能だった非常に多様なオプションを盛り込むことができる。

新しいMacBook(とレティナディスプレイの13インチMacBook Pro)がトラックパッドに採用したForce Touchは、これまでのMacと同じような、メカニカルで安心できるふつうのクリック感を与えるが、その実際の運動距離は1ナノメートルにも満たない。つまり、下方向の動きはほぼなくなって、代わりに、互いに横に配置されている触覚モーターが圧力を検出する。この機構が、ユーザの最初の通常のクリックと、それに続く深いプレスを識別感知するから、後者で第二の機能を起動することができる。これまでのマウスの、右クリックするとか、メニューを開くという手間がなくなる。

これがもたらすメリットは、iPhoneでとくに大きいと言えるだろう。たとえばゲームのコントロール機能が豊富になり、またGarage Bandのようなアプリではより高度な入力と、それらへの反応が可能になる。たとえば仮想鍵盤が作り出す音を、軽いプレスと強いプレスで変えることができるだろう。Garage Bandにはすでに、それ的な機能はあるけど、あまり感度は良くない。それはiOSデバイスのモーションセンサ(動きセンサ)を利用して、タップ圧の相当大きな違いを識別しているからだ。

AppleはMacBookのトラックパッドでForce Touchをデモしたとき、微細な感圧検出によって手書き文字を書けることを示した。このような入力機能がiPhoneやiPadに載れば、描いたり塗ったりといった、クリエイティブなアプリの可能性が開ける。今はBluetoothを利用する感圧スタイラスがいろいろ出回っているが、Force Touchがあれば、デバイス自身がそんな機能を持てるから、いろんなデベロッパが、外付けの特殊器具を用意することなく、単純にデバイス本体のシステムのレベルで、いろいろなアプリを構想できる。

WSJの記事は、単なる感圧だけでなく、MacBookのトラックパッドのようなクリック感もiPhoneに導入されるのかを、明記していない。でも、クリック感が実装されれば、たとえば仮想キーボードの使い心地もぐっと良くなるから、Appleはきっと導入するだろう。Appleのいわゆるタップティックな(taptic)ハードウェアは、(物理的な押し下げスペースが要らないので)、空間効率が非常に良く、デバイスの究極の小型化と薄型化が可能だ。またそのレスポンスは、従来の振動モーターを使った触覚システムとは比べ物にならないぐらい、識別の粒度/精細度が細かい。触覚(haptic)システムがiPhoneに合わないことは明確だが、tapticとなると話は別だ。

いつもと同じく秋に出る新型iPhoneは、WSJの記事によると、現行機種と同じくサイズのオプションがあり、色としては、今テスト中の、ピンクのメタリックのアルミケースが新たに加わるそうだ。色に関してはApple Watch Editionとの相性も考えてほしいが、少なくとも今聞こえてくるのは、個人化(パーソナライゼーション)の拡大努力に関する話題だ。ピンクのメタリックのiPhoneをほしいやつって、どこの誰かな?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


新Macbook―Appleが未来を探検するのはユーザーへの裏切りではない

Appleの新MacBookの入出力は3.5mmのオーディオジャックの他にはUSB-Cポートがひとつ用意されているだけだ。一部からはAppleのユーザーに対する裏切りだという非難の声が上がっている。不満の原因はポートがひとつしかないことの他に、電力消費の抑制によりファンレスのロジックボードを実現するため、非力なIntel Core Mチップセットを採用したことにも向けられている。 暴動も起きかねない怒りを招いているようだ。

しかし事実は、新MacBookは「少し早目に到来した未来」そのものに過ぎない。しかもAppleユーザーには新MacBook以外にも十分な選択肢があるのだ。

新MacBookは中身も外見も徹頭徹尾、エンジニアリングのショーケースだ。それはしかしすべてのAppleユーザーにとってこれがベストの製品だということを意味しない。新MacBookは特定のユーザーを念頭に置いてデザインされている(そうしたユーザーの数が将来大きく増えていくことを予期しているのだろう)。いずれにせよ新MacBookはiPadをメインのコンピュータとして使って満足しているユーザーを対象にしている。パソコンのトレンドとiPadの記録的成功を考えれば、十分に有利な賭けといっていいだろう。

Core Mプロセッサーでは動画などメディアの編集ツールとしては力不足だろうが、Apple自身もパワーハウスだとは主張していない。MacBookは、日常使う速くて軽いマシンだ。サイではなくカモシカだ。Appleにはもっと強力なマシンがたくさんある。フォースタッチを採用した新しい13インチのRetina MacBook Proなどはその一例だろう。

12インチのMacBookは価格的にも上位機種ではない。現行のMacBook Airは価格帯は1300ドルから上だ。1299ドルのMacBookだけがAppleのノートパソコンであれば、さまざまな不満にもある程度理由があることになるが、事実はそうではない。

実際にテストしてみた上で言うのだが、MacBookには欠点として非難される面を大きく上回る使い勝手のメリットがある。どんな製品の購入の場合でもそうだが、消費者は自分の利用習慣に照らして製品のメリットとデメリットを比較検討しなければならない。そのことに文句を言う筋はあるまい。

プロダクトデザインでのAppleの強みは、ユーザー価値を最大にするタイミングでテクノロジーを採用する的確な判断にある。たとえばAppleはNFCの採用を急がず、マス普及の条件が整ってきた段階で装備した。逆にTouch IDやThunderboltの場合はライバルに先駆けていち早く採用した。USB-Cは後者の新たな例で、Appleのポート簡素化のデザイン戦略の一環をなすものだ。

私が愛用している12インチ、G4 PowerBookの側面を見てみよう。左側は月の表面のように穴だらけだ。右側には光学ディスクドライブが鎮座している(そして重さは新MacBookの2倍以上で、おまけにファンもある)。ほとんどのユーザーはこのずらりと並んだポートを日頃利用していない。それどころかポートの正確な名称さえ知らないだろう。

新MacBookの価値は、ユーザーの日々のニーズをどれだけ満たせるかによって最終的に判断される。テクノロジー・メディアではCore Mプロセッサーでは写真の編集も満足にできないという主張がなされているが、その根據はCore Mのベンチマークの数字に基づいた推測に過ぎない。IntelのTurbo Boostテクノロジーはこうした人工的なベンチマーク環境とは相性が悪く、紙の上の性能は低く出がちだ。またベンチマークは現実のユーザー体験の代替にはならない。

新MacBookはパーソナル・コンピューティングにおける一つのパラダイム・シフトを象徴するプロダクトだ。しかしAppleはそれぞれのユーザーの利用ケースに対応できる豊富なプロダクトラインを用意している。Appleユーザーは別に新MacBookを選ぶことを強制されているわけではない。それに今は大声で不満を述べているユーザー層にしても、実際に使ってみればトレードオフは想像していたほど大きいものではなかったと気づくに違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


App Store、iTunes Storeで世界規模のサービス障害

Apple Watchや新しいMacbookの発表で盛り上がったばかりのAppleだが、App StoreやiTunes Storeなど一部のサービスで障害が起きているようだ。すでに国内メディアや米国TechCrunchでも報じられているとおりで、日本だけでなく海外でも同様の事象が発生している。

Appleのサポートページによると、3月11日18時頃から一部サービスで不具合が発生。iCloudについては同日22時頃までに復旧したが、3月12日2時28分時点でもApp Store、iTunes Store、Mac App Storeが利用できない状況のままになっている。

またApp Storeが利用できないことでアプリ内課金も利用できない状況となっている。ガンホーの「パズル&ドラゴンズ」など、一部のアプリではアプリ内にてその旨のアナウンスもなされている。

 


新型MacBookのトラックパッド、実際には動いていない

Appleの新しいMacBookに関する記事をたくさん読んでる人はすでにご存知と思うが、まだ知らない人も多いようなので、ちょっと書いておこうと思う。

新型機のトラックパッドは、まったく動きません。

‘クリック’すると物理的には‘クリック’感はあるし、音もする(下のアホな写真は、ぼくがその音を聴いているところ)。でもそれは、完全なイリュージョンだ。

下にいくつかの振動モーターがあって、それらがフォースフィードバックの機能を担(にな)っている。フォース(force, 力)と呼ばずに、触覚(haptics)と呼んでいるアプリケーションもある。このフィードバックがあるため、指は正常なトラックパッドの正常なボタンを押したと錯覚する。このフィードバックはラテラルフォースフィールド(lateral force field, LFFs, 横方向の力の場)と呼ばれる現象に依存しており、それによって人間は振動を触感として経験する。そのため、人はクリックできる面や、その深さ(z軸方向)すら感じる。この新しいトラックパッドのForce Touch機能のせいで、これまでよりも深いクリック感を経験し、よりリアルなタップ感を得る。そうやって、リアルな感触があるのにもかかわらず、トラックパッドはまったく動いていないのだから、不気味ですらある。

でも実際にやってみれば、正常なクリックとまったく変わらない、という感想を持つ人がほとんどだろう。実際に押した感触が得られるのだから、それで十分だ。しかもこの方式には、感度を調節できるという利点もある。つまり、クリックをトリガするために必要な圧力を、はっきり分かるぐらい変えられるのだ。筋萎縮症や指が神経痛の人などは、助かるだろう。

本誌のライターCatherine Shuは、“このトラックパッドは反復運動損傷の人にも良さそう。私は手根管症候群(CTS)になって、トラックパッドを親指の側面でタップしてたときがあったけど、そうするとほかの指が痛くなるのよ”、と言った。

LFEsを利用して触覚的なフィードバックを作り出す方法を研究した初期の研究者の一人、Margaret Minskyは、1995年に”Computational haptics : the Sandpaper system for synthesizing texture for a force-feedback display“(フォースフィードバックのディスプレイで触感を合成するシステム)と題する博士論文を書いている。それを読めば、Appleの未来のスクリーン技術がすこしは分かるかもしれない。Minskyは実際に、この方法を使って、触感をシミュレートするディスプレイを作ったのだ。

WSJの今朝の記事では、Appleは将来、iPhoneにもForce Touch技術を導入して、スクリーンが押された圧力を検出する、と言っている。タップの確認や、文脈的クリック、より深い対話モデル、それにホバリングのステートなどが、未来のUIの要素になるのだろう。Appleなら、何が現れたって不思議ではないけどね。その記事はユーザからのフィードバックに言及していないが、ユーザの頭の中も混乱しているのだろうな。相当、複雑な話だから。この巧妙な振動技術のおかげで、MacBookの上の静止したガラスがクリック感を与えてくれるのなら、同じことがiPhoneでできてもおかしくはない。

やがて、触感を与えるステッカーや、ユーザを実際に突っつくFacebookのpokeが、未来のインターネットに氾濫するのかな。

WSJの記事を説明するためにアップデートした。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Appleの新たな裏切り


「本気でアタマに来た」とM.J.はツイートした。この人はAppleとこの会社が最近発表した新MacBookのことを言っている。同じ感情を表したツイートやコメントは他にも無数にある。今彼らの露な怒りはこの会社に向けられている。多くの消費者がこの新しいMacBookのデザインに裏切られたと感じている。この件に関する本誌の最初の記事は2万5000回以上シェアされた。正当な理由があるからだ。

新しいMacBookの考え方は普通と違う。普通のノートパソコンよりむしろタブレットと共通点がある。iPadにキーボードが付いてOS Xが動いていると考えればいい。私はiPadが好きで、ポートは1つしかついていないが、それがこの怒号の原因だ。

殆どのパソコンは周囲にいくつかのポートが散在している。充電のために1つ、様々な用途のためのUSBポートがいくつか、そして何らかのビデオ出力のためのポートが付いているのが普通だ。新しいMacBookはこの3つを、唯一つのUSB-Cポートにまとめた。これはつまり、ユーザーはパソコンとiPhoneを同時に充電することができないことを意味している。あるいは、USBドライブからデータを入力しながら外部モニターにビデオ出力することも。

ここはAppleの世界であり、われわれはそこで生きていくしかない。

あえてAppleを擁護すれば、そんなパソコンの市場は確かに存在するだろう。使っている低消費電力Intelチップセットではコンピュータゲームに必要なパワーは得られないだろうが、GIFの表示には十分だ。これはカウチ・パソコンだ。FacebookやTwitterのためのマシンだ。立派なプログラミング・コンピュータなのかもしれない。昨日のAppleイベントを見てほしい。この会社は新しいMacBookの上で何ひとつ新しいソフトウェアをデモしなかった。Photosアプリも。要するにこの新MacBookは写真編集に向いていないのだ。

Appleに対する期待は大きい。もしHPやLenovoが新MacBookのように水で薄めたパソコンを発売したら、怒号ではなく含み笑いの渦が起きるだけだろう。何らかの理由により、Appleファンはこの会社が常に自分のニーズに合った製品を作ることを期待している。そうでない時、彼らには裏切りの感情がしのび寄る。それは初代MacBook Airの時に起きた。

Appleは最初のMacBook Airを2008年に発売した。価格は1799ドルで、新MacBook同様、それはほっそりとした驚きのテクノロジーだった。しかし、ポートがなかった。業界は電源ポートと1つだけのUSBポートとMicro-DVIポートしかないことを指摘して非難を浴びせた。CD-ROMポートもEthernetポートもなかった。これは2008年においては一大事だった。ソフトウェアはまだCD-ROMで配布され、Wi-Fiは見つけるのが困難だった。Appleファンは裏切られたと思った。捨てられたと。消費者はもしAppleの最新最高のマシンを欲しければ、CDドライブも有線インターネットも使えないパソコンを受け入れなければならない。

最終的にAppleは全MacBook製品からEthernetを排除し、MacBook Airは現在Appleが販売する最も安いノートパソコンだ。

新しいMacBookは、MacBook Air、MacBook Proに加わる。いずれの代替でもない ― 少なくともまだ。しかし、MacBookというかつて引退した名前が付けられている。Airでもなく、Proでもなく。ただのMacBook、これはAppleのMicrosoftに対する強いメッセージだった。

今後1~2世代のうちにAppleがMacBookの価格を1000ドル以下に下げる可能性は極めて低い。MacBook Airは生き残るのか? 恐らくそれはない。AppleはMacBook Proを小さくし続けている。将来MacBookが唯一の低価格ノートパソコンになり、わずかにスリムになったMacBook Proが もう一つの(複数のUSBポートやSDカードやMagSafeアダプター等のヘんな物が欲しい人のための)選択肢になることは容易に想像できる。

それまでの間は、13インチMacBook Airの方が、新MacBookよりも賢い買い物だ。バッテリー持続時間はほぼ同じで、よりパワフルでポートも十分にある。そして何よりも、自分のMacBook Airがもう少し薄ければよかった、と言った人などいないのだから。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook