仕事している風でTechCrunchを読めるターミナルが日本から登場

ヒップなデベロッパーはこの記事を読むために普通のブラウザを使わなくてすむ。今日(米国時間)、東京を本拠とするKosuke Yoshimuraが小さいが面白いプロダクトを作ってProduct Huntで共有してくれた。TechCrunch-CLIを使えばTechCrunchの記事をコマンドライン・インターフェイスで読める。

同僚のDevin Coldewey記者は、このプログラムにTextCrunchという名前を提案している。

私はこのアプリを使ってみたが、自分がさきほど公開した記事をターミナルウィンドウで読むというのは不思議に愉快な驚きがあった。

このプログラムをインストールしてみたいなら、GithubからNPMパッケージをダウンロードできる。Macユーザーの場合、Node.jsとHomebrewがNPMアプリを作動させるために必要だ。ちょっと試してみたいだけなら、Node.jsイメージをバーチャル・プライベート・サーバーを使うだけでよい。

デフォールトで “$ tc top”コマンドはTechCrunchの最新の記事から順にタイトルが表示される。このターミナルはスクロール可能なので上下矢印キーでどこまでもさかのぼったり戻ってきたりできる。エンターキーを押すと記事のテキストが表示される。リンクはブラケット内に付加されている。写真やイラストが自動的にASCIIアートに変換されたら面白いが、 残念ながらそういう魔法は装備されていない。

ユーザーは“$ tc tag <searchTerms...>”の形式で検索語を入力し、特定のジャンルの記事を表示できる。

実際こういうミニマリスト・スタイルで記事を読むのは新鮮な経験だった。TechCrunchはウェブで一番重いウェブサイトというわけではないが、一般的に見て、メディアのサイトにはさまざまな要素が詰め込まれて混雑が悪化する一方だ。ロードすべき要素が多くてページの表示が完了するまでかなりの時間がかかることが珍しくない。テキストブラウザで読むというのいい考えだ。

〔日本版〕こうすけ氏のTwitterアカウントによればICU2年生で「個人開発が趣味」だという。

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滑川海彦@Facebook Google+

Firefoxが近くデフォルトでトラッカー(ユーザー情報の収集)をすべてブロックする

Mozillaが今日(米国時間8/30)、そのFirefoxブラウザーがデフォルトでは自動的にすべてのクロスサイトトラッキングをブロックする、と発表した

この戦略には、3つの部分がある。まず、今ナイトリーリリースでテストしているバージョン63では、Firefoxはすべての遅いロードのトラッカー(広告に多い)をブロックする。遅いとは、ロードに5秒以上かかる、という意味だ。次にFirefox 65では、サードパーティのトラッカーからのすべてのクッキーとすべてのストレージアクセスを取り去る。そしてさらに今後は、暗号通貨の採掘をするスクリプトと、ユーザーの個人識別情報を取るトラッカーをブロックする。ただしこれらはいずれも、最初のテストの結果次第で提供が遅れることもある。

MozillaのNick Nguyenが、こう書いている: “物理的な世界では、いろんな店の何百人もの店員が店から店へとユーザーをつけ回して、見た物や買った物をスパイしたりしないだろう。でもWebでは、ユーザーがそんなことを予想しなくても、どこへ行ってもつけ回されている。それに対して、ユーザーがプライバシーのレベルを設定できるブラウザーは、まだ多くない”。

これらの新しい機能を今すぐ試したい人は、安定に達していないFirefox Nightlyリリースをインストールすればよい。それのプライバシー設定には、トラッカーをブロックする“Content Blocking”という項目がある。それを有効にすると、説明のメッセージと、‘厳しい設定にすると閲覧できなくなるサイトもある’、という警告が出る。

なお、この、トラッキングを防ぐプライバシー設定は、Firefox for iOSにはすでにある。

というか、AppleのSafariブラウザーには、すでに昨年からこのようなプライバシー機能がある。ただし、Appleが機械学習を使っているのに対してFirefoxは、従来的なブロックリストを使っている。もちろん、ねらいは同じだが。

このブロック機能は、ユーザーの選択権を奪わない。サイトが事前にユーザーに、データ収集の可否を尋ねて、ユーザーがOKしたら、そのサイトのトラッカーはブロックされない。Nguyenは書いている: “2004年にFirefoxがポップアップ広告をブロックしたときも、広告主にはユーザーに尋ねるオプションを与えた。2018年には、それと同じ考え方でユーザーに可否決定の権利を与えたい”。

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Firefoxブラウザーが音声検索、大型ファイル共有、そしてノート取り機能を実験的に実装

Firefoxは、再起を期している。ブラウザーの中核的部分に注いできたリファクタリング努力がようやく報われようとしているし、マーケットシェアの減少はまだ(とくにデスクトップで)続いているものの、今のFirefoxは、これまでの長年の鈍重さから抜け出てダイエットに成功し、快速になっている。そして今日(米国時間8/1)は、そんなFirefoxを試してみるのによい日だ。というのも彼らは今日、音声検索ノートを書く機能、そして大きなファイルの転送/共有機能という三つの新しいテストパイロットの実験をローンチしたからだ。これらの実験的事業は、Test Pilotと呼ばれている。

これらはすべて実験段階だから、まだ正式バージョンのFirefoxに載る保証はない。むしろこれらのパイロット事業の目的は、新しいコンセプトのテストにある。前には、サイドタブやアクティビティストリームの実験があった。しかもこれらの新しい機能を試すためには、Test Pilotアドオンをインストールする必要がある。

音声検索は、今GoogleやYahooやDuckDuckGoのホームページにあるようなやつだ。またノート機能は、プラグインとして提供される。そしてファイル転送共有機能SendはWeb上の機能として提供されるので、使用するブラウザーの種類を問わない。ファイルの最大サイズは1GBで、送信時に暗号化され、ファイルのリンクを友だちや同僚と共有できる。ファイルは、一回ダウンロードされたり、一日経ったら自動的に削除される。斬新なアイデアではないし、Mozillaはよく道草を食うと批判されたりもするが、ファイルが暗号化され、ツールがオープンソースであることには、好感を持てる。

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デフォルトでプライベート・モードで動作するモバイルブラウザー、MozillaのFirefox FocusがまずiPhone用に登場

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Firefoxを作っているMozillaが今日(米国時間11/17)、プライベートなWeb閲覧をメインとするiOS用のブラウザーFirefox Focus発表した。このブラウザーは、デフォルトでは広告のための個人追跡(ad trackers)をブロックし、ユーザーの閲覧履歴を削除する。パスワードやクッキーも含めて。

そのため、Webページのロードが速くなる、と同社は主張する。広告などの個人追跡機能は、ページのロードを遅くし、ブラウザーの性能を劣化させるからだ。

このアプリは1年前にApp Storeに登場したが、当時はiPhoneのSafariブラウザーのためのユーティリティで、広告やその追跡機能をブロックした。そのアプリはアップデートされて今でも健在だが、今度はもろに、Safariと競合することになった。

でもこのブラウザーは、ライバルに比べると簡素だ。タブがないし、お気に入りリストやそのほかの構成オプションもない。しかしSettingsのところでは、広告の追跡、アナリティクスの追跡、ソーシャルの追跡などなどのブロックをon/offできる。Webフォントの使用も。

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しかしFirefox Focusでは、デフォルトの検索エンジンがYahoo Searchだ。Yahooは最近、大規模なデータ侵犯をやられたばかりだから、これはおかしい。Mozillaによると、今後のリリースではデフォルトの検索エンジンをユーザーが変えられるようにするし、アメリカ以外の市場ではYahoo以外のエンジンを使う、ということだ。

YahooでなくGoogleなら良いか、というとGoogleも個人データの保護に関しては、そんなにお行儀よくはない。でも現状のFirefox Focusで、ユーザーがデフォルトの設定を変えられないのは、絶対にまずいね。

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検索が終わったら、”erase”ボタンを押せば検索履歴も削除される。自動削除でも良かったかもしれないが、でも手作業で削除するとカタルシスがあるのだ。

アメリカでは、先日までの政治的大動乱〔問題含みの大統領選〕以降、プライバシーへの関心が再燃しているが、Firefoxの今度の参戦は遅すぎたのではないか。主なモバイルブラウザーには以前からプライベートモードがあるし、長年プライベートなWeb閲覧を専門的に提供しているTorのようなサービスもある。またApp Storeにも、Ghostery, Dolphin, Braveなど、プライベートWeb閲覧のユーティリティがいろいろある。

デスクトップではかつてトップだったFirefoxも、モバイルへの移行ではやや躓いている。iPhoneといういちばん優勢なモバイルプラットホームのために、モバイルフレンドリーなブラウザーを作ることをせず、App Storeの制約を批判して長年、iOSバージョンの提供を拒否してきた。そしてその姿勢が1年前にがらりと変わって、Firefox for iOSがやっとローンチした。でも、それじゃあ、あまりにも遅すぎた。

今度のFirefox Focusは、無料でダウンロードできる。Androidバージョンが出る、という話はまだない。

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GoogleがChromeの空タブページに“おすすめ記事”を満載、でも以前の履歴やブックマークに戻すことは可能

The original new tab page.

空のタブページの元の姿

あなたには、人が何を好きかなんて、分かるかな? Googleにも、それが分かるはずはない。自分が使い慣れてて便利なものを、“あなたのため”と称する、望んでもいないコンテンツに変えてしまうなんて、余計なお節介だよな。Chrome for Androidの最新バージョンが、そのお節介をやっている。これまでのようにブックマークと最近訪れたページ(上図)ではなくて、新たに空のタブを開いたときは“suggested articles”(おすすめ記事)が表示されるのだ。

The 'suggested articles' feature.

The ‘suggested articles’ feature.

あなたはどうかな?、ぼくの場合は毎日大量の空タブを開くから、最近の履歴を表示してくれる前の空ページの方がありがたい。Googleのお節介な“おすすめ記事”は、迷惑だよね。このオプションがオプトイン方式なら許せるけど、スポンサー付きだからGoogleとしては、それはできない。

これが気に入った人は、よろしい! でも、嫌いな人も悩む必要はない。無効にするのは、比較的簡単なのだ。Android Policeの読者Mattが、やり方を教えてくれる

それは、隠れている二つの設定を変えるだけだ。下の二つのリンクをコピーして、それらを新しい空タブページに貼り付ける。これらはマルウェアではない、ぼくを信じろ。それぞれ、ややこしそうな設定ページが出て、上に一つのアイテムが高輝度になっている。小さなドロップダウンメニューをタップすると、“default”と“disabled”があるはずだ(下図)。もちろん、“disabled”は、おすすめページ機能を無効にする設定だ。

そのほかのものは、それが何であるか分かっている人以外は、触ってはいけない。中には、重要なものもある。さて、設定を変えたらChromeをリスタートするプロンプトが出る。言われたとおりリスタートしたら、空のタブページは昔のデザインに戻っている。

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まだおすすめ記事が出ない人も、前もって無効にしておいた方が便利だろう。おすすめ記事に戻したい人は、”default”に再設定すればよい。

この機能は今後、もっと良い形に変わる可能性はあるけど、今のところは、こんなやり方なのだ。でも上記のように、嫌なら無効にできる。

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Firefoxが目に見えないFlashコンテンツを完全ブロック、Flash自動再生も廃止へ

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8月からMozillaのFirefoxブラウザーは“ユーザー体験にとって重要でない”Flashコンテンツをブロックする、と今日(米国時間7/21)同社が発表した。

Googleは昨年同様の決定を行い、今年はChromeブラウザーからFlashコンテンツをほぼ完全に排除するつもりだから、Mozillaはその動きに追随していることになる。

それまでのWebの標準技術(HTTP, HTML)では動画などのリッチなメディアを作れなかったから、どうしてもFlashに頼らざるを得なかった。でも今は、HTML5などWebの標準技術だけで、Flashと同じことができるから、現代的なブラウザーの上ではFlashは足かせ、あるいは邪魔物になってきた。Flashはセキュリティの欠陥も多く、電池を大食いし、ページのロードを遅くした。

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Mozillaは、当面はFlashのサポートを継続するけど、重要でないFlashコンテンツとはユーザーには見えないコンテンツだ。同社(同団体)は今、Flashのコンテンツと、それらをHTML(HTML5)で表現する場合のやり方を対照したリストを作っている。

2017年には、FirefoxはすべてのFlashコンテンツに対して”click-to-play”(クリックして再生)方式を導入するから、ユーザーが意志的にクリックしないかぎりFlashコンテンツが動き出すことはないし、またブラウザーの設定でFlashプラグインを有効にしていなければ、Flashコンテンツは無視される。

Mozillaの品質担当技術マネージャーBenjamin Smedbergは、今日の発表声明の中でこう述べている: “これらの変更は、ユーザーが愛するWeb体験を犠牲にすることなく、より安全でより高速な閲覧を可能にしようとする、われわれのかねてからの取り組みの、一環である”。

今回なぜか、Flashを使った広告については何も言ってないが、でもGoogleのAdWordsや広告ネットワークDoubleClickなどがすでに、広告からFlashを締め出そうとしているので、そういう広告はますますレアになりつつある。

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Firefoxのマルチプロセス化がこの夏のv48でやっと一般実装へ、今はベータ中

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[筆者: John Mannes]
【抄訳】
ついにやっと、MozillaのプロジェクトElectrolysisにゴーサインが出た。

Firefoxの、全世界何億というユーザーにマルチプロセスアーキテクチャを提供する長年のプロジェクトがリリース規準をクリアし、全面展開にこぎつけた。

今では、ほかのブラウザーの多くがマルチプロセスを採用して、タブやエクステンションを個別のプロセスとして動かしている。その結果、Web閲覧体験がきびきびとした快適な体験になる。一つのタブでトラブルが生じても、ブラウザー全体がダウンすることはなくなる。

今週初めにローンチしたFirefox 48ベータに、 Electrolysis(E10S)*が実装されている。一部のベータユーザーは2015年の12月からE10Sにアクセスしていたが、今週のローンチではさらに多数がテスト参加者になる。〔*: E10S, EとSのあいだに10文字。〕

たとえばGoogleのChromeは、タブとエクステンションを複数のプロセスに分割している:

Chrome processes (1)

今日はいい日だから、責めるのはやめよう。ぼくの場合プロセス数が75ぐらいで、タブに問題が起きた。〔通常の使用ではプロセス数20ぐらい。〕

対照的に、これまでのFirefoxは、たった一つのプロセスで動いている:

Firefox JPG old processes

【中略】

8月2日にリリースされるFirefox 48にE10Sは実装されるが、ベータの人びととの比較を行いながら、段階的な一般公開になるので、全ユーザーへのサポートはやや遅れる。またMozillaの計画では、個々のタブやエクステンションをサンドボックス化して孤立隔離するセキュリティ措置がとられる。そうなると各プロセスに門番小屋があるような形になり、攻撃の影響はその小屋だけに限定される。

Mozillaのリリース規準をクリアしたE10Sは、今度は多くのユーザーベースの上での安定性や、ユーザーエンゲージメントの変化などがチームの注視対象になる。

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差別化要素を着々と積み重ねるOpera、今度は省電力モードで電池寿命を長くした

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Operaはこのところ元気だ。たとえばこの数週間で同社は、内蔵の広告ブロッカーVPNサービスをデスクトップブラウザーに加えたりした。今日は、省電力モードのあるWindows用とOS X用バージョンの、デベロッパー向け早期リリースをローンチした。この新しいモードは、それがないときに比べて電池寿命が相当長くなるそうだ。

具体的には、Chrome、あるいは旧バージョンのOperaに比べて最大で電池寿命が50%増、という。もちろんあくまでもOperaの言う数字だから、ちょっと割り引いて理解すべきかもしれない。でもOS XのActivity MonitorのEnergyタブで見るかぎり、このデベロッパーバージョンの省電力モードは明らかにChromeよりもエネルギー使用量が少ないようだ。

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省電力モードは、電池駆動状態のときに自動的にonになる。

もちろんこれは、マジックではない。このモードではバックグラウンドのタブの活動を抑え、ページ再読み込みの頻度を少なくし、ビデオ再生のパラメータを変えているだけだ。

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なおOperaは、電池寿命の比較をSafariやOS Xに対してやってない。Appleも、同社のブラウザーを使えば電池寿命は長い、と主張している。Webの閲覧なら、ChromeやFirefoxよりも2時間長いそうだ。

ラップトップのユーザーにとっては、今後も電池寿命が重要な問題だから、ChromeとFirefoxにも将来、似たようなモードが加わるかもしれない。

 

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GoogleのChrome Web Storeは新しいユーザーデータ保護指針に違反しているエクステンションやアプリを排除する

Chrome lapel pin

Googleが、Chrome WebブラウザーのエクステンションやアプリのマーケットプレースChrome Web Storeを掃除している。同社によるとその一環として、同社はUser Data Policyを改定し、顧客データの扱い方に関するさらなる透明性をデベロッパーに求める。中でもとくに、データを収集するときにはユーザーの同意を必須とする。

改定の動機はおそらく、Chrome Web Storeに最近マルウェアがポストされたことだろう。その不埒なエクステンションは、ユーザーをスパイして個人情報を集めたりするのだ。またSnowdenによる内部告発があってから以降は、政府機関も、EUに倣って、ユーザーデータ保護の法制化に前向きになっているから、その流れに乗る意味もある。

1月にセキュリティ企業Malwarebytesが見つけた悪質なエクステンションは、取下げられたときすでに1000回もダウンロードされていた。マルウェア問題の典型とも言えるこのエクステンションは、 贅沢なパーミッションを要求し、インストールされるとリモートのサーバーと通信して広告をプッシュする。

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それを削除すると、すぐに別のマルウェアにリプレースされ、それはユーザーをソーシャルネットワークサイトへリダイレクトする。そのセキュリティ企業によると、最近の“アドウェア”(adware,広告持ち込み型マルウェア)は、エクステンションを利用して無料のクーポンやレシピ、ビデオなどをプッシュするものが増えており、またユーザーのWeb閲覧習慣を捉えてそれを、広告のターゲティングのためにマーケティング企業に売るマルウェアメーカーもある。

しかし悪質なエクステンションはGoogleにとって旧聞である。Chrome Web Storeは何年も前から、この問題を抱えている。過去にGoogleは、Web Storeが直接提供していないエクステンションのインストールを、禁じようとした。理屈としては、Web Storeが直接関与できればエクステンションを取り下げたり無効にできたりするから、ユーザーの保護に貢献するだろう。

しかしこれからのGoogleは、ユーザーのプライバシーの保護に関して、Chrome自身と同等のガイドラインをデベロッパーにも守らせようとする。

Chromeのブログ記事によると、この新しいポリシーにより、次のような新しい要求がデベロッパーに課せられる:

  • ユーザーデータの取り扱いに関して透明であり、プライバシーに関して行っていることを開示すること

  • 個人の機密情報を扱うときにはプライバシーポリシーをユーザーに開示し、暗号化を使用すること

  • ユーザーの個人情報や機密情報を収集するときには、大きく目立つ方法でユーザーの同意を求め、データの利用が主要な機能と無関係なときは、そのことも大きく目立つように開示すること

こんなことが、何年も前のストアの開店時にデベロッパーに対して言われなかったこと、今になってやっと言われることは、ユーザーの気分としては不安である。

このポリシーは、エクステンション等の主要機能とは無関係にユーザーのWeb閲覧行動を集めることも禁じている。とくにおもしろいのは、これによっていくつかの“ビジネス”に影響が及ぶことだ。

というのも、今では多くの企業が、一見無害なブラウザーエクステンションを利用して、さまざまな目的のために閲覧データを集めている。たとえばWebアナリティクスのSimilarWebによると、同社は“数百の”プラグインを利用して何百万人ものユーザーに接触していたこともある。それらのプラグインの中には、閲覧データを集めて、ユーザーが今いるサイトのランクやリーチを情報として教えるものもあったが、意図が明確でないプラグインも少なくない。そんなプラグインでプライバシーポリシーが表示されても、それを読まないユーザーがほどんどだろう。

Googleによると、デベロッパーは2016年7月14日までに、新しいポリシーに適合しなければならない。翌7月15日には、今回アップデートされたUser Data Policyに違反しているエクステンションやアプリはChrome Web Storeから削除される。

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Chromeは9月1日からFlash広告をデフォルトで停止へ

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GoogleのWebブラウザChromeが、ますます良くなる。Google+のポストによるとChromeは9月1日から、デフォルトでは、広告中で使われているFlashを停止し、ブラウザとしてのパフォーマンスを上げる。この変更は6月に発表され、Chromeのデスクトップブラウザのベータに導入されていた。

当時Googleは、ユーザにとって重要でないと思われるFlashコンテンツをデフォルトでは停止するが、ユーザがそのビデオを見たければ見られる、と述べていた。Googleに止められていたビデオを見たければ、そのアイテムをクリックするだけで再生できた。

最近はAC電源につながれていないラップトップでWebを閲覧する人が多いから、Flashビデオを自動再生する広告などのFlashコンテンツ…電池急速消耗の犯人…を停止することは理にかなっている。停止すれば電池が長持ちするだけでなく、Web閲覧のスピードも上がる。

Flashの開発にはGoogleも関わっているから、ChromeでFlashコンテンツを封ずることは必ずしもAdobeへの敵対行為ではない。この夏の初めごろの記事でGoogleは、これからはブラウザが自分で当否を判断して、Webページ上のFlashアニメーションなどを停止するが、そのページにとって重要なビデオコンテンツは妨害しない、と説明している。これからは、ACアダプタを使わなくても長時間、Webを閲覧できる、というわけだ。

Flashコンテンツが表示されないと広告主は困るが、Googleは今週のポストで、AdWordsへアップロードされたFlash広告の多くは自動的にHTML5に変換される、と言っている。自分たちの広告が9月1日以降もGoogle Display Network上で表示されることを望む者は、そのためのちょっとした手続きをしなければならない。

Googleは、Appleなどと並んで、Flashの技術には距離を置いてきた。1月にGoogle傘下のYouTubeは、ビデオのストリーミングをデフォルトではHTML5に切り替えることを発表した。

そしてさらに最近ではFacebookが、今後はFlashをサポートしない、と発表した。FacebookはHTML5と並行してFlashもサポートしていたが、それはセキュリティの点で批判を浴びていた。なにしろFlashにはおそろしいゼロデイ脆弱性があるというのだから。

ビデオゲームをストリーミングするTwitchも先月、ビデオプレーヤーの設計を変えることによって、Flashに別れを告げた。でもKotakuが先月述べていたように、ゲームの世界では依然としてFlashが健在だ。ゲーム企業にとっての懸念は、今後ブラウザが完全にFlashのサポートを停止すると、何万ものオンラインゲームがごみになってしまうことだ。

自動再生を停止するというChromeの最新の決定は、そこまで極端な事態ではない。しかし一般的な方向性としては、Flashの命運は尽きつつある。

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Vivaldiブラウザの新プレビュー: カスタマイズオプションの増、マウスジェスチャの拡充、そしてChromeエクステンションを実験的にサポート

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元OperaのCEO Jon von Tetzchneが立ち上げたBlinkベースのブラウザVivaldiは今、その最新のテクニカルプレビューをダウンロードできる。新たに加わった機能は、新しいカスタマイゼーションオプション、マウスジェスチャサポートの拡充、そしてエクステンションの実験的サポートだ。この四度目のプレビューを最後として、次はいよいよベータに入るものと期待されている。

まずカスタマイゼーションオプションの方は、既製のテーマを4種類提供、そしてタブは上、下、右、左のどこにでも置けるようになった。順列組み合わせでいうと、Vivaldiのカスタマイズの方法は今や1億5500万とおりある、とVivaldiのチームが言っている。

この膨大なオプションは、Vivaldiにおけるvon Tetzchnerの哲学、“疑わしきはオプションにせよ”の帰結だ。今日の発表声明でも彼は、“選択の幅を広げることを恐れる人たちもいるが、Webブラウザはユーザが毎日朝から晩まで使うものだ。だからユーザの望み通りのルック&フィールや動作仕様を持つのが当然ではないか?”、と述べている。また彼は、Vivaldiはパワーユーザのためのブラウザとして作った、と公言して憚(はばか)らない。細部までユーザがカスタマイズできることも、そのコンセプトの実装の一つだ、と。

Chromeのエクステンションは実はかなり前からサポートされていたのだが。今回のアップデートで、それが実験的な機能である、と公表された。ぼくの経験では、Chrome Web Storeにあるエクステンションの多くがVivaldiで使えるようだが、ユーザインタフェイスがまったくないので、バックグラウンドで黙々と動いているだけなのだ。アイコンぐらい、出してちょうだい。

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マウスジェスチャはVivaldiの競合製品の多くが無視しているが、Operaには昔からあるので、von Tetzchnerの新しいブラウザにそれがあるのも当然だ。今度のバージョンでは、ユーザがジェスチャをカスタマイズでき、またタブの切り替えやキーボードフォーカスをonにするジェスチャなどが新たに加わった。ラップトップのタッチパッドでマウスジェスチャを、前よりも容易に使えるようになった。

実際に使ってみれば、まだバグに遭遇したりもするだろう。たとえば前のアップデートでは、ブラウザウィンドウの移動ができなくなった。でもそういうことは、アルファ段階の製品では大いにありうることだ。全体的な実感としては、かなり安定しているし動作も速い。しかもすでに、非常に活発なユーザコミュニティが存在するのだ。

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Windows 10はIE11とSpartanの両方をサポート…前者はレガシーコードを抱える企業への対応

昨日(米国時間1/21)Microsoftは、Windows 10が、今“Spartan”というコードネームで呼ばれている新しいブラウザを搭載する、と発表した。でもそのとき詳しい情報はほとんどなくて、今朝、やや詳細な説明がポストされた。

そこから分かることは、たとえば、Active Xなどのレガシーの機能をまだ必要とする人たちのために、Internet Explorer 11も提供される。Windows 10のIEは新旧両方のレンダリングエンジンをサポートし、Spartanもやはり、レガシーなサイトではIEの古いエンジンを使う。

というややこしい話だが、でもデフォルトのブラウザはSpartanになり、新しいインタフェイスと、IEにはない数々の改良が盛り込まれる。Spartanはクロスデバイスなアプリケーションで、スマートフォンからデスクトップまで、すべてのWindows 10デバイスで使える。ふつうのユーザは、Windows 10の上で古いIEを見る機会が、全くないかもしれない。MicrosoftがIEをサポートするのはあくまでも、どうしてもその必要がある企業ユーザのためだ。

現時点では、IEが最初からWindows 10に含まれているのか、それとも必要な人が後からダウンロードするのかも、はっきりしない。両方のブラウザをサポートすることだけは、確かだけど。デフォルトで二つのブラウザがインストールされるのはちょっとわずらわしいが、Microsoftならやりかねないね。

では、Spartanはどこが違うのか? Microsoftによると、相互運用性とWebの今日的な規格をサポートすることがキモだ(上図)。次回のテクニカルプレビューではSpartanが登場しないが、そのレンダリングエンジンは使われる。Windows 10では、この前のプレビューに比べていろんなところを変更され、内蔵するデベロッパツールもアップデートされた。

Microsoftはまだ、ブラウザのパフォーマンスデータを発表していない。今回のリリースでも、やはり無視されているようだ。詳しく説明されているのは、ブラウザ閲覧のわき見運転防止モードやCortanaの統合、Webページに注釈文を書けるなど、便利機能ばかりだ。

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今Yahooのどのページにも”ブラウザをFirefoxに変えよう”がある

今日(米国時間12/12)Yahooのサイトのどれか訪れた人は気づいただろう。どのページも右上に”Upgrade to the new Firefox”(新しいFirefoxにアップグレードしよう)のリンクがある。Chromeだけでなく、Internet Explorerでも、最新のYandexブラウザでも。Safariには出ないが、Appleもデフォルトの検索エンジンをYahooにする、という噂があるので、そのせいか、と思ってしまう。

今のFirefoxはデフォルトの検索エンジンがYahooだから、Yahooのこの態度は意外ではない。Yahooとしてはできるだけ多くの人にFirefoxとその検索エンジンを使ってほしい(本体はMicrosoftのBingだけど)。

Firefoxもこのところシェアが下降気味だから、できるだけ多くのYahooユーザにFirefoxを勧めてもらいたい。Firefoxのデフォルトの検索エンジンを変えるのは簡単だし、最近もっと簡単になったが、ほとんどの人が変えないからYahooのままだ。またFirefoxユーザのためのYahoo検索エンジンは、デザインがGoogleに似てきたから、Yahooに変わったことに気づかない人が多いだろう。

YahooとMozillaの新しい関係が、両社のシェアなどにどう影響するか、それはまだわからないけど、1月になったらYahooはやや伸びていそうだ。

Yahooのページの変化を見つけたのは、本誌のすばらしいコピーエディタCatherine Pickavetのおかげだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


BitTorrentの分散WebブラウザMaelstromはピアツーピアでWebの諸問題を解決へ

ピアツーピアでファイルを共有するBitTorrentが、同社の‘BitTorrent的な’WebブラウザMaelstromアルファテストを開始した“私たちが次に作るインターネット”(The Internet We Build Next)をスローガンとして訴えるこのプロジェクトは、本体のBitTorrentと同様、中央集権的なサーバのない、分散ネットワーク上のP2P型コンテンツ共有を目指している。

BitTorrentは数年前に、不法なファイル共有を行うP2Pネットワークとして有名になった。サーバが介在せずユーザ同士が直接ファイルを共有しあうこのサービスは、それが著作権のある有料コンテンツの場合もあるので、問題になった。同社の分散アーキテクチャを利用した最近のプロダクトとしては、同期機能つきで大きなファイルを共有するSync、コンテンツの作者がコンテンツを配布し販売するためのBundle、メッセージングサービスBleepなどがある。

これらが人気プロダクトになったのには、理由がいくつかある。まず、サーバが介在しないユーザ間直接の通信だから効率が良い。とくに大きなファイルの場合は、クラウドからダウンロードするよりもP2Pで直接送受した方が相当速いし簡単、と言われる。ただし各通信者が専用のソフトウェアを持っている必要があるから、ブラウザさえあれば誰でも…、というクラウドの簡便性はない。

また、同じくサーバが介在しないからセキュリティが高い。ファイルはクラウドに蓄えられることなく、直接、ユーザのマシンツーマシンで送受される。

とくに、国の諜報機関NSAが、大手Webサイトのサーバ上にあるユーザの個人情報や個人的コンテンツを盗視していることをSnowdenが暴露して以来、このP2P方式(大型サーバ〜データセンタがどこにもない)が注目されるようになり、BitTorrentもこれを千載一遇の好機として自己の経営に生かそうとしている。クラウド上の情報は、政府が盗視するだけでなく、ハッキングにも遭いやすい。

CEOのEric Klinkerによると、MaelstromもP2Pの利点を生かした同社のプロダクトの一環であり、オンラインコンテンツの享受(Web用語では‘閲覧’)を、よりスムーズにすることがねらいだ。

Maelstromのプロジェクトを紹介するページでKlinkerは、“Web上の通信の多くがBitTorrent的になったらどうなるでしょう?”、と書いている。“Maelstromプロジェクトはこの問に答える初めての試みです。Webブラウザがこのようであれば、コンテンツの公開の方法も、そしてアクセスと消費の方法も、がらっと変わります。そうなるとインターネットは、完全に人びとが動かすインターネットになり、参入障壁はきわめて低く、今のように地獄の番人たち(政府諜報など)が私たちの未来を握っている状態はなくなります”、というのだ。インターネットの民主化、である。

しかし、これは言うは易しで、問題も多い。

今のところ、Maelstromに関してBitTorrentが提供している情報は上の図(このページ)だけだ。アルファテストは、単にユーザがそこに登録するだけでなく、ユーザ同士で共有し互いにアクセスしあうコンテンツも提供しなければならない。同社の広報は、“分散Webを構築することに前向きの関心を持つ未来のパートナーがすでにかなりおられる”、と言っている。

しかし、収益化の方法は構想しているのか?

広告収入について聞くと、“今は開発の最中(さなか)なので、ビジネスモデルについてはもっとあとに考える。Syncがそうであったように。でも、分散Webページはほかのブラウザと同じく単純にWebページとして扱われるから、そこには、広告でも何でも載りうる”、ということだ。

でもそれは、今のWebと何も変わらないようだが?

“分散Webでも、従来のWebと同じHTMLを使う。だからWebサイトの制作過程はこれまでと同じだが、その発表〜公開の仕方が、中央集権的でなく分散型になる”、と広報氏は答えた。

どうやらMaelstromは、今のWebブラウザに代わるものというより、それを補完するもののようだ。“Web上でHTTPとtorrentの二つのプロトコルが混じり合う形になるだろう”、と。

Web全体がサーバレスのアーキテクチャになる、と考えるのはラジカルすぎるが、でも今の形のWebが行き詰まる日は遠からず訪れるだろう。たぶんそれは、今のユーザがP2Pをあえて選ぶ理由(セキュリティ、プライバシー)だけが、原因ではない。

BitTorrentは、今のネットワーク中立性(net neutrality)をめぐる議論も、ビデオストリーミングのようなデータ集約的なサービスが、今とは違うファイル配布方法を採用したら無用になるだろう、と言う。そう、まさにそこにMaelstromのメリットもあるのなら、やはりそれは、補完的な役割と言えるのだろう。

“分散WebブラウザであるMaelstromは、今のネットワークに科せられている重荷を取り去ることができる”、とBitTorrentは言っている。“またトラフィックの起源を地獄の番人たちが突き止められなくなるので*、より中立的なインターネットを維持できる”。〔*: P2P方式ではルートのリレーやキャッシングの形状が…最効率を求めて…随時変わるから、エンドポイントから起源(オリジン)を辿ることは困難。〕

このビデオで、やや詳しいことが分かる:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Mozillaがデベロッパ専用の新しいブラウザを来週ローンチする

Mozillaが今日(米国時間11/3)、デベロッパ専用の新しいブラウザを来週リリースする、と発表した。具体的な詳細はなく、ただ匂わせただけだが、リリースは11月10日だそうだ。その日は、Firefoxの10歳の誕生日でもある。しかしMozillaによると、その新しいブラウザを使えばデベロッパは、ほかのツールをとっかえひっかえ使わなくても“Web全体を”デバッグできるのだそうだ。

発表文から引用すると: “Webのために何かを作るときは、お互いに相互運用性のない数多くのツールをデベロッパは使わなければならない。プラットホームやブラウザによっても使うツールは違うので、それが作業の足を引っ張り、生産性を損なう”。

この新しいブラウザでは、MozillaのWebIDEプロジェクトFirefox Tools Adaptorを使って、Firefoxの開発ツールをほかのメジャーなブラウザに対しても使えるようにする。ただし今回Mozillaが言っているのはそこまでで、詳細は来週にならないと分からない。

Mozillaはオープンソースの組織として、毎週のプロジェクト会議をストリーミングし、ユーザインタフェイスのアップデートの設計に関する研究も、もっとも実験的なリリースチャネルに出る前に共有することが多い。だから、今回の秘密めいた発表の仕方は、やや異様だ。

でも、おそらくFirefoxのフォークとしてデベロッパ専用のブラウザをMozillaが提供することは、理にかなっている。Mozillaはここ数年、デベロッパツールに重点投資をしてきたし、やや議論を招(よ)んだFirefox OSによるモバイルへの進出でも、さまざまなツールをローンチした。しかし外部ツールのこのような多産によって、ブラウザ内蔵のデベロッパツールが、おかしな立場になってきた。Firefoxの最新バージョンではブラウザのカスタマイズがずいぶん容易になったが、デベロッパツールにはますます陽が当たらなくなっていたのだ。

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今度のFirefox BetaではデスクトップでWebRTCビデオチャット、AndroidでChromecastやRokuへのビデオキャスト

MozillaがデスクトップとAndroid向けのFirefox betaチャネルに今日(米国時間9/4)、最新のアップデートをローンチした†。このところずっと、それほどエキサイティングな変化はなかったが、今回のアップデートにはエンドユーザ向けのおもしろいツールが二つある。[†: 原注: 可利用になるのは数日後。]

Android上では、ブラウザの新機能、ビデオを“デバイスへ送る”を試せる。サポートされているデバイスは、RokuとGoogleのChromecastなどだ。デスクトップでは、Firefoxに内蔵されたWebRTCによるビデオチャットを試せる。Mozillaはこれを今年の初めごろから、実験的なチャネルでテストしていた

ブラウザがプラグインなしでオーディオやビデオを呼び出せる標準機能WebRTCは、Firefoxの上で簡単に使えるが、デフォルトでは露出していない。”customize”ウィンドウへ行ってスピーチバブルを探し、それをメインのツールバーにドラッグする(右図)。そしてそのバブルをクリックすると、誰かと共有できるリンクができ、相手もクリックすればチャットがスタートする(つねに無料だ)。

そのバックエンドではMozillaがWebRTCのスペシャリストTokBoxとパートナーしている。ビデオチャットはChromeとFirefox間でもできるが、ぼくが試したときには、接続がときどき落ちた。Mozillaはこの機能が未完成であることを承知していて、今のところ“実験的”のラベルをつけている。もちろん、それでも試す価値は十分にある。

Android上のアップデートの主役は、ChromecastやRokuに対するビデオのキャスティングだ。Flashを使わずHTML5でビデオをサーブしているCNNなどのビデオは、Androidのあるモバイルからリビングの(RokuやChromecastが生きている)テレビへストリーミングできる。Chromecastの場合はなんらセットアップは要らないが、RokuではFirefoxチャネルをインストールする必要がある。

なお、HTML5のビデオプレーヤーを独自にカスタマイズしているサイトでは、“Send to”アイコンがないことがある。でもその場合でも、ビデオをスタートするとURLバーに”Send to Device”アイコンが出るから、それをクリックするとよい。

以上はしかし、あくまでもベータだから、バグもきっとある。まあ、ベータテスターとして参加するつもりで試用し、問題を見つけたらここに報告するとよい。

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Raspberry Piのブラウザーが良くなった!

殆どの英語圏世界にとって、Raspberry Piのウェブブラウザーが新たに改良されることは、ささいなニュースにすぎない。しかし、ごく一部のエリートハッカーや教育関係者にとっては、天の恵みだ。

何年もの間、RaspPiユーザーは、出来合いのRaspbian Linuxに組み込まれたどうにも出来の悪いブラウザーに悩まされ続けてきた。自分でブラウザーを移植することはできたが、誰にとっても優先度は低かった。今、しかし、それは突然やってきた。

この新ブラウザーは、Collaboraの人たちが、最新版Raspberry Piのために書き直したもので、オリジナル版より大幅に良くなっている。主な改善点は以下の通り

HTML5サポートの大幅改良
JavaScript JIT
ハードウェア利用のビデオデコード
ARMv6最適化済みblitting
ページ読み込み中の対話の改善
高速スクロール

RspPi OSの今後のバージョンには、この新ブラウザーが同梱されるが、今でも以下のコマンドをタイプすればインストールできる。

sudo apt-get update
sudo apt-get dist-upgrade
sudo apt-get install epiphany-browser

是非入手されんことを!

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Googleのメール暗号化プラグインのコード中にNSAをおちょくるイースターエッグが

Googleは最近、Chromeブラウザのプラグインでメールの暗号化を推進すると発表して話題になった。本誌はGoogleが取り組むその課題の難しさを指摘し、また、価値ある仕事だ、とも述べた。

しかしGoogleは、そのコードの中に小さなイースターエッグを忍ばせた。そいつが、とってもおかしい。それは、こんなジョークだ(Zen Albatrossさん、ネタをどうもありがとう):

上の図中の”SSL added and removed here”(SSLがここで加えられ取り去られた)は、合衆国の外でGoogleとYahooとのあいだで渡されるデータを盗み見するNSAの計画への、当てこすりだ。下図は、この件に関するNSAのスライドだ。

完全に同じ文があることが、おわかりかな?

Googleがメールを暗号化するコードにこのテキストを入れたのは、NSAに対する一種の皮肉で、そのときNSAはSSLという広く使われている暗号化方式をかいくぐろうとしていたのだ。そこでGoogleは、メールのユーザのためにメッセージのセキュリティを強化するこの新しいツールの中で、わざとNSA自身の言葉を使ったのだ。

画像: FLICKR/KENNETH LU; CC BY-SA 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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MozillaがWebRTCプロバイダのTokBoxと組んでブラウザ本体に汎用コミュニケーション機能を持たせる実験を開始

Mozillaが今日(米国時間5/29)、WebRTC APIのプロバイダTokBox提携してブラウザ本体にWebRTCによるコミュニケーション機能を持たせる実験を開始する、と発表した。当面その実験は、FirefoxのNightlyリリースに実装されるだけなので、一般ユーザの利用はまだ先の話だが、たいへん興味深い取り組みであることは確かだ。

WebRTCは、ブラウザ間でリアルタイムデータやオーディオ、ビデオなどをプラグイン不要で送受するための規格で、FirefoxとChromeはすでに通常バージョンでサポートしている。Microsoftのブラウザはこれをサポートせず、独自の規格をスタンダードとして提案している。

MozillaのFirefox担当プロダクト管理部長Chad Weinerによると、同社は現在のコミュニケーションおよびソーシャルネットワーキングの市場が分断化されていることを懸念している。

Weinerは次のように語る: “Mozillaなら、それらの壁を壊してあげることができるのではないか、と考えた。つまり、とてもたくさんの人が使っているブラウザの本体に、オープンで相互運用性に富むコミュニケーション機能が備わっていれば、よいのではないか”。

またWeinerによると、長期的な展望としてはMozillaがWebRTCのエコシステムを作って、それがすべてのデバイスとオペレーティングシステムを横断する、ないしカバーする形にしたい。そもそもWebRTCのねらいが、それだから。WebRTCを使ったサービスはすでにいろんなものが、完成製品に近い形で作られてはいるが、どれもまだ実験段階だ、と彼は言う。

Mozillaがこの機能の実験のためにパートナーとしてTokBoxを選んだことは、意外ではない。TokBoxは2012年にスペインのキャリアTelefonicaに買収されたが、長年、WebRTCの世話役のような役割を担ってきた。現状のWebRTCのプロトコルは帯域の変動に対する自己調整機能がない、マルチユーザチャットがサポートされていない、などの短所があるので、TokBoxのような有能な第三者が介入して、そういう高度な機能を構成し提供する必要があるのだ。TokBoxのビデオチャットがFirefoxのサポートをローンチしたのは、1年あまり前だ

ぼくが見たかぎりでは、その新しい実験的WebRTCアプリケーションはまだNightlyに登場していない(隠れ機能になっているのか…)。NightlyのURLはここなので、いずれ近いうちに、ダウンロードできるようになるだろう。安定版ではないことを十分承知のうえで、試してみられることを、おすすめしたい。

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Mozillaもついに折れる: HTML5のDRMをFirefoxに実装と発表

Mozillaが今日(米国時間5/14)、同社のFirefoxブラウザにHTML5のDRM規格を実装する、とためらいがちに発表した

インターネット上でストリーミングされる著作権物コンテンツが、このところますます増えているので、権利者たちはFlashやSilverlightなどに依存することなくHTML5本体にDRMが標準的に実装されることを心待ちにしていた。しばらく前にMicrosoftとGoogleは、反対論者も少なくないW3CのEncrypted Media Extensions(EME, メディア暗号化拡張機能)の実装を決め、それにより彼らのブラウザのHTML5がDRMコンテンツを扱えるようにした。

しかしMozillaは一貫して態度を決めず、前CTO(そして短命のCEO) Brendan Eichはブログに強い口調で、HTML5の現在のDRM規格はユーザとデベロッパにとって不利である、と書いた。彼はMozillaがEMEを実装しないという決定はしなかったが、社内の大勢としては、Content Description Module(CDM, コンテンツ説明モジュール)という標準性のないプラグインの実装をHTML5内に必要とするW3Cの規格に反対だった。W3Cはブラウザが用いるCDMを特定していないので、Eichは、“各ブラウザがそれぞれ独自のシステム使うようになってしまう”、と主張した。

本日の発表でMozillaの会長Mitchell Bakerは、この新しいDRMソリューションには、“古いシステムと同じ深刻な欠陥がある”、と認めている。Mozillaから見るとそれは、“個人を保護することと、デジタルコンテンツを保護することとのあいだの、正しい均衡を欠いている。コンテンツプロバイダはシステムの重要部分をクローズドソースにしなければならないので、それはMozillaの長年の基本姿勢に反する”。

Mozillaがそれほどまでに言う規格を、では、なぜ実装するのか? それが、市場の大勢だからだ。MozillaがそのブラウザにEMEを実装しなかったら、いずれユーザはNetflixやHuluなどのコンテンツを見るためにほかのブラウザに乗り換えるだろう。“今の状況としては、MozillaがW3CのEMEを実装しなければFirefoxのユーザは、DRMに縛られているコンテンツを見るためにほかのブラウザに切り替えざるをえない、という段階に来ている”、とMozillaのAndreas Galは書いている。“DRMのない世界やWebが理想ではあるが、ユーザが、自分が望むコンテンツにアクセスするためにはそれが必要なのだ”、という典型的な必要悪説。

MozillaとAdobeのパートナーシップにより、後者がFirefoxにCDMを提供する。AdobeはDRM国のボス的存在だから、このパートナーシップは賢明だろう。Galによると、CDMはサンドボックスの中で実行されるから、ユーザのデバイスを特定する情報を得ることはできず、そのハードディスクやネットワークにアクセスすることもない。

CDMはAdobeが配布し、デフォルトではFirefoxに含まれない。そしてユーザがこれから見ようとするコンテンツによっては、ブラウザがそれを自動的にダウンロードして有効化する。ただしユーザはいつでも、CDMの有効化をoffに設定ができる。

実装の日程はまだ決まっていないようだが、当初はWindows、Mac、そしてLinuxのデスクトップブラウザだけが対象だ。

DRMのようなものをもともと思想的に毛嫌いしている人たちは、Mozillaの決定を敗北とみなすだろう。反対には、当然の理由がある。Eich自身も、昨年こう言っていた、“DRMは次の三つのものに激しく敵対している: ユーザ、オープンソースソフトウェア、そして、自らがDRMベンダではないブラウザベンダ”。

しかし結局のところ、Mozillaとしても、ユーザが減ってもいいとは言えない。見たいコンテンツを見られなければ、ユーザはほかのブラウザへ移るだろう。多くのユーザにとって、WebのオープンでDRMフリーという理想はどうでもよいこと。彼らは猫のビデオや過去の19 Kids And Countingを見たいだけだ。オープンソースを貫いてきたMozillaにとっては不快な状況だが、誰もFirefoxを使わなくなれば、その高邁なミッションも枯渇してしまう。

画像クレジット: Mozilla in EuropeCC 2.0のライセンスによる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))