Google Cloud VMware EngineはVMware環境をGoogle Cloudへ移行する第3のステップ

米国時間5月14日、Google(グーグル)は、VMwareとのパートナーシップの次のステップとしてGoogle Cloud VMware Engineを発表した。これは完全なマネージドサービスで、企業にGoogle Cloud上で完全なVMware Cloud Foundationスタックを提供し、彼らの既存のVMwareベースの環境をGoogleのインフラストラクチャへ容易に移行できるようにする。Cloud Foundationは、ハイブリッドとプライベートクラウドのためのVMwareスタックだ。

Google Cloudが企業顧客に焦点を当てていることを考えれば、同社がVMwareとのパートナーシップに強化し、これらの企業のワークロードをより多く引き付けることは当然のことだ。1年ほど前にGoogle CloudにVMware Cloud Foundationが登場し、VMwareのワークロードのサポートを開始すると発表した。そして昨年11月、Google CloudはVMware環境の運用に特化した企業でグーグルが独自のVMwareデプロイメントを行うために提携していたCloudSimpleを買収した。グーグルは本日の発表を、この流れの第3ステップだと説明している。

VMware Engineは、vSphere、vCenter、vSAN、NSX-T、HCXなどの標準的なCloud Foundationコンポーネントのすべてをユーザーに提供する。Google CloudのジェネラルマネージャーであるJune Yang(ジューン・ヤン)氏は本日の発表で「これにより企業は、Google Cloud内に独自のソフトウェア定義データセンターを迅速に立ち上げることができる」と指摘。

「Google Cloud VMware Engineは、顧客の運用負担を最小限に抑えるように設計されているため、顧客はビジネスに集中できる」と同氏。「VMwareソフトウェアスタックのライフサイクルを管理し、関連するすべてのインフラストラクチャとアップグレードを管理する。顧客は、オンプレミス環境と一貫してIT管理ツールやサードパーティのサービスを継続的に活用できる」と続ける。

グーグルは、NetAppやVeeam、Zerto、Cohesity、Dell Technologiesなどのサードパーティのプロバイダーとも協力して、各社のソリューションがGoogleのプラットホームでも確実に動くようにする。

クラウド移行支援サービスを展開するDeloitte ConsultingのDell Technologies担当Bob Black(ボブ・ブラック)氏は「顧客はクラウドへの移行を簡素化したいと考えている。その中で我々は、Google Cloud上でVMwareのワークロードを実行することによって、俊敏性と効率性の向上させ、顧客が恩恵を受けらるようにクラウドサービスの構築に取り組んでいる。Google CloudのテクノロジーとDeloitteのビジネス変革の経験を組み合わせることで、顧客がアプリケーションの近代化を目指す中、顧客のクラウド移行を加速させ、運用を一元化し、革新的なGoogle Cloudサービスの恩恵を受けられるようにする」と語る。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google Cloudがラスベガスにデータセンターをオープン

Google Cloud(グーグル・クラウド)は4月29日、ラスベガスのデータセンターリージョンの正式オープンを発表した。米国西部のリージョンは4カ所となり、ラスベガスは既存のデータセンター(カリフォルニア州ロサンゼルス、オレゴン州ダレス、最近オープンしたユタ州ソルトレイクシティ)を補完することになる。

Googleは現在、世界合計23地域でアプリケーションをホストするオプションを顧客に提供している。今回の新しいリージョンのオープンにより、米国のリージョンは7つとなる。

Googleのすべての新しいリージョンと同様に、ラスベガスでも3つのアベイラビリティーゾーンを提供し、開発者はほとんどのGoogle Cloudサービスにアクセスできる。ただしラスベガスではCloud FunctionsやCloud Runなどの比較的新しいサービスがまだ使用できない。Cloud HSMやSecret Managerなど、他のいくつかの機能もまだだ。

同社が最初にラスベガスへの拡張を発表したのは2019年7月だった。現在ラスベガスは不気味なほど静かだが、新しいリージョンを設ける理由は、企業に対し、顧客の近くに構える選択肢、低いレイテンシーでのアプリケーションへのアクセス、より広い地理的領域にワークロードを分散する機能を提供するためだ。

Googleは今年初め、年内にジャカルタ、ソウル、ワルシャワにリージョンをオープンすると発表した。これまでのところ、新型コロナウイルスの感染拡大が計画を減速させているようには見えない。

ラスベガスでのGoogleのローンチパートナーはAristocrat(アリストクラット)だ。Aristocratは、ギャンブル業界向けのデジタルプロダクトを提供している。

「クラウドテクノロジーは当社に2つの重要な成果をもたらす」とAristocratのCIOであるJames Alvarez(ジェームズ・アルバレス)氏は述べた。「第一に、ゲーム開発プラットフォームを安全かつ一貫して即座に有効または無効にする能力。第二に、需要に基づきインフラを拡張・縮小する能力。これら両方により、顧客とビジネスの要求を完全にサポートすべくテクノロジーを変更できる。ラスベガスリージョンでは、Google Cloudサービスをもっと積極的に利用して、ネットワークへのエントリポイントを持つ利点を活かしたい」

画像クレジット:Maximilian Müller / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Google CloudでMemcachedが使えるようになった

GoogleはこのほどMemorystore for Memcachedのベータ版を公開した。GoogleのMemorystoreサービスは高速性が必要とされる大規模データベースなどをクラウドのインメモリで作動させるのに適しているが、ここでMemcachedがフルマネージドで利用できるようになった。これは複数サーバのメモリを統合して利用するためのオープンソースのプロトコルで、2018年にGoogleがスタートさせたRedis向けインメモリデータストアサービスに含まれることになる。

米国時間4月3日の発表でMemorystoreのプロダクトマネージャー、Gopal Ashok(ゴパル・アショク)氏は「Redisは今後もセッションストア、ゲームのリーダーボード、ストリーミング分析、マルウェアの脅威検出、APIレート制限などのユースケースで引き続き人気ある選択肢だろう。現在、Memcachedはデータベースのキャッシュのレイヤーとして頻繁に利用されている。デベロッパーはMemcachedをセッションストアにもよく用いている。我々の新サービスを利用すれば、インスタンスごとにメモリのクラスターのサイズを最大を5TBまで拡張できる」と述べている。

このサービスは名称のとおり、オープンソースのMemcachedと完全に互換性がある。従ってデベロッパーはコードに手を加えることなくMemcachedプロトコルを利用した既存のアプリケーションをGoogle CloudのMemechacedプラットフォームで運用することができる。

フルマネージドサービスなので作動のモニタ、パッチの適用などの定型業務はすべてGoogleが処理する。最大キャッシュサイズを決める部分にはやや職人技が残るが、Google Cloudでは「詳細な統計を提供するのでデベロッパーはインスタンスの大きさを上下させ、実行するユースケースに対して最適なキャッシュサイズを容易に設定できる」としている。Googleが提供するモニタ情報は Cloud Monitoringによって測定される。これはGoogle Cloudの中心的ダッシュボードであると同時にAWSの動作も計測できるという。

現在、Memorystore for Memcachedは Compute Engine、Google Kubernetes Engine(GKE)、App Engine Flex、App Engine Standard、Cloud Functionsで実行されるアプリケーションに使用できる。

Memcachedの利用に関しては、AWSがElastiCache for Memcachedで同種のサービスを提供している。またMemCachierなどこのプラットフォームの利用を専門とするスタートアップがある。Redis Labsも、フルマネージドのMemcachedサービス、Memcached Cloudを提供している。このサービスはAWS、Azure、Google Cloudで実行できる。

画像クレジット:Krisztian Bocsi/Bloomberg/Getty Images(Googleのベルリンオフィス)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Google Cloudが機械学習の工程パイプラインを作るツールを提供

Google Cloudは米国時間3月11日、Cloud AI Platform Pipelinesのベータローンチを発表した。このエンタープライズ向けのサービスによりデベロッパーは、単一のツールで機械学習のパイプラインをデプロイできるようになり、そこにはモニタリングや監査のツールも備わっている。

Googleは 「機械学習のモデルをノートブックでプロトタイピングするとき、それはかなり単純明快に思える。しかし機械学習のワークフローを持続可能でスケーラブルにするための、そのほかの部分にも配慮するようになると、急に難解になってくる」と説明する。そうやってワークフローが複雑になると、反復できて監査も可能なプロセスの構築が一層困難になる。

そこで、このPipelinesが登場する。Pipelinesはデベロッパーに反復可能なプロセスを構築する能力を与える。Googleによると、このサービスには、ワークフローをデプロイして動かすためのインフラストラクチャ、パイプラインを構築してデバッグするためのツールの2つの部分がある。

このサービスは、Kubernetes Engineのクラスターとストレージのセットアップや、マニュアルによるKubeflow Pipelineの構成などのプロセスを自動化する。それはまたTensorFlow Extendedを使ってTensorFlowベースのワークフローを構築し、Argoワークフローエンジンを使ってパイプラインを動かす。これはインフラストラクチャサービスであると同時に、パイプラインの構築やバージョニング、アーチファクト(人工物混入)トラッキングなどができるビジュアルツールでもある。

「これだけの機能をわずか数クリックで始動できる」とGoogleは約束しているが、パイプラインの実際の構成はもちろん簡単ではない。Google Cloud自身にも複雑性(見方によっては柔軟性)があるし、しかもKubeflow Pipelines SDKとTensorFlow Extended SDKの両方を使いこなしてパイプラインのオーサリングをしなければならない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google Cloudが4つの新リージョンを開設、中東リージョンは初

Googleは米国時間3月4日、Google Cloudの4つの新しいデータセンターリージョンを開設する計画を発表した。インドのデリーとカタールのドーハ、オーストラリアのメルボルン、そしてカナダのトロントだ。これでGoogle Cloudの総供用域は26リージョンになる。同社は昨年、来年はジャカルタとラスベガスとソルトレイクシティ、ソウル、そしてワルシャワにリージョンを開くと言っていた。そして数日前には、ソルトレイクシティのデータセンターをオープンした

この発表の前にすでにGCPのデータセンターはインドとオーストラリアとカナダにあるが、今回新たに発表されたリージョンにより、例えば災害復旧で多忙な国には2つの地理的に離れたリージョンがあることになる。

Googleによると、ドーハのリージョンは初めての戦略的合意に基づくリージョンであり、しかも中東初のリージョンだ。合意の相手はQatar Free Zones Authorityである。ローンチ時からの顧客の1つであるBespin Globalは、アジアにおけるマネージドサービスの大手プロバイダーだ。

Bespin GlobalのCEO John Lee(ジョン・リー)氏は「弊社は韓国の大企業と協力して彼らのデジタルトランスフォーメーションを推進している。その主要要件のひとつが、世界の顧客のすべてに均質なサービスを提供することだ。Google Cloudは自分たちのインフラストラクチャへの継続的拡大投資を中東にも広げているので、弊社は顧客の所在地域で高品質なサービスを提供することが可能だ」と語る。

関連記事:Google Cloud makes strides but still has a long way to go(Google Cloudが長足の進歩だがまだまだこれから、未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Cloudの最新データセンターがソルトレークシティーにオープン

Google Cloudは米国時間2月27日 、ソルトレークシティーに新たなデータセンターを開設したと発表した。このソルトレークシティのデータセンターは、低レイテンシの処理能力を地域全体に提供することを目標としており、ロサンゼルスとオレゴン州ダレスに続いて、米西部で3番目のデータセンターとなる。

「我々は最も安全かつ、パフォーマンスと拡張性に優れたパブリッククラウドの構築に取り組んでおり、クラウドサービスを最も必要としている顧客に近い場所でサービスを提供するための重要なインフラストラクチャへの投資を継続している」と、Google Cloud EnterpriseのWestern States and Southern California担当ディレクターであるJennifer Chason(ジェニファー・チェソン)氏は声明で述べた。

クラウドベンダーは一般的に、潜在的な顧客により近い地域に拠点を開設しようとする。これは昨年のAWS re:Inventで、AWSがLAのローカルゾーンを発表したときに取ったアプローチと似ている。コンピューティングリソースを必要としている企業の近くにデータセンターを開設することでレイテンシを削減したり、あるいは一連の地域リソースにワークロードを分散させたりすることを目的としている。

Google(グーグル)はまた、すでに顧客であるPayPalと複数年の契約を締結し、同社の決済システムの一部を西部地域に移転することも発表した。注目すべきは、ソルトレークシティーにはデータセンターが近くにあることで恩恵を受けられる、活気あるスタートアップシーンも存在することだ。

Google Cloudの親会社ことAlphabetは最近、クラウド部門の四半期決算を初めて発表し、ランレートが100億ドル(約1兆1000億円)以上であると表明した。ライバルのMicrosoft(マイクロソフト)やAmazon(アマゾン)に追いつくまでにはまだ長い道のりがあるが、この方法でリーチを拡大すれば、市場シェアの拡大に役立つだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google Cloudがソウルリージョンをオープン、韓国ゲーム企業などのアクセスが低遅延に

Google Cloudは米国時間2月19日、韓国初となるソウルリージョンをオープンさせ、サービスを開始したと発表した。昨年4月に初めて発表されたこのリージョンには3つのアベイラビリティゾーンがあり、Compute EngineからBigQuery、Bigtable、Cloud Spannerにいたるまで、Google Cloudの標準サービスのほぼすべてをサポートする。

これによりGoogle Cloudは16か国、21のリージョンと64のゾーンでサービスを提供することになる。ソウル地域は、Asia-Northeast3という覚えやすい名前で、日本を含む同地域の他のリージョンや香港、台湾を補完するものになる。ここで重要なのは、韓国企業にGoogleのクラウドサービスへの低遅延アクセスが提供されることだ。

「韓国最大のゲーム企業として、我々はゲーム開発、インフラ管理、そしてビジネスインテリジェンスを業務に取り入れるためにGoogle Cloudと提携している」と、NetmarbleのCTOであるChang-Whan Sul(チャンファン・スル)氏は語る。「ソウルにあるGoogle Cloudのリージョンはこの地域へのコミットメントを強化し、このイニシアチブが我々のビジネスにもたらす機会を歓迎する」。

Google Cloudはまた、年内にラスベガスのソルトレークシティとインドネシアのジャカルタで、より多くのゾーンやリージョンを開設する計画だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google Cloudがメインフレーム移行サービスのCornerstoneを買収

Google(グーグル)は米国時間2月19日、企業のレガシーワークロードをメインフレームからパブリッククラウドへ移行するのを支援する、オランダのCornerstone(コーナーストーン)を買収したと発表した。Cornerstoneは、実践的な移行支援と、Google Cloudのmainframe-to-GCPへのソリューションのベースを提供する。

この動きは、既存企業がレガシーワークロードをクラウドに移行(最初からクラウドネイティブなソリューションとして、新しいプロジェクトを始めることができる)するのを支援するのに焦点を当てている、Google Cloudの企業戦略と明確に一致する。

Google Cloudのカスタマーエクスペリエンス担当ヴァイスプレジデントを務めるJohn Jester(ジョン・ジェスター)氏は、「これはエンタープライズ顧客がクラウドに移行する際にインフラストラクチャとアプリケーションを近代化するのを、Google Cloudがどのように支援しているかを示す例だ」と述べた。「Premiumサポートの導入、我々のCustomer Successとの連携強化、Google Cloudでのビジネスを容易にするための契約プロセスの簡素化、パートナーリレーションシップの拡大など、我々はエンタープライズ顧客により良いサービスを提供するために、大きく前進してきた」。

多くの企業は依然として、ミッションクリティカルなワークロードをメインフレームに依存している。クラウドへの移行は非常に複雑な作業であることが多く、Cornerstoneや同様のベンダーがそこに参入している。なお、これらのメインフレームアプリケーションの多くは、Cobol、PL/1、またはassemblyで作成されている。Cornerstoneの技術は、これらのプロセスを自動的にクラウドネイティブなサービスに分解し、コンテナ化された環境内で管理できる。また、必要に応じてデータベースを移行することもできる。

Google Cloudは最近、同社のクラウドでIBM Power Systemsをサポートした。これはまた、企業がレガシーシステムをクラウドに移行するのを支援する動きでもある。Cornerstoneによって、Google Cloudはその上にさらにもう1つのレイヤを追加し、レガシーアプリケーションの全てを再構築する必要なく、徐々にシステム全体を近代化したい顧客のために、より実践的な移行支援を提供する。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google CloudがルフトハンザとSabreを顧客に獲得、クラウドネットワーク構築に協力

Google Cloudのユーザー獲得戦略は、特定のエンタープライズ、ビジネス分野に集中するというものだ。ハードウェア、エネルギー、金融、小売業などがこれまで主要なターゲットで、ヘルスケアにも注力しているが最近やや足踏みしている印象だ。EpicはGoogle Cloudに移行する計画を進めないことを発表した

そんな中、Google Cloudは旅行業という新たなバーティカルで有力なクライアントを2社獲得したことを発表した。収益において世界最大の航空会社、ルフトハンザ・グループと航空会社、ホテル、旅行代理店などをネットワークしてサービスを提供するSabreがそれぞれGoogle Cloudに加わった。

Sabreと10年契約を結び、Google Cloud上にネットワークを構築することになった。 航空会社を始め旅行関係の多数の企業がSabreに参加しているが、これまで同社のネットワークはレガシーシステムだった。Sabreは情報インフラの現代化に取り組んでおり、Googleとの10年間の提携はこの努力の一環となる。GoogleとSabreは協力して「既存システムを改善し効率化するのと同時に新たなサービスを開発、追加する。参加航空会社、旅行代理店、旅行者に新しいマーケットプレイスを提供」していくという。AIをはじめとしたGoogle Cloundの最新テクノロジーを利用することでトラベル・ビジネスを一新するような各種ツールの利用が可能になるという。

「航空機のチケットが取れない」というシステム障害に見舞われることもあるが、ほとんどの場合、これはSabreのコンピューターがダウンしたためだ。「むやみにダウンしない」ようになるだけでも、われわれ消費者にとっては大きな改善だ。

GoogleのCEO、Sunder Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は「Googleはユーザーを支援するツールを開発している。我々のミッションはのほとんどは、ユーザーである企業がそれぞれの使命を果たせるようにすることだ。Sabreが旅行の未来を築くためにGoogleをパートナーに選んでくれたことは、非常にうれしい。旅行者は高い利便性、選択の自由、コストパフォーマンスを求めている。我々のクラウドとAIテクノロジーによるコンピューティングは、Sabreの価値実現を助けるものだ」と述べた。

広汎なサービスを提供するという点においては、Googleとルフトハンザドイツ航空との提携も同様だ。ルフトハンザはドイツのフラグキャリアだが、グループにはオーストリア航空、スイス航空、ユーロウイングスはじめ多数の子会社があり、他の航空会社に技術サービスを提供する企業も多数持っている。

【略】

ルフトハンザ・グループが戦略的パートナーにGoogleを選んだ目的は「オペレーションの最適化を図る」ためだという。Googleではルフトハンザ向け専任のチームを作ってこれを実現していく。Googlはルフトハンザの航空機運用のためのツールを開発し、クラウドで運用する。こうしたツールはビジネスを効率化するだけでなく、悪天候や空路の混雜、社員のストライキ(この頃多発しているようだ)などの障害が発生した場合、取るべき手段をAIテクノロジーが提案してくれるという。

画像:Sina Schuldt/picture alliance / Getty Images

また、デルタ航空もこれに似たAI利用の支援システムを開発し2020年のCESで発表した

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滑川海彦@Facebook

Googleがインド第3位キャリアAirtelと組んで、AWSとAzureを追撃

AWSやMicrosoftにとってクラウドサービスの新たな主戦場になりつつある成長著しい海外市場。Googleは、同社クラウドサービスの顧客ベースを拡大すべく、インド第三位の通信事業者であるAirtelとパートナーシップを結んだ。

Google Cloudによる米国時間1月20日の発表によると、このパートナーシップは即日発効し、Airtelは中小企業に対して、同社ICTポートフォリオの一環としてG Suiteを提供できるようになる。

Airtelはインドに3億2500万あまりの契約ユーザーを持ち、2500社の大企業と50万あまりの中小企業やスタートアップにサービスを提供している。両社はこのパートナーシップの財務的詳細を明かしていない。

Google CloudのCEOであるThomas Kurian(トーマス・キュリアン)氏は、「G Suiteのコラボレーションと生産性ツールをAirtelの企業向けデジタルサービスと組み合わせれば、多くのインド企業のデジタルイノベーションを加速するだろう」という。

2019年8月にはインド最大の通信事業者、Reliance Jioが同様の契約をMicrosoftと結び、中小企業にクラウドサービスを販売していくことになった。この10年契約では、数百万の顧客にサービスを提供する、となっている。

クラウド市場のマーケットリーダーであるAWSは、通信事業者とのこのような契約を以前は交わしていたが、現在は結んでいない。10年前にはきわめて一般的に行われていたキャリアとの契約は、大手テクノロジー企業がインドで新規ユーザーを獲得するための常套手段だった。それはインドおける、クラウド採用の歩みの1つの段階を表している。

インドでは、過去10年間で5億人がネットを利用するようになった。また中小企業や商店経営者もデジタルツールやストレージサービスを使い、オンライン決済を利用するようになっている。ロビー集団、Nasscomによると、インドのクラウド市場の規模は3年後の2023年には70億ドルになるそうだ。

AmazonとMicrosoftとGoogleは、他の多くの市場と同様、インドでもクラウドの顧客獲得をめぐり激しく争っている。業界筋によると、お互いに機能面において傑出した違いがないため、見込み客の契約残高や決済残高をクラウドベンダーが肩代わりすることで顧客として取り込もうとしている。

そして最近では3社ともに、中小の商店主がWeb上で存在感を出せるようになるためのツールや教育訓練を提供している。Amazonは先週、インドにある約1000万の商店のオンライン化を助けるために10億ドルを投資する、と発表した

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleによるノーコード開発のAppSheet買収で、プログラマー不在でもアプリ開発が容易に

Googleが米国時間1月14日、創業8年のノーコードでモバイルアプリケーションを開発できるプラットホームAppSheetの買収を発表した。PitchBookのデータによると、同社は6000万ドル(約66億円)の評価額で1700万ドル(約19億円)を調達している。両社とも、買収額は公表していない。

Googleは、AppSheetの買収で、企業がコードを1行も書かない簡単なモバイルアプリ開発環境を提供できるようになる。それはデータをスプレッドシートやデータベース、フォームなどから抽出し、それらのフィールドや列の名前をアプリ構築のベースにする。

統合されるGoogle CloudにはすでにGoogle SheetsやGoogle Formsがあるが、AppSheetはAWS DynamoDBやSalesforce、Office 365、Boxといった他のツールでも使うことができる。Googleによると、買収完了後もこれらのプラットホームへのサポートは続ける。

Google Cloudの副社長Amit Zavery(アミット・ザベリー)氏が、ブログで書いているように、この買収によりデベロッパーや開発チームがない企業でもモバイルアプリを作れるようになる。「この買収でエンタープライズは大量の一般社員に力をつけ、プロのプログラマーがいなくてもアプリケーションを容易に開発したり、拡張できるようになる」とザベリー氏は言う。

Googleに買収されたスタートアップの創業者がよく言うように、AppSheetの共同創業者でCEOのPraveen Seshadri(プラヴィーン・セシャドリ)氏も、単独の企業ではできなかった市場拡大がGoogleの下でできるようになる、と発言している。

セシャドリ氏は「G SuiteやAndroidなど、Googleのすばらしい財産を利用できることで得られる可能性はとても大きい。それによりAppSheetの機能性とスケール、パフォーマンスを向上できるだろう。今後はAppSheetの長所とGoogleの専門的能力を組み合わせて、金融サービスやリテール、メディア、エンターテインメントなどの業種も顧客にしていきたい」と記している。

Googleとしては、ノーコードを同社の開発哲学の延長として、ワークフローオートメーションや、アプリケーションインテグレーション、API管理などと並ぶ重要なサービスに位置づけていくようだ。

AppSheetのようなノーコードツールが、高度な開発環境に置き換わるわけではないが、これまでモバイルアプリの開発能力がない企業に、ちゃんとした力を提供していくことは確実だ。

画像クレジット: Akio Kon/Bloomberg via Getty Images/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleクラウドに小売業向けに特化した新サービス

Googleは小売業向けの大規模なカンファレンス、NRF 2020でeコマース市場向けのプロダクトを発表した。Googlクラウドプラットフォームはヘルスケアやライフサイエンス、製造業、金融サービス、エネルギー産業など各種のバーティカルな分野に特化したプロダクトに力を入れてきた。

AWSのライバルとしては当然だが、以前から小売業もこうしたターゲットの1つだった。現在、Googleクラウドの小売業のカスタマーにはアパレルチェーンのKohl’s、DIYやリフォームのLowe’s、フランスのスーパーであるカルフールなどがある。

今回、Apigee APIプラットフォームを利用した小売業向けAPIであるAPI Management for RetailやAnthos for Retailといった既存プロダクトに対する新機能の追加などのアップデートなどが発表された。Anthos for RetailはAnthosプラットフォームを利用してストアの運営やロジスティクスの効率化、現代化を図ろうとする企業をターゲットにしている。またGoogle検索をベースにしたリテール向け検索プラットフォームであるSearch for Retailは、通販アプリに組み込むことによりユーザーの製品検索ヒット率を大きく向上させるという。

さらに Googleはまた新たな顧客を獲得するためにRetail Accelerationプログラムなどをスタートさせた。これは例の入念な信頼性確保のプラットフォーム、Customer Reliability Engineeringサービスに基づくものだ。ショッピングは特定の日に集中する傾向があるが、このサービスはピーク時を予測し企業側で事前に対処することを可能とすると同時にオンライン処理の負荷を分散してダウンを防ぐ。

ただし最も興味深いプロダクトはGoogle Cloud 1:1 Engagement for Retailだろう。Googleはこのプロダクトは「多額の初期投資を必要とせず、効率的なデータ駆動型オンラインショッピングを構築するための設計図でありベストユースケース集」だとしている。その狙いは小売企業を助けることだ。Googleのビッグデータプラットフォームを利用して、小売企業が顧客をより深く理解しエンゲージメントするために、顧客からのニーズを理解するためにパーソナライズされ、レコメンドされたオンラインショッピング・サービスを作成する手助けをすることだ。

また、ショッピングニーズの事前予測により仕入れの最適化を図り、通販企業のロジスティクスを改善する機能も新しく発表された。

今回、重点が置かれたのリテール向けサービスだが、これが成功すれば他のバーティカルにも同様のソリューションが導入されるはずだ。われわれはGoogleがクラウドビジネスでも数年以内にAWSに次ぐナンバー2の地位を得ること目指して注力していると考えている。そのためには大企業、特にまだクラウド戦略を確立していない通販企業をユーザーとして獲得することが強く求められるだろう。

画像:Getty Images

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滑川海彦@Facebook

GoogleとClimaCellが高解像度天気予報をまずはインドで提供開始

気象テクノロジーの会社のClimaCell(クリマセル)は、気象データを収集し、天気予報モデルを構築する数多くの革新的なアプローチを採用している。米国時間の1月7日、Google Cloudと提携して、新しい高解像度予報モデルを提供することを発表した。その最初のモデルは、インドに焦点を合わせたものだが、すぐに他の地域にも拡大する予定だ。ClimaCellとGoogleは、Google Cloud Public Datasetsプログラムを通じて、予報を無料で利用できるようにする。

このモデルでは、2kmの解像度、15分の時間間隔で、48時間後までの予報を提供できる。また、ClimaCellの他の気象情報の基盤としても機能し、洪水、大気質なども予測可能となっている。

「民間企業が、本格的で実用的な数値気象予測モデルを、1国の全領域に対して継続的に提供し、最大48時間先までの高解像度の天気予報を供給するのは、歴史上初めてのことです」と、ClimaCellの共同創業者でCEOのShimon Elkabetz(シモン・エルカベッツ)氏は述べた。「このこと自体が歴史的なマイルストーンであるのはもちろん、私たちはそれを完全に無料で提供するのです。他の人たちとも協力して、誰もが気象データに無料でアクセスできるようにします」。

同社によれば、地元の気候と地理的な条件の微妙な違いに対応するため、このようなローカルなモデルが必要だという。また今後は、他の地域に向けて、このモデルをカスタマイズする予定となっている。

このモデルは、パブリックなデータセットとして提供されるので、誰でも使用できる。もちろん、この予報がどれほど良いものになるかは、まだわからない。ただしClimaCellは、この1年ほどの間に、かなり良い評判を築き上げてきた。また、Delta、JetBlue、Unitedといった航空会社を含み、多くの大企業が顧客となっている。さらに、一般ユーザー向けのフリーミアム型のモバイルアプリも提供している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Googleクラウドの年間予測売上が約8700億円を突破

Google(グーグル)が同社のクラウド事業に関する財務データを最後に公表してからかなり時間がすぎた。しかし現地時間7月24日の決算会見でGoogle CEOのSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、同ビジネスユニットの年間予測売上が80億ドル(約8700億円)に達したことを発表した。2018年に発表したときは40億ドル(約4350億円)だった。ピチャイ氏は最近、元Oracle幹部のThomas Kurian(トーマス・クリアン)氏を Google Cloudの新しい責任者に指名した

Googleは、クラウド戦争の舞台では落後者のように見られることも多いが、差を縮めつつあることは間違いない。「他のクラウド業者は、誰もGoogleなど使っていないと信じさせようとするだろうが、それは真実ではない」とクリアン氏は今年4月に私に話した。今度は具体的な数値でこの主張を裏付けることができる。

比較してみると、AWSは直近の四半期に年間予測売上300億ドルを超えており、Microsoft Azureは110億ドル前後と見られているが、正確な数字を知ることは難しい。

「Q2もGoogle Cloudにとって好調な四半期だった。年間予測売上は80億ドルを超え、著しい速さで成長を続けている」とピチャイ氏は語った。「顧客はさまざまな理由でGoogle Cloudを選んでいる。中でも信頼性と使用可能時間は決定的に重要だ。例えば、Lowe’s(ロウズ)のような小売業は、顧客やサプライチェーンの体験を変化させるために当社のクラウドを活用している」。

ピチャイ氏は、顧客は自分たちのやり方でクラウドに移行できる柔軟性を望んでいることにも触れた。これはGoogleの競合(中でもMicrosoft)たちが以前から集中して取り組んできた点だ。Anthosなどのプロダクトによって、Googleも追いつこうとしている。

さらにピチャイ氏はAIについて、この技術の使い道を大企業が検討し始めたタイミングで推進することがGoogleの役割であることを強調した。

関連記事:Google Cloudの新CEOが語る、顧客獲得、スタートアップ、オープンソースサポートの戦略

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleクラウドが日本で2番目のリージョンを大阪に開設

米国時間5月14日、Googleはクラウドの大阪リージョンを運用開始すると発表した。日本で2番目、アジア太平洋で7番目のクラウドリージョンだ。これで同社は全世界で20リージョンをユーザーに提供することになった。それぞれに3か所以上のゾーンがある。

大阪リージョンは東京リージョンに次ぐ日本で2番目のクラウドリージョンであり、地元顧客に低遅延のサービスを提供するためとGoogleは言っているが、東京と大阪の距離は十分近いので大きな違いはないと思われる。しかし日本でビジネスを進めるうえで、2カ所の地理的に異なるリージョンを持つことは、冗長性を高めて災害時の復旧対策に役立てるという大きな意味がある。

「国内に2つのリージョンを持つことで、ITおよび企業の災害復旧に必要な分散型で安全なシステム基盤を提供し、事業継続性を高めることが可能になる」とGoogle CloudでCEOを務めるThomas Kurian氏が本日の発表文でコメントしている。

アサヒグループホールディングの執行役員でIT部門ゼネラルマネジャーを務める知久龍人(ちく・たつひと)氏は「GCP大阪リージョンの正式運用開始心待ちにしておりました。弊社は以前よりBigQueryを始めとしたGCPのサービスを活用して参りました。大阪リージョンの開設により、さらなるシステムの可用性向上、ビジネスの継続性実現に取り組んでいきたいと考えています」と語った。

なお、Azureも現在日本で2つのリージョンを提供しているが、AWSは現時点で 1リージョンしか持っていない。

競合他社と同じく、Googleもデータセンターを全世界に拡大し続けている。Kurian氏によると同社はこれまで全世界インフラストラクチャーに470億ドルを費やし、新たなデータセンターの建設やセンター間を結ぶ専用線などを作ってきた。Googleは今年中に、ソウル、ソルトレイクシティ、およびジャカルタに新しいリージョンを展開する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Cloudがゼロトラストフレームワークに基づく新しいアイデンティティツールを発表

米国時間4月10日、Google CloudCloud Nextカンファレンスにおいて、「BeyondCorp」というゼロトラストセキュリティモデルのコンテキスト内でIDとアクセス管理をシンプルにする、新しいアイデンティティツールを発表した。

ゼロトラストはその名が示す通り、ネットワークを利用する人を誰も信用できないことを前提とするという意味だ。クラウド以前の時代には、ファイアウォールを設定し、承認された利用者がネットワーク内にいると何らかの合理的な確信をもって考えることができた。クラウドによってこの状況は変わり、その変化を考慮したモダンなセキュリティ体制を提供するためにゼロトラストが生まれた。

Googleは、開発者の負担を減らして簡単にアプリケーションにIDを組み込めるようにしたいと考えている。IDはアプリケーションにアクセスするためだけのものではなく、特にBeyondCorpのアプローチのコンテキストにおいてはセキュリティレイヤーに欠かせない部分と考えられる。その人が誰であるかがわかっていて、かつその人がどのようなやりとりをしているかのコンテキストを理解できれば、その人は名乗っている通りの人なのかどうかに関する有力な手がかりになる。

これにより、アプリケーションを保護するだけでなく、仮想マシンからAPIまでシステム全体がすべて同じように保護されることになる。Googleはブログの投稿で「ここ数カ月にわたり、我々はウェブアプリケーション、VM、Google Cloud Platform(GCP)のAPIを保護するために、Cloud Identity-Aware Proxy(IAP)とV​PC Service Controlsにコンテキスト認識アクセス機能のベータ版を追加してきた。今日、我々はこの機能をCloud IAPで広く使えるようにし、G Suiteアプリケーションへのアクセスを保護するためにこの機能のベータ版をCloud Identity​にも拡張した」と紹介している。

コンテキスト認識アクセスのハイレベルアーキテクチャ 提供:Google

このコンテキスト認識アクセスのレイヤーは、クラウド全体にわたってこれらの領域をすべて保護する。同社は「コンテキスト認識アクセスにより、ユーザーのIDとリクエストのコンテキストに基づいて、アプリケーションとインフラストラクチャへのきめ細かいアクセスを定義し実行できる。組織のセキュリティ体制を強化しつつ、ユーザーは事実上どのデバイスからでも、どこからでも、簡単にアプリケーションとインフラストラクチャのリソースに、簡単に、これまで以上に安全にアクセスできるようになる」と記している。

G Suiteの保護はベータ版だが、それ以外は米国時間の4月10日から利用できるようになっている。

Image Credits: LeoWolfert / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Google Cloudの新CEOが語る、顧客獲得、スタートアップ、オープンソースサポートの戦略

Google Cloudの新しいCEOであるトーマス・キュリアン氏は、入社後すぐに会社の見通しや現在の顧客が求めているものを知るために、数多くの打ち合わせを重ねてきた。それらの打ち合わせの包括的なテーマは常に似通っていた。彼はGoogleのCloud Nextカンファレンスでのインタビューで次のように語っている。「テクノロジーは気に入りました。素晴らしいものです。彼らもそれが最高のものだと考えています。しかし彼らはまたより多くの人がそれを採用することや、ビジネスの方法に対する改善を行うことを欲しているのです」。

ということで、これが現在のGoogle Cloudにおける最優先事項である。Oracleで22年を過ごしたあとGoogle Cloudに来たキュリアン氏は、チームが新しい契約を発表し、価格体系を簡素化する計画を立てていることを語った。だが最も重要なことは、Googleが目の色を変えて採用を行っているということだ。「多くのお客さまが私たちに『私たちを手助けしてくれる人をもっと増やしてくれ』とおっしゃっています。なので私たちは、それに力を注ぐつもりなのです」とキュリアン氏は語る。

私はキュリアン氏に、前任者たちがそうした点に関する取り組みで間違いを犯してきたと思うかと尋ねてみた。外交官が常にそうであるように、キュリアン氏はその問いに(当然ながら)「否」と答えた。「いいえ、それはあらゆる企業における単なる自然な進化だと思います。成長し、ビジネスを理解し、機会を見出していく過程での」と彼は語った。「もしそういう立場を目にしたときに、そこに参加できたら素晴らしいと思いませんか?つまりお客さまから『あっちに行って下さい』と言われるのではなく『もっと人を雇って助けて下さい』と言われるような立場です」。

企業たちは、Googleの技術を使いたいので、Googleに企業というものを把握して貰いたいと願っているのだ、とキュリアン氏は主張している。「なので、わたしたちはそれに取り組もうとしているのです」。

Google Cloudにおける前任者ダイアン・グリーン氏の在任期間について、彼が何を考えているにせよ、現在キュリアン氏は、間違いなく組織の再構築をしようとしている。だが、彼自身の哲学が前任者とどのように違うのかと尋ねたときには、彼は顧客の声を聞き顧客の望むものを提供することが全てだと強調した。そして、顧客が求めているのは、より多くの支援だけでなく、例えばより優れたコラボレーションツールや業界固有のソリューションなどである。

しかし後になって、彼はまた、Google Cloudが今後行うことはその強みを発揮することであるとも述べている。「私たちが差別化要因を強調し、マルチクラウドインフラストラクチャを強化していく様子をご覧にいれることになるでしょう」と彼は語り、この日ローンチされたAnthosを、同社が成し遂げられるもの、そして顧客からの要求に応えて開発されたものの例として強調した。「私たちはセキュリティの分野に取り組み、分析の分野にも取り組んできました。そして私たちはAIの領域にも取り組んで、たくさんのソリューションに対する投資を行ってきました。その理由は…それがお客さまが私たちに望んでいることだからです」と彼は付け加えた。

Googleが、そのプラットフォームにより多くの企業を呼び込むことに、真剣に注力していることは秘密ではない。だがそれは、Google Cloudがスタートアップ企業たちを気にかけていないという意味ではない。「私たちが『エンタープライズに注力している』と言うとき、それはデジタルネイティブやスタートアップなどの、零細勢力に対する注力を止めてしまうという意味ではありません」とキュリアン氏は語った。「歴史的に、これまで私たちのメッセージは常に『Googleは企業に焦点を当てているのではなく、デジタルネイティブに焦点を当てています』というものでした[…]しかしGoogleが企業を気にかけていない、という外部の認識は真実ではありません。そして、私たちが今、企業だけに焦点を合わせるつもりであるという認識も、また真実ではないのです」。

キュリアン氏は、最大手メディア企業10社のうち9社がGoogle Cloudを使用しているほか、最大手小売企業10社のうち7社や、上位企業10社のうち6社も、Google Cloudを使用していると主張している。「他のクラウドプロバイダーたちは、誰もGoogleを使用していないと信じさせようとするでしょうけれど、それは真実ではないのです」と彼は付け加えた。

他のクラウドプロバイダーについて言えば、Googleが他の競合相手、特にAWSと比較して、オープンソースに対して全く異なるアプローチを採用していることは注目に値する。これはキュリアン氏のリーダーシップの下でもGoogle Cloudの中で変わることはないものだろう。「最も重要なことは、最後に生き残るプラットフォームは、生態系を破壊するものではなく、活かすものであると私たちが考えていることです。私たちは心の底からそれを信じているのです」と彼は私に語った。「最後に勝ち残るプラットフォームは、生態系をシャットダウンするのではなく、常に育むものなのです。オープンソース企業に目を向けてみると、彼らはテクノロジーを構築し、開発者がそれを使用できるようにするために、懸命に働いていると思います」。

キュリアン氏は、インタビューの中で競合他社を直接攻撃するようなCEOではないものの、以下の発言ではそれにかなり近付いたと言えるだろう。「オープンソーステクノロジを支える会社を維持するためには、何らかの収益化手段が必要です。もしクラウドプロバイダーが彼らと競合してその収益化手段を奪ってしまったら、存在が難しくなり、オープンソースコミュニティを悪化させてしまいます」。

Google Cloudの将来については、キュリアン氏は安易な未来予想はしたくないようだ。その代わりに、彼が主張したのは、同社が顧客が望むものに注力し続ける限り(手始めは多くの従業員を雇ってGoogleとのビジネスをやりやすくすることだ)、顧客はより多くのクラウドテクノロジーをGoogleから買ってくれるだろうということだった。

画像クレジット: Michael Short/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:sako)

Google Cloud Runは、 サーバーレスとコンテナを一体化する

最近のアプリケーション開発における2つの大きなトレンドは、サーバーレスとコンテナ化だ。米国時間4月9日に開催されたGoogle Cloud Nextカンファレンスで、Googleはその2つを統合するCloud Runという新製品を発表した。なお同時に発表されたCloud Run for GKEは、GoogleバージョンのKubernetesだ。

サーバーレス製品管理担当ディレクターであるOren Teich氏は、これらの製品は顧客との議論から生まれたと語った。同氏によると、デベロッパーはサーバーレスアーキテクチャーを使うことで得られる柔軟性と敏速性を気に入っているが、コンピューターリソース以上のものも求めている。彼らはありとあらるゆる機能を利用したがっているので、そのために同社はCloud Runを発表した。

「Cloud Runは、Dockerコンテナを利用する全く新しいプロダクトであり、直ちにURLが提供される。これは業界内で全く独自のことだ。われわれは、SSLプロビジョニングとルーティングというトップエンドから、実際にコンテナを実行するところまで、すべて面倒を見る。料金は使う必要のあるものを100ミリ秒単位で払うだけでよく、フルマネージされている」とTeich氏は説明した。

GKEツールも同じようなメリットを提供するが、コンテナをGoolgeのGKE版Kubernetes上で実行しているデベロッパー向けである点が異なる。なお、デベロッパーは自社で選んだどのバージョンのKubernetesでも使うことが可能であり、GoogleバージョンのKubernetesを使うことが前提ではないことに留意されたい。

「これが意味するのは、デベロッパーはそれまでに書いたのとまったく同じコード、まったく同じ体験を利用できるということであり、G Cloudのコマンドライン、同じUI、同じコンソールを使って、ワンクリックで必要なデスティネーションを指定できる」と彼は言った。

これらすべてを可能にしているのは、同社が昨年提供したこれもオープンソースプロジェクトのKnativeだ。「Cloud RunはKnativeがベースであり、オープンなAPIと実行環境のおかげで、ユーザーのサーバーレス作業をフルマネージドのGoogle Cloudプラットフォーム、ユーザーのGKEクラスター、あるいは自身で管理しているKubernetesクラスターなど、好きな場所で実行できる」とTeich氏およびエンジニアリング担当VPのEyal Manor氏がCloud Runを紹介するプログ記事に書いた。

ここまでで気づいた人もいるだろうが、サーバーレスという名称は少々誤解を招く。実際にサーバーがなくなるわけではなく、デベロッパーがサーバーの心配をしなくてよいという意味だ。アプリケーションを特定のバーチャルマシンにロードするかわりに、クラウドプロバイダー(この場合はGoogle)は、ある業務を実行するために必要なリソースを正確なレベルで提供する。実行が終了すると、それらのリソースは解放され、利用者はある時点で使用したものについてのみ支払えばいい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleはコンフィデンシャルコンピューティングのフレームワークAsyloに注力

昨年の5月にGoogleは、コンフィデンシャルコンピューティング(confidential computing, 機密計算)のためのオープンソースのフレームワークAsylo導入したクラウドの大手ベンダーの多くが歓迎しているこのテクニックは、システムのそのほかの…たぶん信頼性が低い…部分から隔離された、信頼性の高い実行環境をセットアップする。ワークロードとそれらのデータも信頼性の高い特別な領域に置かれるので、ネットワークやオペレーティングシステムの脆弱性に対するさらなる保護層が加わる。

とくに新しいコンセプトではないが、Googleによると、実際に採用することはきわめて困難だった。Google CloudのエンジニアリングディレクターJason GarmsとシニアプロダクトマネージャーNelly Porterが、今日のブログ記事で述べている: “このような利点にもかかわらず、この新興技術の採用は(1)特定のハードウェアへの依存、(2)複雑で難しい、(3)コンフィデンシャルコンピューティングの環境で使えるアプリケーション開発ツールがない、などにより阻まれていた”。そしてAsyloフレームワークの約束は、これらの言葉からも分かるように、コンフィデンシャルコンピューティングを容易にすることだ。

Asyloを使うと、これらの隔離された領域(enclave(s))で動くアプリケーションを容易に作れて、IntelのSGXなどさまざまなハードウェア/ソフトウェアベースのセキュリティバックエンドを使えるようになる。アプリケーションが移植されてAsyloをサポートするようになると、そのコードはAsyloがサポートする他のどんな隔離領域でも動く。

ただし現状では、コンフィデンシャルコンピューティングを取り巻く技術や実践の多くが流動的だ。Googleによると、まず、Asylo APIを使ってアプリケーションを作り、さまざまな隔離領域で動かすための、確立したデザインパターンがない。またハードウェアも、メーカーによって仕様が一定でないので、ハードウェアのレベルでの技術の相互運用性が保証されない。

“業界と協力して、コンフィデンシャルコンピューティングのアプリケーションをサポートするもっと透明で相互運用性のあるサービスを作っていきたい。そしてそれによって、(正しい互換性の)証明文書の検査や、複数の隔離領域間の通信プロトコル、複数の隔離領域にまたがる連邦的アイデンティティシステムなどを、分かりやすいものにしていきたい”、とGarmsとPorterは書いている。

そしてそのためにGoogleは今日(米国時間2/6)、Confidential Computing Challenge(C3)〔一種の懸賞企画〕というものを立ち上げた。それは、デベロッパーがコンフィデンシャルコンピューティングの新しいユースケースを作れるようにし、また、その技術を前進させていくことが目的だ。このチャレンジに入賞したら、賞金15000ドルと、Google Cloud Platformの使用クレジット5000ドルぶんがもらえる。賞品としてハードウェアもあるが、機種等は不明だ(PixelbookやPixelスマートフォンじゃないかな)。

また、Asyloのツールを使ってアプリケーションを作るやり方を学べるハンズオンラボが、3つ用意される。それらは、Googleのブログにあるコードを利用するなら、最初の1か月は無料だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleがNoSQLデータベースCloud Firestoreの一般供用を開始

Googleが今日、同社のモバイルとWebとIoT用のサーバーレスNoSQLドキュメントデータベースCloud Firestoreの一般供用を発表した。Googleはまた、10の新しいリージョンに、いくつかの新しい機能を導入してこのサービスを提供しようとしている。

今回のローンチでGoogleはデベロッパーに、データベースを単一のリージョンで動かすオプションを与える。ベータの間はデベロッパーはマルチリージョンのインスタンスを使っていたが、それはレジリエンスの点では有利でも、料金が高くなり、また複数のリージョンを必要としないアプリケーションも少なからずある。

GoogleのプロダクトマネージャーDan McGrathはこう語る: “マルチリージョンによって可能になる信頼性や耐久性を、必要としないユーザーもいる。そういう人たちにとっては、費用効率の良い単一リージョンのインスタンスが好ましい。またCloud Firestoreデータベースに関しては、データをユーザーのなるべく近くに置ける‘データのローカル性’が確保される”。

新しい単一リージョンのインスタンスは、料金が現在のマルチクラウドインスタンスよりも最大で50%安くなる。ただしGoogleがユーザーに与えるSLAの保証は、使用するソリューションによって異なる。単一リージョンのインスタンスもそのリージョン内で複数のゾーンへ複製されるが、データはすべて一定の地理的領域内にとどまる。したがってGoogleは、マルチリージョンのインスタンスには99.999%の可用性を約束し、リージョン限定のインスタンスには99.99%の可用性を約束している。

そしてCloud Firestoreは、全世界で10の新しいリージョンで利用できる。Firestoreはローンチ時には一箇所でローンチしたが、ベータのときはさらに二つ増えた。そして今では、Firestoreは13の場所で利用できる(そのうち、North AmericaとEuropeはマルチリージョンだ)。McGrathによると、Googleは現在、今後の配置について検討中だが、現状でも十分に全世界をカバーできる、という。

また今回のリリースで、Google CloudのモニタリングサービスStackdriverとより深く統合され、リード、ライト、デリートをリアルタイムに近い素早さでモニタできる。McGrathによると、今後の計画では複数のコレクションにまたがってドキュメントをクエリできるようになり、また、データベースの値の加増(インクリメント)をトランザクション不要でできるようになる。

なお、Cloud FirestoreはモバイルのデベロッパーにフォーカスしたGoogle Firebaseブランドに属するが、Firestore自身はCompute EngineやKubernetes Engineのアプリケーション用の、通常のクライアントサイドライブラリをすべて提供する。

McGrathは曰く、“従来のNoSQLドキュメントデータベース製品は、管理に関するデベロッパーの負担が大きい。しかしCloud Firestoreなら、データベースの管理はいっさい不要だ。しかもFirebase SDKと一緒に使えば総合的なBaaS(back-end as a service)にもなり、認証なども扱えるようになる”。

Firestoreのアドバンテージのひとつが、オフラインサポートが充実していることだ。それはモバイルのデベロッパーにとって便利だが、IoTにも向いている。Googleがこれを、Google CloudとFirebaseの両方のユーザーのツールと位置づけているのも、当然だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa