クラスタ管理を抽象化して簡易にするMesosphereがGoogleのクラウドプラットホームにも対応、DockerツールKubernetesを統合

GoogleとMesosphereが今日(米国時間8/18)、両社のパートナーシップにより、GoogleのCompute EngineプラットホームにMesosクラスタのサポートを導入する、と発表したMesosプロジェクトとMesosphereはまだよく見かける名前ではないが、アプリケーションのスケーリング(ニーズに応じての規模拡大)で余計な苦労をしたくないと考える企業にとって、このところ急速に、重要なツールになりつつある。それらのアプリケーションの所在は、完全に自社のみのデータセンターの場合もあれば、パブリックなクラウドサービスの場合、あるいはパブリック/プライベートのハイブリッドの場合など、さまざまである。〔*: Mesosphere関連日本語訳記事(1)(2)。Mesosの’os’はOS(オペレーティングシステム)の意味…クラスタ群を一台のコンピュータへと抽象化する。〕

今度の提携によりGoogleのCloud Platformのユーザは、MesosphereのクラスタをGoogleのサーバ上に10分足らずでセットアップできるようになる。その基本的なインストールには二つの形があり、デベロッパはそのどちらかを選ぶ: 1)4インスタンスの開発用クラスタでアプリケーションのプロトタイピング用に8つの仮想CPUと30GBのメモリを提供、2)プロダクション用インストールで18インスタンス36仮想CPUメモリ136GB。この二つのオプションで不満な場合は独自のカスタムクラスタを作れる。

これらのクラスタにはデフォルトでMesosカーネル、Zookeeper、Marathon、およびOpenVPNが含まれる。クラスタの使用を開始するとMesosphereは、クラスタを管理するためのWeb上のわかりやすいダッシュボードを管理者に提供し、それにはGoogleのダッシュボードからアクセスできる。

MesosphereのCEO Florian Leibertによると、Mesosphereの中心的なねらいは、デベロッパがデータセンターをつねに一台のコンピュータのように扱えることだ。そのためにMesosなどのソフトウェアパッケージがDevOpsの主な仕事のほとんどを抽象化する。Leibertは以前TwitterやAirbnbの社員で今やそのTwitterもAirbnbもMesosのユーザだが、両社にオープンソースプロジェクトMesosを紹介したのはLeibert自身だ。

ユーザのハードウェアは実際には複数のハードウェアや仮想マシンやクラウドのインスタンスなどから成るが、Mesosphereという一枚の層がその上にかぶさるとアプリケーションは、多くのCPUやメモリをかかえた単一のリソースプールを使っている、という外見になる。デフォルトではMesosphereのサービスは、ユーザが使っているオペレーティングシステムやクラウドが何であるかを、まったく関知しない(どうでもよい)。ただし今回のGoogleとの提携にあたっては、Googleのクラウドに対しての最適化を図った。Mesosphereの詳細なドキュメンテーションは、ここにある。

Googleとのパートナーシップの中には、Dockerのコンテナを管理するGoogleのオープンソースのサービスKubernetesをMesopshereに統合することも含まれる。同社によるとこれによって、Dockerのワークロードの展開管理がより容易になる。ただしMesopshereのKubernetes統合は、対象がGoogleのCloud Platformに限定されない。Leibertは今日の発表声明の中で、“われわれが織り上げたコンピューティングの織物は、GoogleのCloud Platformだけでなく、そのほか、ユーザ自身のデータセンターやそのほかのクラウドプロバイダでも使用できる”、と言っている。〔Kubernetes関連日本語訳記事(1)(2)。〕

GoogleでKubernetesなどの次世代クラウドコンピューティングプロダクトを担当しているリードプロダクトマネージャCraig McLuckieによると、GoogleがKubernetesでやりたいことは、Googleが自社のデータセンターを管理するために開発してきた重要なコンセプトの多くを、同社の外部でも利用できるようにすることだ。彼は今回のMesosphereとGoogleの協働関係を、“きわめて相補的である”*と呼び、それら重要コンセプトの一部はMesosにも持ち込まれるだろう、と考えている。〔*: complementary, お互いの足りないところに互いにピッタリとはまり込んで補う、完璧な結婚。〕

MesosphereのシニアVP Matt Trifiro(元HerokuのCMO)によると、KubernetesやMesosのようなプロジェクトは、これらの技術の背後にある非常に高尚な思想を、万人が共有するものにする。現状では、“Webをスケールしなければならないというニーズを抱える企業にとって、ツールが十分にアクセス可能でなかった”。しかし今では、GoogleやMesosの高度なコンセプトとツールを企業も利用できるようになり、デベロッパやDevOps たちは一段高い抽象性のレベルで仕事ができるようになり、アプリケーションを動かしているインフラの具体的な細部を、直接いじらなくてもよくなっている。

Leibertは今日、こう書いている: “Googleと協働することによってGoogleのCloud Platformを、従来からのMesosphereのワークロード、たとえばMarathonChronosHadoopSpark、そして新たにKubernetesなどを使用するための最良の場所にしていきたい”。

この協働プロジェクトでは両社の関係がきわめて密だから、いずれGoogleがMesosphereを買収することもありえるかもしれない。現状ではそれは、あくまでも憶測だが、でも実際にそうなったら、その起源がこれだったことを、思い出そう。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google AdWords、キーワードの「完全一致」オプションを廃止

Googleは、AdWords広告に小さいが重要な変更を9月に加えると、米国時間8/15に発表した。これまで広告主は、検索クエリと自社広告のマッチングの方法に2種類の選択肢を与えられていた。クエリが、AdWordsに設定したキーワードと〈完全〉に一致した場合にのみ広告を表示させるか、キーワードと非常によく似たクエリ、例えば複数形やスペルミス等とも一致させるかを選ぶことができた。

9月の終りから、そのオプションは廃止され、Googleは常に、広告と検索クエリをマッチする際自動的に近似語を含めるようになる。

Googleが、変化形一致機能を追加したのは、2012年のことだ。今日の発表は、Googleが「フレーズ一致」および「完全一致」と呼ぶオプションにのみ適用される。名前が示すように、完全一遮は、クエリが指定キーワード(”women’s hats”等)と完全に一致した時だけ広告を表示するのに対し、フレーズ一致は、クエリが他の単語も含んでいる場合(”buywomen’s hats”等)にも表示する。

AdWordsの現行のインターフェースはこうなっている。

広告主は、さらに広い設定、例えば類義語や他の変化形を含めることも可能だが、9月以降は、完全キーワード一致だけに絞ることはできなくなる。その後は、スペルミス、単数/複数、語幹、アクセント、頭字語、略語等を常に含めて一致させるとGoogleは言っている。

これは広告業界にとって大きな出来事だ。多くの広告主は、広告が正確にいつ表示されるかについて、完全な制御を望んでいる。しかしGoogleは、その制御の一部を取り上げようとしている。その代わり、2012年に類似語一致を採用した広告主はクリック数が7%向上し、かつクリック率、コンバージョン率は変わらなかった、とGoogleは言っている。

既にGoogleは、殆どのAdWords製品で近似一致を標準設定にしているため、多くの広告主はこの違いに気付くことすらないだろうが、自らの統制力を強めるべく常にオプトアウトしてきた人々にとって、この変更は間違いなく不満だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Googleのブランド贔屓について専門家がガチバトル

Googleがブランド力のあるサイトを高評価する傾向があることは以前からいわれていますが(参考インフォグラフィック)、今回はそんなGoogleのブランド贔屓についてSEOの専門家が意見を熱く交わした記事を。 — SEO Japan

今年行われたSMXでのランド・フィッシュキン氏によるキーノート、「The SEO Revolution Will Not Be Televised」(SEO革命は放映されません)は、大勢のオーディエンスを魅了していたが、私もそのうちの一人であった。同氏は、アクティブなプレゼンターであり、優秀なマーケッターでもある。個人的な意見だが、実際に賞賛に値する人物だと思う。

Moz Founder and COO Rand Fishkin discusses Google’s bias toward strong brands with Bryson Meunier.

とは言ったものの、プレゼンの最中に、「検索結果のブランドの独占および贔屓が、ついに現実のものになった」と発言した際は、思わず耳を疑った。

弊社、Resolutionでは、世界で有名な企業を何社か顧客に持っているが、本当にGoogleが大手ブランドを贔屓しているなら、これほど早いペースで弊社が収益を伸ばすことは不可能であり、実際に、ブランドは、SEOに今まで以上に資金を投じている。

これは、2014年にSEOの予算を増やす予定があると答えた社内のマーケッターは47%(エージェンシーのマーケッターに関しては、実に69%)であった一方、減らすと答えたマーケッターは5%のみであった現状と一致する。

Googleが、自然にブランドを贔屓しているなら、なぜ、ブランドは、わざわざSEOに多額の資金を投じる必要があるのだろうか?代わりに、ブランディングに資金を投じるべきではないのだろうか?答えは明らかだと私は思う。Googleの検索では、ブランディングだけでは、目立つことが出来ないため、SEOにも投資しているのだ。

また、2年前、SMX Westでのアーロン・ウォール氏が行った主張への反対の証拠を示したことがあったが、個人的な見解では、この傾向は今でも変わっていないと考えている。

Googleの1ページ目で有名なサイトを含むクエリが、過去2年で約27%増加したことを示すMozcastのグラフをランド・フィッシュキン氏は、プレゼンで紹介していた。そこで、その見解をより深く理解するため、実際に本人に連絡を取ることにした。

私は、この問題を過去に議論したことがあり、ブランドへの贔屓が存在すると言う主張には、懐疑的な立場を取っている。しかし、闇雲に信じているわけではなく、あくまでも科学者として、この問題に向き合っている。そのため、ブランドへの贔屓が実在し、実証するデータがあるなら、喜んで考えを変える用意はある。

ランド・フィッシュキンの提言: ブランドになれ…と言うけれど

フィッシュキン氏に実際に話を聞き、そして、プレゼンを聞いた限りでは、全体的なメッセージに関しては、誤っていないと私は思った。ブランドへの贔屓が話題になる度に、Googleの偽善者行為が指摘されるか、あるいは、競争の激しいキーワードにおいて、ブランドには勝てないと言う不満が噴出する。しかし、ランド・フィッシュキン氏は、正々堂々と勝負し、ブランドになれと提言している。

ブランドの構築に苦労している会社が、検索においても苦労しているとしても、このプレゼンのアドバイス自体は間違えていない。

ターゲットにするキーワードには、現実的な視点で考える必要がある — 知名度、予算、そして、リソースの面で全て上回るサイトと競争する方針は、現実的とは言えない。SEERのウィル・レイノルズ氏が、3月にオレゴンで行われたIRCE Focus: Web Designのプレゼンテーションで、この点を巧みに実証していた。レイノルズ氏は、Googleが、キーワード[dresses]で、Macys.comよりも、レイノルズ自身が運営する知名度の低いドレスストアをなぜ上位にランク付けするべきなのかと力説していた。

このような大手企業のサイトを、一時的な小手先の手法を用いて倒そうとするのではなく、サイトと製品の質を改善して、アウェアネス、自然のリンク、そして、シェアを増やしていくべきである。ビジネス、そして、ブランドを構築することに力を入れる必要があり、ブランドの強さ、人気、そして、オーソリティの代わりのような扱いを受ける数値ばかりに固執しないでもらいたい。

ちなみに、私はこの考え方を100%支持している。ただし、ブランドの贔屓に関する考え方は変わらない。私は今でもブランドの贔屓は存在しない、と言う立場を取っており、万が一、存在するとしても、それは因果関係ではなく、相互関係によるものだと考えている。事実、誰でも知っているような有名なブランドの中には、ブランド名自体は有名であっても、Google検索で苦戦しているものもある。ブランドがスパムを行うことが出来る点、そして、実際にスパムを行うと、一般のサイトと同じように、Googleにペナルティーを科される点を覚えておこう。

そもそもブランド贔屓とは?

Google検索が、ブランドによって独占されている、とはどんな状態を指すのだろうか?ブランディングの「他の製品と見分けるため、あるいは、区別するために、名前、シンボル、もしくは、デザインを作る」と言う定義は、曖昧であり、ウェブサイトのあらゆるアイテムが含まれてしまうことになる。 プレゼンでの発言の真意をフィッシュキン氏に尋ねてみたところ、次のような答えが返ってきた:

SEOの関係者は、Googleが、ノンブランドよりもブランドを優先する、と昔から推測していたことを私は強調したかった。事実、Googleの重役は、「ブランドは、清潔な状態を取り戻すための解決手段だ」と何度も発言しており、また、Googleの社内では、積極的にSEOを行うウェブサイトが、良質なコンテンツと優れた製品を提供するサイトよりも優先されるのは、おかしいと言う考えが根強く存在すると私は思っている。さらに、ペンギン、ハミングバード、そして、パンダ等のアルゴリズムの変更(そして、その他の小規模な変更)により、検索結果で、ブランドを目立たせるための全面的な贔屓が強くなっている。

その上、アルゴリズムの贔屓と共に、ブランドを助ける二次的なインパクトが数多く存在する。Googleは、ソーシャルシグナル、ユーザーデータのシグナル、利用データのシグナル、そして、各種のデータを利用することが可能であり、Googleに評価される優れたアイテムをブランドはより多く持っていると言える。また、事実として、過去5年間、多くのブランドが、SEOに真剣に資金を投じるようになり、目標達成に向けて力を入れている。

さらに、私はRap Geniusが10日間のペナルティーを受けた後、Googleに復帰した件に関する意見を尋ねた。すると、ランド・フィッシュキン氏は、Googleがブランドを贔屓している領域をもう一つ挙げた:

Rap Geniusの件は、ブランドが、小さなサイトとは別の扱いを受けている何よりの証拠である。Rap Geniusは、検索結果を操作する試みを行ったために、ペナルティーを受けたものの、すぐに復帰した。小規模なサイト(あるいは、知名度の低いブランド)のSEOを実施したことがある専門家なら、ペナルティーが、数ヶ月間、数年間、あるいは、Rap Geniusが行ったような行為に手を染めた場合は、永遠に続くことを理解している。その他にもExpedia、BMW、そして、Google自身も、操作を試みた結果、ペナルティーを受けていたが、通常のGoogleの懲罰と比べると、警告程度でしかなかった。

つまり、ランド・フィッシュキン氏は、Google検索におけるブランドの独占に貢献している5つのファクターがあると指摘している:

  1. 検索結果でブランドをより目立たせるアルゴリズムの贔屓。
  2. ユーザーが期待する大きなブランドを検索結果で優先することをGoogleが明言している。この方針は、最終的に、アップデートによって、優先されるようになる。
  3. 理論上、必ずしもノンブランドではなく、ブランドを支援する各種のデータをGoogleが利用することが出来る。
  4. ブランドが、SEOの取り組みを強化し、ノンブランドによる上位へのランクインがますます難しくなっている。
  5. ペナルティーに関して、Googleがブランドを大目に見る傾向がある。

これは、過去に同じ主張を行った大勢の人物が挙げる理由と同一である。

ブランドの贔屓の定義はこれで終わったので、ランド・フィッシュキン氏が挙げた5つのファクターを一つずつ詳しく見ていこう。

1. アルゴリズムのアップデートにおける贔屓

ペンギン、パンダ、そして、その他のアップデートによって、ブランドと比べて、小規模なウェブサイトがダメージを受けてきた経緯は、誰もが知っている。しかし、Googleのアップデートによる、ネガティブな影響をブランドが受けていないことにはならない。

Demand Mediaと言うサイトを覚えているだろうか?同サイトに関する関心が最高潮に達していた時、Demand MediaのIPOは、15億ドル前後の時価総額を記録していた。しかし、Google検索で目立つために、薄っぺらいコンテンツを作っていたその他の小さなブランドと同じようにパンダによって、Demand Mediaは壊滅的なダメージを受けたのであった。また、パンダは、有名な自動車雑誌のMotor Trend、さらに、Yahoo!が所有するAssociated Content(その後、Voiceに名称を変更)も攻撃していた。

ブランドは、ペンギンにも痛めつけられていた。Dish Networkは、ペンギンがリリースされると、トラフィックを27%落としていたSalvation Army、REEDS Jewelers、そして、その他の有名なブランドもペンギンアップデートが原因で、検索結果でのビジビリティを大幅に失っていた。

このようなメジャーなアルゴリズムのアップデートによって、さらに多くの小規模なサイトが、壊滅状態に追い込まれたのであろう。それは、残念だったとしか言いようがない。しかし、Googleは、薄っぺらいアフィリエイトのコンテンツをターゲットにしていることを明言しており、また、大きなブランドよりも、アフリエイトや小さなサイトの方が多いのが現実である。

その上、経験上、大きなブランドは、通常、評判を貶める可能性がある行為に関しては、嫌う傾向がある。ブランドにとっては、ペンギンとパンダが一掃を試みた類のランキングを操作する短期的な戦略からは、得られるものが少なく、反対に、失うものが多い。ブランド贔屓の複雑な局面を取り上げるまでもなく、これだけでも、大きなブランドよりも、小さなブランドの方が、アップデートの影響を受ける理由は明らかである。

2. Google内に存在するブランド贔屓

確かに、エリック・シュミット氏は、2008年にパブリッシャーとエディターに向けて、「ブランドは問題ではなく、解決策である。ブランドは、清潔な状態を取り戻すための解決策だ」と発言していた。しかし、この発言の直後に、次のように述べていたことはあまり知られていない:

Googleは、パブリッシャーの方々に成功して欲しいわけではない。ランキングを上げる基本は、関連性を上げることだ。

センセーショナルな見出しが報道されるものの、それが真実の全てではない。

Googleの従業員は、他の機会でも、アルゴリズムに加える変更において、ブランド贔屓が存在すること、あるいは、ペナルティーに関して、特別扱いしていることを否定している。例えば、Googleのスパム対策を統括するマット・カッツ氏は、2009年にこのように語っていた:

Googleの社内では、少なくとも、検索ランキングチームにおいては、ブランドのことを考えていない。代わりに、信頼、オーソリティ、評判、PageRank、質の高さ等を考慮している。

フィッシュキン氏によるプレゼンと同じようなプレゼン、そして、「現在、ブランドはメジャーなランキングの要素になった」と断言するこの記事と同じような記事に何度も遭遇しているため、Googleは、態度を明らかにする必要があると私は思った。しかし、この記事を投稿するにあたって、Googleにチャンスを与えたものの、「現時点で、特に言うことはありません」と言う答えが返ってきた。

この問題は、大半のSEOの関係者がGoogleを信頼していない事実と関連しているのではないだろうか。しかし、「ブランドは、清潔な状態に戻す解決策だ」と言う発言を信じているにも関わらず、その他の発言には耳を塞いでしまうのは、矛盾しているとしか言いようがない。

Googleは、信頼、オーソリティ、評判、そして、高品質を贔屓しているが、このような要素はブランドに限定されているわけではない。サイトの品質に向上をブランドの構築と結びつけて考えることは可能だが、同じだとは限らないことを理解しておく必要がある。

3. Googleのリンクシグナルを超越した多様化はブランドに有利に働く

この主張は、Googleが、リンクのデータを軽視し、代わりに、ソーシャルシグナル、ユーザーのデータ、エンティティ等を網羅するようになると、ブランドが最も得をする、と言う考えに基づいている。この考えが正しいとは私には思えない。

FacebookとTwitterで特に人気が高いエンティティ(人物、地名等)のタイプを見ていくと、ソーシャルメディアでファンとフォロワーを獲得する点に関しては、ミュージシャンが圧倒的に強いことが分かる。

When you break down the top followed entities on Facebook and Twitter, brands are shared much less than other entities.

FacebookとTwitterでフォローされているエンティティを分類すると、ブランドはその他のエンティティと比べて、シェアされている回数が圧倒的に少ない(クリックすると拡大して閲覧することが可能)。

また、「ブランド」を拡大して解釈し、その他のサイトとの違いを示す名前を持っていることを理由に、全ての上位のサイトをブランドと認識したとしても、この名前がなくても健闘しているノンブランドは存在する。

例えば、Zyngaが所有するゲーム、Texas Holdem Pokerは、ブランドではないものの、15位であり、7000万名のFacebookのフォロワーを抱えている。同様に、basketball(バスケットボール)は、5700万人にいいね!されており、football(サッカー)は、4400万人に、そして、pizza(ピザ)は、それぞれ、3300万人にいいね!されているが、どれもブランドではない。反対に、2013年のブランドリストで94位であったPizza Hutのフォロワーは、ノンブランドのピザのフォロワーの3分の1である。

ブランドはエンティティであり、そのエンティティは、ハミングバード、そして、ナレッジグラフのおかげで、優遇されるはずだが、エンティティだと言う理由でブランドが、Google検索で活躍しているとすると、ブランドであると言う事実は、二次的だと言っても過言ではない。

そこで、フィッシュキン氏に、ブランドではなく、エンティティを思い描いているのではないか、と尋ねたところ、「確かにその通りだが、名前がよく知られている強力/影響力の強いブランドは、さらにシグナルを加えており、その結果、エンティティを優遇する機能を超えて、ランキングを強化している可能性がある」とフィッシュキン氏は指摘した。

4. ブランドはSEOに力を入れている

この点に関しては異論は全くない。様々な規模のブランドが、実際に、SEOを始めとするデジタルマーケティングに力を入れている。

ブランディングサービスを提供するInterbrand社が世界の一流ブランドと特定したブランドのうち、66%はウェブサイトで何らかの形でSEOを実施している。LinkedInで、ブランド名と用語「SEO」を検索すれば誰にでも分かることだが、一流ブランドの多くは、SEO専用の従業員を抱えるか、業者にアウトソースし、フルタイムで実施させている。実は、この比率は66%を上回る可能性がある。なぜなら、SEOを実施した経験を持つデジタルマーケティングのエキスパートを抱えているものの、SEOを実施している、もしくは、実施したことがあると明記していない企業が多く存在するためだ。

ただし、ブランドが、ある程度、力を入れていると言っても、SEOが有効だとは限らない。SEOを実施していると認めたブランドのうち、63%が、2012年以来、検索結果でのビジビリティが下がったと指摘している。SEOのスタッフは、状況を変えるために採用されたはずだが、力を入れ始めたばかりであり、まだ結果は出ていないのが現実である。

66% of top brands are doing SEO, but it hasn't necessarily led to success... yet.

ブランドの66%がSEOを実施するものの、必ずしも成果が表れているわけではない。

それでも、資金を投じていることは事実だ。SEMPOは、今年、State of Search(検索の現状)レポートでここまで詳しいデータをリリースしているわけではないが、昨年、同サイトは、SEOに300万ドル以上投じたと答えた企業が5%に達し、前年の1%から増加したと報告していた。

SEMPO figures showing investment in SEO at more than $3 million annually 5% of total respondents.

SEMPOの図表 — 300万ドル/年以上をSEOに費やす会社が5%を占める。

このグラフからは、SEOに資金を投じるサイトが、大きなブランドなのか、あるいは、規模は小さいものの予算を潤沢に持つブランドなのかを判断することは出来ない。しかし、その多くは、平均的なSearch Engine Landの読者の方々が携わるウェブサイトよりも、規模が大きいのではないだろうか。

5. Googleは大きなブランドに甘い

この点に関しては、納得できる部分もある。大規模なブランドのサイトで14年間に渡ってSEOを実施してきたが、小さなブランドでは手が届かないレベルの技術にアクセスしていた大企業は1社しかない。反対に、その他のサイトと同じように、ウェブマスター向けのヘルプフォーラムに質問を投稿するよう求められることの方が多い。この扱いは矛盾している。

多くのSEO業者と同様に、私は世界的な企業のSEOを担当したことがあるが、マット・カッツ氏を含む、Googleのエンジニアと会って、ランキングの改善について話し合ったことはない。このような事態がクライアントに起きるのは、異例であり、先程も申し上げた通り、1度しか見たことがない。

Rap Geniusに関しては、ブランドと言うよりも、ベンチャーキャピタルに支えられたスタートアップであり、Googleは、同じような違反を行ったサイトと比べて、甘い処分を与えたと言えなくもなく、残念であった。しかし、Rap Geniusは、今でも同分野のAZLyricsに負けている。歌詞を探す際には、いずれかのサイトを指定しているわけではないため、ブランディングが原因ではない。

ペナルティーが軽いと言う主張は、全てが正しいわけではない。大きなブランドが、インデックスから削除されると、たとえ2週間であれ、多くの小規模なサイトが一生かかっても得られないような金額の収益を失ってしまう。

数年前、ある企業から相談を受けたことがある。この企業が採用していた大手のSEO業者が、リンクを購入したため、ナビゲーショナルな用語で1ヶ月間に渡って、6ページ目に格下げされてしまったようだ。同社は、売り上げが100万ドル減ると推測していた。この業者は秘密保持契約を結んでいるため(そもそも、SEOコミュニティにとって、発表するメリットはない)、メディアで報じられることはなかったが、実際に起きた出来事である。100万ドルが、軽いと思うなら、私よりもSEOで利益を得ているとしか考えられない。

しかし、確かに、Googleは、ペナルティーに関しては、ブランドを大目に見ている節がある。ランド・フィッシュキン氏が、プレゼンで説明していたように、無理もない処置だと言える。ユーザーが欲しい情報を見つけることが出来ず、検索の質が下がるなら、必要以上に長くインデックスから排除するのは、自殺行為に等しい。

例えば、The Sandlotと言うシカゴ北西部の郊外に個人的に好きなハンバーガーショップがある。以下に、今年のGoogleトレンドの検索量を掲載する:

Like most smaller brands, new northwest Chicago burger joint, The Sandlot, barely registers on Google Trends.

大半の小さなブランドと同様に、シカゴ北西部のハンバーガーショップ、The Sandlotは、Googleトレンドに登録されていない。

ご覧のように、登録する上で十分な量の検索が行われていない(残念で仕方がない。是非、この店のTwo-n-Twoを試して欲しい)。

そして、次に、The Sandlotに味が近いと言う意見が多いFive Guysの検索ボリュームを記したチャートを掲載する:

Many more searchers for Five Guys would suffer if extensive penalties for larger brands were applied.

Five Guysの検索は多く、大きなブランドに対するペナルティーが長期化されると、ユーザーが困る。

Googleが、The Sandlotを検索結果から消しても(The Sandlotはウェブサイトを持っていないため、簡単に消すことが出来る)、どこに行ってしまったのかと考え、店舗に足を運んで、SEOのプロを雇った方が良い、とおせっかいを焼く人はほとんどいないはずだ。大半のユーザーは、別のハンバーガーショップを検索する。

一方、もしも、GoogleがFive Guysを検索結果から消してしまったら、大勢のユーザーが気に掛けるはずだ。なぜ、Five Guysを検索しているのに、Five Guysの情報をGoogleが返してくれないのか分からず、Yahoo!やBingで代わりに検索を行う人も出てくるかもしれない。

Five Guysをインデックスから外す行為が、Googleの検索の品質を落とすと思うなら、McDonald’sを結果から外したら、どうなってしまうか考えてもらいたい。ブランドに加え、検索エンジンのユーザーまでもがペナルティーを与えられるようなものだ:

Extensive penalty for McDonald's would penalize all of these brand searchers, and Google, as well.

McDonald’sに長期間に渡ってペナルティーを与えると、McDonald’sを検索したユーザー、そして、Google自身も困る。

そのため、確かに、ある意味、ブランドを大目に見る傾向はある。なぜなら、Googleは、ユーザーが求めている結果を提供する必要があり、そのユーザーはブランドを求めているためだ。その他のエンティティにも言えることだが、ブランドは、別のサイトが取って代わることが出来ない特徴を持っている。

2年間で27%増加した理由

それでは、ブランド贔屓が、アルゴリズムに反映されていないとしたら、Google.comの1ページ目の「Big 10」を含むクエリが、過去2年間で、27%増加しているのはなぜだろうか?実は、様々な理由が考えられる。

まず、ここで取り上げている問題を確認しておこう。フィッシュキン氏が、プレゼンで取り上げたMozcastのチャートでは、Googleの1ページ目での、以下の「Big 10」のドメインを含むクエリの比率が記されていた。

domain-bias-mozcast

ランド・フィッシュキン氏がプレゼンで用いたスライド — 過去2年における1000のキーワードでの、大きなサイトによるランキングが、12%から16%に改善されたことが、ブランドの独占を証明している。

以下に、2014年5月8日時点での、Big 10を挙げていく。ただし、米Googleで多くのビジビリティを獲得しているサイトに応じて、サイトが変動する可能性がある:

  1. en.wikipedia.org
  2. www.amazon.com
  3. www.youtube.com
  4. www.ebay.com
  5. www.facebook.com
  6. www.webmd.com
  7. www.walmart.com
  8. www.pinterest.com
  9. twitter.com
  10. allrecipes.com

Mozcastが追跡した1000のキーワードにおいては、ピーク時で、上のドメインは、クエリの16%で1ページ目に掲載され、最も低い時点では、12%近くまで下がっていた。Mozは、過去2年間で、27%の割合で増加していると指摘していた。

この増加は、検索結果でのブランドの独占を示唆しているのだろうか?私が示唆していないと思う理由を幾つか挙げていく:

1. 大きなサイトではあるが、必ずしも大きなブランドではない。トップ 10のサイトのうち、Interbrandの2013年版トップ 100ブランドに入っていたブランドは、3-5つのみであった。その他のサイトは、明らかに大きなサイトではあるが、ブランドが大きければ大きい程、Google検索で取り上げてもらえる確率が高いと言う主張を証明しようとしているなら、「Big 10」の70%が、ブランドの規模を計測するプロの基準で大きなブランドではないなら、この理論には無理がある。

また、トップ 10のブランド(Interbrandのリストによると)は、Big 10には入っていないため、27%の増加に、ブランドの規模や力が関係している可能性は低い。

2. ブランドは、追跡したクエリの84%に対して、1ページ目の検索結果に掲載されていない。この場合、独占と言うと、少なくとも50%を支配する必要があるのではないだろうか?12%から16%に上がっただけでは、どう考えても独占とは程遠い。

3. そもそも、クエリのうちブランドの用語が占める比率が分からない。1000のクエリと言うだけでは、その全てが、Facebookに関わるクエリなら、検索結果の1ページ目でFacebook.comが占める割合は、16%を超えるはずである。クエリがブランドの用語でも、ナビゲーショナルな用語でもないなら、それはまた別の問題だが、Mozcastの説明では、この点には一切触れられていない。

16%と言う比率が、検索結果のブランドの独占状態を表していると考えたとしても、その他の、より可能性の高い理由が原因だと考慮すること出来るのではないだろうか?:

A. 大きなブランドと品質、オーソリティとリンクの間に強い相互関係が存在する。これは必ずしも因果関係を示しているわけではない。

B. Googleは、様々な事柄に関連するサイトに見返りを与えており、そのうちの一部がブランドである。SEMRushとSearchMetricsで上位のサイトが持つ共通点を確認したところ、最も目立った共通点は、そのうちの幾つかが大きなブランドであった点ではなく、多くのトピックに関連している点であった。

大きなブランドと考えるかどうかは別にして、Wikipediaが、InterbrandがNo.1に選んだブランド、Apple.comよりも8倍多くの検索トラフィックを獲得しているのは、Wikipediaがより大きなブランドであるからではない。コンピュータとiPhoneだけでなく、様々な事柄に関連しているため、Appleよりも多くのトラフィックを獲得しているのだ。

事実、SEMRushによると、Wikipediaは、Apple.comよりも、キーワードの数自体が、8倍多いようだ。SEMRushでApple.comがトラフィックを獲得している領域を調べてみると、その多くが、Appleとは関係のないナビゲーショナルなキーワードであることが分かる。App Storeのおかげで、Appleは、インターネットで有数のブランドにおいて1ページ目にランクインしており、そのため、自分達のブランドの力に加えて、トラフィックを獲得する原動力となっているのだ:

Apple's app store is a platform that allows them to be highly relevant for high volume navigational terms.

AppleのApp Storeは、ナビゲーショナルな用語に対する関連性を高める基盤となる(クリックすると、拡大して表示することが可能)。

C. Googleは、エンティティに見返りを与えており、ブランドは、そのエンティティのタイプの一つである。

D. Googleが大きなブランドを重視している理由として挙げた上の根拠は、アルゴリズムとは全く関係がない(ブランドに長期間にわたって罰を与えると検索の品質を落とす、ブランドもSEOに力を入れている等)。

結局、疑いは晴れず

ブランドが、Google検索において、他のサイトよりも優先されていると考えることになった要因について、インタビューに応じてくれたフィッシュキン氏に感謝している。本人にも伝えたように、私は大勢の人達がフィッシュキン氏を知る前から、同氏のレポートを読んできたし、たとえ、同意することが出来なくても、その意見を尊重してきた。

フィッシュキン氏と同じように、私も疑り深い人間であり、疑り深い人間と言う者は、オッカムのかみそり論(出来るだけ仮定を少なくして、証明を行うべきと言う理論)を持ち、身近な問題を理解するために不要なセオリーを除外する傾向がある。この問題を詳しく検証してみた結果、ブランド贔屓が、様々な形式において、存在するとは、今でも私には思えない。データが、このセオリーを裏付けていない。観測された現象は、データがなくても、説明することが出来る(はずである)。

SMX Westでのランド・フィッシュキン氏のプレゼンに刺激を受けて、ブランドの構築を始めたなら、そのまま続けてもらいたい。先程も申し上げた通り、「弱点を探して、利用する」SEOの時代は幕を閉じつつあり、終わって良かったと私は思っている。 この手法は、消費者にとって、全く役に立つことはなく、SEOではなく、単なるスパムである。

しかし、ブランドを構築する際は、それだけやっていれば、Google検索で上位にランクインすることが出来ると考えないでほしい。会社、そして、SEOにとって、ブランドを構築することで得られるメリットは存在するが、Google検索で上位にランクインする要素は、もう少し奥が深い。

追伸

重要な考えを一緒に積み上げていくことを目指し、私は、投稿する前に、この記事の最終的な草稿をフィッシュキン氏に読んでもらった。草稿に関する同氏のフィードバックを以下に掲載し、その後に、私のレスポンスを綴っていく。

2段落目で、ブランドが、SEOで成功をしていたら、会社が今ほど順調に成長していなかった、と指摘しているが、この論理は、あまりにも大ざっぱであり、関係がないように思える(私の主張、そして、取り上げてられていたアーロン・ウォール氏の主張と比べて)。事実、主張を弱めてしまっている。

ご指摘には感謝する。ブランドがSEOで成功していたら、私の会社が今ほど順調に成長していなかったことは重要ではない。弊社は、様々な規模のブランドをSEOで成功させるべく支援している。もちろん、SEOにおける成功が、私の会社にマイナスに働くことはなく、恐らく、間接的にではあるが、ある程度プラスに働いているのだろう。とりわけ、ブランドの構築に全く時間を費やしていないなら、尚更である。

しかし、現実として、ブランディングに莫大な資金を投資し、大規模な、信頼されるブランドを作り上げたものの、SEOの業者を雇って、検索でのビジビリティを改善している企業は多く、ブランディングが、Googleで目立つために一番重要だと言う見解には、やはり賛同しかねる。

ブランディングはSEOの一部であり、既にブランド構築を行っているブランドは、SEOにも投資するべきだと言っているように聞こえるが、この主張は、私が今までのキャリアの中で仕事をした大勢の重役クラスには通じない。必ずしも私の理論ではないが、重役の多くは、既に信頼されるブランドを構築しているため、SEOを不要だと考え、代わりに予算をブランディングに割り当てることを望む。フィッシュキン氏が、この主張とは、距離を置いていることが分かり、ほっとした。しかし、このように解釈されていても、何ら不思議はない。

「ブランドはスパムをする可能性があり、– 実際にスパムをすると、他のサイトと同じように、Google検索でペナルティーを科される」と指摘しているが、この業界の関係者なら、誰も賛同しないはずだ。確かに大きなブランドもペナルティーを科されるものの、ペナルティーの厳しさは、大きなブランドではないサイトとは大きく異なる。

この点に関しては、記事の後半で説明している。ペナルティーは異なるものの、期間以外にも、厳しさを示す要素は存在する。事実、ブランドは、収益の面で、大きなダメージを受け、そして、検索エンジンのユーザーが、人気の高いブランドを検索するものの、当該のブランドが表示されない場合、検索の品質が下がってしまう。また、この手の話をする関係者の多くは、大きなブランドを顧客に持っていないと私は考えているため、私の主張が受け入られないのは、無理もないのかもしれない。

ブランドとして、Demand Mediaを挙げていたが、私は(そして、他の大勢のSEO関係者も)、Demand Mediaが、数あるメディアサイトの中で、サイト、そして、コンテンツにおいて、強力なブランドを作る取り組みを思い切り失敗させたサイトだと考えている。事実、Demand Mediaは、圧倒的に劣悪なブランドを持つ、圧倒的に大きな会社である。そのため、Demand Mediaが提供するゴミを一掃する行為は、Googleがブランドを優先する典型的な例だと私は思う。

この指摘は興味深く、ある程度、同意することが出来る。しかし、マーケティングにおけるブランドの基礎的な定義を大きく超えており、この点を説明するために別の用語を利用するべきだと私が考える根拠を後押ししている。

Demand Mediaは、明確に、その他の製品とは異なるアイデンティティを確立し、差別化を行った。さもなければ、ここまで大きく成長することは不可能であったはずだが、Google検索ではプラスに働かなかった。 プレゼンで用いられていたブランディングと言う用語は、品質、オーソリティ、そして、信頼性により力を入れる取り組みを意味していたのだろうが、範囲が広いブランドの領域を外し、品質、オーソリティ、そして、信頼性と言ってくれていたら、混乱をある程度抑えることが出来たはずであった。

個別の例と総合的なスタッツを比較する手法は、主張を行う上で、全く向いていない。Googleが一部のブランドにペナルティーを与えているからと言って、あるいは、一部の大きな企業が苦戦しているからと言って、ブランドが、総じて、ビジビリティを失っているとは言い難い。

だからこそ、Interbrandのデータで補足をした。ブランディングのエキスパートが、世界で大きなブランドとして選んだ100のブランドは、総合的に見て、Google検索でビジビリティを失っていた。しかし、個々の例を見ていくと、現実が、「Googleがあらゆるケースでブランドを贔屓している」と言うセオリーと矛盾している点を裏付けられる。

マット・カッツ氏の言葉: 「ブランドに関して考えているわけではない。信頼性、オーソリティ、評判、PageRank、高い品質等を重視している」は、Googleのブランド贔屓の典型的な例である。なぜなら、ブランドとノンブランドの最大の違いは、(PageRank & 品質が高くても)消費者の信頼、オーソリティ、そして、評判を持っているかいないかの違いだからだ。

この点には、同意しかねる。Merriam-Webster(辞書)も同意しないはずだ。Entrepreneur.comはブランディングを、「他の製品と見分けるため、あるいは、区別するために、名前、シンボル、もしくは、デザインを作る」マーケティングの取り組みと定義していた。

フィッシュキン氏が、ブランド構築を、消費者の信頼、オーソリティ、そして、評判の構築と考えていることは良く分かった。しかし、Googleは、一部の専門家の見解とは異なり、ブランドをランキングの要素とは見ていない。Googleは、良質なブランドの副産物を見ているだけであり、それが、消費者の信頼であり、オーソリティであり、そして、評判なのだ。また、Googleは、ブランドのコンセプトを持ち出すことなく、今までもこういった要素を見てきた。

ブランドのコンセプトを持ち出すと、不要に物事を複雑にしてしまい、問題にぶつかってしまう。消費者の信頼、オーソリティ、そして、評判を確立したブランドを作るだけでは、Google検索で良い結果を残すことは出来ない。事実、Interbrandがリストアップした全てのブランドが、この3つの要素を全て兼ね備えている。

Google検索をブランドが独占する時代が到来したと言うニュースを聞き、大喜びした、大きなブランドの従業員は絶対に大勢いるはずだ。SEOが滅亡し、予算を別の場所に当てることを願っている人達のことだ。この点に触れているわけではないようだが、このような考えには反対する。なぜなら、実際に予算をSEOから外してしまうと、損をしてしまうからだ。

この引用を使って、主張を裏付けようとしているが、実は逆効果だ。記事の後半で、ブランドのみに限られたことではないと指摘しているが、実際には、間違いなく、ブランド、そして、ブランディングの領域であり、ブランド構築をマーケティングの一部として実施することを私が勧める理由である。

ブランド構築に力を入れる方針を勧めることに、全く問題はない。ただし、Googleがブランドを重視しているのではなく、ブランド構築の副産物として考慮している要素を見ている点を、オーディエンスが理解していることが前提である。また、ブランド構築に多くの時間を費やし、Google検索にほとんど影響が現れない可能性がある点を理解していることも前提である。プレゼンテーションのリアクションを見る限り、この点は全く理解されていないと思う。

Interbrandの選択を妥当なリストとして利用するのは、如何なものかと思う。なぜなら、私は「大きなブランド」のみを取り上げているのではなく、ブランディングに力を入れ、ブランドの要素 — 個性、信頼、評判、オーソリティ、消費者の認識 — を手に入れたサイトを対象としているからだ。

確かにその通りだが、リストアップされたブランドは、莫大な資金を投じ、世界有数のブランドを作り出した企業ばかりである。Google検索でビジビリティを失っている事実は、「ワールドワイドなブランドに近づくと、Googleの検索システムで(直接敵、そして、間接的に)より多くのメリットを得られる」と言うフィッシュキン氏のセオリーとは相容れない。Googleでのビジビリティを失っているのは、ワールドワイドなだけでなく、規模が大きく、信頼されているブランドであり、Googleのシステムで大きなメリットを得られるはずではなかったのだろうか?

長過ぎて読まなかった方のためのまとめ

この記事では、ブライソン・ムニエ氏とランド・フィッシュキン氏が、Google検索におけるブランド贔屓について、議論を行っている。どちらも強固なブランドの構築は、SEOを含む、様々な理由で、重要だと考えている。しかし、ムニエ氏は、ブランドの構築が、Google検索のビジビリティを高めると言う主張を裏付けるデータが十分ではないと指摘している。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Quantifying Brand Bias In Search Results With Rand Fishkin Of Moz」を翻訳した内容です。

大半はランド・フィッシュキンの考察ではありましたが、SEOの今後もふまえて色々と勉強になる内容でした。オーソリティを益々重視していくであろうGoogleのアルゴリズム、ブランドが結果有利になることは自然の流れというか仕方ない気もしますが、コンテンツマーケティング等を活用して自分自身でブランドを作っていくこともまだまだ可能。「結局有名ブランドには勝てない」と諦めず、チャレンジしていきたいものですね。 — SEO Japan [G+]

ChromeのSafe Browsingサービスが今度から怪しげなソフトウェアのダウンロードにも警告を出す

ここ数年Googleは、同社のSafe Browsingサービスにより、ありとあらゆる種類のセキュリティ機能をChromeブラウザに加えてきた。マルウェアやフィッシングサイトなど、安全でないと思われるサイトをユーザが訪れようとすると警告するし、マルウェアサイトと分かっているところからソフトウェアをダウンロードしようとしても、やはり警告をくれる。そして今日からは、このサービスをさらに広げて、“人を欺くソフトウェア”のダウンロードも警告対象に含める。つまりそれは、ユーザの役に立つプログラムを装っているが、実際にはユーザのオペレーティングシステムやブラウザをふつうではない状態にしてしまうソフトだ。

よくあるのが、ブラウザのホームページ(起動時ページ)を変えようとしたり、なんらかのアドウェア*をインストールするプログラムだ。〔*: adware, ユーザーが望まないのにインターネット閲覧中に勝手にダウンロードされ, しばしば性的な広告を自動的に表示する悪質なプログラム; MALWARE, SPYWAREを兼ねるものもある(研究社オンライン辞書より)。 というか一般的には、広告を表示することだけが主目的のソフトウェア。〕


pua.exeはあなたの閲覧体験に害を与えるかもしれないので、Chromeはそれをブロックしました。[無視する]

この種のダウンロードを見つけると、必ずSafe Browsingの警告が出る。そのときユーザは、ダウンロードを避けてもよいし、なんらかの理由で大丈夫と思えば、警告を無視してそれをダウンロードしてもよい。

Googleによると、Safe Browsingの警告は週平均300万回表示されていて、トータルでは11億人の人びとを守っている。かなり多い数だが、これはChromeの全ユーザに、Safe BrowsingのAPIを使っているそのほかのブラウザやアプリケーションのユーザを加えた数字だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YouTubeがテレビ用インタフェイスを刷新、いかにもテレビ的に

YouTubeがHTML5をベースとしてデザインを一新したテレビ用インタフェイス今日(米国時間8/14)立ち上げる。そこでは、ユーザのプレイリストや、会員となっているチャネルが今まで以上に強調される。このニューバージョンはまずXbox One用が展開され、その後、そのほかのインターネット接続型デバイスにも展開されていく(PS3、Roku、スマートテレビ、ストリーミングプレーヤ、ブルーレイプレーヤなどなど)。

前のバージョンではログインせずに単純に閲覧する使い方がメイン、と想定されていたようだが、この新しいインタフェイスでは、チャネルや、個人化されたリコメンデーション、アップロード、視聴履歴などが重視される。いずれも前のバージョンでも可利用だったが、でも旧デザインではかなり不格好なリストの一部でしかなかった。新デザインはそれらを、整然とグループ分けしている。

またそのフラットなルックスは、Googleの新デザイン方針であるMaterial Designに沿うものだ。

〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

チャネルやプレイリストのページも、やや手が加えられた。画面横にスクローリングリストがあるだけでなく、複数の分類ジャンルが表示されるので、リストをわざわざスクロールすることに比べると、コンテンツを見つけやすいし、それらの魅力が際立つ。そもそもわざわざテレビでYouTubeを見る人は、単純に楽しいコンテンツを見たいのだから、それを見つけるための苦労は少ない方が良いのだ。

PlayStation 4用のYouTubeアプリは、まだ公式には展開されていない。でもそれは、そんなに遠い先ではないだろうし、しかもそれは最初から、この新しいインタフェイスになっているだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleとHPが提携―Google Nowがエンタープライズ・データのバーチャルアシスタントになる

われわれはSiri、Google Now、Microsoft Cortanaなどのパーソナル・アシスタントに天気、映画、スポーツなどについて尋ねることができる。しかし自分の会社の四半期売上や財務情報について知ることはできなかった。しかしThe InformationによればGoogleはHPと協力しながら、そういうことができるようにする準備を進めているという。 Google Nowがエンタープライズ・データにアクセスして組織内情報のバーチャル・アシスタントになってくれる。これはエンタープライズのモバイル・コンピューティングにまったく新しい分野を開く可能性がある。

これに先立って、AppleもHPとエンタープライズ・コンピューティングにおける協力の可能性を話し合っていた(Appleはその後、IBMと全面的に提携した)。The InformationによればHPとの協力の中には、ビジネス情報に特化したSiriが含まれていたという。Googleとの提携ではHPが開発中のエンタープライズ向け検索エンジンが利用され、これにバーチャルアシスタント機能が加わることになるだろう。一般ユーザー向けのバーチャルアシスタントに関してGoogleが大きくリードしている。これでAppleとGoogleはエンタープライズ市場でのモバイル・コンピューティングで真っ向から激突することになる。

こうしたエンタープライズ・スマート・システムにはアポ、位置情報、連絡先など各社員の個別データに加えて、会社の売上、財務情報のような重要な全社的情報が登録され、必要に応じて検索できるようになる。たとえば、あるプロジェクトの成績をレビューする会議を開くときにはリーダーがシステムにログインし、必要な情報を即座に収集してメンバー全員と共有するなどができるようになる。

モバイル・バーチャル・アシスタントは、すでにユーザーの置かれたコンテキストを認識して、検索に対してもっとも適切な情報を表示する、あるいは検索される前に情報をプッシュ通知することができるようになっている。ユーザーは以前のデータベース検索で必要とされたブール演算子や命令を用いた複雑な検索式を組み立てる必要がない。エンタープライズのビッグデータに関しても同じことが可能になるシステムなら規模の大小を問わず、あらゆる企業が関心を示すだろう。

Googleとの提携の具体的内容は明らかになっていないが、HPは縮小するパソコン事業を補う意味でもエンタープライズ・ソフトウェアにますます力を入れることになるだろう。MicrosoftもCortanaに一部のサードパーティー・デベロッパーのアクセスを許し始めたところでもあり、この分野からは目が離せないことになってきた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Google、教師向け教室管理ツール、Classroomを一般公開

さる5月、GoolgeはClassroomの限定プレビュー版を発表した。これは宿題を課し、提出させるなどの教室で教師が生徒とやりとりするのを助けるツールだ。Googleによれば、現在、45か国の10万人以上の教師がClassroomに登録しているという。今日(米国時間8/12)、GoogleはClassroomを正式に一般公開し、Google Apps for Educationのアカウントを持つユーザーなら誰でもClassroomが利用可能となった。

Classroomは現在42か国語が利用可能で、教師に対して宿題のコンテンツ・マネジメントを提供する。教師は宿題を課し、提出された宿題を採点したり、生徒を追加、削除したりできる。このサービスはGoogleドライブのプラットフォームの上に成立しており、当然ながらGoogleドキュメントのワープロやSlideなど各種生産性ツールが利用できる。Google Apps for Educationの一環として利用は無料だ。

Googleが提供している学校向けサービスはもちろんClassroomだけではない(AppleやMicrosoftにも数多くの学校向けサービスがある)。Googleは学校をChromebookのためのニッチ市場としても重視している。またGoogle Play for Educationは学校や教師がAndroidアプリを購入するのを手助けすると同時に、もっと重要な点だが、教師が独自のアプリを生徒に配布するための場を提供している。

Classroomの一般公開で、Googleの教育向けサービスのラインナップが整った。生徒はGoogleのChromebookノートパソコンを利用し、Googleドキュメントのワープロで宿題を書き、Classroomを通じて教師に提出できるようになった。Googleに教育の重要部分を委ねるのが適当かどうかは学校と保護者が考慮すべき点だが、使い勝手からいえば、いくつものシステムをつぎはぎして利用するより、単一のエコシステム内ですべてがすめばたしかに簡単ではある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Google、総建築費3億ドルで日米間を結ぶ高速海底ケーブル建設プロジェクトに出資

Goolgeは、他5社と共同で、日米間を結ぶ新たな海底ケーブル「FASTER」の建設にあたることになった旨をアナウンスした。最大60Tb/sの能力をもつ。他の5社とはChina Mobile International、China Telecom Global、Global Transit、KDDI、およびSingTelだ。NECがシステムの構築を担う。

Googleで技術関連インフラストラクチャ部門のバイスプレジデントを務めるUrs Hölzleは、Googleプロダクトの安定性および高速性のためにも「高性能なネットワークインフラストラクチャが必要となります。十億人規模のAndroid利用者にも、そしてGoogle Cloud Platformを使って開発を行なっている開発者にも役立つものとなります」と述べている。

もちろんこれまでにもGoogleは海底ケーブルの敷設に関与したことがある。たとえば2008年には3.3Tb/sの性能を持つ太平洋間海底ケーブルの「Unity」コンソーシアムに資本参加している。また(子会社であるGoogle SJC Bermuda Ltd.を通じて)東南アジアと日本の間を結ぶケーブルを敷設する4億ドルのプロジェクトにも参加しており、こちらは6月から稼働を開始している。こちらの方の容量は最大で28Tb/sとなっている。

今回のFASTERは、西海岸のLos Angeles、San Francisco、PortlandおよびSeattleなどのハブと結ばれることとなる。Googleのオレゴン州ザ・ダレスにあるGoogleのデータセンターとも近く、ここに保管される各種データの通信速度も向上することとなろう。

(via: The Next Web)

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(翻訳:Maeda, H


時代の流れに左右されない有効なリンク構築の基礎

人口リンクはもう終わり、これからはコンテンツマーケティングの時代とはいわれるものの、Googleのアルゴリズム上、どうしても無視できないのがリンク構築。今だからこそ改めて考えたいリンク構築のあり方をじっくり考えてみた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

Googleは1998年にサービスを開始して以来、順調に成長し、世界で最も人気の高い検索エンジンになった。shutterstock_178290377-chain-link-old-text 2013年、2兆1610回の検索が行われ、世界の検索市場の67%を占めるまでになった。

成長し、進化を遂げるにつれ、Google検索は、ユーザーの疑問に対する答えを見つけ、問題に対する解決策を発見し、リサーチを実施し、さらには、友達や信頼するアドバイザーからのフィードバック、推奨、そして、提案を得ることが可能な人類史上「最高の秘書」になると言う夢に向けて、順調に前進している。

消費者が、製品やサービスの調査に検索エンジンを利用する機会が増えているため、SEOに力を入れる企業には、大きなチャンスが転がり込んでいる。

役目を期待通りに果たすため、Googleは、ユーザーに提供する価値を基に、コンテンツを格付けしなければならない。Googleは、各種の要素を用いて、検索エンジンのランキングを決めているが、その中でも(今のところ)とりわけ重要なのが被リンクの質と量である。

Googleがリンク構築を嫌う理由

ウェブにおいて、リンクは、事実上、「票」に等しい。良質で、有益で、信頼されるコンテンツは、より多くのリンクを獲得する。満足したユーザー、そして、消費者によって与えられた本物のリンクは、質の高いコンテンツとして認めた証拠である。だからこそ、Googleをはじめとする検索エンジンは、リンクを高く評価しているのだ。

しかし、ウェブサイト、そして、オンラインビジネスの経営者が、積極的にウェブサイトに対する「票」を集めようとすると(リンク構築)、本当の自分よりも良く見せようとしていると受け止められてしまう。そのため、Googleは、特定の方法で、リンク構築を行う人達を嫌うのである。

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「適切」なリンク構築の方法、「誤った」方法、そして、「不正」な方法が存在する。 リンクは、収益面での利点を得る上で有益であり、競合者をランキングで上回る効果が見込めるものの、大量のリンクを獲得して、検索エンジンのランキングでトップに立つのは、難しい。適切なタイプのリンクを適切な方法で獲得することが、重要である。

リンク構築は筋肉を増やすようなもの

筋肉をつけたいと仮定する。ステロイドを使えば、身体を大きくして、筋肉の量をすぐに増やすことが出来る。あるいは、定期的な運動、ウェイトトレーニング、そして、しっかりと栄養を取ることで、適切に筋肉を増やす手もある。

1つ目の方法は、瞬発的な勢いをもたらし、その後、身体に危害をもたらす。2つ目のアプローチは、時間はかかるものの、長期的に良い体形を維持し、健康面でのメリットも得られる。

リンク構築は、筋肉をつける行為に似ている。正当なリンクを高い価値を持つサイトから、妥当な期間を経て獲得するのは、大変な取り組みだと思うかもしれない。しかし、このリンクが、検索ランキングに与える影響は、劇的であり、長期に渡って継続される。

近道を利用すれば、短期間に大量のリンクを獲得し、SERPで素早く上位に躍り出る効果はあるかもしれないが、急激にランクが落ちる、あるいは、インデックスから追放されてしまう憂き目に遭う可能性がある。

早い段階で、リンク構築界のベン・ジョンソンランス・アームストロングにはならないように心に決めるべきである。最初から、適切にリンク構築に取り組もう — さもなければ、不適切なリンク構築を行ったため、Googleからペナルティーを受けたJ.C. Pennyと同じ轍を踏むことになるだろう。

複雑化したリンク構築

もう一つ大事な要素がある。スポーツのドーピンング検査とは異なり、Googleは、定期的にルールを変更し、そして、新しいルールを加えている。 妥当、そして、ホワイトハット(適切)だと考えられていた手法が、現在はスパム扱いされている(例: ゲスト投稿)。)

過剰に利用され、スパマーに悪用される可能性があるリンク構築の手法に対しては、検索エンジンは、継続的に再評価し、ウェブサイトのランク付けにおいて、特に価値の高いリンクの種類を切り替えている。

要するに、たとえルールの範囲内であったとしても、過去の取り組みが原因で、ランキングを落とす可能性があるのだ。手動ペナルティーを科されなくても、サイトに集めたリンクが、大幅に価値を下げられ、ランキングを落とし — そして、その結果、収益を失ってしまうこともある。

ウェブサイトのSEOを改善したいなら、様々な選択肢と可能性がある中、安全な取り組みに励み、場所に関わらず、必要な時はいつでも、どんなデバイスを使っていても、確実に顧客に見つけて貰える環境を作り出す必要がある。

策略的な投票は不自然

これから、リンクを構築すると仮定する。上位のウェブサイトを分析して、より高いランクを獲得し、Googleの信頼を得るために何が必要なのかを特定する。しかし、自然なリンク構築をGoogleが望んでいることも忘れてはならない。

ここで、考えてもらいたいことがある。外部のコンテンツとページ — ブログの記事、インフォグラフィック、その他のウェブコンテンツ — にリンクを掲載し、自分のサイトに返るリンクを張るのは、自然だろうか?それとも不自然な行為に該当するだろうか?

次に、反対に、検索エンジンの構築、あるいは、何らかの投票プロセスの設定(選挙キャンペーン等)を自分で行う状況を想像してもらいたい。立場上、ユーザーに信頼のおける、品質の高い情報を裏付けるアルゴリズムを作るために、努力するのではないだろうか?また、重複する偽の票を投じたり、自分自身に票を投じたりして、このプロセスを操作しないように監視するのではないだろうか?

このような票がカウントされないように、全力を尽くすはずだ。あるいは、不可能(違法)にすることも検討するのではないだろうか?投票システムが安全であり、結果が信頼に値することを裏付ける方法を見つける取り組みが、何よりも重要であり、関心が高い。

これは、まさにGoogleが、実現に向けて — 四六時中 — 努力している取り組みである。

コンテンツマーケティングとゲスト投稿: 今後の効果

現在、数あるリンク構築の手法の中で、特に人気が高いのが、コンテンツマーケティグとゲスト投稿だ。まずは、一歩下がり、詳しく検証していこう。

このような手法は、自分自身に票を投じていることにはならないのだろうか?

Googleが進化の過程で、自己リンク構築のメリットを取り除く — 最悪の場合、「不正」行為として、罰を与えることは、常識なのではないだろうか?

リンクのためだけにゲスト投稿を行っているなら、その戦略を考え直した方が良い。役に立つため、問題を解決するため、ニーズを満たすため、もしくは、圧倒的な価値を提供するため、リンクを張りたくなるような質の高いコンテンツを作ると、長期的にさらに有益な効果を得られるだろう。

これは、「闇雲に周りと同じ行動を取り、他の誰かの提案を繰り返していると、SEOの寿命を短くしてしまう」と言う、よくあるケースの一つであり、場合によっては、収益とブランドのイメージを傷つけてしまう可能性がある。

独特なコンテンツを、そして、目立つコンテンツを作ろう。たとえ長時間を要するとしても、適切な取り組みを行うために、時間を割くべきである。このアプローチは、長期的に利益をもたらし、まさに、時代に左右されないSEOとリンク構築の模範と言えるだろう。

勢いを得る、または、「バイラル化」するコンテンツの作成にこだわるべきではない。それよりも、買い手候補を助けるにはどうすればいいのかを真剣に考えてもらいたい。これから投稿する予定のコンテンツから、どのようなメリットを得られるのか、真の価値をどうすれば提供することが出来るのか、良く考えておこう。

良質なコンテンツを作るためには、理想の顧客が何を考えているのか、理解しなければならない。「ユーザーの意図」を正確に特定する必要がある。

  • 問題と願望を特定する。
  • 顧客候補を助ける解決策を考案する。
  • 信頼の置ける、正直な専門家として認識してもらう。
  • 信頼を勝ち取り、製品やサービスを必要とする際、頼りになる人物、または、会社になる。

品質の高いコンテンツ作る取り組みを中心としたSEO戦略を採用すると、ブランドは成長し、自然にユーザーに見てもらえる機会は増えていく。新聞、雑誌、そして、信頼されるブログやウェブサイトになれる確率は高くなる。「トップ 10」リストや「推奨する情報源」のサイトとして取り上げてもらい、より大勢のターゲットのオーディエンスに接触することが可能になる。

「マーケティング」を行うことなく、この成果を得られることが、何よりも嬉しい。良質なコンテンツを作成する上で、次の取り組みが鍵を握る:

  • 解決策を提案する。
  • 有益なコンテンツを提供する。
  • 役に立つ。
  • 信頼を育む。

信頼してもらえなければ、名前を挙げてもらうことも、リンクを張ってもらうことも出来ない。信頼は何よりもまして重要である。リンクを得ることだけが目的なら、中止するべきだ。ウェブサイトのランキングを高めることだけが狙いなら、長期的にランクを維持することは出来ないため、良い戦略とは言い難い。

理想の顧客、そして、関係を構築したいオーディエンスに出会える可能性があるサイトで、記事を投稿するなら、つまり、ゲスト投稿で得られるリンクが、ブランドアウェアネスの改善、知名度の向上、信頼度アップ、リファラートラフィックの増加等のメリットのおまけなら、強力なリンクと考慮されなくなったとしても、ゲスト投稿を行う価値は大いにあると言えるだろう。

薦められないリンク目的のコンテンツ

コンテンツを提供するものの、交換条件としてリンクを要請する場合、自然なリンクに該当するだろうか?

フォーラムの署名からのリンクは、自然なリンクに該当するだろうか?

別の場所で投稿した記事の情報源としてリンクを掲載する場合は、どのように判断されるのだろうか?

プレスリリースはどうだろうか?

独断的な結論を出す必要はないが、このような取り組みが、被リンクの価値を評価しようと試みるGoogle等の検索エンジンが直面する問題を、さらに難しくしていると言う指摘には、納得してもらいたい。

Googleはこの厄介な問題の原因を根絶しなければならない。

この方向性の第一歩として、Google オーサーシップやGoogle+等の取り組みが、検索結果の質の改善に貢献している。自分自身のリンクの価値がなくなり、また、可愛い子猫の写真や笑っている赤ちゃん等の写真を含む無益なリンク(ソーシャルネットワークで勢いを得ることは出来る)が軽視される未来に、Googleが向かっていると仮定しよう。

この未来に残るのが、自然なリンクである。信頼した人が、「マーケティング部門」として送った「票」が、リンクを介して、トラフィックを、そして、リードをもたらす。リンクが「nofollow」かどうかは関係ない。なぜなら、コンテキストが適切だからだ。

そこで、リンクの獲得に走る前に、このポイントをよく考えてもらいたい。

SEOとリンク構築の負の側面shutterstock_160952141-blackhat

分かっていることを挙げていく:

  1. Googleは信頼されている — だからこそ、私達はGoogleを使って、購入する製品、そして、店を決定している。
  2. SERPで上位にランクインすると、適切なトラフィック、そして、売り上げが増える。
  3. 現時点では、会社、そして、ウェブサイトのオーナー側が、ランキングに影響を与えることが出来る(インチキをして、上位に君臨することも可能)。

Googleのガイドラインを違反しても、法律を破ることにはならない。犯罪とは見なされないためだ。イチかバチかのギャンブルと言い換えることも出来る。検索ランキングを操作することで、多額の収益を得られる可能性もある。これが、「ステロイド派」、そして、近道をして、より多くの利益を得る人達を引きつけている要因である。

しかし、Googleの立場になって、考えてもらいたい。製品やサービスを購入する前に、Googleを利用する人は多い。SERPでリストアップされていた結果が、ユーザーの行動に影響を与えるのだ。

Googleは、検索エンジンが、ユーザーの意思決定において、重要な役割を果たしていることを理解している。検索エンジンを調整する優秀なエンジニア達は、特定のキーワードや検索用語のランク付けに影響を与える卑劣な試みを行うことが出来る点を分かっている。Googleのエンジニアは、事業のオーナーが、検索エンジンのランキングを操作する仕組みを監視しており、遅かれ早かれ、スパム丸出しのリンク構築の手法を特定し、価値を引き下げるようになるはずだ。

リンク構築は「悪者」か?

答えは皆さん自身で出してほしい。個人的には、悪者ではないと思うものの、何を求めているかに、左右されるのではないだろうか?

現状では、自己票、そして、自己レビューをGoogleにカウントさせる方法は数多く存在する。このような手法は、ある程度、アルゴリズムを歪め、検索結果の質に悪い影響を与えてしまう。SEO by the Seaを運営するビル・スロースキ氏が、このようなネット版なりすまし対策の問題について、素晴らしい記事を綴っているので、目を通しておこう。

だからこそ、Googleは、常にアルゴリズムの改善に取り組み、問題を掻き消す方法の特定に力を入れているのだ。この変更から、事業、そして、ウェブサイトが、メリットを得るには、SEOとリンク構築のアプローチを今すぐに最適化する必要がある。経験豊かなSEOコンサルトに相談すると、最も効果が高い。

ストック写真はShutterstock.comの許可を得て利用している。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Link Building Fundamentals To Future-Proof Your Online Business」を翻訳した内容です。

中々に読み応えがある、&考えさせられる記事でした。SEO界隈では、コンテンツマーケティングならぬコンテンツSEOという言葉も流行っているようですが、ともすればリンクを集めるため「だけ」のコンテンツをいかに作るかということに注力がおかれたり、とりあえずロングテール狙いで品質問わず大量のコンテンツを作成するケースも見られるようです。後者の場合は、有料リンクスパムが大量コンテンツスパムに変わっただけの気がしなくもありませんが、前者はコンテンツの有益性や品質と、バイラル性のバランスの兼ね合いが求められる所ですね。

最もバイラル力のあるコンテンツの作成もそれなりに発想と実力が求められるものではありますが、ターゲットユーザーやサイトの特性、ビジネスの種類等との関連性なくしては本質的な効果はないのでしょうけど。とはいえ、たまに猫の動画を紹介して多少のリンクを得ることにそれ程の悪があるとは私には思えませんが。。。などと、SEO業者の飲み会のネタになりそうな話題でした。 — SEO Japan

SSLのランキング要素になったことに対するSEO業界の反応

長期出張と休暇が続き、記事更新をご無沙汰してしまい失礼しました。今日からまた真面目に更新していく予定ですのでおつきあいください。さて、最初の記事は私が休暇中に話題となっていた、GoogleがSSL対応のサイトの評価を上げることを正式に発表したという話題から。日本でも様々な意見があるようですが、米国でも多くの議論が巻き起こっているようです。SEO識者がTwitterで発言した様々な意見をサーチエンジンランドが記事にまとめてくれたのでご紹介。 — SEO Japan

https-browser2-ss-1920現在、SEO業界では、Googleの最新のランキングシグナル — 「SSL証明書の利用が、検索ランキングにプラスに働く件」が大きな注目を集めている(因みに、ウェブホスティング業界も騒然としている)。Googleは、今のところ「とても軽いシグナル」だと指摘しているものの、Googleは、全てのウェブサイトのオーナーに、HTTPSへの切り替えを求めているため、時間の経過と共に強くなる可能性はある。 軽いかどうかは別として、検索マーケッター達は、今朝、このニュースにTwitter上で反応していた。以下に、私が気に入ったツイートを幾つか紹介していく。

ライアン・ジョーンズ
@RyanJones
ちなみに、現時点では、SSLに切り換えるよりも、大きなSEOのインパクトをもたらす取り組みは腐るほどある。

 

ビル・スラウスキ
@bill_slawski
SSLに切り換えたところで、サイトの情報は何も変わらない。HTTPSはランキングシグナルとして適切なのだろうか?

 

メリッサ・ファッチ
@SEOAware
命令に従順に従う私達を見て、Googleのスタッツは爆笑しているのではないだろうか?また、無理難題を突き付けてくるはずだ。

 

ベン・ホール
@Ben_Hall
Googleはドメインレジストラを作り、SEOに対して高額なSSLの利用を促し、そして、SSLを売り始めるかもしれない…。

 

サイラス・シェパード
@CyrusShepard
いい加減なGoogleオーサーシップの写真ではなく、SSLに投資しておくべきだった。

 

ジェニファー・スレッグ
@jenstar
「弊社のSSL証明書を使ってGoogleの検索ランキングを上げましょう」と謳う安全証明書の広告が、間もなく登場すると思う。

 

ローレン・ベイカー@lorenbaker
SSL証明書の業界に携わっていないことを、今日ほど悔やんだ日はない。

 

クリス・ギルクリスト
@hitreach
6月-9月のSSL証明書の売り上げは、恐ろしい勢いで増える気がする。

 

ダン・シルバー
@Dan_Silber
今日から新しいSEOサービスを提供します!それはSSLの導入です。有名なウェブホスト会社でSSLの導入に5年間携わった経験があります。これで確実に上位にランクインすることが可能です!

 

ジョン・ヘンショー
@RavenJon
SSL万歳!

レイ・ホフマン
@sugarrae
@RavenJon GoogleがSSLを奨励するなら、サイトを「動かした」と考慮されることなく、サイトを切り換えられるようにしてもらいたい。

 

バリー・シュワルツ
@rustybrick
SSLのサイトのランキングをGoogleが贔屓することに、何かネガティブ/デメリットはあるのだろうか?

デレク・エドモンド
@DerekEdmond
@rustybrick 小さな会社の経費が増えるだけだ。また、Eコマースサイトを運営している人を除き、SSLが何を必要としているのか、ほとんどの人が理解していない。

 

インゴ・ボウサ
@supaswag
Google様へ たった今SSLを導入しましたが、まだ「cheap plumber in Shfeffield」で1位を獲得していません。一体、これはどういうことでしょうか?

 

HTTPSと、もう一度言ってみろ
アレイダ・ソリス
@aleyda
そろそろ、やめてもらえませんか?ヨロシク:) RT @dejanseo #https

了解した。そろそろお開きにしよう。いや、もう1点だけ紹介させて欲しい。

マイケル・グレイ
@graywolf
$ssl_start = “Aug 2014″) {$seo_flag = true};

 


この記事は、Search Engine Landに掲載された「SEO Industry Tweets Its Reactions To Google’s SSL Ranking Boost」を翻訳した内容です。

どちらかといえば、というか全体的に否定的な意見が多いですね。お金の勝負になりかねませんし、運用者の負荷を無駄に増やすだけの気もしますが。意図的なリンクSEOの費用負荷を増やすメリットはあるかもですが、総合的に考えるとどうなのでしょう。もちろん、ランキング決定要素の1つにしかすぎませんし、そこまで気にする必要がないといえばないかもしれませんが、SEO激戦区では仮にどこかのサイトが SSL全面採用で順位が高い場合、他の競合大手が仕方なくSSL採用を行わざるえない、というようなケースも発生してくるかもしれません。そう考えると検索エンジンの影響力って怖いですね。。。しかし誰かのツイートにもありますが、今後はSSLの販売トークで「SEOに効果的!」なんて言葉が踊るのでしょうか。 — SEO Japan

Yahoo、Googleと協働してエンドツーエンドのメール暗号化実現へ

YahooはGoogleと協働して、電子メールにてエンドツーエンドの暗号化を実現する予定であるとのことだ。政府やハッカーたちによる覗き見の危険性を気にすることなく、プライベートな通信が行えるようになる。このアナウンスはBlack Hatセキュリティカンファレンスの壇上で行われたものだ。

Yahooの情報セキュリティ部門チーフのAlex Stamosによると、Yahooは今年末あたりにも、暗号化の仕組みに用いるソースコードを公開したいとのこと。曰く「Googleとも密接に連携しながら、双方のエンドツーエンドの暗号化に互換性をもたせるべく作業を続けているところです」とのことだ。

Googleも6月にメールにおけるエンドツーエンドの暗号化を構築中である旨をアナウンスしていた。このYahoo-Googleの共同歩調が他のプロバイダにも波及して欲しいところだ。メジャーなメールサービスが相互に流通するメッセージを暗号化してやりとりするようになれば、利用者はより多くの利用者がセキュアな環境を利用できるようになる。

もちろんこうした動きはスノーデンによる情報収集活動についての暴露に端を発するものだ。以来、情報をよりセキュアなものとするための動きがあちこちで繰り広げられている。YahooおよびGoogleの両者は、NSAがデータセンター間の通信ケーブルの情報を傍受していることを明らかにしてから、データセンター間の通信の機密性を強化する旨をアナウンスしていた。

ネットワーク上では、一般の利用者でも簡単に用いることのできる暗号化技法が必要とされている。Yahooもそうしたニーズに真摯に応対しようとしているわけだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


企業や個人のモバイル上のビデオ制作を助けるDirectrをGoogleが買収、YouTubeの機能増強か

Directrは、2012年のローンチ以来、本誌何度か取り上げてきたが、ついにGoogleが買い物カゴに入れてしまった。

今や、超短編ビデオの時代である。しかしDirectrで一般ユーザや企業が撮るビデオは、Vineのやつほどは短くない。それらは、広告(コマーシャル)やプロモーションビデオ、家族の休日を撮る、などなどに使われるビデオだ。

Googleの買収価額などは公表されていないが、いくつかの情報を寄せ集めてみると、比較的小規模な買収(ないし人材取得)だったようだ。Directrのプロダクトはその名のままで無料化されて存続し、チームの全員はYouTubeの広告部門へ行く。

Directrのやり方は巧妙だった。なるべく良いビデオを撮りたいというユーザの気持ちに応えて、シーンの撮り方を示唆するテンプレート(ないし“ストーリーボード”)を提供した。ユーザがそこに自分のクリップを入れていくとDirectrがそれらをまとめて音楽を付け、FacebookやTwitterなどでそのまま共有できるようにしてくれる。

Directrには個人用と企業用があり、前者は旅行や家族ビデオなどの共有が中心だが、後者は、製品の説明やデモのためのビデオの撮り方を企業に教える。個人用は無料だが、完成したビデオのダウンロードは99セント、企業用は、ユーザが必要とする機能に応じて、年会費250から500ドルだ。

Directrはこれまで、約170万ドルを調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、ニュースサイト運営者が自己情報を管理できるダッシュボードを公開

ヨーロッパのニュースサイトのパブリッシャーがなにかと喧嘩腰なのとは違って、アメリカのパブリッシャーはGoogleニュースに取り上げられることを歓迎している。 今日(米国時間8/4)、GoogleがスタートさせたGoogle News Publisher CenterはGoogleのクローラーがニュースサイトをインデクシングする方法をパブリッシャーがある程度コントロールできるようにするダッシュボードだ。

これまで、パブリッシャーはGoogleのクローラーがサイトの構造を適切に把握してくれるよう祈るしかなかった(sitemapsを使えば多少の影響を及ぼすことはできたが)。今日からパブリッシャーはPublisher Centerを利用して、たとえば、サイトの各セクションに「政治、テクノロジー、旅行」のようにカテゴリーを付与することができるようになった。Google自身もニュースの分類が容易になり、また選挙や大きなスポーツ試合など、特別のイベントが起きていることをいち早く知る手がかりにもなる。

「Publisher CenterはあなたのサイトがGoogleニュースに掲載される場合、そのニュースソース情報を定義するツールです。サイト情報を正確かつ最新のものに保っておくことはGoogleニュースの読者、パブリッシャー双方の利益になります」と サービスのFAQに書かれている。

パブリッシャーはPublisher Centerを利用してサイト名や種類(ブログ、風刺、意見)などサイトの基本的な情報をアップデートできる。

これまでGoogleのクローラーがこうしたアップデート情報を正しく取得してくれなかった場合、サイトのパブリッシャー側でその間違いを訂正する手段はほとんどゼロだった―Googleというのは懇意な担当者に電話して訂正を依頼できるような相手ではない。今回のアップデートでパブリッシャーは自分たちのサイトの記事のGoogleニュースへの取り上げられ方をいくぶなりとコントロールできるようになった。

当面、Publisher Centerはアメリカを本拠にするサイトが対象だが、Googleでは近く他地域にも拡張するとしている。また機能もおいおい拡充されていくという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google+の「写真」が単体サービスになるかもしれない

どうやらGoogleにも、あの意図的な別れの時期が来たようだ。まず、Hangoutが先週Google+から離れる第一歩を踏みだし、そして今日(米国時間8/3)、Bloombergの記事は、同社が写真機能をGoogle+から分離する計画を持っていると報じた。この噂は以前から出回っていたので、もしGoogleが今をその時期だと判断したとしても、大きな驚きではない。

おそらく写真は、Google+にとって最高の機能であり、元々画像中心だった同サイトは、2年前にGoogleがNik Softwareを買収して以来さらにその傾向を強くした。Googleは、その巨大なデータセンターを駆使して、ユーザーの画像を自動的に最適化し、パノラマ写真を合成し、GIFを作り、さらにはあなたの旅行にまつわる「ストーリー」を自動作成までする。多くの意味で、Google+の写真機能は、現代ウェブベース写真ストレージサイトのあるべき姿を正確に表している。

「ここわが社の暗室では、人々がスナップ写真を撮り、シェアし、あるいはチーズと言う新しい方法の開発を続けている」と、Googleは、Bloombergの質問に答えて言った。

写真が、今後もGoogle+と深く統合され続ける可能性もある ― Bloombergの記事も指摘している。しかしGoolge+が大成功ではない(私が間違っている理由や、どれほどあなたがGoogle+を愛しているかは、遠慮なくコメント欄に書いてほしい)ことを踏まえると、写真をはじめとする機能は、本来得られるべき巨大な利用者にリーチできていない。

そもそもGoogle+で定期的にアップデートされている機能は、写真とHangoutsくらいであり、同社が真剣に取り組んでいるサービスはこの2つであるという印象を受ける。Google+自身は、これまでこれら2つのサービスの陰に隠れてきたので、今こそ写真がGoogle+の陰から踏み出す絶好のチャンスかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


GoogleのビデオミーティングHangoutsをGoogleアカウント全般に開放、Google+会員の縛りなく誰でも出入りできるツールに

【抄訳】

Google+について実はあまりよく知らない人が多いようだけど、グレートなプロダクトが少なくとも二つある。ビデオミーティングのHangoutsと、Google+ Photosだ。PhotosはGoogle+というソーシャルネットワークの一部のようなものだけど、成長著しいHangoutsは今日(米国時間7/30)ついに、Google+離れをすることになった。

アップデート: Googleの最新のブログ記事によると、Googleのアカウントのある者は誰でもHangoutsを利用できるが、Google+のプロフィールは必要だ。ちょっと前のブログ記事では、“Google Appsのアカウントのある者”となっていた。

これまでは、Google AppsのユーザでGoogle+のアカウントのある者がHangoutsを利用できた。これからはその要件がなくなり、Googleのアカウントのある者なら誰もが、自分のデスクトップや、専用のChromebox for Meetingsデバイスからミーティングに参加できる。モバイルはまだだけど、Googleによると、それももうすぐだそうだ。Googleのアカウントで使えるHangoutsのアプリは、ScreenshareとChatだが、チャットをブロードキャストするHangouts on Airは使えない。

Google AppsのユーザはこれまでもHangoutsを単独で使えたが、今回の措置はその待遇を、“Googleのアカウントのある者全員”に広げたことになる。それは、Googleによると、ビデオによるコミュニケーションを万人のものにするためだ。

【中略】

Googleは複数の企業とパートナーして、彼らのシステムからもHangoutsにアクセスできるようにしている。たとえばBlue Jeans Networksは、同社の本来のH.323やSIPベースのビデオ会議システムからHangoutsのビデオミーティングに加われる。InterCallでは、そのオーディオによる会議からHangoutsに入れる。Chromebox for Meetingsのユーザは、スマートフォンでオーディオによる会議をしている者を、簡単にHangoutsに加えることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleやAmazonも参入、熾烈を極める米国の即日配達ビジネス、日本の可能性は?

編集部注:この原稿は内藤聡氏(@satoruitter)による寄稿である。内藤氏はEast Venturesアソシエートで、海外のテクノロジー情報を発信するブログ「シリコンバレーによろしく」を書くテクノロジー・ブロガーだ。

昨今、ベイエリア(サンフランシスコからシリコンバレーを含む一帯)ではオンデマンド系のプロダクトを目にする機会が増えてきました。オンデマンド系のプロダクトとは、消費者が必要なモノやサービスを必要な分だけ即座に購入・利用できるといった形式のビジネスで、P2Pの低価格タクシー配車サービスのuberXや、家事代行サービスのHomejoyなどが代表的な例です。また、消費者のみならず、労働者(サービス提供側)も必要な時に必要な分だけ働けるということが、この分野をオンデマンドと呼ぶ所以になっています。

そんなオンデマンド系ビジネスの中でも、とりわけオンデマンドECの分野が注目を集めており、InstacartやPostmates、SpoonRocketなどのスタートアップからGoogle、eBay、Amazonといった大手企業までがこの分野に進出しています。

今回は、米国におけるオンデマンドEC分野の主要プロダクトを紹介した後に、この分野の今後と、日本での可能性について言及していきたいと思います。

オンデマンドECとは?

オンデマンドECとは、注文された商品を最短で1時間以内(フード系であれば数十分以内)、遅くとも当日に配達するといったビジネスを指します。食品、日用品、料理のデリバリーなどが主要な分野です。

ベイエリアでオンデマンドECが台頭した背景

ベイエリアでこの分野のプロダクトが台頭してきた背景として、ベイエリアの不便な消費環境とスマートフォンの普及の2点が考えられます。

まず、ベイエリアの消費環境ですが、日本の都市部のように徒歩圏内にコンビニやスーパーが存在しないので、日々の買い物がとても億劫に感じます。食品や日用品は大量に買い貯めすることが主な消費習慣で、必要に応じてコンビニでちょこっと何かを購入するといったことができません。また、日用品をAmazonなどで購入する際も、日本のように物流インフラが整っていないため、通常配達で数週間、Amazonプライムでさえ在庫の場所によっては到着までに数日かかるのが当たり前です。

食事に関しても、日本の都市部のように少し歩けば美味しい飲食店が見つかるといった地理的環境ではないため、外食ひとつをとってもそれなりの移動を必要とします。それゆえ、自宅にいながらデリバリーを利用して食事を取る、いわゆる中食のスタイルが日本以上に好まれているように感じます。上記のような環境的な不便さを解決するための手段として、現在オンデマンドECが多くの人に受け入れられつつあるのです。

次に、スマートフォンの普及がオンデマンドECの台頭要因になったという点です。ユーザーがモバイルを通じて時間と場所を問わず商品を閲覧・注文できるようになったことや、配送状況をリアルタイムでトラッキングできることなど消費者視点の利便性向上はもちろんありますが、それ以上に労働者側の人間が1人1台モバイルを持つようになった時代背景が大きな要因であると考えます。

オンデマンド系のサービスは、配達を仕事とするパートタイムのスタッフが好きな時間に必要な分だけ働くといった仕組みが主流です。そして、彼らはタイムカードを切る代わりに、専用のアプリを立ち上げることで仕事を開始します。このように、彼らがスマートフォン経由で注文を受け取り、商品を配達するというサービスを提供できるのは、多くの働き手がスマートフォンを所有している今の時代だから機能しているのだと考えます。上記のような端末の普及がオンデマンド系のプロダクトの提供を可能にした大きな要因と言えるでしょう。

オンデマンドECの主要分野は食品、日用品、料理

続いて、オンデマンドECの分野における主要プロダクトを紹介していきます。なお、オンデマンド系のサービスは、自分で在庫を持つ形式(リテイラー型)と、在庫を持たず自前のスタッフが商品を配達する形式(ロジスティック型)がありますが、ここでは一括りでオンデマンドECとします。

Instacart

Instacartは、食品の分野に特化したオンデマンドECです。注文が入ると、Shoppersと呼ばれるパートタイムのスタッフがSafewayやWhole Foodなどのスーパーに出向いて商品を購入・配達してくれるというもの。最短1時間以内で配達してくれる上に時間指定もできるため、主婦を中心に人気を集めているアプリです。1時間以内の配達だと送料が$5.99(約600円)、2時間以上であれば$3.99(約400円)といった価格設定。年間$99(約1万円)のInstacart Expressに加入することで$35(約3500円)以上の買い物の送料が無料になります。Instacartは通常の料金より30%程度水増しして販売し利益を上げているという意見もありますが、現在は店頭価格と同様の価格の商品を見かけることが多く、各リテイラーから売上に応じてコミッションを取る形式に変更したのかもしれません。

Postmates

Postmatesは、近所のレストランやスーパーの商品を何でも最短で1時間以内に配達してくれるデリバリーサービスです。他のプロダクトと違い24時間利用できます。Postmates側がレストランのメニューやスーパーの商品等の情報を収集しており、ユーザーはその中から欲しい商品を選ぶだけで注文を完了させることができます。欲しい商品がPostmates上にない場合は、メモ形式で商品名とその説明を文章で記入し注文することが可能。商品はPostmateというメッセンジャーバイクに乗ったスタッフが配達します。料金は1回につき$5(約500円)の基本料に加え、購入額の9%と移動距離から計算された追加手数料がかかります。

WunWun

WunWunは、どんな商品でも基本的に無料で配達してくれるデリバリーサービスです。現在はマンハッタンとブルックリンでのみサービスを提供しています。注文を受付ける最低購入金額は$10(約1000円)。ビジネスモデルは、商品を購入したリテイラーや、その商品のメーカーにコミッションフィーを請求するといったもの。

Google Shopping ExpresseBay Now

Google Shopping ExpressとeBay Nowは、電化製品やアパレルなどの商品を最短で1時間以内に配達してくれるオンデマンドECです。Instacartが食品に特化しているのに対して、GoogleとeBayは、Best Buy(家電)やOffice Depot(オフィス用品)、Walgreen(ドラッグストア)、Uben Outfitters(アパレル)などで販売されている日用品を取り扱っています。Googleは1回の配達につき$4.99(約500円)で最低購入金額は要求しない一方、eBayは1回の配送料は$5(約500円)で、$25(約2500円)から注文を受け付けています。

AmazonFresh

AmazonFreshは、食品のデリバリーサービスです。大手で唯一、生鮮食品・加工食品の分野をカバーしています。年間$299(約3万円)のAmazonFresh会員に加入することで、無料で商品を即日配達してくれるといったもの。最低購入額が$35(約3500円)に設定されていますが、本やDVDといったAmazonで販売している通常の商品も合計額に加算できる仕組みになっており、食品以外の商品も抱き合わせて購入させたい狙いが伺えます。今後は、ローカルのレストランや食品小売店(パンや惣菜等)の商品の販売をマーケットプレイス形式で拡大させていくようです。

CaviaZestyDoorDash

オンデマンド系ECの分野で、特に注目されているのがフードデリバリーです。各プレイヤーが各々の基準でレストランをキュレーションし、その店舗のメニューを宅配するといったもの。Caviaは地元の人気レストラン、Zestyは健康志向のメニューを提供しています。また、多くのサービスがサンフランシスコ(ベイエリア北部)で提供されている一方で、DoorDashはサンノゼやパロアルトといったサウスベイ(ベイエリア南部)に特化しており、地理的に差別化を図っているようです。

SpoonRocketSprigMunchery

キュレーション型のものとは別に、自前でシェフを雇う、もしくはシェフと提携して料理を提供するプレイヤーも存在します。SpoonRocketは、日本のbento.jpのようなサービスで、自前で製造した料理を注文から最短15分以内で配達するといったサービスをランチの時間限定で提供しています。料理の選択肢は4つしかなく(内容は毎日変更)、価格は送料込みで一律$8(約800円)。Sprigも同様に、食材にこだわった料理を注文から最短で20分以内に届けるサービスをランチとディナーの時間に提供しています。またMuncheryは、一流シェフの料理を自宅で楽しめるというコンセプトのもと、有名シェフと提携して$10(約1000円)前後の料理を調理・配達しています。『俺のフレンチ・レストラン』のデリバリー版と説明すると分かりやすいかもしれません。

オンデマンドECの今後と日本での可能性

上記のように、現在では食品、日用品、料理といったジャンルを中心に数々のプレイヤーがオンデマンドECの分野でサービスを提供しています。そして今後も、主に以下の3つの形式でスタートアップが新たにこの分野に参入する余地があると考えています。

1つ目は、提供する商品を特定の分野に絞ることで品揃えの幅を広げ、ユーザー体験を向上させる形式。アルコールの販売に特化したMinibarDrizlyが良い例です。

2つ目は、同業者がまだカバーしていない地域でいち早くサービスを開始し市場を獲得する形式。サービスの提供地域をサウスベイに絞っているDoorDashや、シアトルに特化しているPeachなどが良い例です。

3つ目は、購入方法に差別的要素を加えるといった形式。例えば、深夜帯の配達に特化したものや、共同購入を可能にさせるスタートアップが出てくるかもしれません。

一方、日本でオンデマンドEC系のビジネスがスケールするのかといった点も気になるところです。先述したように、日用品や食事を購入するのが億劫な米国ベイエリアとは違い、日本ではコンビニやスーパー、レストランが充実しており、いつでも徒歩圏内で必要な食品や日用品、おいしい食事を手に入れることができるため、この手のサービスにおいて、日本に米国ほど強い需要はないかもしれません。

しかし、既存のコンビニやスーパー、一部のレストランがデリバリーのサービスを提供していることから分かるように、買い物に行く時間や労力を節約したいビジネスパーソンや高齢者、主婦などが一定数存在するのも事実です。コンビニや近所のレストラン、またネットスーパーとは異なった形のユーザー体験を提供することができれば、日本でも評価額$1B(1000億円)には届かなくとも数百億円規模のビジネスになる可能性は十分にあると思います。Muncheryのように、行列のできるレストランの料理をハイエンド向けに提供するフードデリバリーや、人口密度の高い日本の都市部では、配達よりもテイクアウトに特化した事前注文型のECなどに需要がありそうです。

日米問わず、今後もオンデマンドECの分野から目が離せません。


Google翻訳、クラウドソーシングを活用して翻訳精度の向上を目指す

メジャーな言語について、Google Translateは徐々に(相対的な意味でだが)良い翻訳成果を提供できるようになりつつある。もちろん完璧というには程遠く、Googleも現状に満足しているわけではない。そのような中、利用者の協力に基づいて翻訳精度を高めるために、新たなTranslate Comuunityの設立がアナウンスされた。

Google Translate Communityには誰でも参加することができ、2ヵ国語以上に精通している人々に、翻訳語を入力してもらったり、あるいは既存訳語の修正をしてもらうことを目的としている。Googleによれば訳語の比較検討も行えるようになるらしいが、少なくとも当方ではその機能をまだ確認できていない。

Translate Communityにてメンバーが入力した翻訳はGogole翻訳のアルゴリズムに影響を及ぼすことになっているはずだ。「あなたの助力が多くの人の助けとなります」というようなことも記されている。「頂いた修正案などを使って、翻訳精度を高めていきたいと考えています」とも書いてある。

今のところ、表示されるフレーズに対する訳語を入力しても、何の反応も見られない。ただ単にデータがデータセンターに送られるだけだ。しかしそのうちに、こうした入力作業が具体的にどのような影響を与えるのかということも知覚できる仕組みになるらしい。

尚Googleは、コミュニティ以外の場所でも翻訳精度改善に向けての動きを見せている。Google Translateでの翻訳結果をみて、おかしなところを見つけたらそれを修正投稿する機能ができたのだ。これまでも翻訳の精度を評価する仕組みは提供してきていたが、新たに具体的な修正案を投稿できるようにもなったわけだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google DocsがMicrosoft Wordの変更記録機能をサジェスト編集でサポート、Wordとの互換性がアップ

Googleは今月初めに行ったデベロッパカンファレンスGoogle I/Oで、同社の生産性アプリケーションのスイート…DocsとSheetsとSlides…の大型アップデートを発表した。そのときのメインフィーチャはQuickOfficeの統合で、これによりMicrosoft Officeのドキュメントをオンラインで容易に編集できるようになった。今日(米国時間7/25)Googleは、それらのアップデートの一部をブログ記事で再び紹介するとともに、WordからDocsへの移行をなお一層容易にする新たな仕組みを、Google Docsに導入した。

複数の人たちとOfficeのファイルを扱う機会の多い方は、それの、変化を記録する機能をよくご存知だろう。しかしこれまのGoogle Docsは、この機能が完全でなかった。この前Googleは編集内容をサジェストする(提案する)機能を発表したが、今日からは、Microsoft Word上で記録されている変更をサジェストに変換できるようになった。

これは一見するとマイナーなアップデートに見えるかもしれないが、日常の仕事で文書を編集するときには、変更記録機能をたよりにしつつ仕事をすることが多い。Googleにも独自のそれがあることはあるが、Word的に編集履歴を記録できないので、Docsは使えないと判断する企業が多かった。しかしこれからは、それらがサジェストに含まれることにより、それらをめぐる同僚とのコミュニケーションや共有が、簡単にできるようになった。

サジェスト編集機能をonにするには、メニューバーの[View]メニューから[Mode]サブメニューへ行って[Suggesting]をセレクトする。すると、その後の編集はすべてサジェスト編集になる。”can comment”(コメントできる)でドキュメントにアクセスしている人も これからはサジェストができ、そして”can edit”(編集できる)の人はそれを受け入れたり拒絶したりできる。

これまでGoogleがDriveに対して行ったアップデートを詳しく知りたい人は、ここを訪ねてみよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


営業やドライバーなど外回り要員を地図上で管理/コミュニケできるGoogle Maps CoordinatesがMaps Engine Proのデフォルト機能に

昨年Googleが立ち上げたサービスMaps Engine Proは、それを使って企業が地図上に重要なデータや情報を視覚化できる。これまでは地図を作るだけだったこのサービスに今日から、地図上のデータを管理できるMaps Coordinateというツールが加わる。Maps Engine Proの、1ユーザあたり月額5ドルという料金は、据え置かれる。またこれは、AndroidアプリのMaps Engineでも利用できる。

Maps Coordinateツールを利用すると企業は、営業、修理サービス、配達ドライバーなど外回り要員の現在位置を管理者が知ることができる。各要員のスマホ上ではMaps CoordinateのiOSやAndroidアプリが動き、管理者や配車係などはWebサービスを利用する。このツールはこれまで単独でユーザ一人あたり月額24ドル(年契約なら20ドル)の料金だったが、今回Maps Engine Proに含まれたことによって、別料金は発生しなくなる。

会社でWebサービスの画面を見ている管理者は、各要員のスマホ上のアプリを介して新たな指示を出したり、情報を得たりできる。得られる情報は、現在の仕事の進捗状況などのほかに、顧客のコンタクト情報など、さまざまだ。

2012年の立ち上げ時に、Google MapsのCoordinate担当チームにいろいろ話を聞いたことがある。そのとき、プロダクトマネージャのDan Chuは、Coordinateを、いろんなことが自由にできるツールにしたい、と言った。それは、大企業でも使えるし、外回りが数人しかいない小企業でも利用できるツール、という意味でもあった。

Maps Engine ProからCoordinateを使えるこれからは、たとえば、ビル管理会社はGoogle Maps上にビルの内部を視覚化し、Coordinateを使って作業員に的確な指示を出せる。たとえばユーザからメンテナンスの要請があれば、その現場にいちばん近い作業員を迅速に送り込めるだろう。

Googleによると、今のMaps Coordinateはローンチ時に比べて多くの点で変わっている。しかしこれまでで最大の‘事件’は、2013年1月のiOSアプリのリリースだ。Maps Engineサービスに含まれたことを契機に、さらにいくつかのアップデートを行いたい、とチームは言っている。

Maps Coordinateのユーザデータはないが、Maps Engine Proに含まれて安く使えることになったこれからは、関心を持つ企業も増えると思われる。Googleが過去に紹介したユーザの中には、オーストラリアのArchitectural Windows & Doorsや、プロフットボールチームSan Francisco 49ersなどがいる。

なお、これまではユーザをGoogle Appsのアカウント保有者に限定していたMaps Coordinateだが、これからはGoogleの通常のアカウントから利用できるから、対象となる外回り要員を簡単に増やせる。

〔ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。〕


 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ChromeのAndroid版ベータは早くもマテリアル・デザインを採用、 シングルサインインでGmail、マップなどが使える

Googleの新しいMaterial Designは大いに可能性があると思う。次世代のAndroid Lでの全面的な採用に先立って、今日(米国時間7/24)、Googleはいち早くAndroid向けChromeのベータ版にこの新デザインを採用し、同時に各種Googleサービスへのシングル・サインインなどのいくつかの新機能を追加した。

シングル・サインインは、一度ChromeでGoogleアカウントにログインすれば、その後ずっと検索、Gmail、マップなどをログイン状態で利用できるのでたいへん便利な機能だ。複数のGoogleアカウントを持っている場合、Chrome内でどのアカウントにも切り替えられる。

GoogleのさまざまなサービスをAndroidから利用する上での手間が大いに軽減されることになったのは良いことだが、同時にChromeでGoogleにサインインした状態でAndroidデバイスを失くせば誰でもGoogleアカウントを自由にできることになる点は注意が必要だ。

もちろんGoogleはセキュリティー強化のためにAndroid Device Managerなどのツールを提供している。全体としてみると、2段階認証を利用している場合は特にそうだが、繰り返し何度もパスワードを入力する手間を考えると、私は多少のリスクの増加は受け入れたいという考えだ。

また新しいマテリアル・デザインによるUIもなかなか見栄えがいい。ホームページはほとんどの飾りが削ぎ落とされてこの上なくシンプルになった。シークレット・モードは最近デスクトップでデザインが変わったが新しいAndroid版もそれに似ている。検索ページも大胆な色使いと画面いっぱいのエレメントというマテリアル・デザインの特長が生かされている。

Android版hromeのベータ版(安定版とは別個のアプリ)は一般公開されており誰でもダウンロードできる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+