「SEOを最適化」、Oはoptimizationの略なんだから、SEO対策に負けじと文法的におかしい!それでもSEOのプロか!、なんてつっこみが入りそうですが、いえ、SEOという行為自体を最適化するという意味の内容です。Googleが長年かけて行ってきた検索結果の気づいてみれば大幅な改変、そこには既存ユーザーの離脱を防ぎつつ、結果をさらに改善するためのありとあらゆる技が詰め込まれているわけです。そんなGoogleにSEOのあるべき姿も学んでみよう、さらにはそこから見える最新のSEOシグナルも考えてみた新しいアプローチの記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan
グーグル UKの常務取締役、ダン・コブリー氏は、先日、2007年に行われ、不評を買った、Gメール内の広告リンクに関連する「50 Shades of Blue」(50点の青の色調)実験が、年間で2億ドルの収益の増加をもたらしたことを明らかにしていた。この結果により、デザイン主導の決定から、データ主導の決定へと方針が転換され、グーグルのデザインを牽引していたダグ・バウマン氏が、フラストレーションを抱えて辞任したエピソードは有名である。
10本の青いリンクが、検索エンジンの結果ページ(SERP)に掲載されていた時代から、検索のプロは、数えきれないぐらい多くのUIの実験を観察しては、報告し、一方で、検索エンジンは、SERPに様々なモデルを導入してきた。
その結果、ユニバーサル検索、3列、5列、そして、7列のローカルの結果、リッチスニペット、オーサーシップ、ナレッジグラフ、そして、カルーセル等が、SEMの用語集に加えられていった。この変更は、全てA/B(多変数)テストの対象となり、コンバージョンの目標に対して、入念に検査が行われていた。
この方針が、SEOと何の関係があるのだろうか?
グーグルは自然な結果からコンバージョンをどのように計測しているのか?
結果ページの表示に対する全ての変更が、コンバージョンの最適化を基に行われているなら、自然のランキングもまた同じアプローチで報告されていると考えて問題ない。しかし、困ったことに、グーグルが自然の結果から「コンバージョン」を計測するために利用する基準は明らかにされていない。
グーグルが、ユーザーのデータを使ってSERPに影響を与えている具体的な例が初めて明らかになったのは、2009年、マット・カッツ氏によって、グーグルのサイトリンクが、部分的にユーザーの行動に基づいて掲載されていることが、明言された時であった。この情報は、SMX WestのMeijer.comのサイトクリニック講座の最中に、マッツ氏が、同サイトのStore Locator(店舗検索機能)が、主なナビゲーションに埋もれてしまっているものの、「サイトリンクに表れている」ため、人気が高いと指摘した際に、明るみに出たのであった。
MeijerのStore Locatorは、今でもグローバルナビゲーションに埋もれており、事実上、コンテツに欠けているものの、サイトリンク内では、トップの選択肢として表示されている。
アドワーズのキーワードツールを見ると、「meijer locations」は、12位であり、「ad」(2位)、「weekly ad」(8位)、「mperks」(4位)、そして、「phermacy」(6位)と比べて、遥かに順位は低い。ランディングページでこのキーワードを分類したとしても、SERP内のユーザーの行動が、Store Locatorをサイトリンクのトップに押し上げたとは、なかなか想像しにくい。
大きなブランドの救済措置
ユーザーの行動がランキングに影響を与えることが、次に明らかになったのは、初めて大きなブランドの救済措置が判明した、2009年の2月であった — 大きなブランドが、競争の激しいショートテールのクエリで、魔法のように検索結果を占拠し始めたのだ。上位を失ったサイトのオーナーは(リードを生成するサイトが多かった)、突然、被リンクの本数が少ないサイトが、自分のサイトよりも上位にランクインするようになったため、抗議の声を上げた。グーグルは、このアップデートをヴィンスと呼んでいた。しかし、Stuntdubl.comは、「Big Brand Bailout」(大きなブランドの救済措置)と呼び、この名称が定着した。
大勢のエキスパートが、この現象の経緯/理由を推測していた。そんな中、マット・カッツ氏が得意とする、「何も重要なことを明かさずに質問に答える」術を学んでいなかったグーグルのエンジニア、マシュー・トレウェラ氏は、SEOGadget Q&Aセッションで、うっかりと情報を漏らしてしまった:
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自然な結果をテストする際、グーグルは、後続のクエリが少ない結果を見つけるテストを行い、この後続のクエリを「コンバージョンの失敗」と位置づけている。マシュー・トレウェラ氏によると、ヴィンスアップデートは、ユーザーが、「求めている製品や情報を見つけるために検索を行う時間を短縮する」ことを目的としていたようだ。つまり、ユーザーが、2回目の検索を実施すると、グーグルは、初回の検索で適切な結果を提示することに失敗したと見なす。
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ユーザーの後続のクエリの行動に関するデータを使って、初回のクエリに対するSERPを改善し、ユーザーがクリックストリームの中で、後程、意図を示唆したサイトのランキングを上げている。要するに、グーグルは、ユーザーの行動に関するデータを使って、ユーザーの意図を特定し、コンバージョンを改善するために元々のクエリのランキングに影響を与えている。
パンダから学べること
その次に、ユーザーエンゲージメントのデータが、検索結果に影響を与えていることが判明したのは、パンダがきっかけであった。パンダアップデートの多くは、今でも謎に包まれており、このアップデートが初めてリリースされてから、分類子は大幅に進化している。グーグルは、パンダを機械学習アルゴリズムと位置づけているため、手動の介入を必要としないブラックボックスとも言える。
後に、一部のサイトが、質の高いサイトとして、トレーニングのセットに追加されていることが判明し、その結果、回復し、「良質なサイト」として確定してもらう動機が生まれた。 また、勝者と敗者を比較して、ベストプラクティスを分析するのは難しくなった。大半のSEOの関係者は、ユーザーの行動とエンゲージメントは、サイトのパンダスコアにおいて大きな役割を担っていると指摘している。ユーザーが、すぐに検索結果に戻り、次の結果をクリックするなら、あるいは、クエリを絞り込むなら、サイトの品質に対して、良くない兆候だと言えるだろう。
それでは、グーグルのコンバージョンテストは、SEOにとって、どのような意味合いを持つのだろうか?
学んだことを活かす
グーグルの告知は、やる気を起こすこともあれば、明確性に欠けることもある。グーグルが、問題を解決した、または、ある手法の価値を下げたと伝えると、SEO業界は、すぐに例外を指摘して、グーグルの告知を大袈裟、もしくは、不安を煽る試みだと宣言する。数年後、SEOの関係者は、状況を確認し、当該の手法が役に立たないことに気づき、その手法を実践しているサイトは、大きなトラブルを抱えることになる(グーグルに免責してもらえるほど大きな会社は例外)。この発表は、錯覚、そして、誤解を招いてしまう。なぜなら、グーグルは、目標を達成する前に、複数のバージョンを試しているためだ。グーグルの現在地を特定したいなら、1年前のグーグルの取り組みに関する発表を理解すると良いだろう。
18ヶ月前、グーグルは、サーチクオリティチームの名称をナレッジチームに変えたこと、そして、ユーザーを毎回その他のウェブサイトに送り込むのではなく、ユーザーの検索の意図に応じたい旨を述べていた。グーグルは、1年間に500点以上のアルゴリズムのアップデートを実施し、調整、新しいレイアウト、そして、機能を常にテストしていると明言している。
また、機械学習システム、そして、毎日集めている膨大な量のデータに基づいてコネクションを作る能力が進展しているとも示唆している。 どうせなら、ナレッジチームではなく、計測チームと名付けるべきだった。なぜなら、グーグルは、意図を理解するため、そして、ユーザーが求めるバリエーションを提供するため、何もかも計測し、データを集めているためだ。
サイトのオーナーにどのような影響を与えるのだろうか?
マット・カッツ氏は、2013年のSMX Advancedで、ウェブマスター/SEOにとって関心のあるクエリは、全体の15%のみだと述べていた。グーグルが懸念を抱く85%のクエリに、私達は注目していないことになる。クエリの1.5%に影響を与えるアップデートは、どこかの一部のSEO業者が関心を寄せるクエリの10%に、そして、グーグルの上位の「収益につながりやすいワード」の50%に影響を与える可能性がある。
また、グーグルは、変更を展開した後、繰り返し適用する傾向がある。大規模な抗議活動がなかったこと、そして、現状の分析が曖昧であることを考慮すると、ハミングバードがリリースされた際、結果 — 少なくとも、ランキング表で見ることが出来る結果には、大きな変動がなかった、と推測することが出来る。しかし、実際には、グーグルは、パーソナライゼーションにおいて、今後大きな変化を起こすために必要なツールを導入していたのだ。この変化によって、徐々に勝者と敗者の選定が行われていくだろう。
3つ目のシグナル
SEO業界は、今まで、オンサイトとオフサイトのランキングシグナルに焦点を絞ってきた。しかし、3つ目のシグナルを認める時期がやって来た。SERP内のグーグルによるコンバージョンテスト、そして、ユーザーのインタラクションに関するシグナルは、自然なランキングに対して、重要性を増しつつある。この3つ目のシグナルを、オーディエンスエンゲージメントと呼ぶことにする。
幸いにも、この枠組みは、オンサイトの変更に対して、パフォーマンスを改善し、前向きなオーディエンスエンゲージメントのシグナルを作り出すことが出来る大きなチャンスをもたらす。機械学習は、データ主導であり、クリック、シェア、繰り返しの訪問、そして、ブランド検索等のオーディエンスエンゲージメントのシグナルは、計測可能なユーザーのアクションである。そのため、ユーザーに焦点を絞った最適化を受け入れ、(自分で決めたコンバージョンの目標の代わりに)合理的にグーグルのコンバージョンの基準と推測される基準にテストの目標を合わせているウェブサイトのオーナーは、オーディエンスエンゲージメントを改善することが出来る確率は高い。
今年、来年、そして、しばらくの間は、このようにしてSEO戦略を最適化するべきではないだろうか。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Lessons From Google On Optimizing Your SEO」を翻訳した内容です。
確かにGoogleのグロースハック術に学ぶ点は多いな、と感銘を受ける記事でしたし、ユーザーインターアクションが今後のSEOに影響を与える要素であるであろうことは想像がつきますね。しかし一番笑ってしまった&マスターしたいのは
マット・カッツ氏が得意とする、「何も重要なことを明かさずに質問に答える」術
でした ^^)/ — SEO Japan [G+]