iOS 10の登場で、Appleはスマートホーム界にその名を刻むこととなった。サードパーティ製品に対して、Homekitの機能を提供することで下準備を進めていた同社は、シンプルな名前のHomeアプリという形で、ようやくセントラルハブを確立した。Homeアプリを使うことで、ユーザーはスマートデバイスごとのアプリをインストールしなくても、コントロールパネルからデバイスをモニタリングしたり、操作したりできるようになった。
もちろん、同アプリの成功は、全てAppleのハードウェアの普及度合いにかかっている。理想的には、Homeユーザーは2つもしくは3つのデバイスを持っていれば、その機能を最大限利用することができる。まず、自宅にいるときに様々なデバイスをコントロールするためのiPhoneがひとつ、そして、ユーザーの位置に応じてON・OFF切り替えを行う電灯やエアコンのように、ジオフェンシングを利用してスマート家電を操作するデバイスがふたつめにあたる。
その一方で、常に待機状態にあるApple TVがホームハブとして機能することで、ユーザーは家にいなくとも家電を操作することができる。これこそ、スマートホームというコンセプトの最大の売りだ。しかし、家に置いておけるApple TVや予備のiPadを持っていない人についてはどうだろうか?
噂によれば、AmazonがAlexaを利用して実現したように、AppleはSiriをスマートホーム戦略の中心におき、Amazon Echoの対抗馬にあたる、先進的な音声認識テクノロジーを使ったスマートホームハブの開発にあたっているという。TechCrunchのiPhone 7レビューで触れられていた通り、Appleは最近明らかにSiri周りの戦略を強化しようとしており、数年前にNuanceとの協力をやめて社内のチームを拡大し、もっと強固なSiriを開発しようとしている。
このようなデバイスが完成すれば、Appleが長年あたためてきた音声アシスタントの魅力を増大させることができるだけでなく、公の場で自分の携帯電話に話しかけることを気にとめるような、自意識過剰なユーザーをも巻き込むことに寄与するだろう。そして、ユーザーは、メールの読み上げや天気予報のチェックなど、通常のスマートアシスタンス機能はもちろん、スマートホームデバイスまで音声操作できるようになると思われる。
Bloombergによれば、Appleのスマートホームハブプロジェクトは、数年前からスタートしており、ようやくR&Dからプロトタイプの段階へと移ろうとしている。Appleは、Amazonの種々の製品や、同じ名前のGoogle製品との差別化のため、最新のスピーカーやマイクを搭載しようとしているようだ。さらに同社は、顔認識を含む、デバイスとのインタラクションの方法についても色々と試しているようだ。しかし、その他の点も合わせ、現時点では実際の製品がどのようなものになるかは分からない。
また、どうやらAppleは、機能の一部を直接Apple TVの新しいバージョンへ組み込むことも考えているようだ。これにより、昨年販売が開始された、リモコンに音声操作機能を組み込んだモデルがようやく見捨てられることになるかもしれない。
もしも噂が本当で、実際に製品が市場に出れば、Appleにとっては久しぶりの新しい主要製品ラインの誕生となる。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)