モバイルアプリを直接スマホ上で作成できるiOSネイティブ製品デザインツール「Play」

モバイル環境向けのデザインを行う際、従来の方法では、開発者が1つのプログラムでデザインを行い、別のプログラムでプロトタイプを作成し、さらに別のツールでコラボレーションを行うというように、多くのやりとりが必要だった。

新しいスタートアップの「Play」は、自らを「スマートフォンから直接作成、イテレーション、コラボレーションすることを可能にする唯一のiOSネイティブ製品デザインツール」と位置づけている。従来のソフトウェアでは、同じようなことをするために回避策やハックを要求されると、同社の共同設立者で共同CEOのDan LaCivita(ダン・ラチヴィータ)氏は説明する。

「これは、携帯電話を主な入力デバイスとして使用する唯一のデザインツールです」と同氏はTechCrunchに語った。「スマホからデザイン、プロトタイプ、コラボレーションを行うことができ、プロダクトデザイナーが使用しているメディア上で作成中のデザインを体験する方法を提供する唯一のものです。基本的にコーディングをしなくても、Apple(アップル)のサンドボックスで遊ぶことができます」。

ユーザーは、ゼロから作成するか、Figmaなどのツールからデザインをインポートするかを選ぶことができ、ボタン、カード、ビデオプレーヤーなどの一般的なUIコンポーネントには「Play Library」を、完全に機能するページを素早くカスタマイズして作成するには「Page Layouts」を使用する。また、ライブマップ、AR(拡張現実)、カメラ機能など、iOSのネイティブ機能も利用できる。

ラチヴィータ氏は2019年に、Eric Eng(エリック・エン)氏、Joon Park(ジュン・パーク)氏、Michael Ferdman(マイケル・フェルドマン)氏と一緒に会社を立ち上げた。彼らは全員、前身のFirstbornというスタートアップで一緒に働き、ウェブサイトやモバイル製品を作っていた。

「私たちは、すべてのペインポイント(問題点)を身をもって経験しました」 とラチヴィータ氏はいう。「ジュン(・パーク)が『もっと良い方法があるはずだ』と言ったんです。我々は従来のグラフィックデザインソフトウェアをベースにして開発を続けているのだから、別のツールではなく、入力デバイスとして携帯電話のような別のアプローチが必要なんだ、と」。

PlayはApp Storeで公開されているが、現在はプライベートベータ版で、2万5000人以上がウェイティングリストに登録している。今後数カ月から来年にかけてユーザーを追加していく予定だ。今はフリーミアムモデルだが、2022年にはいくつか異なる価格帯を提供する予定とのこと。

米国時間11月1日、同社はFirst Round Capitalが主導し、Oceans Venturesを含む910万ドル(約10億4000万円)の資金調達を発表した。本ラウンドは、2021年初めと2020年のシードラウンドを組み合わせたものだ。

今回の資金調達は、チームの規模拡大と、2週間前に発表したPlay for iPadのような、顧客からの直接の要望による新製品の開発継続のために使用される。また、最近では、ユーザーが互いにコラボレーションするためのTeams機能も発表した。

創業者たちがFirst Round CapitalのTodd Jackson(トッド・ジャクソン)氏と最初に会ったとき、彼らは資金調達を考えていなかったが「意気投合して関係がうまくいった」とラチヴィータ氏はいう。ベンチャーキャピタリストとしてではなく、チームメイトとして協力してくれるパートナーを見つけたのだ。

ジャクソン氏は、Twitter(ツイッター)でPlayを見つけて興味を持ったという。同氏は、Dropbox(ドロップボックス)やFacebook(フェイスブック)で、同じようなユーザビリティの問題を抱えるデザイナーたちと仕事をしていた。

彼は、デスクトップでしか利用できないツールで長い時間を費やしデザインを構築したり、アニメーションを追加したりしていた友人らにPlayを送った。

「スマートフォンでここまでできるとは思いませんでした」と彼はいう。「1つのことをするのに、1つのデザインツールしかないというメンタルモデルで我々はものを考えがちです。よく、モバイル製品のアイデアの多くは、誰かと共有できないために日の目を見ないという話をします。Playがあれば、そのような状況に陥ることはありません」。

画像クレジット:Play

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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)

ツイッター、全iOSユーザーが特定のクリエイターを「スーパーフォロー」できるように

Twitter(ツイッター)は、すべてのiOSユーザーが特定のクリエイターを「Super Follow(スーパーフォロー)」できる機能を世界中で展開中だ。これまでは、米国とカナダのユーザーだけが利用できた。スーパーフォローでは、ユーザーは気に入ったアカウントを月額料金でサブスクし、限定コンテンツを入手できる。


この機能は、2月に発表され、9月に始まった。スーパーフォローは、クリエイターがソーシャルメディアを通じて収入を得るためのもう1つのツールだ。対象となるアカウントは、スーパーフォローのサブスク料を設定することができ、月額2.99ドル(約340円)、4.99ドル(約560円)、9.99ドル(約1100円)のいずれかを選択できる。クリエイターは、一部のツイートを購読者専用にし、購読していないフォロワーには通常のツイートでアプローチを続けることができる。

クリエイターがスーパーフォロワーになるプロセスは、現在は申請ベースとなっている。対象となるのは、米国在住で、1万人のフォロワーを抱え、過去1カ月間に25回以上ツイートしたクリエイターだ。

2021年9月に発表されたSensor Tower(センサータワー)のレポートでは、スーパーフォロー開始2週間で、米国では約6000ドル(約68万円)、カナダでは約600ドル(約6万8000円)ほどの収益しかあがっていないことが明らかになった。スーパーフォローのゆっくりとした立ち上がりについてのTwitterの見解は「何かを判断するにはまだ早すぎる」というものだ。

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注目すべきは、スーパーフォローがTwitterの唯一の収益化機能ではないということだ。

2021年初め、Twitterは、アカウントがフォロワーから1回限りの支払いを受けられるTip Jarを導入した。このテストは現在、クリエイター、ジャーナリスト、専門家、非営利団体など、対象となるアカウントの一部に限定されている。また、Twitterは、ライブオーディオルーム機能にTicketed Spacesを導入し、クリエーターが1〜999ドル(約113円〜11万3800円)の範囲で課金して前売りチケットを販売できるようにした。

画像クレジット:Twitter

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッターが「スペース」の録音機能をiOSで限定提供、近々世界展開へ

Twitter(ツイッター)は2021年9月、Twitterスペースのホストがライブオーディオセッションを録音し、再生できるようにする機能を近く導入すると発表した。当時同社は、この機能を「数カ月」以内にリリースするといっていたが、最近の開発の加速ぶりを踏まえると、米国時間10月28日から最初のバージョンが公開されたのも驚きではない。

当初、Spaces Recording(スペース・レコーディング)オプションは、iOSのTwitterスペースホストの一部に提供される。再生はiOS、Androidの全世界リスナーが利用できる。最初に利用できるのは初期のSpaces Betaに参加していた人たちだとTwitteはいう。その後、数週間をかけて残る全Twitterユーザーに展開されるとのことだ。

新機能を使うために、ホストは自分のスペースにタイトルをつけ、内容を表すタグを最大3つ付けていつものようにライブオーディオルームを作成する。次に、新しい設定項目の「Record Space」をオンにしてから、「Start a Space」ボタンをタップしてライブオーディオセッションを開始する。

スペースが録音されていると、参加者は画面のトップに「Rec」ボタンが赤いドットとともに表示されて録音中であることが示される。

画像クレジット:Twitter

ホストはスペースを終了する準備できたら右上の「End」ボタンをいつものようにタップすると、ポップアップが現れて、スペースの中止と録音の停止の両方を確認する。

終了すると録音されたスペースはTwitter上でシェアすることが可能になり、リスナーは好きな時に再生したりシェアしたりできる。オーディオをエクスポートするオプションはまだないとTechCrunchは聞いている。代わりに、ユーザーが録音を直接アクセスするためには自分のデータのダウンロードを要求しなければならない。

ライブオーディオは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックが起こる中、自宅に閉じ込められたユーザーのために何かを提供してくれることで人気を博した。しかし、新型コロナによる制限が解除され、人々が思い切って行動するようになるにつれ、そのアピールはやや停滞した。例えば人気ライブ・オーディオ・アプリのClubhouse(クラブハウス)は2021年6月にインストール数が減少したが、Android版の公開とともに再浮上した。しかしClubhouseはインドのような一部の新興国市場で、クリエイタープログラムが苦戦している。

画像クレジット:Twitter

最近Clubhouseは機能拡張を行い、非同期リスニング、クリップ、再生、オーディエクスポートなどのオプションを提供して、アプリを単なるライブオーディオネットワークではなく、ポッドキャストのクリエイティングプラットフォームに近いツールにした(実際、なぜAppleがSpotifyのポッドキャスト配信プラットフォーム、Anchorのライバル品をさっさと出さないのか不思議だ)。

Twitterスペースの他のライバルでは、FacebookのライブオーディオルームFireside(ファイアサイド)、Callin(コーリン)などの新しいスタートアップがオーディオ録音をサポートしている。

数多くのライブオーディオプラットフォームが録音機能を有する中、Twitterは追いつく必要があった。

このリリースの前にTwitter Spaceはいくつかのアップデート受けており、先のSpacesのテストでAndroidユーザーは専用スペースタブを手に入れた他、DMの招待を簡単にするアップデートもあった。さらにTwitterは、iOS版のExplore(もっと探す) / Trending(トレンド)タブに人気の高いスペースを表示して見つけやすくした。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

各アプリの機密情報の取り扱い方を教えてくれるアップルのApp Privacy Reportがベータ版に

Apple(アップル)は「App Privacy Report(アプリ・プライバシー・レポート)」のベータ版の提供を開始した。この新機能は、日常的に使用しているアプリがどれくらいの頻度で機密情報へのアクセスを要求しているか、またその情報がどこで共有されているかといった詳細を、iOSユーザーに提供することを目的としている。この機能は、EメールのトラッキングピクセルをブロックするツールやプライベートVPNなど、プライバシーに焦点を当てた改善が行われているなかで、6月に開催されたAppleの世界開発者会議で初めて紹介された。Appleは当時、この新しいレポートには、アプリがユーザーの位置情報、写真、連絡先などのユーザーデータやセンサーにアクセスした際の詳細や、アプリがコンタクトするドメインのリストが含まれると説明していた。


iOS 15のアップデートの一部として発表されたものの、2021年の秋口に新バージョンのiOSが公表された時点では、App Privacy Reportは利用できなかった。このレポートはまだ一般には公開されていないが、iOS 15.2およびiPadOS 15.2のベータ版のリリースにともない、より広範なベータテストが開始された。

新しいレポートは、アプリがどのような機密データを収集し、それがどのように使用されているかを詳細に示す潜在的に誤る可能性があるApp Privacy(アプリプライバシー)ラベルにとどまらないものだ。開発者は、誤って、あるいはエンドユーザーに誤解を与えようとして、ラベルを正確に記入しないことがあり、AppleのApp Reviewチームがそのような記入漏れを常に見つけられるとは限らない。

関連記事:アップルがアプリのプライバシー方針を明らかにするラベルを全App Storeで公開

その代わりに、新しいApp Privacy Reportは、アプリがどのように振る舞っているかについての情報をより直接的に収集する。

ユーザーがデバイスのプライバシー設定で有効にすると、App Privacy Reportは、アプリの過去7日間のアクティビティのリストを作成する。アプリをタップすると、そのアプリが最後にセンシティブなデータやデバイスのセンサー(例えば、マイクや位置情報など)にアクセスした日時などの詳細が表示される。これらの情報は、各アクセスがタイムスタンプとともに記録されたリストで見ることができる。

別のセクション「App Network Activity(アプリ・ネットワーク・アクティビティ)」では、アプリが過去7日間に通信したドメインのリストを見ることができる。このリストには、アプリ自身が機能を提供するために使用したドメインを含んでいるだけではなく、アプリが分析や広告の目的で提携している第三者のトラッカーや分析プロバイダーのドメインも明らかにする。

「Website Network Activity(ウェブサイト・ネットワーク・アクティビティ)」は、同様のリストを提供しているが、ドメインにコンタクトしたウェブサイトに焦点を当てており、その中にはアプリが提供したものも含まれている。また、最もコンタクトのあったドメインを見たり、いつ、どのトラッカーやアナリティクスが使用しているのか、さらにはどのアプリがいつコンタクトしてきたかを確認するために個別のドメインを掘り下げたりもできる。

ベータ版の公開に先立ち、Appleは「Record App Activity(アプリ・アクティビティの記録)」という機能を提供した。これは、App Privacy Reportが利用可能になったときに、ユーザーに表示される内容を開発者がプレビューできるようにするものだ。このオプションは、アプリが予想どおりに動作していることを確認できるJSONファイルが生成する。この機能は、すでにいくつかの興味深い発見をもたらしている。例えば、中国のスーパーアプリWeChatは、新しい写真を見つけるため数時間ごとにユーザーの携帯電話をスキャンしていることがわかった

App Privacy Reportは、ユーザーにとってデータの宝庫となる一方で、開発者にとっては複雑な問題となる可能性がある。開発者は、これらのデータ要求が、アプリの機能を提供するためのもので、プライバシー侵害ではないということを、ユーザーに説明しなければならなくなるかもしれない。例えば、天気予報アプリでは、旅行の準備のために、嵐の情報など、変化する天気パターンに関するプッシュ通知をユーザーが要求した場合、位置情報を定期的に取得する必要がある。

開発者に提示する際、Appleは、このレポートが、アプリが行っていることについて透明性を提供することで、ユーザーと「信頼関係を築く」機会になると述べた。また、開発者自身がインストールを選択したSDKについて、その動作が開発者の要望や期待に沿ったものであることを確認するための、より良い洞察を与えることができるとしている。

Appleは、この新機能がいつベータ版を終了するかについては言及していないが、iOS 15.2が一般公開されたときに出荷される可能性がある。

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

アップル、iOS 15.1でより多くの純正アプリをApp Storeで評価できるように

Apple(アップル)は、独占禁止法の調査を前に規制当局からの圧力が強まる中、今秋、初めて自社のファーストパーティアプリをユーザーが評価・レビューできるようにすることで、ようやくライバル企業と対等な立場に立った。これまでAppleのアプリの中には個別にダウンロードできるものもあったが、それらを評価することはできなかった。そして蓋を開けてみると、結果的にはあまり評価の良くないものもあった。例えば、メール、News、Podcastのように、星3つ以下でスタートしたものもあった。今回、Appleは、電話アプリ、メッセージ、写真、Safariなど、さらにいくつかの純正アプリをApp Storeで評価・レビューできるようにした。

この変更を最初に見つけて報告したのは、特に詐欺アプリの問題に関してApp Storeの改革を推進してきた著名なデベロッパーのKosta Eleftheriou(コスタ・エレフテリウ)氏だった。

Appfiguresのデータを引用して、エレフテリウ氏は、iOS 15.1で多くのAppleアプリが評価・レビューできるようになったことを指摘している。この中には時計、電話、メッセージ、カメラ、写真、ヘルスケア、Safariなどの標準搭載アプリが含まれている。また、ワークアウト、世界時計、探す、心拍数などのApple Watch対応アプリも含まれている(iOS 14.xのユーザーは、これらのアプリを見ることはできても、評価やレビューはできないとのこと)。


この変更により、Appleは現在のようにiOSのアップデートの際だけでなく、標準アプリを個別にアップデートできるようになるかもしれない。これは、Google(グーグル)がAndroidのコア機能の多くで採用している戦術で、後者はPlay Storeに独自のリストを用意している。

Appfiguresが確認したところ、これらのアプリは、iOSのアップデートとは別に、10月25日に独立したリストとして追加されたようだ。現時点で多くのユーザーはこれらのアプリが加えられたことを知らないため、レビュー件数は少ない。例えば電話アプリには、これまでのところ6件の評価しかない。メッセージアプリにも同様にまだ7件の評価しかないが、星4.7という高い評価を得ている(下図参照)。

グラフはこれまでのグローバルな評価を示す(画像クレジット:Appfigures

奇妙なことに、現在4件の評価を受けているSafariは、ウェブブラウザの年齢レーティングが4才以上となっている。ライバルのブラウザであるChromeやFirefoxの年齢レーティングは17才以上だ。

Appleの標準アプリを評価できることを多くのユーザーが知るようになったとき、これらのアプリがどのような評価を受けるのかは興味深いところだ。願わくば、コンシューマーからのフィードバックを受け入れることで、Appleがユーザーの望む内蔵アプリの変更に意欲的に取り組み、バグが発生した場合には早期にアラートを受けることを期待したい。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

フェイスブック第3四半期は売上未達、今後AR/VRの売上は新設部門に

米国の大手ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)であるFacebook(フェイスブック)は米国時間10月25日、取引開始後に第3四半期決算を発表した。売上高は290億ドル(約3兆3000億円)、希薄化後の1株当たり利益は3.22ドル(約366円)だった。Yahoo Financeが収集したデータによると、投資家は売上高295億8000万ドル(約3兆3670億円)、1株当たり利益は3.19ドル(約363円)と予想していた。

Facebookの株価は時間外取引で小幅に上昇しているが、これは売上高が予想をわずかに下回ったことに市場がショックを受けていないことを示している。

このサプライズのなさは、Facebookの報告書が、先に発表されたSnap(スナップ)のダイジェストに続いたためかもしれない。Snapは、第4四半期の業績が市場の予想よりもはるかに控えめなものになるとの見通しを示し、収益の伸び悩みの原因としてApple(アップル)とサプライチェーンの問題を挙げた。これを受けて同社の株価は下落した

Facebookは投資家への書簡の中で、売上高315億〜340億ドル(約3兆5850億〜3兆8700億円)と予想する2021年第4四半期のガイダンスを示した。市場予想はFacebookの数字を上回る348億9000万ドル(約3兆9710億円)だ。

Facebookの予想と市場の期待との間のギャップは、今後想定されることからきているようだ。Facebookは第4四半期のガイダンスに関して決算発表に次のように記している。

AppleのiOS 14の変更による継続的な逆風や、マクロ経済および新型コロナ関連の要因を踏まえ、当社の見通しは第4四半期に直面する大きな不確実性を反映しています。また、2020年の年末商戦でQuest 2の販売が好調だったことから、第4四半期の広告以外の収入は前年同期比で減少すると予想しています。

AppleのモバイルOSにおけるプライバシーの取り扱い方法の変更と、それに関連するダウンストリームの影響、および新型コロナウイルス感染症に起因する問題は懸念されていた。

Facebookはまた投資家向けダイジェストで「Facebook Reality Labs(フェイスブック・リアリティ・ラボ、FRL)を独立した部門として分離する」と報告した。「拡張現実や仮想現実の製品やサービスに多大なリソースを費やしてきた」ことを理由に、2つ目の収益カテゴリーを設ける時期が来たと考えているからだ。

次の四半期から、Facebookは2つの部門を持つことになる。1つは「Family of Apps」というくくりで「Facebook、Instagram、Messenger、WhatsApp、その他のサービス」からの収益を計上する。一方、FRLには「消費者向けハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ関連の拡張現実および仮想現実 」が含まれる。

2つの部門を持つのは構わない。もしかしたら良いことかもしれない。しかし、なぜソーシャルアプリの決算をもっと細かく分類しないのか、とFacebookに問いたい。そうすれば、株主も理解しやすいだろう。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

Snap第3四半期、iOSのプライバシー変更が広告ビジネスに予想以上の打撃を与えたと発表

Snap(スナップ)は米国時間10月21日の収支報告で、第3四半期の収益予想を達成できなかったと述べた。第3四半期の売上高は10億7000万ドル(約1214億円)で、ウォール街が予想していた11億ドル(約1248億円)には届かなかった。

同社のデイリーアクティブユーザー数(DAU)は3億600万人で、第2四半期の2億9300万人から増加した。この成長は急激ではないが、少し前までは完全に存在価値が失われる危険性があったプラットフォームとしては、十分に健全なものといえる。

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Snapchat(スナップチャット)は、Apple(アップル)がiOSのプライバシーに関する大きな変更を行ったことで、ユーザーの行動を自社の枠を超えて追跡しようとするアプリに新たな制限が設けられたことが、収益の減少につながったと考えている。SnapのEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)CEOは、通話の中で、広告主ツールへの影響がいかに破壊的であるかということに気づかなかったと述べている。多くの広告主は、これまで慣れ親しんできた広い視野を失ったことで、ユーザーの行動を計測するための新しい、より抑制された方法に適応しなければならなかった。「それらのツールからは、基本的に何も見えなくなってしまいました」とシュピーゲル氏は語った。

シュピーゲル氏は、Snapのビジネスの落ち込みは一時的なものであるとし、新しい標準に適応するには「時間を要する」と述べ、Appleの広告変更による長期的な影響はまだわからないとしている。また、Snapの業績不振には、より広範なパンデミックの市場トレンドも影響していると述べている。

ユーザープライバシーに大きな恩恵をもたらすiOSの変更に適応しようとしている広告ビジネスは、Snapだけではない。Facebook(フェイスブック)も、Appleの新しいポリシーにより広告をターゲティングする能力が低下したため、第3四半期に大きな影響が出ることが予想されると警告している。

意外なことではないが、SnapやFacebookなどの広告事業者が依存しているクロスプラットフォームのトラッキングについては、選択肢を提示された場合、ほとんどのユーザーがオプトアウトする。Facebookのリーダーとは異なり、シュピーゲル氏は、モバイルOSにより多くのプライバシー機能を追加するというアップルの決定を、その変更がSnapの収益にどのように影響するかにかかわらず、一貫して支持してきた。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがデベロッパー向けイベント「Tech Talks 2021」参加登録を受け付け開始、10月25日〜12月17日開催

アップルがデベロッパー向けイベント「Tech Talks 2021」参加登録を受け付け開始、10月25日〜12月17日開催

Apple(アップル)は10月20日、デベロッパー向けイベント「Tech Talks 2021」参加登録の受付を開始した。開催期間は、10月25日〜12月17日(太平洋時間)。

Tech Talks 2021は、100以上のライブオンラインセッションと、1500以上のオフィスアワーが用意されている。ライブセッションでは、WWDCで発表されたテ最新テクノロジーについての学習や質問が可能。オフィスアワーでは、アップルのテクノロジー・デザイン・コーディングなどについて、オンライン形式でエバンジェリストやテクニカルサポートなどと1対1のやり取り(30分間)が行える。

なおセッションへの登録やオフィスアワーの予約には、Apple Developer ProgramまたはApple Developer Enterprise Programのメンバーである必要がある。

Amazon Music Unlimited会員はヘッドフォンを問わず空間オーディオをストリーミングできるように

Amazon(アマゾン)は、米国時間10月19日からAmazon Music Unlimited会員はAndroidおよびiOSアプリで、現在使用しているヘッドフォンを使って空間オーディオをストリーミングできると発表した。同社は現在、2種類の空間オーディオをサポートしている。ソニーの「Reality Audio」と「Dolby Atmos」だ。

Amazonは2019年に初めて空間オーディオを導入したが、少数のデバイスに限定されていた。今回の拡張により、ユーザーが所有するあらゆるヘッドホンで空間オーディオを楽しめるようになる。

「我々は常に、可能な限り最高品質のオーディオが音楽ストリーミングの標準であるべきだと考えてきました。だからこそ今日、特別な機器を必要とせず、またアップグレードの必要もない空間オーディオを顧客に提供します」と、Amazon Music副社長のSteve Boom(スティーブ・ブーム)氏は声明の中で述べた。

ユーザーは、Echo Studioを含む一部のデバイスで、Alexa Castを使って空間オーディオをストリーミングすることもできる。また、Alexa Castによる360 Reality Audioに対応した機器としては、ソニーのワイヤレススピーカー「SRS-RA5000」や「SRS-RA3000」、ホームシアターシステム「HT-A9」「HT-A7000」「HT-A5000」などが追加された。

加えて「Amazon Music Unlimited」の個人プラン、ファミリープラン、学生プランに加入しているユーザーは、追加料金なしで自動的にHDおよびUltra HDの音楽にアクセスできるようになる。

Amazon Music Unlimited個人プランの料金は、プライム会員が月額7.99ドル(日本では月額税込780円)、Amazonカスタマーが月額9.99ドル(月額税込980円)となっている。ファミリープランでは、月額14.99ドル(月額税込1480円)で最大6台のデバイスにAmazon Music Unlimitedをストリーミングできる。

Apple Musicが6月にiOS向け、7月にAndroid向けに空間オーディオを開始したように、空間オーディオを活用している音楽ストリーミングサービスはAmazon Musicだけではない。Apple MusicやAmazon Musicに対抗するため、Spotify(スポティファイ)は2021年初め、ロスレスオーディオを可能にするハイエンドのサブスクリプションサービス「Spotify HiFi」を展開すると発表した。

空間オーディオを活用しようとしているプラットフォームは、音楽ストリーミングサービスだけではないことも注目に値する。Clubhouse(クラブハウス)は9月、Android向けに空間オーディオを導入した。そしてNetflix(ネットフリックス)はこのほど、iPhoneとiPadのアプリで空間オーディオを提供すると発表した。

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツールAppSheet用教材を11月から提供開始

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツール「AppSheet」用教材を11月から提供開始

子ども向けプログラミング教室「Tech for Elementary」(TFE)の運営などを行うエクシードは10月13日、中高校生向けにGoogleのノーコードツール「AppSheet」が楽しく学べる教材「はじめてのAppSheet」を、TFE向け教材として2021年11月より提供開始すると発表した。

TEFでは、「ひとりでも多くの子どもたちにプログラミングの機会を提供する」というミッションのもとで、映像授業をベースとしたプログラミング教室を、フランチャイズ事業として展開している。そこでは、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」の他、その次の段階として本格的なテキスト形式のプログラミング言語を使ったアプリ開発なども教えているが、プログラミング言語へ歩を進める生徒は全体の2割前後しかいないという悩みを抱えている。

その原因としては、プログラミング言語が難しい、教えられる講師が少ない、追加の授業料を払える保護者が少ない、中学生になると勉強や部活で忙しいといったことが考えられる。そこでエクシードは、Scratchと本格的なプログラミング言語をつなぐ中間的な存在として、GoogleのAppSheetを採り入れ、ノーコードでの本格的なアプリ開発のための映像授業を開発した。

AppSeetは、GIGAスクール構想で導入されている端末のうち約40%を締めるChromeOSで利用できるスプレッドシート「Google Sheets」との親和性がよく、無料で使えるなどの点で選ばれた。本格的なアプリやインターフェイスが構築でき、テキスト形式のプログラミング言語や「情報」科目への興味につながること、さらに、将来の進学や就職にも役立つことが期待されている。

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツール「AppSheet」用教材を11月から提供開始

GIGAスクール構想で導入されている端末のOSシェアは、ChromeOSが40.1%、Windowsが30.4%、iOSが29.0%となっている。その他には、AndroidとMacOSを含む。文部科学省「GIGAスクール構想の実現に向けた端末の利活用等に関する状況(令和3年7月末時点)について(速報値)

エクシードは今回の教材提供を、「中高生という時期において、テクノロジー教育が断絶してしまうのではという危惧、危機感と、DX人材や市民開発者の早期育成を民主化することで、IT人材の量的確保に貢献できるのでは、という希望が伴ったもの」だとと話している。

Epic GamesのCEOがアップルはiPhoneの「設定」で自社サービスを宣伝していると非難

Apple(アップル)を相手取った反トラスト訴訟(現在控訴中)で大きな注目を集めているEpic Games(エピック・ゲームズ)CEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は米国時間10月7日、iPhoneメーカーは他社が利用できない広告枠を自身に与えていると非難した。その場所はiPhoneの設定画面だ。一部のiOS 15ユーザーが、Appleが設定画面のトップ、Apple IDのすぐ下で自社サービスを広告していることを報告している。提示されるサービスは、端末オーナー向けにカスタマイズされていて、すでにサブスクライブしているサービスに基づいていると見られる。

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例えばApple Musicをサブスクライブしていないユーザーには、6カ月の無料トライアルをすすめる広告が表示される。一方現在のApple Musicサブスクライバーには、AppleCareなどのまだ利用していないサービスの追加が促される。

スウィーニー氏は、この種のファーストパーティー広告はAppleによる反競争的行為の可能性があることを指摘している。推奨されているサービスの中にはApp Store(アップストア)で提供されているサードパーティー・アプリと直接競合するものがあるためから。しかしそれらのサードパーティー製アプリは、もちろんiPhoneの設定画面に近づくことができない。できるのはApp Store上の広告スロットに入札することだけだ。

「Fortnite(フォートナイト)を締め出した連中の新しいやり口。自社の音楽サービスのための設定画面広告は実際の設定画面より早く現れ、他の広告主、Spotify(スポティファイ)やSound Cloud(サウンド・クラウド)は利用できません」とスウィーニー氏はいう。

スウィーニー氏は、Mobile Dev Memo(モバイル・デブ・メモ)のアナリストであるEric Seufert(エリック・スーファート)氏の別の投稿をリツイートしており、スーファート氏はGlassfy(グラスファイ)の共同ファウンダーFrancesco Zucchetta(フランセスコ・ズチェッタ)氏の作成した画像をシェアしている。

ズチェッタ氏はTechCrunchに、その広告は自身が所有するiOS 15が動くiPhone 8で見つけたと語った。しかしもっと新しいデバイスで広告を見た人もいる。中には、Appleの宣伝をプッシュ通知でも受け取ったと指摘するコメントもあった。

この問題が微妙なのは、こうした広告は、Appleが自身の利益のために他社を不利な立場においているとは必ずしも言えないことだ。

例えば私たちのiOS 15.1が動作しているiPhone 13 Pro Maxでは、その掲示がAppleCare+(アップルケア・プラス)の保証を追加できる期限までまだ一定の日数があることを知らせるために使用されていた(我々はすでにAppleの他のサブスクリプションをほとんど利用している)。この場合、SpotifyがApple Musicと直接競合するのと同じようなAppleCareと直接競合するサードパーティーアプリは存在しない。Asurion(アシュリオン)などの保証会社はAT&T(エー・ティー・アンド・ティー)やVerizon(ベライゾン)などの 携帯キャリアと提携して、iPhoneの保険プランを販売し、App Storeを通じた消費者への直接販売は行っていない。

保証追加の喚起は有益な情報であり、望まない侵入ではないと指摘する向きさえある。

スウィーニー氏のツイートは、設定アプリ内のファーストパーティー広告の認知度を高めたが、実際これは新しいことではない。

AppleはこれまでにもiPhoneの設定画面を使ってユーザーに自社サービスを売り込むことがよくあり、今回と概ね同じやり方だった。

たとえば2020年、AppleはApple ArcadeAppleCare、およびApple TV+のプロモーションを設定アプリ内で展開しているところを見つけられた。設定画面以外にも、Appleは別の変わった方法で自社サービスを宣伝しており、プッシュ通知を使ったものもあった。さらに同社は、何年も前から自社アプリの中で別のアプリのクロスプロモーションを行っている。例えばApple Musicのサブスクリプションのおすすめが、iTunesを使っている時に表示されるといったものだ。

しかし現在規制当局は、プラットフォームが自らのマーケティングパワーを利用あるいは濫用する様子を綿密に監視している。現在Google(グーグル)は、端末製造メーカーが自社のスマートフォンを販売する際に一連のGoogleアプリをプリインストールすることを必須としていることに対するEUの記録的な罰金命令を控訴している。一方Samsung(サムスン)は、Galaxy(ギャラクシー)端末上で自社アプリの広告を掲載することを中止すると発表した(これまで同社は、他の企業が自社製品を宣伝する広告を時々掲載していた)。

Epic Gamesのスウィーニー氏のツイートについて補足コメントを出しておらず、同社がこのちょっとした最新情報を次の控訴審で使用するかどうかも明らかにしていない。Appleにはコメントを要求しているがまだ応答はない。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

App Storeの変化を期待してPaddleが「アップル税」回避する代替アプリ内課金システムを開発中

サブスクリプション型ビジネスのソリューションプロバイダーであるPaddleは、App Storeのデベロッパーがサードパーティの決済システムを利用できるようになる未来に賭けている。そして、そのようなシステムが認められた暁には、いち早く代替手段を提供したいと考えている。同社は米国時間10月7日、iOSデベロッパー向けの新しいアプリ内課金(IAP)システムを発表した。このシステムは、Apple(アップル)が提供するIAPに代わるものとして設計されている。このシステムにより、デベロッパーは獲得した収益のより多くをキープできるとPaddleは述べている。

これは大きな賭けであり、報われるかどうかはわからない。

Paddleによると、同社のシステムは、デベロッパーが顧客のライフサイクル全体を通して顧客データにアクセスできるようにし、直接サブスクリプションを管理したり一時停止するツールを組み合わせて提供するとともに、PayPal(ペイパル)などの他の支払いメカニズムにも対応するという。また、多くのデベロッパーが以前から望んでいた、デベロッパー自身による返金の管理も可能になる。手数料は、10ドル(約1110円)未満の取引では10%、10ドル以上の取引では5%となっている。これは、Appleの手数料30%よりも低い水準だ(サブスクリプションベースのアプリの2年目、およびスモールビジネスプログラムとApple News Partnerプログラムの参加者は15%に下がる)。

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アップルのApp Store外での決済方法への誘導ブロックが禁止に、Epic Gamesとの裁判で

しかし、Paddleの製品は、Epic Games対Appleの訴訟における裁判所の判決が控訴審でも支持され、Appleがその判決をうまい具合に解釈し、Paddleのような代替決済システムの利用が可能になるという信念に基づいている。これは、現時点でPaddleが明確に知り得ないことだ。

9月、米連邦地裁のYvonne Gonzalez Rogers(イボンヌ・ゴンサレス・ロジャーズ)判事は、App Storeでのサードパーティによる決済の問題について、Appleは反トラスト行為を行っていないと判断したものの、Fortnite(フォートナイト)の開発元であるEpic Gamesを支持する画期的な判決を下した。Epicは、独自の決済システムを使用することに加えて、iOSユーザーに直接ゲームを配信することもできるようにしたいと考えており、裁判所の判決を不服として控訴すると述べている

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一方、今回の判決では、Appleはデベロッパーがアプリ内にボタンや外部リンク、その他のコールトゥアクション(CTA)を含め、ユーザーを別の決済メカニズムに誘導することを禁止することはできないとされた。

控訴後に判決のこの部分が調整されなかったとしても、サードパーティによる支払いの問題に関する判事の表現は、Appleにとって解釈の余地がある。現在のところ、この判決は、Appleがストア外の他の決済手段にリンクされたアプリをリジェクトすることを阻止するだけであり、アプリ自体に組み込まれた競争力のある支払いシステムをサポートするまでには至らないだろうと考えられている。このPaddleシステムがApp Reviewを通過する可能性については、すでに専門家が反論している

しかし、Paddleはその可能性があると考えている。

Paddleは声明でこう述べた。「当社および当社の法律顧問の理解では、Paddleのアプリ内課金システムはApple対Epicの法的判決の範囲内で許容されます。iOSデベロッパーや市場に大きな影響を与えるこの問題をより明確にするために、Appleがこの点について同社の解釈を示すことを歓迎します」。

Paddleは、裁判所の判決に合わせて、2021年12月7日から同社のシステム提供開始する予定だ。

現在、3000社以上のソフトウェアクライアント(販売者)がPaddleのプラットフォームを他のサービスに利用しており、同社は年間数十億ドル(数千億円)の決済量を処理している。このAppleのIAPの代替サービスを実際に導入するデベロッパーが出てくるかどうかは興味深いところだが、その場合、アプリがApp Storeからリジェクトされるリスクがある。これまでのところ、Paddleによると、MacPawを含む何社かのデベロッパーがこの試みに同意しているとのことだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

【コラム】クリエイティブがグロースマーケティングの決定的なXファクター

今後、グロースマーケティングがプライバシー保護を重視した、ターゲットの曖昧なものに移行するとき、Facebook(フェイスブック)などの有料ソーシャルチャネル上のクリエイティブが最も強力な手段になるだろう。重宝しているiOS 14.5で特定機能が利用できなくなってこの傾向は加速されたが、さまざまなチャネルで広告プラットフォームの自動化に向けた取り組みが強化されている。

それで筆者は、シードステージのスタートアップであれ、Google(グーグル)のような巨大企業であれ、グロースマーケティングを推進する場合は常に、クリエイティブをテストする適切なフレームワークの準備を整えるべきだと思う。

筆者は、Postmates(ポストメイツ)で3年間働き、さまざまなスタートアップのためにコンサルティングをし、直近ではUber(ウーバー)で仕事をして、多くの点でマーケティングが変化する様子を見てきた。しかし、我々が今目にしているものは我々の制御を超えたファクターによって動いており、今まで見てきたどんなものとも異なる変化が始まっている。続いて、有料のソーシャルアカウントでクリエイティブが最も強力な手段として登場した。

基本

クリエイティブの力を活用し、有料のソーシャルマーケティングで成功を収めようと考えているなら、その考え方は正しい。必要なのは、クリエイティブをテストするフレームワーク、つまり新しいクリエイティブアセットをテストする構造化された一貫性のある方法である。

次に、クリエイティブをテストするフレームワークを成功させるために必要な基本要素を示す。

  • 決められたテストスケジュール
  • テーマを構造化したアプローチ
  • チャネルに特化した戦略

クリエイティブのテストは、決められたテストスケジュールに従った、持続的で反復的なプロセスにする。目標と構造は、毎週5つの新しいクリエイティブアセットをテストするシンプルなものにできる。逆に、複数のテーマとコピーバリエーションから成る60の新しいアセットをテストする複雑なものにもできる。

出費があまり多くないアカウントの場合、イベントシグナルが限られているのでクリエイティブのテストは比較的限定的なものにする。出費の多いアカウントの場合はその逆にする。最も重要なことは、次の「優れた」アセットを探す際、テストを継続して目ぼしいものを見つけることである。

4つのテーマ×テーマごとに3つの変化形×5つのコピーバリエーション=60のアセット(画像クレジット:Jonathan Martinez)

テストのスケジュールを設定したら、思いつきのアイデアを大量にテストするのではなく、ビジネスとバーティカル市場の主要なテーマを定義する。これは、コピーや、製品とサービスの主要な価値提案と同様に、クリエイティブアセットにも当てはまる。クリエイティブのデータ分析を始めると、この構造を活用してテストすることで、何を強化し、何をカットするか、簡単に決定できることがわかるだろう。これは、テストの過程を通じて拡張または縮小するワイヤーフレームと考えることができる。

MyFitnessPal(マイフィットネスパル)のようなフィットネスアプリの場合、次のように構造化できる。

  • テーマ(製品のスクリーンショット、製品を使っている人の画像、UGCのユーザーの声、事前・事後の画像)
  • メッセージ(セグメント化された価値提案、宣伝広告、FUD)

チャネルは、クリエイティブのベストプラクティスやテストの機能がそれぞれ異なるので、チャネルに特化したアプローチになっていることを確認することは非常に重要である。フェイスブックでうまくいくことが、Snapchat(スナップチャット)やその他多くの有料ソーシャルチャネルでもうまくいくとは限らない。クリエイティブのパフォーマンスがチャネルによって異なるとしてもがっかりすることはないが、筆者は等価性テストを推奨する。あるチャネル向けのクリエイティブアセットがすでにある場合、残りのチャネル向けにサイズ変更して体裁を整えても問題はない。

何が成功かを判断する

適切なイベント選択と、テスト全体を通じて守る統計的に有意なしきい値は、クリエイティブにとって等しく重要である。クリエイティブのテストに使うイベントを選択する際、CACのレベルによっては、必ずしも自社のノーススターメトリックを使えるとは限らない。例えば百単位のCACで高額のアイテムを売る場合、各クリエイティブアセットで統計的に有意な値に達するには、多額の出費が必要になるだろう。代わりに、ファネル上部寄りのイベントと、ユーザーの転換の可能性を示す信頼性の高い指標を選ぶことができる。

ファネル上部寄りのイベントを使うと、学習の迅速化につながる(画像クレジット:Jonathan Martinez)

使用する統計的に有意な割合を決める際、クリエイティブのテスト全体にわたって一貫した割合を選択することは重要である。経験上、筆者は80%以上の確実性を好む。それによって、十分な確認と決定の迅速化が可能になるからだ。Neil Patel(ネール・パテル)氏のA/Bテスト向け有意性計算ツールは、便利な(無料の)オンライン計算ツールである。

成否を分けるもの

ソーシャルフィードをスクロールしていて、光沢のあるゴールドのペンダントに目が留まったとしよう。しかし、メッセージはブランド名と製品の仕様だけである。注意を引かれはしたが、引き寄せられるものが何かあっただろうか。考えてみて欲しい。人の注意を引くだけでなく「クリエイティブ」、つまり有料のソーシャルグロースマーケティングで成否を分けるファクターを使って、引き寄せているだろうか。

iOS 14.5のデータロスを迂回する

iOS 14.5でユーザーデータがわかりにくくなり、モバイルキャンペーンにおいてクリエイティブのテストは厳しくなる一方だが、不可能というわけではなく、ただもっと賢くなる必要があるということである。クリエイティブのパフォーマンスに関する明瞭なインサイトを得るのに役立つアイデアはいろいろあり、長続きしないものもあれば、ずっと残るものもあるだろう。

プライバシー保護のための制限はたくさんあるが、膨大な数のAndroid(アンドロイド)ユーザーには依然としてアクセス可能であり、これを活用しない手はない。クリエイティブのテストをすべてiOSで実施する代わりに、インサイトを収集する明瞭な方法としてアンドロイドを使うことができる。プライバシー保護のための制限はまだアンドロイドデバイスに課されていないのだ。アンドロイドでのテストで収集されたデータは、次にiOSでのキャンペーンに適用できる。アンドロイドでのデータにも制限が課されるのは時間の問題でしかないので、iOSでのキャンペーンに情報を提供できるこの回避策を活用するのは今である。

アンドロイドでのキャンペーンが実行可能なオプションでない場合、手早く簡単な別のソリューションは、Webサイトのリードフォームを断念し、クリエイティブアセットから記入済みフォームへの転換率を測定することである。ユーザーエクスペリエンスは確かにエバーグリーンコンテンツと比べればまったく驚くほどのものではないが、これを使えば短期間でインサイトを得ることができる(しかも、予算のほんの一部で)。

リードフォームを作成する場合は、エバーグリーンエクスペリエンスの重要な指標となるイベントを完成させるユーザーを見極めて明らかにする質問を考えよう。ユーザーがリードフォームに記入し終えたら、コミュニケーションを取ってユーザーの転換を図り、広告費を有効に使うことができる。

アカウントステージに基づいて取り組む

クリエイティブアセットのタイプに応じたテストの取り組みはアカウントステージアカウントステージによって大きく異なり、模倣、反復、イノベーションの3つに分けることができる。

クリエイティブのテストのタイプは時間とともに変化する(画像クレジット:Jonathan Martinez)

アカウントステージが初期であればあるほど、クリエイティブの方向性が他の広告主によって有効であることが証明されたものに依存する度合いは大きくなる。それらの広告主は、アセットのパフォーマンスの証明に多くの出費をしてきており、そこから強力なインサイトを得ることができる。時間の経過とともに、他の広告主から導き出す速度をわずかに落とし、ベストパフォーマンスの反復に重点を置くことができる。筆者が割合を決めるとすれば、初期段階では取り組みの80%を模倣に置く。成功事例が明らかになるにつれて自然と反復の勢いが増し、イノベーションが大きく遅れて最後の柱になる。

これは、すばらしいアイデアがある場合でも初期段階ではイノベーションを試すことはできないということではが、一般に、十分に成長した企業の方が革新的なアイデアの検証に多額の出費をする余裕がある。また、社内にデザインチームがあるにしても、フリーランスのデザイナーと一緒に取り組むにしても、50の異なる革新的なアセットを考えてデザインするより、50のバリエーションを考える方がはるかに簡単である。模倣と反復により、初期のテストは大幅に効率的になる。

競合他社のインサイトを活用する

ブレインストーミングをして、最高に美しく、目を引いて、人を引き付けるクリエイティブを思い描くことは、必ずしも数秒でできることではなく、数分でも、数時間でもできるとは限らない。ここで、競合他社のインサイトを利用することが関係してくる。

最も充実したリソースはフェイスブックの広告ライブラリである。そこには、プラットフォーム全体であらゆる広告主が使っているすべてのクリエイティブアセットがある。実際のところ、この無料の強力なツールのことを知っている人がほとんどいないことに、筆者はいつも驚かされる。

このライブラリで競合他社やクラス最高の広告主を参照すると、広告主が長く使ってきた具体的なアセットに、優れたパフォーマンスのクリエイティブの証拠を見ることができる。どうしてそれがわかるかというと、便利なことに、広告主がクリエイティブを使い始めた日付のスタンプが各アセットにあるのだ。これは非常に役に立つ。筆者は、何時間でもクリエイティブアセットを調べていられる。それぞれの広告主が、情報とひらめきをさらに提供してくれる。

有料のソーシャルグロースマーケティングで努力を傾ける分野を考えるときは、クリエイティブをリストのトップに置く必要がある。データがますますわかりにくくなるにつれ、アイデアに富んだ考え方をする必要がある。そうした考え方が、成功と失敗の分かれ目になる。実行する戦略のタイプは時間とともに変わるが、変わらないのは、強力なクリエイティブ、つまり成功を左右するファクターの重要性である。

編集部注:本稿の執筆者Jonathan Martinez(ジョナサン・マルティネス)氏は、元YouTuberで、カリフォルニア大学バークレー校の卒業生であり、Uber、Postmates、Chimeをはじめとするさまざまなスタートアップ企業の成長を支援してきた成長マーケティングのオタク。

画像クレジット:MirageC / Getty Images

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(文:Jonathan Martinez、翻訳:Dragonfly)

Spotifyがポッドキャストに投票およびQ&A機能を追加

Spotify(スポティファイ)は2021年2月に、リスナーの投票やQ&Aを利用してポッドキャストをよりインタラクティブにする新機能のベータテストを開始していた。そして現地時間9月30日、Spotifyはこれらの機能を、同社が提供する音声コンテンツ制作・配信ツール「Anchor(アンカー)」を通じて、すべてのクリエイターが利用できるようになると発表した。

これらの新機能を活用すれば、Anchorを使ってポッドキャストを制作・配信しているクリエイターは、エピソードと一緒に質問や投票を投稿できるようになる。現時点では1つのエピソードに、1つの投票と1つのQ&Aのみを追加することができ、複数の投票やQ&Aは付けられない。

そのポッドキャストがSpotifyで公開されると、Spotifyモバイルアプリでは、ポッドキャストのエピソードページの下部に投票やQ&Aが表示される(iOSとAndroidのどちらも対応。ただしブラウザやデスクトップアプリでは表示されない)。リスナーは、アプリ内のプロンプトに従って、Q&A機能にはテキストで、投票機能ではクリエイターが設定した選択肢の中から該当するものを選んで、質問に回答することができる。

画像クレジット:Spotify

リスナーは投票に参加すると、すぐに他のポッドキャスト視聴者の投票結果を見ることができ、自分と同じ回答がどのくらい支持されているかを確認できる。しかし、Q&Aの回答は、ポッドキャスターのみに非公開で届けられる。ポッドキャスト制作者は、リスナーより届いた回答の中から、質問の下に表示させたい特定の投稿を選び、エピソードに固定表示することもできる。ただし、これらの回答には、リスナーのSpotifyユーザー名が表示されるので、この機能はその点を考慮して使用する必要がある。言い換えれば、この機能はポッドキャストで、ラジオのコールイン(聴取者が電話で参加する)のようなことを可能にするものだ。もっとも、リスナーの生の声や録音された音声ではなく、文字によるものという違いはあるが。

これらの機能は、今回の一般展開に先立ち、1年間にわたって数百人のクリエイターによるテストが行われてきた。その間にクリエイターは、Q&Aを利用して今後のゲストの提案を求めたり、番組に対する感想や意見を得たり、さらにはリスナーの反応を見たホストの発言を聞くためにリスナーの再訪を促すといったゲーミフィケーションの要素を番組に加えたりしてきたと、Spotifyは述べている。

画像クレジット:Spotify

この新機能は、日本を含む世界160の市場で、すべてのAnchorクリエイターとSpotifyユーザーが利用可能になっている。公式ウェブサイトによると、現在Spotifyは世界178の市場で展開されているとのことなので、全世界の市場というわけではない。しかし、大部分を占めている。

リスナーとの相互コミュニケーションは、Spotifyが従来のポッドキャスト体験を刷新するために取り組んできた方法の1つに過ぎない。同社は最近、有料のポッドキャスト配信や、音楽とトークを1つのコンテンツの中で一緒に楽しめる「Music + Talk」フォーマットの導入、そして「ライブ」ショーを開催するための「Spotify Greenroom(スポティファイ・グリーンルーム)」と呼ばれるアプリの展開なども開始している。

画像クレジット:Spotify

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スマホ内に潜むモバイルスパイウェアの脅威を取り除くMallocのアプリ

モバイルスパイウェアは、無秩序な監視の中でも最も侵襲的かつ標的を定めた方法の1つだ。あなたがどこへ行き、誰と会い、何を話したかを追跡するために使うことができる。そしてその隠密的性質ゆえに、モバイルスパイウェアを発見することは不可能に近い

しかし、このY Combinatorが支援するスタートアップは、ユーザーが自分のスマートフォンに侵入したモバイルスパイウェアを見つけるためのアプリを開発している。

関連記事:米連邦取引委員会がスパイウェアSpyFoneを禁止措置に、ハッキングされた被害者に通知するよう命令

キプロス拠点のアーリーステージのスタートアップMalloc(マロック)は、「Antistalker(アンチストーカー)」というアプリでデビューを飾った。スマートフォンのセンサーと動作中のアプリを監視して、マイクやカメラが密かに起動されたり、ユーザーの知らぬ間にデータが転送されるのを検出する(当初はAndroidにのみ対応)。これは消費者グレードのスパイウェアの典型的行為であり、他にメッセージ、写真、ウェブ閲覧履歴、リアルタイム位置情報などをユーザーの許可なく盗むものもある。

こうしたスパイウェアによる脅威の増大は、Apple(アップル)とGoogle(グーグル)両社が端末のマイクロフォンやカメラが使用されていることを示すインジケーターを導入するきっかけとなった。しかし、特に巧妙で高性能のスパイウェア(政府や民族国家がよく利用する)は、iOSとAndroidの防御をすり抜けることもある。

関連記事:iPhoneのセキュリティ対策もすり抜けるスパイウェア「Pegasus」のNSOによる新たなゼロクリック攻撃

そこがAntistalkerの出番だとMallocはいう。Mallocの共同ファウンダーであるMaria Terzi(マリア・タージ)氏、Artemis Kontou(アルテミス・コントウ)氏、Liza Charalambous(リザ・チャラランボス)氏の3人は、機械学習(ML)モデルに基づいてアプリを作り、スパイウェアが録音、録画したりデータを送信していると思われるデバイスの動きを検知してブロックする。

Mallocの共同ファウンダー。写真左リザ・チャラランボス氏、中央マリア・タージ氏、右アルテミス・コントウ氏(画像クレジット:Malloc)

MLが専門のタージ氏は、同社が実世界の監視を模倣するために、既知のストーカーウェアアプリを使ってMLモデルを学習させたとTechCrunchに話した。機械学習は、アプリが幅広く、それまでに知られていない新たな脅威を見つける能力を高めるために役立つ。従来は既知のスパイウェアアプリの特徴との一致を調べる方法だった。

「私たちはスパイウェアとわかっているアプリケーションを知っています。それならその行動パターを利用して機械学習モデルを訓練し、新しいスパイウェアを認識できるようにするのに使わない手はありません」とタージ氏はTechCrunchに語った。

このMLモデルは、端末上でプライバシーに配慮した方法で動作し、データをクラウドに送ることはない。Mallocは、将来一部の匿名データを収集することで、MLモデルを改善しユーザーの端末に出現する新たな脅威をアプリが検出できるようにする考えがあると話した。

アプリの異常な行動、たとえば長らく使っていなかったアプリが大量にデータを送るような動きも同アプリは検出するほか、どのアプリがいつマイクロフォンやカメラをアクセスしたかをユーザーは見ることができる。

彼らの賭けはすでに投資家の目を引いており、同社はY CombinatorとUrban Innovation Fund(アーパン・イノベーション・ファンド)から200万ドル(約2億2000万円)近くを獲得している。

同社は2021年サービスを開始して、現在月間8万人以上のアクティブユーザーがいてなお増加中だとタージ氏言っており、企業が社員を監視の脅威から守るためのエンタープライズ向け製品も計画している。近い将来にはiOSアプリも公開予定だ。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

第3四半期の全世界のアプリダウンロード数は360億回、支出額約3.8兆円でともに過去最多に

アプリ経済に関する新たな予測では、第3四半期にアプリとゲームに費やされる額は過去最多となることが見込まれている。App Annieは、世界の消費者が同四半期にアプリとゲームに前年同期比20%増の340億ドル(約3兆7650億円)を費やすと推定している。この増加は、人々が現在エンターテインメント、買い物、仕事、教育などのためにアプリをどのように使っているかという点において、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが消費者行動にまだ影響を及ぼし続けていることを示している。

App Annieに関しては、初期に秘密の情報源を使って情報を人為的に操作し、証券会社のクライアントに不正確な情報を伝えていたことが先にニュースになったことを記しておくべきだろう。同社はそうしたことを防ぐために内部コントロールで統計的にモデル化してきた。証券会社が投資判断を下すのに操作されたデータを使ったため、App Annieは証券詐欺で1000万ドル(約11億円)超の罰金を支払うことで米証券取引委員会と和解した。

しかしこうした操作にもかかわらず、App Annieのデータは今日でもモバイルマーケットをかなり正確にとらえており、かなりのアプリ会社、マーケッター、投資家にモバイルエコシステムに関する情報を提供している数多くのトップ企業の1社だ。

第3四半期のアプリ売上高に最も貢献したのは、引き続きゲームでの支出とモバイルサブスクリプションだとApp Annieは指摘した。モバイルサブスクは、Apple(アップル)とGoogle(グーグル)がアプリストアプラットフォームを通じての購入で手数料を徴収する権利を保持しようとする中で、訴訟や増えつつある規制の焦点となっている。ゲームは引き続き消費者支出の大部分を占めているが、ゲーム以外の支出もサブスクのおかげでここ数年割合を増やしてきた。

関連記事:アップルは控訴決着まで「フォートナイト」のApp Store復帰認めず、Epicが通告メール公開

また、ダウンロード数では引き続きAndroidがiOSを凌いでいるが、消費者支出額では逆の構図であるのも変わらない。

画像クレジット:App Annie

第3四半期のダウンロード数は前年同期に比べて10%増え、過去最多の360億回に達した。この増加は主にGoogle Playによるもので、特にインドやブラジルなどの新興マーケットでのダウンロードが貢献した。増加幅が最も大きかったのはブラジル、フィリピン、メキシコで、中南米マーケットは今や世界のアプリ会社の注目を集め始めていて、成長の可能性を秘めている。

ダウンロード数の成長を支えた産業は、旅行、教育、医療だ。この3部門はパンデミックの影響を受けた。旅行アプリのダウンロードは Google Playで前年同期比35%増、iOSで同15%増だった。ワクチン接種が広がる中で夏の旅行シーズンを迎えたことが貢献した。もちろん医療と教育のアプリもパンデミックに結びついていて、ユーザーはオンライン学習や診察、新型コロナ検査やワクチン接種の予約でモバイルテクノロジーを活用した。

モバイルアプリの売上高となるとiOSが優勢で、過去4四半期でもそうだったが世界のアプリストアの消費者支出の65%を占めた。

画像クレジット:App Annie

iOSアプリでの消費者支出額は前年同期比15%増の220億ドル(約2兆4360億円)に達し、Google Playでは同15%増の120億ドル(約1兆3290億円)だった。売上高の大半はゲームアプリによるもので、両アプリストアでの支出額の66%を占めた。非ゲームアプリ部門では、消費者支出の76%がiOSでのものだった。どちらのアプリストアでもゲーム以外の部門での成長のほとんどはエンターテインメント、写真・ビデオ、ソーシャルメディア、デートのアプリによるものだった。

消費者支出額においては米国と中国が最大のiOSマーケットで、日本、米国、台湾で最も増加した。Google Playでは、米国、日本、韓国の消費者支出額が最大だったが、日本、ロシア、オーストラリアが成長を牽引した。

売上高やダウンロード数の調査はこれまでモバイル経済の全体図を把握するのに役立ってきた一方で、マーケットが成熟するにつれ、アプリをデバイスにすでにインストールした消費者のアプリエンゲージメントにもかなりの関心が寄せられている。

App AnnieのライバルSensor Towerが9月23日に発表した調査結果では、ゲームアプリと非ゲームアプリのアクティブユーザー、セッション、リテンション(保持)の数字を分析している。同社によると、世界のトップ500のアプリの平均の月間アクティブユーザー数は9170万人で、この数字は第2四半期に前年同期の8460万人から8.4%増えた。

画像クレジット:Sensor Tower

ビジネスアプリは2018年第1四半期から2021年第2四半期の間に約42%という最も高い複合年間成長率(CAGR)を見せた、とSensor Towerは指摘した。一方、消費者は2021年第2四半期にエンターテインメントアプリで最も多くの時間を費やし、トップ100の各アプリの使用時間は平均1日あたり約29分だった。

画像クレジット:Sensor Tower

ゲームの中では、ジャンル別に「PUBG Mobile」や「Garena Free Fire」などのシューティングゲームのデイリーアクティブユーザーが第2四半期に最も多く、このジャンルのトップ50のゲームのデイリーアクティブユーザーは平均760万人だったが、ハイパーカジュアルゲームがトップだった。

Sensor Towerはまた、ロックダウン中に人々がモバイルデバイスを頻繁に利用するようになり、初期のアプリ全般のアクティブユーザー数の増加は新型コロナパンデミックによるものとしている。しかし2020年第3四半期でわずかに減ったのち、アクティブユーザー数はいまパンデミック前のレベルに戻った、と指摘した。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

【まとめ】最新iPhone 13シリーズレビュー集、13 ProからiOS 15まで、気になるのはどのモデル?

すでに予約開始、9月24日に発売され手に取ることができるiPhone 13シリーズ。TechCrunchでは、ハイエンドモデルiPhone 13 Proをはじめとした実際に触った上でのレビュー、さらに先に配信されたiOS 15の使用感など、最新iPhoneに関する記事を掲載、以下にまとめた。

新たなレビュー記事も公開予定であり、本記事もそれに合わせて更新する。お楽しみに。

iPhone 13 Pro / 13 Pro Max

カメラ機能が同等になった「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」実機先行レビュー

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iPhone 13 / 13 Pro×カメラ

カメラが楽しいiPhone 13 / 13 Pro、12からの乗り換えも「アリ」な理由

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iPhone 13×eSIM

iPhone 13でデュアルeSIMを試す―自由度アップで機種変が楽に

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iPhone 13 mini

究極の手のひらスマホ、iPhone 13 mini実機先行レビュー

iPhone 13 miniは究極の手のひらスマホだ

iPhone 13シリーズ×ニューカラー

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iOS 15

【レビュー】アップルのiOS 15は欠けていた小さな機能をすべて採用、アップデートは任意だが個人的にはオススメ

米国でApple Walletに証明に使える新型コロナワクチン接種記録を保存可能に

米国では施設に入るのに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種を証明する書類が必要になる場合もある。Apple(アップル)は電子メールを探し出したり、ポケットにカード実物を携帯したりする手間をなくしたいと考えている。同社は今後行うiPhoneソフトウェアのアップデートの中で、証明として使える新型コロナウイルスのワクチン接種記録をWalletに導入する。この機能では、国際的なSMART Health Cards規格(すでにいくつかの州で採用されている)を利用して、予防接種の証明書を作成し、秘密鍵で署名し、公開鍵を作成して情報を検証します。

リリースされたばかりのiOS 15では、すでに検証可能な予防接種や検査結果を、同じ規格を使って「ヘルスケア」アプリに保存することができる。記録は、QRコードやダウンロード可能なファイル、あるいはiPhoneの「ヘルスケアレコード」を利用する医療機関を通じて受け取ることができる。

Appleは、ユーザーの全データに対して厳格なプライバシーを約束している。同社はユーザーのインポートされたり、共有されたりしたデータへのアクセスは持たず、どこか別のところに送られるときにはすべての情報は暗号化され、安全に保管されなければならない。Appleはまた、ユーザーのワクチン接種記録や、ユーザーがどのように記録を使ったかを確認することはできない。ユーザーは「承認した」サードパーティのアプリと情報を共有できるが、その時、1回限り有効というのが基本だ。

Appleはアップデートをいつリリースするのか明らかにしていない。もしあなたがワクチン接種の有無をコンサート会場やレストランと共有するというコンセプトについて懸念しているなら、この機能は楽しみではないだろう。しかし少なくとも会場に入るプロセスを合理化し、イベントに遅刻しているときには大事なものとなるはずだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Apple

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(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

【レビュー】アップルのiOS 15は欠けていた小さな機能をすべて追加、アップデートはユーザーに任せだが個人的にはオススメ

iOS 15のリリースは、確かにモバイルOSにおけるビッグイベントだ。しかし2021年は、目立って重要なテーマや画期的な機能はない。今回、Apple(アップル)は、自社アプリの新しい機能に加えて、日常生活的な細部の改良に力を入れている。

その結果、アップデートはとても堅実なものとなり、論争を起こすことはなさそうだ。一部の人、自分のスマートフォンをできるかぎりパーソナルなものにしたいと考え、カスタマイズに長時間を割いているような人たちにとって新しい「集中モード」はうれしいものだろう。また、そうでない人たちは、その新機能に気づかないか、もしくは無視するだろうが。

2021年のアップデートはまた、iOS 15にアップデートしなくてもよい、という点でも変わっている。iOS 14のままで十分、AppleにiOS 15へのジャンプを強いられることはない。現在のままでも、セキュリティパッチはもらえる。だから、iOS 15を完全に無視する人も存在する。

小さな変化のように思えるかもしれないが、それはiOSの現状について多くを語っている。AppleはiOSを、成熟したプラットフォームだと考えている。Macを使っていて、必要なければmacOSを最新バージョンにアップデートしない人もいるように、アップデートは自分のペースでやればよい。

またiOSは、アプリ開発者にとっても成熟したプラットフォームであるため、多くの人が今すぐiOS 15にアップデートしないのであれば、開発者の採用も遅くなるだろう。アプリは以前と比べて長い期間、古いバージョンのiOSで動くはずだ。

もちろんiPhoneそのものを新しい機種に買い替えた場合、それに合わせてiOSの「アップデート」も行われる。

画像クレジット:Apple

スマホ以上にユーザーに「集中」する

iOS 15における最大の変化は、コントロールセンターから集中モードを変更できることだ。これは意外なほど強力な機能で、いろいろなオプションや調整項目がある。Appleの機能ではないみたいだ。

しかしこれは絶対に、iOS 15で最も興味深い機能だ。現在は多くの人が、スマホを触る時間がとても長くなっており、デバイスで行うことや気になることも非常に多くなっている。しかし今度の新機能では、人が主導権を取り戻し、ユーザーである自分が主人公になる。

必要のないときに通知をナシにする「おやすみモード」は、このユーザー主導という考え方をよく表している。iOS 15でこの「おやすみモード」を使い続けたい場合は、そのまま何も変更しなくてよい。

iOS 15からは、集中モードを作成することもできる。デフォルトで仕事、睡眠、運転、フィットネス、マインドフルネス、パーソナル、読書などが用意されている。自分に合わせて、新たな集中モードを作ることもできる。

特定の集中モードをオンにすると、基本的にデフォルトで通知がブロックされる。しかし、人やアプリを追加することで、それらの人やアプリからの通知が届くようにもできる。また、アプリ開発者は、時間的に重要な通知をマークすることで、常に通知を受け取ることも可能だ。この機能が悪用されないことを願う。

さらに3つの設定を有効にすることができる。まず、メッセージや対応するサードパーティ製アプリで、通知が現在ミュートにされていることをオプションで共有することができる。2つ目は、ホーム画面のページを完全に隠せるようになる。3つ目は、ロック画面から通知を隠したり、ホーム画面からバッジを隠したりすることができるようになる。

また、特定の集中モードと自動化機能を組み合わせることで、さらに興味深いものになります。例えば、夜になると自動的に「睡眠」をオンにしたり、出社すると自動的に「仕事」をオンにしたりすることができる。

パワーユーザーは、集中モードをショートカットと組み合わせて使うのも楽しいだろう。例えば、「スリープ」をオンにしたときに「時計」アプリを開くようにショートカットを設定できる。このように、新機能は非常に奥が深く、ベータ版ユーザーはまだ表面をなぞっただけでしかない。

画像クレジット:Apple

すべてのアプリをアップデート

iOS 15では、デフォルトアプリのほとんどすべてがアップデートされた。新たに加わった機能の一部はなかなかすばらしいが、疑問符の付くものもある。

まず、論争を招いたのがSafariの新デザインだ。しかし2021年6月のWWDCで目にしたものは、今では影も形もない。結局Appleはフィードバックを聞き入れて、夏の間にウェブブラウザのインターフェースを変更したのだ。

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まず、デフォルトではアドレスバーが画面下、ブックマークを開いたり、現在のページをシェアしたり、前のページへ行ったりするボタン列のすぐ上にある。それはとても良いと思うが、アドレスバーを下に置きたくない人は、簡単に上へ戻せる。

それ以外では、Safariの変更はすべて良い改良だ。例えばこのブラウザは今や、前からあるウェブエクステンションをサポートする。Safariは次に、Google Chromeの人気エクステンションもサポートするだろうか?もう1つのすてきな新機能は、タブグループを作れることだ。そしてそのタブグループは、他のデバイスからでも確認できる。

FaceTimeが、多機能なビデオ会議サービスになった。今度からは、リンクを作って友だちと共有したり、「カレンダー」の招待に加えることができる。これで初めて、Appleのデバイスを持ってない人でもFaceTimeの通話にウェブブラウザから参加できるようになる。また、グリッドビューでZoomのビューを見られる。

しかし残念ながら、FaceTimeの機能の大成長は、中途半端だ。オーディオやビデオの再生を友だちなどと同期するSharePlay機能は、この秋の終わりごろリリースされるという。

「天気」アプリもデザインが変更された。情報量が増えて、降雨マップもあり、次の1時間の降雨予報や紫外線指数も表示される。もう、サードパーティ製の天気予報アプリに負けないかもしれない。私は今でもSnowflakeを使っているが、その差は縮まる一方だ。

「メッセージ」は、他のAppleアプリとの統合性が向上された。誰かがあなたに、記事や写真のアルバムやポッドキャストや曲を送ると、Appleの他のアプリや「Apple News」「写真」「ポッドキャスト」「ミュージック」などにそれらのレコメンデーションが出る。これもまた、私がiOS 15をテストしているときにはすてきな追加機能と感じられたが、実際に日常の中でスマートフォンを使ってるときのデバイスの使い方は何も変わらない。

「マップ」は、サンフランシスコの住民にとっては特別に良くなった。何年も使ってなかった人には、おすすめだ。「Googleマップ」の強力な代替アプリになっている。

特にサンフランシスコやロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンなどでは、ビルが3Dで表示され、バスレーンや歩道などもわかる詳細地図を見ることができる。まるで、ビデオゲームの中でそれらの都市を歩いているような詳しさだ。また、場所のカードや、運転者のためのユーザーインターフェース、アプリのセットアップなどもデザインが変わった。

「 写真」も、大きく改良された。毎年、同社は「メモリー」のデザインをすっきりとしたものにしている。ユーザーがそんなに多いアプリではないと思うが、とにかく前より良くなった。写真をスワイプして表示される情報にも、シャッター速度や使用レンズなどが追加され、以前より詳しくなった。

しかし写真ライブラリにおける最大の変化は、写真の中のテキストを検索できることだ。iOSは写真をスキャンしてテキストを見つけ、それをSpotlightの検索に保存する。

同じく、カメラをテキストに向けてそのテキストを指定できる。メニュー上にレストランのアドレスを探したり、旅行中に何かのテキストを翻訳したくなって友だちとシェアしたいときなどに、とても便利だ。

画像クレジット:Apple

ちょっとした特徴や使い方

iOS 14よりもiOS 15が良いといえる小さな変化は山ほどある。ごく一部をリストアップしてみよう。

  • 家のキーやホテルのキー、オフィスのキー、IDカードなどをWalletアプリに入れられる
  • 健康データを誰かとシェアできる。愛する人と遠く離れていたり、ヘルスケアのチームをアップデートしたいとき便利だ
  • iCloudで決済する人は、今やiCloud+のユーザーでもある。ストレージの他に、ベータでiCloud Private Relayを使えるので、ウェブを閲覧するときのプライバシーがアップする。また、Hide My Emailでランダムなメールアドレスを作れるので、ウェブで新しいアカウントを作れる
  • 家族がiCloudのメールアドレスを使っているなら、パーソナルなドメイン名を作ってiCloudをセットアップできる
  • iOSは音声認識機能がデバイス内にあるので、テキストの口述入力が速い
  • しかもiOSはSiriのリクエストの一部もオンデバイスで処理するため、タイマーの起動やアラームのセット、音楽の変更なども瞬間的にできる。私の場合、これでSiriの使い方が変わった
  • iCloudのアカウントにアクセスできなくなったときのために、アカウント回復の連絡先を加えられる。できるだけ多くの人に、二要素認証の利用を説得すべきだ
  • 二要素認証(2FA)といえば、Appleが内蔵しているパスワードマネージャー「パスワード」は今度から2FAの詳細を保存でき、入力欄の自動入力ができる。それは1Passwordのときの2FAとほぼ同じだ
  • 故人を自分のApple IDにすることができるが、人によってはできない場合もあるのでご注意を。Appleが、亡くなった人の写真を使わせてくれないことがあるのだ。
  • リマインダーとノートにタグが追加された。ノートでも人を@メンションできる

ご覧のように、iOS 15の変更箇所のリストはとても長い。しかしそれでも、iOS 15へのアップデートはユーザーの任意だ。昔iPhone OS 3でカット&ペーストとコピペが加わったときは、アップデートするのが当たり前だった。今度の新しい機能も、個人的には好きなので、アップデートの価値があった。「する」か「しない」、本記事がその判断の助けになれば幸いだ。

関連記事:iOS 15へのアップデート可能に、iPadOS 15、watchOS 8も提供開始

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hiroshi Iwatani)

iOS 15へのアップデート可能に、iPadOS 15、watchOS 8も提供開始

Apple(アップル)は、iPhone用OSの次のメジャーバージョンである「iOS 15」の最終版をリリースした。ダウンロードは無料で、iPhone 6s以降、両世代のiPhone SE、そして最新のiPod touchで動作うする(iPadユーザーも本日よりiPadOS 15を、さらにwatchOS 8へのアップデートも可能だ)。

iOS 15における最大の変更点は、新しい「Focus mode(集中モード)」の登場だ。「Do not disturb(おやすみモード)」に加えて、さまざまなモードを設定することができます。通知して欲しいアプリや人を選び、何をしているかによって集中することを変えられる。例えば「仕事」「睡眠」「ワークアウト」などを作ることができる。

新しい天気予報アプリ、Apple純正「マップ」における地図の更新、FaceTimeの改良版など、全体的に多くの新機能が搭載。また、Safariも一新されている。

新バージョンのiOSでは、写真をスキャンしてテキストを表示する機能もある。「Live Text」という機能を使えば、写真の中のテキストをハイライトしたり、コピーしたり、ペーストしたりすることができる。この機能は、アクセシビリティの向上にも役立つ。iOSはこの情報をSpotlightに活用する予定だ。写真の中のテキストをSpotlightで直接検索すると、関連する写真が表示される。これらの機能はデバイス上で直接処理されている。

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有料のiCloudユーザーは、iCloud+にアップグレードされた。ストレージ容量の増加に加えて、いくつかの新機能を利用できる。ベータ版として提供されている「iCloud Private Relay」では、プライバシーを確保しながらウェブを閲覧することができる。「Hide My Email」では、ランダムに生成されたEメールアドレスを使って、ウェブ上で新しいアカウントを作成することができる。また、iCloudメールのユーザーは、個人のドメイン名に切り替えることができる。

このアップデートはすでに提供されている。「設定」アプリを利用したワイヤレスでも、iPhoneをコンピュータに接続する有線でもアップデートを行うことができる。作業前には、iPhoneのバックアップを。iPhoneまたはiPadの「設定」アプリを開き、上部にある「アカウント情報」をタップし、次に「デバイス名」をタップして、iCloudのバックアップが最新の状態になっていることを確認しよう。さらに、iOSデバイスをコンピュータに接続して、FinderやWindows用のiTunesで手動バックアップを行うこともできる(iCloudとコンピュータの両方にバックアップをとってもいい)。

iTunesでバックアップを暗号化することをお忘れなく。万が一、誰かがあなたのコンピュータをハッキングしても、安全性が高まる。また、暗号化されたバックアップには、保存されたパスワードやヘルスケアのデータが含まれているため、すべてのオンラインアカウントに再接続する必要はなくなる。

バックアップ作業が終わったら「設定」アプリから「一般」「ソフトウェア・アップデート」の順に進もう。利用可能なアップデートが表示されるはずだ。その後、ダウンロードが可能な状態になると自動的に開始される。

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画像クレジット:Apple

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(文:Romain Dillet、翻訳:Katsuyuki Yasui)