UberのIPOはそれほど巨額にならないかもしれない

Uberは今年後半に、米国の歴史に残るものの一つとなるIPOで100億ドルを調達することが予想されている。株式発行により、この配車大手の企業価値は760億ドル(この額は最新のプライベートファイナンシングからはじきだされたものだ)〜1200億ドル(ウォール・ストリートの金融機関が考えている非常に大きな数字だ)あたりになりそうだ。

The Informationの新たなレポートでは、Uberの当初の時価総額は900億ドルになると見定めている。この数字を算出するにあたって、The Informationは2017年にUberが債権者に提供した非公開の書類を分析した。この書類では、“純収益を2019年までに142億ドルへと倍増させる”と予測している。それからThe InformationはUberの複数の収入パターンを描き、そして投資家が言うところの最も近い比較対象であるGrubHubとUberを比較した。

UberはThe Informationの分析についてのコメントを拒否した。

これまでの道のり

Uberは先月、待望されているIPOの書類を内々に提出した。これにより、米国内における競争相手であるLyftとの株式公開に向けたレースの火蓋が切って落とされた。2社の状況に詳しい情報筋によると、LyftはUberの数時間前に書類を提出した。Travis Kalanickによって2009年に設立されたUberは借り入れとエクイティファンディングで約200億ドルをこれまでに調達した。ソフトバンクが最大の株主で、資本構成リストにはトヨタ、T. Rowe Price、 Fidelity、TPG Growthなどその他多くが名を連ねている。Uberの1200億ドルという非常に大きな企業価値についての疑念はどうかといえば、Uberがもうかっておらず、これまでも、そして現在も金を使い続けていることを考えると、この驚くような数字の達成は不可能のようだ。

大型のIPOというのはもちろん投資家を喜ばせるものだ。たとえば、The Wall Street Journalによると、First Round Capitalは2010年と2011年に実施されたUberの最初のラウンドで160万ドルを出資した。企業価値1200億ドルとなった場合、First Roundが保有する株式の価値はおおよそ50億ドルとなる。しかしながら、このベンチャーキャピタル会社は株式のいくらかをベンチマークでソフトバンクに売却していて、売却していなければ価値140億ドルになっていただろう。

Uberが政治面そして規制面での困難を乗り越えるのをサポートすることを2011年に取り交わしたUberの初期投資家Bradley Tuskは価値1億ドルとも言われる株式を保有している。彼もまた保有していた株式の42%をソフトバンクに転売した、と最近TechCrunchに語った。

Tuskは「私は120という数字に非常に満足している」と語った。「しかし…少し驚いている。本当にアグレッシブな数字だ」。

「Uberに出資している投資家はみな、初期のAmazonに投資した人のように、将来を見て長期的に投資している」とTuskは付け加えた。「一つには[UberのCEO、Dara Khosrowshahiが]うまくやっていて、Uberを単なる配車企業ではなくモビリティ企業として成長させていることが挙げられる」。

Uber Technologies IncのCEO,Dara Kowsrowshahi (撮影: Anindito Mukherjee/Bloomberg via Getty Images)

将来への長期的投資

Uberは1年以内に株式を公開するという選択をし、史上最も高値のユニコーンIPOとなるだろう。このTechCrunchサイトで詳しく報じてきたように、LyftとUberどちらも株式を発行する計画で、SlackやPinterestも同様だ。しかしこれら企業の多くが、株式市場が急激に下がる前に株式公開の決断を下している。軟調な株式市場は、ユニコーン企業がVCに保護された快適な場所から出てこようとするのを消極的にさせてしまうかもしれない。

ウォール街の投資家がUberの本当の価値を吟味し始めれば、Uberは彼らからさらに精密な調査を受けることになる。The Informationによると、Amazonが長らく利益よりも成長を優先してきたように、幸いにもUberは、“もし望むのなら、米国と発展マーケットでのマーケティング支出を減らしたり、自動運転車開発の財源でパートナーを探したりして、現金の栓をオンにするための明らかなレバー”を持っている。「そうしたレバーをひくことは売上の成長を3分の1ほどスローダウンさせてしまうかもしれないー純収益の33%の成長が2019年には22%成長に落ち込むかもしれない。[しかし]これは年間20億ドルの節約につながる」。

2018年第3四半期の決算では、Uberはプロフォルマ・ベースで9億3900万ドルの損失と、修正済みEBITDAで前年四半期から21%増の5億2700万ドルの損失を計上した。第3四半期の売上は前年同期比5%増の29億5000万ドルで、前年比では38%のアップとなった。

「我々の事業規模としてはグローバルで力強い四半期だった」とUberのCFO、Nelson Chaiは声明文で述べた。「今後IPOがあり、食品、貨物運輸、電動バイクとスクーターを含むプラットフォーム全体で、そして我々が引き続き主導権を握っているインドと中東というポテンシャルの高いマーケットで、将来の成長に投資している」。

我々はUberの評価額について何日でもあれこれ推測できるが、Uberの値がどれくらいになるのかは最終的に金融市場が決める。差し当たって我々ができることといえば、Uberが証券登録届出書S-1を大衆に開示するのを待つことだろう。

イメージクレジット: Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

2019年に株式公開しそうなユニコーン企業5社はこれだ(UberとLyftのぞく)

UberLyftが2019年の早い段階に予定しているIPOに関するファンファーレは十分すぎるほど聞こえてくる。というのも、この2社は12月初め、米国証券取引委員会にIPOの書類を提出した。加えて、2019年のIPOが噂されているSlackとPinterestについてもパブリックそしてプライベートの投資家がさかんに話題にしている。しかしこうした企業だけが、来年我々が目にすることになる“ユニコーン”のイグジットではない。

データプロバイダーCB Insightsが、同社の企業評価アルゴリズムを使って、最新テックIPOレポートで来年最もIPOしそうな10億ドル企業5社をランクづけしている。このアルゴリズムでは、雇用活動やウェブトラフィック、モバイルアプリデータを含む、従来のものとは異なるパブリックシグナルを活用している。下記にあるのが、そのリストのトップにくるスタートアップだ。

Peloton

フィットネス業界のNetflixと呼ばれるPelotonは、John Foleyによって設立されて以来、6年間でベンチャーキャピタル投資で10億ドルを調達した。直近では5億5000万ドルを調達し、評価額40億ドルになった。テクノロジーを使ったエクササイズ用具のこのメーカーは毎年、規模を倍以上に成長させていて、ベンチャーが後ろ盾になっているという珍しい性質を備えながら不気味にも利益をあげている。ニューヨークに本部を置く。Pelotonは特にIPO計画を持っていないが、Foleyは最近ウォール・ストリートジャーナルに対し、株式市場デビューするのに2019年というのは“大いにあり得る”と述べている。

投資会社:L Catterton, True Ventures,  Tiger Global

Cloudflare

サイバーセキュリティのユニコーンCloudflareは、2019年上半期に株式公開しそうだ。2019年はセキュリティ産業においてIPOで賑わう年になる。このウェブパフォーマンスとセキュリティのプラットフォーム会社は、2015年に行なった最後の資金調達で評価額18億ドルとなったが、評価額35億ドル超を期待しているIPOを準備しているとされている。2009年に創業されて以来、サンフランシスコに拠点を置き、VCファンディングで2億5000万ドル超を調達した。もう一つのセキュリティユニコーンCrowdStrikeもまた来年株式公開する見込みで、IllumioやLookoutが同様に株式公開するのも何ら驚きではない。

投資会社:Pelion Venture Partners、NEA, Venrock

Zoom

これまでにVCで1億6000万ドルを調達している、ビデオ会議サービス、オンラインミーティング、グループメッセージツールなどのプロバイダーZoomは2019年に数十億ドルのIPOをねらっていて、引受会社としてモルガン・スタンレーを選んだと報道されている。2011年に創業され、最近のシリーズDで1億ドル(そのほとんどがSequoiaによる)を調達し、2017年初期の評価額は10億ドルだった。カリフォルニア州サンノゼに拠点を置き、ロイターによると、同社はIPOにより10億ドルよりもかなり大きな評価額を獲得することを期待している。

投資会社:Sequoia、Emergence Capital Partners、Horizons Ventures

Rubrik

データ管理会社Rubrikは、間もなくのIPを示唆する密かな動きをとっている。企業向けにクラウド、オンプレミス環境でのデータバックアップとリカバリーサービスを提供しているこのスタートアップは今年初め、Atlassianの前CFOMurray DemoをCFOとして、またPeter McGoffを初の最高法務責任者として迎えた。パロアルトに拠点を置くRubrikは2017年に実施したラウンドで1億8000万ドルを調達し、評価額が10億ドル超になった。同社はこれまでに3億ドル近くを調達している。

投資会社:Lightspeed Venture Partners、Greylock, Khosla Ventures

Medallia

創業20年近くになるカスタマーエクスペリエンス管理プラットフォームのMedalliaもとうとう2019年に公開会社になりそうだ。カリフォルニア州サンマテオ拠点のMedalliaはここ数年、IPOを計画していると噂されていたが、今年新たなCEOを置き、Forbesによると、2018年1月31日までのGAAPでの年間売上は2億5000万ドルだった。Medalliaは2015年に1億5000万ドルの資金を調達して評価額は12億ドルになったが、それ以来、資金調達は行なっていない。累計の資金調達額は2億5000万ドルにとどまっている。

投資会社:Sequoia


イメージクレジット: Peloton

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(翻訳:Mizoguchi)

Pinterestは来年4月に株式公開の予定

ウォール・ストリート・ジャーナルのレポートによれば、Pinterestは2019年前半に、LyftとUberに続き株式公開を行う予定だ。

ビジュアルサーチエンジン兼ショッピングツールのPinterestは、1月に引受人を決め、4月になると同時にIPOを完了する予定だ。同社は、2017年半ばに行われた直近の1億5000万ドルの資金調達ラウンド時に、120億ドル超の評価額がついた。そして今年の収益は7億ドルに達するペースである。

2008年にBen Silbermann(写真)によって設立された同社は、レポートによれば、5億ドルのクレジットラインの確保を交渉中であると伝えられる。これはPinterestのような未公開の巨人にとっては珍しい動きではない。

これまでに同社は、Bessemer Venture Partners、Andreessen Horowitz、FirstMark Capital、Fidelity、そしてSV Angelといった主要投資家たちからおよそ15億ドルを調達している。

最近Pinterestは、2017年の月間2億人から2億5000万人に月間アクティブユーザーが増えたところだ。

今年Pinterestは、受け身のPinterestユーザーたちが実際にプラットフォーム上で製品を買いやすくするために、いくつもの新しい機能を立ち上げた。そしてフォローしているブランドや他の人のコンテンツだけを見ることができる「フォロー中」というタブも用意している。また同社は、ユーザーたちにより多くのローカルコンテンツを提供する試みの一環として、Pinterest Propelプログラムも追加し、広告オプションを強化するためにフルスクリーン動画広告も実装している。このエリアは直接FacebookやGoogleと競合する部分だ。

2019年はベンチャー支援のIPOの当たり年になる予定だ。UberLyftの両方が、今月の初めに密かに相次いでIPOの申請をしており、Slackも2019年のIPOを目指してGoldman Sachsと契約したと伝えられている。

Pinterestはコメントを拒否した。

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(翻訳:sako)

SoftBank Corpの株価は初日に14%下げたが過去最大のIPOのひとつであることは揺るがず

SoftBank CorpのIPOは快調に始まったが尻すぼみとなり、東京証券取引所の初日に株価は14.5%落ち込んだ。

同社はコングロマリットSoftBank Groupのモバイル部門で、Groupの保有資産にはSprintと1000億ドルのVision Fundが含まれる。

SoftBank Corpの株価はIPO設定プライス(レンジではなく)1500円を下回る1463円で始まり、1282円で引けた。提供された1億6000万株は、親会社SoftBank Groupが保有するトータルの約1/3である。多難な出足ではあったが、それでもSoftBank Corpは総額で2.65兆円(約235億ドル)を調達して日本最大のIPOとなり、Alibabaが2014年にニューヨーク証券取引所で達成した記録、250億ドルに次ぐ額になった(SoftBank GroupはAlibabaの大株主でもある)。

Bloombergによると、SoftBank Corpの株を1500円の開始価格で買った投資家の90%は個人であり、同社は彼らを異例なほどのマーケティングキャンペーンによりターゲットとしてねらった。

投資家の熱気を冷ましたかもしれない要因には、ソフトウェアの証明の期限切れによって生じたEricsspnの機器のシャットダウンによって今月初めに起きた、ネットワークのサービス停止も含まれる(イギリスのO2の顧客も被害を被った)。

そのサービス停止は、SoftBank Corpの通信インフラストラクチャに関するその他(ほか)の懸念も浮き彫りにした。先週の日経の記事によると、同社はセキュリティの懸念によりHuawei Technologiesのハードウェアの使用を停止し、これから数年をかけてそれらの機器をEricssonとNokia製に置き換えるという。

同社によると、ハードウェアの入れ替えは大きな経費にはならないというが、しかし来年同社はより厳しい競争に直面することになるだろう。SoftBank Corpの現在のライバルはNTT DoCoMoとKDDIだが、2019年10月には楽天が携帯電話サービスを立ち上げる。これにより楽天は、日本で4番目のモバイルネットワーク事業者になる

さらにまたSoftBank Groupは、9月末現在で、総額18兆円の大きな負債を抱えている。それは、同社の営業収入の6倍以上である。したがってVision Fundはサウジアラビアの政府系ファンドにとくに大きく依存することになり、それは480億ドルの投資額により、このファンドの最大の投資家になっている。

サウジアラビアの政府系ファンドはPublic Investment Fundと呼ばれ、サウジのMohammed bin Salman皇太子が運用しているが、彼はジャーナリストJamal Khashoggiの殺害を計画したとしてトルコ当局とアメリカの中央情報局から、犯罪への関与を疑われている。皇太子bin Salmanは殺害への関与を否定したが、現在の状況はSoftBankへのサウジアラビアの関与に疑問符を投じている。しかも皇太子bin Salmanは10月に、サウジアラビアは第二Vision Fundに450億ドルを投資する計画だ、と発表したばかりだ。

画像クレジット: Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Uber、上場の幹事証券にモルガン・スタンレーを選定か――テック投資責任者はUberのドライバー

Uberは2019年の第1四半期に計画されている株式上場のリード証券会社にはMorgan Stanleyが選ばれたと報じられている。ライドシェアリングの巨人の上場計画は、先週、証券取引委員会に非公開で提出された上場申請書がリークされたことでによって判明した。

UberがMorgan Stanleyを選んだことは、最初にBloombergが報じた。主幹事会社の選択にあたってはMorgan StanleyとGoldman Sachsが数ヶ月に渡って激しい競争を続けていたされる。この秋、両社はそれぞれ上場計画をUberに示していた。Uberは株式市場の歴城、最大の上場になると予想されており、ここで主幹事の座を得ることは投資銀行として極めて重要だった。リーダーに選定されたMorgan StanleyはUberの上場から巨額の手数料を得ることができる。

TechCrunchの取材に対し、Uberはコメントを拒否し、Morgan Stanleyからは回答が得られていない。

2010年の9月のTechCrunch Disruptカンファレンスで語るMorgan Stanleyのグローバル・テクノロジー責任者、Michael Grimes

UberがMorgan Stanleyを選んだのは順当と見られている。Morgan Stanleyのテクノロジー投資の責任者、Michael GrimesはFacebook上場でも主幹事の責任者を務めており、UberのIPOでも手腕を発揮するものと考えられてきた。 Wall Street Journalによれば、Grimesは何年も前から自らUberのドライバーとなって熱心さをアピールしていたという。Morgan Stanleyが主幹事を得たのであれば、この副業の見返りは他のUberドライバーが得ている報酬より相当大きいものになりそうだ。

Morgan StanleyとGoldman Sachsは共に 2016年に実行されたUberのシリーズGに資金調達ラウンドに参加している。またGoldman Sachsは2011年からUberに投資している。

最近Uberは企業価値を720億ドルと見積もらており、上場後の時価総額は最高に1200億ドルになるものと期待されている。アメリカにおける最大のライバル、Lyftも最近上場を申請している。Lyftは上場の主幹事にJPMorgan Chase & Coを選んでいるという。Lyftの上場も2019年第1四半期が予定されている。事情に通じた筋によればLyftも上場後の時価総額が今年6月に記録された151億ドルの会社評価額を大きく上回ることを期待している。

画像:Bloomberg / Contributor / Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

Uber、密かにIPO申請

Lyftが2019年初めの新規株式公開(IPO)を目指して米国証券取引委員会(SEC)に書類を提出した2日後、ウォール・ストリートジャーナルによると、Uberも同様にIPOの書類を提出した。

Uberは金曜日に密かにIPO申請し、これにより2大配車サービスの上場に向けたレースが始まった。

Uberの最近のプライベートマーケット評価額は720億ドルで、この創業10年の会社が上場すれば価値1200億ドルになることが予想される、と報道されている。当然、ここ10年で最も期待されているIPOの一つとなるだろう。

Uberはコメントの求めにすぐには応じなかった。

Travis Kalanickによって2009年に設立されたUberは、PitchBookによると、借金とエクイティファンドでこれまで計200億ドルを調達している。SoftBank単体で数十億ドル投資していて、SoftBankは最大の株主となっている。Uberのもう一つの鍵を握る援助者はトヨタだ。トヨタは数カ月前にT. Rowe Price、Fidelity、TPG Growthと同じくレイトステージ投資家として5億ドルを出資した。

First Round Capital、Lowercase Capital、その他もUberのエグジットによる大きな稼ぎを待ち構えているーこれら全てはUberの最も初期のベンチャー・キャピタルラウンドの参加者だ。

IPO申請は予想よりわずかに早かった。Uberの現在のCEO、Dara Khosrowshahiは以前、2019年半ばのIPO完了を予想している、と語っていた。しかし今回のニュースに基づけば、Uberは来年の第一四半期にデビューするペースだ。

「[Uberにとって]公開企業となることはデメリットだらけだ。スポットライトを浴び、メリットは一つもない」とKhosrowshahiは2017年のニューヨークタイムズ紙のDealbook会議のステージで語っていた。

Uberは最近、第三四半期の決算を公開し、そこではプロフォルマ・ベースで当期純損失が前年同期比32%増の9億3900万ドルだった。利払い・税引き前利益に減価償却、無形固定資産の償却費を加えた(EBITDA)ベースでは、Uberの損失は5億2700万ドルで、前年同期から21%増えた。売上は前年同期比5%増の29億5000万ドルで、対前年比では38%の増加となっている、とUberは明らかにした。

UberのIPOタイムラインはLyftの密かなIPO作業の報道を受けて前倒しになった。Uberの米国での最大の競争相手であるLyftは2019年第一四半期に公開する可能性が高い。Lyftの最近の企業価値は約150億ドルとされている。LyftのIPOはJPMorgan Chase、Credit Suisse、Jeffriesが引き受ける。

これとは別に、SlackもまたIPOを準備していて、こちらはGoldman Sachsが引き受けるとの報道があり、2019年はユニコーンがエグジットする華やかな年となりそうだ。Lyft、Uber、Slackの3社だけで計940億ドルの価値があり、つまり2019年は間違いなく多くのテック投資家に流動資産をもたらすことになる。

イメージクレジット: Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Slack、来年のIPOを準備中との報道ーー引き受けはゴールドマンサックス

ビジネス向けメッセージツールを提供するSlackは、ロイターの報道によると、来年のIPOの主導役として投資銀行ゴールドマンサックスを選んだ。ロイターのソースは、Slackが評価額“100億ドル超え”達成を期待していると話している。

ウォール・ストリートジャーナルは9月に、Slackが来年上半期のIPOに向け、早ければ第一四半期の公開を視野に入れて“積極的に準備を進めている”と報道した。報道ではまた、Slackはプライベートマーケット投資家による評価額71億ドルを余裕で超える額の調達ができると考えている、とも伝えた。

サンフランシスコとバンクーバーに拠点を置くSlackは5月に、デイリーアクティブユーザー数が800万人だと明らかにした。また、重要な有料サービスのユーザー数は300万人、とも語った。

8月にSlackが4億2700万ドルもの最新投資ラウンドを発表したとき、Slackはニューヨークタイムズ紙に対し、デイリーユーザー数はまだ800万人だと述べた。それでも2017年の夏はその数は半分だった、とも付け加えた。

Slackの投資家にはソフトバンクグループのVision Fund、Dragoneer Investment Group、General Atlantic、T. Rowe Price Associates、Wellington Management、Baillie Gifford、Sands Capitalが含まれ、それより以前の初期投資はAccel PartnersとAndreessen Horowitz (a16z)が実施した。

実際には、Accelとa16zがSlackに投資したとき、SlackはTiny Speckと呼ばれる別の会社で、 “Glitch”というオンラインマルチプレーヤーゲームに長く注力していたが、十分なユーザーを得られず継続できなかった。

創業者のStewart Butterfieldが、彼がTiny Speckのエンジニアや他の従業員と内部のコミュニケーションをとるツールとしてつくったメッセージインフラが今後の事業としてもっと有望かもしれないと思いついたのは、ちょうど会社が衰退の一途をたどっていたときだ。

Butterfieldは方向転換をしようと、これらの初期投資家と資金を戻すことについて話し合いを持った。AccelのAndrew Bracciaは数年前に我々に対しこう語った。「“お金を戻すべきか”について我々は協議した。そして私はStewartにこう言った。もし、君が起業家であり続け、そして何かつくりたいのなら、僕は君を支援する」。

それはBracciaの賢さを物語っている。BracciaはAccelに来る前はYahooで副社長を9年間務め、Butterfieldが共同創業者Caterina Fakeと写真共有のFlickrをYahooに売却した後に、そこでBracciaはButterfieldに出会った。

支援の継続はまた、Butterfieldの持つポテンシャルのみに基づいた信頼の大きな飛躍となった。「いかに価値があり、重要であるか、あるいはいかに速く成長するかということを当時理解していたとは思わない」。Bracciaは数年前に食事を共にしながら認めた。「ただ、そのメッセージインフラがTiny Speckではかなり役立っていて、おそらく他の場所でも同様に役立つのでは、と思った」。

Slackの何千もの顧客にはAirbnbやTime、Samsung、Oracleなどが含まれる。そうしたユーザーを抱えている人気ぶり、それからDropboxやZuora、DocuSignなどを含む2018年に株式を公開した他の購読ベースの企業向けソフトウェア会社のパフォーマンスを考えたとき、Slackがマーケットで広く受け入れられるだろうと思うのは当然だろう。

そうはいっても、米国株式市場の最近の動向からすると、マーケットはシフトしつつあるかもしれない。株価は今日大幅に下がり、市場関係者にとっては胃がキリキリする週だっただろう。実際、予想を下回る雇用統計と、張りつめた米国/中国の貿易摩擦により、ダウ平均株価は今年の儲けを帳消しにするほど低い水準となっている。

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(翻訳:Mizoguchi)

Lyft、米証取委にIPO書類を提出

Lyftは、米国証券取引委員会(SEC)に待望の新規株式公開(IPO)のための登録届出書を提出した、とのプレスリリースを発表した。しかし、いつ公開するのかは不明だ。

SECへの内部資料に、Lyftは公開する株式の数も価格レンジも明記していない。Lyftは、SECがレビュープロセスを終えた後でIPOを実施する、としている。

Lyftの企業価値は直近では150億ドルほどとされ、一方で競争相手のUberは1000億ドル超だ。当然のことながら、Uberもまた来年、株式公開すると予想されている。ロイターによると、LyftのIPOは2019年上半期に行われ、JPMorgan ChaseとCredit Suisse、Jeffriesが引き受ける。

イメージクレジット: Photo by Isaac Brekken/Getty Images for Lyft / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Canonicalはまず外部資金の調達を初体験してから将来のIPOに備えたいという

【抄訳】
Mark Shuttleworthが自分の投資でCanonicalとそのUbuntuプロジェクトを創業してから14年になる。当時はもっぱらLinuxのディストリビューションだったが、今では同社はエンタープライズサービスの大手としてさまざまなプロダクトサービス提供している。これまではShuttleworth自身がプロジェクトに資金を提供し、外部からの資金には関心を示さなかった。しかし今、それが変わろうとしている。

Shuttleworthによると、最近の彼はIPOを真剣に考えるようになり、そこへのひとつの過程として外部投資家を求めている。同社が最近エンタープライズへとフォーカスを変え、Ubuntu Phone(Ubuntuブランドのスマートフォン)やデスクトップ環境Unityを廃棄したことは、誰もがすでにそう思っていたように、どれもそれに結びついていた。Shuttleworthは外部資金の調達を、その方向へ向かう一歩と見なしている。そうやって、会社を徐々に、上場にふさわしい形に整えていくのだ。

“第一段階は、未公開株式だろう。外部投資家を募り、取締役会に外部のメンバーができたら、報告義務も生ずるし、それらはIPOに向かうプログラムの一部になる。私が考えてきた手順としては、未公開投資家たちが求めていたことにまず応じてから、そのあと、上場へ向かうべきだ。両者は、まったく違う文化だからね”。

最近はよく目立つひげを生やしているShuttleworthは、前はこれ〔未公開外部資金〕にも反対していたし、そのことを彼自身も認める。“それは私に関する正しい性格付けだった、と私も思う。私は、自分の独立をエンジョイしており、自分で長期の経営を構想できることも好きだ〔四半期決算報告などの短期的義務が生じないこと〕。今でも自分にその能力があると感じているが、人の金に対して責任が生じるのもすごく良いことだ。それが自分の金でなければ、金の使い方もやや変わるだろう”。

【後略】
〔IPOの前段としての未公開株式投資に関しても、投資家、金額、スケジュール等すべて未定。現状は、すべてShuttleworthの頭の中の構想である。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Ubuntuで自分のビジョンを追究したいCanonicalのMark Shuttleworthは買収よりIPOに関心あり

IBMがRed Hatを340億ドルで買収する計画を発表して以来、Red Hatと競合するSuseやCanonicalの今後の行方を云々する声が賑やかになってきた。しかしCanonicalのファウンダーMark Shuttleworthには、同社を売ることへの関心はまったくないようだ。少なくとも、今のところは。

今日ベルリンで行われたOpenStack Summitの会場近くで彼としばらく話をしたが、彼は、“重要なのは独立だ”、と言った。それはまず、彼は個人的にはお金を必要としていない、ということだが、CanonicalとUbuntuに懸けた彼のビジョンを最後までやり遂げたい、という意味でもある。

彼が1999年にThawte Consultingを5億7500万ドルでVerisignに売ったとき、人びとは彼に、死ぬまで休暇か?と尋ねた。そして彼はそのお金の一部を使って二人目の宇宙旅行者になり、慈善団体を立ち上げたが、そっち方面への関心がないことは、明らかだった。

しかし彼によると、売ってもよい状況が一つだけある。それは、彼のCanonicalのビジョンが加速されることだ。

しかし、何にでも価格はあり、そしてShuttleworthがお金を必要としていないとしても、売却は確実に、Canonicalの社員の多くにとって有意義な金銭的報奨になるだろう。

でも、よく知られているように、Shuttleworthの関心はCanonicalのIPOにある。今年の前半に彼は、それはまだ検討中、と述べたが、正しいタイミングというものも必要だ。最近同社は再びエンタープライズにフォーカスし、それとあまり関係のないUbuntu PhoneやUnityデスクトップなどを閉鎖した。結果は好調のようだから、IPOはまだ選択肢の一つとして生きている、と言える。

今週後半にShuttleworthへのもっと本格的なインタビューを予定しているので、お楽しみに。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Cloudflareが来年$3.5BでIPOするようだ…近年はセキュリティスタートアップの稼ぎどき

Webサイトのパフォーマンスアップとセキュリティサービスを提供するCloudflareが、35億ドル以上という予想評価額でIPOを準備中のようだ。ロイターの記事によると、IPOの実行は2019年の前半を予定、幹事会社はGoldman Sachsだ。

今年は、セキュリティとプライバシーへの関心と需要の高まりにより、サイバーセキュリティ企業のIPOに最適の年と言われた。もう一社、IPOを準備していると言われるサイバーセキュリティのスタートアップがCrowdStrikeだ。同社は、同じくロイターによると、今年初めに30億ドルの評価額で2億ドルを調達した。CrowdStrikeも、IPOはGoldman Sachsが仕切るようだ。

Lee HollowayとMatthew Prince, そしてMichelle Zatlynが創業したCloudflareは、2010年のTechCrunch Disruptでローンチした〔創業は2009〕。Crunchbaseによると、その後同社は総額1億8210万ドルをNEA, Union Square Capital, Baidu, Microsoft, Qualcomm, およびcapitalG(Alphabetの投資ファンドで旧名Google Capital)などから調達した。最前の資金調達はシリーズDの1億1000万ドルで、それは2015年9月に発表され、Fidelity Investmentsがリードした。

CloudflareのサービスはWebサイトのロードを速くし、セキュリティの事故を防ぐ。同社のWebサイトによると、同社のデータセンターは現在154あまりあり、1000万あまりのドメインにサービスを提供している。同社は、“ひとりのインターネットユーザーが一週間平均でわが社のサービスに500回以上触れている”、と豪語している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

8億ユーザーを誇る中国最大のストリーミングサービスTencent Musicが、米国でIPOを申請

今年は、大部分を、あるいは実質的に、中国の大企業に所有されている多くのテック企業が株式公開を果たしている。例えばBaiduのiQiyiサービス、Xiaomiの支援を受けたHuamiやViomiの名前などが挙げられる。そして今度は沢山の予想が出される中で、Tencentの音楽部門であるTencent Music が公開の動きを見せ始めた。

TME(Tencent Music Entertainment )が、突然米国での公開に向けて最初の書類を提出したのだ(取引所は指定されていない)。最初の調達目標額は10億ドルだが、それは変更される可能性がある。今年初めのSpotifyのIPOのデータから考えれば、Tencent Musicは少なくとも120億ドルの評価額が付くはずだ。このため現在の目標学から、どれほど高い目標額が設定されることになるかが興味の対象となる。

Tencentの4つのストリーミングサービスであるQ Music、Kugou Music、Kuwo Music、そしてWeSingを擁し、Tencentの子会社でもあるTMEを、スタートアップと呼ぶことははばかられる。これらには、オーソドックスなストリーミングサービスやカラオケアプリ、そしてライブストリーミングサービスなどが含まれている。それらは一般に、中国トップ4の音楽アプリであると認識されており、月間ユーザーは8億人以上だと言われている。

Apple MusicやSpotifyあるいはPandoraとは異なり、TMEは収益性の高いビジネスであるが、その総売上額や収益化の方法はそうした「西洋の兄弟たち」とは全く異なったものである。Spotifyやその類似サービスたちは、サブスクリプションと広告付き無料サービスで成り立っているが、Tencent Musicはその売上の大部分を、ソーシャルアクティビティ、広告、そして楽曲販売から得ている。

Tencent Musicの2017年の売上は17億ドル(110億人民元)で、1億9900万ドル(13億人民元)の利益をもたらした。既に2018年上期には、13億ドル(86億人民元)の売上と、2億6300万ドル(17億人民元)の利益が計上されている。サブスクリプションの比率は売上のわずか30%であり、残りはライブストリーマーに送られるバーチャルギフトや、プレミアムメンバーシップから得られている。


この成功の大部分は、Tencentのサービスとの連携に由来するものだ。特に10億人のユーザーを抱えるWeChat、そしてQQなどの寄与が大きいが、Tencent Videoの存在も大きい。これはTencent Musicのサービスたちがユーザーにリーチするための手段を提供し、友人グラフやネットワークを通しての拡散を可能にする。それによってマーケティング費用は抑えられ、最終的な利益を上げるのに役立っている。売上に対するTencent Musicのコストは60%で、これはユーザーを呼び込むために、より多くの仕事を行わなければならないSpotifyの75〜80%とは対照的だ。

興味深いことに、Tencent Musicはその目見書の中で、サブスクリプションによる売上が、時間とともに増加することを期待していると指摘している。

「2018年第2四半期の課金率は3.6%であり、これはiResearchによって挙げられている、中国のオンラインゲームやビデオサービスや、世界的にみたオンラインミュージックサービスに対する課金率の数字に比べて遥かに低い。このことが意味することは、この先大いに成長する余地があるということである」と同社は書いている。

だが、中国内における違法コピーの氾濫を考えると、それを額面通りに受け取ることは難しい。業界関係者は、その状況は変化していると主張している。それは自分たちのための発言ではあるが、Tencent Musicの代替「ソーシャル」収益モデルが、この先のサブスクリプションベースのサービスと食い合いになるかどうかは明らかではない。

いずれにしても、同社は西側からも学ぶことができるかも知れない。Spotifyは昨年の株式交換を通してTencentの9.1%を保有していて、反対にTencentはSpotifyの7.5%を保有している。このことによって、Spotifyは東南アジアでTencentの所有するJoox(TMEの一部ではない)と競合はしているものの、双方からのシナジー効果が期待される。

現段階での重要なポイントは、Tencent Musicが中国のトップストリーミング企業であり、それが中国の主要なメッセージングプラットフォームであるWeChatに依存しているということだ。 それは幸先が良い事実だが、目論見書の中で何度も繰り返されているように、音楽の収益化は中国の中ではまだ新しい概念であるため、参考にできる事例はほとんど存在していない。

それでもこれは、中国のテック企業にしては珍しく大量に現金を失っていないIPOの例である(大量の累積赤字を抱えたままIPOを行ったNioの例を考えて欲しい)。Tencentとのコネクションを考えると、人気が出る可能性は高い。

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(翻訳:sako)

写真クレジット:Qilai Shen/Bloomberg

流動性が中国のスタートアップの利点だ

【編集部注】著者のArman TabatabaiはTechCrunchのリサーチコンサルタント

今年になって中国のハイテク企業のIPOラッシュが見出しを賑わしているが、何より興味深いのは、彼らがそこに辿り着く速さだ。

従来は「公開する」という行為は、沢山の眠らない夜たちと会社の立ち上げの犠牲となった誕生日祝いたちの喜ばしい集大成だった。長い登山の頂点に、創業者とベンチャーキャピタルたちはようやく労働の成果を見ることになるのだ。

しかし、米国の企業たちに比べると中国企業たちは、遥かに速くその頂点に辿り着いているように見える。初期のベンチャー資金投資からわずか2、3年で公開に向かうのだ。しかもしばしば営業実績がほとんどないままに。

今年最も注目されている中国のテックIPOのうちの20件を分析してみると、ベンチャー資金投資からIPOまでの平均期間はわずか3〜5年であった。例えば電子商取引プラットフォームのPinduoduoの場合、そのシリーズAから3年以内に16億ドルを調達している。あるいは、最近のIPOであるEVメーカーNIOの場合、シリーズAの後わずか3年半で10億ドルを調達し、その最初の車を6月に出荷し始めたばかりだ。

NASDAQ、Pitchbook、そしてCrunchbaseから編集された2018年の中国IPOデータ

これは、2018年に公開されたDropbox、Eventbrite、DocuSign(いずれも最初の投資から10年以上かかってIPOが行われた)といった、ベンチャーキャピタル支援を受けた米国の企業たちが要した、10年単位のタイムラインの半分以下の期間である。

市場の成熟度、政府の関与、既存の技術大企業からの支援の違いの全てが、間違いなくこうしたことを引き起こす要因となっているが、それでも中国企業の流動性(liquidity:現金化のしやすさ)へのスピードは驚異的である。

より速い流動性の達成は、リターン、資金調達、再投資のサイクルを加速する

流動性へのスピードは、スタートアップエコシステムの健全性にとって重要な指標である。より早い流動性の獲得によって、より早い資金調達、より早い再投資、より速いスタートアップ構築、そして速やかに公の流動性が再び生み出されるという、好循環が作り出される。加速されたサイクルは、現金化の約束その他の理由により、より早期のリターンを欲しているパートナーを抱えたファンドたちに特にアピールする。

ベンチャーリターンは資本と時間の関数であることに注意することが重要だ。それ故に、より速いエグジットが同じ投資額に対してより多くのリターンをもたらす。たとえば、100万ドルを投資し、10年後に500万ドルでエグジットをした場合の内部収益率(IRR:VCのパフォーマンスを評価するためによく使われる指標)は20%となる。だが、もし同じエグジットを5年で達成できた場合にはIRRは50%となる。

流動性は、グローバルベンチャーキャピタルの流れに対する中国の影響力が強まってきたために、重要な考慮事項となった。中国のハイテクエコシステムでは、より多くの寵児たちが成熟し、恒常的に多くの素晴らしいエグジットが続いている。中国での投資はVCたちにとってより真剣に考えるべきものになるだろう。たとえそれが米国内で会社を生み出すのに比べて、ただ必要な時間、資源、苦労するエネルギーを最小限に抑えるだけのものであったとしても。

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(翻訳:sako)

TouchPalキーボードで大ブレークした中国のCootekがニューヨーク証券取引所で$100MのIPO

TouchPalキーボードアプリで有名な中国のモバイルインターネット企業Cootekが、アメリカで上場する。先週SECに提出されたF-1フォームによると、調達目標額は1億ドルだ。

上海で2008年にTouchPalをローンチした同社は2012年3月にCootekという名前で法人化し、SECへの提出書類によると現在の一日のアクティブユーザーは1億3200万、6月現在でその前年同期比増加率は75%、としている。また広告収入は同じ6月までの6か月で453%増加している。

AIを利用しているTouchPalは指をすべらせるグライドタイピングと予想テキスト機能があり、Cootekの一番人気のアプリだが、ほかにも15のアプリがあり、それらはたとえばフィットネスアプリのHiFitとManFITや、バーチャルアシスタントのTaliaなどだ。同社は独自のAI技術とビッグデータ技術により、ユーザーとインターネットから集めた言語データを分析する。そしてそこから得られるインサイトを利用して、ライフスタイルやヘルスケア、エンターテインメントなどのアプリを開発している。15のアプリを合計すると、月間平均ユーザーは2220万、一日では730万となる(6月現在)。

TouchPalそのものの平均ユーザーは、2018年6月の全月で1億2540万だった。一人のアクティブユーザーが一日に72回、このアプリを立ち上げている。現在、110の言語をサポートしている。

Cootekの主な売上源はモバイルの広告だ。同社によると、売上は2016年の1100万ドルから2017年には3730万ドル、その対前年増加率は238.5%だった。利益は6月までの6か月で350万ドル、1年前には1620万ドルの損失だった。

Cootekはニューヨーク証券取引所でチッカーシンボルCTKで上場する計画だ。IPOで得られた資金はユーザーベースの拡大と、AIおよび自然言語処理への投資、広告のパフォーマンスの改善に充てられる。上場の引き受け証券企業はCredit Suisse, BofA Merrill Lync, そしてCitiだ。

画像クレジット: Cootek

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ハイテク企業が公開に足踏みをする一方で、バイオテックのIPOは上向き

収益と売上予想に基いて投資の判断を行う人びとにとっては、バイオテックのIPOは魅力的なものではない。新しい市場参入者たちは、基本的に利益を挙げないどころか、その大部分は売上さえ立っていないのだ。株式公開は多くの場合、治験に向けての費用捻出のために行われるが、その先さらに何年にわたって赤字が続く。

Crunchbase Newsを含むベンチャーキャピタルニュースが、バイオテック企業のIPOに対して大きな扱いをしない理由の1つが、そうしたパターンによるものなのだろう。まあ、有名なインターネット企業が取引初日に躍進するところを見たり、思わぬ不調に沈むところを面白がる方が楽しいのだから仕方がない。

しかし、ハイテク企業へ固執する余り、私たちは大局を見逃している。実際には、ハイテク企業よりも、バイオテックとヘルスケアのスタートアップIPOの方がずっと多いのだ。例えば今年の第2四半期には、米国でベンチャー支援を受けたバイオテックとヘルスケア企業の少なくとも16社が株式を公開した。これに比べるとハイテクスタートアップの公開は11社に過ぎない。Crunchbaseのデータによれば、過去4年間のうち3年間で、バイオテック企業の公募件数はハイテク企業のIPO件数を上回っていた。

以下に述べる分析では、バイオテック公募のペースのスピードに追いついて、状況を評価し、いくつかの注目株に光を当ててみたいと思う。

バイオテックはハイテクを上回っている

上で述べたように米国のバイオIPOは、ほとんどの年でハイテク公募の件数を上回っている。しかしながら、総額としてみたときにはバイオ企業たちの調達額は少ない。この理由の一部は、最大規模のハイテクIPOは、最大規模のバイオIPOよりもはるかに大きいことが多いからだ。下のグラフでは、過去4年間の2つのセクターを比較している。

世界的レベルでは、これらの数字はさらに大きい。Crunchbaseのデータを使用して、過去4年間にわたって世界中でVCが支援したバイオテックおよびヘルスケアIPOのグラフも下にまとめてみた。私たちは2018年を半年過ぎたばかりだが、バイオテックとヘルスIPOは既に過去3年のどの年よりも多額の資金を調達している。

基本が動かして、サイクルが増幅させている

スタートアップに関連するすべてのサイクルが上昇傾向にあることは明らかである。VCの景気は良く、後期ステージの規模は大きくなり、そしてIPOとM&Aの動きも盛り上がっている。

それがバイオIPOにとってどのような意味を持つのだろうか?公募のペースと規模の上昇は、主に強気な市場状況の結果なのだろうか?あるいは、現在のIPO候補者たちが、過去の候補者たちよりもより魅力的なのだろうか?

私たちは、最高のパフォーマンスを誇るバイオテック投資家の1人でありARCH Venture Partnersの共同創業者でもあるBob Nelsenに話を聞いた。彼によれば、現在の状況は「基本が動かして、サイクルが増幅させている」ちょっとしたIPOブームなのだ。

スタートアップの技術革新のペースが過去よりも速いため、より多くの企業が市場に歓迎されるIPOを行っている。Nelsonはこれを「ついに本質的なデータ駆動型のイノベーションへとたどり着いた、バイオテックにおける過去30年間の投資と技術革新の成果だ」と述べている。それは、より多くの治療技術、疾患修飾治療(disease-modifying therapies)、そして予防技術につながるものだ。

しかし私たちはまた、バイオテックのマーケットサイクルの強気の局面にも助けられている。それは、違う状況下ではおそらく未公開のままにとどまっていたであろう企業たちを、公開へと促している。そしてまた、既にIPOへ向けて準備を進めていたスタートアップたちに対しても、より大きな結果を提供している。

大きな成果を挙げたIPOの最新の例は、遺伝的に改造された赤血球を用いて薬品を開発するRubius Therapeuticsだ。今週、この創業5年の会社は、20億ドル以上の初期評価額の下に、2018年最大のバイオ公募となる2億4100万ドルを調達した。このマサチューセッツ州ケンブリッジの企業は、これまでに約2億5000万ドルの資金を調達しているが、まだ治験の前段階だ。

今年は既に、相当規模の複数の公募が行われている。例えば製薬会社のEidos TherapeuticsHomology Medicinesは、最近それぞれ8億ドルの評価額を付け、一方Tricidaは12億ドルの評価額を付けている。(2018年の、世界的なバイオならびにヘルス企業公募の一覧についてはこちらを参照)。

派生市場のパフォーマンスに関しては、上昇も下落も見られたが、いくつかの大きな上昇もみられた。昨年バイオテックは、米国証券取引所で最もパフォーマンスの良いIPOたちを先導した。Renaissance Capitalによれば、6つのトップスポットのうち4つをバイオ系が占めた。それらを牽引したのは製薬会社のAnaptysBioArgenxUroGen、そして農業バイオテックスタートアップのCalyxtである。

そしてこれから

概して楽観的なバイオVCたちは、既に始まっているバイオIPOの増加に対して、複数の理由を挙げている。

Nelsonは、大手の製薬会社やバイオテック企業内の、社内イノベーションのペースの遅さを原因として指摘する。競争力を維持し、新製品のパイプラインを構築するために、大手企業たちは徐々に、スタートアップや公開後間もない企業の買収をする必要に迫られている。

また、ヘルスケアスタートアップのために用意された大量の新規資金もある。2017年の米国では、ヘルスケアにフォーカスするベンチャーキャピタリストたちが91億ドルの資金調達を行った。Silicon Valley Bankによれば、この数字は2016年に比べて26%増加している。

単一のファンドを通して、ハイテクとライフサイエンスの両者へ投資を行うベンチャーファームからも、より多くの資金が流れ込んでいる。こうしたVCのリストには、投資にすぐに使える手元資金を持つPolaris PartnersFounders FundKleiner Perkins、そしてSequoia Capitalなどが含まれている。

それでもNelsonは、IPOの強気市場の奥底では、公募の質の平均が下落傾向にあることを認めている。とはいえ、彼は以前のサイクルでも同様の屈折点は経験しており、「サイクルの同じ地点を比べると、その質は著しく良い」と述べている。

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(翻訳:sako)

Image Credits: Li-Anne Dias

働き方改革プラットフォームのチームスピリットがマザーズ上場へ

勤怠管理や経費精算、カレンダーなどの機能を一箇所に集約した業務管理プラットフォームの「TeamSpirit」。同サービスを提供するチームスピリットが7月19日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場を申請し承認された。上場予定日は8月22日だ。

有価証券報告書によると同社の平成28年8月期(第20期)における売上高は5億4027万円、経常損失が1億3853万円、当期純損失が1億3893万円、平成29年8月期(第21期)における売上高は7億7296万円、経常損失が9666万円、当期純損失が9736万円だ。

なお平成30年5月期(第22期第3四半期)までの各数値については売上高が8億8626万円、経常利益が7215万円、当期純利益が4914万円となっている。

株式の保有比率については、代表取締役の荻島浩司氏が36.35%を保有する筆頭株主。ついでDraper Nexus Technology Partners2号投資事業有限責任組合が13.58%、salesforce.comが12.64%と続く。

チームスピリットは有限会社デジタルコーストとして1996年11月に設立し、2008年4月に株式会社へ組織変更。現在の主力サービスであるTeamSpiritは2012年4月のスタートで、同年9月に商号をチームスピリットに変えた。

同社がDraper Nexus Venture Partnersやsalesforce、日本ベンチャーキャピタルから4億円を調達した2015年にTechCrunchでも紹介しているが、TeamSpiritは簡単に言えば従業員が日々利用するシステムを一つにまとめたプラットフォームだ。

具体的には勤怠管理、就業管理、経費精算、工数管理、電子稟議、SNS、カレンダーといった機能を備え、従来は複数のツールをまたいで入力していた作業を効率化。各従業員の働き方に関するデータがリアルタイムに蓄積されていくので、業務の削減だけでなく「トップパフォーマーの時間の使い方などを分析し、SNSでのコーチングに役立てる」なんてこともできる。

特に近年は働き方改革の実現に向けて生産性の向上を目指す企業も多く、そのためのサポートツールとしてのニーズも増えてきた。ビジネスモデルはユーザー数(ライセンス数)に応じたサブスクリプション型。2018年5月末時点で同サービスの契約社数は932社、契約ライセンス数は12万9944人となっている。

今後は同サービスの海外展開のほか、蓄積されたデータを活用した人的リスクの予兆管理や社内の業務改善、組織・人材の活性化など「AI×ビッグデータ」の新サービスも検討しているようだ。

Netgearのセキュリティカメラ部門Arloがスピンオフして早くもIPOを申請

NetgearArlo事業部は、このネットワーキング企業にとって意外なヒットだった。その一連のカメラは市場にとって比較的新しかったが、でもコネクテッドセキュリティの分野を完全に支配し、同社に新しい活力をもたらした。

2月にNetgearは、取締役会の全会一致でArloをスピンオフし、IPOの計画も発表した。そして今週同社は、そのためのS-1書類をSECに提出した。このセキュリティカメラ企業はさらに、ニューヨーク証券取引所に“ARLO”というチッカーシンボルを申請した。準備万端だね。

発表されたプレスリリースによると、株数とか値域は未定だ。しかし今年の初めには、普通株の20%弱を発行し、残りは会社が保有する、とほのめかしていた。いずれにしても、すべて、SECの承認待ちである。

同社によると: “今回の株式公募における主幹事会社はBofA Merrill Lynch, Deutsche Bank Securities, そしてGuggenheim Securitiesである。Raymond James, Cowen, およびImperial Capitalが共同幹事会社となる”。

Arlo部門は、Netgearにとって大成功だった。Ring, Nest, Canaryといった強敵のいる、混みあった市場なのに、健闘した。同部門は2016年から2017年にかけて、売上が倍増した。それは市場が成熟して、コネクテッドホームデバイスの本格的な普及が始まっているからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

PayPal、決済プラットフォームのiZettleを22億ドルで現金買収へ

PayPalが、米国外でのスモールビジネスやマーケット向けの店頭決済分野でこれまでになく大きな賭けに出る。それは、SquareやStripe、そのほかの決済サービスへの攻勢ととれる。というのも、PayPalはiZettleを買収すると発表したからだ。iZettleはストックホルム拠点の決済プロバイダーで、よく“欧州のSquare”と称される。そのiZettleを22億ドル全額現金で買収する。

2018年第三四半期までに経営権の移転が完了するとされているこの買収案件では、iZettleの創業者でCEOであるJacob de GeerがそのままiZettleを率いる。そしてPayPalのCOO、Bill ReadyがJacob de Geerの上司になると思われる。iZettleの経営幹部もそのまま残り、業務を継続する。これにより、欧州における実在店舗とオフライン決済の「中核拠点」となる、とPayPalは述べている。

この買収のタイミングというのはかなりわかりやすい。ビジネス拡大を目的にiZettleが今月初旬に行ったIPO申請のすぐ後だ。このIPOでは、iZettleはストックホルムナスダック証券取引所で2億2700万ドルもの資金調達を計画。そして株式公開でiZettleの企業価値はおおよそ11億ドルになると予想されている。

関係筋からの情報では、この2社は“何年も”話し合いを続けてきた。しかし、今回のIPO申請で状況は急展開したと予想される。本来ならこの買収案件は金曜日に発表される予定だったのだが、今日(木曜日)噂が広がり始め、結局正式に認めることにしたようだ。

PayPalの時価総額は約940億ドル。直近の収益では、78億円もの現金と現預金、投資金がある。つまり、今回の買収の資金はたっぷりある。

iZettle はPayPalにとってこれまでで最大の買収案件となる。2015年にPayPalは送金サービスのスタートアップXoomを8億9000万ドルで買収。そしてまだeBayの子会社だった2013年には、オンライン決済サービスのBraintreeと、Braintreeが買収したVenmo事業を8億ドルで取得した。

現在iZettle は北欧やメキシコを含む12のマーケットで事業を展開している。そのマーケットというのは、ブラジルやデンマーク、フィンランド、ノルウェイ、スペイン、スウェーデンなどPayPalがオフライン分野で劣勢となっているところが含まれている(中南米での事業拡大はスペインの銀行Santanderの戦略投資によるもの)。iZettle はまた、英国でも存在感を示している。つまり、競合するSquareが進出した場合でも、iZettleの力でPayPalは事業を推し進められるわけだ。

Squareと同様、iZettleもスマホやタブレットと接続するクレジットカードを読み取るドングルを活用して、店頭ビジネス分野で道を切り開いてきた。クレジットカード支払いを受けるにはコストがかかるため、それまでカード支払いを受け付けていなかったスモールビジネスの事業者や個人でも利用できるサービスを展開したのだ。そこから、スモールビジネス向けの在庫管理ローンといった他の金融サービスにも手を広げてきた。

PayPalの動きを追っている人ならご存知だろうが、PayPalは米国内外のマーケットで店頭決済サービスの拡大に注力してきた。しかし、すでに確立されているオンライン決済ほどに力を入れてはこなかったとみる向きもある。

iZettleのde Geerは、将来的には実在店舗を持たないような大きな事業所や企業向けにもサービスを拡大させたいと考えていたが、そのiZettleの現在の規模や運営状況こそがPayPalを惹きつけた。サービス拡大にあたり、その点を補えるからだ。

PayPalのCEO、Dan Schulmanは「スモールビジネスというのは世界経済のエンジンだ。オンラインや店舗、モバイルでのビジネスをサポートするため、引き続きプラットフォームを拡大していく」とコメントしている。「iZettleとPayPalは、ミッションや価値観、カルチャーを共有し、何よりもサービスの幅や地理的ビジネス分布面からいっても戦略的にいい補完関係にある。現代のデジタル社会では、消費者は好きな時に、どこからでも、好きな方法で購入できる。50万近くの事業者が利用するiZettle を育てたJacob de Geer氏と彼が率いるチームの最高の能力により、あらゆる販売チャネルにとってPayPalがワンストップソリューションとなる」とも述べている。

もちろんスタートアップのiZettleにとっても、世界的な決済サービスの巨人をパートナーとすることは、ビジネスを拡大させるまたとないチャンスとなる。

de Geerは「我々が培ったものや専門性を、この業界のリーダー的存在であるPayPalに注入することで、スモールビジネス事業者により価値のあるサービスを提供できる」「iZettleとPayPalの統合により、我々の顧客はスムースに決済や販売を行い、また成長できるようになる」とコメントしている。

IPO申請書類の中に、iZettleはまだ赤字であることが記載されているが、その赤字幅は減少しているようだ。2018年1~3月の税金及び減価償却前の赤字額は7300万スウェーデンクローナ(830万ドル)で、2020年までには黒字化が見込まれる。

PayPal によると、iZettleのプラットフォームを使った今年の決済額は60億ドル、それによる収入は1億6500万ドルを予想している。iZettleの収入は2015年から2017年にかけて年率60%成長と、ものすごい勢いで伸びている。

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(翻訳:Mizoguchi)

ネイティブ広告プラットフォームのログリーがマザーズ上場へ

ネイティブ広告プラットフォーム「logly lift」などを運営するログリーは5月17日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場を申請し承認された。上場予定日は6月20日で証券コードは6579だ。

有価証券報告書によると同社の2016年3月期(第10期)の売上高は4億625万円、経常損失が5800万円、当期純損失が5830万円。2017年3月期(第11期)における売上高は9億1180万円、経常利益が4992万円、当期純利益が6352万円だ。なお第12期については第3四半期までの累計(2017年4月1日〜12月31日)で売上高が11億4093万円となっている。

ログリーは2006年5月の設立。現在は2012年にリリースしたlogly liftを主軸に、ネイティブ広告プラットフォーム事業を展開している。自然言語処理と機械学習を組み合わせた独自の文脈解析技術を強みに、レコメンドエンジンや広告配信を最適化。分析ツール「Loyalfarm」の開発や東南アジアにおけるlogly liftのOEM提供などにも取り組み、事業を拡大してきた。

株式の保有比率については、代表取締役の吉永浩和氏が30.79%を保有する筆頭株主。ついで取締役の岸本雅久氏が17.98%、VOYAGEGROUPが15.24%、アイティメディアが5.36%、VOYAGE VENTURESが5.24%、シーエー・モバイルが5.18%と続く。

Xiaomiが正式に香港市場にIPO申請、公開価格は推定100億ドルか

かねてより噂のあったXiaomiのIPO(株式公開)だが、この中国の巨大スマホメーカーはようやく正式に香港証券取引所にIPOを申請した

申請書類のドラフト初版には上場に伴う財務諸表といった詳細は記載していないものの、地元メディアSouth China Morning Postは「設立8年のこの会社は公開価格100億ドル、時価総額にして1000億ドルを狙っている」と報じている。これは、今年最大のIPOとなるばかりでなく、アリババが2014年にニューヨーク証券取引所に上場した時以来の規模となる。時価総額に基づくと、Xiaomiは上場により中国で3番目に大きなテック企業となる。

Xiaomiは同業他社と異なり、少ない利ざやでスマートフォンやスマートデバイスを販売し、その代わりサービスや利用料などで利益を出している。スマホ販売にとどまらず、自ら小売やオンライン支払い、ストリーミングなどの事業を展開している。CEOのLei Jun氏が言うところの「トライアスロン」戦略では、ハードウェア部門で5%という最大の純利益を達成して以来、さらに成長するためにサービス部門に最も注力している。

Xiaomiは上場申請書類に、中国では1億9000万人超がXiaomi独自開発のMIUIバージョンAndroid携帯を使用している、としたためている。これは、MIUIデバイスが何台出回ってしるのかを知る良い洞察だ。一方で、Xiaomiはこれまでスマートウォッチやフィットネス用バンド、スマート体重計など接続デバイスを1億台以上販売している。Xiaomiは、同社のユーザーが1日に4.5時間スマホを利用し、顧客140万人が5台以上の接続デバイスを使用している、と述べている。

分析会社IDCによると、Xiaomiはスマホ出荷台数で見ると世界第4位で、販売台数がこのところ低迷している中国マーケットで健闘している数少ない企業の一つだ。

Xiaomiの財政状況はまったく驚くべきものだ。

2017年には1146億人民元(約180億ドル)の売上を記録した。2016年の684億人民元、2015年の668億人民元から大幅なアップだ。

一方でXiaomiは2017年に投資家への優先株式発行(540億人民元)で439億人民元(約69億ドル)の損失を計上したが、成長路線はゆるぎない。営業利益は122億人民元(19億2000万ドル)と、前年の3倍超となっている。

売り上げの70%がスマホで、20%超がスマートデバイス、残りがサービス関連となっている。

中国というと、多くの人が収入を上げるマーケットととらえている向きがあるが、Xiaomiは中国マーケット頼りではなくなってきつつある。2017年の売上では中国マーケットが72%を占めたが、2015年は94%、2016年は87%だった。Xiaomiにとって、いま中国以外で最も成功しているマーケットはなんといってもインドだ。シェアでいえば、Xiaomiはインドでナンバーワン、他のエリアではまだ不安定な状況だ。

興味深いことに、Xiaomiはこれまで米国スマホ市場への進出について言及したことがない。しかしながら、IPOで得る資金の30%は東南アジや欧州、ロシア、そして“その他地域”での市場開拓にあてるとしている。近年、Xiaomiは世界74カ国で販売していて、そこにはアクセサリーなどスマホ関連商品を販売している米国も含まれている。

IPOで調達する資金の別の30%は研究開発や製品開発にあて、またさらに別の30%はモノのインターネットやスマート製品エコシステムに、そして残り10%は運転資金にあてる。

Xiaomiは、同社の主要投資家がどれくらいの割合で株式を保有しているのか正確な数字は明らかにしていないが、CEOのLei Jun氏が最大の株式保有者の一人だとされている。Jun氏が同社株式の75%超を保有しているとのレポートもあり、今回のIPOによりJun氏は中国で最も裕福な中国人の一人となりそうだ。

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(翻訳:Mizoguchi)