KDDIが5Gネットワークで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」を大阪でも提供

KDDIが5Gネットワークで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」を大阪でも提供

KDDIは、5Gで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」の提供を大阪でも開始しました。

「AWS Wavelength」は、au 5Gネットワーク内にAWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを配置しデータを処理することで、4Gと比べて遅延が半分以下となり、5Gの特性である超低遅延を実現するものです。

5Gの低遅延化では、サーバーをユーザー側に近いネットワークのエッジに配置することで、遅延を抑えリアルタイム性の高いクラウドサービスを実現するMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)が重要な要素となっており、「AWS Wavelength」もそうしたMECの1つとなります。

KDDIは12月に東京で「AWS Wavelength」の提供を開始しており、大阪での提供開始はそれに続くものです。「AWS Wavelength」の大阪における、低遅延接続は大阪府の5Gエリアで利用できます。

Engadget日本版より転載)

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化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

化粧品ECプラットフォーム「NOIN」(ノイン)を運営するノインは1月26日、KDDIとの協業を目的として「KDDI Open Innovation Fund 3号」(KOIF3号)より出資を受けたと発表した。同提携により、両社協力のもとノインのメインユーザーである20代・30代の女性向けに、化粧品販売におけるオンラインカウンセリングの導入など新たなオンラインでの化粧品購入体験の創造に取り組んでいく。

NOINは、最先端技術を使ったオンラインカウンセリングや、自身に似合う化粧品のオンライン版タッチアップ・レコメンドのシステム実装により、ユーザーが感じる「ネットでコスメを選びにくい」をオフラインでもなくしていくという。

また、au Payのような決済、コマースサービスとの連携、KDDIが運営するプラットフォームとのシナジー創出により、さらに多くの「コスメ選び」に悩む女性とつながり、ひとりひとりの課題を解決するとしている。

近年のEC市場の拡大により、日用品などはオンライン購入が一般的となったものの、経済産業省「令和元年度電子商取引に関する市場調査」によると化粧品についてはオンラインの購入比率は約6%と低く、対面のカウンセリングが可能な店舗での購入が中心という。

一方ノインの調査「外出自粛期間前後の化粧品購入に関する意識調査レポート」によると、コロナ禍により、外出自粛期間中はスキンケア商品などを中心にオンライン購入比率が約64%に上昇するなど、今後オンライン販売の拡大が期待されているとした。

「<a href="https://speakerdeck.com/tivash/wai-chu-zi-su-qian-hou-niokeruhua-zhuang-pin-gou-ru-niguan-sitefalseyi-shi-diao-cha-repoto"  width=

外出自粛期間前後の化粧品購入に関する意識調査レポート」、調査対象:化粧品プラットフォーム「NOIN」に登録するユーザー、調査方法:アプリ内でアンケートを実施、対象地域:全国、調査期間:2020年5月28日~2020年6月3日・有効回答数:2350名

KDDI Open Innovation Fundは、スタートアップ企業を支援するコーポレートベンチャーファンド(CVC)。KDDIとグローバル・ブレインで2018年4月に立ち上げた「KDDI Open Innovation Fund 3号」は、運用総額約200億円規模で、エンターテイメント、ホーム、IoT、ビッグデータ、フィンテックなどを注力分野としている。

ノインでは「誰でも自分に合う化粧品に、あたりまえに出会える世界」を目指し、化粧品ECプラットフォーム「NOIN」事業をはじめ、化粧品ブランドのEC進出支援などを実施。現在ノインで取り扱う化粧品は1万5000点を超えているという。

またメイクアップ術やメイクの悩みを解決するオリジナル記事の提供などを通じ、顧客に最も適した化粧品をアプリ(Android版iOS版)で見つけるサポートも展開。アプリは累計ダウンロード数250万を突破し、月間アクティブユーザー数も10代から30代前半の女性を中心に約60万ユーザー超となっているそうだ。

化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

このほか、プライベートブランドとして、ヘアオイルtioo(ティオ)、トレンドのメイクアップアイテムsöpö(ソポ)も開発・販売している。

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@cosme運営のアイスタイルとKDDIがXR活用のバーチャル店舗「@cosme TOKYO -virtual store-」

アイスタイルとKDDIがXR活用のバーチャル店舗「@cosme TOKYO -virtual store-」提供

化粧品口コミサイト@cosmeを運営するアイスタイルとKDDIは1月8日、スマートフォン向けXRアプリ「au XR Door」を通じて購買体験が可能なバーチャル店舗「@cosme TOKYO -virtual store-」の提供を開始した。コロナ禍によりさまざまな店舗において購買体験が制限される中、スマートフォンでいつでもどこからでもバーチャル空間上の「@cosme TOKYO」に来店し商品を購入できる。

化粧品口コミサイトの@cosmeを運営するアイスタイルKDDIは1月8日、スマートフォン向けXRアプリ「au XR Door」(Android版iOS版)を通じて購買体験が可能なバーチャル店舗「@cosme TOKYO -virtual store-」の提供を開始した。コロナ禍によりさまざまな店舗において購買体験が制限される中、スマートフォンでいつでもどこからでもバーチャル空間上の「@cosme TOKYO」に来店し商品を購入できる。

同バーチャル店舗では、花王の化粧品ブランド「KANEBO」「KATE」「SOFINA iP」の商品を販売。さらに、@cosmeメンバーが投稿したクチコミ情報をもとに商品を表彰する「@cosmeベストコスメアワード」の受賞商品を展示している巨大タワー「ベストコスメアワードコーナー」も実装しているという。バーチャル空間上で商品を手に取り、テスターを使用しているかのような体験も可能。

また、8K高画質で閲覧可能な機能「高画質版」(5G推奨)も採用。店舗内観やテスターを使用した際の色彩まできめ細やかに表現しており、よりリアルに近い体験が可能としている。

KDDIとアイスタイルは、今後も先端技術を活用したビジネスモデルを共同で創出し、デジタル技術を活用した産業のさらなる発展に貢献するとしている。

2020年1月にJR原宿駅前にオープンした新体験フラッグシップショップ「@cosme TOKYO」では、ランキング売り場、手書きのポップ、カウンセリングなど店舗でしか体験できないショッピングの楽しさを提供。600ブランド2万アイテム以上の品揃えと様々な仕掛けを用意しているという。

物流システムの整備や生活様式の変化に伴いEC利用が広がる中、店舗にしかない体験や空間を多くの方に届けることを目的に、@cosmeを運営・企画するアイスタイルのアセットとKDDIの5GやXRを活用した完全非接触の購買体験が可能なバーチャル店舗として、@cosme TOKYO -virtual store-を提供する。

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横浜DeNAベイスターズとKDDIが「バーチャルハマスタ」無料トライアル実施、スマホ・PC・VRデバイス対応

横浜DeNAベイスターズ KDDI バーチャルハマスタ SteamVR

横浜DeNAベイスターズとKDDIは8月4日、先端テクノロジーを活用して、自宅にいながら球場の雰囲気を味わい、試合観戦を楽しみ、選手を応援できる野球場「バーチャルハマスタ」の無料トライアルを実施すると発表した。実施日は8月11日「横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース」(午後5時~試合終了まで)。

バーチャルハマスタは、バーチャル空間上にもうひとつの「横浜スタジアム」の一部を構築したもので、観客は自宅からスマホやPC、VRデバイスを使って来場(アクセス)できる。オリジナルのアバターを使って「バーチャルハマスタ」内を自由に動き回りながら、多くのファンとコミュニケーションを取ることができ、一緒に横浜DeNAベイスターズを応援するなど球場の雰囲気を楽しめる次世代型のスポーツ観戦が可能としている。球団OBやゲストによる試合の生解説や限定企画も実施予定という。

バーチャルハマスタへのアクセスには、クラスター提供のバーチャルSNS「cluster」の無料アカウント作成と、利用するデバイス用の「cluster」アプリのインストールが必要。clusterアプリはiOS版Android版Windows版macOS版が用意されている。またVRデバイスを利用する場合は、clusterアプリに加え、「SteamVR」のインストールも必要となる。

インストールなど終了後、「バーチャルハマスタ 横浜DeNAベイスターズVS阪神タイガーズ」イベントページにアクセスし、イベントページ下部の「会場に入る」ボタンをクリックするとイベントに参加できる。

今後、横浜DeNAベイスターズとKDDIは、au 5GやIoTを活用した「スマートスタジアム」構築に加え、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響などによる、プロ野球を取り巻くさまざまな環境下においても、持続可能なファンコミュケーションの在り方を合わせて検討する。

またバーチャルハマスタの機能拡充を進め、先端テクノロジーを活用した、プロ野球における次世代型スポーツ・エンターテインメント体験の創出を通じて、国内スポーツの発展に貢献していく。

  • 実施日: 2020年8月11日「横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース」。開場 17:00/開演 18:00~試合終了まで
  • 利用料金: トライアルのため無料
  • 動作環境: クラスターの「推奨環境」参照
  • 利用方法: クラスター提供のバーチャルSNS「cluster」の無料アカウント作成、利用するデバイス用の「cluster」アプリのインストール後、「バーチャルハマスタ 横浜DeNAベイスターズVS阪神タイガーズ」イベントページにアクセスし、イベントページ下部の「会場に入る」ボタンをクリックする
  • clusterアプリ: iOS版Android版Windows版macOS版
  • VRデバイス: 「SteamVR」のインストールも必要

ドコモやJapanTaxiがお台場でMaaS実証実験、専用アプリでマルチモーダルルート検索が可能に

ナビタイムジャパン、ドコモ・バイクシェア、JapanTaxi、東京臨海高速鉄道、一般社団法人東京臨海副都心まちづくり協議会、KDDIは1月9日、お台場エリアの観光情報の提供と移動支援のためのMaaS実証実験アプリ「モビリティパス」を発表した。1月16日から一般配布される。

具体的には、お台場エリアの地図や観光関連記事、スポット情報を閲覧できるほか、エリア内で利用できるクーポンを配信する。移動支援については、りんかい線だけでなく。シェアサイクル、無料の予約制シャトル「東京臨海シャトル」などの移動手段を組み合わせたマルチモーダルルート検索機能を備える。

しかも、ルート検索の結果画面から、シェアサイクルの1日パスの購入や予約、東京臨海シャトルの予約が可能となっている。なお、東京臨海シャトルは今回のアプリの公開に併せて運行される期間限定シャトルで、1月16日〜2月12日ままでの期間限定で10時~19時の営業時間内に、勝どき〜お台場回遊、お台場回遊の2ルートで運行される。実証実験のため料金は無料だ。

今回公開されるモビリティパスは、東京都が公募した「MaaS社会実装モデル構築に向けた実証実験プロジェクト」に基づく実証実験の一環として提供される。実証実験を通じて、国内外の観光客のスムーズな移動と回遊率向上を図り、観光活性化を目指すのが目的だ。なお、アプリ内でアンケートに回答すると、りんかい線1日乗車券のプレゼントキャンペーンも実施される。

VRプラットフォーム運営のクラスターがKDDIやテレ朝から総額8.3億円を調達

VRを活用したイベントプラットフォーム「cluster」を運営するクラスターは1月6日、総額8.3億円の資金調達を発表した。第三者割当増資による調達で、引き受け先はKDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号)、テレビ朝日ホールディングス、Wright Flyer Live Entertainment(WFLE)、三井不動産/グローバル・ブレイン(31VENTURES Global Innovation Fund 1号)、個人投資家となってる。また、テレビ朝日とWFLEの2社との業務提携も明らかにした。WFLEは、バーチャルアーティスト(バーチャルYouTuber)に特化したライブエンターテインメント事業を展開する2018年4月設立の企業。バーチャルアーティスト専用ライブ視聴・配信アプリ「REALITY」を開発・配布しているほか、バーチャルアーティスト専用スタジオ「REALITY Studio」を所有している。

clusterは、インターネット経由で音楽ライブ、カンファレンスなどのイベントを開催できるVRアプリ。VRデバイスのOculus Rift、HTC VIVE、HTC VIVE Proのほか、MacやWindowsマシンで利用・視聴できる。数千人と同時接続可能なのが特徴で、これまで開催した多数の有料イベントに大勢の観客が集まるなど人気のプラットフォームとなっている。今後テレビ朝日とは、バーチャルイベント事業や映像配信事業などで協力し、コンテンツの企画・開発を検討していくという。WFLEとは、REALITYのサービス上で作成したアバターをclusterで簡単に利用できる機能を共同開発する予定だ。

今回の注目はやはりテレビ朝日との業務提供だろう。すでにテレビ局では、関東、関西のキー局を中心に放送の一部でバーチャルなキャラクターを使った情報番組やバラエティ番組が放映されている。しかし、今回テレビ朝日がバーチャルアーティストのプロモーションや演出に長けたクラスターを組むことで、同局はもちろん、資本参加しているAbemaTVで、アナウンサーやキャスターのキャラクターに左右されない、天気予報やストレートニュースなどでもバーチャルアーティストが活躍するかもしれない。

トヨタ自動車本体がリードしたラウンドで10億円超を調達したオプティマインドとは?

名古屋を拠点とするオプティマインドは10月24日、トヨタ自動車をリードインベスターとして、MTG Ventures、KDDIが設立しグローバル・ブレインが運営するKDDI Open Innovation Fund 3号、ほか1社を引き受け先とする第三者割当増資により、総額約10億1300万円の資金を調達した。

オプティマインドは、ラストワンマイルの物流ルート最適化を目指す古屋大学発のスタートアップ。昨年、オープンソースの自動運転OS「Autoware」を開発した加藤真平氏が取締役会長兼CTOを務めるティアフォーや、倉庫事業を中心にアートのサブスクリプションや物流網のオープン化などの事業を手がける寺田倉庫から数億円規模を資金調達していた。

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オプティマインドが開発する配送ルート最適化サービスの「Loogia」(ルージア)は、ラストワンマイルの配送ルートをAIを活用して短時間で計算するクラウドサービス。「どの車両が、どの訪問先を、どの順に回るか」という配送計画を、複雑な条件や現場の制約を考慮しながらAIが数分で作成し、ドライバーに効率的なルートを提供する。

具体的には、ベテランドライバーが走行したデータを取り込んで教師データとし、より精度の高いルートの算出やベテランドライバーのノウハウを共有。配送ルートの作成については、マンションなどの入り口の位置や道路幅などを考慮して最適な道順を算出するという。

同社が昨年、郵便局と共同で実施した実証実験では、ベテランドライバーと新人ドライバーでは、ルート作成に要する時間がそれぞれ平均14分、44分と30分の差が生まれたほか、移動時間についても平均34分、57分と20分以上の開きがあった。これをAIによって最適化することで、新人であってもAIによるルート作成が6分、移動時間が45分に軽減できたという。平均65分の配達先滞在時間を含めた総配達時間は、ベテランドライバーが113分、新人ドライバー+AIの組み合わせでは116分と、差が3分に縮まったという結果が得られた。

オプティマインドは今回の資金調達により、引受先と個別に取引強化を進める。具体的には、トヨタがが構築するモビリティサービス向けのさまざまな機能の提供を目指したオープンプラットフォームであるMSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)に、オプティマインドのルート最適化技術を導入して共同開発を進めていく。MTG Venturesからは経営や事業推進に関する知見、人的ネットワークを用いた支援を受け、オプティマインドの企業価値向上と経営体制の強化を図る。KDDIとは、IoT/AIを活用した「需要予測×ルート最適化」による配送ソリューションの共同開発を進めるという。そのほか、プロダクト開発体制の強化、人材の獲得・育成、マーケティング施策の拡充などにも当てられる。

 

TC Tokyo 2019にティアフォー加藤CTOの登壇決定、自動運転OS「Autoware」の開発者は何を語る?

TechCrunch Japan編集部では、通算9回目となるスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2019」を11月14日(木)、15日(金)に東京・渋谷ヒカリエで開催する。現在、国内外のVCや投資家、スターアップ企業の経営者などに登壇を交渉中だが、今回4人目の登壇者を紹介できることになった。ティアフォーで取締役会長兼CTOを務める加藤真平氏だ。同氏は現在、ティアフォーでのCTO業務のほか、東京大学大学院・情報理工学系研究科の准教授、名古屋大学未来社会創造機構の客員准教授、The Autoware Foundation代表理事なども務める。

加藤氏といえば、国内外で200社以上の企業が採用する自動運転OSのAutowareを開発した人物。AutowareはLinuxとROS(Robot Operating System)をベースとしており、人工知能や各種センサーを制御する自動運転の頭脳にあたるモノだ。一般的な自動車はもちろん、トラックや車椅子、ゴルフカードなどさまざまな車両に実装可能なのも特徴の1つ。

現在はオープンソースで公開されているので、誰もが自由に試せるほか、ルールに従って改良を加えることもできる。Autowareの開発コミュニティーは現在のところ800人超となっている。

Autowareを使えば、LIDAR(ライダー、光センサー技術)やカメラ、GPSやGLONASSなどの全球測位衛星システムを利用して、現在位置や周囲の物体を認識しながら、カーナビから与えられたルート上を自律走行できる。自動運転用車両や実験場所などの環境さえ整えれば、自動運転の実証実験をすぐに始められるのだ。もちろん公道を走るには、各国の交通法規やさまざまな道路の形状をAI学習させる必要があるが、多くの企業が自動運転の基礎研究にすぐに使えるOSとして世界各国で注目されている。

さて加藤氏がCTOを務めるティアフォーは、愛知県名古屋市を拠点とする2015年12月設立のスタートアップ。7月4日にシリーズAで累計113億円の資金調達を発表したことで、業界内はもちろん、一般での知名度もさらにアップした。2017年12月に日本初の一般公道でのレベル4(無人運転)の自動運転、2019年2月には一般公道における5Gを活用した遠隔監視型自動運転の実証実験を成功させている。8月には、アップルのMacBook ProのなどのPC製造で有名な台湾クアンタ・コンピュータから10億円を調達し、Autowareを搭載した電子制御ユニット(ECU、Electronic Control Unit)の開発と商用化に共同で取り組むことも発表している。

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株主には、損害保険ジャパン日本興亜、ヤマハ発動機、KDDI、ジャフコ運営の投資事業有限責任組合、アイサンテクノロジーなどが名を連ねる。損害保険ジャパン日本興亜とアイサンテクノロジーは、自動運転に向けた保険商品の開発で同社と業務提携。ヤマハ発動機は低速自動運転車両の開発力を強化する目的で同社に出資している。KDDIはもちろん5G。低遅延通信と高速大容量通信が特徴の次世代通信規格である5Gをベースとした、通信ネットワークプラットフォームについて同社と開発を進めていく。

加藤氏は、TechCrunch Tokyo 2019で対話形式の公開インタビューであるファイヤーサイドチャットに登壇予定で、5G時代を迎える自動運転の未来についてじっくり話を聞く予定だ。

TechCrunch Tokyo 2019は、10月15日まで前売りチケットを3万2000円(税込)で販売中。10月16日からは4万5000円(税込)の一般チケットの販売に切り替わる。既報のとおり、加藤氏のほか、トヨタの自動運転開発子会社TRI-ADのCEOであるジェームス・カフナー氏、地球上を57兆個のマスに分割し3単語で表現するジオコーディングシステムを開発するwhat3wordsのCEOであるクリス・シェルドリック氏、汎用アームロボをチューニングした調理ロボットの開発を手がけるコネクテッドロボティクスの沢登哲也CEOの登壇も決まっている。

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それ以外の登壇者も続々と確定しており、プログラムの大枠は間もなく完成する予定だ。また現在、スタートアップバトルの募集も受け付け中。設立3年未満でローンチ1年未満もしくは未ローンチのプロダクトやサービスを開発しているスタートアップ企業は、ぜひこの機会を逃さないでほしい。

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ALSOKも出資のディーカレットが32億円調達、仮想通貨の決済技術開発にアクセル踏む

仮想通貨(暗号通貨)の取引・決済サービスを提供しているディーカレットは7月11日、総額32億円の資金調達を実施した。出資企業は、筆頭株主であるインターネットイニシアティブのほか、KDDI、コナミホールディングス、住友生命保険、大同生命保険、明治安田生命保険、中部電力、阪急阪神ホールディングス、松井証券、エネルギア・コミュニケーションズ、綜合警備保障(ALSOK)、凸版印刷の計12社。

今回の調達した資金は開発体制を強化に当て、デジタル通貨の新たな決済プラットフォーム開発を進める。より多くの企業からの出資を受けることで、仮想通貨からデジタル通貨へサービスの範囲を拡大する狙いがある。

同社のサービスは、資金の預け入れを銀行だけなく、金融機関を利用したペイジー入金、ローソン、ファミリーマートなどで依頼できるコンビニ入金を用意しているほか、日本円への出金機能も備える。QRコードを使った送金も可能だ。

自動運転技術開発のティアフォーが累計113億円の資金調達、本格的な商用化目指す

自動運転技術を研究・開発しているティアフォーは7月4日、シリーズAラウンドの累計資金調達額が113億円になったことを発表した。今回、新たに下記の企業を引受先とする第三者割当増資を実施。今回調達した資金は、人材の獲得と財務基盤の強化を利用される。今後、自動運転システムの本格的な商用化を目指すとのこと。

  • 損害保険ジャパン日本興亜
  • ヤマハ発動機
  • KDDI
  • ジャフコ(ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合、ジャフコSV5スター投資事業有限責任組合)
  • アイサンテクノロジー

具体的に商用化を目指して注力する自動運転システムは、施設内移動・物流、過疎地域交通、市街地・高速道路における長距離貨客輸送の3分野。前述のように引き受け先には損害保険ジャパン日本興亜やKDDIが入っており、リスクマネジメントや5G対応ついてもパートナー企業を協力していくという。

関連記事:KDDIなどが一般公道で5G活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験へ

ティアフォーは今年2月に、KDDIなどと一緒に一般公道で5G活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験を行った

ティアフォーが開発を主導しているオープンソースの自動運転OS「Autoware」は、国内外200社以上で導入された実績があり、今後も政府機関から民間企業、大学まで幅広い協業を進めていくとのこと。そのほか同社は、米国運輸省(U.S. Department of Transportation)に属する連邦道路庁(Federal Highway Administration)が提唱する自動運転ソフトウェア「CARMA」など、世界各地で自動運転システム開発をサポートしている。

関連記事:全国初、愛知県で国産完全自動運転車を使った試験運用がまもなくスタート

今年の2月下旬から3月にかけて、同社が開発した完全自動運転EVの「Milee」(マイリー)と、そのモビリティサービス用ウェブプラットフォーム「Web.Auto)」を使った実証実験を愛知県内で実施した

ドローン関連スタートアップ支援の「Drone Fund 2号」が52億円調達

ドローン関連のスタートアップに特化した投資ファンドであるDrone Fund 2号(正式名称:千葉道場ドローン部2号投資事業有限責任組合)は5月7日、新たな投資家を迎えて総額52億円を調達したことを発表した。

Drone Fund 2号の出資者としては、同1号ファンドから継続のMistletoe Venture Partners、オークファン、DGインキュベーション、日本アジアグループ、キャナルベンチャーズ、FFGベンチャービジネスパートナーズ、リバネス、その他複数のエンジェル投資家。

2号ファンドからは、小橋工業、みずほ銀行、大和証券グループ、マブチモーター創業家一家、KDDI、電通、セガサミーホールディングス、松竹、KSK Angel Fund、その他複数のエンジェル投資家が出資していた。

今回新たに、西部ガス、GMOインターネット、オリックス、日本郵政キャピタル、東京電力ベンチャーズ、ゼンリン、エン・ジャパン、エイベックスの8社が加わり。総額52億円となった。

Drone Fund2号は、すでに新規で7社に投資中だ。具体的には、農業用ドローンを開発するナイルワークス、空飛ぶ車を研究・開発するSkyDrive、個人用飛行装置(エア・モビリティ)を設計・開発するテトラ・アビエーション、京大初のベンチャーのメトロウェザーなどの国内スタートアップのほか、米国やマレーシア、ノルウェーなどの企業へ投資している。1号ファンドを加えると投資先は29社になるとのこと。また、2号ファンドから出資を始めた小橋工業は、TechCrunch Tokyo 2018のファイナリストであるエアロネクストが開発したドローンの商品化・量産化を支援している。

au WALLETポイントで資産運用、増えた分は買い物に:KDDIのポイント運用サービスが4月9日スタート

KDDIは、auの携帯電話やサービスの利用額などで貯まる「au WALLETポイント」を使って資産運用の疑似体験ができる「au WALLET ポイント運用」を4月9日より開始すると発表した。

同サービスでは、グループ子会社のKDDIアセットマネジメントが提供する投資信託「auスマート・プライム(高成長)」の基準価額に連動して保有ポイントが増減する。サービスの利用方法は非常に簡単で、ユーザーは資産運用をはじめるときに付き物の面倒な口座開設手続きを行う必要なく、au WALLETアプリ上で運用したいポイント数を決めるだけでですぐに運用を開始できる(最低100ポイントから)。

運用したポイントは再度au WALLETポイントに変換して引き出すことが可能で、au WALLET残高にチャージして買い物などに使用することが可能だ。

auスマート・プライム(高成長)の基準価額(2018年10月3日〜2019年4月3日まで)

KDDIは今後、同サービスのUIやポイント変動のバックエンドシステムをパッケージとして外部に提供し、ポイント運用のプラットフォームを作りあげることが目標としている。

KDDIら、一般公道で5G活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験へ

アイサンテクノロジー、KDDI、KDDI総合研究所、損保ジャパン日本興亜、ティアフォー、岡谷鋼機、名古屋大学は2月9日、愛知県一宮市で、愛知県による「平成30年度自動運転実証推進事業」における自動運転の実証実験を実施する。

同実験では国内で初めて一般公道において5Gを活用した複数車両の遠隔監視型自動運転を行う計画だ。

実験で使用する2台の自動運転車のうち、1台に5Gを搭載。運転席を無人の状態としたうえで自動走行を行う。自動走行を行うにあたり、遠隔にいる1名の運転手が2台を同時に監視し、緊急時には制御を行う。

同実験における各社の主な役割は以下の通りだ。

KDDI:5G自動運転車の開発・提供、4G LTE通信ネットワークの提供および5Gエリアの構築・評価、車載通信機および遠隔管制卓とクラウドシステムをつなぐ通信システムの提供

KDDI総合研究所:5G自動運転車の開発・提供、5Gを活用した遠隔自動運転実現のためのシステム設計の検討と実装のサポート

アイサンテクノロジー:高精度3Dマップ更新・作成、アプリケーション作成、自動運転の実証、報告書作成

ティアフォー:自動運転ソフトウェア「Autoware」の提供、自動運転に係る技術支援と助言

損保ジャパン日本興亜:自動運転に係るリスクアセスメント、自動運転専用保険・サービスの開発検討

岡谷鋼機:自動運転事業の実用化検証支援

名古屋大学:モニター調査および取り纏め

KDDIは「将来の移動手段を確保するために自動運転技術や5GといったICTの利活用が注目されています。自動運転の高度化により、買い物難民やバス・タクシー運転手不足に対する市民の移動手段としての活用や観光促進や車産業振興にもつながることが期待されます」とコメントしている。

VRイベントプラットフォーム「cluster」でスタートアップピッチバトルが開催決定

バーチャルイベントプラットフォーム「cluster」を運営するクラスターは1月29日、cluster上で同社いわく国内初となるスタートアップ企業によるピッチイベントを開催すると発表した。

「国内初!バーチャルピッチグランプリ in cluster presented by KDDI∞Labo」と題されたこのスタートアップピッチイベントは2月13日に開催。KDDIが手掛けるスタートアップ企業支援の事業共創プラットフォーム「KDDI∞Labo」とclusterとの共催となる。cluster会場YouTube会場が用意されている。

このイベントでは事前選考を通過したスタートアップ企業5社が、バーチャル空間上でアバターに扮して登壇し、「テクノロジーで世界に挑む」というテーマでピッチバトルを行う。

KDDIの発表によると、登壇企業は以下の通りだ。

このイベントでは最大5000名がVRヘッドマウントディスプレイやPC、スマートフォンを介して、遠隔でイベントに同時参加することができる。参加者は登壇企業に対して、拍手やコメントを送ることが可能なほか、バーチャル空間内を自由に移動し、自分の好きな場所や角度からイベントを楽しむことも。会場まで足を運ぶ必要がないので、自宅にひきこもってピッチイベントに参加できる。

審査員を務めるのはKDDIビジネスインキュベーション推進部 部長の中馬和彦氏、GREE Ventures代表パートナー堤達生氏、IT批評家・藤原投資顧問書生 尾原和啓氏、世界初男性バーチャルYouTuberのばあちゃる氏。MCはクラスター広報兼バーチャルタレントのくらすたーちゃん氏。

KDDIなどが五島をマグロ養殖基地化するIoTシステムの実証実験に成功

長崎大学大学院工学研究科システムファイブKDDI長崎県五島市は1月22日、五島市における「マグロ養殖の基地化」の実現を目的としたIoTシステムの実証実験に成功したことを発表。海水の採水から赤潮検知、漁業者への通知までの時間を約98%削減することを実現したという。具体的には、海水の採水から赤潮検知、漁業者への通知までの所要時間を約15分に短縮した。

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    海水採水の試験
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    海水サンプリング画像収集ロボットシステム「AKABOT II
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    画像解析による有害プランクトンの識別および計数
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    リアルタイム通知システム
五島市は「マグロ養殖の基地化」を目指してクロマグロの養殖に取り組んでいる。クロマグロはほかの魚種に比べて赤潮に対する脆弱性が約10倍高く、死滅を防ぐためには赤潮の早期検知が重要とされている。しかし、赤潮を検知する既存の計測方法では簡易的な計測しかできず、精度や時間的観点から迅速な赤潮への対応が困難という問題があった。

今回の実証実験では、ドローンを使った多地点・多深度採水、およびディープラーニングを用いた画像解析による有害プランクトンの判別、ドローンによる空中からの赤潮分布状況の把握、クラウド経由での漁業者への赤潮状況の早期通知を実現。今後はこの取り組みを推進し、マグロ養殖における赤潮被害の低減を目指すという。なおこの実証実験は、2018年度総務省IoTサービス創出支援事業の一環として実施されている。2019年度以降には、AIを活用した「赤潮予報」の提供を考えているとのこと。

IoTシステム構成図

漁獲量を予測する「スマートブイ」、KDDIが実証実験

eng-logo-2015KDDI総合研究所は、漁獲量を予測する新型のスマートブイを開発しました。6月中に石巻湾漁場(宮城県東松島市)で実証実験を開始します。

このスマートブイは、多層の水温測定が可能なセンサーのほか、塩分や溶存酸素などさまざまなセンサーを目的に応じて交換・接続することが可能。測定データは低省電力で広域をカバーするIoT向け通信(LPWA)の「LTE-M」や「LTE Cat.1」を経由してクラウドに蓄積します。

メンテナンス性の高さも大きな売り。ソーラーパネルと二次電池で1年間メンテナンスフリーの連続駆動を目指すほか、従来型に比べて50%軽く、運用性も格段に向上しているといいます。

同研究所によると、同スマートブイで得られる異なる深度の水温データは、過去の漁獲量実績や周辺気象データと組み合わせて分析することで、漁獲量のおおまかな予測を実現できるとのこと。これを活用し、効果的な出漁判断などによる漁業の効率化を目指すとしています。

Engadget 日本版からの転載。

初音ミクとも対話可能、クーガーがKDDIに技術提供、機械学習×ゲームAI×xR×ブロックチェーン

クーガーは、AIとxR(VR/AR/MR)を組み合わせた「バーチャルヒューマンエージェント」技術を開発し、KDDIの「バーチャルキャラクター×xR」プロジェクトに提供した(クーガーの発表資料KDDIの発表資料 )。

KDDIの発表会で見せたデモより

KDDI発表会のデモに使われたスマートグラス「R9」。重量181gで外見もコンパクト。このサイズにSnapdragon 835(2.45GHz、8コア)、6GバイトのRAM、128Gバイトのストレージ、1400mAhのバッテリーを搭載。視野角50度、表示機能は1080p×2(フルHD×2眼)。開発環境はAndroid Nougat(7.0)ベース

KDDIが4月26日に開催した「xR技術への取り組み」に関する発表会の場では、クリプトン・フューチャー・メディアのバーチャルシンガー「初音ミク」のキャラクターが米ODG社のスマートグラス「R9」により現実世界の中で動いて対話する「バーチャルヒューマンエージェント」のデモンストレーションを披露した。初音ミクが目の前に等身大で表示されていて、部屋の中の人物や置いてあるモノに関心を持って近寄ったり、褒める言葉をかけると喜んだり、ネガティブな言葉をかけると反発したりする。KDDIでは過去にARアプリによる地域密着型イベント「ミク☆さんぽ」を実施しているが、その次世代ともいえる技術になっている。

この事例では「初音ミク」をキャラクターとして起用しているが、もちろん他のキャラクターをエージェントに配役することも可能だ。

学術AIとゲームAIを掛け合わせ、ブロックチェーンでデータを管理

クーガーによるデモンストレーションから。スマートフォン上で「バーチャルヒューマンエージェント」を動かしている

「バーチャルヒューマンエージェント」はCGで表現したキャラクターを備えていて、実世界の中で「人に近寄る」「新しいモノに興味を持って近づく」ように振る舞いをする。また記憶と感情を持ち、振る舞いや会話にそれを織り交ぜるようにする。例えば「新しい椅子」や「初めての来客」などに反応する。

バーチャルヒューマンエージェントには多くの技術要素が組み込まれているが、大きな枠組みとして「2系統のAIを組み合わせた」とクーガー 代表取締役 CEOの石井敦氏は説明する。「学術分野で発達した深層学習などのAIと、ゲーム分野で発達したキャラクターAIは今まで接点がなかった。その両者を結びつけた」(石井氏)。記憶、感情があるかのように振る舞うキャラクターAIの部分ではゲーム開発の知見を盛り込み、一方で画像認識、空間認識の部分では自動運転技術にも応用されつつある機械学習の技術を応用している。

同社は、今回発表の「バーチャルヒューマンエージェント」を、「空間をスマート化する技術」として作り上げる「コネクトーム」と名づけた技術の中でヒューマンインタフェースを担当する技術として位置づけている。「コネクトーム」は脳の配線情報という意味をもつが、同社の技術名称としてのコネクトームは、前述の学術AI、ゲームAI、データをその所有権や信頼性が保てるよう管理するブロックチェーン技術、xR(VR/AR/MR)、IoTの各種技術を組み合わせた技術の総称である。

クーガーの技術「コネクトーム」の全体像。「バーチャルヒューマンエージェント」はコネクトームの入力、出力に相当する。データ管理にはブロックチェーン技術を活用

上の図が「コネクトーム」の全体像である。例えば今回発表の「バーチャルヒューマンエージェント」をスマートフォンをプラットフォームとして利用している場合は、(1) 情報の入力がスマートフォンのカメラ、マイク、6軸センサ、その他センサ。(2) 情報の出力が、スクリーンにCGキャラクターとして表示されてスピーカーから語りかけてくるバーチャルヒューマンエージェント、という形になる。また、音声認識関連ではクラウド側のエンジンも使っているが、画像認識やCG生成のエンジンはほぼスマートデバイス(スマートフォン、スマートグラス)上で動かしている。「リアルタイムな画像認識、CGキャラクター生成ではクライアント側で処理しないと追いつかない」(石井氏)。

将来はAIエージェントのマーケットプレースも

クーガーは、この「バーチャルヒューマンエージェント」を将来的には法人ユーザーや個人ユーザーに提供していく考えだ。法人向けの展開としては、例えば飲食店の接客用のAIとして使う形を検討している。

フェーズ1として、2018年8月には、クーガーのオフィスで社員として立ち振る舞うバーチャルヒューマンエージェント「Rachel」を誕生させたいとしている(この名前から映画『ブレードランナー』を想像した読者はおそらく正しい)。視覚、聴覚、感情をもち、接客やコミュニケーションが可能。オフィス内の機器類、例えば冷蔵庫、テレビ、照明とも連動する。学習履歴、行動履歴、デバイス情報などのデータはブロックチェーンで管理する。「バーチャルヒューマンエージェントにオフィス内で経験を積んでもらう形」だと同社は説明する。

フェーズ2として、2018年12月を目標に、バーチャルヒューマンエージェントのマーケットプレイスを展開する方向だ。経験を積んで育ったAIキャラクターを交換可能としていく。例えば、自分が育てたAIが、複数のAIに派生して育っていく樹形図を見ることができる将来像も考えている。ブロックチェーンのようなdecentralized(管理主体を持たない)の特性を持たせることや、非営利団体による運営などの構想も視野に入っているとのことだ。

クーガーのバックグラウンドについて若干の補足をしておく。同社はスクウェア・エニックスのオンラインゲーム開発協力の経験を持つ。これまでにゲームAIの応用であるAI学習シミュレータを本田技術研究所に提供した経験、ロボット競技ロボティクス出場チームへの支援、Ethereumベースのブロックチェーン関連開発(関連記事関連発表)などの経験を積んでいる。

KDDIが5G時代に向けて200億円規模の新ファンド、ソラコムら3社と「投資プログラム」でタッグ

KDDIは4月5日、独立系VCのグローバル・ブレインと共同で新ファンド「KDDI Open Innovation Fund 3号」を設立したことを明らかにした。5G時代におけるKDDIグループとの事業シナジーを見据え、有望なベンチャー企業への出資を加速させる方針だ。

同ファンドではAI、IoT、ビッグデータなど5G時代に重要性が高まる分野のスタートアップに対して、今後5年間で約200億円の投資を行う予定(運用総額は1号、2号ファンドの50億円から拡大)。

特徴的なのはグループ会社が持つネットワークや知見を活用した「投資プログラム」という枠組みを設けていること。まずはAI、IoT、データマーケティングの分野において、ソラコムなど3社とタッグを組み、スタートアップの発掘や事業共創を目指す。4月5日時点で設定されている投資プログラムは次の通り。

  • ARISE analytics AI Fund Program
  • SORACOM IoT Fund Program
  • Supership DataMarketing Fund Program

投資プログラムは今後追加される可能性があるほか、投資の判断自体はファンド運営者であるグローバル・ブレインが行う。

なおKDDIは本日ファンドの設立と合わせて、今夏に5G時代のビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」を虎ノ門に開設することも発表している。

ドローンは「どこまでも飛んでいける」 長距離自律飛行・無人充電実験にKDDIが成功

eng-logo-2015長距離を人の操縦なしに自律飛行する「スマートドローン」の実用化を目指すKDDI。同社は、新潟県で実施したドローンの長距離自律飛行の実証実験に成功したと発表しました。

KDDIが推進する「スマートドローン構想」では、auの携帯基地局をドローンが自動充電可能な「ドローンポート」として活用。さらに携帯のネットワークセンターを、ドローンの発着場や整備機能を備える「ドローンステーション」として、それぞれ整備するといいます。

また、これらを等間隔に設置し、電力鉄塔の上などを飛行ルートとして設定する「ドローンハイウェイ」構想などと組み合わせることにより、例えば災害発生時にすぐに自律飛行ドローンが急行したり、きめ細やかな宅配サービスなども可能になるといいます。

6kmの自律飛行、ドローン途中充電に成功

この構想を実現すべく、KDDIが新潟県長岡市で実施したスマートドローンの実証実験では、LTEに繋がるドローンを用い、総距離6.3km、高低差100mの目視外長距離飛行に成功したとのこと。

具体的には、鯉を飼育する棚池への薬剤散布を目的に、ドローンステーションからスマートドローンが離陸。ゼンリンの提供する3次元地図を活用し、起伏の激しい山間地でも、安全な高度を保ちながら目視外飛行を達成したといいます。

途中、ドローンを無人充電できる「ドローンポート」にスマートドローンが自律的に着陸。自動充電し、航続距離を延長した上で、任務を果たし無事ドローンステーションに帰還できたといいます。

「今回は満充電しなかったが、ドローンポートで仮に満充電すれば、あと20キロは航続距離を延長できる。この実証実験でどこまでもドローンを飛ばすことができるという手応えを感じた」(KDDI 山本泰英 執行役員常務 商品・CS統括本部長)

ドローンを自動充電する「ドローンポート」のシステムは、ドイツのスカイセンス社製。非接触ではなく接触充電で、ヒトや生物が上を歩いても安全な設計。さらに、雨に濡れても壊れないように、耐候性を付与することも可能です。上位モデルでは、2時間でドローンを満充電できるといいます。

なお日本政府は、2018年をめどに過疎地でドローン宅配の実用化をめざしています。これについて「絶対実現できる」とKDDI山本氏は語ります。さらに、2020年を目標としている人口過密エリアでのドローン宅配については「飛行騒音や安全性などの課題がある」(山本氏)としつつも「ドローンがどんな要因で墜落し、要因別にどのような落ち方をするのかをしっかり検証」(スマートドローンを開発するテラドローン担当者)したうえで、安全性を担保しつつ実現を目指したいと語りました。

なおKDDIは「スマートドローン構想」の実現に向け、新たに気象情報会社のウェザーニューズと提携。ドローン向けの気象予測情報や、auの基地局に設置した気象観測システム「ソラテナ」を活用し、ドローン向けの気象予測情報の提供などを目指すとしています。

Engadget 日本版からの転載。

KDDI、高級宿泊予約サイト「Relux」運営のLoco Partnersを子会社化へ

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数日前にグリーが3ミニッツを買収したニュースをお伝えしたが、また1つ、スタートアップのイグジットに関するニュースがあったようだ。KDDIは2月7日、会員制の宿泊予約サイト「Relux」を運営するLoco Partnersと株式譲渡契約を締結したことを明らかにした。今後は2月末をめどにLoco Partnersの過半数の株式を取得し連結子会社する予定だ。

Loco Partnersは2011年9月の設立。代表取締役の篠塚孝哉氏は、2007年にリクルート旅行カンパニーに新卒入社。大手宿泊施設の企画やマーケティングを担当したのちに起業した。Loco PartnersはこれまでリクルートホールディングスやKDDIなどから出資を受けている。

同社が手がけるReluxは、日本から厳選した一流の旅館やホテルを掲載した宿泊予約サイト。宿泊施設の品質に加えて、満足度や最低価格の保証、会員限定特典などを特徴としている。最近では外国語対応や海外代理店、宿泊予約サイトなどとの連携を実施。インバウンド需要への対応を進めてきた。