セガとマイクロソフトがAzure活用した大型戦略タイトルSuper Gameの創出・次世代開発環境の構築に向け戦略的提携を検討

セガとマイクロソフトがAzure活用した大型戦略タイトルSuper Gameの創出・次世代開発環境の構築に向け戦略的提携を検討

CHARLY TRIBALLEAU via Getty Images

セガと米マイクロソフトが、マイクロソフトのAzureプラットフォームを活用する次世代開発環境で大規模かつグローバルなゲームを制作するための戦略的提携を検討すると発表しました。

これはセガの中長期的な戦略の一環とのことで、セガは今後「グローバル展開」「オンライン」「コミュニティ」「IP活用」といった要素を盛り込んだ革新的な「Super Game」の開発を推進していくとのこと。

今回の提携は、セガが今後のトレンドを先取って開発プロセスを最適化し、マイクロソフトのAzureプラットフォームの活用によって高品質な体験を消費者に提供していくことを目的とするとのこと。

そのため両社はまず、この提携の基本的な部分で合意に達し、これからは相互協力のもとオンラインサービスの提供に必要なネットワーク環境やコミュニケーションツールの技術的進化を目指していくとしています。さらにセガは開発プラットフォームも新たな世代へ移行させて多様化するインフラとワークスタイルの変化にも対応していくと述べています。

セガの社長COO、杉野幸雄氏は、Super Gameの開発と先進的なゲーム開発環境の構築のために「セガが持つゲーム開発力とマイクロソフト様が保有する最先端のテクノロジーや開発環境の構築といった分野において、相互に協力関係を築くことで、世界中のゲームファンにお楽しみいただけるゲーム開発をさらに進めてまいります」とコメントしています。

またマイクロソフトのコーポレーションバイスプレジデント(CVP)サラ・ボンド氏は「セガ様とゴールを共有し、ゲームファンの皆さんに、より多くの新しい価値を一緒に提供していけるよう努めていきます」と述べています。

新型コロナへの警戒感もワクチン接種がすすむにつれ沈静化しつつあるなか、PS5やXbox Series X|Sといった新世代ゲーム機が発売されて約1年が経とうとしています。この1年間は、外出を控える巣ごもり生活でゲームの楽しさを思い出した人も多そうです。また、セガがSuper Gameと呼ぶ「グローバル向けの大型タイトル」とは一体何なのかも気になるところ。4つの要素をヒントに、どんなゲームが開発されているのかを予想してみるのも面白いかもしれません。

(Source:セガEngadget日本版より転載)

第3四半期のクラウドインフラ市場は年20兆円規模に、チップ不足でも減速せず

Amazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)のクラウドインフラベンダーのビッグ3が決算を発表した。お察しのとおり、業績は好調で、成長する市場は全世界で450億ドル(約5兆1300億円)を突破した。年換算で1800億ドル(約20兆5200億円)と、気が遠くなるような金額だ。過去12カ月の売上高は1640億ドル(約18兆6960億円)に達した。Synergy Researchによれば、当四半期の売上高は全体で37%増加した。

問題は、これらのベンダーが、スマートフォンからコンピュータまで、テクノロジーのサプライチェーン全体に影響を及ぼしているチップ不足に先手を打てるかどうかだ。

まずは、今期の市場シェアの70%を占めるトップ3のベンダーから見てみよう。Amazonは今回も市場をリードした。シェアは33%とここ数年安定しており、売上高成長率は39%と前四半期比では2%増加、前年同期比では10%増加し、目覚ましい成長を遂げた。

Amazonの売上高は161億ドル(約1兆8354億円)で、前年同期の116億ドル(約1兆3224億円)から増加した。少し計算してみれば、この数字が450億ドル(約5兆1300億円)の3分の1ではないことはわかるだろう。Synergy Researchは、インフラ、プラットフォームサービス、ホステッドプライベートクラウドの金額を集計しており、コンサルティングやハードウェアなど、純粋にクラウドインフラのカテゴリに属さない売上高を除いているためだ。

Microsoftがクラウドインフラ市場全体の把握をさらに難しくする。Synergy Researchのデータに基づいて計算すると、Azureインフラからの売上高は90億ドル(約1兆260億円)となり、前四半期の84億ドル(約9576億円)から増加した。同社によると、Azureおよびその他のクラウドサービスは50%成長した。前四半期の51%成長からわずかに減速した。前年同期比では2%増加した。

最後にGoogleだが、シェアは10%と安定しており、売上高は45億ドル(約5130億円)で前四半期の42億ドル(約4788億円)、前年同期の29億ドル(約3306億円)のいずれからも増加となった。Googleはクラウドインフラ市場で着実な進歩を続けている。

Canalysは、全体の売上高を494億ドル(約5兆6316億円)とさらに大きく見積もっており、年換算で2000億ドル(約22兆4000億円)近くになるとしている。成長率は少し低い35%を見込む。また、ビッグ3の市場シェアも若干異なり、Amazonが32%、Microsoftが21%、Googleが8%と見積もる。

どの数字を使うにせよ、いまだ高成長を続ける重要な市場だが、チップ不足により来年の成長が鈍化する可能性があるとCanalysは警告する。「全体的なコンピュート需要はチップ製造能力を上回っており、クラウドサービスプロバイダーによるインフラの拡張は制限される可能性があります」とCanalysのBlake Murray(ブレイク・マレー)氏は声明で述べた。

サプライチェーンの制約は、企業自身やアナリストらが決算説明会で気にしていたことでもある。MicrosoftのCFOであるAmy Hood(アミー・フッド)氏は、Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)のアナリストであるKash Rangan(カッシュ・ランガン)氏から、サプライチェーンの問題がデータセンターの拡張に与える影響について具体的に質問され、次のように答えた

「第二に、サプライチェーンの影響、特にデータセンターに関する良い質問をいただきました。今期の支出を踏まえると、次へのガイダンスも似たようなものになると思います。カッシュ氏がいうことの多くは、リードタイムの長いものであると考えています。私たちは、観測したキャパシティのシグナルを満たすために必要なリードタイムをよく理解しています。複数のサプライヤーを利用することは、こうした状況に対応するために重要です。チームは非常に良い仕事をしたと感じています」とフッド氏は決算説明で語った。

Synergy ResearchのチーフアナリストであるJohn Dinsdale(ジョン・ディンスデール)氏は、これらの大手ベンダーが、チップ市場全体を覆う問題を横目に、その影響力により必要なものを入手できる可能性が高いと述べた。「これらの企業は、サプライチェーンの管理に長けており、巨大な顧客でもあるため、サプライヤーから優遇措置を受けられると考えるのが妥当だと思います」と同氏は話した。

「また、彼らが調整できる点がいくつかあります。建設とリースの意思決定、サーバーの寿命の若干の延長、ワークロードの異なる地域への切り替えなどです。今では、巨大で地理的に分散したデータセンターネットワークを持っているため、必要なものを手に入れる余裕が多くあります」と同氏は語る。

チップ市場の動向を注視しているMoor Insights and Strategiesの主席アナリストであるPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏も、コストが上昇したとしてもハイパースケーラーはおそらく供給を受けることになると話す。

「今はまだその段階ではないと思います。不足がさらにひどくなればそうなるでしょうが、近々そうなるとは考えていません。チップメーカーは利益率の高いデータセンターを優先するため、コンシューマー向けのPCやスマートフォンよりも優先されるのです」とムーアヘッド氏は話した。

供給の問題がデータセンターの成長に短期的な影響を与えたとしても、長期的にはこの市場を減速させることはないようだ。企業はより多くのワークロードをクラウドに移行しようと準備しているため、成長は確実と思われるが、サプライチェーンの影響の有無については次の四半期にわかるだろう。

画像クレジット:Chris Clor / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

LinkedInがフリーランスのためのサービスマーケットプレイスをグローバルに展開

Microsoft(マイクロソフト)傘下のLinkedIn(リンクトイン)は、仕事に就いている人や仕事を探している人が、同じ分野の人とつながるためのプラットフォームだ。採用の観点では、正社員の候補者探しや求人広告で知られる。そのLinkedInが、フリーランスのためのジョブマーケットを開拓している。

この新機能では、短期間の仕事向けに誰かを雇いたい人は広告を出すことができる。熟練知識労働者を探せるFiverrやUpworkなどと競合することになる。

今回のフリーランス向けプラットフォームの立ち上げは、他の求職ツールに関するいくつかの重要なアップデートと同時に行われた。雇用市場や働き方の新しい流れに、LinkedInがいかに適応しようとしているかを示している。

新しく検索フィルターが設けられ、リモート、ハイブリッド、オンサイト(つまり正社員)のいずれで働けるのかが表示される。採用担当者からの連絡を受けられるよう「オープン・トゥ・ワーク」をオンにしている場合、そこに上記の情報が表示される。また、求人情報を検討する際、企業の予防接種要件を確認することができるようになった(企業がその詳細を表示している場合)。

Service Marketplace(サービスマーケットプレイス)は2021年2月、小規模なテストの段階で初めてリークされた。それ以来、米国でこのサービスのベータ版を静かに稼働させ、LinkedInが全世界で抱える約8億人のユーザー(米国時間10月26日の決算発表時点)の中から、すでに200万人のユーザーを獲得した。

10月27日からService Marketplaceは全世界で提供される。フリーランスのプロフィールを設定するには、自分のプロフィールページにアクセスし、上の方にあるボタンを押し、指示に従って設定を行い、自分が興味を持って取り組める仕事にフラグを立てる。

この新機能は、Microsoftの傘下に入ったLinkedInにとって興味深い転換点となる。LinkedInは前四半期に約2500万人の新規ユーザーを獲得した。

長い間LinkedInが構築してきたのは、同社が「エコノミックグラフ」と表現するものだ。人々が仕事上の関係でどのようにつながっているかをマッピングすることで、世界経済をより深く理解することができるという構想だ。

その意図はもちろん、同社のビジネスの商業的な側面、すなわち人材紹介ビジネスをより強固なものにすることにある。同社のプラットフォームは、リクルーターにプレミアム会員権を販売して潜在的な候補者に関する詳細なデータを入手できるようにしたり、求人広告を出したり、求職者が仕事を見つけられるようになっている。

このビジネスは着実に成長している。LinkedInは10月27日の決算説明会で、プラットフォーム上で確認された採用数が前年同期比で160%以上増加し、広告収入全体も61%増加したと発表した。また、採用担当者に幅広いトレーニングコンテンツをアップセルしているLinkedIn Learningは現在、1万5000社以上の法人顧客を抱えている。

だが、その過程で、LinkedInは市場の大きな部分を切り離してしまった。この10年間で、フルタイムの長期雇用から短期のフリーランスへと移行する人が急増したからだ。

彼らがLinkedInを利用して、ネットワークを広げたり、同じ分野の人々と連絡を取ったり、仕事を見つけたりすることを妨げるものは何もなかったが、これまでLinkedInには短期のフリーランスに関わる正式な方法がなく、特にそれを収益化できていなかった。

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Service Marketplaceは、他の人材紹介製品と同様、現在は料金を請求していないが、LinkedInが将来提供し得るサービスの基礎となる。

Service Marketplaceは、250の職種カテゴリーでスタートし、500種まで拡大する計画だと、プロダクトマネージャーのMatt Faustman(マット・ファウストマン)氏はインタビューで語った。

「私たちはまだ取りかかり始めたばかりです」と同氏はいう。これまでのところ、マーケットプレイスで引き合いが強いカテゴリーの1つとして、マーケティングが挙げられると付け加えた。

注:ファウストマン氏がLinkedInに入社したのは、前職のリーガルテック専門会社のスタートアップであるUpCounselがLinkedInに買収された時だった。前職での最初のプロジェクトは、短期的な仕事に必要な弁護士を探すマーケットプレイスを構築することだったが、それは自然に、より広範なService Marketplaceに取り組むことへと発展した。

「私たちはまだ取りかかり始めたばかりです」という言葉はピッタリかもしれない。

今のところ、仕事の料金を交渉したり、請求書を発行したりするツールは用意されていない。また、人材を探す側は、候補者との会話が深まるまで、料金について具体的な説明をする必要はない。

レビューに関していえば、クライアントは契約相手をレビューすることができるが、個人側はクライアントのレビューを残すことができない。

また、マーケットプレイスに自身を掲載している人は、自分から仕事を探すことはできない。誰かに見つけ出してもらうのを待つために存在するのであって、自らの仕事を探すためではない。

仕事を探しているクライアントは、LinkedInの大きなドロップダウン検索メニューを使って人材を探す。例えば、ブランドマーケティングのスペシャリストを探している場合、検索ウィンドウにそのフレーズを入力し始めると、LinkedInがオートコンプリートで「in Service Marketplace」と表示し、そのカテゴリーの候補者一覧を出す。

候補者の抽出には、クライアントであるあなたが、仕事や個人的なつながりで、各個人とどれだけ密接につながっているかが考慮される。

しかし繰り返しになるが、一例として、ブランドマーケティングの専門家の人は、包括的な案件リストに目を通すことはできない。これは意図的なものだとファウストマン氏はいう。この機能は今のところ、クライアントの体験のために開発されたものであり、クライアントにターゲットを絞った依頼をさせ、専門家に応募が殺到して選別に時間を取られることがないようにしようという考えだ。

ゆくゆくは、上記の点や、決済など現在用意されていない機能も再検討すると同氏は語る。

LinkedInが労働者を開拓し、彼らの信頼を得たいなら、その点が重要になる。フリーランスは、料金の透明性の低さに悩まされることが多く、結果的に低価格で搾取される危険性がある。ファウストマン氏は、この点が問題であることを認め、LinkedInのプロダクトチーム内でも議論になっていたと話す。

「価格設定については、今後対応していきますが、今のところは見合わせることにしました」と同氏は述べた。

もう1つの興味深い点は、LinkedInが他の種類の労働者をどのように市場に呼び込むのかということだ。つまり、第一線で働く人やその他のサービス業に従事する幅広い人々をどうカバーするのか。Service Marketplaceにそうした層を含める計画は手元にない、とファウストマン氏は語る。しかし「長期的には、LinkedInに存在するあらゆるカテゴリーに拡張する可能性があります」。

画像クレジット:Nan Palmero / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

TikTokが開発者向けVideo Kitをデスクトップ、ウェブ、コンソールでも使えるように拡張

米国時間10月27日、TikTok(ティックトック)はこれまでモバイルプラットフォームに対応していた開発者向けのVideo Kitを、ウェブ、デスクトップ、コンソール用アプリの開発にも使えるように拡張すると発表した。また合わせてClipchamp、Combo、Grabyo、Kapwing、Mobcrush、LG U+など多くの他社製アプリが新たにTikTokと連携することも明らかにした。


Video KitはTikTokのソリューションで、他社製のツールやアプリを連携させる「TikTokに共有」が含まれる。これにより他社製アプリの編集プラットフォームからビデオファイルをTikTokに直接アップロードできる。2019年に公開された「TikTokに共有」は、TikTokの開発者向けプログラムで初めて提供された機能だった。このプログラムではその後、Login KitやSound Kitなどの新しいツールも提供されている。

現在「TikTokに共有」はAdobe Premiere Rush、Picsart、Enlight Videoleap、Momento GIF Makerなど多くのツールから利用できる。このようなアプリは、TikTokアプリより高度な編集をしたいプロのクリエイターに多く使われている。

関連記事:TikTokが開発者向け新ツールの提供開始、サードパーティーアプリの統合を拡大

デスクトップやウェブのツールにも拡大することで、TikTokはプロのクリエイターや、さらにはブランドや企業にもリーチを広げようとしている。例えばMicrosoft(マイクロソフト)は最近Clipchamp買収し、Microsoftの生産性ソフトウェアのラインナップにビデオの制作・編集ソフトウェアが加わった。Microsoftはビデオについて、企業がアイデアのピッチやプロセスの説明、チームメンバーとのやりとりに使う新しいタイプの「ドキュメント」と呼んでいる。

Comboのプラットフォームはクリエイターが時間をかけずにコンテンツを再利用できるように作られていて、ストリーミングサービスのハイライトやクリップをTikTok用のビデオにできる。クラウドビデオ制作プラットフォームのGrabyoは、放送局やメディアパブリッシャーが放送、デジタル、ソーシャルプラットフォームのすべてに向けてライブでリアルタイムのビデオコンテンツを制作、編集、配信するツールを提供している。

他には、Super League Gaming傘下のMobcrushはゲーマーやライブストリーマー向けのツールを提供し、Kapwingのビデオエディタにはクリエイティブチームが共同作業をするためのツールが含まれている。LG U+が提供するコラボレーションプラットフォームのU2には、2021年中にクリエイターがビデオのストーリーボードをチームとともに扱える機能が搭載される予定だ。

TikTokは、新しいツールに関心のある開発者はdevelopers.tiktok.comにアクセスして利用を開始できると述べている。

画像クレジット:Lionel Bonaventure / AFP / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

マイクロソフトとAlphabetはともに投資家の成長予測を上向きに裏切る

スタートアップへの投資の世界的なブームを支えているのは、デジタル製品とサービスへの巨大な需要とその成長だ。しかも実は、小さなテクノロジー企業を後押ししている同じ追い風が巨大企業の力にもなっている。

ソーシャルの大手Snapの第4四半期の弱い成長予測と、ソーシャル大手Facebookの売上の鈍化の後を受けて、その他の巨大テクノロジー企業に対する予測が低くなったとしても許されるだろう。

しかし米国時間10月6日は、まるでスタートアップような扱いをされかねない市場の空気をぶち破って、MicrosoftとGoogleの親会社Alphabetはいずれもその売上が予測を上回った。

以下が、その数字だ。

時間外取引でMicrosoftの株価は1%の上昇、対してAlphabetは微減だった。

もちろん、どちらの決算報告も話題山積みだ。AlphabetとMicrosoftはともに、単なる企業というよりも企業帝国に近い。両社をすこし掘り下げてみよう。

Microsoftの2022会計年度第1四半期

Microsoftの強烈な数字の中心にあるのは、パブリッククラウドサービスAzureの成長だ。この売上源は前年比で50%成長し、恒常通貨ベースでは48%の成長となった。言い換えるとAzureは通貨変動によりわずかに上昇し、売上が髪の毛一本ほど増えた。

細部の話はともかくとして、Azureの成長はこのところずっと、ほぼ50%周辺を維持している。つまりMicrosoftのプロダクトの全体としてトップラインに、Azureからかなり大きな数字が加えられていることを意味している。

Microsoftの決算報告を見て目立つその他の数字は、検索とニュースの売上が前年比で40%伸びていることだ。この数字はトラフィック取得費用などを取り除いて調整されているが、このような公正を期しての調整はAlphabetも行っている。一方悪い方のニュースは、Surfaceの売上が17%落ちたことだが、新しいハードウェアを準備中だから好転の可能性もある。

サブスクリプションに関しては、Microsoftは好悪混交している。Office 365の企業売上は前年比で23%伸び、同じプロダクトの消費者収入は低めの10%という成長だ。そしてLinkedInの売上の42%増は、Microsoftにとってかなりの余録だ。

Alphabetの2021年第3四半期

Alphabetの財務報告の良いところは、短いので記事にしやすいことだ。下図を見てみよう。

Alphabetの決算報告

YouTubeの売上の伸びは依然として驚異的で、今回同社はこの製品を独立項目にしている。なお、2020年にはパンデミックで突然みんなが家にいるようになり、テクノロジー大手の検索広告の需要が落ち込んだが、その中でどこよりもGoogleの被害が大きかった。被害を受けたのは他の検索サービスもにも影響があった。

CNBCのマーケット予測記事によると、Google Cloudは今四半期の成長ターゲットに達しなかった。予想は50億7000万ドル(約5777億円)で、実値が49億9000万ドル(約5686億円)、一応成長ではあるが、投資家たちがGoogleのクラウドに期待していた額には達しなかった。

細かい科目も集めれば大きいが、グループの営業損失は当四半期に増えた。さまざまな研究開発事業は合わせて12億9000万ドル(約1470億円)の営業損失を計上し、前年同四半期の11億ドル(約1253億円)よりも大きくなった。

ここで両社の財務についてさらに1000の言葉で表現するのを止めると、2つの大手テック企業は堅実な成長率を上げ、彼らの間で数兆ドルを稼ぎ、株式買い戻しと配当金を含む株主に優しい活動に回収された2350万ドル(約27億円)を使った。テクノロジーの巨人になるには良い時代だ。

画像クレジット:Bryce Durbin/ TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マイクロソフトがShopifyと提携、Bing、Edge、Microsoft Starにマーチャントリストを提供

2021年初め、Google(グーグル)はShopify(ショッピファイ)との提携を発表した。これにより、eコマースプラットフォームの170万を超える販売業者がGoogle検索やその他のサービスを通じて消費者にリーチできるようになった。今回、Microsoft(マイクロソフト)も同様の提携を発表した。Microsoftは先日、Shopifyとの提携により、同社の検索エンジンMicrosoft Bingや、ブラウザMicrosoft EdgeのShoppingタブ、そして新たに開始したニュースサービスMicrosoft Startでの商品選択を拡大すると発表した。

関連記事:マイクロソフトがパーソナライズできるニュースサービス「Microsoft Start」を提供開始

この統合は、Microsoftのネットワーク上でのリーチを拡大するためのいくつかの調整を行うことができる更新されたMicrosoft Channelアプリを通じてShopifyの販売業者に提供される。設定が完了すると、販売業者の商品が、Microsoft Start、Microsoft Edge、Bingの「Shopping」タブに、無料で表示されるようになる。

画像クレジット:Microsoft

Googleと同様に、Microsoftの広告収入は、Amazonの広告ビジネスの拡大により、影響を受ける可能性がある。

Googleはこの課題に対処するために、今春のGoogle I/O開発者会議でオンライン広告主に向けてアピールした自社のGoogle Shoppingサービスの刷新に奔走している。その中で、同社は、消費者がどこに商品があるのか、どこが一番安いのかなどを見つけやすくするためにウェブサイト上の情報、価格のレビュー、商品データなどをまとめる「Shopping Graph(ショッピング・グラフ)」について説明した。また、Googleは2020年、販売業者がGoogle上で商品を販売することを無料にした。この変更により、Google上の販売業者が80%増加し、その大部分が中小企業であるとGoogleはアピールしている。

一方、Microsoftは、広告市場全体の回復に伴い、最近の四半期では検索広告収入が増加していること気づいている。しかし、Amazonは急速にそのシェアを拡大している。2021年上半期、Amazonは148億2000万ドル(約1兆6800億円)の広告売上を計上し、前年同期比で82%増となったと、WSJはGoogleのeコマース改革に関するレポートの中で指摘している。

より多くの消費者が、検索エンジンやホームページポータルを通さず、直接Amazonで商品検索を始めるようになり、GoogleとMicrosoftの両方の収益が打撃を受ける可能性がある。両社の競争力を高めるための、Shopifyとの提携により、GoogleとMicrosoftは、Amazonが持っていないような多くのオンライン在庫に直接アクセスして展示・販売できるようになる。

また、ShopifyとMicrosoftの統合により、販売業者は新しい広告キャンペーンを作成したり、Shopifyのストアでリアルタイムのレポートを使ってマーケティングパフォーマンスを確認したりすることができるようになる。また、Microsoftは将来的に他の「ショッピング機能の強化」を計画していると述べているが、その新機能に何が含まれるかについては詳しく述べていない。

Microsoftは、Shopifyが過去1年間に発表した数多くの統合の1つだ。また、ShopifyはSpotify(スポティファイ)と提携し、アーティストがSpotifyのプロフィールを通じて商品を販売できるようにしたり、TikTok(ティックトック)と協力してeコマースを実現したりもしている。

画像クレジット:Thomas Trutschel / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

SDGsが募集テーマのMinecraftカップ2021全国大会の第2次地区ブロック審査会が11月開催

Minecraftカップ全国⼤会運営委員会は10月21日、「Minecraftカップ2021全国大会」日本各地の地区ブロック予選(1次審査)を通過した代表選手による2次審査会を開催すると発表した。11月7日より全国を5ブロックにわけて行なわれ、内容は1次審査通過者のプレゼンテーションと審査員による質疑応答となる。その模様はYouTube「Minecraft カップ」にて生配信される。審査基準と日程は以下の通り。続く最終審査会は2022年1月30日にオンラインでの開催を予定している。

作品募集テーマ「SDGs時代のみんなの家、未来のまち」

以下の3つのうち、1つ以上のSDGsの目標を取り入れてワールドを制作する。

  • 3:すべての人に健康と福祉を
  • 7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 15:陸の豊かさも守ろう

審査基準

  • 構想力:既存の枠にとらわれない発想で作品テーマを構想できているか
  • 調査力:テーマに対して様々な調査を行えているか
  • 技術:プログラミングやレッドストーンが活用されているか
  • 計画力:計画を立てて取り組むことができるか
  • 作品完成度:上記をふまえて総合的に作品のクオリティが高いか

開催日時

  • 関西・中国ブロック:11月7日14:00〜16:00(予定)
  • 北海道・東北・その他ブロック:11月13日14:00〜16:00(予定)
  • 四国・九州・沖縄ブロック:11月14日14:00〜16:00(予定)
  • 東京ブロック:11月21日14:00〜16:00(予定)
  • 関東6県・中部ブロック:11月28日14:00〜16:00(予定)

Minecraftカップ2021全国大会は、「ひとりひとりが可能性に挑戦できる場所」をコンセプトに「Minecraft: Education Edition」(教育版マインクラフト)を用いて子供たちにプログラミング教育やデジタルなモノ作りに触れる機会を創出し、子供たちのプログラミング思考の熟成を目指して開催されているイベント。7月12日よりエントリーの受付を開始し、エントリー総数3087人のうち、チーム・個人を合わせて484作品が集まった。

1次審査は北海道・東北・その他関東6県・中部東京関西・中国四国・九州・沖縄の5ブロックに分かれており、10月8~22日までブロックごとの相互投票によって行なわれた。それぞれの作品も公開されている。

2次審査会は、地区ブロック担当のMicrosoft認定教育イノベーター(MIEE)によって行なわれる。内容は1次審査通過者による3分以内のプレゼンテーション動画配信と、2分間の質疑応答によって審査されその模様はYouTubeでリアルタイム配信される。結果は後日公式サイトにて発表される。

音楽や演者、感覚の動き・表情などで空間を即興で演出するHumanoid DJが大塚愛とスペシャルライブ

先に開催されたMicrosoft Japan Digital Days。4日間にわたるイベントでは、組織の競争力を高める最新事例とソリューションというビジネスやテクロノジーに関する130以上のセッションが行われた。

その「締め」、クロージングイベントとしてエイベックスのAI DJ「Humanoid DJ」とミュージシャン大塚愛氏によるスペシャルライブも開催された。

Humanoid DJ(ヒューマノイド DJ)」とはAI DJである「LUCY」が観客の感情を解析し、機械、データ、ネットワークとも繋がり、姿形や空間自体も変容させ一期一会な空間を演出するというプロジェクトのこと。クリエイティブカンパニー「NAKED, INC.」と総合エンタテインメント企業エイベックスが作り出したものだ。

オンラインで開催された今回は演者である大塚愛さんの表情や動き、そしてプレイヤーのキーボード演奏、さらに本イベントのハッシュタグ「#MSDD2021」が付けられたツイートを、Humanoid DJが読み取り、その場、その場で演出していく。投影されるツイート内の言葉やイメージ画像の選択し動かしているのはLUCYだ。「このシステムはMicrosoft Azure上にある。

そもそもライブイベントは一期一会なものであり、ミュージシャンが同じで演奏する楽曲は同じでもまったく同じ演奏にはならないということはあるが、即興でつくり出される空間は、できては消えていく特別なものであると感じられる。

コロナ禍で音楽イベントが、オンラインで開催された。今後、これまでのようにリアルでのライブも戻ってくるだろうが、各種イベントと同じくオンライン配信も並行して行うハイブリッド型が増えるのではないだろうか。オンラインは「生」の良さにおいては「リアルでのライブ」に負ける部分もあるが、場所を問わずに気軽に参加できるといったメリットも大きい。またオンラインであれば、アーティストが豆粒のように小さい……といった状況もないので、空間をつくり出す「Humanoid DJ」とも相性がいいはずだ。

非常に未来的な演出だが、仕組みはでき上がっていること、コロナ禍でのオンラインイベントの増加など条件は整っている。今後すぐに、さまざまなイベントでHumanoid DJの「プレイ」を楽しめるようになるかもしれない。

AMDベースPCで発生するWIndows 11性能低下について2つの修正パッチがリリース

AMDベースPCで発生するWIndows 11性能低下について2つの修正パッチがリリース

AMD

先週、AMDはWindows 11に、AMD製プロセッサーを搭載したPCにインストールすると本来の性能を発揮できなくなる問題があることを確認しました。この問題はAMD製CPU、特にRyzenユーザーから最適なパフォーマンスが得られないとの報告が多くあがっています。その性能低下は一般的なアプリケーションで3~5%、一部のゲームでは最大15%もの性能低下がみられたとされています。

最近のRyzenは特に最高のパフォーマンスが求められるeSportsプレイヤーに人気があり、ゲームのパフォーマンス低下は大きな痛手になります。AMDとマイクロソフトはこれらの問題に対応するため、2つの修正パッチを用意しました。

修正のひとつはAMDチップセットドライバー アップデートv3.10.08.506として提供され、アプリケーションが使用するCPUコア選択システムの問題を修正します。この問題はRyzenが搭載するCollaborative Power and Performance Control(UEFI CPPC2)機能において、もっともパフォーマンスの高いコアにワークロードが割り当てられない症状を発していました。

一方、もうひとつの性能低下要因は、L3キャッシュのレイテンシーが通常時に比べ最大3倍も大きくなるというものでした。こちらには、Windows 11 アップデート22000.282(KB5006746)が提供されます。

今回のアップデートは、Windows 11に対応したAMDのすべてのCPU、Ryzen 2000、3000、4000、および5000シリーズ、さらには最新のEpycおよびAthlonに対応しています。

AMDとマイクロソフトはこれらの問題を解決するため、影響を受けているWindows 11ユーザーは直ちにこのアップデートを適用するよう推奨しています。また、Windows 11の要件を満たさないものの手動でアップグレードをしたユーザーに対しては、これらのアップデートを手動でインストールする必要があると述べています。ただ、一部にはWindows Updateで今回のパッチが表示されインストールできたとの報告もある模様。いずれにせよ、問題を経験したAMD製CPUユーザーは、修正プログラムの適用状況を確認しておくことをおすすめします。

(Source:AMDMicrosoftEngadget日本版より転載)

マイクロソフトがWindows 11ベータ版でAndroidアプリのテストを開始

Microsoft(マイクロソフト)はWindows 11を発表した際、機能性の低いタスクバーでユーザーを困らせたいということについては何も言わなかったが、新しいOSがAndroidアプリをサポートすることについては話す気満々だった。しかし、わずか数週間前にリリースされた最初のバージョンでは、実際にはAndroidアプリをサポートしていないことがすぐに明らかになった。だが今回、MicrosoftはAmazon(アマゾン)とそのアプリストアとの提携により、約50種類のAndroidアプリの一部をWindows 11 Insider Programに提供することになった。

ベータ版(開発サイクルが異なるため、開発者向けビルドは含まれない)のユーザーは、現在、AmazonのKindleアプリ、Washington Post、Clash of Kings(クラッシュオブキングス)、Coin Master、Lego Duplo Worldなどのアプリをプレビュー体験で試すことができる。

これらはすべて、AMDとIntel(インテル)のデバイスで動作するはずだ。アプリは、Microsoftが「Windows Subsystem for Android」と呼ぶ、IntelのIntel Bridge Technologyを採用したサブシステムで動作する。注目すべきは、MicrosoftがLinuxカーネルとオープンソース版のAndroid 11をベースとしたAndroid OSを使用している点だ。そのため、Androidのほぼすべての機能を利用できるが、Google(グーグル)が開発したAndroidに搭載されているアプリや追加機能の一部は利用できない。Amazonも同様のことを行っているため、AmazonアプリストアのアプリがWindowsサブシステムでも機能するのは当然のことかもしれない。

もちろん、PCが仮想化を有効にしていることと、Windows 11を実行するためのMicrosoftの総合的な要件を満たしている必要がある。また、ストアへのアクセスにはAmazonアカウントが必要だ。

画像クレジット:Microsoft

これはゲームチェンジャーといえるのだろうか?それは不明だ。筆者はウェブでWashington Postを読むことに何の問題もないし、多くの親御さんは、自分の子供が安価なタブレットでLego Duplo Worldをプレイすることを望んでいるのではないだろうか。あなたがClash of KingsやCoin Masterをプレイするのであれば、それ以前に自問すべき別の問題がある。

さてここで、Microsoftがタスクバーを本来あるべき画面の上部に移動させてくれるのなら、もっと嬉しいことなのだが。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

XboxシリーズXミニ冷蔵庫が予約販売開始

Microsoft(マイクロソフト)は約束どおり、ホリデーシーズンに合わせてXbox Series X Mini Fridge(エックスボックスシリーズXミニ冷蔵庫)の出荷を開始する。同社によると、この冷蔵庫は100ドル(約1万1500円)で、10月19日に予約注文を開始する。出荷は12月になる。

このミニ冷蔵庫は、Xbox Series Xとフルサイズの冷蔵庫とのスケール感を示すために、Xboxがツイートした画像がルーツとなっている。Microsoftは2020年、ゲーム機の発売を促進するために、実際に6フィート(182cm)の冷蔵庫を作った。今回、ツイッターでのブランド対抗戦の結果、ミニ冷蔵庫が実際に購入できるようになった。

Microsoftは、商品メーカーのUkonic!(ユーコニック)と協力して、LEDを搭載し、Xbox Series Xにマッチしたデザインのミニ冷蔵庫を開発した。この小型家電には、お気に入りのエナジードリンクやその他の飲料を12缶まで入れることができる。また、扉内の棚にはお菓子を入れるスペースもある。DC電源アダプターが付属しており、USBポートも装備されているので、Xboxワイヤレスコントローラーの充電にも便利だ。

このミニ冷蔵庫は、米国とカナダのTarget(ターゲット)で販売される。英国では、Game(ゲーム)が90ポンド(約1万4000円)で販売している。また、フランス、ドイツ、イタリア、アイルランド、スペイン、オランダ、ポーランドでも順次出荷される予定だ。Microsoftは、2022年、さらに多くの市場にXboxミニ冷蔵庫を投入する予定だが、その場所と時期は、各国の規制当局の承認と制限による。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のKris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Xbox

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(文:Kris Holt、翻訳:Yuta Kaminishi)

マイクロソフトと米軍がARヘッドセット「HoloLens 2」ベースのIVAS供給契約を1年延期、2022年9月へ

マイクロソフトと米軍がARヘッドセット「HoloLens 2」ベースのIVAS供給契約を1年延期、2022年9月へ

Courtney Bacon/US Army

今年の春、米陸軍とマイクロソフトはARヘッドセット「HoloLens 2」をベースとした統合視覚補強システム(Integrated Visual Augmentation System:IVAS)の供給で、向こう10年間(基本5年、オプション5年)の契約を結びました。この契約は2021年9月30日から開始され、マイクロソフトは順次ARゴーグルの供給を開始する予定でしたが、Reutersが報じたところでは予定日を過ぎてもデバイスの納入は始まっておらず、契約開始日が1年先送りの2022年9月からになったと伝えられています。

延期の理由は定かではありませんが、マイクロソフトはこの10月上旬、国防総省の監察官からシステム的な要件を満たすかどうかの監査を受けています。とはいえ、監査の結果が延期につながるものかはわかりません。米陸軍はIVAS契約に「完全にコミット」していると述べており、9月にもテストを実施していました。このテストは来年9月まで定期的に行うとのことです。

ちなみに、IVASは戦闘支援と訓練の両方で利用できるようになっており、戦闘の現場でもまるでSF映画やゲームなどにみるHUD表示のように、ゴーグル内に隊の位置やその他重要な情報を表示確認できます。暗視機能も備え夜間や地下といった暗い場所での作戦遂行にも利用が可能です。訓練の場においては演習に関する情報を提供し、インストラクターが特定の技術向上のためのメニューを提示するのに活用されます。

なお、米軍とのHoloLens契約に関しては、正式な契約に至る以前から、マイクロソフト社内に反発の声が聞かれました。従業員たちの一部は、自社の技術が軍を直接支援して、実際の戦争をゲームのように感じさせてしまうことに反対しています。しかし、サティア・ナデラCEOは契約を翻す考えはないと主張してきました。もし仮にマイクロソフトがこの契約を失ったりすれば、会社としての収益とHoloLens事業そのものに大きな打撃となることは間違いありません。

(Source:DoD(PDF)Engadget日本版より転載)

DXを推進する日清食品がアプリを内製、ノーコード・ローコードで営業担当が25時間で完成

日本マイクロソフトが10月11日から14日にかけて開催中の「Microsoft Japan Digital Days 2021」では、生産性や想像力を高め、組織の競争力に貢献するソリューションや、その導入事例について学べるプログラムが提供されている。

Day 2の10月13日13時5分に行われたセッション「外注から内製化へ。製造業が取るべき次なる一手!日清食品グループが実現した『低コスト』『高スピード』のアプリケーション開発の世界」では、IT企業ではない日清食品がDX推進の一環として行ったアプリ内製化について語られた。その様子をレポートする。

登壇者は日清食品ホールディングスのCIO成田敏博氏と情報企画部係長武田弘晃氏だ。

老舗食品製造企業がアプリ内製化に取り組むようになった背景

日清食品ホールディングスCIO成田敏博氏

日清食品は1948年に設立された70年を超える老舗の食品製造企業だ。売上収益は約5000億円、営業利益が約550円という企業規模である。

2030年に向けた成長戦略テーマ「既存事業のキャッシュ創出力強化」「EARTH FOOD CHALLENGING 2030」「新規事業の推進」を達成するのに欠かせないのが「フードテックイノベーション」であるとしており、デジタルのみならずビジネスの変革も含むためNBX(日清ビジネストランスフォーメーション)としてDXに取り組んでいる。

取り組みを大きく2つの柱に分けており、その柱の1つ「効率化による労働生産性の向上」内に「ツールの最大活用」がある。

同社では、従業員にSurface Proを支給しており、ほとんどの業務がSurface Pro、つまりノートPCで行われているが、工場内作業中、取引先への移動中などではモバイル端末のほうが操作しやすい。腰を落ち着けて作業できる環境であっても、スキマ時間にノートPCを取り出し、起動し、テザリングをし、検索するといった動作は時間や手間がかかる。

そのため、ツール開発に「モバイルファースト」を掲げ、できるだけモバイルで業務を行えるようにすることを目指した。

しかし、製造業のためエンジニアを多数抱えることは現実的ではない。かといって外注では社内のニーズに迅速に対応できない。

そこで、2021年に入ってから内製化のため「ノーコード・ローコード」でのアプリ開発を検討。Power Appsを活用したアプリ開発に取り組むことになったのだ。

25時間で開発した営業活動を助ける商品検索アプリ

日清食品ホールディングス情報企画部係長武田弘晃氏

どの企業でもそうだが、日清食品グループでも営業担当者は商談など外回りが多い。移動中やスキマ時間に、得意先から質問されるであろう商品について調べるには、ノートPCよりモバイル端末に優位性がある。

とはいえ、商品データベースにアクセスするには、支給されているノートPCからしか行えず、開くのが難しい場合は社内の営業事務担当者に当該製品の検索を依頼していたという。場合によっては、検索してもらったものが正しいかを確認後、取引先へメールしてもらうということも行っていた。

これでは、営業事務担当者は、その都度、行っていたかもしれない作業の手を止めて、依頼に応えなければならないし、外回りをしている営業担当者にもストレスがかかってしまう。

そこで、すでにMicrosoft Listsに格納している商品データベースをスマホで検索できるような商品検索アプをMicrosoft Power Appsで開発することにした。

アプリの開発に要した時間は、開発のためのトレーニング、フィードバックを受けての修正の時間も含めてわずか25時間。内訳は、ハンズオントレーニングが2時間、大枠の作成に10時間、日清らしいデザインや使い勝手の追加に7時間、営業戦略部門へβ版の説明を行うのに1時間、そしてフィードバックを受けて行った機能の追加開発に5時間だ。

同アプリの特徴としては、商品検索時に品目コードでも略号でも商品名でも検索できること、入力文字列も全角半角、大文字小文字、ひらがな・カタカナを問わず直感的に利用できること、フィルターやソートはコンボボックスではなくワンタップで検索できるボタン形式を採用していること、ヘルプのキャラクターに同社のキャラクター「ひよこちゃん」を使っていることなどがある。

また、閲覧履歴を設けて移動中に調べた商品情報にすばやくアクセス可能にした他、手元にある商品のバーコードをスマホカメラで読み取って、当該商品の情報もクイックに得られるようにした。

フィードバックによって追加された機能は、商品情報を得意先へメール送信するというもの。おかげで、社内にいる営業事務担当者へ都度連絡する必要がなくなったという。

Power Appsを選んだ理由として武田氏が挙げた理由は3つ。1つ目はすでに同社内で使ってたMicrosoft 365製品群との相性が良いこと、2つ目はその契約範囲内で使えたため追加コストがかからなかったこと、最後は短期間でユーザーが望む機能拡張が行われていることだ。

これまでは、Microsoftパートナー企業に開発を依頼していたという武田氏。しかし「それでは社内ナレッジが蓄積できず、いつまでたっても自社開発が行えない」と考えた。それでは、社内のニーズに迅速に応えるというNBX取り組みの趣旨に反してしまう。

そこで、MicrosoftパートナーであるAvanade(アバナード)に、アプリ開発のハンズオントレーニングや開発に必要な情報のQ&Aといったサポートを依頼。その甲斐あって、25時間という短時間でのアプリ開発に成功した。

アプリβ版を営業戦略部門へ公開した際の反応は「早く使いたい」「いつから使えるの?」といったポジティブなもの。「ユーザーが、使ってハッピーになれるUI / UXであると確信した」という。

完成版のリリースには、事前告知として全国の営業担当者向けにデモを行い、ついでリリース時にイントラネットとオンライン社内報などを使って告知を行った。その結果、使い勝手の良さもあいまってリリースから短期間で浸透し、多くの人が利用するようになった。

成功の要因は開発環境にPower Appsを選んだこととユーザーファーストの思想

Microsoft 365とのシームレス連携を考えてPower Appsを選んだ日清食品グループだが、メリットが多かったという。それはUIの作成が容易だったこと、標準機能が充実していること、ローコードであることだ。

Power Appsを選んだこと以外に、プロジェクトの成功要因として、武田氏は3つのものを挙げた。

1つ目はユーザーファーストに基づいた開発を行ったこと、2つ目ははUI / UXにこだわったこと、最後はAvanadeのサポート力の高さだ。

「ソリューションファーストだったら、ユーザーがハッピーになるソリューションを開発できなかったはず。また、日清らしい親しみやすさや直感的な操作感へのこだわりをもって開発したため、ユーザーが使いたいと思うようなものを作ることができた。そしてこれらは、アプリ開発において不慣れだった自分たちの質問や相談にクイックに応じてくれたAvanadeの高い技術力なしにはなし得なかった」(武田氏)

外部にツール開発の依頼を出していれば得られなかったナレッジは、部内で共有した。それにより、Power Appsができることを把握し、アプリのメンテナンスも行えるようになり、ユーザーのニーズにアプリ開発で応えられるかもしれないという選択肢を持つことができ、同社のモバイルファーストをさらに推進することが期待される。

日清食品グループでは「ハッピー」「クリエイティブ」「ユニーク」「グローバル」という4つの思考をバリューとして捉えている。

アプリ開発の内製化は、ユーザーが抱く課題を解決するものになるため、またノートPCでは作業しづらい環境でもモバイルで業務ができるため、さらに使いたくなるUIであるため、ユーザーにハッピーをもたらすものとなる。

「製造、販売、倉庫といったそれぞれの現場で業務をしやすくするため、またBCP対策としても有効なモバイルファーストを今後も推進していくことで、日清食品グループのDX化をさらに推進していきたい」と武田氏は述べて、セッションを終了した。

マイクロソフトがLinkedInを中国市場から撤退

米国のテック巨人Microsoft(マイクロソフト)は米国時間10月14日、同社傘下のプロフェッショナル向けソーシャルネットワーク「LinkedIn(リンクトイン)」を年内に中国市場から撤退させると発表した。

Microsoftは2016年に260億ドル(約2兆9550億円)以上でLinkedInを買収した。

このニュースは、中国で規制の変更が相次ぎ、Microsoftと同国の間で緊張が高まっている中でのことだ。Microsoftは2週間前、中国で特定の米国人ジャーナリストのプロフィールをブロックするという決定を下したことで、厳しい批判を受けた。

中国政府の権威主義的な要求と自社のビジネス目標とのバランスを取るのが難しいと感じている米国企業は、Microsoftだけではない。Microsoftは、時間が経てば経つほど悪化する可能性の高い問題に対して、急激なアプローチを取った。中国国内のメディア環境を考えれば、ジャーナリストがブロックに悩まされるのは驚くべきことではない。同社は、中国政府が容認できないと判断した個人プロファイルへのアクセスを制限するという同国政府の要求に屈するか、あるいは撤退するかを選ぶことができた。

Microsoftは後者を選んだ。

LinkedInはこのニュースを取り上げたブログ記事の中で、同社が2014年に中国市場への参入を決定したことについて、それは「インターネットプラットフォームに関する中国政府の要求を遵守」しながらも、なおかつ「表現の自由を強く支持する」ことを意味していたと書いている。

しかしLinkedInは、現在「中国では、著しく困難な運営環境とより厳しいコンプライアンス要件に直面している」と書いている。このような市場環境の変化により、同社は「中国の人々がLinkedInのグローバル・ソーシャルメディア・プラットフォームにアクセスする手段である、現在のローカライズ版LinkedInの提供を年内に終了させるという決定を下した」としている。

Microsoftの株価は午前中の取引で約1.6%上昇しており、テクノロジーに特化したNASDAQ総合株価指数とほぼ同程度の上昇率となっている。投資家はこのニュースを肩をすくめ無視している、ということだ。

この決定が、Microsoftと中国の市場および国家との関係にどのような意味を持つかは、現時点では明らかではない。中国共産党は、例えば国内のクラウド市場において、外国企業の商業的な将来を制限するような変化をもたらしている。Microsoftの中国LinkedInの決定は、テック企業と中国のより長期的な分離の可能性というレンズを通して見ることができるかもしれない。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Aya Nakazato)

リピート率59%アップ!電子カルテ軸の鍼灸プラットフォームで受療者、鍼灸院、見込み客それぞれの課題を解決

日本マイクロソフトが10月11日から14日にかけて開催中の「Microsoft Japan Digital Days 2021」では、生産性や想像力を高め、組織の競争力に貢献するソリューションや、その導入事例について学べるプログラムが提供されている。

Day 1の10月12日13時35分に行われたセッション「世界の人々の健康をサポートする鍼灸メーカーがSaaS事業を提供するに至るまで(真のDXとは何かについて)」をレポートする。

登壇したのは、鍼灸鍼をはじめ医療機器の開発・製造・販売を行ってきたセイリン ICTプロジェクトリーダー 菊地正博氏とAzureを使ったeコマース開発を得意とするシグマコンサルティング プロジェクトリーダー 木下浩之氏だ。

鍼灸業界の発展を阻む課題をプラットフォームで解決

「鍼灸業界の発展を支えるプラットフォーム」というサブタイトルで進められた当セッション。2020年9月に「鍼灸つながるカルテ」「はりのマイカルテ」をリリースした背景がセイリン菊地氏の口から語られた。

鍼灸治療を受ける人(受療率)は年間560万人で、国内人口の約5.6%。受療したことがあるもののリピートにつながらない人は約2000万人いる。

「肩こり 鍼」などで検索するような鍼灸に興味のある見込み客は約670万人、健康やボディケアに関心のある層は2400万人いるものの、実際に鍼灸治療を受けるに至っていなかった。

鍼灸業界の発展には、受療したもののリピーターになっていない人や見込み客をいかに呼び込むかが課題だが、それには、立ちはだかる負のスパイラルを断ち切る必要があるという。

負のスパイラルには、受療者、鍼灸院、見込み客、他業界の抱くイメージや体験などがある。

受療者側には「施術の効果を感じられない」「本音を言いづらい」「保険適用外で治療費が高い」というもの、鍼灸院側は「来てくれなくなった理由がわからない」「それゆえ施術や接客レベルを上げようがない」「サービス改善のモチベーションが上がらない」というもの、見込み客にとっては未経験ゆえ「怖い」「効果が不明」「マッチする鍼灸院を探せない」という負の感情が、医療施設や介護施設など他業界からは「鍼灸による成果のエビデンスがない」「信頼できる鍼灸師が少ない」「連携するメリットが見いだせない」ため紹介・連携できないという課題があった。

そこで、セイリンではそれらの課題を解決する最適解が電子カルテを軸とした鍼灸プラットフォームであると考えた。

単なる電子カルテであれば、すでにさまざまな医療機関で採用されているが、これは、施術側が治療を記録するためだけのものではない。治療内容とともに、日常生活で気をつけるべき点などのフィードバックを患者に提供し、鍼灸師は受療者からの満足度に関するフィードバックや相談を受けられるようになっている。これにより患者の満足度は上がり、鍼灸師もサービスや技術向上のモチベーションを上げられる。

さらに、患者の症状と施術内容を鍼灸データベースに蓄積することで、これから施術しようとしている鍼灸師には最適な施術のレコメンドを、医療施設や介護施設には鍼灸治療を使うことのメリットなどを含むエビデンスを提供可能になる。

患者から受け取った満足度評価や感じられた効果も蓄積され、その情報は4月1日にリリースした鍼灸院検索サイト「健康にはり with はりのマイカルテ」でいずれ検索可能になり、新規ユーザーが自分にマッチする鍼灸院を探すのに役立てられる。

つまり「鍼灸つながるプラットフォーム」のシステムを導入することで、これまで鍼灸業界の発展を阻害してきた負のスパイラルを断ち切れるというわけだ。

とはいえ、タッチポイントであるアプリの使い勝手が悪ければ鍼灸師も受療者も手間と感じてしまう。

鍼灸師が使う電子カルテ「鍼灸つながるカルテ」はPC、タブレット、スマートフォンのマルチデバイス対応なうえ、入力しやすさを確保しているという。

また、治療前後の変化、治療内容など、通常、自分のものであるのにアクセスできないカルテの内容を鍼灸院から患者へ患者側電子カルテ「はりのマイカルテ」を通じて共有することで、受療者が施術の効果を実感でき、通院のモチベーションを上げられるような仕組みを作っている。

さらに、通常であれば鍼灸院に到着後に記入する問診票の内容をアプリを通じて事前に伝える仕組みもあるため、現状を落ち着いて入力できるうえ、到着後の待ち時間が減るというメリットがある。鍼灸師にとっては、患者が来院する前に情報を得られるので、前もって施術準備を行える。

患者に記載してもらった情報も含めた電子カルテの情報は、ビッグデータという形で鍼灸データベースに蓄積するが、それは教科書にも記載されていない内容だ。師匠たちから受け継いできた「暗黙知」が、システムに入れるすべての鍼灸師に共有され「形式知」となることが、業界全体のメリットになる。

また、蓄積された情報はエビデンスとしても機能するため、鍼灸治療を選んでもらえるよう介護施設や医療施設に交渉できるようになるため、また見込み客の認知度が上がるため、新規受療者の増加も見込める。

リピート率アップについては、鍼灸院「ニイハオ鍼灸院」の導入事例が紹介された。「はりのマイカルテ」導入前後3カ月で比較したところ、アプリ利用患者50人の来院平均回数が2.09回から3.32回へ59%アップ。未利用患者43人の平均来院回数が1.66回から1.71回であったことを考えると、カルテ共有の効果が高かったことがうかがえる。

菊地氏は、4月にリリースした受療者向け鍼灸院検索サイト「健康にはり」内の情報を定期的にアップデートしていくことで「針灸初心者でも安心して治療を受けてもらえるようにしたい」という。

最後に「鍼灸つながるプラットフォームにより、鍼灸治療に関する知を次世代に伝えること、針灸業界の発展を支え、受療率5%を15%にアップさせることを行っていきたい」と今後の抱負を語った。

針灸業界の発展を支えるプラットフォームをさらに下から支える

シグマコンサルティングの木下氏は、同社がAzureを使ったeコマースの知見をどのように鍼灸つながるプラットフォームに活かしたかということについて解説した。

これまで、針灸業界には同様のサービスがなかったため、ニーズを聞き取りながらゼロベースで実装。Azureがあったからこそ、1年半という短期間で行えたことを強調した。

とはいえ、カルテ情報の取り扱いには高度な機密性が要求される。

ここで、シグマコンサルティングの知見が活きてくる。eコマースでは、クレジットカード情報など財産に関係する情報のやり取りが必要になる。シグマコンサルティングには、PCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard。クレジットカード業界のセキュリティ基準)といったセキュリティ事項に対応した実績あり。今回のプラットフォームのシステム構成にも、Azure AD B2Cの認証の仕組みを導入することで堅牢なシステムをすばやく構築した。

データベースにはSQLを利用することで拡張性を担保しつつ、SaaSビジネスで重要なランニング費用低減を図ったという。

これまで器具販売を中心に営業してきたセイリンがSaaSビジネスを成功させるための事業支援も行ってきた。その中にはセイリンだけでなく、導入する鍼灸院へのサポートも含まれる。

セイリンには、営業活動の目標値として「鍼灸院が同システムを導入することによって成功体験を得る」というものを設定した。そのうえで、営業活動を可視化し、営業プロセスを見直ししやすくして商談内容に一定の品質が保たれるようにした。

鍼灸院へは、プラットフォームを利用することで成功体験を得られるようカスタマーサクセスチームを立ち上げて対応した。カルテの電子化、受療者とのコミュニケーション促進、予約業務の効率化など、いくつかのポイントを押さえて支援。サクセスが明確化されたことで、KGI・KPIも明確になり、次なるカスタマーサクセスを実現するためにプロジェクトを改善する必要があり、その点でも支援したという。

「これらの支援により、組織は自走型へと変化する。シグマコンサルティングは、開発からビジネスの成功までをサポートしていける」と、木下氏は締めくくった。

AMDがRyzenプロセッサーとWindows 11による性能低下に関する情報公開、修正プログラムを10月中公開へ

AMDがRyzenプロセッサーとWindows 11による性能低下に関する情報公開、修正プログラムを10月中公開へ

米AMDは自社製プロセッサ「Ryzen」を搭載したパソコンに「Windows 11」をインストールすると、アプリケーションなどの性能が低下する可能性があると発表。米マイクロソフトと協力し、問題を修正すると発表しました。

AMDのサポートページによれば、現在確認されている問題は2点。1つはプロセッサに搭載されたL3キャッシュのレイテンシが増大するというもので、これによりアプリケーションによっては3〜5%の性能低下があるとしています。また、特にゲームなどで影響が顕著になるとのこと。

これに関する修正プログラムはWindowsアップデートとして、10月中に配布予定です。

もう1つは、プロセッサの最速コアへとスレッドを優先的に割り当てる機能が、うまく動作しない問題です。これにより、1〜数コアのCPUを利用するアプリケーションが影響を受ける可能性があります。また8コアかつTDP 65W以上のプロセッサにて、影響が顕著です。

この問題はソフトウェアアップデートとして、同じく10月中に公開予定となっています。

Windows 11のパフォーマンスに関する問題としては、仮想化を利用したセキュリティ技術「VBS(Virtualization-based Security)」により、ゲームのパフォーマ寸が低下する問題が報告されています。やはりリリースされたばかりのOSということで、いくつかの問題の発生は仕方ないのかもしれません。

(Source:AMD。Via Ars TechnicaEngadget日本版より転載)

マイクロソフトがOKRソフトウェア企業のAllyを買収

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間10月7日、OKR(objectives and key results「目標と主要な成果」の頭文字を取ったもので、経営者が個人や会社の進捗状況を測定する一般的な方法)ソフトウェアサービス企業のAlly.io(アライ・アイオー)を買収したことを発表した。両社は買収額を明らかにしていない。

マイクロソフトはAllyを、従業員エクスペリエンス・プラットフォームの「Microsoft Viva(マイクロソフト・ビバ)」ファミリーに組み込むことを計画している。同社によれば、VivaとAlly買収の背景には、会社の目標や目的を従業員に伝えるためのより透明性の高い方法を提供するという考えがあるという。

「従業員の仕事を会社の戦略的ミッションやコア・プライオリティと一致させることは、すべての組織にとって最重要課題です。そのためには、リーダーは企業の大きな選択に関する透明性を伝達するツールに投資し、組織のあるゆるレベルで意欲的な目標を達成して結果を報告するための方法を構築する必要があります」と、マイクロソフトのエクスペリエンス&デバイス担当チーフ・オペレーティング・オフィサー兼コーポレート・バイス・プレジデントであるKirk Koenigsbauer(カーク・ケーニグスバウアー)氏は、今回の買収を発表したブログ記事の中で書いている。

一方、Allyの方では、CEOで創業者のVetri Vellore(ヴェトリ・ヴェールール)氏は、これによって自社が単独で行うよりも、マイクロソフトの一員として製品をより早く成長させることができると語っている。

「Ally.ioは、Microsoft Vivaの一部として、リーダー、チーム、個人に、日々の仕事を会社の最も重要な目標に合わせて集中させる能力を、引き続き提供していきます。私たちは、Teams(チームズ)、Outlook(アウトルック)、Slack(スラック)、そしてあなたが毎日使っているそれ以外のシステムも含めて、チームが仕事をしているどんな環境にも、目標と目的をもたらすお手伝いをします」と、ヴェールール氏はAllyのウェブサイトに掲載されたブログ記事に書いている。

自分の仕事の目的を理解して、それが会社のより広範囲な目標とどのように合致するのかを理解することは、多くの人が自宅で仕事をするようになり、経営陣と直接対面する会議の機会がなくなった時代において、ますます重要になっている。これらの目標や可能性を明確にし、リモートで仕事をする社員が使うツールに組み込むことで、全員が同じ方向を向いて仕事を順調に進めていけるようになる。

マイクロソフトは今回の買収額を公表していないが、PitchBook(ピッチブック)のデータによると、Allyが最後に資金調達した時のポストマネー評価額は3億4500万ドル(約386億円)だった。この金額は、同社が2021年2月に調達した5000万ドル(約56億円)を含め、合計7600万ドル(約85億円)を調達した際に算出されたものだ。

Allyがマイクロソフトに売却されたことによって、OKRに特化したソフトウェア市場の統合が始まる可能性がある。この市場では、WorkBoard(ワークボード)、Koan(コーン)、Gtmhub(Gtmハブ)、Perdoo(パードゥー)、WeekDone(ウィークダン)など、多くの企業が首位を競っている。

これらのスタートアップ企業群は、ベンチャーキャピタルを惹き付けて、初期段階の収益を伸ばすという点において、驚異的な成果を上げてきた。そして今、Allyがエグジットを成し遂げたことで、これらの企業は、ベンチャー資金による成長アプローチをそのまま維持するか、それともメガテック企業へのエグジットの可能性をともなうデュアルトラックのプライベートラウンドにシフトするかを、選択しなければならなくなるだろう。

マイクロソフトが同じワシントン州に本社を置くAllyを買収したことを切っ掛けに、他の大手プラットフォーム企業が同じようなツールを買収して提供するようになるかもしれない。Salesforce(セールスフォース)、ServiceNow(サービスナウ)、SAPなど、買収に積極的な他の企業が同様の動きを検討し、これらの資産を市場から引き抜こうとするのではないかと想像することは難しくない。

しかし今のところ、市場を外れたのはAllyだけであり、この動きの結果から、市場の他の企業がどのように発展していくか、見守る必要がありそうだ。

画像クレジット:Chen Yuyu/VCG / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm, Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【レビュー】Windows 11搭載「Surface Pro 8」は快速で新鮮な印象、新OSとライバルiPad Proとの比較

最新のSurface Proには、新しい良さが詰まっている。スクリーンが新しくなり、筐体も新しくなった。最新のIntel(インテル)製チップセットを搭載し、ついにThunderbolt 4にも対応してくれた。「Surface Pro 8」にはWindows 11も搭載され、多くの新機能が追加されている。特徴的なキックスタンドの動きも良くなり、オプションのキーボードも改良されている。唯一欠けているのはMicroSDXCスロットで、今回のバージョンでは採用されなかった。

Surface Pro 8は、これまでのモデルから大幅にアップデートされているが、それでいて親しみやすさも兼ね備えている。Microsoft(マイクロソフト)は、ついにSurface Proのデザインをアップデートしたが、そろそろ頃合いだったのだろう。同社は2013年にSurface Proを発表したが、7世代のプロダクトを通じて筐体はほとんど変わってこなかった。Surface Pro 8では、Microsoftが2020年に発表した「Surface Pro X」のすばらしいボディを活用した。最高だ。Surface Pro 8はこれまで以上に優れている。

私自身、これをいうことに何のためらいもない。Surface Pro 8は、これまでで最高の2in1であると。気に入っている。使っていて楽しいし、コンパチブルタイプのWindowsマシンを探している人には最適なソリューションと言えるだろう。

レビュー

Surface Pro 8はすばらしい。キックスタンドを開くと、Windows 11が起動する。遅延もほとんどない。読み込みも反応もすべてがスピーディなのだ。第11世代のIntel Core CPUを搭載したSurface Pro 8は、LightroomからFactorioまで高速に動作する。

ディスプレイも美しく、これまでのモバイルデバイスの中で最高のものの1つだと思う。残念なことに、Windowsが120Hzのオプションをコントロールパネルの奥深くに隠しているので、すべての購入者がこのスクリーンの良さを体験できるというわけではない。また、HDRのサポートについては、私は動作させることができなかったのでここで報告することができない。

Windowsは、Surface Pro 8の弱点のように思える。新しいWindows 11の状態であっても、OSはやはりSurface Proの欠点の1つだろう。Windows 11には、ユーザー泣かせな奇妙な癖があり、それに慣れるのに時間がかかった。新しいスタートメニューはあまり好きになれないし、ウィジェットのようなモバイルファーストの機能はすべてただ無造作に追加されているだけのように映る。

ハードウェア

Surface Pro 8は、2020年に発売されたSurface Pro Xの美しいアルミニウム筐体の中で、最新のIntelチップを動かしている。新しい筐体のおかげで、指紋が表面に付着することがなくなった。エッジは丸みを帯びており、過去のモデルよりも洗練されたハードウェア体験を提供してくれる。先代モデルと比較して、厚さは2mm、重さは100g増加している。その理由を尋ねたところ、Microsoftの担当者は、冷却性能の向上と大容量バッテリーは、多少の厚さに見合う価値があると感じていると答えてくれた。

Surface Pro 8は、あらゆるポータブル機器の中で最高のスクリーンを搭載している。このスクリーンは、画質とタッチスクリーン機能の両方の点で見事な仕上がりだ。明るく鮮明で、ピクセル数が多く、クリアな画面だ。リフレッシュレートは120Hzだが、この機能を有効にするには、詳細メニューの「ディスプレイ設定」で有効にする必要がある。また、HDRにも対応する予定のようだが、現時点では対応していないようだ。アダプティブ・カラー・アジャストメントにも対応している。Surface Pro 8は、周囲の光に合わせて色温度を微調整してくれる。

11.3インチのディスプレイ解像度は2880×1920、1インチあたり267ピクセル(ppi)だ。ちなみに、最新iPad Proの11インチのディスプレイは2388×1668、264ppiだ。

ディスプレイは、この新しいSurface Proの魅力の大きな部分を占めているといえるだろう。とても美しく、SlackからPhotoshopまで、あらゆるものを新しいもののように輝かせてくれる。

タッチスクリーンの操作性も向上しているようだ。新しいディスプレイ(あるいはWindows 11)は、スタイラスや指を使ったときの感触がより滑らかになっている。加えて、画面に触れることが楽しくなった。大げさに聞こえるかもしれないが、私はそう感じている。

Microsoftは「Surfaceスリムペン」の新バージョンをリリースした。この第2モデルでは、先端部のデザインを一新し、ハプティックフィードバックとともに遅延を低減している。スリムペン2は使っていて楽しい。さまざまな種類のブラシに合わせて異なるハプティックフィードバックを感じられる。ブラシを使うと、スマッジングスタンプを使うのとは違う感覚を得られる。鉛筆を選択すると、スリムペン2は擦れるような感覚を与えてくれる。アプリケーションがこの機能をサポートする必要があるが(現在はいくつかのアプリケーションがサポートしている)、この体験は過去のものとは根本的に異なるものとなるだろう。

また、Surfaceスリムペン2は、キーボードヒンジの気の利いた場所に収納して充電することが可能だ。しかし、これはSurfaceシリーズの新機能というわけではない。Microsoftは2020年に「Surface Pro X」でこれを採用していたからだ。

内部では、第11世代のIntelチップがSurface Pro 2を動かし、アクティブな冷却によって安定したパフォーマンスを維持している。今回のSurface Proは、過去のモデルほど大幅にパフォーマンスをスケールアップしているようには見えない。

私の試用機は、Core i7に16GBのRAMと256GBのSSDを搭載している。IntelのIris Xグラフィックスを採用している。このマシンの価格は1599ドル(日本では税込21万5380円)で、これにキーボードの価格が加わる(Surfaceスリムペン2の有無にかかわらず)。このモデルが、CPUにCore i7を搭載したモデルの中では最も安価な選択肢だ。もっとお金をかければ、ストレージやRAMを増やしたモデルを選ぶこともできる。価格は2599ドル(日本では税込32万5380円)まで上昇し、32GBのRAMと1TBのSSDを搭載している。

これまでのUSB-Aポートはなくなってしまった。その代わりに、ついにSurface ProシリーズにUSB-Cを導入し、最新のThunderbolt 4を採用した。この構成では、Surface Pro 8は複数の4Kディスプレイに電源を供給したり、外部GPUに接続したり、その他の激しいデータ転送を行うアクセサリーも使用したりすることができる。USB-CポートはSurface Proの充電にも対応しているが、Microsoftは独自のSurface Connectポートでの充電を推奨している。

microSDXCスロットはなくなってしまったが、SSDはユーザー自身で交換できるようになった。MicrosoftがmicroSDXCスロットを廃止したのは残念だ。これはiPad Proと比較して大きなセールスポイントだったからだ。SSDはキックスタンド下のパネルに隠れている。それを突き出せば、SDDに簡単にアクセスでき、ネジ1本で固定できる。SSDの交換には1分もかからないだろう。

バッテリー駆動時間

Surface Pro 8は、1日中使えるポータブルデバイスだ。試用機を手にしてからまだ1週間も経っていないが、頻繁に使用していて、一晩中コンセントにつないでいただけだ。しかも、私はMicrosoftのアプリを使っていない。EdgeやTeamsではなく、Chrome、Slack、Xoomを使っている。これは重要なことだ。バッテリー駆動時間について語るとき、Microsoftは、バッテリー駆動時間を延ばすためにアプリを最適化したことを明らかにした。

同社によると、Surface Pro 8は18時間のバッテリー駆動が可能とのことだが、私はその数字を達成できなかった。Chromeの使用、YouTubeTVのストリーミング、ビデオ通話などで、平均して約10時間のバッテリー駆動時間を確認した。

Surface Pro 8には新しいアクティブクーリングデザインが採用されているが、それでも触ると熱さを感じる。この熱さのために、メディアを編集する際にタブレットとして使用すると不快感があった。Lightroomは問題なく動作するが、PhotoshopではSurface Pro 8が不快なレベルまで熱くなってしまう。

ウェブカメラ

Surface Pro 8にはすばらしいウェブカメラが搭載されており、しかも適切な位置に設置されている。この配置については、MicrosoftがApple(アップル)を軽く非難してすらいる。発表会でMicrosoftの広報担当者は「そして前面カメラは、横ではなく中央の、本来あるべき場所に配置されています」と笑顔で語っていた。Appleはなぜか、iPadのカメラを画面の短辺側に配置し続けている。そのため、タブレットをラップトップモードにしてキーボードを接続すると、ウェブカメラが横にずれてしまい、奇妙なウェブカメラ体験となってしまう。

前面のカメラは非常に優れている。1080pの動画と5mpの静止画を搭載しており、ホワイトバランスや露出などの高度なコントロールが可能だ。

以下、Surface Pro 8やiPad Pro(2020)との比較だ。

Windows 11についての簡単な説明

私がPCを使う目的は主に2つある。ゲームとメディア編集だ。私がこのレビューをMacで書いているのは、それが私の仕事環境だからだ。Windowsは私の毎日の仕事道具ではないし、Windows 11は私にMac OSをやめさせようとするものでもなかった。

新しいスタートメニューは、ユーザーに圧迫感を与えるものだ。画面の中央にかなりのスペースを占めており、その大きさを正当化する理由が見当たらない。その新しいスタートメニューの大部分は空白となっている。さらに悪いことに、以前のバージョンのようにスタートメニューをカスタマイズすることはほとんどできない。

それ以外の新しいWindows体験については一応許容範囲内だ。Windowsのトップレイヤーしか使わない私にとっては、この新しいシステムは古いシステムと同じように感じる。

私はMac OSではウィジェットを使わないし、Windows 11でも使うことはないだろう。今のところ私の試用機では、これらのウィジェットはカスタマイズできない。プリインストールされているウィジェットはカスタマイズできるが、ウィジェットを追加することができない。また、読み込みや更新にも時間がかかる。

Windows 11を日常的に使用しているユーザーから見たWindows 11の詳細をまた待っていて欲しい。

Surface Pro 8とiPad Proの比較

Surface Pro 8とiPad Proは、根本的に異なる製品だが、ターゲットとする市場の多くは同じだ。Surface Pro 8が完全なデスクトップOSを搭載しているのに対し、iPad ProはiPhoneで使われているソフトウェアのモバイル版を搭載しているが、その機能は強固だ。

Surface ProとiPad Proは、どちらもすばらしいディスプレイを備えており、タッチスクリーンの機能も同様にすばらしいものだ。スタイラスも同様に機能する。新しいSurface Penの方にはハプティックフィードバックが搭載されている一方、最新のApple PencilとiPad Proの方がより正確で、より楽しく使える。

この2つを選ぶには、それぞれのユースケースを見る必要がある。Surface Pro 8はデスクトップに代わるデバイスとして優れているが、ユーザーによっては、タスク次第でモバイルOSを使った方が良い場合もあるだろう。

ここで、いくつかアドバイスがある。

Surface Pro 8がおすすめな方。

  • 独自のソフトウェアを実行する機能を備えている、デスクトップに代わるデバイスを探していている方
  • Microsoftの法人向けアプリを動かすためのポータブルデバイスが必要な方
  • ゲームが好きで、Xboxゲームのストリーミングに満足している方
  • フルサイズの着脱式キーボードが必要な方

iPad Proがおすすめな方。

  • 主流のアプリ(Adobe PhotoshopやLightroomなど)でメディアを編集するためのデバイスを探している方
  • Google(グーグル)のG-Suiteを動作させるためにハイエンドのポータブルデバイスを必要としている場合
  • Microsoft Office 365の基本機能やアプリを使っている方
  • スマートフォンに搭載されているようなモバイルファーストのゲームを楽しみたい方

その価値は?

Surface Proは、これまでのバージョンで最も優れたモデルとおえるだろう。発売時にはいくつかの重要な機能が欠けているが、可能性を十分に秘めている。この製品は、美しいディスプレイと優れた品質を備えたすばらしいセットだ。新しいスタイラスは歓迎すべきアップグレードであり、Intelの最新チップはパフォーマンスにおいて、コンピューターとしてより信頼できるものにしてくれている。

Surface Proシリーズの製品ラインは常に奇妙なポジションに位置していたが、今回のバージョンでメインストリームとしての選択に近づくことができた。これまでは、パフォーマンスがわずかに不足していて、ハードウェアもぎりぎりまぁ良いかなという具合だった。Surface Pro 8では、パフォーマンスはようやく許容できるものになり、ハードウェアは美しいものになった。Surface Pro 8は、最高のWindows 2in1といえるだろう。

画像クレジット:Matt Burns

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(文:Matt Burns、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Windows 11が正式リリース、対象のWindows 10 PCを順次アップデート

Windows 11が正式リリース、対象のWindows 10 PCを順次アップデート

Microsoft

Microsoftは10月4日(現地時間)、Windows 11を正式リリースしました。Windows 11を搭載したSurface Go 3も本日発売となったほか、Windows 11を初期搭載するノートPCも富士通NECから順次発売されます。

既存のWindows 10 PCに対しては、これまでのWindows 10大型アップデートと同様、互換性の確認が取れたデバイスに対してWindows Updateを介して通知します。自身のPCがWindows 11にアップデートできるかどうかは、PC Health CheckPC 正常性チェック アプリのダウンロード)を利用して確認できます。対象となるWindows 10 PCに対して、2022年半ばまでにWindows 11へのアップデートを提供予定としています。

Windows 11が正式リリース、対象のWindows 10 PCを順次アップデート

Microsoft

なお、Windows Updateからの更新が推奨される方法ではありますが、インストールアシスタントやインストールメディアを利用することで、手動でのインストールも行えます。この場合、Windows 11の最小要件を満たしていなくてもインストール自体は行えますが、今後、アップデートが提供されないなどの不都合が生じる可能性があるので注意が必要です。

MS「Windows 11を手動で入れた古いPCにはアップデート提供しない」可能性を表明

もちろん、Windows 11にアップデートしないという選択肢も残されています。Windows 10は引き続き、2025年10月14日までサポートされ、またWindows 11 HomeおよびProの24か月ライフサイクル、EnterpriseとEducationの36か月サービスサポートライフサイクルが10月4日に開始されたことも併せて発表されています。

(Source:MicrosoftEngadget日本版より転載)

Windows 11のアプリストアはサードパーティにも開放、Epic Games Storeも登場予定

Microsoft(マイクロソフト)がWindows 11のポータルにサードパーティのアプリストアを増やしたいと言ったのは、単に夢想に耽っていたわけではなかった。The Vergeによると、Microsoft Storeの新しいポリシーは、サードパーティのストアフロントアプリの展開が可能になるという。Amazon(アマゾン)のアプリストアだけでなく、Epic Games Storeも「今後数カ月」内にMicrosoft Storeに登場する見込みだ。約束通り、マイクロソフトはこれらのストアから得られる収益の分配を要求しない。

同社がライバルのブラウザに対する方針を緩めたこと(マイクロソフト以外のエンジンを搭載したブラウザを認めるようになった)も実を結ぶ。Microsoft Storeでは、OperaとYandex Browserが、Edgeの代替品として提供される。最初から衝動的にChromeやFirefoxをダウンロードしてしまう人には、これらの追加はあまり役に立たないだろうが、マイクロソフトが少なくとも、自分のところのストアで競争することには、寛容であることを示している。

SteamやGOGなどの有名なアプリやゲームストアについての言及はない。Epicが早いうちから選ばれていることは驚くに値しない。EpicはApple(アップル)のApp Storeポリシーに声を大にして反対しており、できるだけEpic Games Storeを提供したいと考えている。マイクロソフトがこれを利用しない手はない。Microsoft Storeを、アップルのApp Storeよりもオープンなストアであると宣伝できるからだ。もっとも、Mac(マック)ユーザーがEpic Games Storeや他のストアフロントにアクセスするのに、何か実際に問題があるわけではないのだけれど。

編集部注:本稿の初出はEngadget執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

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画像クレジット:Microsoft

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)