Microsoft、「世界で最も賞賛される企業」で24位に転落。1位から3位のライバルとの差は拡大

Fortuneが今年も「世界で最も賞賛される企業」のランキングを発表した。上位を見るとAppleが今年も1位となっている。興味深いのは下位のランキングだ。Microsoftが2013年の17位から順位を下げ、2014年版では24位となってしまったのだ。ライバルと目される企業との差が大きく開いてしまったことになる。Amazonは2位で、Googleが3位というランキングだ。

なぜMicrosoftはライバルとの差を広げてしまったのだろうか。四半期毎の決算報告などは順調な様子を示しているのだが、しかしモバイル時代の方向性が見えないとして、ランクを下げているという面もあるのだろう。

Fortuneに記されたMicrosoftの企業紹介文は次のようになっている。

誰がCEOの座を引き継ぐのかということが、2013年での最も大きな懸案となっていた。しかしこの問題もサティア・ナデラ(Satya Nadella)の就任ということで決着がつき、Xbox、タブレット、そしてまたクラウドサービスなども順調に成長して、決算状況も順調な様子だ。今後は、Microsoftで22年の経験を積んできたナデラのネット関連やモバイル、ないし新たなデバイス関連のビジネスをどのように展開していくかに注目が集まる。ビル・ゲイツおよびスティーブ・バルマーも取締役として引き続きMicrosoftの将来に関与していくこととなっている。

Fortuneのリストは、世界中のビジネスリーダーがいくつかの基準にしたがってそれぞれの企業を評価していくという方式によって決定される。つまりは直近の1年間での印象度がランキングを大いに左右する。そしてこれは競合と比較する中で、市場にどのような受け止められ方をしているのかを示す指標ともなる。潜在顧客の目からみて、特定の企業がより強力になっているのか、それとも存在感を失いつつあるのかを見ることができるわけだ。

さらに、昨今はテック系分野で優秀な人材を確保することが非常に難しいものとなってきている。「世界で最も賞賛される企業」などのリストで上位に入ることは、就職先を考えるひとたちにも印象を残すこととなる。つまりここでランクを落としてしまうことは、リクルート面でも不利に働くことにもなってしまいかねないわけだ。

今のところ、Microsoftからのコメントは発表されていない。

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(翻訳:Maeda, H


MicrosoftのVisual StudioがTypeScriptを正式サポート

約1年半前にMicrosoftは、JavaScriptで大きなプログラムが書きやすくなるプログラミング言語TypeScriptを発表した。そして今日はTypeScript 1.0の最初のリリース候補の提供と、Visual Studio 2013の最新アップデートが行われ、TypeScriptはMicrosoftのIDEが正式にサポートする言語になった。

つまりTypeScriptはMicrosoftにおいてC#やVisual Basicと同格になったのだから、Microsoftとしてはいよいよ本気だ。これまで、TypeScriptをVisual Studioで使うためには、そのためのエクステンションをインストールする必要があった。それはたいした手間ではなかったけど、これからはVisual Studio本体がサポートするのだから、Microsoftがこの言語を相当重視していることが分かる。

TypeScriptはJavaScriptのスーパーセットで、オプションで静的型付けがサポートされ、クラス(上図)によるオブジェクト指向プログラミングができる。MicrosoftによればこれによってJavaScriptのためのより良いツールの開発ができるようになり、プログラマの生産性を高める。またそれと同時に、それまでのJavaScriptライブラリもそのまま使える。コードはすべて、通常のJavaScriptへコンパイルされるので、どんなブラウザでも動く。ランタイムライブラリはなく、コンパイラが不要なコードを注入することもない。Visual Studioに統合されたので、MicrosoftのIntellisenseや文の補完機能を利用できる。

TypeScriptのチーフアーキテクトは、あの偉大なるTurboPascalを作り、のちにDelphiやC#の制作にも貢献したAnders Hejlsbergだ。彼によると、TypeScriptは今、Microsoft内部での普及が急速に進んでいる。たとえばVisual Studio Onlineには今、30万行あまりのTypeScriptコードがあり、Windows 8.1用のXbox Musicの新しい機能はすべて、この言語で書かれた。またBing Maps、Photos、Microsoft Dynamicsなどそのほかのアプリケーションも部分的にTypeScriptで書かれている。

“JavaScriptでもきれいなコード*が書けるようにしたかった”、とHejlsbergは言う。TypeScriptで書いてもパフォーマンスが犠牲になることはないし、むしろコンパイラがプログラマの負担を取り除いてくれる部分が大きいから、素(す)のJavaScriptより生産性は高い、とも。〔*: JavaScriptのきれい化, GoogleのDart言語はどうか…。〕

TypeScriptはHejlsbergの期待を上回って、Microsoftの外の世界でも人気が出始めている。具体的には、今人気の高いIDEのほとんどがこの言語のためのプラグインを提供しているし、GoogleはTypeScriptコンパイラを同社のOctaneベンチマークに含めている。またGitHub上にはTypeScriptのタイプ(型)定義集DefinitelyTypedがあるなど、サードパーティのJavaScriptフレームワークをサポートする非常に活発なオープンソースコミュニティも、今ではTypeScriptをきわめて前向きに取り上げている。

3年前にTypeScriptの開発が始まったときには、できるかぎり軽量なフレームワークを作ろう、ということでチームの意思がまとまった。新しい言語を作るときは、あれやこれやと新しい機能を導入したくなるものだが、TypeScriptは自粛して新しい文をまったく導入していない。でもHejlsbergによると、今後は新しい文が増えるかも、という。しかしとにかく大筋では、今年の後半に公布される予定のECMAcript 6の規格に沿うことを鉄則とし、この新規格に盛り込まれたものはすべてTypeScriptにも含めることにした。

Hejlsbergによると、今日ローンチした1.0リリース候補(release candidate, RC)は、実質的には本番の1.0そのものだ。でも、ユーザが新しいバグを発見する可能性もあるから、控えめに‘リリース候補’と呼ぶことにした。もちろんこれまでのバージョンとの後方互換性には厳密に配慮しているが、言語本体の(未来指向の)開発も力を抜かずに継続していく意向だ。

Visual Studio 2013の最新アップデートは今すでにダウンロードできるが、Visual Studio 2012のユーザはTypeScript 1.0 RCを専用のインストーラを使ってインストールできる。Visual Studio 2013のアップデートには、TypeScriptの統合のほかにも、いろんな新機能やバグフィクスが盛り込まれている。詳しくはこのドキュメントで。

このアップデートの一環としてMicrosoftは、同社のTeam Foundation ServerやVisual Studio Online、それにTeam Explorer Everywhereのニューバージョンもローンチした。新しい機能の多くは、GitとJavaのビルドのサポートの向上に関連している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、予定通りにSkyDriveをOneDriveに名称変更

SkyDriveは死んだ。死んだがすぐにOneDriveとなって生まれ変わった。Microsoftは1月、イギリスのペイTVプロバイダーのBSkyBとの間で起こったSkyDriveという名称を巡る商標紛争をうけて、同社の運営するストレージサービスの名称を変更する予定だとアナウンスしていた。そしてそれがついに現実となり、ウェブサイト、モバイルアプリケーション、およびデスクトップアプリケーションにて、利用するサービスの名前がOneDriveというものに変更されたわけだ。

尚、これにともなってMicrosoftは、Dropboxによるものにそっくりな紹介プログラムの提供も開始した。自分の提供したリンクから誰かがサインアップすると、ストレージの容量が500MB増加するようになっているのだ。最大10人を紹介して、5GBまで無料で増加させることができる。また、Windows、iOS、あるいはAndroidから、自動での写真アップロードオプションをオンにすると3GBの無料ストレージを取得することができる。

いまや、さまざまなビッグネームからもクラウドストレージサービスが提供されるようになってきており、個人利用者は非常に安価でクラウドスペースを利用することができるようになっている。言うまでもないだろうが、GoogleはGoogle Driveを提供しており、AppleはiCloud、MicrosoftはOneDriveを提供している。各社ともアプリケーション、全体的な機能、そしてもちろんマーケティング戦略にて差別化をはかろうと懸命になっている。

ちなみにMicrosoftのコアプロダクトであるOffice 2013やWindows 8.1からは、まだクラウドスペースの名称がSkyDriveとなっている。もちろんこれもすぐに変更されることとなるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Microsoft、コード・スニペットをStack Overflowなどからスマート検索できるアドオンをVisual Studioに追加

初心者だろうとベテランだろうと、プログラマーであればうまく再利用できるコード・スニペットを探してStack Overflowその他のサイトで長い時間を過ごしているはずだ。よく言われるように「車輪を再発明する」ほど無駄な努力はない。

今回、マサチューセッツ州ケンブリッジのMicrosoft Researchのチームがスニペット検索のプロセスを効率化してIDEに統合してくれた。Microsoftは今日(米国時間2/17)、Bing Code Searchアドオン公開した。これはC#(他の言語も今後サポートされる)のコード・スニペット検索機能をVisual Studioに組み込むものだ。

ここで重要なのは、単なる標準的な検索機能ではなく、自然言語を利用したスマート検索がサポートされているという点だ。たとえば、「ファイルを1行ずつ読む(read files line by line)」というような条件で検索ができる。このツールの検索機能はBingが受け持ち、サービス自体はWindows Azure上で走る。

検索対象となるのはStack OverflowMSDNDotnetperlsCSharp411の各サイトだ。すべてのスニペットはコンパイル可能かどうか自動的に検証される。また検索アルゴリズムはそのスニペットに対するコミュニティーの投票など各種の価値づけ情報を考慮して表示順位を決定する。

もうひとつ大変に便利な機能は、単にスニペットをコピー・ペーストするのではなく、ユーザーの既存ソースコードに合わせて変数名を調整してくれることだ。

もしVisual Studioをインストールしていなくてもウェブ版がこちらから使える(インターフェイスは若干異なる)。

私の取材に対して、 開発チームの上級研究員、Youssef Hamadiとポスドク研究員のYi Weiは「プログラマーなら誰でも実感すると思うが、変数名をユーザーが使っているものに変換することはソースコードを非常に読みやすくする」と語った。

Hamadiはまた「このツールで、初心者はコードの書き方が学習できるしベテランはその目的にもっとも適切なスニペットすぐに選び出せるので、どんなレベルのプログラマーにも有益だろう」と語った。

Microsoftの社内テストではこのBingコード検索を利用すると問題解決に要する時間が60%早くなったという。

提携サイトの一つであるStack Overflowのエンジニアリング 担当副社長David Fullertonは「この提携でわれわれのサイトへのトラフィックが減るとは予想していない。検索結果にはオリジナルのソースへのリンクが表示される。多くのユーザーはわれわれのサイトを訪問して詳しく調べたいと思うだろう」と語った。

Microsoftがこの方向をどう発展させていくか楽しみだ。極端にいえば、将来は自然言語検索を繰り返すだけでプログラミングができるようになるのかもしれない。Hamadiは「われわれはこのテクノロジーをベースにしたプロダクトをさらに用意している」と語った。

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Microsoft、Office 365でPower BIを正式公開―会社内外のビッグデータを分析してビジュアル化できる強力ツール

半年以上にわたって限定プレビューを続けた後、今日(米国時間2/10)、MicrosoftはPower BI for Office 365を正式公開した。

これはOffice 365のエンタープライズ・ユーザー向けの強力なビジネス・インテリジェンス・ツールだ。ユーザーはExcelと同時に利用することによって巨大なデータセットを自然言語で検索し、モデル化して分析することができる。またExcelに加えてPower ViewとPower Mapを使うことで簡単に高度なビジュアル化が可能だ。

私の取材に対してMicrosoftのSQLサーバ・プロダクトのマーケティング担当ゼネラル・マネージャーのEron Kellyが答えたところによれば、「われわれのユーザーの多くはExcelであれば安心感をもって使えるので、Power BIに独自のダッシュボードを与えることはせず、むしろExcelの遍在性を最大限に利用することにした。Power BIによって従来よりはるかに多くのユーザーが企業の意思決定に重要なビジネス・データを効果的に分析できるようになるだろう」とのことだ。

企業内ユーザーはデータ分析を IT部門に依頼して回答を待ち、その回答を見て別の切り口で分析をする依頼する、というサイクルを経る必要がなくなる。Power BIの学習は比較的容易なので、対象となるデータの量が増加し、意思決定がデータ主導型になるにつれてPower BIは大企業に必須のツールとなるだろうとMicrosoftは期待している。

ただ、データ分析がエンドユーザーのセルフサービス化するとしても、データのアクセス管理はIT部門の権限として残される場合が多い。Microsoft は IT部門がデータ・ソースの準備と管理を行うことができるようにしている。

またPower BIは社内のビッグデータを公開されている外部のビッグデータと共に利用できる。エントリー・レベルではMicrosoftのAzure Marketplaceのデータを利用するのが簡単だが、高度なユーザーは独自にREST APIを利用して外部サービスのデータを収集することができる。またODataを利用したサービスとの連携も可能だ。

しかしなんといってPower BIの最大のセールスポイントはQ&Aツールだろう。ユーザーはデータセットに対して自然言語で問い合わせができる。ニューヨーク市がオープンAPIを通じて公開しているデータを調べようとしているとしよう。たとえば「スーパーボウルが開催された日曜日の騒音の苦情を平日と比較する」と入力すると、Power BIがユーザーに代わって適切なクエリーを発行し、その結果を教えてくれる。このテクノロジーはMicrosoft Researchと検索エンジンのBingのチームの共同で開発された。

なおPower BIはOffice 365エンタープライズの契約者に対してのみ提供される。

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ビル・ゲーツ、マイクロソフト技術アドバイザーに「ステップ・アップ」。祭り上げられたのか、飛躍なのか?

Satya NadellaのMicrosoft次期CEO就任のニュースと共に、もう一つ大きく変ったのが、経営陣の階層だ。Microsoftの共同ファウンダー、Bill Gatesは、会長の座を退き、新たに「ファウンダー・技術顧問」の責務を担う。Microsoftはこの変更を、以前の職務からの「ステップ・アップ」と説明しており、Gatesが再び同社内で積極的役割を担うことを示唆した。

2012年2月に取締役に就任し、現在筆頭社外取締役であるJohn Thompsonが、新会長となる。

Microsoftは、Gatesが「これまで以上の時間を会社に注ぎ込み、テクノロジーおよび製品の方向付けでNadellaをサポートする」と言った。Gatesは引き続き取締役会に所属する。
「Microsoftにおけるチャンスは以前よりも大きい」と、今日公開されたビデオ・アナウンスメントでGatesは話した。

ビデオ中Gatesは、クラウドテクノロジー、モバイル等の分野を強調した。自分の時間の1/3は製品グループと話す時間に使う、と彼は言っている。「Satyaが私にステップ・アップするよう言ってくれたことを大変喜んでいる」とGatesは言い、「一緒に新しい製品を作るのは楽しい」と付け加えた。

Microsoftの事情を知る人にとって、Gatesの行動は驚きではない。新たな指導者への引き継ぎの一環として、つい昨日、社内でGatesが製品開発におけるより積極的役割を担うであろうと報じらていた。少なくとも週に1日はMicrosoftで過ごすが、経営業務に関わる時間は少なくなるという。

一方、Steve BallmerがCEO辞任を公表してから今日までの間に、Gatesは会長を退任し、Microsoftの開発体制から古いアイデアを一掃するべきだとする議論もあった。

明らかでないのは、果たしてGatesの新しい役職が、彼を会長から退かせようとする圧力の結果なのか、それとも、より積極的役割を与えることによって、彼に再び同社の未来戦略に関わらせようというGatesと会社の純粋な関心によるものなのかである。別の言い方をするなら、彼は祭り上げられたのか、それともチャンスに飛び乗ったのか。

私の分析結果は後者を支持している。われわれはGatesがここしらく、同社の製品およびM&Aに関する極めて戦略的な活動に関与していると聞いている。そして、Gatesの退任を求める人々がいた一方で、GatesをCEO候補にというアイデアを推進してきた人々もいる。

Microsoftで以前より積極的役割を果たすことは、同社の共同ファウンダーにとって興味深い転機となるだろう。

過去数年間、Gatesは多くの時間と努力と金銭を、妻メリンダと共に立ち上げた慈善ベンチャー、および関連する投資に注いできた。また彼は、維持可能エネルギーや医療技術等の分野に特化した投資ポートフォリオも持っている

Microsoft取締役会のメンバーは以下の通り:Satya Nadella; Steve Ballmer; Dina Dublon(元JPMorgan Chase CFO); Bill Gates; Maria M. Klawe(Harvey Mudd Collegeプレジデント); Stephen J. Luczo(Seagate Technology PLC会長兼CEO); David F. Marquardt(August Capitalジェネラルパートナー);Charles H. Noski(Bank of America Corp.元会長); Dr. Helmut Panke(BMW Bayerische Motoren Werke AG元経営委員会会長); およびJohn Thompson(Virtual Instruments CEO)。

取締役10名中、7名が外部であり、これは実質的過半数を外部とする同社のガバナンス・ガイドラインに沿っている。

GatesがNadella新CEOを推薦するビデオを下に貼った。

写真:Flickr

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サトヤ・ナデラ執行副社長がMicrosoftの新CEOに就任―ビル・ゲイツはテクノロジー・アドバイザーに

Microsoftは大方の予想どおり、スティーブ・バルマーの後任の新CEOにサトヤ・ナデラ(Satya Nadella)を任命したと公式に発表した。 NadellaはMicrosoftに過去22年間在籍し、これまでクラウドとエンタープライズ担当執行副社長を務めていた。ナデラは同時にMicrosoftの取締役会にも参加する。ファウンダーのビル・ゲイツはこれまでよりMicrosoftへの関与を強める

ナデラはMicrosoftのクラウドサービス事業の推進のカギを握る人物と認められてきた。ナデラはまたBing、Xbox 、Microsoft Officeの最高責任者でもある。ナデラはMicrosoftのビジネス・サービス事業をわずか5年間に15億ドルから50億ドルに急成長させた。

スティーブ・バルマー前CEOは全社員向けのメールでこのニュースを発表し、「Microsoftの将来に大いに興奮している」(バルマーらしい。この大男がいなくなると寂しい)と述べた。ナデラ自身も社員向けにメールを送り 、ゲイツにMicrosoftの業務に関与する時間を増やすよう頼んだことを明らかにした。ナデラはイノベーションの重要性を指摘し、特にモバイルとクラウドがMicrosoftの将来のカギとなる重要分野だと述べた。

私は今後10年間にコンピューティングがいっそうユビキタス化し、新しい知的環境を作り出すと考えている。ソフトウェアと新しいフォームファクターのハードウェアは手をたずさえて発展し、われわれのビジネス、生活、そして世界をさらにデジタル化することになるだろう。これを可能にするのは、ますますインターネットに密接に接続するようになるデバイス、クラウドの膨大なコンピューティング能力、ビッグデータをベースにした洞察、機械学習による知能だ。

ナデラはさらに将来のコンピューティング環境においてMicrosoftは独自の位置を占めているとして次のように述べている。

Microsoftは あらゆるデバイスを通じて、あらゆる人々、あらゆる組織にソフトウェアの力を届ける力をもった唯一の存在だ。巨大な可能性を持つプラットフォームとエコシステムの建設と発展の努力とその実績においてMicrosoftは比類ない会社だ。

ナデラのCEO就任はMicrosoftが現在190億ドルのサーバーおよびツール事業へさらに力を入れることを意味する。新CEOはXBox事業の責任者であり、知的所有権、対話的TVなどの分野にも手腕を発揮しそうだ。この点でもナデラは他の候補者よりはるかにCEOとして適任だ。ナデラ’はクラウドとモバイルの重要性を繰り返し強調したが、これはMicrosoftがハードウェア事業を軽視するようになることはないという決意の表明だろう。

MicrosoftはナデラのCEO任命と同時に、元CEOのビル・ゲイツがファウンダー・テクノロジー・アドバイザー(Founder and Technology Advisor)に就任することを発表した。これによってゲイツは現在よりも積極的にプロダクト開発に参加することになる。これはナデラがハードウェア事業に経験が不足しているとみられることに予め先手を打った動きだ。実際、ゲイツがベンチを出て打席に立つようになれば、チームは大いに強化されるだろう。新しい役職のもとでゲイツは時間の30%をMicrosoftの業務にあてることになる。

Microsoftの39年の歴史でナデラは3人目のCEOだ。その前はゲイツが1975年から2000年まで、バルマーが2000年から2014年1月までCEOを務めた。

Microsoftは今回の人事異動に関して太平洋時間午後12:00からウェブキャストを行うということなのでわれわれは引き続きフォローしていく。

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Microsoft Azureがストレージを値下げ, Amazonの値下げに追随

今週の初めにAmazon Web Servicesは、そのクラウドストレージサービスS3を値下げし、今日(米国時間1/24)はMicrosoftがそれに続いて、同社のクラウドストレージサービスを値下げしている

ローカルな冗長ストレージはAzureとAmazonで料金が同じになり、Azure Storageのトランザクション料金は、同じくAmazonと歩調を合わせて50%カットされた。さらにMicrosoftのLocally Redundant Disks/Page Blobs Storageは28%値下げされた。

昨年4月にMicrosoftは、AWSのどんな値下げにも合わせていくと言ったから、今日の値下げ発表は意外ではない。Microsoftによると、Azureのストレージの値下げは完全にグローバルだから、リージョンによってはAmazonよりも安くなるそうだ。

Microsoftは今日の発表声明の中で、料金はもちろんユーザにとって重要だけれども、同社は“信頼性とスケーラビリティの点でもベストを”提供する、と言っている。具体的には、同社の冗長ストレージオプションではデータが400マイル離れた別のデータセンターで複製されるから事故や災害に強い。またAzureのユーザは仮想マシンのストレージを永続性のストレージとして確保するが、AWSではEBS上のストレージが特別料金になる。したがってこの種のストレージに依存する顧客にとっては、Azureの方が安上がりである、と。

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マイクロソフト、Offiice Web Appsのデザインを全面変更、いっそうフラットに

Microsoftは、今日(米国時間1/22)同社のOffice Web Appsの外観を一新した、らしい。最近同社は、Office Web Appの宣伝にあまり熱心ではないが、これはかなり有用なWord、PowerPoint、Excel、およひOneNoteのウェブ版であり、誰でも無料で使える。今日同社は、これら全アプリのユーザーインターフェースを全面改訂し、デザインが一層フラットになると共に、新機能やナビゲーションの改善もなされている。

Microsoftはこれらの変更について公式発表はしていないが、今日アップデートを実施したことは認めた。

「Office Web Appのアップデートを本日公開した」とMicrosoftは言った。「以前にも言ったように、当社は今後も、ウェブで最も価値のあるOffice機能を提供していくつもりであり、これはその一環にすぎない」

最も目立った変更は ― 少なくとも私が最初に気付いたのは ― ノート記録アプリ、OneNoteの新しいナビゲーションだ。画面左にある2つのカラムを使って、ノートブックの様々なセクションを行き来できるようになった。従来はこれが少々面倒だった。

さらにMicrosoftは、全アプリを通してトップメニューのデザインを変更し、リボンメニューも一新した。リボンにはまだ半スキューモーフィックなアイコンが時折見られるが、大部分においてOffice Web Appsは完全なフラットになった。

同アップデートの中で、MicrosoftはヘッダーのUIも変更し、他のオンラインMicrosoftアプリを利用するためのスイッチャーが加えられた。

もう一つ私が気付いたのは、WordとExcelアプリに「やりたいことを入力してください」検索バーが追加されたことで、アプリの全ツールを横断で検索し、例えば文字の太字化や検索・置換が検索結果画面から直接行えるようになった。入力予測を行っているため、通常何文字かタイプするだけで必要な機能を見つけられる。Microsoftは、PowerPointウェブアプリにも近くこのツールが入ると言っていた。

Microsoftは、今後ユーザーは「新しい脚注と巻末注の機能を使って、報告書や論文の完成度を高める」ことができると言っていた。

全体的に見て、Office Web Appsは新デザインによって、最近アップデートされ同じくフラットなメニューバーを使っているOutlook.comに若干似てきた。

比較のために、旧ユーザーインターフェースを下に貼っておる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


MicrosoftはみんなにInternet Explorerを見直してほしいのでデモ集積サイトRethink IEをローンチ

Internet Explorerは長年、自業自得の悪評に悩まされてきたが、Microsoft自身もそのことを十分自覚していた。しかしIE9以降は、かなり良いブラウザになり、最新バージョンはWebのオープンな規格に準拠し、きわめて高速なJavaScriptエンジンを実装、タッチのサポートなど新しい機能も加えた。しかしそれでもIEは、Microsoftにとってすら、いまだに”嫌うことが好まれる“ブラウザだ。

昨年あたり、とくにIE11のローンチ直後から、MicrosoftはRed BullAtariGlacierWorksなどいくつかの企業やデベロッパと提携して、IEが今や現代的なブラウザであることを見せつける、一連のデモを行ってきた。そして今日ローンチしたRethink IEは、それらのコンテンツを一堂に集めて、IEをめぐる話題がここから新たに盛り上がることを期待している。

MicrosoftでInternet Explorerのマーケティングを担当しているシニアディレクターRoger Capriottiによると、Rethink IEサイトの目的は、IEが今やWebの最前衛に位置していることを世の中に見ていただくために、IEがこれまでに作ってきたユーザ体験を強調的にデモすることだ。Rethink IEは、Microsoftがデベロッパと消費者両方のためにパートナーたちと一緒にやってきたことを一か所に集めている(Cut the Ropeだけはないが)。デベロッパはここを見て、作品制作の楽屋裏が分かるが、でも中心的なねらいは、Interenet Explorerの名誉回復というマーケティングの基調を、これからも継続していくことにある。

Capriottiによれば、昨年はIEにとってかなり良い年だった。11月には2012年以降最大のマーケットシェアを達成し、ChromeやFirefoxからIEに移行した、あるいは戻った、ユーザも少なくない。“今のIEの姿をぜひ見て、考えを変えてほしい”、とCapriottiは強調するが、Microsoftにとってそれはとくに、Surfaceなどタブレット上のIEのことを意味している。Capriottiから見ると、ChromeやSafariはデスクトップ向けに開発されてモバイルに移植されたから、モバイルというプラットホームのアドバンテージをフルに生かしていない。それとは対照的にMetroバージョンのIEはまったく新たに設計されたから、デスクトップの尻尾を引きずっていないぶん、競合製品よりも一歩進んでいる。“タブレットの上でChromeを見ると、デスクトップかと錯覚するからね”、と彼は言った。

彼によれば、今ではロード時間の短縮と高速レンダリングが標準だから、タッチなどの新しい技術を活用してブラウザ上の新しいユーザ体験を作り出す能力が、これからの勝敗の決め手になるだろう、という。もちろん、Webのオープンな規格に完全に準拠しつつ、だが。

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Windows 8の次期アップデートではMetroアプリがデスクトップでも作動するようになる

今朝(米国時間1/22)、Paul Thurrottが今年のWindows 8.1アップデートについて詳しい記事を書いたWZorが掲載したスクリーンショットはWindows 8.xについてのPaulの以前の観測を裏付けるものとなっている。

MicrosoftはデスクトップとMetro環境の統合、特にアプリの動作の面での統合を進めようとしているというのがこれらの記事の要点だ。

アプリが双方の環境で動作すればそれだけユーザーが増え、Windows Storeの利用も進む。多くのユーザーが長年慣れ親しんだデスクトップ環境を好んでおり、Metro環境への移行が期待したようには進んでいないという事実をMicrosoftは暗黙のうちに認めざるを得なかったわけだ。

デスクトップを好んでいるユーザーにMetroアプリをもっと使わせたいなら、Metroアプリがデスクトップで使えるようにする他ない。Paulは以前にもMetroアプリがデスクトップでも動くようになるとレポートしていた。今回WZorのスクリーンショットがそれを裏付けた形だが、必然的な成り行きといえるだろう。

Paulはさらに新しい機能を確認している。「Metroアプリには『閉じる』ボックスが追加された。これはデスクトップでお馴染みのマウスでクリックしてアプリを完全に終了させることができる『閉じる』ボタンと同様の機能だ。これはありがたい。作業が終わっても居座り続けるMetroアプリはWindows 8.xの大きな頭痛のタネだった」

これでWindows 8.xにおけるMetro環境とWindows 7を継承した環境が次第に融合してきた。これは以前の環境を好むユーザーにも、新しい環境を普及させたいMicrosoftにとってもよいことだろう。

情報のリークのペースを考えると、実際に作動するバージョンが公開される前にさらにいろいろな新機能が発見されるはずだ。Microsoft はWindows8.xの基本戦略はそのままに、弱点にパッチを当てようとしている。Windowsのモバイル化にはMetro UIとアプリ・ストアが必須だ。伝統的なパソコン環境との間にギャップが出来てしまったが、Microsoftはこのギャップを埋めることができると私は思う。

トップ画像:Flickr

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Windows 8が出てから早くも1年, 依然としてWindows 7を推すHPの真意は?

HPは今でも同社のオンラインストアで、Windows 8ではなくWindows 7を載せたパソコンを前面に並べている。Microsoftの最新OS Windows 8は、顔に泥を塗られた形だ。

いつも優れた記事を書くテクライターEd Bottの指摘では、HPは昨今のWindows 7の勢いに負けたのではなく、年が明けてマーケティングの再調整をやっているのだ、という。

たしかにWindows 8は出だしでつまずいたし、しっかり改良されたWindows 8.1も、その人気は期待はずれだった。NetMarketShareの調査によると、Windows 8とWindows 8.1の従来型コンピューティングにおけるグローバルマーケットシェアは10.5%である

ユーザインタフェイスが一変し、モバイルコンピューティングとの折衷化が為されたため、多くの消費者が8と8.1には困惑している。このことは、今さらニュースにすらならない、言い古された事実だ。では、HPの真意は何だろう?

HPは二股をかけているのだが、今のところはWindows 7機を推している。つまり、消費者にとって使いやすいマシンを量販し、サポート費用を抑えたいのだ。OEMの仕事をしている友人たちによると、今どきのパソコンは利幅がとても薄いので、サポートに足をすくわれると、その薄い利幅が消えてしまうのだ。

だからOEMにとっては、サポートの電話がじゃんじゃんかかってくるような製品はノーである。だからWindows 8がどんなに機能的に優れていても、OEMが量販する機種用には選べない。長期的なユーザ体験が良いことよりも、薄利をサポートにつぶされないことを選ぶ。将来の利益よりは、今の利益がとりあえず重要なのだ。

HPのもう一つの動機は、クリスマス商戦でWindows 8.x機をプッシュしすぎたことへの揺り戻しだ。今や、恥も外聞もなく、12月に言ったことを取り消したい。Gartnerの調査でもHPのマーケットシェアは大きく落ち込んでいるから、売り方を変えざるをえない。

Windows 7でもMicrosoftにとっては売上になるから、問題ない? ところが、8でなく7が売れると、Windows Storeのお客さんが増えないのだ。デベロッパの歓心を買うためには、Storeの人気が盛り上がらないと困るのだ。クラウドとアプリケーションストアがコンピューティングビジネスの中核になっていくこれからの時代に、Windows 7のユーザばっかり増えたのでは具合が悪い。

しかしそれは、あくまでもMicrosoftの問題だ。HPとしては、利益を確保できるマシンを売りたいだけだ。

画像クレジット: Flickr

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Googleの新しいスマートコンタクトレンズは、Microsoftにとっては古いニュース

Googleは今日(米国時間1/16)スマート・コンタクトレンズプロジェクトを発表したが、これは初めてでも何でもない。他の会社もずっと以前から取り組んでいた ― Microsoft Researchを含む。同社は2011年に類似のプロジェクトを、現在Google Xで働くある人物と共同研究していた

Babak Parvisは、かつてワシントン大学教授だった頃、Microsoft Researchと共同研究を行っていた。彼は初めてスマートコンタクトレンズに取り組んだ一人だ。現在はGoogleに所属して、Google Glassとスマートレンズのプロジェクトを担当している。

しかし、Microsoft Researchではよくあるように、このプロジェクトからは何も生まれていないようだ。

これはMicrosoftが2011年にこのプロジェクトを紹介するために作ったビデオだ。

もう一つ、すでに市場に出ているスマートコンタクトレンズがあることも言っておくべきだろう。グルロースの測定はしないが、例えばSensimed Triggerfishという使い捨てコンタクトレンズは、緑内症患者を個別治療するためにセンサーで目の変化を測定する。このテクノロジーはヨーロッパで2010年以来利用されているが、米国で販売するためのFDA認可は取得していない。

さらに、スウェーデンのマルモ大学のチームは、Googleと似たレンズを開発し、涙で動作する燃料電池を利用している。他にも米国内外で類似のプロジェクトが進められている。

もちろんこれが科学というものだ。様々なチームが互いのアイデアを共有して公表する。「もしエレクトロニクスを極小化できれば・・・涙液グルコースの謎を解き、高精度で測定する方法が見つかるかもしれない」と思ったのはGoogleが最初ではなかった。彼らの前に月に行った人間は他にいた。

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クリスマス~新年の願い事; 有名大手テク企業がサンタさんだったら…

ぼくの、来年の願い事はこれだ。クリスマスギフトなんていうと、今年は残り少なくてもう何もできないだろうけど、来年はまだまだ、何でもできるぐらいに長い。ぼくの願い事はどれもでかいけど、みんな金持ち企業で世界のトップクラスの人間が揃っているから、やる気になればできるはず。

1. Microsoft

Skypeをぶっ壊してゼロから作り直す。今のSkypeは、どのプラットホームでもひどい。それなのに、毎日使わざるをえない苦しみ。そのVoIPの安定性はかなり良いが、その元々の血筋にふさわしい高い安定性ではない。テキストによるチャットコミュニケーションもひどいし、グループチャットというかんじんの機能にペイウォールという鍵がかかっている。ぼく自身はすでに、 Skype OutやVoicemail、Skype Inの番号などに毎年巨額を払わされているのだが。

2. Nintendo

iOSやAndroidでもMario(など)を。ぼくは、Wii Uは株価を上げるための秘密の戦略で、これからはそのほかのモバイルプラットホームにもライセンスを売っていくのだ、そうなればまさしく、天才的な経営手腕だ、と本当に期待していた。MarioとPokemonとDonkey KongなどなどをぜひiOSとAndroidに、そうすればぼくたちは御社にたくさんお金をあげるのに。

3. Google

Glassを捨てて携帯やタブレットのAndroidをもっと良くしろ。Google Glassはいまだに全然ぴんとこないし、それについて知れば知るほど、ますますつまらないと思える。これを読んで熱心なGlassファンは怒るかもしれないが、でも率直に言って、Googleがこのプロジェクトに捧げているリソースをスマートフォンとタブレットのAndroidに配置換えすれば、これらのデバイスは、今のような、なんだかんだと際限なくチェックするものから、まったくシームレスな、まったく気にならない、日常の一部に成長変身するだろう。Glassの目標は悪くないけど、人びとが実際に使っているものを、もっと良くしてからにしてほしい。

4. Amazon

グロサリーはグローバルに展開せよAmazon Freshのアイデアは良いと思うが、展開が慎重過ぎて遅すぎる。これまでのecの品目と違って細かい問題が多いことは理解できるが、日常的にほかのあらゆるものを買っているお店が、グロサリーにかぎってもたもたしているのは、我慢ならない。なんとか、グローバル展開の妙手を編み出してほしい。

5. Facebook

Yahoo+Twitter指向をやめろ。考えただけでもくだらないが、でも実はぼくは、赤ちゃんの写真集のいつまでも終わらないストリームとか、高校のときの友だちが日常的なささいな不便を朝から晩まで愚痴ってるのとか、そんなのを愛してるんだ。今のFacebookは、ニュースとリアルタイム情報のソースになりたがっている。でもそれは、ぼくがFacebookに望む姿ではない。旧友が子どもがクレヨンで初めて描いた絵をポストしてきたのを、すごく嬉しく思うとか、今のぼくはもうそんな歳(とし)なんだが、皮肉なことにFBは、そういうものを否定して成熟しようとしている。

6. Twitter

ダイレクトメッセージをもっと良くして。DMは、今以上のものになりたがっている。Twitterもやっとそのことが分かって改良を開始したようだ。でも、まだ不満だ。これは実現性が高いから‘願い事’というほどでもないが、でも言っておいた方が後悔せずにすむだろう。

7. Apple

レティナディスプレイのMacBook Air。Appleよ、あなたはかなり前からこの方向でやってるにもかかわらず、レティナAirだけは無視してきた。それはいまだに、地平線から顔をのぞかせているだけだ。MacBook Airは電池がすごく長いし、13インチ型はほぼ完璧だ。でも13インチと15インチのレティナMacBook Proの画面は最強だ。レティナMacBook Airはパーソナルコンピューティングの見果てぬ夢だが、そろそろ夢から現実へを希望する。

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以上がぼくの願い事リストだ。自分勝手なのもあるし、現実的なのもある。絶対に実現しないのもある。しかしどれも、これらのメジャー企業に、ぼくとしてはやってほしいことなのだ…2014年に。おっと、ぼくの靴下はどれもボロボロで、サンタさんにわるいから、最後の願いごととして、新品がひとつほしいね。

トップ画像: gagilas on Flickr

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


デベロッパーの関心はWindows Phoneでアップ、Windows 8.xでは低下―IDC/ Appcelerator 調査

今朝(米国時間12/19)、AppceleratorとIDCは共同で11月に実施したデベロッパーの意向調査の結果を発表した。このデータによると、Windows Phoneは今までにないほどデベロッパーの関心を引いているものの、Windowsプラットフォーム自体の人気は下降ぎみだ。

さまざまなプラットフォームについて「アプリケーションを開発することに非常に興味がある」という回答を集計したところ、Windows Phoneは37%のデベロッパーから「非常に興味がある」という回答を得た。しかしWindowsそのものは35%を下回った。今年8月にWindowsの数字は40%近かった。その後は頭打ちか減少傾向が続いている。

Windows Phoneへの関心は大きな上下を繰り返してしてきた。今はまた上昇した時期に当たる。2012年8月にWindowsへの関心がピークを迎えたものの、同じ時期にWindowsPhoneへの関心は22%と最低水準に落ちこんだ。Windows Phoneへの関心はそれ以来50%も改善されたことになる。それでもWindows Phone上の開発に「非常に興味がある」デベロッパーは全体の3分の1に過ぎない。

デベロッパーの50%以上がKindle Fireでの開発に「非常に興味がある」と回答しており、iPhoneは84%、iPadは82%、〔Androidが80%、Androidタブレットが71%〕などとなっている。Microsoftのプラットフォームはたしかに一定の関心を集めているものの、依然として低空飛行が続いているわけだ。

下の図はIDCのレポートのグラフからWindowsに関連ある部分を拡大したものだ。〔薄い空色がWindows、濃い空色がWindows Phoneを表す。2011年から一貫して下降を続けてきた藤色の線はBlackberry〕

Microsoftにとって問題なのはWindows 8.xのインストール・ベースが増加しているにもかからわず、デベロッパーの関心が薄れていることだ。開発環境が整備され、デバイスの販売が好調だからアプリのダウンロード数の増加も期待できるのに、デベロッパーの関心は高まらない。下降幅はわずかだが、MicrosoftがWindows Storeの構築に全力を挙げているこの時期、本来なら関心が高まっていなければならないはずだ。

Microsoftの話題とは別に、この調査の結果は非常に興味深い。プラットフォーム戦争に興味があるならぜひ一読すべきだ。たとえばデベロッパーがアプリケーション開発にあたって「アプリを接続させたいサービス」ではFacebookが1位、Twitterが2位、そして意外にも3位にGoogle+が入っている。〔4位以下はLinkedIn、PayPal、Dropbox、Google Calendarなどとなっている〕

画像: Flickr

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoftの次期CEO候補(と噂の)Satya Nadellaが去りゆくCEO Ballmerの人物を語る

ZDNetの長年のMicrosoft番記者Mary Jo Foleyが今日(米国時間12/16)、同社の重要な役員の一人で次期CEO候補の一人でもあるSatya Nadellaへのインタビューを掲載した。その中でとても長い部分の話題が、Nadellaが仕事を共にしていた前CEO Steve Ballmerの、同社に遺した(正負両様の)遺産と往時の彼の仕事ぶりだ。

Nadellaが本当に次期CEOになるのなら、彼のBallmer観やBallmer批判は聞いておく価値があるだろう。またMicrosoft社の内部的な力学構造に関心がある人なら、Foleyの記事(上のリンク)は必読だ。ここでは重要と思われる部分だけをご紹介するが、関心を持った方はインタビューの全文を読むべき。

Ballmer自身は、彼の過去の業績に関する質問に、質問そのものを躱(かわ)すような答え方をしたそうだ。すなわち、Nadellaによると:

彼はこう言った、“なぜそんな話に意味があるのかね? いいかね、この業界では、アイデアや考え方の長寿は重視されない。重視されるのは、新しいやり方を発明することだけだ。だから、本当に評価してほしいもの、目を凝らして注視してほしいものは、私にかぎらず、誰かが過去のどんな機会に何をどうやったかではない。そういうものは、未来の機会に関して、何も教えてはくれないからだ”。

MicrosoftはWindowsであり、WindowsがMicrosoftだが、しかしそれは、同社とそのメインのブランドとプラットホームが、一貫して安泰だったことを意味してはいない。だから、上でBallmerが言っていることは、彼が経営した同社の、彼にとって最後の1年に、ぴったり当てはまる。

Ballmerが統括したのは、箱入りのソフトウェアからデバイスとサービスへ、というMicrosoftのビジネスモデルの激しいモデルチェンジと、それに伴う企業の構造改革、その両方だった。それはどちらも、Ballmerが上で言っている、そしてBallmer自身が起草した、“新しいやり方”(new formulas)だった。

誰がMicrosoftの次期CEOになるにせよ、これまでとはまったく違う車のキーを渡される。Windows 7を売っていた企業は、もうどこにもない。Microsoft Azure、Office 365、Windows 8.1、Lumiaなどなどは、どれも新世代の製品だ。その新しい世代が、Ballmerの仕事が遺した遺産になるのだ、とぼくは思う。同社の(今年まで)低迷している株価よりは。

Nadellaも同じ考えだ:

率直に言って、広義のコンピューティングとこの会社へのSteveの貢献は、今後5年か10年の距離を置いて語った方がよいと思う。正しい評価は、今後われわれがやることによって、形作られるだろう。

そして、誰もが想像するであろうとおり、Ballmerはその激しい言動と同様に、経営ぶりも激しかった:

彼に何かを提案すると、必ずこう言う、“くだらないね”、または、“俺は買わないね”。でも、彼に接するコツは、何度でも会いにいくことだ。あきらめずにね。彼は、われわれ全員の、最良でもっとも批判的なユーザの一人なんだ。あとになって、やっとそれが分かったよ。

Foleyがインタビューをしたのは数週間前だから、次期CEOという名のビンゴゲームについて語るのは、早すぎた。

でも、これまでの限られた出会いで感じたNadellaの人柄は、冷静沈着で技術指向で、大企業という環境をよく知っている人物だ。

大きさはあまりにも違いすぎるとはいえ、CEOが遺す遺産を、辞めていく大統領のそれと比較することもできる。どちらも、在任中に新しいプロジェクトを立ち上げ、その結果を見ることなくその地位を去る。George W. Bushのあの見事なアフリカのエイズ対策という遺産は、そんな例の一つだ。彼の絵は、遺産とは呼べない(BallmerをBushと比較しているわけではない、お静かに)。

最新の噂が本当なら、Microsoftの次期CEOは年内に決まるだろう。そしてそれがNadellaでなかったら、10年後に、あのときCEOにならなくて良かったね、と言えるかもしれない。そのときでもまだ55歳だ(1969生)。そしてそのときこそ、先頭走者かもしれない。

画像クレジット: Flickr

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


企業モバイル市場はiOSが支配。AndroidとWindowsが2番手を巡る戦い

Intermediaの報告によると、Appleは中小ビジネスのモバイル端末市場を依然リードしている。2013年1~10月に、Intermediaの顧客は計19万台のApple端末をアクティベートした。Samsungは2万9000台、Motorolaは1万3800台だった。

Appleはこの期間、市場の76%を支配した。Apple Insiderが指摘するように、上記データはIntermediaがホストするExchangeサービスから得た、約70万人のビジネスユーザーによるものであり、十分有意な標本サイズだ。

Microsoftは、無視できるほどわずかなシェアでこの期間を終えたが、端末台数は大きく伸び、この10ヵ月間で93%の増加率だった。これはモバイル端末市場のシェアを増やしたくてたまらないMicrosoftにとって良いニュースだと言える。

しかし、直前の販売台数があまりに少なければ、台数の増加率を伸ばすのはさほど難しいことではない。

中小規模企業におけるAndroidの市場シェアは、Appleの人気と比較にならず、端末台数シェアで25%以下だった。

コンピューティング市場は、企業の規模によってもちろん変わる。上記と対象的なのが、Bernstein Researchが先週発表した調査結果で、Barronが報じている。同調査によると、

各社のCIO(IT責任者)によるWindowsタブレットの配布および配布計画は6ヵ月前から56%と大幅に増え、iPadとほぼ同じレベルに達している。Androidタブレットは明らかに遅れており、前回調査の23%から15%へと減少している。

Appleは未だにモバイルでトップの座を占めているが、Windowsの勢いはそれを上回っており、AndroidはAppleの有力なライバルではあるものの、未だ挑戦権ろ得るには致っていない。

中小企業ではAndroidがWindowsのモバイル端末を圧倒しているが、大企業スケールのクライアント端末では、MicrosoftがAncroidを打ち負かす勢いを得ている。ここに働く力学はある意味で単純だ、と私は思う。大企業ほど、既存のIT基盤にあてはまる端末を必要としており、それはMicrosoftがWindows 8.1タブレットで強調してきたことだからだ。

しかし、Intermediaのデータは、スモールビジネスにおけるMicrosoftの少々悲惨な現状を描いている。これは無視するわけにはいかない企業購買層だ。

というわけで、全体の光景はある意味で見慣れたものだ。AppleのiOSモバイル端末は、小規模企業の間で圧倒的強さを見せ、大企業にとっても魅力がある。読者の体験的感覚もそれに近いだろう。この結果、モバイル端末市場の2番手争いは、AndoidとWindowsの戦いだ。

今日もプラットフォーム戦争の日常が続く。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Microsoft、次期バージョンのWindowsでスタートメニュー復活か

最近MicrosoftウォッチャーのMary Jo FoleyPaul Thurrottが、Windowsの次期主要バージョンに入る可能性のある変更について、詳しく書いている。Foleyが聞いているのは “Threshold” 呼ばれるバージョンだ。これは2015年の登場を目指しているらしい。

驚くべくもなく、ThresholdはWindowsグループの内部統一のトレンドを継承している。プラットフォームにはより強い鍵がかけられ、いくつかの顔、というかSKU[製品単位]に分かれる。Foleyが “Modern” と呼ぶものは、Windows RTに似ていて、Windows Storeアプリに焦点を合わせる。

もう一つThresholdと共にやってくると考えられるのが、「より伝統的な消費者向けSKU」で、「ある程度の生産性とWindows親和性」を持つ。これは理にかなう。そして最後が、エンタープライズ向けSKUで、組織の規模やニーズに合わせたものだ。Foleyが説明する製品ラインアップを見ると、Windows 8.1 RT、Windows 8.1、およびWindos 7に極めて近い。

Microsoftはコメントを拒んだ。

Foleyが言っているものの背後にある真の力は、SKUやデバイスによらずWindowsのコアは1つだけというアイデアであり、そうなればデベロッパーは1度作れば広く配布できる。この概要はWinRTその他で見ることができる。つまり驚きではないが楽しだ。そして、実際驚きなのが、スタートメニユーが帰ってくるかもしれないことだ。

Thurrottによると、スタートメニュー ― スタートボタンだけではない。それなら既に戻っている ― が帰ってくるかもしれない。それはおそらく「デスクトップをサポートするバージョン製品のみに表われる」が、デスクトップがなければそもそも必要ないので、これは当然だ。

これらを考え合わせると、Windows RT/Windows Phone OSにデスクトップを入ることがなさそうだということが暗示される。もちろんさらにユーザーインターフェースの統合を進める必要はあるが、兆候は見えてきたと私は思う。

というわけで、Windows統一化のシナリオには、一部SKUに旧機能を取り戻すという新しい妙案が入っているかもしれない。Thurrottはこれを気に入っている。

これとMary JoのSKU情報を合わせると、Microsoftは単独で前進するのではなく、少なくとも正しいことを続けユーザーの苦情に答えようとしている。そしてWindows担当グループの変更を考えれば、既定路線ではない。これは良い兆候だ。

私も概ね同意するが、デスクトップに何かしら焦点を当てればMetro、即ちWindows Storeが犠牲になる可能性がある。それでもMicrosoftは、エンタープライズと消費者両方の顧客を満足させなくてはならず、そこには犠牲も必要だ。

トップ画像提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Microsoft、新しいBing地図プレビュー版をリリース―美しい3D画像をフィーチャー

今年のBUILDデベロッパー・カンファレンスで予告されていたとおり、 Microsoftは今日(米国時間12/5)、Windows 8.1向けの新しい地図アプリのプレビュー版を公開した。ハイライトは高精細度の3D画像だ。Microsoftはこのテクノロジーを数年前にBing地図に導入したが、Bing地図がMicrosoft独自のSilverlightの利用を止めたのを機に棚上げされていた。新アプリはWindows Storeから入手できる。

Microsoftによれば、「この3Dを生成するために121兆ピクセルの画像データを処理した」 という。なるほど新しい3D画像は美しい。恐ろしく鮮明で細部まで明瞭に描写されている。一見したところではGoogleの最新の3Dマップに十分匹敵する。

このプレビュー版にはオーストラリのキャンベラ、ドイツのブレーメン、メイン州ポートランドなど世界の70都市の3D地図が提供されている。ただし、ニューヨーク、サンフランシスコ、シドニー、ベルリン、東京など大都市はプレビュー版には含まれていない。おそらく最終版には大都市も含まれることになるだろう。

最近のMicrosoftの例に違わず、この地図アプリもタッチ操作が可能だ。マウスでも一応操作できるが、やはりタブレットないしタッチ・スクリーン装備のノートパソコンの方が快適だ。地図を傾けたり回転させたりするにはタッチの方がずっと自然だ。

地図にはStreetside(Microsoft版のストリートビュー)も含まれる。MicrosoftはStreetsideのUIについていろいろ実験を繰り返してきたが、現在の版はGoogleストリートビューのクローンだ。当然ながら、検索機能や道路交通情報などが含まれ、Open Tableとも連携する。また電話番号をクリックするとSkype通話をかけることができる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


みんなでわいわいゲームを作っていくゲーム, MicrosoftのSparkプロジェクトはとても新しい

人間は、自分でものを作ることが好きだ、とやっと気づいたMicrosoftは、たぶんPlayStationのLittleBigPlanetの成功に刺激されたのだと思うが、Project Spark(プロジェクトSpark)なるものを立ち上げ、6月にはそれをE3カンファレンスでプレビューした。Sparkは、相当自由な形式のゲームクリエーションエンジンで、ゲームをプレイすることと作ることが同時に進行する。また友だちや家族との共有も簡単にできる。

そのProject Sparkのベータが今日(米国時間12/3)、Windows 8.1で立ち上がる。まだユーザ人口の少ないデスクトップOSをすでに使っているラッキーな人は、Project SparkのWebサイトで登録すればベータに参加できる。来年からはXbox Oneでもこのベータを試せるようになるから、このプロジェクトが本当におもしろくなるのは、それからだろう。ユーザ数は、W 8.1よりXbox Oneの方がずっと多いはずだし、Sparkは最終的にクロスプラットホームになる、とMicrosoftは言っているから。

MicrosoftはSparkを、友だちやインターネット上でつながった人たちとコラボレーションしながら、実質的には終わりのないゲームを作れる、と宣伝している。これは、ゲームがソーシャルメディアになる、という新しくておもしろい切り口だ。そもそも、ゲームにはもともと、ソーシャルな側面がある。対戦ゲームや複数プレイはもとより、一人プレイでも、友だちが集まってわいわい言いながら遊ぶ。そしてその頂点が、画面分割ゲームだろう。N64のGoldeneye 007なんか最高に楽しいし、Call of Dutyシリーズはシューティングゲームをやりながらのふざけ合いに新時代をもたらした。

Sparkの、みんなで世界を探検しながら世界を作っていくという‘共同創造’の形は、ゲームのソーシャル性/参加性をさらに深める。面倒なコーディングなどはSparkがすでにやり終えているから、ユーザはシナリオとキャラクタを指定して、ランダムに作り出されるゲームの世界に飛び込んで行くだけだ。しかしKinectやXbox Oneのコントローラなど、多様な入力を使うと、もっと細かい、新しいジャンルのゲームも作れる。モーションキャプチャや音声吹き替えなども使って独自のアニメや対話を盛り込むと、さらにおもしろい。Sparkのゲームエンジンはユーザの自由度が信じられないぐらい大きいようだから、既成概念にとらわれないアマチュアが、とんでもない新しいゲームを生み出す可能性もある。

SparkのベータはWindows Storeからダウンロードできるが、実際に使うためにはベータキーというものをもらう必要があり、しかもこれはまだ、地域が限定されている。でも、ぼくの感想としては、Microsoftからこれだけおもしろいものが出てくるのは、ほんとに珍しい。ゲーム作家志向の人でなくても、今後を見守る価値は十分にあると思う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))