TikTokがNFT市場に参入、トップクリエイターの作品を販売

2021年、NFT(非代替性トークン)の分野はかなりの盛況を呈している。数千億円規模の暗号化投機を、潜在的なインフラの変化から切り離すことは難しいかもしれないが、多くの主だったテック系企業がこの分野に足を踏み入れ、今後の関心を示している。

そして今度はTikTok(ティックトック)の番だ。全世界の月間ユーザー数が10億人を突破した急成長中のソーシャルメディアプラットフォームは、Lil Nas X(リル・ナズ・X)氏、Grimes(グリムズ)氏、Bella Poarch(ベラ・ポールチ)氏、Rudy Willingham(ルディ・ウィリンガム)氏、Gary Vaynerchuk(ゲイリー・ヴェイナチャック)氏などのトップクリエイターのコンテンツを活用し、独自のNFT作品を用意している。

今回の唯一限定のNFTのリリースは、アプリ内のユーザーにNFTを提供することが目的というよりも、既存のNFTコミュニティに話題を提供することに重点を置いているように思われる。

TikTokは、ブロックチェーンのエネルギー問題を回避するために、イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションであるImmutable X(イミュータブル・エックス)を活用した専用サイトにNFTを置き、このサイトを利用して取引されたNFTは「100%カーボンニュートラル」であると述べている。NFTの公開は、10月6日にLil Nas Xのコレクションから始まり、月末まで続く予定だ。

そもそも、なぜTikTokはNFTの世界に参入するのだろうか?それについては、TikTokのドロップサイトにかなり的確な答えが書かれている。

TikTokのクリエイターコミュニティの創造性と革新性に触発され、TikTokは新たなクリエイターを力づけるツールとしてのNFTの世界を模索しています。NFTは、クリエイターがコンテンツを評価され、報酬を得るための新しい方法であり、ファンはTikTokにおいて文化的に重要な瞬間を所有することができます。

TikTokで生まれる創造は、文化を牽引し、社会に影響を与えるトレンドの発生を後押しします。TikTokは、このような文化的に重要な瞬間をキュレーションし、著名なNFTアーティストと組み合わせることで、NFTの世界に格別で画期的なものをもたらします。

これまでTwitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)のようなレベルのNFTに対する関心を示してこなかったTikTokにとって、これは明らかにニッチな初期の試みではあるものの、同社がNFTは注目に値する分野であると考えていることを表すものでもある。

関連記事:ツイッター「ビットコインのチップ」「NFTの認証」「スペースの録音」、クリエイター向けファンド」など新機能ラッシュ再開

画像クレジット:AaronP/Bauer-Griffin/GC Images / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Twitchで活動するゲーム配信者の動画クリップをNFTで取引するマーケットプレイス「Eternal」

NFT(非代替性トークン)の世界では全体的に、インターネット上の記憶を1つの大きなゲームにしようとしているらしい。もちろん、参加するには多額の現金が必要だ。6月には柴犬「Doge(ドージ)」のオリジナル画像が400万ドル(約4億4500万円)で落札され、4月にはカエルの「Pepe(ぺぺ)」のオリジナルコミック画像が100万ドル(約1億1100万円)で落札されるなど、人々の中からミーム億万長者が誕生している。JPEG画像を数億円で売買するというのは奇妙な現象だが、平均的なインターネットユーザーに、NFTというものが気にかける価値があると思わせるには十分だった。

Eternal(エターナル)は、インターネット上の歴史をゲームにしたいと考えているが、中でも「ゲームストリーマーの人気クリップ」という、非常に特殊なウェブの断片に焦点を当てている。そのユーザーインターフェイスは、見た目も機能的にもデジタルトレーディングカード「NBA Top Shot(NBAトップ・ショット)」によく似ており、それを使ってユーザーは、Eternalと提携しているゲームストリーマーのネットワークから、連続したクリップのパックを購入することができる。このマーケットプレイスは、Jeffrey Tong(ジェフリー・トン)氏とDerek Chiang(デレク・チャン)氏が設立したスタートアップ企業のZelos Gaming(ゼロス・ゲーミング)によって構築されている。同社はクロスプラットフォームのバトルパス(2020年TechCrunchでも紹介した)の構築から、EternalでNFTのワイルドな世界に取り組むことに方向転換したというわけだ。

このスタートアップの支援者名簿には、多くの暗号投資会社や著名人が名を連ねている。最近の資金調達ラウンドでは、NFX、Mark Cuban(マーク・キューバン)氏、Coinbase Ventures(コインベース・ベンチャーズ)、Gary Vaynerchuk(ゲイリー・ヴェイナチャック)氏、Dapper Labs(ダッパー・ラボ)、Arrington Capital(アリントン・キャピタル)などが、450万ドル(約5億円)を出資している。同社のチームは以前、Y Combinatorの支援を受けていた。

サイトのデザインを見れば一目瞭然だが、現時点では「Top Shotゲームストリーマー版」のようなプラットフォームになっているものの、チームはこのプラットフォームを今後どのように進化させるかということについて、大きなアイデアを持っている。NBAや選手会との契約を実現したTop Shotとは異なり、esportやTwitchなどにはそれに相当する包括的な組織がないため、Eternalはストリーマーやストリーマーネットワークとのパートナーシップをかなり複雑に織り交ぜて、ビジネスを他に奪われないようにする必要がある。Eternalは、主にTwitchの上位0.05%で活動する人気ストリーマーに焦点を当てているという。

ストリーマーは、Twitchなどのプラットフォームですでに人気を集めているトップクリップや、自分のソーシャルメディアからの動画を販売し、ゲームプレイにおけるその瞬間を、ブロックチェーン上に「永遠のもの」にすることができる。同社では、新進気鋭のストリーマーと広く知られた著名人を組み合わせることで、より多くのクリエイターの認知度を高め、その「一片を所有」し、彼らの成功に利害関係を持つユーザーのネットワークを構築することができると期待している。

画像クレジット:Eternal

同社CEOのジェフリー・トン氏は「Top Shotはすばらしいモデルだと思いますが、Eternalはクリエイターにまったく新しいマネタイズの方法を提供することができるという点でも優れています」と、TechCrunchの取材に語った。

ファンとクリエイターの間に密接な関係を築くことは、NFTの世界にエキサイティングな意味合いをもたせるものとして早くから期待されていた。投資家が自分の投資を紹介し、その過程でクリエイターを後押しすることになるからだ。しかし、ユーザーのクリエイターへの投資額が数千円や数万円程度に留まる小規模な場合と、数百万円から数億円にもなる場合とでは、このような関係がどのように変化するかはわからない。

Eternalのプラットフォームにおける最大の長所は、Dapper LabsのFlow(フロー)に基づいて構築されていることだ。これは一般消費者向けアプリに適したブロックチェーンで、ユーザーが実際に通過する参入時のフローを構築する際に、複雑さ(および少しの分散化)を低減したものだ。

Ethereum(イーサリアム)のエコシステムの外に出て、米ドルで取引するということは、暗号化に恵まれたNFT信者の巨大なネットワークから離れることを意味するが、それは同時に、潜在的にはるかに多くの消費者にアプローチできることも意味する。同社は、最終的には来年までにEternalをより多くのブロックチェーンに組み込みたいと考えているが、クロスチェーンでの操作は、今すぐには難しいようだ。

Flowのチェーン上には、今のところ活発なマーケットプレイスは非常に少ないが、Eternalには初期の勢いがある。Cryptoslam(クリプトスラ)によると、このマーケットプレイスでは2021年の夏に約30万ドル(約3340万円)の取引が行われたという。

画像クレジット:gorodenkoff / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

「Guardian」のオーナー企業がサブスクやメンバーシップ用に設計されたNFTプロトコルUnlockに投資

クリエイター経済における収益化は大きな課題であると同時にチャンスでもある。だがクリエイターがその価値を実体化するためには、Patreon(パトレオン)のようなプラットフォームに閉じこもるしかないのが現状だ。だがもっと良い方法は、複数のプラットフォームにまたがるクリエイターのための会員制システムを作ることだ。

このたび、GMG Ventures(「The Guardian」の親会社)が、コミュニティのメンバーシップを収益化・管理するために設計された、イーサリアムベースのオープンソースプロトコルの開発者であるUnlock(アンロック)に投資を行った。

今回の400万ドル(約4億4500万円)の資金調達ラウンドは、Betaworks、Cygni Labs、GMG Ventures、Metacartel Ventures ChinaなどのVC企業が主導し、初期投資家たちも参加している。

Unlockによれば、そのメンバーシップ / マネタイズソリューションは、アーティスト、ミュージシャン、ゲーム開発者(Decentralandも含まれている)、ライター、Discordコミュニティなどに利用されているという。また、同社のプロトコルを採用している大手メディアブランドとの提携も予定している。

UnlockのCEOであるJulien Genestoux(ジュリアン・ジェネストゥ)氏は「これまでに調達した資金で、Unlockは目標を達成するために、最も完全なオープンソースのプラットフォームになるための成長を続けます」と語る。

ジェネストゥ氏は、Medium(メディウム)が買収したRSSフィードAPIであるSuperfeedr(スーパーフィーダー)を開発した経験を持つ。

2018年に設立されたUnlockは、イーサリアムのブロックチェーンにすべての取引を記録するNFTベースのプロトコルだ。考えられる利用例としては、たとえばWordPressのプラグインを使うことで開発者が会員制 / 購読制のオプションを追加することができたり、コミュニティが作成したShopifyのプラグインを使えば小売業者は自分のウェブサイトにUnlockを利用した購入オプションを追加することができたりする。

Cherry VenturesのThomas Lueke(トーマス・ルーケ)氏は「Unlockが開発するクリエイターコミュニティメンバーシップためのオープンソースプロトコルは、今後数年間でクリエイターがファンと交流し、成長していく方法を再定義するものとなるでしょう」という。「私たちは、この分野での活躍を続けるUnlockの成長を祝えることを楽しみにしていますし、同社に投資できたことをうれしく思っています」。

画像クレジット:Julien Genestoux, Unlock Protocol

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(文:Mike Butcher、翻訳:sako)

Gaudiyがアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」でNFTや分散型ID活用のコミュニティサービス提供

Gaudiyがアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」でNFTや分散型ID活用コミュニティサービス提供

ブロックチェーン技術を活用したファンエコノミー事業を展開するGaudiyは9月28日、フジテレビが主宰する世界最大級のアイドル・フェスティバル「TOKYO IDOL FESTIVAL」(TIF。ティフ)において、アイドルとファンをつなぐ参加型コミュニティサービスや、NFTを活用した多様なエンタメ体験を提供すると発表した。

TIFは、2010年の第1回開催から、アイドル文化の熱の高まりとともに年々参加者を増やし、2019年には約9万人の来場を記録したという。2020年はコロナ禍により初のオンライン開催を実施、2021年は10月1日からの3日間にわたり、お台場会場とオンライン双方での開催を予定している。その中でGaudiyは、ソニー・ミュージックエンタテインメントと協業し、TIFに集うアイドルとファンをつなぐ参加型コミュニティサービス「TIFコミュニティ」を提供する。Gaudiyがアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」でNFTや分散型ID活用コミュニティサービス提供

TIFコミュニティでは、オンラインチケットの購入や高品質なライブ配信視聴に加え、イベントの情報収集、企画の発信や参加、アイドルグループごとのファンコミュニティの構築などが可能。ファン活動の幅を広げ、ファン同士の交流を活性化することで、TIFにおいて「3日間の祭典で終わらせない」熱量の高いファンエコノミーの形成をサポートする。

TIFコミュニティで提供する新しいエンタメ体験

  • NFTオンラインチケット:オンライン配信チケットをNFTで提供。唯一無二のNFTチケットには、オンライン配信の閲覧権だけでなく、のちに特典などの様々な価値を付加する
  • オンラインLIVEでのNFTサイン会:TIFオンラインチケット所有者は、配信特典「通りすがりチャンネル」で参加できる、オンラインLIVEサイン会「TIF NFT LIVEサイン!」を開催。このサイン会では、TIFの会場を映す定点カメラの前を通りがかったアイドルがサインを書くその時に、定点チャンネルを試聴している者だけが限定サインを入手できる
  • ファンが共創するTIF投票:TIFコミュニティ内の誰でも参加できる、アイドル応援の投票企画。ファンが、皆に知ってほしいアイドルや名シーンを投票すると、その票をもとに複数のアワードが決定、各賞ごとに記念NFTが配られる。このNFTは、TIFコミュニティにおけるファン共創のガバナンス(投票権)としても活用される
  • ファン活動のあらゆる情報を個人に紐付ける「TIF ID」:ファンが使用するプラットフォームやサイトの垣根なく、あらゆるファン活動を記録する分散型ID(DID。Decentralized-Identity)「TIF ID」を提供。ひとつのIDに情報を共通化することで、ファン活動の思い出や記録を保存し、来年のTIFにもつなげられるという

Gaudiyは「ファンと共に、時代を進める。」をミッションに、エンターテインメント産業の課題を解決するため、ファンエコノミーの構築を推進するスタートアップ。大手IPホルダーと協業し、漫画、アニメ、ゲーム、スポーツ、音楽などの総合エンタメ領域で、IPコンテンツとファンを直接つなぐコミュニティサービスなどを展開している。ブロックチェーン技術などの先端テクノロジーを強みに、日本が誇るIPコンテンツから世界規模のビジネス展開を目指す。

既存のエンタメ産業では、AmazonやYouTube、Spotifyといった外部プラットフォームを介してコンテンツを届ける構造になっていることから、表現できるエンタメ体験の幅に限界がある、顧客基盤を自社に形成できない、といった課題がある。さらに、ファンの熱量を維持・向上することが昨今の課題となっているものの、複数のプラットフォームにユーザー情報や活動データが分散することで、最適なアプローチを行うことが困難になっている。

そこでGaudiyでは、ファンの熱量から成り立つ「ファンエコノミー」を構築することが、このようなエンタメ産業の課題を解決すると考えているという。Gaudiyがアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」でNFTや分散型ID活用コミュニティサービス提供

私の新しいNFTが4万円以上の価値を持つ理由、そしてハイテク業界の魅力的な1週間の考察

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

みなさん、こんにちは。先週はDisruptが開催されたので、いつもよりはゆったりとパネルやスタートアップのピッチを見る時間をとることができた。楽しい時間だったが、おかげで普段の週よりも電話の数が少なくなってしまった。だから、以下は報告というよりも観察に近い雰囲気の略式ニュースレターとなっていることをお断りしておく。では始めよう。

観察その1:NFT投機は楽しい。

私は最近NFTの世界に片方のつま先を突っ込んでみた。この分野を取り上げたので、実際にちょっとだけ実際に参加してみることにした、そうすることで単に読んでいるだけよりも多くのことを学ぶことができるからだ。もちろん、私はあらゆる倫理的な問題を避けようとしているが、低価格のJPEGを購入するために私が数十ドル(数千円)の暗号資産を所有しても破滅的なことは起きないだろう。

何もかもがうまく行かなかったが、親切なツイッターユーザーが送ってくれたNFTが現在値を上げている。まあ、特定のブロックチェーン上でデジタル署名を所有することになったこの特定の画像からは、他のほとんどのオンライン画像に比べて、より強い喜びを得ることはできなかったが、人々が私からそれを買おうとするのを見るのは楽しいことだった。

何百ドル(何万円)分に相当する入札があり(最新の入札額は382.94ドル[約4万2400円])、そのことで私は私の持つ画像を本当に欲しがっているのは誰だろうと考え込んでしまった。私はこうしたオファーの中に価値以上の投機を見ているのだと思うが、今ならNFTファンが彼らの家内工業に熱狂する理由がよくわかる。結局のところ、つい最近まで基本的に価値がゼロだった画像から、魔法のようにリアルな価値を生み出したいと思わない人はいないだろう。これはまやかしのように思える(はっきりさせておきたいが、自分のNFTを売らないのは、税金のことで煩わされることが嫌だからで、それを営利目的で売るのはとても倫理的に問題があるように思う。ということで、永遠に持ち続ける?)

観察その2:フィンテックのIPOには絶好の機会だ

ボストンを拠点とするフィンテックのユニコーンであるToastが今週、上場で熱狂的な支持を受けたことは、十分に速い成長率があれば、決済の売上に対してソフトウェア企業のような評価を得ることが可能であることを世界に示した。私たちは、Toastが株式市場に温かく迎えられたことは、フィンテックのユニコーンが現状を抜け出して株式を公開するのに最適な時期であることを示しているのだと思った。

私はそう考えている。しかし、おそらく私が見落としていたのは、どれだけの価値があるものが近くにあったのかということだ。それは評価額ではなく(それらについてはすでに知っている)、ユーザー数である。以下のツイートを見て欲しい。

私はChime(チャイム)が5位に入っているとは思っていなかったが、この数字は、最近見られるように、現在、金の川のように評価されている、単純に膨大な支払いの流れを意味している。だから、NuBank(ニューバンク)やChimeやDave(デイブ)たちも、公開を考えてもいいのでは。どうだろう?

観察3:中国の技術はますます問題に

Zoom(ズーム)によるFive9(ファイブ9)の買収は、買収企業Zoomのルーツが中国であることから、規制上の問題が発生する可能性があることが先に報じられた。もし、Zoomが中国で研究開発を行っていることで、Five9の大型買収が中止ということになれば、世界をリードする2つの経済圏の距離が広がるだけでなく、技術の流動性を生み出す可能性の扉が閉ざされることになる。

また今週、リトアニアは、中国のスマートフォン大手Xiaomi(シャオミ)のハードウェアが、中国政府が検閲を好む特定の用語を検出してブロックできると警告した。シャオミの携帯電話は、皆そのようにして作られているのかもしれないが、うれしい話ではない。The Times(タイムス)によれば、リトアニアは「中国製のスマートフォンに自動検閲ソフトなどを始めとするセキュリティ上の欠陥があることが専門家の調査で判明したために、公務員に対して中国製のスマートフォンを破棄するように指示した」という。

これもまた問題だ。

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

NFTを使った新プロジェクト、まだルールも存在しないが価値を生み出す「Loot」に熱中するのか?

米国時間8月27日、Dom Hofmann(ドム・ホフマン)はNFTというレンズを通してゲームを見たり、ゲームを作成したりする新たなプロジェクトの1つ、Loot(ルート)の立ち上げについてツイートした。

「NFT」「ガス代」「ミンティング」という言葉が聞き慣れないなら、手短に説明する。このプロジェクトは、ユーザーがお金を出して、暗号資産や一般的には絵(または懐疑論者が喜んで使うJPEG)など他のデジタル収集品の保存に使用しているものと同じウォレット(Rainbowなどのアプリ)に保存できる、ユニークなアイテムリストを作成するものである。

もう一度いう。ユニークなアイテムリストである。芸術作品や、品質比較のための統計、そのような統計の情報源となるゲームルールなどではない。

人々はそういったユニークなリストを得るためにお金を出した。何千ドル(何十万円も)も。NFTでそうであるように、市場はこのユニークなリストを中心として形成された。「底」つまりLootの「バッグ」を買う最低価格は、何千ドル分のイーサリアムにまで高騰した。このようなリストの中でも特定の種類のアイテムはクールな印象があるが、セット全体を分析すると結果レアであることがわかり、それらが入ったバッグの価値はうなぎ上りになった。

そして人々は芸術のような欠落した要素を補い始めた。基本のリストを根本的に変えるのではなく、特定のリストのアイテムを明らかに参考にした新たな作品を創造しているのである。

そしてそのリストそのもののように、人々はアートを生み出すためにアルゴリズム的アプローチを取り入れ始めた。

8月31日までに、次のような人々のコミュニティを識別できた。

  • 特定の種類のアイテムが入ったバッグに投資する
  • Lootのアイテムを可視化し、このニッチな市場の価格変動を監視するためのツールを作成する
  • Lootのバッグの中にある探検用の道具を持った理論派のエクスプローラーのためのレルムを作り出すなど、新しく派生したプロジェクトに取り組む

それ以外に、これらのアイテムにはまだゲームルールが存在しない。それを装備したキャラクターを持つことが何を意味するかも含めて。

おい、あれは何だ?   そうか、統計も作成できたのか!

このツイートはまさにこの現象全体の核心を突いている。

1週間足らずで、コミュニティはただの文字のリストから、そのアイテムの無数のイラストレーションへ、そのアイテムが存在しキャラクターが権力を持つ世界へと進化した。すべてがシンプルなプリミティブを選び、それに価値をもたらす文脈を生み出しているのだ。

魔法のような話である。しかし創造の発起に投機的な見方があったとして、これらのバッグが最低1万ドル(約110万円)もしたら、どれほどの人が参加するだろうか?一方、ゲームの作成を単なる娯楽と捉えるなら、バッグとアイテムはすべてイーサリアムのネットワーク上で生きているのだから、組み込むものを無料で作成できるのである(現在イーサリアムの使用に関連する手痛い手数料は含まない)。

そしてもしこれらのユニークな物を自身のウォレットに入れておくことであなたが本当に参加できることが真に重要なら、人々はそこにおもしろい道筋をも見出しているだろう。

隠語を使い過ぎてしまったなら、もう一度要約しよう。増加傾向のLootを組み込める相互互換のアプリやゲームで遊ぶことを目的として、これらのアイテムを「持つ」ことを無料にするための実現可能な道筋がある。大金を稼げるレアアイテムの入った本格的なバッグだけではない。

ああ、あなたがLootのバッグの中にあるアイテムの一部が好きで、しかしあなたのエクスプローラーが落っことした多数の物の中から他のアイテムと色々組み合わせることを望んだらどうなるか?

1週間しないうちに、すでにアンバンドリングにより中断している!

悪いけど、なぜおもしろいの?

Marvel Cinematic Universe(マーベル・シネマティック・ユニバース)はMarvel Comics(マーベル・コミック)とともに、そのアイコニックなスーパーヒーローのキャラクターに基づく初の映画4本に出資するため、10億ドル(約1100億円)のローンを組んだ。これらのキャラクターの認知の種は、コミックやテレビへの何十年間もの露出により大衆の心にまかれ、大ヒット映画における初登場につながった。人々が読みたくなるような、次の巻も読みたくなるほど心奪われるような、そのキャラクターのためのすばらしい物語を作成するためにおそらく何百人ものライターとアーティストが何十年も報酬を受け取ってきた。人々は自身とおかしな出自のキャラクター(放射能を浴びた蜘蛛に噛まれLootか!)を緊密に結び付けているのである。

これはすべて、トップダウン、企業、量産型の文脈で起きたことである。マーベルの一部のクリエイティブは影響力の強い仕事をフリーランスや社内勤務ベースで行い、プリンタはトンレベルの印刷物を刷り上げ、サプライチェーンは国中の漫画販売店や安い雑貨店に発行物を流通させた。ドミノのように、Stan Lee(スタン・リー)は50年後の新たなスーパーヒーロー(設定、この日とはヒッピーではなく、武器製造の実業家!)のことを考えている。「アベンジャーズ/エンドゲーム」とブラックパンサーが大ヒット作の定義を永遠にねじ曲げる。

しかし、誰かがディズニーと大接戦する代わりにコミュニティとしてのMCUの競合他社を作りたいと考えていたらどうか?

先週のLootから推定……。

あなたはスーパーヒーローの名前と関連付く力を生み出すための契約を解放するだろう。それらのヒーローを鋳造し、彼らは自由市場で取引を始める。人々はどの力がレアか(特にかっこよく聞こえるもの)判断するツールを作るだろう(「飛行」は非常に簡単)。

彼らはそのヒーローを想像し、自らイラストを描き、かっこよく見えるようなアーティストに委託するだろう。最終的にはコミュニティの技術系の人々がキャラクターのアートを一般的なスタイルで生み出すことができる、またはカギとなる一部のパラメータによりカスタマイズ可能なツールの組み合わる大変な部分を担うことになるだろう。

最終的に、人々はさまざまな層を引き付けるアートを委託したら、共有されたストーリーラインまであと一歩である(1つ依頼された作品で複数のキャラクターの価値が上昇!)。

DAO、すなわち暗号資産空間で新たなプロジェクトを作る、またはともに投資「だけ」するために集まる人々の分散的なグループが、ヒーローの名前+力を含む基礎アイテム、およびそれらがインスピレーションを与えた人気の芸術作品の価値を高めることを目的として、もっと人気のキャラクターを買い占め、より精巧なビジュアルストーリーを発注するかもしれない。

そして、プロジェクトの創作者はLootの時代精神の方向性に合わせて進むと仮定すると、このすべてが誰でも再利用しリミックスできるIPになるだろう。おかしな話に聞こえるかもしれないが、それを所有するということ、所有するということは、それがどうやって使用されるか管理することではないだろうか?

それがディズニーの現状である。Lootのようなプロジェクトの世界で、あなたは所有するNFTの価値、そしてNFTの名声と評判を反映する価値を強化したいと考える。「すべての記事は良い生地」という言い回しを繰り返そう。どのリミックスも良いリミックス。参照されるということは、今も文化的に妥当ということだ。クモ人間を説明するNFTを所有しているのであれば、多くの人が可能であれば「クモ人間」を作品に登場させたいと考える環境に貢献したいと思うだろう。そうすればクモ人間No.1は所有するに値するようになる。

Dylan Field(ディラン・フィールド)について詳しくお話ししよう。

そしてJohn Palmer(ジョン・パーマー)は特別なことを強調している。「『No』と言える人がいない。人々はいかにLootをクールにするか見つけようとするのだから」。

編集部注:Kyle Russell(カイル・ラッセル)はユーザーが自身のスマホでゲームを作成できるようにするスタートアップ企業、Playbyte(プレイバイト)の創設者。

画像クレジット:Loot

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(文:Kyle Russell、翻訳:Dragonfly)

ツイッター「ビットコインのチップ」「NFTの認証」「スペースの録音」、クリエイター向けファンド」など新機能ラッシュ再開

Twitter(ツイッター)の新サービス発表の勢いが止まらない。米国時間9月23日、同社は暗号資産によるチップ、NFTの認証、参加したばかりのユーザーに会話の状況を説明する実験など、同プラットフォーム上の会話とコミュニティのサポートを強化するための新たな取り組みを多数導入した。さらに同社は、オーディオクリエイターに経済的、技術的、マーケティングのサポートを提供する独自のクリエイターファンドを数週間以内に発表する予定であることも話した。

Twitterはまだファンドの金額や対象範囲などを詳しくいえる状態にないが、参加クリエイターについて見ると、ソーシャルオーディオサービス最大のライバルであるClubhouse(クラブハウス)を牽制するものであることは明らかだ。Clubhouseは自身の クリエイター向け「アクセラレーター」で、参加者にブランド契約を紹介し、あるいはプログラム参加中毎月5000ドル(約55万2000円)を提供している。

関連記事:Clubhouseがクリエイター向けアクセラレータープログラム開始、スポンサー紹介もしくは月54.6万円の収入を保証

同様に、Twitterも自社のクリエイターファンドの目的を、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Snap(スナップ)といったライバルのファンドのようなクリエイターが作るコンテンツに対する報酬ではなく、Twitterスペース上でクリエイターがオーディオ制作を始めるための支援だと考えている。

画像クレジット:Twitter

「真の目的は技術とマーケティングの専門知識を提供することです」とTwitterのクリエーター収益化のプロダクト責任者であるEsther Crawford(エスター・クロフォード)氏は説明する。「私たちはこれを、応急援助的ソリューションのようなものと考えています。クリエイターのみなさんには別の長期的収益化機能に取り組んでもらいたいと思っています。私たちはそのための初期ブーストを与えるだけです」と彼女は話した。

Twitterスペースのホストは自分のプログラムの録音と再生もできるようになる。これは録音機能を差別化要素として謳うライバルプラットフォームの脅威に対する反撃に違いない。この機能は「数カ月」以内に公開されると同社はいう。

この日、Twitterは、いくつかの新たなサービスと最近公開した機能の拡張も発表した。

その1つが、NFT(非代替性トークン)を利用するクリエイターの利便性を高める機能で、ブロックチェーンに保存されたデジタル資産の認証を行う。現在アーティストたちは自分たちの作品のNFTを作り、そのNFTはOpenSea、Rarible、Foundation、SupeRareなどのNFTマーケットプレイスを通じて販売されている。

画像クレジット:Twitter

Twitterは、NFT認証のサポートを「近々」実施する計画だという。これによってNFTクリエイターは自分の暗号化ウォレットをTwitterと接続し、プラットフォーム上で自分のNFTの管理と展示ができるようになる。この計画はまだ初期段階にあり、Twitterはその仕組みについて明確な説明ができていない。同社は、認証済みコレクションをもっているクリエイターが、もっビジュアルに目立つ方法をいくつテストしていると語った。おそらく、プロフィールバッジや形の異なるアバターなどのことだろう。

長期的のNFTロードマップについて質問を受けると、Twitterはコメントを拒んだ。

他の暗号資産関係の新機能では、Bitcoinチップがある。Twitterは2021年5月にベータプロダクトとして「Tip Jar」機能を導入し、ユーザーがPayPal(ペイパル)、Venmo(ベンモ)、Patreon(パトレオン)、Cash App(キャッシュ・アップ)、Bandcamp(バンドキャンプ)などのサードパーティサービスを使って1回限りの支払い / 受け取りができるようにした。この度、その機能が拡大され、全世界のiOSとAndroidユーザーに近々公開される他、Bitcoinによるチップもサポートされる。

関連記事:ツイッターがお気に入りのツイートに投げ銭できる「Tip Jar」機能搭載、まずは英語で

Bitcoinチップにはいくつか使い方がある。ユーザーはBitcoin Lightiningウォレットまたは自分のBitcoinアドレスを追加してBitcoinチップの受け取りを開始できる。Lightiningウォレットは手数料が安いことで暗号化コミュニティのユーザーに人気だと同社はいう。Twitterの実装ではStrike(ストライク)を使用している。これは、Bitcoin Lightning Network上に作られた決済アプリケーションで、ユーザーはBitcoinの送信と受信を無料で即座に行うことができる。

画像クレジット:Twitter

実際この夏、Twitter CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、TwitterがBitcoinブロックチェーン上の1レイヤーであるLightning Networkをプラットフォームでサポートするのは「時間だけの問題」とツイートした。当時、この種のサポートはまず少額支払いサービスで行われるのではという予想がなされたが、今回それが正しかったことが証明された。

Tip Jarには、他にGoFundMe(ゴーファンドミー)とブラジルのモバイル決済サービス、PicPay(ピックペイ)などのサービスのサポートも追加される。

もう1つ、「Heads Up」と(現時点で)呼ばれている新しい実験は、ユーザーが参加する前に会話の雰囲気を感じとるための初の試みだ。

Twitterにとって最も厄介な問題の1つは、プラットフォーム上で人々が安心して自分の思いや意見をシェアするのを手助けする仕組みがないことだ。これが「キャンセルカルチャー」とよばれる問題や、「あらし」集団が、活動家、テック業界の女性(Gamergate論争で知られている)や女性ジャーナリストなどの少数意見や気に入らない発言に襲いかかる温床となっている。

画像クレジット:Twitter

この領域でTwitterは、ユーザーが自分のツイートにリプライできる人を制限する新機能を開発した。それが過去4週間の嫌がらせ報告の減少に貢献している、と同社はいう。

また、セーフティモードのベータ版も開始され、悪用が増大する時期に嫌がらせに対する一種の自動的保護を提供している。これによってユーザーは、ブロックせず静かにフォロワーを解除することが可能になる。そして本日Twitterは、自分がメンションされた会話から脱出できる新機能を近く公開すると発表した。また、”word filters”と呼ばれる新機能を実験中で、ユーザーはTwitterポリシーに反するところまではいかない悪意あるツイートを遮断できる。

関連記事:ツイッターが悪口や嫌がらせを自動的に除外する「セーフティモード」のテストを開始

画像クレジット:Twitter

Twitterは、来るべき新規参加者に議論の特質について警告する「Heads Up」機能で、会話の雰囲気をどのように評価するのか、その方法を詳しくは語らなかった。しかし、エモジリアクション(現在まだテスト中)と、人を傷つける可能性のある投稿に対する「返信の警告」機能のデータを活用するつもりだと同社はいう。

関連記事:Twitterが有害なツイートを減らすため「返信の警告」機能の改良版を公開

この数カ月間、Twitterは驚くべきスピードで新サービスを公開しており、オーディオチャットプラットフォームのTwitter Spaceの迅速な改善関心事に基づく「コミュニティ」、クリエイタープラットフォームのスーパーフォロー、Renueの買収によるニュースレター、チップを贈れる「Tip Jar」、プレミアムサブスクリプションサービスのTwitter Blue、クラウドソース利用のファクトチェックBirdwatch、新たなeコマース機能、新しいユーザープロフィールラベル、アカウント検証システムの再開、会話のコントロール、ダイレクトメッセージの改善などの追加や改善を実施してきた。

この日、上記サービスのいくつかについてもアップデートが行われた。

スペースの発見ツールを改善し、タイムラインやアプリのその他の部分でスペースを見つけやすくしたと同社はいう(おそらくモバイルアプリのスペース専用タブのこと)。Ticketedスペース(チケット制スペース)のアクセスも容易にしたほか、ニュースレターの発見機能の改善、クリエイター収益ダッシュボードの新設、アカウントラベルの追加(ブランドや故人のアカウントの記念など)などを行った。

画像クレジット:Twitter

Twitterは、今後のコミュニティ機能内でのモデレーションの扱いについても語り、関心事に基づくコミュニティには専門のモデレーターを配置し、そのコミュニティに即した基準を、Twitterルール以外に設定すると説明した。

「これは、モデレーションを分散化することでTwitterをあなたの場所にする取り組みの第一歩です」と、Twitterの会話安全性のためのプロダクト責任者、Christine Su(クリスティーン・スー)氏は語り、コミュニティはもっと多くの人々に「近いうちに」開かれる予定であることを付け加えた。

Twitterはもっと広く自社の戦略を説明しようとしたが、「throw spaghetti at the wall and see what sticks(スパゲティを壁に投げつけて何がくっつくかを見る=試行錯誤する)」的要素がますます強くなったようで、今まさにそれをやっているのかもしれない。

「今後も私たちがこのビジョンを実験し繰り返すのを見ることになるでしょう」とTwitterのコンシューマープロダクト責任者であるKayvon Beykpour(ケイボン・ベイクプア)氏は説明した。「その間私たちは、過去数年やってきたように会社の進展状況を公表します。また、うまくいっていないものにしがみつくことはありません。Fleetがその例で、今後も他のプロダクトのテストで同じことが起きるでしょう。時々ものごとを終わりにしなければ、大きな賭けはできないと私たちは信じています」と彼は言った。

Twitterの発表は、米国時間9月23日午前の記者会見とQ&Aで詳しく説明があり、一部のニュースはその後公式ブログで公開された。

画像クレジット:Twitter at CES 2020

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

プレミアムデジタルアート・NFTプラットフォームNiioが約16.4億円調達、サムスンとの戦略的パートナーシップ締結受け

テルアビブを拠点とするデジタルアートプラットフォーム「Niio」は、先週発表されたSamsung Display(サムスン・ディスプレイ)との戦略的パートナーシップにともない、1500万ドル(約16億4000万円)のシリーズAラウンドを調達したことを発表した。

このラウンドは、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)とCatterto(キャタルトン)のジョイントベンチャーであるL Catterton(Lキャタルトン)、Entrée Capital、Pico Venture Partnersが共同で主導したもの。さらに、Saga VCをはじめ、一流のアーティスト、アートコレクター、美術館、ギャラリスト、MoMA(ニューヨーク近代美術館)やGuggenheim(グッゲンハイム美術館)などの機関の評議会委員、オンラインギャンブル起業家であり、NFTにも投資しているShalom McKenzie(シャロム・マッケンジー)氏などが参加した。シリーズAの前に、Niioは最初に戦略的エンジェルから800万ドル(約8億7000万円)を調達し、続いて2017年に機関投資家からシードラウンドを行っていた。

Niioは今回の資金を、アーティストコミュニティの拡大と、アプリ対応のサブスクリプション・購入プラットフォームの拡張に使用するとのこと。ブロックチェーンベースのこのプラットフォームには、NFTやその他のデジタルアート資産の取引が可能なマーケットプレイスが含まれる予定だ。

Niioの共同創業者兼CEOであるRob Anders(ロブ・アンダース)氏は、次のように述べた。「デジタルアートは、NFTの爆発的な成長により市場が加速し、主流のメディアとして受け入れられるようになりました。人々がいま経験している変化は、文化にとってここ数十年で最も社会的に重要な瞬間であり、これまでにない方法で新しい種類のアートにアクセスし、スクリーン上で体験できるようになっています」。

Niioの技術は、ユーザーがデジタルアート作品をあらゆるデジタルスクリーン上でストリーミングすることを可能にし、音楽やエンターテインメントのストリーミングサービスがアルバムや映画に対して行ってきたのと同様に、アートとプラットフォーム構築との間のギャップを埋めるものだ。

前出のアンダース氏とOren Moshe(オレン・モシェ)氏によって2014年に設立されたNiioは、アクセシブルなストリーミング配信サービスと、公開マーケットプレイスや個人間取引を通じて、アーティストやギャラリー、コンテンツ所有者から直接、エディション化されたNFTアートワークを購入できる機能を組み合わせています、とアンダース氏はTechCrunchに語った。

Niioは、2021年末にサブスクリプションサービスを開始し、続いてNFTマーケットプレイスを開設する予定だ。これにより、アートの専門家からなるグローバルコミュニティに支えられたNiioは、デジタルアートメディアのための最も包括的なエンド・ツー・エンドのソリューションとなり、プレミアムデジタルアートに誰もがいかなるスクリーンからでも簡単にアクセスできるようになる。

約6000のギャラリー、機関、アーティストからなるグローバルコミュニティにNiioのツールを提供することで、Niioのプラットフォームとブロックチェーンは、アーティストが自分の作品を配信、管理、収益化、保存することを可能にする。

Niioは、クリエイティブコミュニティとアーティストがライフワークを公開、管理、保護する能力を尊重し、サポートするために、すべてのアーティストが同社のツールを永遠に無料で利用できるとしている。

Niioの共同創業者であるモシェ氏はこう述べている。「当社は、何よりもまずアーティストに力を与え、彼らの作品をデジタルで体験し、世界中で入手できるようにするというプラットフォームのビジョンを実現しました。6000人以上のアーティストが、ライフワークの公開、管理、保護、収益化を可能にする当社に信頼を寄せてくれていることに感謝しています」。

アンダース氏によれば、過去2〜3年の間に、約1万社のグローバル企業がNiioのプラットフォームを利用しているという。それらの顧客はギャラリー、美術館、スタジオ、アートスクールなどのアート関係者から、ラグジュアリーブランド、ホテルチェーン、不動産デベロッパーなど多岐にわたっており、プラットフォーム上で提供されている1万5000点のプレミアム作品から厳選されたアートストリームを、30カ国以上の公共スペースや場所で数百万人に向けて配信していると同氏は述べている。

アンダース氏は「スマートテレビは10億台以上の市場があり、当社のパートナーであるサムスンは市場の30~40%を占めているため、当社は『ラストマイル』提案をすることができます」とも語った。

デジタルアートの市場規模は、2025年には約500億~1000億ドル(約5兆4600億〜約10兆9200億円)になると予測されている。

L Catterton Growth FundのマネージングパートナーであるMichael Farello(マイケル・ファレロ)氏はこう述べている。「デジタルアートは、L Cattertonが長年注目してきた分野です。当社はデジタルアートの将来性に非常に期待しており、この分野を継続的に評価した結果、Niioにたどり着きました。サブスクリプションとNFTの両方を提供する彼らのプラットフォームアプローチと、批評家とアーティストのコミュニティで築かれた評判、そしてサムスンとのパートナーシップによる評価が相まって、彼らを市場のリーダーにすることを確信しています」。

画像クレジット:After Indifference by Siebren Versteeg, Commissioned by Niio

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

レアル・マドリードやリヴァプールなどと提携するファンタジーサッカーNFTゲーム仏Sorareがソフトバンク主導で約743億円調達

フランスのスタートアップ企業であるSorareは、重要な資金調達ラウンドを実施したと発表した。SoftBank Vision Fund 2(SVF2)が6億8000万ドル(約743億円)のシリーズBラウンドを主導し、同社の評価額は43億ドル(約4700億円)に達した。

Sorareは、NFT(非代替トークン)をベースにしたファンタジーフットボール(サッカー)のプラットフォームを構築している。各デジタルカードは、イーサリアムのブロックチェーン上に固有のトークンとして登録されており、プレイヤーは他のプレイヤーとカードを売買することができ、取引はすべてイーサリアムブロックチェーンに記録される。

Sorareの特徴は、レアル・マドリード、リヴァプール、ユヴェントスなど、欧州で最も有名なクラブを含む180のサッカー組織と提携していることだ。これは同業他社にとって参入障壁となる。

今回の資金調達により、同社は新たなスポーツ分野への進出、米国でのオフィス開設、人材採用、マーケティングキャンペーンへの投資などを計画している。今後、他のプロスポーツ団体とのパートナーシップ発表も期待できる。

今回のラウンドには、SoftBank Vision Fundのチームに加え、Atomico、Bessemer Ventures、D1 Capital、Eurazeo、IVP、Liontreeも参加した。また、Benchmark、Accel、Headline、さまざまなビジネスエンジェルを含む、既存投資家からも再び出資を受けている。

Sorareは、プラットフォーム上で新しいカードを発行することで収益を得ている。プレイヤーはそれらの新発行カードを購入し、自分のコレクションに加えることができる。また、プレイヤーはチームを管理し、実際のパフォーマンスに応じてポイントを獲得することもできる。

時間の経過とともに、カードの価値は上がったり下がったりする。そのため、プレイヤーは他のプレイヤーとカードを売買することが多く、オークションを追跡するためのサードパーティウェブサイトも存在する。このプラットフォームでは、1月以降、1億5000万ドル(約163億9000万円)相当のカードが取引されている。Sorareは今のところ、プレイヤー間の取引からは利益を得ていない。

取引量はかなり多いものの、ユーザー増加の可能性はまだまだある。現在、60万人の登録ユーザーがおり、毎月15万人のユーザーがカードを購入したり、(ファンタジー)チームを編成しているという。2020年の第2四半期から2021年の第2四半期にかけて、同社の売上は51倍に伸びている。

Sorareの共同創業者兼CEOのNicolas Julia(ニコラス・ジュリア)氏はこう述べている。
「当社は、ブロックチェーンとNFTがもたらす計り知れない可能性が、サッカークラブ、サッカー選手、そしてそのファンが互いにより深いつながりを体験するための新しい方法を解き放つと考えました。これまでの成功に感激していますが、これは始まりに過ぎません。次のスポーツエンタテインメントの巨人を生み出し、より多くのサッカーファンや組織にSorareを提供し、世界中の他のスポーツやスポーツファンに同じ実証済みのモデルを紹介する大きなチャンスだと考えています」。

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SorareのシリーズBは、特にフランスのスタートアップにとっては巨大な資金調達ラウンドだ。ファンタジースポーツゲームは、新しい人々にNFTの世界に触れてもらう最良の方法の1つだ。NBA Top ShotがNBAファンに絶大な人気を誇るのもそのためだろう。

そして、これらのプラットフォームは、暗号資産取引を始めるためのすばらしいオンランプになっている。今後、Sorareでプレイする人が増えてきて、規制が厳しくなるかどうかが注目される。

画像クレジット:Sorare

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

NFTマーケットプレイスのOpenSeaが「閲覧のみで売買はできない」アプリを発表

「分散型インターネットのAmazon(アマゾン)」といわれるOpenSea(オープンシー)にとって、米国時間9月17日は大きな意味のある日になった。同社がiOSAndroid用のアプリを発表したのだ。ほとんどの企業にとって、モバイルアプリを用意することは、15億ドル(約1650億円)の評価額を達成する前に到達するマイルストーンである。しかしNFT(非代替性トークン)アートであってもなくても、実際の店舗で販売するときと同様に、アプリストアでの取引には、AndroidでもiOSでも、高額な手数料を取られる。おそらくそのためだろう、OpenSeaから華々しく登場したこの新しいアプリは、NFTを閲覧するためだけのものであり、売買するためのものではない。ちなみにOpenSeaは、8月に200万件の売買を記録しており、その取引総額は34億ドル(3738億円)に上る。Apple(アップル)とGoogle(グーグル)はアプリ内取引の30%を徴収するため、もしこれらの取引がアプリ内で行われたとしたら……34億ドルの30%、つまり10億2000万ドル(約1122億円)が両社の懐に入っていたことになる。

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もっとも、より大きな障害となっているのは、おそらくアプリ内での支払いを暗号資産で行う方法がまだないことだろう。OpenSeaが売買に対応するためには、米ドルで支払うためのインフラを構築し、より多くのユーザーをそちらに誘導する必要がある。しかし、OpenSeaの魅力の1つは、主としてEthereum(イーサリアム)ブロックチェーンに依存した暗号資産ネイティブなプラットフォームであり、NFTがいつ鋳造されたか、誰が鋳造したか、どのように取引されたかなどの情報に人々が容易にアクセスできることだ。同社がそのプラットフォームを、よりドル寄りの方向に推し進めれば、既存のユーザーのエコシステムを混乱させる可能性がある。

このOpenSeaのアプリでは、ユーザーは自分のプロフィールに接続し、NFTの閲覧、NFTのお気に入り登録、NFTの検索とフィルタリング、コレクションとアイテムの統計情報の閲覧ができる。アプリ内でNFTを閲覧すると、そのNFTをアプリ外で共有するためのボタンが表示される。同じくNFTのマーケットプレイスであるRarible(ラリブル)は、1カ月ほど前にモバイルアプリをリリースしている。OpenSeaのアプリと同様、RaribleのアプリもNFTの閲覧のみが可能で、売買やトレードはできない。

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画像クレジット:OpenSea

そのうちアプリでNFTを売買できるようになるのかなど、OpenSeaのアプリに関する同社の計画についてTechCrunchは質問したが、回答は得られていない。もっとも、アプリで暗号資産の取引を行うものが、今までなかったというわけではない。PayPal(ペイパル)でも今や暗号資産による支払いが可能になっている。むしろ、OpenSeaのアプリは、ウォレットやブロックチェーンなどについて何も知らない人でも、簡単にNFTアートを閲覧できるユーザーフレンドリーな方法を提供することで、新しいユーザーをNFTの世界に呼び込かもしれない。

なお、このアプリが発表されたのは、OpenSeaの幹部がインサイダー情報に基づいてNFTを取引したとして告発されてから数日後のことだった。同社は米国時間9月15日にブログで、この従業員がその後、辞職したことを明らかにしている。

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画像クレジット:Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

コレクター向けのライブストリーミングショッピングアプリWhatnotが約165億円を調達、ユニコーン企業に

レアなポケモンカードやFunko Pop(ファンコ・ポップ)などのコレクター向けのライブストリーミングショッピングプラットフォームを提供している「Whatnot(ワットノット)」は、2021年だけで3回目の資金調達となるシリーズCの1億5000万ドル(約164億9600万円)を獲得した。今回のラウンドでWhatnotの評価額は15億ドル(約1648億9300万円)に達し、増え続けるユニコーン企業のリストに名を連ねることとなった。

では「Whatnot」とはどんなアプリなのか?このアプリは、米国でInstagram(インスタグラム)などのプラットフォームで人気が高まっていた(中国ではすでに大きな人気を博していた)ライブショッピングというトレンドに着目している。認証された出品者は、アプリを使っていつでも生中継を開始でき、その場で商品のビデオオークションを開催することができる。購入者が何を購入しているのか把握している場合もあれば、ときにはミステリーバッグのように何が手に入るのかわからない場合もある。例えば、ポケモンカードやスポーツカードの未開封の箱の一部をユーザーが購入し、その中身をライブで公開する「カードブレイク」というコンセプトが人気だ。

今回のラウンドでは、投資家のa16zとY Combinator(Yコンビネーター)のContinuity Fund(コンティニュイティー・ファンド)に加えて、新たにCapitalG(キャピタルG)(Google / Alphabetの社名変更前は「Google Capital」として知られていた)が出資した。また、エンジェル投資家として、Golden State Warriors(ゴールデンステート・ウォリアーズ)のAndre Iguodala(アンドレ・イグダラ)氏、New Orleans Pelicans(ニューオーリンズ・ペリカンズ)のZion Williamson(ザイオン・ウィリアムソン)氏、ユーチューバーのLogan Paul(ローガン・ポール)氏など、有名どころが加わっている。このラウンドに関する最初の情報は、先週、The Information(インフォメーション)で報じられた。

Whatnotはもともと、一般的な(ライブ感の少ない)再販用のプラットフォームとしてスタートし、当初は、Funko Popの公式コレクターズアイテムのみに絞っていた。しかし、パンデミックの影響で誰もが家に閉じこもりがちになったことを受け、同社はライブショッピングに力を入れ、その結果、急成長を遂げることとなった。

その間に、同社は急速に取り扱う範囲を拡大し、Funko Popだけでなく、ポケモンカード、ピンバッジ、古着、スニーカーなど、あらゆる種類のコレクターズアイテムを扱うようになった。Whatnotの共同設立者であるGrant Lafontaine(グラント・ラフォンテーヌ)氏によると、同社で最も人気なカテゴリーはスポーツカードであり、次にポケモンとFunko Popが続くという。Whatnotでは、各カテゴリーにおいて、それぞれのコミュニティですでに知られ、信頼されている販売者を採用することを重視している。参加している各ストリーマーは、ライブを開始する前に同社によって審査されているため、不正行為を最小限に抑えることができる。なにか怪しいことをすれば、同プラットフォームから追い出され、自分の評判を落とすことになるだけだ。

その他、ラフォンテーヌ氏との会話からいくつかのポイントを紹介する。

  • 展開できるカテゴリーは「数千」にのぼるという。今、取り組んでいるのは NFT(非代替性トークン)だ。ストリーマーは、自分のNFTをWhatnotに取り込み、画面に表示したり、ライブストリームの中に(静的またはアニメーションの)オーバーレイとして取り込むことができる。ユーザーは、画面に表示されたNFTをタップすると、そのメタデータが表示され、NFTの詳細を確認することができる。
  • 同氏によると、現在、このプラットフォームには「数千人のアクティブなライブストリーム販売者」がいるという。
  • 同社のGMV(プラットフォーム上で販売されたすべての商品の合計金額)は、2021年の初めに行われたシリーズAの時点から30倍に増加している。Whatnotは販売額の8%を受け取る。
  • 同社は現在「プレビッディング(事前入札)」機能の導入を進めている。これは、ライブストリームが始まる前に、ユーザーが欲しいと思っている商品に入札することができるというものだ。例えば、ユーザーがあるものを欲しがっていて、それを入札したいと思っているものの、ライブを見ることができない場合などを想定している。もちろん、他の人が入札に参加することも可能だ。
  • 同社は近日中に、iOSとAndroidの両方のアプリを全面的に再構築し、買い手と売り手の両方にとって利用プロセス全体がよりスムーズで簡単になるような、新しいUIを採用する予定だ。ラフォンテーヌ氏は「来週か再来週」にはすべてのユーザーにこのアプリが提供されると期待している。

今回のラウンドにより、同社の資金調達額は2億2500万ドル(約247億4600万円)となり、そのほとんどが2020年中に調達されたものだ。一方、この分野での競争は激化している。「Popshop(ポップショップ)」のような競合企業は、自社のプラットフォームのために数百万ドル(数億円)の資金を調達しており、マイアミの「Loupe(ルーペ)」は、スポーツカードのライブ販売に焦点を当て、6月に1200万ドル(約13億1900万円)を調達した(近日中に実店舗をオープンする予定)。さらに、既存の大手企業もこの分野に参入しようとしている。YouTube(ユーチューブ)はライブショッピングのコンセプトを取り入れており、Amazon(アマゾン)もライブセッションを開催するインフルエンサーを招いている。言い換えれば「この領域に注目せよ」ということだ。もしかしたら、この競争そのものもライブストリームで見られるかもしれない。

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画像クレジット:Whatnot

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Dragonfly)

人気NFTプラットフォーム「OpenSea」がトップ幹部によるインサイダー取引事件を認める

「NFTのeBay」として知られるOpenSea(オープンシー)は、社員の1人が同プラットフォームから得たインサイダー情報を利用して暗号デジタル資産を取引していたことを認め、スキャンダルになっている。

米国時間9月14日、NFTプラットフォームであるOpenSeaのトップ幹部が、NFTコレクションがプラットフォームのホームページに掲載される前に購入し、プラットフォームでの販売を前倒ししたとして告発された。Twitter(ツイッター)ユーザーの@ZuwuTVによると、同スタートアップの製品マネージャーは、秘密口座の暗号資産ウォレットを使用して、OpenSeaのメインページに掲載される前にドロップを購入し、OpenSeaで公開された直後に販売して、その利益を自分のメインアカウントに戻していたという。ユーザーたちは、当時OpenSeaのトップページに掲載されていたNFTドロップを含む、パブリックブロックチェーン上でその幹部に紐づけられたアカウントからのいくつかのトランザクションにリンクしている。

15日、OpenSeaはこの事件を認めたようで、ブログ記事の中で「社員の1人が、当社フロントページに表示されるように設定されていると知っていたアイテムを、公開前に購入していたことを知りました」と述べている。同社はこの社員を特定していないが、事件について「ただちに」調査を行っていると述べた。2021年7月にはAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)が主導したシリーズBで1億ドル(約109億円)を調達し、15億ドル(約1640億円)の評価を受けた同スタートアップは、署名のないブログ記事の中で、今回の事件は「非常に遺憾なことだ」と付け加えた。

OpenSeaのDevin Finzer(デビン・フィンザー)CEOは、ツイートで「我々は昨日の事件を徹底的に検証しており、OpenSeaのユーザーのために正しい行動を取ることを約束します」と述べている。

2021年8月、34億ドル(約3718億円)の取引量を記録したOpenSeaは、従業員が機密情報を利用して自社プラットフォーム上で自社のユーザーとNFTを売買することを防止するルールを設けていなかったようだ。同社は、チームメンバーが「コレクションやクリエイターを特集・宣伝している間は、それらのコレクションやクリエイターから売買することはできない」、そして「OpenSeaプラットフォームで入手できるかどうかにかかわらず、機密情報を使用してNFTを購入・販売することを禁止する」というポリシーを今では実施している、と詳述している。

SEC(米国証券取引委員会)が暗号資産クラスに関する公式なガイダンスをほとんど出していないにもかかわらず、ほとんどのNFTは一般的には有価証券とはみなされていない。しかし一部では、異なる売買の仕組みや継続的な報酬体系が、NFTの販売をさらに証券の領域にプッシュしているのではないかと疑問視されている。

米上院銀行委員会のSherrod Brown(シェロッド・ブラウン)委員長は14日、暗号資産市場とSECの執行の関係について議論が行われた公聴会(The Blockによる書き起こし)で次のように述べた。「多くの人々が、新しいデジタル資産の価値の劇的な上昇に誘惑されています。プロの投資家や著名人の中には、数百万ドル(数億円)を稼ぐことが簡単に見えるような人もいます。しかし、私たちが何度も思い知らされるように、それは決して簡単なことではありません。そして、あまりにも多くの場合、誰かが手っ取り早く利益を得るために、労働者やコミュニティ全体が犠牲になります」。

TechCrunchはOpenSeaにさらなるコメントを求めている。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

写真SNS「Dispo」が自分の写真をNFTとして販売することに対するユーザーの関心を調査中

使い捨てカメラを模した写真共有アプリ「Dispo(ディスポ)」は、写真をNFT(非代替性トークン)として販売することに対するユーザーの関心を記録するためのテストを、米国時間9月13日より展開している。一部のユーザーは、自分の写真に「Sell(販売)」ボタンが表示されるようになり、それをタップすると、Dispoの写真を販売する機能が導入された際に通知を受けるための登録をすることができる。

Dispoの共同創業者でCEOを務めるDaniel Liss(ダニエル・リス)氏が、TechCrunchに語ったところによると、DispoはNFT販売をどのようにアプリに組み込むか、まだ決めかねており、そのためにユーザーを対象としたテストを先行して実施しているところだという。現時点では、Dispoがどのブロックチェーンを使用するのか、どこかのNFTマーケットプレイスと提携するかどうか、Dispoが売上の一部をどれだけ取るのか、ということなどはまだ決まっていない。

「このテストの結果から、Dispoアプリのネイティブな体験になると言っていいと思います」と、リス氏はいう。「いくつかの方法は考えられますが、Dispoの中にネイティブな体験として導入し、それがAPIを通じて他のプラットフォームに接続されるという形になるでしょう。そのプラットフォームは我々のパートナーとなるわけですが、コミュニティにとってはDispoアプリのネイティブな体験となります」。

画像クレジット:Dispo

NFT販売は、このソーシャルメディア・アプリの新たな方向性を示すものだ。Dispoというアプリは、翌朝9時にならないとユーザーが撮影した写真を見られないようにすることで、写真共有の体験を再定義しようとした。Dispoの視点によれば、このギミックはユーザーがより本物に近い形で写真を共有することに役立つという。1枚の写真を撮ったらそれでおしまいだからだ。何十枚も自撮りして、それらの中から自分の「最高の1枚」を投稿するという行為には適さない。しかし、このアプリは2019年12月に登場したばかりだが、すでに爆発的な人気と破壊的な論争の両方に直面している。

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1年ほど前まで、このアプリは共同創業者でYouTuber(ユーチューバー)のDavid Dobrik(デヴィッド・ドブリック)氏にちなんで「David’s Disposables(デヴィッドの使い捨てカメラ)」と呼ばれていた。このアプリはリリース後1週間で100万回以上ダウンロードされ、App Store(アップストア)のチャートで1位を獲得。2021年3月には招待制を廃止し、ソーシャルネットワーク機能を搭載してリニューアルしたが、それからわずか数週間後、米国のメディア「Insider(インサイダー)」が、ドブリック氏のYouTubeでの悪ふざけ集団「Vlog Squad(ヴイログ・スクワッド)」のメンバーによる性的暴行疑惑を報じた。これを受けて投資会社のSpark Capital(スパーク・キャピタル)はDispoとの関係を絶ち、ドブリック氏はDispoを離れることになった。また、同社が2000万ドル(約22億円)を調達したシリーズAラウンドに出資したSeven Seven Six(セブン・セブン・シックス)や、Unshackled Ventures(アンシャックルド・ベンチャーズ)などの他の投資家は、Dispoへの投資で得た利益を、性的暴行の被害者を支援する団体に寄付すると発表した。

DispoがシリーズAの資金調達を認めた6月に、リス氏がTechCrunchに語ったところによると、ドブリック氏の同社における役割はマーケティング・パートナーであり、CEOはリス氏が当初からを務めているとのことだった。この騒動を受けて、同社は製品自体の改善に注力し、プロモーションからは一歩引いたとリス氏は述べていた。

アプリ分析会社SensorTower(センサータワー)のデータによると、Dispoは配信開始以来、全世界で推定470万インストールに達しているという。アプリのダウンロード回数が最も多かったのは、100万回以上インストールされた2020年1月だったが、次に多かったのは招待性を廃止した2021年3月で、同月には約61万6000人がDispoをダウンロードした。3月から8月末までの間に、このアプリは約140万回ダウンロードされており、2020年の同時期と比較して118%増となっている。ただし、2020年はこのアプリのメンバーシップが招待制によって限定されていたため、2021年1年の数字はさらに伸びると予想される。

画像クレジット:Dispo

今回、NFTを取り入れると発表したことで、Dispoは単に人々の写真を投稿するやり方を変えるだけでなく、プラットフォームとユーザーが作成するコンテンツの関係を変えることができると、リス氏は期待している。

「なぜNFTなのか?私たちの人生で最も強力な思い出には価値があります。それは私たちが作ったものだからこそ、経済的価値がある。これまでのソーシャルメディアは、そのことを認識していませんでした」と、リス氏はTechCrunchに語った。「その結果、多くのフォロワーを持つクリエイターが報酬を得るためには、企業に直接売り込むしかありませんでした。それはコンテンツ自体から利益を得ることとは対照的です」。

NFT販売をアプリに追加することは、Dispoにユーザーの売上から利益を得る方法を提供することになる。だが、これまでコミュニティを中心としてきたDispoの雰囲気に、それがどのような影響を与えるのかという疑問が残る。

「非常に大きな好奇心と関心があると思います」と、リス氏はいう。「しかし、このような問題や疑問もあるため、私たちはより多くのデータを必要としているのです」。

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画像クレジット:Dispo

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

絵文字の列がネット上の「アイデンティティ」になると考えるYat、すでに約22億円の売上達成

私がYatのことを知ったのは4月のことで、友人がグループチャットに、鍵の絵文字が「インターネット上のアイデンティティ」として42万5千ドル(約4667万円)で売られているという記事のリンクを送ってきたのがきっかけだった。彼女は「この世界なんて大嫌い」とチャットに打っていた。

42万5000ドル(約4668万円)の余裕がある人たちがその資金を相互扶助か何かに使ってくれれば、確かに世界はもっと良くなるのだろうが、その数分後、私たちはこのYatというものが一体何なのかを明らかにしようとしていた。そしてさらに数分後、私は5ドル(約549円。暗号資産ではなく米ドル)を使って☕ ❗を購入した。この絵文字の文字列は、私のカフェイン依存症と敏感な胃についての感動的な物語を語っていると思う。その選択をしたときには、自分がこのことを記事にすることになるとは思っていなかった。

KeshaのTwitterのYat URL

Yatは、表面的には絵文字が入ったURLを購入できるプラットフォームだ。Kesha(y.at/ )、Lil Wayne(y.at/ )、Disclosure(y.at/ )までもが自分のTwitterのプロフィールに絵文字を使っている。インターネット上の他のURLと同様に、Yatsは他のウェブサイトにリダイレクトすることもできるし、より人目を引くLinktreeのように機能することもできる。ユーザーはYatではなく、絵文字に対応した独自のドメイン名を購入して使用することもできるが、多くの人は技術的な専門知識も時間もない。その代わりに、Y.atドメインを所有するYatから一度だけ購入すれば、同社がユーザーに代わって専用のy.atリンクを提供してくれるのだ。

しかし、この便利さは高級なものだ。Yatは、アルゴリズムを使ってYatの「リズムスコア」を決定している。これは、絵文字の組み合わせの希少性に応じて価格を決定するための指標だ。絵文字が1つや2つしか入っていないYatは、会社に直接連絡しないと買えないほど高価だが、4つや5つの絵文字を使ったYatであれば、4ドル(約439円)で買えるものが簡単に見つかる。

Y Combinatorの卒業生であり、デジタルマーケティング企業Sparkartの創業者であり、エンジェル投資家でもあるCEOのNaveen Jain(ナビン・ジャイン)は、Yatが究極的にはインターネット上のプライバシーを守る製品であると考えている。ジェイン氏は、人々が支払いやメッセージの送信、ウェブサイトの運営、プラットフォームへのログインなど、現在オンラインアイデンティティを利用できるあらゆる方法でYatを利用できるようにしたいと考えている。

「客観的に見て、奇妙な規範だと思います。インターネットにアクセスし、広告付きプラットフォームにアカウントを登録する時、登録したユーザーネームは普遍的なものではありません。人は多くのアカウント、多くのユーザーネームを持っています。そして、それらをコントロールすることはできません。あるアカウントがあなたのアカウントを停止しようとすれば、停止することができるのです。SNSの運営企業にメールを送っても、返信しなくてもいいからという理由で返信がなかったという話は山ほどあります」。

画像クレジット:Yat

ユーザーはYatを購入する際に製品の代金(4ドル(約439円)であれ40万ドル(約4393万円)であれ)を支払うので、Yatは広告費で賄う予定はない。

YatのCEOは、長期的にはブロックチェーン技術を使って、自己主権型を目指す計画だという。Yatは、非中央集権的な分散型データベース上で供給される資産となるだろう。現在、インターネット規制当局のICANNが管理している現行のドメインネームシステム(DNS)に代わる分散型のシステムを作ろうとするプロジェクトはいくつかある。DNSはインターネット上でさまざまなものを発見する手段だが、中央集中型の階層的なシステムを使用している。ブロックチェーンによるドメイン名システムは、管理主体が存在しないため、これが次世代のウェブ、すなわち「ウェブ3.0」の基盤になると考えられている。

現在、Yatのウェブサイトには「ブロックチェーン」や「暗号資産」といった言葉は出てこない。ジャイン氏が、そうした言葉が一般消費者にとって説得力があるとは思っていないからだ。彼は漸進的な非中央集権を信じており、現在YatがEthereum(イーサリアム)ではなくドルで購入されているのもそのためだ。

ジャイン氏はこう語る。「暗号資産の世界でおもしろいのは、全員がデータベースについて多くの時間を費やして語っていることです。人々はデータベースに関心がありません。ウェブサイトに『MySQLによる提供』と書かれているのを最後に見たのはいつですか?」

しかし、Y.atは、ブロックチェーンではなく、従来のインターネットレジストリに登録されていた。

「これは基礎づくりなのです。ビジョンの中には、現時点では実施よりも社会契約に近い要素があることは確かです。しかし、これは私たちが定めたビジョンであり、その目標に向かって継続的に取り組んでいます」とジャイン氏はいう。

それでも、Yatがより非中央集権的になるまでは、Yatはユーザーに完全なコントロールを与えることはできない。現在のところYatの利用規約では、Yatの判断でユーザーを終了させたり、停止させたりする権限が与えられているが、同社はシステムから追い出された人はまだいないと主張している。

「Yatがより分散化していけば、我々の利用規約は重要ではなくなるでしょう。これが先進的な非中央集権的戦略を追求することの本質です」とジャイン氏はいう。

「ゼロ世代」(オープンベータ)の段階で、Yatは約2000万ドル(約21億9600万円)相当の絵文字アイデンティティを販売したと主張している。Yatを手に入れるためのキャンセル待ちリストが終了した今、Yatはいくつかのレアな絵文字アイデンティティを、最近15億ドル(約1647億1900万円)の評価額に達したNFTマーケットプレイスであるOpenSeaに掲載している。

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Yatのビジュアライザー作成時の静止画像

「今回初めて、OpenSea上でYatsのオークションを行い、Ethereum上でYatsの鋳造を開始する予定です」とジャイン氏は語る。YatsをNFTとして鋳造する前に、ユーザーはVisualizerを通じて自分のYatのデジタルアートを作ることができる。これらの機能と、Yatの絵文字セットにおける新しい絵文字は、Yat Horizonと呼ばれる7月末のオンラインイベントで発表された。

ジャイン氏は、NFTとしてYatを鋳造することができるようになったことについて、「Yatクリエーターはより多くの権利を持つことになります。私たちは、究極の目標である、Yatをすべての人にとって最高の自己管理型、自己主権型のIDシステムにするという目標を達成するまで、漸進的な分散化を追求し続けるつもりです」と語った。

インターネット上でのプライバシーの確保についての消費者の関心が高まっている。iOS 14.5では、ユーザーの96%が広告のトラッキングを拒否したというデータがある。しかし、非中央集権的な動きは、そのプライバシーに関連したメリットを主流派に売り込むことが未だできていない。Yatはこの問題の解決に役立つ。ブロックチェーンの意味を理解していない人でも、個人的な絵文字の文字列を持つのはかなり楽しいということはわかっているからだ。しかし、単一の絵文字によるユーザー名に42万5000ドル(約4667万円)を費やす前に、Yatのビジョンが完全に実現するのはWeb 3.0が出現してからであり、それがいつ、どのように実現するかはまだわからないということを覚えておくべきだ。

画像クレジット:Yat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

double jump. tokyoがビットフライヤーとNFTでタッグ、LINEとの協業強化やバンダイナムコへの第三者割当増資も

double jump. tokyoがビットフライヤーとNFTでタッグ、LINEとの協業強化やバンダイナムコへの第三者割当増資も

double jump.tokyo(DJT)は9月3日、ZホールディングスCVC「Z Venture Capital」(ZVC)、バンダイナムコエンターテインメント(BNE)およびバンダイナムコライブクリエイティブ(BNLC)、bitFlyer Holdingsそれぞれに対して、第三者割当増資を実施したと発表した。調達額は非公開。また、bitFlyer HoldingsとのNFT事業などの協業、LINEおよびLINE Blockchainとの協業強化などを明らかにした。

DJTは、ブロックチェーンゲーム専業開発会社として2018年4月3日に設立。世界第1位の取引量・ETH売上を記録した「My Crypto Heroes」(現在の運営企業はMCH株式会社)、「BRAVE FRONTIER HEROES」「MyCryptoSaga」などのブロックチェーンゲームを開発・運営。ブロックチェーンゲーム開発支援サービス「MCH+」やNFT事業支援サービス「NFT PLUS」、複数人で秘密鍵を管理できるビジネス向けNFT管理SaaS「N Suite」の提供・開発も手がけている。

Z Venture Capital、LINE、LINE Blockchain

ZVCは、「人類は「自由自在」になれる」というビジョンを掲げており、DJTへの出資を通じて、特にゲーム・エンターテインメント業界におけるブロックチェーン技術を通じた新たな価値体験の提供を目指す。

またZホールディングスのグループ会社LINE傘下企業LVCとの連携や、LINEの独自開発ブロックチェーン「LINE Blockchain」の活用など、ブロックチェーン領域におけるLINEグループとの協業関係を強化する。

LINEグループとの協業については、スクウェア・エニックスのIPを用いたNFTデジタルシール「資産性ミリオンアーサー」でLINE Blockchainを採用予定とすでに発表している。同件だけでなく、DJTとLINEグループは、今後もブロックチェーン領域で協業し、NFTをはじめとしたブロックチェーンのエコシステム拡大に取り組むという。

バンダイナムコエンターテインメントおよびバンダイナムコライブクリエイティブ

BNEおよびBNLCが所属するバンダイナムコグループは、「世界で最も期待されるエンターテインメント企業グループ」というビジョンを掲示。DJTへの出資を通じて、エンターテインメント領域における新たな価値創造を目指す。

bitFlyer Holdings

bitFlyer Holdingsは「ブロックチェーンで世界を簡単に。」をミッションに掲げ、傘下には日本・米国・EUの3地域において250万人超のユーザーを抱える暗号資産取引所を運営。また独自開発のエンタープライズ向けブロックチェーン「miyabi」を活用し、ブロックチェーンの社会実装を推進している。

bitFlyer Holdingsは、DJTへの出資を通じ、暗号資産取引所bitFlyerの顧客基盤を活用したNFT事業提携、各種コンテンツのNFT発行支援、DJTのブロックチェーンゲームにおける「miyabi」の活用検討など、NFT事業に関する幅広い協業関係を構築。bitFlyerグループとして新たな事業拡大を図る。

NFTプロジェクト「CryptoPunks」の生みの親がハリウッドの大手タレント事務所と代理店契約

ハリウッド最大のタレントエージェンシーの1つが、NFTゲームに参入する。

CryptoPunksの生みの親Larva Labsは、United Talent Agency(UTA)と、最も初期の、そして最も象徴的なNFTプロジェクトの1つをエンターテインメントとブランディングの世界に持ち込む代理契約を結んだ。

「UTA Digital Assetsの責任者であるLesley Silverman(レスリー・シルバーマン)氏は、The Hollywood Reporterに「暗号世界で生まれたIPが、より広範なエンターテインメント空間に進出する最初の機会の1つであり、彼らはそれを勝ち取りました。彼らは、本当にすばらしい方法で時代の流れに乗ったのです」と語っている。

この契約により、CryptoPunksは、映画、テレビ、ビデオゲーム、その他のライセンス分野で登場することになるだろう。また、Larva Labsの他のアートプロジェクトであるMeebitsとAutoglyphsも、今後UTAが担当することになる。今回の契約の条件は公表されていない。

NFTへの投機的な投資が爆発的に増加する中、CryptoPunksはこの分野で最も認知度が高く、価値のある先駆者の1人であり続けている。Larva Labsは、2017年にEthereum(イーサリアム)のブロックチェーン上で、アルゴリズムによって生成されたピクセルで表現されたフィギュア1万個を発売している。

素人目にも、そしておそらく訓練された目にも、CryptoPunksはさまざまなキャラクターの小さなピクセル化された肖像画にすぎない。ある人は海賊帽をかぶり、ある人はパイロットのメガネをかけてパイプを吸っている。しかし、暗号資産の世界では、CryptoPunksは社会的象徴であり、NFTへの初期の投資、個人的なスタイル、重要なことだが富を伝えるものでもある。

CryptoPunksの価値はゼロから急上昇し(当初は無料で配布されていた)、現在では最も安価なコレクターズパンクでも数十万ドル(数千万円)、最も価値のあるものでは数百万ドル(数億円)で販売されている。5月には、クリスティーズのオークションで、9つのCryptoPunksのセットが1700万ドル弱(約18億7000万円)で落札された。先週は、VISAもこのゲームに参加し、モヒカンで緑色のフェイスメイクをしたデジタルイラストのCryptoPunk #7610に15万ドル(約1650万円)を投じた。

Aリストのセレブリティを担当することで知られる伝統的なタレントエージェンシーがNFTゲームに参入することは注目に値しますが、このグループが暗号資産のワイルドな世界に足を踏み入れるのは初めてではない。2021年8月初め、UTAはRallyという会社と契約を結んだ。この会社は、クリエイターがブランド化されたソーシャルトークンを発行し、ファンが商品や限定コンテンツに使えるようにするプラットフォームを運営している。

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画像クレジット:Lucas Matney/TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Katsuyuki Yasui)

NFTマーケットプレイス「Adam byGMO」β版開始、K-1やYouTuberヒカルさんが出品ほか漫画家・東村アキコさんも予定

NFTマーケットプレイス「Adam byGMO」β版開始、立ち技格闘技K-1やYouTuber・ヒカルさんが出品ほか漫画家・東村アキコさんも予定

GMOインターネットグループのGMOフィナンシャルホールディングスの連結会社「GMOアダム」は8月31日、NFTマーケットプレイス「Adam byGMO」β版の提供を開始した。立ち技格闘技K-1やYouTuber・ヒカルさんはじめ、総勢36名の漫画家・イラストレーターによる作品などの多くのファンを持つデジタルコンテンツ計1192点の出品・販売がすでに行われている。また今後は、漫画家・東村 アキコさんの作品の出品も予定。近日中に一般のアーティストを含む、より幅広い方が出品する形で正式版を提供する予定としている。

Adam byGMOは、NFTを活用したコンテンツ流通革命の支援を目的とした、真正性と安全性の高いデジタルコンテンツの決済・流通を実現する、NFT出品・購入のためのプラットフォーム。Ethereum(イーサリアム)による決済ほか、口座振り込みやクレジットカード払いに対応するなど複数の決済手段を備えており、暗号資産の扱いに慣れていない方でもNFTコンテンツを購入しやすいよう配慮している。

また作品購入の都度、NFTコンテンツの作者・クリエイターにロイヤリティを還元する仕組みを採用しており、クリエイターのファンは「Adam byGMO」で作品購入を行うことで、応援するクリエイターへの支援も行えるとしている。

楽天がNFT事業に参入、2022年春「Rakuten NFT」展開し楽天運営の他サービスとも連動予定

楽天がNFT事業に参入、2022年春「Rakuten NFT」展開し楽天運営の他サービスとも連動予定

楽天グループは8月30日、ブロックチェーン技術を活用したNFT(非代替性トークン)事業に国内で参入すると発表した。2022年春、スポーツ・音楽・アニメなどのエンターテインメント分野におけるNFTの取引を行えるマーケットプレイスと、IPホルダーがNFTの発行・販売サイトを構築できるプラットフォームを併せ持つ「Rakuten NFT」を開始する。

Rakuten NFTでは、ユーザー向けには、エンターテイメント分野のNFTを購入したり個人間で取引したりできるマーケットプレイスを開設。IPホルダー(デジタルコンテンツの知的所有権者)向けには、ブロックチェーンの専門知識がなくてもNFTを発行し、販売サイトを構築できる独自のプラットフォームを設ける。

さらに、楽天が運営する他のサービスにおいて、ユーザーが商品の購入や使用条件を満たすとNFTを景品として獲得できるなど、様々なサービスと連動したプラットフォームとしても活用できるようになる予定

NFTは、ブロックチェーン技術を利用して、デジタルコンテンツの一意性、希少性を確保でるようにする仕組み。つまり、デジタルであっても唯一無二のコンテンツを所有したり、売買したりできるようになる。近年ではスポーツやアートの分野で注目を集め、コンテンツ産業が大きく変わる可能性があるとされる。

楽天は、2016年8月にブロックチェーン技術に特化した研究開発組織「楽天ブロックチェーン・ラボ」を開設し、2019年8月から「暗号資産における現物取引サービス」を楽天ウォレットで開始しており、そこで培われた技術を最大限に活かして、「NFTの民主化」を目指すとのこと。

楽曲の所有権をNFTとして販売、ファンがロイヤリティを受け取れるようにする音楽マーケットプレイス「Royal」

音楽とNFTを結びつけて、ユーザーがマーケットプレイスで曲の所有権を買えるようにし、人気が出るとロイヤルティを得ることができるスタートアップへの投資を、Founders FundとParadigmがリードした。

Royalというスタートアップは、「3LAU(ブラウ)」という名前で活躍するEDMアーティストのJustin Blau(ジャスティン・ブラウ)氏と、住宅購入スタートアップ「Opendoor」の共同設立者であるJD Ross(JD・ロス)氏が主導している。ブラウ氏は、NFTコミュニティの中でも特に積極的に活動している人物で、ミュージシャンが暗号資産を利用して作品を収益化する方法を模索する目的で、数多くの新興企業を立ち上げてきた。新型コロナの蔓延によりツアーができなくなってからは、本格的にNFTに取り組み、「クリエイターからすべての価値を奪うプラットフォーム」の力関係を逆転させる方法を探していたという。

Beepleの作品がクリスティーズで6900万ドル(約75億8000万円)で販売され、世の中の人がNFTという言葉を初めて知ったときから数週間も前に、ブラウ氏は自らの記録を作っていた。特製の曲とアートワークを収めたセットが、1170万ドル(約12億9000万円)相当の暗号資産で売れたのだ。

今回のRoyalの投資発表は、CryptoPunksやBored ApesなどのコミュニティNFTプロジェクトに投資家が数億ドル(数百億円)相当の暗号資産を投じるなど、NFT市場の強気の動きが熱を帯びてきた頃に行われた。デジタル作品をブロックチェーン上に置くことに関心のあるビジュアルアーティストは、ここ数カ月の間に、自分のアートを収益化するプロセスを簡素化するためのプラットフォームが数多く登場し、成熟してきているが、ミュージシャンに焦点を当てた取り組みは少なかった。

ParadigmとFounders FundはRoyalの1600万ドル(約17億6000万円)のシードラウンドをリードし、これにロス氏が最近までゼネラルパートナーだったAtomicが参加した。ロス氏と一緒にOpendoorの共同創業者だったKeith Rabois(キース・ラボイス)氏が、Founders Fundの投資をリードした。

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Royalのローンチの詳細やプロダクトの計画は、まだ情報がとても少なく、その分割資産の販売をいつ始めるのかもわからない。しかし最初はブラウ氏の音楽が中心になることは明らかだろうし、彼が音楽業界に占めていた地位がファンや投資家を惹きつけるだろう。ユーザーは今からでもアーリーアクセスでサインアップできる。

NFTのスタートアップはより複雑な所有権分割を追究して、クリエイターたちが成功をファンと共有できるようにする。しかしその複雑さが、規制当局がいずれ介入する原因になるという、さまざまな憶測を招いている。2017年のICOブームでは、多くの創業者たちがSECから書簡をもらって証券詐欺を非難されたが、今回も起業家たちはそれを避けるために相当な努力が必要だ。ブラウ氏によると、同社は法律顧問と密接に協力して、コンプライアンスの完全な達成を目指しているという。

同社にとってもっと大きな課題は、音楽の権利を買うためのアクセスを確実に民主化して、ファンの全員を幸福にし、新しいファンをどんどん作っていくことだ。暗号資産への投機はとても多様化しており、そのための努力が難しい。でもブラウ氏によると、音楽のロイヤリティの所有権の拡散はまだ改良の余地が極めて大きく、現在、目立つのは一般ファンではなく、レーベルやプライベートエクイティ集団やヘッジファンドだ。

「投資家が嗅ぎつけるよりもずっと早く、ファンが所有権を握ることが重要です。アクセスの民主化が、NFTのような暗号資産の未来の鍵を握っている」とブラウ氏はいう。

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画像クレジット:Royal

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

シヤチハタが日本初の「NFT印鑑」を共同開発、API連携サービスを提供予定

シヤチハタが日本初の「NFT印鑑」を共同開発、API連携サービスを提供予定シヤチハタは8月18日、ケンタウロスワークスおよび早稲田リーガルコモンズ法律事務所と、ブロックチェーンを利用した電子印鑑システム「NFT印鑑」を共同開発することで合意したと発表した。NFT印鑑API連携サービスの提供を予定しており、自社と取引先で互いに別々の電子契約システムを利用しているケースの不便を解消するという。利用シーンとしては、企業だけでなくDXの普及が今後見込まれる行政・自治体への展開を想定している。

NFT(Non-Fungible Token。非代替性トークン)とは、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のこと。NFT印鑑は、印影データをNFT化することで、印鑑保有者の情報と印影情報を結び付けた、固有性を持つ電子印鑑という。押印された印影から押印者本人の識別や証明を行えるだけでなく、従来の電子印鑑が抱えていた印影の偽造リスクという問題について、ブロックチェーンの特徴である改ざん耐性を活用して解決するという。本人確認機能については今後段階的に実装予定としている。

またNFT印鑑は、Japan Contents Blockchain Initiative(JCBI)が運営・管理するコンソーシアム型ブロックチェーン「Contents Consortium Blockchain Platform」により、印鑑管理で必須となる高度なセキュリティに配慮しつつ、パフォーマンスと信頼性を両立するという。将来的には、パブリックブロックチェーンとの連携も視野に、より透明性の高いオープンなシステムを目指すそうだ。

シヤチハタが日本初の「NFT印鑑」を共同開発、API連携サービスを提供予定

シヤチハタが長年培ってきた電子印鑑に関わるノウハウをベースに、ケンタウロスワークスの持つブロックチェーン技術を取り入れ、早稲田リーガルコモンズ法律事務所の法的知見を基に、様々な電子契約システム間で利用できるサービスとして提供するとしている。

2020年2月発足のJCBIは、日本のメディア・コンテンツ業界のDXを業界横断で加速するための企業連合コンソーシアム団体。2021年8月時点で20社が会員企業として加入している。

会員企業は、ノードサーバーを構築・運用する形でContents Consortium Blockchain Platformを共同運営している。同ブロックチェーン上に、APIを介しメタデータとしてコンテンツの属性情報を記録したり、NFTとしてコンテンツの各種権利を発行・移転したりできるという。