DJIが地上でもトップを狙う、カメラ搭載オフロード車の特許を出願

DJIはカメラドローンにおいて圧倒的にトップに位置する企業だが、地上を走る移動型カメラでは、トップと呼べる企業はほとんど存在しない。後者では、むしろブランド不在な状況だ。そこでDJIは、そのすき間を自らうめる気なのかもしれない。同社は最近、スタビライザーを搭載したカメラを持つ小型のオフロード車で特許を出願した。

DJIの中国における特許を最初に見つけたのはDroneDJ(ドローンDJ)だが、図によると小型のオフロード車はかなり本格的なもので、太いタイヤとカメラとジンバルがスタビライザーに搭載されている。上図からもわかるように、カメラの取り付け台はスプリングと気圧装置で衝撃から保護されている。突然の動きでも、カメラはぶれないのだろう。

この図は、製品の概念を示すものとしては複雑過ぎる。本物の設計図面に手を加えただけかもしれない。そうだとしても、すぐに市場に出てくるとは限らない。しかし、DJIの技術者たちが実際に取り組んでいる本物のプロジェクトであることは確実だろう。

空を飛ぶドローンで十分なのに、なぜ地上用のドローンが必要なのか? ひとつの理由はバッテリー寿命だ。空を飛ぶドローンは、空を飛ぶからこそ運用時間が短い。さらに重いカメラやレンズがバッテリー寿命の短さに貢献する。ドローンが上空からの視点を諦めて地上を走ることにしたら、もちろん運用時間は長くなる。

さらに重要なのは、地上を走るドローンはおそらく空撮が不可能な場所でも利用できることだ。安全点検のために、施設や機器装置の内部や下を走らせることができる。住宅の点検もその例のひとつだ。また、人がいるところでは離陸と着陸を頻繁に繰り返すドローンは危険で使いづらい。

おそらくDJIは蓄積されたドローンの経験から、市場にはたくさんのニッチが存在していること学んだのだろう。しかもドローンの普及によって人々は、どんなところでも自動ロボットで撮影できるはず、と考えている。たとえばDisrupt Berlinで優勝したScaled Robotics(スケールロボテックス)は、骨が折れる建設現場の点検を自動化する。

関連記事: Scaled Robotics keeps an autonomous eye on busy construction sites…建設現場を自動運転で監視するロボット(未訳)

実のところ、DJIにはすでにRoboMaster S1という地上型ロボットがある。それは教育玩具に近いものだが、その使われ方の中には今回の地上型ドローンの開発のヒントになったものが、きっとあるのだろう。

この小さな車が本当に市販されるのか、それはまだわからないが、カメラを搭載した小さな自動運転車が、家やオフィスで本格的な仕事をこなす可能性を、本気で考え始める契機にはなるだろう。

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Uber、タクシー風の屋根看板のデザインをイブ・ベアールに依頼

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ご存じの通り、有料の乗客を運ぶ車の屋根にはライトアップされた大きな看板が乗っている。これは世紀の大発明というわけではない。街中を走る黄色のチェッカー柄の車の屋根にも似たようなものが乗っているのを見ればわかる。それでも、Uberの新しい特許は、ユーザーがうっかり赤の他人の車に乗ってしまうことを防げるかもしれない。

Uberの新たに受理された「発光するサイネージ装置」特許は、薄くて軽いライトアップされた看板で、「車両の屋根または適切な大きさのモバイル環境」に掲示することを目的としている。Uberが最初に特許申請したのは2014年で、今週ついに認可された。これで同社のロゴは多くのドライバーのダッシュボードにある小さな表示より、ずっと目立つようになる。

もちろん、会社が特許を出願したからといって近い将来道路がUberのタクシー看板で溢れることは当分ない(永久に、かもしれない)。しかし、それでも注目すべきなのは、Travis KalanickとShalin Aminという見慣れたUberの名前のすぐ下に書かれた名前だ。

イヴ・ベアールは、もちろんその道では知られた名前だ。過去数十年間にこのスイス人デザイナーは、JawboneのJamboxやOLPCのグリーンとホワイトのXOノートPC等象徴的なハードウェアデザインをいくつも手がけてきた。そしてこのベビーベッドロボットを忘れることはできない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

CRISPR-Cas9の特許権を巡る口頭弁論、いよいよ来月開始

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驚異の遺伝子編集技術であるCRISPR-Cas9の特許権の所在を巡る、口頭弁論の始まる日程が決定した。

バークレーのJennifer Doudnaと彼女の同僚でマックス・プランク研究所のEmmanuelle Charpentierは12月6日に裁判所へ出廷、MITのFeng Zhangと対峙する。彼女たちは米国特許商標庁の3人の審査員の前で、なぜZhangではなく自分たちが特許権を持つにふさわしいか、その論拠を提示する予定だ。その特許は、すべての遺伝性疾患を根こそぎ根絶できる可能性を秘めている。

CRISPRに関しては幾つかの特許が存在しており、MITはそれらにおける最大のシェアを誇っている。しかし、DoudnaとCharpentierはそのうちの特定の特許に対してのクレジットを主張しており、それは彼女の示した、CRISPR Cas9システムを使えばバクテリアのDNAを編集できるという成果に基づいたものだ。

しかし、MITによると、Zhangはその一歩先を行き、ヒト細胞においてDNA編集が可能であることを示した。

Doudnaと彼女のチームによると、それは論理的な帰結であり、それ自体が彼女の仕事に基づいたもので、その特許の根拠となる彼女の思いついたアイディアから十分に異なっているとは言えない、と主張している。

これまで血なまぐさい争いが続いており、そこには何千万ドルもの費用がつぎ込まれてきたが、この抗争の決着がつくのには、まだ何年もかかるかもしれない。

しかし、この争いに関しては単に業績のクレジットがかかっているだけではない。 CRISPRは、産業界全体を変革させる可能性を秘めており、CRISPRを使うことで、ガン、糖尿病、パーキンソン病および他の多くの衰弱性疾患を、それが遺伝性疾患である限り、一掃できる可能性があるのだ 。そしてその技術のライセンス権を保有する人にとって、それは数十億ドルの価値があるのだ。

これらの訴訟を行う命令は4ページの手紙として11月5日付けで発表され、それについてはここで読むことができる。訴訟は一般に公開され、バージニア州・アレクサンドリアに拠点を置く審査員たち(訳注、アレクサンドリアは米国特許商標庁の所在地)がそれぞれの当事者を尋問し、主張の整合性を詳しくチェックすることになる。
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(翻訳:Tsubouchi)

Microsoftがファイルストレージ技術の特許をGoProにライセンス提供…株価は敏感に反応

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Microsoftが今日(米国時間2/5)、同社のMicrosoft Licensing LLCGoProが、“特定のファイルストレージとそのほかのシステム技術”に関して協働的な特許ライセンス契約を結んだ、と発表した

Microsoft Technology Licensingの社長Nick Psyhogeosが、今日の極端に短い発表声明の中でこう述べている: “GoProとのこの合意は、特許契約によって非常に幅広い技術共有が可能になることを示している。パーソナルなウェアラブルの技術をMicrosoftがライセンスするのは、目の前に大きな需要があるからであり、そのために弊社はあらゆる業界の企業とパートナーして、彼らの世界中の顧客のためのソリューションの、最適化を図っていきたい”。

契約の条件は公表されず、MicrosoftからもGoProからも、この基本的な声明文以上の詳細は共有されていない。たとえば、具体的にどのパテントのことかも、明らかでない。

ただしMicrosoft Licensingはかねてから、exFATファイルシステムを、ライセンス可の技術として明示的に挙げているので、今回の合意の中身はこれかもしれない。このファイルシステムを使うと、32GBから256TBまでのストレージメディア上により大きなファイルを保存できる。GoProの最新機種では、最大128GBまでのSDカードを使える。それより大きなカードのためには、GoProはすでにexFATフォーマットを使っているが、64GB以下の小さなものでは古くからのFATフォーマットを使用している。ただしFAT32のディスクでは最大ファイルサイズが4GBなので、ファイルを分割して保存する。

Microsoftに今回の契約に関する詳細情報を求めたが、同社は礼儀正しく断った。“プレスリリースあるもの以上に共有できるものはございません”、と言って。

詳細情報がないにもかかわらず、株式市場は今日の発表にきわめてポジティブに反応した。GoProは時間外取引で5%以上上げたが、今週発表された決算報告がアナリストの期待を裏切るものだったために下がった10%を、回復するほどではなかった。

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Google Glassの片めがね(モノクル)バージョンが特許を取得

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Google Monocleに心の準備をしておこう。合衆国特許商標庁はGoogleに、Google Glassの今後のバージョンと思われる製品に対し、新たな特許を認めた。それはMonocle(モノクル、片めがね)の名の通り、レンズが左右両方ではなく、片方しかないグラスで、耳ではなく、ヘアバンドで頭に装着する。

特許文書から引用しよう:

バンドの側面をユーザの頭の、こめかみの位置と、それに続く耳の位置、そして第三の接触位置として、頭の後部に接触するよう調節する。

バンドがこの三点でしっかり保持されるようになったら、グラスはその位置を維持する。問題は、このデバイスに対する世の中の関心だ。

思い出せば、Googleは1月にグラスの販売を中止した。その後同社は、このデバイスの開発を、中止ではなく“一時的に休止する”と発表した。

3月になると、本誌も報じたように、Googleはグラスの新しい市場開拓を開始した。とりわけGoogleは、グラスのユーザおよび売り先として、一般消費者ではなく企業を選んだ。

しかしその後は音沙汰がない。Googleがソフトウェアやハードウェアの改良を今でも続けているのか、それも分からない。でも今日の新しい特許を見ると、GoogleがGoogle Glassをまだあきらめていないことが分かる。

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参考記事

出典: The Next Web

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple、様々な表面への手書きを読み取るスタイラスの特許を取得


今日(米国時間12/30)、USPTO(米国特許標局)に登録されたAppleの特許には(via AppleInsider)、新しいタイプのスタイラスに関する詳細が記載されている。このスタイラスはユーザーが様々な表面に書く手書き入力をキャプチャーすることが可能で、ペン先を交換することによって紙やホワイトボードに加えiPadのタッチスクリーン上に書くこともできる。

このスタイラスは加速度計等のモーションセンサーを利用して移動を追跡し、紙に押しつけられたり、ケースから取り出されたことを検出して起動するため、電力消費を抑えられる。データ送信はリアルタイム、あるいはバッテリーを温存するために一定期間ごとに行うこともでき(一部のフィットネストラッカーと同様の方式)。

特許資料によると、このスタイラスはペンがテーブル、壁あるいは何もない空中に対して使用された時にも、内蔵3Dモーションセンサーのおかげで手書き入力を正確に記録することが可能だ。入力結果をリアルタイムに複数の画面へ反映されることができるため、教室や、少人数のリアルタイム会議のメモなどへの応用が考えられる。

資料には、ペン先を変えて様々な材質の表面に書くために方法が詳しく書かれており、ノートにインクで書いたり、鉛筆書きをしたり、ホワイトボードにマーカーで書いたりできる。静電容量チップを使えば従来のスタイラス同様、iPadやiPhone等の端末でも使用できる。

Appleのスタイルス特許はこれが初めてではない ― 最初の特許は2010年1月に出願されている。本特許に含まれるテクノロジーの中には、実現がやや難しいものもあり、まさにこのタイプの製品を作っているLivescribeという会社でさえ、効果的な利用のために専用メモ帳を必要としている。しかしAppleがこの分野に資源を投入することの意義は大きく、特に噂される12インチiPadにはスタイラス似合いそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Appleがフレキシブルディスプレイの多機能化で特許…ボタン、マイク、スピーカー、MacBookの蓋オープナーにもなる

AppleInsiderによると、今日(米国時間8/26)Appleが新たに認可された特許は、フレキシブルディスプレイで使用するさまざまなコントロールの仕組みを記述しており、それらは従来の物理的なボタンなどに代わって、より丈夫で耐久性のある方式を提供し、またマイクロフォンのようにサウンドを検出させたり、ユーザがフィードバックを触覚的に行えたり、あるいはMacBookの蓋をより開けやすくするなど、さまざまなトリックを仕組むことができる。

Appleのこのパテントは、フレキシブルディスプレイを使っていろんな入力を行う方法を長々と説明していて、フレキシブルディスプレイをアクチュエータの上に重ねればオンデマンドのボタンなども作れる、とも言っている。また今のiPhoneのHomeボタンのような物理的ボタンに重ねると、ボタンの使用がふつうにできると同時に、保護機能と表面(おもてめん)全面を連続的な面としてユーザに提供できる、という。

このようにフレキシブルディスプレイでボタンやスイッチを覆うと、別の利点もある。つまり、画面のスペースを拡張して面全体がディスプレイであるようなデバイスを作れると同時に、必要になればボタンなどを露呈できる。それらはアクチュエータがディスプレイ層の下にあっても、従来の物理ボタンのように突起したボタンにすることもできる。すると結果的にそれは、フラットで透明なディスプレイカバーから物理キーボードが現れるTactusキーボードのようなものになる。

全面がフラットなディスプレイだと思っていたら、なぜかボタンが突起してくる、という仕組みはクールだし、視覚に障害のある人にとっては絶対に便利だが、もっとクールなのは、ディスプレイ面があるときはスピーカーの振動膜になって音が出る、という使い方だろう。いや、音の入力に使われるときにはそれは、音を拾うマイクロフォンの振動板だけど。

この特許はディスプレイを超多機能化してスペースを稼ぐ、というタイプだから、将来のiPhoneやiPadなどで使われるのだろう。しかしそれと同時に、この技術をMacBookのトラックパッドに応用すれば、単なるフラットな面の一部を突然突起させることによって、このノートブック機の蓋を開けやすくする、という記述もある。蓋の開け閉めにこの方法が使われれば、今のモデルにある細い溝はいらなくなる。

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Apple、プッシュ通知を表示できるiPadのSmart Coverの特許を出願

AppleInsiderによれば、AppleはiPadにSmart Coverをしたままで各種のプッシュ通知が表示されるようにする特許を出願中だ。通知の表示はSmart CoverにLEDなどの発光素子を組み立むアクティブ方式とSmart Coverの一部を透明化してiPadの画面が見えるようにするパッシブ方式の2種類が出願されている。

アクティブ方式の場合、Smart Coverの表面に埋め込まれたアイコンが発光してユーザーに通知があることを知らせる。メール着信の場合は封筒のアイコン、メッセージの場合は吹き出しのアイコンといった具合だ。また通知の重要性に応じてアイコンの位置や色を変える。一方、透明パネルを利用する方式はiPad自体のスクリーンが利用できるのでさらに表示の柔軟性が高い。この場合は、単にメッセージやメールを受け取ったことを知らせるだけでなく、その通知に関連するコンテンツも表示できる。たとえばカレンダーから予定されたイベントの通知を受けた場合、イベントの内容や参加者も表示できる。

アクティブ方式の場合は電源が必要になるが、Appleの特許はこれに対して2つの方式を提案している。Smart Coverを本体に接着させている磁石をMagSafeアダプターのようなタイプに変更し、電力を供給できるようにするという案と、Smart Coverに電磁誘導充電機能をもたせ、iPadないし他の外部機器で充電するという案だ。透明パネルを利用する方式は電源を必要としないという大きな利点がある。

この改良型Smart Coverは既存のものと同様の折りたたみ式デザインで、従来通りiPadのスタンドとして利用できる。Smart CoverはiPadでもっとも人気のあるアクセサリーの一つだし、こうした改良が加えらればユーザーには便利だろう。ただし、電力消費や製造コストの問題が考えられるので、すぐに製品化されるかどうかは不明だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AppleがLiquidMetal(液状金属)とサファイアガラスを使うモバイル製品製造技術で特許を取得

Appleが今日(米国時間5/27)、LiquidMetalとの独占ライセンス契約を更新した。そしてAppleInsiderによると、同社はこの、プラスチックのように振る舞う相当風変わりな合金を、サファイアガラスなどガラス製のディスプレイと組み合わせて使う技術に対し、特許を認められた。この特許は、ディスプレイをLiquidMetal製のデバイスケースに溶接する技術を記述しているので、未来のiPhone、iPad、そしてiWatchの外殻はLiquidMetal製になるのだろう。

この特許によって、Appleが将来の製品に実際にLiquidMetalを使うんだな、という感触がよりはっきりしてきた。次に出るiPhone 6でサファイアガラスが使われる、という噂は前からある。AppleはGT Advanced Technologiesと協働してサファイアガラスの大量生産プラントを国内に作るつもりだ。ということはもちろん、この素材を将来の製品で使うということ。サファイアガラスはとくに、擦過耐性がきわめて高い。Corning製のゴリラガラスよりも、擦過に対して強いのだ。

LiquidMetalは、iPhone 5など、これまでのiPhoneで使われると噂されていたが、実現はしていない。すでに軍用や医療用では実用化されている素材であり、一部の消費者製品にも使われている。プラスチックよりも強度があり、すり減ったり、腐食したりしない。それでいてプラスチックのような弾性があるので、弾力のあるボールベアリングが作られたりする。消費者電子製品では、製造工程を効率化するとともに、消費者製品の寿命を延伸する。

サプライチェーンからはまだ何の音沙汰も漏れてこないから、次のiPhoneでLiquidMetalが使われることはないだろう。でもAppleがこの技術に本腰であることは、あらためて明らかになったし、しかも特定の(具体的な)素材がからむ特許まで取得している。サファイアガラス+LiquidMetal製品の開発が、着々と進んでいることは、ほぼ確実である。

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Appleがソーラーパネルとタッチディスプレイの一体化で特許を取得

Appleが最近取得したパテントは、モバイルデバイスが太陽光発電を利用する未来に向かうための一歩だ。AppleInsiderによると、この特許は、従来のタッチパネル表示装置とソーラーパネルの配列を一体化する技術だ。すなわち、可撓性のあるディスプレイモジュールと太陽光発電装置が一つになるので、スペースを節約でき、デバイスのさらなる小型化という近未来の要請にも対応できる。

同社は、この前にも類似の技術で特許を取得している。しかしその特許では、タッチを感取する面が表示装置でもある、とはなっていない。ただ、タッチ面とソーラー面の同一を記述しているだけなので、用途が限定される。

今回の特許では、ソーラーセルがタッチセンサの部位兼ディスプレイの部位から顔をのぞかせることになるので、そのための(太陽光を通すための)技術が鍵となる。たとえば表示面にピンホールを並べるとか、光ファイバを使って光を導く、といった方法がありえるだろう。

AppleがiPhoneやiPadのソーラー化を真剣に考えているのなら、この特許はそれらのための喫緊の技術になる。しかし今のソーラーセルの性能と、高品質なディスプレイを備えたモバイルデバイスの電源要件を対比させると、完全にソーラー化されたiOSデバイスの登場はまだまだ先の話、とも思える。ただし、電池寿命を延命させるための補助的技術としてなら、もしかして…。

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AppleとGoogle、相互の特許訴訟を終結させることで合意―「特許制度改革のために協力」

今日(米国時間5/16)午後、AppleとGoogleは「相互の直接の訴訟をすべて取り下げることで合意した。今後両社は特許制度の改革のために協力」していく」という声明を発表した。

これは両社にとって巨大な方針転換だ。両社はAndroid問題にかぎらず、音楽販売から生産性ツール、クラウドストレージ、モバイル・アプリ・ストアまであらゆる分野で競争している。GigaOmが情報源から聞いたところでは、この合意によっておよそ20件の訴訟が取り下げられるという。

発表された声明は以下のとおり。

AppleとGoogleは両者間で直接お互いを相手方とする現在提訴されている訴訟をすべて取り下げることで合意した。また、AppleとGoogleは一部の分野における特許制度の改革でも協力していくことで合意した。この合意にはクロスライセンス契約は含まれていない。.

この合意は対象が限定されており、依然として両社は互いのコア・ビジネスに打撃を与えるような訴訟を起こし、あるいは続行することが可能だ。たとえばAppleはGoogleと密接に協力している会社、あるいはGoogleの製品を製造している会社を訴えることができる。

そうはいっても、この両巨人間のデタント(緊張緩和)は注目に値する。テクノロジー分野では特許訴訟が日常茶飯事となっている。AppleとSamsungの訴訟は最近、Samsungに何億ドルもの賠償金を課す結果になった。この合意は将来の訴訟を禁じていないので、両社が全面的に和解したとはとても言えない。しかし、両社にとって大きな重荷となっている現在の訴訟を過去のものとすることで争いのレベルを下げようという努力していることは見てとれる。

この合意が司法省の反トラスト政策にどういう影響を与えるか注目だ。

IMAGE BY FLICKR USER Martin Bowling UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)

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Appleはメッセージ入力中に相手のプロフィール写真を大きく表示する特許を取得していた

AppleInsiderは、Appleがアメリカ特許商標局(USPTO)から新しい特許の承認を受けていたことを見つけ出した。この特許はテキスト・メッセージを入力中に相手を間違えないようにするためのものだ。間違った相手にSMSのメッセージを送信してしまうほど最低な失敗はない。取り返しのつかない惨事を招く場合さえある。

Appleが特許を取ったシステムでは、テキストを入力に送信相手の写真を背景に大きくはっきり表示する。これならどんなにうっかりしていても今、誰に向かって送信しようとしているのか忘れる気づかいはあるまい。

グループ・チャットの場合はグリッドか横スクロールで全員の写真が表示される。さらに最後にメッセージを受けた相手をカラーで、他の相手をグレーアウトするなどのコミュニケーションを助ける機能も追加される。

相手の写真が得られない場合は男女別のシルエットが表示される。これでも多少は自分が送信しようとしている相手の属性を知る助けになる。またこの特許では、APIを通じてサードパーティーもこの機能を利用できるとしている。

テキスト・アプリの場合はDMほど間違いを犯しやすくないが、 それでも間違うことはあるし、その結果も同じくらい壊滅的だ。Appleは従来の可能な限りシンプルなUIという方針をある程度犠牲にしても、機能を優先することにしたようだ。それでもどぎついフルカラーで直接画像を表示するようなやり方は避け、透明性をコントロールするというような繊細なデザインを採用している。Appleの特許の通例で、すぐに実際の製品に採用されることはなさそうだが、Appleがユーザー体験のコアとなるような部分でも日々小さない改良を重ねていることのもうひとつの証拠といえるだろう。

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スタートアップに朗報! 特許料が3分に1に軽減されることが決定、4月以降

スタートアップに朗報だ。中小・ベンチャー企業が国内で特許を出願する際にかかる費用が約3分の1になる。経済産業省が1月14日に発表した。特許庁によれば、平均的な内容の国内・国際出願で約60万円かかる特許料が21万円程度に軽減されるという。軽減措置は2014年4月以降に審査請求が行われた場合に適用され、2018年3月までの時限措置となる。

軽減措置の対象となるのは、従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)で事業開始から10年未満の個人事業主、および従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)で設立後10年未満、資本金3億円以下の法人。法人については大企業の子会社など支配法人のいる場合は対象外となる。

特許庁によれば、日本における特許出願総数のうち、中小企業・個人による出願は全体の12%と、米国の25%と比べて半分以下にとどまっている。スタートアップにとって、優れた特許を持っていればライセンス契約で収益を得たり、事業売却時の有利な武器にもなる。「日本の特許料の水準は日米欧中韓の5大特許庁の中でも最も低い料金水準になる」(特許庁)とのことなので、特許の裾野が広がることが期待される。

photo by
Dick Johnson


Appleが曲面タッチスクリーンとディスプレイで特許を取得, 曲面iPhoneの噂はホンモノか?

Appleが曲面のタッチスクリーンディスプレイで特許を取得した、とAppleInsiderが報じている。その特許は、曲面のタッチ感応型ガラスを作るシステムを記述している。それは、ディスプレイが作り出す画像を変形歪曲することなくタッチ感応性を維持する曲面のスクリーン表面を作り、それをディスプレイやタッチ対応マウス(今のMagic Mouseなど)、タッチパッドなどのデバイスに利用できるもの、とされている。

Appleの技術が既存の曲面ガラス技術と異なるのは、後者が、ふつうの平面として作ったタッチサブストレートをガラス下面に貼り付ける、そのガラスがたまたま平面だったり曲面だったりする、という点だ。この技術では、ガラスが曲面の場合、タッチサブストレートとのあいだに空きが生じてタッチの感度が劣化することがある。

Appleの特許には、表面の曲率を部分的にを変える方法も含まれている。それは、一連の泡のようなものを配置するやり方で、ソフトウェアキーボードでキーの盛り上がり感を出すために利用できる。Appleのこの方法は、このほか、画面輝度や音量などをコントロールするボタンや、画面上の仮想マウスなどの実装にも利用できるだろう。実物マウスをまったく使わない、完全なタッチインタフェイスが完成するのだ。

AppleはLGSamsungのように曲面ガラスを使ったモバイルデバイスを作る気配をまだ見せていないが、これまでとは違ったスクリーンを作っているという噂はある。11月のBloombergの記事は、2014年にAppleは曲面ガラスを使ったiPhoneを出す、とまで踏み込んでいる。曲面ガラスに向いた良質なタッチスクリーンで特許を取ったことは、これらの記事を裏付けるものかもしれない。

曲面ガラスは一時的な流行になるかもしれないが、物珍しさ以外に実利的なメリットがあるのか、となると、いまいちピンとこない。でも今は、けっこういろんなところで研究開発が行われているから、その動向はとりあえず追うべきだろう。

曲面型iPhoneの画像: Ciccarese Design.

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、位置情報ベースの画期的セキュリティー設定システムの特許を出願

今日(米国時間8/22)、Googleはモバイル・デバイスのアンロック方法を大きく改良する可能性のある特許を出願した(Engadgetの記事)。

これはデバイスの位置情報センサーからの入力を利用してユーザーがデバイスを起動した位置によってセキュリティー設定を柔軟に変えるテクノロジーだ。家や職場のような安全な場所では簡単にアンロックできるようにし、逆に外出先などではセキュリティーを厳しくするといった使い方ができる。

このシステムは交通機関の中や喫茶店などで置き忘れたり盗まれたりした場合に許可を受けない第三者がデバイスアンロックしてユーザーのデータにアクセスするのを難しくするのが狙いだ。これは大いに便利な機能になりそうだ。現在の画面ロック・セキュリティーは安全性を第一にデザインされているので日常使いやすいとはいえないものが多く、結局利用されないという傾向がある。家の中や職場など、比較的安全性の高い場所では簡単にロック解除できるようにすることは、画面ロック・セキュリティーの採用を促すことになる。

この特許ではいわゆる「安全なエリア」を2つ設定し、3つのセキュリティ設定を登録することができる。つまり家庭、職場、それ以外といった3箇所にそれぞれ異なるセキュリティ設定ができるわけだ。これは同時に捜査機関、金融機関などセキュリティーが職業上決定的に重要な組織でも大いに役立つだろう。

位置情報を利用するこのようなコンテキスト・テクノロジーはGoogle NowやKeepの最新版などで最近Googleが熱心に追求しているものだ。将来は用途に応じて別々の携帯を使う必要が生じるかもしれない。大手テクノロジー企業はその方向で研究を進めているようだ。

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Apple、オーディオ・ハイパーリンクを開発中。音声ストリーム中に他のメディアへのリンクを埋め込む

Appleが新しいタイプの「オーディオ・ハイパーリンク」技術を開発している(特許申請資料による。 AppleInsiderより)。音楽などのオーディオトラック中に埋め込んだ可聴または不可聴音域の信号を使って他のメディアへリンクしたり、デバイス上で何らかの機能を実行する。これを使えば、iPhoneなどのデバイスはこのハイパーリンクに遭遇した際に、インターネットをブラウズしていて通常のリンクに遭遇した時と同じく様々な機能を果たすことが可能になる。

実用な使用例を挙げる。ポッドキャストにこの音声ハイパーリンクを埋め込んでおき、検知されると主要トラックの再生を一時停止し、そのポッドキャストの特定部分にジャンプしたり、ウェブ上の別の音声ストリームを再生したり、さらには別のアプリやウェブ上のビデオや別のサイトを開くこともできる。別のアプリを呼び出して購入画面を立ち上げるなど、Eコマースの機会をオーディオに埋め込むことも可能で、これはポッドキャストでアフィリエート収益を得たり、iTunes Radioユーザーにアプリや音楽の購入行動を促すのに最適だ。

現在Appleの「enhanced podcast」フォーマットを使って、これらの一部を実施することは可能だが、そのためのメタデータを追加し、ファイルをAACフォーマットで記録する必要がある。新方式は関連するリンクを音声ストリームに直接入れることができるため、ずっとポータブル性が高い。オーディオ・ハイパーリンクは、何らかの入力トリガーと結びつけることが可能なので、ユーザーが音声その他の方法でリンクをアクティベートしないと実行しないようにもできる。

この発明には、オーディオファイルに今日のマルチメディアリッチなモバイルプラットフォームにより適した真のインタラクティブ性をもたらす可能性がある。音声ポッドキャストでのメリットは明らかだが、この技術は音楽、ビデオ、さらには着信音などの通知にも応用できる。

この種のメディアフォーマットは、仮に明日導入されたとしても(比較的最近2012年に申請された特許であるため、まずあり得ない)、広く普及するまでには時間がかるだろうし、業界標準にならない限り大きく普及させるのは困難だろう。しかし、われわれがコンピューター機器と接する方法を基本レベルで変える可能性をもつものであり、今後の発展から目を離せない領域であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Appleが「消えるベゼル」の特許を取得―iWatchに応用か?

AppleInsiderによれば、Appleはユニークなベゼルの特許を取得した。これは超小型(iWatchなど)のデバイスのベゼルにタッチ機能を与えるだけでなく、タッチスクリーンの周囲に必要に応じてベゼルを出現させたり、消したりできる。

このテクノロジーにはどういう用途が考えられるだろう? たとえばiPad miniの場合、Appleはハードウエア全体の大きさを最小限にしながらスクリーンのサイズは最大限にしようと努力した。ベゼルが大幅に縮小された結果持ち歩きにはたいへん便利になったが、狭いベゼルのおかげで、スクリーンに触れずにiPadminiを持つことがたいへん難しくなっている。そのためユーザーはひんぱんに誤タッチに悩まされている。

今回の新特許を利用すれば、ベゼル部分の反応と見かけを変えることにより、コンテキストとユーザーのタッチ行動に応じて、デバイスにベゼルを出現させたり消失させたりできる。たとえばベゼルの1部分をさまざまな色で光らせたり、完全な透明から完全な不透明まで種々に変えたりできる。つまりベゼル部分に今まではまったく異なった高度な機能を持たせることができるわけだ。

このスマート・ベゼルはガジェットにさまざまな新たな可能性をもたらす。たとえばビデオの再生の場合にはベゼルを完全に消して、すべてをスクリーンとして使うことができる。フルスクリーン・モードはまず最初に考えつくこのテクノロジーの応用だ。

その他、スマートウォッチのような超小型のデバイスに必要に応じてベゼルを付け加えたり、消したりできる。Appleは最近“iWatch”を商標として日本、メキシコ、台湾などの出願している。おそらく近い将来、製品がリリースされるだろうが、そのスクリーンはiPodnanoより大きくははならないだろうから、ベゼル・テクノロジーの応用にうってつけだ。

超小型のスクリーンの面積を最大限に利用したい場合、アプリごとにベゼルのサイズと位置を変えることができる「消えるベゼル」は大きな効果を上げるはずだ。Appleの特許は取得から実際の製品になるまでかなりの時間がかかるのが普通だが、この特許はいち早く実用化される例となるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+