ツイッターがTikTok風リアクション動画によるリツイートをテスト中

誰もがTikTok(ティックトック)の魔法のおこぼれに預かりたいと思っている。

そこでTwitter(ツイッター)は、ツイートに対するリアクションを昔ながらの引用ツイートではなく、リアクション動画を奨める新機能のテストを開始する。これは実に「un-Twitterlike(ツイッターらしくない)」選択だが、このところ同社は積極的に新サービスの実験をしていて、今はなき消滅型ツイートのFleets(フリート)も安らかに眠っていることだろう

今のところテストはiOSのみで、ユーザーは「Quote tweet with reaction(リアクションをつけて引用ツイート)」をリツイートメニューから選ぶことができる。Twitterはこうしたリアクション動画を 「Tweet Takes」と呼んでいて、埋め込まれたツイートとともに再生される。楽しい機能だが、TikTokの動画リプライの派生物であるに違いない。TechCrunchはTwitterに連絡を取り、テストが行われている範囲と、Tweet Takesが正式サービスとして提供される可能性について質問した。

Twitterによると、テストはiOSユーザーの少人数のグループでのみ行っていて、フィードバックを見て今後の方針を決めるという。会社は、ユーザーに「もっとクリエイティブな形で自分を表現」して欲しいと言っている。これは同社の最近のテスト的な雰囲気とも一致している。

2021年12月、Instagram(インスタグラム)はTikTok風リプライ動画の独自バージョンとして、リールを使ってコメントする仕組みを追加した。リプライ動画によっていかにTikTokがインタラクティブでライブ感のあるものになっているかを考えれば、Instagramが自社のTikTokクローンにそのためのオプションを統合することは理に適っている。Twitterにとってはそこまで意味はないかもしれないが、これまでの何も変えずに何年も放置してうまくいくことを願うだけの戦略よりも「反応をみて考える」製品アプローチのほうがずっとよいと我々は思う。

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画像クレジット:Twitter

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ツイッターが約1210億円でモバイル広告プラットフォームMoPub売却を完了

Twitter(ツイッター)は米国時間1月3日、モバイル広告プラットフォームMoPub(モパブ)について、モバイルゲームメーカーでマーケティングソフトウェアプロバイダーのAppLovin(アップラビン)への現金10億5000万ドル(約1210億円)での売却を完了したと発表した。この取引は、Twitterが2023年までに売上高を75億ドル(約8650億円)超へと倍増させる計画を明らかにした後の2021年10月に発表されていた。MoPubはTwitterの2020年の年間売上高に約1億8800万ドル(約216億円)貢献したが、Twitterは現在、製品開発を加速させる中で他分野の開発にさらなる可能性を見出している。具体的には、パフォーマンスベースの広告、SMB、コマースにリソースを振り向けているとのことだ。

Twitterは1月3日、自社が所有・運営する製品の開発をさらに進める計画を改めて示した。

「MoPubの売却が完了し、当社は引き続きプラットフォーム全体の広告強化に注力します。当社の目標は、主要分野でより速い成長を実現し、製品開発を加速させることです」と、Twitterの収益製品担当GMであるBruce Falck(ブルース・ファルク)氏はプレスリリースで述べた。

TwitterのCFOであるNed Segal(ネド・シーガル)氏は以前、MoPubの売却により、Twitterがいかに同社のウェブサイトやモバイルアプリにおける「広告の大きな可能性」に集中できるようになるかを指摘していた

しかし今回の取引は、Twitterにとって広告だけでなく収益モデルを拡大できる新しい分野に投資する機会でもある。同社はここ1年ほどでTwitter Spacesという音声チャットルーム、ニュースレター(Revue買収による)、オンラインコミュニティ、誤情報を暴くプロジェクトBirdwatch、有料サブスクサービスTwitter BlueSuper Followやチップなどのクリエイターエコノミーツールと機能、暗号資産ライブショッピングなどのeコマースなどを立ち上げ、製品開発のペースを大幅に加速してきた。これらの製品を組み合わせることで、Twitterは、例えばチケット制イベントやサブスクの手数料など、新たな方法で売上を求める機会を増やすことができる。

MoPubの売却は、Apple(アップル)がモバイルオペレーティングシステムiOSの最新版で実施した変更によってモバイル広告業界が動揺していた時期に行われたものでもある。Appleの新しいプライバシー重視のツールにより、より多くの消費者がアプリや広告主による追跡をオプトアウトできるようになり、TwitterにとってMoPubのようなビジネスはさほど興味深いものでなくなっている。しかし、AppLovinは、MoPubの需要側と供給側のツールを、より大きなアプリ内メディエーションプラットフォームであるMAXに活用し、その後パブリッシャーと需要パートナーを統一プラットフォームに移行し、さらにビジネスを成長させすることにチャンスを見出している。同社は、2023年までに年間150億ドル(約1兆7300億円)以上の広告主支出の処理を見込んでいると話す

AppLovinによると、買収当時、MoPubのソフトウェアは4万5000のモバイルアプリで収益化の管理に使用され、特定可能なユーザー数は世界中で15億人に達した。現在では、数千のブランドや代理店を代表する150以上のDSPがAppLovin Exchangeに直接アクセスできるようになっている、とも話す。

「開発者は、より高い収益化の機会を促進し、ワークフローを合理化するためのより多くの機能の恩恵を受けていて、これはビジネスの収益増につながります。この統一プラットフォームの力は、今日の市場において比類のないものになると確信しています」とAppLovinの共同創業者でCEOのAdam Foroughi(アダム・フォルーギー)氏は声明で述べた。「より広範なモバイルアプリのエコシステムの成長を促進する、最大かつ最も堅牢なアプリ内広告プラットフォームの運営を目指し、この戦略的買収を実行することに興奮しています」。

この買収は2022年初めに完了するとされていた。

Twitterは1月3日、ネットワークメディエーション、Advanced Bidding、Marketplaceを含むMoPubのプラットフォームが2022年3月31日に廃止されることも明らかにした。MoPub DashboardとReportingは2022年4月8日まで利用可能だ。パブリッシャーは廃止から90日間内にMoPubプラットフォームからAppLovinのMAXプラットフォームへ移行することになる。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッター、米議員の個人アカウントを新型コロナ誤情報規約違反で使用禁止に

Twitter(ツイッター)は、米国のMarjorie Taylor-Greene(マージョリー・テイラー・グリーン)下院議員(共和党、ジョージア州)の個人アカウントを「新型コロナウイルス誤情報規約に繰り返し違反したため」永久停止したと発表した。同氏の政府公式アカウントは引き続き有効だ。

グリーン下院議員は、パンデミックに関連すると思われる記事や統計情報を盛んに投稿・拡散していたが、多くは誤解を招いたり、完全に間違っていたりした。これはTwitterが超えてはならない一線を引いたトピックの1つだ。ウイルス、感染経路、ワクチンの効果などに関する誤った情報は公衆衛生に重大な影響を及ぼすためだ。

Twitterの新型コロナ規約の概要はこちら。同社は声明で「我々は、この規約のストライクシステムに従い、繰り返し規約に違反したアカウントを永久停止することを明確にしてきました」と述べた。

永久停止の前の2021年には、短期間のアカウントロックと警告が複数回発生し、報告されていた。グリーン氏はその際「言論の自由」が侵害されていると訴えていた。Twitterが民間が所有・運営するプラットフォームで、ルールを明確に示しているにもかかわらずだ。同氏は米国時間1月2日朝の声明で最後の苦言を呈した。「Twitterは米国の敵で、真実を扱うことができません。いいでしょう。奴らは米国に必要ないことを教えてあげましょう。敵を倒す時が来たのです」。

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この声明が、同氏が必要ないと主張する「敵」プラットフォームの利用を、自身が中止することを意味するのかどうかは不明だ。同氏の米議会の公式アカウントは、1週間前から使用されていないものの、オンライン上に残っている。このアカウントも同氏の違反行為によって危険にさらされているのか、Twitterに問い合わせた。回答があればこの記事を更新する。

Twitterは、暴力の扇動、虚偽情報や個人情報の公開、パンデミックに関する虚偽情報の拡散に関する規則に違反した非主流派に対して、定期的に停止措置を出している

本件は進展を続けている。後ほど更新の有無を確認して欲しい。

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画像クレジット:Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nariko Mizoguchi

2021年の米企業ニューストップ5:ベゾス氏の退任、Salesforceの共同CEO就任など

消費者側と比べると、企業側の取材はなんだか退屈だという間違った印象を持たれがちだが、これまで数十年にわたってこの分野を追いかけてきた筆者からすると、これほど真実から遠く離れたものはないと断言できる。

理由の1つは、金額が大きいということだ。例えば、Oracle(オラクル)はCerner(サーナー)を280億ドル(約3兆2200億円)で買収すると米国時間12月20日に発表してヘルスケア業界を揺るがした。UiPath(ユーアイパス)は無名のスタートアップから、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の絶対的な存在にまで成長した。上場後に少し下落したが、2021年初めには350億ドル(約4兆円)のバリュエーションがついた。

策謀もある。例えば、アクティビスト投資家が、企業が通常なら好まないような動きを強いる試みや、2021年にBox(ボックス)で見られたような取締役会の主導権争いなどだ。

ドラマもある。100億ドル(約1兆1500億円)規模の国防総省のJEDIクラウド契約をめぐる、世界最大の企業向けクラウドインフラ企業同士の3年にわたる戦いがその例だ。この調達プロセスでは、訴訟、度重なる審査、大統領の干渉などあらゆることが起こった。

つまり、企業の話題は多い。が、つまらないだろうか。決してそんなことはないと思う。2021年も例外ではなかった。そこで、2021年の締めくくりに、企業を揺るがした5つのストーリーを紹介する。12カ月にわたるニュースを5大ストーリーに絞り込むのは難しいが、筆者が選んだのは以下の5つだ。

アマゾンのベゾス、ジャシー、セリプスキーのイス取りゲーム

2021年最大のニュースは、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏がCEOから退き、会長職に就くと決意したことだろう。Amazon(アマゾン)はeコマース企業で、必ずしも筆者の担当範囲ではなく、このこと自体は企業に大きな影響を与えるものではなかったが、その後に起こったことがある。

ベゾス氏が発表した2月のその日に、後任にAmazon Web Services(アマゾンウェブサービス)のCEO、Andy Jassy(アンディ・ジャシー)氏を選んだことも明らかになった。ジャシー氏は、Amazonのクラウドインフラ事業を巨大なビジネスに育て上げ、直近の四半期で年換算売上高640億ドル(約7兆3600億円)を突破させた人物だ。

ジャシー氏の後任探しは簡単ではなかったが、旧知の人間に目をつけ、Tableau(タブロー)のCEO、Adam Selipsky(アダム・セリプスキー)氏を後任として雇った。同氏はAWSの創業時から2016年まで在籍していたが、Tableau移籍時に退職した。今は列車を走らせ続けることが仕事だ。同氏には勢いがあるが、競争はますます激しくなっている。セリプスキー氏のリーダーシップの下、2022年どうなるかは注目されるところだ。

Salesforceブレット・テイラー氏、絶好調の1週間

もう1つの話題は、Salesforce(セールスフォース)幹部のBret Taylor(ブレット・テイラー)氏が、11月末の同じ週に2つの大きなポジションを手に入れ同氏にとってかなり甘い1週間となったことだ。まず、Twitter(ツイッター)の取締役会長に就任した。それだけでは物足りなかったようで、Salesforceの共同CEOにも就任した。2016年に自身の会社であるQuip(クイップ)が7億5000万ドル(約860億円)でSalesforceに買収されて以来、同社で急速に出世した。

Twitterでは長年CEOを務めたJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が退任し、Parag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏が就任するという騒ぎがあった。その一方で、テイラー氏がCRM大手の共同CEOに就任したことは、企業という視点からは明らかにより大きなニュースだった。The Informationは、テイラー氏が引き続きSalesforceの共同創業者で会長兼共同CEOのMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏に報告すると報じた。テイラー氏はこの昇進により、もし2021年初めのベゾス氏と同様にベニオフ氏が会長職に退くと決めれば、ベニオフ氏の後継者になる可能性が出てきた。2022年に考慮すべきもう1つのストーリーは、Salesforceが2016年に検討し、その後立ち消えになったTwitter買収を再検討するかどうかだ。

BoxとStarboard Valueの委任状争奪戦

Boxは、アクティビストファンドであるStarboard Value(スターボードバリュー)による取締役会乗っ取りの試みを退けた。この動きは、共同創業者でCEOのAaron Levie(アーロン・レビー)氏の解任、会社の売却、またはその両方をもたらす可能性が高いものだった。数カ月にわたるドラマは最高潮に達し、2021年の主要な企業ニュースとなった。

アクティビストファンドであるStarboard Valueは、2019年にクラウドコンテンツ管理会社であるBoxの株式を7.5%取得し、その後8.8%にまで増やし、同社に対しかなりの影響力をもつことになった。しばらくは静観していたが、2020年、意を決し、取締役会を引き継ぎたいとBoxに通告し、委任状争奪戦が繰り広げられた。

この間、BoxはKKRから5億ドル(約575億円)の出資を受け、Starboardをさらに怒らせた。また、Starboardの役員候補に対抗する文書をSECに提出し、議決権保有者が最新の業績を見ることができるよう決算報告を早めに発表した。幸運にも、同社はStarboardが動いた後、2四半期連続で好成績を収め、委任状争奪戦にあっさり勝利し、今のところ現状を維持している。2022年に何が起こるか。筆者が書いたように、おそらくBoxが大胆な行動を起こす時が来た。KKRの資金の一部を使って隣接する機能を買収するのではないか。

国防総省がJEDIを廃止し、新たなクラウド構想を発表

100億ドル(約1兆1500億円)の10年にわたるJEDIクラウド契約は、2018年に発表されたその日から、ドラマに満ちていた。その間、筆者は関連する記事を30本以上書いていたので、2021年ついに国防総省がそれを潰すと決めたときは、大きなニュースだった。

当初から、これまでの常識では、Amazonが勝つための契約だと言われてきた。RFP(事業者公募書類)がAmazonを意識して書かれているという不満もあったが、最終的に契約を獲得したのはMicrosoft(マイクロソフト)だった。だがAmazonは、前大統領がWashington Post(ワシントンポスト)紙のオーナーでもあるAmazonのCEOであるジェフ・ベゾス氏を個人的に嫌っていたため、調達プロセスに直接介入してきたとして、裁判に訴えた。また、Amazonは、実力では自社が勝つとも主張した。

Amazonは2020年2月、このプロジェクトを保留にするよう判事を説得することに成功した。プロジェクトが再開されることはなく、国防総省は7月に新しいプロジェクトに移行することを決めた。また、2018年から技術が変わったとし(これは事実)、新しい構想ではJEDIで追求した勝者総取り方式ではなく、マルチベンダー方式で進めることを賢明にも決定した。

DellがVMwareをスピンアウト

2015年にDell(デル)がEMCを670億ドル(約7兆7000億円、後に580億ドル[約6兆6700億円]に修正)で買収したとき、それはテック史上最大の取引であり、長年にわたって追いかけて書くべき、もう1つの凄い話だった。VMware(ヴィエムウェア)はこの取引で最も価値ある資産であったため、筆者のような企業記者たちは、Dellがそれをどうするつもりなのか、目を光らせていた。しかし、2021年の初め、Dellが90億ドル(約1兆350億円)規模のスピンアウトを発表し、大きな話題となった。

EMC買収による多額の影響がまだ帳簿に残っていることを考えると、少し小さい金額のような気もした。来年はどうなるのだろうか。Dellから解放されたVMwareをどこかが買収する可能性はあるのだろうか。Dellは依然として大株主であり、EMC買収にともなう負債残高もまだ多額にのぼるため、2022年には間違いなく注目される存在になるはずだ。

5つだけ選ぶのは難しい。どうしても価値あるストーリーを外してしまう。あなたなら何を選ぶだろうか。コメントで教えて欲しい。

画像クレジット:EschCollection / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

TikTokは2022年、世界第3位のSNSになる

最新の予想によると、TikTokがFacebookとInstagramに次いで、世界で3番目に大きなソーシャルネットワークになる。Insider IntelligenceeMarketerから社名変更)によると、2022年のTikTokの月間ユーザー数が7億5500万になると予想している。TikTokの成長率は2020年が59.8%、2021年が40.8%だった。

Facebookは、同社の直近の決算報告によると月間アクティブユーザー(MAU)数は29億1000万で、前年比6%の増だった。Instagramの最近のリークによると、月間ユーザー数は20億を超え、2018年6月の10億という記録的数字をはるかに上回った。

しかし、Insider Intelligenceの予想は同社自身の2022年の予想に基づくものであり、独自の計算方法を使っている。MAUの同社独自の定義は、企業によって異なっていることもありうる。たとえば同社は、カレンダー上の各年で一貫して1カ月に1回以上ログインしているユーザーを数え、そこからできるかぎりフェイクアカウントを取り除く。この方法により、調査のクライアントには、各プラットフォームの有意な比較が提供されることになる。

このような推計方法によると、Facebookの月間ユーザー数は2022年に21億に達し、次がInstagramの12億8000万となる。それに続くTikTokは7億5500万になり、SnapとTwitterを上回る。

画像クレジット:Insider Intelligence

TikTokはここ2年間で、急速に成長している。

アプリに関する情報を提供するSensor Towerによると、2020年第1四半期、App StoreとGoogle Playを合わせてTikTokアプリのダウンロード数は20億回を超えた。App Annieのレポートでは、2020年のTikTokの成長率は325%で、月間の消費時間も他のどのアプリよりも急速に成長した。米国における65%も含め、Facebookを超えている。

またSensor Towerによると中国のDouyinも含めたTikTokのダウンロード数は、ゲームを除くモバイルアプリで、App StoreとGoogle Playを合わせて、Facebook以外では初めて全世界で30億に達している。その間、TikTokの消費者支出額は25億ドル(約2841億7000万円)を超えた。同社はTinderやNetflix、YouTube、Tencent Videoに次いで、この記録を達成したアプリの仲間入りをした。

多くの企業が2021年のTikTokのMAUを10億超と予想していたが、計算方法が異なるInsider Intelligenceはやや保守的だ。しかしその低い予想でも成長は続き、2022年の成長率は15.1%となる。

成長の結果として、TikTokのソーシャルネットワーク全体における市場占有率も上げ潮だ。Insider Intelligenceの予想では初めてTikTokの占有率が20%を超え、2024年には4分の1に近づくとしている。

Insider Intelligenceの主席アナリストであるDebra Aho Williamson(デブラ・アホ・ウィリアムソン)氏は、次のように論評している。「TikTokの急上昇は同じく若者市場を狙うSnapchatにとって特に脅威でしょう。TikTokにTwitterとの類似性はあまりないにもかかわらず、すでにあるプラットフォーム並みの大きさに成長したことには、TikTokのコンテンツが持つ中毒性があらわれています」。

TikTokは今もまだ大きな伸び代があり、Insider Intelligenceによると、2022年は全体で35億7000万人がソーシャルネットワークアプリを少なくとも月に1回は利用するという。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto/Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ツイッターが自動キャプション機能を追加し動画をよりアクセシブルに、日本語含む30以上の言語で

米国時間12月14日より、Twitter(ツイッター)は動画に自動生成キャプション機能を導入する。この機能により、耳がまったく聞こえない、または聴覚障害を持ったユーザーが動画によりアクセスしやすくなる。自動キャプションはウェブ、iOS、Android版で、英語、スペイン語、日本語、アラビア語、タイ語、中国語、ヒンディー語など、30以上の言語で利用できる。

キャプション機能は、Twitterが12月8日からテストを開始した新しいバーティカルフィードで役立つ可能性がある。このフィード方式が一般に展開されれば、同アプリの「Explore(話題を検索)」タブがTikTok(ティックトック)のようになり、動画を含む、アルゴリズムで推奨されるコンテンツが一度に1つずつ表示されることになる。このようなフィードでは、動画にキャプションがついていることが期待される。公共の場でヘッドフォンが手元にない場合でも、フィードを簡単にスクロールできるからだ。

関連記事:他社に続きツイッターもTikTokを模倣、検索タブがビデオフィード化するテスト実施

しかし、TikTokやInstagram Reelsの動画キャプション機能では、投稿前にキャプションのテキストを編集することが可能だが、Twitterではユーザーがキャプションを微調整することはできない。つまり、自動キャプションをより正確にするために、ユーザーがエラーを修正することはできないということだ。

自動キャプションや画像の代替テキストなどのアクセシビリティ機能は、2020年9月についにアクセシビリティ専門チームを創設した後、Twitterがよりフォーカスしている分野だ。この人事配置の変更は、2020年夏に自動キャプションのない音声ツイート機能を試験的に導入した際に、ユーザーから批判を受けたことがきっかけとなった。現在では、音声ツイートと同社のClubhouse(クラブハウス)のライバル機能であるTwitterスペースは、どちらもキャプション機能を備えている

Twitterが動画のキャプションをサポートするのは新しいことだが、同社はすでにTwitterスペースと呼ばれるライブオーディオチャットルームでキャプション技術を使用していた。

Twitterは、キャプションを含むスペースの音声コピーを30日間保存し、同アプリのガイドラインに違反していないかどうかコンテンツを確認するとしている。特定のスペースに違反が見つかった場合、Twitterはそれらの記録をさらに90日間保管し、スピーカーが違反決定に不服を申し立てる機会を提供する。

Twitterとユーザーにとって残念なことに、このプロセスはプラットフォーム上での不正使用の問題に対処するには十分ではない。Twitterスペースのユーザーはこれまで、人種差別的なタイトルのスペースなど、明らかに問題のあるコンテンツを配信され、Twitterがその報告を受けた後も有害なコンテンツはフィードに残っていた。TwitterのコミュニティマネージャーであるSimon Balmain(サイモン・バルマン)氏は最近、この問題に取り組んでいるとツイートしたが、同社のシステムが既存の報告機能や、スペースの音声やキャプションの保管を超えて拡張されるかどうか、あるいはどのように拡張されるかについて、Twitterはまだ詳細を明らかにしていない。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

iCloud、ツイッター、マインクラフトなどに使われているオープンソースのログユーティリティにゼロデイ脆弱性が見つかる

広く利用されているJavaログ出力ライブラリで見つかった問題の影響を受け、AppleのiCloud、Twitter、Cloudflare(クラウドフレア)、Minecraft(マインクラフト)、Steam(スチーム)など、数多くの人気サービスが、ゼロデイ脆弱性にさらされていることが報告されている。

膨大な数のアプリ、ウェブサイト、サービスで使用されているオープンソースのログユーティリティ「Apache Log4j」に発見されたこの脆弱性は、Alibaba(アリババ)のChen Zhaojun(チェン・ジャオジュン)氏が報告したもので、LunaSec(ルナセック)の研究者によって「Log4Shell」と名づけられた。Log4Shellが最初に発見されたのは、Microsoft(マイクロソフト)が所有するMinecraftだったが、LunaSecは、主なJavaベースの企業向けアプリやサーバーのほぼすべてにLog4jが「ユビキタス」に存在していることから「非常に多くのサービス」が悪意のある行為に対して脆弱であると警告している。このサイバーセキュリティ会社は、ブログ記事の中で、Apache Struts(アパッチ・ストラッツ)を使用している人は誰もが「おそらく脆弱である」と警告した。

これまでにLog4Shell攻撃に脆弱であることが確認されたサーバーを持つ企業は、Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)、Cloudflare、Twitter、Steam、Baidu(百度、バイドゥ)、NetEase(ネットイース)、Tencent(テンセント)、Elastic(エラスティック)などだが、他にも数千とまではいかなくとも数百の組織が影響を受けている可能性がある。Cloudflareは、TechCrunchに寄せた声明で、攻撃を防ぐためにシステムを更新したと述べており、悪用された形跡はないと付け加えている。

NSA(米国家安全保障局)のサイバーセキュリティ担当ディレクターであるRobert Joyce(ロバート・ジョイス)氏は、同局が開発した無償でオープンソースのリバースエンジニアリングツール「GHIDRA」も影響を受けることを確認した。「Log4jの脆弱性は、NSAのGHIDRAも含め、ソフトウェアのフレームワークに広く搭載されているため、悪用される恐れが大きい」と、同氏は述べている。

ニュージーランドのCERT(コンピューター緊急対応チーム)や、ドイツテレコムのCERT、そしてウェブ監視サービスのGreynoise(グレイノイズ)は、攻撃者がLog4Shell攻撃を仕掛けるための脆弱なサーバーを積極的に探していると警告している。Greynoiseによると、約100の異なるホストがインターネット上でLog4jの脆弱性を悪用する場所をスキャンしているとのことだ。

HackerOne(ハッカーワン)のシニアセキュリティテクノロジストであるKayla Underkoffler(カイラ・アンダーコフラー)氏は、今回のゼロデイ脆弱により「世界の重要なサプライチェーンに対する攻撃において、オープンソースソフトウェアがもたらす脅威が増大している」ことが明らかになったと、TechCrunchに語った。

「オープンソースソフトウェアは、現代のデジタルインフラストラクチャのほぼすべてを支えており、平均的なアプリケーションでは528種類のオープンソースコンポーネントが使用されています」と、アンダーコフラー氏は語る。「2020年に発見されたリスクの高いオープンソースの脆弱性の大半は、2年以上前からコード上に存在していますが、ほとんどの組織では、サプライチェーン内のオープンソースソフトウェアを直接制御して、これらの弱点を簡単に修正することができません。しばしば資金が不足するこのソフトウェアを保護することは、それに依存しているあらゆる組織にとって急務です」。

Apache Software Foundation(アパッチ・ソフトウェア財団)は、Log4jのゼロデイ脆弱性を修正するための緊急セキュリティアップデートを米国時間12月10日に公開し、すぐにアップデートできない場合の緩和策も発表している。ゲーム開発会社のMojang Studios(モヤン・スタジオ)も、このバグに対応したMinecraftの緊急セキュリティアップデートを公開した。

画像クレジット:Busà Photography / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

印モディ首相のツイッターアカウントが「一時的に危険にさらされていた」と発表

インドのNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相のTwitterアカウントが現地時間12月12日に「一時的に危険にさらされた」と首相官邸が発表した。

モディ首相のアカウント(ハンドルネーム「@narendramodi」)は、インドがビットコインを法定通貨として正式に採用したことを午前0時過ぎにツイートしたが、発表のタイミングに加え、インド政府はここ数カ月、暗号資産を規制する厳格な法律を導入することを示唆していたため、アカウントハッキングの疑いが持たれている。2021年11月末、Nirmala Sitharaman(ニルマラ・シタラマン)財務大臣は、インド政府がビットコインを国内の通貨として認める提案はしていないと述べていた。

関連記事:インド政府が「一定の例外」を除き「すべての民間暗号資産」を禁止する法案提出へ

その後、削除されたツイートには、怪しげなウェブサイトへのリンクが含まれており、インド政府がいくらかのビットコインを購入し、国民に配布する予定だと書かれていた。

首相官邸は現地時間12月11日に、モディ首相のアカウントは完全に保護されており、その期間中に共有されたツイートは「無視しなければならない」とツイートした。

モディ氏はTwitterで7300万人超のフォロワーを持っていて、Twitterで最も人気のあるアカウントの1つだ。Twitterと首相官邸によると、Twitterは今回の動きに気づいた時点で、アカウントを保護するために必要な措置を取ったとったとのことだ。

誰がアカウントをハッキングしたのかは明らかではない。また、リンク先の怪しげなブログは、公開時点ではアクセスできなかった。

画像クレジット:T. Narayan / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

Kickstarter、クラウドファンディングプラットフォームをブロックチェーンに移行する計画

クラウドファンディングプラットフォームであるKickstarterが、今後の基本プロトコルとしてブロックチェーンを採用し、「基本的にKickstarterの中核的な機能性の分散バージョンを作ることになる」オープンソースのプロトコルを作る計画を発表した。同社によるとその目標は、Kickstarter.comを含め複数のプラットフォームがそのプロトコルを採用するようになることだ。

KickstarterはKickstarter PBCと呼ばれる新しい組織を立ち上げ、そこがプロトコル開発を行う。資金はKickstarterが提供し、組織の最初の取締役会を任命、そして自らがそのプロトコル上の最初のプラットフォームの1つになる。ただしその移行の日程は未発表だ。同社はまた「独立のガバナンス研究所」を設立し、そこがプロトコルのガバナンスに関わる研究調査を公開して、コミュニティと連携していく。

これは、Kickstarterにとって興味深い道筋だ。同社にはもともと、考え方としてブロックチェーンと共通するものがあり、同じく消費者がプロジェクトをサポートでき、それらを軸にコミュニティを築き、プロダクトの成功に対し株主のような所有権を持つ。もちろんKickstarterでは、それは株ではなく完成した物理的あるいはデジタルのプロダクトであり、今後のブロックチェーンによるクラウドファンディングプラットフォームは、プロダクトの成熟とともに価値を増すプロジェクトに結びついたトークンをユーザーに与えて、その権利分有モデルを強化する。そのやり方には法的に不透明な部分もあるが、ユーザーの売り買いの実体を隠す方法は他にもたくさんある。

現状ではKickstarterは、そのプロトコルがユーザー体験に与える影響に配慮して、ゆっくり進めるようだ。「1人のユーザーとしては、これまで使い慣れてきたKickstarter体験は今後も変わらないだろう。しかし、その改良からは利益を得るだろう」と同社ブログにはある。

Web3の技術は技術者やアマチュア、そしてプロの投資家に大きな興奮をもたらしたが、主流的なユーザーの大多数は、BitcoinやEthereumなど人気の高いネットワークのエネルギー利用をめぐる議論のせいで二の足を踏んでいる。Kickstarterはこれらの懸念を、新しい業態をCeloブロックチェーンの上に置くことによって、避けて通るつもりだ。Celoはあまりエネルギー集約的ではないコンセンサスメカニズムを使っており、チームはそれを「カーボンネガティブ」と称している。そのプロトコルがCeloを使うこと以外では、KickstarterがKickstarter PBCの開発に関して提供している具体的な詳細は乏しい。

オープンソースのプロトコルを開発して、それを自分のプラットフォームも使う、という方針を目指しているテクノロジー大手は、Kickstarterばかりではない。Twitterのblueskyは、ソーシャルメディアの分散プロトコルを開発する取り組みだ。

関連記事:Twitterが描く分散化の未来、包括的なオープンスタンダードに向けた展望はインターネット極右を追い詰めるか

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

他社に続きツイッターもTikTokを模倣、検索タブがビデオフィード化するテスト実施

Twitter(ツイッター)は米国時間12月8日、アプリ内の「話題を検索」タブ(検索タブ)をTikTok(ティックトック)のようなビデオフィードに変え、日本では「おすすめ」にあたる「For You」タブも追加する機能のテストを行っていると発表した。この機能は、英語でTwitterを利用している一部の国のユーザーを対象に、AndroidとiOSの両方でテストされている。

Twitterの広報担当者は、TechCrunchに対しこう述べている。「ユーザーがくつろいだり、新しい関心事を見つけたり、今起こっていることを見たりするのをより簡単にするために、刷新された、よりパーソナライズされたExploreページをテストしています」。Twitter上にすでに存在するコンテンツを視覚的に表面化したものだという。これは、Twitterが継続的に行っている、プラットフォーム全体でのパーソナライズされたレコメンデーションと発見の改善に向けた取り組みの一環だ。

Twitterは、TikTokの急成長の波に乗れるかどうか試している最新のソーシャルアプリだ。TikTokは2021年、月間アクティブユーザー数(MAU)が10億人を突破し、このマイルストーンを最も早く達成した企業のひとつとなった。「Instagram Reels」「Snapchat Spotlight」「YouTube Shorts」などのTikTokクローンは、クリエイターにそれぞれのプラットフォームを利用するインセンティブを与え、人気が高まった。Netflix(ネットフリックス)、Spotify(スポティファイ)、Reddit(レディット)などのアプリも、このフォーマットを試している。

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Twitterは2021年、Spaces、Twitter Blue、Tip Jarなどの新製品や新機能を次々と打ち出している。共同創業者のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が先週退任した後、Parag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏がCEOに就任したことで、この勢いは継続するものと思われる。すでにアグラワル氏は、就任時にツイートしたスタッフへのメールで「野心的な目標」と称したものをサポートするために、会社の再編に着手している。

Twitterのライブオーディオ製品であるSpacesは、現在、アプリの下部ナビゲーションバーのデフォルトのセンターアイコンになっている。これは、同社がこのClubhouse(クラブハウス)の競合製品の普及に力を入れていることを示している。しかし、Twitterの模倣機能は常に成功しているわけではない。Snapchat(スナップチャット)/ Instagram(インスタグラム)のストーリー機能に対抗したFleet(フリート)機能は、8カ月で打ち切られた。つまり、Twitterがショートフォームビデオフィードをテストしているからといって、これが将来コンテンツ発見の手段になるとは断定できないということだ。しかし、TikTokの成功が示すように、短い動画はユーザーを非常に効果的に引き付けている。

画像クレジット:Twitter

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

録音したTwitterスペースをiOS、Android、ウェブの全ユーザーが聴けるように

Twitter(ツイッター)はiOS、Android、ウェブのすべてのユーザーに、スペースの録音を聞くオプションを展開した。この最新の動きにより、同社のスペース機能は、従来のポッドキャストに近いものとなり、ユーザーはライブ放送終了後に会話を聞くことができるようになった。この新機能は、Clubhouse(クラブハウス)が、ユーザーがライブルームを録画して後で共有できるリプレイオプションを導入したことを受けたものだ。

また、Twitterは一部のホストに対して、iOSおよびAndroid上でスペースを録音する機能を提供している。この機能は、10月に開始されたスペースの録画機能に続いて、iOSの一部のホストにのみ提供されていた。

この機能を利用するには、スペースのホストは、通常通り、自分のスペースにタイトルを付け、部屋の内容を説明するタグを3つまで選択して、ライブオーディオルームを作成する。その後「スペースを開始」ボタンをタップしてライブオーディオセッションを開始する前に、新しい設定「スペースを録画」をオンにすることができる。

録画中のTwitterスペースにいるユーザーには、スペースの上部に「Rec」ボタンと赤い点が表示され、録画が行われていることがわかる。

ホストがスペースを終了するときは、通常通り右上の「終了」ボタンをタップすると、ポップアップボックスが表示され、スペースの終了と録画の停止の両方を確認するように求められる。終了すると、スペースの録音はTwitterのプラットフォームで共有され、リスナーはいつでも再生したり、自分で再共有したりすることができる。

Twitterは、ここ数カ月の間に、スペース機能の拡張と強化に取り組んできた。最近では、ユーザーが自分のスペースへのダイレクトリンクを共有することで、他のユーザーがTwitterにログインすることなく、ウェブ上でライブオーディオセッションを聴くことができる機能を提供している。Twitterは、この新機能は、Twitterを利用していないがスペースでのライブを聴きたいと思っている友人がいるユーザーに向けたものだと述べている。

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今回の機能拡張により、スペースはより多くの人に利用されるようになり、Twitterは新規ユーザー獲得のチャンスを得ることができる。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

ツイッターがSlack対抗のメッセージングサービスQuillを買収、チームはDM機能開発に取り組む

Twitter(ツイッター)は新CEOの下、広告ベースのオープンエンドな消費者によるメッセージ投稿からさらに事業を多様化するために、今後の展開を示唆するような買収を行った。Twitterは、ビジネスに特化したメッセージングサービスQuill(クイル)を買収した。Slack(スラック)などへの対抗と、人々のTwitter利用維持を目的としている。

買収条件は開示されていない。Quillは、Sam AltmanやIndex Venturesなどの出資者から約1600万ドル(約18億円)を調達し、2021年2月にステルス状態から登場した。Slackの欠点を指摘し、Salesforce(セールスフォース)に買収されたことで勢いを増したSlackに対抗する製品を開発しようとした勇敢さはさておき、Quillの最大のセールスポイントは、スタートアップコミュニティの多くの人々が賞賛する、Stripe(ストライプ)の元クリエイティブディレクターであるLudwig Pettersson(ルードウィヒ・ペターソン)氏が設立したことだ。

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Twitterの広報担当によると、Quillは今回の買収の対象にはならず、アプリとしての活動は終了するとのことだ。しかし、Quillのチームは、TwitterのExperience部門に加わり、メッセージングツール、特にTwitterのダイレクトメッセージ(DM)の開発に取り組むことになっている。またTwitterによると、ペターソン氏はプロダクトマネージャーの役割を担い、Oji Udezue(オジ・ウデツエ)氏が率いるConversationsチームに所属する。

DMは、Twitterウォッチャーにとって長い間関心の的だった。多くの人はTwitterがいつ、どのようにしてDMをより独立した製品、そして可能なビジネスラインに発展させようとするのか関心を寄せてきた。特に、近年はメッセージングアプリの大ブームがあり、他の多くのオープンエンドのソーシャルメディア・プラットフォームがダイレクトメッセージのビジネスを強化する動きがあったためだ。

今、Twitterはビジネスラインを多様化する動きを活発化させているが、もしかしたらこの買収はその機会になるかもしれない。

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Quillにとってはほろ苦いエンディングだ。前述したように、Quillは社会人にはコラボレーションとコミュニケーションが必要だが、気晴らしを犠牲にしてはいけないという主張をし、それを解決するためにまったく新しい製品を構築して規模を拡大しようとする大胆さを持っていた。しかし、この分野への新規参入を成功させることは、他の多くの大金持ちやプラットフォームを独占する企業が積極的に展開していなかったとしても、困難なことだった。Quillは才能と野心に満ちたチームを結成した。それゆえに、彼らのIPと人材が次に何に活用されるか、見る価値がある。

ペターソン氏も仲間に加わるかどうかTechCrunchは問い合わせており、情報が入り次第、この記事を更新する。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッターがデータ分析により問題行動をより早期に特定する新しい違反ツイート報告システムをテスト中

Twitter(ツイッター)は、ユーザーがTwitterのルールに違反していると思われるツイートを報告する方法に、いくつかの変更を加えようとしている。

多くのソーシャルメディア企業と同様に、Twitterはこれまで、ポリシー違反の可能性があるツイートにフラグを立てるために、ユーザーからの報告に頼ってきた。しかし、同社が思い描いている新しいシステムでは、報告された情報は、個々のインシデントを単独評価する方法ではなく、そのユーザーのプラットフォーム上の行動パターンをより詳細に把握できるようになる。

画像クレジット:Twitter

Twitterは現在、米国内の一部のユーザーを対象に新システムのテストを行っているが、2022年からはより広範囲のユーザーにこのシステムを提供する予定だ。このシステムは、Twitterユーザーがコンテンツを報告する際に表示される既存のプロンプトを置き換える。

最も大きな変更点の1つは、ユーザーが報告する際、特定のツイートがTwitterのどのポリシーに違反しているか尋ねるのではなく、ユーザーは情報を提供し、Twitterは自動システムを使って、そのツイートがどのルールに違反しているかを提案することだ。

ツイートを報告したユーザーは、その提案を受け入れることも、正しくないと指摘することもできる。このフィードバックは、Twitterが報告システムにさらに磨きをかけるために利用される。Twitterはこれを、医者に行って自分の症状を説明するのと、自己診断するのとの違いになぞらえている。

担当チームのシニアUXマネージャーであるRena Al-Yassini(レナ・アル・ヤシーニ)氏は次のように述べている。「違反を報告する際にもどかしく複雑なのは、プロセスがTwitterルールで定義されている利用規約違反に基づいているということです。報告される内容の大部分は、Twitterの違反行為という特定の基準を満たしていない、より大きなグレーの領域に属していますが、ユーザーは自分が経験していることを、深刻で、非常に害悪なものとして報告しているのです」。

Twitterは、このようなグレーエリアに属する報告を収集・分析し、プラットフォーム上の問題行動のスナップショットを得たいと考えている。理想的には、ハラスメント、偽情報、ヘイトスピーチ、その他の問題領域の新たな傾向を、それらがすでに定着した後ではなく、浮上してきた時点で特定できるようになる。Twitterは、この変更によって人間のモデレーターを増員する必要があるかどうかについてはコメントを避け、人間によるモデレーションと自動化されたモデレーションを併用して情報を処理するとしている。

また同社は、ユーザーからの報告プロセスを改善し「ループを閉じる」ことで、たとえあるツイートが執行措置に至らなかったとしても、報告プロセスをより有意義なものにしたいと考えている。この新システムは、プラットフォームをより安全にするための調査で判明した、よくある苦情を解決することを目指している。

Twitterのヘルスチームに属する製品管理担当ディレクターのFay Johnson(フェイ・ジョンソン)氏はこう語っている。「このシステムは、まだ把握されていない未知の問題に対処するのに役立ちます。また、まだルールが存在しないような新たな問題が発生した場合、それを知るためのメソッドを確保していきたいと考えています」。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

ツイッターの新CEOパラグ・アグラワル氏が就任早々リストラ開始、すでに幹部2人退任

米国時間11月29日、Twitter(ツイッター)の共同創業者兼CEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、その職を退いた。そして、CTOのParag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏を新CEOに任命した。2011年にエンジニアとしてTwitterに入社したアグラワル氏は、The Washington Post紙が入手した社内メールによると、12月3日の時点ですでに、会社の大幅な組織変更を発表したという。TwitterはTechCrunchにもこのニュースを確認した。

この再編の一環として、これまでに2人の幹部が退任した。2019年に入社したTwitterのチーフデザインオフィサーDantley Davis(ダントリー・デイビス)氏と、2011年に入社したエンジニアリング責任者のMichael Montano(マイケル・モンターノ)氏である。

8月にニューヨーク・タイムズ紙は、デイビス氏の職場における「愛のムチ」の方針を報じ、同社関係者はこれが時に行き過ぎた可能性があると述べている。この行動パターンは「協力的で、お互いに敬意を払い、かなりクールな雰囲気を持つ文化を作る」ことを強調する、Twitterの「#LoveWhereYou Work」や「#OneTeam」のスローガンに反しているように見えた。

Twitterの広報担当者がTechCrunchに語ったところによると「ダントレー(・デイビス)の退社はあくまでも、当社の組織モデルを、1人のリードマネージャーが会社の重要な目標をサポートする構造にシフトさせることに焦点を置いたものです」とのこと。「関係者を尊重するために、この変更についてこれ以上の詳細をお伝えすることはできません」とも。

「パラグ(・アグラワルCEO)は、卓越したオペレーションとTwitterの目標達成に注力しており、今回の変更はそれを念頭に置いて行われました。製品および技術部門のチームについては、ゼネラルマネージャーモデルに移行し、会社の主要な目標をサポートする業務を1人が担当することになります。これにより、よりクロスファンクショナルな運営が可能になり、より迅速で情報に基づいた意思決定ができるようになります」と同社の広報担当者は付け加えた。

2021年初め、ドーシー氏は、Twitterと彼が共同設立したフィンテック企業Square(スクエア)のCEOを兼務していることをめぐり、株主から批判され、訴訟まで起こされた。Twitterは、これまで革新が遅れていたが、2021年に入ってからは、サブスクリプションサービス「Twitter Blue」、オーディオルーム「Spaces」「Super Follows」「Ticketed Spaces」、暗号資産での投げ銭機能などの新機能を急速に追加している。アグラワル氏は、今後もTwitterのペースを上げていくことに興味を示している。

「我々は最近、野心的な目標を達成するために戦略を更新しましたが、その戦略は大胆で正しいものだと信じています」と、11月29日にスタッフに宛てたメールに書いた後、アグラワル氏はその内容をツイートした。「しかし、私たちの重要な課題は、それをどのように実行し、結果を出すかということです。それが、お客様、株主のみなさま、そしてみなさま1人ひとりのために、Twitterを最高のものにする方法です」。

ドーシー氏が共同設立した両社にとって、この1週間は大きな変化の連続だった。彼がTwitterのCEOを退任することを発表した数日後、Squareは12月1日、Block(ブロック)にブランドを変更すると発表した。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

ツイッターが安全ポリシーを拡大、本人承諾なしの人物画像投稿を禁止

Twitter(ツイッター)は米国時間11月30日午前、private information safety policy(個人情報に関するポリシー)を改訂し、個人のプライベートな画像や動画を本人の承諾なくシェアすることを禁止した。すでに同プラットフォームは、ユーザーが他人の個人情報を許可なくシェアすることを禁止している。住所や位置情報、個人を特定する文書、非公開の連絡先、財務情報、医療情報などだ。しかし今回の改訂によって、反ハラスメントや反ドキシング(doxxing、他人の個人情報をインターネット上にさらす行為)に関わるポリシーがさらに厳格化された。

これは、投稿前に写真やビデオに写っている人全員の承認を得ることを要求するものではない。しかし、写っている人がメディアの削除を要求した場合、Twitterは削除する。

「描写されている個人あるいは正式な代理人から、自分のプライベートな画像また動画がシェアされることを承諾していないという通知があれば、当社はそれを削除します」とTwitterがブログに書いた。「このポリシーは著名人や公人が写っているツイート・テキストをともなうメディアで、公共の利益のため、あるいは公的発言に価値を付加するものには適用されません」。

しかし、著名人のケースについてTwitterは、嫌がらせを目的としたコンテンツは、攻撃的な行為および相手の意に反するヌード画像を禁止する現行ポリシーに沿って削除する場合があることを明確にした。また同社は、著名人に関するコンテンツを削除するかどうかを判断する際、その情報がすでにテレビ、新聞など他の公開メディアに掲載されているかどうかを評価すると語った。

それでも、多くのTwitterユーザーがこの新ポリシーへの懸念をプラットフォーム上で表明している。例えばフットボールの試合で観衆の写真を投稿するとき、全員の承諾を得なくてはならないのではないか、このポリシーはユーザーを沈黙されるために使われるのではないかと、などを心配している。このため、懸念にこたえるべく、後に専用アカウントのTwitter Safetyが発表のスレッドにコメントを追加した。

「この意味をわかりやすく説明します」と同アカウントは書いた。「このポリシー改訂は、メディアの乱用による嫌がらせ、恫喝、個人情報の暴露など、女性、活動家、反対意見の人々、少数コミュニティのメンバーなどを不当に傷つける行為を抑制するものです」。

Twitterはさらに、大規模イベントに参加している人々を写した画像やビデオはポリシーに反しないことを説明した。もし、画像に写った人物、あるいはその人物の正式な代理人からの報告を受けた場合、Twitterは投稿を削除する決断を下す前に、そのツイートが「公的発言に価値を付加しているか」どうかを検討する。それでも、批判する人々は、どのコンテンツが価値を付加しているか、Twitterがどうやって判断するかについて懸念を示している。

「文脈が重要です。当社の現行の情報ポリシーには、ニュース価値の高いイベントや公共の利益になる発言に関する妥協のない報道を可能にするために、多くの例外が示されています」と同社は言った。

ちなみに、昨日インターネットを見なかった人のために書いておくと、Jack(ジャック・ドーシー氏)はTwitterのCEOを退任した。ただし、今回のポリシー改訂が彼の離脱と関係しているという痕跡はない。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【コラム】誕生から10年、ソーシャルメディアなども活用するデジタル外交は次のフェーズに

英国レバノン大使 Tom Fletcher(トム・フレッチャー)氏は、外交にデジタル技術を持ち込んだ最初の大使の1人だ。10年が経った今、同氏が「テクノ外交」の最初の波で、うまくいった点といかなかった点を振り返り、今後のデジタル外交について考える。

外交はかつては、外交儀礼、決まり文句、地図と男によって支配されていた世界であった。しかし、あらゆる産業や技能職がそうであるように、外交もデジタル技術によって大きく様変わりしている。

多くの専門職では、目立った効果の大半は道具に現れる。外交でも、外交キット、通信手段(外部と内部)、作業スピードなどがすべて向上した。しかし、これも他の専門職と同様、本当の効果は明白な形ではなく、文化面に現れる。力関係の変化を認識することでもたらされる謙虚さ、新しいツールによって実現される敏捷性、より包括的になることでもたらされる効率性、今まで閉じられていた世界に対する国民の理解が向上することによってもたらされる透明性などだ。

10年前の秋、私は英国のレバノン大使に任命された。私は当時36歳で、大使としては若かった。アラブの春で中東では若者がいきり立っており、私はテクノロジーの変化によって政治と人々の関係が様変わりするのだろうかと考えていた。私は、新しい試みを始めた(これはその後、Twiplomacy(ツイッター外交)などといういくらかのぎこちない呼ばれ方を経て、最終的に「digital diplomacy(デジタル外交)」と呼ばれることになる)。10年を経て、デジタル外交は3つのフェーズを経験し、今4つ目のフェーズの入り口に立っている。多くのことが達成された。しかし、さらに多くの庶民的なスキルを政治に活用しようとするなら、これまでの試みで何が成功し何が失敗したのかを考える必要がある。

第2フェーズはすばらしい新世界だった。Hillary Clinton(ヒラリー・クリントン)国務長官が進めた21世紀の国政術プログラムにより、このフェーズでは、米国国務省は、外交に通信および接続のための新しいツールを使う方法について、期待と楽観に満ちていた。そうしたツールを純粋に受け入れ適応していった当時の外交官にとって、それはワクワクするような時代だった。国によって定められたルールは緩いものだった。私はある大臣にこう言われたことがある。「君が何をやろうと私はまったく構わない。英国のメディアに漏れなければね」。我々の多くは、逮捕されるまで突き進むことが許された。たくさんの過ちを犯した。リスクも犯した。私が、頻繁にツイートしていたスマートフォンは、私の行動を追跡するためにテロリストに利用されていた。

しかし、この時期は、人々とつながり、かかわり、いくらかの謙虚さを見せたいという気持ちで人々を驚かせることができた時期でもあった。ソーシャルメディアによって社会が開かれ、本物のエージェンシーと自由が促進されることを想像するのは可能であるように思われた。ある英国の大使はLSDをやり過ぎて、中東で最も強力な武器はスマートフォンだと示唆したことさえある。これに関しては今のところ、間違っていたようだが。

第2フェーズは、デジタル外交の制度化、組織化だ。我々は古い皇帝と新しい皇帝の間の広範な対話が行える構造を作り始めた。テクノロジーのめまぐるしい変化のスピードが地政学に与える影響を懸念した私は、英国政府を去り、この取り組みが緊急を要することを論証しようと試みた。2017年の私の国連での報告の後、国連はテック大手と政府が互いにすれ違うのではなく話し合うための取り組みを始めた。国連のハイレベル委員会とグローバルテック委員会は、ザッカーバーグ氏を議会や議会の委員会に召喚する代わりに、世界の政治、経済、社会に変革をもたらそうとする者と名目上依然としてそれらを統括している者との間の意思疎通を図る純粋で効果的な試みだった。私は「The Naked Diplomat」で、各国が「テック大使」を任命することを提案した。デンマークは実際にこれに取り組み、テック企業に国と真の対話を進めるよう促して、成功している。

この間、各国の外務省は、他のどのテクノロジーよりもソーシャルメディアにいち早く適応した。2011年にTwitterのアカウントを開設していた英国大使は4人だけだったが、数年以内に、4人を除く全員がTwitterのアカウントを開設し、中にはエジプト大使John Casson(ジョン・キャッソン)氏のように100万人を超えるフォロワーを獲得した者もいた。大使たちには影響を評価する方法があまりないため、ソーシャルメディアを試してみたいという強い気持ちがあった。私は、大使が出席する20以上の会議でスピーチをして、同僚の大使たちにソーシャルメディアを試すことで、大使の人間的な面を見せて(単に情報を伝達するのではなく)市民と関わりを持つよう促した。彼らにはよく次のようにアドバイスした。「ソーシャルメディアというのは想像し得る最大の外交レセプションのようなものだ。部屋の隅で黙っていたり、部屋中に響くような声で怒鳴ってはならない」と。もちろん、さまざまなリスクはあった。だが、最大のリスクは市民と対話できる場に参加しないことだった。

多くの大使たちがこのアプローチを採用し始めたが、外務省は、コミュニケーションにおける敏捷さと機密保持という新たなトレードオフに直面していた。私は2016年の外務省のレビューで、機密保持より敏捷さを取ることを勧めた。おそらくKim Darroch(キム・ダロック)卿(優れた駐米大使だったが、Trump(トランプ)前大統領に関して本国に伝えた電文が漏洩し辞任に追い込まれた)は同意しなかっただろう。しかし、我々は今や、この敏捷なコミュニケーション機能に依存しているのだ。

この2年間の外交は、ZoomとWhatsAppなしでは考えられなかっただろう。首脳たちが直接会見するのをできる限り避けるためにあらゆる手段を尽くす立場である外交官は、ビデオ会議が真剣な選択肢となるや、いち早く導入を決めた。パンデミックによってサミットやコンファレンスのオンライン開催が推進され、大量のCO2が削減されると同時に、明らかな悪影響もほとんどなかった。

第3フェーズは第2フェーズと重なる部分もあるが、帝国の逆襲だ。独裁政権がデジタルテクノロジーを使って自由を抑圧する新しい方法を見出したのだ。トランプ氏はTwitterを利用して、外国嫌い、偏見、暴動に火を付ける一方で、国内ではよりクリエイティブにテクノロジーを活用して、潜在的な協力者の称賛を得ようとしたり、外交上の敵対勢力を抑え込んだりした。一方ロシアのVladimir Putin(ウラジミール・プーチン)はインターネットを民主主義に対抗する武器として利用し、荒らし行為を連発した。Twitterモブにより、複雑な外交上の立場の微妙なニュアンスを伝えることは難しくなった。ましてや、ソーシャルメディアを使って妥協をはかったり、合意に達するなど不可能だった。分裂を誘うクリックバイトが置かれ、中立的立場が維持されることはなかった。政府はサイバー空間が新しい戦場であることを認識し、防衛という立場からサイバー空間を考えるようになった。

一方テック大手は成長し、場合によっては、政府よりもパワフルで保守的な組織と化した。私は2013年に、半分冗談で、Googleに国家安全保障会議への加入を依頼すべきではという声を上げたことがある。今となってはGoogleはなぜわざわざそんな面倒なことをする必要があるのかと聞いてくるかもしれない。テック大手は成長し力を誇示しながら、密かに人材を確保し、政府から税金だけでなく人的資本も奪っていった。その象徴的な、そしておそらく不可避的な例として、デンマーク最初のテック大使はMicrosoftに、英国自由民主党の党首はFacebookに引き抜かれた。法律的な軍拡競争が激しくなる中、EUがデータや扇動的行為を巡ってテック大手と大きな衝突を繰り返したことで、テック大手といっしょにより多くの問題を解決していけると純粋に信じていたすばらしい新世界フェーズの理想とは程遠い状態となった。

現在はどのような段階にあるのだろうか。私は今、テクノロジーと外交に関してはどちらかというと現実主義者だが、楽観的な側面も失ってはいない。私たちはまだ、持続可能な開発目標を含め、いっしょに難題に立ち向かっていける。ただし、それには、政府が自分だけではできないことについて、もっと正直になる必要がある。テック企業は、動きが遅くぎこちないことが多い政府ともっと寛大な気持ちで付き合う必要がある。そして、どこでテクノロジー自体が問題の一部となってしまったのかを正直に見直す必要がある。

とはいえ、外交は引き続きテクノロジーを使って効率化を推進できる。ニューヨーク大学にある私の研究グループは、外交官が空気を読むためのウェアラブルテクノロジー、外交記録の保存作業を改善するDiplopedia、世論に対する理解を深めるための感情マイニングの合理的かつ透過的な利用などに取り組んでいる。私は、国民が戦争の問題を厳しく監視するほど、政府の政策は平和志向的になるという仮説を支持している。おそらく外交で最もワクワクする分野は、外交を集合心理学およびソーシャルメディアの最先端テクノロジーと組み合わせて、国家同士ではなく社会同士の和解、および国家とその過去との和解を実現できる可能性があることだろう。

デジタル外交の次のフェーズでは、大いなる和解プロセスにも取り組む必要がある。すなわち、地球、テック大手、若者と高齢者、移住者と受け入れ側コミュニティ、そして最終的にはテクノロジー自体との和解である。私は、これらすべての和解においてより良い結果をもたらすために、デジタル外交が役立つと考えている。

最後に、デジタル外交の次のフェーズでは、外交官は、専門技能職としての基本に立ち返ることになるだろう。共感と感情的知性などの必須の外交スキルを備えた市民外交官を育成するための取り組みをもっと強化していく必要がある。その意味で教育は外交の上流にあるものだ。これは私がいろいろな場所で提案してきたことだが、このオンラインの世界での自由を守るためのグローバルなルールを書き直すには、昔ながらの紙と鉛筆を使った取り組みが必要になる。大使館という閉鎖的な空間から抜け出して、つながるために派遣された使節団としての本来のミッションに立ち返る必要がある。Edward Murrow(エド・マロー)は、決して自動化されるのことのない何物にも替えがたい外交スキルとしての人間的なつながりを「究極の3フィート(last three feet)」と呼んだ。我々が必要としているのは、今でも究極の3フィートを実行できる外交官だ。

この課題はワクワクもするが、急を要する。外交が存在しないなら発明する必要がある。だが、今は外交を再発明する必要がある。それは外交官だけに任せておけない極めて重大な問題だ。

編集部注:本稿の執筆者、CMGのTom Fletcher(トム・フレッチャー)氏は、オックスフォード大学ハートフォード・カレッジの校長。元英国大使で、3人の首相の外交政策アドバイザーを務め、ニューヨーク大学の客員教授でもある。

画像クレジット:Achim Sass / Getty Images

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(文:Tom Fletcher、翻訳:Dragonfly)

ツイッターのジャック・ドーシーCEOが退任

CNBCは米国時間11月29日朝、Twitter(ツイッター)のCEO、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が、Twitterでの職務から退く見込みだと報じた。その直後、ドーシー氏自身はこの噂を認め、Twitterは詳細を記したプレスリリースを発表した。ドーシー氏の後任には、2011年にエンジニアとしてTwitterに入社し、2017年からCTOを務めてきたParag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏が就任する。

「会社が『創業者主導』であることの重要性についてよく耳にします」とドーシー氏はTwitterのスタッフに宛てたメールの中で書いており、それをツイートした。「結局のところ、それは非常に限定的であり、単一障害点であると考えています。私は、この会社が創業者や創設者から脱却できるように努力してきました」と述べている。

ドーシー氏は、Twitter、そして消費者と企業の両方に決済・現金管理・送金サービスを提供している金融会社Square(スクエア)の両方のCEOを務めている。

Twitterの株価は、ドーシー氏が退任する可能性があるというニュースを受けて上昇し、週明けの取引時間中に序盤の利益を手放した後、本稿執筆時点で6.1%上昇している。

Twitterによると、ドーシー氏は2022年の株主総会で任期が満了するまで同社の取締役にとどまる。ドーシー氏の退任と同時に、取締役会会長Patrick Pichette(パトリック・ピシェット)氏の後任として、Bret Taylor(ブレット・テイラー)氏が指名された。ピシェット氏は取締役会に残り、引き続き監査委員会の委員長を務める予定だ。

参考までに、Twitterの11月29日時点の価値は約400億ドル(約4兆5485億円)となっている。しかし、990億ドル(約11兆2575億円)強の公開市場価値を持つSquareの半分以下だ。

1社だけでも上場企業を運営するのは大変だ。2社を運営するのは並大抵のことではなく、簡単なことではないと思われる。Squareの株価も、11月29日の朝は若干ではあるが上昇している(CEOが時間を分散していることでTwitterは投資家の反感を買っていた)。

Salesforce(セールスフォース)の社長兼COOであるブレット・テイラー氏は、Twitterの取締役会長にも就任する。

ドーシー氏は「これは私が決めたことであり、私の責任であることをみなさんに知っていただきたいと思います」と書いている。「自分のエゴよりも会社を選んだ創業者は多くありません。これが正しい行動であったことを証明できると信じています」、

すばらしいプロダクト展開

Twitterのリーダーシップとプロダクトの方向性は長年にわたり、保守的すぎる、遅すぎる、あるいはその両方であるという批判を受けてきた。しかし、ここ数四半期はTwitterの新プロダクトやサービスの開発・出荷能力が加速していた。

Twitterの機能は、ツイートできる文字数を増やすなどの大きな変更を除いて、何年もほぼ停滞していたが、数多くの新機能を導入し、買収も行なってきた。

TwitterはSpacesでライブオーディオに参入し、Ticketed Spaces、Tip Jar、ライブストリームショッピングなどのマネタイズ機能を導入した(FacebookやInstagramなどのMetaアプリもeコマースに関してはペースを上げてきている)。最近では、よりカスタマイズ可能なユーザーエクスペリエンス(ツイートの取り消し機能など)を提供する月額2.99ドル(約340円)のサブスクサービスTwitter Blueを開始した。

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Twitterはまた、サービスにさらなる機能を追加するために買収も行なった。2021年これまでのところ、Threader(Twitter Blueのスレッド閲覧機能の開発に貢献)、Sphere(グループソーシャルメッセージングアプリ)、Breaker(Spacesの開発に貢献)などの企業を買収しており、中でも注目すべきは、ライターが自分の投稿をプロフィールに直接リンクできる便利なニュースレタープラットフォームであるRevueだ。

最後に、ドーシー氏が暗号資産に興味を持っていることは公になっている。同氏のTwitterの経歴は文字通り「#bitcoin」だけだが、同氏だけが会社の支持者ではない。Twitterは、ユーザーが自分のプロフィールにNFTを表示する方法に取り組んでおり、もっと広く言えば、Twitterは分散型ウェブプロジェクトであるBlueskyを有している。しかし、ドーシー氏の退任は、特に同社が2021年11月初めに暗号資産専門チームを構築すると発表したこともあり、Twitterの暗号資産の勢いを緩めたりはしないかもしれない。当時、同社はTechCrunchに対し、アグラワル氏は新しい暗号資産チームと協力してTwitterにおける暗号資産の将来について検討し、ブロックチェーン技術によるソーシャルメディアの分散化に向けた取り組みを支援する、と述べていた。

なお、今回のニュースに関する詳細なコメントを求めたところ、同社からすぐには回答は得られなかった

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画像クレジット:Amal KS/Hindustan Times / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

ロシア政府がアップル・メタ・GoogleなどIT大手に現地オフィス開設を要求、違法な情報に対するアクセス制限への同意も

ロシア政府がアップル・メタ・GoogleなどIT大手に現地オフィス開設を要求、法律に違反する情報へのアクセス制限への同意も

Mikhail MetzelTASS via Getty Images

ロシア政府は今週、アップルをはじめとする米ハイテク企業が同国での事業を続ける場合、2021年末までに現地オフィスを開設するよう求めました。

同国の通信規制当局ロスコムナゾル(Roskomnadzor)は、現地に公式なオフィスを持たない企業は広告やデータ収集および送金が制限され、あるいは業務を禁止する可能性があると警告しています。

今年7月、ロシアのプーチン大統領は「ロシアでのインターネット上での活動を行う企業」に対して現地オフィス開設を義務づける法律に署名しています。そして今週初め、ロスコムナゾルが初めて対象となる企業のリストと、ロシアの要件を満たすために具体的に何をすべきかを明らかにしたかっこうです。

今回の企業リストにはアップル、Meta(Facebook)、Google、TikTok、TwitterおよびTelegramが含まれています。Reutersいわく、この措置はロシア政府が米ハイテク大手の活動を抑え、国内のIT企業を育成・強化しようとしているためとのことです。

すでにロシア政府は外国のデジタルサービスに対する課税、国内のIT企業に対する減税、さらにはロシア国内で販売されるスマートフォンなどにロシア製ソフトウェアをプレインストールすることを義務付けるなどの政策を打ち出してきました。アップルもiPhone初回起動時に政府推奨アプリ導入の仕組みを取り入れたり野党指導者アプリを削除しろとの要求に応じるなど、数々の譲歩をしてきました。

ロスコムナゾルがReutersに語ったところによると、対象となった企業はロシア国内にオフィスを開設することに加え「ロシアの法律に違反する情報へのアクセスを制限する」ことに同意しなければならないそうです。

米9to5Macは、これは基本的に「ロシア政府に逆らう情報を検閲する」ことを意味しており、米ハイテク各社が困難な立場に置かれる、と指摘しています。

なおロスコムナゾルに名指しされた企業は、いずれもこの件についてコメントしていません。もしも要求に素直に従ってしまえば、ロシア政府の検閲や人権侵害(反政権活動家ナバリヌイ氏の毒殺未遂事件や、それに続く収監など)を支持したことにもなりかねず、欧米で厳しく追及される可能性もあります。

アップルやGoogleがどういった対応を取るのか、今後の展開を見守りたいところです。

(Source:Reuters。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

ツイッターがiOSアプリをアップデート、読み途中にツイートが消えるタイムライン自動更新を廃止

Twitter(ツイッター)は米国時間11月23日、ユーザーが読んでいる最中にツイートが消えることがなくなるようiOSアプリをアップデートしたと発表した。この変更は、ソーシャルメディアの巨人である同社が最近、ウェブ版プラットフォームをアップデートし、新しいツイートがタイムラインを自動的に更新しないようにしたことを受けたものだ。Twitterはこれまで、ユーザーのタイムラインが自動的に更新される際に読んでいたツイートが途中で消えてしまうことが多く、ユーザーにとってフラストレーションの元になっていたと認めていた。

関連記事:消えてしまうツイートにサヨナラ、Twitterがウェブ版で新しいツイートの自動読み込みを廃止

「iOS版では、ツイートが読んでいる途中に消えてしまうことを防ぐため、いくつかのアップデートを行いました。ツイートを見るためにタイムラインのスクロールを一時停止しても、そのまま残るようになりました!」とTwitterはツイートで説明している。

Twitterは9月、ユーザーがツイートを読んでいる間に消えてしまわないように、ツイートの表示方法を変更すると発表していた。このアップデートは、現在、Twitterのウェブ(ブラウザ)版およびiOS版プラットフォームに適用されている。Twitterによると、Androidでもツイートが消えないように変更する作業を行っているとのことだが、このアップデートがいつリリースされるかは不明だ。

他にもTwitterは、2021年前半にモバイル向けにフルサイズの画像プレビューを導入した後、最近、ウェブ向けの画像プレビューを自動的にクロップしないことを発表した。ウェブ版のTwitterでは、画像はトリミングされることなくフルサイズで表示される。これにより画像がタイムラインにどのように表示されるかを心配することなく、撮影時と同じような画像が表示される。Twitterは、3月にiOSおよびAndroidユーザーの一部を対象に、この変更をテスト導入していた。

これらの微調整は、Twitterが自社のプラットフォームを強化し、サービスをより利用しやすくするために行っているものだ。最近では同社は、ユーザーが自分のSpacesへのダイレクトリンクを共有することで、他のユーザーがTwitterにログインすることなくウェブ上でライブオーディオセッションに参加できる機能を導入した。また、18歳以上のすべてのAndroidユーザーを対象に、アプリ内で投げ銭機能を導入した。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

ツイッターがチップ機能をAndroid版にも展開中

Twitter(ツイッター)は、18歳以上のすべてのAndroidユーザーを対象に、アプリ内チップ機能の提供を開始した。iOSでは9月に始まっている。同社によると、この「Tips(チップ)」機能は、Cash App、Paypal、Venmo、Patreonを通じて直接アプリ内でフォロワーから金銭的な支援を得たいと考えているユーザーを対象としている。Androidユーザーはいま「プロフィール編集」ボタンをタップし「Tips」を選択することで、自分のプロフィールからチップを受け取る設定ができる。

「Tips機能では、自分の支払いプロファイルへのリンクを人々に示す簡単な方法を作り、コンテンツ制作者の支援、資金調達の支援、単に助けが必要な人へのチップ、笑わせてくれた人へのお礼など、Twitter上で会話を生み出している人々を簡単にサポートできるようにしています」とTwitterは説明している

Twitterは5月にこの機能を初めて導入したが、それ以前に、同社が直接支払いのオプションに取り組んでいるという報道もあった。Android版「Tips」のリリースの1カ月前には、同社はAndroidで「Ticketed Spaces」の展開を開始している。この機能により、Twitterのライブオーディオルーム機能であるSpacesのホストは、スペースへのアクセスを販売できる。Twitterはこの機能を、公開された会話のホストやモデレーターを務めるクリエイターの時間と労力をサポートする方法だと説明している。

収益化やクリエイターの生計支援を進めているソーシャルメディアプラットフォームはTwitterだけではない。TikTok(ティクトック)は2021年10月、TechCrunchに対し、アプリ内でチップを渡す新しい機能をテストしていることを明らかにした。この機能を使ってクリエイターは、すでにチップが導入されているTikTok LIVEストリーム以外でも、ファンからお金を受け取ることができる。同社は、この機能が当面の間、限定的なテストの一部で、まだ広く利用できないことを明らかにした。

TikTokとTwitterのダイレクトチップ機能は、クリエイターに儲ける方法を提供しているInstagram(インスタグラム)やYouTube(ユーチューブ)のようなデジタルプラットフォームに対抗するための手段のようだ。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi