Uber、電動自転車とスクーターにも自動運転を適用へ

Uberは自動運転技術を自転車とスクーターのシェア事業に統合しようとしている。詳細はほとんどわかっていないが、3D Robotics CEOのChris Andersonによると、Uberは週末行われたDIY Roboticsイベントでこのことを発表し、開発チームはUberで電動オートバイ/スクーターのシェアサービスを担当するJUMPグループに所属するという。

Micromobility Roboticsという新部門が研究するのは、電動自転車/スクーターが充電のために自走したり、利用者が必要な場所まで自動運転する技術だ。Telegraph誌によると、Uberはこのチームのためにすでに採用を始めている

「Uberの新しいMobilitiesチームは、当社が貸し出す電動スクーターと電動自転車の安全性、ライダー体験、および運用効率を、センサーやロボット技術の応用によって改善する方法を研究している」とUberのAdvanced Technologies Groupが求人用Googleフォームに書いた。

昨年12月、 Uberは自己診断機能や交換可能バッテリーを搭載した次世代JUMP電動自転車を披露した。

「これは、システム活用、オペレーティングシステム、実車時間など車両シェアの運用に不可欠な要素の大きな改善だ」とJUMPのプロダクト責任者NIck Foleyが先月本誌に語った。「バッテリーが交換できるということは、充電するために自転車やスクーターを持っていかなくてもよいことを意味している。これはビジネス的にも良いことだ」

自動運転自転車/スクーターはUberのMicromobilityシェアビジネスの人間による充電への依存を減らす。Uberがフル充電の電動自転車/スクーターを、バッテリー残量の少ない車の多い地域に配車するところが想像できるだろう。交換可能バッテリーと合わせて(車両が車庫に戻ってきたらすぐにバッテリーを交換して再度配車できる)、Uberは整備された利用可能台数を増やすとともに、ライダー体験全体を改善することができる。

Uberはコメントを拒んだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

UberのIPOはそれほど巨額にならないかもしれない

Uberは今年後半に、米国の歴史に残るものの一つとなるIPOで100億ドルを調達することが予想されている。株式発行により、この配車大手の企業価値は760億ドル(この額は最新のプライベートファイナンシングからはじきだされたものだ)〜1200億ドル(ウォール・ストリートの金融機関が考えている非常に大きな数字だ)あたりになりそうだ。

The Informationの新たなレポートでは、Uberの当初の時価総額は900億ドルになると見定めている。この数字を算出するにあたって、The Informationは2017年にUberが債権者に提供した非公開の書類を分析した。この書類では、“純収益を2019年までに142億ドルへと倍増させる”と予測している。それからThe InformationはUberの複数の収入パターンを描き、そして投資家が言うところの最も近い比較対象であるGrubHubとUberを比較した。

UberはThe Informationの分析についてのコメントを拒否した。

これまでの道のり

Uberは先月、待望されているIPOの書類を内々に提出した。これにより、米国内における競争相手であるLyftとの株式公開に向けたレースの火蓋が切って落とされた。2社の状況に詳しい情報筋によると、LyftはUberの数時間前に書類を提出した。Travis Kalanickによって2009年に設立されたUberは借り入れとエクイティファンディングで約200億ドルをこれまでに調達した。ソフトバンクが最大の株主で、資本構成リストにはトヨタ、T. Rowe Price、 Fidelity、TPG Growthなどその他多くが名を連ねている。Uberの1200億ドルという非常に大きな企業価値についての疑念はどうかといえば、Uberがもうかっておらず、これまでも、そして現在も金を使い続けていることを考えると、この驚くような数字の達成は不可能のようだ。

大型のIPOというのはもちろん投資家を喜ばせるものだ。たとえば、The Wall Street Journalによると、First Round Capitalは2010年と2011年に実施されたUberの最初のラウンドで160万ドルを出資した。企業価値1200億ドルとなった場合、First Roundが保有する株式の価値はおおよそ50億ドルとなる。しかしながら、このベンチャーキャピタル会社は株式のいくらかをベンチマークでソフトバンクに売却していて、売却していなければ価値140億ドルになっていただろう。

Uberが政治面そして規制面での困難を乗り越えるのをサポートすることを2011年に取り交わしたUberの初期投資家Bradley Tuskは価値1億ドルとも言われる株式を保有している。彼もまた保有していた株式の42%をソフトバンクに転売した、と最近TechCrunchに語った。

Tuskは「私は120という数字に非常に満足している」と語った。「しかし…少し驚いている。本当にアグレッシブな数字だ」。

「Uberに出資している投資家はみな、初期のAmazonに投資した人のように、将来を見て長期的に投資している」とTuskは付け加えた。「一つには[UberのCEO、Dara Khosrowshahiが]うまくやっていて、Uberを単なる配車企業ではなくモビリティ企業として成長させていることが挙げられる」。

Uber Technologies IncのCEO,Dara Kowsrowshahi (撮影: Anindito Mukherjee/Bloomberg via Getty Images)

将来への長期的投資

Uberは1年以内に株式を公開するという選択をし、史上最も高値のユニコーンIPOとなるだろう。このTechCrunchサイトで詳しく報じてきたように、LyftとUberどちらも株式を発行する計画で、SlackやPinterestも同様だ。しかしこれら企業の多くが、株式市場が急激に下がる前に株式公開の決断を下している。軟調な株式市場は、ユニコーン企業がVCに保護された快適な場所から出てこようとするのを消極的にさせてしまうかもしれない。

ウォール街の投資家がUberの本当の価値を吟味し始めれば、Uberは彼らからさらに精密な調査を受けることになる。The Informationによると、Amazonが長らく利益よりも成長を優先してきたように、幸いにもUberは、“もし望むのなら、米国と発展マーケットでのマーケティング支出を減らしたり、自動運転車開発の財源でパートナーを探したりして、現金の栓をオンにするための明らかなレバー”を持っている。「そうしたレバーをひくことは売上の成長を3分の1ほどスローダウンさせてしまうかもしれないー純収益の33%の成長が2019年には22%成長に落ち込むかもしれない。[しかし]これは年間20億ドルの節約につながる」。

2018年第3四半期の決算では、Uberはプロフォルマ・ベースで9億3900万ドルの損失と、修正済みEBITDAで前年四半期から21%増の5億2700万ドルの損失を計上した。第3四半期の売上は前年同期比5%増の29億5000万ドルで、前年比では38%のアップとなった。

「我々の事業規模としてはグローバルで力強い四半期だった」とUberのCFO、Nelson Chaiは声明文で述べた。「今後IPOがあり、食品、貨物運輸、電動バイクとスクーターを含むプラットフォーム全体で、そして我々が引き続き主導権を握っているインドと中東というポテンシャルの高いマーケットで、将来の成長に投資している」。

我々はUberの評価額について何日でもあれこれ推測できるが、Uberの値がどれくらいになるのかは最終的に金融市場が決める。差し当たって我々ができることといえば、Uberが証券登録届出書S-1を大衆に開示するのを待つことだろう。

イメージクレジット: Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

UberやLyftのドライバーの労働環境調査の記事が3位(2018年3月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年3月のアクセスを振り返ってみると、1位はサムスンのGalaxy S9が最高の評価を得たという記事だった。

Galaxyは、曲面ガラスなど他社に先駆けて導入するなど先進的なデザインが特徴。処理速度やカメラ製品もiPhoneとは遜色ないのだが、なぜか日本ではいまひとつ人気がない。そうこうしているうちにカメラ関連でライカと提携したファーウェイがSIMフリースマホ市場を席巻。いまではキャリアスマホとしても販売されている。とはいえ、そのファーウェイも米中の貿易摩擦の影響で日本でもファーウェイ製品排除の動きがあるなど先行きは不透明だ。結局はiPhone一強は今後も変わらないのかもしれない。

2位はオラクルがグーグルに裁判で勝利したという記事。グーグルのAndroidはオラクルが著作権を持つJava APIで開発されたが、これが著作権侵害にあたるという判決だ。プログラミング言語に著作権の保護は適用されるのかという論争はこのあとも続きそうだ。

TechCrunchとして注目なのは、4位にランクインしたUberとLyftのドライバーの労働環境についての記事。およそ3分の1のドライバーが、1マイル走るごとに収益を上回る費用を負担しているという。中にはスキマ時間を活用して副業ドライバーとして働く人もいると思われるが、この生産性の低さは問題となるかもしれない。Lyftの広報担当者はこのレポートを受けて「研究結果に関してはまだ精査しておりませんが、ざっとみた限りでは疑問符のつく想定が行われているように思えます」というコメントをTechCrunchに残している。

1位 Galaxy S9のディスプレイがカメラと並んで最高の評価
2位 OracleがJavaの著作権侵犯裁判でGoogleに勝利
3位 Google LensのiOS版も公開
4位 UberとLyftのドライバーたちの過酷な状況が明らかに
5位 月額750円でオーディオブック聴き放題

2月はトヨタとJapanTaxiとの提携記事がランクイン(2018年2月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年2月を振り返ってみると、最も読まれたのは、Switch上でLinuxを動かすことに成功した記事だった。

新しいデバイスが登場すると、必ずと言っていいほどLinuxを走らせることに挑戦する強者が現れる。今回はSwitchに搭載されているエヌビディア社製のSoC「Tegra X1」のブートROMにセキュリティ上の脆弱性があり、それを突いてLinuxの起動に成功したそうだ。

2位は、トヨタが国内でタクシー配車アプリを提供しているJapanTaxiに約75億円を出資したニュース。トヨタはこのあと8月に、米配車サービス大手のUberに約555億円(5億ドル)を出資するなど、次世代のモビリティーに向けて積極的な投資活動を続けている。ちなみにUberは2019年にIPOするとウワサされており、上場すれば価値約13兆2000億円(1200億ドル)規模になると予想されている。

1位 Nintendo Switchの上でLinuxを動かすことに成功
2位 トヨタがJapanTaxiに約75億円を出資
3位 月定額のカーレンタルサービス「SmartDrive Cars」
4位 Intelがスマートなスマートグラスを発表
5位 Apple本社で社員が「ガラスの壁」に衝突する被害が出ている

UberのパートナーFairはソフトバンクから3億8500万ドルの投資を受け世界の自家用車に変革を起こす

カリフォルニア州のスタートアップFair.comは、車を購入するものから、安価で勘弁なリースするものへと自動車産業の舵を切ることを目的に、本日(現地時間12月20日)、野心的な、新しい大きな一歩を踏み出す。

Fairは、ソフトバンク率いる3億8500万ドル(約428億円)という巨額のシリーズB投資ラウンドによる資金を調達した。この投資には、Exponential Ventures、Munich Re VentureのERGO Fund、G Squared、CreditEaseも参加し、このビジネスの世界展開を目指す。Fairは、運転免許証とクレジットカード(または銀行口座を証明するもの)があれば、日常的な個人使用でも業務用でも、誰にでも柔軟なリースのオプションを提示してくれる。昨年、密接な協力関係にあったUberは、そのリース部門を今年の初め、Fairに4億ドル(約444億7500万円)で売却した。これによりUberは、ドライバーに車両を用意することができる。この方式を、他のライドシェア企業にも広めたいと考えているのだ。

「計画では、ビジネスを10倍にすることです」とCEOで共同創設者のScott Painterはインタビューに答えて話している。Fairはすでに、アメリカの15の州(25の市場)で事業を展開し、毎週、新しい街に進出している。今日までに、2万件以上のリース契約を行ったと彼は語っている。「去年は劇的な成長を遂げました」

今回の投資は、ソフトバンクがビジョンファンドを通じて行った、技術業界全体からしても、このシリーズの最新にして最大のものであり、とても戦略的な意味を持つ。

ソフトバンクは、ライドシェア業界では世界最大の投資企業であり、Uberだけでなく、中国のDidi、東南アジアのGrab、インドのOla、アメリカのGetaroundも支援している(その他、食料品配達スタートアップDoordash、ドイツの自動車販売プラットフォームAuto1、自律運転車両の企業Cruise、マッピングのスタートアップMapboxなどといった、自動車、運送関係の数多くの企業にも投資している)。

その長期計画の中には、Fairを使って、より多くのドライバーに車両を与えることでライドシェア産業を拡大するというものがある。すでにUberで行っているように、ドライバー志望者に車両を素早く提供できるようにするのだ。

「Fairなら、ライドシェアを世界規模で展開できると思っています」とソフトバンク・ビジョンファンドの投資家Lydia Jettは、TechCrunchとのインタビューで話していた。「これがソフトバンクのポートフォリオに何を加えるのか、またその逆を見るのが、大変に楽しみです」

Painterによれば、Fairは昨年から今日まで、ソフトバンクと話を続けてきたという。ソフトバンクが投資を決めた理由には、FairがUberの事業を好転させた実績があった。

「Uberは、私たちを納得させるケースとなりました」とJettは言う。「投資家としては、2つの異なるチームによって運営されるひとつの資産に注目することは滅多にありませんが、Fairのチームは、Uberがうまくできなかったことを解決しようとしていました。彼らは資産を好転させ、それが多大な付加価値を与えることを証明して見せたのです」

Painterは、自社の評価額について、直接的に述べることは決してしなかったが、今回のラウンドによってFair.comが調達した投資総額は、現在のまでにおよそ5億ドル(約556億円)になった話している。また、私は推測するところでは、Fairの現在の企業価値は、株式投資家が集団で事業を支配していない状態で、10億ドル(約1112億円)は下らない。

株式投資の他に、Fairは車両を揃える目的で最大10億ドル(約1112億円)の借入資本を確保した。Painterが私に話したところによると、今回の投資により、同社は必要なときに必要に応じて大きくなる借金の壺ができたという。「平たく言えば、株1ドルにつき10ドルの借金ができます。その現金を使って車を買うのです」

データを使ってスケールを拡大する

Painterは、株式投資はおもに、より多くの市場に事業を広げるために使われると話しているが、それはライドシェア業界に留まらず、「ギグエコノミーの中にいるあらゆる労働者」も含まれる。とは言え、一部の投資は同社の技術プラットフォームにも引き続き割り当てられる。

このプラットフォームには、近年成長してきた金融サービスに共通するものがある。ビッグデータの解析と人工知能を利用するというものだ。Fairは、手続きをできる限り簡便化して、ちょっと興味を持った人を、本物の顧客に変えることを目指している。

この場合は、同社の新車または新車に近い車(こちらが主だが)を借りたい人は、たった2つの書類を提出すればよい。自動車運転免許証と、クレジットカードか銀行口座を証明するものだ。

これを元に、Fairは申請者の資産概要をバックエンドで組み立て、リースが可能かどうかを即座に判断する(それだけでも大きな成果だ。車のリースや購入には、多くの人の手と時間を要する手続きが付き物だからだ。そうした手間を省くことができる)。利用者は車を「サブスクライブ」(定額利用)することになる。契約は5日前の通知で解約できる。プランは130ドル(約1万4500円)からとなっている。

車両の側でも、Fairは計算を行っている。どの車種に需要があるかを見極め交渉を行う。自動車販売業者(すでに3000社と契約している)との間で価格を決め、車を入手するための、確かなビジネスの流れを作る。

そのビジネスのデータの流れには、無駄な側面はないようだ。

「私たちのアプリは、およそ200万本インストールされていて、中古車を探している人のための大変に便利な場になっています」とPainterは言う。「それを通じて、私たちは利用者とその購買行動の情報を手に入れ、それをもとに、どの車種や製品が適しているかを考えることができます。データ駆動形の深層学習の実践です」

Painterの事業は、車を所有せず、すべての人がリースする自動車産業を前提としている。好都合なことに、それは、自動車産業はすでに変化し始めていると信じる大勢の人々の考えと一致している。

変化はこのように起こる。自動車がより高性能になる。そしてより高価になり、人々の手が届きにくいものとなる。または、自分で運転するのを嫌うようになる(まさに、自動車メーカーはそんな未来のための準備を始めている)。

人々が移動サービスを好むようになるか、まだ自分で運転したいと思うかに関わらず、自分で車を買うことはなくなる。こうした傾向を、オンデマンドサービスで見てきた大きな経済の変化と合体させると、効率的で、納得価格のリースというビジネスモデルとなり、人々は一度試してみようと思うようになる。

長期的には、個人に車を提供する以外に挑戦したいドライビング・シナリオがあるとPainterは言っている。

「今、私たちは乗用車と個人の移動にフォーカスしていますが、小型の運搬車という商用利用も考えられます。たとえば、小さな運送会社やパン屋、花屋など、輸送が必要なすべての業種が対象です」とPainter。「しかし、2019年はUberや同業の企業を助けることが先決です。そこには明確な要請があります。彼らを成長させるために、私たちはオフバランスシートでやっていきます」。Uberも同業の企業も、いずれは株式を公開する。それが来年である可能性もある。まさに、成長という名のゲームの始まりだ。

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(翻訳:金井哲夫)

死亡事故から数か月経ったUberが自動運転車のテストを再開

ロイターの報道によれば、Uberは同社の自動運転車のテストの再開をペンシルベニア州から認められた。

Uberはペンシルベニア州交通局から認可証をもらったが、まだ自動運転の運用を再開していない、と同社のスポークスパーソンが確認した。

Uberは今年の3月にアリゾナ州テンピーで歩行者の死亡事故を起こして以来、自動運転車の試験走行をやめていた。セーフティドライバーを乗せたUberのSUVが北へ向かって走行中に女性にぶつかり、その女性は病院に運ばれたが重傷で死亡した。

警察の取り調べによると、ドライバーのRafaela Vasquezは、43分間のテストドライブの間204回、下を向いてスマートフォンを見ていた。テンピー警察署の計318ページの報告書には、そう書かれている。

事故後Uberは、ピッツバーグ、トロント、サンフランシスコ、およびフェニックスにおける自動運転車のテストをすべて休止した。

最近発表されたUberの安全性報告書によると、今後同社は自動運転車の試験をより慎重に行なうことになる。まず、すべてのテスト走行において、2名の社員をフロントシートに乗せる。自動ブレーキシステムは常時有効とする。同社のセーフティドライバー等に対する監視をより厳しくする。

Uberは自動運転車の開発を2015年に開始し、その翌年にはテストを開始した。その同社は二週間前に、秘かにIPOを申請した。同社の現在の評価額は720億ドルで、来年おそらく1200億ドルという大きな時価総額で上場すると予想されている。

関連記事: Uber、密かにIPO申請

画像クレジット: Uber

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これはマツダ版Uber!? コネクティビティ技術を活用した移動サービス実証実験を開始

マツダは、広島県三次市において地域住民と行政機関である広島県および三次市と連携して、コネクティビティ技術を活用した移動サービス実証実験を開始した。

マツダは、将来のライドシェアを見据えたこの移動サービス実証実験をとおして、地域の活性化とその地域において、いつまでも安心・安全で自由に移動することが可能な、心豊かな暮らしにつながる社会貢献モデルの構築を目指しているとのことだ。

昨今、中山間地域における公共交通の空白化などにより、高齢者や身体の不自由な方を中心に移動手段の不足が社会問題となっている。マツダでは、このような社会問題に対して、クルマとコネクティビティ技術を活用できるようにすることにより、地域住民が助け合うコミュニティ、そこに参加する地域内外のドライバー、そこで生まれる人と人とのつながりを創出していきたいと考えているとのこと。

マツダは、今回の移動サービス実証実験において、地域移動サービスで用いる運行管理システムおよび利用者用アプリの開発を担当。このアプリ開発によって、地域住民が運行する地域移動サービスの運営を省力化するとともに、アプリ内のコンテンツを充実させることによって人々の参加を促し、地域の活性化につながる様々な付加価値を生み育む取り組みに貢献していくとのことだ。

なお、マツダは今回の実証実験で得られたデータを蓄積し、次世代コネクティビティ技術や自動運転技術と組み合わせたライドシェアサービスの開発を目指しているとのことなので、将来的には地域限定のマツダ版Uberのような形になるのだろうか。

ちなみに、ダイハツも、高齢化の進行や地域の生活を支えるモビリティサービス事業への期待が、年々高まっていることを踏まえて、持続可能なまちづくりにおけるモビリティのあり方について検討を開始し、日本総合研究所が、2018年8月29日に設立した「まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム」に参画することを発表している。

ダイハツは、地域の人々に幅広く利用されている軽自動車サイズの車両を用いて、生活に寄り添った乗合サービスに最適な車両要件を検証。幅員の狭い生活道路など、環境に見合ったサイズと乗車人員を両立する「アトレーワゴン」をベースとしたダイハツらしい最小単位の低コストな車両を提供し、地域受容性・乗降性・快適性を主に検証する予定だ。

なお、将来の地域移動に必要なハードとソフトを見極めるべく、まずは自動運転ではなく交通事業者の運転士による手動運行で実施されることになっている。

高齢化の進行や地方や都市近郊のニュータウンなどの交通インフラの弱体化を踏まえると、今後の自動車メーカーの役割は、自分で運転するためのクルマを作るだけでは不充分であり、運転できない人も含めて、いかに人々の移動を快適に、スムーズにしていくことも大きな役割となりそうだ。

■関連リンク
マツダ 公式サイト
http://www.mazda.co.jp/
日本総研ニュースリリース
https://www.jri.co.jp/company/release/2018/1214/

AutoBlog 日本版からの転載。

StarbucksがUber Eatsを使う出前サービスを来年は全米2000店に拡大、すでに中国で実験に成功

Starbucksが来年はUber Eatsとのパートナーシップを拡大して、アメリカにおける契約店を2000店以上に増やす。これはアメリカの全店舗の約1/4だ。

それでもちろん、UberのフードデリバリーサービスUber Eatsの方も足場が強化される。Uberによると、2018年の終わりまでにアメリカの人口の70%以上をカバーしたいそうだ。Starbucksとのパートナーシップがスタートするのは来年だが、これによりマーケットシェアでPostmatesと肩を並べる、もしくは抜くことは確実だ。

Starbucksが出前サービスStarbucks Deliversをパイロット事業としてマイアミと東京で開始したのは9月だ。実は本当のルーツは中国で、AlibabaとのパートナーシップでオンデマンドフードデリバリーサービスEle.meを立ち上げたし、また上海と杭州ではご当地のスーパーマーケット経由でサービスをパイロットした。

それらはまだ実験段階だが、かなり成功しているようだ。中国ではStarbucks Deliversは、立ち上げから3か月で全国30都市2000店に展開している。これは、木曜日(米国時間12/13)の投資家カンファレンスで同社自身が挙げた数字だ。

というわけで今度は、中国で学んだことをアメリカに応用しよう、というわけだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Uber、密かにIPO申請

Lyftが2019年初めの新規株式公開(IPO)を目指して米国証券取引委員会(SEC)に書類を提出した2日後、ウォール・ストリートジャーナルによると、Uberも同様にIPOの書類を提出した。

Uberは金曜日に密かにIPO申請し、これにより2大配車サービスの上場に向けたレースが始まった。

Uberの最近のプライベートマーケット評価額は720億ドルで、この創業10年の会社が上場すれば価値1200億ドルになることが予想される、と報道されている。当然、ここ10年で最も期待されているIPOの一つとなるだろう。

Uberはコメントの求めにすぐには応じなかった。

Travis Kalanickによって2009年に設立されたUberは、PitchBookによると、借金とエクイティファンドでこれまで計200億ドルを調達している。SoftBank単体で数十億ドル投資していて、SoftBankは最大の株主となっている。Uberのもう一つの鍵を握る援助者はトヨタだ。トヨタは数カ月前にT. Rowe Price、Fidelity、TPG Growthと同じくレイトステージ投資家として5億ドルを出資した。

First Round Capital、Lowercase Capital、その他もUberのエグジットによる大きな稼ぎを待ち構えているーこれら全てはUberの最も初期のベンチャー・キャピタルラウンドの参加者だ。

IPO申請は予想よりわずかに早かった。Uberの現在のCEO、Dara Khosrowshahiは以前、2019年半ばのIPO完了を予想している、と語っていた。しかし今回のニュースに基づけば、Uberは来年の第一四半期にデビューするペースだ。

「[Uberにとって]公開企業となることはデメリットだらけだ。スポットライトを浴び、メリットは一つもない」とKhosrowshahiは2017年のニューヨークタイムズ紙のDealbook会議のステージで語っていた。

Uberは最近、第三四半期の決算を公開し、そこではプロフォルマ・ベースで当期純損失が前年同期比32%増の9億3900万ドルだった。利払い・税引き前利益に減価償却、無形固定資産の償却費を加えた(EBITDA)ベースでは、Uberの損失は5億2700万ドルで、前年同期から21%増えた。売上は前年同期比5%増の29億5000万ドルで、対前年比では38%の増加となっている、とUberは明らかにした。

UberのIPOタイムラインはLyftの密かなIPO作業の報道を受けて前倒しになった。Uberの米国での最大の競争相手であるLyftは2019年第一四半期に公開する可能性が高い。Lyftの最近の企業価値は約150億ドルとされている。LyftのIPOはJPMorgan Chase、Credit Suisse、Jeffriesが引き受ける。

これとは別に、SlackもまたIPOを準備していて、こちらはGoldman Sachsが引き受けるとの報道があり、2019年はユニコーンがエグジットする華やかな年となりそうだ。Lyft、Uber、Slackの3社だけで計940億ドルの価値があり、つまり2019年は間違いなく多くのテック投資家に流動資産をもたらすことになる。

イメージクレジット: Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Uberの2016年のデータ流出と隠蔽、英国とオランダが計100万ドル超の制裁金科す

Uberが2016年に顧客5700万人の名前や電子メールアドレス、電話番号などのデータを流出させた件に対する制裁金はさらに100万ドル超上積みされた。

2カ月前、この配車サービス大手は、米国でのデータ流出に関係する法的問題を解決するため50州、加えてワシントンD.C.と和解し、制裁金1億4800万ドルを払うことに合意した。

しかしながら流出には欧州のユーザーのデータも含まれていた。そして昨日、英国のデータ保護当局であるICOは英国の法規制に基づき、38万5000英ポンド(約49万ドル)の制裁金を科すと発表した。

オランダのデータ保護当局もまた昨日、オランダの法に違反したとして60万ユーロ(約67万ドル)の制裁金を科した。

EUの法律適用においては、英国とオランダでのデータ流出はEUの法律が施行される前のことだったとしてUBERは巧みに回避した。

英国の制裁金は最大50万英ポンドだったのに対し、EUの新たな一般データ保護規則(GDPR)では対象企業のグローバル年間総売上高の4%が最高額となる。

GDPR下での比例式の制裁金は大きな額になりやすい。

ICOは、英国拠点のドライバー約8万2000人の記録ー過去の走行の詳細や、いくら支払われたのかといったものを含むーが2016年の10月と11月にあったデータ流出で盗み出されたが、Uberがその事実を公にしたのは1年前だったと指摘した。

一方、オランダの当局は、データ流出は17万4000人のオランダ市民に影響を及ぼしたとした。

GDPRではデータ流出の事実開示を定めていて、情報を扱う機関は、欧州市民の個人情報に影響する流出があった場合、72時間以内に関係する当局にその旨を通知しなければならない。その通知が遅れた場合、罰金が発生する可能性がある。

2016年のUber情報流出の調査で、Uberのデータストレージにアクセスするのに‘認証情報の数打ち’が使われたことが明らかになった、と英国の当局は述べているーその手口とは、ユーザーネームとパスワードのペアを、存在するアカウントとマッチするまでウェブサイトに入力するというものだ。

しかしながら当局はUberの問題のあるインシデント対処も指摘し、Uberのセキュリティが“不十分”だったと非難するだけでなく、“不適切な意思決定”だったと表した。

データ流出をすぐさま明らかにする代わりに、Uberは個人情報を入手したハッカーに10万ドルを支払うことを選び、彼らにデータを破棄するよう依頼した。そして、脆弱性報奨金制度を管理するサードパーティを通じて支払いを迂回させた。

ICOは、ハッカーがデータへのアクセスを不法に手に入れるために脆弱性を利用する方法を探し、悪意をもってハッキングに及んだと指摘しつつ、Uberの隠蔽を“不適切”と表現した。

調査にあたったICOのディレクターSteve Eckersleyは声明の中で「ハッカーに金を払いデータ流出を隠蔽するというのは、我々の考えでは不適切なサイバー攻撃対応だ。当時の規制では、データ流出を報告する法的義務はなかったが、Uberのお粗末なデータ保護プラクティスとデータ流出にかかる意思決定、そしてその後の行いが、事態をいっそう悪化させた」とコメントした。

さらに「これはUber側のデータセキュリティに深刻な欠陥があっただけでなく、個人情報が盗まれた顧客とドライバーの完全な軽視だった。当時、データ流出で影響を被った人に対し、その事実を知らせたりヘルプやサポートを提供する措置は取られなかった。そのために個人情報が盗まれた人は攻撃されやすい状態に置かれた」と加えた。

ICOはまた、制裁金を科すその理由の詳細がつづられた決定文書の全文で、制裁金の意図はこうした種類の“さらなる違反を阻止することだ”と記している。

オランダの当局もすぐさまデータ流出を明らかにしなかったことを制裁金の根拠に挙げている。

我々がUberにコメントを求めたところ、広報から以下の文が電子メールで送られてきた。

2016年から続いてきたデータ事件の章を閉じることができるのは喜ばしい。調査中、我々は欧州の当局と情報を共有し、インシデントが起こって以来、我々はシステムのセキュリティにおいて多くの技術的改善を図ってきた。規制当局と顧客に適切な透明性をさらに確保できるよう、管理体制にも大きな変更を加えた。今年初め、我々は初となるプライバシー責任者、データ保護責任者、新たな信頼とセキュリティ責任者を置いた。我々は過ちから学び、ユーザーの信頼を得るために日々取り組んでいく。

隠蔽は“不適切”としたICOの記述についてのコメントも求めたが、Uberは言及しなかった。

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(翻訳:Mizoguchi)

UberがLinux Foundationに加盟してオープンソースツールへのコミットを強化

Uberが今日の2018 Uber Open Summitで、同社がLinux Foundationにゴールド会員として加盟し、オープンソースのツールの利用と寄与貢献にコミットしていくことを発表した。

UberのCTO Thuan PhamにとってLinux Foundationは、同社がオープンソースのプロジェクトを育(はぐく)み開発していくための場所だ。“オープンソースの技術はUberの中核的サービスの多くを、そのバックボーンとして支えている。会社の成熟とともに、これらのソリューションはますます重要になっている”、と彼はLFへの加盟を発表するブログ記事で述べている。

意外なのは同社が参加したことでなく、それまでに要した年月の長さだ。Uberはかなり前から、その中核的ツールにオープンソースを多用していることで知られていたし、同社の資料によると、これまで320あまりのオープンソースプロジェクトとリポジトリに関わり、1500名のコントリビューターが70000あまりのコミットに関わっている。

Uberのスポークスパーソンは次のように語った: “Uberは何年も前から、オープンソースによる共有的ソフトウェア開発とコミュニティのコラボレーションに有意義な投資をしてきた。その中には人気の高いオープンソースプロジェクト、分散トレーシングシステムのJaegerへのコントリビューションもある。また2017年にはLinux Foundation傘下のCloud Native Computing Foundationに加盟している”。

Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinも、Uberの加盟を喜んでいる。声明文に曰く: “彼らの専門的な技能や知識は、これからクラウドネイティブ技術やディープラーニング、データ視覚化など今日のビジネスにとって重要な技術の、オープンなソリューションを進めて行かなければならないわれわれのプロジェクトにとって、きわめて有益である”。

Linux Foundationは数多くのオープンソースプロジェクトがその傘下にある支援組織で、Uberのような企業がオープンソースのプロジェクトをコミュニティに寄与貢献しメンテナンスしていくための、組織構造を提供している。そしてその傘の下には、Cloud Native Computing Foundation, Cloud Foundry Foundation, The Hyperledger Foundation, そしてLinuxオペレーティングシステムなどの専門的組織が並んでいる。

これらのオープンソースプロジェクトをベースとして、コントリビューターの企業やデベロッパーコミュニティが改良やフォークを重ね、自分たちのビジネスに活かしていく。Uberのような企業はこれらの技術を使って自分のバックエンドシステムを動かし、サービス本体は売らないけどオープンソースのオープン性を利用して自社の将来の要求も満たしていく。その際はコントリビューターとして貢献することになり、取るだけでなく与える側に回る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Uber、オンデマンド人材派遣サービスをテスト中――B2Bビジネスにも意欲

Uberは短期間の業務に対する人材派遣ビジネスに乗り出す。最初に報じたのはFinancial Timeで、1099人の独立契約者1099人をイベントや会社の行事に派遣する。事情に詳しい情報源がTechCrunchに語ったところによると、Uber Worksというビジネスはウェイター、警備員などをビジネスパートナーの臨時業務に派遣するものだという。

Uberはロサンゼルスでテストを行った後、ここ数ヶ月、シカゴでこのビジネスを実施してきた。Uberには膨大な人数のドライバーのネットワークがあり、全員が独立の契約者として内国歳入庁に収入を申告する手続きに習熟している。そこでドライバーの仕事以外の副業にも興味を示す契約者もいるだろう。ただし、現在のUber Wiorksはパイロット版であり、契約ドライバーを対象にしていない。

Uber Worksを指揮するのは 6月に新モビリティー事業の責任者に就任したRachel Holtだ。Holtは2011年からUberに所属しており、モビリティー・ビジネスを自転車、スクーター、レンタカー、公共交通機関などに拡大する作業を実行してきた。

シカゴにおけるUberのスペシャル・プロジェクトの責任者を募集する文書によれば、 「われわれのビジネスは仕事のやり方の柔軟性を中心としている。ビジネス・パートナーの業務に対してオンデマンドで人材を派遣することが目的だ。パートナーにとって直感的に使いやすくタイムリーにニーズを満たせる人材を供給できるようにしていくことがもっとも重要だ」という。

Uberはこの件に関してコメントすることを避けた。しかし上場がいよいよ来年に迫る中、Uberは真剣にビジネスの多様化を図りつつある。スタートアップJUMPを買収して自転車共有事業を開始するなどモビリティーの手段を拡大するマルチ・モーダル化に全力を挙げているのもその一例だ。先月はサンタモニカで電動キックスケーター事業をスタートしている。

人材派遣が正式なビジネスとして発足するのかどうかはまだ不明だが、UberがB2Bサービスでも重要な地位を築こうとしていることは間違いない。またダイバーシティの推進を含め、ドライバーの人材獲得システムの強化にも努力中だ。

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滑川海彦@Facebook Google+

記者失踪問題に絡みサウジ同盟がUberボイコットを展開

Uberが、ペルシャ湾地域でボイコット運動に直面している。この地域は近年、同社の配車サービス事業に何十億ドルもの投資を注いできたところだ:Saudi Arabia’s Public Investment Fund(PIF)を通じて直接的に、そしてUberの別の大きな投資家であるSoftbankのVision Fundにサウジが主要インベスターとして出資しているのを通して間接的に投資を行なってきた。

この地域が呼びかけているUberボイコットはサウジ同盟が昨日火をつけた。BloombergReutersの報道によると、バーレーンの外相がUberボイコットを求めるハッシュタグをリツイートした。

Uberのスボークスマンはこの件についてコメントを拒否している。

ツイッター上でのボイコット呼びかけでは、Uberアプリを同業ライバルCareemにかえるようユーザーに促している。ただし、このUber以外の選択肢がすでに当地で展開されているのかは定かではない。

Uberへの怒りは、UberのCEOであるDara Khosrowshahiサウジ記者Jamal Khashoggi失踪事件への反応が引き金となっている。Khashoggiは米国居住者で、トルコ市民の女性と結婚するための書類を入手しようと、アポを入れていた10月2日にイスタンブールにあるサウジ総領事館に入って以来、姿を消している。

新聞の報道ではKhashoggiは、殺人を目的にトルコに入国したサウジの暗殺チームによって総領事館の中で殺害された。サウジ出身の国外在住ジャーナリストは皇太子の体制に批判的な記事を書いていた。

独立系のケーブルテレビの映像では、Khashoggiが総領事館に入るところが映っているが、そこを出てきたことを示すものは何もない。しかし、サウジ政府は関与を否定していて、サウジ市民はトルコを観光目的で訪れているだけだと主張した。

Khashoggi失踪に関する懸念の高まりを受け、企業トップが相次いで今月下旬にサウジの首都で開かれる投資会議への出席取りやめを発表し、UberのCEOはそのうちの一人だった。

Khosrowshahiは先週、「Jamal Khashoggiについての今日までの報道を大変憂慮している。この件を注意深く見守り、かなり異なる事実が出てこない限りはリヤドで開かれるFII会議には出席しないだろう」との声明を出している。

Uberは今日TechCrunchに対し、Khosrowshahiが未来投資イニシアチブ会議に出席しないことを認めた。この会議はサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、別名MBSが主催するものだ。彼はPIFのチェアマンで、Uberの役員会のメンバーでもあり、Uberにとって鍵となるインベスターだ。

こうしたつながりが、今回の件を自身の方針にどう照らすのか、Khosrowshahiにとって複雑なものにしているーKhosrowshahiはUberのCEOに就任したとき、ルールの一つとして「終始正しいことをやる」と示した。

Uberが2年前にサウジPIFから35億ドルの出資を受けたとき、「正しいことをやる」はたった一つのことしか意味していなかった。それはUberを成長させるということだ。CEOで創業者のTravis Kalanickにとって交渉時は特に懸念事項はなかった。

サウジから資金を調達したとき、Kalanickは「我々はグローバルでのプレゼンスを拡大し続けるが、我々のビジネスを後押ししてくれるのはありがたい。サウジアラビアでの経験は、Uberがいかに乗客、ドライバー、そして街に貢献できるか良い例となる。サウジアラビアの経済・社会刷新をサポートするためのパートナーとなることを楽しにみにしている」と言っていた。

当時のサウジは、改革のイメージとなるようなプロジェクトを探していて、と同時にイエメンに軍事介入し、さらには国内の批判を抑圧するという長い歴史を抱えていた。そうした保守的なレジームから投資を受けることの倫理的、政治的リスクについて、Kalanickが考慮したかどうかは定かではない。

しかし2016年に、そしてSoftBankを介して昨年末に再びサウジの投資を受けるという選択はいま、Khosrowshahiの大きな悩みのタネとなっている。

Mangrove Capital Partnersの創業者でCEOのMark Tluszczは、UberそしてインベスターのSoftBankに“アップサイドはない”とツイートし、UberのCEOはKhashoggiの運命についての懸念を自分自身に向けるべきだと提案している。

続いてあった人権についての質問に対する返事として、Tluszczはまた「CEOは個人的に自分のしたいことをしてもいい。しかし個人的な意見を表明するのに肩書きを使うべきではない。個人的な考えが全ての株主の益になるかは疑わしい」と述べている。

Bloombergはまた、Khashoggi失踪についての抗議が高まるにつれ、そしてVision Fundとともにとったアプローチにインベスターが疑いの眼差しを向けるにつれ、SoftBankによる株保有は厄介なものになり続ける、と指摘している。

Uberの場合、Khosrowshahiは治外法権のジャーナリスト失踪について、サウジ政府に対し批判的なことは何も言っていない、ともいえる。しかしこれが、‘正しいことをする’と声高にPRしていたCEOを難しい立場に追いやっている。

‘Uber:時々我々は正しいことをする’は、‘終始我々は正しいことをする’とは同じ意味とならない。Uberブランドにある悪を出し切ることは、明らかにKhosrowshahiがUberにい続けられるかどうか鍵を握る要素となる。

にもかかわらず、同時にUberは何十億ドルものサウジ投資に浸かったままだ。PRメッセージだけでは、社の投資ストラクチャーの問題にもつながる過去の問題ある決断を洗い清めることはできない。

それは言葉以上のものを要する。

だからUberはいま、Khosrowshahiの発言のために地域限定の逆風の中にいる。偽善者のように見える可能性もあるが、自らを大株主と対峙させることになっているーこれは新たなインベスターがらみのいざこざとなるリスクがある。

過去の問題が経営に深くかかわるとき、近道はないといってもいいだろう。

もちろん、サウジの資金を活用しているのはUberだけではない。TechCrunchが先週報道したように、他にも多くのシリコンバレー企業が最近のMBSの歩み寄りを歓迎していて、少なからずSoftBankのvision fundを通じてサウジのPIF資金を受け入れている。

MBSについて、ボストン拠点のFlybridge Capital PartnersのJeff Bussgangは先週我々に対し、ベンチャーや未公開企業は何年も中東のキャピタル筋から資金を調達している、と語った。そして、「通常、起業家は政治にフォーカスするのを好まず、歴史的に金の出どころに多くの注意を払わない(“PLOやイランから”の金でない限り)」と付け加えた。

将来の起業家が、投資がどこからくるのかさほど気にかけなくていいほどにおごっていられるのかは、現時点では不透明だ。政治的、そして地政学的なリスクは間違いなく起業家のレーダーで大きな存在になるに違いない。

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(翻訳:Mizoguchi)

英国のUberドライバー、賃金と労働条件の改善求めストライキへ

Uberドライバーの利益を守るための組合が、明日24時間のストライキを呼びかけている。

配車サービス大手Uberは、労働者としてこのプラットフォームを使って運転する人のことを快く思っていないかもしれないが、2016年、英国の労働裁判所は法的な問題に直面したのち、現・前ドライバーのグループを独立契約者として分類することに反対すると、裁定した;2017年Uberが労働裁判所に初めて控訴した時にも再びそのような裁定をしている。

しかしながらUberの控訴は続いている。

いわゆる“gig economy”プラットフォームで働いている個人を代表してキャンペーンを行う組合の一つ、独立系労組IWGBは今日、Uberドライバーによるストライキを発表した。

Uberドライバーは不当な非アクティベーション(労組は“事実上の解雇”と表現している)をなくすこと;1マイルあたり2英ポンドへの料金の増額(ロンドンでの最近のレートは1マイルあたり1.25英ポンド);ドライバーからUberに支払われる手数料の10%減額;そして労働裁判所の判断と“ドライバーの労働の権利の尊重、最低賃金の支払い、有給休暇を含む労働条件”の適用を求めている。

労組は、英国の法律ではUberドライバーは、Uberが主張する独立契約者としてではなく縁辺労働者と分類されるべきだと主張している。

そしてUberユーザーに対しストライキを尊重し、明日はアプリを使わないよう呼びかけている。

IWGBの個人ハイヤードライバー部門の委員長はJames Farrarで、彼は2016年にUberに対して労働裁判を起こした前Uberドライバーだ。

声明でのコメントで彼は「手取り給料の目減りや、労働者をいじめるマネジメントの増加を何年にもわたってみてきて、労働者はストライキを起こすことを余儀なくされた。我々は社会に、ストライキ中にアプリを使わないことでデジタルのピケラインを超えず、どうかドライバーをサポートして、とお願いしたい」としている。

24時間ストライキは10月9日の午後1時からロンドン、バーミンガム、ノッティンガムで行われる予定だ。

IWGBは、ストライキに参加するドライバーがストライキ開始時に3都市にあるUberのオフィスの外で抗議を行うと言っている。

これに対し、Uberの広報がTechCrunchに対し電子メールで送ってきた声明は以下の通りだ。

「我々は常に、ドライバーにとって可能な限り最も良い乗車体験となるよう、そしてアプリを使って運転時間を最大限活用できるよう改善を図っている。だからこそ我々は過去数カ月、いくつもの新機能を加えた。これには、疾病、怪我、妊娠、パタニティの保護が含まれる。先月の学術調査では、ロンドンのドライバーは1時間あたり11英ポンドを稼いでいて、これは全コストやUberのサービスチャージを引いた後の額だ。我々は引き続きドライバーの収入が増える策を模索する。もし、現在抱える問題について我々に訴えたいのなら、ドアはいつでも開かれている」。

Uberの広報はまた、疾病や怪我、妊娠、パタニティの支払いを含むドライバーに対してUberがヨーロッパ中で提供している無料保険の拡大を含め、労働裁判所の裁定後に英国で行なった数々の変更点を強調した。

そして、これまでに変更を加えた数も指摘している。その変更には有料の待ち時間やアプリ内でのチップ、年金や無料講習といったお得な商品の割引などが含まれる。

広報はまた、Uberが最近立ち上げたドライバーがリアルタイムに収入を把握できるアプリや、ドライバーの収入増をサポートするためのデータ分析へのアクセス、ドライバーと乗客のための24時間電話サポート(これは実際にはロンドン交通規定の必須要項だ)もアピールしている。

Uberは事業展開する全ての都市で、ドライバーのフィードバックに耳を傾け、いかに対応するかの体制を正式に整えた、と言っているーたとえそうでも、ストライキを回避できるほど十分ではなかった。

Uberが強調する変更点は、Uberドライバーの置かれた状況を改善するという意味では前向きな取り組みかもしれないが、英国の裁判所がドライバーは労働者と認定されるべきとの見解を示せば、Uberは欧州で事業を継続するためにかなりの額を払わなければならないことになるだろう。

Uberは以前、もし最大5万人となる英国のプラットフォームを使っている‘自営’Uberドライバーに労働者の権利を適用したら、事業費は何千万英ポンドとなるかもしれない、と言っている。

裁判所判断に対するUberの見解は10月30日、31日に示される。

イメージクレジット: Carl Court

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(翻訳:Mizoguchi)

Uber、選挙日に投票所への無料乗車を提供

Uberは、移動手段を投票に行くか否かの決定要因にしたくないと考えた。来る投票日にUberは有権者が地元の投票所を簡単に見つける方法を提供し、非営利団体と協力して一部の人たちを投票所に無料で送リ届ける。

2018年11月6日、Uberは米国の利用者に投票所を簡単に見つける方法を提供、さらに無料乗車を予約できるようにする。Lyftも同様の試みとして、投票日に投票場所まで半額または無料で乗車できるサービスを提供する。

「決定を下すのはやって来た人たち」、とUber CEOのDara Khosrowshahiがブログに書いた。「今年の投票日、Uberは人々が簡単にそれを実行できるように、われわれにできることをする」

2016年の大統領選挙では、調査に回答した若者の35%が、移動手段がないことを投票しなかった理由に挙げた。

またUberは非営利団体の協力を得て、同サービスの乗客、運転手の両方が、州の締切日までに選挙登録をすませられるように進めている。今日(米国時間10/4)から投票日までの期間、Uberは全国125箇所以上のドライバーハブで選挙登録キャンペーンを主催する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

リニューアルされたGoogleアシスタントからUber、Lyftが音声で呼べる

Googleアシスタントを使ったことがあれば、音声でUberやLyftのタクシーが呼べればいいのに、と思ったことがあるだろう。今日(米国時間10/4)からそれが可能になる。ユーザーはGoogleのスマートアシスタントから音声でUber、Lyft、Ola、Grab、GO-JEKなどの配車サービスを利用することができる。

新機能が使えるのはGoogleアシスタントが利用できるスマートフォンとスマートスピーカーだ。ユーザーは特定のサービスを指定することもできるが、“Hey Google, book a car to SFX”(ねえ、Google、サンフランシスコ国際空港まで車を1台予約」などと単に行き先を告げるだけでもよい。この場合Googleアシスタントはその地域をカバーしている配車サービスとそれぞれの料金を表示してくれる。

実際に配車を予約することになると、アシスタントはそれぞれの会社のモバイル・アプリを起動する。

アシスタントが自分で予約まで実行するわけではないとはいえ、その経路で使えるサービスと料金を即座に教えてくれるのは便利な機能だ。とくに旅行に出発する時間が迫っていて荷造りに追われている中でタクシーを呼びたいようなときにはありがたい。

Googleのアシスタント事業のディレクター、Lilian Rinconは私の取材に対して、「ほぼ同様の機能はすでにGoogleマップにあるが、アシスタントから使えればユーザーにとってさらに便利になる」として次のように答えた。

私たちはGoogleアシスタントはGoogleの最良の部分を代表するショーケースと考えている。アシスタントのチームはライドシェアリング利用機能をサポートするためにGoogleマップのチームと密接に協力してきた。

昨日Googleはアシスタントのビジュアルをリニューアルした。新機能はこのアップデートの一部ではないようだが、ライドシェアリング各社の料金を教えてくれるだけでなく、経路のマップが表示されるようになったのは、Googleがアシスタントをサービスの中心に置き、ビジュアル化をいっそう進める努力をしていることの一環だろう。

新機能は順次、世界にリリースされているところだ。当面は英語版だが、今後サポートする言語は拡大される。

画像:TechCrunch

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滑川海彦@Facebook Google+

Disrupt SFで語られたAIの現状に関する5つの注目点

[著者:Taylor Nakagawa]

人工知能(AI)に期待されていることは計り知れないが、そのゴールに至るまでのロードマップはいまだ不透明だ。TechCrunch Disruptサンフランシスコのステージでは、AIを専門とする知識人たちが、現在の市場での競争の様子、アルゴリズムが差別主義を助長させないための方法、未来のマンマシン・インターフェイスといった課題について意見を述べ合った。

そこで、2018年のDisruptで語られた、AIの現状について注視すべき5つの点を紹介しよう。

1. アメリカがAIで中国に参入しようとすれば多くの障害に遭遇する

SinnovationのCEO李開復(リー・ カイフー)(写真:TechCrunch/Devin Coldewey)

中国がAIに力を入れて華々しい発展を遂げていることは、各方面で数多く報道され、もはや無視できない存在にまでなっている。AlibabaやTencentのような巨大企業が国産ビジネスに何億ドルもつぎ込んでいるため、アメリカ企業がAIで中国に参入しても、動き回ったり拡大できる余地はだんだん狭くなっている。AI投資家でありSinnovationのCEO李開復(リー・ カイフー)は、AI開発においては、中国とアメリカは「並行宇宙」に生きていると話している。

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Sinnovation会長にしてCEO李開復は、AIに関しては中国はアメリカを超えたと話す。

Googleの中国進出を助けた李は、「AIを電気と同様に考えるべき」だと説明している。「トーマス・エジソンもAIの深層学習も、どちらもアメリカ生まれですが、彼らはそうした技術を発明し、寛大にも公開しました。今や中国は、最大のデータ量を誇る最大の市場として、従来型のビジネスのあらゆる場所、インターネットやその他のあらゆるスペースに価値を加えるために、AIを実際に使っています」

「中国の起業家エコシステムは巨大です。現在、コンピュータービジョン、音声認識、ドローンの分野でもっとも価値の高いAI企業は、すべて中国企業です」

2. AIの偏見は古い問題の新しい顔

9月7日、カリフォルニア州サンフランシスコにて。モスコーンセンターで開かれたTechCrunch Disrupt第3日目のステージで討論する(左から)Ken Goldberg(UCバークレー教授)、Timnit Gebru(Google AI研究者)、Chris Ategeka(UCOT創設者、CEO)、Devin Coldewey(司会)(写真:TechCrunch用にKimberly White/Getty Imagesが撮影)

AIは、数多くの仕事から、つまらない単調な作業をなくし、人々に生産性と効率性をもたらすと約束されてきた。しかし、多くのAIシステムの学習に使用されるデータには、人間が持つ偏見が植え付けられていることがあり、それを放置すれば、所得格差や人種差別といった体系的問題をはらむコミュニティーを今よりも疎外することにつながりかねない。

「社会的経済地位の低い人たちは、より監視が強化され、さらにアルゴリズムで調べられることになります」と、Google AIのTimmit Gebruは言う。「なので、地位の低い仕事の求職者ほど、自動化されたツールで処理される可能性が高くなります。現在、こうしたアルゴリズムがさまざまな場所で使われていますが、機会均等法のような法律に準拠しているかを確かめることすらできていません」

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アルゴリズムの偏見は、所得格差と人種差別に根をもつ古い問題の新しい顔だ。将来のより客観的なアルゴリズム構築のためのステップの概要を示すTimmit Gebru(Google AI)、Ken Goldberg(UCバークレー)、Chris Ategela(UCOT)

危険なアルゴリズムが広がりを阻止できる可能性のある解決策を、UCバークレーのKen Goldbergが解説した。彼は、複数のアルゴリズムとさまざまな分類子が共同して働き、ひとつの結果をもたらすアンサンブル理論の概念を引用している。

しかし、不適切な技術のための解決方法が、よりよい技術であるかどうかを、どうやって確かめたらよいのだろう。Goldbergは、適正なアルゴリズムを開発には、AIの外の分野から来た、さまざまな経歴を持つ人間が欠かせないと語る。「機械の知能と人間の知能には、深い関連性があると思われます」とGoldbergは説明する。「異なる視点を持つ人は非常に貴重です。ビジネスの世界でも、そうした人が認められつつあるようです。それはPRのためではなく、異なる経験値と多様な視点を持つ人がいれば、よりよい決断が下せるからです」

3. 未来の自律走行は、人と機械の協力に依存することになる

UberのCEO、Dara Khosrowshahi(写真:TechCrunch/Devin Coldewey)

運送会社の多くは、移動が高度に自動化されて、人間が介在することがかえって有害になる近未来の夢の世界を想像している。

UberのCEO、Dara Khosrowshahiは、そうはならないと指摘する。人間を隅に追いやろうと競い合う時代では、人間と機械が手を取り合って働くほうが現実的だと彼は言う。

「人間もコンピューターも、それぞれ単独で働くより、一緒に働いたほうがうまくいく。私たちには自動化技術を導入する能力があります。サードパーティーの技術、Lime、私たちの製品は、すべてが協力してハイブリッドを構成しています」

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「未来の自律走行は、人と機械の協力に依存することになると、UberのCEO、Dara Khosrowshahiは言う」

Khosrowshahiが最終的に描いているUberの未来では、エンジニアがもっとも危険の少ないルートを監視し、乗客のための最適なルートが自動的に選択されるという混合作業になるという。この2つのシステムを組み合わせることが、自律走行の成熟には大変に重要で、乗客の安全を守ることにもなる。

4. アルゴリズムを「公平」だと判断するための合意による定義は存在しない

9月7日、カリフォルニア州サンフランシスコにて。モスコーンセンターで開かれたTechCrunch Disrupt第3日目のステージで話をするHuman Rights Data Analysis Group の主任統計学者Kristian Lum(写真:TechCrunch用にKimberly White/Getty Imagesが撮影)

昨年の7月、ProPublicaはある報告書を発表し、その中で機械学習が、独自に偏見を芽生えさせる危険性を強調している。調査によると、フロリダ州フォートローダーデールで使われていたAIシステムは、黒人の被告が将来再び犯罪を犯す可能性は、白人の被告の2倍あると誤った指摘を行った。この歴史的な発見は、公正なアルゴリズムの構築方法に関する論議を呼び起こした。

あれから1年、AIの専門家はまだ完全な構築方法を見つけていないが、アルゴリズムにおける、数学と人間というものへの理解を組み合わせた文脈的アプローチが、前に進むための最良の道だと考える人は多い。

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公正なアルゴリズムをどうやって作るか? Kristian Lum(Human Rights Data Analysis Group)は、明確な答えはないが、AIの文脈的なデータトレーニングによると言う。

「残念なことに、公正とはどんなものか、に関する定義の普遍的な合意が得られていません」とHuman Rights Data Analysis Groupの主任統計学者Kristian Lumは話す。「データをどのように刻んでゆけば、最終的にアルゴリズムが公正でないとわかるのか、ということです」

Lumの説明によれば、この数年間、数学的な公正さの定義を巡って研究が進められてきたという。しかし、このアプローチはAIの道徳に対する見識と相容れない場合が多い。

「アルゴリズムの公正さは、大いに文脈に依存します。それは、トレーニングに使用するデータに依存するということです」とLumは語る。「問題について、深く理解しておく必要があります。そして、データについても深く理解しておかなければなりません。それができたとしても、公正さの数学的定義への意見は分かれます」

5. AIとゼロトラストは「理想的な縁組」であり、サーバーセキュリティーの進化の鍵となる

9月6日、カリフォルニア州サンフランシスコにて。モスコーンセンターで開かれたTechCrunch Disrupt第2日目のステージで話をする(左から)Mike Hanley(DUOセキュリティー副社長)、Marc Rogers(Oktaサイバーセキュリティー上級ディレクター)、司会のMike Butcher。(写真:TechCrunch用にKimberly White/Getty Imagesが撮影)

前回の大統領選挙で、私たちは、個人情報、金融資産、民主主義の基礎を守るために、セキュリティーシステムの改良が喫緊の課題であることを学んだ。Facebookの元主任セキュリティー責任者Alex Stamosは、Disruptサンフランシスコにおいて、政治とサイバーセキュリティーの現状の厳しい見通しを示し、次の中間選挙でのセキュリティーのインフラは、2016年当時からそれほど良くなっていないと話した。

では、セキュリティーシステムの改善に、AIはどれくらい役に立つのだろうか。OktaのMark RodgersとDuoのMike Hanleyは、AIと「ゼロトラスト」と呼ばれるセキュリティーモデルの組み合わせに期待を寄せている。本人確認ができないかぎり、どのユーザーもシステムにアクセスできないという仕組みだ。それが、人を介さず侵入してくる相手を積極的に排除できるセキュリティーシステムの開発の鍵になるという。

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AIとゼロトラストが組み合わせた将来のセキュリティーシステムの仕組みを説明するMarc Rodgers(Okta)とMike Hanley(Duo)

「ゼロトラストの背景にある考え方全体が、自分のネットワーク内のポリシーを自分で決めるというものなので、AIとゼロトラストは理想的な縁組なのです」とRodgersは話している。「AIは、人間に代わって決断を下すことを得意としています。これまで人間には不可能だったほどの短時間で判断します。ゼロトラストが進化して、ゼロトラストのプラットフォームにAIが組み込まれるようになることを、私は大いに期待しています」

この大きな仕事を機械に任せられるようになれば、サイバーセキュリティーのプロは、もうひとつの差し迫った問題を解決する機会を得る。それは、これらのシステムを管理する資格を持つセキュリティーの専門家の配属だ。

「必要な仕事を実際に熟せる有能なセキュリティーのプロが、大幅に不足してます」とHanleyは言う。「それは、セキュリティーを提供する企業にとって、片付けなければならない仕事が特定できる非常に大きなチャンスとなります。この分野には、解決されていない問題が、まだたくさんあります。なかでも、ポリシーエンジンは面白いチャレンジになると思います」

Disrupt SF 2018


Disruptサンフランシスコ2018のその他の記事(英語)

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(翻訳:金井哲夫)

Airbnb、ホストに株式付与を計画――SECに規則701改正のパブコメ提出

評価額310億ドルの巨大企業、Airbnbは宿泊施設を提供している契約ホストに会社のビジネスに参加する道を開こうとしている。Axiosの報道によれば、AirbnbはSEC(証券取引委員会)に株式の所有に関する規則の変更を求める要望書を提出した。

Airbnbが変更を求めているのは、SECが企業の株式保有に関する条件を定めた規則701だ。Airbnbでは共有経済に対応する新たな株式保有者の分類を設ける必要があるとしている。Uberは同様の措置を求めてSECと会談しているが、Airbnbの場合は要望を文書として明確化して提出した点が異なる。こちらから全文が読める(Axiosが発見した)。要望書には次のように書かれている。

共有経済市場におけるAirbnbの成功はホストの成功にかかっている。 われわれは ホストその他 早い段階から非公開企業の共有経済に参加している関係者がその企業の株式を得られるよう規則を改正することは共有経済における企業と参加者に成功へのインセンティブをもたらし、双方の利益になるものと信じる。 

Airbnbは早ければ来年にも株式を上場するもの.と見られている。

ホストやUberやLyftのドライバーに対する株式付与の仕組みの詳細はまだ明らかでないが、実現のためにはSEC規則の改正が必要だ。現在のSECの規則では非公開企業の株主が2000人を超えるか、非適格投資家株主が500人を超える場合、所有の登録や審査などの手続きが必要となる。

2008年の創立以来急拡大を続けてきたAirbnbは現在500万件以上の宿泊先をリストするようになっている。SECの株式保有に関する規則が同社にとって大きな障害となっていることははっきりしている。ただ規則が改正されたとしも、ホストのうちどれくらいの部分が株式を得られるようになるかはまだ分からない。またSECの規則に抵触するような人数の契約者に対して株式による報酬を与えようと考える共有経済のスタートアップがどれほどあるのかも不明だ。

いま一つの問題はAirbinbのビジネスの国際化が進んでいる点。Airbnbの宿泊先の大部分はアメリカ国外に所在している。Airbnbでは世界190カ国の8万1000都市でビジネスを展開していると主張している。このような状態の場合、ホストがアメリカ企業の株式を受け取ることからは複雑な問題が生じる可能性がある。

そうであっても、Airbnbが同社の成功にホストの役割が決定的であると公式に文書で認めたことは積極的な方向への一歩だ。共有経済企業がこのような形で参加者との関係をポジティブな文脈で論じるのは珍しい。

現在メディアで取り上げられる議論はほとんどが共有経済の運営企業と参加者との対立だ。たとえばUberの場合が典型だが、契約ドライバーは社員ではないという連邦地裁の決定が出ている。これにより、契約ドライバーは公正労働基準法を受けないとされた。

共有経済の参加者は柔軟な働き方ができる一方で、同様の仕事をしている常勤社員が受けるような、有給休暇、超過勤務手当、健康保険など、各種の福利厚生から取り残されるという問題を生じている。こうした問題をカバーしようとするスタートアップも多数生れていいる。しかし多くの場合、福利厚生のコストは労働者が負担することになる。共有経済に参加する労働者は当初から経済的に余裕がない場合が多く、問題を複雑化させている。

〔日本版〕SECは規則701の改正を検討しており、これに関してパブリックコメントを求めていた。Airbnbの文書はこれに応えたもの。連邦証券法によれば未公開企業の株式の売買、保有には各種の制限が課せられるが、SEC規則701はその例外を定めている。未公開企業がストックオプションなどにより報酬の一部として社員に株式を付与する場合はこの条項によっている。Airbnbは契約ホストのような共有経済参加者にも適用されるよう規則の改正を求めている。

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滑川海彦@Facebook Google+

Uberの自動運転車開発、トロント拠点増強に1億5000万ドル投資

Uberの自動運転車がアリゾナ州テンペで歩行者をはねて死亡させた事故から何カ月もたち、この大手配車サービスはトロントに新たなエンジニアリングハブを設けると発表した。自動運転車の開発に再度注力するため、自動運転研究チームを増強する。

Dara Khosrowshahiは、昨年UberのCEOに就任してから初めてカナダのテックハブを訪れ、今後5年間でトロントに1億5000万ドル投資すると明らかにした。300人を新たに雇用し、トロントの従業員数を計500人にする計画だ。新しいエンジニアリングハブは来年初めのオープンを見込む。

この件について、我々はUberにコメントを求めている。

「我々は、カナダのイノベーションへの姿勢が積極的で、トロントのテックエコシステムが活発であると認識している」と Khosrowshahiは地元紙Toronto Starへのコメントでこう述べている。「この素晴らしい多様性に富んだ地域から生まれるイノベーションをサポートしたい」。

Uberは5月に高度技術グループのトロントオフィスを開所した。このオフィスのトップは地元のAI研究者Raquel Urtasunだ。Urtasunはトロント大学の教授で、機械学習とコンピュータービジョンにおけるCanada Research Chair(編集部注:カナダ政府直属の専門教授職)も務める。

死亡事故を受けてUberは当初、路上での自動運転車プログラムを全停止し、カリフォルニア州での自動運転車に関する許可も更新しなかった。その後、Uberは自動運転車の路上試験を再開したが、マニュアルモードで行なっている。

トロントでは自動運転車試験を昨年から実施していて、UberはトロントでのAV研究強化に引き続き“かなり注力する”と述べている。

イメージクレジット: Jeff Swensen / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Uber CEO:配車サービスはスクーターと自転車と空飛ぶタクシーに取って代わられる

今から10年後、配車サービスは件数ベースでUberの事業の50%以下になる、とCEO Dara Khosrowshahiが木曜日(米国時間9/6)のTechCrunch Disrupt SFで話した。

ステージ上で掲げた予言は、UberとKhosrowshahiが都市環境のあらゆる移動手段に関わり利益も上げている最近の動きと一致している。KhosrowshahiがCEOに就任してから1年、Uberは数百万ドルで自転車シェアリングのJUMPを買収し、UberRENTを発表し、ドックレス電動スクーターサービスの計画を発表、そしてUberのマルチモーダルな未来を探るべくモダリティ組織を新設した。

同社にとって最初で最大の収入源である配車サービスは、配達アプリのUberEATSと共に大きく伸びていくだろう、とKhosrowshahiは言った。しかし、長期的には、乗用車に依存する移動手段は減っていく傾向がすでにみられている。

われわれは、交通のAmazonになりたい、とKhosrowshahiは言う。「願わくば、今から10年後、ここにいる人は誰も車を所有していないだろう」。

ドックレス電動スクーターと自転車が——いつかは空飛ぶタクシー も——その計画の中心だ。

「実際私は個人用電動乗り物に関して非常に強気だ」とKhosrowshahiは言った。「スクーターはそのバージョン1だ」。

インタビューのビデオは下で見られる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook