GoogleのWaze買収の効果が一つ実る: MapsがWazeのリアルタイム事件事故報告をインポート

GoogleがWazeを買収したのは、当然ながらGoogle Mapsを良くするためだ。そして今日(米国時間8/20)まさにMapsは、そのモバイルのアプリをアップデートしたことによって、やや良くなった。Wazeのリアルタイム事件報告をAndroidとiOSのアプリの導入したのだ。

Wazeでは、ユーザが事故、路肩駐車、工事、道路封鎖などを、見つけた運転者がリアルタイムで報告できる。それによってほかのユーザは、いろんな対策をとれる。この機能を使えるのは、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、フランス、ドイツ、メキシコ、パナマ、ペルー、スイス、イギリス、合衆国だけだが、今後もっと増える予定だ。

ただし、このMapsのアップデートはリードオンリーだ。つまり、事件報告を見るだけ。報告行為はWazeからでないと、できない。Wazeのアプリも、今日アップデートされ、ユーザにGoogleの機能を少々おすそ分けした。Google Search(検索)、ストリートビュー、衛星画像などだ。いずれも、Waze上で熱心にいろいろ報告する人を助けるだろう。

Googleの、Wazeの扱い方も見えてきた。Mapsに完全合体させるのではなくて、むしろMapsプロジェクトの“枝”の一つとして、コミュニティ起源の製品開発部門、という位置づけだ。だからWazeはWazeで便利なアップデートの提供を続けることが結果的に、Mapsの情報力の強化にもつながるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Nook、今四半期は対前年で売上20%減と試練続く―デジタル事業の分社化は否定

Barnes & Nobleがeブックとeリーダー事業から生じた損失を取り返すことは容易ではないようだ。

同社がさきほど発表した四半期決算報告によれば、Nook事業の売上は前年同期比で20.2%落ち込んだ〔B&Nでは今年の5-7月期を2014会計年度の第1四半期としている〕。Nookの売上は1億530万ドルで、前年同期比ではマイナスだったものの、前四半期の1億800万ドルからは上昇した。

Nookのハードウェア事業は対前年同期比で23.1%ダウンだったのに対してデジタル・コンテンツの売上は15.8の減少にとどまった。B&Nではこの不振の原因を一部はNookのタブレット、eリーダーのセールスの不振に求めているが、同時に今年はHunger Gamesや50 Shades of Grey三部作のようなブロックバスター作品が出なかったことも影響したとしている。印刷版、オンライン版を合計した小売事業全体の売上は10億ドルで対前年同期比9.9%のダウンだった。

今回の報告でB&NはNook事業に今後も注力していう姿勢を鮮明にしたといえる。会長のLeonard Riggioは以前言明していた小売事業の再編は中止するとし、「その代わりにB&NはNookの1000万台普及を当面の目標とする。そのために店頭およびオンライン販売の双方に力を入れる必要がある」と述べた。つまりB&Nは以前報道されていたようにNook事業と現実店舗の事業を分社化するのではなく、双方を一体として運営していくという路線を取るようだ。

Nook MediaのCEO、Michael P. Husebyもコメントを発表し、「Nookシリーズは今後も価値あるプロダクトとして市場jに提供される。現在複数の新機種を開発中であり、すくなくとも1機種はクリスマスまでに登場する」と述べた。Nookデバイスの製造をサードパーティーのメーカーに開放するかどうかについては依然触れられなかった。今朝の10時にカンファレンス・コールが予定されているので、何か新しいことがわかればフォローする。

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Google Glassに究極のアプリが登場: 警官,消防士,災害救助などの現場が使用する多用途情報機器へ

Google Glassは、ポケットから携帯を取り出さなくてもTwitterでも何でもチェックできる、というだけのもんではない。もっともっといろんなアプリケーションの可能性がある。今日(米国時間8/19)、公共的通信の安全性に関するカンファレンスAPCOで紹介されたMutualinkも、そんな例の一つだ。それは、警官や消防士や救急隊員などのためのGoogle Glassアプリだ。

このアプリを使って犯罪や事故や災害などの現場の公務員たちが、リアルタイムビデオで現場の状況をストリーミングしたり、重要な文書(ビルの図面、被害者の医療記録など)を送ってもらって見たり、現場の監視・防犯カメラの画像を見たり、などなどができる。緊急時の現場作業員のための究極の情報機器であり、行政無線などが死んでいても本部やそのほかの組織と連絡できる。

このようなアプリには、プライバシー侵犯の懸念がある。最近ではニューヨーク市長のMichael Bloombergらが、警官のユニフォームにカメラを装着することに反対した。ありとあらゆる悪用の可能性があるから、という。しかしMutualinkは、機器のコントロールは最初から最後まで警官等の公務員の手中にあるので、そのセキュリティは保全される、と主張している。

公共の安全を担当する公務員たちがそうやって各現場で使うようになれば、Google Glassにとって大きなイメージアップだ。今後は建築現場などいろんな場所で、搭載ならぬ“頭載”型のコンピュータが一般的に使われるようになるだろうから、見た目にも違和感はなくなる。だからそれは、Google Glassにとって非常に長期的な用途の一つかもしれない。Mutualinkは今すでに、NATOの特殊部隊や、合衆国の国土安全保障省、警察庁、消防庁などにサービスを提供している。つまり、この製品の基盤となるような関係が、すでにあったわけだ。

まだロボコップではないが、一歩近づいたとはいえる。ただし下手をすると現場の人間が情報過剰で身動きできなくなる可能性もあるから、事前に十分なテストと教育訓練が必要だろう。

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Minuumが公開ベータに。Androidユーザーは新しいタイプのキーボードを3.99ドルで試せる

トロント大学が出資したインタラクションデザインのスタートアップ、Whirlscapeが、 今日(米国時間8/19)ベータ版を一般公開したIndiegogoのキャンペーンで資金調達に成功した後限定トライアルを行っていた。 Whirlscapeの最初の製品はMInuum Keyboardで、QWERTYのフルキーボードを1行に圧縮して画面を解放し、テキストの予測候補をたくさん表示してユーザーがあまり考えることなくタイプできるようにしたソフトウェア入力メソッドだ。

MiniuumはIndiegogoで8万7354ドルを集め、当初の目標であった1万ドルをはるかに上回った。支援者たちはこのキーボードアプリをAndroidのベータ版として早期に利用できたが、このたびGoogle Playストアで公開されたことでユーザー基盤は拡大されるだろう。Whirlscapeは、ベータ版にもかかわらず料金を3.99ドル徴収する決断を下した。これはキャンペーン当初から多くの関心が寄せられていたことを示す確かな証だ。実は、支援者たちは利用するために5ドルを払っているので、以前と比べればディスカウントだと同社は言っている。

Androidのキーボードソフトウェア会社は、製品に課金することが多い。SwiftKeyも有償で、かつ価格は3.99ドルなので、前例のないことではないし,無料で提供しておいて後から課金することはその逆よりも難しい。

これまでのところMinuumユーザーの定着率は高く、Indiegogo経由で早期利用に登録した9500人のうち、過去2ヶ月間に約8000ユーザーがアクティブだ。WhirlscapeのMaria Lioutaiaによると、iOSバージョンは開発者向けのデモアプリとして年末に提供予定だ(Appleは、ユーザーがデフォルトのソフトウェアキーボードを変更することを許していないので、開発者はMinimumを自社アプリに組み込む必要がある)。Androidのスマートフォンまたはタブレットを持っているユーザーは、今すぐ公開ベータに参加できる。

Minuumは最初に公開されて以来、数多くの更新を経てきたが、Whirlscapeの次の作業である複数言語へのローカライズが完了するまで、ベータの称号は残る。

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Appleは9月のイベントでiPhoneのハイエンド機とローエンド機の新製品を発表するとWSJも報じる

今日(米国時間8/19)のWall Street Journalの記事によればAppleは9月にiPhone次世代モデルを発表するという。これにはハイエンド機とローエンド機が含まれる。これまでもわれわれはAppleが9月10日にイベントを開催し、そこでiPhoneを2機種発表するという情報を何度も聞いている。しかし今回のWSJの記事はこれをほとんど確定した事実という調子で報じているのが注目される。

WSJは発表される機種の内容については詳しく触れていないが、おそらくiPhone 5の後継機となる従来通り金属ボディーの5S(デュアル・フラッシュの内蔵やスペックの向上などが期待される)とカラフルなプラスティック製ケースで低価格のiPhone 5C(Sonny Dicksonからリークされた 上の写真のような)になるものと予想される。最終的な製品名がどうなるかはまだわからないが、基本的な内容は上記のとおりで間違いないはずだ。

もう一つ確からしいのは、iPhone 5Sにゴールドのケースが加わることだ。週末にわれわれが報じた後、AllThingsDも今朝確認した。発売開始が9月下旬になるというのも、これまでのiPhoneの発売スケジュール(発表後2週間で出荷開始)に合致する。

iPhoneを2種類一度に出荷するというのは供給上の困難が予想されるが、これまで何度も正確な観測を発表してきたアナリストのMing-Chi Kuoによれば、AppleはiPhone 5の製造能力を全面的にiPhone 5Cに振り向ける計画だという。

Appleのイベントに前後して最大のライバル、Samsungも新製品を発表するらしい。9月は仕事が忙しくなりそうだ。.

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タブレットは職場にも浸透しているがキーボードは捨てられない…Forresterの調査より

今や至る所でタブレットを見かける。PCよりもタブレットを使う人が多くなり、PCの売上は低迷している。でも、タブレットが人気だからといって、企業のIT部門が全面的にタッチインタフェイスに移行すべき、とはかぎらない。Forresterの最近の調査報告書によると、タブレットをキーボードで使いたい人が多い。つまりソフトウェアキーボードがどんなにもてはやされても、全員がフルサイズノートブックのQWERTYキーボードを戸棚にしまってしまうわけではないのだ。

Forresterが合衆国とヨーロッパの情報労働者1000名あまりにアンケート調査をした結果、62%が仕事でもタブレットを使いたいが、ただしワイヤレスのキーボードやキーボードドックアタッチメントもほしい、と答えている。35%は、コンバーチブルのラップトップを望み、34%は、必要なときはタブレットを使うが、タイピングの量が多いときはふつうのコンピュータを使う、と答えている。

Asusや人気三位のXploreなどは、いろんなサイズ・形状のタブレットを揃えているしキーボードアタッチメントもあるから、この調査結果を見て会心の笑みを浮かべるだろう。頑固なタッチ原理主義のAppleは、どうかな?(キーボードに前向きになるか?)。でもMicrosoftは、Surfaceタブレットに関して手放しでは喜べない。とりわけ、売上と製品の性能とWindows RTの評判が、あまりよろしくないからね。

またこの調査結果は、タブレット専用のキーボードアクセサリを作っているメーカーにとって朗報だ。社員の多くがiPadを保有している大企業などに、その“キーボード化備品”を売り込めるからだ。また、今後出てくるかもしれないハイブリッド機にも、十分な商機がありそうだ。

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Facebook、サードパーティー・サービスの支払情報の自動補完機能をテスト中(AllThingsDの「PayPal的サービス」というのは誤報)

Facebookがテスト中の新しい機能はPayPalのライバルになるようなものではなく、ユーザーの支払情報を自動的に補完入力して買い物を便利にする機能だと判明した。

今日(米国時間8/15)、AllThingsDは「Facebookはサードパーティー・アプリ向けに新機能をテストしている。これはPayPalのライバルになるようなサービスだ」と報じたが、詳細は明らかにしなかった。

現在テストされている機能は、ユーザがサードパーティーのモバイル・アプリ内で買い物をするといにクレジットカード情報、住所などの情報を自動的に入力してくれるというものだ。この情報はFacebookないでGifts機能やゲーム内購入などの機能を利用して支払いをしたときにユーザーが入力したものを利用する。この機能の利用を許可した後は数クリックで買い物が完了できる。いらいらさせられるモバイル・デバイス上での入力をしないですむ。

Facebook自身が支払いを仲介処理するわけではないのでPayPalのライバルになるというのは誤報だった。 この機能を使っても実際の支払いはPayPal、Braintree、Stripeその他、既存のサービスを経由する。この機能の利用は無料。

Facebookの狙いは、Facebook広告がクリックされた際に実際に購入行動に結びついたかどうかについて情報を得ることだ。これによってFacebookは広告主に対していっそう正確な費用対効果を示すことができる。

さらに詳細な情報は Facebook PaymentのテストはPayPalのライバルではなく入力情報の自動入力というわれわれの記事を参照。

われわれはFacebookに取材中なので、新しい情報が入り次第アップデートする。

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Google Mapsストリートビューの楽屋裏を見せるためのサイトができた…とにかくきれい

GoogleはそのTrekker(トレッカー)事業に相当な人と時間を投じて、地球上のはるか遠方の地域を地図とビューに収めてきた。そして今回は、その楽屋裏をユーザに見せ、それらの場所と制作過程の両方について、詳しく教えてくれる。そのためにGoogleが特製したサイトはBehind The Scenes site for the Treks Street View projectと名づけられ、そこにはビデオや素晴らしい画像、地図、オーディオヴィジュアルなツアーなどがある。

この楽屋裏サイトは暇つぶしに絶好だが、Googleはここで複数のプロダクトをユーザに一望させる。それらは、YouTube、Google Maps、Mapsのツアー、HTML5によるWeb技術、スライドショウ、などだ。またここは、ある意味ではChromeブラウザの潜在的な能力を見せるデモでもある。

現在、このミニサイトで見られるのは、Burj Khalifa(ブルジュハリファ, 上図)、Iqaluit(イカルイト)、Mt. Everest(エヴェレスト山)、Grand Canyon(グランドキャニオン)、Great Barrier Reef(グレートバリアリーフ)、Amazon Basin(アマゾン盆地)、Kennedy Space Center(ケネディ宇宙センター)である。Galapagos Islands(ガラパゴス島)やVenice(ヴェニス)のツアーも、もうすぐ加わるそうだ。

GoogleはTrekker事業に企業や団体の協力を求めているから、あなたが作ったビューが、このミニサイトの呼び物になる可能性もある。Googleの独創的というか独走的なプロジェクトにはときどき、何の役に立つの?と冷やかしたくなることもあるが、このミニサイトはなにしろ、ヴィジュアルがきれいである。

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Facebook、有名人専用モバイルアプリをテスト中。ファンとの交流を容易に

Facebookは、階級別に分かれていくのだろうか?世界のあらゆるものと同じように。report from AllThingsD’のMIke Isaacの最新情報によると、その可能性は高い。Facebookは、VIP専用モバイルアプリをテスト中で、著名人は自分の周辺で起きている活動や会話をモニターし、即座に返信する機会が与えられる。

FacebookのVIPアプリは、ユーザーを持てるものと持たざるものに階層化するためのものではない — 注目を集める人たちがよりアクティブになりサイトに定着してもらうためだ。言い換えれば、Facebookは再び「人の持っているものは自分も手に入れる」とTwitterに言っている。Twitterは有名人の活動が多く、その結果多くのユーザーを定着させている。理論的に考えて、有名人の活動の増加は若い世代のユーザーを引寄せるのに大きな効果があり、即ちティーンユーザー問題を抱えるFacebookにとって役立つ。

Facebookは、過去にモバイル端末向けにページ・マネージャーを公開したが、それも同様な動機付けによるもので、ブランドが自社のFacebookのプレゼンスを出先からでも管理できるようにする。他にもブランドや有名人がソーシャルメディアのフォロワーを管理し繋ぎ止めるためのサービスはある。HootsuiteやTroy CarterのBackplaneは、実質的にブランドやアーティストが彼らのオンラインでのアイデンティティーからコミュニティーを作るための方法と言ってもよい。

Isaacが指摘するように、Facebookは最近、Twitterから「借りてきた」新機能をいくつも提供している。ハッシュタグトレンドトピックス等々だ。これは同社
が全体公開シェアにシフトしようとしている大きな取り組みの一環であり、友達にならなくても公開アップデートを読むことのできるフォロワー機能もその一つだ。

Facebookの広報担当者が、本件に関する公式声明を発表した。

現在当社は、著名人のファンとの交流を便利にするためのモバイル機能をいくつか試行している。現在少人数のパートナーと共にこれらの機能をテストしており、広く展開することになれば詳細を公開する予定だ。

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ベータテストサービスTestFlightが扱ったアプリ40万に達す, 大吉と出た買収効果

モバイルアプリのベータテストをやってくれるTestFlightが、着実に伸びており、とくに最近90日では、同プラットホームにアップロードされる新作アプリの量が大幅に増えた。TestFlightは今ではオーナー企業がBurstlyだが、扱ったアプリの総数が40万に達した。40万がどれだけすごいかというと、それはiTunes Storeのアクティブなアプリの半数に近い。しかもそのうちの15万あまりが、過去3か月以内に来たものだ。

TestFlightの過去3か月のこれまでの記録は、3月に発表された10万だった。Androidアプリは、5月にSDKがベータでローンチされて以来今日までで1500本となる。しかし今ではベータを脱しているので、今後はAndroidデベロッパの全員が利用できることになり、急増が期待される。

iOSバージョンは完全に改作され、効率と安定性が上がった。とりわけゲームのパフォーマンスが向上し、クラッシュデータも漏れなく集められるようになった。改作されたクラッシュ報告では、各問題に“解決済み”のマークを付けられ、さらにクラッシュにまつわる状況を、デベロッパのための参考情報として、より詳細に書けるようになった。またアプリのパフォーマンス分析とクラッシュ報告が一体化され、ユーザ保持率(リテンション)やユーザのフローに対する、クラッシュの影響が分かるようになった。

昨年3月にBurstlyに買収されたTestFlightは、その後もFlightPathなどの新製品を発表、Android対応化、SkyRocketによるモバイルデベロッパのための収益化オプションなど、積極的に業容を拡張してきた。買収がチームのやる気に火を付けた例である、と協同ファウンダのBen Satterfieldは説明する。

彼は買収の時点で本誌のJosh Constineに、“TestFlightは立派な製品だと思うが、買収されなかったら全員、それと心中していたかもしれない。でも今では、朝起きるたびにもっと大きなことを構想できるようになった”、と買収効果について説明している。

同社の最近の急激な伸びは、買収から1年あまり経った今、その効果が大きく花開いている姿を示している。

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Appleの次世代iPadはminiのテクノロジーを利用して軽量化され、外寸も小さくなるもよう

Appleの次世代iPadはiPad miniの特長を備えたものになるらしい。miniの先進的タッチパネル・テクノロジーを採用する結果、多少軽くなり、もしかするとサイズも小さくなるかもしれないという。Wall Street Journalによると、現在部品の大量生産が進められているAppleの次世代 iPadはフィルム・ベース(現行製品はガラス・ベース)のタッチ・パネルを採用しているため厚さと重量が軽減されているという。

これは特に意外とはいえない。上の写真の初期にリークした9.7インチのケース・デザイン はiPad miniの外観デザインが踏襲されている。薄くするだけでなくベゼルを狭くしてフットプリント自体を小さくするする努力も払われているようだ。

そもそも第4世代、第3世代のiPadはiPad 2よりも重くなっていた。これはRetinaを採用した影響だったようだ。その意味で重量とサイズを削ることは単にminiの影響という以上に、旧モデルの所有者に買い替えを促すセールスポイントになるという意味でセールス上Appleにとって極めて重要な要素だろう。

価格は以前のモデルと同程度なるのは確実だ。昨年10月に発売された現行モデルはCPUパワーの強化とLightningコネクタの採用に新味があった。最近の情報を総合すると、。次世代iPadは9月にも発表されそうだ。デザインど同時にバッテリー駆動時間の改良も期待されている。

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イーロン・マスクのハイパーループ計画:理論的に可能な空想科学を実現する時間が今の彼にはない

その未来志向のプロジェクトで知られる派手な起業家が、ハイパーループ計画に関する詳細を、自身のプログや今日のプレス会見に先立ってBusinessweekのAshlee Vanceに説明した。結果は、狂気との境界線上にあるプロジェクトだった。彼はTesla MotorsとSpaceXを作った男であるが、このプロジェクトに関してはそもそも話題にしたことを後悔していると言い、誰か他の人が作るべきものだとさえ言った。

「言わなければよかった」と彼はBusinessweekの記事で言っている。「私にはまだSpaceXとTeslaを成功させる仕事があるし、これはとてつもなく大変だ」

ハイパーループは確かに困難で金がかかりそうだが、これは広く批判に晒されすでに開発にとりかかっている700億ドルの高速鉄道計画に代わるものだ。ハイパーループは低レベルの気圧をかけたパイプに、SpaceXインコネル合金でできた高圧高温に耐えるスキー付きカプセルが収容されている。スキーの小さな穴から吹き出す空気が作り出すエアクッションにカプセルが浮かび、エアジェットによって推進される。全体のコストはわずか60億ドル程度だとMuskは言う。

Muskのプロジェクトは、進行中の高速鉄道計画に対して経済的にみて多くの優位点を持っており、地上に建てられた塔の上につくるよう設計されている。つまり広大な土地を買収したり、農地やさまざまな建造物を破壊する必要がない。Muskの詳細計画によると、環境騒音問題も回避されており脱線の危険も少ない。カプセルを収容するパイプの上に設置したソーラーパネルによって動力も自己調達できる。一つ、残念な点がある。Muskの目論見書によると、ハイパーループの乗車にあたっては、空港でTSAが行なっているのと似たセキュリティーチェックが必須だそうだ。

物理学に深入りするつもりはない。Businessweekが実にわかりやすく解説しており、同誌が話した第一線の物理学者はこれを実現可能と言っている(パイプが透明なら「クール]だとも)。おそらく最高の要約は、ValleywagのSam BiddleがTwitterで言ったこれだろう。

[elon muskはすごいやつだと私も思うが、ここは正直になろう。これは空想上のスペース列車であり、彼は望んだことをどうにでも描くことができる。

この話題に関する彼の 公式ブログ記事が公開されており、(詳細目論見書のPDFは、近々修正される模様)なかなか読み応えのある記事だ。同システムを説明する電話会見でMuskは、せめて誰かに渡すための小規模なデモ用プロトタイプは作りたかったと言った。しかし肝心なのは、自分で作る意志がなく、作るのが恐ろしく難しそうで、今後もまず間違いなく空想の産物であるものをMuskが思いついた、ということだ。実に楽しい。

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Firefox OS搭載のZTE Openがアメリカとイギリスで80ドルで発売

AndroidとiOSの支配がほぼ確定しているアメリカとイギリスのモバイル市場で、いまさら新たに目立つためには何をすべきか? 無契約でアンロックのFirefox OS製品を79ドル99セントで発売するのだ。それだけではインパクトが弱いかもしれないから、販売チャネルをeBayに限定する。以上が、ZTEが考えたFirefox OSスマートフォンZTE Openの立ち上げキャンペーンだ。今週の金曜日(米国時間8/16)から予約販売を開始するらしい。

ZTEが今日(米国時間8/12)のプレスリリースで発表したところによると、すでにスペインベネズエラとコロンビアで発売されているOpenが、合衆国イギリスではeBay限定で79ドル99セント(59ポンド99ペンス)で発売される。色は特製のオレンジのみ。“アンロックなのでどのモバイルネットワークでも使える”。両国のeBayサイトにはすでに、金曜日から“入札”を受け付ける、というバナーが出ている。

ZTE Openは3G対応で、画面は3.5インチ480×320、メモリをmicroSDで拡張可能、リアカメラ3.15mpx、プロセッサは1.0 GHz Cortex-A5だ。3年前の機種だ、とも言えるかもしれないが、ZTE Openがねらっているのはスペックレースで勝つことではない。ひとつは、オープンなWebスタンダードをベースとするOSでどこまでのことができるかを、世の中に示すこと。そしてもう一つは、キャリア縛りが常識のようなスマートフォン市場で、安価なアンロック製品にこだわってみることだ。

Firefox OSと、ZTE OneやAlcatel One Touch Fireのような製品は、途上国市場に高機能製品を届けることが目的だ。それらの市場では、スマートフォンはまだ高すぎて一般庶民は手が出せない。しかしZTE Openをアメリカとイギリスで発売することは、この両国にも安価で、Web閲覧機能など基本性能の充実した、シンプルな製品への需要があることを、意味しているものと思われる。

しかもこの価格なら、アメリカでもイギリスでも、単なる好奇心から買ってみる人が、けっこういそうだ。スマートフォンには珍しいオレンジという色も、一部の人の食欲をそそるかもしれない。

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Appleの新製品発表イベントは9月10日で間違いなし

何を置いてもAppleの新製品発表会には駆けつけるという読者なら9月10日をカレンダーに書き込んでおいて間違いない。

この日付は先週末、 AllThingsDが噂として流したものだが、The LoopのJim Dalrympleが確認した。DalrympleはAppleのプロダクトやイベント情報にかけては世界最高の権威だ。All Things Dももちろん十分に権威のある情報源だが、Dalrympleが確認したことでAppleイベントの9月10日開催は動かぬものになった。

このイベントではおそらくiPhone 5Sが発表されるはずだ。このモデルは外見はiPhone 5とほぼ同一だが、CPUの高速化、デュアルLEDフラッシュ、カメラの改善など、さまざまな点で機能が改善されているという。同時に低価格版のiPhone(5Cと命名されるという噂)もリリースされるものと見られる。このモデルは筐体がカラフルなプラスティック製になる以外、中身は実質的にiPhone 5と同じだという。iOS 7の公式発表はおそらく9月10日のイベントの直後になるだろう。

AsymcoのHorace DediuがiPhone 5Cの予想される価格に関して面白い記事を書いている。それによれば、アンロック版で450ドルから500ドルと現在のiPhone 5より大幅に購入しやすい価格帯になるだろうという。実際どういうことになるか、もう長く待つ必要はなさそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


惜しみなくFacebookは奪う?! モバイルウェブ利用者向けにトレンド・トピックの提供をテスト中

Facebookがハッシュタグを導入してしばらくになる。また、プレスイベントなどでも「リアルタイム・コンテンツ」ということを強調している。いずれももともとはTwitterで使われた表現だが、他にも「Twitter風」の仕組みを試しているようだ。

何の話かといえば「トレンド」(trending topics)だ。TechCrunchからの問い合わせに対し、確かにトレンド・トピックを一部の利用者に対して表示しているとの回答があった。本件を最初に報じたのはAllThingsDだ。

新機能についてのFacebookからの説明を掲載しておこう。

Facebook上でトレンド・トピックを表示する実験を開始しました。アメリカ国内のごくわずかの利用者のみを対象に行なっているものです。またモバイルサイトのみで提供しています(m.facebook.com)。これはあくまでもテスト目的のものであり、細かな仕様などの定まったものではありません。より広範囲に公開することになれば、改めて発表を行いたいと思います。

Facebookが言うように、ごく限られた範囲に提供しているベータ的機能なので、一般公開されるにしても、細かい部分は変わる可能性が高い。ただ現状では、多くのコメントがついているものが「トレンド」としてピックアップされているようだ。表示されるトピックをタップすると、友だちの投稿はもちろん、該当トピックスについて一般公開にて意見を寄せている人の投稿もみることができる。

トレンド・トピックはTwitterでは2008年夏に導入された。そして2010年には有料のPromoted Trendsが導入された。このPromoted Trendsの費用は、現段階で1日あたり20万ドルにもなっているとのことだった。企業・ブランドからの収入はもちろん売り上げの小さからぬ部分を占めるようになっている。Facebookも、閉じた人間関係の中だけでなく、よりパブリックな情報を扱うようにして、リアルタイムの情報を入手する場所としての価値をあげようとしている。トレンド・トピックもその一環で、利用者により魅力的なコンテンツを提供してマネタイズのための要素としたい考えだ。

但し、トレンド・トピックは、フィード上でのノイズともなり得る。モバイル環境では、既にプロモート・ポストや広告なので、友人やネットワークからの情報が見づらい状態になってしまっている。そういう不満の声がありそうだという予想もあって、まずはごく小さな利用者層を対象にテストを行なっているのだろう。友だちや家族からの投稿と、そしてリアルタイムニュースやエンタテインメント情報の表示量バランスを探ろうとしているわけだ。トレンド・トピックが全利用者向けに公開されることになるかどうかはまだわからない。しかしFacebookは変わり続けており、今後はいったい何をTwitterから奪いとろうとするのか、興味深いところだ。

掲載したスクリーンショットはAllThingsDに掲載されたものを拝借している。

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(翻訳:Maeda, H)


測定の革命を目指すSenic, 計測器とスマホとクラウドをリアルタイムで連結

Y Combinatorの今年の夏期クラスから巣立ったハードウェアスタートアップSenicが今日(米国時間8/9)から、最初の製品の予約販売を開始する。それは、今や世界中の工務店やDIYマニアが毎日のように使っているレーザー距離計だが、Senicの製品はBluetooth Low EnergyでiOSやAndroidデバイスに接続してアプリを動かし、さらに測定結果をクラウドに記録し即時にシンクする。

各種測定機器と現場人が持つスマホ(+アプリ)とクラウド上の高度なデータアプリケーション、この三者が常時リアルタイムで連結される。Senicの今後の計画では、マイクロメーターやそのほかの計測器類も、相次いでSenic版を作っていく。協同ファウンダのToby Eichenwaldは、父親の会社の社員として韓国で働いていたとき、同社の顧客たちの仕事ぶりを見て、測定技術は80年代で進化が止まっている、と感じた。

“うちは、スマートフォン用の精密で高感度のデバイスを作っていく”、とEichenwaldは言う。“今作っているのは世界一高性能な電脳型レーザー距離計だ。機器は一種類だが、アプリによって異なる顧客層ユーザ層に対応していく。たとえばDIYの好きな消費者層向けにはフロアプラン(間取り計画)のアプリを付ける。また電気工事や暖房工事をする企業向けには、測距と工事の見積り作成がリアルタイムで連動するアプリを提供する”。

同社が今作っているレーザー距離計は、最大測定距離が200フィート、精度が0.075インチ、耐水耐塵、ワンボタン操作が売りだ。末端小売価格は149ドルだが、今日からは同社のWebサイトで99ドルで予約販売を行う。iPad用のフロアプランアプリ(Androidは4.3からBluetooth Low Energyをサポート)は、家の間取り計画をドラッグ&ドロップで自由に変えられる(下図)。見積り作成アプリは、見積書を作ってメールで送ったり、顧客からの正式の工事発注をアプリ上で受けることもできる。

“ベイエリアの建築家や技術者や大手建設企業などから大量の聞き取り調査を行い、日常の問題点を語ってもらった。アプリが重要と考えるのは、アプリこそが、それらの問題を解決するからだ”、とEichenwaldは言う。“建築業界の人たちは巨額な金と時間に縛られているから、少しでもお金と時間の節約になるものなら、彼らにとっては何でもありがたいのだ”。

発売予定は11月当初、最初のロットは500から1000台だ。生産ラインはすでに本格的なものを持っている。そこが、Kickstarterなどのクラウドファンドプロジェクトとの大きな違いだ、とEichenwaldは言う。上で述べたように、レーザー距離計はあくまでも同社の最初の製品にすぎない。今後は逐次、ありとあらゆる測定ニーズを“Senic化”していく。このように、測定データにスマートフォン上の実用アプリとクラウド上のデータアプリケーションが対応することによって、建設業界の仕事のやり方が大きく変わっていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AndroidとChrome OSにとってPCの全世界的低迷はビッグチャンス

世界のPC市場はこのところ一貫して縮小傾向が続いていて、今メーカー企業は次の成長製品を躍起になって探している。たとえばPCメーカーとしては大手に属するAcerは、WSJ紙によると、Windowsに代わる次世代製品を見つけて、主力製品をそれに切り替えたいと願っている。このような声はやがて、Acerの独唱から業界全体の合唱に変わると思われるが、それはGoogleにとっては大きな朗報だ。

Acerは、PC市場の縮小ぶんをWindows以外の製品で補おうとしている。しかもそれを、迅速にやりたい。スマートフォンとタブレットはAndroidに当然落ち着くが、昨夜(米国時間8/7)行われたAcerの四半期決算報国でAcerのJim Wang社長は投資家たちに向かって、“Chromebookに新たな市場がある”、と述べた。

すでにAcerには、Chromebook C7がある。その199ドルの製品はこれまでのネットブックとの共通点も多いが、OSがChrome OSだ。このGoogleのデスクトップオペレーティングシステムは、Chromeブラウザの機能を拡張してOSふうに仕立てたソフトウェアだ。Wangによると、2013年ではAcerの売上の10~12%がChrome OSとAndroid製品になり、2014年にはこの比率が30%に跳ね上がる。2013Q2に関しては、Chromebookの社内売上シェアはわずか3%だが、もはや空きというもののない、凝り固まったPC市場における、まだ実験的なOSの成績としては、3%は大きい。

他社の見方も、ほぼ同様だ。AsusのJonney Shih会長の見解では、Windows RTは元気のないPC市場に活を入れることに成功していない。しかしその一方で、Nexus 7には将来性を感じるので、先月に出た新バージョンでもGoogleとのパートナーシップは継続している。

これまでは、PC市場の低迷とAppleの活況、という構図があった。PCの売上減vs.iPadの急成長、という状況は、WindowsノートブックからiPadへの乗り換えが起きている、とさえ思わせた。しかし前四半期では初めてiPadの売上がダウンした。それは2013年の初めに出た新バージョンの影響もあると思われるが、しかしPCの低迷から漁夫の利を得ているのはApple製品だけではない、ということの兆候かもしれない。

GoogleのモバイルOS(Android)を載せたタブレットはなかなかファンをつかめなかったが、しかしこのところ調子を上げてきた。対照的にWindowsは、この市場で依然として苦戦している。まだ微々たる勢力のChrome OS製品も、関心を持つ人は増えている。対してWindowsは、7が8になったからといって関心層が増えるということはない。これまでのPCをおもしろくないと思い始めた消費者が、何か新しいものを探すとき、店頭でChrome OSに出会うことは重要かもしれない。少なくともメーカーたちは、これまでどおりのMicrosoft中心のビジネスを、これからもだらだら続けるよりは、何か新しいものに賭けてみることが重要、と感じ始めている。しかもMicrosoftは、Windows 8.1で、8に導入したイノベーションの一部を撤回しているではないか。

Googleには、PC業界の低迷に乗ずるためのビジネスインフラが、かねてからある。同社のライセンスモデルは、既存のメーカーの、インフラをもっと有効利用したいという欲求に迅速に応じやすい。同社のモバイルオペレーティングシステムは今とても好調だから、各メーカーが採用しやすい。またGoogleブランドは今や、世界的な認知と信頼を獲得している。

ちょっと前までは、タブレットにAndroidを採用し、ノートブックにChrome OSを使うことは、Acerのようなメーカーにとっても、試す価値のないリスクだった。Windowsは、一定の売上を必ず確保できる安定的な投資対象だった。でも、今は違う。疲弊している消費者向けPC市場に大きな揺さぶりをかけるには、今が絶好のチャンスだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、オーディオ・ハイパーリンクを開発中。音声ストリーム中に他のメディアへのリンクを埋め込む

Appleが新しいタイプの「オーディオ・ハイパーリンク」技術を開発している(特許申請資料による。 AppleInsiderより)。音楽などのオーディオトラック中に埋め込んだ可聴または不可聴音域の信号を使って他のメディアへリンクしたり、デバイス上で何らかの機能を実行する。これを使えば、iPhoneなどのデバイスはこのハイパーリンクに遭遇した際に、インターネットをブラウズしていて通常のリンクに遭遇した時と同じく様々な機能を果たすことが可能になる。

実用な使用例を挙げる。ポッドキャストにこの音声ハイパーリンクを埋め込んでおき、検知されると主要トラックの再生を一時停止し、そのポッドキャストの特定部分にジャンプしたり、ウェブ上の別の音声ストリームを再生したり、さらには別のアプリやウェブ上のビデオや別のサイトを開くこともできる。別のアプリを呼び出して購入画面を立ち上げるなど、Eコマースの機会をオーディオに埋め込むことも可能で、これはポッドキャストでアフィリエート収益を得たり、iTunes Radioユーザーにアプリや音楽の購入行動を促すのに最適だ。

現在Appleの「enhanced podcast」フォーマットを使って、これらの一部を実施することは可能だが、そのためのメタデータを追加し、ファイルをAACフォーマットで記録する必要がある。新方式は関連するリンクを音声ストリームに直接入れることができるため、ずっとポータブル性が高い。オーディオ・ハイパーリンクは、何らかの入力トリガーと結びつけることが可能なので、ユーザーが音声その他の方法でリンクをアクティベートしないと実行しないようにもできる。

この発明には、オーディオファイルに今日のマルチメディアリッチなモバイルプラットフォームにより適した真のインタラクティブ性をもたらす可能性がある。音声ポッドキャストでのメリットは明らかだが、この技術は音楽、ビデオ、さらには着信音などの通知にも応用できる。

この種のメディアフォーマットは、仮に明日導入されたとしても(比較的最近2012年に申請された特許であるため、まずあり得ない)、広く普及するまでには時間がかるだろうし、業界標準にならない限り大きく普及させるのは困難だろう。しかし、われわれがコンピューター機器と接する方法を基本レベルで変える可能性をもつものであり、今後の発展から目を離せない領域であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


靴ヒモのスタートアップ、Hickiesに学ぶKickstarter成功の秘訣。1年で50万セットを出荷

そう、タイトルにはたしかに「靴ヒモのスタートアップ」と書いてある。Hickiesは、アルゼンチンのMariquel WaingartenとGaston Frydlewski夫妻らのファウンダーチームが作ったKickstarterプロジェクトだ。同サイトで15万9167ドルのクラウドファンドを集めたおかげで、スタートアップはニューヨーク市に移転して量産に入ることができた。Hickiesは、ほどく必要のない靴ヒモで、しっかり靴を固定しながらスリップオンのように着脱が可能だ。

キャンペーンの資金調達は2012年6月14日に終了し、それ以来会社がやってきたことはニューヨーク移転だけではない。プロトタイプと曖昧な市場調査だけで流通に売り込むには型破りすぎるこの製品も、Kickstarterの熱意によって多くの販売契約を結ぶことができた。その中には空港内で人気のちょっと変わった便利グッズの店、Brookstoneも入っている。

「Kickstarterがもたらしてくれた認知度は、そこで調達したお金と同じかそれ以上に重要だった」とFrydlewskiがインタビューに答えて言った。「BrookstoneがHickiesに関心を持ったのはわれわれのKickstarterキャンペーンの直後だった。Hickiesプロジェクトの成功によって、Brookstoneは試行期間をおかずすぐに全国展開する確信を持った」

求愛してきたのはBrookstoneだけではない。Hickiesは、日本、韓国、カナダ、中南米で販売契約を獲得し、9月にはヨーロッパ拠点の子会社による事業拡大を計画している。Frydlewskiは、Kickstarterの極めて国際的なユーザー層が米国以外への販路拡大に大きく役立ったと言う。Kickstarterの独特なプラットフォーム特性がなければ成し得なかったことだ。

Kickstarterは商品開発段階でも支援を続けている。そこで作られたコミュニティーは継続的であり、キャンペーン実行中に有用であるだけでなく、その後も見返りのあるものだとFrydlewskiは言う。

「Kickstarterの素晴らしいところは、真のコミュニティーとして機能し、支援者たちとの対話を続けられることだ。このためわれわれはHickiesがどう使われているか、どう改善すべきかの理解を深められる」と彼は言った。「つい最近発売した第2世代製品は、支援者からもらったフィードバックを数多く反映して開発した。今後も製品の改善を続け、ワクワクする製品を開発するつもりだ」

Frydlewskiと仲間たちは、Hickiesを作る過程でKickstarterキャンペーンの運営方法に関する貴重な教訓を得た。彼はこのプラットフォームを使うスタートアップに対して、販売契約を急ぎすぎないよう警告する。高まる関心に圧倒されかねないからだ。適正評価を行い、前もって適切な拡大戦略を練ることがハードウェアスタートアップにとってのカギだと彼は言う。また、基本的には資金を要求し始める前に出荷準備を整えておくべきであることも彼らは知った。

「Kickstarterキャンペーンをスタートする最良のタイミングは、まさに生産開始準備が完了した時か、サービスや製品を供給可能になった時」だと彼は言った。「市場に入る準備が100%完了していないならKickstarterキャンペーンを始めないことを推奨する」。

Hickiesは、昨年Kickstarterで資金調達を終えて以来、その独創的靴ヒモを50万セット販売することに成功し、現在3大陸7ヵ国で小売りされている。Kickstarterプロジェクトがこの会社ほどうまく働くことは稀なので、彼らが正しいことをしたのは間違いない。おそらく同じ道を歩もうとする人たちには模倣する価値があるだろう。

HICKIES Overview from HICKIES – love your kicks on Vimeo.

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(翻訳:Nob Takahashi)


庭で飛ばす手作り無人ヘリに超高精度(誤差1センチ)のGPSを載せたい人はPiksiに出資を

GPSはほとんどの場合、あまり正確なツールではなくて、あなたの現在位置をだいたい数メートルの誤差で当てる。特殊な信号分析方法によって、その誤差を1センチ以内にまで縮小する技術が、Real Time Kinetics(RTK)だが、その実装製品は通常、一般消費者が気軽に手を出せるお値段ではない。Kickstarterに登場したPiksiプロジェクトは、オープンソースのソフトウェアとハードウェアを組み合わせることによって、無人機(UAV)のホビイストなどにこの、1センチ以内という精度を安価に提供しようとしている。

安価とはいっても、最初のお値段が500ドルだから、デパートのバーゲン品感覚ではない。しかもRTKの1センチという精度を得るためにはデバイスが二台必要だから、お値段は900ドルになる。しかしそれでも、これまでのRTK製品に比べると、はるかにお安い。

しかもPiksiの目的は手作りの無人機の編隊を無事故で飛行させることだけではない。ロケット工学のホビイストにとっても便利だし、航空写真に正確な位置タグを付ける、自動芝刈り機ロボットを作る、などなど、さまざまな用途がある。オープンソースのハードウェアはDIYの世界に浸透していくから、Piksiの用途はユーザの想像力に乗って無限に広がる。

RTKの技術的な詳細は相当難解だが、でもPiksiのホームページには一般向けの比較的分かりやすい説明がある。しかし、それをここで孫引きしてもしょうがないだろうから、なにしろそれは、とっても巧妙なサイエンスだ、とだけ言っておこう。

Piksiを作ったSwift Navigationはサンフランシスコのハードウェアスタートアップで、ファウンダのColin BeighleyとFergus Nobleはそれまで、Joby Energyという会社で商用のRTK GPSシステムを作っていた。Nobleはケンブリッジ大学で物理学の理学修士号、Beighleyはカリフォルニア大学サンタクルーズ校で電気工学の理学士号を取得している。二人とも過去数年、GPS関連の仕事をしていたが、2012年に自分たちの会社Swift Navigationを創業した。

Kickstarterの目標額14000ドルはすでに達成しているから、製品が作られることはもはや確実で、しかもデリバリは今年の9月を予定している。もちろん今からでも追加出資者となって、高精度GPSマニアのお仲間に加わることは可能だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))