アプリストアのデベロッパー虐待でフランスがAppleとGoogleを提訴へ

フランスの経済相Bruno Le Maireが、AppleのApp StoreとGoogleのPlay Storeのやり方をめぐって、両社を批判した。彼によると、GoogleとAppleはアプリのデベロッパーに対して揮う権力があまりにも強大すぎる。Le Maireはその判断を法廷に求め、必要なら巨大テクノロジー企業に罰金を課すつもりだ。

“デベロッパーがアプリを開発してそれらをGoogleやAppleから売ろうとすると、それらの企業が価格を決め、一部のデータを取得し、デベロッパーとの契約を一方的に変更することもある”、とLe MaireはRTLで述べている。“これらはどれも、受け入れられない。これは、われわれが望む経済ではない”。

フランスの政府高官がApp StoreとPlay Storeを問題視するのは、これが初めてではない。先月はARCEP(電子通信郵便規制庁)のSébastien Soriano総裁が、ネット中立性はキャリアとISPだけにとどまるべきでない、という記事を共有した。大手テクノロジー企業も、インターネットの中立性に関して責任がある、というのだ。

Sorianoはそのとき、“スマートフォンのユーザーが直面しているすべての制約を初めてリストアップした”、と述べている。“ユーザーの意味は、消費者と、アプリをストアへ提出するデベロッパーの両方だ”。

デベロッパーには、App StoreやPlay Storeのルールに従う以外の選択肢はない。AppleやGoogleに売上の30%(会員制のアプリなら会費収入の15%)を払う以外の選択肢はない。

AppleやGoogleがストアからアプリを削除しても、事前の契約があるから法に訴えることはできない。ただし契約内容を、交渉によって変えられる可能性はある。

“GoogleとAppleを虐待的事業実践の罪でパリ商業裁判所に訴えるつもりだ”、とLe Maireは言っている。罰金はおそらく数百万ユーロぐらいだから、GoogleとAppleにとっては痛くも痒くもない額だ。しかし、公的訴訟としてはなかなかおもしろい。

大手テクノロジー企業に対するEUの徴税計画は、Le Maireによると2018年の終わりごろに発効する。今月初めに彼は、数週間後に詳細を発表する、と述べた

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Bitcoinが10%暴落。ハッカーがBinanceのAPIキーを不正使用か

仮想通貨コミュニティーにまたまたジェットコースターの日がやってきた。わずか数分の間に、bitcoinの価格は1万0740ドルから9690ドルへと下落した。10.8%のダウンだ。

例によって、実際何が起きているのかを知ることは容易ではない。しかし、少なくともある会社はつらい一日を過ごしている。仮想通貨交換所のBinanceは不審な動きをいくつか発見し、出金業務を一時停止した。

Binanceは最大級規模の交換所のひとつだ。CoinMarketCapによると、有名仮想通貨の取引高でみた交換所のトップ4に名を連ねている。

クラッシュの直前、多くの人々がViacoinに関して極めて異常な動きを察知した。BinanceではViacoinsの膨大な買い注文が発生した。そのわずか数分後、Viacoinの時価総額は6400万ドルから1億5900万ドルに跳ね上がった。

Binanceが調査したところ未承認の売り注文を発見した。「一部のユーザーの資金に問題が起きているという報告を受け調査している。担当者は問題を認識しており現在調査を進めている」と同社がRedditに書いた。「現時点で確認されている被害者はAPIキー(取引きボットなどが使用する)を登録しているユーザーだけだ。Binanceのプラットフォームが不正使用された形跡はない」

このことからどこかのサードパーティーサービスまたはアプリが不正使用された可能性が高い。そのアプリのユーザーはBinanceアカウントの管理にAPIキーを使っていた。ハッカーは同時に注文を発行するボットを作っていたのかもしれない。

Binanceチームは出金を停止したが、すでに遅かったかもしれない。また、そのハッカーは別の交換所でViacoinを大量に保有していた可能性もある。Binanceで価格操作をした直後に大量のViacoinsを売り抜けたことが考えられる。

いずれのケースをとっても、セキュリティーが仮想通貨の大きな問題であることが再認識された。所有するコインは交換所に預けてはいけない。ハードウェアウォレットか、プライベートキーを自分で管理できるウォレットを使うべきだ。

情報開示:筆者は様々な仮想通貨を少量ずつ保有している。

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Appleのオーバーザイヤー型ヘッドホンにノイズキャンセリング搭載か?

面白くなってきた。先週KGIのアナリスト、Ming-Chi Kuoは、Appleが新しいAirPodsとは別にオーバーザイヤー型ヘッドホンを開発中だと報じた 。今日(米国時間3/5)Bloombergは、この情報を確認し、さらにこの新ヘッドホンにノイズキャンセリング機能が内蔵されるのではないかと書いている。

KGIはこの新製品が2018年Q4中、ホリデーシーズンに間に合うように発売されると言った。しかしBloombergは、Appleが発売日を先送りする可能性を示唆している。

AirPodsは成功し、Appleはこの機会を利用して製品ラインを完成したいと思っている。このヘッドホンは小さなAirPodsより音がいいに違いないが、価格も高くなるはずだ —— AirPodsは現在159ドルで販売されている

Beatsブランドのヘッドホンがどうなるかははっきりしない。Appleは2014年にBeats Electronicsを買収した。Appleは音楽ストリーミングサービスで有利なスタートを切りたかった。Beat Musicは最終的にApple Musicになった。

しかし、これはAppleがBeatsのヘッドホンを永久に売らなくなるという意味ではない。具体的には、同社はAppleのワイヤレスチップ、W1を使ったBeatsブランドヘッドホンを複数発表している。これらのヘッドホンはAirPodsに使われているものと同じワイヤレスチップを搭載している。

というわけで、Appleのヘッドホンがまったく新しいデザインなのか、Beatsヘッドホンを再ブランドしただけなのか興味深い。

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どこかの政府ご愛用のCellebriteに頼めばiOS 11が動くiPhoneをアンロックできる

Forbesの記事によると、イスラエルの企業Cellebriteが今や最新機種のiPhoneをアンロックできるそうだ。Cellebriteは、警察の捜査目的などのために、ロックされているモバイルデバイスからデータを取り出す科学捜査ツールを売っていることで有名な企業だ。

iOSの初期のバージョンはあまり安全ではなかったが、近年それは大きく変わった。今売られているiOSデバイスはすべて安全な隔離領域があり、パスコードを使っていればデータはすべて暗号化され、ブート時やデバイスの使用時には何段階ものセキュリティチェックが行われる。

だから、パスコードを知らない人がデバイス上のデータに触ろうとしても、それは難しい。しかし多くの企業が、モバイルデバイスをアンロックする脆弱性を見つけようと努力している。諜報機関などが、そんな捜査ツールの企業にお金を払ってモバイルデバイスをアンロックしようとするから、それはかなり儲かる商売でもある。

そんな捜査ツールが、後れをとることもある。たとえばiOS 8が動いているiPhone 6をアンロックするデバイスは、簡単に見つかる。しかしForbesの記事とCellebriteのWebサイトが正しければ、政府機関などはCellebriteにお金を払って、iOS 11の動くiPhone 8をアンロックできる。なお、Cellebriteは最近のAndroidデバイスもアンロックできる

最新バージョンのiOS 11(11.2.6)でもアンロックできるのか、それとも昨年の9月の11.0だけか、そこは不明だ。すべてのiOSデバイスなのか、一部のデバイスだけか、それも分からない。Forbesが見つけた記事によると、iPhone XもCellebriteによってアンロックされたようだ。

これは、猫と鼠の追いかけっこゲームだ。Appleの技術者たちは今ごろ、すべての脆弱性を塞ごうと躍起になっているだろう。とにかく、自分のスマートフォンから個人情報を読まれたくなかったら、デバイス…ハードウェアもOSも…を最新に保つべきだ。

新しい機能があることに加えて、当てられているセキュリティパッチの数も最新機/最新OSでは多い。ハッカーは前と同じ手口を使おうとして、行き詰まるだろう。

[Edward Snowden: オープンで安価な製品を買わずにiPhoneを買う唯一の理由は、Appleの厳しいプライバシー保護とセキュリティだ。でもこの記事と、ForbesのCellebriteに関する記事は、iPhoneの価値の核心を脅かす。]

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AppleはiCloudのデータをGoogle CloudとAmazon S3に保存している

AppleがiCloudのためにサードパーティーのクラウドサービスを利用していることはよく知られている。そしてCNBCは、Apple自身の文書に興味深い情報があることを発見した。現在Appleは、iCloudデータの保存にAmazon S3およびGoogle Cloudのストレージサービスを使っている。

去る2016年、CRNはAppleがクラウドストレージに関してGoogleと契約を結んだことを報じた。しかし、Appleの文書は初めてこの関係を正式に認めた。

この情報は2018年1月発行のApple iOS 11セキュリティー・ガイドに書かれている。そこにはユーザーのファイルが小さな断片に分割かつ暗号化されて保管されていると説明されている。暗号化キーとメタデータ情報はAppleの自社サーバーに保管される。しかし、暗号化されたファイル自身はサードパーティーのサービスに保管される。

ユーザーは、AmazonやGoogleが自分のiCloudデータを管理しているとは思いもよらないだろうが、暗号化キーがなければAmazonとGoogleはこれらのファイルをどうすることもできない。つまり、AmazonやGoogleにデータを見られる可能性は極めて低い。

「暗号化されたファイルの断片にユーザーを特定できる情報は含まれておらず、S3、Google Cloud Platformなどのサードパーティー製ストレージサービスを利用して保存される」と文書に書かれている。

かつてAppleは、Microsoft Azureとの提携関係に言及したことがある。文書の文言はいまひとつ明確ではない。Appleは名前を出さずに他のサービスも使っているかもしれない。

いずれにせよ、これはいわゆる「非対称競争」の好例だ。AppleとGoogleはスマートフォン市場のシェア争いで非常に激しい戦いを繰り広げているが、AppleはGoogleの顧客でもある。AppleはAmazonやMicrosoftとも別の分野で競合している。したがってAppleがライバルとの関係を完全に断ち切るためには、クラウドホスティングをいっそう強化する必要がありそうだ。

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Apple、オーバーザイヤー型ヘッドホンを今年中に発売か?

KGIのアナリスト、Ming-Chi Kuoによると、Appleは今年中に新しいワイヤレスヘッドホンを発売するらしいとApple Insiderは伝えている。AppleはすでにBeatsブランドをもっているが、今度のオーバーザイヤー型ヘッドホンはAppleブランドで売り出されることも考えられる。

どうやらAirPodsは成功しているようで、Appleはこの市場に力を入れるつもりらしい。新しいヘッドホンは、AirPodsの利便性を備えつつ、よりよい音質を提供する。Appleはこれを2018年Q4のホリデーシーズンに間に合う時期に発売すると思われる。

耳の形状にあわないためにAirPodsを使えないユーザーもいる。新しいヘッドホンはこの問題も解決するはずだ。通常ヘッドホンはワイヤレスイヤホンより高価なので、こんどの新アクセサリーも159ドルより高くなる可能性が高い。

Kuoが掴んだ情報によると、Appleは金属射出成形のSZSと共同開発しているらしい。おそらくKDIがこのプロジェクトを知ったのもその筋からだろう。Beatsブランドのワイヤレスヘッドホンとどう違うものになるのかはわかっていない。

ちなみに現在販売されているヘッドホンのBeats Solo3はAppleのワイヤレスチップ W1を使っていて、これはAirPodsで使われているものと同じだ。

しかし、今日の噂をこれまでの噂と組み合わせると、Appleは今年中に新しいワイヤレスアクセサリーのラインアップを披露するのかもしれない。常時待機型 “Hey Siri” を搭載した新しいAirPodsも、新ヘッドホンと一緒に登場する可能性がある。こちらも同じ改善されたWチップを使用する。

Appleは、今のAirPods向けのワイヤレス充電ケースも発表している。ゆっくりだが確実に、オーディオアクセサリーの製品ラインアップを整えようとしている。

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Apple、中国ユーザーのiCloud暗号化キーを中国サーバーに移行

AppleはReutersに対して、同社が中国当局の要請に従ってiCloudのデータを中国のデータセンターに移行しなければならなかったことを伝えた。全ユーザーのデータが中国に移管されるのではない。中国本土在住で、かつAppleアカウントを作るときの国登録を中国にしたユーザーのみが対象だ(香港、マカオ、台湾は対象外)。

中国政府はiCloudデータへのアクセスをずっと容易に要求できるようになる。人権用擁護活動家らは、民主主義支持者の逮捕につながることを懸念している。

この変更以前、暗号化キーはすべて米国内に保管されていた。これは、iCloudに保存されているユーザーデータを中国当局がアクセスするためには、米国の法制度を経由する必要があったことを意味している。Appleは中国企業と提携して中国のデータセンターを運用している。

Appleは、米国内ではすでにiCloudデータの提出要求に応じている。サンバーナーディーノの射撃犯のiPhone 5cを巡り、AppleがFBIと争った件を思い出すかもしれない。しかし、あのときはFBIがiCloudのデータだけでなくiPhone本体のデータをアクセスするためにiPhoneのバックドアを要求したものであり、今回とは事情が異なる

Appleは、iCloudデータの暗号化キーを常に保管してきた。これは、Appleのサーバー上のデータは暗号化されているが、Appleはこのデータを復号する方法をもっていることを意味する。たとえばユーザーがパスワードを忘れた時でもAppleがデータを復活させることができるので便利だ

もしあなたがiMessageのことを心配しているのなら、そのメッセージプロトコルは、メッセージが送信者の端末で暗号化され、復号化は受信者の端末で行われるように作られている。Appleがメッセージを読むことはできない。

ただし、ユーザーがiPhoneを使い始めるときにiCloudを有効にすると、iPhoneデータのバックアップをiCloudにアップロードする、というのが標準設定だ。このバックアップには、削除していないiMessageの全会話のデータベースが含まれている。Appleは、iCloudサーバー上にiMessageデータを保存する際、エンドツーエンドの暗号化を施す準備を進めているが、まだ実現していない。

Appleは中国ユーザーに対して、今回の変更についてしばらく前から通知を送ってきた。おそらくAppleは、機微な情報をもつユーザーは、移行前にiCloudへのバックアップとiCloudとのデータ同期を無効にしておくことを願っているのだろう。

これで中国当局は、Appleの現地パートナーに対して、中国の法手続きに沿ってユーザーデータの引き渡しを要求できるようになった。現地パートナーは(Appleも)この命令に従うほかはない。

Appleの声明は示唆的だ。「iCloudがこうした法の対象になることにわれわれは反対したが、最終的には成功しなかった」と同社はReutersに言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WMC開幕:SamsungはGalaxy S9発表――中継録画をストリーミング

バルセロナでMWC(Mobile World Congress)が開幕し、Samsungは盛大なプレスカンファレンスを新しいスマートフォンを発表した。TechCrunchのライフログこちら。また詳しい紹介記事もアップする。

注目の的は新しいSamsung Galaxy S9とS9+.だが、カメラの改良などその内容はある程度判明していた。しかしSamsungのカンファレンスには驚きの発表がつきものだ。正確なところはわれわれの記者が実際に手にした感想を読んでいただきたい。

TechCrunchではSamsung以外についてもMWCの出来事を詳しく報道していく

〔日本版〕上のビデオでは36分10秒あたりからSamsonのモバイル事業部のトップ、D. J. Kohのキーノートが始まる。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、コバルトを採掘会社から直接購入か

コバルトは次なる石油だ。自動車メーカーもバッテリー製造会社も、リチウムイオン電池のために採掘会社と複数年契約を競って結んでいる。Bloombergの記事によると、Appleも長期的供給源を確保すべくこのゲームに参入しようとしている。

この会社がコバルトに関してこうした動きを見せたことはこれまでなかった。Appleは自社デバイスの部品を膨大な数の供給元に頼っている ?? バッテリーもその一つ。しかし、コバルトの価格は過去18カ月で3倍になった。Appleは、バッテリー製造会社よりも簡単に契約を取れる可能性が高い。

Apple Watchのバッテリーは、自動車で使われるバッテリーよりも桁違いに小さいが、Appleは毎年膨大な数のデバイスを売っている。iPhoneとMacのバッテリーは相当量のコバルトを消費している。

しかし問題は、自動車メーカーがコバルトのサプライヤーに多大な圧力をかけていることだ。BMWとVolkswagenもサプライチェーンを確保すべく複数年契約を結ぼうとしている。おそらく他の自動車メーカーもコバルトの価格に目を光らせている。

コバルトを採掘会社から直接購入することで、サプライチェーンの管理が容易になるという副次効果がある。第三者からバッテリーを購入する場合、そこで使われているコバルトがどこから来るのかを知ることは難しい。そして、それは大きな問題になりかねない。

Amnesty Internationalが2016年1月に発行したコバルト鉱石に関する報告書によると、IT企業も自動車メーカーも、コンゴ民主共和国の児童労働を防止する努力が十分ではないと指摘している。コンゴ民主共和国は世界のコバルト生産量の50パーセントを産出している。

そして数カ月前、Amnesty Internationalはレポートを更新し、Appleは他のメーカーより透明性が高いと報告した。現在同社はコバルト供給源のリストを公開している。しかし、採掘会社が基本的人権を守っていることを確かめる道はまだ長い。

しかし、正直に言って今回のケースでは、Appleの主な目的は今後の製品で使う十分な量のコバルトを適正価格で買うことだろう。そしてこの会社はこの手の取引に必要な資金を十分にもっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Nintendo Switchの上でLinuxを動かすことに成功

Nintendo Lifeによると、fail0verflowと名乗るハッカーグループが、LinuxのディストリビューションDebianが動いているNintendo Switchの写真をシェアした。Nintendoは、この脆弱性をファームウェアの今後のパッチでフィクスできない、と同グループは主張している。

fail0verflowによると、NvidiaのTegra X1 SoCのブートROMに欠陥がある。このゲーム機は始動するときに、ROMにある小さなコードを読んで実行する。そのコードに、ブート時に実行されるコードがある。

つまりそのブートROMはNvidiaがチップを作ったときにその上に保存され、あとから書き換えることはできない。Nintendoがその後行うソフトウェアのアップデートによっても、そのブートROMが書き換えられることはない。ゲーム機の電源ボタンを押すと直ちにブートROMがロードされるから、それをバイパスする方法もない。

唯一の解決方法は、新しいNvidia Tegra X1チップを作ることだろう。NintendoがNvidiaにそれを頼めば、Switchのこの脆弱性はなくなる。

なおfail0verflowによれば、ブートROMをバイパスするために改造チップをインストールする必要はない。写真を見ると、彼らは何かをデバイスの右側につないでいる。そこは、右のJoy-Con用端子(UART)のはずだ。

fail0verflowがこのエクスプロイトをシェアする気になったら、海賊版など、いろんな自家製ソフトウェアの可能性が開ける。それはNintendoの経営にも、影響を与えるだろう。

〔訳注: このハッキングの詳細については、原文のコメントをお読みください。〕

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MozillaがIoT技術の標準化を目指してオープンなゲートウェイを発表、AlexaとSiriが仲良しに?

AppleもGoogleもAmazonも、それにSamsungも、みんな、家庭などのインターネットに接続されたデバイス(“コネクテッドデバイス”)をコントロールする独自のスタンダードを作ろうと競っている。そしてMozillaは今日(米国時間2/6)、物のインターネット(internet of things, IoT)をコントロールするためのオープンなゲートウェイを、これからは誰もが作れる、と発表した。同団体はまた、IoTが大きなテクノロジー企業が牛耳るものにならないための、フレームワークとオープンなスタンダードを作成中である、と確認した。

コネクテッドデバイスは、うちのサーモスタットはAmazon Echoの言うことしか聞いてくれない、こっちの電球はSiri、あっちの電球はGoogle Homeでしかコントロールできない、という支離滅裂な状況さえなければ、すばらしいだろう。

いろんなアクセサリのメーカーも、ごく少数の巨大テク企業がIoTの規格を支配している状態を必ずしも歓迎しない。彼ら巨人たちは、いちいち彼らから、高価なライセンス料を取るかもしれない。そしてお客には、どれかひとつを選ばなければならないという面倒が生じる。

Mozillaは、オープンなWebの熱心な支持者だ。このような非営利団体がコネクテッドデバイスの規格を考えるのは、良いことのように思える。同団体が提案するProject Thingsは、複数のプロジェクトをカバーする。ではそれは、どんな規格だろうか。

まずMozillaは、W3Cと共同でWeb of Things(物のWeb)のオープンスタンダードを作りたい、と考えている。それにより、アクセサリのメーカーとサービスのプロバイダーが、同じ標準規格でデバイス同士が対話できるようにする。その規格は、JSONとRESTとWebSockets APIで構成される。それはWeb上のデータとAPIのスタンダードであり、すべてのコネクテッドデバイスがこれを実装することによって、任意の機器やサービス間の対話を可能にする。

次は、同じくMozillaが提案するWeb of Things Gatewayによって、プロプライエタリなAmazon Echo, Philips Hue, Apple TV, Google Homeなどなどがオープンなデバイスに置き換えられる。そのゲートウェイは、Raspberry Pi 3やZigBee、USBドングルZ-Waveなどを使って、今すでに作れる

メーカー企業も、共通の規格に基づいて独自のゲートウェイを作れる。たとえばNetgear社は、今後のルーター製品にWeb of Thingsのゲートウェイを内蔵できるだろう。そしてそのルーターは365日無休で働き、物のインターネットにも奉仕する。また適当なブリッジを作れば、APIの相互通訳が可能になるから、Amazon、Google、Appleなどのスマートスピーカーが互いに会話できるようになる。つまりWeb of ThingsはこれらプロプライエタリなAPI(HomeKit API, Smart Home Skill APIなど)のための共通言語になる。

そしてさらにMozillaは、コネクテッドデバイスをコントロールするためのインタフェイスも作っている。そのためのWebアプリケーションをスマートフォンの画面に出せば、そこから家の機器をコントロールできる。たとえば声で照明をつけたり、IFTTTふうのルールで家の中を自動化したり、デバイスをレイアウトするフロアプランを加えたり、いろいろできる。

またMozillaが設計したアドオン(プラグイン)をインストールすれば、新しいデバイスやプロトコルもサポートできる。重要なのは、これらすべてが、あなたの家にあるあなたのゲートウェイで行われることだ。声で灯(あか)りを点けても、もうGoogleやAmazonにはそれが分からない。

そしてWeb of Thingsのプロトコルをデベロッパーが利用すれば、家全体をコントロールするネイティブのアプリを作れる。Mozillaはこの問題をいろんな角度から見ているので、そんな日が来るのも遠くはない。そして、今からすでにProject Thingsをいじり始めて、その開発に寄与貢献するデベロッパーがいても、かまわない。

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イベントの開催〜放送中にリアルタイムでビデオクリップを作れるWildmokaが$8Mを調達

フランスのスタートアップWildmokaは、ライブのイベントをやってる最中のビデオの制作や編集を助けてくれる。そんなWildmokaは、ライブのテレビ番組のハイライトをソーシャルネットワークで共有したい放送局などにとって、とくに便利だ。

同社は今日、Alven CapitalがリードするシリーズAのラウンドで800万ドルを調達した。前からの投資家Apicapも、参加した。

Wildmokaはスポーツやエンタテイメントなどさまざまな番組制作で使われている。ユーザー企業は、NBC Sports, NBC News, France Télévisions, Canal+, Fox, Orange, beIN Sportsなどなどだ。彼らはこのサービスを利用して複数のプラットホーム向けに同時にビデオクリップをカットして配給している。配給先は、ソーシャルネットワークのアカウント、Webサイト、モバイルアプリなどさまざまだ。

WildmokaはWebベースのプロダクトも作っているから、誰もがその機能を使える。同社は、ユーザー各社でソーシャルのチームとビデオのチームが別々であることが多いことを、よく知っている。ソーシャルのチームは通常、ビデオの技術を持っていないから、使いやすいツールを欲しがる。彼らはブラウザーの上でビデオクリップをカットし、そのサービスが開いたままの状態でクリップを共有できる。

Alven CapitalのパートナーRaffi Kamberは、ライブのビデオが機械学習を利用することに大きな機会がある、と考えている。そうなればビデオクリップの共有を、もっと自動化できるだろう。

Wildmokaを視聴者参加番組に利用しているユーザーもいる。たとえば何かのコンペのような番組では、出場者の友だちなどがモバイルアプリからビデオクリップを共有して、放送中の番組に対しコメントを言ったりできる。

Wildmokaはすでに5つの事業所があるが、今後は顧客ベースの拡大と製品の改良に注力したい、と言っている。とくに、顧客開拓に使うお金は、必ず見返りがある。

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AppleはiPadアプリをMacで動作させるかもしれない

Appleは、同社の各オペレーティングシステムの次期主要バージョンの開発に忙しい —— macOS、iOS、tvOS、およびwatchOSだ。誰もが注目しているのはiOSだが、最も魅力的な新機能はmacOSにやってくるかもしれない。BloombergAxiosの報道によると、AppleはMacでiPadアプリを走らせるらしい。

昨日(米国時間1/30)Axiosは、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当VP、Craig FederighiがiOS 12の改訂計画を発表したことを最初に報じた。通常Appleは、iOSの新バージョンを6月のデベロッパー向けカンファレンス、WWDCで発表する。その後数カ月のベータテストを経て9月に公開される。

Axiosが入手した情報によると、Appleは品質問題を解決するために一部の機能を先送りするという。多くのユーザーがiOS 11のバグに不満を抱いている。例えば、オートコレクトのバグや、メッセージの到着順の乱れ、電卓アプリが正しく計算しない、などの奇妙な現象がおきている。

噂された機能のいくつかが2019年のiOS 13に先送りされたのはこのためだ。ホーム画面のデザイン変更、CarPlayの改善、メール、写真アプリの改訂などだ。

その代わりにiOS 12は磐石なバージョンになることが期待される。新しい機能もあるだろうが、みんなが望んでいたほど多くはない。iOS 12ではペアレンタルコントロールの改善、FaceTimeの改訂などが盛り込まれる予定だ。拡張現実(AR)機能の追加もあるかもしれない。

一部機能の遅れは次期macOSの改訂にも影響を与える。写真アプリの改訂もその一つだ。しかしBloombergが最初に報じたところによると、AppleはiOSアプリをMacで利用できるようにする計画を今も遂行中だという。Axiosはこの計画を確認し、具体的にはiPadアプリがmacOS上で動作するはずだと伝えている。

Mac App Storeに大量の新アプリが加わることで、Macプラットフォームにとって大きな変更になる可能性がある。AppleがこれらのアプリのユーザーインターフェースをMacに最適化するかどうかは不明だ。タッチスクリーンの使い方はマウスとは大きく異なる。しかしiPadアプリのデベロッパーにとってはユーザを大きく増やすチャンスだ。

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Apple、新しいMacにARMコプロセッサーを採用か

Bloombergの報道によると、今年Appleは新しいMacを3モデル開発している。その3機種ともセキュリティー強化のためにARMコプロセッサーを装備する可能性がある。AppleはARMチップセットに全面移行するわけではない。どのMacにもIntel CPUが使われ、ARMコプロセッサーはそこに共存する。

現在MacBook ProにはT1チップが、iMac ProにばT2チップが使用されている。MacBook ProではTouch IDセンサーとTouch BarをARMコプロセッサーが制御している。

こうすることで、ユーザーの指紋はMacのSSDドライブに一切保存されない —— T1のSecure Enclaveと呼ばれる隔離された領域に置かれる。Intel CPUは、指紋が認証された時に成功の合図を受け取るだけだ

iMac Proはさらに一歩進め、T2チップを使って多くの専用コントローラーを置き換えている。ステレオスピーカー、内蔵マイク、ファン、カメラ、および内蔵ストレージをT2が制御している。このコプロセッサーはデータをリアルタイムで暗号化することができる。また、デバイスをブートした際、T2がまずシステムの整合性を検証してからIntel CPUに制御を手渡す。

Appleが新しいMac Proの開発を今も続けていることは誰もが知っている。そして、このハイエンドデスクトップ機にARMコプロセッサーを装備することは理にかなっている。しかし、どうやらAppleはARMコプロセッサーを全ラインアップで使いたいようだ。

Bloombergは、今年ノートの2モデルにARMコプロセッサーが採用されると予想している。それは改訂された12インチRetina MacBookと、新しいMacBook Airなのか? そもそもMacBook Airが再び改訂されるかどうかも定かではないが、Appleの製品ラインアップでほかに候補となるノートパソコンは見当たらない。いずれにせよ、ARMコプロセッサーを備えた新しいMac機種では、マルウェアなランサムウェアに対する回復力が今よりずっと高くなるはずだ。

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クラウド上の超ハイエンドゲームPC Shadowがイギリスでもローンチ、Shadowボックスは最初の500名無料

クラウド上のゲームPC Shadowを作っているフランスのBladeが、アメリカに続いてイギリスでも、そのクラウドゲームサービスを開始した。今は一般の顧客を受け付ける前の、特定の顧客向けのキャンペーンをやっている。

一定の月額料金で、近くのBladeのデータセンターからその仮想ゲームPCをレンタルする。そして自分のデスクトップやモバイルのアプリ、あるいは同社の小さなボックス(Shadowボックス)から、その強力な仮想コンピューターにアクセスする。それは、完全で何も省略されていないWindows 10のインスタンスだ。そこにあなたは、SteamでもBattle.netでも、何でもインストールできる。

イギリスのお客さんも、その仮想ゲームPCのスペックは同じだ。今使われているGPUは、Nvidiaのハイエンド機、GeForce GTX 1080とQuadro P5000。そしてRAMは12GB、ストレージは256GB、Intel Xeon 2620プロセッサーの上で8つのスレッドが動く。そのハイエンドゲームマシンは、実際に買えば2000ドル以上はする、と同社は言っている。

さて、クラウド上のShadowのインスタンスは、1年契約では月額26.95ポンド、3か月契約なら月額32.95ポンド、1か月のみなら39.95ポンドだ。長期契約でも前払いはなくて、毎月の課金のみ。これらの料金は、フランスやアメリカとほぼ同じだ。

同社が作って売っているShadow専用のボックスは、テレビやモニタにつなげられる。これをレンタルするなら、月額7.95ポンド、買うなら109.95ポンドだ。なお、最初の500名のイギリスのお客さんには、無料でくれる。

この、クラウド上のハイエンドゲームPCを使うためには、インターネット接続が速くて安定していることも重要だ。

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Appleはユーザーのすべての医療記録をHealthアプリに収めたい…協力医療機関とベータテスト中

Appleは、iOS 11.3における健康への新しい取り組みを発表した。すなわちHealthアプリのHealth Recordsという新しい部分に、ユーザーは自分の医療記録をすべて集めて見ることができる。そのために同社は、病院や診療所とパートナーする〔現在アメリカのみ〕。

AppleはiOS 11.3の最初のベータバージョンを今日(米国時間1/24)リリースした。そのベータテストは今後2か月にわたって行われるが、すべてのiPhoneユーザーが無料でダウンロードできるのも、もうすぐだ。

HealthアプリにはHealth Dataという部門があって、そのメニューの一つにHealth Recordsがある。このメニューの下に、CDA(Clinical Document Architecture)形式のファイルならどんなファイルでも収めることができる。そういうファイルを患者にメールで送ってくる病院もあるし、Webサイトから提供する病院もある。しかしAppleは、その送信〜受け入れの過程を自動化したい。

Johns Hopkins Medicine, Cedars-Sinai, Penn Medicineなどの病院はすでに、患者に対してこの機能をテスト中だ。Health Records(健康記録)のデータ形式やAPIは、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)と呼ばれる標準規格に基づいている。

つまりそれらの病院や診療所は、このデータを患者のスマートフォンに直接プッシュできる。ユーザーのiPhoneが新しい医療記録を受信したら、通知が来る。データはユーザーのスマートフォン上で暗号化されており、パスコードで保護されている。

スクリーンショットを見ると、それはとても詳細だ。自分のアレルギーや投薬歴、予防接種歴、検査結果などがすべて分かる。

コレステロールなどなどの問題で検査をたくさん受ける患者には、とても便利な機能だろう。新しい結果は、つねに最上部に表示される。

これを全米〜全世界のすべての病院や診療所に採用してもらうのはたいへんだが、ベータテストには以下の医療機関が参加している:

  • Johns Hopkins Medicine – Baltimore, Maryland
  • Cedars-Sinai – Los Angeles, California
  • Penn Medicine – Philadelphia, Pennsylvania
  • Geisinger Health System – Danville, Pennsylvania
  • UC San Diego Health – San Diego, California
  • UNC Health Care – Chapel Hill, North Carolina
  • Rush University Medical Center – Chicago, Illinois
  • Dignity Health – Arizona, California and Nevada
  • Ochsner Health System – Jefferson Parish, Louisiana
  • MedStar Health – Washington, D.C., Maryland and Virginia
  • OhioHealth – Columbus, Ohio
  • Cerner Healthe Clinic – Kansas City, Missouri

  [アレルギー ピーナッツアレルギー、投薬 サルブタモール、ワクチン インフルエンザ、検査結果 HDLコレステロール53.5mg/dL]

  1. iphone_x_apple_all_health_records_screen_01232018.jpg

  2. iphone_x_apple_health_records_screen_01232018.jpg

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組み立てロボットキットのZiroはAlexaからもコマンドできる子ども向けロボティクス入門機

Ziro(ザイロ)は、子ども向けの、なかなか良くできてるプログラマブルなロボットで、昨年Indiegogoでクラウドファンディングに成功した。メーカーのZeroUIは、今でも新しい機能を加えつつある。

Ziroは、同梱のスマートグラブ(smart glove, 電脳手袋)でコントロールする。手のどんな動きでZiroに何をさせるかを、モバイルアプリで設定できる。たとえば手のひらを前に傾けたら前に進む、とか。

Ziroに、AmazonのAlexa*で命令できる。何を言ったら何をする、という音声コマンドも、ユーザーが設定できる。たとえば、手を振って、と言ったら、Ziroがユーザーの方を向いて腕を振ったりする、など。

Ziroがたくさん売れてユーザーのコミュニティができたら、いろんなロボットのデザインなどを共有できる。ネット上のフォーラムでみんなと話し合って、ボール紙製の恐竜やダンスを踊るロボットなどを作れるようになったら、楽しいだろうな。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

中小スタートアップに人気のクラウドサービスDigitalOceanが料金体系を改定

クラウドホスティング企業DigitalOceanが今日、一部の料金改定を発表した。また同社は数年ぶりに、最低料金月額5ドルのドロップレット*のインスタンスのスペックをアップグレードした。〔*: droplet, 滴(しずく), DigitalOcean独自の愛称で、同社が提供する仮想マシンのこと。〕

5年前にDigitalOceanは、革命的なサービスの提供を開始した。それは月額料金5ドルでSSDが20GB、RAM 512MB、CPUコア1を利用できるサーバーだ。しかしその後、Linuxの仮想サーバーは参入企業がどんどん増えて、低料金が珍しくなくなってきた。

たとえばLinodeは、月額5ドルでRAM 1GB、SSD 20GB、CPUコア1だ。Scalewayでは、RAM 2GB、SSD 50GB、2CPUコアで3ドル65セント(2.99ユーロ)だ。というわけでDigitalOceanは、競争に生き残るために、製品構成および料金体系のオーバーホールをせざるを得なくなった。

新料金は、月額5ドルでRAM 1GB、SSD 25GB、CPUの性能は前と同じだ。標準のドロップレットはすべて、前と同じ料金でRAMが倍になり、ストレージも増える。もちろん料金の高いプランではストレージも大きい。

月額40ドル以上になると、同料金のまま仮想CPUコアの数が前より多くなる。ただし160ドルのプランは、前と変わらない。高額な料金プランが新たに二種類増え、最高の月額960ドルのモデルではRAM 192GB、ストレージ3840GB、コア数32になる。

おもしろいのは、月額15ドルの新しいプランでは構成が三種類あることだ。すなわち、(1)RAM 3GBで1コア、(2)RAM 2GBで2コア、(3)RAM 1GBで3コアだ(下表)。さらにまた、RAM容量33%アップでストレージも多めという、“最適化ドロップレット”もある。ここまで読んで頭が混乱してきた読者は、DigitalOceanの新料金表へ行ってみよう。

なお、同社によると、秒課金をもうすぐ始める。Amazon Web ServicesGoogle Compute Engineがすでにやってるように。

例によってプランを変えるのは簡単で、DigitalOceaのアドミンパネルへ行けばよい。DigitalOceanの人気の源泉は、こんな気軽さ、柔軟性にある。すでにユーザーである方は、さっそく今度の新しい料金体系の“良いとこ取り”をトライしよう。

標準のフレキシブルドロップレット

最適化ドロップレット

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閲覧中のWebサイトがあなたのことをどうやって調べているか分かるツールKimetrak

フランスのテクノロジーメディア企業Next INpactが今日(米国時間1/11)、おもしろいプロジェクトを立ち上げた。そのKimetrakと名付けたシンプルなブラウザーエクステンション(拡張機能)で、Webサイトが閲覧者を追跡してそのプライバシーをどこかへ売っていないかを調べることができる。

もうすぐヨーロッパで施行されるePrivacyGDPRによる規制は、多くの点で人びとの目を覚ました。また、あなたのマシンの上で勝手に動くビットコインマイニングのスクリプトや、SpectreバグのJavaScriptによる実装などは明らかに、ブラウザーのユーザーのセキュリティやプライバシーの制御に関する完全な無力を、思い知らしめた。

Webを閲覧することは、ページをロードするたびに白紙小切手を未知の人に渡すことに似ている。あなたはただ、記事を読みたかったにすぎないかもしれない。しかしそれでも、大きなWebサイトの多くがサードパーティのJavaScript呼び出しを何ダースも埋め込んでいる(残念ながら本誌TechCrunchもその一つだ)。

いろんなページに広告をばらまく広告ネットワーク企業や、Facebook、Googleなどの巨大テクノロジー企業は、ユーザーの閲覧慣行を追跡して、あなたが事前に調べたわけでもないコードを送り込む。そんな企業はさらにユーザーの総合的なプロフィールを作り、クッキーを利用して個人情報を読んだり保存したりする。

そこで今では、多くの人が広告をブロックするエクステンション(“アドブロッカー”)をインストールしたり、JavaScriptを完全に無効にしたりしている。GhosteryuBlock Originのようなエクステンションは、ブロックしたサードパーティドメインからのスクリプトをすべてリストアップする。

しかしKimetrakはアドブロッカー(広告ブロッカー)ではない。このエクステンションは、Web上のトラッカー(追跡者)について人びとを教育することが目的だ。アドブロッカーは、それを使っても情報はあまり得られない。しかしアドブロッカーを無効にして、どこかお気に入りのWebサイトを閲覧してみると、Kimetrakが提供する情報にはびっくり仰天するだろう。

世界的に大人気のWebサイトも、Kimetrakで調べると大量のサードパーティJavaScriptがあることが分かる。もちろんその一つ々々を調べることもできる。

現状では、Kimetrakが調べたデータはユーザーのコンピューター上にあるのみで、Next INpactはそれらを共有しない。それはオープンソースのプロジェクトなので、コードを見ることもできる。最終的にはNext INpactは、トラッカーたちと人気Webサイトの汎用データベースを作るつもりだ。KimetrakはChrome Web Storeで入手できる。

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またも、macOSにどんなパスワードでも通るバグ発見

MacRumorsがmacOS High Sierraの現行バージョンに関するバグレポート発見した。システム環境設定のApp Store設定画面で、〈どんな〉パスワードをタイプしてもロック解除できてしまう。Appleは次期macOS High Sierraアップデートのベータ版でこのバグをすでに修正していることが報告されている。

このバグは、悪名高きあのrootログインバグと比べてはるかに深刻ではないが、John Gruberが書いているように、これはかなり恥ずかしい。パスワードプロンプトとmacOSにいったい何が起きているのか?

自分で試してみたい人のために言うと、私はごく簡単に再現できた。システム環境設定を開き、App Store設定へ行き、南京錠アイコンを見る。ロックがはずれていたら、まずロックしてからやってみるとどんなパスワードでもロック解除できる。

この設定画面では、アプリとOSアップデートの自動ダウンロードとインストールの有効、無効を切り換えられる。直ちにセキュリティーに影響するリスクはない。しかし、何者かがパソコンに触って自動セキュリティーアップデートを無効にしていれば、本来パッチされるべき脆弱性が悪用される可能性はある。

デフォルトでApp Storte設定は管理者ユーザーにはロック解除されている。しかしセキュリティーに関して心配性の人なら、あらゆるシステム設定をロックして誰にも触られないようにしているかもしれない。

バグそのものより重要なのは、Appleが品質管理プロセスを見直すべきだということだ。恥ずかしいバグの入ったアップデートを配布するのはもうやめる時だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook