Google、モバイル版Chromeのデータ圧縮機能を公式にリリース―データ量を最大50%節減

今日、Googleはモバイル版Chromeブラウザのデータ圧縮のオプション機能を正式にリリースしたことを発表した。この機能はユーザーのスマートフォンやタブレットへのデータ転送量を大きく削減するものだ。処理のスピードアップ、データ料金の節約に寄与することが期待されている。

同時に、モバイル版Chromeブラウザのアップデートではこれ以外にもiOS版へのGoogle翻訳、Android版へのお気に入りのウェブサイトへのショートカットなど、いくつかの新機能が追加され、バグ修正が行われている。

しかしやはりデータ圧縮機能が今回のリリースの目玉になるようだ。これが有効化されると同時にChromeのセーフ・ブラウジングテクノロジーによって悪意あるウェブページからも保護される。Googleによると、この機能は今後数日かけてiTunes App StoreとGoogle Playストアに順次公開されるという。

GoogleはAndroid版でデータ圧縮機能のテストをAndroid 昨年3月からChrome Beta for Androidを通じて開始していた。その後、昨年の秋にはテストはiOSにも拡張された。

データ圧縮機能は簡単にいえばGoogleプロキシーだ。ウェブページへのリクエストと応答をGoogleのサーバを経由させ、そこでPageSpeedライブラリーによる圧縮が行われる。その一方、ブラウザとGoogleのサーバとの接続はSPDYプロトコルによってさらに最適化される。

多くのユーザーはこうしたバックエンド処理の詳細に興味がないかもしれないが、ここでGoogleが達成したとしている成果には注目すべきものがある。Googleによれば、ユーザーがChromeのデータ圧縮/最適化オプションをオンにすると、Android版でもiOS版でも、最大で50%もデータ量を削減できるという。前に述べたように、PageSpeedライブラリーを利用して画像ファイルをJPEGやPNGからGoogleのWebPフォーマットに変換するだけでも大きな効果がある。というのはウェブページでは平均してデータ転送量の60%が画像だからだ。

モバイル・データの圧縮はもちろん新しいアイディアというわけではない。たとえばモバイル版Operaブラウザのターボ・モードやAmazon Silkも似たようなメカニズムを採用している。また昨年10月にFacebookが買収したモバイルデータ分析企業のOnavoはデータ転送の最適化を図るアプリ(Onavo Extendを一般ユーザー向けに提供している。つまり一定のデータプラン契約で最大のコンテンツを提供しようとするサービスに注力しているのはGoogleだけではないということだ。ことにGoogleの場合、ユーザーが長くウェブ上に留まればそれだけ売上が増える。

Chromeのデータ圧縮とプライバシー

ここでひとつ注意しておかねばならないのはプライバシーの観点だ。機能を有効にするには設定メニューのアプリケーションから「帯域幅の管理(Bandwidth management)」、「データ量の削減(Reduce data usage)」を選ぶ。その際ユーザーはHTTPトラフィックがGoogleのプロキシー・サーバを経由することに同意しなければならない(圧縮機能はHTTPSを利用するトラフィックやシークレットモードが有効になっている場合は無効になる)。

プライバシー問題に神経質な一部のユーザーは懸念を抱くかもしれないが、Googleが以前に説明したところによれば、リクエストがGoogleのサーバを経由する際にウェブページのコンテンツは一時キャッシュされるが恒久的には記録されないという。また、さらに重要な点だが、Googleによればそれ以外のログはGoogleのアカウントに関連づけられ、6ヶ月以内に完全に削除されるという。これらの詳細については昨年11月にアップデートされたChromeのプライバシー・ホワイトペーパーで説明されている。しかし今後なんらかの変更があるかどうか念のため注意して見守っていきたい。

その他の改良

上で述べたように今回のアップデートではいくつか興味ある改良が加えられている。iOS版Chromeでは新たにGoogle 翻訳がサポートされた(Android版では追加ずみ)。この機能はウェブページをユーザーの言語に翻訳して表示する。

一方でAndroidユーザーはメニューのオプションに「ホーム画面に追加」というオプションが新設され、お気に入りのウェブページをホーム画面に簡単にセーブできるようになった。またGoogleが今回のリリースを解説したブログ記事で述べているところによると、一部のウェブサイトではフルスクリーン表示がサポートされる。

新機能を利用するにはChromeにアップデートを適用するか、新たにインストールする必要がある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


動物専門のニュースサイトThe DodoをHuffington Post創業者の娘がローンチ, Softbankも出資

【抄訳】

Huffington Postの協同ファウンダKen Lererはヴァイラルに広まるニュースを今のようなビッグビジネスに育て、今ではBuzzFeedBetaworksの会長もやっている。そしてその娘Isabel Lererが今日(米国時間1/13)、動物専門のヴァイラルなニュースサイトThe Dodoをローンチした。まさに、親の血である。The Dodoは、父と息子*たちが経営するVC Lerer Venturesから200万ドルを調達している。なお、息子のBen Lererは、Thrillistの協同ファウンダだ。〔*: たぶん、Kenの息子、という意味。〕

昨年秋に終了して、そのときは発表されなかったこのラウンドには、Greycroft、RRE、Softbank Capital Technology Fund、Sterling Equities、そしてOak Investment PartnersのパートナーFred Harmanが参加している。

Lerer家は、たまたま先週末、NY Mag誌が“小型のマフィア一家”として紹介している。ニューヨークの人気スタートアップのほとんどに、彼らの手が及んでいるからだ。NBCUniversal News Groupの投資で今週話題になったNowThis Newsも、その一つだ。

ところでThe Dodoに関しては、まったくの家族プロジェクトで、娘のIzzieが協同ファウンダ、メインの投資家はLerer Venturesで、同じくLererが投資している新進のCMS、RebelMouseの上に構築/運営されている。

【中略】

Isabelは動物の権利(animal rights)に関する熱心な活動家で、コロンビア大学でも動物と人間の関係に関する研究で博士号を取った。彼女は父のKenに、肉食をやめるよう勧めるほどだ。彼のその肉なしの食生活がいつまで続くのか、という記者の質問にKenは笑いながら、“うちの娘に会ったら、それが一生続くことが分かるだろう”、と答えた。

動物専門のニュースサイトというと、いわゆる“心温まる”お話が多くなりがちだが、The Dodoの場合は、動物の権利問題が主力だ。最初の号のトップ記事でも、SeaWorldにおける動物調教師の死を、辛口な視角で取り上げている。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


2013年にメッセージとソーシャル関係アプリ、203%の急成長―他のすべての分野をしのぐ

今朝(米国時間1/13)、Flurry Analyticsが発表したデータによればモバイル・アプリの利用は2013年に対前年比で115%拡大した。その中でもメッセージ・アプリを含めたソーシャル・アプリの伸びは目覚ましく、対前年比で203%の成長だった。

メッセージ・アプリの急成長は2013年のモバイル・アプリでもっとも目立ったトレンドであり、若い世代のスマートフォン・ユーザーがFacebook,のような公開性の高いソーシャルメディアから離れつつあることを示す兆候かもしれない。現在、ティーンエージャーと二十代前半の大人はの生活は物心ついたときからずっとソーシャルメディアで公開されていた。若者たちがもう少しプライバシーの保てるメディアを使い始めたのはひとつの反逆なのだろう。

この動きはもしかするともっと上の世代にも広がるかもしれない。昨年、Facebook自身も全体としては成長を続けているもののティーンエージャーではこれまでで初めての利用の減少が見られたことを認めている

Flurryは「メッセージ・アプリについて注目すべき点はその成長の驚くべきスピードだ」と述べている。ただFlurryはこのカテゴリーにメッセージ・アプリだけでなく伝統的ソーシャルメディアや写真共有アプリなども含めているため、スタンドアローンのメッセージ・アプリとTwitter、Google+、Facebookなど公開性の高いソーシャル・メディアとの比較にはなっていない。また既存のソーシャルメディアでもInstagramは昨年12月に非公開のメッセージ機能を追加している

「こうしたメッセージ・アプリはそれ自身をプラットフォーム化できる可能性がある」とFlurryは述べ、日本を本拠とし韓国企業が所有するLINEを例に挙げている。LINEは2013年にゲームのプロバイダと提携した後、わずか3ヶ月でパートナーに100万ダウンロードをもたらした。一方、中国のTencentはデバイス・メーカーのXiaomiと提携してメッセージアプリのWeChatユーザー向けのスマートフォンを発売したところ、メッセージサービスを通じて、わずか10分間に15万台が売れたという。これはメッセージ・アプリが物理的なプロダクトを販売するチャンネルとしても有望であることを示すものだ。

メッセージアプリが好成績を収める一方で、2013年には他のカテゴリーのアプリも成長を続けている。たとえばユーティリティと生産性アプリは対前年比149%の伸びだった。「モバイルデバイスがますますパソコンの役割を代替しつつあることを示すものだ」とFlurryは説明した。また「そろそろ飽和状態に近づいているのではないかという評価のあったゲームも66%成長している」と述べている。

Flurryによれば、モバイルアプリの成長速度は減速気味であるものの、上記のように全体として115%の成長が確保された。

今日のレポートはFlurry Analyticsに登録された40万種類のアプリの計測に基づくもので、サンプルとしては十分な規模だろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google+のユーザーはアドレスを知らなくても他のユーザーにGmailを送れるようになる―オプトアウトは可能

今日(米国時間1/9)、GoogleはGmail内からGoogle+のユーザーにメールを送れる機能を追加した。便利ではあるが、不要なメールが増える可能性がある。

今後、Google+のユーザーはメールアドレスを知らなくても他のGoogle+ユーザーにGmailメールを送信できる。デフォールトでは「すべてのGoogle+ユーザー」が対象になっているが、オプトアウトも可能だ。

GmailではTo欄に相手のメールアドレスを入力し始めたとたんに、自動補完が始まるが、この新機能が有効になっていれば、通常の連絡相手のリストの下に「Google+の連絡相手」のリストが表示される。

プライバシーおよびスパム抑制の観点からGoogleは「誰からのメールを受け取るか」をユーザーが選択できるようにしている。

「誰からも受け取らない(No one)」を選択すればこの機能は無効になる。デフォールトでは「全員から受け取る」になっているが、「サークル」、「拡張サークル」を選ぶこともできる。今日ではYouTubeにコメントするにも、新しいGmailのアカウントを作るのにもGoogle+のアカウントが必要だから、Google+の「ユーザー全員」というのはずいぶん広い範囲になる。

またこのGoogle+の連絡相手リストには自他の実際のメールアドレスは表示されない(実際にメールをやりとりすれば当然メールアドレスは判明する)。

この機能は先日公開されたGmailのタブによる振り分け機能を利用している。現在Gmailの受信トレイは、メイン、ソーシャル、プロモーション、新着、フォーラムなどのタブに分けられている。Google+で自分のサークルに入っている相手からのメールはメイン・タブに、そうでない相手からのメールはソーシャル・タブに振り分けられる(このメールに返信しないかぎり相手には実際のメールアドレスは分からない)。

この機能は送信者としてみた場合は大いに便利だが、受信者としてはそれでなくても多い不要なメールの着信を増やす可能性がある。受信トレイにタブUIを使っていない場合は特にそうだ。Googleはユーザーごとにこの機能を有効にする前にメールで通知を送り、好みの受信設定をするよう促している(受信設定へのリンクが通知される)から洪水を予防する余裕はあるわけだ。

Googleによるとこの機能はここ数日かけてGmailとGoogle+の双方のアカウントを持つ全ユーザーに公開されるという。いち早く受信範囲を設定したいならGoogleからの通知メールを見逃さないように。

〔日本版:1/10早朝現在、訳者の環境ではまだ有効になっていない〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iOS 7ベータ3で、Appleは円形ボタンを多用、電話、電源オフ画面も変更

Appleはモバイル用オペレーティングシステムiOS 7のインターフェースを、未だにいじり続けているようだ。今日リリースされたiOS 7.1ベータ3がそれを示している。この最新アップデートで、Appleは電話のキーパッド、着信画面、および電源オフ画面を改訂し、以前四角形だったボタンを円形に変えている。他にも、壁紙設定オプションの追加、Facetime、メッセージ、および電話アイコンのグラデーション変更などが見られる。

この最新ビルドの前に、11月のリリースと先月出たばかりのbeta 2があった。これらは、キーボードの暗色オプションの廃止など、些細なUI変更が中心だった。今日のリリースで ― 少なくともiOS 7のビジュアル全体にある程度慣れている消費者から見て ― 最も目に付くのは、iPhoneの中でもとりわけ頻繁に使う画面のビジュアル変更だ。

通話に関連する画面は大きく変わら、キーパッドと通話中画面の下部には、それぞれグリーンと赤の丸いボタンが配置されている。電話がかかってきた時の「拒否」と「応答」のボタンも円形になり、「後で通知」と「メッセージ」のオプションは、すぐ上の小さな白いボタンになっている。

iClarified.comの好意により、電話アプリ画面のビフォー/アフターを見ることができる。

「スライドで電源オフ」画面も改訂され、ボタンを右にスライドすると画面が暗くなるようになった。

細かい変更としては、壁紙選択のモーション・オン/オフ設定や、メッセージ、Facetime、電話アイコンのグリーンアイコンのグラデーションが暗めになったこと、リピートおよびシャッフルボタンの変更、パックスペースとシフトのハイライトの変更、キーボードの文字が太くなったことなどがある。この他、初期設定アシスタント中のiCloudアカウント設定に関連するバグや、ミュージックアプリでオーディオブックを再生する際の問題などが修正されているが、iMessageを初めて送信する時に失敗することがある等、他の問題が起きる場合もある。

もちろん、Appleが7.1を公開するにあたって多くの人々が望んでいるは、バックエンドの改善だ。今でもユーザーはフリーズや時には再起動するバグに悩まされている。最近、Google VenturesのMG Siegler(TechCrunch寄稿者で、長年のAppleコラムニストでもある)は、個人ブログでこれらの問題を列挙し、今のiOS 7は「水準に達していない」と言っている。

7.1では、これらのバグがいくつかでも修正されるかもしれない。発生する頻度の高さ ― 少なくとも一部のユーザーでは、私を含め ― を考えると、できるだけ早い時期の公開が望まれる。

画像提供:9to5mac.com; iClarified.com

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


過去へのタイムトラベル気分を味わえるPic A Moment(Instagramの指定日時検索)

過去のある時点、とある場所に、いったい何があったのかを見てみたくなることがある。新しいシンプルなPic A Momentというモバイルアプリケーションが、それを可能にしてくれる。具体的にはInstagramの写真を検索するもので、都市名や店舗名などの場所と日付を指定して検索すると、指定した時期にその場所で撮影された写真を表示する。

場所の様子を見たいだけなら、Foursquareのチェックイン写真などを見るのが良いだろう。このPic A Momentは、コンサートやスポーツイベント、あるいは何らかの大事件等、その場所で過去発生したイベントの様子などを見るのに便利な感じだ。

使い方も簡単だ。スライダーを動かして、見てみたい日を指定する(本日、1日前、1週間前、1ヵ月前などを選択することができ、また特定の日付を入力することもできる)。但し、今のところはすべての日程を検索できるわけではなく、過去数ヶ月間に限定されている。日付の指定が終われば場所の名前を検索して、検索結果から見たい場所を選択する。場所が特定できる特定の店舗や都市名ではなく、たとえば「Starbucks」などメジャーな場所を検索した場合には、現在地に近い場所から順に表示されるようにもなっている。

指定した日時の結果を表示しつつ、画面上部のWolfram Alphaティッカーには、同じ日に起きた他の場所での事件やイベントが表示される。また画面下部のウィジェットには、その日の天候も表示される。写真をタップすれば拡大表示され、そこに表示されるユーザー名をタップすればInstagramのプロフィールページが開かれる。

Pic A Momentの共同制作者であるJose Azanza Ariasは、ジャーナリストやマーケッターにとっても便利に使える可能性があるツールだと述べている。「近くの人や同じ場所にいったことのある人を発見して、それらの人とInstagram上で交流するという使い方もあるでしょう」とのこと。

アプリケーションの開発はWunderman Buenos Airesというデジタルエージェンシーのクリエイティブおよび開発者たちが行ったものだ。2013年に、サイドプロジェクトとしてアプリケーションの開発に着手した。ちなみに以前にも迷子の犬を探すためのBack2getherというアプリケーションをリリースしている。

Ariasによれば、日々、世界中から集められた数多くの写真を目にしながら、その写真の意味するところやコンテクストなどを充分に理解しているとはいえないのではないかと考えるうちに、Pic A Momentのコンセプトを思いついたのだそうだ。こうしたコンセプトに基づき、さらに写真にまつわる情報を活用する機能を追加していく予定であるとも述べている。

位置情報に基づくInstagramの検索ツールは他にもある。たとえばInstalookGramoryなどを思い出す人もいるだろう。あるいは写真を使ったタイムトラベルということであれば、個人で撮影した写真を対象としている点が異なるがMemoirTimehopといったものもある。

Pic A Momentは後発であるだけに、iOS 7フレンドリーなインタフェースを持ち、そして詳細な住所の入力なども必要なく、簡単かつ素早く操作できるというメリットもある。

アプリケーションのリリースは2013年12月。iTunes App Storeに登録されていて、英語およびスペイン語で動作する。

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(翻訳:Maeda, H


Amazonクラウドドライブ、iOSアプリでもビデオアップロードが可能に。ようやくiPad版も

Amazonは今日(米国時間12/9)、同社のCloud Drive PhotosアプリのiOS版に、ビデオアップロード機能を追加し、iPadおよびiPad miniを正式サポートした。このアップデートは、Amazonが初めてCloud Drive Photosサービスにビデオを保存する機能をAndroid用に公開してから1年以上過ぎて登場した。Appleデバイスに対するこの遅い進捗は、AmazonがどれほどiOS顧客ベースに価値を見出しているかを示している(見出していないか、と言うべきか)。

今日の午後静かに公開されたアップデート版アプリは、Android版と同じく最大2GBまたは最長20分のビデオをアップロードする機能をサポートしている。これはパーソナルビデオには十分な長さで、YouTubeの標準設定(アカウント認証前)の15分よりも少し長い。

これもAndroidアプリと同じく、iOSバージョンでもCloud Photosのオートセーブ機能を有効にしているユーザーはビデオも自動アップロードされる。これは、新規、既存いずれのビデオも写真も、iPhoneまたはiPadをWi-Fi(設定すれば携帯通信でも)に接続すると自動的にAmazon Cloud Driveにアップロードされることを意味している。

機能をオンにするだけで、過去のメディアコレクションもさかのぼってアップロードしてくるれのは便利だ。他ではあまり見かけない。例えば、Flickrも今年10月に自動アップロードをサポートしたが、新規ファイルしか対象にならないため、持っている写真全部を送り込みたいユーザーにとっては面倒だ。

Amazonは他にもいくつか隠し玉を用意していた。「ラージアップロードモード」では、(ビデオ等の)巨大ファイルのアップロードを完了させるために、iOSデバイスのロックスクリーンを無効にできる。また「オートセーブ」オプションを有効にして、バックグラウンドでの継続させることもできる。

さらに設定画面では、Cloud Driveのストレージをどれだけ使ったかが、ファイル、写真、ビデオが色別でインジケーターに表示される。

しかし、Flickr、Google等のライバル写真共有アプリと比べると、このアプリは非常に簡素に感じる。写真やビデオをまともに整理する方法はなく、タグ付け、検索、内蔵ツールによる編集もできない。これは単にiPhoneやiPadをAmazonのオンラインストレージとつなぐためのインターフェースにすぎない。とはいえ5GBの無料ストレージが利用できるので、手持ちのコンテンツをクラウドにバックアップしてみる価値はあるだろう ― Goolge、Facebook、あるいはAppleのiCloudなど他のサービスでまだやっていない人は。

iOSおよびAndroidプラットフォームを横断してビデオがサポートされた今、Amazonはアプリの名前を再考する必要があるかもしれない。Cloud Drive <emPhotosはもはや正しいとは言えない。

アップデートされたiOSアプリはiTunesのここにある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


データ・ポータビリティーの勝利! ―Google Takeoutを利用してGmailとGoogleカレンダーの全データがエクスポート可能に

GoogleはGoogle Takeoutサービスを利用して良好なデータ・ポータビリティーを提供してきた。これまでユーザーはTakeoutで連絡相手、Drive、Voiceその他十数種類のサービスのデータをエクスポートできた。今日(米国時間12/5)、GoogleはTakeoutにGmailとGoogleカレンダーという2つのフラグシップ・サービスを追加した。

Googleは今日からGmailとCalendarのデータのダウンロードができるようになったと公式ブログ記事で発表した。Takeoutは個別サービスのデータのみをダウンロードすることも、多数のサービスのデータを一括してダウンロードすることもできる。GmailのデータはMBOXフォーマットで、CalendarのデータはiCalendarフォーマットで提供される。どちらも.zipファイルとして圧縮される。

MBOXフォーマットはMicrosoft Outlook 2011、Mozilla Thunderbird、Apple Mailなど主要なメールクライアントですべて作動する。ただしダウンロードの頻度には一定の制限が設けられている。しかし1日3回、週に7回までという制限は一般のユーザーには特に問題にならないだろう。

FAQによれば、メッセージはCSV形式で提供され、メッセージに付与されたラベルのデータは X-Gmail-Labelsというヘッダーに保存されるということだ。

ラベルデータはまたGmailデータの一部のみダウンロードしようとするユーザーの役にも立つ。たとえばユーザーが転職したとき、業務上のメールだけをダウンロードして新しい会社のメール・アカウントにアップロードするなどの使い方ができる。あるいはサイズの大きい添付ファイルだけをダウンロードしてローカルに保存した後でGmailから削除してスペースを確保するなどという使い方も考えられる。

Gmailは1年前にサイズの大きいメールを検索できるオプションを公開した。同時に、ユーザーに対して大きなファイルを添付する場合は、直接添付せずにGoogleドライブにアップロードして(最大10GB)して共有リンクを利用するよう勧めた

Gmailのエクスポートとほぼ同様の手順でGoogleカレンダーのデータも、全部、あるいは一部エクスポートできるようになった。

カレンダーのエクスポート機能はすでに一般公開されているが、Gmailのエクスポート機能は今日から約1月かけて順次公開される。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Amazonの新しいデスクトップ・クラウド・コンピューティング、WorkSpacesがiPadにやって来た

Amazonが最近リリースしたAmazon WorkSpacesはVMware的なバーチャル・デスクトップ・サービスだが、このほどiOSプラットフォームに対応し、iPadから利用できるようになった。

現在WorkSpaceの限定プレビュー版にアクセスできるユーザーは新しいアプリを利用してiPadを一種のクラウドデスクトップに変えることができる。文書の編集、ウェブアプリの利用、社内メールの送受信など多くの日常業務がWindowsのUIを通じて実行できる。

この多機能デスクトップ・クラウド・コンピューティング・サービスは11月のre:Inventカンファレンスで発表された。ターゲットは企業ユーザーで、IT部門がデスクトップのカスタマイズし、ノートパソコン、Androidタブレット、Kindle Fire、iPadなどのデバイスから社内資源へのアクセスも管理できる。

他方、AWSはユーザーのためにコンピューティングのインフラとOSを提供し、ネットワークの設定と運営を管理を行う。サービスにはバーチャル・マシン、クラウドストレージ、ActiveDirectoryの統合、ユーザー認証などが含まれる。ハードウェアやストレージに障害が発生した場合でも一切ユーザーを煩わせることなく自動的に復旧が行われる。ユーザーはWindowsOSサーバ互換であればローカルに持つディスク・イメージをAWS上に移して稼働させることも可能だ。

AndroidベースのAmazon WorkSpacesアプリはAmazonのAppstore(Google Playストアではない)ですでに公開されている。iPad versionがリリースされたのは昨夜(米国時間12/3)だが、大きなPRは行われなかった。

例によって料金には競争力がある。実際、上級副社長のAndy Jassyは11月のre:Inventで「Workspacesは既存のプロバイダーが提供するオンプレミスのバーチャル・デスクトップ・ソリューションに比べて半額ですむ」と述べている。

標準パッケージはCPUが1つ、50GBのストレージが提供され1ユーザー当たり月額35ドルだ。パフォーマンス・パッケージは1ユーザー月額60ドルでCPUが2つと100GBが提供される。Amazonの既存のユーザーがWorkspacesにアップグレードする場合は15ドルのライセンス料がかかる。またMicrosoftOffice、Trend Microのアンチウィールスなどの追加アプリを利用するユーザー向けにStandard Plus、PerformancePlusというオプションが用意されている。

Workspacesはまだ限定評価版として公開されており、ユーザーは評価版の利用をAmazonに申し込み、招待を受ける必要がある。ただし申込者の全員がすぐに招待を受けられるわけではない。順番待ちのリストの登録され、空きができた時点で招待が送られてくるという仕組みだ。

Amazon自身は最近Kindle Fireに企業向け機能をいろいろ追加して企業向けにも売り込みを図っているものの、WorkSpacesのiPad版を待望していたユーザーは多かったはずだ。なにせAppleによればFortune500の企業の94%、Global 500の企業の85%がiPadを利用ないしテストしているという。

iPad向けWorkSpacesアプリはこちらから。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スマートフォンに最適化したサイトの売上が大幅上昇―ブラックフライデーが87%、サンクスギビングデーが258% アップ(対前年比)

オンラインショッピングのモバイル部分が増加中だ。IBM Benchmarkによると、今年のブラックフライデーの場合、スマートフォンは全オンライントラフィックの4分の1を、オンラインショッピングの売上高の7.2%を占めた。

しかし当然ながらスマートフォンに最適化されたサイトの増加率はトラフィック、売上ともに平均を上回っているー。2013年のブラックフライデーの場合、対前年比で、スマートフォン最適化サイトの訪問者は75.65%、セールスは75.65%も上回っている。

このデータはモバイルサイトのデザインを行う世界的なeコマース・プラットフォームBranding Brand上で収集されたものだ。このプラットフォームの利用者にはAmerican Eagle Outfitters、Costco、Ralph Lauren、Sephora、Calvin Klein、Crate &Barrel、Nasty Gal、Kate Spade、Bath&Body Works、Brookstoneなどなどの大企業を始め200社が含まれる。

同社のMobile Commerce Indexはアパレル、ヘルスケア、美容、家庭用品などのクライアントのカテゴリーごとにサンプルを抽出し、デスクトップ版のままのサイトとスマートフォン最適化を行ったサイトとのパフォーマンスの差異を分析している。BrandingBrandのインデックスはスマートフォン最適化の影響の調査としては世界最大規模だ。

Branding Brandによれば、ブラックフライデーに152箇所のスマートフォン最適化サイトへの930万の訪問者のうちiOSからが 66.62%、Androidからが32.97%だったという。この訪問から17万4111の注文が発生し、その平均単価は93.2ドルで、対前年同日比22.08%のアップだった(BrandingBrand Indexの対象とするスマートフォン最適化サイトも昨年の46箇所から大幅に増えた。Branding Brand自身もこの間、950万ドルの資金を調達している)。

また同インデックスによれば、クライアントのeコマースサイトへのブラックフライデーの全トラフィックのうち、スマートフォンの割合は34.36%だった。一方、IBMBenchmarkが800箇所のeコマースサイトから集したデータよるたスマーフォンの割合は25%だった。ただしBranding Brandにはスマートフォン最適化を行うクライアントが集中しているわけだからこの結果は当然といえる。

Brand’s Indexによれば今年スマートフォン最適化サイトは対前年同日比で訪問者を69%増やし、売上も258.18%増えた。ただし平均注文単価は92.55と昨年とほぼ同額だった。

Branding Brandのデータは他の業界統計ともおおむね一致する。たとえばモバイル・アプリのパフォーマンス管理を専門とするCrittercismが最近サードパーティー(Dimensional Research)に委託して行った調査でも同様の傾向が見られた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


「(本物の)サンタとのテレビ電話」サービスを提供するHello Santa(少々高額?)

サンタクロースと直接に話がしてみたいと思った人は多いのではないだろうか。実はできる。使うのは「Hello Santa」というアプリケーションだ。これを使ってサンタのおじいさんと1対1で話をすることができる。話をするサンタクロースは録画されたものではなく、本物の会話をすることができる。

この季節、子供を30分以上も列に並ばせて、そしてようやくサンタの膝に座る順番になってみれば、子供が疲労困憊していたり、あるいは泣き叫んでいたりするようなことも多いだろう。このHello Santaならばそのようなこともない。通話時間に制限もなく、イベント会場でサンタと写真を撮るときのように怒鳴るようにして指示を与える必要もなく、隣に座って一緒に会話を愉しむことができる。

もちろん、世界中で人気のサンタクロースと電話で話すとなれば、それなりに費用もかかる。App Storeのレビューいは「14ドル99セントも払う価値はない。そんな額を支払うのなら、他のことをした方がよっぽどましだ」というようなレビューもある。

しかし、あながち「高い」とも言い切れないのではないかと思う。

アプリケーションでは子供とサンタが会話する様子を収めたビデオも用意してくれる。似たようなイベントが商店街などでも開催されるが、そのときにも1対1で写真を撮ってもらうのは有料であることが多い。それも頭にいれて価格を考えてみたい。15ドルほどというのは、なかなか理に適った価格設定なのではないだろうか。

もちろん高すぎると考える人もいるだろう。クリスマスのメインはプレゼントであり、プレゼントを買いに行けばそこら中にサンタクロースはいる。1対1での会話や写真を求めないのであれば、無料でサンタに会える。その辺りの考え方は、当然ながら人それぞれだ。

開発チーム

Hello Santaを世に問うているのはMake Believe Labsだ。同社の初プロダクトということになる。Make Believe Labsを設立する前は、Deeseaというコンサルティングファームを起業して、Universal Music、Public Storage、Booz Digitalなどの仕事をしてきた。Make Believe Labsに参加しているのは企業向け技術コンサルティングを行ってきたDorian Collier(CEO)、Founders Instituteでの経験があるJordan Lyall(COO)、スリランカのアントレプレナーであるSam Dassanayake(CTO)、ViddyのCMO兼Chief EvangelistであったEvan White(CMO)、そしてMySpaceでの経験をもつ(X Gameの審判でもある)Robert McKinley(Creative Director)だ。

そして主役のサンタクロースを務めるのはEd Taylorだ。2004年以来テレビ、パレード、雑誌などでサンタクロースとして活躍中だ。MicrosoftやMattel社のイベントでサンタクロースになったこともある(ちなみに髭は本物で、いかにも本当のサンタクロースらしくみえる)。

CEOのCollier曰く、子供の様子などを見るうちに、このサービスを思いついたのだそうだ。「Jordanも私も、サンタクロースを信じている年代の子供を持っているのです」と、彼は話してくれた。「息子はよくFaceTimeを使っているのですが、その息子が今度はサンタさんとお話をするんだと言ったのです。どこかがそういうサービスをやっているのではないかと思いましたが見つかりませんでした。そこでこのサービスを始めようと決意したのです」とのこと。

確かに、このHello Santaは「サンタと話そう」系アプリケーションの中でも、なかなか良いできなのではないかと思う。App Storeを見て回ると、類似のサービスでは静止画のみを提供していたり、録音メッセージを流したり、あるいは自分でサンタを用意するものなどで、リアルなサンタと話ができるものは見当たらない。個人的にはこれまで、Video Calls with Santaというアプリケーションを使っていた。こちらは200円で購入すればそれで支払いは完了だ。しかし「悪い子モード」(naughty)に電話をしてサンタに子供を諭してもらっても、「サンタはいつも同じことを言うのね」などと言われてしまうことになる(このアプリケーションは予め収録したビデオを利用している)。

使い勝手(エクスペリエンス)

Hello Santaアプリケーションの使い方は非常にシンプルだ。サンタ側の準備ができていれば、すぐに電話をかけて会話をすることができる。ただ、それはあまり現実的な話ではなく、たいていの場合は日付と時刻を予約することになるだろう。予約時には、子供の名前、年齢、あるいは何か特にケアしてほしいことなどの情報を残しておくことができる。これにより、電話で子供の名前を呼びかけてくれたり、あるいはサンタクロースらしい「マジック」を感じさせてくれることになる。アプリケーションがあるのはiPhoneないしiPad版だが、MacやPCからでもHello Santaを使うこともできる。

但し、アプリケーションには少々バグなどもあるようで、15ドルの価値に見合うかどうかの判断を難しく感じさせる。たとえばこちらで利用しているとき、スケジュール予約時にアプリケーションがクラッシュしてしまったことがある(通話中ではない)。また、2度のテスト中1度はビデオ通話が行えなかった。登場間もないアプリケーションであることから、他にもいろいろな不具合が隠れているのではないかとも思われる。ちなみにビデオ通話が行えなかったような場合には、再度、今度は無料で通話する権利が与えられる。確かに、それ以外の対応というのは難しいものだろう。一般的に新しいプロダクトに問題点があるのは当然のこととも言える。しかしサンタクロースと話をするというサービスを使うのは、多くの場合テック系のことなどに関心のない層(メインストリーム層)ということになろう。そういう人が「まあそういうこともあるさ」と納得してくれるとは考えない方が良い。早急な対応が望まれるところだろう。

ちなみに2度めに使ってみたときには、ほぼ完璧に動作したことも付け加えておく。

Collier曰く、サービスを立ち上げたのは11月末で、以来数百件もの利用があったのだそうだ。

ところで彼らの会社は「Make Believe Labs」だ。この名前から明らかなように、クリスマス以外の「夢」についてもサービス展開をしていきたいという話だ。

「Facetimeなどを使った通話の仕組みをプラットフォームとして活用していきたいと考えています。あるキャラクターと1対1で通話する仕組みなどを、そのキャラクターを使っている企業にライセンス販売するような展開も考えています」とのこと。

活動の拠点はロサンゼルス。転換社債(convertible notes)にて少額(20万ドル未満)のシードラウンド資金の調達を行い、まず最初のクリスマスでの成果を示し、ビジネスモデルの可能性を証明しようとしている。

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(翻訳:Maeda, H


TuneIn Radioが密かにスタートした「音声ベース」ソーシャルネットワークの「OpenMic」。まず大学生を対象にサービス開始

TuneInのオンラインラジオサービスは非常にうまくいっている様子だ。月間利用者数は4000万を超えている。このTuneInが、軌道に乗っているオンラインラジオサービス以外に、音声ベースのソーシャルネットワーキングサービスを提供しようとしている。iTunes App Storeに登録されたTuneIn OpenMicで実現するものだ。利用者の「ストーリー、冗談話、レビューなど」をブロードキャストしたり、面白い話を友人とシェアしたりして利用する。

ソーシャルメッセージングサービスを頻繁に使っている人は、きっと興味をもつサービスなのではなかろうか。

App Storeでのレビューを見てみると、OpenMicは「他にはない全く新しいソーシャルネットワークを経験できる」、「非常に面白い」サービスなのだそうだ。

但し、この音声を使ったソーシャルネットワークというのが、全く新しいアイデアであるというわけではない。他にもSpreakerDubblerBubblyTalkbitsなどといったサービスがある。また、Voxer、Whatsapp、さらにはFacebook Messangerなどのメッセージング用アプリケーションも、録音した音声をやりとりできるという意味では、この範疇に加えることができよう。

TuneInのOpenMicは「音声版Twitter」という新しい方向性を目指す意味と、熱心なPodcast利用者のための集客ツールとしての意味との双方を持つ(双方の中間)ものなのだろう。

現在のところは、このアプリケーションを利用できるのは大学の学生のみに限定されている。利用登録に.eduのメールアドレスが必要となっているのだ。

利用登録が完了すればプロフィールを書き込み、そして友だちを探してフォローして、いろいろな投稿を聞いてみてお気に入り登録をしておいたり、あるいはOpenMic上の友人たちと共有したりすることができるようになる。もちろん他の人の投稿にコメントしたり、あるいはもらったコメントにリプライするようなこともできる。音声を登録するには、アプリケーション画面の大きな赤い「Record」(録音)ボタンを押す。関連する写真があるようならば、添付することもできる。

iTunesに登録されているスクリーンショットを見れば、OpenMicがどういう使い方をされたがっているのかということがよくわかる。たとえばアメフトの試合の様子、パーティーでの一コマ、音楽、そしてもちろん、学生らしく宿題についてのことなども登録して欲しいと考えているようだ。TuneInによれば、このアプリケーションはまずスタンフォードで試験運用を行ったそうだ。それでスクリーンショットもスタンフォード関連のものが多い。

TuneInは今年初めに2500万ドルの新規資金調達を行っている。リードしたのはIVPで、前回出資しているSequoia Capital、Google Ventures、そしてGeneral Catalystも参加している。資金調達を行った2013年4月頃の発表によれば、番組聴取時間は10億時間を突破して、オンラインミュージックサイトとして、Pandoraに次ぐ二番手につけているとのことだった。扱っている局数はAM、FM、そしてインターネットラジオをあわせて7万局にものぼり、提供プラットフォームも200以上にもなるとのことだった。サービス提供国も230以上の国と地域にのぼるとしていた。以来局数はさらに増え、今では10万局に達しているようだ。

こうした数値から判断するに、TuneInはこれまでのビジネスから完全に乗り換えようとしているわけではないはずだ。サービスを「拡張」しようとする意図なのだろう。今のところOpenMicは試験的なプロダクトに過ぎないわけだが、人気を集めることになれば、新たな広告リーチチャネルを獲得することにもなる。すなわちモバイルを積極的に活用する、若い層に向けた広告を取りやすくなることだろう。ちなみにアプリケーションは無料でiTunesからダウンロードできる。但し、先にも述べた通り現在のところは利用登録に制限が設けられている。今後の展開を注目していきたい。

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(翻訳:Maeda, H


App Store内検索で、いつの間にかスペルミス補正機能が実装されていた

AppleのApp Storeで使われている検索エンジンが進化して、タイポなどがあっても正しい(意図する)検索結果を戻してくれるようになったそうだ。また、名前は覚えていてもどこにスペースが入るのかを忘れてしまったような場合でも、だいたいにおいて目的のアプリケーションを探しだしてくれるようになったようだ。たとえば最近人気の「QuizUp」だと、以前は「Quiz Up」ではヒットしなかったが、これでも検索できるようになっている。

情報元によると、この検索エンジン機能の変更は、しばらく前に行われたものであるとのことだ。

アプリケーションにちょっと変わった名前を付けてしまった場合でも、今回の変更によりきっとダウンロードが増えていくことだろう。これまでは検索で絶対に出てくることのなかったものも、いろいろな検索結果の中に表示されるようになった。

「アプリケーションのパブリッシャーにとっては非常に良いニュースです。Appleにとっても、いろいろなアプリケーションを提示できるというのは良いことであるはずです」と、モバイルアプリケーションを開発しているFiksuのChef Strategy OfficerであるCraig Palliは言っている。

今回の変更はGoogle Playとの比較の意味でも、重要なものであるといえる。Google Playの方はずっと前からスペルチェック的機能を備えていたのだ。App StoreのSEOファームであるSearchManが、2つのアプリケーションストアで、たとえば「Calendar」を「Calender」と綴ってしまった場合の検索結果について調査を行っていた。この調査によると、Google Playの方が、100倍も多い検索結果を表示していたとのことだ。Appleの方は、キーワードでわざわざミススペルを登録してあるアプリケーションしか検索できなかった。

SearchManはいろいろなスペルミスを使って調査を行っている(こちらの資料の8ページ目がわかりやすい)。少なくともこれまでのところは、Google Playの方がはるかに上手にタイポなどのスペルミスにも対応していたようなのだ。

SearchManのCEOであるNiren Hiroは、同様の調査を2013年11月24日にも行った。すると必ずしもミススペルに寛容になったわけではないと思えるケースもありながら、しかし多くのケースで、より多くのアプリケーションが検索できるようになっているようなのだ(下の表を参照)。

過去においては、たとえば「news」を「newz」と綴ってしまうと、検索結果で9つのアプリケーションしか表示されなかった。また「camara」の場合は862件の検索結果しか表示されなかった。こうした部分では、最近行われた変更により、検索結果表示数は大いに改善したということができる。どうやらAppleは、スペルミスの検索結果をだいたい2200件ほど見つけ出して結果を戻すという処理を行うことにしたようだ。そのせいで「shoping」や「pocker」などのスペルミスについては、これまでよりも少ない検索結果しか戻さなくなってもいる。スペルミスを予定してキーワードに登録しているものを拾ってくるのではなく、まず検索語を補正してから2200件程度を上限にヒットする結果を引っ張ってきているようだ。

今回の変更により、確かにこれまでは見つけられなかったアプリケーションを見つけられるように、あるいはこれまでよりも素早く目的のアプリケーションに辿り着けるようになったことだろう。実はこうしたスペルミスによる検索というのは、全体からみるとごく少数のものであったため、これまで対応を見送られてきたということであったようだ。

App Storeのオプティマイズサービスを行っているStraplyのファウンダーであるGeorge Lawrenceは、iOSアプリケーションストアに入力された「Angry Birds」をミススペルした検索文字列についての調査を行っている。

Lawrenceによると正しいスペルで検索されたのが98.48%とほとんで、いずれのスペルミスも1%にも見たない頻度なのだとのこと。「Angery birds」が0.46%で、「angri birds」が0.37%、そして「angry blrds」が0.32%などとなっている。統計に数値として出てくるスペルミスは5つのみであったようだ。

「スペルミスないしタイプミスというのは、必ず発生するものです。しかしその量は非常に少なく、これに対応していくのは、なかなか難しい問題であるようです」と述べる。「ミススペルによる検索量は四捨五入すれば0%と丸められてしまうようなものなのです」。

但し、こうしたスペルミスが非常に少ないものであるとはいえ、ロングテール戦略的視点に立てば、こうしたものに対応することはアプリケーションストアのみならず、あらゆる検索エンジンにとって重要なものであるといえる。Googleは、その出自からもアプリケーションストアにおいて、こうしたロングテール戦略を充実させてきていた。2014年が間近に迫った今になって、Appleもようやくこうした方向の強化を始めたわけだ。

いずれにせよ、今回の改造はほとんどのiOS開発者にとって好ましいものと受け入れられるものとなるだろう。スペルミスを期待して妙な名前のドメインを用意していたサイバースクワッターにとっては悲しむべきアップデートだと言えるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


パーソナル・モバイル・セキュリティーのLookoutが企業向けサービスを開始―1ユーザー当たり月5ドル

今年の9月にに発表されたされたとおり、パーソナル・モバイル・セキュリティーのLookoutは、今日(米国時間11/19)、Lookout for Businessと呼ばれるビジネス・ユーザー向けの新しいサービスをローンチした。

これはLookoutとして、アメリカ企業社会に広がるBYOD (bring-your-own-device = 私用デバイスの持ち込み自由)のトレンドに対応する最初のプロダクトだ。企業IT部門は、私用を含め、ますます他種類のデバイスが自社ネットワークに接続するようになり、セキュリティー上の困難を抱えるようになっている。

Lookoutは従来、アンチ・マルウェアやプライバシー保護、紛失、盗難などの際のリモートデータ消去など一般の個人ユーザー向けセキュリティー・プロダクトに特化していた。しかしこれらはそのまま企業ユーザーにとっても必要な機能だ。

今回のLookout for Businessは社員の私物、企業所有双方のさまざまなスマートフォンやタブレットをマルウェアや不審なアプリなど多様な脅威から保護する。また紛失、盗難に対しても一般ユーザー版と同様、位置追跡やリモートデータ消去機能を提供する。デバイスの所有者と企業のシステム管理者の双方がデバイスのロック、データ消去をオンラインで実行できる。またデバイス所有者を保護するため、システム管理者がリモートデータ消去を行おうとする場合、デバイス所有者にも通知が行われる。

Lookout for Businessは従来のMDM(モバイル・デバイス管理)システムに比べて、セルフサービス的傾向が強い。たとえば従業員が新しいアプリをダウンロードしてデバイスにインストールすることができる。これは従来のMDMでは考えられなかった自由さだ。

このプロダクトの機能は基本的に個人版と変わらず、ただIT部門が管理者として全体を管理できる権能を与えられている点が新しい。システム管理者はダッシュボードから何台のデバイスがこのプロダクトの保護下にあるのか、どのような脅威がブロックされたか、現在どのようなプロセスが実行されているかなどをリアルタイムで把握できる。また管理者は所有者名、種類、機種などによってデバイスを検索できる。

ウェブサイトでは料金の詳細が分からなかったので取材したところ、「1ユーザーあたり月間5ドル」だという答えだった。

Lookout for Businessはローンチ時点で20社が利用している。個々の社名は明らかにされなかったが、地域の店舗からFortune1000の大企業まで含まれており、最大のユーザーは300台のデバイスを登録しているという。

Lookoutはビジネス市場に参入するにあたって、企業ITのコンシューマライゼーションに賭けるという大胆な戦略を取った。つまり 多くの企業で社員の半分がLookoutを利用するようになるまで待ち、それからIT部門による管理機能を追加することでビジネス版を開発した。これはIT部門による管理機能をまず作るトップダウン方式の従来のMDMシステムとは正反対の生き方だ。

Good、MobileIron、AirWatch、Zenprise、Symantecなど何年も先行して地盤を固めた既存のMDMサービスに対してLookoutがどこまでシェアを伸ばせるか注目だ。

Lookoutは最近5500万ドルの資金調達に成功し、国際展開、キャリヤやデバイスメーカーとの提携に力を入れていく方針だ。同社はSamsung、AT&T、Orangeなどと提携している。

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Google MusicがiOSから使える, 有料機能も1か月は無料

Google Play Musicが今日(米国時間11/15)、iOSにやってきた。今週の初めに、もうすぐローンチするという報道があったばかりだ。このアプリはAppleのiTunes RadioやPandora、Spotify、Rdioなどの音楽ストリーミングサービスと競合し、無料のスタンダードサービスと有料のAll Accessオプションを提供する。いずれもユーザの音楽コレクションをクラウドに保存し、それらの曲はダウンロードせずにそのままストリーミングして聴ける。All Accessにはラジオ機能もある。

スタンダードサービスは、最大20000曲をクラウド上のストレージに保存できるが、All Accessでは曲数に制限がない。モバイルアプリだけでなく、デスクトップからもWeb上のインタフェイスplay.google.com/musicで自分がアップロードした曲をストリーミングできる*。Androidアプリは、すでに前からある。〔*: 曲のアップロードはWebインタフェイスからはできない。スタンドアロンのアプリケーションGoogle Music Managerを使用する。アルバムジャケット写真のアップロードなどは、Webページから可能。〕

月額9ドル99セントを払ってAll Accessのユーザになると、曲を指定して聴くだけでなく、‘ラジオ’的に聴くこともできる。一部の競合サービスと違ってAll Accessでは、ラジオで流れる曲を自由にスキップできるし、また親指アイコンでリコメンデーションを改良できる。

All Accessのユーザは、さまざまな編成済みコンテンツにもアクセスできる。たとえばNew Releases(新譜)、Staff Picks(おすすめ)、評論家などが作ったプレイリスト、などだ。

もちろん、プレイリストの作成や、ファイルを保存してオフラインで聴く、などの機能もある。またユーザが“親指アップ”をした曲や最近ライブラリに加えた音楽、自分のアカウント上で買ったり無料でダウンロードした曲などは、自動的に作られるプレイリストへ入る。

音楽を聴いているときキューの管理ができ、しかもそれは音楽ストリーミングの邪魔をしない。ローンチの時点で、ストリーミングはBluetooth、AirPlay、Chromecastなどででき、アプリのiPadへの移植も今進めている。

アプリのインタフェイスはとてもシンプルで、画面横に行き先を選択する”My Library”、”Playlists”、”Radio”、”Explore”などのリンクメニューが表示される。”Radio”はAll Accessだけだが、曲やアーチストやジャンルを指定すると、それらの曲がラジオのように流れる。”Explore”は、さまざまなプレイリストやリコメンデーションを見つける。画面上部には検索ボックスと、オフライン再生のための保存を指定する矢印ボタンなどがある。

iOSの上では、Google Musicの有料部分は、iOSのアップデートとともに無料で提供されるようになったiTunes Radioと競合するだろう。ただしiTunes Radioは広告が入るが、Google MusicのAll Accessには入らない。有料に見合ったサービスを求めるユーザには、重要なことかもしれない。

iOS上のローンチを記念してGoogleは、試用期間と称する最初の1か月はAll Accessを無料にする。1か月はいや、という方はWebやAndroidから有料ユーザになるとよいだろう。

アプリは今、iTunes App Storeのここにある。

アップデート: iOSの上でもWeb版にアクセスできるが、それをやるとiTunesへのリクエストがタイムアウトになる。ただし状況は、人によって違うかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、広告ターゲティングの指標にモバイルOSのバージョン、デバイスの種類、Wi-Fi利用状況などを追加

Twitterは昨日より、より細かな広告ターゲティングが行えるようにシステムを変更している。すなわちモバイル(iOSおよびAndroid)からの利用者についてOSのバージョン、デバイス、およびWi-Fi経由なのかどうかを区別できるようにしているのだ。これまではOSの違いのみでしかターゲティングすることができなかった。今や全世界でTwitterを利用している2億3千万人のうち76%がモバイルから利用しているという数値がある中、今回のこの変更は非常に大きな意味を持つものだ。

今回の変更についてのアナウンスはTwitterのブログで確認することができる。尚、今回の変更は分析用ダッシュボードにも反映されていて、各種キャンペーンの効果を、より詳細に分析することが出来るようになっているようだ。

広告を打つにあたっては、情報は入れば入るほど便利に使うことができる。たとえばiPhoneなのかAndroidなのかを区別できるだけでも、アプリケーションのプロモーションをするのには非常に役に立つ。しかし、アプリケーションが動作しないような旧バージョンを使っている利用者にリーチしても、それは広告費の無駄としたものだ。また、古いOSを使っているような層は、アプリケーションのプロモーション対象として、あまり魅力的でないことが多い。依然としてiOS 5.0搭載のiPhone 3GSを使っている人よりも、最新版のiOS 7やAndroid KitKatを早々に使い始めている層こそが、新しいアプリケーションに対しても強い関心を示しやすい層だということができよう。

モバイルアプリケーションのプロモーションを行っているのは、もちろんTwitterだけではない。Facebookも大きな実績を示しているようで、先月には、モバイル向けの広告経由で1億4500万件のインストールに繋がったのだと報告している。

Twitterは、今回の機能追加がアプリケーション関連のプロモーション以外にも、いろいろと使い道のあるものだとアピールしている。たとえば通信事業者も、特定のデバイス利用者に連絡をとりたいことがあるだろう。あるいはアップデートを促したい利用者にのみアプローチしたいケースもあるはずだ。他にもOSのバージョン、Wi-Fiの利用状況などに応じたターゲティングはいろいろな場面で活用できるはずだとのこと。

当たり前のことだが、ターゲティングは、今回追加された指標でのみ行うわけではない。これまでも、そしてこれからも性別や興味、あるいはロケーションなどによって、利用者を分類することができるようになっている。また、インプレッションやエンゲージメント(クリック、リツイート、等)などの効果分析を行う際にも、今回導入された新たなターゲティング指標を使って行うことができるのは非常に便利なことだろう。

新たなオプションは既にads.twitter.comで利用可能となっている。Twitter Ads APIパートナーも、すぐにこの新機能が利用できるようになるとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


Gmailの受信トレイにGoogleドライブが統合―添付ファイルを直接ドライブに保存できるようになった

今日(米国時間11/12)、Gmailがさらにアップデートされ、メールとGoogleドライブの連携がまた一歩進められた。今後はいちいちメールの添付ファイルをダウンロードしてからドライブにアップロードするというステップを踏む必要がない。添付ファイルを表示すると同時に受信トレイの中から直接Googleドライブにファイルを保存することが可能になった。

Googleは昨日、受信トレイでメールを開かずに直接YouTubeを視聴したりできる“Quick Actionsボタンを追加したばかりだ。今日のドライブとの統合も狙いたはメール処理のスピードアップだろう。

この機能はユーザーに順次公開されている。機能が有効になると受信したメールに添付ファイルがある場合、メールの末尾に画像、動画、MS Office文書、PDF、表計算シートなど、そのサムネールが表示される。サムネールをクリックすると全画面モードで画像としてプレビューできる。

その後Googleドライブ・ボタンを押してGoogleドライブに保存すれば、いちいちローカルにダウンロードする必要なしに閲覧、編集などが自由にできる。保存の際にはフォルダも選択できる。ローカルに保存したい場合は、矢印ボタンをクリックすれば従来通りダウンロードができる。

今回のGmailとドライブの連携は、メール処理のスピードアップと同時にドライブの利用を促進しDropboxやBoxのようなライバルに対抗するのが当面の目的だろうが、同時にデスクトップのソフトウェアをウェブベースのOSであるChromeOSに一元化するというのがGoogleの長期的な目標に違いない。

またデスクトップ・ソフトウェアをモバイル体験に近づけることも目的の一つだ。現在、モバイル・アプリでメールの添付ファイルを表示、保存するためのステップはデスクトップ版より少ない。【中略】

Googleによれば、このアップデートは当初デスクトップ版のみサポートし、来週中に順次公開されるという。今回Googleは初めてGoogleドライブのアクティブ・ユーザー数を1億2000万人と明かした。Dropboxには1億7500万人の登録ユーザー(アクティブユーザーではない)がありAppleのiCloudは3億2500万SkyDriveには2億5000万、Boxには2000万以上のアカウントがあるという。これでみるとGoogleドライブはアクティブユーザー数としては世界最大か最大にごく近いものと思われる。

サードパーティーのデベロッパー

標準的な添付ファイルの処理に加えて、サードパーティーのデベロッパー向けのGoogle Drive SDKには、独自アプリとGoogleドライブを連携するためのさまざまなツールがサポートされており、Gmail添付ファイルをアプリと連携して利用するにようできる。

Gmailの新しいプレビュー機能を利用するとGmailのメッセージには添付ファイルの関連アプリの候補が表示され、開くアプリを選択できる。ユーザーが望むアプリが表示されない場合も、受信トレイ内から新たなアプリへの関連づけを行える。

詳細はGoogle Developersブログを参照のこと。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


写真を自動的にカテゴリー分類してくれるImpala, 無料iPhoneアプリとしてローンチ

【抄訳】

最新のiPhoneアプリImpalaは、写真のカテゴリー分類を自動的に行う処理でEverpixがやり残したようなことをやってくれる。iPhone上のすべての写真を”アウトドア”、”建物”、”食べ物”、”パーティー”、”友だち”、日没”などなどのカテゴリーに自動的に分類してくれる*のだが、Everpixと違ってサーバを使わない。写真を分類するソフトは完全にユーザのデバイス上で動く。〔*: カテゴリー名は、outdoor、foodなど英語。〕

ただし、いろんなことができるEverpixと違ってImpalaのやることは写真の分類だけだ。でも、その分類能力はただ者ではない。私のiPhoneには数千枚の写真があるが、20分そこそこで分類を終え、カテゴリー名をタイトルとするアルバムに収めた。中には、不正確な分類もある。たとえば“食べ物”や“ビーチ”の写真は正確に集めるし、“男”と“女”と“子ども”もちゃんと見分けるが、ビーチの写真なのに“山”へ行ったり、私の犬の写真が“猫”へ行ったりした。

でも、後者の例は、そう設計したからだ、とImpalaの作者で親会社Euvision TechnologiesのCEO Harro Stokmanは笑いながら言った。“ぼくたちは犬が好きじゃないんだ”、と彼は言う。

同社としては、今の形のアプリを本格的にビジネスにするつもりはない。むしろそれは、同社のソフトウェア技術のサンプルのつもりだ。そして本来のビジネスは、その技術のライセンスの販売だ。たとえばオランダの警察や、大手ソーシャルメディアサイトが、この技術を利用している。警察は、児童虐待の写真を見つけるためだ。

Stokmanによると、Euvision Technologiesは、彼がコンピュータビジョンで博士号を取ったアムステルダム大学のスピンオフで、Impalaを可能にした技術は10年あまりの研究開発の成果だ。Euvisionの8名のチームも、全員が大学の研究員だ。同社の株の15%を、大学が保有している。

【中略】

Stokman曰く、モバイルバージョンは同社のコアプロダクトほど正確ではないが、 しかしそれでも技術的にはとても高度だ。“VCの支援はないので、帯域や計算力でぜいたくはできない”。そこで最初からクラウドを放棄し、ネイティブのモバイルアプリに集中したのだ。“モバイルの上で十分に実用性のあるもの、これを絶対条件とした”。

しかしそもそも、Everpixが写真のストレージと共有プラットホームを今週閉鎖したのも、そんなことを無料サービスとしてAmazon Web Servicesの上でやると、ものすごく高くつくからだ。とても続けられない、と判明した。

Impalaは最初から、クラウドという考えを捨てている。代わりに、最初は600MBあったソフトを100MB以下にすることに精力を注いだ。“それぞれのカテゴリーのモデルを置くために膨大なメモリを必要とするが、そこをぎりぎりまで削ぎ落とした”、とStokmanは説明した。

Impalaのシステムは、Webの上などにある何千もの画像を使って訓練されている。その結果として今では、“日没らしさ”と“室内らしさ”を見分けられるようになっている。しかしそれをモバイルに乗せるために、分類エンジンをかなり簡素化しなければならなかった。Stokmanによると、Impalaをサーバ上で動かすとモバイルバージョンの4倍のメモリとコンピューティングパワーを必要とする。“コンピュータが強力で使えるメモリが多ければ多いほど、カテゴリー分類はより正確になる”。

iPhone上でImpalaが行う自動的カテゴリー分類が、ときどき不正確になるのは、そのためだ。そこで各カテゴリーのアルバムには“不確か”という部分がある。その不確か部分の写真を、手作業で正しいアルバムに移したり、今の分類でOKよ、と言うためのユーザインタフェイスは、現バージョンでは提供されていない。

犬が猫に分類されたことについては、ジョークっぽく、“チームは全員、猫好き人間で、犬が嫌いだから、犬(dogs)というカテゴリーを作らなかった”、と言われた。でも、もしもこのアプリの人気が沸騰したら、将来のアップデート項目の一つとして、dogsカテゴリーを当然置くでしょう。ただし今チームが取り組んでいるのは、写真を撮ったらすぐに、そこに写っている「物」を認識するアプリだ。今それは、サングラス、キーボードなど、およそ1000種類の物を判定できる。このアプリもいずれは、Impalaに統合される予定だ。

iOS用のImpalaはここで無料でダウンロードできる。

アムステルダムのEuvision TechnologiesはProf. Arnold Smeulders教授らによって創業され、StokmanとChief Commercial OfficerのJan Willem F. Klerkxなど“身内”が投資している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


会員1000万人のファッション通販のFancyが東京など世界100都市 で当日配送開始―伊勢丹も参加して日本に本格進出へ

ソーシャル・ファッション通販のFancyはPinterest本家が通販を始める前から、いわば「お買い物ができるPinterest」だった。そのFancyがこのほど世界100都市でモバイル、ウェブサイトからの注文による即日配送サービスをスタートさせた。消費者が正午までに注文すると当日の午後5時までに配送される。Fancyによればアメリカ61都市、アジア、ヨーロッパ、中東の31都市、合計100都市にサービスを展開したという。Fancyはニューヨークでこの夏に即日配達のテストを開始していた。

Fancyの説明によれば、即日配送をサポートしている地域では正午までに注文すれば即日、地域外からの注文の場合は翌日に配送される。また正午過ぎの注文も翌日配送となる。

即日配送を可能にするロジスティクスについては、世界各地のパートナーと提携しながらネットワークを拡充しつつあるということだ。

ただし即日配送の料金はそう安くない。グッチのジッパー・バックパックやNike+ スポーツウォッチをその日のうちに手に入れたいなら1件あたり30ドルの配送料を払う必要がある。Fancyは常にハイエンドの顧客をターゲットに最大限に吟味されたハイエンドの商品を販売してきたからこの点はあまり問題にならないのかもしれない。

われわれの取材に対してはFancyは「この夏、限定的にテストをした結果、即日配送サービスに対するユーザーの反応は好意的だった。 われわれのサイトで毎日のようにショッピングする顧客にはこのようなサービスが必要だと判断した。ときおりFancyを利用するユーザーについても即日配達によって利用の頻度が増えること期待している」と答えた。

最近は即日配送を提供するサービスが増えている。WalmartはWalmart To Goで生鮮食品を含む商品の即日配送を“行っている。Google Shopping ExpresseBay Nowのような大手のサービスもある。TaskRabbitPostmatesInstacartWunWunのようなスタートアップも即日配送サービスに参入している。

Fancyは現在1000万人の登録ユーザーを有していると発表している。今年始めには800万人だった。この夏Fancyは5300万ドルの資金調達を行い、現在、毎日の売上が10万ドルに達しているという。即日配送サービスを開始した後、1日20万ドルという過去最高の売上を記録したとしている。

Fancyのサイトは世界に散らばっているため、サードパーティーの調査によってこれらの数字の裏付けを取るのは難しい。アメリカ国内だけの調査だが、SimilarWebによるとFancyのオンライン訪問者は100万に届かないようだ。AppAnnieの調査ではFancyアプリのアメリカでのダウンロード数はライフスタイル・カテゴリーの400位台だ。今月に入って世界の6カ国程度でライフスタイルのトップ100に入ったが、アメリカだはまだトップ100に入っていない。

とはいえ、Fancyの顧客ベースが数量的にはさほど巨大ではなくとも売上は潤沢にあるようだ。5000ドル以上のバッグや2000ドルのコートが売れていれば、比較的少数の常連顧客だけでFancyが発表しているような売上を達成することは十分可能だろう。

〔日本版〕 東京で即日配達可能な商品はこちら日本語版トップページ。また10月23日、伊勢丹がFancyへの出店を発表した。Fancyの伊勢丹ページはこちら。インテリア・空間デザイナー尾方釿一氏×仙台の伝統工芸「東北工芸」の「BEAN STOOL」やグローバルのステンレス包丁など日本らしい製品が出品されている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+