次期iOS 15のアップデートは9月21日から

米国時間9月14日の発表イベントの直後、Apple(アップル)はiOSの次期メジャーバージョンがまもなく登場することを明らかにした。iPhoneユーザーは日本時間9月21日にiOS 15にアップデートできるようになる。同社は2021年6月のWWDCでiOS 15を初めて紹介した

iOS 15の最大の変更点は新機能の「集中モード」だ。「おやすみモード」以外にもさまざまなモードを設定できる。アプリや、通知を許可する連絡先を選び、何に集中するかを設定する。例えば「作業」「睡眠」「ワークアウト」などのモードを自分で作成できる。

新しくなった「天気」や地図が更新された「マップ」、機能が充実した「FaceTime」など、全般にわたって新機能がたくさんある。「Safari」も外観が新しくなる。発表直後はやや物議を醸していたが、その後Appleはフィードバックに耳を傾けて調整した。

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iOS 15では写真に写っている文字が認識される。テキスト認識表示と呼ばれているこの機能により、写真の中のテキストを選択し、コピー&ペーストできる(訳注:テキスト認識表示は英語、中国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語に対応)。アクセシビリティの機能としても有効だろう。iOSはこの情報をSpotlightで利用する。写真の中のテキストをSpotlightで直接検索し、関連する写真を探せる。これらの機能はデバイス上で処理される。

iPhone 6s以降、iPhone SEの第1世代と第2世代、iPod touch(第7世代)はiOS 15にアップデートできる。アップデートは無料だ。

iOS 15のベータ版が動作しているデバイスには、9月21日の正式リリースを前にRC版が公開されている。

現状のままiPhoneを使いたい場合は、iOS 15にアップデートしない選択肢もあるとAppleは公表している。当面はiOS 14向けのセキュリティアップデートが引き続き提供される。

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

Apple Watchに自転車でのワークアウトライド中の転倒を検知する新機能

Apple(アップル)は、自転車に乗るApple Watchユーザー向けにデザインされたいくつかの新機能を発表した。米国時間9月14日に開催されたiPhoneプレスイベントで公表された内容によると、Apple Watchはユーザーが自転車に乗り始めたことを検知して、ワークアウトの開始を促すようになるという。また、他のワークアウトと同様に、自転車に乗っている間の休憩に合わせて、Apple Watchは自動的にワークアウトを一時停止し再開する。また、最も重要な点として、新たに転倒検知機能も追加される。

Apple Watchは、Series 4以降のデバイスではすでに転倒を検知し、必要に応じて救急サービスに連絡することができるが、Appleは今回、サイクリングにも転倒検知機能を追加するとしている。自転車に乗っているときに転倒した場合、立っているときに転倒した場合とは異なる独特の動きと衝撃を感知できるということだ。

画像クレジット:Apple

また、Apple Watchは、Peloton(ペロトン)愛好家などのインドアサイクリストのために、消費カロリーをより正確に計算するワークアウトアルゴリズムを改善し、eバイクによりよく対応するようになる。

これらの機能は、watchOS 8に搭載される刷新されたBreatheアプリ、新しいウォッチフェイス、メッセージや写真のアップデートなど、Appleが追加した機能に加わる。Appleはさらに、Watchシリーズの新製品として、より大きなRetinaディスプレイ、インターフェースの再設計、新しいウォッチフェイスとカラー、より優れた充電機能などを備えたApple Watch Series 7を発表した。

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ワークアウト関連では、同社は定額制サービス「Fitness+」のアップデートも発表した。そちらは従来の6カ国に加えて新たに15カ国で利用できるようになり、ピラティスのワークアウトやガイド付き瞑想、スキーヤーやスノーボーダー向けのワークアウトなどが追加される。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

アップルの新MagSafeウォレットは紛失時に「探す」アプリと連動

新しい「iPhone 13」の発表と並行して、Appleはアップグレードされたフラッグシップデバイスを補完するための新アクセサリーをいくつか紹介した。そのアクセサリーの中でも特に興味深いのは、Appleの「探す(Find My)」サービスと連動する新MagSafe対応iPhoneレザーウォレットだ。iPhoneからウォレットが誤って外れて紛失しても、他のAppleデバイスやAppleのAirTagsが取りつけられたアイテムと同様に「探す」アプリを起動してウォレットを探せるようになる。

MagSafeレザーウォレットは、ウォレットがiPhoneから外れた最後の場所をユーザーに通知する。ただし、リアルタイムでの追跡はできない。

これは、AppleのMagSafe製品のユーザーにとって、小さいが、しかしクレバーな追加機能だ。この技術は、iPhoneユーザーがケース、財布、三脚、カーマウントなど、あらゆる種類の製品をiPhoneの背面に取り付けられるようにするために、2020年秋に初めて導入された。また、iPhone 13に搭載されるMagSafeバッテリーパックのようなApple独自の充電用アクセサリーもある。MagSafeは、iPhoneの背面に磁気センサー、銅黒鉛のシールド、2つのシールド、複数のマグネット、NFCアンテナなどを重ねることで、アクセサリーを装着する仕組みになっている。

関連記事:アップルが「MagSafe」でアクセサリーとワイヤレス充電器の新エコシステムを構築

しかし、これまではMagSafeのパワーと「探す」の機能を組み合わせることはできませんでした。

画像クレジット:Apple

今回「探す」と連携した「MagSafe対応iPhoneレザーウォレット」の発売にともない、MagSafeとの連携を前提としたiPhone用のレザーとシリコンのMagSafeケース、およびMagSafe搭載のクリアケースといった新ケースやカラーバリエーションが発売される。いずれも本日から注文できる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

iPhone 13 ProとPro Maxは120Hz画面、3倍光学ズームを加えた3眼カメラでより「Pro」に

Apple(アップル)は米国時間9月14日に行われたバーチャル発表会で、新しい携帯電話のラインナップを発表した。「iPhone 13」と「iPhone 13 mini」に加えて、同社は通常のiPhone 13にはないプレミアムな機能を搭載したProモデルを2機種リリースする。

関連記事:iPhone 13バッテリー性能だけでなくはカメラ機能も向上、税込9万8800円から

もちろん、Proモデルのほうが価格も高い。参考までに、 iPhone 13 Miniは699ドル(日本では税込8万6800円)から、iPhone 13は799ドル(日本では税込9万8800円)からとなっている。Proモデルについては、iPhone 13 Proが999ドル(日本では税込12万2800円)から、iPhone 13 Pro Maxが1099ドル(日本では税込13万4800円)からという価格設定。iPhone 13 Proは6.1インチ、iPhone 13 Pro Maxは6.7インチのディスプレイを搭載している。

AppleのあるTim Cook(ティム・クック)CEOはこう述べた。「当社のProラインナップは、最高のiPhoneを求めるユーザーのために、当社の最も先進的なテクノロジーで限界に挑戦します」。

iPhone 13の代わりにiPhone 13 Proを購入することにした場合、得られるものは以下の通りだ。Proモデルでは、iPhoneのケースの周りに光沢のあるステンレススチールバンドが付くため、デザインが若干異なる。3つのカメラセンサーの周りにも、ステンレス製のリングがある。背面にはマットガラスを採用している。

iPhone 13 ProおよびPro Maxの背面には、2つではなく3つの異なるカメラセンサーが搭載されている。超広角カメラと広角カメラに加えて、3倍ズーム望遠カメラが搭載される。Proモデルと通常モデルでは、広角・超広角カメラも異なるようだ。

2020年は、iPhone 12 Pro Maxだけがセンサーシフト光学式手ブレ補正を搭載していた。今回は、iPhone 13の全ラインナップにセンサーシフト光学式手ぶれ補正が搭載されている。基本的に、通常のiPhone 13に、従来はProモデルに限定されていた先進的なカメラ機能の多くが搭載されることになる。

特に、ラックフォーカスによるシネマティックモードが新たに搭載される。被写体を追跡し、リアルタイムで焦点をその被写体にロックすることができる。シネマティックモードはDolby Vision HDRで撮影される。2021年後半には、iPhone 13 ProおよびPro MaxでProResビデオを撮影できるようになる。

iPhone 13と13 Pro Maxに搭載される機能はこちら。

  • 光学3倍ズームの77mm望遠カメラ
  • ƒ/1.8絞り値の超広角カメラで「低照度でのパフォーマンスが最大92%向上」(アップルによる)
  • ƒ/1.5絞り値の広角カメラでは「低照度でのパフォーマンスが最大2.2倍向上」(アップルによる)

今回初めて、3つのカメラすべてでナイトモードが使えるようになった。これにより、どのカメラが最適な結果をもたらすか覚えておく必要はなくなった。

画像クレジット:Apple

iPhone 13 ProおよびPro Maxには、P3色域を持つPro Motionディスプレイが搭載されている。iPadの上位モデルと同様、これらのiPhoneモデルにも可変リフレッシュレートが搭載されている。必要に応じ、iPhoneのディスプレイは最大120Hzまで対応する。映画を見ているときなどは、バッテリーを節約するためにより低いフレームレートを使うこともできる。

iPhone 13 Maxはラインナップの中で最大のサイズであることから、バッテリー駆動時間も長くなる。Appleは、iPhone 12 Pro Maxと比較して、iPhone 13 Pro Maxでは2.5時間長くバッテリーが持続すると約束している。

iPhone 13と13 Miniと同様に、ProモデルにもAppleの新チップ「A15 Bionic」が搭載されている。これは5mmのデザインで、150億個のトランジスタを搭載している、2つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載した6コアCPUだ。どのモデルもほぼ同じ性能を発揮するが、Proモデルには新たに5コアのGPUが搭載されている。

米国では9月17日から予約開始され、9月24日に発売される(日本では9月17日21時から予約開始、9月24日に発売開始)。ストレージ容量は128GB、256GB、512GB、1TBの4種のモデルから選べる。

画像クレジット:Apple

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

iPhoneイベント中、アップルの株価は下がる

現在、TechCrunchの仲間たちが、Apple(アップル)のiPhone(アイフォン)、iPad(アイパッド)、AppleWatch(アップル)に関するイベントの最新情報を書くのに一所懸命取り組んでいる。巨大企業のハードウェアアップデートについての良いメモが得られている。しかし、同じ一連の製品について、市場は何と言っているのだろうか?

画面のニト値よりも、実質的なS&P配当利回りに関心のある私たちにとって、Appleの楽しいイベントは、特定のスマートフォンモデルのGPUの数よりも、主催する会社の価値にとって何を意味するのかという点が興味深い。そして、Appleの株はイベント中に少しおもしろい動きをしたかもしれない。

下のグラフを見て欲しい。

画像クレジット:TechCrunch/Y Charts

これは1日分のチャートなので、示されているのは日中の変化だ。ズームインして見ている。そして、Appleは米国東部標準時午後1時(米国太平洋標準時午前10時)に開始されたイベント中に、上記チャートの中で少し落ち込みをみせた。

通常Appleの株式は、プレゼンテーション中に大した動きは見せない。そのため率直に言って、これは奇妙に感じられる。Appleのイベントでは、数千億ドル(数十兆円)の収益を生み出す製品構成が詳しく説明されている最中なのだ。いつものようなゼロよりも大きな影響があると考えても不思議ではない。

しかしイベントが米国東部標準時午後2時頃に終了したとき、実際の株価に変動が見られた。おそらく投資家はもっと高価なデバイスを望んでいたのだろうか?それとも、Appleがもっと隠し玉を持っていることを期待していたのだろうか?Apple製品ラインナップをどのように評価するかは個人的な好みの問題だが、投資家はわずかにマイナス側に傾いたようだ。

約2兆5000億ドル(約274兆円)の価値があるAppleの株価は、1%変動するごとに100億ドル(約1兆1000億円)規模の価値が動く。Appleの1.5%ほどの損失(これを書いている間にも取引は続くが)、最近買収されたMailchimp(メールチンプ)よりも時価総額が大きい。それは莫大な金額だ。

Appleイベントの残りの記事は、こちらから。どうぞお楽しみを!

画像クレジット:Apple

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

iPhone 13バッテリー性能だけでなくはカメラ機能も向上、税込9万8800円から

噂は正しかった。米国時間9月14日に開催された大々的なAppleイベントの目玉は最新iPhoneだ。同社のサプライチェーン面はいくぶん落ち着いてきており、前モデルが発表されてからまだ1年も経っていない中での最新iPhoneの登場だ。2020年に発表されたiPhone 12はスマートフォン販売の停滞という傾向に反してかなり売れた。これは部分的には予期せぬ遅延が販売のボトルネックになっていたためだが、Appleのモバイル商品にようやく5Gが搭載されたからでもあった。

ラッキーナンバーiPhone 13(迷信のためにこの数字がスキップされることはなかった)はお馴染みのデザインだ。フロントのノッチは前モデルに比べて20%小さくなり、リアカメラのシステムは再設計された。iPhone 13、13 miniともにスクリーンは28%明るいSuper Retina XDRディスプレイで、最大輝度は1200ニトだ。

iPhone 13は6.1インチのスクリーンを搭載し、 miniは5.4インチだ。これは2020年発表のモデルと変わらない。ディスプレイはセラミックシールドコーティングで保護されており、防水・防塵性能はIP68となっている。

iPhone 13はAppleの新A15 Bionicチップで駆動し、5nmプロセッサーを搭載。CPUは同社が「あらゆるスマホで最速のCPU」と呼んでいる6コアだ。新しい4コアのGPUでは高度なグラフィックスが楽しめる。

背面のデュアルカメラシステムは、光を最大47%多く取り込むことができる12MPの広角カメラを搭載している。そして、新しいシネマティックモードでは、機械学習を使って被写体へのフォーカスを調整するフォーカススタイルの撮影ができる(タップしてマニュアルでフォーカスを調整したり、被写体を切り替えたりすることも可能だ)。iPhone 13いずれのモデルもナイトモード撮影に対応し、プロレベルのビデオ向けにはProResコーデックが用意されている。

2020年の5G導入に続き、Appleはより高度なアンテナを加えた。大容量のバッテリーと省エネソフトウェアの組み合わせにより、バッテリーはこれまでよりiPhone 13で2.5時間、miniでは1.5時間長持ちすると同社はいう。

iPhone 13 miniは699ドル(日本では税込8万6800円)から、iPhone 13の方は799ドル(日本では税込9万8800円)からとなっている。カラーはピンク、ブルー、ミッドナイト、スターライト、(PRODUCT)REDで、容量は128GBからとなっている。

全体として大きなアップデートではなく、同社はそうした要素を iPhone 13 Proのためにとっておいたようだ。iPhone 13 Proは120Hzのディスプレイ(常軌を逸して噂されていた機能だ)を搭載し、画像システムを大幅にアップデートした。ProとPro Maxのバッテリーは13のものと同様のアップデートとなっている。iPhone 13シリーズは日本時間9月17日午後9時から予約が始まり、同24日に発売される。

同社はまた、「探す」機能が使える新しいMagSafe Walletなど一連のアクセサリーも発売する。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple Watch Series 7は20%も大きなディスプレイでもっと頑丈に

Apple(アップル)本社でハードウェアが続々と披露されている。新iPadに加え、同社はウェアラブル部門を席巻しているApple Watchの最新バージョンを発表した。予想されたとおり、Apple Watch Series 7は6年の歴史の中で最大のデザイン変更の1つを刻んでいる。新Watchは再設計されたディスプレイを搭載し、ベゼルが狭くなったおかげでWatchそのもののサイズは「ほとんど変わらない」ながらもディスプレイはSeries 6より20%以上大きい。

コーナーは丸みを帯び、ディスプレイは直近のバージョンよりかなり明るくなっている。新しいスクリーンは前モデルよりも50%多い文字を表示することができ、AI予測を使った新しいテキスト入力機能も備えている。表面のガラスはさらに堅牢になり、防塵性能はIP6Xだ。

噂に反して、バッテリーは今回は改善されていない。しかし充電にかかる時間が33%速くなり、睡眠トラッキングを利用する前に急速充電できる。

Apple Watch Series 7は2021年秋発売され、価格は399ドルからだ(日本での価格は未発表)。ケースは5色展開。Series 3の販売も継続され価格は199ドル(日本では税込2万1780円)から、その一方でSEは279ドル(日本では税込3万2780円)からだ。新Watchはサイクリング追跡にも対応するようになったWatchOS 8がインストールされて出荷される。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

iPad Miniが新デザイン、5G対応、8.3インチディスプレイ採用、過去最大の刷新

予想どおり、本日のApple(アップル)イベントではたくさんのハードウェアが見られるだろう。同社はすでにiPadのアップデートを発表したが、今度はMiniに対してこれまでで最大と思われる刷新が行われた。新しいiPad Miniは、iPad Pro(アイパッド・プロ)によく似たデザイン上のオーバーホールが行われた。それらはすべて、ベゼルを大幅に縮小することで実現された、8.3インチのLiquid Retina(リキッド・レティナ)ディスプレイを中心に構成されている。

前述の外見上の変化に加えて、今回の更新については好ましい点がたくさんある。製品の機能をまとめた一覧は、5G、Apple Pencilのサポート、Touch IDのサポート、ロックを解除するための電源ボタンなど、かなり長いものになった。今回の製品は、内部的にもいくつかのすばらしいアップグレードが行われている。AppleによればCPUは前モデルよりも40%速く、GPUはパフォーマンスを80%向上させているという。

今回のMiniは、USB-Cポートと、前面および背面に面した12メガピクセルのカメラを備えており、フロントのカメラはAppleのセンターステージ機能をサポートしている。Miniは499ドル(日本では税込5万9800円)からで、9月24日に発売される。当然5Gを追加すると価格は高くなる。

画像クレジット:Apple

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(文: Brian Heater、翻訳:sako)

アップルはエントリーレベルのiPadをアップデート、税込3万9800円から

Apple(アップル)が新しいiPad(アイパッド)モデルを発売する。これはラインナップの中で最も手頃なiPadモデルで、iPad Air(アイパッド・エア)やiPad Pro(アイパッド・プロ)よりも安価だ。新しいiPadは、先のラインナップの中の329ドルのiPadに取って代わる

新iPadはAppleのA13 Bionic(A13バイオニック)チップを搭載している。Appleが最初A13を発表したのはiPhone11のためだった。一応書いておくが、既存の無印iPadはA12 Bionic(A12バイオニック)を使用していた。Appleは、今回のiPadにおなじみの10.2インチディスプレイのデザインを採用している。

カメラに関しては、オートフォーカスと低照度に対する性能の向上が期待できる。前面は、122°の視野角を持つ12メガピクセルのウルトラワイドカメラを搭載し、大幅なアップグレードが行われている。

Appleはまた、このiPadにセンターステージ機能を持ち込んだ。この機能は、ビデオ通話中に何が起こっているかを自動的に検出し、リアルタイムでビデオ画像をその部分を中心にしてトリミングする。家族同士のビデオセッションも改善するだろう。

またこのエントリーレベルのiPadにも、初めてTrue Toneが採用された。これは、ディスプレイのための一種のホワイトバランス調整機能だ。以前のバージョンと同様に、新しいiPadは、Lightning(ライトニング)コネクタが組み込まれた第1世代のApple Pencilをサポートしている。

新しいiPadは、来週から(前世代の32GBではなく)64GBのモデルが329ドル(日本では税込3万9800円)で発売される予定だ。セルラー接続モデルを入手することもでき、アカデミックはこのiPadを299ドル(日本では税込3万6800円)で購入できる。今回のiPadのモデルには、シルバーとスペースグレイが用意されている。

関連記事:第8世代iPadはカジュアルユーザーに最適、頻繁な文字入力にSmart Keyboardは力不足か

TechCrunchでAppleの2021年秋イベント

画像クレジット:Apple

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(文: Romain Dillet、翻訳:sako)

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」(ペトコトフーズ)を提供するPETOKOTO(旧シロップ)は9月14日、不二製油製大豆ミート(植物肉)を使用したドッグフード「SOY MEAT」を開発すると発表した。また試食モニターを募集しており、これにより改良を重ね2022年春をめどに正式販売する予定。試食モニターの応募締め切りは、9月21日23時59分。

2015年3月設立のPETOKOTOは、「人が動物と共に生きる社会をつくる」ことをミッションに掲げ、すべての犬・猫と飼い主のQOLの向上を目指し、DXと家族品質のFX(Family Transformation)を通して家族品質の暮らしを提案するペットウェルネスブランド。同社は、ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」を2020年2月より展開している。

今回新開発のSOY MEATは、他メニューと同じく新鮮な国産の食材・国内製造の加工品にこだわっており、高タンパク低コレステロール、高食物繊維で、犬の健康にも良くダイエット中の犬にも最適という。

またレシピの開発については、世界で95名しかいない米国栄養学専門医の資格を持つニック・ケイブ獣医師(ニュージーランド・マッセー大学獣医学部准教授)が担当した。同氏は、犬猫の栄養ガイドライン(Global Nutrition Guidelines )を策定した世界小動物獣医師会(WSAVA) 小動物栄養学の創立委員会メンバーでもある。

すでに社内テストは完了しているものの、豊かな食事体験の提供には嗜好性も重要なポイントになることから、今回は、応募者に4種類の大豆ミートをそれぞれ無償モニターテストを実施してもらい、嗜好状況を確認するとしている。

PETOKOTO FOODS「SOY MEAT」

    • 保存:製造日から冷凍で10カ月
    • 容量:1パック150g
    • 与え方:トッピング、2食のうち1食/日、2食/日
    • 発送:2021年10月上旬予定(1人につき2〜4パックの送付を想定)
    • 生産国:日本
    • 原材料:大豆ミート、かぼちゃ、人参、白米、小松菜、サプリメント、すりごま、亜麻仁オイル、フィッシュオイル
    • 募集数:20名(応募多数の場合は抽選)
    • 参加条件:同社指定のヒアリング内容に協力できること、愛犬がSOY MEATに含まれる食材にアレルギーを持っていないこと、続けて2日間SOY MEATのみを与えること(ごはんを食べないなど、体調に変化があった場合を除く)
    • 応募締切り:2021年9月21日23時59分
    • 応募方法:「新商品_モニター募集」より申し込み

「PETOKOTO FOODS」

PETOKOTO FOODSは、犬や猫と家族同然に暮らす中で従来のドッグフードに疑問を持ち、「私たちが食べても安心できるごはん」を作るために生み出したものという。

公式サイト上で、愛犬の体重・体型・運動量、アレルギーなど10個の質問に回答するだけで最適な摂取カロリー量やメニューのフードプランを提案。パックごとに愛犬の名前を貼って自宅にごはんが切れる前に送付する。購入後は、獣医師やペット栄養管理士にLINEで相談できる上、体重など体の変化をもとに常に最適なフードプランを提案し、一生涯の健康をサポートするとしている。ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

会計ソフトIntuitが約1兆3200億円でのメールインフラMailchimp買収と認める

米国時間9月13日午後、Intuitは同社がMailchimpの買収を進めているという根強い噂を認めた。120億ドル(約1兆3213億円)が投じられることで、有名なメールインフラ企業は同社の傘下に加わることになる。

Intuitは、メールマーケティングで知名度が高いとはいえないが、税金の計算をするソフトウェアTurboTaxでよく知られている(これと関連してレントシーキングの継続を求める政府へのロビー活動でも)。また最近では、Credit Karmaの買収と、やや昔に行ったMintの買収でも知られている。

Mailchimpの買収は現金と株の両方で行われる。

「なぜIntuitは、時価総額の10%も使ってメールマーケティング企業を買うのか?」今、あなたの頭の中に疑問が湧いていても当然だ。

プレスリリースによると、Intuitは、この買収が「同社による世界中の繁栄の強化と、同社がAIによるエキスパートのプラットフォームになることを促進する」と考えているという。いつもなら、同社のビジネス口調を読みやすい口調に翻訳すべきだが、ちょっとむずかしい。

同社はもっとわかりやすく、Mailchimpの買収で、同社が前から共有していた2つの戦略、すなわち小企業の成長のためのセンターになることと、小企業のミッドマーケットに革新をもたらすことを加速できるというべきだった。

この方がずっとわかりやすい。IntuitのQuickBooksサービスは中小企業によく知られている。おそらくIntuitは、小企業向けに販売できるサービスはもっとあるはずと考えている。少々無理も感じられるが、トップが到達した結論は、2つの企業のシナジー効果には、この買収の値札ショックを補償してあまりあるものがある、というものだ。

Intuitの株価は時間外でわずか0.15%上昇したが、これはウォール街がこの買収に対して肩をすくめているためだろう。しかも買収のリークのされ方と最終結果はややごたついた。それが、Intuitの株価にすでに織り込み済みだったかもしれない。

Mailchimpの本社のあるアトランタでは、この買収は歓迎されている。Mailchimpは、自己資本のみでやってきたことで有名だ。しかも、シリコンバレーの外で、ベンチャーキャピタル抜きでデカコーンになれるのなら、まさにその生きた証拠がここにある。

(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)

画像クレジット:Smith Collection/Gado

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CuboRexがねこ車を電動化できる「E-Cat Kit」と独自開発の低重心ねこ車フレーム「Cat Frame」をセット販売、耐荷重100kg

CuboRexがねこ車を電動化できる「E-Cat Kit」と独自開発の低重心ねこ車フレーム「Cat Frame」をセット販売

農地や被災地など悪路環境で使える乗り物や運搬器具を製造開発するハードウェアスタートアップCuboRex(キューボレックス)は9月14日、低重心型の作業用一輪車を開発し、それに同社の一輪車電動化キット「E-Cat Kit」(イーキャット・キット)を組み合わせた「E-Catコンプリートパッケージ」の販売を開始した。同社販売ページで購入できる。

CuboRexは、作業用一輪車、いわゆる「ねこ車」を、ほぼタイヤ交換だけで電動化できるキット「E-Cat Kit」を2020年10月に正式リリース。和歌山県や広島県のJAや代理店をはじめ、傾斜地での作業が多いみかん農家を中心に300台以上を販売してきた。

そんななかでCuboRexは、和歌山県有田市で広く使われている低重心で安定性が高い「有田式アルミ製三つ積みねこ車」を電動化できれば、農家のさらなる作業効率の向上と負担軽減が実現できると考えた。そこでCuboRexは有田式ねこ車のフレーム「Cat Frame」を独自に製造することにした。これに「E-Cat Kit」を組み込んだものが「E-Catコンプリートパッケージ」だ。

今後は「Cat Frame」と「E-Cat Kit」の販売拡大とともに、「E-Cat Kit」の販路を農業以外の運搬に関わる仕事にも広げてゆくという。

「E-Cat コンプリートパッケージ」概要

  • 販売価格:19万7780円(税込。「E-Cat Kit」と「Cat Frame」のセットでの提供価格)
  • 対荷重量:最大100kg
  • 荷台サイズ:380×1120 mm
  • 重さ:12kg(一輪車単体5kg)
  • 商品詳細・販売:https://cuborex.base.shop/items/52127770

Solafuneと日本マイクロソフトが衛星画像データを超解像度化する技術コンテスト実施、英語版公開しグローバル展開も開始

Solafuneと日本マイクロソフトが衛星画像データを超解像度化する技術コンテスト実施、英語版リリースしグローバル展開も開始

衛星データ解析コンテストプラットフォームを運営するSolafune(ソラフネ)は9月14日、日本マイクロソフトと共同で衛星データの実用化に向けた「超解像技術」を開発するデータ解析コンテストの開催を発表した。

これは、「市街地の高解像度画像を活用した超解像度画像の生成」を競うもの。衛星などから撮影された地理空間データは解像度が低いために実用化が遅れている。また、高解像度の衛星写真は高額で、なかなか利用が難しい。そこで、Solafuneと日本マイクロソフトは今回のコンテストを実施して超解像技術を募り、そうした課題に取り組むという。

参加者は、Solafuneから提供される1m程度の評価用データを25cm解像度の超解像度画像に向上させ、所定のサイトから投稿する。すると画像評価指標SSIMによって評価され、スコアが比較される。コンテスト開催中は、その暫定スコアがリーダーボードで公開される。上位入賞者は、後に超解像度化に使われたソースコードを提出することになっている(実装の環境や言語に制限はない)。

解像度化の例。左が解像度1m、右が25cm

このコンテストを通して、「衛星データや航空写真などの地理空間データの社会実装が加速することを期待しています」とSolafuneは話している。

コンテスト概要

  • 開催期間:2021年9月14日午前9時〜12月23日午前9時(日本時間)
  • データの提出期限:2021年12月23日午前8時59分(日本時間)
  • 賞金:1位は3000米ドル(約33万円。総額は5000米ドル以上)と日本マイクロソフトからの特典
  • 開催場所および詳細https://solafune.com/competitions/3c7a473f-61f4-472f-a812-92eb07cc4541
  • ハッシュタグ:#MScup

Solafuneは、2020年10月のサービスリリース以降、衛星データや地理空間データの活用をテーマにしたデータ解析コンテストの運営を通して、アルゴリズムライセンス事業を展開。2021年8月には日本マイクロソフトと衛星データのビジネス利用の促進を目的とした協業を発表した。また同社は、今回のコンテスト開催に合わせて英語版をリリース。早期のグローバル展開を見据え、世界中のエンジニアが利用する体制を整えるとしている。

スーパーコンピューター「富岳」超高解像度計算により太陽の自転を正確に再現、長年の謎だった「対流の難問」が解決

  1. スーパーコンピューター「富岳」超高解像度計算により太陽の自転を正確に再現、長年の謎だった「対流の難問」が解決

    「富岳」で再現された太陽内部熱対流の様子。熱対流を表現するのに適したエントロピーという量を示しています。橙、青の部分はそれぞれ暖かい・冷たい領域に対応

千葉大学大学院理学研究院の堀田英之准教授と名古屋大学宇宙地球環境研究所所長の草野完也教授は9月14日、スーパーコンピューター「富岳」を使った超高解像度計算により、太陽内部の熱対流と磁場の再現に成功したと発表した。これにより、太陽の基本自転構造が再現でき、長年の謎だった「対流の難問」が解決された。

太陽は、地球と異なり赤道付近のほうが極地方よりも速く自転するという「差動回転」をしていることが、1630年ごろから知られている。これまでにも、スーパーコンピューター「京」を使った数値シミュレーションなどが行われたものの、極地方が赤道よりも速く回転するという、実際とは逆の結果が出てしまっていた。これは計算可能な解像度(京の場合は約1億点)の制限により、太陽内部の「乱流的な熱対流」を正確に計算できないためだとされている。こうした、熱対流の数値シミュレーションの結果が観測や理論モデルの結果と違ってしまう現象は、「熱対流の難問」として長年の謎とされてきた。

今回の研究では、「富岳」を使って世界最高の解像度である54億点で計算を行ったところ、実際と同じく、赤道が極地域よりも速く回転する結果が得られた。「太陽と同じ状況をコンピューター上に再現」できたとのことで、「熱対流の難問」が解決されたことになる。

太陽の差動回転の各速度を色で表した図。紫は遅く黄色は速い。

これまでは、太陽内部の磁場エネルギーは乱流のエネルギーよりも小さいと考えられてきたが、今回の計算では、磁場エネルギーは乱流エネルギーの最大で2倍あることがわかり、太陽の常識が覆った。

太陽の差動回転を理解することは、太陽物理学最大の謎である「太陽活動11年周期」(太陽黒点数が約11年の周期で変動する現象)の解明にもつながるという。今回は「富岳のすべての力を使ったわけではない」という。そのパワーをさらに引き出し高解像度計算を行うことで、この謎の解明にも挑戦したいと、堀田英之准教授らは話している。

この研究の論文は、『Nature Astronomy』に掲載された。論文タイトルは「Solar differential rotation reproduced with high-resolution simulation

なお同研究は、文部科学省「富岳」成果創出加速プログラム「宇宙の構造形成と進化から惑星表層環境変動までの統一的描像の構築」および計算基礎科学連携拠点(JICFuS)の一環として実施されたもの。また、理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」、名古屋大学のスーパーコンピューター「不老」、国立天文台天文シミュレーションプロジェクトのスーパーコンピューター「アテルイII」の計算資源の提供を受け、実施した。加えて、日本学術振興会の科学研究費の支援を受けている。

画像クレジット:千葉大学

貨物輸送業向け生産性プラットフォームの英Vector.aiがシリーズAで約16.5億円を調達

コロナ禍でサプライチェーンに負荷がかかり続ける中、ここ2年間は貨物輸送業がスタートアップで最も熱い分野の1つになっている。実際、世界の貨物輸送業は1990億ドル(約21億9000億円)規模の市場になっている。そして、熱い分野である証拠もどんどん増えている。

2020年11月にデジタル貨物フォワーディングのFortoは、Inven Capitalが主導するラウンドで新たに5000万ドル(約55億円)を調達した。2021年4月にはNuvocargoが1200万ドル(約13億2000万円)を調達し、貨物ロジスティクス業界のデジタル化を手がけている。同年5月には貨物輸送業プラットフォームのZencargoが4200万ドル(約46億2000万円)を調達し、6月には貨物フォワーディングのsennderが10億ドル(約1100億円)以上の評価額で8000万ドル(約88億円)を調達した。7月には貨物輸送業者の輸送費管理を簡単にするFreightifyが250万ドル(約2億7500万円)を調達した。

関連記事:欧州の物流業界に一石を投じる貨物フォワーディング企業Sennderが約88億円調達、評価額約1100億円超えに

そして米国時間9月13日、AIプラットフォームで貨物輸送業者の生産性を向上する英国のVector.aiが、米国のVCであるBessemer Venture Partnersが主導するシリーズAで1500万ドル(約16億5000万円)を調達した。このラウンドにはこれまで投資していたDynamo VenturesとEpisode 1も参加した。Bessemerの投資は、米国のVCが英国やヨーロッパのテックシーンへの参入を続けている表れでもある。

Vector.aiは貨物輸送業向けの自動化システムとして国際進出を加速していく計画だ。

Vector.aiが取り組んでいるのはこんな問題だ。貨物輸送業者は顧客のメールなどから追跡して出荷をするような、同じことを繰り返す管理業務に時間を取られ、価値の高い活動に集中できない。Vector.aiは、同社が開発する機械学習プラットフォームで管理業務を自動化できるとしている。

Fracht、EFL、NNR Global Logistics、The Scarbrough Group、Steam Logistics、Navia Freight、その他トップ10に入る貨物輸送業者がVector.aiを利用している。

Vector.aiの共同創業者でCEOのJames Coombes(ジェームズ・クームズ)氏は次のようにコメントした。「貨物輸送業の従業員のほとんどは、1件の出荷に関わる10〜25の関係先との連絡や、貨物の動きと書類の調整に大半の時間を費やしています。連絡には通常、メールと添付書類が使われます。(中略)貨物の量は世界的に増え続け、Brexitによる負担や中国の港の閉鎖のようなコロナ禍の影響も加わって、貨物輸送業界は人手不足や急激な人件費の上昇、そして売上の減少や荷物の傷みで金銭的な負担となる配送の遅延に直面しています。貨物輸送業者にはローレベルの処理で時間を無駄にする余裕はありません。そこで我々は基本的な作業を自動化するテクノロジーを開発しました」。

Bessemer Venture PartnersのパートナーであるMike Droesch(マイク・ドロエシュ)氏は次のように述べた。「Vector.aiは急速に成長しつつある貨物輸送業のワークフローの自動化、デジタル化ツールの分野で早くから活躍するリーダーの1つです。同社はこの業界に的を絞った直感的な製品を開発しました。同社の製品はすでに最大手クラスの貨物輸送業者を獲得しています」。

Vector.aiの競合には、950万ドル(約10億4500万円)を調達した英国のShipamax、120万ドル(約1億3200万円)を調達した米国のRPA Labs、7590万ドル(約83億4900万円)を調達した米国のslync.ioがある。

画像クレジット:Witthaya Prasongsin / Getty Images

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(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)

自動運転用にレーダーの性能をソフトウェアで向上させるOculiiにGMが数億円規模の出資

レーダーセンサーの空間分解能を最大100倍に向上させることを目標としているソフトウェア開発スタートアップ企業のOculii(オキュライ)は、General Motors(ゼネラル・モーターズ)から新たに投資を獲得した。両社によるとその額は数百万ドル(数億円)に上るという。数カ月前にOculiiは、5500万ドル(約60億5000万円)のシリーズB資金調達を完了させたばかりだ。

関連記事:長い歴史を持つ自律走行車用レーダーの機能向上を目指すOculiiが60億円調達

OculiiとGMは「しばらく前から」協力関係にあったと、CEOのSteven Hong(スティーヴン・ホン)氏はTechCrunchによる最近のインタビューで語っている。GMがOculiiのソフトウェアをどのように使用するつもりなのかということについて、同氏は具体的に明かそうとしなかったものの、GMのハンズフリー先進運転支援システム「Super Cruise(スーパークルーズ)」の機能を強化するために使用される可能性が高い。Oculiiは他にもいくつかの自動車メーカーと協力しており、その中の一社からも出資を受けていると、同氏は付け加えた。

「GMのような企業が、これはすばらしい技術だ、これは将来的に使いたいと言ってくれれば、サプライチェーン全体が注目し、そのソリューションや技術を採用するために、より密接に協力してくれるようになります。それが自動車メーカーに販売されるというわけです」と、ホン氏は語る。

Oculiiは顧客の自動車メーカーのためにハードウェアを製造するつもりはない(ただし、協業しているロボット企業のためにはセンサーを製造していると、同社の広報担当者は述べている)。その代わり、Oculiiはレーダーを製造している企業に、ソフトウェアのライセンスを提供したいと考えている。ホン氏によれば、低価格で市販されているレーダーセンサー(自動運転用に設計されたものではなく、緊急ブレーキや駐車支援などの限定されたシナリオ用に設計されたセンサー)に、同社のAIソフトウェアを使えば、より自動運転的な機能を実現させることができるというのが、Oculiiの主張だという。

「拡張性の高いものを提供する方法はソフトウェアによるものだと、私たちは強く確信しています。なぜなら、ソフトウェアはデータによって根本的に改善できるからです」と、ホン氏はいう。「ハードウェアの世代が新しくなれば、性能がより向上したハードウェアに合わせてソフトウェアは根本的に改善されます。また、ソフトウェアは基本的に、時間が経てばハードウェアよりもずっと早く、安価になっていきます」。

今回のニュースは、レーダーにとって間違いなく好材料になるだろう。レーダーは画像処理に限界があるため、一般的に補助的に使用されるセンサーだ。しかし、LiDARよりもはるかに安価に売られているレーダーの性能を、Oculiiが実際に向上させることができれば、自動車メーカーにとっては大幅なコスト削減につながる可能性がある。

世界で最も多くの電気自動車を販売しているTesla(テスラ)は最近、その先進運転支援システムからレーダーセンサーを外し、カメラと強力な車載コンピュータによるニューラルネットワークを使った「ピュアビジョン」と呼ばれるアプローチを採用することにした。しかしホン氏は、テスラが廃止したレーダーは非常に解像度が低く「既存のパイプラインに何も追加するものではない」と述べている。

しかし、技術が進歩すれば、テスラも必ずしもレーダーを排除しようとはしないだろうと、ホン氏は考えている。「基本的に、これらのセンサーはそれぞれがセーフティケースを改善し、それによって99.99999%の信頼性に近づくことができます。結局のところ、それが最も重要なことなのです。信頼性を、できるだけ多くの9が並ぶ確率まで近づけることです」。

関連記事:テスラの北米向けModel 3とModel Yがレーダー非搭載に

画像クレジット:Oculii

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

マイクロソフトがM1 MacでのWindows 11動作について「サポートは想定されていない」とコメント

マイクロソフトがM1 MacでのWindows 11動作は「サポートは想定されていない」とコメントマイクロソフトの最新OS「Windows 11」は10月5日から提供予定の一方で、macOS上で様々なOSを仮想化して動かせる「Parallels Desktop 17」もWindows 11対応を謳っています。これにより、M1 Mac上でもWindows 11を仮想環境で利用できるとの期待を集めていました。

が、MSがM1 Mac上でのWindows 11動作につき「サポートは想定されてない(unsupported scenario)」と回答したことが明らかとなりました。

この声明は、MSの広報担当者が海外テックメディアThe Registerに語ったもの。同誌がParallels Desktop 17をインストールしたM1 Mac上で動かしていたWindows 11仮想マシンが、DevチャネルのWindows Insiderビルドでハードウェア互換性エラーを起こし始めたことをきっかけに、MSに質問したかっこうです。なお、この不具合はParallels Desktop 17のバージョン17.0.1では解決しているとのことです。

The RegisterがM1 Mac+ParallelsでWindows 11の実行がサポートされるかどうかを尋ねたところ、MS側は「サポートは想定されていない」と回答。さらにM1 Macのハードウェア上でWindows 11を直接実行することもサポートされていないと付け加えています。

少なくともWindows 10の動作については、MSとParallelsは公式に協力している可能性も窺えただけに、期待をかけていたM1 Macユーザーには残念なところです。もっとも、これまでMSがM1+ParallelsでのWindows 11動作に関しては(少なくとも観測範囲では)ノーコメントだったこともあり、一方的な期待が空回りしただけとも言えそうです。

The RegisterはWindows 11の正式リリース直前に、一部のSurface Pro XつまりMS謹製ArmベースPCでのバグチェックや、タスクバーが消えたりスタートメニューが機能しなくなるなど既知の問題がまだ残っているとも指摘しています。MSが自社製PCでのバグが取り切れていないなかで、他社のM1 Macに構っている余裕はないのかもしれません。

(Source:The RegisterEngadget日本版より転載)

新iPhone?Apple Watch?AirPods?アップルの9月15日午前2時からのバーチャル新製品発表をチェックしよう

Appleは今晩、iPhoneの新モデルを発表する予定だ。同社は、米国太平洋標準時9月14日午前10時(日本時間9月15日午前2時)から(バーチャル)基調講演を開催する。イベントはのライブ配信はここで見ることができる。

では、iPhoneの新世代モデルが登場するといわれている。報道によれば、同社はこれを「iPhone 13」と呼び、2020年と同様、4モデルを用意する予定だという。今回は「iPhone 13」「iPhone 13 Mini」「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」についての情報が期待される。

関連記事:来週のAppleイベントで何が発表される?iPhone 13、Apple Watch 7そして新AirPodsとMac登場のウワサ

新機能といえば、カメラの大きなアップグレードがあるだろう。2021年は、特に動画のアップグレードに力を入れているようだ。また、新iPhoneには、より優れたディスプレイとより高速なチップが搭載されるはずだ。

しかし、それだけではない。Appleは、この機会にApple Watchのニューモデルを発表すると考えられている。シャープなエッジを持つApple Watch Series 7では、より大きなデザイン変更が行われるだろう。

また、AppleはAirPods 3の開発に取り組んでいるため、さらに多くのプロダクトが発表される可能性もある。オーディオのラインナップでは、エントリーモデルの「AirPods 2」に代わる製品、または補完する製品となるだろう。「AirPods Pro」と「AirPods Max」は今のところ変更はありません。

最後に、カスタムデザインのApple製チップを搭載した新しいMacや、iPadの新モデルについての情報が得られる可能性もわずからながらある……。

AppleはYouTubeでカンファレンスの様子を配信しているので、このページで直接ライブストリームを見ることができる。

Apple TVを持っている人は、TVアプリを起動して「Apple Special Event」の項目を探して欲しい。これで今回のイベントをストリーミングしたり、昔のイベントを再視聴したりすることができる。

また、Apple TVを持っていない人やYouTubeを利用したくない人は、同社ウェブサイトの「Apple Event」ページからイベントをライブストリーミングすることもできる。この動画配信はSafari、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、Google Chromeの主要ブラウザで動作するようになった。

画像クレジット:Qi Heng / VCG / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Katsuyuki Yasui)

会員数1万人超、1万円から購入・売買できるアート作品の共同保有プラットフォームANDARTが2.8億円調達

1万円から購入・売買できるアート作品の共同保有プラットフォームANDARTが2.8億円調達、事業加速と組織拡大に向け経営体制強化

1万円から購入・売買できるアート作品の共同保有プラットフォーム「ANDART」(アンドアート)を運営するANDARTは9月13日、第三者割当増資および日本政策金融公庫などの融資による総額2億8000万円の資金調達を発表した。引受先はユナイテッド、GMOインターネット、赤坂優氏(franky代表取締役)、竹内真氏(ビジョナル取締役CTO)。借入先は日本政策金融公庫、りそな銀行。調達した資金は、さらなる事業加速と組織拡大に向けた経営体制の強化のため、各事業・対応領域におけるコアメンバーの採用に活用する予定。

ANDARTは、2018年の9月に設立した「テクノロジーで、アートと社会を結び、拓く。」をミッションに掲げるアートテックカンパニー。現在は「ANDART」と「YOUANDART」(ユーアンドアート)の2つの事業を運営している。

ANDARTは、高額な有名アート作品や大型作品でも1万円から購入・売買できる、日本初のアート作品共同保有プラットフォーム。2019年9月のローンチ以来33作品の販売を行い、会員数は2021年6月に1万名を突破。オーナー権を購入した作品オーナーには、オンライン上でのコレクションをはじめ、実物作品の鑑賞機会など様々な優待を提供している。また、会員間取引機能ではオーナー権の売買が可能(β版)という。

過去アート購入の経験がまったくないユーザー65.4%のうち、半数以上が同サービス上で2作品以上のアートをコレクションしている(2021年3月同社調べ)など、これまで価格や知識面に高いハードルを感じていたユーザーが、新たにアートの購入体験をしているという。

YOUANDARTは、コロナ禍で住空間へのニーズが高まり生まれた、アートのオンラインストア。2021年6月に1周年を迎え、作品点数約500点を突破した。

 

米国IPOで評価額9900億円を目指すインド生まれの顧客管理ソフトウェアFreshworks

Freshworks(フレッシュワークス)は米国時間9月13日に、米国の新規株式公開(IPO)で最大90億ドル(約9900億円)の評価額を目指していることを明らかにした。同社はIPOで8億ドル(約881億円)以上を調達することを望んでいる。

もともとはインドで設立され、現在はSalesforceに対抗する、このカリフォルニアの企業は、28ドル(約3081円)から32ドル(約3522円)の価格帯で2850万株を売却する計画だと語った。もし同社がその上限でその株を売ることができれば、9億1200万ドル(約1004億円)を調達することになる。Freshworksは、もともと8月下旬にIPOの書類を提出していたが、いくつかの数字を開示していなかった。

創業11年の同社は、2019年11月の直近の資金調達ラウンドでは35億ドル(約3852億円)と評価された。この問題に詳しい人物は、スタートアップは2021年初めに50億ドル以上の評価額でIPO前ラウンドを行うことも検討したが、結局それは行わないことにしたとTechCrunchに語った。

関連記事:顧客管理ソフトウェアのFreshworksがシリーズHで約160億円を調達

Accel、Sequoia Capital India、Tiger Global、CapitalGなどが、投資家として連なるFreshworksは、CRMからヘルプデスクソフトウェアに至る、さまざまなビジネスソフトウェアツールの開発および提供を行っている。近年には、顧客に一連の統合ビジネスツールを提供するためにエンタープライズSaaSプラットフォームを構築し、製品提供の拡大を積極的に追求してきた。

NASDAQへFRSHのシンボルでの株式上場を申請したこのスタートアップは、現在5万を超える顧客にサービスを提供し、2021年上半期の収益は、前年同期の1億1100万ドル(約122億2000万円)から1億6900万ドル(約186億円)に増加した。同時に、純損失は1年前の5700万ドル(約62億7000万円)から980万ドル(約10億8000万円)に減少した。

「まず第一に、International Data Corporation(IDC)の業界調査に基けば、約1200億ドル(約13兆2000億円)ものの巨大なアクセス可能市場があると信じています」と同社は9月13日に更新されたS-1ファイリングの中で述べている。

「そして第二に、社内のデータと分析に基づいて、当社の製品の年間の潜在的な市場機会は770億ドル(約8兆4800億円)と見積もっています。[…]お客様が当社の製品をより多く採用し、使用を拡大していただくことで、当社の推定市場機会は拡大し続け、当社の製品を使用するための顧客あたりの加重平均ARR(年間経常収益)が増加すると予想しています」。

最近TechCrunchは、Freshworksの共同創業者で最高経営責任者のGirish Mathrubootham(ガーリッシュ・マシュルブーサム)氏にビジネスについて話を聞いた。マシュルブーサム氏は、インドで最も尊敬されている起業家の1人だ。マシュルブーサム氏は、世界で2番目に大きなインターネット市場でアーリーステージのSaaSスタートアップを支援するために、3人の友人とともに、2021年7月下旬に8500万ドル(約93億6000万円)のベンチャーファンドを立ち上げている

画像クレジット:Freshworks

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(文:Manish Singh、翻訳:sako)