幼児の夜驚症を防ぐLullyがシードで$2.1Mを調達、そのほかの睡眠障害にも取り組む

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夜驚症を防ぐデバイスを作っているLullyが、210万ドルのシードラウンドを終了した。同社はまた、明日(米国時間6/2)行われるアクセラレータHighway 1のデモデーにも登場し、今月中にはデバイスのベータを終えたバージョンをローンチする予定だ。

Lullyはスマートフォンのアプリとペアになった製品で、子どものベッドのマットレスの下に入れておく。夜になり、夜驚症が一般的に多い時間帯になると、親のスマートフォンに通知が来るので、親はデバイスのスイッチを入れに行く。

デバイスは子どもの下でしばらく振動して、夜驚症に導きやすい睡眠パターンの発生を防ぎ、子どもと親の両方に安心の夜をもたらす。

 

Lullyは数か月前に150家族を対象にベータテストを行い、累計5000夜のテストの結果、平均70%の睡眠改善率を達成、80%は怖い夢を見なくなった。

今のニューバージョンでは、親がいちいちスイッチをon/offしなくてよい。デバイスが自動的に子どもが良くない睡眠パターンに入ったことを検知し、自動的に自分のスイッチを入れる。

今Lullyのチームは、そのほかの睡眠障害の解決にも取り組んでいる。たとえば生後4〜6か月の子どもの75%は、夜間の不眠現象があり、それは一種の症状と見なされている。

Lullyの次の製品は、この月齢期の子どもたちを対象にする。また夜驚症対策も、自動化機能をさらに充実する。

Lullyについて詳しく知りたい人は、こちらへ

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日本人チームが米国で挑戦、「5pm」は今夜のデート限定のマッチングアプリ

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LIP_LOGO日本人2人のチームによるデートアプリ「5pm」が今日、サンフランシスコでサービスを開始した。名称が示す通り、「今日、仕事終わりに素敵な人と、まずはコーヒーでも」という感覚でマッチングをするデートアプリだ。Tinderが典型だけれども、マッチングした後にいろいろとチャットして、その後に日時や場所を決めて会うというのは結構な手間。Tinderは暇つぶしアプリとして使っている人も少なくなくて、実際にデートする人は利用者数に比べて少ないとも聞く。

5pm

5pmはTinderライクなマッチングアプリだが「本日夜」という需要を満たすために、あえて5時からの20分間だけ使えて、リアルタイムマッチングするという設計だそう。Tinder同様に双方が右にスワイプしたらマッチング成立。あとは詳細な時間と場所を決めるだけだ。事実上アプリが使える時間は20分しかなく、この時間帯以外に起動しても意味がない。これは「会う」を実現するまでのアプリの使用時間が極限まで短いUXを目指したデザインなのだそう。マッチングは20マイル(約32km)圏内で近い順に表示される。提示されるカードには顔写真や名前、距離のほか何時から時間があるかが書かれている。日程的に先の予定を合わせるほど会いたくはなくても、夕方この後にということなら、と会うことの障壁を低くできるのではないかというのが仮説だそうだ。この「時限マッチング」がうまくいくようにプロダクトの改善を繰り返して、うまく回れば時間などを調整して他国展開する予定だ。

5pmをリリースしたLipの松村有祐CEOは、サンフランシスコで先行リリースした背景として、先に日本で出してから外に出てダメだったとなるよりも、最初から世界に出して大きく市場を取りたいからという気持ちがあった、という。日本では出会い系サイト規制法の縛りがあって年齢認証が必要ということもあり、βテスト的リリースをしてプロダクトを磨くフェーズにはサンフランシスコのほうが適しているという判断もあったようだ。確かに、サンフランシスコだとみんなTinderに慣れているということはありそう。婚活でもビジネスでもネット上で人と出会うことに抵抗感が少なく、アメリカの3分の1の新婚カップルはオンラインで知り合ったという報告もある。

Lipは「よりよい友人関係の構築」「恋愛機会の創出」、さらに「婚姻率の向上」をミッションに掲げて2014年11月に設立。人工知能研究のバックグラウンドを持つ松村氏と、もともと1人で起業して「純愛専用 両想い確認アプリ one heart」をリリースしていた関口舞氏の男女2人で共同創業。さまざまな実験的アプリを試している中で、2015年1月にベンチャーユナイテッド、サイバーエージェント・ベンチャーズ、千葉功太郎氏、プライマルキャピタル、インキュベイトファンドから資金を調達。シード投資としては少し大きめの資金を得たことから、今後もデザイナやエンジニアを募集してグローバルにプロダクトのリリースをしていくそうだ。

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Windows 10が7月29日ついに一般リリース…初の‘統一プラットホーム’の勝算は?

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Microsoftが今日(米国時間6/1)、Windows 10の公式リリースは7月29日、と発表した。その日付はこれまでのリーク情報と一致し、同社の前からの約束にも合っている。この日付は新学期前という時期に一致し、もちろんクリスマス商戦には十分間に合う。

つまり同社は、一年の中で、新しいPCを買う人が一番多いであろう、と思われる時期にねらいを定めている。既有のWindows PCをWindows 10にアップグレードする件に関しては、同社は’予約制‘まで設けている。それはつまり、一種の事前登録だ。アップグレードは、もちろん(ほとんどの場合)無料だが。

Microsoftの目標は、2〜3年後に10億台のWindows 10マシンが世の中に存在することだが、どうやら本気でそれをねらっている。

それでは、Webやモバイルに忙しくて、ここしばらくWindows音痴だった読者のために、ここでWindows 10について、おさらいしてみよう。

その入手

Windows 10は、プレビューなら今すぐ入手できる。バグの多いプレリリースバージョンを避けたい人は、ここを読んでからMicrosoftに登録すると、公式リリース版が‘できましたよー’と知らせてくれる。それは、7月29日であるはず…Microsoftもローンチパーティーを予定通り行いたいだろうから。

その買い方

7や8.1などのユーザは無料でアップグレードできる。2〜3年以内に10のユーザを10億にしたいMicrosoftは、そのほかのアップグレードもお安くするだろう。

まったく新規に買う場合は、消費者バージョンが119ドル、プロフェッショナルエディションが199ドルだ。CNETによると、Windows 8もこんなもんだったらしい。

無料アップグレードには、1年という期限があるようだ。ま、Microsoftとしては、人びとを焦らせたいのだな。もちろんMicrosoftにとっては、多く、そして早く、が理想だ。

その使い方

使いたくないという特別な理由のない人は、使うべきだろう。個人的経験から言っても、使ってる途中でダウングレードしたくなるような事件は起きていない。性能も機能もWindowsのそれまでのバージョンよりは高い。7月29日まではまだ2か月近くもあるから、バグつぶしも十分に行われるだろう。

Windows 10はこれまでのビルドも一般公開してフィードバックにも迅速に対応してきた。機能に未完成な部分はあっても、バグ対策はほぼ完全、と見てよいだろう。

大企業は採用すべきか?

以上は主に消費者の視点だが、企業はどうか? 本誌のライターRon Millerが、こんなことを書いている:

企業は、仮に明確なインセンティブがあった場合でも、オペレーティングシステムのアップグレードには慎重だ。前のバージョンで十分仕事ができていれば、余計な費用や労力を割きたくないし、しかもそんな企業の方が多数派だ。目の前に、対策を要する深刻な問題がなければ、オペレーティングシステムは現状で十分であり、その方が安全なのだ。

しかも多くの企業が、OSの既存バージョンと結びついたカスタムコードをたくさん抱えている。OSをアップグレードしたら、微妙なところでそれらがぶっ壊れるおそれもある。さらに彼らは、古いソフトウェアもたくさん使っており、OSのアップグレードがただでも、それらのソフトウェアをアップグレードする費用は、企業に二の足を踏ませるに十分だ。

新しいシステムに向けて社員を教育訓練するにも、費用がかかる。というか、OS本体のアップグレードは無料でも、そのほか、多くの‘周辺的費用’というやつが、一挙に発生する。

Windows 10の企業にとっての魅力は、初めての統一プラットホームであることだ。とくに企業のデベロッパは最近ではWindows上でモバイルアプリも作らなければならないから、Windows 10にはそそられるだろう。コードを一つだけ書けば、それが勝手に、大小さまざまの画面サイズに対応してくれる、というのが、とくにありがたい。

彼らもいずれアップグレードするだろうが、しばらくは静観モードだろう。ITの連中はまず、いくつか実験をしてみるだろう。そして徐々に、切り替えていく。大企業ではとくに、歩みが遅いだろう。

という次第だ。

残された日々

7月29日というと、あと58日だ(米国時間6/1)。Microsoftはあと二か月足らずで、この新型機を着陸させなければならない。以前、こんなことを書いた:

MicrosoftのWindows 10は現在のWindows 8.xにある消費者向けの欠陥を修復するとともに、企業の顧客に現代的なコンピューティングを提供しなければならない。しかもWindows 10は初めての統一プラットホームにもなる予定だから、相当思い切ったソフトウェアプロジェクトだ、と言わざるをえない。

Microsoftならそれがやれる!と保証はできないが、その度胸はいい。

おあとは、実行あるのみ。MicrosoftはWindows 10に、Windows 8になかった魅力的なパッケージとアップデートとアップグレードとフィックスを詰め込んだはずだ。

10億台を目指すレースが、これから始まる。Microsoftは101のようなビルボードを借りて、経過を報告したらどうだろう。うん、ぼくならMicrosoftの勝ち(3年以内に10億台)に5ドル賭けてもよいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleの「iPhone 6で撮影」キャンペーンに、ユーザー作成ビデオが加わった

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Appleの ‘Shot on iPhone 6’[iPhone 6で撮影]キャンペーンのことは、恐らくみなさんよくご存じだろう。iPhone 6ユーザーが撮った写真を使って作られた広告が、ポスター、紙媒体、車内あらゆるところに遍在しているからだ。しかし、まだあまり目にしていないと思われるのは、今日拡大されたiPhoneワールドギャラリーに載っている、iPhone 6ビデオカメラで(追加のアプリやアクセサリーの助けも借りて)撮影された作品の数々だ。

今、選ばれた7本のビデオがテレビ、劇場、リッチメディアウェブ広告、そしてApple.comのiPhoneワールドギャリーに登場した。それぞれのビデオクリップは短いが、スローモーション、タイムラプス、そして三脚や派手で高価な安定装置がなくてもスムーズなビデオ撮影を可能にするためにAppleが開発した、内蔵ビデオ安定機能等を使って何ができるかが表現されている。


例えばシカゴの「L」鉄道を記録した上の動画のように、InstagramのHyperlapse等のサードパーティーアプリを使って効果を実現しているものもある、スズメが撮影者の手からエサを食べている下のビデオは、スローモーション等iPhone 6内蔵の機能だけを使っている。


InstagramユーザーのCielo de la Pazによるこの作品は、Olloclipアドオンマクロレンズを使用している。これは私も個人的iPhone写真でよく使うツールだ。重要なのは、Apple製ハードウェアだけでなく、それを取り巻くソフトウェアとアクセサリーのエコシステムが、クリエイティブなモバイル撮影を追求するためには不可欠だということだ。


その他のビデオは、6 Plus、iMovie、およびFinal Cut Pro Xを内蔵カメラアプリと組み合わせたもので、様々な物が記録されている。以下で全部を見られる。





このキャンペーン全体が、同デバイスの核となる強味の一つを強調するすばらしい仕事をしているだけでなく、表れる空間を美しく飾り、実際のユーザーが作った高品質な画像とビデオを披露することで、ディスプレイ広告やデジタル広告を悩ませる不可視性と苛立たしさの問題を排除している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonが商品の写真を並べて表示する新しいStream機能をテスト中

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AmazonはユーザーがAmazonのサイトで欲しい商品を発見し、欲しいものリストに簡単に追加できる新しい機能、Amazon Streamのテストを行っている。このページでは、商品の写真がグリッド状に並べられ、ユーザーは男性用か女性用、あるいは両方の商品を閲覧し、ボタンをクリックして、自分のコレクションに保存することができる。このページに特集される商品は毎日更新され、スポンサー商品で構成されていると記されている。

このサイトは、新プロダクトの発見サイトProduct Huntに週末に登場した。Streamには荒削りの部分も目立ち、Amazonからの公式な発表もないので、まだ開発途中だと考えられる。

ただAmazon Streamは、これまで注目を集めることはなかったが、数ヶ月以上前から運営していると私たちは把握している。

Amazonに問い合わせた所、Amazonは現時点ではまだこのサイトに関する詳細を公表する準備は整っていないとしたが、この新しいプロダクトに対するカスタマーのフィードバックは歓迎すると話した。「私たちは、カスタマーの買い物体験をより良くする方法を常に検討しています」とスポークスマンは伝えた。

現在Amazon Streamに掲載されている商品は、「女性用」、「男性用」と「保存したもの」でしか分けることができない。商品カテゴリー、価格帯、評価や他の要件では分けられない。AmazonのギフトショップのキュレーションサイトCanopyの簡易バージョンのようだというもある。あるいは、オンラインショッピングでの画像の強化でPinterestと対抗しようとする試みなのかもしれない。

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AmazonがPinterestに勝負を挑んだのは今回が初めてではない。2013年、AmazonはAmazon Collectionsを発表した。Amazon Collectionsは画像を多く掲載していて今回のサイトより目を引くものだった。買い物客は、新しい商品を発見し、保存し、共有したり、他のユーザーをフォローすることで、彼らが保存した商品も閲覧したりすることができた。Amazon Collectionsは、Pinterestでもピンボードを作成し、自社の商品リスト(コレクション)を掲載し、ユーザーは気に入った商品をお気に入り登録することもできた。しかし、Amazonの通常のウィッシュリストとは連動していなかった。

Amazon Streamでも同様に、ユーザーは好きな商品を保存するとサイトの「My Save(保存したもの)」のセクションに追加される。これもAmazonのウィッシュリストには追加されず、Amazon Streamのみでしか閲覧できない。

今の時点でAmazon Streamは、Amazon.comの大量の商品群を閲覧できるような便利なものであるとは言えない。個人のアカウントの買い物履歴を考慮し、各個人に最適化した体験も提供していないようだ。商品をソートするためのツールも不十分で、どのような基準で商品が選ばれているのかもユーザーにとっては不明瞭だ。(広告なのかもしれない。Amazonは回答しなかったが、ページの上部に「これらはスポンサー商品です」と記されているので、掲載料がかかっていると考えられる。)

商品はファッションを中心としたものが多く、お手頃な洋服やアクセサリー、靴から、もう少し高額な500ドルの時計や250ドルのシャツなども掲載されている。ハイエンドの高級品の掲載はないようだ。

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Amazonはここ数年、ユーザーの自社サイトでの買い物を助けるためのツールをいくつも試してきた。例えば、2008年には、Amazon Windowshopでグリッド状に店舗を表示したり、数年後にはAmazon Flowに拡張現実の機能を加えたりした。また、Facebookの情報を連携することでソーシャル機能も入れる試みがあった。Facebookで友人の誕生日や、友人が誕生日に欲しいものを学習する機能だ。もちろんAmazon Collectionsもその内の一つだ。

これらの実験的なサービスのいくつかは既に閉鎖している。Amazon Collectionsも最近閉鎖したばかりで、アクセスしようとすると今はウィッシュリストにリダイレクトされる。AmazonもCollectionsは閉鎖したことを認め、「検証用でした」と伝えている。

Amazon Streamは、amazon.com/streamから利用することができる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Peekはスマホカメラと3Dプリント部品で網膜写真を撮影し、途上国の眼疾患を診断するアプリ

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“Peek”(Portable Eye Examination Kit)は、目の病気を診断するためのスマートフォンベースシステムだ。3Dプリントされたカメラ用アドオンを使うことで眼科医は屋外でも詳細かつ完全な目の検査を行うことができる。英国の眼科医らが開発したこのシステムは、最近Indiegogoで13万0475ポンドを集め、現在医師からの予約注文を受け付けている。


Peekはスマートフォンの高精度カメラを使って網膜を見て、白内障の診断、視力、色覚、コントラスト等の検査を行う。プロジェクトを率いるのはDr. Andrew BatawrousとStewart Jordanで、デザインはKate TarlingとDr. Mario Giardiniが行った。同システムは、基本的眼科検診を受ける機会のない世界3900万人の人々を助ける目的で作られた。TED TalkでDr. Bastawrousは、白内障手術や処方レンズによる視力回復等、途上地域における目の健康維持を助ける彼の研究について話した。Peekで撮影した医療画像は、遠方の医師に送信され、患者の診断や治療の提案を行うことができる。

作者らによると、世界中の失明の80%は予防可能だが、眼疾患の検出に必要な器具は重く複雑で操作が難しい。安価なスマートフォンとプラスチック部品を組み合わせることによって、眼科医は世界中の眼疾患に対応することが可能になる。同システムには、画面に文字や図形を徐々に小さく表示していくことで視力検査をする興味深い機能もある。同様の方法によって色覚異常も検出できる。

これは明らかに消費者向けではないが、医師や訓練を受けた人材が、現地で本物のの有用な目の検査を行うことを可能にする。眼科診療室の器具をポケットに入れることによって、非常にシンプルかつ安価な方法で目の中の写真を撮影できるようになり、医師は必要な地域を訪れたりリアルタイムで人々を助けることができる。プロジェクトは目標金額を達成したので、アプリと3Dプリント部品は近日中に出荷されるはずだ。

via 3DPrint

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、ユーザー宛メールのPGP暗号化をサポート

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近々、Facebookから自分宛に送られてくるメールをすべて暗号化して、誰も ― NSAさえ ― 読めなくできるようになる。やり方はFacebookの設定に公開PGP鍵をインポートするだけだ。

もちろん、問題は殆どの人がメール暗号化における公開鍵/秘密鍵のしくみも、何から始めていいのかも知らないことだ。エドワード・スノーデンのリーク以来、Googleを含む数多くのサービスが、エンドツーエンドメール暗号化の複雑さを一般ユーザーから完全に隠すと約束した。しかし、今のところ実現したサービスは殆どない ― やろうとしていないのではなく、実際これが技術的にもユーザー体験的にも非常に複雑な問題だからだ。

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Facebookは、十分確立しているPGP方式(正確にはGNU Privacy GuardによるOpenPGPの実装)を使用してメッセージを暗号化する。Gmailユーザー向けのMailvelope等のツールは、多少直感的に鍵を生成、管理して暗号化メールを読み書きできるようにしている。それでもまだ完全に自明な手順と言うにはほど遠く、自分のやっていることの基本的認識が必要だ。

Facebookもその点を十分認めており、ユーザー候補には電子フロンティア財団のPGP入門を案内している。残念ながら、FacebookはPGP利用の複雑さを全く隠そうとしていないので、実際に多くの一般ユーザーが登録する可能性は低い。

Facebookは、新機能を徐々に展開現在同機能は全世界で利用可能と言っている。自分のアカウントで使えるかどうかは、Facebook設定の連絡先と基本データセクションへ行き、「公開鍵の追加」メニューがあるかどうかを見ればわかる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

レゴが作るMinecraftの対抗馬、Lego Worldsのプロトタイプが正式ローンチ前から遊べる

Mincraftが登場した時、多くの人は、仮想空間のレゴのようだと説明していた。その表現がさらに的確なゲームが登場した。Lego Worldsは、自分のカスタマイズした小さいレゴフィギュアのアバターを操り、開かれた空間に仮想のレゴブロックで様々な物を作ることができるゲームだ。

ゲームの予告ローンチ動画は上記の通りだが、Streamの早期アクセスプログラムは既に解放されている。ここからStreamの販売ページにアクセスし、ベータ版を購入することができる。正式なローンチ前に、十分遊べるバージョンを早速試すことができるのだ。

ローンチの形式もMinecraftと類似している。Minecraftを開発したMojangは、Minecraftの最初の安定した正式バージョンをローンチする随分と前から、ゲームの初期バージョンをコミュニティーに公開していた。このプロトタイプのローンチは、Streamの早期アクセスプロラムのコンセプトを固めるものとなった。

Lego WorldsはTT Gamesが製作していて、彼らはPCやゲームコンソール用の映画などのストーリーをフランチャイズしたアドベンチャーゲームの人気シリーズを手がけていることでも知られている。ゲームでは、ブロックを一つずつ自由に組み立てることもできれば、スケールの大きいツールで、ブロックごとの変更ではなくまとめて地形を変更することもできる。また、実際の店頭でも販売しているもののように、テーマの物を製作できる必要なレゴブロックが予め準備された仮想キットも含まれている。

商業用で販売されているキットもゲーム内に用意されているそうだ。早期アクセスしたプレーヤーには、それらのいくつかが限定的に解放される。正式ローンチ後は、キットの種類も増える予定だ。マルチプレーヤー機能はこのバージョンにはないが、今後のアップデート時に対応する予定だ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

パナソニックやコマツもシリコンバレーに注目、Draper Nexus2号ファンド組成で出資社数が増加

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シリコンバレーと東京に拠点を持ち、日米双方でスタートアップ投資と支援を行うVCのDraper Nexus Ventureが今日、2号目となる約125億円の「Draper Nexus 2号ファンド」の一次組成を終えて運用を開始したことを明らかにした。2011年4月に運用を開始した1号ファンドの約50億円の2倍を超える規模となっている。

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すでにTechCrunch Japanでは、この2号ファンドからの国内投資案件について5月15日付けで3つお伝えしている。勤怠管理や経費精算をクラウドで実現するチームスピリットへの4億円、統計分析ツールのサイカへの2億円、マーケデータ分析SaaSのフロムスクラッチへの3億円だ。2号ファンドは日本のITベンチャーに1/3、米国ITに1/3、産業技術ベンチャーに対して1/3の割合で投資していく予定という。2号ファンドの1号投資案件はアメリカのスタートアップで、KPCBやKhosla VentureらトップティアのVCとの共同投資で5500万ドル(約66億円)のラウンドを実施。位相分析と機械学習によるビッグデータ分析のAyasdiに出資している。

2号ファンド出資者の顔ぶれを見ると、コマツ、NEC、パナソニック、富士通、日立ソリューションズ、ブラザー工業、富士フイルム、クラレ、京セラコミュニケーションシステムなど日本の大企業が名を連ねている。2号ファンド出資者の募集は2015年末まで行う。目を引くのはパナソニック、コマツ、京セラコミュニケーションシステム、富士フィルム、IHI、富士通といった企業が新たに加わっていることで、TechCrunch Japanの取材に対してDraper Nexusのマネージングディレクター倉林陽氏は、これは1号ファンドの実績を評価されてのことだと話した。

1号ファンドでは既に日米で合計6社のエグジットがある。国内ではソフトウェアテスト事業のShiftがマザーズに上場したほか、アメリカで4件のM&A、そして先日4月にアドテクのKauliをVOYAGE GROUPが買収している。倉林氏によれば、2011年組成のファンドの中ではグローバルで見ても、今のところトップ25%に入る運用成績となっているそうだ。

日本の出資企業はリターンよりも、オープンイノベーションに期待を寄せている。米スタートアップ企業とのアライアンスや、事業の国際展開の足がかりをつかむといったことだ。倉林氏を始めとするDraper Nexusの日本人パートナーは長年日米のエンタープライズIT分野で投資や事業開発をしてきたメンバーで構成されており、エネルギー産業やロボティクスといったものも含め、コンシューマーよりもエンタープライズ事業にフォーカスしている特徴があり、その辺りで日本企業とシナジーを出しやすいということがあるのだという。

例えば、2号ファンドに出資した建設や鉱山重機のコマツ。

コマツからシリコバレー(サンマテオ)のDraper Nexusオフィスで1人が1カ月滞在し、そこでDraper Nexusが投資対象領域として調査、面談していた産業用ドローンの「SkyCatch」とコマツを引きあわせて事業開発を実施。2015年1月にはコマツが推進する建設現場のIT化、「Smart Construction」にSkyCatchのDroneを導入するという発表に繋がったという。この発表は内外関係者の目を引いた。

SkyCatchに対してDraper Nexusは投資していたわけではない。そういう意味では紹介して繋いだだけだが、このSkyCatchとコマツの提携の動きを見た別の産業用Droneの「CyPhy」という東海岸MIT発のスタートアップからDraper Nexusへ声がかかり、CyPhyへの投資へと繋がったという。CyPhyは自動掃除機ルンバを生んだiRobotの共同創業者であるヘレン・グレイナー氏が2008年に創業した企業で、産業用Droneを作っている。特徴は地上から有線で電源供給しているため飛行姿勢と映像の安定性に優れていること。消防や警察、軍事など「現場」を上から見る用途で利用が始まっている。CyPhyはスター的創業者がいて有力VCからの投資が集まる、いわゆる「ピカピカ」のスタートアップ企業だ。誰もが投資したがるスタートアップ企業にDraper NexusがVCとして乗れた背景には、アメリカ側から見れば、SkyCatchがうまく日本進出してコマツと手を組んだように見えたからなのだ、と倉林氏はいう。Draper Nexusは日米を双方向にブリッジするVCだから、うまいサイクルが回りはじめて実績が出ているということだろう。米企業製品の国内販売権での提携なども入れると、これまで30件ほど出資日本企業と米スタートアップ企業との連携を実現しているのだそうだ。

ちょうど1カ月ほど前に「日本郵政、高齢者サービスでApple、IBMと提携―iPadとAI利用で見守りやヘルスケアなど提供へ」というニュースをTechCrunchでお伝えした。これを見て、こういうことが起こるのだとしたら日本のイット業界のエス・アイなんて吹っ飛ぶじゃないかとぼくは思った。SIのボーダーレス化は本格化しつつあって、これはUI/UX、あるいはソフトウェア全般が得意なシリコンバレー企業に大型案件を持っていかれている構図を象徴しているのではないか。

今回Draper Nexusの2号ファンドに国内大手企業が乗ってきたことを、「ようやくベンチャーとの連携に本気になったという面もあるのではないか」と倉林氏は見ていて、「最終的にはシステムを必要とする事業会社や、その先のエンドユーザーが喜ぶかどうかです」と話す。日本のSIerにもシリコンバレー動向は、もう無視できないし、よい技術であれば取り入れて行くということなんだろうと思う。Draper Nexusは「シリコンバレーを活用した大手事業会社のオープンイノベーションの実現」を標榜している。

さて、日本のスタートアップ関係の読者にしてみれば、日本のスタートアップ企業のアメリカ側への展開は? というのも気になるだろう。この点に関して倉林氏は、日本から北米市場進出は簡単ではないとしつつも実現したいテーマであり、グローバルに15拠点あるVCネットワークを使って世界展開を支援していくという。Draper Nexusの名前になっている著名投資家のティム・ドレイパーが作るDFJ Global Networkは、各地のファンドと連携するグローバルなネットワークで、欧米をはじめ、韓国や中国にもパートナーとなるVCがある。

Apple、音楽ストリーミング・サービスを来週発表へ―聞き放題で月10ドル

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どうやら来週Appleは音楽ストリーミング・サービスを発表するようだ。Wall Street Journalによれば、このサービスは聴き放題で料金は月額10ドルだという。内容、機能ともにSpotifyによく似ているが、広告ベースの無料版は提供されず、iTunes Radioに委ねられる。また有名アーティスト、タレントが選曲、ホストするチャンネルが提供されるという。

Appleが音楽ストリーミングを準備しているというニュースはTechCrunchを含め、多くのメディアが報じてきた。今回の音楽ストリーミングは、すくなくとも部分的には、さきごろ買収したBeatsをベースにしているはずだが、独自のストリーミング(ブランド名としてはAppleないしiTunesを冠することになるだろう)の開始後もBeats Musicは当面運営を続けるという。

WSJの記事によれば、新サービスはiOSのアップデートとして公開され、一部の楽曲は無料で聞けるという。Android向けには独立したアプリが提供される。iTunes Radioの新しいチャンネルは有名なアーティストやタレントが番組ホストを務めるかたちになる。ホストはBBC Radio 1からもスカウトされたという。Beatsの共同ファウンダーでもあるDr. Dreも番組の一つを受け持つことになると記事は伝えている。

月額10ドルという料金はSpotifyやRdioの有料版と同レベルだが、Appleのブランド・イメージ、豊富な楽曲コレクション、著名タレントがホストするチャンネルなどは衛星ラジト、地上波ラジオを含めてライバルにとって手強い存在となるだろう。

Appleは強大なブランド力によってアメリカで膨大なユーザーを集めることに成功しているだけでなく、国際的な拡大においてもGoogleやAmazonに先行している。新サービスの国際的な展開にも注目したい。

今回の報道はAppleが新サービスを来週、実際に開始するのか、あるいは発表に留まるのかについては明らかにしていない。通常、AppleはOSのメジャー・アップデートをWDC(Worldwide Developer Conference、今年は6月8日)のキーノートでプレビュー版として公開する。その後、9月の新しいiPhoneの発表に合わせて一般公開するというスケジュールだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、Windows 10は7月29日に公開と発表

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MicrosoftはWindows 10を7月29日、今からほぼ2か月後にリリースすると発表した。このメジャーアップデートにより、Microsoftのプラットフォームはデスクトップからスマートフォン、タブレット、そしてXbox Oneまでが統一されることになる。Windows 10はWindows 7、8のユーザーにはリリース後1年間は無料で提供される。

アップデートを容易にするために(そしておそらくはWindows 10のインストールベースの数を即座に確保するために)、予約プロセスを用意している。Windows 10をインストール可能なデバイスには上のスクリーンショットのように、アップグレードを促すアプリがインストールされているので、ポップアップにしたがって手続きすればよい。

Windows 10の目立つ新機能のひとつは音声を認識するパーソナル・アシスタントのCortanaだ。こちらにMicrosoftが用意した音声メッセージがある。

その他の主要な新機能は? 簡単にまとめておこう。

  • Microsoft Edge:Internet Explorerの後継となるまったく新しいブラウザーがバンドルされる。ミニマリズムを基調としたデザインで、共同作業のツールとなることに重点が置かれている。またCortanaが統合されている。
  • Word、Excel、PowerPointがビルトインされている。
  • Xbox LiveとXboxのアプリではゲームの録画、Xboxの友達との会話、ゲームのデスクトップへのストリーミングなどができる。
  • Windows Continuum:Windows 10搭載のデバイス間のシームレスな連携がサポートされる。複数のデバイスで作業を引き継ぐことができ、Windows Phoneに入力アクセサリを接続するとパソコンとして利用できる。
  • Windows Hello:新しいWindowsログインシステムは顔、虹彩、指紋の認識機能をサポートする(どれが利用できるかは個別のハードウェアによる)。

Microsoftはアップグレードがスムーズに進むよう最大限の努力をしてきた。特に既存アプリの互換性には注意を払っている。Windows 8はいろいろ欠点の目立つ世代だった。今回、番号が一つ飛ばされたのはそれだけ画期的なアップグレードだということを強調するためのなのだろう。ともかくそう期待したいものだ。

〔日本版〕Windows 10にアップグレード可能な日本版Windows 7、8デバイスにはアップグレード予約アプリがすでにインストールされているはず。タスクバーのWindowsアイコンをクリックするとアプリのウィンドウが開くので「Windows 10を予約する」を選択すればよい。

2015-06-02-win10upgradejapan

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

13歳の娘に宛てた真剣なキャリアアドバイス

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編集部記:James Altucherは、Crunch Network のコントリビューターであり、Choose Yourself Mediaのファウンダーだ。

彼の執筆した他の記事:How Do I Know If I Should Take A Job At A Startup?10 Reasons To Stay At Your Job

13歳の娘に対して、見栄を張らなければならないようで気恥ずかしいのだが、彼女の方から聞いてきたのだ。私の娘Mollieは、学校のキャリアガイダンスの授業の宿題として、私がどのように生計を立てているのかということを聞いてきた。私は答えに戸惑った。何故なら、私は多様な仕事をしていて、それをどのように彼女に伝えれば良いか分からなかったからだ。

しかし、これは学校が「教育は仕事に直結する」という考えに固執し過ぎていることの表れであると思う。それは、もう事実ではないのだ。

現実には、平均的な人でも人生の中で14の違う仕事を経験し、平均的な大富豪には、7つの異なる収入源があるそうだ。つまり、「一つの仕事に特化した」教育を受けた子供たちは、人生はそのように動いていないということを、難しい道順で学ぶことになる。

世界の移り変りはとても早い。私が今している仕事は、私が13歳の時には存在していなかった。そして、彼女が将来する仕事も、今はまだ存在していないだろう。学習することは、何かを覚えることより重要であるということだ。

宿題の内容な以下のようだった。

あなたの仕事は何ですか?そのキャリアに進むには、どのような教育を受ける必要がありますか?

私は一つ仕事を行っているのではない。そして、今すぐ学校を中退しても私の仕事はできる。Mollieに関しては、今すぐに中退したのならこの質問を続けなくても良くなるので、是非そうしてほしい。

私は、人は愛する人に囲まれ、得意な仕事をし、選択において、ある程度の自律(つまり自由)がある人は、人生を謳歌できると信じている。

恥ずかしい間違いを繰り返す自分を許容しなければならない。

違うことを色々行うことで、人生に自由がもたらされる。その中のいくつかはお金になるが、いくつかはならない。けれど、いずれも自信、人とのつながりと自由をもたらす。これこそ健やかなウェルビーイングを成し遂げるために必要な三要素だ。

私は、本や記事を執筆するライターであり、ポッドキャストで1000万ダウンロードを達成したこともあるポッドキャスターであり、たまに人前で話をすることもある。また、30以上の企業にアドバイスをしたり、投資したりもしている。

そして、多くの失敗を経験した。色々な事をすれば、色々なミスをしでかす。恥ずかしい間違いを繰り返す自分を許容しなければならない。それができれば、最終的に幸せな結末が待っている。

アドバイスする企業に対しては、一つだけ条件を求めている。その企業は、10億人の助けになるかということだ。(少し大げさだったかもしれない。13歳の娘に対してみっともない見栄を張った。100万人辺りが正確だろう。いや、100人でも良い。)

そして重要なことは、今の私の仕事をするのに、正式な教育的な要件は一切必要ないということだ。

仕事のどの部分が好きですか?嫌いな部分はありますか?

私は、過去5年間の友人との出会いに心から喜びを感じている。たくさんの事を学ぶことができた。学びがなかった日など無いといっても過言ではない。

嫌いな部分としては、「ノー」と充分な回数言えなかったことだ。(「The Power of No 訳:「ノー」の持つ力)」という本を執筆しているのにも関わらずだ。)ここに秘密がある。もし「もちろん、引き受けます!」と言えることではないのなら「ノー」と言うべきだ。

もし「もちろん、引き受けます!」と言えることではないのなら「ノー」と言うべきだ。

この素晴らしいテクニックがあっても、それに毎回従うのはとても難しい。人に嫌われたくないために「はい」と言って引き受けてしまったが故に、本当に人をクリエイティブにし、人生に喜びと活力を与えてくれる活動に割く時間が減ってしまうことは良くある。

これを解決する方法を私は知らない。実践あるのみだろう。

典型的な一日はどのような様子ですか?勤務時間について教えてください。

私には決まった勤務時間はない。きっとMollieもそうなるだろう。君には今、学校の時間があるが、それは偽りの勤務時間だ。

ただし。

毎日のルーティンはとても大事だ。一日の中でエネルギーとプロダクティビティは、時間によって変動する。極端な例だが、夜の時間帯の私たちは疲れている。(だから寝るのだ。)夜中に仕事をしたとしても、出来は良くないかもしれない。

私たちの脳のプロダクティビティは、起床していから2時間から4時間後までの間にピークを迎える。

毎日のルーティンはとても大事だ。一日の中でエネルギーとプロダクティビティは、時間によって変動する。

朝の5時に起床したのなら、脳は7時から9時までの間、夜中より100倍活動していることになる。私は5時に起床し、2時間読書をし、その後の2時間を執筆作業に充てている。執筆が私にとっても最も重要な活動だからだ。

その後、散歩やエクササイズをした後、脳の力を必要とする活動の順に時間を充てる。例えば、ビジネスに関するアドバイス(これが先)をし、その後は少ないエネルギーでも行えるタスクなどの処理を行う。

私たちの脳は体重全体のたった2%だが、毎日のカロリーの25%を消費している。この素晴らしいツールの使い方は人の一日の活動の出来を左右するので、とても重要なのだ。

どのように現在の仕事を選びましたか?

私には特定の職はない。

怖くなって仕事を追い求めた事はある。20代の頃、お金が必要だったので、ビジネスを始めた。

君の妹が生まれた時、新しいアメリカ国民が私の家にやってきて、30センチほどの彼女は英語も話せず、歩くことも出来ず、どこでもお漏らしをし、いつでも泣いて、私が面倒を見なければならなかった。それをするには、やはりお金が必要だと思ったのだ。

上手くできる時もあるが、他の時はストレスも多く、上手く対応できない時もあった。時折、逃げ出したくなる時もあったが、そうしなくて良かったと今では思う。何故なら、30センチだった彼女と君が私の人生に今いるからだ。

私は20以上のビジネスを作ったが、その内の17は失敗し、他の3つは上手くいった。ただ、私は子供の頃から書いたり、作ったりするのが大好きだった。私は25年以上にも渡り、ほぼ毎日何かを書いてきた。

私はたくさんの人を知っていて、多くの人たちのことについて書いている。それもあって、ラジオ番組(ポッドキャスト)でインタビューを始めた。起業家(Mark Cuban、 Arianna Huffington)、エンターテイナー(Coolio、 Amanda Palmer)、作家やアスリートといった、人生を良くしようと努力している多くの人に対し、インタビューを行った。

インタビューを通して、彼らから学びを得たかったのだ。番組を聞いている人にも彼らのストーリーを共有したかった。良いインタビューを心がけたが、それは難しいことでもある。練習が必要だ。

10人私のことを好きな人がいたとしても、1人か2人は私を嫌う人が現れる。彼らは出てきて、私に訴えるのだ。物事が順調に進むほど、私の活動が嫌いな人からの言葉を多く耳にすることとなる。なので、人に嫌われる活動をする自分を許さなくてはならない。

また、ビジネスにアドバイスするのも好きな仕事である。多くの人にとって重要な問題を解決しようとしているからだ。

人に影響を与えると、副産物としてお金が得られる。

私はこれらの仕事が好きで、人に対する良い影響があるからこの仕事を選んだ。やりたい仕事を全て特定するのは私には難しかった。それらは頻繁に変わるものでもあると感じていた。人に影響を与えると、副産物としてお金が得られる。本当の価値を探求するほど、この副産物を掘り当てるのが上手くなっていく。

私は結果的に半年ごとに違う活動を行っている。半年後、私はどんな仕事をしているかは見当がつかない。それは誰も分からないことだ。人生の何事も予測することはできないからだ。「Xをする」と宣言したとしても、翌年にはYをしていることも良くあるだろう。それでも良いのだ。

予測不可能なことは、予測可能なことよりも自然なことだ。人間は生来ノマドのように生きるものだ。新しい環境を求め、世界を巡り、今までになかった体験に適応し進化する生き物なのだ。

なので、次の半年でどんな新しい体験に適応しているかは誰にも分からない。しかし、私は自分の活動を楽しんでいて、人の助けになることをし、全ての活動においてクリエイティビティを発揮する仕事をしたいと考えている。

キャリアの選択において、若い世代にどんなアドバイスを贈りますか?

好奇心を持って、質問をすること。

下らない質問だと思った時でも、その質問を必ずすることだ。質問をするのが恥ずかしい場合は、質問を2つすることだ。

君の母はちょっとしたコツを心得ている。彼女はカンファレンスに出席し、質疑応答の時間の時は、質問を考える前に手を上げるのだ。必然的に質問を考えなければならなくなる。

そうしなければ、他の人と同列にいることになる。その列から外に出なければ、全体がどのように動いているかを把握することはできない。

好奇心が私たちの脳という名のエンジンを動かしている。好奇心は、まだ誰も知らないことを学ぶための助けになる。そして自分が何をしたいか、どんな人になりたいか、質問することを恐れる人よりどんな問題を素早く解決できるようになりたいかが分かるようになる。

そして2つ目。いつも健康に気をつけること。気分が優れない時にクリエイティブになることはできない。7年置きに全身の古い細胞は死んで新しい細胞に入れ替わっている。

細胞はどこから来るのか?ほとんど食べた物から構成されている。ジャンクフードを食べれば、ジャンクフードできた身体になる。健康的な食事をしていれば、健康的な身体になるだろう。

毎日の時間は、私たちが活動できる唯一の時間だ。

もう一つ覚えておいてほしい。「人は、自分の周りにいる5人の人の平均である」という言葉をだ。良心的で、クリエイティブで、賢い人に囲まれているなら、君も良心的で、クリエイティブで賢くなる。これは「感情の細胞」と読んで良いだろう。半年もすれば、100%変わるものだ。

毎日、少しでも良いからクリエイティブな活動をすることだ。文章を書いたり、読んだり、絵を書いたり、アイディアを10個書いたりなどだ。「クリエイティブな細胞」ができあがる。これは私なりの生物学だ。

最後に。毎日の時間は、私たちが活動できる唯一の時間だ。後悔は過去で既に息絶えている。将来への不安は、予想することはできない。なので、今ある物に対して感謝すべきだろう。喜びのある人生と世界は何でも自由に描いて良いキャンパスのようなものだ。美しい絵を描こう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

48億円のファンドで「大阪発、世界」を支援—投資独立系VCのハックベンチャーズ

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地方創生というキーワードを聞くようになって久しいが、大阪をはじめとした関西のスタートアップを取り巻く環境もこの2年でかなり変化したんだそう。2013年に大阪市が起業家支援の拠点「大阪イノベーションハブ」がオープン。そこを拠点に多くの人材が交流しており、現在も週に数回テック系のイベントが開催されている(TechCrunchでもハッカソンを開催している)。

そんな活動の中から生まれる「大阪発、世界」のスタートアップへ投資する独立系ベンチャーキャピタルのファンドがスタートした。

大阪市や中小機構、銀行のほかに阪急電鉄などが出資

大阪市に拠点を置くハックベンチャーズが組成した投資ファンド「ハック大阪投資事業有限責任組合」。5月に一次募集を終了したこのファンドの規模は48億円。最終的には総額100億円規模まで拡大する予定だ。LP(有限責任組合)には大阪市のほか、独立行政法人中小企業基盤整備機構、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、積水ハウス、阪急電鉄、日立造船、Mistletoeの名前が並ぶ。

5月28日に発表されたプレスリリースによると、このファンドでは、「関西を基盤としつつ、米国シリコンバレーなどの最先端地域と密な連携を取ることにより、ITによる産業革新の波を引き寄せ、日本/関西に世界的に競争力のある事業を創造することを目指す」とのこと。直接ハックベンチャーズに聞いたところ、「大阪をベースにしながらも、地域の制限はせず、グローバルに進出するスタートアップを支援していく」との回答を得た。

パートナーを務めるのは、コンサルを経てシリコンバレーでシード投資やインキュベーションを手がけて来た校條浩氏のほか、東レでCVCを立ち上げたのち米国スタートアップと日本企業のマッチングなどを手がける山舗智也氏、日本テクノロジーベンチャーパートナーズの金沢崇氏の3人。校條氏や山舗氏は大阪とシリコンバレーを行き来して活動することもあり、「シリコンバレー経由でアジアや世界に出たいスタートアップも歓迎」(ハックベンチャーズ)する。

投資対象とするのはシード・アーリーステージからシリーズAのスタートアップまで。投資額は1社数千万円〜数億円程度を想定する。投資対象となるのはIoTのほか、住宅や自動車、医療といった、「ITによりスマート化が急速に進む領域」が中心となる。

LPとともに投資対象を育成

関西では最大規模の独立系VCファンドが誕生したワケだが、気になるのは投資対象となるスタートアップの数だ。冒頭のとおり、大阪のスタートアップ環境が変化しているのは事実だけれども、資金を調達して、Jカーブを掘って、早いスピードでの成長を目指すような起業家がはたしてどれだけ居るのだろうか。

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ハックベンチャーズでもそのあたりは課題として認識しているようで、「(スタートアップの)数は正直あまり多くない」と語る。そこで同社では「ハックラボ」というラボ機能を用意。単に出資をするだけでなく、LPの支援のもとで事業創造・育成をしていくそうだ。例えば阪急電鉄であれば鉄道から不動産まで様々なビジネスがあるし、積水ハウスならばスマートホームなんかも興味があるところだろう。詳細はこれから決めていくようだが、企業と組むことで具体的なビジネスの「ネタ出し」もしたいという。

「関西には中小企業気質の会社が多いが、一方でグローバルに出たいという声も聞く。そういう人たちにはハックラボを使ってもらいたい。ありきたりなキーワードだが、『大阪のものづくりとシリコンバレーのIoT』を組み合わせていきたい」(ハックベンチャーズ)

photo by
Yoshikazu TAKADA

クレディセゾン、FinTech特化のコーポレートベンチャーキャピタルを設立

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screenshot_371先日のGoogle I/Oでも決済サービスのAndroid Payが発表されたばかりだが、金融(Finance)とIT(Tech)を掛けあわせたいわゆる「FinTech」に注目が集まっている。そんなFinTech関連のスタートアップにも影響のありそうな動きがあった。

クレディセゾンは6月1日、国内カード業界初となるコーポレート・ベンチャーキャピタル、「セゾン・ベンチャーズ」の設立を発表した。資本金は1億円で、クレディセゾンの100%子会社となる。

クレディセゾンでは、これまでにもOrigamiやコイニーをはじめとしてスタートアップに積極的な出資をしてきた。新設したセゾン・ベンチャーズでは、シード・アーリーステージのベンチャーを対象により機動的に活動したいとする。

主な投資対象はFinTechの分野で新世代の金融・決済ソリューションに取り組むスタートアップ、もしくはカード会員資産や永久不滅ポイントなど、クレディセゾン固有の資源を活用し新たな経済活動を生み出すポテンシャルを持つスタートアップ。クレディセゾンでは、3500万人の顧客基盤、30年以上のカードビジネス経験でスタートアップを支援するとしている。

企業の規模やアイデアにもよるが、1社あたり数百万円〜数千万円をイメージしているとのこと。将来的には、数年で数十億円規模にまで投資規模を拡大していきたいと意気込む。

YouTuberキャスティングの3 MINUTE、女性向け動画メディア「MINE」ベータ版をローンチ

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LINE元代表の森川亮氏が立ち上げた女性向け動画メディア「C CHANNEL」が好調だという話は先日聞いたばかり。その森川氏の古巣であるLINEが投資ファンド「LINE Global Gateway」のほか、B Dash Venturesなどが出資する3 MINUTEも女性向けの動画メディアを展開する。同社は6月1日、「MINE by 3M」ベータ版を公開した。

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MINEでは、ファッションやライフスタイルといったテーマの女性向けの短編動画を配信していく。3 MINUTEの社内にコンテンツの制作チームを用意。配信企画から撮影、音源制作、編集までを基本的に自社で行う。月300本ペースでの動画制作と予定しており、初月100万ページビュー。MAU(月間アクティブユーザー)10万人、再生回数1000万回を目指す。

YouTuberキャスティングとメディア運営を事業の柱に

3 MINUTEは2014年11月の設立。女性YouTuberのマネジメントや動画制作を手がけてきた。同事業はすでに月間売上数千万円というところまで来ているそうで、1000本近くの動画が作られているという。

MINEでは、「YouTuberの事業でウェブ動画のノウハウがたまってきた。その検証結果を生かしていく」(代表取締役の宮地洋州氏)という。具体的な話を1つ挙げると、彼らが関わったYouTube動画の平均視聴時間は1分12秒と短い。そのため、動画は長くても3分程度に編集しているのだそうだ。

現在はベータ版として、「まずはユーザーの動向を見て今後の方向性を決めていく」(宮地氏)ということだが、将来的には動画広告や視聴データの収益化を進める予定だという。今夏にはスマートフォンアプリも提供する予定。このタイミングで本格的なビジネスを進めていく予定で、字幕付き動画の配信や、独自の動画配信プラットフォーム(動画は現在YouTubeで配信している)なども準備中だという。

UUUM、C CHANNELとは別の属性がターゲット

YouTuberのキャスティングという点ではUUUMなどがあるし、女性向けの動画メディアとしては冒頭に紹介したC CHANNELもある。どちらの事業も明確に競合が存在しているように見える。

宮地氏はまずUUUMについて「我々は女性YouTuberが中心で、ファッション系のタイアップ企画を担当することが多い。分野が違っている」と説明。C CHANNELについては、「10代〜20代の女性をターゲットにしているようだが、我々がターゲットにするのは25歳〜35歳の女性。狙っている属性が違う」とした。なによりもまず、動画メディアの市場自体がこれから作られていくものだとして、「一緒に盛り上げていきたい」と語った。

F1のテクノロジーは、外科医の訓練にも使われている

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編集部注:Mary Gorgesはサンフランシスコ在住のフリーランス・ライター。

先週日曜日のモナコグランプリは数多くのドラマを生み、メルセデスのニコ・ロスバーグがレース終盤チームメートのルイス・ハミルトンからトップの座を奪い優勝した。しかし、サーキットの外でも常に戦いは続けられ、レースエンジニアたちはあらゆるレースの前にも最中にもデータを分析しチームに送信している。

英国ウォーキンに拠点を置くマクラーレンは、F1最大のビッグネームの1 つだが、今彼らのリアルタイムデータのノウハウは、外科医のために役立てている。Dr. Caroline Hargroveは18年前にマクラーレンに加わり、現在マクラーレン・テクノロジーグループの子会社、マクラーレン応用テクノロジー(MAT)のテクノロジー・ディレクターを務める。

Hargroveの説明によると、F1レーシングカーには何百というセンサーが付けられ、遠く離れたウォーキンの地までライブデータがストリーミングされ、レース戦略のリアルタイム判断を助けている。しかしMATはこの専門知識を外科手術に応用する ― 同じく1秒が重要な意味を持つ専門分野だ。

先月マクラーレンはオックスフォード大学と、重要な医療業務を高度化する分析および意志決定支援ツールを共同開発する契約を交わしたことを発表した。提携はマクラーレンのシミュレーション技術、データ管理、および予測分析に関する専門知識を活用する。プロジェクトには50人の外科医が参加しており、メンバーは主に研修医だが経験を積んだ医師も含まれている。

F1テクノロジーが手術室でどう働いているのか

手術中執刀医の肘にはセンサーが取付けられている。データはBluetooth経由でコンピューターに送られる。Hargroveによると、そのセンサーからストリーミングされたデータはリアルタイムに分析されて直ちに執刀医にフィードバックされる。「偉大な外科医には他と一線を画す特徴がいくつかある。スピード、器用さ ― メスを入れる時の動きがぎこちないかスムーズなのか。外科医の教育には常に主観的要素が入る。このシステムは客観性を加える…別の外科医からのフィードバックも」と彼女は言う。

あらゆる訓練段階にある様々な外科医 ― 初心者から高度な経験者まで ― のデータを比較することによって、訓練の進捗状況や発展目標の達成可否を予測することが可能になる。彼女によると、この種の分析は手術時間だけでなく、新人外科医の教育時間も短縮できる。「その医師はこの手順を踏んだ最近2~3回で改善したか?得意、不得意はあるか? あるいは、十分熟練しているのであと10回練習する必要はない」。

「偉大な外科医には他と一線を画す特徴がいくつかある。スピード、器用さ ― メスを入れる時の動きがぎこちないかスムーズなのか。外科医の教育には常に主観的要素が入る。このシステムは客観性を加える…別の外科医からのフィードバックも」

— Dr. Caroline Hargrove

さらにHargroveは、医師経験の初期段階により多くのフィードバックを与えることによって、外科医は果たして自分にとって外科が最適な専門分野であるかを知ることができる(あるいは、目がいいので放射線医学の方が向いているのか)と言う、「外科は医療界のロックスターのように考えられているが、外科医の訓練には多大な費用がかかる」。

Hargroveは、このオックスフォードとの提携は現在ベータテスト中だと言っているが、最終的にマクラーレンは商用化したいと考えている。彼女は、数千例の手術を(定性でなく)定量的に評価したデータベースの可能性と価値を主張する。

外科医の視点

Dr. Freddie Hamdyは、オックスフォード大学外科学部長兼オックスフォード大学病院NHSトラスト腫瘍・外科部長だ。「私の仕事の一つは、外科医になるべき人物を選ぶこと、および彼らが適切な訓練を受けるようにすることだ」。

MATと提携する理由を尋ねられたDr. Hamdyは、「彼らは専門的シミュレーションの経験を多く持っている。外科でもそれを再現する必要があり、研修医を評価したり、経験ある医師を検証する機会を得るために、外科医の進捗を見極める方法が必要だ」。

F1テクノロジーはどう患者を助けるのか:

F1レースでは、チームに最適な戦略を見つけるためにデータが瞬時に分析され、毎分何千回ものシミュレーションが実施される。例えば、『今ピットインしたら何が起きるか?』あるいは『フェラーリのドライバーが今ピットインしたら、自分にどう影響するのか?』」

マクラーレン/オックスフォードの提携プロジェクトでは規範データも収集され、この場合センサーは〈患者〉に付けられる…手術前、手術後に。Hargroveによると、手術数日前から在宅患者のデータを監視することによって、患者が手術に適した状態にあるか、あるいは身体状態が良くなるまで待つべきなのかを医師が決めることができる。

「データを使って、傾向を特定できる ― なぜ食事を変えていないのにこの人の体重は上昇したのか。あるいは、人の歩き方を監視することもできる。歩行の変化は医療状態によるものが多い。しかし、視覚ではわからない」

— Geoff McGrath

Hargroveは、手術〈中〉患者にはセンサーは付けないと指摘する。「その部分は既に十分行われている」ためだ。麻酔医は血中酸素濃度や血圧等の伝統的患者監視システムから山のようなデータをすでに受け取っている。

規範的健康データ

MATのイノベーション最高責任者Geoff McGrathは、医療データに関する最大の課題は「民間アルゴリズムに基づく規範行動を用いる人々」だとよく指摘する。「自分が1日に1万歩歩いたと知ることに意味はない。それが健康に重要な影響を与えるのか?どれだけ強い運動をしたかはわからないし、違うやり方をすべきかどうかもわからない。やがて人々はデータへの信頼を失い始める」。

McGrath曰く、F1レースと同じく、数学データ、シミュレーションおよびモデリングを組み合わせることによって、人の行動のわずかな異常を発見できる…その人が患者であれ、レースカーのドライバーであれ。「データを使って、傾向を特定できる ― なぜ食事を変えていないのにこの人の体重は上昇したのか。あるいは、人の歩き方を監視することもできる。歩行の変化は医療状態によるものが多い。しかし、視覚ではわからない」とMcGrathは言う。

彼は皮肉な点も指摘した。「世界中のあらゆる病院の集中治療室では、様々なアラームが鳴り続け、その複雑さも様々だ。しかしF1レースの監視室に入ると、そこは非常に静かだ。しかし、われわれははるかに多くのデータをそこで処理している…そして正確で詳細な情報を提供し、その情報は直ちにレースに反映される」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、I/Oカンファレンスで機械学習の力を見せつける

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今年のI/Oのキーノート講演がGoogle史上最も派手だったと言う人はいないだろう。もしあなたが、飛行船から新型のGoogle Glassを持った人々が飛び出してくることを期待していたなら、間違いなく失望していただろう。代わりにGoogleは、比較的控え目なキーノートの中で、Androidをモノのインターネットに対応させる段階的なモバイルOSの改善や、デベロッパーの収益化、広告、アプリの分析などをやりやすくするための新しいツールの数々を発表した。

しかし、私を引きつけた3つの消費者向けGoogle新製品は、Google PhotosAndroid MNow On Tap、そして ― キーノート講演にはなかったが ― Inbox for Gmailの最新アップデートだった。いずれも、自然言語、高度な機械学習、およびこの数年Googleが注力してきた知識グラフデータベースを一定レベルで活用している。

例えばGoogle Photosは、現時点で最高の写真検索エンジンと呼べるものを塔載している。単に “trees”、”flowers”、”mountains” 等を検索すれば、自分の写真集の中からそれを見つけてくる。Photosは、Google+の写真機能を独立させたスタンドアロン版で、大部分の機能を既に実現していたが、今回Googleは検索機能を改善した。

Google “Now on Tap” は、アプリの中で起きていることを理解して追加のコンテキスト情報を提供し、それに関するユーザーの質問に答える。Googleのデモは大きな賞賛を浴びた。実演者がSpotifyで(なぜかGoogle Musicではなく)スクリレックスの楽曲を流し、Now on Tapを立ち上げて「彼の本名は?」と尋ねる。Googleがこれに答えるためには、アプリで何が演奏されているかを理解し、「彼」が誰を指しているかを理解した上で知識ベースを深く堀り下げなければならない。

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Inboxは、なぜかキーノートでは触れられなかったが、今やこの知識と自然言語を理解することによって、誰かがあなたに何かをして欲しいことに気付くと、自動的にリマインダーを生成する。さらに、今後の旅行に関する複数のメールを認識して、一つのグループにまとめることもできる。

Microsoftは、Cortanaでこの一部をやり始めており、Appleも似たようなツールを考えているに違いないが、Google製品が他を一歩リードしていると感じた。つまるところ、10億以上の項目に関するデータの知識グラフを利用できる会社は他にいない。そして良くも悪くも、Google以上にあなたやあなたのオンライン習慣(おそらくオフラインも)を知り、そのすべての情報にコンテキストを与えられる人はいない。

Google I/Oのキーノートは、いわゆるサプライズには欠けていたが(ただし翌日のATAPキーノートは補って余りあった)、上記3つの機能だけでも、ことユーザーを理解することに関してGoogleがライバルを大きく引き離していることを示している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

元任天堂の2人が「4Kデジタル窓」で起業、アトモフがKickstarterでキャンペーン中

都会でのワンルームアパートなどでは窓がなかったり、あったとしても窓を開けたら隣接ビルの壁がせまっていたりと閉塞感でいっぱいになったりすることがある。任天堂でUI開発を担当していた2人が創業したアトモフは、デジタルな壁掛け窓に風景動画を表示して癒してくれるデバイス「Atmoph Window」(アトモフウィンドウ)でこれに応えようとしている。Kickstarterで5月13日から先行予約を開始して、6月1日朝現在は11日を残して目標額10万ドルのところ9万3000ドルまで資金を集めつつある。

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姜京日(かん きょうひ)アトモフCEOはによれば、競合製品としては、日本だとFramed * 2.0、海外ではElectric Objectsがある。ただ、どちらもアートを飾るデジタルディスプレイで、あくまでも風景を表示する「窓」を目指すアトモフのコンセプトとは異なる。アートは空間を広げないが、窓は開放感を生むからだ。

映しだされるのは、アトモフが世界各地で撮影した独自の4K動画。今のところニュージーランドや日本などで80本ほど撮影していて、今後も追加していくそうだ。動画はクラウド経由でダウンロードでき、切り替えはiPhone/Androidアプリから行う。アプリからは動画リストの表示やリモコンモード、地名や場所に関する情報などが見られる。

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「窓」というコンセプトなので、今後はライブストリームも行う。たとえば、人が行き交うロンドンの雑踏だとか、京都の静寂の禅寺に驟雨が降る風景、ニュージーランドの芝生をウロウロする羊だとか、そうしたものを映し出す配信スポットを追加していく。こうやって風景を映すことで旅行など新たなビジネスへつながる可能性がある、ということもアトモフでは考えているようだ。

また、面白いのはアトモフには近接センサーが搭載してあって、天気や時刻、カレンダー表示にも対応すること。手をかざせば、すぐに必要な情報が表示される。一方で、写真やPDF、Webページを表示するようなことは今後もせず、「便利な表示デバイス」にしてしまって「窓」というコンセプトが壊れることはやらないそうだ。この辺りはアトモフ内で議論を続けていて、例えば窓の向こうがイギリスの図書館の中、というように別の空間と繋がるのは「あり」の範囲かもと議論しているという。Kickstarterでキャンペーン開始してすぐに支援者から独自アップロード機能へのリクエストがあったのを受けて、所有者自身がアップした動画についてのみアトモフで表示可能にするよう方針変更したそうだ。

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アトモフの筐体設計と基板設計は終わっていて、量産前のプロトタイプとしては完成している。現在は製造と組み立てのために工場などの業者を関西中心にまわっている段階だ。パートナー選定が終わって、6月にKickstererキャンペーンが終了後したら、7月から量産体制に入る。

アトモフのKicksterer価格は以下となる。27インチディスプレイ(1920×1080ピクセル)モデルのリテール価格は699ドルだが、Kickstarterでの通常価格は549ドル、スーパーアーリーバードが399ドルで100台、アーリーバードが499ドルで250台となっている。399ドルは既に売り切れとのこと。

製品が売れている地域は、国内が半分、海外が半分。海外では主にアメリカ、ドイツ、イギリス、イタリア、カナダ、中国、パキスタンなどから買われているという。数台セットで施設やお店、カフェなどが買っていくという。

縦位置の4K動画というのは世の中になく、自分たちでコンテンツ作りをする必要があった。撮影は早朝から夜中まで車で回りベストショットを探し求めた。状景の音も同時にマイクで収録している。実際の撮影ではトラブルもあったそう。1週間のニュージーランドでの撮影時、誰もいない荒野でレンタカーのタイヤがパンクし、携帯の電波もなく、もう終わったかと泣きたくなったことがあったという。なんとか通行人に助けられ、スペアタイヤで車工場を探し、修理に2日かかったとか。

姜京日アトモフCEOは、青山学院大学で機械工学、南カリフォルニア大学でコンピュータサイエンス修士卒業。小さなWeb制作会社をした後、NHN JapanでUI開発を4年、任天堂でゲーム機のUI、ネットワークサービス、各種Webサービスの開発をしていた。

創業のきっかけは、10年前に留学した米国の小さな部屋にいたときに、窓の目前がビルで、窓を開けるとビルの壁がすぐそこに見える状態だったこと。なんとかしたいと思ったのが、ずっと頭にあったという。また、趣味でeMaginのZ800、Oculusなどのヘッドマウントディスプレイを色々試しているときに、ゲーム終了後に電源を切るとまた閉塞感のある現実に戻ってしまうことに気がついた。これを窓型ディスプレイで解決できないかと考えたそうだ。

任天堂での同僚が共同創業者の中野恭兵氏だ。任天堂の入社面接で会ってから退職するまで同じUI開発チームのリーダーで、Yahoo、ミクシィでの経験もあり、一緒に働いていて得るものが大きかったという。アトモフの初期プロトタイプを見せ、開発を一緒にやってもらえないかと誘ってみたところコミットしたいとの回答を得たという。現在、中野氏はアトモフでソフトウェア統括を主に担っている。

これからの展望として姜京日アトモフCEOは、「製造が成功し、皆さんに来年3月に届けることを最優先します。その後もっと大きな窓や、世界のカメラマンによるマーケットプレイスのようなものも構築したいと考えています」と述べている。

日本発スタートアップであるアトモフがデジタルな壁掛け窓としての市場をどこまで開拓できるのか注目したい。

Hiroki Takeuchi / POYNTER CEO Ph.D

金融業界が滅んだとしても、それはミレニアル世代の責任ではない

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アメリカ全土の多くのミレニアル世代は、家を所有することを拒んでいるミレニアル世代は不要な物は買わない。不要な物を販売して成り立っているビジネスは追放されるだろう。彼らは、労働市場も「ミレニアル世代の価値観」に塗り替えよう としている。ミレニアルが価値を置くのはこれ、ミレニアルの価値観はこう。論争を巻き起こしているこの重要な議題について、様々な記事が見られるようになった。

ミレニアル世代の私はこれに著作権を申請し、この話題が登場する度に、ロイヤリティが得られるようにしたい。 ハッピーバースデーの曲のようにだ。

私はこの世代間の無意味な論争を他の人と同じくらい嫌っている。しかし、近い年に生まれた人は似たようなことを人生で経験するという動かない事実もある。私の世代は若い頃に9・11、アフガニスタンやイラクでの戦争を目撃し、社会に出て働き始めようとする頃には、世界的な金融危機が起きた。私たちの世界観に影響を与えていないはずがない。

銀行の他にも、私たちの世代を対象とするビジネスは苦戦を強いられることになるだろう。彼らはミレニアル世代に何を提供すべきか検討がつかず、準備もできていないだろうから。しかし中でもミレニアル世代が、「San Andreas」の映画の中のサンフランシスコのように完璧な倒壊を望んでいる業界があるのだとしたら、それは金融業界だろう。

銀行も無知ではない。JP Morgan Chaseのトップの責任者であるJamie Dimonは今年、株主に向け、既存の銀行サービスに取って代わろうとする「何百のスタートアップを引き連れて、シリコンバレーが迫ってきている」と話した。

当面の間、銀行は残るだろう。しかし、その多くをミレニアル世代のリーダーとするスタートアップが、同じミレニアル世代をアーリーアダプターとして巻き込み、金融業界の心臓を狙っているのは確かだ。金融業界の今後の振る舞いで、この国の最も重要な資産を誰が担うかが変わってくるだろう。

ミレニアル世代が資産形成に抱く想い

どの世代も資産形成の目標を持っている。ここ数十年、誰もが共通して持っていた目標は、家や車を所有して独立することと、退職後に必要な社会保障と年金を補うための資産形成だった。

当たり前だが、銀行はこの思いを汲み取り、多種多様な金融商品を提供してきた。不動産ローン(これは増加し続けて、全員がその破滅を目撃した)、持家担保ローン、投資、退職後の資産形成のアドバイスといったプロダクト開発、そして地域の支店を通したカスタマーとの関係性を築くのに銀行は力を入れた。

ミレニアル世代は異なる目標を持っている。しかし、金融機関はこの世代が必要とするプロダクトを提供し、彼らを取り込むまでには至っていない。この世代についてまず言えることは、この国の歴史上、 学生ローンが最高額に達しているということだ。これはつまり、現在銀行が提供しているプロダクトの大部分は、この世代と関連性が薄いことを示唆している。家のような規模の大きい物の購入の優先順位は下がるか、完全に見送られるからだ。

驚くことに、伝統的な金融機関の学生ローンに関する取り組みでは、ほとんどイノベーションが見られない。一方、SoFi、 Earnest、 CommonBondといったスタートアップは、この分野で大きなイノベーションを起こしている。何故だろうか?銀行が、新卒者や潜在的な新規顧客に「口座を開設して、学生ローンを低い利息のもので再検討し、返済額を大幅に削減できるようにしましょう」と開口一番に言ったのなら少しは良くはならないのだろうか?

カスタマーサービスについては後述するが、既存の金融機関には、市場にある大きな隔たりが見えていないのは明確だ。

大手銀行も投資アドバイスに関しては、注力してきているようだ。契約業者を介して、あるいは直接口座から投資を自動的に行うサービスが増えている。WealthfrontやBettermentのようなFintechのスタートアップのようにだ。このようなツールは、ミレニアル世代をターゲットとして開発されたものが多い。ミレニアル世代はコンピューターが資産を扱うことに安心感を持っていて、投資ポートフォリオはバランスを重要視する。(結果的に、世界的な金融危機も生き延びることができたのだ。)

他にも伝統的な銀行がこの世代に提供できる最適な金融商品はまだたくさんあるだろう。 Affirmのようにクレジットスコア(クレジットの信用度を表す指標)の新しいモデルを提唱する企業は、新しく労働市場に参入した若者がローンを得るのに役立つだろう。Robinhoodのような企業は、株取引の手数料の徴収は時代遅れだと示そうとしている。銀行がミレニアル世代を取り込む機会はまだまだあるが、彼らがこのデモグラフィックに注意を向けていないことは非常に残念だ。

そうは言っても、話しかけないでほしい。

確かに、私たちは銀行の取り組みに期待しているが、話をしたいということではない。私は人生で一度しか銀行の支店を、とても満足した状態で去ったことがない(無料でキャンデイーをもらった日だろう)。自動投資プラットフォームは、手数料が低いこととリスクが分散されていることだけを理由に普及しているのではない。今までの投資アドバイザーは自分が何を売っているのか把握していなかったのも理由の一つだ。(だが、それでも彼らはその仕事で裕福になっていた。)

既存の銀行は、銀行業務の多くをインターネット、少なくともATMからでも行えるようにしてきた。対面での取引は、驚くほどコストが付随するものだからだ。しかし、どこもまだモバイルとウェブでのバンキングの利点をフルに活用したユーザーエクスペリエンスとプロダクトを提供しているとは言いがたい。

Simple Bankは、 昨年BBVAに買収されたスタートアップだ。彼らは、全てのことをモバイルで完結させようとしていた。大成功には至らなかったが、この分野のポテンシャルを示した。 「ATMのUber」と呼ばれるNimbl や他の銀行サービスを提供するスタートアップの登場は、数年前まで途方もないと思われていたサービスを実現しようとしている。

私は全ての銀行サービスをモバイル端末で利用できる銀行がほしい。助けが必要な場合は、ボタンひとつで銀行員と連絡が取れるようなカスタマーサービスがほしい。自分に関連しないサービスが並んだ50種類以上のオプションのある金融商品一覧ではなく、自分専用に設計された一連の金融商品を提供してほしい。

資産の移動は10秒で完了させたい。画面遷移を10回もしない方法で。

シンプルなプロセスに関連することがもう一つ。対面での接点が減ることで、金融商品の複雑さが削減されるだろう。銀行に行く度に長くて煩雑な、今月のおすすめ口座タイプなどの説明を受けるが、どれも複雑な手数料が絡みついている。これらは、私を困惑させるのでとても好きになれない。シンプルが一番だ。

誰もが欲している銀行サービス

分かっている。ミレニアル世代は、やっかいなカスタマーだ。しかし皮肉なことに、誰もがこのようなサービスを望んでいる。コンシューマーは、自分の資産をモバイルやタブレット端末から管理し、銀行の支店へ足を運んで銀行員と話す回数を減らしたいと思っている。価格が不透明で複雑な銀行手数料が好きな人もいない。

これまでと違うのは、ミレニアル世代は、銀行以外の選択肢を求めているということだ。市場にそのようなサービスしかないというのはもう認められないのだ。新しいスタートアップがイノベーションを起こしているのなら、それを試したいと思う。ミレニアル世代の言葉を理解しようとしない伝統的な金融機関ではなく、同じ言葉を話すスタートアップを選びたいと思う。

ウォール街の金融機関がこの新しい環境に適用できないのだとしたら、それはミレニアル世代を取り込むことができなかったからではない。それは、ウォール街が全てのカスタマーのためにイノベーションを起こせなかったということだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

GoogleのCloud Test LabでデベロッパがAndroidアプリを、人気上位20機種の上でテストできる

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GoogleがデベロッパカンファレンスGoogle I/Oで今日(米国時間5/28)ローンチしたプロジェクトCloud Test Labは、文字通りクラウド上のテストラボで、モバイルアプリを全世界的に人気最上位のAndroid機20機種の上でテストできる。公開は今年の後半となっているが、パイロットプログラムへの参加は今からここで申し込める。

Android製品は多様化が激しいため、デベロッパ泣かせだ。数機種の人気機種でテストしてOKでも、そのほかの機種でOKとは限らない。デベロッパはスマートフォンやタブレットをつねに数機種手元に用意しているが、自分のアプリを種類のやたら多い最新機種や最新のアップデートのすべてでテストすることは、ほとんど不可能だ。

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このTest Labでは、デベロッパは自分のアプリケーションをアップロードするだけで、あとはツールが自動的にそのアプリの各画面を調べていく。そしてアプリがクラッシュしたらクラッシュログを生成し、デベロッパにはビデオで、ユーザの目前で何が起こったかを見せる。

このサービスは今後、Google PlayのDeveloper Consoleから使えるようになる。さらに長期的には開発プロセスの中に、そのほかのテストサービスなどと一緒に統合していく予定だ。

この種の自動化テストサービスはすでにいろいろあり、たとえばXamarinは、1000種類のデバイスの上でユーザのアプリをテストする。ただし月額料金が1000ドルからだ。それに比べるとGoogleのは機種の数が少ないが、でも無料だ。

〔TechCrunch Disrupt New York 2015に出たNativetap。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa