YouTubeの新アナリティクス、Music Insightsはアーティストにツアーに行くべき場所を教えてくれる

2015-06-04-youtubeinsights

いくらYouTubeのユーザーが10億人を超えるとはいえ、ミュージシャンはYouTubeから分配される広告収入では食っていけない。 今のミュージシャンの主要な収入源はコンサートツアーだ。だがYouTubeのおかげでミュージシャンは世界中で名前を知られることが可能になった。そこでミュージシャンのファンがどこにたくさんいるのか正確に知ることができれば、適切なコンサートツアーの計画を立てて、ビデオを無料で見ていたファンに30ドルのチケットを買わせることができるだろう。.

Music Insightsは、アーティストを手助けするGoogleのYouTube For Artistsプログラムの一環となる新しいアナリティクス・ツールだ。このツールは、それぞれのアーティストが人気がある都市、人気がある曲、ビデオの再生回数、ファンによる曲のアップロード回数(Content IDによって自動的に認識される)などの情報を総合的に提供してくれる。

Youtube Analytics

YouTubeでMusic Insightsを担当しているプロダクト・マネージャー、David King は私の取材に対して、「YouTubeは世界中に膨大なオーディエンスがいる。われわれはアーティストに自分たちの音楽がどこでどれほど再生されているかという情報を提供して手助けをしたい」と語った。

Music Insightsからは次のような情報が得られる。

Top Cities:コンサートを開催する候補地を選ぶのに役立つ。もしかすると遠く離れた外国に思いがけず多数のファンがいることを発見するかもしれない。あるいはオークランドのような小さな町に隣のサンフランシスコよりも大勢のファンがいると分かるかもしれない。またこの情報は現地のラジオにその局をかけるよう説得する材料にもなる。

Top Songs: どの曲がどれほど人気があるかを判断できる。これはラジオ局へのシングルの売り込み、レーベルとの交渉、テレビ番組やCMへのライセンス、アルバム作成時の選曲などに役立つ。

総合再生回数: アーティストが自分たちの人気度を示すのに用いることができる。YouTubeはアカウントごとのトータル再生回数は以前から集計、提供していたが、総合再生回数はファンがアップロードしたミュージック・ビデオの再生回数も含めてカウントする。これによってアーティストは、たとえばレーベルやラジオ局に対して「われわれのバンドは公式ビデオの再生回数が1000万回あるだけでなく、ファンがアップロードしたビデオの再生回数も1000万回ある。われわれの草の根の支持はっきわめて強い」というように主張できるわけだ。

ただし、アーティストにアナリティクスを提供するのはYouTubeが初めてというわけではない。PandoraにはArtist Marketing Platformがあり、Spotify For Artists も似たような機能をもっている。

YouTube Music Insights - Bassnectar

Kingはライバルの同様のサービスに対してYouTubeのデータが優位であるとして次のように述べた。「YouTubeは世界中であらゆる層のユーザーに利用されているという点で他のサービスの追随を許さない。〔PandoraやSpotifyは〕大規模なサービスではあるが、YouTubeのように世界中でくまなく利用できるわけではない」と述べた。たしかにPandoraの8000万、Spotifyの6000万というユーザー数はYouTubeの10億以上という数字の前にはかすんでみえる。

Kingによれば、YouTubeは将来このデータをAPI経由でアクセスできるようにしたいという。そうなればアーティストのチームはデータをリアルタイムで継続的に取得し、 他の統計アプリと連動させるなど一層高度な利用が可能になる。it with other analytics.

「われわれのマーケティング活動は大小を問わず、オンラインでもオフラインでもデータに基づいて行われている」とCrush Managementのデジタル戦略責任者のDan Kruchkowは言う(Crush Managementはニューヨークの大手音楽マネジメント会社で、Fall Out BoyやTrainなどの有名ミュージシャンのマネージメントを行っている)。

今回のアナリティクスの提供は最近のトラブルでYouTubeが失ったアーティストからの信頼を取り戻そうとする意味もあるだろう。YouTubeは有料サブスクリプション・モデルを準備中だが、その過程でアーティストに強引に新契約を結ばせようとして一部から強い反発を受けた

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SXSW 2015でYouTubeが公開したMusic Insightsのプレビュー

YouTubeの提供するアナリティクスが実際にアーティストの役に立つなら、アーティストは主要なプロモーションの場としてYouTubeを選ぶだろう。そうなればYouTubeのチャンネルにファンが集まることになる。音楽ストリーミング・サービスの競争はますます激しさを増す中、アナリティクス・ツールはYouTubeの強力な武器になるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SoftBank、韓国のeコマース大手、Coupangに10億ドルを投資―評価額は50億ドルか

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6月はソフトバンクにとって早くも大忙しの月になっている。評価額10億ドルのフィンランドのゲーム会社、Supercellを事実上買収した翌日(米国時間6/2)、ソフトバンクは韓国最大のeコマース企業、Coupang.に10億ドルをt投資したことを発表した。

Coupangはいわば韓国のAmazonのような存在で、昨年巨額の資金調達を行った。2014年5月にSequoiaが10億ドルの評価額で1億ドルを出資し、12月にはBlackrockがさらに3億ドルを投資している。

CoupangもSoftBankも今回の出資における会社評価額を公表していないが、TechCrunchが得た情報によれば、50億ドルだという。

10億ドルクラブ

この投資でCoupangは評価額が10億ドルを超えるスタートアップのクラブ入りした。しかも同時に、さらにメンバーが少ない(XiaomiとFlipkartなどを含む)1回のラウンドで10億ドル以上を調達したクラブのメンバーにもなった。いったいCoupangのどこがそれほど魅力的だったのだろう?

Coupangのビジネスはいわば「次世代のeコマース」の先駆けだ。同社のアプリは2500万ダウンロードを数えている。韓国の人口が5000万であることを考えると大変な普及率だ。モバイルが売上の75%、サービスへの全トラフィックの85%を占める(ちなみにAmazonは、2014年のクリスマス商戦でモバイル経由の注文が60%だった と発表している)。

またCoupangは独自の物流ネットワークとフルフィルメント・センター群を構築している。消費者への配送の最後を受け持つのは‘Coupangメン’と呼ばれるドライバーとトラックの大部隊だ。

Coupangも当初はサードパーティーの運送業者と契約していたが、Coupangメンの導入によってブランド認知と消費者との会話を格段に向上させることに成功したという。Coupangメンは配達の際にしばしばキャンディーやサンプル商品などを無料で配り、お礼のメモを置いてくるなどの努力をしている。

こうした消費者サービに加えてCoupangは配達が非常に速い。2014年から即日配達(ときには数時間で配達)をスタートさせている。今回のSoftBankの投資と支援により、「フルフィルメントとモバイルアプリの両面でイノベーションが加速される」とCoupangは述べた。シリコンバレー、シアトル、上海、ソウルに所在する同社の研究開発センターには一層のリソースが流れ込むことになるだろう。

SoftBankのバイスチェアマンで元GoogleのNikesh Aroraは声明を発表し、「クーパンは、世界のインターネット企業の中でも非常に成長が著しく、かつ革新的な企業のうちの一つだ。同社は、先端テクノロジーを活用して世界中で展開するEコマース事業における同日配送、モバイルコマース、カスタマーサービスはどうあるべきかという観点において、新しい業界基準を確立することになるだろう」と述べた。

SoftBankはアジアへの投資を加速

今回の巨額の投資は、アジアにおける有望なeコマース企業を傘下に収める最近のSoftBankの戦略の延長線上にあり、それを加速させるものといえる。昨年SoftBankはインドネシアのeコマース、Tokopediaに1億ドルを投じ、インドにおけるAmazonのライバル、Snapdealの6億2700万ドルのラウンドをリードしている。

SoftBankはまたアジア地域におけるタクシー・アプリにも大金を出資している。東南アジアのGrabTaxiは2億5000万ドルをSoftbankから得ている。同社はインドにおけるUberのライバル、Olaの2億1000万ドルのラウンド 、中国におけるDid Dacheの6億ドルのラウンドでもリード投資家を務めている(Did Dacheはその後最大のライバル、Kuaidi Dacheと10億ドルの評価額で合併した)。

〔日本版〕ソフトバンクが発表した日本語プレスリリースはこちら(PDF)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SMX Advanced 2015-パンダアップデートの予告あり!Googleの中の人になんでも聞いてみよう!

6月2日~3日にシアトルで行われているSMX Advancedにアイオイクスの本田と菅尾が参加しています。初日のプログラムを終えましたが、SMXではおなじみのセッションである、”Googleの中の人になんでも聞いてみよう”の内容を先んじてお伝えします。今回のセッション以外の内容は、来週から順次アップする予定です。また、セッション後のフリータイムで尋ねた質問や、パーティでの雑談なども織り交ぜて紹介させていただきます。まずは、今回のSMXの目玉とも言えるセッションを速報記事として掲載させていただきます。

原題:AMA With Google Search

Moderator: Danny Sullivan, Founding Editor, Search Engine Land (@dannysullivan)
Speaker:Gary Illyes,Webmaster Trends Analyst,Google(@methode)

ダニー:このセッションを始める前に、まずはある動画を紹介させていただきたい。

長年に渡りSMXに参加していたマット・カッツ氏を偲ぶ(?)動画が流される。

ダニー:御存知の通り、SMXに必ず参加していただいたマット・カッツ氏が今回はいない。しかしながら、ゲイリー・イリーズ氏が参加してくれている。マット。今までありがとう!!

それでは最初の質問をしてみよう。

新しいマット・カッツは誰なんだい?(会場大爆笑)

ゲイリー:(少しの間を置いた後に)今までマットが一人でやっていたことを、これからはチームでやることになる。スパム対策を担当する者、アップデートを報告する者などでわかれる。兎にも角にも、マットは素晴らしい人であることは間違いない。

ダニー:OK!それではパンダとペンギンの話をしよう。実際のところ、今はどんな感じなんだい??

ゲイリー:パンダについてだが。。。この2-4週間以内にアップデートを行う。具体的な日時は伝えられないが、パンダ担当のチームがデータの更新を行なっている。そうだね。2週間以内とはここでは言えない、という感じのスケジュールだ。

ペンギンについて何かを伝えるのは難しい。アップデートを継続的に行うように取り組んでいるが、予定よりも数ヶ月遅れている。変更すべき箇所が沢山あるんだ。

ダニー:パンダのデータ更新のスケジュールについて聞きたい。数ヶ月に一度更新されるというスケジュールかな?

ゲイリー:Googleの目標としては、数ヶ月に一度よりも多く更新したいと思っている。しかし、データの中にノイズが入っていたりするため、実際に行うには非常に難しいと言える。

ダニー:ペンギンの更新頻度はもっと高くなるのでは?

ゲイリー:ペンギンは継続的な更新を目標としている。しかし、パンダについては、今のところは、手動でのアップデートが必要とされている。

ダニー:ジョン・ミュラー氏のパソコンにあった“Google penalty server” とはいったいなんなのだろうか?

注:先日行われたハングアウトで、あるユーザーから自身のサイトがペナルティを受けているかどうか?という質問に対しジョン・ミュラー氏がペナルティの有無を即答していた。その時のキャプチャに、ジョン氏のパソコンが写っており、どうやらなんらかのツールを使い、ペナルティの有無をすぐに確認していたようであった。それに対する質問を投げている。

ゲイリー:そうだね。我々は該当のサイトがペナルティを受けているか、すぐに調べることが出来るツールを持っているよ。

ダニー:ちょっとそのツールを見せてくれない?(会場爆笑)

ゲイリー:ええとね。無理だね。(会場大爆笑)

ダニー:我々がどの時点でペナルティを受けたか判断する方法はあるかな?

ゲイリー:Googleは、Googleが取り組んでいることをもっとはっきりとみんなに伝えようとしている傾向がある。ブログなどで、我々が取り組んでいることを報告しているが、間違ったことに注力している人が驚くほど多い。我々が意図したところと別の箇所に注目してしまうんだ。結局のところ、高品質なコンテンツを作ることでリンクを集めることができる。結果として、Googleのランキングも上昇する。個人的なサイトで実践済みだ。このやり方がうまくいくはずだ。

ダニー:アップデートについてはっきりと言ってくれないから、我々が勝手に名前をつけているよ。(ピジョンアップデートやモバイルゲドンのように)

ゲイリー:OK.それじゃ、ピジョンアップデートを今から”タイタニック”とでも改名しようか?(会場爆笑)ちなみに、前もって説明することは大事だが、それが不可能な場合もある。ハッキングされたサイトに対するアップデートがあった場合、それを事前に通知することは難しいだろう。

ダニー:話題を変えよう。クオリティアップデートについてだ。

ゲイリー:担当のチームが取り組んでいるんだけど、クオリティアップデートについてはあまり話せることはないかな。

ダニー:Googleはどのようにしてサイトの品質を査定しているの?どんなシグナルがあるか、詳細に話してくれないか?(会場爆笑)

ゲイリー:クビになってしまうよ(会場大爆笑)

ダニー:クリック率はどうかな?Googleはデータを取っていると思うが。

ゲイリー:クリック率を直接ランキングに反映させることはない。ノイズが多すぎる。

ダニー:全く使用していない?

ゲイリー:場合によるだろう。パーソナライズの場合は、過去にクリックしたサイトを考慮するかもしれない。例えば”Apple”と検索した場合、その人がコンピュータの会社か、果物を探しているか、過去のクリックしたサイトを参考に、検索結果に反映する場合もある。もしも、パーソナライズではない検索結果の順位を操作するために果てしなくクリックを続けるのであれば。。。ご勝手にどうぞ、という感じだ。

ダニー:モバイルゲドンについては?

ゲイリー:どのくらいの影響があったかを伝えることは難しいが、今回のアップデートは成功したと思っているよ。

ダニー:影響が大きかったという人もいれば、少なかったという人もいる。潜在的な影響は非常に大きいということは理解できるが、実際の規模はどうだったのだろうか?

ゲイリー:影響を受けたURLとクエリの数は、パンダとペンギンを合わせた数よりも大きかったよ。しかし、今回のアップデートの直前に、非常に多くのサイトがモバイルフレンドリーに適用したという事実はある。結果として、Googleが予想していた規模よりも、実際の規模は小さかったね。ざっくりと、50%くらい影響があると思っていたが、実際には17%くらいだった、というようなイメージだ。

ダニー:App Indexingについて。Googleはアプリの作成を薦めているように感じる。しかし、全ての人がアプリを必要としているのだろうか?

ゲイリー:全ての人がアプリを必要としているとは考えていない。情報提供型のサイトなどは必要ないだろう。しかし、例えば、中古車販売のサイトであれば、アプリは必要と言えるだろう。Googleとしては、ユーザーに、コンテンツを利用する新たな方法を提示しているだけだ。必要であればインストールすればいい。これは、ユニバーサル検索と似ていると思う。Webサイトのみならず、動画や画像を検索結果に表示することで、様々な形を提供しているのだ。

ダニー:ダイレクトアンサーの数は増加していると感じている。他のサイトのトラフィックを奪っているのではないか?SEOはもはやなくなってしまったのか?

ゲイリー:いや、SEOがなくなったとは思わない。SEOはユーザーにとって有益であると思う。ちなみに、我々はダイレクトアンサーをフィーチャー・スニペットと読んでいる。

ダニー:確かに、ダイレクトアンサーのお陰でトラフィックを多く獲得しているサイトもあるだろう。どのくらい増えたか、教えてくれるかな?

ゲイリー:詳しくはわからないけど、Googleが完全な答えを表示できていない場合は、特にトラフィックが増えているのでは?ブランディングにも貢献できていると思うけど、測定は難しいね。

ダニー:ダイレクトアンサーに取り上げられた場合、オーソリティを獲得したと認識してもよいのか?

ゲイリー:ダイレクトアンサーに取り上げられたということは、そのクエリに対する答えを提供しているということだ。それ以上はない。

ダニー:エンティティについて。リンク以上に強いシグナルと言えるのだろうか?

ゲイリー:構造化データが無いサイトを理解することはGoogleにとっては難しいことだ。ナレッジグラフなどで使用しているソースは、Wikipediaが多いね。他のソース、そうだね、データベースとしておくが、そこから情報を引っ張ってくる場合もある。

ダニー:Twitterが検索結果に表示されるようになった。

ゲイリー:私が知るかぎりでは、SEOにおける影響は少ないと思う。通常は、シグナルとして使う要素は、長い間有効であるものが条件となっている。Twitterの場合、ファイアーホース(Twitterが保有するデータベース)に依存しているため、ファイアーホースが使用できなくなると、非常に困ってしまうよね。

ダニー:クロムやアンドロイドなどからユーザーのデータを取得して使っているか?

ゲイリー:ノイズが多くてランキングシグナルとしては使えない。さっき話したクリック率と同じような感じだ。

ダニー:動画コンテンツは?

ゲイリー:通常の検索では考慮していないが、動画検索だとそうとは言えない。

ダニー:サイトのセキュリティについて。

ゲイリー:個人的には非常に重要だと考えている。

ダニー:コンテンツの品質について

ゲイリー:ユーザーにとって有益なコンテンツであれば、ユーザーはそれを好む。リンクを張るようになり、結果としてランキングもあがるかもしれない。これがクオリティ。

ダニー:絵文字は結局どうなるのだろうか?

ゲイリー:近いうちになくなるだろうね。

今回のSMX Advancedからマット・カッツ氏が不在のセッションとなります。少々悲しい気分にもなってしまいますが、それを逆手に取り、ネタにしてしまうところがダニー・サリバン氏らしいですね。パンダアップデートについては新情報と言えるでしょうが、その他は既知の情報の確認といったところでしょうか。冒頭でもお伝えしましたが、SMX Advancedでの他のセッションレポートは来週から掲載予定です!– SEO Japan

誰もが何でも学べるUdemyが早くもシリーズDで$65Mを調達…企業のためのカスタム課程も提供

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多様なコースを提供して、誰もが何でも学べるオンラインの自主学習プラットホームUdemyが、このほどシリーズDで6500万ドルを調達した。このラウンドをリードしたニューヨークのレートステージ(late-stage, 成熟期)専門のVC Stripes Groupは、ほかにもGrubHubやElance/Odesk、Blue Apronなどマーケットプレース系スタートアップの大手をポートフォリオに抱えている。

既存の投資家NVPとVenture Partnersもこのラウンドに参加し、Stripe Groupの常勤パートナーKen FoxがUdemyの取締役会に加わる。これでUdemyの調達総額は、2010年のローンチ以来の累計で、1億1300万ドルになる

Excelのモデリングからラップの歌い方に至るまで、Udemyが今提供しているコースは3万以上あり、インストラクタは全世界から17000名、80の言語が使われている。料金はインストラクタ自身が決めるが、1コース20ドルから100ドルあたりがいちばん多い。

“すばらしい先生が世界中にいるけど、必ずしもその全員が教室で教えているわけではない”、とUdemyのCEO Dennis Yangは述べる。

“われわれを取り巻く世界はますます急速に変わりつつあるから、従来の教育システムは変化に追随できない”、と彼は言う。

とくにそう言えるのが、テクノロジ産業だ。Yangによると、Apple Watchのローンチから今日(こんにち)までの数か月で、Apple Watchのアプリ開発を教えるコースが130以上(6言語)Udemy上に登場した。物理的な建物のある学校や大学では、どうだっただろうか。

このプラットホームの人気トップのクラスが“The Complete Web Developer Course”(完全なWebデベロッパコース)で、今現在11万1000名の生徒が、この29時間のコースでさまざまなプログラミングスキルを学んでいる。

Udemyは同プラットホーム上に登場したコースを監視し、インストラクタが自分のコンテンツを良くするためのツールも提供しているが、実質的にコースのクォリティをコントロールしているのは700万人のユーザだ。良いコースは評価が上位になるし、リビューによる競争があるためインストラクタはつねに、自分のレッスンの改良に努めざるをえない。

Stripe GroupのKen Foxはこう言う、“Udemyがこれだけ強力なのは、レッスンの制作と開設を既存の教育機関に依存していないからだ。いわばUdemyは教えることの民主化であり、誰から教わるのがいちばん良いかを生徒自身が決める”。

このことは、合衆国以外の国々にいるUdemyの全ユーザの2/3にとって、とくに有益だ。それらの国では、教育へのアクセスが困難な場合もある。Udemyの売上の半分は合衆国以外からであり、Yangによると、英語以外を母国語とする人びとのためのコースが、このところますます増え、多様化しているという。

今回の資金の多くは、Udemy for Businessの拡充整備に充てられる。今ではおよそ200の企業が、自社の社員のための独自の教育ポータルをUdemy上に構築している。たとえばGoldman Sachsは、Udemyを使ってアナリストを教育訓練しており、そのために、自社製のコンテンツと、Udemyから選んだコースのミックスを使っている。

“この惑星の上には70億の人間がおり、そのほとんど全員が、教育の価値を認めている。うちは今700万人だから、その上っ面(うわっつら)をちょっとかすったにすぎない。だから、成長の余地がものすごく大きいと言っても、けっして過言ではない”、とYangは語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

BQとCanonicalが第二のUbuntuフォーンをローンチ…ニッチ市場が定着か

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LinuxディストリビューションUbuntuを提供しているCanonicalが今日(米国時間6/2)、スペインのメーカーBQとのパートナーシップにより、第二のUbuntuフォーンをローンチする、と発表した。そのBQ Aquaris E5 HDの基本仕様は、今のAndroidハイエンド機と肩を並べるものではないが、同じBQによる最初のUbuntuフォーンよりは、やや仕様がアップしている。

初代Ubuntuフォーンは、ディスプレイが4.5インチ540×960と平凡、RAMは1GB、プロセッサはMediaTek A7で、人びとの買う気をそそるとは言いがたい製品だった。今度の二代目は、同じくMediaTekのクワッドコアプロセッサと、わずか1GBのRAMという仕様だが、そのほかの点では、いくぶん良くなっている。

ディスプレイは720×1280、最大輝度380cd/m2だから、かなり良いが、それでもまだ完全なHDディスプレイではない。13mpxのリアカメラ(フロントは5mpx)も、前の8mpxよりはハイスペックだ。フラッシュはデュアルフラッシュで1080pの録画が可能、そして二つのSIMをサポート。

発売は当面ヨーロッパのみで、小売価格は199ユーロ90セントだ。

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初代機と同じく、E5も最初からAndroidバージョンがある。その性能は最新のMoto G 4Gと肩を並べるから、悪くはない。Androidフォーンの仕様としては、Huawei Ascend G740などの同価格帯の製品とほぼ同じだ。

Canonicalのモバイル担当VP Cristian Parrinoがこう言っている: “新しいオペレーティングシステムを市場に持ち込むためには、現状を打破しようとするパートナーの強い意思が必要だ。BQは果敢なイノベーターであり、同社がUbuntuで背負ったリスクはすでに報われている。ヨーロッパにおけるこの第二のデバイスのローンチは、両社にとってすばらしい進歩の印(しるし)だ”。

モバイルの市場は競争が熾烈だから、新しいオペレーティングシステムをローンチするためにはまさしく、冒険を恐れないパートナーを必要とする。Canonicalの取り組みと似た立場にあるのが、MozillaのFirefox OSだろう。Androidはローエンドでも強いから、CanonicalやMozillaのようなマイナー勢力が食い込むのは至難の業だ。

Canonicalの今の立ち位置では、一部のオープンソース信奉者をファンにすることはできても、遠くない未来にモバイルUbuntuをメジャーに押し上げることはありえまい。来年が、‘携帯もLinux’の年にならないかぎり。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

カード決済だけやるのではなく、金融システムを作りたい—メタップスが電子マネーを提供する理由

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2月に43億円の資金調達を実施し、人工知能によるデータ解析を元にしたアプリの分析・広告配信事業を展開しているメタップス。今では広告のほかに宇宙やロボット、オンライン決済などの事業を展開している。

そのオンライン決済プラットフォームである「SPIKE(スパイク)」に関するアップデートがあった。メタップスは6月2日、SPIKE上でプリペイド型電子マネー「SPIKEコイン」の提供を開始したことを発表した。

SPIKEは、ウェブサイトにリンクを設置するだけで利用できるオンライン決済サービス。月額100万円までの決済であれば無料で利用することができる。2014年3月にクローズドベータを開始。同年4月から一般公開をしている。

SPIKEコインはそのSPIKEユーザー向けの電子マネーとなる。大きな特徴は、毎年保有額の1%の電子マネーをユーザーに付与すること。また、SPIKEで決済した金額の最大5%の電子マネーが付与されるという。

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カード決済をしたいのではなく金融のシステムを作りたい

さてここまでが昨日発表されたリリースの内容。それではなぜメタップスが電子マネーを提供するのか? 代表取締役の佐藤航陽氏に聞いたところ、「そもそもSPIKE自体、決済だけをやりたかったのではない。金融のシステムを作りたかった」という答えが返ってきた。

SPIKEを立ち上げた際にも、「現在の『お金』が作り出した世界全体の矛盾を解消するのが目的」「通貨や経済システムも競争にさらされたほうが切磋琢磨してより健全になると考えていた」と語っていた佐藤氏。決済サービスは、そんな世界を実現するための第一歩だったのだという。「ポイント・電子マネーは加盟店が大事。まずはカード決済でその面を取れないか考えた。加盟店も増え、そろそろ(SPIKEコインの提供に向けて)いい時期になった」(佐藤氏)

メタップスがSPIKEで考えている金融のシステムだが、楽天の掲げる「楽天経済圏」のようなモノを作ることが当面の目標のようだ。加盟店の決済をおさえ、ポイントで顧客を囲い込みをする。顧客は共通のIDで、さまざまなサービスを利用していくというものだ。

とはいえ、SPIKEコインを提供する理由はそんな構想をぶち上げるためだけではない。SPIKEコインの流通によって、決済手数料が削減できるというメリットがあるという。通常カード決済を行うのであれば、トランザクションごとにカード会社の手数料がかかる。しかしそれがポイントに置き換われば同社のサーバ上での処理で済むため手数料がかからなくなる。

またメタップスでは、SPIKEコインで商品を購入したり、商品購入時にSPIKEコインが付与される「SIPKEマーケット」も立ち上げている。現状では商品数が20点もなくて寂しい状況なのだが、今後は希望があればSPIKE加盟店の商品も販売していく予定だ。「集客に困っている店舗もいる。店舗が希望すればその支援もしていきたい」(佐藤氏)

Magic Leapが拡張現実の開発プラットフォームを発表

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Magic Leapは自社のプラットフォームに拡張現実のコンテンツを製作するゲーム開発者や映画製作者、その他のクリエイターを呼び込もうとしている。本日Magic Leapは、MIT Technology Reviewの開催するEmTech Digitalカンファレンスのステージに登壇し、どのようにそれを実現するかを発表した。Magic Leapは開発プラットフォームを近いうちにローンチする予定だ。Magic Leapのウェブサイトに新設された開発者ページからSDKの利用の申し込みを受け付けている。UnrealとUnityのゲームエンジンに対応していて、SDKは近いうちにリリースされるとMagic Leapはツイートしている。

訳:Graeme DevineがUnityとUnrealのエンジンに対応したSDKをTechReviewで発表。近々リリース予定。

Magic Leapは表立った行動をしないことで有名だ。Googleや他のトップ企業から、昨年の10月に5億4200万ドルを調達するまで、ほとんどの人が彼らの存在を知らなかった。先月になってようやく、彼らの開発している技術で何ができるかを公表した。動画では、拡張現実のテクノロジーで、ユーザーが実際に勤務しているオフィス内で自分の目線でプレイできるファーストパーソン・シューティングゲームができることを見せた。

今日の発表では、AR技術をどのようにユーザーに届けるかについての詳細が明らかになった。

CEOのRony AbovitzとChief Futurist/superstar(チーフ未来主義者兼スーパースター)でSF小説家でもあるNeal Stephensonと共に登壇した、Chief Creative Officerを務めるGraeme Devineは、ARのプラットフォームの計画について話す前に、秘密にしていたことを知らせしたいと言った。「このプラットフォームで開発者向けのトレーニングを提供したいと思います」とDevineは開発者にMagic Leapのサイトに行ってサインアップすることを促す直前に伝えた。後にこのSDKについて「これは本当です!」とツイートで高らかに宣言している。

Magic Leap、CEOのRony Abovitz、Chief Creative OfficerのGraeme DevineとChief Futurist/superstarでSF小説家のNeal Stephenson (左から)

Magic Leap、CEOのRony Abovitz、Chief Creative OfficerのGraeme DevineとChief Futurist/superstarでSF小説家のNeal Stephenson (左から)

 

Magic LeapのプラットフォームはUnityとUnrealに対応しているが、これはTechCrunchのライターであるSteve O’Hearが、 昨年の10月にMagic Leapの採用情報にUnityに関する記載があったことから、両社のテクノロジーは互換性があるのではないかとの予想と合致している。

Magic Leapの開発者ページには、以下のように記載されている:

「私たちのDynamic Digitized Lightfield Signal™を使用することで、現実にある物と製作した映像との境が薄らいでいきます。製作した映像を現実世界に違和感なく配置できる様を想像してみてください。あなたも世界を永遠に変える最初の一人になることを考えてみてください。現在、公に話せる内容は限られていますが、正当な秘密保持がある中で、今後の可能性について話したいと思います。」

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Magic Leapのもう一つの重大発表は、調達した累計5億9200万ドルの資金のいくらかで、30万平方フィート(およそ2万7870平方メートル)に及ぶ、初の製造施設をフロリダに建設するということだ。そこでは「photonic lightfield chip (フォトニック明視野チップ)」を製造するとAbovitzは伝えた。このチップは目の前のスクリーンに映像を投影するのではなく、直接目に投影する方式で拡張現実を体験できるヘッドセットに埋め込まれるという。

Abovitzは「私たちの調査研究は終わり、実際のプロダクトに応用する段階に来ています」と説明した。自社の製造施設の建設した理由について尋ねられると彼は、「私たちが今説明している物は、まだどこにも販売されていないような物なのです」と答えた。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

USB-Cのリバーシブルコネクタを使うThunderbolt 3はMacBookProが待っていた究極のポート

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Intelが今年のComputexカンファレンスでThunderbolt 3の仕様を公表した。AppleがMacBookの未来として掲げるシングルI/Oというビジョンは、このポートで実現する、と言っても過言ではない。Thunderbolt 3はUSB-Cのリバーシブルコネクタを使い、USB 3.1の規格をサポート、そのデータ伝送スピードはThunderbolt 2の倍の40Gbpsに達し、60Hzの4Kディスプレイを2台同時に駆動できる。

来年の新型MacBookでは、そのシングルコネクタがUSB-Cのコネクタになり、それはUSB Power Deliveryの仕様により最大100Wの送電が可能になる。またUSB 3.1対応により、USB-Cのケーブルでアクセサリやアダプタも接続できるようになり、より広帯域のThunderboltと、複数ディスプレイの接続も可能になる。

これぞまさしく、AppleがMacBook Proに求めていたものだ。それは今の12インチMacBookの心の兄弟だが、外付けハードディスクやSSDなどの多くのメーカーがUSB-CとUSB 3.1に移行していけば、なお一層、“プロ”の名にふさわしい大きなアドバンテージを享受できる。

Intelによると、新しいコネクタは今年の後半に発売し、フル生産の開始は2016年になる。ということは、Thunderbolt 3対応のMacBookや、できればモバイルデバイスが初登場するのは来年と見てよいだろう。USB-Cのリバーシブルポートは、小さなモバイルデバイスの貴重なスペースの節約にも貢献するのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MongoDBが既存のデータ視覚化ツールやBIアプリケーションと接続するためのコネクタを発表

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オープンソースのデータベースプラットホームMongoDBが今日(米国時間6/2)、ニューヨークで行われた同社のMongoDB Worldカンファレンスで、いくつかのアップデートを発表した。その中には、Tableauなどのデータ視覚化ツールの統合も含まれる。

MongoDBは従来のRDBと違って非定型データを扱える自由性があるため、今では多くの企業のアプリケーションで利用されている。それが、MongoDBを使う主な理由の一つだが、でもデータを視覚化することが必要になると、これまで使ってきたデータ視覚化ツールで非定型データを扱うのは難しい。MongoDBのストラテジー担当VP Kelly Stirmanは、そう説明する。

彼曰く、“それらのアプリケーションが現代的と言われるのは、従来の行(row)と列(column)のデータベースでは扱えない豊富なデータ構造を使うからだ”。

その便利で現代的なMongoDBがもたらした予期せざる結果に対応するため同社は、BI(ビジネスインテリジェンス)やデータ視覚化ツールと接続するためのコネクタを発表し、後者の一つの例として同社のパートナーTableauを紹介するとともに、そのほかのツールでもコネクタが同様に使えることを明言した。

“Tableauは弊社のパートナーだが、しかしコネクタは、IBMのCognosやSAPのBusinessObjects、Microsoft Excelなど、そのほかのツールとの互換性もある。そのコネクタはSQLベースのODBCツールとの互換性もあるから、ほとんど何にでも対応できる”。

Stirmanはさらに加えて、“何百万ものユーザがこれらのアプリケーションを毎日のように使っているが、これまでそれらは、MongoDBとは断絶した世界だった”、と語る。そこで新たなコネクタが、両世界を橋渡しすることになる。

これまで、既存のデータ視覚化ツールでMongoDBとそのデータを扱うためには、大量のプログラミング努力を要し、そのために費やす時間と費用は膨大だった。しかし、“コネクタを使えば、既存の視覚化ツールが、あいだにレイヤを必要とせず、MongoDBのデータにアクセスできるようになる”、と彼は説明する。

同様の発表を先週、Salesforce.comも行ったが、それは今回のMongoDBのケースとは逆で、外部データをSalesforceの視覚化ツールWaveで、Salesforceのデータと共に視覚化するためのコネクタだ。

MongoDBの場合と同じく、それまでは、プログラミングで苦労すれば外部データをWaveで見ることは可能だった。そしてSalesforceも今回のMongoDBと同じく、外部との円滑な接続性を実現することはベンダ自身の責任だ、と悟ったのだ。両社が作ったコネクタにより、データソースと視覚化ツールとのあいだのデータ移動やデータアクセスが、簡易化された。

MongoDB 3.2には、コネクタのほかに、REST対応の暗号化や、データベースアドミンのためのGUIなども導入される。その一般公開は、今年の第四四半期の予定だ。

MongoDBはこれまで、投資家たちの関心を大いに集め、総額で3億ドルあまりを調達している。最近のラウンドは、なんと、今年の1月のシリーズGで、8000万ドルを獲得している。

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FirefoxがPocketを統合、読むことに集中できるビューを提供

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MozillaのFirefoxブラウザが今日(米国時間6/2)リリースのv38.0.5から、簡易ブックマーキングサービスPocket最初から統合する。またリーダーモードでは、AppleのSafariのリーダーモードや、人気のエクステンションReadabilityブックマークレットに似た、読むことに集中できるリードモードが提供される。

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MozillaがPocketのようなサードパーティサービスを統合するのはきわめて異例だから、Firefoxユーザ、中でもとくにリーディングリストをよく使っていた人にとっては驚きだろう。その機能は今では削除され、結果的に、プロプライエタリなサービスが優遇されている。

PocketはMozillaのFirefox Accountsを統合して新たなアカウントを作り、ユーザを登録する。そしてPocketのボタンがFirefoxのユーザインタフェイスの目立つ位置に鎮座する。そのほかのアドオンやブックマークレットを使いたい人は、Pocketボタンを簡単に隠せる。ただし、もはやアドオンではないから、完全に無効化するのはやや難しい。

これは、Firefoxのユーザを落ち着かない気持にさせるかもしれないが、ユーザ数が一挙に増えるPocketにとっては朗報だ。PocketのファウンダNate Weinerは、”Save”(URLの保存)は機能ではなくプラットホームであるべきと主張しており、ブラウザ本体が内蔵する機能よりも、クラウド上の魅力的なサービスであるべき、と言っている。Mozilla自身がそんなサービスを立ち上げてもよかったのかもしれないが、iOS、Kindle、Android、Windowsなど多様なプラットホームに対応するのはたいへんすぎる、と最初から諦めたのかもしれない。

新しい、集中を削がれないリーディングモードは、誰もが期待するとおりの機能だ。そのほかのブラウザの類似機能と同じく、Webサイトからテキストだけを取り出して表示し、広告やメニューなど、邪魔になる要素を隠す。機能としては、フォントのサイズ指定、フォントスタイル(セリフ/サンセリフ)の切り替え、背景の暗色明色の切り替えなどがある。そのリードビューでも、Pocketのボタンが目立っている。

そのほかの新しい機能は、MozillaのWebRTCベースのビデオチャットツールFirefox Helloにおける、画面共有ぐらいだ。

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Facebook、企業ページ向け返信テンプレートをテスト中

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Facebookは、”Saved Replies” と呼ばれる新機能をテストしている。ビジネス用Facebookページのオーナーが、返信文を保存しておき、顧客とのやりとりで再利用できるものだ。これによって企業はカスタマーサービスその他の顧客対応時間を節約できる。

現在同機能は一部のFacebook Pageオーナーが利用可能で、管理者は返信文を作成、保存できる他、返信文リストの中から最適なものを見つけるための検索も可能だ。大量に返信文の種類があるユーザーには特に便利だ。
企業向けにいくつかのサンプル返信文が用意されていて、それをカスタマイズして使うか、一から作ることができる。設定が済めば、保存した返信文をリストから選ぶだけでメッセージ本文に挿入される。

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【Pageオーナーの Saved Replies インターフェース】

もう一つ便利なのは、返信文自体にメールで見られるような自動パーソナル化機能だ。相手や管理者の姓、名、ウェブサイトのURLなどを埋め込むことができる。

Saved Repliesは現在限定的に提供されているが、利用中の会社も新機能についてFacebookから聞かされていなかったと言っている。ある日メールを開いて顧客に返信しようとしたら、オプションがそこにあった。他のPage管理者は、自分のページにこの機能がまだ来ていないと言っていた。

Facebookが正式公開前に小グループでテストするのはいつものことだ。

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  2. replied-with-saved-response.png

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大企業はZendeskやFreshdesk等のヘルプデスク専用プラットフォームを使って、Facebook上で始まったカスタマーサービスを処理することもできるが、現在返信文のリストを作ってコピー&ペーストしている小さな会社にとって、Saved Replies機能は有用だろう。

ここ数年、Facebookは徐々に企業ユーザー向けのコミュニケーション管理、ページ管理機能を追加してきた。例えば、数年前にFacebookはキーワードに基づくブロックリスト機能を導入し、スパムその他の不適切なコメント削除を支援している。

Image credits: MyTechSkool; Belletoppers.com

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramがアプリインストールボタン、購入ボタン、ターゲティング、APIの追加で広告事業に本腰を入れる

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Instagramは大金を稼ぐ準備が整ったようだ。一年半に及ぶフォーマットと基本的なターゲティングの検証を経て、 Instagramは広告主に対してより優れたツールの提供を開始する。「Shop Now(今すぐ購入)」「Install Now(今すぐインストール)」と「Sign Up(サインアップ)」のボタンの追加、ユーザーの興味やデモグラフィック別のターゲティング、そして大企業が広告を効率的に管理できるAPIを提供する。

Instagramの広告は、2013年10月のローンチ以来、大手ブランドがユーザーに自社を覚えておいてもらうのに使用するには最適な広告だった。今回の変更により、直接ユーザーに何かしらのアクションや、商品の購入を訴求したいマーケターにとっても便利なものとなる。広告代理店はより多くの資金をInstagramに使うようになることが見込まれる。APIでは、Instagramでフォローする人やFacebookでの「いいね!」などの情報からユーザーの興味に基づくターゲティングが可能となり、この写真ネットワークは、Twitterのインタレストグラフと対抗するようになるだろう。

Shop Now. Kendra Scott Example

Instagramのユーザーにとっては、新しいフォーマットが一番の大きな違いになるだろう。「アクション志向」と呼ばれるこのフォーマットには、ボタンが画像の下に表示される。上のモックアップの画像のように、商品を購入したり、アプリをダウンロードしたり、サービスにサインアップするためのボタンだ。

これは、Instagramが今年の初めに発表したマルチフォトのカルーセル広告の延長線上に作られている。他にも「Learn More(もっと読む)」ボタンもあり、今回の変更で初めて、Instagramの広告はクリックできるようになった

ボタンをクリックしても完全にInstagramから離れないのが特徴だ。代わりにアプリ内で小さなブラウザが開き、ユーザーが購入やダウンロードなどのアクションを終えたらInstagramへと戻る仕組みだ。

Instagramは、これまでもユーザーをアプリ内に留めようとしてきた。TwitterにInstagramの写真が直接表示しないのもその考えがあるからだ。Global Head of BusinessとBrand Developmentを率いるJames Quarlesは彼らの理念でもある、スムーズで直感的に写真をブラウズする体験を壊さないようにしたいと話した。「Instagramは、ウェブの一覧やページの集まりではないので、リンクを集めることに意味はないのです。最も重要なのは、ユーザーが撮った写真です。ユーザーはInstagramの写真をリツイートしたり、友人の写真をInstagramに再度投稿したり、リンクを送ることもありません」とQuarlesは私たちに説明した。「ビジネスに関しては、アプリ内のブラウザを見ることは、とてもライトな体験だと考えています。そしてアプリにも戻ってこれる。シンプルであることに私たちは価値を感じていて、この形式はそれに見合うものです」。

Facebookが検証しているような、Instagramのアプリ内でeコマースの決済ができる機能などは検討していますかと尋ねた所、Quarlesは「アプリ内コマースについての機能は今回はありません」と答えたが、「その分野はとても注意深く見ています。写真からインスピレーションを受けて、決済するまでの障壁をできるだけ減らしたいと考えています」と続けた。

今日発表した機能や新しいフォーマットは、これから徐々に公開される予定だ。今週後半にでもスペインでの検証を始める予定でいる。

Install Now. Class Pass Example

新しいターゲティングに関しても、既存のInstagramの広告とFacebook(Instagramの親会社)のユーザーデータを合わせたものを拡張した形だ。これまでInstagramの広告主は、年齢、性別と国別で広告のターゲットを設定することができた。これから少しずつ、より広範なデモグラフィックやユーザーの興味関心のデータを活用することができるようになる。加えて「情報ビジネスが持つ自社のカスタマーデータ」に基づきターゲットを設定することも可能だという。これは、FacebookのCustom Audiencesの広告に良く似ている。Custom Audiencesは、広告主が既に自社で保有しているメールアドレスに対応する人をターゲットに設定することができる機能だ。

ユーザーが広告を煩わしく不快に感じる場合の対応策として、Facebookは「Instagramのフィードバックシステムを改善し、ユーザーと関連する広告が表示されるようにすると共に、ユーザーが広告をある程度コントロールできるようにする」と伝えている。

Sign Up. Taylor Morris Example

Instagramは、この広告機能を大小関わらず全ての企業に提供できるようにすると伝えた。InstagramとFacebookの広告購入ツールを統合すること、そしてInstagramの広告のAPIのローンチを指している。このAPIでInstagramは広範なソーシャル広告プラットフォームとつながることになる。

大規模な広告を展開する広告主は、大量の広告の変数やターゲットの設定オプションをプログラムでコントロールできるようになり、手作業での管理は減り、自動で最も効率的な組み合わせに最適化されるようになる。InstagramのAPIは、サードパーティーの広告管理ツール市場を賑やかにすることになるかもしれない。特にキャンペーンに用いる画像といったクリエイティブな要素の最適化に焦点が当てられるだろう。

APIの最初のパートナー企業には、4C、Brand Networks、Ampush、Kenshoo、Laundry Service、MediaVest (Publicis)、Nanigans、 Olapic、Resolution Media (OMG)、Salesforce、 SocialCode、Social MoovとUnifiedが含まれている。

何故注目が集まっているのか?「今回の発表で最も重要なのは、FacebookがInstagramの広告をスケールさせる準備が整ったということです。そして、彼らはユーザー志向の広告において、自社のプロダクトやウェブでの成功を元に、スケールのための法則を理解しています」とBuddy Mediaの共同ファウンダーで、現在はSalesforce.comのChief Strategy Officerを務めるMichael Lazerowは話した。

Facebookの最初の広告はAppleが購入したが、彼らは多様なビジネスが使えるツールを開発していった。Instagramも同じ道を辿っている。Quarlesはこのことについて「数百の大きい広告主から裾野を広げ、次の1000社を取り込むのがこの戦略の重要なポイントです」と話した。Instagramの親会社でもそうであったように開発者が利益を導く。モバイルでのアプリインストール広告は先の四半期だけでFacebookに24億ドルをもたらした。Instagramにもそれが登場する。

Lazerowは、「Facebookの広告事業にとって今回の開発は、彼らが2014年10月に公開したモバイルの Audience Networkの開発以来、最も価値があるものになるでしょう」と締めくくった。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Amazon、配送ボックスを映画「ミニオンズ」でラッピング

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看板も雑誌広告ももう古い。広告主がブランドを多くの人前に曝らしたいなら、Amazonのダンボールに広告を載せるのが一番だ。いや、少なくともそれがUniversal PicturesとIllumination EntertainmentとAmazonが交わした新たな提携の主旨だ。この小売業者は顧客からの注文を、近日上映される映画『ミニオンズ」のキャラクターを配した輝くイエローの梱包ボックスに入れて出荷し始めた。この契約はAmazonが初めて配送ボックスを第三者ブランドでラッピングすることを許したものだ。

映画会社とAmazonのペアは、”Despicable Me”[邦題『怪盗グルーの月泥棒』]アニメシリーズ最新作にピッタリの企画だ。この人気映画は世界中で15億ドルの興行収入を上げ、登場キャラクターはすでに商品化されている。「ミニオンズ」は、ぬいぐるみ、フィギュア、ボードゲーム、ビデオゲーム、その他のオモチャ等大量の消費者製品に採用されている。靴下、靴、帽子、その他アクセサリーや、ベッドシーツ、カーテン、キッチン用品、壁紙からMottのアップルソースやジュース等のパッケージ製品にまで使われている。

そしてもちろん、Amazonも大々的に。

従来の印刷広告と同じく、Amazonの新ボックスはブランド自体の認知度を高めるだけでなく、映画の封切日(7月10日)を告知することによって作品のプロモーションを後押しする。箱にはAmazonの専用URLも書かれている。実はウェブサイト、amazon.com/minionsはあらゆる「ミニオン」グッズのための専用ショッピングサイトになっている。Amazonによると、映画の公開日が近づくにつれサイトにコンテンツが追加されるという。

Amazonは、このボックスが「選ばれた」配送センターから出荷され、本、電子機器、DVD、おもちゃ、スポーツ用品等様々な注文に対応するサイズを揃えているとも言っている。箱のサイズごとに、異なるミニオンが登場する ― スチュアートは大きな箱に、ボブは中サイズ、ケビンは一番小さな箱にといった具合だ。

パートナーたちはまず5月末に、ツイートFacebook記事でこの箱をチラ見せして、消費者の玄関先に「もうすぐ」ミニオンがやってくることを伝えた。ソーシャルメディアで見る限り、過去数週間に多くの顧客がこの箱が届くのを見ている(アップデート:本誌はこのボックスが5月25日から発送され7月10日まで続くことを確認した。

殆どの消費者(おっと、この男を除く)にとって新マーケティングキャンペーンの結果はポジティブのようだ。中にはある箱入手するためだけにAmazonで注文するつもりだとツイートしている人もいる。

契約の詳細はThe LA Timesが最初に報じた。

Amazonは、今後も同様のカスタムブランドボックスが使われる可能性があるのか、また今回のプロモーション期間中何人がこの黄色い箱を受け取るのかについてコメントを拒んだ。しかし本誌は、同社が今後も類似のマーケティングキャンペーンに対して門戸を開いていると理解している。

Image credit: Pantone, which has a Minions paint color.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

日本でも流行ってるの?ウェビナーを実践している企業をまとめてみた

数あるマーケティング施策の中でも、セミナーはホットリードを醸成し自社の魅力を効果的に伝えることのできる有力な施策です。近年、セミナーを更に進化させた、Web上で行うセミナー、いわゆる「ウェビナー」が徐々に増えています。特 […]

Apple、イヤホンを同時に2人で使うための特許を取得

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Appleはイヤホンの日常的使い方を便利にする巧妙な方法の特許(via AppleInsider)を取得した ― 特許書類に書かれたヘッドホンは、それぞれのイヤホンを複数のユーザーが使っていることを検出し、ステレオからモノラルへ自動的に切替えたり、全く異なるオーディオストリームを流したりする。

一つのヘッドセットを2人で使うのは公共交通機関等でよく見かける光景だ。Appleの特許によって、リスナーは単一トラックで最大限高品質な音楽(左か右どちらかのチャンネルではなく)を聞いたり、好みの異なる音楽やポッドキャストやラジオ局を2人が別々に聞いたりできる。

イヤホンはどうやって一人ではなく複数の人が使っていることを知るのだろう? 特許によると、複数のセンサーを用いて、単一あるいは複数ユーザーモードで動作すべきかどうかを判別する。例えば、ケーブルのY分岐点にかかる張力センサーや、光検知器、静電容量センサーなどを使って、装着状態や角度を推測する。

Appleの発明が最初に特許として出願されたのは2012年のことで、おそらく製品として出荷される可能性は高くない。しかし、このアイデアの陰には、人々が生活する中で実際に使っているやり方に、Appleの研究開発部門が目を配っている様子が表われている。実際これが必要となる場面に遭遇すれば、便利であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Midas Touchはたった100ドルでApple Watchを金ピカのEditionにするDIYキット

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金側のApple Watch Editionに1万ドル出す代わりにMidas Touch USBを使ってみてはどうだろう? これは凡庸なステンレススチールモデルに金の電気メッキを施すDIYキットだ。金色のペンキを塗ってごまかすのとは違い、これは本当に24カラットの金を化学的にメッキするプロセスを用いている。現在販売中のキットはステンレス側のApple Watch用だが、Sport向けの新しい処理法も開発されたという。

化学者のEric Knollは、Editionモデルの途方もない値段を聞いてこのキットを思いついたのだという。すでに資金の手当も終わり、まもなく出荷開始できるそうだ。

メッキのプロセスは以下のようなステップからなる。

まずApple Watchを特別な溶剤で洗浄し、油や汚れを除去する。

次にニッケルを溶かした前処液に浸ける。ステンレス側はクロームでコーティングが施されており、クロームはメッキできないため、メッキ可能なニッケルを結合させるのだという。

第3に、実際に金をメッキする。キットに含まれるUSBケーブルを使ってApple Watchに微弱な電圧をかけ、水に金の微粒子を溶かした液体をブラシで塗る。電圧によって金の粒子がステンレスの表面に固着し、金のコーティングが完成する。

残念ながらこの処理はAppleによる保証を無効にするはずなのでご注意。

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プロジェクトをスタートさせてからKickstarterには150人の支援者が集まり、2万ドルの資金を調達できたという。当初はその1回だけの特別企画のつもりだったが、反響が非常によかったので独立のビジネスへと拡張することにした。

ところでこのプロセスによるゴールド化の出来栄えはどうなのだろう? 先週、KnollはニューヨークのAppleストアに自家製ゴールド版を着けて入ってみたそうだ。すると金のApple Watchを見た従業員がVIPコンシェルジュ・サービスに案内したという。ただしマネージャーがKnollの購入履歴をチェックしたときに本物でないことがばれてしまった。 そうではあってもさほど金をかけずに成金に見せかけることができるというのは良いニュースかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Oculusが本格VRアニメ、Henryの予告編公開―主人公はかわいいハリネズミ

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Oculusは今年に入ってOculus Rift向けにオリジナルのコンテンツを製作すると発表して注目を集めたたが、第2作となる本格的なVRアニメ がOculus Story Studioで製作中であると発表された。監督はPixarでメリダとおそろしの森(Brave)モンスターズ・ユニバーシティ(Monsters University) でアニメーターを務めたRamiro Lopez Dauだ。

主人公のHenryは森に住むハリネズミで、アニメが始まると観客はHenryの家の中にいる。今日は Henryのお誕生日だが、Henryの棘を恐れて誰もお客が来ていない。ひとりぼっちのHenryは友達が欲しいと願う、というところからストーリーが始まる。.

この短編アニメのテーマは、製作者たちによれば、VRの特質をフルに利用して「誰もがハグしたくなるかわいい主人公」を造形することにあるという。スーパーヒーローものや叙事詩的に壮大なSFものとは一味ちがったVRならではの親密な体験を生み出すことが狙いだ。

Oculusは来年の製品リリースに向けて、メインストリームの消費者向に魅力をアピールする努力を続けていくことになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

日経発「任天堂の次世代ゲーム機はAndroidベース」を任天堂スポークスマンが完全否定?!

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Androidファンはがっかりかもしれない。任天堂の新しいゲーム機がAndroidベースだというのは誤報であるらしいのだ。任天堂スポークスマンの話としてWSJ.Dが報じている。任天堂がNXと呼ばれるAndroidベースのゲーム機を開発していると報じたのは日本経済新聞社だ。

日経のレポートでは、Androidを採用することで「あらゆるソフト開発者の参入を促すことができ、スマホやタブレットなどさまざまなデバイスに展開が可能になる」としている。これは任天堂の「歴史的大転換」ともいえるものであるとして、任天堂が最近になって(ようやく)モバイルプラットフォームに真剣に対応し始めた証であると述べていた。Androidはここ数年でゲーム環境としても大いに充実してきてもいる。日経新聞の主張では、この流れにのるのは任天堂にとっても適切な判断であるということことだった。ただ、今回の「任天堂スポークスマン」の話を紹介したWSJ.Dの記事により、話は根幹から覆ったこととなる。

「NXというゲーム機にAndroidを搭載しようとしているというような話はありません」と記事には記されている。

「NX」というものについてはまだ情報もほとんどない。しかし間もなく開催されるゲーム業界最大のトレードショーであるElectronic Entertainment Expo(E3)で何かしら明らかになるのだろう。任天堂はこれまでにもE3にて最新のゲームハードウェアを発表してきた歴史をもつ。ちょうどWii Uの新鮮味も薄れてきたところだ。NXについての詳細が明らかになるという段階ではあるまいが、何かしらの情報リリースは期待して良いものと思われる。

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(翻訳:Maeda, H

新興国にインターネットを無料で提供するにはどうしたら良いか?

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編集部記Nathan Eagleは、Crunch Networkのコントリビューターであり、Janaの共同ファウンダーでCEOを務めている。

多くのアメリカ人は「ネットワーク中立性」という言葉を聞くと、無関心な眼差しになり、困惑し、すぐに飽きた顔をする。しかし、インドのような新興市場にとって、ネットワーク中立性は全てに影響する重要な問題だ。

例えば、インドのバンガロールに住む22歳の女性であるPriyaの例をとってみよう。多くのアメリカ人同様、彼女はAndroidを搭載したスマートフォン(90ドル程の端末)を片時も離すことはない。私のように彼女は通勤時間にFacebookにアクセスし、友人たちと毎週お決まりのディナーの予定を決めるために連絡を取る。あなたと同じように、何十個あるアプリを使って、スポーツを観戦したり、ニュースを読んだり、家族の写真を見て楽しんでいるのだ。

しかし、欧米諸国の人には定額料金でモバイルからインターネットを無制限に使う、あるいはWi-Fiホットスポットを利用できる贅沢があるが、Priyaはどのアプリをどの程度の時間使えるかを計算しなければならない。Priyaを含め、インドにおけるモバイル端末の契約者の90%は、高額なデータ従量課金プランを利用しているからだ。

インドでのコネクティビティに関する最も重大な問題は、家計から捻出されるデータ通信料が大きな負担になるということだ。最低賃金で働く人は500MBのモバイルデータプランの通信料を捻出するのに17時間働く必要がある。1時間インターネットに接続するのに、最大3時間働く必要があるということだ。(一方アメリカでは、月額の無制限データプランの料金は、最低賃金で3時間強、働けばまかなえる程度だ。)

これを理由に、Facebookと彼らのInternet.orgのプラットフォームやAirtel Zeroは、インドや他の新興国でカスタマーがアプリを無料で利用できるよう、コストの溝を埋めようとしている。目標はとても素晴らしいものだが、彼らのモデルはネットワーク中立性(ここで、つまらない顔をしないでほしい)の課題に直面する。ネットワーク中立性とは、インターネットのコンテンツは無料で平等に利用されるべきという基本理念だ。

インドを含め他の新興国で議論されるネットワーク中立性の問題は、アメリカ国内での問題よりずっと複雑だ。アメリカでのネットワーク中立性を巡る争いでは、Comcastによる、Netflixや他のストリーミングサービスのコンテンツをストリームする速度をコントロールしようとした問題が最近話題となった。この場合、利用者が映画を鑑賞する際、ロードするのに少し余計な時間がかかってしまう。

インドでは、スピードが問題なのではない。アプリや映画が他のものよりロードするのが少し遅い(これはアメリカで大々的な倫理問題を起こす)という以前に、そもそもアクセスできるかどうかという問題がある。Internet.orgやAirtel Zeroのようなプラットフォームでは一部のインターネットは利用できるが、他のものは利用できない。例えばデータ通信が少ないアプリは利用できるが、他のものは利用できるアプリのリストにすら入らない。

Priyaのような人は、Wikipediaを閲覧したり、Facebookで友人と話す以上のことをしたいと考えている。YouTubeで動画を見たり、ファイル共有のための最新のローカルアプリをダウンロードしたいのだ。彼らは、インターネットの一部ではなく、インターネットでの体験の全てを得たいのだ。(特定のアプリが他のアプリより利用するのに少し時間がかかるという問題の重要性はまだそれほど高くない。)

Internet.orgとAirtel Zeroは、彼らのミッションはインターネットへのアクセスがない人たちにインターネットを届けることだと言う。それは意義あるミッションだ。しかし、彼らのサービスは多くの人に初めてオンラインにアクセスする機会を提供すると同時に、彼らを誘導しているとも言える。

例えばInternet.orgは、あまりに大量のデータを消費せず、Facecbookの参加ガイドラインに準拠するアプリ開発者に対して、サードパーティアプリの開発を認めている。Airtel Zeroでは、承認されたアプリに関しては無料で利用できるが、他のアプリには通常のデータ課金がかかる。

ここ最近巻き起こった抗議は、両社の努力により作られたこの状況では、その地域で開発されたアプリや大企業ではない所のアプリを利用するコストが高くなり、それらが排除されてしまうことに対する抗議だった。Facebookを無料で利用できる場合、新しく立ち上がったスタートアップのソーシャルアプリを高額な金額を払ってまで利用するだろうか?これは全てのコンテンツを公平に扱うオープンなインターネットではないということを意味している。

次の10億人にインターネットを届ける難しさは、新興国でのデータ通信のために使うパイプ、ワイヤーやドローンの費用を負担しなければならないことにある。そして、それを担うのはインド政府ではない。もし、Facebook、Googleや他のAirtelのような大手オペレーターがそれを担うのなら、その意義ある行いのために金銭的なインセンティブを求めるのは当然のことだろう。

他にソリューションは無いのだろうか?という疑問が浮かぶ。

インドのような市場に無料でオープンなインターネットを届けるには、広告に支えられるモデルが最適ではないだろうか。現在あるほぼ全てのメディアはこのモデルを採用している。テレビやラジオの始まりも同じだった。テレビやラジオが初めて登場した時、広告主の存在により、コンシューマーは媒体を無料で消費することができるようになった。ウェブページを見てみても、現在のメディアのほとんどはこのモデルを採用している事実を確認することができる。同じように広告主がアプリやオンラインコンテンツの壁や制限を失くし、無料でアクセスできるようにすることはできないだろうか?

Mozillaはバングラディッシュで Grameenphoneとパートナー契約を結んだ。複数のアフリカ諸国ではOrangeと契約している。これらは広告モデルで、ユーザーに制限のないオープンなインターネットを提供する取り組みである。

バングラディッシュでのGrameenphoneの取り組みでは、ユーザーはモバイルのマーケットプレイスで短い広告を視聴した後、自由に使用できる20MBを毎日付与するというものだ。Orangeは、特的の地域のコンシューマーに対し、Mozillaのスマートフォンを購入した場合、端末と共に定められた時間内での無制限のインターネット利用が提供される。これらの取り組みは、Mozillaが自由に利用できる無料のインターネットアクセスを負担する代わりに、端末の売上を押し上げることが目標だ。

もう一つ例を上げると、インドで大成功を収めたPepsiのキャンペーンがある。FreeCharge(Snapdealに最近 買収されたスタートアップで、インドのコンシューマー向けインターネットセクターでは最大のバイアウトになった)では、Pepsiを買うと、無料でインターネットが利用できる。キャンペーン内容は次の通りだ。ペットボトルのPepsiを購入し、キャップの裏側のコードをモバイル端末に入力すると、10ルピー分のインターネットが自由に使える。FreeChargeは、その10ルピー分で閲覧できる内容や、アクセスに関して何ら制限を設けていない。コンシューマーは自由に利用することができる。

現在、2190億ドルが新興市場での広告に費やされている。しかしその90%以上は、屋外の看板やテレビ広告といった従来の広告媒体に向かっている。テクノロジー関連のコミュニティーが広告主に対して適切な広告プラットフォームを提供できれば、新しくインターネットに接続する多くの人に向けて、自社のブランドを打ち出したいと熱望する企業が必ず現れるだろう。そしてその対価としてインターネットにアクセスするコストを担うことに同意するだろう。そうすれば、広告モデルで無料で視聴できるケーブルテレビやラジオと同じように、広告はインターネットの門番ではなく、ゲートウェイとなることができるはずだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter