MozillaはWebAssemblyをブラウザー外でも使えるようIntel、Red Hat、Fastlyと協力

Mozilla、Intel、Red Hat、Fastlyは米国時間11月12日、Bytecode Alliance(バイトコード・アライアンス)の発足を発表した。「WebAssemblyやWebAssembly System Interface(WASI)といった標準に基づいた、新しいソフトウェア基盤の構築」に焦点を当てた新しいオープンソースグループだ。

画像クレジット:Johnathan NightingaleCC BY-SA 2.0ライセンスに基づくFlickr

Mozillaは長い間、WebAssemblyを推進してきた。あらかじめコンパイルされたプログラムを、ブラウザーで実行できるようにするオープンなスタンダードだ。これによりアプリのデベロッパーは、CやC++、Rustなどの言語で記述したプログラムを、JavaScriptに依存することなくネイティブアプリ並みの速度でブラウザー上で実行できるようになる。JavaScriptの場合、特にモバイルデバイスでは構文を解析して実行するのに長い時間を必要とする。

現状では、すべての主要なブラウザーエンジンが、WebAssemblyをサポートしている。FigmaAutodeskなど、すでに実験を済ませ、実際に製品に採用している企業もある。とはいえ、この技術が大々的に採用される日が近いという感じはしない。ほとんどのデベロッパーにとって採用へのハードルは高いのだ。そして今回の発表は、おそらく今年になってからWebAssemlyについて初めて聞いた話のような気がする。

この新しいグループの目標は、もはやブラウザーを超えたところにある。「ウェブブラウザー内の世界での何十年のもの経験を生かし、アプリのデベロッパーとサービスプロバイダーが信頼されていないコードでも、あらゆるインフラストラクチャ、あらゆるオペレーティングシステム、あらゆるデバイス上で、確信を持って実行できる高性能かつ堅牢なプラットフォーム」を確立したいと考えている。ここで重要なのは、ブラウザーの外の世界でも、WebAssemblyの能力を発揮できる環境が十分に考えられるということ。信頼されていないコードのコンポーネントでも、サンドボックス環境内にある信頼されたコードとやり取りすることが可能になるからだ。実際、Mozillaの広報担当者によれば、WebAssemblyは、従来のアプリデベロッパーやウェブ技術者より、むしろこのユースケースに関心のある企業から強い関心を集めているという。そこに、この新しいアライアンスの意味がある。

MozillaがWebAssemblyのフォーマットを発表したときは、MicrosoftやGoogleも、そのグループのメンバーだった。しかし、新たなBytecode Allianceのメンバーにはなっていない。

すでにさまざまなメンバーのコードが、このアライアンスに貢献している。例えば、WebAssemblyとWASIのランタイムとしてはWasmtimeFastlyのLucet、IntelのWebAssembly Micro Runtime、コードジェネレーターとしてはCraneliftなどがある。

「WebAssemblyはウェブを変えつつありますが、さらにWebAssemblyは、ブラウザーの枠を超えて拡大し続け、ソフトウェアのエコシステムにおいて、さらに大きな役割を果たすことができると考えています」と、MozillaのDistinguished Engineer(上級エンジニア)でWebAssemblyの共同開発者であるLuke Wagner(ルーク・ワグナー)氏は説明する。「これは、新しいテクノロジーの夜明けを示す、またとない瞬間です。壊れていたものを修正し、ポータブルかつスケーラブルなネイティブ開発のための必然的に堅牢な新たな基盤を構築する機会なのです。しかし、これが正しい方法で進展するよう、業界の壁を超えて慎重な行動を取る必要があります」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Formlabsが歯科専用の3Dプリンターを発売

今年のCESで3DプリンターのメーカーであるFormlabsに、同社のプリンターを使って、これまでよりも早く安価に義歯を作る初期の実験について話を聞いた。

それから数カ月後、同社はそのコンセプトに深入りしていた。彼らは歯科専用の3Dプリンターを発売し、「Formlabs Dental」という新しい事業部門を立ち上げ、歯科医療に最適の素材を得るためにレジンのサプライヤーを買収した。

重要なのは同社のプリンターが、光造形法(Stereolithography、SLA)を使ってる点。これに対して、3Dプリントという言葉を聞いて誰もが思い浮かべるのが熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling、FDM)だ。光造形法はその名のとおり、光、ここでは紫外線レーザーを精密に照射して、ネバネバしていたレジンを目的の形に硬化する。これに対してFDMプリンターは、固形の素材を熱で溶かし、それをグルーガンのようなノズルから押し出して積層して目的の形を作る。SLAは精度が高く、FDMは安くてしかもさまざまな色や性質の素材を使える。

Formlabsはその歯科専用のプリンターをForm 3bと呼んでいる。それは、同社がこの春発売したForm 3の特殊バージョンだ。ただし製造コストは一般的なForm 3よりも約1000ドル高い。でもそのソフトウェアは歯科医療のワークフローに即しており、また教育訓練やサポート、そして修理に代わる新品交換に応ずるためのサービス体系「Dental Service Plan」がついてくる。歯科医は仕事を休めないので、故障時には修理ではなく新品交換で応ずる。3bはまた、歯科用レジンに向けて最適化されているが、それについて同社は詳しく語らなかった。

レジンと言えば、同社は2012年の創業以来レジンのメインのサプライヤーだったSpectraを買収した。買収の条件を同社は公表していないが、買収を機に同社は医療規格のレジンを得るために数百万ドルかけてクリーンルームを作り、FDAにも登録できた。Spectraの既存の顧客は、継続して同社のレジンを購入できる。

同社の新しい事業部門「Formlabs Dental」は、歯科用の新素材の開発と、プリンターを既存の歯科医のワークフローにぴったり合った製品にするための改良にフォーカスする。同社によると、現状ではForm 3bで、クラウン、ブリッジ、透明リテーナー、インプラント施療時の施術ガイド(サージカルガイド)、カスタムマウスガード(オクルーザルスプリント)、そして義歯をプリントできる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

【いよいよ明日開幕!】TC Tokyo 2019のDay1の見どころ

TechCrunch Japanは、11月14日、15日に国内最大級のスタートアップイベント「TechCrunch Tokyo 2019」を東京・渋谷ヒカリエで開催する。すでに全プログラムが確定しているが、ここではDay1である11月14日の見どころを紹介したい。ハッキリ言ってすべて見どころだなのだが。

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b8ta

オープニングを飾るのはb8ta。同社は、米国でGoogleやMacy’sなどとの提携を行ってきたリテール・アズ・ア・サービスのスタートアップ企業。7月には、Toys “R” Us(トイザらス)を所有するTru Kids Brandsとの合弁事業の一環として、体験型小売の専門店の開発を進めていることが発表されたばかりだ。両社が開発する新店舗は、映画館、子どもたちが遊べるビデオゲームやツリーハウス、STEAM(科学、技術、工学、アート、数学)教育のワークショップなどが展開される。11月にヒューストンとニュージャージーにおよそ180坪の広さの店舗を2店舗オープンする予定だ。さまざまな最新プロダクトが集まるショールームのような場所になる。いまいちピンとこない読者は、b8taのコンセプトを取り入れた、TSUTAYAが運営している「蔦屋家電+」を思い浮かべてほしい。モデレーターは、Engadget中文版の編集長でありエース記者、そしてナイスガイのリチャード・ライが担当する。

関連記事:トイザらスが技術系スタートアップと共同で未来のオモチャ屋さんをオープン

ティアフォー

b8taのあとはティアフォーだ。同社は、7月にシリーズAラウンドの資金調達額が累計113億円となったことを発表した、自動運転技術を開発するスタートアップ。セッションに登壇する加藤真平氏は同社の取締役会長兼CTOを務める人物で、オープンソースの自動運転OS「Autoware」の開発者でもある。同社は、自社の拠点である愛知県で同社開発の完全自動運転EV「Milee」(マイリー)を使った実証実験を進めるなど最先端を行くスタートアップだ。14日のセッションでは、自動運転の最新テクノロジーや自動運転の未来について詳しく聞く。来場者からの質問に答えるQ&Aセッションもあるので楽しみにしてほしい。

関連記事:自動運転技術開発のティアフォーが累計113億円の資金調達、本格的な商用化目指す

Allbirds

スタートアップバトルやランチタイムを挟んで、午後1時10分から始めるAllbirdsのセッションももちろん注目だ。同社は、シリコンバレー発祥のスニーカーブランドで、素材や履き心地こだわったスニーカーをD2Cで販売している。具体的にはスニーカーの素材にニュージーランドのメリノウールやペットボトル、ユーカリの繊維を使っているのが特徴。通気性に優れており、洗濯機で丸ごと洗えるのも人気の秘密。さらに今年8月には、同社が木とウールを組み合わせて作り出したTrino(トリノ)という新しい糸を使ったソックスも販売している。日本未上陸ブランドであるAllbirdsが東京で何を語るのか、それを聞くだけでも価値がある。

関連記事:シリコンバレーで人気の靴ブランド「Allbirds」が靴下を販売

Betaworks Ventures

休憩を挟んで、Betaworks Venturesがシンセティックリアリティーについて語るセッションとなる。同社は、米国ニューヨークとサンフランシスコに拠点を持つ、シード投資を中心に事業を展開しているベンチャーキャピタル。シンセティックリアリティーとは、デジタルの世界と現実の境界線が曖昧になった第3の世界。ブログを使い、誰でも「簡単かつ低コスト」で記事を投稿できるようになったのと同じように、現在では、リアルなCGI(コンピューター生成画像)の制作を「簡単かつ低コスト」で実現可能だ。著名人本人があたかも話しているようなフェイク動画もすぐに作れてしまう。シンセティックリアリティー、ディープフェイクと呼ばれるこれらの分野が、今後どのように発展していくのか、その脅威と可能性をじっくり語り合う予定だ。

関連記事:Betaworks Venturesが感じる「シンセティックリアリティー」の可能性と「ディープフェイク」の脅威

SmartHR

SmartHRのセッションでは創業者である宮田氏を招いて、ファウンダーストーリーを詳しく聞く予定だ。同社はTechCrunch Tokyo 2015年のスタートアップバトルの優勝者で、現在はシリーズCの資金調達で60億円以上を集めたHRテックの最先端を行くスタートアップ。2019年に入り、2つの子会社を設立するなど、SaaSの事業領域拡大も狙っている。宮田氏には、起業から現在、そして今後のSmartHRをどう導いていくのかを聞き出したい。

関連記事:TC Tokyo 2015「バトル」勝者はクラウド労務手続き支援のSmart HR

ボイスメディアパネル

ボイスメディアの可能性について語るパネルディスカッションには、Voicy創業者の緒方氏が登壇する。同社は10月にビジネス向けの「VoicyBiz」をローンチ。VoicyBizは、これまでボイスメディア「Voicy」内に開設していた企業チャンネルを発展させたもので、Voicy上で発信できるオープン型と、聞き手を限定した情報発信ができるクローズド型の2種類の運用プランを選べる。社内報としてのクローズド型の活用方法としては、経営トップのビジョンや行動指針の浸透、従業員エンゲージメントの向上、社内の相互理解・心理的安全性の改善などなどが考えられる。経営者本人が口にした言葉や話のテンポ、声の高さや大きさなどを文字で表現するのは難しい。このあたりにボイスメディアの可能性が開けていると感じる。

関連記事:声のブログ「Voicy」が日経新聞社と業務提携、新しいメディアとサービスを共同開発

Uber

初日の大トリには、米シェアリングサービス大手のUberが登壇する。米国ではニューヨーク証券取引所への株式上場後に株価低迷に苦しんでいる同社だが、CEOのダラ・コスロシャヒ氏を中心とした新経営陣がさまざまな新規事業を展開、新しい収益の柱の構築に取り組んでいる。同社には、Uber Eatsなどの好調なデリバリー事業、トヨタが500億円超を出資したことも記憶に新しい自動運転技術の開発状況、そして空と飛ぶクルマなど聞きたいことは山ほどある。モデレーターは、US TechCrunchでハードウェアを担当する名物編集者、ブライアン・ヒーターが務める。彼の切れ味鋭い質問に期待したい。

関連記事:Uberが金融商品・サービスに特化したUber Moneyチームを立ち上げ

TC School Special Edition

そのほかランチタイムにBホールで開催されるTC School Special Editionにも注目だ。昨年のTechCrunch 2018のスタートアップバトルのファイナリストでもある、電脳交通とKURASERUのトップが、東京ではなく地方で起業した理由、地方での事業拡大や人材確保など、それぞれの地域ならではの問題、そして強みを語ってくれるはずだ。

関連記事
電脳交通が兵庫県篠山地区でタクシー乗り放題サービスを実証実験
介護施設マッチングサービス「KURASERU」運営が1.3億円を調達

TechCrunch Tokyo 2019 11月14日(木)

9:00-9:10 TechCrunch Japanご挨拶
9:10-9:40 Fireside Chat
最新ガジェットを試し購入できるリテール・アズ・ア・サービスb8taの戦略
Vibhu Norby氏(b8ta CEO)
9:40-10:10 Fireside Chat

自動運転OS「Autoware」が作り出す未来
加藤真平氏(ティアフォー取締役会長兼CTO)

10:30-11:10 Startup Battleファーストラウンド・グループA(5社)

【審査員】
五嶋一人氏(iSGS Investment Works代表パートナー)
西條晋一氏(XTech代表取締役CEO)
堤達生氏(STRIVE代表パートナー)

11:20-12:00 Startup Battleファーストラウンド・グループB(5社)

【審査員】
有安伸宏氏(起業家・エンジェル投資家)
今野穣氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナー)
新和博氏(W Ventures共同パートナー)

12:20-13:00 TC School Special Edition(Sponsored by engage)

地方で起業するということ

岡橋寛明氏(みやこキャピタル代表取締役パートナー)
川原大樹氏(KURASERU代表取締役CEO)
近藤洋祐氏(電脳交通代表取締役社長)
寺田輝之氏(エンジャパン執行役員)

13:10-13:40 Fireside Chat

シリコンバレーのD2CスニーカースタートアップAllbirds人気の秘密
Erick Haskell氏(President of International)

14:00-14:30 Fireside Chat

Betaworks Ventureが感じる「シンセティックリアリティー」の可能性
Matthew Hartman氏(Betaworks Venturesパートナー)

14:30-15:00 Fireside Chat

シリーズCで60億円超を調達、SmartHRのこれまでとこれから
宮田昇始氏(SmartHR代表取締役社長)

15:10-15:50 Panel Discussion
ボイスメディアの過去、現在、未来
緒方憲太郎氏(Voicy代表取締役CEO)
Matthew Hartman氏(Betaworks Venturesパートナー)
16:00-16:40 Startup Battleファーストラウンド・グループC(5社)

【審査員】
榊原健太郎氏(サムライインキュベート代表取締役)
深澤優壽氏(Eight Roads Ventures Japanプリンシパル)
山岸広太郎氏(慶応イノベーション・イニシアティブ代表取締役社長)

16:50-17:30 Startup Battleファーストラウンド・グループD(5社)

【審査員】
堀新一郎氏(YJ Capital代表取締役社長)
松本真尚氏(WiLジェネラルパートナー)
宮田拓弥氏(Scrum Venturesジェネラルパートナー)

17:30-18:00 Startup Battle

会場投票

18:00-18:40 Fireside Chat
Uberの日本戦略、そして自動運転と空飛ぶタクシーはどうなる?
Émilie Potvin氏(Uber APAC Public Policy & Government Relations担当ディレクター)
18:40-19:00 Startup Battleファイナルラウンド通過発表

TechCrunch Tokyo 2019 11月15日(金)

9:00-9:10 TechCrunch Japanご挨拶
9:10-9:40 Fireside Chat

住宅シェアリング「OYO LIFE」が目指す未来
山本竜馬氏(OYO LIFEグロース統括責任者)

9:40-10:10 Fireside Chat

正確な位置情報を3単語で表現する「住所革命」でできること
Chris Sheldrick氏(what3words CEO)

10:30-11:00 Fireside Chat

5Gがもたらすロボティクス新時代
沢登哲也氏(コネクテッドロボティクス代表取締役/CEO)

11:00-11:30 Fireside Chat

女性起業家が語るリテールテックのいま
Selene Cruz氏(Re:store創業者/CEO)

11:50-12:20 Fireside Chat

為替・送金の手数料無料、英国発フィンテックスタートアップRevolut
Hannes Graah氏(Revolut Growth担当バイスプレジデント)

12:40-13:30 Product Update

山本俊氏(GVA TECH代表取締役)
菱木豊氏(inaho代表取締役CEO)
内山智晴氏(Yper代表取締役社長)
小川嶺氏(タイミー代表取締役)

13:40-14:20 Panel Discussion

2019年のスタートアップを投資を振り返る
村田祐介氏(インキュベイトファンド代表パートナー)
千葉功太郎氏(Drone Fund創業者/代表パートナー、千葉道場ジェネラルパートナー)

14:40-15:10 Fireside Chat

トヨタ自動運転開発子会社が開発する「世界で最も安全な自動運転車」とは?
James Kuffner氏(TRI-AD CEO)

15:10-15:40 Fireside Chat

電動キックボードのLimeが規制大国・日本に上陸する理由
David Richter氏(Lime CBO)

16:00-17:20 Startup Battleファイナルラウンド(6社)

【審査員】
赤坂優氏(エンジェル投資家/エウレカ共同創業者)
千葉功太郎氏(Drone Fund創業者/代表パートナー)
松本大氏(マネックスグループ取締役会長/代表執行社長/CEO)
山本康正氏(DNXベンチャーズインダストリーパートナー)
百合本安彦氏(グローバルブレイン代表取締役社⻑)

17:30-18:00 Product Update

神林隆氏(Eco-Pork代表取締役)
流郷綾乃氏(ムスカ代表取締役CEO)

18:00-18:30 Startup Battle授賞式
18:30-20:00 Meetup

TechCrunch Tokyoでは現在、一般来場者向けの「一般チケット」(4万5000円)、設立3年未満(2016年10月以降に設立)のスタートアップ企業向けの「スタートアップチケット」(1万8000円)、学生向けチケット(1万8000円)、5名以上の一括申し込みで購入できる「団体チケット」(2万円/枚)、会場内の指定席と専用の控え室を利用できる「VIPチケット」(10万円)を発売中だ。なお、学生チケットでの入場の際は学生証の提示が必要だ。

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空港の次はゴルフ場、タクシー相乗りアプリのNearMeが都内〜千葉・山武地域のゴルフ場シャトルを開始

タクシー相乗りアプリや都内と成田空港を結ぶシャトルサービスを提供中のNearMeは11月13日、東急不動産、東急不動産R&Dセンターとの提携を発表。都内8区と東急リゾートサービスが運営する千葉県中央部の山武地域に位置する大網白里市内の「季美の森ゴルフ倶楽部」を結ぶシャトルを運行することを発表した。本日から予約を受け付ける。シャトルの料金は一人あたり片道3980円。運行期間は11月16日〜2020年3月31日、運行時間は7時頃の指定地域からの往路ピックアップが可能で、復路の出発18時までとなる。

都内の対象区域は、渋谷区、新宿区、世田谷区、目黒区、品川区、港区、千代田区、中央区の8区で、2日前までに予約すれば自宅やホテルなど利用者が指定した場所にシャトルが迎えに来てくれる。シャトルは最大4人乗り、クレジットカードでの事前決済なのでシャトルのドライバーとの金銭のやり取りは発生しない。

このゴルフシャトルには、NearMeが開発した複数の出発地と1つの目的地(もしくは1つの出発地と複数の目的地)を最短で結ぶAIによるルート作成機能を活用。同社はPlug and Play JapanのアクセラレータープログラムBatch 2の採択企業で、東急リゾートサービスと東急不動産R&Dセンターをともに、3月に実証実験を決定していた。

季美の森ゴルフ倶楽部は、京葉道路を経由した場合で都内から1時間強の距離にある。シャトル予約時には、出発地で乗車する人数も選べるので、一緒にラウンドする仲間同士でシャトルを予約すれば、往復とも運転手役は不要でゴルフ場で全員がアルコールも楽しめる。

関連記事:相乗りアプリのNearMe、都市部で最大9人をピックアップしてゴルフ場まで運ぶシャトルバスの運用開始

米連邦裁判所が国境での電子機器の無令状捜索を違法と裁定

米国のボストン連邦裁判所は、米国政府が国境で合理的犯罪嫌疑なしに携帯電話などの電子デバイスを捜索することは許されないと裁定した。

これは市民の自由を擁護する人たちにとって極めて大きな勝利だ。彼らは国境警備員が捜査令状なしに電子デバイスを捜索することを認めている政府の独自ルールを違憲だと主張してきた。

法廷は、合理的嫌疑のない電子機器の無令状捜索を許している政府の方針を「憲法修正第4条違反」であると 裁定した。同法は令状のない捜索や押収に対して憲法による保護を与えている。

この裁判は、旅行者11名(うち10名は米国市民)が米国自由人権協会および電子フロンティア財団の支援を受けて訴訟したもので、何らの不正行為も犯罪行為の嫌疑もないのに、彼らのスマートフォンやノートパソコンを国境警備員が捜索したと主張していた。

国境は、今も法的にグレーな領域にあり、政府は米国内で市民や在住者に対して行使できない権力を主張してるが、市民や旅行者は米国の国土で得られる権利のすべてを有していない。政府は長年に渡り、国境での電子機器の捜索に令状は必要ないと言い続けてきた。税関・国境警備局が無令状で取得したデータは、連邦、州、地域、および海外の法執行機関で共有されている。

米国自由人権協会の言論・プライバシー・テクノロジープロジェクトの顧問弁護士、Esha Bhandari氏はこの判決について、憲法修正第4条の定める保護を「著しく進展させる」と語った。

「今日は旅行者にとって大きな日だ。私たちが電子機器に保存して携行している著しく繊細な情報を、何の嫌疑もないのに政府に荒らされる心配がこれでなくなった」と電子フロンティア財団の上級法務担当者であるSophia Cope「ソフィア・コープ)氏は語った。

毎日何百万人もの旅行者が米国に入国する。昨年国境警備局は旅行者の電子機器3万3000台を合理的必要なく捜索した。2015年の4倍だった。最近では旅行者が自身の持つソーシャルメディアのユーザー名を政府に申告するように言われ、米国に入国する前の捜索対象になっていた。中には、携帯電話にあった他人がシェアしたコンテンツを理由に入国を拒否された旅行者もいた。

税関・国境警備局の広報担当者はコメントしなかった。

関連記事:米国入管はますますソーシャルメディアを重視、他人の投稿で入国拒否も

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Teslaの欧州ギガファクトリーはベルリンに建設、とイーロン・マスク氏が明言

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は現地時間の11月12日、ドイツで開催された表彰式で「Tesla(テスラ)の欧州ギガファクトリーはベルリンエリアに建設される」と語った。同氏はドイツの日刊紙BILD主催のゴールデン・ステアリングホイール賞の受賞式に出席していた。

フォルクスワーゲングループのCEOであるHerbert Diess(ハーバート・ディエス)氏とのステージ上でのインタビューで、マスク氏は「今夜は詳細を語るには時間がない。しかしベルリンエリアで、新空港に近い」と話した。

Teslaはまた、ベルリンにエンジニアリングとデザインのセンターを設置する。というのも、マスク氏によれば「ベルリンには世界で最も素晴らしいアートがある」からだ。

授賞式の後、マスク氏はTwitterで「ベルリンのファクトリーではバッテリー、パワートレイン、車両を製造し、まずはModel Yからスタートする」と詳細を少し明らかにした。

ディエス氏はステージ上で、電動化に業界を誘導したことでマスク氏に感謝の念を表した。その後、ディエス氏は「マスク氏とテスラが電動化に向けた取り組みを実証している」と語った。

なぜドイツの自動車メーカーが電動車両で遅れをとっているのか尋ねられたマスク氏は「ドイツがそう後塵を拝しているとは思わない」と話した。そして「世界で最も優れた車のいくつかはドイツ製だ」とも付け加えた。

そして「ドイツのエンジニアリングが抜きん出ていることは誰もが知っていて、それは我々が欧州ギガファクトリーをドイツに建設する理由の1つでもある」と語った。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳・Mizoguchi)

TechCrunch深圳2019のBattlefield勝者はモジュラー式エネルギーのスタートアップ「Okra Solar」

Disrupt Battlefieldカップを獲得すべく、TechCrunch深圳2019には10組のハードウェアスタートアップが参加した。どのチームも全力で自分たちの作品を審査員に売り込んだ結果、4組が選ばれイベント第2日に別の審査員チームに向けてアピールすることになった。

そして厳正かつ激烈な審査の結果、TechCrunch深圳2019ハードウェアバトルフィールドの勝者が決まった。優勝はOkra Solarだ。

Okra Solarはモジュラー式エネルギーのスタートアップで、エネルギー会社が簡単に設置できるプラグ&プレイのソリューションを使って遠隔地域に電力を供給することを目的にしている。分散エネルギー技術を使い、ソーラーパネルとバッテリーの相互システムネットワークを通じて地域社会にマイクログリッドを構築する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

UCLAがゼロ・エミッション全電動の「手術器具消毒・修理車」を導入

自動車業界で電化されているのは消費者向け車両だけではない。商用車や特殊用途車両の中にもEVの有力候補がたくさんある。医療業界もそのひとつだ。モーターホームメーカーのWinnebago(ウィネベーゴ)が開発したUCLA(カリフォルニア大学バークレー校)の移動実験室もそのひとつだ。ゼロ・エミッション、全電動の車両がUCLAの2つのキャンパスを行き来して、医療スタッフのために手術器具を回収し消毒・修理を行う。

そもそもなぜ必要なのか?通常使用済みの手術器具は外部業者に委託して処理サービスを受けるが、専門の施設を利用するため年間コストは膨大になる。UCLAメディカルセンターの推計によると、Winnebago製のEV実験室を使うことによって、年間で最大75万ドル(約8100万円)を節約できるという。

この移動実験室は約8時間操業可能で、これには2カ所の病院キャンパスの往復時間も含まれている。一回の充電で85~125マイル(135~200km)の走行が可能。この車両は、通常の施設の実験室と「同レベルの性能、生産性、コンプライアンス」を実現しているとWinnebagoは表明している。

年間運用コストの節約以外にも、UCLAは実験車両の購入に補助金を受けている。ハイブリッド・ゼロエミッショントラック・バスバウチャーインセンティブ(HVIP)もそのひとつだ。そうしたプログラムは金銭的インセンティブを与えることで初期投入コストを減らして電気自動車の採用を促進する。こうして長期コストだけでなく初期費用も少なくてすむことから、医療などの分野がEVに目を向ける新たな理由になる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スペースマーケットがワタナベエンターテインメントと資本業務提携、エンタメでスペースシェアの体験向上へ

左からスペースマーケット代表取締役CEOの重松大輔氏、ワタナベエンターテインメント代表取締役会長の吉田正樹氏

さまざまなスペースを1時間単位で貸し借りできるプラットフォーム「スペースマーケット」を展開するスペースマーケットは11月13日、ワタナベエンターテインメントと資本業務提携を締結したことを明らかにした。

スペースシェアとエンタメを組み合わせることでレンタルスペースの利用体験を向上させ、さらなる事業拡大へ繋げていくことが提携の狙い。ワタナベエンターテインメントに所属するタレントとのコラボレーションも進めていく計画だ。

今回の出資額について具体的な金額は明かされていないが、1月にスペースマーケットが発表したシリーズCラウンドの資金調達(8.5億円)に含まれるとのこと。なおワタナベエンターテインメントにとっては初のスタートアップ投資になる。

スペースマーケットによると両社では主に4つの軸で協業を進めていく方針だという。

  • ワタナベエンターテインメントが所有するスペースを掲載
  • タレントのスペースプロデュース共同事業モデルの開発
  • 法人向けのイベント・パーティにおけるタレント派遣・プロデュース
  • スペースシェアに関する番組制作

エンタメの力でイベントの体験価値を向上へ

「ワタナベエンターテインメントが所有するスペースを掲載」についてはとてもシンプルだ。スペースマーケットではこれまでも東京建物や東京メトロをはじめとする事業会社と組んで、各社が保有するスペースをプラットフォーム上でシェアしてきた。

今回についてもワタナベエンターテインメントが所有する劇場「表参道GROUND」を掲載。従来は法人や業界関係者の利用が多かったところを、広く一般の人たちが利用できる仕組みを作っていく。午前中や劇場として使われていない時間に新しい用途でスペースを運用できれば、ワタナベエンターテインメントにとってもメリットがあるだろう。

「タレントのスペースプロデュース共同事業モデルの開発」や「法人向けのイベント・パーティにおけるタレント派遣・プロデュース」は幅広いタレントが所属する芸能事務所だからこそ実現できる取り組みであり、この提携のキモとなる部分だ。

スペースマーケット代表取締役CEOの重松大輔氏によると、もともと同社の投資家でもある千葉功太郎氏の紹介でワタナベエンターテインメント代表取締役会長の吉田正樹氏と会ったのが直接的なきっかけになったそうだが「レンタルスペースを通じて行われるイベントの体験価値を高めていく上で、エンタメのプロの会社と組みたい」という思いが以前からあったとのこと。

近年はタレントの活動の場所もテレビを中心とした4マス媒体以外にも幅が広がってきている状況で、その一環としてタレント自身の才能やキャラクターを「スペースのプロデュース」や「イベントコンテンツの企画・出演」などでも発揮してもらいたいという。

スペースのプロデュースにおいてはレイアウトの設計やアート作品の展示などを通じてエンタメ要素を盛り込んだレンタルスペースを展開していく予定。スペースマーケットでは特にパーティー用途での利用が多いそうで、そこに合うような“尖ったスペース”が増えていけば、レンタルスペースの選び方も変わってくるかもしれない。

一例として話にあがったのが地方の遊休スペース。都心から少し離れているなど地理的にネックを抱えているスペースだったとしても、上手くプロデュースできれば「せっかくならここでパーティーやイベントをしたい」というユーザーが増えてくる可能性もある。スペースマーケットとしてはエンタメの力がそのきっかけの1つになれば、という考えも持っているようだ。

法人向けのイベント・パーティにおけるタレント派遣やプロデュースも考え方は近しい。スペースマーケットが展開している法人向けのイベントプロデュース事業のオプションのような形で、各イベントに合うタレント派遣やタレント・放送作家などによるイベントプロデュースをアレンジしていく。

お笑い芸人にイベントに登場してもらうシーンがイメージしやすいかもしれないけれど、それに限らず「クイズタレントに対戦相手として出演してもらったり、クイズ問題をプロデュースしてもらう」「放送作家にイベント企画をサポートしてもらう」といったように、コラボの幅は広い。

ワタナベエンターテインメントにはバラエティ番組などでも活躍している予備校講師の林修氏など文化人も多く所属しているため、そういった面々と対決するなんてこともできるかもしれない。

プロダクトや市場の活性化に向けて自社での番組制作も検討

最後の「スペースシェアに関する番組制作」というのはこれまでの取り組みとは少しベクトルが異なるものだ。

重松氏の話では、こちらについてはあくまで今後検討していく段階とのことではあるが「CMなどではなく(ワタナベエンターテインメントと一緒に)自前でオリジナルのエンタメコンテンツを作りたい」という構想があるという。

「CMという15秒の尺の中でプロダクトの背景や利用シーン、人間模様などを伝えきるのは難しい。まだまだプロダクトやスペースシェアの認知が十分ではない中で、新しいプロモーションのあり方も考えていきたい。自社で面白いエンタメコンテンツを作れれば、(一過性のものではなく)継続的に資産として蓄積していくこともできるし、広く展開していくことも可能。プロダクトや会社自体の存在を際立たせていくために、スタートアップがエンタメのプロとタッグを組む形は今後どんどん増えていくのではないか」(重松氏)

たとえば海外ではAirbnbが「airbnb magazine」という雑誌を手がけているほか、今後同社のプロダクトやマーケット自体をさらに拡大するべく「自社でストリーミングサービスを手がける構想があるという」旨の報道もされている。

Netflixの番組では民泊サービスなどで貸し出されている平凡な物件をプロが大改造するという「日本版劇的ビフォーアフター」的なコンテンツが人気を集めているようだけれど、重松氏はそれにも触れつつ、ワタナベエンターテインメントと組みながら新しい訴求の仕方も模索していければということだった。

Twitchが無料のブロードキャストソフトTwitch Studioを一般公開

Twitchは米国時間11月12日、誰でもストリーミング放送ができるソフトウェアとしてTwitch Studioを一般公開した。ストリーミングの未経験者でも簡単に始められるようにセットアップを簡単にし、ブロードキャストが初めての人でもプロ級の映像や音を送れるよう、さまざまなツールをそろえている。

本日まで非公開ベータだったそのソフトウェアは、ガイド付きのセットアッププロセスでユーザーのマイクやウェブカメラ、モニターの解像度、ビットレートなどを検出する。ユーザーはさまざまな初心者向けレイアウトとオーバレイの中から選び、ストリームのルック&フィールをパーソナライズできる。

Twitch上で動き始めたらユーザーは、オンラインのコミュニティや視聴者と対話できる。そのための方法は、内蔵されているアラートやアクティビティフィード、統合されているTwitchチャットなどだ。

同社は前にも説明していたが、ストリーミングをやりたい人は多いけど、やり方が難しすぎて誰もがギブアップしていた。この新しいソフトウェアは、そんな人たちが初めてセットアップのハードルを乗り越えられることをねらっている。

今後ユーザーの知識と能力が増えて、Twitch Studioでは満足できなくなるかもしれない。でも目標は人びとをTwitchのストリーミングの世界に誘い込むことだから、このソフトウェアの長期的なユーザーにならなくてもいい。

Twitch Studioが現在使えるのはWindowsのみで、macOSやiOSやAndroidはまだ。しかし、まだだと言うのは、そのうちという意味だろう。Twitchは、このソフトウェアにTwitchのそのほかの機能を統合し、また視聴者のチャットや参加性を容易にするツールも準備中だ。

今という立ち上げのタイミングは、最近Twitchの最大のストリーマーTyler “Ninja” BlevinsがMicrosoft(マイクロソフト)のMixerに移籍したことと関係ありそうだ。続いて、Michael “Shroud” GrzesiekもMixerへ行った。そして11月19日にローンチするGoogle(グーグル)のStadiaでは、YouTubeに直接、容易にストリーミングできる

Twitchによると、Twitch Studioは今日から誰もがベータで利用できる。Windows 7以上に対応する。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

【11月22日開催】TC Tokyo CTO Night 2019の登壇CTOが8人が確定

TechCrunch Japanでは、スタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2019」の関連イベントとして「TechCrunch Tokyo CTO Night 2019」を11月22日に開催する。場所は昨年と同様で、東京・目黒駅前にあるAWSのコワーキングスペース「AWS Loft Tokyo」だ。

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CTO Nightは、パネルディスカッションと新進気鋭のスタートアップ企業のCTO(最高技術責任者)によるピッチコンテストで構成されるイベント。ピッチコンテストは、以下の審査員が技術によるビジネスの貢献度について、独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営などを評価対象として審査し、最も輝いた人物を「CTO of the year」(最優秀CTO)として表彰する。今回は登壇する8社のCTOを確定したのでお知らせしたい(社名での五十音順)。

YPER CTO:島添彰氏
大阪府立大学修了後、サントリーシステムテクノロジーに入社。自動販売機の配送管理、販売管理システムの開発・運用・導入を広く担当。同社にて自動販売機の新しいカタチのビジネスモデル提案。2017年8月にYper(イーパー)を創業。同社CTOに就任。日本の宅配の再配達問題を解決するプロダクトOKIPPAの立ち上げを実施。現在もプロダクトのグロースを担当。東洋経済社のすごいベンチャー100、Forbes 30 Under 30 Asia 2019に選出。

関連記事:置き配は再配達率を減らす救世主になるか、置き配バッグ「OKIPPA」が3.5億円調達

ウミトロンCTO:岡本拓磨氏
新卒でグリーに入社。ソーシャルゲームプラットフォームのバックエンドの開発に従事。その後、メタップスにてモバイルアプリマーケティングサービスのバックエンドとネイティブアプリSDKの開発や、新規事業としてウェブサービスやネイティブアプリの立ち上げを行う。2016年にウミトロンを創業。

関連記事:海上で魚の食欲を即時判定して給餌を完全自動化、ウミトロンが魚群食欲解析システムを開発

オクト取締役CTO・金近望氏
1983年生まれ。神奈川県出身。東京工業大学理学部情報科学科を卒業。2009年よりベンチャー企業にて事業立ち上げに参加し、2012年CEOである稲田氏とともにオクトを設立。創業当初はANDPADの前身となるサービスである「みんなのリフォーム」や「ReformPad」をローンチ、2014年に施工管理アプリ「&ANDPAD」をリリース開発・運営。

関連記事:建設プロジェクト管理アプリ「ANDPAD」開発のオクトが14億円を調達

GINKAN CTO・三田大志氏
ウースター工科大学工学部電子工学科卒業、大学時代は災害救助ロボットを企画・開発。大学卒業後はスマートフォン向けアプリの開発会社に就職。2014年に起業し、フリーランスとしてさまざまなプロジェクトに携わる。2015年にGINKANを共同創業し、CTOに就任。Android、iOSアプリ開発50本以上の開発経験を持ち、最近ではブロックチェーン、スマートコントラクトの開発、R&Dも精力的に取り組んでいる。

関連記事:トークンエコノミー×グルメSNS「シンクロライフ」、トークンへの転換権を付与したスキームで資金調達

タイミーCTO・阿部勇一郎氏
2017年に神奈川工科大学情報学部を卒業。翌年に同大学院工学研究科にてAI×IoT×ロジスティクスに関する研究を行う。2018年3月にタイミー代表の小川氏との出会いをきっかけにタイミーの立ち上げに携わることを決意する。その後、同年3月に大学院を中退し、CTOとしてジョイン。主にiOSアプリの開発とプロダクトマネジメントを行う。現在では、組織マネジメントや採用活動を行いつつ、引き続きアプリ開発やメンバーの支援を行っている。

関連記事:スキマ時間シェアのタイミーが20億円調達、22歳学生起業家が12カ月で

NearMe CTO・細田謙二氏
東京大学大学院工学系研究科・工学博士。大学では脳の視覚情報処理を研究。卒業後、エスキュービズムに入社。チーフエンジニアとして解析エンジン、ウェブサービス、タブレットアプリなどさまざまなプロダクトを開発。技術本の執筆や特許取得なども行う。エスキュービズム・テクノロジーCTOを経て、NearMeに参画。

関連記事:都内と成田を結ぶNearMeの定額4000円シャトルが品川や目黒、池袋でも利用可能に

LegalForce CTO・時武佑太氏
東京大学大学院 情報理工学系研究科創造情報学(修士)修了。ソフトウェア工学に関する研究を行う傍らウェブサービス開発に携わる。2016年4月にディー・エヌ・エー入社。ヘルスケア事業でアプリエンジニアとして従事。 Android, iOSアプリ開発からサーバーサイド開発やデータベースのパフォーマンス調整まで幅広く担当。2017年9月、LegalForce参画し現職。

関連記事:AIが瞬時に契約書の内容をレビューする「LegalForce」が正式ローンチ

Revcomm CTO・平村健勝氏
2011年に東京工業大学大学院修了後、アクセンチュア入社。マネージャーとして通信業界を中心にCRM導入やデータサイエンス部門の立ち上げに従事。2018年6月よりRevCommに創業メンバーとして参画し、AI搭載型IP電話「MiiTel」のR&D及び製品開発を指揮。クラウドサービスの設計、システムアーキテクチャの設計から、音声認識エンジン、自然言語処理、ウェブアプリケーション開発まで幅広く手がける。AWS Summit Tokyo 2019で開催されたStartup Architecture Of The Year 2019にて、『ソリューションアーキテクト賞』を受賞。

関連記事:B Dash Camp 2019 SpringPitch Arena優勝はAI搭載型クラウドIP電話サービスのRevcomm

なお、審査員は以下の6名が務める。

■審査委員長
藤本真樹氏(グリー取締役上級執行役員/CTO)

■審査員
白井 英氏(Craft Egg、ジークレスト、サムザップ各社におけるCTO)
竹内 真氏(ビズリーチ取締役/CTO/CPO)
藤倉成太氏(Sansan執行役員/CTO)
名村卓氏(メルカリ執行役員/CTO)
塚田 朗氏(AWSシニア ソリューションアーキテクト)

■モデレータ
吉田博英(TechCrunch Japan編集統括)

TechCrunch Tokyo CTO Night 2019の概要は以下のとおり。なお、このイベントに参加できるのは、CTOもしくは、VPoEやVPoPなどCTOに準じるポジションの開発者だ。申し込みは抽選となるので、まずはイベントページで仮登録を済ませてほしい。

TechCrunch Tokyo CTO Night 2019
【日時】11月22日(金)17:30〜20:30(17:00開場)
【会場】AWS Loft Tokyo(東京都品川区上大崎3-1-1 目黒セントラルスクエア内)
【審査基準】技術によるビジネスへの貢献度(独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営についても評価対象)
【審査】TechCrunch Tokyo CTO Night 2019実行委員会による
【参加資格】CTOもしくは、CTOに準じるポジション
【参加費用】無料
【主催】TechCrunch Japan
【企画・運営協力】アマゾン ウェブ サービス ジャパン
【問い合わせ先】TechCrunch Tokyo CTO Night 2019実行委員会(tips@techcrunch.jp)

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Facebookも「ペイ」参入、Facebook系の全アプリで利用可能に

Square、Venmo、PayPal、Apple Pay、Google Pay。スマホで誰かにお金を払う方法にまったく不足はないし、会社があまりにも大きくなりすぎているという批判の声も高まる中、Facebookは同名のサービスだけに留まる気配はない。

FacebookがFacebook Payを発表した。同社もしくはグループ会社が提供するMessenger、Instagram、WhatsApp、そしてもちろんFacebook本体で使える統一決済システムだ。一度支払い方法を有効にすれば、あらゆるFacebook系アプリで利用できる。なお、Facebookではマーケットプレイスなどのセクションで利用できる。

Facebook Payは今週公開すると同社は表明しているが、最初はFacebook本体とMessengerだけで、かつ米国ユーザーに限り利用できる。ほとんどの主要クレジットカードおよびPayPalに対応しているとFacebookはコメントしており、同社の仮想通貨への取組みとは別物であることを注意深く説明した。

これを必要としている人がいるのだろうか?たぶんいない。Facebookマーケットプレイスを使ううえでの抵抗を多少減らすかもしれないし、ある程度の潜在利用者がいるかもしれない。しかし正直なところ、友達と割り勘したり中古のギターを買う時ためなら、それこそ山ほどほかの方法がある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インテル最新のCascade LakeチップにZombieload系脆弱性、パッチリリースへ

またもや主要チップメーカーの最新製品に脆弱性が発見された。セキュリティー専門家はIntel(インテル)の最新プロセッサにある種の攻撃に対する脆弱性があることを発見した。 これは今年5月に発見されたZombieloadの変種で、同社のCascade Lakeチップをターゲットにしている。

インテルではこの攻撃をTAA(Transactional Asynchronous Abort) (トランザクション非同期停止)と呼んでいるが、マイクロアーキテクチャ・データ・サンプリング脆弱性を突いた5月の手法に似ている。これはサイドチャンネル攻撃とも呼ばれるが、TAAは最新のインテルチップに対してのみ有効だという。

Zombieload攻撃はCPUが解釈できない命令を読ませることによりCPUコアに不正な命令を実行させ、実行が放棄(アボート)されたときにバッファー内容を読み出すものだという。このデータを取得するために攻撃者はチップに物理的にアクセスできる必要がある。新世代のプロセッサは分岐が生じるまえに先のコマンドを予測して実行することによって処理速度の大幅なアップに成功している。しかしこの機能のために、本来外部からアクセスできないチップ内のバッファにアクセスが可能となることがある。

ZombieloadはMeltdownとSpectreという重大な脆弱性の場合と同じ専門家グループによって発見された。Meltdow/Spectreは先読み並列処理というアーキテクチャの欠陥を利用してCPU中の本来アクセスできないはずの部分に存在するパスワードなどの機密データを読み出してしまう。その後、最新のチップ、Cascade Lakeはこの種の攻撃に対する防御性を高めてあることが判明したし、インテルはソフトウェアパッチをリリースして危険の最小化を図った。

また専門家によればCascade LakeにはZombieload系のマルウェア、特にFalloutとRIDLなどの手法は無効だ。しかし「Cascade Lakeにおけるアーキテクチャの変更はサイドチャンネル攻撃を防ぐために十分ではない」という。

脆弱性を発見した専門家はインテルに4月に連絡していた。このとき同時に警告した他の脆弱性については翌月パッチが発行された。しかし今回の問題に関しては同社は対応に手間取り、今月に入ってようやく対応が始まったという。

インテルは再び脆弱性対策のパッチを発表し、Cascade LakeチップにZombieloadの変種に対する脆弱性があった事実を確認した。また同社は「対策を適用してもサイドチャネル攻撃を完全に防げる保証はない」と認めている。「ただしこの脆弱性を利用した攻撃が現実に行われたという報告は受けていない」と同社では述べている。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

GoogleのBERTアップデートはコンテンツマーケティングにどのような影響を及ぼすのか?

2019年10月末にGoogleはBERTと呼ばれるアップデートを導入したことをアナウンスしました。検索キーワードの10分の1に影響を与えるという発表もあり、多くの注目を集めました。

BERTとは「検索キーワードとコンテンツの理解をより良く行えるようになる」という技術となりますが、具体的にはどういった変化があったのでしょうか。

BERTがもたらした変化とSEO担当者としての考え方を、ニール・パテル氏が提案している記事を紹介いたします。

GoogleはBERTと呼ばれる新しいアップデートをロールアウトしていると発表した。

みなさんがお考えのことは、手に取るようにわかる。果たして、このアップデートは重大なのか。詳細を学ぶために時間を割くべきなのか。

BERTは検索クエリの10分の1に影響を与える。

このアップデートの規模を知るための表現がある。今回のアップデートは、GoogleがRankBrainをリリースしてから最も大きなアップデートである。

言い換えれば、このアップデートがあなたのサイトに影響を与える可能性は十分に考えられるということだ。そして、まだ影響が見られなくとも、トラフィックが増大するにつれ、いずれは影響を受けることだろう。

しかし、このアップデートがSEOに与える影響や、どのように対応すべきかを知る前に(もちろん、これらについては後述する)、まずは今回のアップデートの内容を知ることから始めてみよう。

BERTとは何か

BERTは「Bidirectional Encoder Representations from Transformers」の略称である。

おそらく多くの人が困惑するだろう。この言葉は一体何を意味しているのか、と。

結論を言うと、Googleはより良い自然言語処理を行うために、アルゴリズムを調整したのだ。

このように考えてみてほしい。

フライト番号をキーワードにGoogleで検索を行う。すると、そのフライトの情報が表示されるだろう。また、何らかの計算式で検索すると、計算機のモジュールが表示され、何らかの銘柄記号で検索すれば、株価のチャートが表示されるだろう。

さらにシンプルな例を挙げてみよう。Googleにキーワードを入力すれば、そのキーワードを完全に入力する前に、オートコンプリート機能はあなたが検索しようとしているキーワードを表示してくれる。

しかし、こうした機能はBERTアップデートの前からGoogleは提供している。では、BERTが実際にどのような働きをしているかを見ていこう。

BERTはユーザーにとって有益なアップデートなのか

GoogleはBERTの例を4つ提供してくれている。

まずは、「2019年 アメリカに旅行するブラジル人 ビザ 必要(2019 brazil traveler to usa need visa)」という検索結果だ。

BERTが導入される以前は、「アメリカ人がブラジルに旅行する場合、ビザは必要かどうか」といった内容の記事が上位に表示されていた。しかし、検索キーワードを注意深く見てほしい。僅かだが、意味を大きく変えてしまう違いがあるのだ。

この検索は、アメリカ人がブラジルに行く場合における検索ではない。ブラジルからアメリカへの旅行を計画している人による検索なのだ。

BERT導入以降の検索結果の方が、より関連性が高まっている。

Googleは「for」や「to」などの前置詞を考慮に入れている。そして、こうした前置詞は、検索キーワードに対し、大きな意味を持っているのだ。

他の例を見てみよう。「エステティシャンは仕事中立つことが多いか(do estheticians stand a lot at work)」という検索の場合だ。

かつて、Googleはキーワードとの合致を優先してきた。例えば、「立つ(stand)」を「独立する(stand-alone)」と同じ意味で捉えていたのだ。

現在は、上記のキーワード内にある「立つ(stand)」が身体的要求の意味で使われていることを理解している。

言い換えれば、「この仕事は大変疲れる仕事なのか?」「ずっと立ち続けなければならないのか?」といった意味で使われていることを理解しているのだ。

さらに別の例を見てみよう。「誰かの代わりに薬局で薬を購入できるのか(can you get medicine for someone pharmacy)」という検索の場合だ。

上記の比較画像から分かる通り、新しい検索結果の方が関連性は高くなっている。

最後の例は、「算数 練習帳 大人用(math practice books for adults)」という検索の場合だ。

※before:6~8年生向けの数学の教材 after:数学を忘れてしまった人向けの再学習教材

BERTは検索順位以外への影響を及ぼすのか

違いはこれだけではない。Googleは強調スニペットにも変更を加えている。

例えば、「パーキング 坂 縁石なし(parking on a hill with no curb)」と検索した場合、かつてのGoogleは必要以上に「坂(curb)」という単語に注視しており、「なし(no)」という単語への注視は十分ではなかった。

※beforeが”縁石のある”坂を表示しているのに対し、afterは”縁石のない”坂への駐車方法を表示している

検索結果を比較してみると、その違いは明らかだろう。

今回のアルゴリズムの更新がもたらした変化は、検索者にとってより関連性のある検索結果を提供するようになった。そしてそれは、Googleを使用する全てのユーザーにとって、より良い体験を作り出している。

しかし、BERTはSEO戦略にどのような影響を与えるのだろうか。

Web担当者は自身のSEO戦略を変更する必要がある

ユーザーが検索をする際、検索キーワードは一般的に次の3つに分けられる。

  1. インフォメーショナル(情報型)
  2. ナビゲーショナル(案内型)
  3. トランザクショナル(取引型)

インフォメーショナルに分類されるキーワードは、体重を減らす方法を探しているユーザーが使用するようなキーワードだ。そうしたユーザーは、体重を減らす方法を知らない。そのため、「体重を減らす方法(how to lose weight)」と検索するのだ。

こうした検索を行うと、いくつかの異なるダイエットの方法が提供されるだろう。この段階からは、方法の詳細を検索することになる。例えば、「アトキンスダイエット(Atkins diet)」というキーワードとなるが、こうしたキーワードはナビゲーショナルに分類される。

最適な方法を発見した後は、トランザクショナルに分類される検索キーワードが用いられるだろう。例えば、「アトキンスダイエット 料理本(the Atkins diet cookbook)」といった具合だ。

BERTは主にファネルの上位に位置するキーワード、つまり、「インフォメーショナルに属するキーワードに影響を与える」ということが重要だ。

さて、あなたが現在のランキングを維持するだけでなく、競合サイトよりも上位に表示させたいと願うならば、非常に詳細で具体的に書かれたコンテンツを用意することがシンプルな方法となる。

インフォメーショナルに分類されるキーワードで上位に表示させるにあたり、最も簡単な方法を尋ねた場合、非常に長いコンテンツの作成を勧めるSEO担当者もいるだろう。

実際、非常に長いコンテンツがGoogleの検索結果で上位に表示されるケースはよく目にする。しかし、Googleのアルゴリズムは単語数を注視しているわけではなく、コンテンツの品質を注視している

ダニー・サリバン:
正直なところ、ランキング要因に関しての言及は、ないものねだりのような気がしてならない。良いコンテンツがある。それは間違いなく良いことだと思う。「良いコンテンツとは300文字のコンテンツですか、それとも1,000文字のコンテンツですか?」。泣きたくなるよ…

サイラス:
完全に同意するよ(T_T)

※注:意訳

Google検索の窓口役を務めるダニー・サリバン氏による上記のツイートが意味することは、SEO担当者が高品質で、独自性があり、有益で、競争力のあるコンテンツの作成に注力してほしいと、彼が望んでいるということだろう。

そのため、新しいトピックを探すためにUbersuggestのようなツールを使用した場合にも、あなたは詳細で具体的なコンテンツを作成する必要がある。

例えば、あなたがフィットネス関連のビジネスを展開しており、「薬を飲まずに体重を減らす方法(how to lose weight without taking pills)」というブログ記事を作成した場合、ダイエットシェイクやサプリメントなど、ダイエット薬に似ているものについて詳しく記述すべきではない。それらの代替案となるあらゆる方法について議論を展開すべきなのだ。

ダイエットシェイクやサプリメントはダイエット薬とは違うものであり、キーワードとしても異なるではないか、と考える人もいるだろう。しかし、BERTが進化し、ユーザーが本当に探しているものへの理解をさらに深めた場合を考えてみてもらいたい。

また、キーワードの密度に注力するのは、もうやめるべきだ。

もちろん、多くのSEO担当者がすでに注力していないことは知っている。しかし、それでもなお、キーワードの密度についての質問が書かれているEメールを、私は毎日毎日受け取っているのだ。

あなたが作成したコンテンツのコンテキストをGoogleがより良く理解していくにつれ、キーワードの密度は、今後よりその重要性を失っていくだろう。

BERTを受けて、どこに機会を見出すべきか

すでに私が言及している通り、あるトピックについて非常に詳細で具体的なコンテンツを作成することに、チャンスを見出すことができる。

非常に詳細なコンテンツといっても、10,000単語から成る50の異なる物事について書かれた非常に長いページを作成する必要はない。可能な限り迅速に検索者の疑問に答え、競合サイト以上の価値を提供するということだ。

「オリンピック(会場)にいるという状況はどういったことか(what is it like to be in the Olympics)」と検索すると、検索結果は下記となる。

1位に表示されている記事のタイトルは「オリンピックに行くことはどういったことか(What it’s like to go to the Olympics)」であるが、記事の内容は閲覧者としてオリンピックに行くことについて書かれているわけではなく、アスリートとしてオリンピックに行くことについて書かれている。この記事内容は、検索者が求めている内容だろう。

記事のタイトルがどちらの内容に取れたとしても、BERTは状況をしっかりと見極めることができる。そして、記事も長文記事というわけではない。単語数は311である。

インフォメーショナルに属するキーワードで上位表示を獲得したいのであれば、詳細情報をしっかりと具体的に書き、競合サイトよりもより良く検索者の質問に答えることが必要だ。動画や画像から音声まで、より良い体験を提供するために必要なことは何でも行おう。

確認しておくが、長文のコンテンツでは上位に表示されないというわけではない。

すでに多くのSEO担当者が長文のコンテンツに着目している。彼らは100以上も解釈が可能な検索ボリュームが多い一般ワードでの上位表示を狙っており、その結果、彼らが作成するコンテンツは長くなるのだ。

こうした状況を考えると、ロングテールのキーワードに着目するほうが良いと言えるだろう。

当たり前だと思うかもしれないが、ここでデータを見てみよう。

Ubersuggestによるキーワードの傾向分析

全てはUbersuggestから始まる。

まだ使用したことがない方に向けて、使用方法を解説しよう。Ubersuggestにアクセスし、「マーケティング」のようなキーワードを入力しよう。Ubersuggestはそのキーワードの検索ボリュームに加え、数千ものキーワードのバリエーションを提供してくれる。

ここ30日間で、694,284人のマーケターによって、4,721,534のキーワードがUbersuggestによって調査されている。そして、4,721,534回の調査によって、1,674,841,398のバリエーションを提供している。

もちろん、より多くのロングテールのフレーズを調査するため、ビッグキーワードを入力しても良いが、Ubersuggestの利用データを見てみると、84%のマーケターは1~2単語にしか注目していないようだ。

5単語以上のキーワードに着目しているマーケターは、たったの1.7%である。

ロングテールを狙った詳細なコンテンツを作成するという戦略は、Quoraの実績を見てみても、効果的と言える。Quoraは米国でのGoogle検索だけで、月間60,428,999の訪問客を生み出している。

Quoraのコンテンツの多くは、10,000単語から成る非常に詳細なコンテンツというわけではない。人々が持つ、非常に特徴的な質問に対しての返答に注力しているのだ。

結論

近年のアップデートによりトラフィックが減少していたとしても、それは良いことと言える。

おかしなことを言っていると思うかもしれないが、こう考えてみてほしい。「薬を飲まずに体重を減らす方法」と検索した際、あなたが作成したダイエット薬の素晴らしさを伝える記事にユーザーがランディングしたとしても、すぐに離脱してGoogleの検索結果に戻ってしまうだろう。

言い換えれば、そうしたユーザーがコンバージョンにつながることはほとんどないだろう。

つまり、近年のアップデートによってトラフィックを失ってしまったかもしれないが、そうしたトラフィックの中には、ユーザー指標に悪影響を与え、直帰率を高めてしまうトラフィックも含まれていたかもしれないということだ。

加えて、非常に詳細で具体的なコンテンツ作成に取り掛かる良いきっかけともなるだろう。トラフィックが減少しているのであれば、該当のページを確認してみてほしい。

すでに検索結果から姿を消してしまっている場合は、そのキーワードに対して「コンテンツを調整する」「新しいコンテンツを作る」などして、ユーザーが求めている答えを提供しよう。

その方法がわからないのであれば、まずはSearch Consoleを見てみよう。「検索パフォーマンス」をクリックし、日付ボタンをクリックしよう。

そして、トラフィックが減少する前の日付で比較をしてみよう。「クエリ」を選択肢、差分の大きい順に並べてみるのだ。

修正が容易なロングテールのキーワードを調査してみよう。もし、修正方法のアイデアが湧かないのであれば、対象のキーワードをGoogleで検索し、上位に表示されているコンテンツを見てみよう。すでに上位に表示されているコンテンツとの比較を行うことで、見えてくるものもあるだろう。

Googleの最新のアップデートに対し、あなたはどのように考えているだろうか。

この記事は、NEILPATELに掲載された「How Google’s Bert Update Will Affect Content Marketing」を翻訳した内容です。

Googleがいかに優秀なシステムといえど、人間と同じように言語を理解することはまだまだ難しい状況です。それゆえ、Googleもあらゆる手段を用いて、この領域に注力しています。

今回のBERTについても、Googleの目指す方向が変わったわけではなく、さらに進化している状況をアナウンスしたものと解釈しています。まだ日本語は未対応とのことですが、遠くない将来に導入されると考えられます。

ニール・パテル氏が指摘しているとおり、仮に順位が下落したとしても、それは「ユーザーの期待に沿えていなかった」ことが原因であり、「期待に沿うためにはどうすればよいのか」といった視点を持って改善を行っていきましょう。

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SEO Japan|note

“出店ニーズDB”でテナントと店舗物件の最適なマッチングを実現する「テナンタ」が6000万円を調達

店舗物件を探しているテナントと物件を保有する不動産会社をマッチングする「テナンタ」開発元のテナンタは11月13日、Coral Capitalなどを引受先としたコンバーティブルエクイティにより総額6000万円を調達したことを明らかにした。

テナンタはテクノロジーの活用によって「店舗物件探し」に関する課題の解決を目指すBtoBの不動産プラットフォームだ。

特徴は物件を探しているユーザー(テナント)が希望条件をテナンタ上に登録しておけば、該当する物件を提案してもらえること。既存のポータルサイトなどは多くの場合「サイト上に掲載されている店舗物件の中から、テナントが自社にあったものを自分で探す仕組み」になっているが、テナンタではこの構造を変えることでテナントと不動産会社双方に新しい価値を提供する。

テナンタ代表取締役の小原憲太郎氏によると、店舗物件探しにおいては「良い物件ほど表に流通する前に決まってしまう」ことが多く、ほとんどのテナントが良い物件になかなか巡り会えないという課題を抱えているそう。募集中の店舗物件をまとめたサイトなどはあるものの、質の高い物件は人づてで決まるため、最終的には不動産会社とネットワークがあるかどうか次第になるのだという。

特に中小企業や創業間もないベンチャーであれば、不動産会社から認知されていなければ良い物件にアプローチすることはかなり難しい。とはいえ、どの不動産会社にどんな物件が入るかはわからないため、ネットワークを作るにしてもどうやってアプローチすべきか頭を悩ませてしまうのが現状だ。

一方で不動産会社側もまた、物件に合ったテナントがどこにいるかわからずその相手を探すのに苦労している。上述したように従来のサイトなどでは「不動産会社側が物件を登録してからテナントのアプローチを待つ」というのが基本で、誰がどんな物件を探しているのかがほとんど可視化されていなかった。

自社と繋がりのある顧客の中で物件にマッチする企業があれば問題ないが、該当者がいなければ自分たちの経験や勘を頼りに目ぼしい会社のサイトなどから出店状況や募集情報などを調べ、地道に顧客リストを作っていかなければならない。

テナンタの場合は「最初にテナント側が探している物件の情報を登録する」という従来とは逆のアプローチをとることで、「テナントの出店ニーズ」をデータベースをして可視化している点がポイント。不動産会社は物件の条件に合いそうな顧客を検索して自分たちから提案できるようになり、テナントも上手くいけばネットワークに頼らずとも良質な物件を獲得するチャンスを得られるようになる。

テナント側が入力する希望条件例

流れとしては、テナント側のユーザーが出店したいエリア、坪数、坪単価、出店希望時期などの条件をテナンタ上に登録。不動産会社はこれらの項目をベースにテナントを絞り込むことができ、マッチしそうな相手に対しては個別に物件を提案していく。

不動産会社の視点では「営業支援ツール」的な側面をもっていて、小原氏の話ではリーシング(物件に借り手がつくようにサポートする業務)がすごく楽になったという声が多いとのこと。膨大な時間がかかっていたリーシングを効率化できることに加え、これまで見逃していた“実は筋の良い顧客”の存在に気づけるようになるのがメリットだ。

「『自力でやった場合には2件しか候補が見つからなかったのに、テナンタを使うことで候補が8件まで増えた』といったような例があるように、リーシングの部分で価値を感じてもらえている。この業務は頭の中にデータを叩き込んでいないとできないので住宅などに比べても新卒が活躍しづらい領域だったが、テナンタを活用することで『新卒がリーシングの戦力になった』という声も頂いている」(小原氏)

不動産会社の視点ではテナントのニーズを集めたデータベースという位置付け。細かい条件に合わせてテナントを簡単に検索・絞り込むことが可能だ

テナンタは今年6月から東京・神奈川エリア限定のベータ版として運営。現在は約5000件のブランドが掲載されている状況だ(主体的に登録している正会員のテナントのほか、web上の情報を基にテナンタ側でリストアップしている企業も含む)。

今の所は無料で提供しているが、ゆくゆくは不動産会社側に対して営業支援SaaSのような形で定額制のサービスとしてマネタイズすることを考えているそう。そのほかテナント側の有料オプションなども検討していくようだ。

まずは今回調達した資金を活用して人材採用とプロダクトのアップデートを進める方針。不動産会社向けに物件と相性が良いテナントをレコメンドする機能などを取り入れていくほか、スマホ対応の強化やアプリ化も視野に入れつつプロダクト開発に力を入れていくという。

テナンタのメンバーと投資家陣

マイクロソフトがインドでAIによる子宮頸がん診断の迅速化を支援

インドで子宮頸がんにより死亡する女性の割合は他国より高い。予防可能な病気だが、インドでは毎年約6万7000人の女性が死亡している。世界全体の死亡数26万人の25%以上を占める。

効果的な検査による早期発見によって死亡率は下げられるものの、当面の課題は発症を検出する検査に耐え難いほど時間がかかることだ。細胞病理医が採用する既存の検査方法では時間がかかる。その上国内に細胞病理医がほとんど存在しない。AIでもっと迅速に検査できないのか?

インドで病理学および放射線学の診断サービスを提供する最大のチェーンであるSRL Diagnosticsでは、早くからこの状況を注視していた。昨年、Microsoft(マイクロソフト)がSRL Diagnosticsと提携して、病理学向けAIネットワークを共同で構築し、細胞病理医と組織病理医の負担を軽減した。

SRL Diagnosticsには、毎年10万を超えるPAP検査(細胞を顕微鏡で調べる検査)の検体が送られてくる。検体の約98%は正常で、残りの2%のみが詳細な検査などを必要とする。「細胞病理医が2%の異常な検体をいち早く見つける方法を探していた」とSRL Diagnosticsの新企画・ナレッジマネジメント担当技術責任者であるArnab Roy(アーナブ・ロイ)博士は説明する。

SRL Diagnosticsの細胞病理医が、デジタルスキャンしたホールスライドイメージング(WSI、病理標本全体のデジタル画像)を観察し、注目点などのマークをつけて、同社の子宮頸がん画像検出APIの教師データとして使う。WSIには約300〜400個の細胞が含まれる。

ホールスライドイメージングのデジタルスキャン画像。AIモデルの教師データとして使う

主観性をどう扱うかという問題がある。「異なる細胞病理医がそれぞれ独自の方法で塗抹標本の異なる部分を検査しても、全体として診断結果が同じになることがある。これが診断過程全体に関わる主観的要素で、細部病理医の経験によって変わる」とロイ博士は説明した。

SRL Diagnosticsのチームと連携しているMicrosoft Azureグローバルエンジニアリングの主任応用研究者であるManish Gupta(マニシュ・グプタ)氏によれば、構想中のAIアルゴリズムは、誰もが着目する領域を識別し、「その領域を評価した結果、コンセンサスを形成できる」ものだと述べた。

複数の研究室の細胞病理医が、子宮頸部塗抹標本の数千枚をタイル状に分割した画像にアノテーション(機械学習アルゴリズムに学習させるため、対象の色や形などの属性にタグをつけて教師データを作成すること)行った結果、各サンプル画像に同じタグがつく場合もあれば、異なるタグがつく場合もあった。

「アノテーションが一致しない画像、つまり3人のチームメンバーの見方が割れた画像は、最終分析のため上席の細胞病理医に送られた」とマイクロソフトはブログに投稿している。

両社は今週、協働の結果が出始めたことを明らかにした。SRL Diagnosticsは、子宮頸がん画像検出APIの内部プレビューを開始した。Microsoft Azure上で動く子宮頸がん画像検出APIは、液体ベースの細胞診スライド画像を短時間でスクリーニングして早いステージの子宮頸がんを検出し、病理医の診断に役立つ情報を提供することができる。

AIモデルは塗抹標本の正常・異常を正確に区別できるようになっており、3〜6か月間の予定で現在検証中だ。「子宮頸部細胞病理学の7つの小分類に塗抹標本のスライドを分類することもできる」と両社はブログ記事に書いている。

内部プレビューの間、匿名化した50万以上のデジタルタイル画像を使用する。内部検証に続いて、APIは病院や診断センターなどの子宮頸がん診断機関で評価される予定だ。

「現在、細胞病理医が見直さなければならない領域は、液体ベースの細胞診では20程度まで減っている。細胞病理医が陽性症例を検証することで、初期スクリーニングプロセスの速度と効率が向上する」

「我々のAPIによって細胞病理学分野の生産性が約4倍高まるとみている。将来、AIを使って病理標本作製の自動化が進めば、細胞病理医は従来8時間かかったいた仕事を2時間でこなすことができる」とロイ博士は述べた。

SRL Diagnosticsとマイクロソフトが組むコンソーシアムは、腎臓病の診断や口腔がん、膵がん、肝臓がんなどの病理分野でのAPI利用を期待していると述べた。民間企業や政府との提携による顧客の拡大や、組織病理医が少ない遠隔地での利用も目指している。

今週の発表は、インドでマイクロソフトが進めている研究活動の最新例だ。世界で2番目に人口の多い同国は、米国の多くのテクノロジー企業にとって実験場となっている。この地域で新しい製品やサービスを開発し課題を解決できれば、世界展開も視野に入ってくる。

マイクロソフトは先週、自社のAIプロジェクトがインドにおける運転免許取得試験の改善に貢献していることを発表した。 同社は、過去2年間にインド市場でさまざまなツールを発表してきた。農家が収穫量を増やすツールの開発や、回避可能な失明を防ぐための病院との協業などだ。また昨年、同社はアポロ病院と提携して、インドにおける心臓病のリスクを予測するAIベースのAPIを作成した。

さらに昨年、同社はクリケットの伝説的プレーヤーであるAnil Kumble(アニル・カンブル)氏と協力して、若者のバッティング技術を分析する追跡装置を開発した。保険会社ICICI Lombardとの提携では、AIで顧客からの修理の請求を処理したり、失効した保険を更新するシステムを開発している。

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(翻訳:Mizoguchi)

Eclipse Foodsの純植物性アイスクリームがニューヨークとサンフランシスコの高級店に登場

植物性の代替食品が今ホットだ。食べ物の中で最もクールと言われるものにさえ、そのホットなやつは侵入してきた。それはアイスクリームだ。

植物性の乳製品を作るEclipse Foods(エクリプス・フーズ)が、若者に人気の高級アイスクリームブランドであるHumphry Slocombe(ハンフリー・スロコム)やOddfellows(オッドフェローズ)と契約して、その製品を原料に使ってもらえることになった。

これまであった植物性の乳製品は味や舌触りまで真似ていなかったが、Eclipse Foodsによると彼らの製品は動物の乳と区別がつかない。しかも、アレルギーを起こさない原料を使用している。

米国時間11月9日から、ニューヨークとサンフランシスコのお店の棚には、植物から作ったOddFellowsHumphry Slocombeの職人芸的アイスクリームがある。

Eclipse Foodsは350万ドルの資金を、Redditの共同創業者であるAlexis Ohanian(アレクシス・オファニアン)氏と、彼の投資会社であるInitialized Capital、Gmailを作ったPaul Buchheit(ポール・ブックハイト)氏、そしてDaiya Foodsの元会長であるEric Patel(エリック・パテル)氏らから調達した。

オファニアン氏は声明で「また植物性食品に投資できてうれしい。創業者のAylon(エイロン)とThomas(トーマス)は食品科学のエキスパートだから文句なしだ。アイスクリームの品質は本物の乳製品で作ったものと区別できないし、今後もっともっと良くなるだろう。植物性食品のニーズは今高まっているし、このように値段が高くなくて、持続可能な作り方をされてて、そしてもちろんおいしい製品はそのニーズにぴったり合う」と語っている。

競合他社に比べるとEclipse Foodsの手法は単純明快だ。遺伝子を組み換えた原料は使っていない。植物性挽きの分野では、Impossible FoodsよりもBeyond Meatに似ている。

Eclipse FoodsのCEOであるAylon Steinhar(エイロン・スタインハート)氏は「同社は高価なバイオテクノロジーを使ってここまで来たわけではない。使ってるものは、植物と、機能性植物蛋白質に関するわれわれの専門知識と、複数の植物の単純な組み合わせ方だ」と語る。

創業者のスタインハート氏は、植物による食品革命を志す非営利団体のGood Food Instituteの専門科学者だった。相棒のThomas Bowman(トーマス・ボウマン)氏は、植物性食品の先輩企業JUSTの製品開発部長だった。Eclipse Foodsは高名なアクセラレーターであるY Combinatorから今年の3月にローンチした。

関連記事:Launching from YC, Eclipse Foods casts a long shadow over the $336 billion dairy industry(YC卒のEclipse Foodsが3360億ドルの酪農乳業界に挑む、未訳)

スタインハート氏によると「原料はコーンやキャッサバなど安いものばかりなので、今後の規模拡大にもあまり資本はいらない」とのこと。

現在同社が歩んでいるロードマップは、最初Pat Brown(パット・ブラウン)氏のImpossible Foodsで作られ、その後同じく植物性の蛋白質による代替食品を追究する数十社ものスタートアップによって複製されたものだ。それは、今回のアイスクリームの例が示すように、有名なシェフや職人芸的なブランドをパートナーとして、彼らの比較的高く売られている製品の仲間入りをすること。マクドナルドやバーガーキングのソフトクリームコーンや、ウェンディーズのあのおいしいフォレスティの路線ではない。

シンプルなバニラアイスクリームではなく、Eclipse Foodsの植物性アイスクリーム原液はOddFellowsではミソチェリーやオリーブオイル・プラムアイスクリームに使われ、Humphry Slocombeではスパイシーなメキシカン・ホットチョコレートに使われる。

同社の今後の計画では、Beyond MeatやImpossible Foodsのバーガーを売ってるような店舗でも売っていくつもりだ。ボウマン氏は「バーガーキングのどの店にもImpossible Whopperがあって、Carl’s Jr.のどの店にもBeyond Famous Starがあるような時代になったら、どのレストランでも純植物性のアイスクリームを扱うだろう。アレルゲンがないし、遺伝子組み換え作物を使ってないし、粘着剤も弾性剤も安定剤も何も使っていない」と語る。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アディダスはSpeedfactoryを閉鎖してロボットによるシューズ生産から後退

Adidas(アディダス)は、世界規模の流通にかかわる費用をかけた実験を中止した。米国アトランタと、ドイツのアンスバッハにあるロボットによる「Speedfactory」(スピードファクトリー)を、6カ月以内に閉鎖すると発表したのだ。ただしこの技術を、アジアにある既存の人手中心の工場で再利用することを示して、このニュースのうわべを取り繕った。

このロボ工場は、製造プロセスを分散化する戦略の一環として、2016年にアンスバッハ、2017年にアトランタに設立されたもの。それ以前のモデルは、他の多くの産業と同様、労働力と間接費が安い東アジアで製品を生産し、そこから必要に応じて出荷するというものだった。しかしそれでは、ファッションや運動競技と同じほど動きの早い業界にとっては、いかにも遅く、ギクシャクしたものになってしまう。

「現在、当社の製品のほとんどはアジア製であり、それを船や飛行機でニューヨークまで運んでいました」と、アディダスのCMOであるEric Liedtke(エリック・リートケ)氏は、昨年のDisrupt SFで、新しい製造技術についてのインタビューに答えていた。Speedfactoryは、それを変えるためのものだった。「ある種のマイクロ流通センターをジャージーに置くのではなく、ジャージーにマイクロ工場を作って、その場で製造するのです」。

関連記事:Adidasのスニーカーのサプライチェーンが3Dプリントで劇的に変わりオンデマンド化へ

最終的に、これは想定したよりも難しかったことが証明されたようだ。他の業界も含めて、性急に自動化を推し進めるなか、目標を高く置きすぎて、まだ技術が整っていない段階で、できもしないことを約束してしまうことはよくある。

ロボット化された工場は強力なツールだが、早急に構築し、整備するのは難しい。ロボットアームやコンピュータービジョンのシステムをセットアップするには、専門知識が必要となるからだ。ロボットを利用した製造技術は、この分野でも進歩を遂げている。ただ今のところ、標準的なツールを異なるパターンで使えるよう、人間の労働力を訓練するよりも、はるかに難しいのだ。

アディダスのグローバルオペレーションの責任者であるMartin Shankland(マーティン・シャンクランド)氏は、「Speedfactoryは、私たちの製造技術の革新と能力の向上に貢献してきました」と、プレスリリースで説明している。また短期的には、製品を迅速に市場に投入できたという。「それが最初の目標でした」とも言うが、情勢が変化する中、おそらく2016年とは事の運びが違ったものになったのだろう。

「アンスバッハとアトランタでのコラボレーションが終わってしまったことを、非常に残念に思います」と、シャンクランド氏は言う。アディダスに協力したアンスバッハ拠点のハイテク製造技術パートナーのOechsler(オークスラー)も同じように感じている。「Oechslerでは、アディダスがSpeedfactoryでの生産を中止する事情は理解していますが、この決定を残念に思います」と、同社のCEOであるClaudius Kozlik(クラウディウス・コツリック)氏は、プレスリリースで述べている。これらの工場は4月までに閉鎖し、そこで働いていた160人程度の労働者は、失職または配置転換される。ただし、両社は引き続き協力関係を維持することにしている。

同じプレスリリースでアディダスは、来年から「Speedfactoryの技術を利用して、アジアの2つのサプライヤーで、アスリート用のフットウェアを製造する予定です」と述べている。それが正確に何を意味するのかよく分からないので、同社にはさらなる情報の提供を求めている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

atama plusがZ会と業務提携、タブレット型AI教材の学習塾への導入進む

AIによる中高生の学習効率化を目指すatama plusは11月12日、Z会グループ(増進会ホールディングス)と業務提携し、Z会グループの学習塾運営会社である栄光の「栄光の個別ビザ」に、atama plusのAI教材「atama+」を導入することを発表した。

栄光は全国に738教室を持ち、約6万名の生徒が通う大手学習塾。栄光の個別ビザビはその中でも、マンツーマンで授業を受けられる個別指導を専門とする塾だ。この栄光の個別ビザビに、atama+の活用を前提とした教室を新規開校するほか、既存133教室にもatama+が導入される。

Z会グループはこれまでも、グループ傘下のZ会エデュース運営の「Z会東大個別指導教室プレアデス」にatama+をいち早く実証・導入するなど、atama plusの創業当初より関係が深く、実際にatama+の導入によって生徒の成績向上や満足度が向上したことから、今回の大規模導入につながったそうだ。

atama+のAI教材は、高校生向けの数学、英語、物理、化学、中学生向けの数学、英語に対応しており、これまでで大手塾の2割強、500教室以上で導入実績がある。具体的な効率化データとしては、数Iは16時間、数Aは15時間で習得できるとのこと。ちなみに学習指導要綱で規定されている学校の授業時間は計146時間だ。

atama+は、AIが生徒の得意・苦手・目標・過去の学習内容などに応じて、生徒それぞれに最適な学習教材を自動作成するのが特徴。数学の正弦定理が苦手な生徒の場合、正弦定理の問題を片っ端から問いて身体で覚えるのではなく、平方根や三角形の内角などの基礎的な要素を理解させることに重点を置くのが特徴だ。生徒の苦手分野を特定するためにさまざまな角度からatama+が出題し、その生徒が何を理解していないのかを把握する。そして、その苦手分野を補う5分程度の短い動画教材や例題などを組み合わせたカリキュラムを自動で生成する。

atama plus代表取締役の稲田大輔氏は、ベネッセ・ブラジルの執行役員や海外EdTech投資責任者などを歴任後に同社を創業した人物。TechCrunchの以前の取材で、「日本では、必修科目を習得するための学習時間が海外に比べて非常に長く、自己表現力やコミュニケーション能力、グループで協力して作業するといった『社会でいきる力』の教育・習得に時間が取れていない」と語っていた。また「英語を含む基礎学力は非常に大事で、日本の生徒が受験に向けて勉強をすることは間違いない」という日本の状況を理解したうえで「必須科目を効率的に最短で習得できる方法を開発して学習時間を減らす」ことを目指し、atama+の開発に取り組んでいる。

関連記事:AIによって習熟期間を超短縮、日本の受験環境を一変させるatama plusの想いと狙い

なお同社は9月に駿河台学園とも業務提携しており、2020年4月より駿河台学園が運営する学習塾にatama+を導入することが決まっている。

関連記事:atama plusが駿河台学園と業務提携、タブレット型AI教材を全国展開

AmazonがWhole Foods以外のグロサリーストアを2020年にオープン

Amazon(アマゾン)は、買収したWhole Foods以外のグロサリーストア(食料品店)を米国ロサンゼルスのウッドランドヒルズ地区に初めて開く。このニュースを最初に報じたCNETは、その場所を指している求人票をいくつか発見した。職種は、ゾーンリーダー、グロサリーアソシエイト、フードサービスアソシエイトなどだ。

Amazonによると、増加しているレジなしコンビニエンスストアのAmazon Goと違って、この新しいストアは従来型のチェックアウト技術を用いる。CNBCによると、ストアの場所はショッピングセンターの中の以前トイザラスがあったところらしい。

Amazonは計画の詳細をまだ明かさないが、ウッドランドヒルズのストアは2020年に開店する、と明言した。Whole Foods以外の食料品店の計画がAmazonにあることは、10月にThe Wall Street Journal(ウォールストリート・ジャーナル)が報じた。そのときの記事では、同社はロサンゼルスとシカゴとフィラデルフィアを皮切りに全米で数十店の食料品のチェーン店を開く計画となっていた。最初の場所としてウッドランドヒルズが、アービンのスタジオシティと共に挙げられていた。ほかに、ニューヨークの都心部やニュージャージー、コネチカットなども、候補地になっていた。

Amazonの実店舗拡大の動きは、Walmart(ウォルマート)のグロサリー事業の好調と時期が一致している。一部の報道では、後者は今やライバルのAmazonやInstacartなどを圧倒している。Walmart(ウォルマート)の本年Q2の決算報告では、eコマースの売上が37%伸び、それは主にオンラインのグロサリー(食料品)に支えられている。好調の原因は顧客の近くにお店があることとされている。食品の価格には他社のように上乗せ額がなく、顧客はオンラインでオーダーしたらお店へ受け取りに行けばよい。配達してもらうと小額の配達料を払う。

一方AmazonのWhole Foodsは、以前から高価格というイメージがある。このグロサリーチェーンを買収したAmazonは、Walmartのやり方に対抗して、毎週の特売やプライム会員への値引きなどをやってきたが、Whole Foodsの高級店イメージは拭いきれず価格も依然として高い。

Amazonが今回手掛けるグロサリーストアは、従来型、そして安値指向のショップで買い物をするメインストリームの消費者がターゲットだ。

AmazonのスポークスパーソンはCNETに「食糧雑貨の買い物では、お店をいろいろ選べることが好まれるので、今度の新しいストアは、高品質な自然食品や有機食品のリーダーとして成長しているWhole Foods Marketとはまったく異なるオプションをご提供する」と語る。

上記のように、同社によると新しいAmazonのグロサリーストアを立ち上げてもWhole Foodsの拡張は続ける。今年Whole Foodsは新たに17店をオープンしたが、今後の開店計画もあると同社は述べている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa