グーグルのArt & Cultureプラットフォームがアップデート、マリのトンブクトゥの文書、芸術品、音楽が追加

Google(グーグル)は、西アフリカの歴史家と協力して、マリに関する現代美術、文化、史跡のデジタル化に取り組んできたが、米国時間3月10日、Google Art & Culture(GAC)でデジタルライブラリーが公開され、これらのアイテムが世界中で探索できるようになった。

「Mali Magic(マリ・マジック)」と呼ばれるこのプロジェクトには、デジタル化された原稿ページが4万件以上、9つの遺産のストリートビュー、13世紀に建てられた世界最大のアドベ建築であるジェンネ・モスク(泥のモスク)の3Dモデルや注釈付きツアーが含まれている。

また、マリのシンガーソングライターFatoumata Diawara(ファトゥマタ・ディアワラ)がこのプロジェクトのために制作した、マリの文化遺産を紹介するオリジナル音楽アルバム「Maliba」も収録されている。

「(写本は)単なる歴史的な重要資料ではありません。西アフリカのマリという国の遺産の中心であり、アフリカにおける文字による知識と学問の長い遺産を象徴し、現代の問題に立ち向かう過去の行動からグローバルな学習を促す可能性を秘めています」と、トンブクトゥ(マリの都市)から写本を密輸したことで知られる「バッドアスな司書」で、Googleプロジェクトの協力者でもあるAbdel Kader Haidara(アブデル・カデル・ハイドラ)氏は述べている。

トンブクトゥは昔から、遠い場所の婉曲表現として使われてきた。しかし、このマリの都市は、中世の時代、サハラ砂漠を横断するキャラバンルートの重要な交易拠点であり、その歴史から学問の重要な中心地であったことはあまり知られていないようだ。この活発な歴史が、この都市に写本、音楽、モニュメントなどの芸術をもたらし、アフリカの交易、教育、宗教、文化の歴史を垣間見ることができるようになったのだ。

「マリの都市トンブクトゥは、人権、道徳、政治、天文学、文学の分野における豊かな学問を生み出し、何千もの写本に記録されています。2012年、この古代の知識が過激派に脅かされたとき、地元コミュニティはこれらの宝物を保存するために時間との戦いに挑みました。この遺産は、今世界中の人々が探索できるようになりました」とGoogle Arts & Cultureのプログラムマネージャーでデジタル考古学者のChance Coughenour(チャンス・クーヘナー)氏は述べている。

このライブラリーは、ウェブ上およびGoogleとApple(アップル)のストア上のアプリケーションを介して利用可能だ。2011年に80カ国、2000以上の文化施設の宝物、物語、知識を収集するデジタルプラットフォームとして開始されたGoogle Arts & Cultureは、世界中の博物館や遺産を少しずつ記録してきた。

アフリカからは2015年に南アフリカのロベン島博物館が初めてライブラリー化され、2019年にはケニアのナイロビ国立博物館がそれに続いている。ナイジェリアのアフリカン・アーティスト・ファウンデーション、レレ・アート・ギャラリー、芸術文化センターのテラ・カルチャーが、南アフリカのウィッツ大学のオリジンセンターと同じ2020年に追加された。マリのコンテンツが加わったことで、9世紀にわたってアフリカの学者によって書かれたデジタル化されたページ数は40万を超えることとなった。

Google Arts & Cultureプラットフォームは、歴史的な文書や芸術品のアーカイブとして機能するだけでなく、2021年のアップデートでは、ペットの写真と美術館にあるアート作品をマッチングさせるなど、ユニークな機能も備えている。

画像クレジット:Google/Passion Paris

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(文:Annie Njanja、翻訳:Akihito Mizukoshi)

他よりも目立ち、コンバージョンも高い製品デモの9つの事例

オンラインであれ、オフラインであれ、自社の製品を見込み客に紹介する機会は多々あることと思います。その際に使用されるコンテンツ、いわゆる製品デモの品質によっては、成約に大きく影響するかもしれません。今回紹介する記事は、そうした製品デモについて考察したCXLの記事となります。優れた製品デモが持つ特徴に併せ、実例も豊富に紹介されており、読み物としても非常に興味深い内容となっております。

製品デモはセールスのプロセスにおいて、非常に重要なツールである。それは、リード獲得とコンバージョンの間にある、あらゆる重要な検討段階に存在し、あなたのソリューションが問題をどのように解決し、見込み客の生活をより容易にするための方法を示す機会を提供する。

うまく設定すれば、優れた交渉役となるが、うまく活用できなければ、売上を失う可能性がある。

この記事では、説得力のあるデモの作成方法を紹介している。まずは、重要な原則についての確認を行い、その後、成功している企業が見込み客を惹きつけるためにどのようにデモを活用しているか、詳細を見ていこうと思う。

説得力のある製品デモとは、どういったデモか?

優れた製品デモは、3つのことを行っている。

  1. 製品の紹介
  2. 見込み客の教育
  3. 見込み客への行動喚起

しかし、これら3つの項目は「問題の解決」という言葉に集約することができる。

あなたの製品がどのようにユーザーの生活をより簡単なものにするか、それを示すことができれば全てが順調に進むだろう。

これは、ライブデモ、録画デモ、実際に使用してもらうデモなど、デモの種類を問わず、言えることである。しかし、どのようなタイプのデモを選ぶかによって、進む道に影響がある。

例えばライブデモの場合、あなたはリアルタイムで見込み客(または顧客)との関わりを持つようになる。この場合、特定の質問に対し、あなたの製品がどのようにして答えるかを示すことができる、という利点がある。

録画デモの場合、そこで回答される質問は事前に決まっている必要がある。これは、あなたがターゲットとする市場が包括的に抱える問題にフォーカスできるということを意味するため、悪いことではない。また、設定し、録画を流すだけでよいため、見込み顧客のスケジュールに合わせ、セールスチームを編成し、リアルタイムでデモを行う必要はない。

実際に使用してもらうデモの場合、見込み顧客は実際にあなたの製品を利用することができ、それがどのようなものなのかを確認することができる。その一方、個人的な関わりとユーザーに正確な使用法を伝える機会を失うことにもなる。しかし、ユーザーが好きな時間に、自身を教育する機会を与えることができる。

優れた製品デモの原則

説得力のある製品デモが持つ、共通の特徴を見ていこう。

1.事前に選定されているリード

最高のデモは、適切なオーディエンスに語り掛けていることを理解している。それらは、事前にリードを選定することによって、これを実現している。

リードを事前に選定することは、下記を理解することに役立つため、あらゆる種類のデモにとって重要である。

  • 見込み客が、あなたの理想とするバイヤープロフィールに合致するか
  • あなたの製品は、彼らの問題を解決することができるか
  • その見込み客は、フォローする価値があるか

リードの質を高めるための簡単な方法の1つとして、サインアッププロセスが挙げられる。Slite社は、見込み客の会社に関連する質問をすることで、これを実現している。

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これにより、セールスの担当者は、その見込み客のニーズに沿って会話を進め、デモを行うことができる。

Ameyo社は、より詳細なアプローチを採用しており、サインアップフォームに「ビジネス用のEメール」を含めている。

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78個のSaaSのデモを調査した結果、ジェイク・ハットフィールド氏はこうした共通の特徴があることを発見した。

データによると、名前、電話番号、Eメールは求められているようだ。83%のフォームで、これら3つの項目の入力を求めていた。ここで注目すべきは、多くのフォームで「ビジネス用のEメール」や「仕事用のEメール」の入力項目があるということだ。おそらく、より真剣なリードを見極め、スパムの送信を防ぐことが目的だろう。

また、見込み客は、最初の電話やデモの開始時点において、次の質問を投げることで、選定される。

我々の製品が解決することを期待する、あなたが抱える問題はどんなものですか?
この製品に、何を求めていますか?
現在、他にどのような製品を使用していますか?
いつから、ソリューションを探していますか?

こうした質問を直接することができない場合(オプトインがない場合など)、デモでフォーカスすべき重要な領域を特定するため、イントロダクションの時点で尋ねても良いだろう。

2.開始、本題、終了、の設定

あらゆる優れた物語のように、製品のデモは見込み客を旅に連れていくようなものであるべきだ。

定評のあるストーリーテリングのフォーマットを順守し、Adobe社のアレクサンドラ・ネーション氏は、以下のステップを踏襲している。

1.あなたがこれから伝えることを、オーディエンスに伝える。この機会を活用し、会話を導く。自分が言いたいこと、相手が聞く必要があること、それらを伝えるのだ。これから向かう先が明確になることで、オーディエンスが安心することができるのだ。

2.伝える。あなたのソリューションが彼らのニーズを満たすのかを伝え、この時がビジネスケースを構築する時となる。異なる機能を乱雑に並べることでは不十分なのだ。あなたの製品やサービスが、彼らが持つ課題をどのようにして助けることができるかを伝えるのだ。

3.自分が話したことを、相手に伝える。プレゼンテーションを終える前に、ポイントとなる箇所を押さえるため、重要な内容を再度伝える。

これらのステップは、話すこと以外で行うデモにおいても、活用することができる。

usetifulの例を見てみよう。彼らのデモは、Webサイトのトップページにポップアップを表示し、製品が持つ様々なソリューションを紹介することで、見込み客を獲得している。

そのポップアップは、イントロダクションから始まっている。

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その後、実際のユーザーが得た数々のメリットを繰り返し紹介する。

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デモが終わる前に、コール・トゥ・アクションを表示する。

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Slack社も少ない文字数でこれを行っているが、この話は記事の後半でお伝えしよう。

3.機能ではなく、常にソリューション

最高のデモとは、ステーキではなく、ジュージューとした音を売るようなものである。前述の繰り返しとなるが、言い換えると、その製品がどのようにして見込み客の課題を解決できるかにフォーカスするのである。

複数の課題を解決できる製品であれば、複数のデモを用意しよう。

例えば、Salesforce社は、Marketing Cloudの各ツールごとに、個別のデモを用意している。各デモは、特定の機能がユーザーにとってどのようなメリットがあるかを紹介しているのだ。

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複数のデモを活用している企業については、2つの事例を後程紹介しよう。

見込み客のニーズの中心にデモを位置づけるためには、Demodesk社の「3つのルール」に従おう。

あらゆる問題点において、この「3つのルール」を活用しよう。見込み客の課題に対するソリューションとなりうることを紹介するため、最も重要な3つの機能にフォーカスするのだ。

4.コール・トゥ・アクションの実装

Gongによると、成功した担当者は、失敗した同僚に比べ、次のステップのためのスケジューリングに4分間、長い時間をかけているとのことだ。また、この調査によると、次のステップのための会話を怠った場合、成約率が71%も低下するとのことである。

電話の場合、見込み客と次のステップについて確認を取ることは容易であるが、録画デモ、実際に使用してもらうデモの場合はどうだろうか?

こうしたデモの場合、デモの最後や、デモ中の画面上にコール・トゥ・アクションを表示することが、見込み客を正しい方向に導くために、重要なこととなる。

Flywheel社のゼーン氏は、録画したデモの最後に、連絡を取り製品を使用することを促すことで、これを実現している。

Flywheelのダッシュボードから、あなたが探しているWebサイトをすぐに探すことができます。両方のプランにおいても、単一のWebサイトであってもです。もちろん、質問がある場合は、エンジニアがすぐにお答えします。

信じられるかどうかはわかりませんが、Flywheelはこれほどまでにシンプルです。ぜひ、ご自身でお試しください。

Squarespace社は、デモのテンプレートの右上に、「このデザインで開始する」というボタンを設置することで、これを実現している。

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5.準備

優れたデモは、準備無くして作成することはできない。リードの選定と綿密な計画だけでなく、リハーサルも行うべきだ。ビジネス作家のジェフリー・ジェームス氏は、これを繰り返し行うことを勧めている。

デモはプレゼンテーションよりも難しい。なぜなら、デモでは、顧客、そのデモが顧客に与えている効果、デモ自体の仕組みの3つを同時にフォーカスしなければならないからである。そのため、少なくとも3回はリハーサルを行うべきである。

計画を立てずにデモンストレーションを行おうとする営業担当者のいかに多いことか。その結果は、常に、大失敗である。

また、実際にデモを行う前に、全ての機器の確認をすべきである。コンピューター、マイク、カメラも対象だ。もちろん、製品自体もである。バグや不具合ですべてを台無しにしてしまうことは、何としても避けたいことだろう。

優れた製品デモの9つの事例(また、それらからあなたが学べること)

優れたデモの原則を頭に置きながら、成功したいくつかのブランドを見ていこう。製品デモそのものに注目する例もあれば、どのようにしてユーザーをサインアップまで導くかに注目する例もある。

結局のところ、ユーザーが実際にデモを見てくれなければ、その製品デモが販売を獲得するチャンスはわずかとなってしまう。

1.Kajabi社

トップページに訪問した瞬間、Kajabi社がデモに注力していることがすぐわかるだろう。デモをアバブ・ザ・フォールドに配置し、2つのコール・トゥ・アクションのボタンを設置している。

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注目すべきは、製品デモが、導入文となる大見出しとコピーの隣に配置されていることである。これにより、見込み客へその製品についての情報とその製品は何ができるのかを伝えることができ、さらに詳細を知りたいと思わせることが可能となっている。

どちらかのボタンをクリックすれば、フォームが表示される。Kajabi社のデモは、録画したデモであるため、特定の質問を投げかける必要はない。そのため、フォームをシンプルなままにすることができている。

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ボタンをクリックすると、直接デモにアクセスできる。また、Eメールの受信トレイに送信することもできる。

これは、今すぐにデモを見たくない(もしくは、見ることができない)ユーザーにとって、非常に便利である。受信トレイにあれば、好きな時間にデモを見ることができる。

また、Kajabi社にとっては、製品をより詳細に紹介する機会にもなっている。また、Kajabi社はソーシャルプルーフを伴うことで、製品の特長と利点をより良く説明している。

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お客様の成功が、Kajabi社にとっての全てである。合計で20億ドル以上の収益を上げている、我々のプラットフォームを利用している40,000以上の起業家に、尋ねてみてほしい。

こうすることで、Kajabi社の製品は見込み客が求めているものであるという印象を与えている。製品デモはこれを確認するためのものであり、また、製品を説明するためのものである。

デモ動画は、Kajabi社のエンジニアリングの副代表である、ジャーミー・サンツ氏が担当している。これにより、信頼感が一気に増すことになる。また、ユーザーの安心にもつながるだろう。ジャーミー氏は製品の内側も外側も熟知している人物であり、セールスマンではないのだ。

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彼の語り口は、Kajabi社がどのように手助けとなることに注力しており、過度な売り込みはしていない。

最後に、小さいながらも有益な機能として、Kajabi社のデモは、ユーザーが視聴した個所を覚えている機能を備えている。彼らのデモは、30分間と、製品デモとしては長めである。そのため、一度視聴をやめたとしても、最後に見た場所まで再び戻れることは、ユーザーにとってうれしい機能だろう。

Eメールのアドレスを収集しているのであれば、それを有効活用するための時間を無駄にしないことだ。製品の利点を説明し、あなたのリストに含まれている購読者に対し、エンゲージメントを高めよう。

2.Headspace社

アニメーション動画は、多くの作業を視覚的に行うことで、製品の利点を素早く、簡潔に伝えることができる。この点において、Headspace社の製品デモの右に出るものはいないだろう。

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1分半にも満たない動画で、Headspacがユーザーを幸せで、健康的な生活を送る手助けとなることを、この製品デモは説明している。また、登録の方法や瞑想の始め方も解説している。

この製品デモは、Headspace社のモバイルアプリとWebサイトと同じキャラクターを使用している。また、瞑想のクラスも担当している、創業者のアンディがナレーションを担当している。これにより、ブランドに一貫性を持たせ、親密さも演出している。これは非常に重要なポイントとである。

なぜだろうか?

なぜなら、検索者の82%が、自身となじみのあるブランドを最初のクリック先に選ぶからである。

プラットフォーム間でブランドの一貫性を保つことで、一度体験したことのあるユーザーが、そのブランドについてもっと知りたいと思うようになるため、競合他社ではなく、あなたの製品のデモを見る可能性が高くなる。つまり、競合他社よりも、新規顧客の獲得に一歩近づくことになるのだ。

3.Snowflake社

Snowflake社は、グルーバルなデータクラウドプラットフォームであり、様々な業界や部署に多くの製品を提供している。彼らにとって、たった1回のデモでは不十分である。

グローバルで需要があり、タイムゾーンも異なることから、1対1でデモを行うことはリソースが足りなく、予定通りに進めることが困難となる。

解決策は何か?

ウィークリーで行うデモである。

毎週、Snowflake社は異なるトピックでライブデモを開催している。異なる時間や複数のロケーションでデモが行われるため、見込み客は自分に合ったデモに参加することができる。

この意味では、デモというよりも、ウェビナーに近いだろう。しかし、その内容は問題解決に注力したものである。

ライブデモのページでは、見込み客は地域、作業量、業界などで絞り込むことができ、適切なデモを探すことができる。特定の時間を選択することで、見込み客はスケジュールを確保することが見込まれる。Snowflake社にとっては、参加者の出入りが少なくなることを意味している。

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見込み客は、サインアップページに誘導される。ここで、Snowflake社は、ユーザーがデモに参加することで何を学ぶことができるかを、正確に説明している。こうすることで、ユーザーが参加する理由がより明確になる。また、そのデモにふさわしくない参加者を排除することにもなっている点も重要である。

あなたのブランドが複数のマーケットで展開している場合、また、製品に多くの選択肢がある場合は、デモカレンダーを作成することにより、より多くのユーザーに効果的にアプローチすることができるはずだ。

4.Atlassian社

Snowflake社と同様に、ソフトウェアの開発会社であるAtlassian社も、様々な顧客に対する様々なソリューションを提供している大企業である。Atlassian社も同様の手法でデモを活用している。

サインアップページでは、見込み客に適切な時間と日付を選択させている。

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各デモにはライブチャット機能が備わっている。そのため、参加者はリアルタイムで質問ができ、専門家がそれに答えるのである。

この機能を導入することにより、他に参加者がいたとしても、見込み客と1対1のかかわりを持つことができる。しかし、顧客体験を損ねてしまったり、話す内容から逸れてしまうことがないよう、デモの最後にQ&Aの時間を設けても良いだろう。

Snowflake社と異なる点は、登録フォームの下部のセンテンスに表れている。

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ライブデモに加え、オンデマンドのコンテンツのライブラリーも含めることで、Atlassian社は、そのプロセスにおいて、より多くのリードを獲得することが可能となっている。

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(それが適している場合)ライブデモを録画することで、コンテンツをさらに有効に活用することができ、より多くのユーザーにリーチするためのデータベースの構築にも利用できるだろう。

5.Square社

ジェイク・ハットフィールド氏の調査では、実際に使用してもらうデモの数は圧倒的に少なく、全体の3%にすぎなかった。

全ての企業が、実際に使用してもらうデモに適した製品を持っているわけではない。例えば、先ほどのAtlassian社とSnowflake社では、非常に広範囲、かつ、複雑である。セールスの担当者がソリューションについての説明を行い、質問に答えることは、見込み客にとってのメリットとなる。

また、ジェイク氏が指摘している通り、実際に使用してもらうデモをうまく行うことは難しい。

あなたの製品を使用するにあたり、学習曲線がある場合は、ユーザーはどこで助けを求めたらよいのかがわからず、使用をあきらめてしまうかもしれない。また、この種のデモは、デザイン、コード、デプロイなどの初期コストがかかる可能性もある。

決済サービスのプラットフォームであるSquare社は、シンプルな製品とクリエイティブなデモの設計によって、これをうまく行っている。

限定的なバージョンの製品に見込み客をアクセスさせるのではなく、Square社は一般的なポイント・オブ・セールス(POS)のタスクを完了させるようにしている。

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ユーザーはシナリオを1つ1つ辿ることができ、また、デモの最後にプロセスを復習するためのまとめも用意されているため、それがいかに簡単であったかを再確認することができる。

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参加への障壁も少ない。見込み客は、登録やソフトウェアのダウンロードも必要としない。製品の簡潔さとデモの強さをもってして、Square社はユーザーを説得している。

その証拠に、ユーザーには無料で使い始めるための簡単なフォームを用意しているのだ。

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トップページの上部中央にCTAを表示しているKajabi社のデモと異なり、Square社のデモでは、アプリのダウンロードと再アップのCTAと共に、POSのランディングページの上部から3/4あたりに配置している。

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Square社の場合、デモをリード獲得の目的ではなく、潜在顧客を獲得するための手段の1つとして使用しているため、理にかなっていると言える。

あなたの製品の強みが「シンプルであること」である場合、それを証明することで、Webサイトとマーケティングコピーを補完するデモを作成することは、非常に強力な営業ツールとなるだろう。

6.Slack

Slack社のデモは、製品デモと実際に使用してもらうデモの中間に位置するものである。Square社のように、インターフェースを使って何ができるかを紹介している。

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「デモを見る」のボタンをクリックすると、チャンネルの開始、ツールの統合、コラボレーションなどの主要なメリットを説明が開始される。また、タスクを完了するための手順も紹介される。

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このデモが優れているポイントは、Slack社が会話を誘導していることである。セールスの担当者がいないにもかかわらず、見込み客を各セクションに導き、最後にはコール・トゥ・アクションを促している。

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ナレーションなしで、製品の価値をクリエイティブに伝え、起承転結を明確にしている好例と言えるだろう。

7.Fathom

分析プラットフォームであるFathom社は、デモの開始から、何を提供し、なぜ利用すべきなのかを伝えている。

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長い間、Webサイトの分析用のソフトウェアの質は低かった。理解することが難しく、使用するのに時間がかかり、さらに悪いことには、大企業の利益のために訪問者のデータが搾取されていた。

Fathomは、そうしたソフトウェアと一線を画す分析ツールである。使いやすく、プライバシーについての法律(GDPRなど)を順守することで、Webサイトの分析に革命を起こした。

このコピー文は、製品の販売に役立つだけではない。ソフトウェアのデモの視聴を促す、説得力のある文章となっている。

CTAをクリックすると、Fathomのプラットフォームの実際に使用できるバージョンに移動する。ここでは架空のアカウントを使用することができ、製品に実際に触れ、その仕組みを理解することができる。また、制限も設けていない。全てのボタンをクリックすることができ、マウスオーバーをすると、リアルタイムのデータが表示される。

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オーディエンスを理解していることが、このデモの成功の秘訣である。Fathomに訪れるユーザーは、Google AnalyticsやBing Webmaster Toolsを使用したことがあるユーザーだろう。つまり、彼らは重いデータの処理などの方法を理解しているのだ。

このプラットフォームを実際に使用してみることで、見込み客は自分に適したツールであるかどうかを判断するための情報を得ることができる。ページの下部に固定表示されているCTAをクリックすると、サインアップのページに遷移し、その利点をさらに訴求している。

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ここでは、ソーシャルプルーフと金銭的なインセンティブの内容が表示されている。

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デモによって良い感触を伝え、ユーザーを説得することは、非常に優れた方法である。

しかし、このデモから得られる主要な知見は、すでに成熟している市場を打ち壊すような製品を保持している場合、その製品に話をさせればよい、ということである。

8.Duolingo

強力な競合他社を相手にしているのであれば、ソーシャルプルーフは他よりも目立つための最適な方法の1つとなる。特に、「ユーザーの声」は効果的である。

常に効果的であるソーシャルプルーフは、「ユーザーの声」である。動画であれ、文章であれ、あらゆるケースでクライアントのランディングページのコンバージョン率を増加させる手助けとなっている。

ランディングページを作成する際、自身の製品について、あらゆることを書くことができる。しかし、あなたが言っていることが正しいと証明できるだろうか?しっかりとした、可能であれば写真付きの、「ユーザーの声」が、それを実現してくれる。試してみるといい。きっと後悔はしないはずだ。

SplitBase社 ラファエル・ポーリン・ダイグル

見込み客を説得させるための最後の手段としてデモの最後に表示するのではなく、Duolingo社はリード獲得のために積極的に使用している。

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これは、ユーザーがもっと学びたいと思うきっかけとなるはずだ。

その後、Duolingoはスクリーンショットではなくアニメーションを使用し、プラットフォームがどのような仕組みであるのかを伝え、その効果を統計データをもって説明している。Headspace社のように、その重要性をシンプルかつ正確に伝えることができている。

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デモ動画の長さは、わずか41秒である。しかし、このデモを見ることで、このアプリが言語学習を手助けする、最適なアプリであることを理解するだろう。

時間や予算に限りがある場合は、「ユーザーの声」や調査結果などを活用し、製品の特長を主張しよう。

9.Apple

これまで見てきた製品デモの例は、従来型の方法で行われているものだ。クリエイティブな意味では異なるものの、課題とその解決に重点を置いている。

Appleの製品デモは、より繊細である。ユーザーを驚かせるだけでなく、教育することに重点を置いている。

「Shot on iPhone」のキャンペーンでは、iPhoneのカメラの最高の機能を紹介しつつ、ストーリーテリングによって、ユーザーの興味を引いている。これは、デモでありながらも、広告やショートフィルムのようなものでもある。

このキャンペーンが優れているのは、その核心にあるものが、最も入念に作られ、スタイリッシュな製品デモのキャンペーンの1つであるということだ。製品の特長を巧みに紹介することに重点を置きながら、人々を最も楽しませる方法で、戦略的にストーリーに組み込んでいるのである。そして、この製品の特長がどのようにして創造性を高めるかを、広告の語り口が示しているのである。

Avidan Strategies社 アビ・ダン氏

まさに、「語るな。示せ。」のお手本である。

これは、優れた製品デモの原則が、常にルールとはならないことの証明でもある。Appleの実写デモは、Square社のデモと非常に異なるKajabi社のデモと、異なるものではない。しかし、これら3つの製品デモはいずれも、「我々の製品は、あなたの課題をこのようにして解決する」という価値を提供しているのだ。

既存の枠にとらわれない考え方を恐れてはならない。

まとめ

優れた製品デモは、リードの獲得と、見込み客を顧客に変容させることに役立つ。しかし、今回の記事で紹介した例は全て、積極的に売り込みを行っているわけではない。そうではなく、製品がどのようにして課題を解決するかに、注力している。こうした品質を担保することが、関係性を築き、リードを制約へと結び付けるのだ。

このような事例を、あなたの製品デモの気づきとして活用してほしい。あなたの製品が提供するもの、あなたがターゲットとしている人々、顧客が抱えている課題、などを注視してほしい。そうすることで、どのような種類のデモが最適であるかを気づかせてくれるだろう。

多機能な製品や、学習曲線が急である場合は、あなたのチームのメンバーが行うライブデモや録画デモが最も効果的であるかもしれない。簡単に使えるものであれば、ショートビデオのアニメーションの作成や、実際に使用してもらうデモのほうが、より見込み客を説得できるかもしれない。

商品の説明の方法は様々あるが、重要な原則には従うべきだ。リードを適切に判断し、十分な準備を行い、導入からソリューション、そして、次のステップへと、見込み客を導こう。

製品デモという比較的珍しいアプローチの記事ではありましたが、内容は非常に興味深かったです。自身の製品や、対象のユーザーによって、適した種類や内容を選択したいところです。あくまで、製品デモに絞った内容ではありましたが、通常のWebサイトのコンテンツ作りにおいても、ポイントとなるアイデアが含まれていました。このようなコンテンツを保有することで、コンバージョン率の増加を狙えると理想的だと感じました。

この記事は、CXL に掲載された「9 Product Demo Examples that Stand Out & Convert」を翻訳した内容です。

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【3月10日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はロシア国営TVへのサイバー攻撃、2位はアップルの新ディスプレイ

【3月10日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はアノニマスのロシア国営TVサイバー攻撃、2位はアップルの新ディスプレイ

掲載記事のうち、3月10日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:ハッカー集団アノニマス、ロシア国営TVなどの配信チャンネル乗っ取りウクライナでの戦闘映像流す


ロシアがウクライナへの侵攻を開始した直後、AnonymousやCyber Partisanといった世界的ハッキンググループはロシアの銀行やニュースソース、ロシア軍が移動に利用したとされるベラルーシの鉄道網などにハッキング攻撃を仕掛けています。

第2位:アップルの新27インチStudio Displayはほぼ本体のないiMac


Appleは米国時間3月8日、プロセッサー、高品質スピーカー、マイクアレイ、高品質カメラ、3つのUSB-Cポート、Thunderboltによる96W給電機能を詰め込んだ1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)のディスプレイを発表した。そう、もちろんディスプレイもついている。

第3位:【復旧】SpotifyとDiscordがダウン


SpotifyとDiscordが両方ともダウンしているようだ。

第4位:アップルが「M1チップ」搭載のiPad Air 5を発表、ノートパソコンの代わりに


米国時間3月8日開催されたイベントで、Appleはピカピカの新しいiPad Airを発表した。M1 Appleシリコンチップが、私たちがよく知るiPad Airのボディに収められている。

第5位:アップル、まったく新しいMac「Mac Studio」を発表


Appleは米国時間3月8日の録画オンラインイベントで、いくつかの新製品を発表した。そして同社は、Mac Studioと呼ばれるまったく新しいデスクトップコンピューターを発表した。Mac Studioは、Mac Miniを2台重ねたような小型のタワー型コンピューターだ。

画像クレジット:
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Apple

退職金小切手が給与計算アプリに表示され、Better.com従業員は自らのレイオフを知る

デジタル住宅ローンの貸し手であるBetter.com(ベタードットコム)の大量解雇が始まったと同社の従業員やその他の関係者が報じており、影響を受けた従業員は、同社の給与計算アプリであるWorkdayのアカウントに退職金小切手が表示されているのを見てそのことを知ったという。

このレイオフは米国時間3月9日に発表される予定だったが、ある従業員(反響を恐れて匿名を希望)はTechCrunchに「会社が誤って退職金の給与明細を早く出してしまいました」と語った。Better.comの幹部は、3月8日にレイオフを計画していたそうだが、最初の日付のニュースが漏れたときに、その日付を3月9日に移動させたと伝えられている。

どうやら、幹部たちは自分たちのミスに気づくと、何人かの人々のWorkdayアカウントから小切手を削除したようだ。その従業員によると、退職金の小切手は、会社から何の連絡もなく届いたという。

その従業員は次のように語る。

レイオフが始まりました。それぞれのタイムゾーンの午前12時付で、退職金がWorkdayアプリ(給与計算)に表示されています。メールも電話も何もありません。これは、うんざりするほどひどい対応でした。

この従業員は、人員削減が行われることを予感していたが、次のように付け加えた。「経営陣は完全に沈黙を貫いており、レイオフに関して何も認めませんでした。今も認めていません」。

米国とインドにいる同社の8000人の従業員のうち、推定3000人が解雇されることになる。TechCrunchは、影響を受ける人数は4000人、つまり会社の半分になると聞いていた。しかし、Better.comの広報担当者によると、結局この数字は「3000人強」となったそうだ。同担当者は8日午後にこの数字を確認し、CFOのKevin Ryan(ケビン・ライアン)氏が給与計算の不手際の後にこの件で最終的に社員に送った電子メールのリンクを共有した。

ライアン氏はその従業員への電子メールの中で、同社が「金利環境と借り換え市場の変動に適応しなければならなかった」と書いている。

さらに「残念なことに、それは私たちがさらに事業を合理化し、米国とインドの両方で従業員を大幅に削減するという厳しいステップを踏まなければならないことを意味します」と付け加えている。

また、ライアン氏は、既存の非競争規定は強要しないが、非開示規定は引き続き有効であるとも述べている。

「この数カ月は決して楽なものではありませんでしたが、Betterチームのメンバーのみなさんの努力と集中に心から感謝します」と付け加えた。「私たちが最も強くなるのはこれからです」と書いている。

このメッセージが、12月初旬のZoom会議で900人の従業員を解雇し、多くの人が冷淡で無慈悲だと考えたVishal Garg(ヴィシャール・ガルグ)CEOではなく、ライアン氏から発信されたことが注目される。このビデオは世界中で拡散され、ガルグ氏は従業員への通知の仕方だけでなく、従業員のいう暴言についても中傷を受けた。

同社の従業員によると「現在の市場の状況」からBetter.comが「大量解雇に至る」と通知するメールが3月9日の朝に送信される予定だった。そして、その朝の後、残ったメンバーの管理を引き継ぐことができるよう「解雇を免れたマネージャー」に対して、影響を受けるマネージャーの電子メールが送られた。そして、影響を受ける従業員には、電子メールで通知されることになった。その後すぐに、解雇を免れた人たちのために全員参加のミーティングが計画された。

解雇された人には、個人メールに会社の備品の返却方法を記したメールが送られることになっている。

影響を受ける従業員の大半は、営業とオペレーションに従事していた人たちと言われており、特に、借り換えチームのほとんどが手放されることになる。従業員はTechCrunchに、レイオフ候補者のリストはここ数週間で出回ったが、具体的な従業員はここ数日で最終決定され、主に「ビジネスニーズと11月〜1月のパフォーマンス」に基づいて決定されたと語っている。

退職金は60日から80日分相当だと言われている。

従業員や投資家を侮辱し、前述のように暴言を吐いたとされるCEO兼共同創業者のガルグ氏の横暴が、今回の決定に一役買ったと思われる。金利市場が大きく変化する中、Better.comはより「購入」ビジネス、つまり新規融資の手助けをするビジネスに移行せざるを得なくなった。その評判が落ちたことで、Better.comは新規顧客の獲得がより困難になったようだ。

マクロ経済的な要因も、同社のビジネスにマイナスの影響を与えた。金利が上昇し、再融資の需要が大きく落ち込んだことが、12月の最初のレイオフにつながった。金利は上昇を続けている。インフレ率の上昇は、問題を解決していない。

TechCrunchは月曜日に、準備が行われていると2月中旬に聞いた後、今週行われると報じていた。

12月に行われた当初のレイオフのやり方は、同社のコミュニケーション担当副社長のPatrick Lenihan(パトリック・レニハン)氏、広報担当のTanya Gillogley(ターニャ・ギログリー)氏、マーケティング担当のMelanie Hahn(メラニー・ハーン)氏の辞任など、一連の事態を引き起こした。彼らの退社は、今後数カ月にわたって行われる多くの幹部の退社の第一号となった。ガルグ氏はその後、1カ月の「休養」に入る前に、大量解雇を「不手際」として「謝罪」した。

同社は2016年の創業以来、9億ドル(約1000億円)強を調達しており、そのうち5億ドル(約579億円)は2021年4月のラウンドでSoftBank(ソフトバンク)から調達したもので、Better.comの評価額は60億ドル(約6950億円)だった。第1次レイオフが発表される直前の2021年11月30日、CFOのケビン・ライアン氏は社内メールで、Better.comのバランスシートが週明けには10億ドル(約1158億円)になると述べていた。

編集部注:この記事は公開後に更新され、さらなる詳細が追加されました。Natasha Mascarenhasが寄稿しています。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Akihito Mizukoshi)

【3月9日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はアップル新製品予想、2位はアノニマスのロシア国営TVサイバー攻撃

【3月9日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はアップル新製品予想、2位はアノニマスによるロシア国営TVサイバー攻撃

掲載記事のうち、3月9日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:今晩午前3時からのアップルイベントで期待される新製品、iPhone SE、MacBook、iPad Airそして新チップ


最近のニュースに流れる絶え間ないリークからは、Appleにとってかなり控えめなイベントが予想される。その予想は、会社の標準的リリース間隔によっていっそう増強される。

第2位:ハッカー集団アノニマス、ロシア国営TVなどの配信チャンネル乗っ取りウクライナでの戦闘映像流す


ロシアがウクライナへの侵攻を開始した直後、AnonymousやCyber Partisanといった世界的ハッキンググループはロシアの銀行やニュースソース、ロシア軍が移動に利用したとされるベラルーシの鉄道網などにハッキング攻撃を仕掛けています。

第3位:macOSのChromeがSafariより高速に、グーグルが発表


Google Chromeのバージョン100が数週間以内にローンチされるが、いまだにブラウザを高速化する余地はまだ残されている。Googleが米国時間3月7日に発表したように、macOS上のChromeのバージョン99は、AppleのWebKitチームが独自に開発したSpeedometerベンチマークで300点を獲得することに成功した。これは、これまでのブラウザの中で最速のパフォーマンスだと、Googleは指摘している。

第4位:ヘビーユーザーだからこそ生まれたメタバースでの時間をリッチにするShiftallの新製品


「ヘッドマウントディスプレイが重いから装着が面倒くさい、家族がいる環境でしゃべりづらいから無言にならざるを得ないといったような課題をなくしたい、もっと快適にメタバース内で生活したい」と岩佐氏はいう。そんなユーザー視点をもとに、Shiftallはメタバースでの生活を快適にする製品を生み出している。

第5位:NVIDIA社員のパスワード数千件がネットに流出、ハッカー集団から奇妙な要求


半導体製造大手のNVIDIAから1テラバイト分のデータを奪ったと主張するランサムウェア集団は、一味のますます奇妙な要求に応じなければ、同社の「最も厳重に守られた秘密」をすぐにでも公開すると脅迫している。

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SpotifyとDiscordがダウン中

SpotifyとDiscordが両方ともダウンしているようだ。

Spotifyへのログインが困難になっているようだ。モバイル端末でSpotifyアプリを開くとログイン画面が表示されるが、正しいユーザー名とパスワードでもログインに失敗するとTwitterで報告されている。

音楽配信会社は、この問題をTwitterで認めている。

また、Discordでもメッセージの送受信に影響を与える問題が発生していることが確認されている。

この問題について、SpotifyとDiscordに問い合わせをしているので、回答があり次第、更新する。

以下、Spotifyがダウンしていることに関するツイートをお楽しみください。

【更新】Spotifyから回答があり、基本的に更新に関する情報はTwitterでと案内があった。今後もTwitterをチェックしていく。

Spotifyの返事

私たちはこの問題を認識しており、@SpotifyStatusに最新情報を投稿しました。正常に戻ったら、またアップデートを投稿します。

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(文:Jordan Crook、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップル、ロシアのApp Storeでの検索広告を「追って通知があるまで」停止

先週のロシアにおける製品の販売停止に続き、Apple(アップル)はデベロッパーのコミュニティに対して、ロシアのApp Store上のApple Search Adsサービスを停止すると発表した。デベロッパーと共有したメールによると、デベロッパーがApp Store上で広告キャンペーンをするために使っていたApple Search Adsの広告は「追って通知があるまで」保留にされる。

さらにメールでは保留が続いている間、ロシアのApp Storeでは新たなSearch Adsキャンペーンが展開適格になることはないと述べている。

Search Adsの停止のニュースは最初Bloombergが報じたが、そのニュースはTwitter上でそれを共有したモバイルアプリの大きなコミュニティにいるデベロッパーその他の人たちツイートから得たものだ。

AppleはロシアのApp Storeですべての検索広告を停止した。

ご参考までに。

デベロッパーたちによると、メールは以前Search Adsに登録したメールアドレスに届いたが、そのメールはロシアのApp Storeデベロッパーや、その国で現在、Search Adsキャンペーンを行っているデベロッパーだけでなく、グローバルマーケットのその他のデベロッパーにも届いたという。今、ロシアでキャンペーンをしていなくてもだ。

Appleはこの件でコメントをしていない。しかしTechCrunchは、そのメール(上図)が本物であることを確認した。

ロシアでSearch Ads事業を休止する動きの前にはすべての製品の販売を停止するAppleの最近の決定と、Apple Payの制限、そしてロシア以外のすべての市場のAppStoreからの、国営メディアのアプリ、RTとSputnik Newsの削除があった。そして同社はさらに、Appleマップにあるウクライナの交通とライブのインシデントを安全のために無効にした。

Appleは、ウクライナの副首相Mykhailo Fedorov(ミハイロ・フョードロフ)氏は同社CEOのTim Cook(ティム・クック)氏宛の公開書簡で、Appleのサービスや製品をロシアに供給しないことを求めたことを発表している。その書簡はApp Storeへのアクセスのブロックも求めているが、それはこれまで行っていなかった。しかし今回の、ロシアにおけるSearch Ads事業の停止でAppleは、ロシアをさらに孤立させ、この国でビジネスをすることから退くための、さらなる一歩を踏み出そうとしている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

レストランなどの食品調理業向け在庫管理マーケットプレイスを提供するブラジルのCayena

ラテンアメリカでは、商店の品揃えは楽な仕事ではない。発注は今でも、紙の伝票や電話で行われることが多く、お店の主人が卸屋まで車を運転して品物を手に入れることもある。

Cayenaを創業したGabriel Sendacz(ガブリエル・センダツ)氏とPedro Carvalho(ペドロ・カルヴァーリョ)氏、そしてRaymond Shayo(レイモンド・シャヨ)氏は、材料の確保にテクノロジーを利用すれば、彼らの母国であるブラジルやその他の地域で、レストランやバー、ベーカリー、ホテル、そしてダークキッチンなどの食品調理調製業がもっと楽になると考えた。

「ラテンアメリカのB2Bは巨大な市場ですが、その需要と供給は細分化しています。私たちの顧客も、約90%が中小の家族経営の独立店です。供給の側も、何千もの流通業者が、それぞれいろいろな品物を扱っていますが、マーケットシェアが1%に満たないところばかりです」とシャヨ氏はいう。

対照的に米国には、SyscoやU.S. Foods、Gordon Food Serviceのような大きなフードサービス企業がそれぞれおよそ10%のマーケットシェアを握り、食品から洗剤に至るまでのあらゆるもののワンストップショップを提供している。

Cayenaの共同創業者。左からペドロ・カルヴァーリョ氏、ガブリエル・センダツ氏、レイモンド・シャヨ氏(画像クレジット:Cayena)

そこで、シャヨ氏によれば、いくつかの問題が生じる。まず、ベンダー20社ぐらいで同じ品目の価格が最大で40〜50%も違う。クレジットカードがレストランに払うために30日かかることもあるが、一方レストランは自分の原料等の注文に前金を支払うため、運転資本の問題が生じ、特にレストランは材料費が最大のコストなので資金繰りが苦しくなる。

つまり、ラテンアメリカではレストランが慢性的に経営難を抱えることになる。そこで同社はB2Bのマーケットプレイスを構築し、年商1000億ドル(約11兆5400億円)といわれるラテンアメリカの食品卸業界を狙った。それによりユーザーは原材料などを一度に複数のサプライヤーからまとめて仕入れることができ、翌日に配達してもらえる。また、後払い販売(BNPL)といった新たな金融サービスを提供することもできる。

ユーザーは必要な品目の卸価格を複数の卸店にわたって比較でき、その品目の現在の相場を知ることができる。Cayenaのアルゴリズムは、サプライヤーの在庫品目と価格、ユーザーの予算を比較対照して、ベストマッチをユーザーにアナウンスする。配達には直送方式を利用して、注文が成立したら、そのオーダーを顧客に配達するようサプライヤーに通知が届く。

このマーケットプレイスを立ち上げた2020年以降は、顧客数が1年で10倍に増え、レストランの原材料の調達が困難になるにともない1回の購入単位額は4倍になり、Cayenaでの顧客の平均購入回数は1カ月で5回になった。

この急速な成長で資金が必要になった同社は、2021年後期にPicus Capitalがリードする350万ドル(約4億円)のラウンドを調達し、それが、その前にCanaryのリードで調達した55万ドル(約6300万円)に追加されることになった。

事業は順調で9月のシードラウンドのすぐ後にCayenaはそれまでの倍に成長し、2カ月で倍増というペースが続いたため、年商1億レアル(約22億6000万円)のマイルストーンに達した。同社の現在の商圏は、サンパウロ州の50都市となる。

こうした加速度的な成長が投資家の関心を集め、同社はVine Venturesが主導し、MSA Capital、Picus Capital、Canaan Partners、Clocktower Ventures、FJ Labs、Femsa Ventures、Gilgamesh、Astella、EndeavorおよびGraoVCの参加も得て、1750万ドル(約22億2000万円)のシリーズA投資を先取りすることになった。これにより、Cayenaは総額2100万ドル(約24億2000万円)強の資金を調達したことになる。

「今のところ極めてホットな市場ですが、世界中の投資家が成長企業を探している現状ではそれは良いことです。数年前、私たちは比較の対象にもなりませんでしたが、今ではどこが新しいアプローチと戦略で成長しているのか、誰の目にも明らかです」とシャヨ氏はいう。

Cayenaのビジネスモデルでは、倉庫やトラックや流通への投資はなくテクノロジーのみであるため、資金の多くが雇用に使われる。シャヨ氏の予想では年内に社員数は倍増して60名になるという。また、プロダクトとテクノロジーにもフォーカスしており、新たな金融プロダクトを作り、サプライヤーの地理的範囲も広げたいとのこと。

また、創業者たちはラテンアメリカ全体が商機だと捉えており、トラックなど1台も所有することなく次のステップでまず1〜3年後にブラジルで最大のフードサービスサプライヤーに、その次のステップでラテンアメリカ全体への拡張を考えているという。

画像クレジット:Cayena

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

【3月8日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―NVIDIAのパスワード流出、2位はShiftallのメタバースを快適にする新製品

【3月8日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―NVIDIAのパスワード流出、2位はShiftallのメタバースを快適にする新製品

掲載記事のうち、3月8日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:NVIDIA社員のパスワード数千件がネットに流出、ハッカー集団から奇妙な要求


半導体製造大手のNVIDIAから1テラバイト分のデータを奪ったと主張するランサムウェア集団は、一味のますます奇妙な要求に応じなければ、同社の「最も厳重に守られた秘密」をすぐにでも公開すると脅迫している。

第2位:ヘビーユーザーだからこそ生まれたメタバースでの時間をリッチにするShiftallの新製品


「ヘッドマウントディスプレイが重いから装着が面倒くさい、家族がいる環境でしゃべりづらいから無言にならざるを得ないといったような課題をなくしたい、もっと快適にメタバース内で生活したい」と岩佐氏はいう。そんなユーザー視点をもとに、Shiftallはメタバースでの生活を快適にする製品を生み出している。

第3位:近畿大学、大豆イソフラボンを与えチョウザメをすべてメスにすることに成功―キャビア生産の安全な効率化に期待


近畿大学は3月4日、大豆イソフラボンを含んだ飼料を与えることで、コチョウザメをすべてメスにすることに成功したと発表した。これにより、キャビアの生産の効率化と、オスの活用という問題が大きく改善される。

第4位:会社がなくても問題……ない?激化するスタートアップ企業への投資とVCのアイデア

これまで好調だった伝統的なベンチャー業界は転換期を迎えているのではないか、と思える理由はいくつもある。最も明白な兆候は、ここ数年、上場前に投資したVCが得た利益が非常に大きい一方で、公募された株式ではそれほど上手くいっていないということにある。

第5位:規制上のハードルをすべてクリアし、マイクロソフトが2.3兆円のNuance買収完了へ

Microsoftは2021年に、200億ドル(約2兆3000億円)でNuance Communicationsを買収すると発表した。Microsoftはヘルスケア分野への進出を実現しようとしたが、規制がますます厳しくなる中、確実に買収できるというわけではなかった。しかし、ようやく規制上のハードルをすべてクリアし、同社は米国3月4日、買収が成立したと発表した。

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インド通信大手AirtelがAxis Bankと提携クレジットカードの提供開始

Airtel(エアテル)はインド時間3月7日、クレジットカードの発行を開始すると発表した。これは、Google(グーグル)が投資するインドのテレコム事業者である同社が、世界2位のインターネット市場で提供するサービスを拡大するために、金融サービスへの進出を試みる最新の試みだ。

ビリオネアのSunil Mittal(スニル・ミタル)氏が経営する同ネットワークは、国内3位の民間銀行であるAxis Bank(アクシス銀行)と戦略的パートナーシップを結び、両社が「これまでに例のない試み」と謳うクレジットカードを共同発行すると発表した。

Airtel Axis Bankクレジットカードは、事前承認済みの即日融資やBNPL後払いサービスを顧客に提供し、Airtelサービスの請求書の支払いや、Airtelアプリでの取引に対してリワードを与えると両社は述べている。

このカードはAirtelの加入者のみに提供され、インドの小規模な市町村の顧客にリーチすることを目指しているとのこと。Airtelは、インドで3億4千万人以上の加入者を集めている。

このパートナーシップの一環として、Axis BankはAirtelのC-PaaSプラットフォーム(ストリーミング、通話マスキング、コンタクトセンターソリューションなどのサービスを含む製品スイート)、さらに「さまざまな」サイバーセキュリティサービスを利用開始する予定だという。また、両社はクラウドやデータセンターサービスでの協業も検討するとのこと。

Airtelが金融サービスへの参入を試みるのは今回が初めてではない。この急成長分野にはライバルの大富豪Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏のJio Platformsも注目し、同レベルの成功を収めたことがある。

Airtelはデジタル決済銀行を運営しているが、なかなか市場に浸透していない。同社は近年、ARPU(ユーザー1人当たりの平均売上高)を改善するためにプレミアムサービスの拡大も推し進めており、この件に詳しい3人の関係者によると、2年前にPaytm(ペイティーエム)に決済事業の売却を持ちかけたという。

インドのクレジットカード市場は、深刻なレベルでサービスが行き届いていない。同国には10億近い銀行口座が存在するにもかかわらず、クレジットカードを持つインド人は3000万人にも満たない。

Tiger Global(タイガー・グローバル)が支援するSlice(スライス)やSequoia Capital India(セコイアキャピタル・インド)が支援するOneCard(ワンカード)など数多くのスタートアップが、インドでより多くの人にクレジットカード機能を提供しようと試みている。Flipkart(フリップカート)やAmazon(アマゾン)、そしてライドヘイリングのスタートアップOlaなど多くの大企業も、それぞれの顧客向けに提携クレジットカードを立ち上げている。ちなみに2022年2月にTechCrunchが報じたように、OneCardは、シンガポールのTemasekから、プネに本社を置く同スタートアップの評価額が10億ドル(約1153億円)以上になると思われるラウンドで資金調達の交渉中であるとされる。

フィンテックのベテラン経営者であるHimanshu Gupta(ヒマンシュ・グプタ)氏はこう述べている。「このようなクレジットカードでの提携は、基本的にパートナーの流通を活用するもので、この場合、Airtelがそれにあたります。Airtelは大規模なプレミアムユーザーベースを抱えており、Viのシェア低下により、その力はさらに強まっています」。

「ユーザーがカードを取得した後、他の場所での買い物のほとんどをこの方法で支払うようになれば、インターチェンジや延滞料からも収益を上げる機会があります。ですから、これは成功する提携カードになると期待できます」。

しかし、その成功のためには、いくつかの課題に対処する必要があると彼はいう。

「Airtel-Axisのような銀行提携クレジットカードの課題は、銀行のクレジットカードスタックが比較的古く、若い世代のニーズにはあまり柔軟でないことです。また、Airtelは大きなユーザーベースを持っていますが、ほとんどのユーザーは3カ月に一度、プリペイドチャージをするためにAirtel Thanksアプリを利用していると思われるので、ユーザーの生活における表面積は非常に限られています」。

「そのため、現実には、Airtelがそのような商品をクロスセルする機会は限られています。最近の新しいフィンテックカードのスタートアップは、より消費者のニーズに合った製品を作ることができ、一般的に銀行やテレコム事業者が得意でないユーザー獲得のために、よりスマートなマーケティングを使うことができます」。

7日の発表は、Googleが2022年初めに、Airtelに10億ドル(約1153億円)もの投資を行い、キャリアである後者と協力して「革新的なアフォーダビリティプログラム」を開発し、スマートフォンメーカーとの提携を模索し、安価な携帯電話を生産するとした発表に続くものだ。

Bharti Airtel(インド・南アジア)の社長兼CEOであるGopal Vittal(ゴパール・ヴィッタル)氏は声明の中でこう述べた。「Airtelは、ワールドクラスのデジタルサービスを顧客に提供する努力の一環として、強力な金融サービスポートフォリオを構築しています」。

このエキサイティングな旅でAxis Bankと力を合わせることができ、大変うれしく思っています。このウィンウィンのテレコム事業者と銀行の提携により、Airtelのお客様はAxis Bankのワールドクラスの金融サービスポートフォリオと限定特典を利用でき、Axis BankはAirtelの強力なデジタル機能と深い販売網から利益を得ることができます」。

画像クレジット:Debarchan Chatterjee / NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Den Nakano)

Netflix、PayPal、Adobe、Epic Games、任天堂もロシアでの事業停止

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアでの事業を停止するハイテク企業のリストが増え続けている。この動きに最近加わった企業には、Netflix(ネットフリックス)、PayPal(ペイパル)、Mastercard(マスターカード)、Visa(ビザ)などの有名どころが含まれている。

Varietyが最初に報じたように、Netflixは米国時間3月6日、ロシアでのサービスを停止すると発表した。この措置は、同社が先週、ストリーミング配信会社にロシアの20のプロパガンダチャンネルホスティングを義務づけるロシアの新法に従わないと述べたことを受けたものだ。Netflixはまた、ロシアで制作を予定していた今後のすべてのプロジェクトを一時停止している。

Adobe(アドビ)も、ロシアにおける自社製品・サービスの新規販売をすべて停止すると発表した。同社は、自社の製品やサービスが「法律に反した戦争の支援に使用されない」ようにする責任があると信じている、と述べている。

PayPal(ペイパル)は、米国時間3月5日にロイターが最初に報じたように、ロシアでのサービスを停止すると発表した。ウクライナのMykhailo Fedorov(ミハイロ・フェドロフ)副首相はツイートで、PayPalのCEOであるDan Schulman(ダン・シュルマン)氏がこの措置を確認している書簡を公開した。

ロシアから撤退した決済企業はPayPalだけではない。Mastercardは米国時間3月5日、ロシアにおけるネットワークサービスを停止すると発表した。つまり、ロシアの銀行が発行したカードは、今後Mastercardのネットワークではサポートされなくなる。また、ロシア国外で発行されたすべてのカードは、ロシアの商店やATMで使用できなくなる。同社は、適切な時期に業務を復活させるとしている。

同様にVisaも同日、ロシアでの全業務を停止したと発表した。同社は、ロシア国内の顧客やパートナーと協力し、すべてのVisa取引を停止するとしている。ロシア国内で発行されたVisaカードでの取引はすべてロシア国外では機能しなくなり、ロシア国外の金融機関が発行したVisaカードはロシア国内で使えなくなる。

ゲーム会社もまた、テック業界の他の企業とともにロシア国内でのビジネスを終了する。Epic Games(エピックゲームズ)は米国時間3月5日、ゲームに関するロシアとの取引を停止すると発表した。しかし同社は「他のコミュニケーションツールがオンラインであるのと同じ理由で、アクセスをブロックしていない。自由な世界は、すべての対話をオープンにしておくべきだ」と述べた。

態度を明らかにしたゲーム会社はEpic Gamesだけではない。Activision Blizzard(アクティベーションブリザード)も同じ日にロシアの消費者へのゲーム販売を一時停止すると発表した。同社はまた、ロシアでのゲーム内購入の提供も停止する予定だ。

任天堂も、利用している決済サービスが「ルーブルでの決済処理を停止した」ため、ロシアのeショップを一時的にメンテナンスモードにし、同国でのデジタル販売を停止した。

Snapchat(スナップチャット)は先日、安全予防策としてウクライナで公開されているSnap Mapの「ヒートマップ」を無効化すると発表し、対応を拡大した。ヒートマップ機能は通常、人々が多数のSnapを共有した場所を目立たせる。この措置は、同社がその前にロシアで広告を一時停止していると発表したのに続くものだ。

また、TikTok(ティクトック)は米国時間3月6日、ロシアの新しい「フェイクニュース」法に対応して、ライブストリーミングと動画サービスの新コンテンツを停止すると発表した。この法律では、ロシア政府がウクライナ侵攻に関する偽情報と見なすものを公開した者は刑務所に入ることになる、と脅している。TikTokは、従業員とユーザーの安全を維持するために、同国での事業を停止することを決定した。

Samsung Electronics(サムスン電子)は「このところの地政学的な動きにより」ロシアへの全製品の出荷を停止すると発表した。出荷が停止された製品には、スマートフォン、半導体、家電製品などが含まれる。この動きは、デバイスメーカーのApple(アップル)やDell(デル)、チップメーカーのIntel(インテル)、ソフトウェア大手のMicrosoft(マイクロソフト)からの同様の発表に続くものだ。

GrubHub(グラブハブ)は、ロイターが最初に報じたように、ロシアのテック大手Yandex(ヤンデックス)との提携を終了すると発表した。複数年にわたるこの提携は、大学生に食事を配達するドライバーレスロボットに関するものだった。Grubhubは、欧州最大の食事宅配会社Just Eat Takeaway.com(ジャストイート・テイクアウェイ・ドットコム)の一部門だ。

ロシアに対抗する姿勢を示したこれらの最新の企業グループは、AppleやGoogleなどの仲間入りをしている。Appleは3月1日、ロシアでの製品販売を停止したことを認めた。また、App StoreからSputnikとRT Newsを削除し、同国でのApple Payサービスの一部を無効にしたGoogleはAppleに続き、自社のモバイルアプリストアからRT(ロシア・トゥデイ)とSputnikのアプリを削除した。Googleはロシアでの広告販売も一時停止した

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

ロシアのスマホ市場でシェア1位のサムスンが同国向け製品出荷を停止、家電や半導体も

Samsung Electronics(サムスン電子)は現地時間3月5日「現在の地政学的情勢のため」ロシアへの全製品の出荷を停止していることを明らかにした。

同社は「次のステップを決定するため、この複雑な状況を積極的にモニターし続ける」と述べている。

Samsungは、ロシアでのサービスを停止する予定があるかどうかについてのコメントを避けた。事情に詳しい関係者がBloomberg(ブルームバーグ)に語ったところによると、輸出停止対象はスマートフォンや半導体、家電などを含む全製品だという。

制裁に参加したMSCやMaersk(マースク)などの世界的な海運会社がロシアの港での全運航を停止することを決定し、ロシアへの航路やフライトが停止している。韓国の海運会社であるHMM(旧称:現代商船)も先週、サンクトペテルブルクへの貨物サービスを停止し、Samsung、LG、Hyundai(現代)などの韓国企業がロシアに製品を送ることができなくなった。

4日、ウクライナの副首相兼デジタル相のMykhailo Fedorov(ミハイロ・フェドロフ)氏は、サムスンのJong-Hee Han(ハン・ジョンヒ、韓宗熙)副会長宛てに送った手紙で、ロシアでのサービスや製品の供給を一時的に停止するよう促した。

フェドロフ氏は、4日にツイートした手紙の中で「歴史の一部となり、このような異常事態に協力して頂きたいのです」と述べている。「そうした行動がロシアの若者や活動的な人々を動かし、不名誉な軍事侵略を主体的に阻止することにつながると信じています。私たちは貴社の支援を必要としています。2022年、住宅地、幼稚園、病院を狙う戦車、多連装ロケットランチャー、ミサイルに対して、近代的な技術はおそらく最良の応酬となるでしょう。ウクライナとともに立ち、何百万人もの罪のない命を救ってください!」。

サムスンは声明でこう述べている。「私たちの思いは、影響を受けたすべてのみなさまとともにあります。全従業員とその家族の安全を確保することを最優先に考えています。当社は、難民のための援助を含む、この地域の人道的努力を積極的に支援する予定です」。

同社は、100万ドル(約1億1500万円)相当の家電製品を含む600万ドル(約6億9200万円)を現地の人道支援活動に寄付する他、従業員からの自発的な寄付も行っている。

ロシアにおけるスマートフォン市場は、Statcounterのデータによると、2021年にはSamsungが約26.6%のシェアを獲得してトップに立ち、23%を占めるApple(アップル)と19.9%のXiaomi(シャオミ、小米科技)がそれに続いている。

このニュースは、ウクライナ侵攻を受け、多くのテック企業がロシアでのサービス運営を停止する決定を下した数日後に発表された。

Apple(アップル)は先週、ロシアでの製品販売を停止したことを発表した。Microsoft(マイクロソフト)も、ロシアでの新規販売製品・サービスをすべて停止したと発表している。

画像クレジット:Karlis Dambrans / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Den Nakano)

【3月7日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―NVIDIA社員のパスワード流出、2位はロシアが米向けロケットエンジン販売禁止

【3月7日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―NVIDIA社員のパスワード流出、2位はロシアが米向けロケットエンジン販売禁止

掲載記事のうち、3月7日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:NVIDIA社員のパスワード数千件がネットに流出、ハッカー集団から奇妙な要求


半導体製造大手のNVIDIAから1テラバイト分のデータを奪ったと主張するランサムウェア集団は、一味のますます奇妙な要求に応じなければ、同社の「最も厳重に守られた秘密」をすぐにでも公開すると脅迫している。

第2位:ロシアが米国向けロケットエンジン販売禁止、「自分たちのほうき」で宇宙へ飛ぶことを提案


ロシアと米国の間で(他の国はいうに及ばず)緊張が高まる中、ロシアの国営宇宙機関Roscosmosは米国へのロケットエンジンの出荷を停止すると発表した。Roscosmoを率いるドミトリー・ロゴージン氏は、国営放送で「何か他のもの、自分たちのほうきにでも乗せて飛ばせばいい、何になるかは知らないがね」と述べた。

第3位:単純なセキュリティバグが大学キャンパスの「マスターキー」になっている


そのアプリはかなり重要で、彼の通っている大学の学生は、これを使って食事代を払ったり、イベントに参加したり、さらには寮の部屋や研究室を始めキャンパスのさまざまな施設の鍵を開けることもできる。GET Mobileと呼ばれるそのアプリを作ったのはCBORDというテクノロジー企業で、病院や大学にアクセス制御や決済のシステムを提供している。

第4位:Google Playで発見されたデータ窃盗アプリ、数千回ダウンロードされる


オンライン詐欺の管理および防止ソリューションを提供するCleafyの新しいレポートによると、現在、AnatsaやToddlerとしても知られるTeaBotバンキングトロージャンは第2段階の悪意のあるペイロードを介して配布されるように進化しており、ロシア、香港、米国のユーザーを標的にしているとのことだ。

第5位:規制上のハードルをすべてクリアし、マイクロソフトが2.3兆円のNuance買収完了へ

Microsoftは2021年に、200億ドル(約2兆3000億円)でNuance Communicationsを買収すると発表した。Microsoftはヘルスケア分野への進出を実現しようとしたが、規制がますます厳しくなる中、確実に買収できるというわけではなかった。しかし、ようやく規制上のハードルをすべてクリアし、同社は米国3月4日、買収が成立したと発表した。

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【3月4日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はContiの内部チャットログ流出、2位はNVIDIA機密データ流出

【3月4日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はContiの内部チャットログ流出、2位はNVIDIAの機密データ流出

掲載記事のうち、3月4日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:ロシアのウクライナ侵攻支持を宣言したContiランサムウェアグループの内部チャットがネットに流出


ランサムウェアグループContiのチャットログのキャッシュが、ロシアのウクライナ侵攻を支持するグループに異議を唱えると主張している内部関係者らによって、オンライン上に流出した。情報は、マルウェアのサンプルやデータを収集するマルウェア研究グループであるVX-Undergroundに共有された。

第2位:NVIDIA、ランサムウェア攻撃で機密データが流出


NVIDIAは、先週のサイバー攻撃でハッカーが従業員の認証情報や会社の専有情報などの機密データを同社のネットワークから盗み出し、現在「オンラインでリークしている」ことを確認した。広報担当者が米国時間3月1日、TechCrunchに語った。

第3位:ネクソン創業者の金正宙氏死去、享年54歳


米国時間3月1日、ネクソンの持ち株会社NXCは声明を発表した。「深い悲しみとともに、ネクソンは、2月に亡くなった愛する創業者、キム・ジョンジュの予期せぬ死を悼みます」。彼の突然の死は、金氏をアイコンであり、パイオニアとして見ている韓国のゲーム業界に大きな衝撃を与えている。

第4位:【コラム】イーロン・マスクとテスラには「ティム・クック」が必要、今こそ「大人」が跡を継ぐときだ


スタートアップは偉大な個性のリーダーの下で開花し繁栄する。すぐに停滞が訪れる。会社の焦点は、無限に続く新製品を販売することから、顧客の要求を満たすものを作っていることの確認へと移り変わっていく。幸福な期間は終わり、新しい時代は、一貫して高品質な製品を大規模に出荷するために必要な退屈な日々から始まる。

第5位:グーグル、ウクライナでGoogleマップのリアルタイム交通状況ツールを無効に


Alphabetは米国時間2月28日、取材に対し、ウクライナでGoogleマップのライブ交通状況ツールの一部を無効にしたことを明らかにした。Reutersが報じたこのニュースは、同国がロシア軍からの攻撃に直面している中で、同社が地元当局と協議した後に発表された。

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EUによるロシア国営メディア「ロシア・トゥデイ」と「Sputnik」への禁止令が発効

EU(欧州連合)がRussia Today(ロシア・トゥデイ、RT)とSputnik(スプートニク)に対する禁止令を正式に採択し発効した。メディア規制当局は今後、その遵守状況を監視することになる。EU各国の監視当局は、プラットフォームがロシア政府とつながりのあるメディア企業のコンテンツの配信を続けているということがわかれば、罰金を科す可能性がある。

RTおよびSputnikとそれらの子会社の配信に対する広範な制裁であり、TechCrunchが以前報じたように、従来の放送チャンネル(衛星放送など)だけでなく、オンラインプラットフォームやアプリも対象としている。

現時点では、2社に属するジャーナリスト個人は制裁の対象外だが(RTの編集長はすでに制裁の対象)、この法的文書には迂回防止条項が含まれており、両チャンネルに対する規制を回避しようとしているとみなされた場合などは、最終的に個人がターゲットになる可能性がある。

EU当局者によると、この意味するところは、インターネットプロバイダーは、RTやSputnikのコンテンツが自分たちのプラットフォームに表示されないように積極的な措置を取ることが期待されているということだ。

つまり、根本的には、単に公式チャンネルを禁止するだけでは十分ではないかもしれないということだ。他のユーザーやアカウントが制裁対象のコンテンツをアップロードした場合、ソーシャルメディアやその他のテックプラットフォームには、禁止措置回避行為を防ぐためにさらなる措置を取ることが期待されるかもしれない。

EU当局によると、ソーシャルメディアネットワークやビデオストリーミングサービスに加え、原則としてインターネットサービスプロバイダーも対象となる。

さまざまなデジタル配信チャンネルがあることから、欧州委員会関係者は、両チャンネルの地域配信を直ちにすべて終了させることが困難であることを認めており、ある程度の「漏れ」は予想されると示唆している。ただし、法的には、禁止事項の遵守はもはや当然のことだということも強調している。

EUは、RTとSputnikに対する制裁は期限付きだと述べているが、実際のところ制裁解除には条件が付されているため、少なくともロシアのウラジーミル・プーチン現大統領がクレムリンにいる間は、制裁解除を想像することは困難だ。

というのも、欧州委員会は、制裁解除には、ロシアがウクライナでの侵略をやめ、EUとその加盟国に対するプロパガンダをやめる必要があると定めているからだ。そして、多くのメディア関係者は、RTのようなチャンネルの第一の目的は、まさに反欧米のプロパガンダを制作・増幅することだと指摘する。

なぜEUはRTとSputnikを特別視しているのか。EUは、RTとSputnikを親クレムリンの道具箱の中の重要な偽情報ツールであり、プーチン大統領が西側に不安定化を引き起こす「情報戦争」を展開するために利用していると見ているからだ。

例えば、欧州委員会関係者は、RTとSputnikに与えられている巨額の国家予算(2021年には推定13億ユーロ=約1668億円)などの国家支援について言及し、また、これらのチャンネルの編集の独立性に対する疑念を指摘している。

また、欧州委員会関係者らは、この規制は慎重にバランスをとっているとしている。すなわち、対象としているのは、ロシアが国家として対外的な情報操作や干渉を行うために利用している手段であり、それらの手段の中でも最も際立っておりその責任も明らかな2つだということを強調した。

そしてその主張を裏付けるように、欧州委員会関係者らは一例として、ロシアの「偽情報とプロパガンダのエコシステム」におけるRTとSputnikの役割を分析した米国務省の報告書を引き合いに、この2つの組織は明らかにプーチン大統領のプロパガンダマシンに「不可欠であり、力を与えている」部分だと主張している。

EUの対応、すなわち両メディアの配信を対象とした制裁措置は、意見を検閲するものではない、とも主張している。

さらに、欧州委員会は、過去1年間におけるロシア国内の独立系メディアに対する大規模な弾圧を取り上げ、とりわけ政府に批判的と見られる独立系メディアやジャーナリスト個人の口を封じるために、強硬な国内法、特に「外国の代理人」に関する法律が用いられていると指摘し、プロの記者に対するロシアの脅威を容認できないとしている。

欧州委員会の確固たるメッセージはこうだ。ロシアのウクライナ侵攻によって、欧州委員会の評価は不可逆的に変わってしまった。プーチン大統領のプロパガンダ機関に対するEUの寛容はもう終わった。

EUのUrsula von der Leyen(ウルズラ・フォン・デア・ライエン)委員長は、制裁措置の正式な採択を表明した際の声明で、次のように述べた。「この戦時下においては、言葉が重要です。自由で独立した国に対するこの非道な攻撃をめぐり、大規模なプロパガンダと偽情報を目の当たりにしています。私たちは、クレムリンの擁護者たちが、プーチンの戦争を正当化する有害な嘘を流したり、私たちの連合に分裂の種をまくことを許しません」。

また、EUのJosep Borrell(ジョゼップ・ボレル)外務上級代表は、別の採択を支持する声明の中でこう付け加えた。「クレムリンによる組織的な情報操作と偽情報は、ウクライナへの攻撃における作戦ツールとして利用されています。また、EUの公序良俗と安全保障に対する重大かつ直接的な脅威でもあります。今日、私たちはプーチンの情報操作作戦に対して重要な一歩を踏み出し、EUにおけるロシア国営メディアの蛇口を閉めようとしています。私たちはすでに、Margarita Simonyan(マルガリータ・シモニャン)編集長を含むRTの経営陣に制裁を加えており、この組織がEU内で行っている活動も対象とするのは当然のことです」。

フォン・デア・ライエン委員長は現地時間2月27日、欧州連合(EU)が「欧州における(ロシアの)有害な偽情報を禁止するためのツールを開発している」と述べたことから、欧州委員会の担当者は、今後さらに規制が強化されるか聞かれたものの、特定の政策についてのコメントを避けた。

しかし、欧州委員会関係者らは、民主化行動計画やオンライン偽情報の拡散に対処するための行動規範など、EUが何年にもわたり策定してきたさまざまな施策を挙げた上で、EUは、状況認識や回復力の強化といった分野を含む、一貫した一連の政策アプローチと施策を構築しつつあり、特に外国の情報操作をターゲットとする意向だと付け加えた。

RTとSputnikに対する制裁は、こうした幅広い戦略の一環だとEU当局者らは付け加えた。

RTとSputnikに対する制裁の法的根拠は、欧州委員会によると、共通外交・安全保障政策規則(第29条)に基づく欧州理事会の全会一致による決定と、制限的措置を定めた欧州連合機能条約第215条だ。

情報への自由なアクセスはEU憲章に明記されている基本的権利だ。しかし、欧州委員会は、これらの対象措置はいかなる法的異議にも耐えられると確信していると述べている。

EUの既存のメディアに関する規則は、今回の制裁措置と並行して通常通り運用されることをEU当局者は確認した。

制裁を受ける6社は、RT-ロシア・トゥデイ・英語版、RT-ロシア・トゥデイ・UK、RT-ロシア・トゥデイ・フランス、RT-ロシア・トゥデイ・ドイツ、RT-ロシア・トゥデイ・スペイン語版、そしてSputnikだ。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

米アマゾン、Amazon Booksや4-star storeなど68の実店舗を閉鎖へ

Amazonの実店舗販売事業が大きな打撃を受けている。同社は米国時間3月2日にロイターに対して、米国と英国で展開している68の実店舗販売店を閉鎖することを確認した。これには、Amazon Booksの書店、各市場のポップアップショップ、Amazon.com全体で人気があり評価の高い商品を購入できる4-star storeも含まれている。

オンライン書店としてスタートした小売業者Amazonは、2015年にシアトルで最初の実店舗を立ち上げた後、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、ワシントンD.C.、イリノイ、メリーランド、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨーク、オレガン、テネシー、テキサスといった米国の州や、地元ワシントンなど米国内外の多くの場所で着実に実店舗の拠点を拡大している。

店舗は、ハードウェアを含むAmazonの商品に実際に触ることができるだけでなく、オンラインで購入した商品の受け取りや返品にも便利な場所だ。2017年に137億ドル(約1兆5844億円)で買収した食料品店ホールフーズ・マーケットに加えて、独自の食料品店Amazonフレッシュを展開するなど、同社の小売の裾野は広がっている。そしてAmazonは、今回の閉鎖計画には含まれなかったが、増え続けるコンビニエンスストア「Amazon Go」で、レジなしショッピング技術である「Just Walk Out」のテストを行ってきた。

同社はロイターに対して、実際の閉店日は店舗によって異なる可能性があるため、それぞれの店内の看板で閉店に関する情報を買い物客にアナウンスすると述べた。また、影響を受ける従業員に対しては、可能な限り新しい職務を見つけるか、退職金を支給するよう働きかけているとのこと。

新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行によって、地域店舗への来客は減少し、オンラインで買い物をする消費者がさらに増加したため、すべての対面式の小売業は困難なものになっている。しかしながら、この決定はAmazonの小売店従業員が組織化され始めた時期のものでもある。Insider todayが報じたところによると、組合の動きによって、小売店従業員は賃金の改善、より柔軟な出勤規定、より長い休憩時間、その他の福利厚生を要求するようになったという。

このような要求の直後に数十の実店舗を閉鎖することは、Amazonが実店舗での小売事業を重視していないという、すべての同社の小売労働者に対する冷ややかなメッセージとなるようだ。しかしAmazonは、レジなし食料品店や、最近ロスアンゼルスにオープンしたAmazon Styleという衣料品の実店舗のような新しいコンセプトには引き続き取り組むという。

Amazonの実店舗は、広範な小売事業のごく一部ではあるが、同社に何十億ドル(何千億円)もの利益をもたらした。2021年第4四半期、同社は物理的な小売事業の売上高を、前年同期の40億2000万ドルから46億8000万ドルに増加させたと報告している。また、同四半期には「Amazon Style」に加えて、ニューヨークに初の「Starbucks Pickup with Amazon Go」の第1号店をオープンし、さらに2022年には2店舗をオープンする計画であるなど、小売業の発展もアピールしている。

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  1. (文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

【3月3日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はContiランサムウェアグループの内部チャットログ流出

【3月3日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はContiランサムウェアグループの内部チャットログ流出

掲載記事のうち、3月3日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:ロシアのウクライナ侵攻支持を宣言したContiランサムウェアグループの内部チャットがネットに流出


ランサムウェアグループContiのチャットログのキャッシュが、ロシアのウクライナ侵攻を支持するグループに異議を唱えると主張している内部関係者らによって、オンライン上に流出した。情報は、マルウェアのサンプルやデータを収集するマルウェア研究グループであるVX-Undergroundに共有された。

第2位:グーグル、ウクライナでGoogleマップのリアルタイム交通状況ツールを無効に


Alphabetは米国時間2月28日、取材に対し、ウクライナでGoogleマップのライブ交通状況ツールの一部を無効にしたことを明らかにした。Reutersが報じたこのニュースは、同国がロシア軍からの攻撃に直面している中で、同社が地元当局と協議した後に発表された。

第3位:NVIDIA、ランサムウェア攻撃で機密データが流出


NVIDIAは、先週のサイバー攻撃でハッカーが従業員の認証情報や会社の専有情報などの機密データを同社のネットワークから盗み出し、現在「オンラインでリークしている」ことを確認した。広報担当者が米国時間3月1日、TechCrunchに語った。

第4位:ウクライナ侵攻のなか、ロシア政府がアップル・Metaなど米ハイテク大手に検閲圧力を強化


ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、ロシア政府がアップルやGoogle、Twitterなどハイテク大手に現地オフィスを開設するよう義務づける法律を遵守するよう迫り、検閲キャンペーンを強化していると報じられています。

第5位:ウクライナ侵攻に対する経済制裁により、ロシア国内でApple PayやGoogle Payなどが利用停止


ロシアのウクライナ侵攻を受けて、米国政府およびEUはロシアの大手銀行5行に対して外国為替取引の制限を含む経済制裁を実施しました。その結果、現地の主要銀行口座と紐付けられたApple PayやGoogle Payなどのデジタルウォレットがロシア国内で利用停止となったと伝えられています。

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アップル、ウクライナ侵攻にともないロシアでの製品販売を中止

Apple(アップル)は米国時間3月1日、先に隣国ウクライナに侵攻したロシアで同社製品の販売を停止すると発表した。このニュースの前日にAppleはSputnikとRT NewsをApp Storeから排除し、またロシアでのApple Payのサービスの一部を無効にしている。本日のニュースでは、Googleに倣ってAppleの「マップ」の一部の機能を無効にしたことも判明した。

アップルの広報は次のようなコメントをくれた。

私たちは、ロシアのウクライナ侵攻を深く憂慮し、暴力の結果、苦しんでいるすべての人々とともにあります。私たちは、人道的活動を支援し、進行中の難民危機に援助を提供し、この地域にいる私たちのチームを支援するためにできる限りのことを行っています。

今回の侵攻を受け、さまざまな行動をとりました。ロシアでの製品販売をすべて停止しました。先週、私たちは同国の販売チャネルへの輸出をすべて停止しました。Apple Payやその他のサービスも制限されています。RT NewsとSputnik Newsは、ロシア国外のApp Storeからのダウンロードができなくなっています。そして、ウクライナ国民の安全と予防措置として、ウクライナの「マップ」で交通情報とライブインシデントの両方を無効化しています。

私たちは引き続き状況を評価し、行っている措置について関連政府と連絡を取り合っています。私たちは、平和を求める世界中のすべての人々とともに行動します。

先週、ウクライナの副首相Mykhailo Fedorov(ミハイロ・フョードロフ)氏が、AppleのTim Cook(ティム・クック)CEOに公開書簡を記した。「私はあなたにお願いします。そして、あなたがそれを聞くだけでなく、ウクライナ、ヨーロッパそして最終的には、流血の独裁主義の侵略から民主主義の世界全体を保護するために可能なすべてのことを行うことを確信しています。App Storeへのアクセスを含めて、Appleのサービスと製品をロシア連邦に供給することをやめることも含めて」とデジタル変革大臣も務めるフョードロフ氏は述べている。

本日のニュースは世界最大の企業の最大の一歩であり、その他の指導的テクノロジー企業と並んでアップルもついに非難の言葉を発した。

今日のニュースは、世界最大の企業の1つであるAppleが、他のリーダー的なテック企業ととも、ここ数週間のロシアの行動に対して非難してきたことを示すものだ。

画像クレジット:Sean Gallup/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アフリカのシリコンバレーに?同地域のテック企業向けに憲章都市を構築するリン・アボジ氏の計画

アフリカの都市、特にサハラ郊外の都市は、世界でも最速の都市成長速度を誇っている。しかし、超過密、混雑、インフラ、電力、貧弱な統治などの課題を抱えているため、都市環境でアフリカの平均的な生活水準を提供するという点で、これらの都市は限界に達してしまった感がある。

一部の専門家は、憲章都市が解決策をもたらしてくれると考えている。憲章都市には新しい統治システムを作成するための特別な権限が付与され、都市の役人は経済規制におけるベストプラクティスを採用できる。

憲章都市は通常、都市開発業者とホスト国間の官民パートナーシップによって実現される。世界には憲章都市として成功している例がいくつかあるが(シンガポール、深セン市、ドバイなど)、大半は予想を下回る成果しか上げていないか、失敗に終わっている。ナイジェリアでは特にそうだ。

例えばEko Atlantic(エコ・アトランティック)というラゴス近郊の特殊な構造の都市は、150万人の人口の大半が家を買う余裕がないエリアで25万人以上に住宅を供給する計画だ。2009年に始まったこのプロジェクトは現在も継続中で、住宅を供給するためとはいえ、新規開発区域周辺の沿海部に住む数万人に立ち退きを迫っている。

ナイジェリアの経済特別区(SEZ:国内の他の地域と異なるビジネスや商取引に関する独自の法律が施行され、税の優遇措置、企業活動への刺激策、規制面での改革などが実施される地域)も苦戦を強いられている。例えば16500ヘクタールのLekki(レッキ)自由貿易地域は期待されたような成果を上げられていない。

この2つの計画が作った前例は、実はもっと重要な問題を浮き彫りにしている。それは、憲章都市とSEZはホスト国の危機や景気低迷による影響から逃れられないという現実だ。特に貧困国ではその傾向が強い。

Talent City(タレントシティ)プロジェクトに対して懐疑的な見方があるのもそのせいだ。タレントシティプロジェクトは、テックプロフェッショナル向けの未来型憲章都市のことで、アフリカのスタートアップに投資するファンドや共同体の管理企業Future Africa(ヒューチャーアフリカ)によって2020年1月に発表された。しかし、このような懐疑的な見方に対し、タレントシティは、この計画都市は「雇用を創出し、アフリカのテクノロジー、イノベーション、デジタル経済を推進する人材を引きつける」ことに重点を置いているため成功すると確信している。

タレントシティの声明には、タレントシティプロジェクトの都市は自由貿易地域内で、独自の「生産性を重視した、企業家中心の規制や条例」によって管理されると記載されている。

アフリカ諸国はテック向けの憲章都市を必要としているか?

この発表から2年が経過した。まだ建造物は1つも建設されていないが、 ヒューチャーアフリカのジェネラル・パートナー Iyinoluwa Aboyeji(リノルワ・アボジ)氏とパートナーたちは、Talent Cityの未来をさかんに宣伝し続けている。

プロジェクトの前進はゆっくりではあるが、 タレントシティは最初の場所Talent Cityラゴスの建設を開始するための土地を買収した。Alaro City(アラロシティ:Lekki自由貿易区域にある2000ヘクタール規模の開発エリア)にある72000平米の区域だ。

この最初のプロトタイプ都市には中央のコワーキングキャンパスとさまざまな住宅が建設される予定で、1000人の居住者と2500人のリモートワーカーのホームタウンになる。この数字は変わる可能性があると同社はいう。

TechCrunchとの電話対談で、このプロジェクトを立ち上げたアボジ氏とLuqman Edu(ラクマン・エデュ)氏およびCoco Liu(ココ・リウ)氏が、タレントシティが技術者のために解決したいと考えている3つの主要な問題について説明してくれた。

アボジ氏がAndela(アンデラ)に在籍していた期間、同社はまだテック系人材のインキュベーターで、ハブにエンジニアたちを住まわせていた。2014~2017年の間に、同社はオフィス環境と居住区に重点的に投資した。というのは、ラゴスの大半の不動産開発者はテック系人材向けの不動産を構築する方法を理解していなかったからだ、とアンデラとFlutterwave (フラッターウェーブ)の創業者でもあるアボジ氏はいう。

他のスタートアップたちと同様、アンデラも、電力、インターネット、通勤に関する問題に直面していた。その上、これらのスタートアップたちは、息が詰まるような政府の政策(2020年の配車サービスの禁止、2021年の暗号資産の禁止がすぐに思い浮かぶ)、不安定な政治情勢、安全の問題と戦っている。

「これはアンデラだけの問題ではありません」とアボジ氏はいう。同氏は決済ユニコーンFlutterwave(フラッターウェーブ)の共同創業者でもある。「私は現在、60のポートフォリオ企業(大半はテック企業)と2000万ドル(約22億9000万円)を超える資産を管理する投資会社を経営しています。これらの企業は口を揃えて、インフラの問題は悪化しているだけでなく、解決にかかる費用も上がっていると言っています」。

「この数年で、私がアンデラにいた頃に比べて産業は成長を遂げています。2021年、テック産業はベンチャーキャピタルから14億ドル(約1605億円)を超える資金を調達しました。都市建設の強い意欲はあるものの、ラゴスの起業家たちは平均以下の環境に留まったままであり、生活水準と機能しないシステムに対する大きなストレスを抱えています」。

タレントシティはこの問題を解決できる可能性があるとアボジ氏はいう。

アボジ氏によると、タレントシティはリモートワーク向けに設計されており、ニッチ市場のテック起業家やプロフェッショナル向けに建設されているという。この憲章都市は安定した電力と高速インターネット、イノベーションを実現するのに好ましいポリシー、お互い近接して生活し働く、同じ考えを持つ人々のコミュニティなど、テック系人材のためのインフラを提供する。

アボジ氏は、より大規模なエコシステムであるアラロシティ内に複合施設を建設することで、ポリシーの変更に対する政府のお決まりの反応から憲章都市とその住民を保護することができるといい、それが最終的な成功にとって必要不可欠であると指摘した。

「我々は自分たちが得意とする部分、すなわち、コミュニティとテクノロジーを支援する方向へ進もうとしています。政府と新たに何かを交渉して最初からやり直すつもりはありません」とGoogle(グーグル)とLine(ライン)の前デザイナーで、タレントシティの運営/エクスペリエンス担当責任者Liu(リュー)氏はいう。

「我々が大都市内の自由貿易地域に自身を戦略的に位置づけている理由もそこにあります。つまり、ポリシーとインフラの両面で、我々が属しているエコシステムの両サイドで発生するリスクの影響を受けないようにしたのです」。

アフリカの新しいシリコンバレー?

リュー氏の説明は印象的だ。官民パートナーシップとして建設される他の憲章都市と違って、ラゴスのタレントシティ最初のプロジェクトは政府の参加を排除する意向だ。

タレントシティは、アラロシティとラゴス州政府間ですでに形成されているパートナーシップを活かすことで、その側面(政府とのパートナーシップ)をある程度カバーするつもりだとエデュ氏はいう。そして、同社がこの方針を採用したのは、まずラゴスでさまざまなアイデアを試してから、それをプロトタイプとしてアフリカのさまざまな地域で試す必要があるからだと付け加えた。

「タレントシティ計画はアフリカ全土にスケールします。当社はすでに、現行のプロジェクトがうまく軌道に乗った後、次のプロジェクトをどこで始めるかについて戦略的な話し合いを始めています。当社はアフリカ全土に憲章都市をゼロから構築してきました」とエデュ氏はいう。同氏は不動産サービスと不動産テック企業のオーナーでもあり、現在ナイジェリアの12の州でこれらの企業を運営している。

チームがタレントシティプロジェクトを高く評価している理由は理解できる。だが、ナイジェリアのテックエコシステムは、最前線のラゴスだけでなく、地域都市でも(ラゴスはアフリカのスタートアップ首都であると、今月発行されたStartupBlink(スタートアップブリンク)レポートには記載されている)、ベンチャーキャピタルから数十億ドルの資金を調達しており、インフラ面のあらゆる課題と格闘しながらも、2021年は3つのユニコーン企業を輩出した。

であれば、そもそもTalent Cityは必要なのだろうか?

アボジ氏は、ナイジェリアのテック企業には大量の資金が投入されてはいるが、インフラ面が整備されていないため、オフィスや住宅の不動産価格は高騰しており、タレントシティが改善したいのはこの点だと指摘する。

昔は、創業者やテック系プロフェッショナルたちもラゴス郊外のYaba(ヤバ)をナイジェリアのシリコンバレーとして称賛していた。だが、アンデラやコンガといった大手企業がインフラ不足を理由に2017年に(その後数年で数社が相次いで)ヤバから出ていき、共同体意識が薄れたため、かつては未来のテック都市と言われたヤバの評判に傷がついた。

我々は今、リモートファーストの世界で運営しているが、企業は社員が快適な生活環境を自身で確実に実現するために必要なものを保証できないでいる。スタートアップとテックプロフェッショナルたちはラゴス内で繁栄する別の場所を、とりわけラゴスの島地域などに見つけているが、タレントシティはそうした人材を引き込んで「アフリカのシリコンバレー」になりたいと考えている。

価格設定は、世界の標準的な価格に匹敵する月額家賃と住宅ローンを用意しているため、個人および企業相手に十分に競争力のある価格になっているという。また、いっしょに働くことによる共同社会としての利点もある。

アボジ氏によると、同氏のベンチャーキャピタル会社ヒューチャーアフリカ(リモートファースト企業)も新しい都市に本社を移転する予定だという。ヒューチャーアフリカは今回のプロジェクトの過半数所有者だ。有名な創業者やVCなどの創業居住者(Yele Bademosi(イェレ・バデモシ)Timi Ajiboye(ティミ・アジボエ)Nadayar Enegesi (ナダヤル・エネゲシ)Kola Aina(コラ・アイナ)の各氏はすでに不動産を購入している)がいるため、都市が形を成してくれば、地域のテック企業も同じように移転するだろう。

アンデラとフラッターウェーブの共同創業者、ヒューチャーアフリカの創業パートナー、タレントシティの共同創業者であるリノルワ・アボジ氏。

タレントシティは、コミュニティおよび開発管理のため、アムステルダム本拠のデザイン/アーバニズム企業NLÉおよび不動産業者Jones Lang LaSalle(ジョーンズラングラサール)と提携する予定だ。

憲章都市は Pronomos(プロノモス)Charter Cities Institute(チャーターシティインスティテュート)Ventures Platform(ベンチャーズプラットフォーム)、およびLoftyInc(ロフティインク)の支援を受け、ラゴスプロジェクト用に1300万ドル(約14億9000万円)を超える資金を調達した。しかし、アボジ氏によると、資金調達の取り組みはまだ継続中だという。最初の建設工事は5月開始の予定で、2023年終わりまでには一部の建造物が完成する。

「普通、何もない広大な場所に14億ドル(約1606億円)規模の産業を構築することなどできません。現実離れしていますから。だからこそ、やってみたいという人たちがいます。私もそうした考えに賛同している1人です。しかし、エコシステムにはイメージが必要です」とアボジ氏はいい、イスラエルに行くことをTalent Cityを始める際の影響因子として挙げた。

「重要なのは、このプロジェクトがエコシステムのイメージになることです。人々が集まってテクノロジーに取り組む場所になることです。この場所は大きな可能性を秘めています。当社と反対側には海港があり、空港も約20分のところにあります。間違いなくラゴスの未来になります。ここに最初にやってくるテック企業は本当にワクワクすると思います」。

民間都市の建設を試みるテックリーダーはアボジ氏だけではない。Uber(ウーバー)の前幹部で電動自転車企業Jump(ジャンプ)をモバイルテック大手に売却したRyan Rzepecki(ライアン・レゼペッキ)氏は、2020年に、自治憲章都市に投資して、パンデミックでシリコンバレーに見切りをつけたテック系の人材を受け入れたいと語っていた。

ただし、レゼペッキ氏の目的はアボジ氏とは異なる。The Telegraph(テレグラフ)によるインタビューで同氏は、サンフランシスコのホームレス危機を解決することが目的だと語っている。

「これまでの地域や都市の構築方法は基本的にサステナブルではありません。もっと良い、サステナビリティが高く環境にも優しい新しい場所を構築できる可能性があります」と同氏はインタビューで語っている。

「本当にさまざまな人たちが、こうしたことに関心を持っており、多くの人が、少なくとも私は、広い意味でより良い世界を作りたいと思っています。今の地球は、すべての人にとって物事がうまく機能しているわけではありません。一部には「何か別のことを試してみよう。懐疑的に反応するのはやめよう」と考える人たちがいると思います」。

懐疑的ではない大物投資家も何人かいる。Peter Thiel(ピーター・ティール)氏とMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏はタレントシティを支援しているPronomos(プロノモス)に投資している。成功している憲章都市は政府の後ろ盾を得て建設されたが、未来のテックハブは民間資金を引きつけている。これは、憲章都市の青写真が描かれ世界中に複製されるのも時間の問題であることを示唆している。

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Dragonfly)

沿岸部などに住む人のために正確に住宅のリスクを予測する保険会社Kin Insuranceが約94億円調達

カリフォルニアの家とネブラスカの家では、保険のニーズが異なる。Kin Insurance(キンインシュアランス)は、データとテクノロジーによって、保険に加入しにくい家の最適な保険加入方法を判断できると考えている。

シカゴを拠点とする消費者直販の住宅保険会社Kin Insuranceが400万ドル(約4億6000万円)を調達してから数年が経つが、CEOのSean Harper(ショーン・ハーパー)氏はTechCrunchに、1100億ドル(約12兆6400億円)の住宅保険市場のうち、半分の住宅は異常気象や火災にさらされる地域にあると語った。

「そういう場所に移住する人が増えているため、大きな保険需要があります」とハーパー氏は付け加えた。「米国には、防波島やこれまで洪水が度々起こっている平野のような、住むべきでない場所があります。しかし、そこに住むことを選択すると、保険は高額になります。技術の特殊ソースを使うことで、郡は広大で、すべての家を同じ筆で描くべきでないということをうまく理解できます」。

Lucas Ward(ルーカス・ワード)氏、Jason Heidkamp(ジェイソン・ハイドカンプ)氏、Sebastian Villarreal(セバスチャン・ビラレアル)氏と共同で会社を設立したハーパー氏は、従来の保険会社は、どの家がリスクがあり、どの家がそうでないかを判断するのに必要なデータを持っていないため、往々にして大胆な価格設定になり、結果として引受額が高くなると説明する。

しかし、データを使ってリスクを正確に見積もることで、Kin Insuranceの引受額は常に最安値とは限らなくとも平均すると結果的に安くなる。これは、同社がリスクの細分化に優れており、代理店のようにテクノロジーを使ってコストの一部を排除しているためだ。代理店を通して保険を販売する場合、継続的に保険料総額の20%のコストがかかると同氏は推定する。

また、ハーパー氏は、50年前はローカルの代理店を持つことが理にかなっていたが、テクノロジーの進歩により、保険会社が消費者に直接アプローチすることができなくなり、電子メール、テキスト、チャット、電話などで同様の顧客サービスを提供することができるようになったとも話す。

2021年4月にシリーズCで8000万ドル(約92億円)の資金を調達したKin Insuranceは、特別目的買収会社Omnichannel Acquisition Corp.と合併して上場する予定だった。しかし1月、同社はこの取引を進めないことを決定したとハーパー氏は述べた。

「株式公開の市況が良くなかったことも理由としてあります。SEC(米証券取引委員会)の手続きを踏みましたが、テック企業にとって1年前のような市場ではありませんでした。将来、再びテック企業にとって良い市場になるときが来るでしょうし、Kinも上場するでしょう」と同氏は付け加えた。

同社が非公開にするかどうかを決定する間、非公開を選んだ場合に備えてベンチャーキャピタルは列をなしていた。

同社は3月1日、シリーズDラウンドで8200万ドル(約94億円)を調達したと発表したが、ハーパー氏は1億ドル(約115億円)で正式にクローズすると予想している。QED Investorsが同ラウンドをリードし、既存投資家のCommerce Ventures、Flourish Ventures、Hudson Structured Capital Management Ltd.(HSCM Bermuda)、Alpha Edison、Allegis NL Capital、Avanta Ventures、August Capital、そして新規投資家のGeodesic CapitalとPROOF.VCも参加した。ハーパー氏によると、Kin Insuranceはこれまで株式で1億3300万ドル(約152億円)、負債で5000万ドル(約57億円)を調達した。

同社は、急成長を遂げているインシュアテック企業の1社で、同社の保険料は2020年の2500万ドル(約28億円)から2021年には1億500万ドル(約120億円)に増加し、それに伴い新たな資本が集まっている。その成長軌道は2022年も続き、2022年の保険料は2億5000万ドル(約287億円)超に達するとハーパー氏は予想している。

この1年で保険料が増えたのに加え、同社は従業員数を2021年初頭の250人から450人にまで増やした。

同社はすでにフロリダ、ルイジアナ、カリフォルニアで事業を展開していて、ハーパー氏によれば、この3州だけで250億ドル(約2兆8700億円)近い保険市場となっている。今回の資金調達で、2022年さらに6州に進出できるという。同社はマーケティング、データサイエンス、テクノロジーへの投資にも注力する予定だ。

「保険金請求に関するデータが増えれば、引受額の精度が向上します」とハーパー氏は付け加えた。「それが、従来企業と当社の引受方法の大きな違いであり、その違いを広げたいのです」。

画像クレジット:Kin Insurance / Kin Insurance co-founders Lucas Ward and Sean Harper

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(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi