スポーツ庁がオープンイノベーション推進プログラム「INNOVATION LEAGUE 2021」参加企業を募集中

スポーツ庁がオープンイノベーション推進プログラム「INNOVATION LEAGUE 2021」参加企業を募集中

スポーツ庁は7月20日、SPORTS TECH TOKYOと共同で世界規模のスポーツテック・アクセラレーション・プログラム「SPORTS TECH TOKYO」と共同でスポーツオープンイノベーションプラットフォームの構築推進を目的としたプログラム「INNOVATION LEAGUE(イノベーションリーグ)2021」の開催を発表した。これは、スポーツビジネスの「拡張」を目指す「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」と、スポーツから生まれる可能性を讃える「INNOVATION LEAGUE コンテスト」で構成される。エントリーはすでに開始されている。

INNOVATION LEAGUE アクセラレーション

INNOVATION LEAGUE アクセラレーションは、「スポーツ周辺領域のテクノロジーとスポーツ協会・団体が持つ課題やアセットを掛け合わせることでアイデアを創出し、スポーツビジネスの拡張を目指すプログラム」とのこと。つまり、スポーツの事業化をテクノロジーを活用して広げようという主旨だ。今回は、日本フェンシング協会とジャパンサイクルリーグがコラボレーションパートナー(実証連携団体)として参加し、それぞれが「コラボレーションテーマ」を提示している。

プログラム概要

  • 募集企業:スタートアップから上場企業まで、事業ステージは一切問わない。応募時点で法人化されていない団体・チームでも応募可能。第三者の出資を受けている場合や、他社主催の同種プログラムに参加している場合でも応募可能。未成年者の場合は親権者から事前の同意が必須
  • 応募期間:7月20日から9月12日午後11時59分
  • 採択社数:5〜6社予定
  • 応募方法:「INNOVATION LEAGUE 2021」プログラム説明会(オンライン・Zoomウェビナー)に申し込む体裁となっている。またRelic提供のイノベーションマネジメント・プラットフォーム「THROTTLE」アカウント作成が必須
  • プログラムからの採択企業に対する投資はない。応募にかかる費用は応募者が負担

日本フェンシング協会」コラボレーション テーマ

  • 課題:これまでフェンシング協会がチャレンジしてきた領域に留まらず、フェンシングの深い魅力を起点に、フェンシングの面白さをより多くの人に伝達する
  • テーマ:試合における「緊張感」と「先進性」を拡張させる新たな観戦体験の設計。フェンシングファンとのエンゲージメントを深めるアプローチ開発。これまでフェンシングとの接点がない生活者も気軽に楽しめるフェンシング体験の開発

ジャパンサイクルリーグ」コラボレーションテーマ

  • 課題:自転車ロードレースの魅力は、自転車競技経験のある「アスリート層」以外には伝わりにくい現状
  • テーマ:自転車競技を語りやすい、語って楽しい競技にするテクノロジー(公道・競輪場などのレース双方を対象)

スポーツ庁は、このプログラムに参加するメリットを次のように掲げている。

  • 競技団体や事業会社との事業共創機会の提供
  • 起業家や各業界のプロフェッショナル、「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」に参画する事業開発経験豊富な有力メンター陣によるメンタリング機会の提供
  • SPORTS TECH TOKYOの広域なネットワークへのアクセス
  • キックオフ、デモデイなどプログラム期間中のイベントを通じた露出機会拡大
  • スポーツ庁とのネットワーク構築機会
  • プログラムをサポートいただく幅広い企業・団体とのネットワーク構築機会

予定スケジュールは次のとおり。

  • 2021年8月11日14:00から:「INNOVATION LEAGUE 2021」プログラム説明会。オンライン(Zoomウェビナー)
  • 9月下旬:一次審査で10~20社程度を採択
  • 10月上旬〜中旬:競技団体との面談セッション
  • 10月下旬:採択企業の通知
  • 11月上旬:キックオフイベント(都内またはオンラインでクローズド形式)の開催
  • 11月上旬〜2月:共創プログラム期間(都内またはオンライン)
  • 2月中旬:デモデイの開催

INNOVATION LEAGUEコンテスト

INNOVATION LEAGUE コンテストは、上記プログラムと同じ主旨のもと、「スポーツの価値やスポーツビジネスの可能性を拡大する新しい取り組み・優れた取り組みを表彰」するというコンテスト。日本国内を拠点とする企業、スポーツチーム、競技団体、個人が、国内で2021年に実施した(または実施中の)取り組みが対象となる。応募期間は7月20日から12月10日午後11時59分まで。結果発表は2022年2月上旬を予定している。なお、最終審査では応募者によるショートピッチ(数分程度の短いプレゼンテーション)を予定。

説明会と申し込みに関する詳細はこちら。

コンテスト概要

  • 対象となる取り組み:2021年1月1日〜応募時点までに実施したもの、もしくは現在実施中のもの。2021年1月1日以前に終了している取り組みは対象外。国から委託費を受けた取り組み(成果が原則として国に帰属するもの)は応募できない。ただし、補助金、交付金などを受けた取り組み(成果が事業主体に帰属するもの)は応募可能
  • 応募資格(企業・団体など):国内に拠点を置く企業、競技団体・スポーツチーム、NPO・NGO、地方自治体などが応募可能。共同・連名での応募も可能だが、国内に拠点を置いていること
  • 応募資格(個人):国内在住であること。年齢不問で、学⽣の応募も行える。共同・連名での応募も可能だが、代表応募者が国内在住であること。18歳未満の場合は親権者から事前の同意が必須
  • 募集期間:7月20日から12月10日午後11時59分まで
  • 応募件数:同じ内容の重複応募でなければ、複数応募も可能
  • 応募シート:「応募シートはこちら」より応募シートをダウンロードし必要事項を記入する。応募内容は、応募シートの規定枚数(スライド2枚)に収める必要がある。3枚目以降は提出しても審査対象外となる
  • 応募方法:Relic提供のイノベーションマネジメント・プラットフォーム「THROTTLE」アカウント作成が必須。規定応募シートに必要事項を記入した上で、「THROTTLE」の応募フォーム画面よりエントリーを行う

表彰内容は次のとおり。

  • イノベーションリーグ大賞:スポーツが持つ産業拡張力を強く感じさせる取り組み
  • ソーシャル・インパクト賞:スポーツを社会課題の解決に活用している取り組み
  • アクティベーション賞:スポンサーシップ活用の先進的取り組み
  • パイオニア賞:スポーツの世界が強いられている変化・困難を乗り越えるためのチャレンジ

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:アクセラレータープログラム(用語)スポーツ(用語)SPORTS TECH TOKYO(組織)スポーツ庁(組織)日本(国・地域)

Alchemist Acceleratorのデモデーに登場した22社のスタートアップを紹介

企業を対象としたスタートアップ・インキューベーターAlchemist Accelerator(アルケミスト・アクセラレーター)は、米国時間9月21日に22回目のバッチを紹介するデモデーを開催した。

参加企業には5分間が与えられ、自分たちは何者か、何を作っているのか、なぜ自分たちがそれに誰よりも長けているのかを、満場の投資家たちを前に売り込む。今回は、業務用ロボット掃除機から医療機関のためのプラットフォーム、AI駆動の資金融資プラットフォームまで、さまざまな事業を行う企業が登場していた。

早速どんな企業がデビューしたかを紹介しよう。参加した22社すべての概要を登壇順に列記する。

1.Cresance(クレサンス)
AIを使い、独自のアルゴリズムで無駄を検出し、クラウドの運用コストを削減する。2019年に企業がクラウドのために消費した金額は2000億ドル(約21兆5000億円)に上る。Cresanceは、3~5年後には5000億ドル(約53兆8400億円)にまで膨れ上がると見込んでいる。


2.Bridgefy(ブリッジファイ)
ユーザーが気に入っているインターネット接続が切れたときでも、接続が継続できるモバイルアプリを開発中。彼らのフレームワークは、近くにいる他のユーザーを通じてBluetoothのメッシュネットワークを利用するというもの。創設者Jorge Riso(ホーヘ・リソ)氏によれば、この4カ月間で1万2700件のライセンス契約を交わしたとのこと。また、Bridgefy独自のメッセージアプリは、4週間で14万ダウンロードを記録した(香港の抗議活動の間に利用者が急増)。リソ氏は、Twitter(ツイッター)の共同創設者とブリッジファイの投資企業であるBiz Stone(ビズ・ストーン)からステージに招かれた。

3.Synapbox(シナップボックス)
企業の画像や動画コンテンツにどれだけの効果があるかを調査し、パフォーマンスを高める方法を提供する。創設者Cristina De la Peña(クリスティーナ・ダ・ラ・ペーナ)氏によると、同社の月間経常収益は100万ドル(約1億800万円)を超えると見積もられ、8月の収益は6万ドル(約650万円)、9月は8万5000ドル(約916万円)に上るという。

4.Teleon Health(テレオン・ヘルス)
高齢者介護施設のためのソフトウェアプラットフォーム。同社の最初の製品はHIPAA(米国医療保険の総合運用性と責任に関する法律)に準拠したスタッフ間の通信プラットフォームだ。スタッフ同士が簡単につながり、利用者のデータの交換やそれに関する相談、更新スケジュールの送信などが行える。

5.Particle(パーティクル)
転向、災害、地域紛争など「1日あたり100万件を超える影響力の強いデータポイント」をAIで常に監視し、商品相場(コバルト、プラチナなど)を予測する。2019年には100万ドル(約1億800万円)の収益があり、2020年には3倍に伸びると同社は見込んでいる。

6.Pristēm(プリスティーム)
ポータブルな装置でスチームクリーニングができる。オフィス、ホテル、アパートなどで、ドライクリーニングの代わりに使用されることを想定している。ハードウェアのライセンス料と月間のサブスクリプション料で収益を得る。同社の共同創設者によると、マリオットやハイアットを始めとするホテルチェーンから基本合意をもらっているという。Pristēmという名称はスチームに掛けてある。

7.EveraLabs</span>(エベララブズ)
尿から幹細胞を収集すると同社が主張する在宅の郵送キットだ。若いときの幹細胞を保管しておき、後に健康上の問題が発生したときに役立てるというアイデアだ。

8. testRigor(テストリガー)
開発中のソフトウェアを「人間レベル」で自動テストする。現在は年間経常収益が20万ドル(約2150万円)と推測されるが、今後30日で30万ドル(約3230万円)になると予測している。共同創設者のArtem Golubev(アーテム・ゴリュベフ)氏によれば、testRigorはすでに、GrubHub(グラブハブ)、stockX(ストックエックス)、Genentech(ジェネンテック)など26社と商談を進めているという。

9.Spectrum CannaLabs(スペクトラム・カナラブズ)
合法的な大麻(カナビス)製品のための、速くて正確な専門の検査を提供する。合法カナビス製品は、多くの州で、残留農薬、菌類、重金属、異物の出荷前の検査が義務づけられているが、同社によればそのための研究室の費用は高額になるという。

10.Gritwell(グリットウェル)
栄養士や栄養士、自然療法士と、持病を抱える患者とのマッチングプラットフォームを運営。同社は当初、ループス(全身性エリテマトーデス、全身性紅斑性狼瘡)の患者を対象としていたが、現在は自己免疫疾患の患者にサービスを拡大している。

11.Green Light Labs(グリーン・ライト・ラブズ)
電気自動車への乗り換えを後押しするマーケティングプラットフォーム。MyGreenCar(マイグリーンカー)とMyFleetBuy(マイフリートバイ)という2つのアプリは、車の走行状況を分析して、別の車ならどれぐらいのコストになるかを、個人向けまたは企業向けに分析する。現在、契約で生じた収益は130万ドル(約1億4000万円)。

12.Friendly Robots(フレンドリー・ロボッツ)
業務用のロボット掃除機。ルンバのようなものだが、大型で、広く入り組んだ業務用スペースを掃除する。自律度も劇的に高められている。CEOのXiao Xiao(シャオ・シャオ)氏は以前Apple(アップル)で、おもにApple Watch用の距離計やモーションセンシングのアルゴリズムのデザインと開発を行っていた。

13.Bludot(ブルドット)
地方自治体が、地元の産業の成長を監視し分析できるようにするクラウドベースのプラットフォーム。そのデータを許認可に結びつけ、自治体がビジネスオーナーたちとつながれる場所を提供する。現在、中規模の都市での試験プログラムを完了したところだ。

14.Coolso(クールソー)
手首に装着して筋肉の動きを感知することで、ジェスチャーでデバイスの操作ができるようにする装置。共同創設者のJack Wo(ジャック・ウー)氏によると、同社のソリューションは、Thalmic Labs(サルミック・ラブズ)のMyo(マイオ)やLeap Motion(リープモーション)などのアプローチと違い。安価に製造でき、しかも安定しているという。

15.Crelytics(クレリティクス)
金融業者のためのAIを使ったリスク評価と不正検出のためのソフトウェア・プラットフォーム。カスタマイズ可能な意志決定エンジンでもある。現在の年間経常収益は10万ドル(約1080万円)以上とされている。

16.LEAD(リード)
企業内に「素晴らしい職場文化を築く」ことを目的としたプラットフォーム。従業員を、興味や職歴をもとにマッチングし、1~4週間ごとにお茶やランチや仮想訪問で会合させる。SlackGoogle Suiteなどの既存のソフトウェアと連動させて使用する。

17.Celly.ai(セリー・エーアイ)
AIを使った顕微鏡検査による診断を行う。光学式アダプターで顕微鏡のレンズにiPhoneを接続すると、Celly.aiのニューラル・ネットワークが、まずは血球数をカウントし、血液塗抹標本の分析を行う。

18.Blushup(ブラシュアップ)
美容製品の小売業者(ロレアルやランコムなど)向けのマーケットプレイスであり予約ソリューション。創設者Monique Salvador(モニク・サルバドール)氏によると、オンライン予約ソリューションを利用している美容小売業者ではわずか37%だという。

19.Modality.ai(モダリティ・エーアイ)
ユーザーの動画(アバターで通信している間に録画)で、表情の動きや話のパターンなどから神経疾患の変化を評価する。神経疾患のための薬の試用を、標準化された客観的なデータによってより効率的に行うことを目的としている。

20.Chowmill(チャウミル)
企業の会議やイベントのための食事の注文を、早く簡単にできるシステム。食事の好み、好きなレストラン、予算などを入力すると、Chowmillが残りの作業を自動的に処理する。創設者Mubeen Arbab(ミュービーン・アーバブ)氏によれば、同社の売上総利率は40%とのこと。1月には収益が2万5000ドル(約270万円)だったが、8月には11万8000ドル(約1270万円)に増加した。

21.Yaydoo(イェイドゥー)
値段交渉や再注文など、企業の調達業務を自動化する。年間経常利益は120万ドル(約1億3000万円)と予測されている。

22. SmartBins(スマートビンズ)
食料品店の量り売りのためのスマート・ディスペンサー。既存の容器で使用できる。客は、ディスペンサーを普通に使うだけで、SmartBinsのシステムが自動的に分量を計測し、その近くに置かれてる発券機からラベルが印刷されて出てくる。共同創設者のDavid Conway(デイビッド・コンウェイ)氏によると、すでに市場占有率100%の量り売り用ディスペンサーのメーカーと販売契約を交わしたという。食品メーカーと小売店は、商品ごとの売り上げの分析結果をダッシュボードで見られるようになる。

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(翻訳:金井哲夫)

Beyond NextがインドC-CAMPと提携で相互支援、海外投資も本格化

独立系アクセラレーターのBeyond Next Ventures(BNV)は6月3日、インド・バンガロールのインキュベーターCentre for Cellular and Molecular Platforms(C-CAMP)との業務提携を発表した。

写真右から2人目:BNV代表取締役社長 伊藤毅氏

C-CAMPが拠点を置くバンガロール(ベンガルール)はインドの南部に位置し、「インドのシリコンバレー」と呼ばれるテック企業の集積地であり、技術系大学や医大など、インド有数の大学が数多く集まる都市でもある。C-CAMPはその地に2009年、インド政府科学省によって設立されたインキュベーターだ。

これまでに100を超えるスタートアップを支援してきたC-CAMP。ライフサイエンス分野を中心とした最先端の研究開発、投資、メンタリングの実施や、インキュベーション施設の提供などを通して、インドのスタートアップの事業化・成長支援を推進してきた。

BNV代表取締役社長の伊藤毅氏は、C-CAMPについて「シェア型ウェットラボを運営するなど、我々と似た活動をしているアクセラレーター」と説明する。インドには政府が政策として、予算を付けてバックアップするインキュベーターも多く、再生医療の分野などでアカデミア発のベンチャーの事業化を支援している。C-CAMPもそのひとつ。バンガロールにあるライフサイエンス領域のインキュベーターでは、中核的な存在だという。

BNVも2014年8月の創業時から、アカデミア発のスタートアップ支援を行うアクセラレーターで、2018年10月には2号ファンドを設立。1号ファンドとの累計で150億円近い額となるファンドを運営し、ライフサイエンス分野を中心とした技術系スタートアップへのインキュベーション投資や事業化・成長支援を実施する。今年2月には東京・日本橋に開設されたシェア型ウェットラボの運営を開始した。

今回の業務提携では、両社がインドおよび日本の起業家育成、双方のアクセラレーションプログラムを通した人材・テクノロジーの交流などを目的としたコンソーシアム「C-CAMP Beyond Next Ventures Innovation Hub(CBIH)」を設立。インドにおける技術系スタートアップへの投資やハンズオンサポートなどを組み合わせ、インドと日本双方のイノベーションの創出を目指す。

より具体的には、BNVが日本で投資するスタートアップがインドで事業を展開したり、ラボへ入居したりする際にはC-CAMPがサポートを実施。C-CAMPがインキュベートを手がけるインドのスタートアップには、BNVが日本でのパートナーや投資家の紹介、アクセラレーションプログラムへの参加などで支援する、といった形で両社の経験やネットワークを生かしていく。

また、これを機にBNVでは、インドへの投資を本格展開していく予定だ。BNVが投資を行う現地のライフサイエンス領域のスタートアップについては、C-CAMPがデューデリジェンスや育成をサポートする。

「インドは人口も多く、世界第3位のスタートアップ大国でもある。中でもインドのシリコンバレーと言われるバンガロールは投資機会に恵まれた地域だ。また、インドは今後も発展を続け、中長期的には大市場となる。我々の投資先であるスタートアップにとって、海外の展開先としても有望な国だと考えている。学力や教育レベルも高く、ITエンジニアだけでなく、ライフサイエンス領域でも優秀な人材が多い。今は日本の方が優れた研究もあり、論文も多いかもしれないが20〜30年後、中長期的にはそれが変わっていくとみている」(伊藤氏)

今年8月には創業5年を迎えるBNV。現在、海外では2社のスタートアップに出資しているが、今回の業務提携をきっかけに、インドだけでなくアジア諸国、海外への投資を加速していく考えだ。

全米一と評価されるアクセラレーターに参加の最新スタートアップ19社

AngelPadがニューヨークで開催した3カ月間スタートアップアクセラレーラーコースの第12回目が修了した。今回は、クライマックスをデモデーで飾るという形式をとらない2回目の実施となった。その代わりに、19の参加スタートアップ企業は、先週末、あらかじめ設定されていたベンチャー投資家たちと1対1で面談した。

AngelPadの共同創設者Thomas Korte氏とCarine Magescas氏は、昨年、同社の10年近い歴史の中で初めて、デモデーの伝統を廃止した。これまでAngelPadが指導したスタートアップには、Postmates、Twitterに買収されたMopub、Pipedrive、Periscope Data、Zum、DroneDeployなどがある。

「デモデーには、アクセラレーターが多くの企業を大勢の投資家に紹介できるといういい面がありますが、私たちはそれが、最高に生産的な方法だとは思っていません」とKorte氏は、昨年TechCrunchに語った。噂によれば、ライバル関係にあるアクセラレーターY Combinatorもデモデーの廃止を検討しているとのことだが、同社に近い情報源はそれを否定している。Y Combinatorはインベスターデー(投資家の日)を省略し、その代わりに「効率性を分析した結果」として、昨年AngelPadと同じように個々のスタートアップに投資家が面談できる機会を設けた。

デモデーを廃止したAngelPadの決断は評判がいい。Krote氏がTechCrunchに話したところによると、スタートアップのCEOたちは、投資が得られる確証もないのに大勢の前で売り込みのスピーチを強いられることがなくなって、ホッとしているという。

AngelPadは、各企業に12万ドル(約1340万円)ずつ投資している。それでは、今回参加した最新スタートアップを紹介しよう。

  • LotSpot
    大学、公園、ショッピングモールなどの駐車場を管理するツール。駐車場の入口と出口にカメラを設置し、車が出入るするごとに駐車場の空き状況を自動的に監視する。LotSoptの創設者はスタンフォード大学のイノベーション・フェロー。工学と営業の経歴がある。
  • Twic
    自由裁量で使える福利厚生管理プラットフォーム。これを使えば、企業は従業員に福利厚生を低コストで提供できる。このツールは、サービス提供業者の選定、利用状況のモニター、デジタルウォレットでの償還金の管理といった人事業務を助ける。Twicの顧客には、TwitchとOscarも含まれる。同社の現在の年間経常収益は26万5000ドル(約2960万円)。
  • Zeal
    企業同士の契約を自動化するプラットフォーム。営業部の人間が、機密保持契約書などの形式的な契約書の文面を、個別に、効率的に変更できるようになる。現在このスタートアップは大手企業で試験運用を行っている。創設者は弁護士や経営コンサルタントで、以前はAXIOMで営業や法務を担当していた。
  • ChargingLedger
    電気自動車のためのインテリジェントな充電技術を使い、送電線網の使用を最適化する試みを送電会社と共に行っている。同社の有料試験プログラムは、今月スタートする。
  • Piio
    検索エンジンの最適化に特化。ユーザーの利用形態、位置、デバイス、プラットフォーム、接続速度に基づいてウェブサイトの速度とパフォーマンスを最適化する技術を使い、企業のウェブプレゼンスを高める。現在、Piioは、JomaShopを始め、電子商取引小売業者との事業を進めている。年間経常収益は9万ドル(約1000万円)。
  • Duality.ai
    自律走行車両のための品質保証プラットフォーム。人間のテスト担当者とシミュレーション環境を支援し、自律走行のための歩道、車、トラックの出荷までの時間を短縮する。創設者は、Caterpillar、Pixar、Appleに在籍していたエンジニアやデザイナーたち。ベータ版の顧客2社から、年間計上収益10万ドル(約1117万円)を上げている。
  • COMUNITYmade
    ロサンゼルスの製造業者と協力し、地元産の高級スニーカーを製造している。この企業はAdidasなどのブランドの目を惹き、コラボを行っている。創設者は、アシックスzやTomsの出身者からなる。
  • Spacey
    ミレニアル世代に焦点を当てたアート購入プラットフォーム。限定印刷されたアート作品を低価格で販売している。また、オフラインでの会員制体験サービスもあり、ブランド大使プログラムには多数のフォロワーがいる。
  • LegalPassage
    法律事務所のための事務処理自動化ソフト。弁護士の時間を節約する。同社はとくに、集団訴訟、人身傷害に重点を置いている。創設者は訴訟弁護士であり、カリフォルニア大学へイスティングス校の法学元非常勤教授。サンフランシスコ弁護士会家族法部門議長の経歴も持つ。
  • Revetize
    評判を高め、推薦を促し、リピーターを増やすことで地方企業の収益を高める手助けをする。本社はユタ州にあり、22万ドル(約2460万円)の年間計上収益がある。
  • House of gigs
    フリーランスや単発の仕事を求めている人たちに「雇われているような」サービスを提供し、ユーザーの近所にある短期の仕事を紹介する。このスタートアップは9万人の会員を擁する。創設者は、サンフランシスコとベルリンの出身者。かつて、ベンチャー投資家の支援を受けた人材スタートアップで一緒に仕事をしていた。
  • MetaRouter
    高速で柔軟で安全なデータルーティングを提供する。クラウドベースの業務用プラットフォーム。年間経常収益は25万ドル(約2790万円)に達し、「Fortune 500に選ばれた2つの小売り企業」も顧客に含まれる。
  • RamenHero
    本格高級ラーメンのキット食品を提供する。2018年に創設され、およそ1700件の顧客を持ち、12万5000ドル(約1400万円)の収益を上げている。創設者は、いくつもの会社を立ち上げた起業家であり、日本のラーメン学校を卒業している。

    RamenHeroは本格高級ラーメンのキット食品を提供する

  • ByteRyde
    特にTesla Model 3sを対象とした自律運転車両のための保険。自律運転車の安全機能を考慮した。
  • Foresite.ai
    商業不動産投資家に、データ解析と位置情報を基にした傾向の視覚化を行うリアルタイムプラットフォームを提供する。
  • PieSlice
    ブロックチェーンをベースにした株式発行と管理のためのプラットフォーム。企業の株式に完全に対応するデジタルトークンの発行を手助けする。創設者は、トレーダー、株式ブローカーからプロのポーカープレイヤーになった人物。
  • Aitivity
    スケーラブルなブロックチェーンのアルゴリズムを開発しているセキュリティー用ハードウエア企業。とくにIoTを導入している企業向け。
  • SmartAlto
    19万ドル(約2117万円)の年間経常収益のある、不動産のリードを強化するSaaSプラットフォーム。デジタル・アシスタントで不動産業者同士をつなぎ、より多くの物件を紹介し合えるようにする。
  • FunnelFox
    企業の営業担当者と協力して、顧客リサーチ、パイプライン管理、報告のための時間を節約する。AIを利用したこのプラットフォームは、年間経常収益75000ドル(約8360万円)に達し、顧客にはBotifyやPaddleも含まれている。

A look at all the companies participating in 500 Startups’ 24th accelerator program


500 Startupの24時間アクセラレーター・プログラムに参加した企業たち(本文は英語)

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

Beyond Nextが名古屋大・他4大学の公認ファンド運営へ、医師起業家ファンドも設立

独立系アクセラレーターBeyond Next Ventures(以下、BNV)は12月6日、名古屋大学ほか東海地区の5つの大学発スタートアップへ投資を行う、大学公式ファンド「名古屋大学・東海地区大学広域ベンチャー2号ファンド(仮称・以下、東海広域5大学ファンド)」の運営事業者として選定されたことを発表した。

BNVではまた、12月3日に同社のFacebookページ上で、医師起業家への出資を行う「アントレドクターファンド」への取り組みについても明らかにしている。

BNVは2014年の設立後、大学発の研究開発型ベンチャーを対象としてBNV1号ファンドを立ち上げ、2016年にクローズ。ファンド総額は55億円を超える規模となった。また今年の10月には1号ファンドを超える規模のBNV2号ファンドを設立。BNV2号ファンドでは「医療・ライフサイエンス領域へ重点的に支援を行う」としている。

BNVのアカデミア、そして医療・ライフサイエンスへの最近の取り組みについて、同社代表取締役社長の伊藤毅氏に聞いた。

大学発シーズを起業前から成長まで一貫して支援

写真右から名古屋大学総長 松尾清一氏、Beyond Next Ventures代表取締役社長 伊藤毅氏

2019年春に設立が予定されている東海広域5大学ファンドは、東海地区産学連携大学コンソーシアムに参画する名古屋大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学、岐阜大学、三重大学の5大学発スタートアップへの投資を目的とするものだ。

5大学では、2016年にも日本ベンチャーキャピタルを運営事業者として、名古屋大学・東海地区大学広域ベンチャー1号投資事業有限責任組合(名大ファンド)を設立。名大ファンドの組成が25億円規模で完了したことから、新規ファンドの設立を準備し、今年8月から運営事業者の公募を行っていた。

BNVは、BNV1号ファンドで研究シーズの事業化経験も多数ある。名古屋大学発スタートアップでは、電子ビーム発生装置・素子の開発・販売を手がけるPhotoelectron Soul や、新品種創出プラットフォーム技術を持つアグリバイオベンチャーのグランドグリーンといった企業へ、創業期から出資や事業化支援を行ってきた。

またBNVでは、2016年8月に複数の大手事業会社とアクセラレーションプログラム「BRAVE」をスタートし、実用化・事業化を目指す技術シーズに対して、知識やノウハウ、人的ネットワークを提供している。

伊藤氏は「アカデミアの技術シーズに対する起業前からの支援やアクセラレーションプログラムを持つことが評価されたのではないか」と、今回ファンド運営者として選定された背景について話している。

BNVは、早稲田大学発スタートアップへの出資を目的とした、総額20億円規模の大学公式ファンド組成に関しても、ウエルインベストメントとともに大学と提携して支援を行うことが決まっている(関連記事)。

「これまで培ってきたアカデミアシーズの事業化ノウハウの知見や経験を広く社会に還元するために、複数の大学の公認のアクセラレーターとして事業化支援を行っていく」というBNV。「東海5大学の特許取得件数は合計すると京都大学と同じぐらいある」と伊藤氏は述べ、最大20億円規模で東海広域5大学ファンドの組成と、5大学発スタートアップへの起業準備や事業化支援、出資・成長支援まで、一貫したサポートが可能な体制構築を進めるとしている。

医師起業家ファンドは「医療変革のためのメッセージ」

BNV1号ファンドの投資先企業は、「社長かつ医師」が創業した医療・ライフサイエンス領域スタートアップが約3分の1を占める。キュア・アップサスメドといった医師起業家が創業したスタートアップについて、伊藤氏は「新しい医療・ライフサイエンス分野のプロダクト開発を、スピード感と柔軟性を持って実施できる。臨床医療だけでは救えない患者も救うことが期待できる」と語る。

そうした考えのもと、BNVがスタートした取り組みが「アントレドクターファンド」、医師起業家スタートアップを対象とした投資ファンドだ。

伊藤氏は「医療の現場は、閉鎖的で外部が入りにくい構造もあり、なかなか効率化されてこなかった。医療費増大が問題になる中で、新しい医療機器を使った治療法の確立や、そもそも病気になりにくくするための予防的アプローチなどの担い手は、比較的若いドクター起業家であると僕は信じている」と語っている。

「それを僕はBNV1号ファンドでの投資で実感した。病院やクリニックに新しい治療方法や医療を効率化するプロダクトが浸透するためには、治験をはじめとしたデータが求められる。国の承認にしても、現場の医療関係者を説得するにしても、データとエビデンスがすべてだ。それをきちんと取って説得できる会社でなければ、病院やドクターに評価してもらえない」(伊藤氏)

ヘリオス、メドピア、ドクターシーラボなど、医師起業家が創業し、株式上場を果たした企業の事例も出ていることから「若手の医師起業家は少しずつ増えている」と伊藤氏。「そのチャレンジを後押ししたい」と話している。

ところでBNVでは、2018年から東京都の委託を受け、創薬系スタートアップの起業や成長を支援するアクセラレーションプログラム「Blockbuster TOKYO(ブロックバスタートーキョー)」を運営。BNV2号ファンド設立時にも「特に、医療・ライフサイエンス領域に注力する」とコメントしており、2019年2月には、東京・日本橋にシェア型ウェットラボ「Beyond BioLAB TOKYO」の開設も予定している。

こうして見ると、この領域への支援は、BNVでは既に十分に手当てが進んでいるのではないかと思えるのだが、さらにアントレドクターファンドという形でフィーチャーした理由について、伊藤氏は「社会へのメッセージでもある」と説明する。

「増大する医療費や非効率な医療現場といった課題は、破綻を迎えつつある日本の医療の実情を見れば、今こそ真剣に取り組むべき。これを世の中に知ってもらうために、あえて強調している。僕たちにしてみれば、秘密にしておけばほかの投資家とも競争にならないので、その方がいいのだけれど、あえて『おいしい投資分野があるよ』と教えることで、他者からも医師起業家への投資機会を得たい。そのための明確なメッセージだ」(伊藤氏)

また「ドクターで、起業に少しでも関心があるという人たちに、臨床医師という道だけでなく、起業家としての道もあると知らせることも、アントレドクターファンドの目的」と伊藤氏は言う。

「効率化で医療現場がよくなれば、医師・医療関係者の長時間労働問題の解決にもつながり、よい医療を受けることができる患者さんにもベネフィットがある。もちろん医療費にも大きなインパクトがあるはず。アントレドクターファンドの取り組みを、医療変革のためのメッセージとして届けたい」(伊藤氏)

アントレドクターファンドの規模は10億〜20億円を予定している。第1号投資案件として投資を受けたのは、人工知能技術を活用してインフルエンザの高精度・早期診断に対応した検査法を開発する医療スタートアップ、アイリスだ。アイリスは2017年11月に救急科専門医であり、医療スタートアップのメドレー執行役員も務めていた沖山翔氏が創業した。出資金額は非公開だが、伊藤氏は「BNVがリードインベスターとして、積極的に支援していく」と話している。

SoftBankのDeepcoreと香港のZerothが提携――アジアのAIスタートアップの育成へ

アーリーステージのAIスタートアップを支援する2のプログラムが力をあわせることになった。AIの世界でも一人より二人のほうが心強いらしい。

有力デジタルメディアのAnimoca Brandsから投資を受けることに成功した香港のアクセラレータ、Zerothは、SoftBankグループのアクセラレータ、ファンドDeepcoreとリソースやディールの共有など密接な提携関係に入った。

DeepcoreはAI全般のスタートアップの支援、育成に力を入れている一方、ZerothAIと機械学習に特化したアジア初のアクセラレータだ。後者はAnimoca Brandsから300万ドルのベンチャー資金を調達しており、同時にZerothの運営会社の株式の67%を取得している。

一方、SoftBankは今年に入ってDeepcoreを設立し、AIスタートアップ支援事業に足場を築いた。DeepcoreはWeWorkと協力してコワーキング・スペース、インキュベータ、R&D施設を兼ねるKernel Hongoを運営している。 また投資部門としてDeepcore Tokyoを有している。

Zerothは2年前に設立され、3回のバッチですでに33社を育成している。参加スタートアップの株式を平均6%取得するビジネスモデルだ。卒業後サードパーティからの追加投資を受けるスタートアップもある。たとえば、Fano Labs(現在のAccosys)は香港最大の富豪と考えられている李嘉誠(Li Ka-Shing)のHorizons Venturesや日本のLaboratikから投資を受け入れている。

Zerothのファウンダー、CEOのTak Lo はTechCrunchに対して、「われわれのエコシステムが成長するのを見ることができて嬉しい。このエコシステムが目指すところは偉大な会社を築こうとするファウンダーによりよいチャンスを提供していくことだ」と述べている。

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滑川海彦@Facebook Google+

【以上】

都心にシェア型ウェットラボ開設、スタートアップ育成にかけるBeyond Next伊藤氏の思い

Beyond Next Ventures 代表取締役社長 伊藤毅氏

去る10月30日、三井不動産ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)は共同で、東京・日本橋にシェア型ウェットラボを開設することを発表した。2者と協力し、このシェアラボ「Beyond BioLAB TOKYO」を運営するのは、独立系アクセラレーターとして2つのファンドを運用するBeyond Next Ventures(以下BNV)。ラボ開設は2019年2月を予定している。

彼らのライフサイエンス領域におけるスタートアップ支援の取り組みと、開設されるラボとはどのようなものなのか。またBNVがライフサイエンス領域に密に関わるようになった経緯や、今後のスタートアップ支援への思いについても、BNV代表取締役社長の伊藤毅氏に詳しく話を聞いたので紹介したい。

三井不動産、LINK-JとBeyond Next Venturesの協業体制

LINK-Jは、ライフサイエンス領域でのオープンイノベーション促進、新産業創造支援を目的として、三井不動産と産学の有志が中心となって設立した一般社団法人だ。イノベーションの「場の整備」に取り組む三井不動産とともに、国内外のアカデミアや海外団体との連携による「コミュニティ構築」に取り組んでいる。

LINK-Jでは、カンファレンスルームやラウンジ、オフィスなどの各種スペースを日本橋を拠点に提供し、シンポジウムやセミナーなどの交流イベントも開催する。また、BNVが運営する先端技術系のアクセラレーションプログラム「BRAVE」や、同じくBNVが東京都から委託を受けて運営する創薬系ベンチャー育成プログラム「Blockbuster TOKYO(ブロックバスタートーキョー)」への支援なども行っている。

LINK-J設立から2年半で国内外の15大学が参加し、うち8大学は関連施設内にオフィスを開設。そのほか、ライフサイエンス領域のスタートアップやこれらを支援する企業、VC、団体などとも協業している。

今回のシェアラボ開設発表と同時に三井不動産は、BNVが10月に組成した2号ファンドへ出資したことも明らかにした。資金面でもライフサイエンス領域のスタートアップ支援を進める姿勢を明確にしている。

都心にシェア型ウェットラボ開設へ

さて、日本橋はデパートや老舗など、商業の中心地のイメージが強いが、実は江戸時代から薬種問屋が軒を連ね、現代でも医薬関連企業が集積する地域だ。その地で三井不動産がスペースを提供し、LINK-Jも入居する日本橋ライフサイエンスビルディングの地下にシェア型ウェットラボ、Beyond BioLAB TOKYOがオープンする。ラボは三井不動産からBNVヘフロアを賃貸し、BNVが整備してライフサイエンス領域のスタートアップと契約する形で運営される。

ラボの周辺はコレド室町や三越本店などの商業ビルや、オフィスビルが立ち並ぶ都心のど真ん中。そこへ生化学実験や細胞培養実験などが可能なウェットラボが、しかも共用で利用できる設備として登場する。となると「安全性は確保できるのか」「本当に有効な実験ができる施設になるのか」という両面で懸念が出そうだ。

米国では、既にシェアラボ施設が多数あり、多くのバイオ系スタートアップが輩出されている。先に米国の事情を見てみよう。

2017年1月にBNVと業務提携したIndieBioは、年間30のスタートアップを支援するアクセラレーターだ。サンフランシスコのダウンタウンに位置するIndeiBioは、バイオセーフティレベル1および2の設備を持つラボを24時間・365日提供。物理的な施設に加え、4カ月間のアクセラレーションプログラムと25万ドルのシード資金で、バイオテック関連のスタートアップをサポートする。

ニューヨークやノースカロライナ、サンディエゴなど、米国7カ所に拠点を持ち、2009年から累計230社の企業を支援してきたBioLabsも、ライフサイエンス系スタートアップにシェアラボとオフィス設備を提供する。例えばニューヨークのラボであれば、マンハッタンのダウンタウンに位置しており、ニューヨーク大学ランゴンメディカルセンターと提携、ライフサイエンス領域のスタートアップの成長を支援している。

米国のこうしたシェアラボやアクセラレーターは、いずれも物理的施設に加え、アクセラレーションプログラム、場合によっては資金の提供により、バイオ系スタートアップを支援している。また、ラボの周りに起業家や研究者のほか、投資家や事業会社、公的機関が集積することで、事業化が進めやすい環境となっている。

こうした先行事例を踏まえて東京の都心に誕生するシェア型ウェットラボ、Beyond BioLAB TOKYOは、どのような環境を提供するのかを見てみよう。

日本橋ライフサイエンスビルディング地下1階のワンフロア、実験スペース、オフィススペースに事務所エリアも含めて、約445平方メートルを占めるBeyond BioLAB TOKYO。研究開発支援エリアは、ベンチ(実験台)を共有して使えるオープンエリアと個室の実験室に分かれている。共有エリアは基本的にはバイオセーフティレベル1(P1)の実験が可能。個室とオープンエリア内で隔離されたP2実験室ではレベル2(P2)の実験も行える(ただし感染症法で特定される病原体の取り扱いはできない)。

実験室共有機器には、安全キャビネット、オートクレーブ、CO2インキュベーター、超純水製造機、ヒュームフード、PCRシステム、フロア型冷却遠心機、超低温フリーザー、コールドルーム、エアバリアブースなどがあり、生化学・細胞培養実験などに必要なベーシックな機器は一通り備え付けられている。

実験素材のコンタミネーションや取り違えを防ぐため、チームごとに専用の鍵つき冷蔵庫も用意されており、試薬保管庫、廃液保管庫なども整備されている。

ラボの設備ももちろんだが、米国で展開されるシェアラボと同様、アクセラレーションプログラムBlockbuster TOKYOとの連動や、ラボ周辺への起業家、研究者、投資家などの関係者の集積ももくろんでおり、三井不動産・LINK-Jとのコラボレーションによる、ネットワーキングやイベント連携も行っていくということだ。

ラボの入居対象は創業前〜起業直後、そして起業後初期までのスタートアップ。料金は10月30日現在の仮の設定だが、1チーム当たり月額20万円前後を予定している。

BNV代表の伊藤氏によれば、ラボ全体で「1〜2名のチームで10〜15チーム、プラス個室を利用する数チーム、合計20チーム弱ぐらい」の入居を想定しているという。ラボのグランドオープン前の約1カ月をプレオープン期間とし、その時点から、2018年度のBlockbuster TOKYOで採択された21チームのうちの約半数の利用を見込んでいる。

医療・ライフサイエンス領域に注力するBeyond Next Ventures

伊藤氏は「日本では、大学などに対する研究資金は米国の約半分強。米国で年間6.3兆円のところ、日本では3.7兆円だ。一方、大学のライセンス収入は、米国の3050億円に対して日本が約27億円と桁が2つ違う、極端に少ない状態」と説明し、「研究によって得た技術が循環していない。大学の技術シーズを実用化し、社会還元することが急務」と述べる。

BNVは2014年の設立後、大学発の研究開発型ベンチャーを対象として1号ファンドを立ち上げ、2016年にクローズ。ファンド総額は55億円を超える規模となった。そして今年の10月には1号ファンドを超える規模の2号ファンドを設立している。

2号ファンドでは先端技術のなかでも特に、医療・ライフサイエンス領域に注力する、とBNVはコメント。伊藤氏は「日米のライセンス収入の差が100倍あるような状況で、スタートアップ支援のエコシステムを確立するためには、お金が必要なことも事実」といい、「資金調達をひとつのきっかけ、起業の第1歩として活用してもらえれば」とファンドの役割に言及。「3桁億円(100億円〜)規模のファンドを目指す」としている。

ファンドによる資金面での支援に加えて、2016年には技術系アクセラレーションプログラムのBRAVE、2018年には創薬系ベンチャー育成プログラムのBlockbuster TOKYOと、BNVはソフト面でもスタートアップを支援してきた。人材面でもサポートを行い、多角的にアカデミア発スタートアップを支えている。今回のシェアラボ開設により、設備・インフラ面でもこの領域の支援が強化されることになる。

BNVが医療・ライフサイエンス領域にフォーカスした理由のひとつには、地縁ともいうべきつながりもあったようだ。「そもそも2年前、BNVのオフィスを日本橋に移したとき、建物のオーナーが三井不動産で。そこから縁が始まった」と伊藤氏は3者の連携が生まれたきっかけについて話している。医薬の街・日本橋を舞台に、大学発のライフサイエンス系スタートアップが集うLINK-Jに、BNVは会員・サポーターとして参加。LINK-Jのほうも、BRAVEの第1回プログラムからスポンサーとして参画し、現在も公式アクセラレーションプログラムとして取り扱っている。

「こうした縁で、医療・創薬系スタートアップのネットワークを3者で培ってきた」という伊藤氏。「IndieBioの事例なども参考に、アクセスが良い場所に設備を提供し、ネットワークも提供することで、バイオ系スタートアップが起業できる場を作れないか、と考えてきた。Blockbuster TOKYOの運営が決まって、育成環境も整ったので、後は実験できる場所だけ。三井不動産、LINK-Jとの連携により、今日、シェアラボという形が実現した」(伊藤氏)

写真左からBeyond Next Ventures 代表取締役社長 伊藤毅氏、三井不動産 常務執行役員/LINK-J理事 植田俊氏、LINK-J理事/事務局長 曽山明彦氏

VCからアクセラレーターへ

ベンチャーキャピタルといえば、ファンドとしてスタートアップの資金面をサポートするもの、というイメージが強い。だが伊藤氏は「確かにお金には価値がある。だが、技術シーズが社会実装できないのは、資金だけでは事業の形にならないから。そうしたシーズはアカデミアにいっぱい埋もれている」として、BNVの立場について「最近、VCからアクセラレーターへと呼び方を意識的に変えた」と話している。

「すばらしい技術があれば、それに興味を持ってもらわなければ。技術だけでは、ビジネスの人には(その先進性が)理解してもらえない。ビジネスの人が『面白い』と思ってくれるようなプランに作り変えるのも、アクセラレーターとしての仕事」(伊藤氏)

BNVでは、技術シーズを事業計画へ落とし込むサポートも行う。伊藤氏は「起業家がリスクを負ってチャレンジをするなら、支援者のほうも同じようにチャレンジをしないと」と語る。

2017年には社内にヘッドハンターを採用した。実はアカデミア発の技術系スタートアップで事業化が難しいのには、「社長がいない、見つからない」という理由も大きい。この課題を解決すべく、BNVでは1500名の社長候補者をプールして、スタートアップとのマッチングも行っている。また、起業家育成もあわせて行う。

ファンドから環境整備へ。伊藤氏は「とにかく、目の前にある課題を解決していくことだ。そうすることで、新しいことをやる人を、チャレンジを増やしたい」と語る。「自分たちも2014年に始まったばかりのベンチャー。だから枠組みにとらわれずに、できることをやっていきたい」(伊藤氏)

Y Combinatorがこれまでに送り出した最も成功した企業たちトップ20

今月の初め、スタートアップのためのクレジットカードプロバイダーBrexは、評価額11億ドルで1億2500万ドルを調達したことを発表した。

このラウンドはいくつかの理由から印象的なものだった。創業者は2人組の22歳の若者で、決済事業に舵を切る前は仮想現実の会社を作ろうとしていた。彼らがシリコンバレーの有名なスタートアップアクセラレーターであるY Combinator(YC)のプログラムを終了したのは、わずか1年前のことだ。

Y Combinatorはスタートアップの世界において、仲間のアクセラレーターたちよりも、確かに多くの成功を支えてきた。アクセラレーターというものは皆、初期段階の企業にシード投資を行い(YCの場合は15万ドル)短期間のプログラムの中でメンターシップと教育的リソースを提供する。プログラムは最後のデモデーで最高潮に達する。

本日YCは、2005年にスタートアップのバックアップを開始して以来、最も成功した企業たちの最新リストを発表した。ランキングは評価額もしくは時価総額に基いておこなわれる。もちろんBrexはトップ20入りした最も若い企業だ。

  1. Airbnb :Brian Chesky、Joe Gebbia、そしてNathan Blecharczykによって創業された、オンライン旅行コミュニティならびにルームシェアプラットフォーム。評価額:310億ドル。 YC W2009(Wは冬、Sは夏を表す。YC W2009は2009年冬クラス卒業という意味。以下同様)。
  2. Stripe:JohnとPatrick Collisonによって創業されたインターネットビジネス向けのオンライン支払い処理システムプロバイダー。評価額:200億ドル。 YC S2009。
  3. Cruise:2006年にGMによって買収された。自動運転車の開発を手がける。Kyle VogtとDaniel Kanによって創業。評価額:140億ドル。 YC W2014。
  4. Dropbox:この3月に公開された。Drew HoustonとArash Ferdowsiによって創業されたファイルホスティングサービスとワークプレイスコラボレーションプラットフォーム。時価総額:100億ドル以上。 YC S2007。
  5. Instacart:Apoorva Mehta、Max Mullen、そしてBrandon Leonardoによって創業された食料品および家庭用品の配送サービス。評価額:76億ドル。 YC S2012。
  6. Machine Zone:Mike Sherrill、Gabriel Leydon、そしてHalbert Nakagawaによって創業されたモバイルゲーム会社。”Game of War”で知られる。評価額:50億ドル以上。YC W2008。
  7. DoorDash:Tony Xu、Stanley Tang、そしてAndy Fangによって創業されたアプリベースの食品配送サービス。評価額:40億ドル。YC S2013。
  8. Zenefits:Laks SriniとParker Conradによって設立された、中小企業向け人事ソフトウェアのプロバイダ。評価額:20億ドル。 YC W2013。
  9. Gusto :Josh Reeves、Tomer London、そしてEdward Kimによって創業された、企業の給与計算を自動化および簡素化するソフトウェアのプロバイダ。評価額:20億ドル。 YC W2012。
  10.  Reddit:会話と数千ものコミュニティのためのオンラインプラットフォーム。Alexis OhanianとSteve Huffmanによって創業された。評価額:18億ドル。YC S2005。
  11.  Coinbase:Brian ArmstrongとFred Ehrsamによって創業されたデジタル暗号通貨の取引とウォレットプラットフォーム。評価額: 約16億ドル。YC S2012。
  12.  PagerDuty:Baskar Puvanathasan、Andrew Miklas、そしてAlex Solomonによって創業された、インシデント管理プラットフォーム。評価額:13億ドル。 YC S2012。
  13.  Docker:Solomon HykesとSebastien Pahlが創業。ビジネスクリティカルなアプリケーションの開発、管理、セキュリティーを、開発者が自由に行えるようにするためのアプリケーション用のプラットフォーム。評価額:13億ドル。 YC S2010。
  14.  Ginkgo Bioworks:Reshma Shetty、Jason Kelly、そしてBarry Cantonが中心となって創業したカスタム微生物のデザインに重点を置くバイオテク企業。評価額:10億ドル以上。 YC S2014。
  15.  Rappi:Felipe Villamarin、Simon Borrero、そしてSebastian Mejiaが創業したラテンアメリカオンデマンド配送スタートアップ。評価額:10億ドル以上。YC W2016。
  16.  Brex:スタートアップにコーポレートカードを提供するB2B金融スタートアップ。その創業者にはHenrique DubugrasとPedro Franceschiが含まれる。評価額:11億ドル。 YC W2017。
  17.  GitLab:Sid SijbrandijとDmitriy Zaporozhetsによって創業されたデベロッパーサービス。完全なDevOpsライフサイクルプラットフォームを提供することを目指している。評価額:11億ドル。YC W2015。
  18.  Twitch:何百万ものユーザーがいるビデオゲーム用のライブストリーミング、プラットフォーム。Amazonが買収した。創業者はEmmett Shear、Justin Kan、Michael Seibel、そしてKyle Vogtなど。YC W2007。
  19.  Flexport:Ryan Petersenによって設立された、航空、船舶、鉄道、トラックで世界的な貨物輸送を行う物流会社。評価額:約10 億ドル。YC W2014。
  20.  Mixpanel:Suhail DoshiとTim Trefrenによって創業。ビジネスに関わる人間がそのユーザーを理解することを助ける、ユーザー分析プラットフォーム。評価額:8億6500万ドル以上。 YC S2009。

Y Combinatorの最も成功した100社の完全なリストはこちらから

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(翻訳:sako)

画像クレジット: Getty Images

Targetの最新インキュベータープログラムは「世界を救う」ことを目指す

Target(米国の全国的な量販チェーン)はスタートアップアクセラレーターの運営と無縁ではない。同社は現在、Target + Techstarsプログラム、美容に注力するTarget Takeoff、インドを拠点とするTarget Acceleratorプログラムを運営している 。そして今、4番目のビジネスアクセラレーターとして、Target Incubatorを追加しようとしている。 この新しいプログラムはZ世代(およそ1990年代半ばから2000年代前半生まれの世代)の起業家たちを対象としており、決まっていることは、対象とするビジネスは何らかの社会貢献をするということだけである。

Targetが述べるように、対象となるビジネスはただひたすらに「人びとや地球をよりよくする」ことを目指す必要がある。

その幅広い要件は、新しい製品アイデア、新技術、または新しいサービスを含む幅広いビジネスの範囲をカバーすることができる。Targetは、このことによって、食料品を得る手段から、温室効果ガス排出に至るあらゆることをカバーできると語っている。

またビジネス自身がそれほど進んでいる必要もない。Targetが要求していることは、成果を得るためにある程度のステップを既に踏み出しているか否かであり、ビジネスそのものが既に公開されている必要はない。単に「アイデア」以上のものであり、法的な実体を持っていることが要求されるだけである。また創業者は、過半数の所有権(51%以上)を持っていることが期待される。

Targetはこのプログラムのための8種類のビジネスを選択し、1種類のビジネスについて最大2メンバーを、直接新しいインキュベーターに迎え入れると語る。

これらの主に「Z世代」に焦点を当てられた起業家たちは、まず2019年の4月から6月にかけて、毎週1時間のオンラインプログラムに参加する、その後2019年の7月の半ばから8月初めにスタートする、2ヶ月間にわたる対面のインキュベータープログラムに参加する(ミネアポリスのTarget HQで開催)。

そのプログラムの間、参加者たちはTargetのリーダーたちや他のビジネスからのメンターシップを受け、ワークショップや、学習セッション、そしてチームビルディングイベントに参加し、テーマに関連する専門家へ業界を横断したアクセスを行うことができ、そして他の創業者の発展と成長の機会に立ち会うことができる、とTargetは語る。

応募受付は月曜日(米国時間8月15日)に始まり、10月29日に締め切られる。その後最終候補者に対するインタビューを経て、12月5日に採用が決定される。

選ばれたビジネスには、Targetから1万ドルの奨励金も支給される。

そしてまたTargetはインタビューのための旅費等の経費や、8週間の対面プログラム(最後はデモデーで締めくくられる)のための交通費と宿泊費を支給する。

Targetにとっては、スタートアップに関与することで、初期段階でビジネスに投資する機会が得られるため、最終的にはTarget自身の最終的な利益に役立つ可能性がある。また特に若い顧客を呼び込むトレンドを押さえておくためにも役立つ ―― そして、Amazonとの戦いをも助けてくれるだろう。

同社は既に、オンラインマットレス会社Casperへの投資や、Bevel、Harry’s、Bark、Who What Wear、Native, Quip、Rocketbook、GIR、NatureBox、Hello、そしてothersといったデジタルファーストのブランドとの提携を通して、新興ブランドと協業する企業であるという地位を確立している。また昨年には、即日配送サービスのShiptを買収している。ShiptはTargetがホットな食料品配送市場に参入することを助ける新興企業である。

新しくてデジタルファーストの企業と協業するだけでなく、Targetはさらに「良い」ことをなすビジネスに手を伸ばそうとしている。現在(Targetが「Z世代」と呼ぶ)多くの若い買い物客たちの足を店舗に運ばせるのは、単に価格だけではない。彼らはしばしば気分の良い買い物をしたいと思っている。例えば、その会社の使命を信用していたり、買い物をすることによってその持続的ビジネスを支援できることは、その気分の良さを支えてくれる。Target Incubatorはまた、Targetに対して、現在のそうしたビジネスに初めて出会うチャンスを与えるだろう。

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(翻訳:sako)

画像クレジット: Justin Sullivan / Getty Images

海を護る非営利アクセラレーターOcean Solutions Acceleratorが最初の育成候補5社を選定

今年の初めにSustainable Oceans Alliance(SOA)は、自然保護に的を絞ったアクセラレーターを立ち上げる、と発表した。そしてそのアクセラレーターOcean Solutions Acceleratorがこのほど、支援する最初のスタートアップ5社を発表した。それらはとっても多様で国際的なので、そのどれかに誰もが積極的な関心を持てるだろう。

NPOのSOAは、謎の暗号通貨億万長者が管理する謎のファンド、Pineapple Fundから資金をもらっているので、アクセラレーターとしての十分な活動もできるはずだ。

今度選ばれた5社は、最初に得られた投資により、この夏ベイエリアで8週間を過ごし、企業の経営など、いろんな人たちからいろんなことを勉強する。つまり投資するだけでなく、彼らに、企業として長続きしてほしいからだ。

募集要項では、ファウンダーの年齢が35歳以下となっていた。自然保護の世界に、若い血を導入したいからだ。選ばれた5社の名前とロゴは、これらだ(下図):

●ロンドンのSafetyNetは、漁網に取り付ける発光デバイスを作っている。それは設定により、寄り付く魚種を特定できる。大量の望まざる魚種を捕獲して廃棄する、という巨大な無駄を防ぐ。

●カリフォルニア大学バークリー校出身のCalWaveは、波力発電の試験と改良を繰り返している。昨年、エネルギー省の巨額な助成金をもらった。今はプロトタイプから大規模インストールによる実機テストへの、移行の段階だ。

Loliwareの食べられるコップ。

Loliwareは、海藻でストローやコップを作った。還元性が良いので、ユーザーが自分で堆肥などへ還元できる。食べて、あなたの胃へ還元してもよい。飲み物を入れると一日しかもたないが、捨てたら約2か月で完全に分解する。あるいは、そのまま食べてもよい。ニューヨーク出身の彼らはShark Tank(マネーの虎のアメリカぱくり版)に出演して、実際にカメラの前で食べたそうだ。Amazonで買えるし、食べた人によると、けっこうおいしいそうだ。

●メキシコのクリアカンのEtacは情報が乏しいが、SOAのプレスリリースによると、“エネルギーや環境目的の機能性ナノ素材を設計製造している。それらはたとえば、石油流出や工場廃液などを浄化できる”そうだ。これは、すごそうだ。

●そして、いまどき、ブロックチェーンなしで済ませられるアクセラレーターはいない。シドニーのBlockcycleは、産廃リサイクルのマーケットプレースを作ろうとしている。単純に埋め立てに向かうよりはリサイクルして再利用した方が経済性が良い、という。なお、今回のスタートアップ募集では、Pineapple Fundからの投資のあと、ブロックチェーン関連の応募が増えたそうだ。

以上5社は、9月11日に行われるイベント(一種のお祭り)でプレゼンを行う。ちょうどその日は、カリフォルニア州知事Jerry Brownの「グローバル気候アクションサミット」がサンフランシスコで行われる。そして10月には、バリで行われるOur Ocean Youth Summitで再度プレゼンを行う。

SOAのファウンダーでCEOのDaniela Fernandezはこう述べている: “イノベーションを促進し私たちの惑星の健康を維持するために、新しい大胆なアプローチが必要なとき、これらの海洋起業家たちは希望のかがり火である。これらのすばらしいスタートアップたちを支援することによって、若者たちが環境の危機を自分たちが直面している問題として捉え、気候や海を害するのではなく、市場がこれらの大勢に逆らう運動から利益を得るよう、発想を転換していくことを期待したい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Alchemist Acceleratorの最新デモデーの登壇者たち

大麻農家のためのIoT活用ラボ、空中のドローンを視認するシステム、そして牛のインターネット(Internet of Cows)、こうしたものが、本日第18回Alchemist Acceleratorデモデーに出展している17のスタートアップたちの一部だ。ここでライブストリーミングされる今回のイベントは、企業向けのビッグデータとAIのスタートアップに重点を置いている。

本日午後3時(日本時間では5月18日朝8時)から、カリフォルニア州サニーベールの Juniper’s Aspiration Domeで、スタートアップたちは披露を行うが、もしコンピュータと牛の共通点を知りたい場合にはイベント全体をオンラインで視聴することが可能だ(なお記事の翻訳時点ではストリーミングは既に終了)。以下に紹介するのがステージ上でピッチを行うスタートアップたちだ。

Tarsier:Tarsierは、ドローンを検知するAIコンピュータビジョンを開発した。創業者たちは、このニーズにスタンフォードでMBAを取得中に気付いた。そのうちの1人は航空学のPhDを取得済である。世界ではドローンが増殖している。そして、刑務所、研究開発センター、公共の場所といった、侵入を許されない場所へ入り込みつつある。こうした空間を現在保護するには、重厚で高価な古臭い軍事機器が必要である。Tarsierはそれをソフトウェアだけで実現している。しかも安価である。このことから他社が参入できない市場にサービスを提供することができる。

Lightbox:小売業向け3Dの世界はセクシーだ。仮想試着、VR没入体験、ARKitストアのことなどを考えてみて欲しい。しかし、これらの経験を生み出すためには、数千ものプロダクトの3Dモデルを作成しなければならない。今日、アーティストたちはこのプロセスに精を出しながら、1日あたり数個のモデルを生み出している。Lightboxが狙っているのはこのプロセスにおける人間を不要にすることだ。ペンシルバニア大学ならびにスタンフォード大学の、コンピューターサイエンス卒業生のコンビは、彼らのアプローチを使えばアーティストを使うこと無く、正確な3Dモデルを生み出すことができると主張している。これまでに彼らは4万ドル分の予約を受けており、世界のプロダクトの全てをデジタイズしたいと考えている。

Vorga:大麻はビッグビジネスだ。現在70億ドル以上の売上があり、急速に成長している(訳注:現在米国の一部の州では大麻が合法化されている)。作物の品質と、農家の収入は、その中のいくつかの化学物質に大きく影響を受ける。農家は今日、外注のラボを利用して作物の化学組成の試験を行っている。VorgaはIoTプラットフォームを用いて、大麻農家にそうしたラボ機能を導入する。同社のCEOは化学物理学の博士号を保持し、以前は国防総省が大量破壊兵器がテロリストの手に渡るのを防ぐ作戦を支援していた。現在の彼女は、大麻農家たちが高収入を得ることを支援している。

Neulogic:Neulogicは、Walmart.comの製品検索のコア部分を率いてきた、コンピュータサイエンスPhDのコンビによって設立された。彼らは現在、アパレル産業が直面する2つの主要な問題を解決しようとしている:すなわち買い物客に厳選したインスピレーションを与えること、そして1回のオーダーでより多くの商品を売ることで、増大する顧客獲得コストを相殺することである。彼らのソリューションは、AIをファッションナレッジグラフと組み合わせて、オンデマンドで衣服を生み出すというものだ。

Intensivate:かつて人生はシンプルだった。企業は主に、請求書発行などの、機能駆動型アプリケーションのためにサーバーを使用していればよかった。現代のサーバーは、ビッグデータ、分析、そして洞察のために使われるものだ。Intensivateは、そうした変化に対応するためには、サーバーが新しいチップを導入する必要があると考えている。彼らは同じコストで12倍の性能を発揮する新しいCPUを開発していると言う。このようなハードウェアを成功させることは難しいが、このチームなら実現するかもしれない。チームには、CPUスタートアップQED(23億ドルで買収された)の元共同創業者兼CEOと、DECでAlpha CPUをのデザインチームに在籍していた並列計算のPhDなどが参加している。

Integry: SaaS企業は統合を実現するために大いなる努力を払っている。Integrityは、アプリクリエイターたちに、既に他のパートナーがいる統合マーケットプレイスを提供し、初めから彼らのサービスと一緒に動作するアプリを構築できるようにする。そのビジョンは、アプリクリエイターたちが数年あるいは数百万ドルを費やすことなく、たとえば独自のSlackアプリ風の機能を直接模倣できるようにすることだ。こうした統合はアプリの中で行われ外に出る必要がないために、利用率が大幅に上昇し、解約率は最大40%も削減されるとIntegrityは主張している。

Cattle Care:牛たちにAI動画解析を適用!Cattle Careは、酪農農家の収入を年間100万ドル以上増やし、同時に牛をより健康的にすることを狙っている。このプロダクトは、納屋の中の牛たちを、それぞれの固有の黒白のパターンで識別する。アルゴリズムが牛の歩行距離、他の牛とのやりとり、摂食パターン、その他の様々な要素を取り込んで、病気を早期に発見する。そうしたら、システムは農場の従業員にアクションを取る必要があることを知らせ、問題がその後解決されたか否かを確認する。

VadR:VR/ARは魅力的なコンテンツの不足問題に取り組んでいる。VadRはその原因が、クリエイターへの分析のフィードバックループが上手く回っていないせいだと考えている。このIIT-Delhi(インド技術研究所デリー)所属の3人のエンジニアたちは、時と共にスマートになり、作品の魅力を高めるためにどのようにコンテンツを変更すれば良いかに対する実行可能な洞察を提供する、機械学習アルゴリズムを開発した。

Tika:元Google社員の2人組は、エンジニアリングマネージャーがチームをよりよくマネージすることを支援したいと考えている。マネージャーたちは、TikaをAI支援を受けたアシスタントとして活用し、Slackを通してエンジニアリングチームと個別の会話を促進する。目標は、従業員のエンゲージメント上の問題をいち早く見つけて解決し、才能が立ち去ってしまうことを防ぐことだ。

GridRaster: GridRasterはAR/VRをモバイルデバイスに取り込もうとしている。問題は何か?AR/VRは計算集約型だ。そしてレイテンシ、帯域幅、そして負荷分散の失敗が、モバイルネットワーク上のAR/VRを台無しにしてしまう。ではその解決策は?Broadcom、Qualcomm、そしてTexas Instruments出身の3人のシステムエンジニアたちにとって、それはまず企業のユースケースに取り組むことから始め、負荷を減らすためのエッジクラウドを構築することだった。彼らは12の特許を持っている。

AitoeLabs:セキュリティのためのAIビデオ分析の話題が盛んであるにもかかわらず、AitoeLabsによれば、現在のソリューションは膨大な数の誤警報に悩まされており、多くの人間のがそれに影響を受けていると言う。創業者であるエンジニアリングトリオチームは、この問題を解決するために、コンテキストデータを秘密のソースとして、独自の深層モデルに混ぜ合わせた。彼らの技術を使うことで、人間による監視の必要性が6分の1に減るという。彼らは24万ドルのARR(年間収益)と100万ドル分のLOI(基本合意書)を手にしている。

Ubiquios:ワイヤレスIoTデバイスを製造する企業たちは18億ドル以上を浪費している。なぜなら不適切な組み込みソフトウェアの選択が市場への投入を遅らせ、製品をセキュリティと相互運用性の問題へ直面させるからだ。Ubiquiosワイヤレススタック(一連のワイヤレス機能ソフトウェア)は、ワイヤレスIoTデバイスの開発をシンプルなものにしたいと考えている。同社のスタックを使用することで、コストを最大90%削減し、市場投入までの時間を最大50%短縮できると主張している。Qualcommはパートナーの1つだ。

4me, Inc.:4meは、企業がITアウトソーシングプロジェクトを組織し、追跡する手伝いを行う。現在の従業員は16名で、顧客数は92社、そして毎年数百万ドルの収益を得ている。Storm Venturesの主導により、同社に対して165万ドルの投資が行われた。

TorchFi:Wi-Fiホットスポットにログインしたときに表示されるポップアップ画面を知っているだろうか?TorchFiは、それを待望のデジタル金鉱脈だと考えている。彼らの目標は、それをホットスポット所有者にとっての販売チャネルへと転換することだ。彼らの最初の製品は、ログイン画面をホテルやレストランの注文画面に変換するデジタルメニューである。Ciscoは彼らを、そのMerakiホットスポットで配布する20のアプリケーションの1つに選んだ。

Cogitai:16人のPhDたちで構成されるチームは、継続学習(continual learning)と呼ばれるより強力なタイプのAIの先駆けとなりたいと考えている。創業者は、この分野の始祖たちであるが、その中にはテキサス大学オースチン校とミシガン大学の教授たちも名を連ねている。私たちが一般にAIと考えるものとは違い、CogitaiのAIは、まるで子供のように経験から新しいスキルと知識を身につけるように作られている。今年既に200万ドル分の予約を受け、500万ドルの資金調達を達成している。

LoadTap:オンデマンドのトラック運送アプリが流行っているが、LoadTapは自分たちはそうしたものの1つではないと主張している。Appleのソフトウェアアーキテクトと、トラック運送が家業であった背景を持つ創業者も参加するこのチームは、事前審査済みトラック運送会社たちに閉じた世界と仕事をすることを好む荷主たちのための、SaaS専用ソリューションである。LoadTapは、AIと予測分析を使用して、荷主と運送会社とのマッチングを自動化する。彼らのARRは現在9万ドルだが、収益は毎月50%ずつ増加している。

Ondaka:Ondakaは、石油とガス業界から始めて、産業情報を視覚的に表現するための、VRのような3Dプラットフォームを構築した。これらの産業の顧客に対して、このプラットフォームは、リアルタイムのIoTデータ、運用および作業現場の安全性の問題、そしてシステムの信頼性を理解するためのより良い手段を提供する。この製品は2カ月前に発売され、既に3社の顧客と契約を結んでいて、ARRは6桁(数十万ドル規模)に達すると予想されている。彼らは35万ドルの資金調達を行った。

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(翻訳:sako)

バイオ専門のアクセラレーターIndieBioが初めてのデモデー、14社が勢揃い

[筆者: Neesha A. Tambe]
【抄訳】
今日(米国時間4/17)の午後2時から、本誌TechCrunchはIndieBioのデモデーをお届けする。

IndieBioは、バイオテク企業にフォーカスする生後4か月のアクセラレーターだ。初期段階の企業にメンター(mentor, 指導者, 個人指導)がつき、バイオセーフティーlevel 1と2のラボを利用でき、業界のエキスパートからのアドバイスと25万ドルの資金が得られる。

2018年度の14社は、ノンオピオイド鎮痛投薬管理や、合成木材の生成、そしてAIを利用する抗生物質耐性の抑止など、さまざまだ。

彼らのデモを、ご覧いただこう:

Antibiotic Adjuvant: AIを利用して抗生物質耐性をモニタし減衰する意思決定支援ソフトウェア。

BeeFlow: 農作物の受粉用の利口で強い蜂を開発中。収穫量を最大90%上げ、蜂の人口減を抑える。

Dahlia Biosciences: 研究や診断用の多重化イン・シトゥー単細胞RNA分析ツールの次世代型を作る。

Jointech Labs: 高品質な脂肪移植、脂肪由来の幹細胞、および細胞治療を安全低価格で提供。

Lingrove: 自然界にある繊維や樹脂から、外観や性質は高級木材のようでカーボンネガティブな合成木材を作る。

MezoMax: 骨折治癒の高速化、骨粗鬆症の治療の改善、高齢者の骨の強化を、新しいグルコン酸カルシウム立体異性体により実現する。

Neurocarrus: 慢性の痛みに対する、効果が長時間なノンオピオイド鎮痛剤。オピオイドのような習慣性や副作用がない。

Nivien Therapeutics: 化学治療と免疫治療の両方を強化する初めての低分子医薬。15例のがんで効果を実証。

Nuro: 手術やICU、介護、リハビリなどのあとで無力化している患者にコミュニケーション能力を持たせる。

Onconetics Pharmaceuticals: 腫瘍の細胞に対する遺伝子治療。遺伝子スイッチがアポプトーシスを誘起してがん細胞を殺す。

sRNAlytics: 新しいバイオインフォマティクスにより小さなRNAバイオマーカーをエラーフリーで見つける。ハンチントン病で概念実証を行った。

Sun Genomics: 各個人に合わせたプロバイオティクスにより腸内細菌の健全な状態を取り戻す。そのために消化管の細密なプロファイルを作成する。

Terramino Foods: シーフードの中でも、菌類や藻類の健康効果を強調した食品を作る。

Vetherapy: 猫、犬、馬などの新しい幹細胞治療を開発。傷の早期治癒や、自己免疫の治療、炎症の治療などで効果を実証。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

海洋浄化のスタートアップを育てたいSustainable Ocean AllianceにPineapple Fundが$1Mを投資

ひと月足らず前、嬉しいことに、私たちの海が直面する問題のテクノロジーによる解決、というものすごく狭いフォーカスを持つ新しいアクセラレーターについて書く機会があった。そして今日(米国時間2/14)は、そのアクセラレーターを抱える不思議な名前の団体Pineapple Fund(以下、Pineと略称)が、その海洋保全活動を支える資金として100万ドルを拠出したことを発表した。

そのSustainable Ocean Alliance(SOA, 持続可能な海洋連合)とOcean Solutions AcceleratorのCEOでファウンダーのDaniela Fernandezが、発表前にそのニュースを知らせてくれた。

“何も変わらないけど、すこし財団らしくはなった”、と彼女は言う。“お金のことで人にペコペコする時間が少なくなるし、実際の事業計画に割ける時間が増える”。

(しかしまだ何もない — 応募の締め切りを3月23日までに延ばしている。)

SOAのプレスリリースから引用すると: “SOAのビジョンは、世界中の若者からのすばらしいソリューションを、海の健康と持続可能性に貢献しスケーラビリティと実際の売上のある企業に変身させることだ”。

Pineは総額8600万ドルのファンドを作り、そこに数千件の応募があった。86という数字は英語の俗語として否定や拒否を意味するが、その否定の対象にならないものもあったようだ。それは、中でもとくに、地球だ。資金提供はSOAのほかに、The Water ProjectCharity: WaterWings for Conservationなどに対しても行われた。

嬉しそうな彼ら!: SOAのRachael McLellan, Daniela Fernandez, Craig Dudenhoeffer。

彼らにはbitcoinが送金され、そして現金化された。100万ドルから手数料や税金を引いた額がSOAの手に残る。Fernandez(上図中央)は、“非営利団体はまだ暗号通貨に対する用意がない”、と言うが、それは、もっと広く、テクノロジーを利用してやれることがたくさん待っている、という意味だろう。それ…暗号通貨の世界…は、デイトレーディングや詐欺的ICOのような、否定的側面ばかりではない。

話変わって彼女は曰く、“小さな活動が大きなお金を使えるのも、悪くないわ”。

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Y Combinatorがバイオテク専門の育成コースを立ち上げ、最大$1Mを投資

Y Combinatorが今、YC Bioと名付けた新しい部門を実験している。それは、初期的段階の生命科学企業に資金を供給することが目的で、初期的段階というのは、まだ実験室レベル、という意味だ。YCの社長Sam Altmanが今日(米国時間1/11)の同社のブログに書いているが、いちばん最初にフォーカスする分野は、健康寿命と、加齢関連の疾病だ。

“人びとの健康長寿を助けることには大きな機会がある、と考えている。しかもそれは、今言われている医療危機に対する最良の対策のひとつだ”、とAltmanは書いている。

なお、健康寿命(healthspan)という最新の新語は、病気などにならずに、健康な状態で生きている期間のことだ。

YC AIの場合もそうだったが、YC Bioコースに参加する企業もYCのふつうのプログラムを受講する。しかし、12万ドルを投資してその企業の7%を保有する、という形ではなく、YCはバイオテク企業に50万〜100万ドルを投資して、その企業の10から20%を保有する。

上に‘実験室レベル’と書いたが、YCは実験室スペースの無償提供も行う。具体的にはまだ未定だが、そのために実験室/設備機器レンタル企業とパートナーする予定だ。YC Bioはさらに、バイオテク企業の“さまざまな特殊なニーズにも応じ”、その分野のエキスパートへのアクセスも提供する。

YCが初めてバイオテク企業を支援したのは、2014年のGingko Bioworksだ。当時同社はふつうのスタートアップとしてYCの‘生徒’になった。そのときAltmanは本誌のSarah Buhrの取材に対して、バイオテクの三つの最新トレンドを挙げた: “1)近くハイパーグロウス(超絶的巨大成長)になる、2)起業コストが下がりシリーズA級で間に合う、3)サイクルタイムがスタートアップにも十分耐えられるほどに短くなる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

中国のアクセラレーターCOMB+、7700万ドル規模のファンドを立ち上げ――中国進出目指すAI企業を支援

中国のテクノロジー界では、人材、イノベーション、ビジネスの観点から、アメリカと同じくらいAIに関する議論が活発に行われている。しかし、多くのAI企業がアメリカに拠点を構えようとする一方で、海外企業にとって中国進出のハードルは高い。

そんな背景を受け、この度新たなファンドが誕生した。中国でアクセラレータプログラムを運営するCOMB+が、中国進出を狙う海外AI企業のために6500万ユーロ(7700万ドル)のファンドを立ち上げたのだ。

先週、フィンランド・ヘルシンキで行われたSlushでお披露目されたこのファンドは、COMB+とBeijing Institute of Collaborative Innovation(BICI)が共同で設立したもの。COMB+は昨年、Sino Trackと名付けられたアクセラレータプログラムをローンチ。COMB+は同プログラムを通じて、北京とヘルシンキの拠点から、中国でのスケールを目指すアーリーステージ企業を支援しようとしており、このたび発表されたファンドは彼らの次なる一手と言える。

6500万ユーロの目標金額のうち、すでに半分以上の調達が完了しているとCOMB+ CEOのLeo Zhuは、TechCrunchとのインタビューで語った。具体的なLPの名前は明かされなかったが、政府系ファンドや政府系機関、私企業、大手企業など中国勢がそのほとんどを占めているようだ。

さらにZhuは、Sino Track同様、フィンランドからの投資にも期待していると話す。北欧からは19社がすでにSino Trackを卒業しており、COMB+はファンドの投資先としても北欧エリアに注目している。

「私たちは(フィンランドの)先進的なテクノロジーに感銘を受けた」と語るZhu。「エンジニアは通常5〜8年かけ、さまざまなテクノロジーについて学んでいる。中国は市場規模も大きいので、是非フィンランドの力を上手く活用したい」

また今回発表されたファンドでは、テクノロジーを含むさまざまな分野における中国・フィンランド両政府の協力関係を活用する目論見だ。

個別の投資額としては、100〜200万ユーロ(120〜240万ドル)の初期投資+フォローアップ投資程度を検討しているようだ。さらに各案件の上限は500万ユーロ(600万ドル)くらいになるだろう、とZhuは言う。

「私たちは、現地市場でビジネスの有効性を証明し、中国への進出を狙っている企業を投資対象として考えている」と彼は通訳者を通して語った。「そのような企業が、現状のテクノロジーを発展させ、中国市場でも活躍するための手助けをしていきたい」

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Steve Wozniakが教育プラットホームWoz Uでテクノロジー布教者として第二の人生をスタート

Appleの協同ファウンダーとしてSteve Jobsと共に世界を変えたSteve Wozniakが今日(米国時間10/13)、Waz Uというものの創立を発表した。

リリースによるとWoz Uは、学生とその学生を雇用することになる企業両方のための学習プラットホームだ。Woz Uはアリゾナで立ち上がるが、今後はオンラインだけでなく物理的な学習拠点を全世界30以上の都市で展開したい、としている。

最初のカリキュラムは、コンピューターのサポートのスペシャリストとソフトウェアデベロッパーの育成を目的とする。今後はデータサイエンスやモバイルアプリケーション、サイバーセキュリティなどにもカリキュラムを広げていく。

Woz Uの構想は、教育のプラットホームであると同時に、テクノロジー企業のための求人〜教育訓練〜雇用のプラットホームでもあることだ。後者のために企業には、カスタム化されたオンサイトのプログラムと、会員制のカリキュラムを提供する。さらにK-12の児童生徒も対象にして、学区単位のSTEAM教育*プログラムにより人材を育成/発見し、テクノロジー方面のキャリアを育てていく。〔*: STEAM; Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics〕

さらに今後のWoz Uはアクセラレータ事業も導入し、テクノロジー方面の優秀な人材を起業の段階にまで育てていく。

発表声明でWozはこう言っている:

目標は、学生を長年の学費ローン返済で苦しめることなく、雇用に結びつくデジタルスキルを習得させることにある。人びとが往々にしてテクノロジー方面のキャリアの選択を避けるのは、自分にはできないと思い込むからだ。しかしそれは、誰にでもできる。ここでは、誰にでもできることを証明したい。私の全人生は、テクノロジーによってより良い世界を築くことに捧げられてきた。そのためにつねに、教育を尊敬してきた。そしてこれからはWoz Uで、新たなスタートをきりたい。それが今、やっと始まったのだ。

Woz Uは、自分にはテクノロジーのどの分野が向いているかを知るためのアプリを提供する。それによって、自分のカリキュラムを決めればよい。

料金については、まだ発表がない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Alchemist Acceleratorの第16回デモディで、私たちの興味をひいたピッチ5選

Alchemist Acceleratorが、第16回目のデモディを、マウンテンビューのMicrosoftのオフィスで開催した。Alchemist Acceleratorは、企業ユーザーを相手にするスタートアップの支援で知られたアクセラレーターである。今回は18社のスタートアップたちが、従来の市場に対するものから最先端の航空宇宙技術までの幅広いアイデアを発表した。

ピッチが始まる直前、会場を埋めた参加者たちに対して、AlchemistのマネージングパートナであるRavi Belaniが、自身のコアミッションを改めて説明した。それは、日頃目立つことの少ない、企業向けスタートアップたちを取り上げて支援を行うというものだ。第16回のAlcemistクラスは、ブロックチェーンと機械知性という、大いなる成長の流れに目を配りながらも、不確実な領域への挑戦を含む、そのミッションに相応しいものとなった。

私たちはその日の午後、創業者たちのピッチを聞いた。以下に、その中で私たちが最も興味深いと思ったピッチのうちの5つを、簡単な説明と共に紹介しよう。

1/5 :Savion

ピッチの中で一番野心的だったのがSavionだ。同社はその個人向け飛行機で、空の旅を全く違うものにしようとしている。天然ガスを航空機に使用するための特許を取得することで、Savionは、個人用飛行機の運用コストを、主要な顧客層を引きつけられるほどに十分安くしたいと考えている。

これらのコスト削減は、一部は天然ガスによって推進され、また他の一部は操縦を地上から行なうことによって推進される。スタートアップは既に6800万ドル分の覚書を交わしているが、実際の飛行機を製作し出荷するためには、更に巨額の資金を必要とする。

2/5 :Cleo

CLEOは、人間と施設をモニターするための、リアルタイムのビデオ情報プラットフォームを構築している。スタートアップは精神科におけるケアと安全性のユースケースをターゲットにしていて、現在87%の利益率と50万ドルの年間収益を上げている。

CLEOのコンピュータビジョンシステムは、患者の行動を追跡しモニターすることが可能だ。チームは現在3つの機関と共に作業をしていて、積極的にその拡充を考えている。

3/5 :Mycrophone

Mycrophoneは、スマートフォンをマイクに変える。イベント時の音響機器設定は、とても高価で時間がかかることがある。そしてもしそれがうまく動作してとしても、公平性を確保するためには、効率の悪いマイクランナーたち(マイクを質問者のところまで運ぶ役)に、しばしば頼らざるを得ない。これとは対照的に、Mycrophoneはwifiネットワークを使用して音声信号を送信する。

同社は特殊なアルゴリズムを使用して、レイテンシを最小限に抑え、フィードバックとエコーを抑制している。Mycrophoneは、スマートフォンを使用して、出席者たちに低コストで音響インフラストラクチャを利用させることができる。

4/5 :Groove

Grooveは、人材募集でLinkedInに打ち勝つこと使命としている。そのために同社は基本に戻り、職探しのプロセスを簡素化している。Facebookとの密な統合により、利用者は求人側との電話スクリーニングのスケジューリングを、ニュースフィードから直接行うことができる。

これは面倒な手間を軽減し、該当する職が空くことを待っている人が実際に応募をして雇用側と対話できる可能性を高めることだろう。優れている点の1つが、LinkedInとは比べものにならない位大きなFacebookエコシステムのメリットだ。

5/5 :Wivity

Wivityは、IOTデバイスを安全に保つプロセスの効率化に取り組んでいる。単一のAPI呼び出しで、産業用IOTアプリケーションのセキュリティコンプライアンスを、Wivityは保証することができる。

同社は既に顧客からの20万ドルのコミットメントを獲得している。その活動は電力網に関連した顧客たちの、5億ドルの市場から始められている。

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(翻訳:Sako)

SparkLabs Groupがアグテックスタートアップを専門的に育成するアクセラレーターをオーストラリアに開校

アジア最大のアクセラレーターグループを自称するSparkLabs Groupが、オーストラリアのニューサウスウェールズ州第一次産業省とパートナーして、アグテック(農業×テクノロジー)のスタートアップを育てる新しい事業、SparkLabs Cultiv8を立ち上げる。その本部はニューサウスウェールズ州オレンジに置かれ、2018年の第二四半期にアクセラレーターとしての事業を開始する。

一回の育成期間は8か月で、8から12のスタートアップを受け入れる。彼らはSparkLabsと一次産業省が作った学習施設Global Ag-Tech Ecosystem(Gate)で学び、オレンジにある同省の研究所や農場…シドニーから車で3時間ぐらい…を利用して、プロトタイピングを行う。また一社につき10万オーストラリアドル(約8万USドル)の資金を授与される。

“それは都市のコワーキングスペースではない。アグテックやサステナビリティのスタートアップにとって重要な最上級の施設や便宜へのアクセスを与える”、とCultiv8のパートナーJonathon Quigleyは語る

Cultiv8のローンチによりSparkLabsは、韓国、台湾、中国、香港、オーストラリアなどでアクセラレーター事業を展開する。オーストラリアの農業はすでにアジアだけでも数十億ドルの農産物を輸出しているからとくに重要だ。2050年には輸出量が倍増すると予想されているから、アグテックスタートアップのスケールアップに関しても実践的な勉強ができる。

農業と食品関連のテクノロジーは最近投資家たちも注目するようになり、投資総額は2015年に記録的な額に達した。しかしQuigleyによると、それはまだ初期的な投資の段階にすぎない。彼によるとIoTのコストがもっと下がれば、さらに多くのスタートアップが、農家の資源管理や廃棄物〜無駄の減少、反収のアップなどのための監視分析ハードウェアやソフトウェアを手掛けるようになるだろう。

Quigleyによると、Cultiv8は農業技術に大きな影響を与えうるIPを持っているスタートアップをとくに歓迎したい。彼らが正しい経営をしていけば、急速にスケールするだろう。

“アグテックの現状は、2009年ごろのAIに似ている”、とQuigleyは語る。“SiriはAppleに買われてから爆発的に伸びた。アグテックの分野にも、起業や投資の機会を求めている優秀な才能の持ち主がたくさんいる。われわれは、実際に会社を興して農業をディスラプトしたいと考えている未来のファウンダーたちを育てていきたい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

リアルエステートテック専門のアクセラレーターMetaPropの今年のクラスに集まった8社を紹介

三年目になる今年も、MetaProp NYCにはリアルエステートテックを志向するスタートアップたちが集まった。今年の主な話題は、グリーンビルディングや、アパートのエントリー(入り口〜玄関)と駐車場などだった。多くがニューヨークのスタートアップだが、中には遠くシンガポールからの企業もいた。

MetaProp NYCの協同ファウンダーでマネージングディレクターのAaron Blackが、声明文の中でこう述べている: “われわれのようなRE系アクセラレーターがこのところ増えているのは、不動産産業のヴァリューチェーンの全域にわたって、テクノロジーによるソリューションの需要が全世界的に急速に伸びていることの証(あかし)である”。

同アクセラレーターへの参加者は、オフィススペースとメンターシップ(個人指導)のほかに、25万ドルの資金を受け取る。

MetaPropはメインの事業であるアクセラレーターのほかに、最近は8週間のプレ・アクセラレーター事業を開始した。どちらの事業も、コロンビア大学が協力している。またCushman and Wakefieldとのパートナーシップにより、不動産企業をスタートアップと新しいテクノロジーに結びつける事業も開始している。

以下は、今年のアクセラレータークラスに参加したスタートアップたちだ:

BlocPower(ニューヨーク)は、‘都市内へき地’の建設プロジェクトに投資家を結びつける。都心部における炭素排出量を減らし、グリーンな雇用を作り出す、と期待されている。

Doorport(ニューヨーク)は、来客を室内からチェックできるビデオ・インターコムを、スマートフォンのアプリとして作った。同社はこのアプリを、大きなビルの管理プラットホームに拡張したいと考えている。

Hoozip(ニューヨーク)は、不動産のホールセーラーと投資家たちのためのツールとオンラインコミュニティを提供する。

Irene(ニューヨーク)は、高齢者にホームエクイティーローン(逆モーゲージ)を提供する。

OnSiteIQ(ニューヨーク)は、360度画像による建設工事の検査および文書化システムを建設企業に提供する。

Streamline(サンフランシスコ)は、機械学習を利用して不動産企業とその顧客たちが位置データを理解できるようにする。

Travtus(シンガポール/ロンドン)は、テナントが電話でメンテナンスをリクエストとして、必要なメンテナンス工事/作業の遅れを防止するシステムを提供する。

WeSmartPark(バルセロナ)は、“Airbnbの駐車場バージョン、ただし完全に自動化されている”、だそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YCの2017年夏学期デモデー2日目全チーム紹介――TCのオススメ7社も

Y Combinatorはスタートアップ・アクセラレーターのパイオニアであるだけでなく、最大の組織でもある。そこでここ数年、デモを1日で終わらせることは不可能になっていた。

そこでTechCrunchでは高速道路101号の混雑をものともせず、Y Combinatorデモデー2日目を取材するためマウンテンビューのコンピューター歴史博物館に向かった。なお2017年夏学期のクラスのデモの1日目についてはこちらの記事〔日本版ではTCがピックアップしたトップ7チームについて解説全文を訳出〕を参照のこと。


Standard Cognition – AIによる機械視覚利用した店舗支払システム

Standard CognitionはAIによる機械視覚を利用し、 店舗における未来的な支払システムを開発した。自動チェックアウトと呼ばれるこのシステムでは消費者は好みの商品を棚から取ってカートに入れ、そのまま店を出ることができる。いちいちレジで支払をする必要がない。Standard Cognitionではこのシステムは支払を効率化するだけでなく万引の被害の減少にも役立つと考えている。

Modern Fertility – 妊娠可能性を家庭でチェックするテクノロジー

Modern Fertilityは女性が家庭で妊娠可能性をテストできるテクノロジーだ。従来の専門クリニックでの検査にくらべてはるかにコストが低く、透明性も高い。ローンチしたのは1週間と少し前だが、Modern Fertilityはすでに7万人からの申し込みを受けている。申込者は毎年このテストを受けることとなる。現在同社は個人を対象としているが、企業との契約も考えているという。AngelList、Plaid、OpenDoorがすでに社員のためにこのテストを提供することを考慮している。

TechCrunch記事

Dharma Labs – ブロックチェーンを利用したp2pレンディング・サービス

Dharma Labsは資金貸付のために「始めてのプロックチェーン・プロトコルを開発」したとしている。同社は最近のICO〔暗号通貨のクラウドセール〕の成功を例に挙げ、「通常の株式同様に扱える暗号通貨資産に大きな需要があることは確実」としている。Dharmaではbitcoinテクノロジーを利用して少額資金の貸付を分散的に実行できるメカニズムを開発した。これにより「誰もが世界中の誰にでも資金を貸し付けることができるようになる」という。

Caelum Health – 「腹痛」などの軽い症状をAIで診断し処方箋薬より効果的な対策を提供する

Greo – 真剣なディスカッションを可能にするソーシャル・ビデオ・アプリ

WheelStreet – インド最大のオートバイ・レンタル・マーケットプレイス

Warren Payment – 支払などB2Bプロセスの自動化

OneLocal – 地域のスモールビジネスのためSalesforce的サービス

Flowspace – オンデマンドでスペースを貸し出す倉庫ビジネスのAWS

Goosebump – コンサート情報を教えてくれるメッセンジャー・チャットボット

Nimble – 学校向け入学希望者選別システム

Retool – 企業におけるプログラミングでコードの再利用を迅速、効果的に実行できるシステム

Dahmakan – 東南アジア市場におけるフル機能の食品配送サービス

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TechCrunch記事

Covetly – 各種収集家のためのeBayアプリ

TechCrunch記事

Original Tech – 金融機関向け融資申し込み審査テクノロジー

TechCrunch記事

Vanido – AI利用の音楽教師がまず歌唱を指導

Entocycle – 昆虫を利用した家畜飼料用再生可能タンパク源

TechCrunch記事

Guilded – eSports〔現実の選手データに基づくスポーツゲーム〕のチーム管理ソフト

TechchCrunch記事

Lambda School – Aプログラマー養成のオンライン・ブートキャンプ

TechchCrunch記事

Plasticity – 自然言語処理用API

TechchCrunch記事

Piggy – インドにおける退職資金投資プラットフォーム

TechchCrunch記事

Fat Lama – p2pテクノロジーを利用した保険付きレンタルのマーケットプレイス

TechchCrunch記事

Solve – 国際旅行者のための空港コンシェルジュ

TechchCrunch記事

Sunfolding – 太陽光発電施設向け太陽追跡ハードウェア

Enzyme – FDAの諸規定に対するコンプライアンスを提供するSaaS

Surematics –工場、油井など大規模なビジネス資産向け保険額見積もりシステム

Templarbit – サイバー攻撃からアプリケーションを防衛するシステム

Just Appraised – t自治体向け資産償却見積もりシステム

Advano – 現在よりエネルギー密度の高いリチム・イオン電池の開発

AutoHub – 中古車事業者向け自動車マーケットプレイス

Quilt Data – 企業のデータ利用のDocker

最近多くの大企業が「データ志向」を口にするようになったが、実際にはそのデータは企業の広い範囲に散らばっており、利用は容易ではない。Quiltでは効率的にデータソースを統合し、社内の誰もが共通認識を得られるようすることを目指す。このシステムはすでに大手銀行で採用されている。Quiltでは企業のデータ利用におけるDockerのような存在を目指している。.

Headstart – AIを利用した履歴書スクリーニング・システム

TechchCrunch記事

BillionToOne – 安全かつ確実な胎児の遺伝子診断

Bxblue – ブラジルにおける個人ローンのマーケットプレイス

TechchCrunch記事

Gameday – 誰でも簡単にプレイできるファンタジー・スポーツ・アプリ

Draft KingsやFanDuelのような本格的eスポーツ〔現実の選手のデータを用いるオンライン・スポーツ・ゲーム〕 はカジュアル・ユーザーを無視しており、プレイが難しすぎるとGamedayでは考えている。このギャップを埋めるためにFacebook Messengerを利用したシンプルなファンタジー・スポーツ・ゲームが開発された。Gamedayの週間アクティブ・ユーザー5万人のうち70%はファンタジー・ゲームを始めてプレイしたという。また60%はGamedayを20週以上にわたって連続して利用している。Gamedayではファンタジー・スポーツ市場で世界的な存在となるためできるだけ多数の言語をサポートする努力を行っている。

Read our previous coverage of Gameday here.

VIDA & Co. – アーティストがオンデマンドでアパレルのデザインを行うマーケットプレイス

LotusPay – インドにおける定期支払のサービス

Contract Simply – 銀行向けの大型建築プロジェクトにおける支払い業務効率化サービス

PreDxion Bio – 緊急救命室における重症患者を救う迅速な血液テスト

CarDash – 自動車修理のマーケットプレイス

Read our previous coverage of CarDash here.

HotelFlex – ホテルにおける深夜、早朝のチェックイン、チェックアウト支払いサービス

Read our previous coverage of HotelFlex here.

Muzmatch – 独身のムスリム向け結婚援助アプリ

TechchCrunch記事

Leon & George – 家庭、企業向け屋内植物の販売サービス

Value Voting – Tアメリカ政治の二極化を防ぐために政治グループがデータを共有、利用できるプラットフォーム

TechchCrunch記事

AssemblyAI – 目的に応じてき簡単にカスタマイズできる音声認識書き取りソフトのAPI

TechchCrunch記事

Loop Support – カスタマーサポートのSaaS

FriendSpot – 次世代グループチャット

Disclosures.io – 雨漏り、下水管破損など物件の問題情報を適切に開示する不動産業者向けのソフトウェア

Helix Nanotechnologies –最新のAIを利用したDNA修復によるガンなどの疾病の遺伝子治療

CureSkin – インドにおけるAI利用の皮膚科の診断と治療プラットフォーム

Py – 新しいプログラミング技術を教えるモバイル・アプリ

PyはPythonからiOSまで各種のプログラミングを教えるモバイル・アプリだ。ソフトウェア・エンジニアは新しい開発技能をマスターできるだけでなく、そうした技能を必要とする職を探す役にもたつ。データ・サイエンスやアプリケーション開発などのカテゴリーごとに習熟の度合いを示すランキング・システムを採用している。これにより求職者は自分の能力を効果的に示すことができるとPyでは考えている。月間アクティブ・ユーザーはすでに10万人となっており、30億ドルといわれるプログラミング教育市場において意味あるシェアを獲得するのがPyの目標だという。

TechchCrunch記事

HealthWiz – 社員の医療コストと減らすための企業向けSaaSプラットフォーム

CocuSocial – クッキングスクールなど近隣活動のためのマーケットプレイス

TechchCrunch記事

Rev Genomics – 遺伝子操作によるマリファナ収穫の増大

Tpaga – ラテンアメリカにおけるモバイル支払システム

NextDrop – インド都市部における飲料水のマーケットプレイス

Mystery Science – VRを利用して専門家が小学校の科学の授業を支援

小学校におけるSTEM〔科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学〕教育の重要性が叫ばれて久しいがMystery Scienceは教師に対してVRシステムを通じて科学の専門家による援助を提供する。教師はこの専門家の協力を得て効果的に科学を教えること可能になる。実はアメリカの小学校の94%には資格をもった科学の教員がいない。Mystery Scienceはこの問題を解決を目指している。科学専門家は毎日インターネットを通じて授業に協力する。

TechchCrunch記事

〔日本版〕TechCrunchが選ぶYCデモデー2日目のトップ7チームで選択されたスタートアップの紹介を訳出。ただしマリファナ増産を目指すRev Genomicsの記事は上記Mystery Scienceの記事に変更。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+