単一アプリ方式のモバイル開発プラットホームとは?–ユーザはアプリを求めていない,という新世代哲学に立つMowbly

最近ローンチしてDisrupt NY 2013にも出たMowblyは、モバイルの開発プラットホーム環境に、従来とは逆のアプローチをする。

協同ファウンダのVignesh Swaminathanによると、次々といろんなアプリを垂れ流すのではなく、Mowblyはそのモバイル向けPaaSからたった一つのアプリを提供する。Mowblyはサードパーティのアプリもサポートするが、そのサードパーティアプリのAPIを呼び出してデータを処理するだけだ。ユーザ自身は、それらのアプリを使わない/動かさない。ユーザが求めているのは正しく処理されたデータであって、アプリを自分で動かすことではない。それが、Mowblyの異端哲学。

要するにMowblyは“アプリアグリゲータ”であり、データを顧客やその社員やパートナーのためにフィルタしてからアプリを通し、その結果をユーザに提示する。しかもこのサービスはクロスプラットホームであり、アプリを構築〜管理〜展開するためのモバイルサーバと、モバイルのユーザインタフェイスフレームワークから成る。複数のモバイルプラットホームにまたがって利用でき、その際、専門的なモバイル開発の技能は要らない。ユーザである顧客企業のIT部門はデベロッパを雇うことなく、ブラウザ上のツールを使ってアプリを展開する。

一つのユーザ企業が複数のIDを持てるので、たとえば財務の人には企業のリソース計画関連のデータを提供し、パートナー企業には流通経路計画に関する情報のアップデートを提供する、など多面的な活用ができる。MowblyのPaaSが提供するその単一アプリは、オンプレミスのソフトウェアまたはSaaSとして提供される。

Mowblyは新世代のモバイルプラットホームプロバイダの一つで、迅速なアプリ展開のためのバックエンドを提供する。それにより、ネイティブアプリを作るために必要な費用と時間を削減する。またこの単一アプリ方式では、大企業がITポリシーへのコンプライアンスを維持しやすい。

これはまた、モバイルアプリ開発の自動化の始まりでもある。そのトレンドを代表しているのが、Mowblyだ。問題は、プロバイダのコントロールがあまりにも大きすぎるのではないか、ということ。そして、人びとが日常使っているアプリに加えて、アプリが実際には今後どんどん増えていくのではないか、という懸念もある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter広告がついにアメリカで一般公開―招待なしで誰でも利用できる

Twitterは3年ものあいだ一部のパートナーと広告のテストを行なってきた。今日(米国時間4/30)、Twitterの売上プロダクト担当上級ディレクターのKevin WeilがTwitterへの広告出稿がアメリカで一般公開されることを発表した。アメリカの広告主はこれでやっとTwitterからの招待なしで広告が出せるようになる。

Weilは現在ニューヨークで開催されているわれわれのTechCrunch Disruptでこのことを発表した。広告の一般公開によって売上の増大を図るのは近く予想される株式上場に備ええた動きだろう。

Twitterが最初の広告を表示したのは2010年4月だった。その後プロモート・アカウントとプロモート・ツイートを導入した。’これは広告主が有料でツイートを表示し、フォロワーを集めることができる手段だ。その後昨年3月、Twitterはセルフサービス広告ツールを部分的に公開した。2013年の2月には大規模な広告キャンペーンを可能にする広告APIが発表された。そして先週、Twitterはキーワード・ターゲット広告を発表した。これは一般ユーザーのツイートに含まれるキーワードに連動して広告が表示されるモデルで、Googleの検索連動広告に近いモデルだ。.

WeilはTechCrunch Disruptのステージでこう述べた。「知ってのとおり、Twitter広告はこれまで招待が必要だった。われわれには何千という大企業、スモールビジネス、広告代理店と取引をしているが、すべて招待ベースだ。しかし今日、われわれは次の段階に進む。アメリカでTwitter広告を一般公開する。企業であれ個人であれ、どんなアカウントからでも広告が可能になる。今日からアメリカの全ユーザーはTwitterを強力な広告媒体として利用することができる」。また「このlinkツイートした最初の100人にそれぞれ50ドル分のTwitter広告をプレゼントする」と語った。

Twitterが新規にオープンさせたセルフサービス広告インタフェースにアクセスするだけで誰でも広告出稿が可能だ。広告主はターゲットの地域、関心、広告のタイプ、1日あたりの予算などを入力する。プロモート・ツイート、プロモート・アカウントの運営に加えて、広告主は広告効果を測定するTwitterのビジネス・アナリティクスを利用することができる。

この広告の一般公開によって、TwitterはFacebookやLinkedInのようなライバルに広告ビジネスでも対抗できるようになるだろう。ある予測ではTwitterは2014年に9億5000万ドルの広告収入を得るという。これは株式上場に向けて投資家の関心を惹きつけるのに十分な額だ。

膨大な数の企業がフォロワーを奪い合う中で、ライバルより少しでも露出を増やせるかどうかが有名になれるかどうかの成否のカギを握っている。直接商品をオンラインで販売しようとするビジネスの場合、プロモート・ツイートはクリックに直接結びつく。当初はギークのためのニッチなサービスと思われていたTwitterだったが、今や世界のコミュケーション・プラットフォームとして確固たる地位を築いている。顧客とリアルタイムで対話が可能なTwitter広告による口コミ・パワーを活用できるかどうかが、これからの企業にとってきわめて重要になってくるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Apple、2013年第2四半期の業績は予想を上回り、株価は上昇―売上436億ドル、利益95億ドル、1株当たり利益10.09ドル

このところAppleの財務内容は(もしかすると必要以上に)注目を浴びていたが、今日(米国時間4/23)、疑問が一掃された。

さきほどAppleは2013年度第2四半期の決算報告を発表した。それによると売上高は436億ドル(前年同期392億ドル)、純益95億ドルで1株あたり利益は10.09ドルだった。

ある意味、事前の懸念は当たっていたことになる。前年同期のAppleの1株当たり利益は12.30ドルだった。対前年比で利益が減少したのはほぼ10年ぶりだ。利益の減少は不面目ではあるものの、本当の問題はこれがAppleの将来に実際どんな影響を与えるのかという点だが、答えが出るのは先になりそうだ。

利益の減少は遅かれ早かれいずれは起こるべき出来事だが、最近のAppleは前進を阻むもののない巨人というイメージを抱かれていたので、実際以上の衝撃を与えている。Appleは1450億ドルのキャッシュを貯めこんでいるので、終末論を持ち出すのは早すぎる。しかしCEOのTim Cookは成長が鈍化していることを認めた。またCookは恒例の電話記者会見で株価のテコ入れのためにApple株の買い戻しを行うと発表した。

この数日間、Appoleをめぐる情勢は波乱含みだった。先週Appleの株価は400ドルを割っており、アナリストの予測も今までのAppleに対するような強気一辺倒のものではなくなっていた。 Bloomberg Businessweekによれば、424億ドルの売上、10.02ドルの1株当たり利益がアナリストのコンセンサスだった。Appleはこの予測を上回ることができた。しかし一方、第1四半期にApple自身が発表した(いつもきわめて控え目なことで名高い)予測では、売上は410億ドルから430億ドルとされていた。今回発表された第3四半期の予測は売上が335億ドルから355億ドル、粗利益率は36%から37%と見積もられている。.

第2四半期にAppleが新製品を全く発表しなかった(必ず発表するはずだと熱心に説くものもいた)にもかかわらず、 ハードウェアの売上は立派なものだ。われわれのJordan Crook記者Darrell Etherington記者のまとめたレポートによれば、Appleは3740万台のiPhone、1950万台のiPadを売っている。しかしもはやiPodについてのコメントはない。Macのセールスは前年同期の400万台をわずかに下回った。


(Apple関係のグラフはここにまとめてある)

iOSデバイスの販売は揃って前年同期を上まって好調だ。iPadのセールスは劇的に増加している。これはおそらくiPad miniの成功によるものだろう。それでも目立った新製品がリリースされなかったことは一部に強い懸念を呼び起こしていた。2012年10月のiPad miniのリリース以後、Appleはまったく新製品を発表していない。Appleはもともと独自の製品サイクルを固く守る方だし、半年間製品を発表しないことがそれ自身で悪いわけではない。しかしこの間、SamsungとHTCが強力なライバル製品を発表しているため、Appleが今後いっそう厳しい競争環境に置かれることが予想される。もちろんこうした状況は新しいiPhoneが発表されれば一瞬で変わる可能性はある。〔日本版:Tim Cookは「新製品の発表は秋以降」とコメントしている。〕

事前には懸念を深めていた市場は決算発表を好感し、株価は時間外取引で約4%アップした。

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Amazon S3は2兆のオブジェクトを保管―昨年6月の1兆から倍増、ピーク時には毎秒110万のリクエストを処理

今日(米国時間4/18)、ニューヨークで開催されたAWSサミットでAmazonは、S3ストレージには2兆以上のオブジェクトが保存されていると発表した昨年6月には1兆、11月には1.3兆だった。前回の数字はre:Inventカンファレンスで発表されたものだ。

Amazonの AWSチーフ・エバンジェリストJeff Barrは今日のブログ記事で、「AWSが保管するオブジェクトが1兆に達するのに6年かかったが、さらに1兆増加するのに1年もかからなかった。また日常的にピーク時には毎秒110万以上のリクエストを処理している」と書いている。

Amazonはこの数字を「われわれの銀河系には4000億の星がある。S3に保管されているオブジェクトの数は銀河系の星の数の5倍だ」と説明した。S3オブジェクトはひとかたまりのデータであり、サイズは1バイトから5テラバイトまでいろいろだ。残念ながらAmazonはS3オブジェクトのサイズの平均については明らかにしなかった。

Amazonは今月に入ってAPIリクエストの処理単価を引き下げるなど値下げ努力を続けている。しかし料金の安さはS3の成功の理由のひとつの要素にすぎない。たまにダウンすることがないわけではないが、AWSは企業が大量のデータをクラウドに保管しようとするとき真っ先に考慮するサービスとなっている。また新機能も次々に追加されており、小さなスタートアップからPinterestDropboxのような急成長サービスまで広くホスティングしている。AWSは2020年ままでに200億ドルのビジネスになると一部のアナリストは予測している

MicrosoftのAzureプラットフォームはじめライバルも挑戦を続けているが、この分野でのAmazonの圧倒的優位はゆらいでいない。Microsoftは最近、AWSの料金引き下げに対応して料金を引き下げると約束した。 Microsoftによれば、現在Azureには20万のユーザーがあり、毎日新たに1000ユーザーが加入しているという。

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Twitterがツイート内容に連動するキーワード広告をローンチ

今日(米国時間4/17)、Twitterは今年の売上が10億ドルに達すると予測されている広告事業をさらに一歩前進させる新広告を発表した。このキーワード・ターゲティング広告では、企業やブランドはユーザーのツイートに含まれる特定の単語をベースに広告を表示することができる。

Twitterの説明によれば、この新広告は、デスクトップ、モバイルを含むすべての既存の広告ネットワーク上で現在順次公開中だという。またTwitter広告が運用されている15ヶ国語すべてがサポートされる。「ただし、新広告によって今までより広告が増えるわけではない」とTwitterでは念を押している。広告のボリュームは今までと変わらず、ただユーザーが使ってキーワードを利用することで広告主は今までよりも効果的に広告を表示できるようになったということだ。

Twitterは公式ブログ記事で「新広告でおそらくもっとも重要な特長は広告の対象を精密にターゲットできることだろう」として次のように書いている。

たとえばユーザーがあるバンドのファンで、その最新アルバムを聴いているとツイートしたとしよう。たまたまそのバンドがユーザーの地元で近くコンサートを開く予定があったとする。コンサートの主催者は地域を指定するだけでなく、ツイート中にそのバンドの名前が含まれるユーザーにコンサートのチケット販売サイトへのリンクを含めた広告ツイートを表示させることができる。ユーザーが好きなバンドの新しいアルバムについてツイートするとやがてタイムラインに近所のコンサートの広告が表示されるというわけだ。

Twitterの初期テスト協力者、Everything Everywhere、日本マイクロソフト、Walgreensはみなキーワード連動方式によるプロモート・ツイートが他の方式に比べてはっきりと効果が高かったと報告しているという。

eMarketerによるTwitterの今年の売上予測はやや控えめだ。これによると、2013年の全世界ベースの売上は5億8280万ドルで10億ドルに近づくのは2014年だという。2012年の世界での売上は2億8830万ドルだった。そのうち83%はアメリカ市場によるもとeMarketerでは推定している。各種の広告方式が世界でリリースされた結果、今年は外国市場の比重が高まるかもしれない。eMarketerは2015年には外国での広告売上が3億1900万ドルに上ると予測している。

Twitterを訪問はするが自分ではめったにツイートしない人々が膨大な数に上る。キーワード連動方式の欠点はこういう人々を対象にできないところだ。もうひとつの問題はタイミングだ。ツイートが投稿されてから長い時間が経ってからそれに関連した広告が表示されても有効ではないだろう。そのときそのときの関心を140文字で次々に語っていくというTwitterの本質を考えると、たとえ自分のツイートであってもその中に含まれるキーワードを長く記憶している場合は少ないかもしれない。ユーザー自身がすっかり忘れてしまった後でターゲット広告が表示されれば古臭い話題と思われるか、あるいは気味悪がられかねない。

キーワード・ターゲット広告を作成するツールはTwitter AdsのダッシュボードでもAPI経由でも利用できる。

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Apple株ついに400ドルの大台割れ―16ヶ月間の新安値を記録

現在、Appleの株価(NASDAQ:AAPL)は398.11ドルだ。昨日(米国時間4/16)の終値426.24ドルから6.6%下げている。最近最大の下げ幅であると同時に、16ヶ月での最安値を記録した。四半期決算が近づいているおり、その内容に投資家が懸念を抱いているのが大きな理由のようだ。

現在、NASDAQは全体として1.11%下落している。 Reutersによれば、Appleへの部品供給メーカー、Cirrus Logicがウォール街のアナリストの予測を大幅に下回る売上予測を発表した。同社はiOSデバイスにオーディオ用チップなどを製造している。このため一部のアナリストは2013年第2四半期のAppleのデバイスの売れ行きはよくなかっただろうと予想している。

しかし今日の下落はCirrus Logicの問題だけを原因とするには大幅すぎるようだ。現在株価は400ドルを切っているが、iPhone 5の発表以来、Apple株の値動きは投資家を失望させている。Appleの株価が700ドルを回復することは当面ありそうにない。

Apple株は依然として不透明感と乱高下に悩まされている。最新の製品発表は2012年10月のiPad miniだ。つまり昔に比べて新製品発表がない期間が非常に長くなっている。新製品の発表が近づくに連れて株価が上がるのが常だった。不安材料が少しでもあると株価に大きく反映するのが現在のAppleだ。

もちろん売上高が実際どうであったか予測するのは難しい。comScoreの調査によれば、iPhoneはアメリカ市場で依然トップの地位を占めている。しかしHTC OneやSamsung Galaxy S4といった手強いライバルがここ数週間で世界に向けてデビューする予定だ。

スマートフォン市場の競争は6ヶ月前にiPhone 5が発表されたときから激しかった。株の値動きを決定する最大の要因は投資家が感じる印象だ。Appleの営業成績に特に落ち込みが見られなくても、将来に不安を抱かせるような材料が少しでも浮上すれば株価に大きく反映することになる。

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EvernoteがホンダとDocomoと提携、シリコンバレーでスタートアップ支援のアクセラレータ・プログラム実施へ

今日(米国時間4/16)、「すべてを記憶する」サービス、Evernoteは、ホンダとDocomoと協力してEvernote Acceleratorと名付けたスタートアップ向けの1ヶ月の集中指導プログラムをスタートさせることを発表した。

実施の場所はシリコンバレーのRedwood CityにあるEvernoteの本社だ。世界中のEvernote APIを利用してプロダクトを開発しようとする個人あるいは小規模スタートアップのデベロッパーが対象となる。

このプログラムはEvernoteが自社の提供するサービスの範囲を超えて、サードパーティのデベロッパーやサービス・プロバイダーを広く巻き込んだプラットフォームへと進化しようという戦略をさらに一歩前に進めるものだ。Evernoteはすでに毎日60億のAPIコールを処理しているが、その大部分はEvernote自身のアプリから来るものだ。

Evernoteはホンダのシリコンバレー・ラボ(英文)、ドコモ・イノベーション・ベンチャーズと協力し、参加者に対してEvernoteのエンジニアによる指導、マーケティングの援助、さらにオフィスと住居を提供する。ただし直接の投資は行わない。ベテランのジャーナリストで昨年Evernoteに参加してプラットフォーム・エバンジェリストを務めているRafe Needlemanはこの点について次のように説明する。

現時点ではわれわれは投資の必要を認めない。われわれにとってこのプログラムの成功はすぐれたEvernoteプロダクトが生まれることだ。投資よって利益が生まれることに関心はない。すぐれたEvernoteプロダクトが生まれることがわれわれ、そしてわれわれのユーザーにとっての成功だと考えている。ただしわれわれはこのプログラムに参加するスタートアップないし個人デベロッパーに対してサードパーティーの投資家を紹介することはあるかもしれない。

Evernote側がベンチャーキャピタル方式の投資を行わないとしても、他の形式での投資はあるかもしれない。人気アプリの一つ、Evernote FoodはEvernoteが主催したハッカソンでオリジナルが開発されたものだった。NeedlemanによればEvernoteが知的所有権を買収して今日のアプリに仕上げたのだという。

このプログラムへの参加者はEvernote APIの普及のために毎年実施されているEvernote Devcupの今年の優秀賞受賞者から選ばれる。アクセラレータ・プログラムは10月の開催が予定されており、1ヶ月にわたるの助言と開発セッションの後、11月にYコンビネーター方式のデモ・デーが行われるという。

Needlemanは「あらゆるジャンルのEvernoteアプリを歓迎する」としながらも、プログラムには2社の共同スポンサーが存在することにも注意を促した。つまりAPIを活用したホンダの自動車向けアプリやモバイル・アプリが重視すべき分野となるということだろう。自動車とモバイル分野についてはそれぞれ優秀賞が設けられる予定だという。

今日、スタートアップ育成のアクセラレータ・プログラムは世界中いたるところで見かけるようになったが、Evernoteのプログラムには非常にユニークな特徴がある。それはEvernote自身がハッカソンを通じて参加候補者を集める点だ。Needlemanは「できるかぎり多様な人材を集めるために、われわれはハッカソンを東京、シンガポール、チューリッヒ、メキシコシティーで開催している。この参加者から選抜した優秀なデベロッパーたちにITのメッカ、シリコンバレーのすべてを味わってもらおうという趣旨だ」という。

〔日本版:EvernoteのCEO、フィル・リビンは今週4/18(木)午後1:30から日経ビジネスのセミナーで講演する予定。〕

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衛星放送のDishがSprint買収でソフトバンクに対抗―50億ドル上乗せの255億ドルで買収を提案

アメリカ第3位のモバイル・キャリヤ、Sprintを巡って劇的な展開があった。大手衛星放送サービスのDish Networkが255億ドルでの買収提案を発表した。内訳は173億ドルがキャッシュ、82億ドルが株式だ。この試みが成功すれば日本の大手キャリヤ、Softbank昨年10月に発表した205億ドルでSprintの株式の70%を買収するという計画は失敗することになる。.

有料衛星放送サービスの巨人hsSprintも1株につき4.76での買収を提案した。4月12日のSprintの終値は6.22ドルだったが、Dishの買収提案のニュースで急騰した。先週の下落の後、場外取引価格は15%もアップした

Dishが今朝(米国時間4/12)SEC(証券取引委員会)に提出した報告によれば、Dishはこの買収によってユーザー・ベースと売上を大きく伸ばす(ただし投資負担も増加する)ことになる。現在Sprintには4750万人の契約ユーザーがいる。これに対してDishの契約者は1420万人にすぎない。自社が流している有料テレビコンテンツをSprintのユーザーにも配信するのがDishの狙いだろう。

スマートフォンとタブレットがますます広く普及し、多くのユーザーにとってモバイルが主要な受信チャンネルとなりつつある現在、有料テレビのプロバイダがこの分野にいっそう深く参入しようと大胆な試みをするのはうなずける。

昨年のSoftbankによる買収提案はSprintの存在価値を高く認めさせるものだった。プレスイベントでSoftbankのファウンダー、CEO、孫正義は両者が同じ周波数のLTEを利用していることを強調し、両者の統合による相乗効果を説明した。同時にSprintのCEO、Dan Hesseも孫に支持を与えた。これに対してDishの提案は敵対的買収に近い雰囲気がある。

SprintがSoftbankによる買収を断った場合、6億ドルの違約金を支払う義務が生じる。このニュースを最初に報じたWSJのErgenに取材したところ、提案にはこの違約金をDish側で負担することも含まれているという。

Dishは最近これ以外にもモバイル・キャリヤの買収に動いている。先週はT-Mobile USAの買収を試みていると報じられた。Dish はまたSprintが株主であるモバイル・キャリヤ、Clearwireにも興味を示している

Dishは40MHz帯と2GHz帯に周波数を所有している。しかしそこでサービスを提供するキャリヤ機能を持っていないので、遅かれ早かれ何らかの行動を起こす必要に迫られていた。しかしこの買収が失敗すれば、Dish自身が買収のターゲットになるかもしれない。ひとつには大手キャリヤにおける周波数帯の不足が深刻化しているからだ。今年に入って、AT&TがDishを買収しようとしているという情報が流れたことがある。

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AWS利用のリソースと費用とセキュリティを分析するCloudCheckrが$2Mを調達

Amazon Web Servicesの複雑さを克服することが、一つのビジネスになりつつある。その新人選手CloudCheckrは、AWSに欠けているリソース分析/費用分析/セキュリティ分析のためのツールを提供し、最近200万ドルの資金を調達するとともに、そのフリーミアムサービスの一般公開にこぎ着けた。200万ドルのシリーズAを仕切ったのはGarrison Capital、そこにGenesee Capitalが参加した。

顧客がAWSを使い始めたとすると、時がたつにつれて、自分が展開したものの全体的な健康診断が、そう簡単にはできないことに気づく。情報は得られるが、それらの構造も相当複雑だ。そこで、CloudCheckrがお助けに参上する。

ユーザが最初にすることは、CloudCheckrからでもアクセスできるように、AWSを構成することだ。

そして次に、報告形式を構成する。必要なモジュール、たとえばリソースの監視、などを指定する。複数のサービスのモニタもできるし、その展開のすべてのリージョンを監視できる。結果はダッシュボードにグラフィカルに表示される。

たとえば「EC2概要報告」は、リソースのサイズ、購入タイプ、リージョン、プラットホーム、AMI、費用などを教える。「詳細報告」は、さらに個々のインスタンスという粒度で、これらの項目プラス、ローンチタイム、利用状態レベル、付随しているEBSのボリューム、IPアドレスなどを教える。

CloudCheckrには費用とベストプラクティスのモジュールもあり、こいつがとりわけ便利なようだ。このモジュールではCloudCheckrが顧客の展開の様態を、AWSで行われているベストプラクティスと対比して評価する。また、例外的事象をチェックして顧客にアラートする。

CloudCheckrは、AWSのモニタリングというこの新しい急速成長市場で、 CloudabilityやNewvemなどと競合する。

Cloudabilityは、社員が利用しているオンラインサービスの状況を一望する。それを見てCFOは、会社のどの部署がどんなサービスのアカウントを持っているか(IaaS, PaaS, SaaSなど)を知ることができる。アカウントは、個々に、あるいは個人レベル〜部署レベルで組み合わせた状態で検分できる。そしてその報告がCFOに、サービスの詳細な費用分析を提供する(サービス別、アカウント別、ユーザ別など)。そして、費用が突出している部分などを教える。

Newvemはとくに、顧客のAWSのインスタンスをモニタする。たとえば昨年同社はAWS用のGoogle Analyticsのようなサービスの提供を開始した。そして顧客のAWSの契約全期間にわたる基準的な最適利用量を見つける。また、それを満たすマシンやインスタンスのタイプを判定する。インスタンスの最適な地理的配分も判定する。以上を要約するとNewvemは、AWSと長期契約を結ぶ前の、さまざまな量的質的判断を助ける。

Get Satisfactionのオペレーション担当VP Jonathan Clayによると、CloudCheckrはAWSの利用状況を総合的に見るためのポータルのようなサービスで、リソースの使われ方やその費用などを報告してくれる。また、インスタンスの混み具合や空き具合を見て、最適容量のリコメンデーションもする。予備インスタンス(reserved instances)の確保量に関するリコメンデーションも提供する。総じて、このサービスを利用すると企業は、費用やリソース利用の無駄をチェックでき、またセキュリティのためのベストプラクティスの遵守状態も知ることができる。

CloudCheckrを利用すると、AWSの内部をリソースと費用とセキュリティの側面から検分する作業が楽にできる。AWSを有効に利用しようと思ったら、それらのチェックが欠かせない。ただしAWSの点検管理サービスはほかにもいろいろあるから、ユーザはそれぞれの得意技を、まず調べるべきだ。

CloudChecklrの料金体系は無料から始まる。プロフェッショナルアカウントは月額会員制だ。そしてエンタプライズアカウントはオーダーメイドである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWS利用のリソースと費用とセキュリティを分析するCloudCheckrが$2Mを調達

Amazon Web Servicesの複雑さを克服することが、一つのビジネスになりつつある。その新人選手CloudCheckrは、AWSに欠けているリソース分析/費用分析/セキュリティ分析のためのツールを提供し、最近200万ドルの資金を調達するとともに、そのフリーミアムサービスの一般公開にこぎ着けた。200万ドルのシリーズAを仕切ったのはGarrison Capital、そこにGenesee Capitalが参加した。

顧客がAWSを使い始めたとすると、時がたつにつれて、自分が展開したものの全体的な健康診断が、そう簡単にはできないことに気づく。情報は得られるが、それらの構造も相当複雑だ。そこで、CloudCheckrがお助けに参上する。

ユーザが最初にすることは、CloudCheckrからでもアクセスできるように、AWSを構成することだ。

そして次に、報告形式を構成する。必要なモジュール、たとえばリソースの監視、などを指定する。複数のサービスのモニタもできるし、その展開のすべてのリージョンを監視できる。結果はダッシュボードにグラフィカルに表示される。

たとえば「EC2概要報告」は、リソースのサイズ、購入タイプ、リージョン、プラットホーム、AMI、費用などを教える。「詳細報告」は、さらに個々のインスタンスという粒度で、これらの項目プラス、ローンチタイム、利用状態レベル、付随しているEBSのボリューム、IPアドレスなどを教える。

CloudCheckrには費用とベストプラクティスのモジュールもあり、こいつがとりわけ便利なようだ。このモジュールではCloudCheckrが顧客の展開の様態を、AWSで行われているベストプラクティスと対比して評価する。また、例外的事象をチェックして顧客にアラートする。

CloudCheckrは、AWSのモニタリングというこの新しい急速成長市場で、 CloudabilityやNewvemなどと競合する。

Cloudabilityは、社員が利用しているオンラインサービスの状況を一望する。それを見てCFOは、会社のどの部署がどんなサービスのアカウントを持っているか(IaaS, PaaS, SaaSなど)を知ることができる。アカウントは、個々に、あるいは個人レベル〜部署レベルで組み合わせた状態で検分できる。そしてその報告がCFOに、サービスの詳細な費用分析を提供する(サービス別、アカウント別、ユーザ別など)。そして、費用が突出している部分などを教える。

Newvemはとくに、顧客のAWSのインスタンスをモニタする。たとえば昨年同社はAWS用のGoogle Analyticsのようなサービスの提供を開始した。そして顧客のAWSの契約全期間にわたる基準的な最適利用量を見つける。また、それを満たすマシンやインスタンスのタイプを判定する。インスタンスの最適な地理的配分も判定する。以上を要約するとNewvemは、AWSと長期契約を結ぶ前の、さまざまな量的質的判断を助ける。

Get Satisfactionのオペレーション担当VP Jonathan Clayによると、CloudCheckrはAWSの利用状況を総合的に見るためのポータルのようなサービスで、リソースの使われ方やその費用などを報告してくれる。また、インスタンスの混み具合や空き具合を見て、最適容量のリコメンデーションもする。予備インスタンス(reserved instances)の確保量に関するリコメンデーションも提供する。総じて、このサービスを利用すると企業は、費用やリソース利用の無駄をチェックでき、またセキュリティのためのベストプラクティスの遵守状態も知ることができる。

CloudCheckrを利用すると、AWSの内部をリソースと費用とセキュリティの側面から検分する作業が楽にできる。AWSを有効に利用しようと思ったら、それらのチェックが欠かせない。ただしAWSの点検管理サービスはほかにもいろいろあるから、ユーザはそれぞれの得意技を、まず調べるべきだ。

CloudChecklrの料金体系は無料から始まる。プロフェッショナルアカウントは月額会員制だ。そしてエンタプライズアカウントはオーダーメイドである。

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Xbox常時接続を擁護する暴言でMSのディレクターが離任―問題は暴言より常時接続そのもの

次世代のXboxは「インターネット常時接続必須」になるという噂に対してTwitterでその方針を公けに擁護したMicrosoftのクリエーティブ・ディレクター、Adam Orthはすでに同社を離れたとされる。Orthは常時接続に懸念を示すツイートに「今はどんなデバイスも常時接続だ」と反論した。それだけならよかったのだが、「ウィスコンシンやバージニアの田舎はシアトルやサンフランシスコほど接続がよくない」というツイートに「なんでそんな場所に住まなきゃならないんだ?」と返したので炎上してしまった。

Game Informerによると、匿名の情報源がMicrosoftに電話して確かめたところではOrthは「すでに同社を離れた」とぃうことだ(われわれもMicrosoftに公式の確認を求めたが「この件に関しては一切コメントしない」と断られた)。どうやらOrthは辞職したか解雇されたもようだ。MicrosoftがOrthのツイートの件で公式に謝罪したところからみて、OrthがもはやMicrosoftにいないのは確かだろう。

常時接続を擁護する発言がいつのまにか口喧嘩に変わってしまったのは問題だが、仮にMicrosoftがXboxに常時接続を導入するとすれば、その理由は論理的に言って「違法コピーなどの海賊行為を取り締まるため」というシンプルなものであるはずだ。

最初に流れた情報によると、次世代Xboxは、ゲームをプレイするにあたってインターネットへの常時接続が必要とされ、プレイ中に3分間接続が中断するとゲームが停止する仕様になるという。EAがPCゲームの人気タイトル、Diablo IIIとSimCityを常時接続にしたことで不満を募らせていたゲーマーにとって、この噂(Microsoftは暴言には謝罪したものの噂については肯定も否定もしていない)はまさに悪夢だっただろう。

今週に入って、Vergeが次世代Xboxはケーブルテレビのセットトップボックスに接続できるようになるという記事を掲載した。つまりそのために常時接続が必要となるという地ならしだろう。Xbox関係の一連のイベントの初回は5月下旬に予定されているが、それに先立ってMicrosoftは常時接続となるという情報のリークで生じた反発を和らげようとする密かな努力を始めていたようだ。

いずれにせよ、ユーザーが単独でインターネット接続をまったく必要としないゲームやアプリまで 常時接続を必須とするというのは合理的な説明が難しい。デバイスが常時接続を必要とする論拠を、あの恐ろしい3文字(D-R-M)を使わずに説明するのはやはり不可能だろう。MicrosoftやEAには腕利きのPRのプロがたくさんいるが、それでもケーブルテレビに接続できるという程度の薄弱な根拠では常時接続をユーザーに納得させることはできまい。TwitterでOrthは噂は事実であると強く示唆し、さらに「常時接続はサービスの向上でありユーザーいじめではない」という公式見解に反するような暴言を吐いた。不人気でもあり大きな影響を及ぼす変更を主要プロダクトに予定している会社としては、とうてい見過ごすことはできなかったものと思われる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


日本のHapyrusがAmazon Redshiftへのデータロードを自動化するサービスFlyDataを立ち上げ

Hapyrusがこのほど立ち上げたFlyDataは、ペタバイトサイズにまでスケールできるデータウェアハウスサービスAmazon Redshiftへの、データのアップロードとマイグレーションを自動化してくれる。

Amazonの主張では、アナリストたちが今日使っているものと同じSQLベースのビジネスインテリジェンスツールを使って各種サイズのデータセットを分析するとき、Redshiftならクェリのパフォーマンスを高速化できる、という。Hapyrusの協同ファウンダKoichi Fujikawaによると、同社のサービスであるビッグデータルータを使用すると、Redshiftをさらに効果的に利用でき、HadoopとHiveを使うよりもお得である。HadoopとHiveの組み合わせは、データの処理分析環境として、これまで多くの人に高く評価されてきた。

FlyDataはバックグラウンドで動き、データをRedshiftに運ぶ。Fujikawaによると、HapyrusはAWS上に仮想プライベートクラウドをセットアップする。顧客は自分の仮想プライベートネットワークをそれに統合してデータを転送する。

Hapyrusは、InformaticaやTalendなどと競合する。現在はAWSとの統合がメインだが、今後はさまざまなソースのデータを統合できるようになる。Fujikawaの説明では、InformaticaやTalendは大企業の、主にオンプレミスのシステム向けに、複雑なデータ統合化ソリューションを提供している。しかし、“弊社は、Redshiftのようなクラウド成分に対するデータ統合化サービスを、企業のサイズを問わず提供する。スタートアップでもよいし、比較的大きな企業でもよい”、と彼は語った。

Fujikawaによると、RedshiftはHadoop+Hiveよりも10倍速くできる。H+Hの顧客たちは、毎日行う日常的なデータ処理をもっと高速に行える代替製品を求めている。H+Hを使っていると、クェリの時間と費用が大きな経営妨害要因として彼らの前に立ちはだかる。

しかし、Redshiftそのものにも複雑性はある。それについてルームレンタルのAirbnbは次のように語る:

まず、Redshiftにロードするデータは、すでにS3やDynamo DBの中にある必要がある。デフォルトのデータロードはシングルスレッドなので、相当長時間かかることもある。データを分割してパラレルでロードすると速いことをわれわれは見つけた。

Airbnbのナード的なブログには、Hadoopにある機能がRedshiftにない、と書かれている。しかしRedshiftはデータアナリストたちに好まれているため、もっぱらそれだけを使っている場合が多い。Airbnbのブログ記事は最後の方で、RedshiftとHadoopは意外と互換性が高いのではないか、とも書いている。

しかしDrawn to Scaleの協同ファウンダBradford Stephensは、“RedshiftはデータウェアハウスだからVerticaやGreenplum、AsterData、Impala、Hadapt、CitusDataなどと比較すべきだ”、と言っている。“Hadoopとは全然違うものだ”、と。

スタートアップたちの売上や利益は大企業に比べると微々たるものだが、しかしときにはHapyrusのような企業が出現して、Amazon Web Servicesの新しい使い方によって、独自の顧客ベースを堅実に築いていく。ビジネスの一件々々の額は小さくても、その技術力はユニークで高い。

Hapyrusは500 Startupsの育成企業で、DeNA(年商40億ドルのインターネット企業)の協同ファウンダShogo Kawadaなど高名な日本のエンジェル投資家たちから、エンジェル資金を獲得している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YC出身で企業ウェブサイトのA/Bテスト・サービスのスタートアップ、Optimizelyが2800万ドルをBenchmark他から調達

Y Combinator出身で企業のウェブサイトに対してさまざまなバージョンのデザインでA/Bテストを提供するスタートアップ、OptimizelyがシリーズAのラウンドで2800万ドルの資金を調達した。

どんなスタートアップにとってもシリーズAで2800万ドルといえば大した金額だが、Optimizelyはこれまでにわずか320万ドルの資金しか集めていないのだから、特に大きな一歩だ。.前回のラウンドは1年前にされたが、これまでその結果について何も発表されていなかった。

共同ファウンダー、CEOのDan Sirokerは私の取材に対して「比較的少額の投資を受けただけにしては、われわれはすでに売上高は通年換算で数千万ドルに達し、対前年比では400%の成長を遂げている。また2012年の大統領戦のキャンペーンなどで有力なクライアントを獲得している(Sirokerは2008年にはオバマ選対の分析責任者だった)」と述べた。SirokerはまたAlexaのトップ1万のウェブサイト中のOptimizelyの採用をライバルと比較した下のグラフを送ってきた(データはBuiltWithを利用)。

今回のラウンドはBenchmarkがリードし、Bain Capital VenturesとOptimizelyの既存投資家、Battery Ventures、InterWest Partners、Google Venturesが参加した。BenchmarkのPeter
Fenton(YelpとTwitterに投資した実績がある)がOptimizelyの取締役に就任した。SirokerによればFentonは初の社外取締役だという。これまで取締役はSirokerと共同ファウンダーのPete Koomenのみだった。

調達した資金の一部は国際的な事業拡張に向けられるだろう。Optimizelyは去年、初の海外オフィスをアムステルダムに設けている。また来る四半期には9言語、36カ国のサポートを新たに行う予定だという。Sirokerは「これらの言語(具体的な言語名は明かさなかったが)を選んだのはすでにクライアントがいるからだ」と述べた。

Sirokerのビジョンは依然私に語ったように、Optimizelyを単なるテストサービスを超えて、あらゆるウェブサイトを訪問するユーザーに合わせてカスタマイズできるようにするプラットフォームに育てることだ。同社はすでに異なる属性の訪問者に対して別のデザインのサイトを提供するサービスを開始している。lこれをさらに先へ推し進めたいというのがSirokerの野望だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


eコマースの未来は日本から―Marketplace 3.0を出版した楽天の三木谷浩史インタビュー[ビデオ]


eコマースの未来や如何に? 日本を代表する富豪であり、日本の巨大eコマース企業、楽天のファウンダー、CEOのミッキーこと三木谷浩史によればオンライン・ストアの成否を決めるのはホスピタリティにあるという。新著〔英文による出版〕、Marketplace 3.0; Rewriting the Rules of Borderless Business(Marketplace 3.0―ボーダーレス・ビジネスのルールを書き換える)で三木谷は小売業の将来ビジョンを描いている。今回のインタビューで三木谷は「小売業はオンライン化によって従来のマスプロ、大量流通の定型的体験からもっとカスタマイズされた体験にシフトする」と語った。

三木谷はeコマースが社会のデジタル化のトレンドの中で革新的存在であり続けるためにはホスピタリティ・モデルを採用しなければならないと説く。 「オンラインストアはもっと礼儀正しく、親切にならなければいけない」という主張は、私には「もっと日本化しなければいけない」ということのようにも思えた。

いずれにせよ、三木谷と楽天は侮りがたい存在である。時価総額150億ドルの楽天はBuy.comやeブックのKoboを買収し、1億ドルをPinterestに投資している。デジタル・ビジネスにおいて今やRakutenは本物のグローバル・プレイヤーだ。ミッキー・ミキタニと1万人のRakuten社員はボーダーレス・ビジネスのさまざまなルールの書き換えに励んでいる。eコマースの未来は事実、ここにあるのかもしれない。

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日本のSDNスタートアップMidokuraがシリーズAで$17.3Mを調達;クラウド事業主体の増に備える

日本のMidokuraはオフィスがサンフランシスコと東京とローザンヌとバルセロナにある。同社は今日(米国時間4/1)、1730万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを発表した。このラウンドの幹事会社は日本の産業革新機構、これにNTT GroupのDOCOMO Innovations, Inc.とNEC Groupの投資部門Innovative Ventures Fund Investmentが参加した。資金は陣容拡大により同社のネットワーク仮想化サービスMidoNetの将来的展開と拡張を準備することに充てられる。

Midokuraはそのサービスを、自分でクラウドを展開したいと考える企業、すなわちクラウドのユーザでなくクラウドの事業主体に提供する。それはモバイルネットワークの事業者やそのほかの大企業だ。同社は一般的によく使われているクラウドプラットホーム上で使える仮想化技術を提供し、クラウドコンピューティングの展開に伴う費用や要求を単純化する。MidoNetはIaaS(infrastructure-as-a-service)の一種であり、2012年の10月にベータで立ち上がったときから、大きな関心を集めてきた。

MidokuraのChief Strategy Officer、Ben Cherianの説明によると、“MidoNetは弊社のSDN(software-defined networking, ソフトウェアが定義するネットワーク)製品であり、クラウドを構築したいと考えている企業のためのソリューションだ。彼らはクラウドサービスのプロバイダであったり、ホスティングのプロバイダであったり、あるいは大きな企業であったりする。小さな会社でも、クラウドを構築したいと望むなら弊社の顧客でありえる。それを完全に自力でやろうとすると、スケーラビリティ、オートメーション、アイソレーションといった面倒な問題にぶつかるからだ。弊社のプロダクトであるMidoNetは、クラウドネットワーキングに伴うこれらの問題を解決する”。

今回は相当巨額な資金調達ラウンドであるが、Cherianによると、同社に今寄せられている関心を十分満たすだけのペースで成長するためには、それぐらいの額が必要である。協同ファウンダのTatsuya Katoは、今回の増資発表の一環としてCEOから取締役会の会長職となるが、以前は日本におけるAmazon Web Services的なサービスの構築に、同じく協同ファウンダで元CTO/新CEOのDan Mihai Dumitriuと共に取り組んだ。彼はその際に、サービスの設計構築以前にまず最初に解決すべき大きな問題があることに気づき、それがMidokuraの創業につながった。今チームは、その目標を達成するために迅速に成長したいと考えている。

“資金の大半は製品開発と技術者の増員に充てられる”、とCherianは述べる。“目標は、技術面でもっと深いところに到達することだ。今は、機能の増強とマネージメントの改善、ほかの技術や企業の統合、といった側面を重視している。いずれもさらなる人材が必要な課題であり、したがって資金の多くは技術陣の増員に充てられることになる”。

Midokuraは、この分野の市場が今後急速に進化していくと見ている。とくに今後はクラウドに乗り出す大企業が増えて、SDN関連製品への関心も高まるだろう。そのときの需要にタイミング良く応えるためには、今から、相当な額のシリーズAにより、技術的基盤を整備することが必要なのだ。

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SaaSでデータウェアハウスを価格破壊, Treasure Dataが分散データベース”Plazma”をローンチ

[筆者: Michael Seo]

データウェアハウスをクラウドから提供するTreasure Dataがそのサービスをローンチしてからまだ半年しか経っていないが、すでに順調な成長カーブに乗っているようだ。

昨年黒字に転じたTreasure Dataは、今年は月商が前年比で500%伸びた。50社の有名企業をクライアントに抱え、その中にはソーシャルゲームのトップ企業や、フランスのモバイル広告プラットホーム、そのほかのFortune 500企業がいる。これらは意外ではないが、同社はその社名を明かさなかった。

Treasure Dataは、企業がデータを保存するための大きな“倉庫”(warehouse, ウェアハウス)をクラウド上に提供する。IBMやOracle、Teradataなどの大企業もデータサービスを提供しているが、それらは料金がウン百万ドルのオーダーに達することもある。利用できる企業は、おのずから限られてくる。

一方Treasure Dataの料金は月額1500〜2500ドルで、年単位の契約だ。データウェアハウスを自力で構築できない中企業でも、十分利用可能な低料金である。

そのTreasure Dataが今日(米国時間3/29)、分散データベースPlazmaをローンチし、HDFS(Hadoop Distributed Files System, Hadoop分散ファイルシステム)の重要な改良バージョンを提供する。とくにそれまでのHDFSに比べて効率が良く、データの編纂や解析が相当速くできる。

“これはうちのサービスのロバストネス(堅牢性)と信頼性とパフォーマンスを上げるための投資でもある”、と同社のプロダクト担当VP Kiyoto Tamuraは語る。“Hadoopには信頼性に関していくつか問題があり、うちならもっとうまくやれると確信していた”。

Plazmaがあることによって、Treasure Dataのシステムは日量3000億以上のデータポイントを処理できるようになった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon Web Services(AWS)が専用ハードウェアによるセキュリティサービスCloudHSMを開始

Amazonが今日(米国時間3/1)、CloudHSMのローンチを発表した。この新しいサービス はAmazon Web Services(AWS)のユーザに、専用のハードウェアモジュール(Hardware Security Module, CloudHSMの’HSM’)よるデータセキュリティを提供する。セキュリティに関して企業内的、契約条件的、あるいは法制的なコンプライアンス要件を抱えるユーザを、対象としている。Amazonの主張によると、これまで、クラウドサービスを利用する企業の唯一のオプションは、機密データやその暗号キーを自社所有のオンプレミスのデータセンターに保存することだった。当然これによって、アプリケーションをクラウドへ全面的に移行させることが困難になる。

Amazonの説明によると、今回の新しいサービスを利用することが適している分野は、“データベースの暗号化、DRM(Digital Rights Management)、認証や本人証明におけるPKI(Public Key Infrastructure)、署名入りドキュメント、支払などのトランザクション処理、などなどである。そのハードウェアの実体は、SafeNet, Inc.製のLuna SAモジュールだ。

CloudHSMサービスはAmazonのVirtual Private Cloud(VPC)を利用し*、ハードウェアはユーザのVPC内に配備され、ユーザが指定したIPアドレスを持つ。Amazonによるとこのサービスは企業にキーストレージを提供し、それらのキーを、“暗号モジュールの国際的規格(Common Criteria EAL4+)と合衆国規格(NIST FIPS 140-2)に準拠する、不正操作耐性のあるHSMアプライアンス”により、保護する。〔*: 関連記事。〕

HSMはユーザのEC2インスタンスの近くに置かれるので、ネットワーク起因のレイテンシはきわめて低いはずだ。

ただしこれは、お安いサービスではない。まず、配備費用(前払い)が5000ドル、そして使用料は1時間1ドル88セント(月額約1373ドル)だ。これぐらいの高度なセキュリティを必要とする企業にとってはたいした額ではないかもしれないが、暗号キーやデータを安全に保存したいと単純に願うスタートアップ向きではない。HSMのクライアントソフトウェアは複数のCloudHSMにまたがってリクエストのロードバランシング(負荷均衡化)を行うが、Amazonによると複数配備には“数週間を要する”そうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleドライブのパワーユーザー向け高機能デスクトップクライアントのInsyncがいよいよ製品版を公開

Insyncは高機能なGoogleドライブのデスクトップ・クライアントだが、今日(米国時間3/26)、ベータを脱してMac版とWindows版の製品版をリリースした。

アップデートされたクライアントには多数の新機能(もちろんオリジナルのGoogleドライブにもない機能)が追加されている。その中には複数のGoogleアカウントのサポート、フォルダやファイルの選択同期、デスクトップへの通知、Googleドライブ以外のネットワーク・ドライブのサポート、柔軟な共有オプションなどが含まれている。

Insyncはシンガポールとフィリピンに本拠を置くスタートアップだが、当初はGoogleユーザー向けのDropboxに似たサービスを目指していた。当時GoogleドライブはGoogleドキュメントと呼ばれており、まだ本格的なクラウド・ストレージ機能を備えていなかった。しかしその後Googleはドライブにデスクトップクライアントを用意してDropbox風のサービスを自ら提供するようになった。そこでInsyncは方向を変えてGoogleのクライアントにまだない機能を開発し始めた。

「開発中にわれわれは非常に多くの人々がこういう機能を望んでいることに気づいた」と共同ファウンダー、CEOのTerence Puaは語る。 2008年にInsyncを創業するまでPuaはフィリピンのFriendsterを運営していた。

ユーザーのターゲットはGoogleドライブのパワーユーザーで、右クリックでフォルダやファイルの共有を開始できる機能も備えられている。その他フォルダやファイルの選択的同期などパワーユーザーが必要とする機能が多数ある。さらにギークな機能としてこの1.0にはシンボリック・リンクやエイリアス機能が含まれている。Puaは「これによってユーザーはInsyncのフォルダにいちいちドラッグアンドドロップでファイルやフォルダを移動することなくフォルダ階層を保ったままで利用できる」と説明する。

今回発表されたv1.0はMac版とWindows版で、Linux版はまだv0.9だという。しかしこれも近くリリースされる予定だ。Insyncは現在各プラットフォーム合計で数十万人のベータ・ユーザーがおり、その40%はGoogleAppsを利用しているビジネス・ユーザーだという。

今回の製品版のリリースにともなって料金も発表された。すべての機能が利用できるプロ・プランは9.99ドルの1回払い、数週間後に発表予定のビジネス・プランには企業のIT部門が利用状況をひと目で把握でき、社員別のアクセス管理ができるダッシュボードや優先サポート、 高度な検索などの機能が付加される。

Puaは「われわれの目的は単にGoogleドライブのクライアントを開発することではない。高度なクラウド・ストレージ・サービスの構築にある。ドライブのクライアントは第一歩にすぎない」と語る。

Insyncは2011年1月に80万ドルのエンジェル資金を得た。2009年にはad Reid Hoffman(LinkedInのファウンダー、CEO)、Tovio Annus (Skypeの共同ファウンダー)、Joi Ito(ネオテニーのファウンダー)、Santosh Jayaram(Twitterの元ビジネス運営担当副社長)らの投資家から30万ドルの.シード投資を受けている。

共同ファウンダーのMarte Solizaを含めてInsyncの社員は現在9人 で人材を募集中だ。

Insync 1.0はこちらからダウンロードできる

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


クラウド時代の高機能スプレッドシートをめざすFivetran, 統計やDB機能を充実

Y Combinatorから巣立ち今日(米国時間3/19)ローンチしたFivetranは、スプレッドシートという古酒を21世紀の新しい革袋に入れることをねらっている。とくに力を入れているのが、従来のスプレッドシートが弱かったデータ分析の分野だ。多くの人が今ではスプレッドシートを…相当無駄な時間を投じて…データベースのように利用しているから、Fivetranはスプレッドシートのこれまでの標準的な機能に加えて、SQL的なクェリやMatlabにあるような統計ツールを導入した。

協同ファウンダのGeorge Fraser(CEO)とTaylor Brown(プロマネ)らによると、製品の基本的なコンセプトは、“これまでのスプレッドシートにはプログラミングにできることの50%しかなかったから、残りの50%を持ち込もう”、というものだ。

確かに彼らの言うとおり、ExcelとMatlabの落差は大きすぎる。Fivetranの初期のプロトタイプはかなりMatlab的で一種のプログラミング環境みたいだった。しかし今日ローンチしたものは、通常のスプレッドシートに、高度なデータ分析(回帰分析など)やデータ変換を行うウィザード群と、SQLのselectやjoinの機能を加え、さらにデータのクリーニングやテキストマイニングなどの機能もある。計算はすべてクラウド上(Amazon EC2)で行われるので、ものすごく大きくて複雑なスプレッドシートでも作れる。

チームがこのSaaSスプレッドシートの開発に着手したのは昨年の12月で、現状ではExcelのドキュメントや、CSVやJSONのファイルをアップロードしてすぐに仕事を始められる。チームの長期的プラントしては、このスプレッドシートの表面的な機能(ユーザ体験)を縁の下の本物のデータベースが支える、という形も構想している。Fivetranのパワーを人びとに分かってもらうために、(全米大学バスケ大会)「3月の狂乱」(March Madness)対戦表シミュレータや一連のチュートリアルも提供している。

ユーザは自分のデータをアップロードし、Fivetranの”step”システムを使って操作する。その計算に基づいて、副次的なシートも作られる。これまでのスプレッドシートに比べるとかなり高度だが、Excelの公式(SUM(a,b)など)もそのまま使える。

今チームはスプレッドシート用のユニットテスト(各部分の試験)や改版履歴コントロール機能を開発中だ。

Fivetranの料金体系は、Webのホスティングサービスのそれに似ている。無料では、作れるプロジェクトが5つまで、使えるメモリは1GBまで。月額20ドルのベーシックプランではメモリ5GB、プロジェクト数10。最高は月額80ドルで、メモリは16GBまで使える(非常に大きなスプレッドシートだ)。

全体としてこれは、クラウドコンピューティング時代の新しいスプレッドシートとして、きわめて興味深い取り組みだ。企業の情報部門などには、近年のデータの増加とともに旧来のスプレッドシートではデータ集合に対し歯(刃)が立たなくなっているところも多い。かといって本格的なデータベースや統計パッケージは重すぎる。Fivetranのような高機能化したスプレッドシートに飛びつくところも多いだろう。Fivetranのによると、初期のユーザたちはすでに週あたり数時間の(スプレッドシート雑務の)時間節約を実現しているという。朝から晩までExcelのセルのコピペばっかしやらされている人は、Fivetranを試してみてはどうだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


大企業役員の道を捨てスタートアップを起業した元SunのScott McNealyにインタビュー

テク業界で、飛ぶ鳥を落とす勢いのスーパーカンパニーと言えば、往年のSun Microsystemsに勝るものはない。そのとき同社を率いていたのが協同ファウンダで当時のCEO Scott McNealyだ。だから今のMcNealyの姿は、見る人にとって一種のカルチャーショックかもしれない。彼は数年前に新しい会社、企業のソーシャル化を助けるWayinを起業して、石ころと砂ほこりだらけのスタートアップの世界に飛び込んだのだ。

今週本誌TechCrunchは、テキサス州オースチンで行われたSXSW(South By Southwest)でMcNealyをつかまえ、大企業からスタートアップへ移行した理由や、その過程で学んだことなどを聞いた。彼の話は、シリアスであると同時に、とてもユーモラスでもあった。

またScott McNealyは本来、歯に衣着せぬテク業界の毒舌論客としても有名なので、その方面の話もいろいろ聞けた。ソーシャルの世界と企業との橋渡し、教育の未来、オープンソースの重要性、テクファウンダたちの人類愛的役割、などなど。では、上のビデオをご覧いただこう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))