犬のダービーは3Dプリント義足のおかげで飼い主と毎朝ジョギングできるようになった

最近、3Dプリントのおかげで自由を取り戻した動物のニュースをよく聞くようになった。今回のダービーは生まれつき前脚に障害があったのだが、3DSystemsの好意によって、飼い主といっしょにジョギングができるようになった。義足の上部はダービーの変形した前足にぴったり合うようなクレードルになっており、下部は独特な楕円形だ。

ダービーに飼い主を探してやったのはPeace And Paws Rescueシェルターのボランティアで3DSystemsのプロダクト・マネージャー、Tara Andersonだった。Andersonはまず前脚の代わりになる車輪を試した。これはある程度効果があったが、やはり自由に走り回れるというには遠かった。 3DSystemsの2人のデザイナーと動物の義肢製作専門家のDerrick Campanaがダービーの前足の3Dスキャン・データを元にカスタマイズされた義足を設計した。

カモ3Dプリントの義足で義足で歩き回れるようになったカモのビデオも人気を集めたが、3Dプリントによるプロトタイプづくりのおかげで犬がこんなに嬉しそうに走り回れるようになったのを見ると心あたたまるものがある。今やダービーは飼い主といっしょに4、5キロも走れるという。何十年も前からこうした義足は作ることは可能だったが、特にペット用には、現実離れした製作費用がかかっていた。そのうちバイオニック・ハムスターやサイバー・フェレットなども登場するだろう。

「これが3Dの良いところです。犬であろうと人間であろうと、より良い生活を送ることを助けることができます。」とAndersonは語る。

via 3Ders

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


サーモスタットのNest、Google Nowから音声制御が可能に


家の中は寒い、しかしサーモスタットは〈はるか遠く〉にある。

サーモスタットまで歩いていって温度を上げることはできる、しかし、〈歩く〉なんて。もしあなたがNestを持っていれば、アプりを開いて設定できる、しかし、〈アプリを手で立ち上げる〉なんて。これっていつの話、2007年?

今日の午前をもって、Nestはあなたの声で制御できるようになった。

今年行ったあの32億ドルの買収を活用するべく、GoogleはNestの機能をGoogle Nowに統合した。暖かくしたい?「OK Google、温度を24度に変更」とスマホに言うだけでいい。

さらにGoogle Nowは、Nestの自動制御設定が開始されるたびにカードを表示する。もし、あなたの帰りを迎えるためにNest自身が温度を上げることにすれば、Nowカードをポップアップさせる。

いくつか注意点を:

  • Google Nowを利用しているため、音声機能がシステム全体で働くのは今のところAndroidだけだ。iOSでも音声コマンドは使えるが、Googleアプリを通じてのみになる。
  • 重要な(当然だと思いたい)ことだが、これをするためにはNestが設置されている必要がある。他のサーモスタットでは使えない。しかし、使えると言って誰かが家の中で叫ぶところを見るのも面白いかもしれない。
  • 音声コマンドを使うためにはNestアカウントで設定を有効にする必要がある。もしGoogleがこれをデフォルトでオンにしたら、びっくり仰天する人が出てくるだろう。

オーケー、Google。こんどは「紅茶、アールグレーのホット」に答えてくれるよう、わが家に教えてほしい。

[via AndroidPolice]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


第3四半期の世界のスマートフォン販売台数は3億台、Xiaomi躍進、Apple巻き返し(Gartner調べ)

世界の携帯電話市場でスマートフォンは66%を占めるまでになっており、2014年の販売台数は12億台と予想されている。いわゆる「プラットフォーム戦争」に関してはAndroidが勝利したが、メーカーに関しては急成長した新興市場での伸び悩みでSamsungとAppleの2強のシェアは低下している。

今日(米国時間12/15)、有力調査会社のGartnerは 第3四半期の世界携帯電話市場の統計を発表した。販売総数は3億100万ドルで昨年同期比(以下同様)20%のアップとなった。AppleとSamsungの合計シェアは37%と7%ポイントのダウンとなった。

携帯電話の全体の販売台数は4億5600万台で昨年同期とほとんど変わらなかった。

スマートフォン市場に関しては、中国のXiaomiが躍進し、初のトップ5入りを果たした。その一方で首位メーカーのSamsungのシェアは減少した。

AppleはiPhone 6に支えられて、3800万台、シェア12.7%との好調だ(他の調査でも同様のトレンドが報告されている)。一方、Huawei alsoもやや増えて3位を確保した(1600万台、5.3%)。

とはいえ、1位のSamsungは2位以下に依然として大差をつけている。同社のスマートフォン販売台数は7300万台、24.4%だった。ただし昨年同期比では8%ポイントの減少だ。携帯電話全体では9400万台、シェアは20%だった(5%ポイントのダウン)。

Xiaomiの販売台数は1600万台、シェアは5.2%で、4%ポイント近くアップした(昨年の第3四半期にはわずか360万台だった)。Gartnerによれば336%と調査した全メーカー中最高の成長率だったという。この爆発的成長は主として中国市場での成功による(シェアでトップとなった)。

Xiaomiの急成長はSamsungとAppleのヘゲモニーに対する挑戦者が現れたという点で大きな影響があるが、その成功の理由も注目される。

一言でいえば、先進国の成熟市場(Samsungが強い)で、ほぼ需要が飽和点に達し、市場の成長は急激に減速したのに対し、新興市場では過去最高の成長が始まったことが原因だ。

Gartnerによれば「地域別にみると、東欧、中東、アフリカでは第3四半期に前年同期比で50%弱という過去最高の成長率を記録した」という。Xiaomi始め中国メーカーはこれらの市場に低価格Androidを当初から売り込んでいた。Samsungにとってもっとも重要な市場の一つである中国で、同社のシェアは28.6%も減少した。

対照的に、西ヨーロッパでのスマートフォンの販売台数は5.2%減少し、減少は3期連続となった。成熟市場ではアメリカが最高の成長率を示し、18.9%の増加となった。Gartnerによれば「iPhones 6と6 Plusの成功によるもの」だ。

GartnerはAppleは「好調を維持し、第4四半期に記録的売上を達成するだろう」という。

メーカーごとの浮沈はあるもの、いわゆる「プラットフォーム戦争」についてはAndroidの勝利ということになったようだ。世界のスマートフォン販売台数2億5000万台ののうち、2位のAppleを大きく引き離して、Androidは83.1%を占めてトップとなった。Windows Phone、BlackBerry、その他OSはすべてシェアを落とした。 Windows Phoneの販売台数は昨年同期とほとんど変わらない900万台だった。Microsoftがこの窮状を簡単に打開できるようには思えない。最終的にはスマートフォンという亡霊を追うのを諦めるのではないだろうか?

スマートフォン以外のフィーチャーフォンも退潮の一途で、販売台数は25%のダウンとなった。

Gartnerはフィーチャーフォンの減少の原因をスマートフォンの魅力によるものというより、エントリーモデルのスマートフォンとの価格差が縮まったことに求めている。スマートフォンは世界の携帯電話販売台数の66%を占めているが、Gartnerの予測によれば、2018年に90%に達するだろうという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook


リーフブロワー×4台とベニヤ板で素晴らしく間抜けなホバーボードを作った男

なんかホバーボードみたいなことを体験したいけど、1万ドルも近くに銅製ハーフパイプもない人へ。

諦めるのはまだ早い! テキサス州のryan Cravenが証明した通り、リーフブロワー4台とベニヤ板少々と強力ガムテープがあれば、似たようなことはできる。

ここでの免責事項は、その他の2014年の「ホバーボード」たちと同じ:イカしているけどマーティー・マクフライにはなれない。地面と自分との間に摩擦らしきものがないので、上に乗ってボードがどこへ行くかを操縦することは殆どできない。行くがままにするほかない。それでも私は、バッテリーが死ぬか落ちて両手を骨折するまで乗り続けるだろう。

Arx Pax Hendoが、実に高度な磁気浮揚システムを使って浮かぶのに対して、こちらはシャワーカーテンの中に作られた空気ポケットを使う。Hendoが重力と戦うために叫び続けるのに対して、こいつは無限にオナラ音を出し続ける。引き分けとしたい。

自分で浮揚放屁マシーンベニア板ホバーボードを作りたい人は、安全ゴーグルを用意したら、ここへ行って作り方を習おう。

[via engadget]

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WiLとソニーがIoTの新会社「Qrio」設立へ――第1弾プロダクトはスマートロック

ベンチャーキャピタルのWiLが、彼らのファンドに出資するソニーと組んで新会社「Qrio」を12月中旬にも設立する。新会社の資本金は3億3350万円で、出資比率はWiLが60%、ソニーが40%。代表取締役には、WiL General Partnerの西條晋一氏が就任する。

WiLは設立当初から、スタートアップへの投資に加えて、大企業とスタートアップの架け橋になったり、大企業の保有する技術を世に出したりするといったことをうたっていた。今回の新会社は、そんな取り組みの1つの形だ。西條氏に聞いたところ、新会社設立はWiL側からの提案だったそう。「ソニーは構造改革をしつつ、新しいことに挑戦している最中。カーブアウトについても検討しているが、まずは僕らから提案した」とのこと。

Qrioが提供するのはスマートロック「Qrio Smart Lock」だ。すでにクラウドファンディングサービス「makuake」を通じて購入が可能だ。価格は2つセットで2万2500円からとなっている。12月12日にプロジェクトは発表されたが、すでに現在(17時40分)時点で目標金額150万円中、約122万円が集まっている。

西條氏はQrioの設立に向けて、海外製品を中心に、実際に複数のスマートロックを取り寄せ、ソニーの技術者とともに分解したり、使用してみたりしたのだそう。だが中には品質に満足いかないものも少なくなかったようで、「Airbnbが登場し、人の働き方も変わってきた。ベビーシッターやシェアハウスなどのニーズがある中で、ちゃんとした製品ををちゃんとしたメーカーが作ることは大事」と語る。僕も建築業界の関係者から「セキュリティ面が担保されないと、ウィークリーマンションやAirbnbで貸すような部屋など導入は限定的になるかもしれない」という話を聞いたことがある。

ちなみにWiLでは日本版Airbnbとも言える「TOMARERU」を手掛ける百戦錬磨にも出資している。同社のサービスとスマートロックの連携は「可能性はあるし、比較的容易だと思う」(西條氏)とした。

スマートロックはQrioの第1弾のプロダクトということで、今後もIoT関連の製品を提供することを検討中だそうだ。また、ソニー以外の出資者と組んで別領域での新事業を展開するという可能性もあるとしている。

海外では、「August」や「Kevo」、「Goji」などのスマートロックがあるようだが、最近では国内でもスマートロックを手掛けるプレーヤーが増えてきている。TechCrunch Tokyoのスタートアップバトルに登壇してくれたフォトシンスの「akerun」や、電通子会社の電通ブルーの「246(ニーヨンロック)」などもそれぞれ発売を控えている。


Da Vinci 1.0 AiOは3Dプリンターの未来を体現―レーザースキャナー搭載の3Dコピーマシン

XYZPrinting da Vinci 1.0 AiOは3Dプリント・マニアのための3Dプリンターだ。AiOの筐体にはABS 3Dプリント・システムとレーザー3Dスキャナーが一体化して組み込まれている。底にはターンテーブルが設けられており、オブジェクトを乗せるとゆっくり回転し、レーザーが形状データを読み取る。そのデータにもとづいてオブジェクトが3D出力される。文字通り3Dコピー・マシンだ。オブジェク・イン、オブジェクト・アウトのシステムというわけだ。スタートレックのファンなら「レプリケーターだ!」と叫ぶだろう―たしかにそれに近いものではある。

われわれはbitを自由に操る時代から原子を自由に操る時代に足を踏み入れつつある。AiOは3Dとしては世界最良というわけではないだろうが、3Dコピーを家庭やオフィスで可能にする。この意味は立ち止まって少し深く考えてみる必要がある。ほんの数年前まで、そんなことは不可能だ、SFの世界の話だと思われていた。それがあっさり実現してしまったことも驚きだが、最大の驚きは価格だ。AiOはわずか799ドルだ。799ドルで、最大7.8(19.8cm)×7.8(19.8cm) x7.5(19cm)までのオブジェクトを3Dスキャナーでスキャンし、ABS素材で出力できるのだ。高性能のカラーレーザープリンタでもそのぐらいする。

実際の作動はどうか? AiOはすべての面で満足な作動をみせる。出力は驚くほど滑らかで解像度も高い。私がテストした3D出力(下の写真)の品質は十分合格だ。Marioのスターツリーは任天堂ストアから取り寄せたかと見まがうばかりだ。これらの出力物には一切後処理を加えていない。音も静かだ。聞こえるのはノズルを移動させるモーターとファンの作動音だけだ。

ただしスキャンニングは事前の計画が必要だ。光を反射するオブジェクトは避けた方がよい。またつや消しの表面でも一部のディテールは失われる。陶器の象と石膏のガーゴイルを試してみたところ、ガーゴイルはうまくいったが象はダメだった。しかしライオンの小像はすばらしい出来栄えだった(頭部に若干の欠けが発生)。無

というわけでこれは驚くべきマシンだ。しかしいくつか注意点もある。まずAiOは非常に大きい。おそらくMakerbotの2倍はあるだろう。たいていの家庭用レーザープリンターよりもかさばる。またいくつか重要な限界がある。

AiOが正常に出力している間はまるで魔法を見ているようだ。しかしひとたび何かがうまくいかなくなると大変だ。プラスティックがノズルの周辺で固まり、小さいピンセットで忍耐強く剥がさねばならない。このマシンは一体型ですべては筐体の中にきちんと収まっている。そのためプリントヘッドに手を届かせるのが難しい。AiOではオールインワン型の3Dプリンターの良い点と悪い点がともに極端な形で出る。そしてHPその他のインクジェットプリンター・メーカーがとっくに知っていることだが、プリンターはインクで利益を出すビジネスだ。

AiOは1.75mmのABSフィラメントを収めた専用カートリッジを使う。カートリッジにはEEPROMが仕込んであって、ユーザーが自由にリフィルできないようになっている。しかし ハックは可能だ。もっとも600gのカートリッジがわずか30ドルだが、それでも自分でフィラメントを選びたいホビイストは多いだろう。

しかし普段は専用カートリッジを使うとしても、XYZPrintingがこのカートリッジの生産を止めたり、あるいは倒産したりしたときにはハックする方法を知っていないと困ったことになる。しばらく待てば、もう少し精度の高いスキャナーとオープンなフィラメントを使える3Dが登場するだろう。しかしそうした新型が799ドルで手に入るようになるまでにはしばらくかかるのではないか?

一言でまとめれば、AiOは手の届く価格で驚くべき機能を備えた製品だ。3Dマニアならなんとしても試してみたくなるはずだ。

〔原文にはスライドショーで写真多数あり〕

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フォードの新車載IT、Sync 3はすぐれもの―OSはMicrosoft AutoからBlackberry QNXに乗り換え

フォード・モーターは今日(米国時間12/11)、次世代の車載情報システムを発表した。Sync 3と呼ばれるこのシステムは旧版に比べてはるかに高速で使いやすく、機能豊富なものに仕上がっている。しかしわれわれにとって最大の驚きは、OSがMicrosoft AutoからBlackBerry QNXことだ。

フォードがSyncの初代を発表したのは大昔で、2.0にアップデートされてからも数年経つ。Sync 3はSync 2に比べてあらゆる面で劇的な改良となった。

以前のSyncはひどいもので、タッチスクリーンとスマートフォンの機能がごたまざにしたコントロールは遅く、わかりにくく、反応するまではっきりわかるタイムラグがあった。コンシューマー・リポート誌に「車載ITがひどすぎるからフォード車は買うな」と書かれたほどだった。

本社敷地の奥深くで小人数のジャーナリストのインタビューを受けたフォードの副社長、CTOのRaj Nairは「Sync 3はフォード車の歴史中、もっとも深く研究されたプロダクトだ」と述べた。開発には18ヶ月かけ、フォード車のオーナー、2万2000人にベータテストを依頼したという。その結果、前のバージョンとは共通点がほぼゼロとなった。

Microsoft Autoプラットフォームの代わりにBlackBerry QNX OSが採用され、ハードウェアはTexas Instruments製だ。残念ながらSync 3は以前のSyncとは完全に別物のなので私の車を含め、既存の車種には後付けできない。

新しいプラットフォームのメリットは即座に感じられた。Sync 3は遅れなしにきびきびと反応する。UIはわかりやすくデザインはスマートだ。メニュー、画面切り替えも直感的に素早くできる。

Nairによれば、Fordの開発チームは最新のスマートフォンとタブレットをユーザー体験の目標としたという。そこでピンチによるズーム、スムーズなスクロール、画面の下部に常に表示されるメニューバーなどが実装された。

事実、新しいSyncはタブレットに近い操作感覚だ。スクリーン下部に「オーディオ、空調、電話、ナビ、アプリ、設定」と6つボタンが常に表示される(カーナビ・モードの場合のみ地図を広く表示するために一時下に沈んで隠される)。

アプリメニューからはPandoraのようなスマートフォンアプリが利用できる。フォードはオーナーの8%がスマートフォンを持っていることを知り、特にスマートフォン・アプリとの連動に力をいれたという。そのためフォードは有力なアプリ・デベロッパーと提携しており、Sync 3が新車に搭載されるときには、Spotify、Pandora、Stitcher、NPR One、SiriusXM Radio、iHeartRadio Autoが利用可能となる。



カーナビの検索機能も大きな改良点だ。ユーザーがWと入力すると先読み予測でWalmart、Walgreenなどの候補が表示される。検索用データはTelnavの提供で、地図の画像データと共にデバイス内にローカルに保存される(地図の利用は有料となるもよう)。ソフトウェアのアップデートはWiFi経由だ。

Fordの高級車ブランドであるリンカーンもこのシステムが搭載されるが、カラースキームを別バージョンになるようだ。

ただしフォードはAndroid Auto、Apple CarPlayの搭載を完全に断念したわけではなく、依然研究中ということだ。

Sync 3はSync 2とまったくご完成がなく、実際に消費者の手にわたるのは来年発売される新型車からとなる。私がSync 3に触れることができたのはほんの数分だったが、非常に大きな改良が行われたことは確認できた。Sync 3はAudiやBMWのシステムほど派手ではないし、Chrysler Uconnectとくらべても地味だ。しかしほとんどの消費者の要求に十分に答えられる水準に仕上がっている感じた。.

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Hemingwriteは、Eインクとクラウドストレージのある現代版タイプライター


気の散らない入力用ソフトウェアはなくなりそうにない。実際には90%のユーザーが一度使ってそれっきりであることに私は賭けるが。デトロイト発の新しいハードウェアスタートアップは、ユーザーが書くことに専念するには物理的ソリューションが役立つだろうと考えた。電子書籍リーダーが、ウェブのあちこちに気を取られることなく読書に没頭させてくれるように。

今日(米国時間12/10)KickstarterでデビューするHemingwriteは、機械式キーボードとEインク画面を組み合わせた携帯執筆器だ。ノートPCやiPad+キーボードのコンビ等、他の方法の複雑さを避け、Twitterの虚無なおしゃべりや、Facebookの無価値な暗雑音をはじめとするソーシャルメディアの絶え間ない説教を遮断する。

ハードウェアは魅力的で、タイプライターを彷彿させながらも、単なる模倣ではないレトロデザインだ。フォルダーに保存した文書を探すため、あるいはWiFiのオンオフやネットワークをスキャンするための機械式ボタンもある。文字数やどれだけ作業を続けているかを示すタイマーなどの状態表示もある。

6インチEインクディスプレイと簡易な機能の組み合わせによって、バッテリーは通常の使用で4週間以上持続する。折り畳みハンドルも内蔵しているので、この4ポンド(1.8 kg)のガジェットをどこにでも持って行ける。Eインクということは、明るい昼間でもタイプできることを意味しており、暗い場所で使うための前面ライトも付いている。クラウドと同期することによって、プラットフォーム上の他のアプリで書き始めた文書の続きを書くことかできる他、Dropbox、Evernote、iCloude、OneDrive、SpiderOak、およびGoogle Docsで、直接書き始めることもできる。

設立チームのAdam LeebとPatrick Paulは、ソフトウェアと機械工学製品の経験を持ち、本格的な製造会社と提携して製品化を行う。

出荷は2015年9月の予定で、小売価格は499ドルだが支援者は349ドルで予約できる。言ってしまえば簡易ワープロアプリしか走らないパソコンに払うには大きな額であり、例えばChromebookの方が安く買える。しかし、もし本当に集中して文章を書きたいなら、メッセージ過剰の世界における、最良の選択かもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


棚卸用ドローンシステムが間もなく登場。見えない場所でドローンを有効活用

Amazonでは商品棚をまるごと移動させるカニのような形のロボットが活躍している。こうした在庫・配送管理システムにはまだまだ発展の余地があるようで、倉庫内を「飛行」して在庫状況を確認するロボットがまもなく登場してくる予定らしい。

開発しているのはドイツのFraunhofer Institute for Material Flow and Logisticsで、倉庫内を動きまわりながらRFIDタグやバーコードを読み取ることができる。InventAIRyと呼ぶ仕組みで、単数もしくは複数の自律型ドローンによって在庫情報を短時間で収集することができる。

本プロジェクトの目標は自律的にルート設定して情報を収集する飛行ロボットを開発することです。室内でも屋外でも利用できるように考えています。バーコードやRFIDタグを使って、商品の所在を確認するわけです。ロボットを飛行させることで、床の状況に関係なく動きまわることができるようになります。また高いところにあって地上からはアクセスしにくい場所にも簡単に接近することができるわけです。

こうした自律型ロボット自体は新しいアイデアとはいえない。ただ、これまではドローンをビールなどのデリバリーに使ったり、そしてその結果事故を起こしたりもしていた。ドローンをひと目につかないところで活躍させようというのが、むしろ面白い観点だといえようか。周囲の状況などについては自動で把握するようになっているそうで、複雑なビーコンシステムや屋内GPSシステムを導入する必要もないようだ。

倉庫内でのドローン活用はなかなか面白いアイデアだと思うが如何だろうか。

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(翻訳:Maeda, H


手書きスケッチをAdobeベクトルデータに変換するモレスキンのスマートノートを使ってみた

われわれは11月にMoleskineのAdobe CCベースのスマート・ノート について書いた。しかし今回、実際に使ってみて、たしかに役に立つ製品だと確認できたのでもう一度紹介してみる。仕組みについて上のビデオをご覧いただきたい。iPhoneのユーザーでAdobe Creative Cloudの契約者なら、手書きのスケッチを即座に2000ドルのデジタルタブレットとHDディスプレイの組み合わせを使ったのに劣らないレベルの.SVGファイルに変換することができる。

ページにはアンカーポイントが印刷されているが、撮影時とまったく同一の角度でデジタル版が作成される。つまり自動的に角度の補正は行われない。しかし生成されるのがAdobe Illustrator互換のベクトルデータなのでスキャンされたラスターデータより修正、編集ははるかに容易だ。またスケッチをiPhoneで撮影する(現在専用アプリはiPhone版のみ)ほうがフラットベッドスキャナーやハンディースキャナーを使うよりずっと簡単だ。

用意するものがMolesskineノートと専用アプリをインストールしたiPhoneだけというシンプルなシステムだが、生成されたデータは細部まで忠実に再現sされており、質は非常に高い。もちろん商用レベルの作品に仕上げるには色やエフェクトを付け加えるなどそれなりの後処理は必要だ。

Moleskineノートは32.95ドルだ。アプリは無料で、iOS7.1以降を搭載したアiPhoneまたはiPadで作動する。またCreative CloudのIllustratorが必要だ。しかし多くのビジュアル・クリエーターはその要件を満たすだろう。そういうクリエーターにとってはハイエンドのデジタル入力タブレットをどこへでも持ち歩けるようなものだから、メリットは大いにある。しかも電源を心配する必要もないし、飲み物をこぼしても壊れることもない。 WacomのInklingも似たような機能を提供するとしていたが、私が実際に試すことができたこの種のシステムはMoleskineが初めてだ。宣伝どおりに機能することは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


レビュー:Nexus 9にメカニカルキーを備えたすぐれものキーボードケース登場

HTC Nexus 9は、改変されていない純粋なAndroid OSを搭載した最新のタブレットで、非常に優秀なハードウェアである上にAndroid環境全体を大きく前進させた5.0 Lollipopを搭載している。 Googleはキーボードを内蔵し、磁石で付着するカバー、Nexus 9キーボード付きケース Folioをアクセサリーとしてリリースした(日本のPlayストアでは「近日発売」)。 キーボードには適度なストロークのメカニカル・キーが内蔵されており、Microsoft SurfaceのType Coverに近い製品になっている。

この製品をみると、Androidタブレットに関するGoogleの長期戦略はiPadのようなハイエンド・タブレットと競争することではなく、企業向け低価格ノートパソコン分野をターゲットにしているのではないかと思えてくる。

FolioキーボードケースはiPadのケースと同様、磁石を備えているが、反対側にメカニカル方式のフルキーボードがある。 このキーは押すと快適なクリック感とともにちゃんと沈む。Appleのワイヤレス・キーボードに比べると、ややストロークは不足しているかもしれないが、キー間隔を詰めたデザインは似ている。

Folioキーボードケースの磁石コネクターは角度が2段階に変えられる。固定はしっかりしていてずれることはない。驚くほど軽く、Nexus 9に取り付けてもさしてかさばらない。

Nexus 9との接続は簡単だ。内蔵NFCが最初のハンドシェイクを行い、ペアリング自体はBluetoothで行う。Folioには背に充電用micro USBポートがあり、Googleによれば一回の充電でときおり使うだけなら5ヶ月はもつということだ。オン・オフスイッチもあるが、あまり使う必要はなさそうだ。.

Folioは129ドル〔日本のPlay Storeでは1万5900円〕で、これは同種のキーボードケースとほぼ同一の価格帯だ。Nexus 9との連携は完璧だし、即座に取り付け、取り外しができる。感圧式キーボードと比較してメカニカル・キーボードの使いやすさは圧倒的だ。Android専用キーも用意されており、ショートカット・キーもすべて問題なく作動する。

Nexus 9のファンなら見逃せないアクセサリーだが、私としてはこのコンボが簡単な業務で使う場合に標準的なノートパソコンの代わりになるかどうか注目している。 いずれにせよ本体にこれほどシームレスにマッチしたアクセサリーは珍しい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


なんと! バーチャルリアリティーが手で触れる―音波で触覚を刺激するシステム登場

奇妙に聞こえるかもしれないが、バーチャル・リアリティー内で触覚を実現するカギになるのは音波だという。イギリスのブリストル大学の研究者チームは超音波によって現実に存在しい対象を触覚させることができる新しいテクノロジー開発の開発に成功した( New Scientist)。

Ben Longが率いるチームは、スピーカーによって高い音圧を発生させ、皮膚を刺激して触覚をシミュレーションするシステムを作った。

VRと連動させるためにはLeap Motionのコントローラーが用いられている。このデバイスは2010年にクラウドファンディングで資金を集め、2013年から出荷されている。コントローラーがユーザーの手の位置を検出し、たとえばOculus Riftヘッドセットで描写される環境と連動させて、適切な音波刺激によって手があたかも現実の物体に触れているかのように感じさせる。

このシステムで触覚シミュレーションを行う場合、デジタル画像と同様、解像度の問題がある。現在のプロダクトでは対象はわずかに振動しながら空中に浮かんでいるように感じられる。また対象の形状を細部にわたって再現することはできない。チームは小型のスピーカーのアレイを利用することによって小さなオブジェクトや細かい形状の再現ができるようにするための研究を行っている。画像でいえば表示できるピクセルを増やそうとしているわけだ。

本当にリアルな没入的バーチャル・リアリティーを実現するためには、触覚は不可欠の要素だ。このテクノロジーは初めてその可能性を開いたものとして大いにエクサイティングだ。

ちなみにOculus VRは「現在のバーチャル・リアリティーで欠けている重要な要素はコントローラーだ」と述べ、新しい入力手法の開発を始めている。この新しいコントローラーが開発が成功すればいよいよ一般消費者向け販売が開始されるかもしれない。

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Intel、Google GlassパートナーのLuxotticaと提携してスマートグラス分野への参入を画策中

Intelは、本気で(顔面)ウェアラブル市場への参入を目指しているようだ。次バージョンのGoogle Glassに搭載されるチップを提供予定であるとの話も入ってきた。それに加えて、Google GlassのパートナーでもあるLuxotticaと提携するとのアナウンスも発表されたのだ。ちなみにLuxotticaはOakley、Persol、Armani、あるいはCoachなどのブランドの眼鏡を手がけているメーカーだ。今回の提携によって今後、複数年にわたってリサーチや開発などを共同で手がけ、今後のスマートグラスの普及に道筋をつけたいとしている。

どのような役割分担で、どのような行動をしていくのかということについての詳細は明らかになっていない。しかし、2015年にはLuxotticaおよびIntelの共同作業に基づくプロダクトをリリースしようという考えであるとのことだ。Intelの狙いとしては、ウェアラブル分野でぜひとも主導権を握りたいということがある。大いに普及した「モバイル」プロダクトでは主役の座をQualcommなどに奪われたこともあり、その轍を踏むまいとして具体的な行動に移ってきているのだ。

スマートグラスが今後どのようなポジションを占めるようになるのかは、未だいっさい不明の段階ではある。しかしIntelとしては、ともかくモバイル分野で陥ってしまった大失敗は避けたいという考えがあるわけだ。モバイルの重要性を見損じていたという反省があるのは間違いない。Luxotticaの関わるブランドの影響力を考えても、Intelの積極的な動きが市場に何らかの影響を及ぼすことは間違いない。

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(翻訳:Maeda, H


Apple、iPhone 6でAndroidからシェアを奪回、8–10月期は記録的な好成績―日本のみ例外(Kantar調べ)

Appleはここ数年、さまざまな機能を詰め込んだ低価格Android機にシェアを奪われてきた。しかしここに来て最新のiPhone 6シリーズの大成功で少しではあるがシェア奪回に成功したようだ。われわれは10月末に速報を紹介したが、今回私はKantarの主席研究員でアメリカ調査部門の責任者、Carolina Milanesiに取材してさらに詳しい説明を受けた。

WPPグループの調査会社 Kantar Worldpanelが発表した最新の統計によれば、8月1日から10月31日までの3ヶ月で、日本を除く世界中ほとんどすべての市場でAppleのスマートフォンのシェアは微増している。これに対してAndroidのシェアは微減している地域が多い。iPhoneが依然スマートフォンのリーダーであることは明らかで、これは当分続きそうだ。

Android陣営については、地域によってリーダーが異なる。中国ではシャオミー(小米)がシェアトップだが、他の多くの市場では依然Samsungが1位だ。 Milanesiは私の取材に対して「(Android機のメーカーは)Samsungからシェアを奪えず、互いにシェアを奪い合っている」と説明した。例外はアメリカ市場で、LGがSamsungから少しだがシェアを奪った。

ヨーロッパの5大市場、イギリス、ドイツ、フランス、イタリー、スペインではAndroidが70%弱のシェアを占めている。しかし前年同期と比べると2.6%ポイントの下落だ。一方Appleは6ポイント近くアップして20.7%に達した。特にイギリスではAppleは今やスマートフォンの40%のシェアを占めている。昨年同期に比べて10.4ポイントの増加だ。

特にイギリスではiPhone 6が6 Plusに対してて4倍も多く売れたという。統計で実証された数字ではないが、大型の6 Plusは男性に好まれる傾向があるという。Kantarの統計によると、全売上の34%が16-24際のグループによるもので、全購入者の64%が男性であり、Kantarの説明によれば「iPhone 6購入の動機のトップは、4G (51%)、画面サイズ (49%) 、デザイン(45%)」だという。またイギリスにおけるiPhone 6の販売台数の31%は実店舗のAppleストアによるものだ。

Appleがすでに十分成功を収めた市場の動向はやや異なる。アメリカでのiPhoneのシェアは「0.7%の微増」にとどまった。

またアメリカではアンロック版スマートフォンがヨーロッパほど普及していない。iPhoneのキャリアに関してはVerizonが42.2%、AT&T 41.4%と完全に2強状態だ。ただしAT&Tは利幅の大きいiPhone 6 Pluのセールスでは63%と好調だった。

アメリカではiPhone 6がiPhone 6 Plusの3倍程度売れている。6 Plusの購入者は6よりもやや年齢が上だという。

「発売後1ヶ月でiPhone 6は33%の市場シェアを獲得し、8-10月期でもっとも売れたiOSデバイスとなった。iPhone 5sは26%で2位、iPhone 5cが18%で3位、iPhone 6 Plusは10%だった」Milanesiは説明した。

Appleはヨーロッパで大幅な伸びを見せたが、Asiaではさほどでもなかった。

中国ではAppleのシェアは前年同期に対して0.2ポイントアップの15.7%だった。売上が伸びなかった理由は10月にはいるまでiPhone 6の販売を開始できなかったことが大きい。シャオミーはシェア30%を獲得してトップに立った。iPhone 6は10月17日から31日までの期間の販売しか計上されていないにもかかわらず、シェアは3位だった。

ところが、世界中で一箇所だけAppleのシェアが大幅に減少した大市場がある。日本だ。ここ数年、日本はiPhoneのシェアがもっとも高い市場だったし、日本の市場調査でも依然としてトップの売れ行きを示している。われわれはKantarにこの現象の原因についてコメントを求めている。あるいは製品の供給がネックになったのかもしれない。

下に詳しい対話的統計レポートをエンベッドしておく。

〔日本版〕10/30の速報記事の日本版注でも日本市場におけるiPhoneシェアの大幅減について触れたが、Kantar側でも正確な原因がつかめていないようだ。引き続き注目したい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、iPhoneを落としたときにネコのように空中で姿勢を変える特許を取得

今日(米国時間12/2)、アメリカ特許商標局はAppleに新しい特許を認めた(AppleInsider)。このシステムは、自由落下中にiPhoneの姿勢を変化させ、地面に衝突するときの角度を最適化することによって衝撃によるダメージを最小限に止めようとするものだという。

この特許にはヘッドホンケーブルの切り離し装置や落下中に姿勢を変えるための格納式の羽といったさらにファンタスティックなアイディアも含まれている。イーロン・マスクはSpace Xの再利用可能な衛星打ち上げブースターの姿勢制御に空力的な翼を実験中だが、なんとAppleはこれをiPhoneに組み込もうというのだ。

特許の核心部分は、かなり現実的で、すでに存在している要素を巧みに利用している。姿勢制御に用いられるのはiPhoneのバイブレーション用モーターだ。といっても、実はバイブレーション用モーターはiPhone6/6 Plus以前のモデルにしか搭載されていないので、すぐに実用化されるとは考えにくい。6/6 Plusは振動を起こすためにこの特許に含まれているようなモーターを利用していない。

またこのシステムは落下軌道と着地角度を判定するために加速度計、GPS、ジャイロという既存のセンサーの他に超音波発振器を必要とする。これらのセンサーからの情報をリアルタイムで処理し、バイブレーションモーターを駆動してその反作用によって姿勢を制御するわけだ。これは文字通り宇宙工学レベルの処理で、そうとうなリソースを消費するだろう。落下によるダメージをわずかに軽減するためにしてはいささか大げさではある。

そうはいっても、落としてディスプレイにヒビを入らせてしまうというのがスマートフォン・ユーザーにとって最大の悩みの一つであるのは事実だ。読者も身の回りでクモの巣のようにひび割れたiPhoneをよく見かけてきたことと思う。この点について多少なりと意味のある改善ができれば大きなセールスポイントになる。どれほどとっぴに見えるアイディアでも、将来なんらかの形で実用化されないとはいえないだろう。

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ドローンにもそろそろルール作りが必要だ

誰もが空飛ぶ芝刈り機ドローンを手にするようになって事態は急速に悪化しつつある。今年のクリスマスにはこれまでにない数のクアドコプターが売れ、それにともなって近所の空港(国際空港だろうとおかまいなしに)や観衆で満員のスタジアムの上空にドローンを飛ばそうとする愚か者が大勢出ることだろう。

その種の愚行とアメリカの大衆が漠然と抱くあらゆるドローンに対する反感とがあいまって、近くクアドコプターその他のドローンの運用を規制する規則が制定されてることになりそうだ。それ自体はけっこうなことだ。現在のFAA(連邦航空局)のドローンに対する規制には不明確な点が多々あって、一日も早く明確化されることが望ましい。

長い間、ホビイストは誰にも規制されることなく無線操縦のモデル機を自由に飛ばしてきた。そもそもリモコン・モデル機は操縦も難しければ価格も高く、絶対数が少なかった。ホビイストのほとんどは良識ある人々で、AMA(モデル航空機協会)が定めるガイドラインを守っていた。

しかし今日では、ジンバルにセットされたHDカメラを搭載する強力なクアドコプターが1000ドル以下で手に入る。操縦には特に技量は必要ない。誰でも鮮明な空撮ビデオが撮影できる。すごい進歩だ。私自身もドローンを飛ばして楽しんできた(クラッシュさせたことも何度かある)。 しかし(特にアメリカでは)、「ドローン」という言葉を聞くたびに飛び出してきてケチをつけようという勢力も台頭してきた。Drudge Report(センセーショナリズムのお手本)はドローンがらみのホラーストーリーを これでもかというほど掲載している。

FAAは近く、ドローン規則の最初の素案を公表する。これは主としてドローンの商用利用を規制するものとなる。もちろん誰も新たな規制や規則を欲しがるものはいないが、私としてはドローンで何が出来て何ができないのかをそろそろ明確にさせるべき時期だと考えている。たとえば家を売りたい人が小さなDJI Phantomで建物を空中撮影するのも法的にはグレーゾーンだ。現在準備されているFAAの素案はかなり厳しい制限が課せられる(操縦免許、1機について1人の操縦者、等々)もののようだが、FAA案が公表されれば、広く討論が行われることになるだろう。しかし、現在のドローン規制があまりに漠然としており、不明確なせいで新しいドローンの開発をためらっているスタートアップは数多い。FAAの当初案の規制がいかに厄介であっても、なにができるかの明確化の第一歩としては評価しなければならないだろう。

不注意なホビイストが一人いるだけで全員が迷惑を被ることになる。規則が制定されないままに、深刻な事故が一件でも起きたら終わりだ。.

というわけで今年のクリスマスに向けてクアドコプターを買う皆さんは、箱を開けたら機体を抱えていきなり表に駆け出さず、まずはAMAの全国モデル航空機安全基準を熟読してもらいたい。ここには最高高度は400フィートであること、空港から3マイル、他の人々から100フィート離れねばなないことなど基本的なルールが書かれている。 次にこの地図を開いて自分の位置を確認すること。影がつけられたエリアはドローンの飛行が禁止されている。国立公園内もドローン禁止だ。マンハッタンのどまんなかでドローンをクラッシュさせて逮捕された愚か者の真似をしないように。

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外は寒いよ、とスマホで教えてくれる超小型センサー、Climeが予約受付開始


数ヵ月前、私が最初にClimeを紹介した時、それはまだ3Dプリントされた小さな塊りでしかなかった。

つまるところ、これは小さな室内/室外温度計である。どこにでも置いておけば、モバイル端末から温度をチェックできる。似たようなもの ― かつては “weather thermometer”[天気温度計]等とと呼ばれていた ― を持っている人がいるかもしれないが、以前のシステムはずっとレスポンスが悪く、ずっと大きかった。

Climeの作者たちは、現在クラウドファンディングを募っていて、5万ドルを目標にしている。

Bart ZimnyとAndrzej Pawlikowskiが作ったこのデバイスは、ゴムを纏った発信機だ。前にも書いたように、どこでも測定したい場所に ― 窓枠や誰もいない部屋や薄気味悪い地下室 ― 設置しておけば、あとはこの機械がやってくれる。目標は、センサーを基盤とする安価なホームオートメーションシステムを作ることだ。

いずれは、温度調節機との接続や実際に外が寒いのはいつかを教えてくれる通知システム等の機能を追加する計画だ。出荷は2015年初めの予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Windows 10のエンドユーザー向け新機能、1月発表へ


Windows 10は、デベロッパー・プレビュー版のおかげで、既にある程度内容を知られているが、Microsoftは1月後半にその消費者向け機能を正式発表するイベントを開催する予定であると、The Vergeの最新記事が伝えている。1月のイベントでは、エンドユーザー向け新機能や、新たなタッチ入力方式 “Continuum” の説明があるはずだ。

ほかにも、Windows 10がスマートフォンやタブレットでどのように動作するかの解説や、Xbox Oneダッシュボードの改訂等が話題になるだろう。Windows 10は、Microsoftの全ハードウェア製品を、単一プラットフォームの下に統合することを目的としているので、全機種で提供された時、どのように連携して動くのかを見る最初の機会になるかもしれない。

Windows 10は、「2015年中頃」に発売されると言われているので、この1月イベントで一般向けにこのOSが提供されることを期待できない。正確な日時等の詳細も近いうちにわかるはずだ。

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クリスマスプレゼントにドリフト、スピン自由自在のクレージーなRazor Crazy Cartはいかが?

以前もRazor Crazy Cartについて書いたが、そうとうにクレージーなシロモノだ。今回は実際にウチの子供たちが乗っているもようをビデオでご紹介する。もし十分なスペースとヘルメットなどの安全用具を用意できるなら最大時速32kmで走り回れるこの乗り物に子供たちは大喜びするだろう。開発したのはRazorスクーターの会社だ。

Crazy Cartは、重心が極端に低い頑丈な電動ゴーカートだ。クレージーな操縦装置を備えており、極端な急旋回やドリフトが思いのままにできる。満充電で40分乗れる。対象年齢は9歳以上となっている。小さい子はペダルに足が届かない。ヘルメットなどの安全具は絶対に必要だ。

ウチの子供たちはまだ今より温かい時期に数週間乗り、文字通り何時間もスピンやスライドを楽しんだ。電池が切れると充電してまた乗るという具合だった。今までに試したこの種のカートの中で最高の出来だと思う。独特の操縦性でスピードが速い上に、非常に安定していてまず転倒しない。たいへんに楽しそうだ。

クリスマス・プレンゼントに最高だろうが、当地、ニューヨークのような寒い地方では外に持ち出すのは気候がよくなるまで待った方が良さそうだ。Crazy Cartが楽しいのはやはり夏だろう。Razorは大人用のXLというモデルも販売しているが―保険がこれをカバーしているかどうか確かめておいた方がいい。大人用は800ドル前後だ

〔日本版〕Crazy Cartは前1輪駆動で、その他の車輪は手押し台車の後輪のように自由な方向を向く。駆動論は左右に180度強切れたところでロックする(360度回転はしない)。車体がどちらを向いていても全体として駆動輪の向いている方向に移動する。

サイドブレーキ風のレバーは後輪のキャスターを変化させる。通常位置では後輪には強いキャスター角が与えられているため車体は駆動輪の向きに追随する。レバーを引き上げると後輪のキャスター角がゼロになるため遠心力で車体が振り出されドリフト(的な)姿勢となる。ブレーキがないので停止させるためにはアクセルを離し、ハンドルを切ってキャスターレバーを引き上げ、スピン状態にして自然に停止するのを待つ。詳しくはマニュアル(PDF)参照。

トイザラスUSで販売しているがアメリカ国外への発送は受け付けていない。

これはRazorが作ったケン・ブロックのジムカーナ・ビデオのパロディー。箱を被せたCrazy Cartで倉庫内を疾走している。

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GoPro、独自ドローンを来年リリースか―アクションカメラ搭載で1000ドル以下

Wall Street Journaによれば、アクションカメラのリーダー、GoProは独自のドローンを開発しているという。新製品はParrot Bebop、DJI Phantom、Inspire 1などに近いものになるようだ。価格は500ドルから1000ドル程度で、GoProのアクションカメラが搭載される。GoProを載せたドローンでホビイストやビデオ映像作家がすでに大量のビデオを撮影していることを考えれば、自然な展開といえるだろう。

ドローン市場への参入はGoPro製品の多様化を図る上でも効果的だろう。現在GoProはアクションカメラという単一製品に頼っており、いわばすべてのタマゴを一つのカゴに入れている状態だ。GoProは自社のカメラ向けの優秀なアクセサリも数多く販売しているものの、有力なライバルが続々とアクション・カメラ市場に現れている現状では、優位性を維持するために新しいことを仕掛けてる必要があった。エントリーモデルのHeroカメラは129.99ドルと低価格だ。アクションカメラ市場での人気をテコに比較的高額で今後の急成長が見込めるドローンという新分野に参入するのは理にかなっている。

Wall Street Journalの記事はGoProの独自ドローンのリリース時期を「来年後半」と予想している。2015年のクリスマス商戦に間に合うかどうか興味が持たれるところだ。GoProはコンシューマー向けドローン市場の2強、ParrotとDJIと差別化する特長を打ち出さなければならない。4K機能を含む次世代カメラ、高度な映像安定化メカニズム、進歩したコントロール・ソフトウェアなどが必要となるだろう。DJIを始め、ドローン・メーカー側でも付加価値でより高価な製品が販売できるよう、独自カメラの搭載を始めようとしている。

GoProはアクションカメラ市場において十分以上の実績を積んでいるだけでなく、価格面でも競争力をもつことになるかもしれない。カメラを搭載したDJI Inspire 1 の市販価格は2800ドルだ。もしGoProがそれに匹敵する能力のカメラ搭載ドローンを半額以下で提供できるなら一挙に大きなシェアを獲得できるかもしれない。

われわれはGoProにこの件に関するコメントを求めている。 なにか情報が得られればアップデートする。

Featured Image: Budi Nusyirwan/Flickr UNDER A CC BY-SA 2.0 LICENSE

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