Androidスマートフォンの新たなベスト機種候補が台湾から登場した。HTC One (M8)だ。スマートな金属製ユニボディは現行HTC One(後付けでM7と命名)を踏襲しているが、ソフトウェアには大幅な改良が加えられている。次のスマートフォン購入候補として検討するに値するモデルだ。
ビデオ・レビュー
基本スペック
- 5.0インチ、1080pディスプレイ
- 2.3GHz Qualcomm Snapdragon 801 クオドコア・プロセッサー
- 2GB RAM、32GBストレージ
- MicroSD拡張可能
- 5MPフロントカメラ、HTC UltraPixelリアカメラ
- 802.11ac, Bluetooth 4.0
- キャリヤなしメーカー希望小売価格649ドル、キャリヤ2年契約249.99ドル
- 製品情報ページ
良い点
- 全Androidスマートフォン中、ベストのデザイン
- スクリーンは実用最大サイズ
問題点
- タッチに誤反応することがある
- 新しいモーション・ローンチ機能が誤アンロックすることがある
デザイン
HTC One (M8)’の最良の部分はまずそのデザインだ。どれもこれも驚くほど似かよったプラスチック製の箱ばかりのAndroidスマートフォン中でHTC Oneは際立った個性を発揮している。AndroidよりAppleのデザイン領域に近づいているといっていいだろう。といってiPhoneのコピーにも陥っていない。
私がテストしたモデルは新しいガンメタル・グレイ仕上げで、スムーズだが滑りやすくはなく、力強い印象を与える。
M8はM7よりかなり大きいが、角の丸みを大きく取るなどの配慮により、ポケットへの出し入れは楽だ。手にした感じも悪くない。M7の裏に描かれていたBeats Audioのロゴがなくなったのと合わせ、M8は最良のAndroidスマートフォン・デザインになっている。
機能
標準のAndroid KitKat 4.4′では左いっぱいにスワイプしてGoogle Nowが表示されるが、One (M8)ではBlinkFeedが表示される。このニュースフィードは邪魔になるかと思ったが、このおかげで以前よりずっと頻繁に各種のソーシャルニュースを見るようになった。Flipboard風のタイル型のプレビューにはFacebook、Twitterなどのソーシャルメディアに加えて暇つぶしに好適なニュースや雑誌が並ぶ。
One (M8)のモーション・ジェスチャー機能は良い点もあるが不満もある。スリープ、復帰などこれまでハードウェア・ボタンで操作されていた機能が、上にスワイプでアンロック、ダブルタップでロック画面表示などジェスチャー操作に変わった。これは便利であるものの、ポケットから出し入れするときに誤作動させることがある。
カメラも大きな改良点の一つだ。二つのカメラを組み合わせたDuo Cameraツイン画像センサーのおかげで’、背景と前景を別々に処理したり、画面の異なる部分に異なるフィルタを適用したりできる。また撮影後に焦点をあわせる箇所を変更することもできるようになった。
これはこれでなかなかおもしろい機能だがこのデバイスに決定的な優位性をもたらすほどではない。またこのリアカメラはさほど解像度が高くない(4メガピクセルのカメラ2台のイメージを合成している)。HTCは「いたずらな画素数レースに加わるつもりはない」としている。ソーシャル・メディアに写真をアップする程度の使い方なら十分だろう。
パフォーマンス
HTCはベンチマークの数字をよく見せかけようとトリックを使っているという批判があるのは知っているが、私自身はベンチマークの数字などには全く興味がない。重要なのは実際のアプリの使用感やウェブサイトを訪問したときの反応だ。
そうした現実のパフォーマンスについていえば、One (M8)はあらゆるAndroidデバイスの中で間違いなくトップクラスだ。 複雑なアプリも画像を大量に含んだページのレンダリングもまったく問題なくこなす。アニメーションもスムーズだし、 HDのビデオ再生も美しい。一般のスマートフォン・ユーザーにとってパフォーマンスで不満を感じるような部分はない。
One (M8)のオーディオはHTC’お得意のBoomSoundで、これもスマートフォン内蔵スピーカー・スピーカーとは思えない音質だ。私はデスクの上にOneを置いて仕事をしながらlNetflixで映画を見たりしたが、オーディオもビデオも驚くほど快適だ。
通話音質ももちろん優れている。付属のイアフォンはiPhoneの付属品より音が良い。WiFiのパフォーマンスも優れており、特に私が自宅で使っている802.11ac接続は高速で、Macfor Wi-Fiとほぼ同じくらいの速度が出た。
ディスプレイ
HTC One (M8)のスクリーンは 5インチ、1920 x 1080で、解像度は441ppiだ。このディスプレイは圧倒的にすばらしい。HTCのスクリーンはカラーバランス、コントラストなどが私の好みに合っているということもある。色調はわずかに寒色系で文字の表示は驚くほどくっきり鮮明だ。
ビデオ再生も1080pのフルHDで非常に快適だ。通勤時間にビデオ見るには最適のデバイスだろう。ただスクリーンがデバイスの表面いっぱいになっているデザインは片手保持の場合に少々具合が悪い。反対側のタッチポイントに指を伸ばそうとすると手の平が画面に触れてしまい、誤動作を引き起こすことがあった。
バッテリー
HTC One (M8)には非常に洗練された省電力モードが装備されており、必要に応じてこまめにサービスをオン、オフする。Extreme PowerSaving Modeは普段は必要最小限の機能のみ作動させ、大幅にバッテリー駆動時間を伸ばしている。しかしこの特別賞電力モードを使わなくてもOne(M8)のバッテリーは十分強力だ。
ドットビュー・ケース
HTC One (M8)と同時に発表されたユニークなアクセサリーがこのドットビュー・ケースだ。ゴムのケースに穴が開けてあり、保護ケースとして役立つと同時にこの穴を通して着信通知や時刻、天気予報などがドットマトリックス式に文字や絵が表示される。
これは面白いアイディアで実際に役立つが、このカバーを外して使う場合、片手ではうまく操作できないのが難点だ。
結論
HTC One (M8)は現在、私のお気に入りのスマートフォンだ。これまではNexus 5とHTC Oneがベストだと考えてきたが、今ではOne(M8)がベストだと考えている。まずスクリーンが優秀だ。デザインもいい。Androidスマートフォンはそれぞれに機能やアプリの豊富さを誇ることはできても、デザインがどれもこれも似たり寄ったりで個性がなかった。これだけの洗練されたデザインを実現したHTCの努力に大いに敬意を表したい。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)