Amazonプライム・ビデオにクリップ共有機能、オススメ作品のシェアが簡単に

Amazon(アマゾン)が、ユーザーが、テレビ番組や映画のビデオクリップを共有できるPrime Video(プライム・ビデオ)の新機能を展開中だ。ソーシャルメディア上やダイレクトメッセージで、クリップを共有することができる。現在、米国のiOSユーザーのみ利用できる。また、当面はテレビ番組に関しては「The Boys」のシーズン1と「The Wilds」「Invincible」「Fairfax」だけとなる。

これら4つの番組では「Share a clip」(クリップを共有する)ボタンをクリックして30秒のクリップを作ることができる。ボタンをクリックするとストリーミングサービスが番組をポーズして、ビデオをクリップして編集する画面になる。それにより観ていたシーンのクリップが作られるが、前や後にずらして調整することもできる。また、共有前にクリップのプレビューもできる。そして「Share」ボタンを押し、InstagramやFacebook、Twitter、iMessage、Messenger、WhatsAppなどにアップロードしたりシェアする。

画像クレジット:Amazon

Amazonによると、今後は同社のオリジナルムービーや連続番組からもクリップをシェアできるようになる。他のストリーミングサービスは、番組や映画からのクリップを共有する機能がないため、Amazonのこのやり方は独特なものだ。NetflixやDisney+、Huluなどは、ユーザーがコンテンツのスクリーンショットを取ることすら禁じており、それをやろうとすると画面が暗くなる。

Amazonのこの最新の機能は、同社がコンテンツの共有に関して他社とは違った考え方であることを示している。ユーザーにクリップの共有を奨励すれば、プライム・ビデオの視聴率の向上も期待できるかもしれない。友だちやフォロワーの人たちはクリップを見て、そんなオリジナルコンテンツがあることを知り、観たいなと思うだろう。

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

モバイルゲームの巨人ZyngaのCEOが広告危機への対応とブロックチェーンゲーミング部門について語る

ウォール街と自身のガイダンスを上回る実績を上げたZynga(ジンガ)は、第3四半期決算で売上7億500万ドル(約804億円)、前年同期比40%を記録し、月間アクティブユーザー数1億8300万人、前年同期比120%増でモバイルユーザー数は過去最大に達した。

第2四半期にはApple(アップル)のプライバシーポリシー変更の深刻な影響を受け、8月5日から11月4日の間に持ち株の30%を売却するという劇的な出来事があったにも関わらず、予測を超えるユーザー数を獲得し、好調のうちに年を終える見込みが立ったことを伝える米国時間11月10日のニュースを受け、Zyngaの株価は急騰した。

ZyngaのCEOであるFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏(画像クレジット:Zynga)

TechCrunchはZyngaのCEOであるFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏をインタビューし、モバイルゲームの巨人がどうやって広告危機を乗り越えながら、クロスプラットフォームの拡大とブロックチェーンへの進出という転換ができているのかを尋ねた。

嵐を乗り切る

4月26日、Apple(アップル)はIDFA(広告識別子)を変更し、デベロッパーにATT(アプリ追跡透明性)ツールを使ってユーザーがiOSアプリを横断して追跡されることからオプトアウトできるようにすることを要求し、モバイル広告エコシステムを震撼させた。ロックダウン中に獲得した新規ユーザーは、パンデミックによる制約が解除されると一気に離脱し、獲得コストは急増した。企業は次々と15~20%の売上減少を報告し始めた、とConsumer Acquisitionは伝えている。中でも最も影響が大きかったのが、Snapchat(スナップチャット)のような広告プラットフォームや広告主のPeloton(ペロトン)、広告プラットフォームでも広告主でもあるZyngaなどだ。

「2021年の中間点は大変でした」とジボー氏がTechCrunchに語った。「当社はIDFAと大きな再開需要の問題の重なりから最初に立ち直った企業の1つです。進路を正すために、広告出費を抑え、新しいツールと技術の実験を開始して、9月には平常状態に戻りはじめました」。

ジボー氏は、「FarmVille 3」の公開を成長速度が回復するまで待ったことを話し、11月4日の発売後、この新作ゲームがiPadとiPhoneのApp Storeでそれぞれ第1位と第2位になったことを大いに喜んでいた。

「最悪の状態を脱したことを実感し、第4四半期に向けて新規ゲームへの投資を拡大できることを喜んでいます。この時期を乗り越えるための鍵は、当社のファーストパーティーデータ(自社で収集したデータ)をChartboost(チャートブースト)プラットフォームでどう使うかです」と、Zyngaが2021年買収した広告ネットワークに言及した。

「プレイヤーが当社のゲームにやってきた時に起きることやプレイしたイベント、当社の既存サービスで広告主が何をしているかなどに関して、私たちは大量のデータを持っています。ファーストパーティーデータを活用することで、会社にとって有益なリターンやオークションを予測するためのモデルを構築することができます」と同氏は語った。

Zyngaは、Unity(ユニティ)、Google(グーグル)、Iron Source(アイアンソース)とも提携して、プレイヤーをターゲットするよりよい方法を見つけようとしている。

「この問題には多くの賢い人が取り組んでいます。これはどちらかというと時間の問題で、答えがないわけではありません。長期的に見て、Appleは健全な広告市場を支える有効なプラットフォームを作ると同時に、プレイヤーのプライバシーを守ろうとしているので、私たちは喜んで協力しています」と同氏は語った。

ハイパーカジュアルを使いこなす

Zyngaのビジネスの80%はサブスクリプションとアプリ内購入の少額決済だが、売上の5分の1は広告によるものだ。ハイパーカジュアルゲームと呼ばれる、シンプルなインターフェースで通常30秒以内にプレイが終わるゲームの人気が広告を支えている。

第3四半期、Zyngaは広告売上を前年同期の2倍近くに伸ばした、とジボー氏はいう。この成功に寄与したのは、Zyngaが1年前に買収したトルコ拠点のゲームメーカーRollic(ロリック)で、Zyngaが同カテゴリーのトップ3パブリッシャーになるきっかけとなった。

「アプリストアのインストール数を見ると、ハイパーカジュアルは最大のカテゴリーです。非常に安上がりのゲームで膨大なオーディエンスにリーチできるので、広告を主要な収益方法として利用しています。当社にとって非常に実入りの良い分野であり、私たちのネットワークにユーザーを誘う理想的な入口です。このネットワークは、2022年以降に当社の成長を支える大規模なパブリッショングと広告のプラットフォームを作るという私たちの野心的計画につながっています」とジボー氏は言った。

すべての道はメタバースに続く

Zyngaが次にリリースする大型ゲームは、「Star Wars:Hunters」で、Androidの一部市場で2021年11月中旬に限定公開し、iOSとSwitchで2022年にテストを開始するとジボー氏はいう。これは同社にとってゲーム専用機で動く最初のクロスプラットフォームゲームであり、「Farmville 3」は、macOSで公開された最初のクロスプラットフォームゲームだった。

ジボー氏は、Zyngaのモバイルゲームを他のプラットフォームでプレイできるようにすることへの関心について話した。

「FarmVilleファンとStar Warsファンはどこにでもいるので、プラットフォーム無依存にして私たちの体験をできるだけ多くの場所に提供するのは至極当然のことです」と彼はいう。「結局私たちは、ゲームは1人より一緒にプレイするほうが楽しいと信じているソーシャルゲーム会社です。だから、革新を起こして新しいことを試すことは会社カルチャーの一部なのです」。

2020年以来、ZyngaはSnapchatGoogle Nest、およびAmazon Alexaでゲームを提供してきた。そしてつい最近、TikTokで同社初のゲーム、Disco Loco 3Dを公開した。これは無料でプレイできる音楽とダンスのチャレンジだ。

関連記事:TikTokがモバイルゲームに挑戦、まずはZyngaとの提携で

「ゲーミングの世界では、次のプラットフォームを逃すと窮地に追い込まれます。そこで失敗すると、非常に痛い目にあいます。だから、さまざまなソーシャルプラットフォーム向けに体験を開発して、チャンスがあるかどうかを見ることは非常に重要だと思いました。Snapchatとの提携では、彼らのエコシステムでゲーミングの存在を大きくするに方法を協力して考え、いくつか良い結果を得ていますが、まだ始まったばかりです」とジボー氏はいい、それらのゲームは概念証明が目的であり収益を生むためではないことを強調した。

Netflix Gaming(ネットフリックス・ゲーミング)は11月2日に公開され、Zyngaの元最高クリエイティブ責任者であるMike Verdu(マイク・バードゥ)氏が指揮をとった、とジボー氏は語った。「Netflixにとって、このビジネスのサブスクリプション部分にどうアプローチしたいのか、ユーザーはゲームをどのような操作するのかなど、検討すべきことがまだたくさんあるので、彼らがサードパーティーコンテンツを受け入れる準備ができているのかどうか私にはわかりませんが、将来どこかの時点で話をするのはとても有意義だと思います」。

さらにジボー氏はこう付け加えた「それがNetflixでもRobloxでもEpicでもValveでも、そこにプラットフォームがあり、私たちのコンテンツがそこにあって聴衆に届けることが理に適っているなら、私たちは間違いなく追究していきます」。

しかし、おそらくZyngaにとって今後最大の冒険は、元EA(エレクトロニック・アーツ)幹部のMatt Wolf(マット・ウルフ)氏を新設のブロックチェーンゲーミング部門の責任者として迎えたことにかかっている。NFT(非代替性トークン)の狂乱がゲーミング業界に吹き荒れ、ブロックチェーンのスタートアップ、Mythical Games(ミシカル・ゲームズ)やAnimoca(アモニカ)やForte(フォーテ)の評価額は過去数カ月で10億ドル(約1140億円)に達し、デベロッパーがゲームを横断して使える永久収集アイテムを作る後押しをした。

「この分野には多くの資金と人材が流れ込んでいます」とジボー氏は言い、決断のタイミングを説明した。「当社のファンダーで会長のMark Pincus(マーク・ピンカス)氏と、長年取締役を務めているBing Gordon(ビン・ゴードン)氏がこの分野に非常に熱心なので、ブロックチェーンは長期的にゲーミングの一部になると私たちは信じています。

ウルフ氏が現在最適な道筋を見極めるための専門部隊を立ち上げているところで、FarmVilleで農場を所有することでエンゲージメントや定着率が向上するかどうかなどを調べる予定だとジボー氏は語った。

「私たちはZyngaのスピードで動くつもりなので、数カ月のうちには何かをお見せできると思います」と同氏は語る。

画像クレジット:Zynga

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(文:Martine Paris、翻訳:Nob Takahashi / facebook

さまざまな便利機能が使えるツイッターの有料サブスク「Blue」が米国とニュージーランドでも提供開始

Twitter(ツイッター)の有料サブスクリプションサービス、Twitter Blueが米国時間11月9日から米国とニュージーランドで始まる。Twitterに最も魅せられているユーザーにアピールするさまざまな機能を提供する。同サービスはiOS、Android、ウェブのいずれにおいても月額2.99ドル(約340円)で利用可能。Twitter Blueは2021年の夏、まずカナダとオーストラリアに登場し、ブックマークを整理したり、Twitterスレッドをきれいなフォーマットで読んだり、ツイートのタイプミスを投稿される前にすばやく修正するなど、さまざまなツールをサブスクライバーに提供した。今回の提供範囲の拡大にともない、Twitter Blueのユーザーは最近公開されたTwitter Labsを通じていくつかの新機能を早期に利用できる他、数百社のパブリッシャーが提供する無広告のニュース記事を読めるようになる。後者はScroll(スクロール)の買収によって可能になった。

そして、追加のボーナスとして、TwitterはScrollのニュース集約サービス、Nuzzel(ナッツェル)を「Top Articles」という名称の新機能として復活させる。

Nuzzelには少数ながら熱心なユーザーベースがおり、TwitterがNuzzelの親会社であるScrollを買収した後、同サービスを終了させたことを残念がっていた。同サービスはTwitterに欠けているツイートの集約レイヤーとして振る舞い、ユーザーのTwitterでつながっている人たちがプラットフォーム上で何を読み、何をシェアしているかを見せてくれる。Twitterのトレンドをただスクロールしていくのと比べて、何が話題になっているのかをよりパーソナルな形で提供する。

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この日Twitterは、これと同じ機能をTop ArticlesとしてTwitter Blueサブスクライバーに提供すると発表した。ユーザーは過去24時間に自分のネットワークでもっともよくシェアされた記事を知ることができる。

他にも、保存したツイート(別名「ブックマーク」)をフォルダーで整理して見つけやすくしたり、Twitterのテーマのカスタマイズや、カスタムアプリアイコンの選択、Twitterの長いスレッドをワンタッチで読みやすくフォーマットされた形で閲覧する方法などがTwitter Blueで標準提供される。

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そしてもちろん、Twitter Blueは、Twitterで一番求められてきた機能である「edit」(編集)ボタンに最も近いものとして、「Undo Tweet」(ツイートを取り消す)ボタンをサブスクライバーに提供する。これは、ツイートの投稿が完了する前にユーザーがタイプミスを見つけて修正できるもので、すでに公開されたツイートを修正することはできない。

画像クレジット:Twitter

Twitter Blueにはパーソナライズ機能もいくつかある。テーマの変更、カスタムアイコンに加えて、アプリ下のナビゲートタブを、Twitteスペース、ブックマーク、Top Articles、Monetization(収益化)など、好みのTwitter機能に変更できるようになった。これによってユーザーはTwitterがよりパーソナライズされたと感じられるだろうが、Twitterにとっては、今後推奨したい新機能を目立つ場所に設置する機会が制限を受けることになる。

画像クレジット:Twitter

BlueのサブスクライバーはTwitter Labsも利用できる。Twitterが初期段階の機能をまず実験する場所だ。Twitter Labsは当初、10分間の長いビデオをウェブからアップロードできる(一般ユーザーは最大2分)機能と、気に入ったダイレクトメッセージ(DM)の会話を受信箱のトップにピン留めする機能を提供する。いずれも以前発表されたものだ

画像クレジット:Twitter

他に、Twitterにシェアされているニュース記事を、広告や邪魔なものを見ることなく読める機能が追加された。この機能も、TwitterがScrollを買収したことで実現したもので、Scrollがやっていたのと実質的に同じように動作する。同社は数百社のパブリッシャーと提携して、リンクをクリックしたTwitter Blueサブスクライバーに、高速読み込み、広告無しの閲覧体験を提供する。主な参加パブリッシャーには、The Washington Post、BuzzFeed / BuzzFeed News、Rolling Stonre、Variety、Deadline、The Hollywood Reporter、IndieWire、Huffpost、The Atlantic、Insider、USA Today、MacRumors、BGR、Slate、Daily Beast、Miami Herald、Stylecaster、TV Line、Salon、Mother Jones、 The Sacramento Bee、The Philadelphia Inquirer、SEJなどがいる。

Twitter Blueメンバーが対象サイトにリンクされたニュースをクリックすると、広告のない閲覧体験を、Twitterではなく、パブリッシャー自身が提供する。現在300社の米国拠点サイトがTwitter Blue上にあり、今後「もっと増える」とTwitterは言っている。

画像クレジット:Twitter

高速読み込みや邪魔の入らないニュース閲覧は、FacebookのInstant ArticlesやGoogleのAMPなど他のテック巨人も提供している機能だ。しかしこれらの取り組みは、パブリッシャーを特定のフォーマットに縛り付けることで、プラットフォームにおける発見性を支配しかなねい、として議論になっている。プラットフォームが収益の増額などの約束を守らない、あるいはパブリッシャーに提供するユーザーデータが限られているなどという批判を受けたこともある。

しかしTwitterは、同社のニュース閲覧機能はサブスクライバーがお気に入りのサイトを支援する方法の1つであり、Twitter Blueのサブスクリプション料金の一部は協賛パブリッシャーに直接支払われると強調した。アプリには、ユーザー自身が閲覧したことでどのサイトが支払いを受け取ったか、いくら収益を上げたかがわかるグラフもある。

このプランは、少額支払いが広告よりも多くの収益を生むようにするためのものだとTwitterは言っている。

「私たちのゴールは、各サイトがユーザー1人あたり、その人に広告を配信するよりも50%多く収入を得られるようにすることです」とTwitterのプロダクト担当シアニディレクターのTony Haile(トニー・ヘイル)氏が新機能の紹介で語った。「Twitterでは、すぐれた公共の場での対話には、ジャーナリズムエコシステムの繁栄が必要であることを認識しています。そのためにBlueでは、サブスクライバーにとってのよりよいインターネットだけでなく、ジャーナリズムにとってもよりよいインターネットを実現しようとしています」と付け加えた。

しかしこうした少額支払いは、読者にサイトを直接訪れさせることで、広告だけでなくサイトが提供するその他のプロモーションや取り組みと出会うことから得られる潜在収益を完全に置き換えるまではいかない可能性がある。サブスクリプションや無料 / 有料ニュースレター、チケットなど、パブリッシャーが読者に見せたいものはいろいろある。Twitter Blueの読者は、一般ウェブ読者のようにサイトを再訪問できなくなり、総合的なエンゲージメントがを減らす可能性もある。

画像クレジット:Twitter

Twitterは、Twitter Blueの機能の一部は、開始当初、地域やプラットフォームによって変わる可能性があると語った。

Top Articlesは、Androidおよびデスクトップでまず提供される。アプリアイコンやテーマなどのパーソナライゼーション機能、カスタムナビゲーションとDM対話のピン留めはiOSのみだ。長時間ビデオのウェブからのアップロードは、当然、デスクトップのみ。

この日の公開によって、Twitter Blueは米国、カナダ、オーストラリア、およびニュージーランドで利用できるようになった。同社は今後このサブスクリプションを他の市場でも提供する予定だが、現時点では計画についてコメントできないという。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

瞑想アプリ「Calm」が6アカウント利用できるファミリープランを新設

コロナ禍で急成長の瞑想アプリ「Calm」が日本上陸、日本語オリジナルコンテンツも提供開始

人気の瞑想アプリ「Calm」が、最大6アカウント利用できる「プレミアムファミリー」サブスクリプションプランを追加した。新しいサービスは、全世界で年間99.99ドル(約1万1300円)で利用できる。個人のプレミアムプランは年間69.99ドル(約7900円)だ。

プランのメンバー全員がそれぞれ個人アカウントを保有し、進捗の追跡、節目の祝福、瞑想と「Sleep Stories」のお気に入り登録などを行える。ファミリーメンバーは同じ世帯に居住している必要はないと同社は言っている。他のアプリのファミリープランではでは時々みられる制限だ。

現在のCalmユーザーが新プランに移行する場合、保存したお気に入りやダウンロード、セッション履歴などが失われることはない。それぞれのメンバーが独自のCalmアカウントをもち、それぞれのアカウントに自分のメールアドレスとパスワードでログインする。履歴、統計データ、チェックインなどのCalmアカウントに結び付けられた個人データは、ファミリーメンバー間で共有されない、とCalmは言っている。

プレミアムファミリーサブスクリプションには、Calmの全コンテンツライブラリーが含まれ、スリープストーリー、感謝と気分のチェックイン、ガイド付き瞑想、落ち着く自然の音、子ども向けの子守唄とスリープストーリー、ピークパフォーマンスのための特別講座、集中、リラクゼーション、および睡眠のための特別音楽などが入っている。

ちなみに、CalmのライバルであるHeadspace(ヘッドスペース)もファミリープランを提供していて、6アカウントで年間99.99ドルだというのは注目に値する。ただし、同サービスのファミリープランではグループの全員が登録時に同じ住所を入力し、全員が同じ世帯に済んでいることを証明する必要がある。このサブスクリプションプランではHeadspaceの全ライブラリーをアクセス可能で、人間関係のための瞑想、子ども用Headspace、家族行動にマインドフルネスをもたらすエクササイズなどが入っている。

Calmは他の瞑想アプリと同じく、パンデミック下でも順調で、ユーザー数が急増した。2020年、CalmはシリーズCラウンドで7500万ドルを調達し、評価額は20億ドル(約2257億円)に達した。既存出資者のLightspeed Venture Partnersがラウンドをリードし、Insight、TPG、およびSalesforce(セールスフォース)のCEOでSlack(スラック)の新たなオーナーでもあるMark Benioff(マーク・ベニオフ)氏なども参加した。

画像クレジット:Calm

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramのクリエイターサブスクが一般公開間近、App Storeの説明で発覚

2021年5月、Instagram(インスタグラム)は、クリエイターサブスクリプションを検討中であると語り、後に、クリエイターサブスクリプション契約者だけがアクセスできる独占Stories(ストーリーズ)を開発していることが発覚した。そしてこのたび同社は、クリエイターサブスクリプションのテスト範囲を拡大しようとしている。サードパーティーアプリ調査サービス2社によると、最近Instagramは、アプリ内購入オプションを米国向けアプリに追加し、それは「Instagram Subscription」のためだという。

Sensor TowerApptopiaの両社は、いずれもランキング動向、アプリのユーザー定着率、マーケティング情報などを調べてモバイルアプリのエコシステムを追跡している。しかし、それ以外にアプリに見られる微妙な変化にも注目している。たとえばApp Storeの説明文の変更、スクリーンショットの入れ替えなどで、今回はApp Storeの説明にアプリ内購入の記述が加えられた。

こうした変更は、近々やってくる機能を見つけるきっかけになることがある。例えば新たに追加されたアプリ内購入オプションを追跡することで、App Store観察者たちはTwitter(ツイッター)のプレミアムサブスクリプションサービスであるTwitter Blueが公開間近であることを突き止めることができた。同じように、新しい「Instagram Subscription」アプリ内購入オプションは、Instagramのサブスクリプションベースのクリエイタープラットフォームが広く公開されることを示している可能性が高い。

Sensor Towerによると、米国App Storeの一覧に「Instagram Subscription」のアプリ内購入が最初に追加されたのは11月1日で、価格は4.99ドル(約560円)だった。2日後の11月3日には、0.99ドル(約110円)のアプリ内購入が追加された。

同社によると、これまでに利用できたアプリ内購入は、「Instagram Badges」のさまざまなオプションだけだった(お気に入りのクリエイターにライブストリーミング中に投げ銭するためにファンが購入できるバーチャルアイテムで、価格は0.99~4.99ドル)。

App Storeのスクリーンショット

Instagramユーザーの中にも追加機能を見つけた人がいる。たとえば英国のソーシャルメディアコンサルタントであるMatt Navarra(マット・ナバラ)氏とBrian Kofi Hollingsworth(ブライアン・コフィ・ホリングスワース)氏が、それぞれサブスクリプションの記述についてツイートしている。

通常Instagramは、新機能を一般公開する前に少人数のクリエイターとともにテストする。このため、もし近い将来、新しいアプリ内購入が示しているように、米国でInstagram Subscriptionsを公開するつもりだとしても、あなたがフォローしているクリエイターのところで今すぐこのオプションを見つけられるとは限らない。

Instagramは、クリエイター向けツールを拡張して、サブスクリプションやNFT(非代替性トークン)などを導入することでクリエイターにとってより使いやすいプラットフォームにする計画があることを公言している。サブスクリプションが導入されれば、ファンは少額の料金を支払うことによって、お気に入りのクリエイターの限定コンテンツにアクセスできるようになる。

同社はこの夏、開発中のサービス「Exclusive Stories」(イクスクルーシブストーリー:独占ストーリー)の一機能と思われるものを開発しているところを発見された。この機能は有料でサブスクライブしているファンに、一般ユーザーは見ることができないストーリーを提供するもので、スクリーンショットを撮ることもできないが、サブスクライバーは「Highlights」(ハイライト)として表示することができる、と開発中の機能を発見したリバースエンジニアAlessandro Paluzzi(アレサンドロ・パルッチ)氏はいう。同氏はさらに、サブスクライバーは特別なメンバーバッジを与えられ、独占ライブビデオもアクセスできるようになることも、Instagramアプリ内で発見した内部コードに基づいて暴露した

Instagramはサブスクリプションの計画についてまだ全容を説明していないが、Instagramの責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は6月のCreater Week(クリエイター・ウイーク)で、一般論として同社の収益化戦略について語った。同氏は3種類のクリエイター向け収益化ツールに言及した。1番目はコマースで、ブランド付きコンテンツ、物販、アフィリエイト・マーケティングなどからなる。2番目が収益分配。3番目が決済サービスで、チップやバッジなどの直接支払いや「ゲート付きコンテンツやサブスクリプション」などだ。

「私はこれらを大いに気に入っています。なぜなら、クリエイターがファンと直接触れ合うことができるからです。これは長期的に持続可能かつ予測可能だろうと私は考えています」とモセリ氏が決済サービスの計画について語った。

クリエイター人材を巡って競争しているのはInstagramだけではない。増え続けているスタートアップやクラウドファンディング・プラットフォーム、そしてTikTok(ティックトック)、Snap(スナップ)、Pinterest(ピンタレスト)、YouTube(ユーチューブ)などのソーシャル分野のライバルたちに加えて、9月にはTwitter(ツイッター)も独自のサブスクリプション・プラットフォーム、Super Follows(スーパー・フォロー)をスタートさせた

新しいアプリ内購入オプションについてInstagramにコメントを求めたが、同社は計画についてこれ以上情報提供することを拒んだ。

画像クレジット:Stockcam / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone用ゲームコントローラー「Backbone One」のソフトウェアに新機能追加、新規ユーザーは月額料金が必要に

我々は、iPhone用ゲームコントローラー「Backbone One(バックボーン・ワン)」のファンである。堅固なハードウェアと、本来あるべき姿よりもはるかに優れたソフトウェアが見事に融合したこのコントローラーは、すぐに筆者が外出先でゲームを楽しむためのお気に入りの方法となった。このコントローラーを広げて、iPhoneを差し込み、ゾンビ退治や銀河系の守護などを再開するのだ。

同社は米国時間11月4日朝に、前述のソフトウェアに追加した多くの新機能を発表した。ただし、ここに1つ気になる点がある。専用アプリ / サービスは、既存ユーザーには引き続き無料で提供されるが、新規ユーザーには月々数ドルの費用がかかるようになったのだ。

Backboneの専用ソフトウェアは、このコントローラーの総合的なハブの役割を果たす。Backboneに対応したすべてのゲームにすばやく簡単にアクセスできるだけでなく、ゲームを超えたボイスチャットやパーティ機能、さらにゲーム中のクリップを録画してSNSなどに投稿するシステムなども提供する。

さらに、新しい機能も追加される。この新機能については、同社のブログで大きく取り上げられているが、以下に簡単に紹介しておこう。

  • Backbone OneをiPad、Mac、PCなど他のデバイスに有線接続し、それらをコントロールできるようになる。
  • iOS 15がインストールされているすべてのデバイスで、ビデオ録画の画質が1080p 30fpsから1080p 60 fpsに向上。
  • 「Smart Recording(スマート・レコーディング)」機能により、ゲーム中の直近15秒間をさかのぼって録画することが可能になる。
  • Twitch(トゥイッチ)のストリーミングに対応。数回クリックするだけで、あなたのモバイルゲームの実力を世界に向けて発信することができる。
  • iOS 15ユーザーは、Backbone Oneを接続するとiOSが自動的にゲーム集中モードになるように設定できる。このモードでは、ユーザーが最も重要と判断した通知以外はミュートされ、ゲーム中に邪魔されることがなくなる。
  • パーティーに参加している友人に、直接画面を共有できるようになる。ゲームをライブ配信したいけれど、Twitchで知らない人にも見られるのは気が引けるという場合に便利だ。
  • ゲーム検索が改善され、ロード時間と安定性が全体的に向上。

これらの新機能導入にともない、Backboneは専用アプリの利用に月額料金を課すことになったが、これは新規ユーザーのみであり、すでにBackbone Oneを所有している人は、この「Backbone+」と名付けられたアプリと関連サービスを今後も無料で利用できる。新規ユーザーは最初の1年間は無料で、その後は月額4.17ドル(約474円)の支払いが求められる。アプリにお金を払いたくない人も、コントローラーとしては引き続き問題なく使用でき、コントローラーのソフトウェアのアップデートもアプリから行うことができると、BackboneのCEOであるManeet Khaira(マニート・カイラ)氏は語っている。

画像クレジット:Backbone

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイートの投稿や削除、スーパーフォローなどに対応するAPIをツイッターが公開

Twitter(ツイッター)は再構築した上で2020年中盤に公開したAPIを着実にアップデートしている。最近では開発者向けプラットフォームにTwitterスペースのサポートを追加した。米国時間11月3日、同社はボットの構築に役立つように、ツイート、ツイートの削除、投票の投稿、返信設定の利用、画像内の人物のタグ付けができる新たなエンドポイントを公開すると発表した。新たにスーパーフォロー機能にも対応し、開発者はクリエイターを支援するソリューションを構築できるという。


スパムを投稿するボットは困るが、Twitterは役に立つボットもあると明言している。例えば、同社は2021年9月にTwitter上で「良いボット」を識別できる新しいラベルを導入した。

このラベル導入の際に同社は「良いbot」の例を挙げた。公共サービスアカウントの@earthquakesSF、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最新情報を提供する@vax_progress、議会に提出された最近の100本の法案について進行状況を知らせるボットの@last100bills、アクセシビリティをテーマにしたボットの@AltTxtReminder、そしてメトロポリタン美術館のドローイングとプリントの部門からパブリックドメインの作品を紹介する@met_drawingsや、おかしな新作絵文字を紹介する@EmojiMashupBotなどだ。

今回の発表でTwitterは再び@vaxprogressのボットを取り上げ、その開発者であるBrian Moore(ブライアン・ムーア)氏に言及した。ムーア氏は@NYTIMESALLCAPS@chernobylstatusのボットも手がけており、同氏は新しいTwitter API v2をいち早く取り入れると述べている。

投票や画像のタグ付けを使うとインタラクティブなツイートになるが、新機能である「ツイートを管理」エンドポイントはもっと基本的な機能で、認証済みアカウントのツイートの投稿と削除に対応する。おそらく、ユーザーに代わって古いツイートを削除したり、前述のボットのように自動で最新情報を投稿したりするソリューションを構築できるようになるだろう。

開発者がツイートの投稿や操作をする機能に加えて、Twitterはクリエイター向けプラットフォームであるスーパーフォローに対応する新しいAPIも公開する。

2021年9月に正式に公開されたスーパーフォローは、ユーザーがTwitter上で申込者限定のツイートやニュースレターといった限定コンテンツのサブスクリプションを契約して、お気に入りのクリエイターを支援する機能だ。クリエイターがスーパーフォローのメンバーシッププログラムをどう設定しているかに応じて、申込者は専用コミュニティ、サービスや販売、割引などのメンバーシップ特典を利用したり、サポーターバッジを受け取ったりすることもできる。

APIが変更されてスーパーフォローのフォロワーにAPI経由でツイートを共有できるようになり、開発者はクリエイターがTwitterのファンベースから収益化するのに役立つソリューションを構築できる。現時点ではまだスーパーフォローは一部のクリエイターに制限されていて、申込者はそれほど多くない。しかしTwitterは今後を見据え、クリエイター向けの他社製アプリがTwitterを含む幅広いプラットフォームにコンテンツを共有するニーズについて検討している。

今回のアップデートにより、開発者は会話のコントロール、投票、スーパーフォローなどTwitterネイティブの機能を直接活用するプラットフォームを構築できるようになる。こうしたことの大半は、これまではできなかった。また、他社製のTwitterクライアントもさらに便利になるだろう。

Twitterは、コミュニティからのフィードバックをもとに優先的に新しいAPIをリリースして今回の新機能を追加したと述べ、今後の開発計画のために引き続きフィードバックを寄せて欲しいとしている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

ツイッター、全iOSユーザーが特定のクリエイターを「スーパーフォロー」できるように

Twitter(ツイッター)は、すべてのiOSユーザーが特定のクリエイターを「Super Follow(スーパーフォロー)」できる機能を世界中で展開中だ。これまでは、米国とカナダのユーザーだけが利用できた。スーパーフォローでは、ユーザーは気に入ったアカウントを月額料金でサブスクし、限定コンテンツを入手できる。


この機能は、2月に発表され、9月に始まった。スーパーフォローは、クリエイターがソーシャルメディアを通じて収入を得るためのもう1つのツールだ。対象となるアカウントは、スーパーフォローのサブスク料を設定することができ、月額2.99ドル(約340円)、4.99ドル(約560円)、9.99ドル(約1100円)のいずれかを選択できる。クリエイターは、一部のツイートを購読者専用にし、購読していないフォロワーには通常のツイートでアプローチを続けることができる。

クリエイターがスーパーフォロワーになるプロセスは、現在は申請ベースとなっている。対象となるのは、米国在住で、1万人のフォロワーを抱え、過去1カ月間に25回以上ツイートしたクリエイターだ。

2021年9月に発表されたSensor Tower(センサータワー)のレポートでは、スーパーフォロー開始2週間で、米国では約6000ドル(約68万円)、カナダでは約600ドル(約6万8000円)ほどの収益しかあがっていないことが明らかになった。スーパーフォローのゆっくりとした立ち上がりについてのTwitterの見解は「何かを判断するにはまだ早すぎる」というものだ。

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注目すべきは、スーパーフォローがTwitterの唯一の収益化機能ではないということだ。

2021年初め、Twitterは、アカウントがフォロワーから1回限りの支払いを受けられるTip Jarを導入した。このテストは現在、クリエイター、ジャーナリスト、専門家、非営利団体など、対象となるアカウントの一部に限定されている。また、Twitterは、ライブオーディオルーム機能にTicketed Spacesを導入し、クリエーターが1〜999ドル(約113円〜11万3800円)の範囲で課金して前売りチケットを販売できるようにした。

画像クレジット:Twitter

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

Twitter Blueがその新機能にいち早くアクセスできる新機能「Labs」を導入

Twitter(ツイッター)は、プレミアムサブスクリプションサービスであるTwitter Blue(ツイッターブルー)向けに「Labs(ラボ)」と呼ばれる新機能を展開する。Labsは、Twitter Blueの加入者に、Twitterがそのバンドルの一部としてテストしている機能への早期アクセスを提供するもので、現在はカナダとオーストラリアでのみ提供されている。


現在、Labs加入者は、デスクトップから10分以内の動画をアップロードすることができるようになった。スタンダードユーザーの方は、現在、2分20秒までの動画しかアップロードできない。また、iOSユーザーは、お気に入りの会話をスワイプしてダイレクトメッセージの受信トレイの一番上に固定できるようになった。

Twitterによると、Labsで公開された機能は、最終的に残りのTwitterに展開されたり、Twitter Blueの固定機能になったり、利用者からのフィードバックに基づいて完全に廃止される可能性があるとのことだ。

「また、Labsは、他の社内製品チームが機能を提供し、初期の量的・質的データを得て、その後、より多くの人に公開する機会を提供します。Labsで紹介される内容は、新機能の開発に合わせて変更されます」と同社は声明で述べた。

Twitterは、新製品をリリースする際には、より実験的になることを計画していると2021年9月に述べ、最近のFleets(フリート)のように、途中で進捗状況を公開し、うまくいかなかったアイデアは破棄するとしていた。

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Twitterのコンシューマープロダクト部門の責任者であるKayvon Beykpour(カイヴォン・ベイクプール)氏は「もし、私たちが全然失敗をしないとすれば、それは、私たちが十分に大きな賭けをしていないということだと考えています」と述べている。

カナダとオーストラリアでは、Twitter Blueのサブスクリプション料金は、それぞれ3.49カナダドル(約320円)、4.49オーストラリアドル(約380円)となっている。このサブスクリプションに加入すると、ブックマークを整理するツールや、長年要望されてきた「編集」ボタンに最も近いものと思われる「Undo Tweet」機能などのプレミアム機能を利用することができる。また、Twitter Blueにはリーダーモード機能が搭載されている。

画像クレジット:Nina Riggio / Bloomberg / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Apple Oneのプレミアプランが11月3日から新たに17カ国で提供開始、ただし日本は含まれず

Apple(アップル)がオールインワンのApple One Premierサブスクリプションを11月3日から新たに17カ国で提供する。オーストリア、ブラジル、コロンビア、フランス、ドイツ、インドネシア、アイルランド、イタリア、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、スペイン、スイス、アラブ首長国連邦でこのプランを利用できるようになる。


これらの国で提供されるApple One Premierには、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcade、Apple Fitness+、 2TBのiCloudストレージが含まれる。サービスは最大6人の家族で共有できる。ただし、すでにプランが提供されている米国、カナダ、オーストラリア、英国ではApple News+が含まれているが、新たに対象となる国では現時点でNewsとNews+がまだ提供されていないためApple One Premierに含まれない。今回の拡大によりApple One Premierは合計17カ国で利用できるようになる。

Appleはユーザーのソフトウェアとサービスのニーズをすべて満たすワンステップショップを目指して、Apple One Premierを2020年10月に開始した。Apple Oneの個人プランとファミリープランは、現在100の国と地域で利用できる。

今回のApple One Premierの拡大は、AppleがFitness+のサブスクリプションサービスを11月3日に前述の国で公開することにともなうものだ。

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画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

第3世代「Oura Ring」は健康状態トラッキングや生理予測など新機能満載のフィットネスリング、有料コンテンツ配信も

2017年初頭、Motiv(モチーブ)はウェアラブルなフィットネストラッカーの装着箇所が手首だけでないことを実証し、テクノロジー業界メディアの想像力を掻き立てた。しかし、同社は最終的に運動トラッキングだけでは飽き足らず、すぐにその技術を生体認証ツールなどへ拡大することに目を向けるようになった。その一方で、Oura(オーラ)は、健康という分野にまだまだ可能性を見出していた。


実際、新型コロナウイルス流行時には、組織が既成概念にとらわれないソリューションを探し求めていたため、Ouraは2020年に大きな成功を収めた。このスタートアップ企業は、そのさまざまな健康指標が、新型コロナウイルスやその他の健康状態の早期発見にいかに役立つかを証明し、NBA(全米バスケットボール協会)、WNBA(全米女子バスケットボール協会)、World Surf League(世界プロサーフィン連盟)、Red Bull Racing(レッドブル・レーシング)、Seattle Mariners(シアトル・マリナーズ)、UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)、NASCAR(ナスカー)など、米国の大手スポーツ団体が喜んで採用した。

画像クレジット:Oura

これまでにOuraは「数十万個」のリングを販売してきたと記している。家電製品の世界では驚異的な数字というわけではないが、ハードウェアのスタートアップとしては、特にスマートウォッチやフィットネスバンドが氾濫している市場では、目覚ましい成長と言えるだろう。

Ouraの製品は、数多くのセンサーを1個のパッケージに詰め込むという特長で成功を収めており、これがワークアウトや睡眠などに関する質の高い洞察を提供する。同社の新しい第3世代のリングは、Ouraが自分たちの本業に力を入れていることを再認識させる製品に仕上がっている。もっとも、ほとんどのウェアラブルメーカーが健康とウェルネスに力を入れている今、もちろんそれは当然のことだろう。

第3世代Oura Ring(オーラ・リング)の最大の特徴は、24時間365日の健康状態トラッキング機能で、心拍数を常時モニタリングできることだ。体温モニターや睡眠トラッキングも改善された他、生理予測などの機能も備わる。これについては、同社は次のように述べている。

Ouraは、次の生理を30日前に正確に予測し、生理開始の6日前に警告するため、あなたは常に準備を整えておくことができます。Ouraはカレンダー方式だけに頼るのではなく、生理周期を通じて自然に変化する体温から、より総合的なアプローチで生理を予測します。多くのトラッキング法は、あなたの生理周期が毎月同じであることを前提としていますが、Ouraの生理予測は、あなたの生理周期の変化に合わせて予測を調整します。

今回のニュースでは、Ouraが、Apple(アップル)、Fitbit(フィットビット)、Samsung(サムスン)などのメーカーと同様に、ワークアウトのコンテンツにより深く踏み込んでいることもわかった。現在は「近日公開」となっているこのライブラリにはワークアウト、瞑想、睡眠、呼吸法などをテーマにした50以上の映像 / 音声セッションが用意されている。

画像クレジット:Oura

「当社ではこのライブラリを拡大し続ける予定です。ライブラリには、睡眠とカフェインなどの影響を理解するための教育的なコンテンツと、ガイド付きコンテンツの両方があります」と、同社CEOのHarpreet Rai(ハープリート・ライ)氏はTechCrunchに語った。「最初のうちは、瞑想や睡眠のための音が多いですが、我々はこのライブラリを大幅に増やしているところです。今後もどんどん増えていくでしょう。これはあなたの健康のためのワンストップショップになります」。

これらの動画は、より深い健康に関する洞察とともに、新たに開始される月額6ドル(約680円)のOura Membership(オーラ・メンバーシップ)サービスを通じて提供される。

「Peloton(ペロトン)、Tonal(トーナル)、Tempo(テンポ)、Hydro(ハイドロ)などのコネクテッドフィットネスは、ハードウェアとサブスクリプションの組み合わせになっています」と、ライ氏はいう。「ウェアラブルもそのような形になりつつあります。将来的には完全なサブスクリプションモデルに移行できると思うかと訊かれたら、収益を得る方法は色々とあるでしょうが、私はそれも可能だと思います。その方法を除外してはいません。しかし、より多くの消費者は、総所有コストの点からこの製品に惹かれていることも確かです」。

このOura Ringは、今後も新機能の追加が予定されており、2022年には血中酸素濃度を示すSpO2値の測定機能が搭載される予定だ。価格は300ドル(約3万4000円)で、現在予約注文を受け付け中。11月中旬に出荷開始となる。

画像クレジット:Oura

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルがSharePlayを利用したFitness+グループワークアウトを開始

Apple(アップル)は、SharePlay(シェアプレイ)を利用したグループワークアウトにより、Fitness+(フィットネスプラス)ユーザーが他の場所にいる人々と一緒にワークアウトや瞑想を行うことができる機能を開始した。この機能は、9月14日に開催されたバーチャルイベントで発表されたものだ。


Fitness+の加入者は、SharePlayを利用し、iPhoneやiPadでFaceTime(フェイスタイム)を使いながら、最大32人の相手とグループワークアウトや瞑想のセッションをすることができる。Fitness+のセッションは、通話中の全員が完全に同期してストリーミングされる。

グループセッションを開始するには、ユーザーはFaceTime通話を開始し、Fitness+アプリにナビゲートする必要がある。そこから、ワークアウトを選択して開始することができる。SharePlayはApple TVとも連携しているので、ユーザーはiPhoneやiPadを使ってFaceTimeで友達とつながりながら、大画面でワークアウトを追うことができる。

関連記事:アップルが瞑想やグループワークアウト機能を「Fitness+」サブスクに追加、15カ国で新たに展開

Appleは、SharePlayを使ってグループでワークアウトを行うと、その人の指標やアクティビティリングを完成させるまでの進捗状況が表示されると述べている。また、ワークアウト中に誰かがアクティビティリングを完成させると、セッションに参加している全員に通知される。

さらに、Fitness+は11月3日より、オーストリア、ブラジル、コロンビア、フランス、ドイツ、インドネシア、イタリア、マレーシア、メキシコ、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、スペイン、スイス、アラブ首長国連邦など、新たに15カ国で提供される。Fitness+は英語で提供され、ブラジル・ポルトガル語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、スペイン語の字幕が付く。

このサービスは現在、米国、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、オーストラリア、英国で提供されているが、今回の拡張により、Fitness+は合計21カ国で利用できるようになる。

また、Appleは、2021年11月1日から、米国の約300万人のUnitedHealthcare(ユナイテッドヘルス)の保険加入者が、プランの特典の一部として、追加費用なしでApple Fitness+の1年間のサブスクリプションに登録できるようになるとしている。

また、Fitness+は、俳優であり障害者支援者でもあるMarilee Talkington(マリーリートーキントン)氏による、音声による没入型ウォーキング体験であるTime to Walkシリーズの新しいエピソードを紹介している。このエピソードでは、期待を裏切ることや、他の人が同じことをするのをどのように助けているかについて語っています。

Appleは、2021年12月14日にFitness+の提供を開始し、以来、Peloton(ペロトン)をはじめとする他のサブスクリプション型フィットネスサービスとの競争に取り組んできた。Fitness+は、月額9.99ドル(約1100円)の独立したサブスクリプション、または月額29.95ドル(約3400円)のApple One Premier(アップルワンプレミア)プランの一部として利用できる。このプランでは、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcade、Apple News+、そして2TBのストレージを備えたiCloud+へのアクセスが可能だ。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

アドビのクリエイター向けSNS「Behance」がNFTと有料サブスク販売を新たにサポート

Adobe(アドビ)は米国時間10月26日、年次カンファレンス「MAX」において、同社のクリエーター向けポートフォリオサイトBehance(ビハンス)の興味深いアップデートを発表した。Adobeによると、2020年1年間で1億6000万人以上がBehanceを訪れ、22億5000万回以上もクリエイターの作品を閲覧したという。これは非常に活発なコミュニティであり、Adobeが、ユーザーがそこから直接、あるいは間接的に利益を得られるような新機能をいくつか追加するのも当然のことかもしれない。


Adobeが追加した機能の中で最も注目を集めているのは、NFTアートワークをサイト上でよりよく紹介できるようになったことだろう。クリエイターは、Behanceに自分の暗号ウォレットを接続できるようになった。同社は、Polygon(ポリゴン)、Solana(ソラナ)、Flow(フロウ)、Tezos(テゾス)などのブロックチェーンの導入を進めている。また、OpenSea(オープンシー)、SuperRare(スーパーレア)、KnownOriginRarible(ラリブル)などのNFTマーケットプレイスと提携し、現在多くのCreative Cloud(クリエイティブ クラウド)ツールに組み込まれている「コンテンツ認証イニシアチブ(Content Authenticity Initiative、CAI)」のデータ来歴を、Behanceに加えてそれぞれのサイトで可視化して表示している。

Adobeの副社長でBehanceを含む複数の部署を担当するWill Allen(ウィル・アレン)氏は、Adobeは独自のNFTマーケットプレイスを作ることには興味がないという。「当社は、クリエイターが自分の作品を発表しやすくすることに専念しています。当社ができることの中で重要な焦点は、クリエイターが自分の作品を紹介する場を作り、好きな場所で取引ができるようにすることです」。

画像クレジット:Adobe

Behanceのユーザーの多くは、学ぶために仲間のクリエーターのサブスクライバーとなっている、とアレン氏は筆者に話してくれた。「彼らに共通しているのは『学びたい』ということですね」と同氏はいう。「舞台裏を見たがっているわけです。『この人はすごいイラストレーターだから、創作活動を見て、どうやってこれらのことをするのかを見てみたい。彼らのPSDにアクセスして、それをテンプレートにして、自分の創造性を次のレベルに引き上げたい』などというように」。

クリエイターは、Behanceでサブスクリプションを販売し、チュートリアル、ワークショップ、ライブストリームへのアクセスを販売することもできるようになった。これらのサブスクリプションの価格はクリエイターが自由に設定することができ、Adobeはこれらの販売からコミッションを受け取ることはないという。

また、Behanceのもう1つの新機能として、仕事の依頼が可能であることを表示できるようになった。多くのBehanceユーザーにとって、仕事の機会を見つけることは常に目標となっていたが、新しいボタンを使うことで、クリエイターはそれを明示できるようになった。クリエイターは、自分がフリーランスで働けるのか、フルタイムで働けるのかを示すことができる。

画像クレジット:Adobe

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

Spotifyは「見て」ももらいたい、ビデオポッドキャスト用ツールを同社傘下Anchorのクリエイターに開放

Spotify(スポティファイ)は、買収、独占契約、その他のパートナーシップの間で、ポッドキャスティングにすでに約10億ドル(約1130億円)を投資している。そして、Spotifyは人々に聴くだけでなく、見てももらいたいと考えている。同社は米国時間10月21日、クリエイターがビデオポッドキャストできるようになる新しいツールを開始することを発表した。このツールは、Spotifyのポッドキャスト制作プラットフォームAnchor(アンカー)が提供するもので、一部のクリエイターのみを対象に、2020年にグローバルで開始したビデオポッドキャストを発展させたものだ。

当時、Spotifyは、ビデオポッドキャストのデビューラインナップには、Spotify Originals and Exclusives(オリジナル&独占)に加え、サードパーティ制作のポッドキャストも含まれていると述べていた。しかし、どんなクリエイターでも動画を配信できるわけではなかった。代わりに、YouTube(ユーチューブ)などの他の動画プラットフォームを利用する必要があった。

この状況が変わる時が来た。Anchorによって、現在のオーディオエピソードの作成・公開するのと同じように、クリエイターが自分のアカウントを使って動画をアップロードできるようになる。公開されたポッドキャストは、Spotifyのモバイルアプリ、デスクトップアプリ、ウェブプレイヤー、そしてほとんどのスマートテレビやゲーム機など、さまざまなプラットフォームで聴くことができる。また、クリエイターは、音声ポッドキャストと同様に、定額制を利用してビデオを収益化することができる。

関連記事:Spotifyのポッドキャストサブスクを米国の全クリエイターが利用可能に

クリエイターは価格を設定し、サブスクリプションに何が含まれるかを決めることができるが、Spotifyは、サブスクリプションによって独占的なビデオコンテンツへのアクセスを提供したり、クリエイターのポッドキャストのビデオ部分をアンロックしたりすることができると提案している。ビデオポッドキャストには、クリエイターの既存の広告パートナーも組み込むことができ、近々、より新しい自動化された広告にも対応する予定だ。

Spotifyは正式にAnchorクリエイターへのアクセスを開始したが、機能は徐々に展開されている。つまり、興味のあるクリエイターは、当面はウェイティングリストに登録する必要がある。ちなみに、Appleはすでに、ビデオポッドキャスティングのホスティングを、すべてのホスティングソリューションを使用するすべてのクリエイターに提供している。

一方、Spotifyのビデオラインナップには、The Ringer(リンガー)のHigher Learning with Van Lathan and Rachel Lindsay(ハイヤーラーニング・ウィズ・ヴァン・レイサン・アンド・レイチェル・リンゼイ)やThe Joe Rogan Experience(ジョー・ローガン・エクスペリエンス)などのオリジナル&独占番組のビデオポッドキャストが含まれている。また、Philip DeFranco(フィリップ・デフランコ)、Jasmine Chiswell(ジャスミン・チズウェル)、The WAN ShowJuicy Scoop with Heather McDonald(ジューシー・スクープ・ウィズ・ヘザー・マクドナルド)など、今後Spotifyで公開される他のビデオクリエーターも含まれる。

Spotifyは過去に、動画への進出を試みては失敗してきた。5年前に行ったオリジナルビデオへの最初の取り組みは大失敗に終わり、同社はしばらくの間、ビデオ計画を棚上げにしていた。しかし最近になって、同社はYouTubeをベースにした動画事業を持つスポーツネットワークのThe Ringerを買収し、動画への復帰の可能性を示唆した。その後も、TikTok(ティックトック)のスターからNetflix(ネットフリックス)の女優になったAddison Rae(アディソン・レイ)との契約など、動画への移行が可能な契約を次々と行っている。

今回のポッドキャストクリエイターへの動画配信の拡大は、YouTubeが自社のポッドキャスティング事業へのさらなる投資を検討しているというニュースに直結している。2021年10月、Bloombergは、YouTubeがポッドキャストに特化した初の幹部を採用すると報じた。実際にアップロードを開始するためのアクセスは、まだウェイティングリストによってブロックされているものの、このニュースを受けて、Spotifyが自社のビデオポッドキャスティングへの取り組みを推進することになったのかもしれない。

現在、Spotifyで動画コンテンツを探すには、見たい番組からエピソードページに移動し、再生ボタンを押してエピソードを開始する必要がある。画面下の再生バーをタップすると、動画がフルスクリーンで表示される。あとは、何をしているかに応じて、聞くか見るかを選ぶことができる。

ただし、動画に対応しているすべてのポッドキャストを簡単に確認する方法はまだない。Spotifyは、サービス開始時にビデオとして利用できるポッドキャストの数については明らかにしていないが、年末までに「数千」のポッドキャストへのアクセスを提供する予定であると述べている。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

グーグルがPlayストアの一部手数料をさらに引き下げ、サブスクアプリは15%に、メディアアプリは10%に

Google(グーグル)は米国時間10月21日、Google Playストアで提供されているすべてのサブスクリプション型アプリの手数料を引き下げると発表した。同社は以前、Appleにならい、開発者の収益の100万ドル(約1億1400万円)までは、手数料を30%から15%に引き下げていた。今回は、継続的なサブスクで収益を上げているアプリメーカーに限定して、手数料を引き下げる。開発者に要求する手数料は、初年度は30%、2年目以降は15%という現行の体系に代わり、初日から15%のみになるという。

Googleによると、99%の開発者に15%以下の手数料が適用されるという。また、GoogleはPlay Media Experience Programで特定分野のアプリの料金をさらに引き下げ、10%程度に調整する。

Play Media Experience Programでは、電子書籍やオンデマンドの音楽・映像配信サービスなど、コンテンツにかかる費用が売上の大部分を占めるアプリが対象となる。また、場合によってはGoogleと直接競合するビジネスも対象となる。例えば、YouTube Musicと競合するSpotify(スポティファイ)などだ。

このプログラムは、書籍や動画、オーディオの開発者にAndroid向けのコンテンツ制作を奨励するために2021年初めにスタートし、15%という低い手数料を提示していた。開発者は、関心を表明する際にフォームへの記入を求められる。

画像クレジット:Google

「デジタルサブスクリプションは、開発者にとって最も急速に成長しているモデルの1つですが、サブスクリプションビジネスが顧客の獲得と維持において特定の課題に直面していることを私たちは知っています」とGoogleのプロダクトマネジメント担当副社長であるSameer Samat(サミーア・サマト)氏は説明する。「私たちは、デート、フィットネス、教育などの分野のパートナーと協力して、それぞれのビジネスの微妙な相違を理解してきました。現在、当社の手数料は、12カ月間のサブスクリプション継続後に30%から15%に下がります。しかし、サブスクリプション型のビジネスでは、顧客離れが進んでいるため、そのように下げたとしてもメリットを享受するのは難しいとの声があります。そこで、お客様が確実にその恩恵を受けられるよう、手数料体系を簡素化することにしました」と述べた。

Googleによると、新手数料は2022年1月1日から適用される。

同社は、新料金体系を決定するにあたり開発者コミュニティと話し合い、Anghami、AWA、Bumble、Calm、Duolingo、KADOKAWA、KKBOX、Picsart、Smuleなど、業界や業種を横断し、さまざまな開発者からの意見を取り入れたと述べている。

またGoogleは、メディアアプリの新料金を決定するにあたり、アプリの開発には、テレビ、自動車、時計、タブレットなど、多くのプラットフォームへの対応が必要になっていることに気づいたと述べている。そのため、開発者はアプリを基盤とするビジネスに、より多くの投資をする必要がある。さらに、メディア体験を提供するアプリの料金を引き下げることで、企業はその節約分を、変更の影響を受けるアーティスト、ミュージシャン、作家などのクリエイターに還元できるとGoogleは考えている。

今回の動きは、アプリストアに対する規制当局の監視が強化され、米国で進行中のEpic Gamesとの訴訟を含め、いくつかの反トラスト訴訟が発生している中でのものだ。世界中で、法律家たちは、大手テック企業がアプリストアを利用して、市場支配力を乱用していないかどうかを見極めようとしている。アプリストアがモバイル端末上で動作するソフトウェアの主要な流通経路となっているからだ。例えば韓国では、アプリ内課金の手数料を抑制するための「反Google」法が最近成立した。さらに、テック企業は多くの場合、アプリを配布する開発者と競合するが、開発者は大企業の別部門を通じてアプリを配布していることがあり、問題はさらに複雑になっている。

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さらなる規制を阻止するための巧妙な手口として、Googleは新手数料の発表前に、賛同する開発者を集めることに成功した。BumbleのCEOは、この価格設定により「製品にもっと投資できます」と述べ、DuolingoのCEOであるLuis von Ahn(ルイス・ボン・アン)氏は、手数料の引き下げによって「当社のミッションを加速させることができ」「Googleがエコシステムとのコラボレーションを継続することを歓迎します」と述べた。

Googleは、手数料を引き下げるものの、Android、コマースプラットフォーム、Playストア、セキュリティ、アプリ配信システム、開発者ツールなどへの投資を継続するためには、手数料を徴収する必要があると強調する。同社は、10月27、28日に開催されるAndroid Developer SummitでツールやAPI、その他の技術のアップデートについて詳しく説明するとしている。

画像クレジット:Mika Baumeister / Unsplash

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

安価なApple Music VoiceプランはSiriの改良を進める作戦である可能性が高い

Apple(アップル)は、先に開催したイベントで数多くの興味深い発表を行った。その中で私が特に注目した、かつあまり注目されていないように思えたのが、Apple Musicの新しい料金プランだった。新しい「Voice」プランでは、Apple Musicの全ライブラリを月額5ドル(日本では税込月額480円)という低価格で利用できる。ただし、Siriを使ってアクセスしなければならず、Apple Musicの標準的なビジュアルと入力しやすいアプリ内のユーザーインターフェイスは使用できない。

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Appleは、このプランを開始する理由を明らかにしていないが、iPhoneメーカーとしては、音声アシスタントの学習と改良のために音声データをより多く収集したいため、価格の障壁を低くして、より多くの人にSiriを使ってもらおうとしているのではないかと推測するのが妥当だと思う。

AppleのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、このイベントで「より多くの人が、声だけでApple Musicを楽しめるようになることをうれしく思います」と述べていた。

このApple Music Voiceプランが存在する理由として、他に説得力のあるものが考えられない。特に、Apple Music上の曲目全体を提供するために、Appleはレーベルとのライセンス契約を変えていないため、標準プランよりもはるかに低いマージンでこの新サービスを提供していると思われる。

繰り返しになるが、これは単なる推測だ。ただ、AppleとSpotify(スポティファイ)間の厳しい競争を考えると、スウェーデンの会社がApple Musicを価格で打ち負かすために自社のストリーミングサービスを月額7~8ドル(月額税込980円)で提供できるのであれば、そうするのではないだろうか。そしてAppleは、どうしても膨大なデータを集めたいがために、新しいサブスクリプションプランであえて多少の損失を出しているのではないだろうか。私がこの説をツイートしたとき、同僚のAlex(アレックス)は、ではなぜAppleはサブスクリプションを無料にしないのかと疑問を抱いていた。2兆5000億ドル(約285兆円)規模の企業であるAppleは、技術的にはバランスシート上でそれだけの打撃を飲み込むことができると思うが、Spotifyのような独立した音楽ストリーミング企業からの批判をこれ以上集めたくはないのだろう。同社はすでに、さまざまな分野で反競争的な行為を行っているという批判を受けている。

テクノロジー企業は、AIモデルに膨大な量のデータを与え、サービスの機能を向上させている。Siriが長年にわたってかなり改良されてきたとしても、テック業界で働く多くの人々や大衆の間では、Amazon(アマゾン)のAlexaやGoogle Assistantの方がはるかに優れているというのが一般的な意見だ。

Appleはすでにこのような音声データを、Apple Musicの既存ユーザーから取得していると思われるが、ある友人が言ったように「要は、この機能はもともとあった。ただ、高い有料の壁を設置していただけだ。今回、彼らはその壁を低くしたということ」。新プランでMusicを音声操作のみにしたことで、参入障壁が下がっただけでなく、ユーザーはSiriを使わなくてはいけなくなった。SiriはApple Musicの標準加入者向けの機能だが、ほとんどのユーザーは基本的に、もしくは意図的にアプリのUIを使ってコンテンツにアクセスする可能性が高いと思われる。

音声アシスタントに「音声優先」や「音声のみ」のサービスを求めるとどうなるかわかる例として、AmazonのAlexaを見てみよう。Alexaは、最初から音声でアクセスしなければならなかった。これにより、AmazonはAlexaのアルゴリズムのために大量の学習データを収集することができただけでなく、Alexaを最大限に活用する方法についてユーザーをトレーニングすることもできた。

私の理論が正しいと思うもう1つの理由は、Appleがこの新しいサブスクリプションを最初に提供する予定の国についてだ。オーストラリア、オーストリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イタリア、日本、メキシコ、ニュージーランド、スペイン、台湾、英国、米国だ。

インド、スペイン、アイルランド、フランスが第一陣に名を連ねているのは、Appleが世界中のさまざまな言葉を集めようとしていることを意味している。ところで、インドなどの発展途上国や、中国や日本など、テキスト入力が音声に比べて不必要に複雑になることがある市場では、音声検索が非常に人気がある(世界第2位のスマートフォン市場であり、約98%のパイをAndroidが占めているインドで、音声検索が驚くほど大量に採用されたことで、Googleアシスタントの改良や、音声分野での革新に向けたより積極的なアプローチが可能になったと、Googleの幹部が話してくれたことがある)。

Siriは、他の音声アシスタントと比較して、その能力の点でやや遅れをとっていると言われているが、Appleのサービスにおける新しい動きは、顧客に音楽ストリーミングサービスに参加するための割安な方法を提供するためのものでもある一方で、この認識されているギャップを埋めるための試みでもあると捉えられるだろう。

画像クレジット:Heng Qi / Visual China Group / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

グーグルがスマホ代金と各種プレミアムサービスを組み合わせたサブスクプラン「Pixel Pass」発表、Pixel 6は月額約5100円

新しいスマートフォンPixel 6の発表と同時に、Google(グーグル)は新しい購入方法Pixel Pass(ピクセルパス)も紹介した。このオールインワンのサブスクリプションサービスによって、消費者はPixelを購入する際に、すべての費用を前払いするのではなく、月々の低価格で購入することができるようになる。このサービスは、Pixel 6の場合は月額45ドル(約5100円)、Pixel 6 Proの場合は月額55ドル(約6200円)で利用できるが、このサービスは、携帯電話そのものを利用できるだけではなく、ストレージや音楽、YouTube Premium(ユーチューブプレミアム)、無料アプリやゲームといったGoogleのサービスのサブスクリプションも含まれている。

具体的には、加入者は通常月額11.99ドル(約1300円)の広告なしのYouTube、通称YouTube Premiumを利用できる。これには、Spotify(スポティファイ)やApple Music(アップルミュージック)に対するGoogleの回答であり、利用できなくなったGoogle Play Music(グーグルプレイミュージック)の代わりとなるYouTube Music Premium(ユーチューブミュージックプレミアム)も含まれる。

Pixel Passの加入者は、Google One(グーグルワン)で200GBのクラウドストレージを利用できる他、Google Store(グーグルストア)での割引や、通常は月額4.99ドル(約570円)または年額29.99ドル(約3400円)のサブスクリプションでApple Arcade(アップルアーケード)と同様にアプリ内課金や広告なしでアプリやゲームを無料でできるGoogle Play Pass(グーグルプレイパス)を利用できる。

このサービスには修理や「人生のちょっとしたアクシデント」や修理に対応するPreferred Care(プリファードケア)という保険も含まれているとGoogleは述べている。これは、Apple(アップル)のデバイスに対するAppleCare(アップルケア)のGoogle版だ。

Pixel Passに同梱されるPixel端末は、アンロックされているため、主要な通信事業者に対応している。

このサービスは、Google Storeで購入することもできる他、同社独自の携帯電話サービスGoogle Fi(グーグルファイ)のプランと組み合わせて利用することも可能だという。

Pixel Passをサブスクリプションとして購入すると、2年間で最大294ドル(約3万3500円)の節約になるとGoogleは指摘している。しかし、Google Fiを通じて購入した場合は、毎月のFiプランからさらに4ドル(約450円)が割引され、2年間で414ドル(約4万7300円)の節約となる。

このサブスクリプションは、常に最新のデバイスを持ち歩きたいが、プレミアムサービスにもアクセスしたいという、定期的にアップデートする人のために設計されている。このサービスは、明らかにAppleが提供しているiPhone Upgrade Programに代わる、Googleのサブスクリプションプランを目指している。しかし、Appleは、新しいサブスクリプションプランApple Oneを通じて、独自のサブスクリプションサービスを個別に提供しているが、Pixel Passはそれらを一括して提供している。

Pixel 6と新しいPixel Passは、米国で本日よりGoogle StoreまたはGoogle Fiで月額45ドル(約5100円)から予約を開始している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

アップルがSiriでのみ利用できる安価なApple Music Voiceプランを発表、月額480円

Amazon(アマゾン)は2019年に、同社のEchoスピーカーでストリーミングする広告つき無料音楽サービスの提供を開始し、家庭でAmazon Musicをストリーミングするより手頃な方法を導入した。そしてApple(アップル)は米国10月18日「Voiceプラン」というApple Musicサブスクリプションの新しい低価格バージョンをデビューさせてAmazonを追撃する。Amazonのサービスと違って、Voiceプランは無料ではない。従来のものよりも安い月額4.99ドル(日本では月額480円)の広告なしのサブスクで、Siriの音声コマンドでのみApple Musicにアクセスできるようになっている。

本日開催されたイベントで同社が説明したところによると、新しいVoiceプランでは、今秋のサービス開始時にはまず17カ国でSiriを使ってApple Music内の曲やプレイリスト、すべてのステーションを再生できるようになる。気分や活動に応じた一連の新しいプレイリストや、パーソナライズされたミックス、ジャンル別のステーションにもアクセスできる。つまり、例えば、ディナーパーティーのための音楽や、1日の終わりに気持ちを落ち着かせるための音楽をSiriに流してもらえるようになる。何百もの新しいプレイリストが利用できるようになる、とAppleは話した。

SpotifyやAmazon Music、PandoraなどApple Musicのライバルは、すでにこうした機能を何年も前から提供している。なのでこれは、Appleがムードやアクティビティに合わせて選べるさらに豊富になったプレイリストでもってこの分野でのライバルに追いつこうとしていることになる。現在のところ、Apple編集のプレイリストは「Favorites Mix」「Chill Mix」「New Music Mix」「Get Up Mix」などのパーソナライズされたプレイリストを含む「Made for You」のラインナップに限られている。

新しいVoiceプランは「すべてのAppleデバイス」でApple Musicにアクセスするのに使えるとしているが、AmazonがEcho向けに提供している無料の音楽ストリーミングと同様、HomePodを念頭に置いて設計されたことは明らかだ。スマホやタブレット、パソコンなど、画面のあるデバイスを使っている場合、Siriに話しかけて音楽を再生するのは必ずしも理に適うものではない。しかし、主にAirPodsでApple Musicを聴いていて、すべてのコマンドを話すことに抵抗がない人にとっては、このサービスは興味深いものかもしれない。

Appleによると、このサービスはiPhoneをはじめiPad、Mac、Apple TV、Apple Watchなどのデバイスに加え、CarPlayでも利用できるという。

Apple Music加入者は、自分の音楽の好みに基づいた提案や、Siriを通じて最近再生した音楽のキューを表示する、カスタマイズされたアプリインターフェイスを目にする。また「Just Ask Siri」というセクションもあり、そこではSiriをApple Musicに最適化する方法を紹介している。

Apple Musicの他のサブスクには「個人プラン」と「ファミリープラン」があり、それぞれ月額9.99ドル(日本では月額980円)、月額14.99ドル(月額1480円)となっている。新Voiceプランも個人プランと同様に、1つの契約で利用できるのは1人に限定されている。このプランでは、9000万曲を超えるApple Musicの全カタログにアクセスすることができる。

画像クレジット:Apple

Voiceプランはオーストラリア、オーストリア、カナダ、中国本土、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イタリア、日本、メキシコ、ニュージーランド、スペイン、台湾、英国、米国で提供される。

Siriを使って音楽をリクエストしている非加入者にもこのサービスを販促するとAppleはいう。非加入者はVoiceプランを7日間無料で試すことができ、自動更新はない。

新サービスの開始に合わせて、Appleは第3世代の新しいAirPodsと、カラフルなHomePod miniスマートスピーカーのラインナップも発表した。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

ウェアラブルな血糖値トラッカーを掲げるフィットネスプラットフォームUltrahumanが19億円調達

フィットネスプラットフォームのUltrahumanが、アーリーステージ企業を対象としたファンドであるAlpha Wave Incubation、Steadview Capital、Nexus Venture Partners、Blume Venturesの他、Utsav Somani(ウトサヴ・ソマニ)氏のiSeedファンドからの出資を受け、1750万ドル(約19億円)のシリーズB資金調達を正式に発表した。

ベンガルールに本社を置く同スタートアップのシリーズBには、Tiger GlobalのScott Schleifer(スコット・シュライファー)氏、ZomatoのCEOのDeepinder Goyal(ディピンダー・ゴヤル)氏、CredのCEOであるKunal Shah(クナル・シャー)氏、unacademyのCEOおよび共同創業者のGaurav Munjal(ガウラヴ・ムンジャル)氏とRomain Saini(ロマン・サイニ)氏など、数多くの創業者やエンジェル投資家も参加している。今回の資金調達により、同社のこれまでの累計調達額は2500万ドル(約28億ドル)となっている。

このサブスクリプションプラットフォームが登場したのは2019年のこと。以来、同社は自宅向けのワークアウトビデオ、マインドフルネスのコンテンツ、睡眠セッション、心拍数トラッキング(Apple Watchなどのサードパーティ製ウェアラブルとの統合)など、比較的馴染みのあるプログラムを提供してきた。しかし、同社最新のフィットネスツールはかなり斬新なものになっており、ユーザーのグルコースレベル(つまり血糖値)をトラッキングすることで代謝活動を監視できるよう設計されているのだ。

糖尿病を患っている人々にとって血糖値の管理は欠かせない。しかし、米国だけでも何百万人もの人が糖尿病予備軍、つまり血糖値が正常値よりも高く、本人が分かっていないだけで実際は糖尿病になる危険性が高いグループに属している。

さらに、Ultrahumanは世界中で10億人以上もの人々がメタボリックヘルス障害に苦しんでいると主張しており、同社が目をつけている潜在的市場の大きさを物語っている。

血糖値が高い状態が続くとさまざまな健康上の問題が発生するため、食事や運動などの生活習慣を改善させて血糖値を管理することが望ましいとされている。生活習慣の改善は血糖値の上昇を抑え、健康への悪影響を軽減したり、あるいは糖尿病予備軍の人が本格的な糖尿病を発症するリスクを回避したりすることさえできるという。

しかし、人によって、それぞれの食べ物に対する血糖値の反応は大きく異なるため、どのような食事療法や運動療法が自分に合っているのかを知ることは難しく、試行錯誤を繰り返すことになりかねない。

これらの反応は個人の代謝の健康状態に左右されるものであり、さらにマイクロバイオームの多様性、ストレスレベル、時間帯、食品の成分や品質などさまざまな要因に影響を受ける。(関連記事: パーソナライズされた栄養改善アドバイスを提供するスタートアップZoeは、同様に血糖値に注目しているものの、彼らはビッグデータとAIを使ってマイクロバイオームを解読しようとする幅広い取り組みのうちの一要素として扱っている)。

代謝の健康状態には個人差があるため、継続的なグルコースモニタリングが広く普及する可能性は極めて高いと言えるだろう。そのプロセスと価格帯が広く受け入れられるようなものならば、なおさらである。

Ultrahumanは現在、それを達成すべく、フィットネス愛好家に向けたデバイスの製品化に取り組んでいる。6月には最初のデバイスのベータ版を発表しているが、ターゲットとしている価格帯はかなりプレミアムなものとなっている。

創業者兼CEOのMohit Kumar(モヒット・クマール)氏によると「Cyborg」と名付けられた同製品(ウェアラブルとサブスクリプションサービス)は、皮下の間質液からグルコースを抽出する皮膚パッチを備えており、そのデータが分析と視覚化のための付属アプリに供給される仕組みとなっている。

画像クレジット:Ultrahuman

食事中、運動中、睡眠中など、着用者の日常生活における血糖値をこのパッチがトラッキング。バイオマーカーがアプリのトリガーとなって、ユーザーに「ライフスタイルの最適化」を促すシステムだ(Ultrahumanのウェブサイトによると、高血糖イベントを警告し、レベルを下げるための運動を提案するなど)。

継続的な血糖値モニタリングを簡単に行う、とうたうこの製品が実際に効果を発揮すれば、ジャンクフード好きの人は大好きな菓子を食べたらすぐに送られてくる、自分の体の反応に対するフィードバックにショックを受けることになるだろう。

ウェアラブル技術の具体的な内容について尋ねると「スポーツテクノロジーの分野で過去6〜7年にわたって使用されてきた医療グレードのセンサーを使用しており、精度もまずまずです」とクマール氏は回答。(ここでいう「ウェア」とは、センシングハードウェアを素肌に直接装着することを意味する)

Ultrahumanのプラットフォームには一般のフィットネスコンテンツも数多く含まれているが、同社は現在「メタボリックフィットネス・プラットフォーム」と称して開発中の同製品を前面に押し出している。ただし、このサービスは現在のところクローズドベータ版となっている。

現在は技術に磨きをかけながら、登録待ちのリストを受け付けている最中である。

「数千人」もの人々がこの血糖値トラッカーサービスに登録し、その利用を待っているとUltrahumanは伝えている。また、登録者数は前週比で60%増加しており、製品の一般普及は「2022年初頭」を予定しているとのことだ。

シリーズBの資金の一部は、製品の本格的な発売に向けてグルコースバイオマーカーの品質を向上させるために使用される予定だ。

強化面においては、ウェアラブルの改良を進める中で同社は「より正確な方法でグルコースを捉え、14日間以上使用できるような他のフォームファクターや他のタイプのセンサー」を検討しているとクマール氏はTechCrunchに語っている。(現在の皮膚装着型センサーは2週間しか使用できず、その後は別のパッチに交換する必要がある)

「HRV(心拍変動)、スリープゾーン、呼吸数などのバイオマーカーを追加して、代謝の健康状態が回復や睡眠に与える影響や、またその逆を理解してもらえるようにしたいと考えています」と同氏。

グルコースはフィットネスやウェルネスに関するさまざまな問題を数値化するためのプロキシとして使用でき、個人の健康シグナルを測るのに非常に役立つ(可能性のある)指標となるため「主要なバイオマーカー」としてグルコースのトラッキングに焦点を当てることにしたと、Ultrahumanは伝えている。

同スタートアップの技術が血糖値の変化を十分な感度で検知し、ユーザーごとに意味のある提案ができてこその製品である。

「グルコースは運動、睡眠、ストレス、食事などの影響を直に受けるリアルタイムのバイオマーカーで、とても興味深いものです。私たちは、栄養、睡眠、ストレス、運動など、さまざまな要素から人々のライフスタイルを変える手助けをすることができます。また体の反応に合わせ、非常にパーソナライズされたガイダンスを提供することが可能です」とクマール氏は話している。

この製品を使い、どのようにしてユーザーの食事や運動に有益な調整を行うことができるかという例をクマール氏は説明してくれた。例えば、同製品は今食べた食事が「健康的な代謝反応」をもたらすものなのか、それとも「より最適化が必要」なものなのか(血糖値の急降下を避けるため)を特定でき、また体内のグルコース消費率に応じて、ユーザーのライフスタイルに合わせた「最適な食事のタイミング」を特定することもできるという。

また、アスリートやフィットネス愛好家に向けて、センサーを装着したユーザーが最適なパフォーマンスを発揮するため、運動前にどのような食事を補給すればよいかなどのアドバイスも提案してくれるという。

また、1日の最後の食事を最適化することで、睡眠効率を高めることも可能だ。

UltrahumanのCyborgが(我慢できる程度に)装着可能な皮膚パッチと巧妙なアルゴリズム分析でこれらすべてを行うことができるとすれば、セルフトレーニングトレンドの次を行くものになるだろう。

シンプルな貼るタイプのセンサー&アプリは、体内の生体信号を受動的に増幅し、個々のバイオマーカーを実用的なパーソナライズされた健康情報にリアルタイムで変換するもので、これは予防医療の分野における大きな始まりの一歩になるかもしれない。

ただし、繰り返し書くがUltrahumanの初期価格設定を見ると、ここでこの製品を購入できる人は限られてくるだろう。

クマール氏によると、クローズドベータ版のアーリーアダプターは、サブスクリプションサービスに毎月80ドルを支払うことになっている。そして少なくとも今のところ、同社は今後より多くの機能を追加しようと目論んでいる。「製品の価格設定はほぼ同じままですが、さらにサービスやプレミアム機能を追加する可能性があります」と同氏は述べている。

しかし健康的な食事をするためのコストや、運動をして自分の体をケアできるだけの余暇を持つというのは、社会経済的に厳しい制限である。どんなにスマートであっても、こればかりはウェアラブルによって解決できるものではない。

画像クレジット:Ultrahuman

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

電子ペーパータブレット「reMarkable」が新機能を利用できるようになるサブスクサービスを追加

電子ペーパータブレット「reMarkable」シリーズのメーカーが、最新機種により高度な機能を実現するためのサブスクリプションサービスを追加したことは、かなり意外な動きだった。既存ユーザーには生涯サービスが提供され、新規ユーザーには約1年間の無料サービスが提供されるため、ほとんどのユーザーにとってはほとんど何も変わりはないが、それでもこのスタートアップにとってはかなりの方向転換となる。

関連記事:あらゆる面で初代を上回りニッチを貫くE Inkタブレット「reMarkable 2」

reMarkable Connectサービスには2つのプランが用意されており、月額5ドル(約560円)の基本的なサービスでは、ドキュメントの無制限クラウドストレージにアップグレードされ、月額8ドル(約900円)のプランでは、GoogleドライブとDropboxへの統合、手書き変換、画面共有、メール送信、高速同期などの機能が追加される。サブスクリプションがない状態でも、デバイスは同期するが、50日間未開封で放置されたファイルは同期してくれない(つまり、基本的にアーカイブとしては使えない)。reMarkableを購入する人は、Connectのサブスクリプションを一緒に購入すると最大150ドル(約1万7000円)の割引が受けられるので、1年程度であれば十分元をとることができるだろう。

一方で、これは予想外であり、少し怪しい動きにも見える。つまり、数カ月前に単にreMarkableのツールの一部として発表された機能に課金するというわけだからだ。実際、それらの機能はここ数週間のうちに通常の無料機能として提供されてきた。

その一方で、収益の面では理解ができるし、この方法はこれを実施するための最良の方法であるともいえる。現在のユーザーには無料で提供され、他のユーザーには1年間無料で提供され、さらに、デバイスをごく普通に使用するのであれば、あまり問題にならない無料オプションもあるからだ。

この決定の理由について、同社にコメントを求めたので、返答があり次第、この記事を更新する予定だ。

2020年、reMarkable 2をレビューした際には、そのハードウェア、画面の反応、インターフェースのシンプルさに感銘を受けた。しかし、その時に指摘したように、このタブレットは、その長所にもかかわらず、まだ非常にニッチなデバイスだ。私はクリエイターと何度か話をしたことがあるが、彼らが「集中力を重視し、気が散らない未来の紙」というビジョンに献身的に取り組んでいることを確信している。それは理解できるのだが、デジタル経済は基本的に注意散漫と情報過多の上に成り立っているので、そのパイを切り開くのは困難に違いない。

同社はこれまでに10万台以上を出荷し、資金調達も行ってきたが、ハードウェア専門のスタートアップ企業はほとんどない。ハードウェアの販売が飽和状態に近づく中で、同社が収入を増やす方法を模索するのは、さほど不思議なことではないだろう。

いや、わからない。もしかしたら、より広い範囲での「集中した生産性」製品という戦略なのかもしれない。だとすると、私も絶対に使いたいと思うだろう。このデバイスとサービスに対する私の批判は「できることはできたが、十分ではなかった」というものだ。Chromeの拡張機能で記事の保存ができるようになったが、Pocketのユーザーとしては、それをつなげられればいいのにと思ってしまう。reMarkable上で体験した方が単純に良いと感じる他のコンテンツについても同様だ。ミニマリストの理念は評価するが、恣意的に制限されているようにも感じたのと、スクリーン共有やGoogle Drive/Dropboxの統合がある今、他のサービスを含めることに反対することはもはやできない。

メールやチャット、ソーシャル機能などは一切使用せず、私に集中させて欲しい。しかし、何かに集中したいのであって、reMarkableの欠点に当てはまるものだけに集中したいのではない。誰もが生活の中でもう少し集中できるはずだが、これは集中するための摩擦を減らすのにも役立つ。

それと、フロントライトもいいかもしれない。これは機能面でのリクエストになるが。ほら、私の視野は以前のものと同じではない。だから、聞いて欲しい。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

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(文:Devin Coldewey、Akihito Mizukoshi)