ホンダが、イスラエルのテル・アビブに新しく開設されたスタートアップハブDRIVEと提携

2016 Honda Civic Sedan

ホンダはそのXceleratorプログラムを使ったスタートアップたちとのパートナーシップを、水曜日にイスラエルのテル・アビブに開設された新しいスタートアップハブであるDRIVEを通して、更に拡大しようとしている。DRIVEは、特に輸送と自動運転ソリューションを含む、スマート移動テクノロジーに注力する施設だ。今回のパートナーシップは、ホンダのシリコンバレー研究所の成果と直接つながっていて、「専門技術、資金提供、そして素早いプロトタイプ作成の機会」を参加企業に提供する。将来的にはそれらの関係が「更なるビジネス関係へと進化する」ことが期待されている。

Hondaは新しいDRIVEセンターの唯一のボードメンバーではない。更にHertzレンタカーやVolvoといったパートナーも加わっている。Mayer Groupによるこの施設の立ち上げは、テクノロジーセクターによる興味が、自動運転革命だけでなく、都市の交通や自動輸送一般に向けて成長しようとしている現在、そうした動きへ出資するという意味で、完璧なタイミングでなされたものだ。

ホンダは、スタートアップコミュニティとの協業に熱心であり、そうしたパートナーシップを実際の製品開発の駆動力として利用してきた。例えばスタートアップのVocalZoomとのタイアップで 、ホンダは今年のCESにおいて、より優れた音声認識を提供するための光学センサの利用のコンセプトを紹介した。これらのセンサーは話者の顔を認識し、マイクロフォンから集められたデータを補完する。

有望なスタートアップと提携し育成を行うことは、スマートな戦略だ。ホンダの国際研究開発活動の責任者である松本宜之が、1月のCESで筆者に対して語ったことは、それこそが、内部での開発や、外部との協力、あるいは買収といった手段を問わず、あらゆる問題に対して最善の解を見出すための、同社の基本アプローチの一部なのだということだ。

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(翻訳:Sako)

アンケートで従業員のエンゲージメントを可視化し、リファラル採用を加速する「Refcome Engage」ベータ版

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最近スタートアップの採用施策において「リファラル採用(紹介採用)」の話題になることが増えてきた。だがこのリファラル採用、企業の人事担当者からは「従業員の協力が得られない、従業員が人材を紹介してくれない」といった悩みをの声が上がることも少なくない。

そこに着目したのがリファラル採用支援サービス「Refcome(リフカム)」を手がけるCombinatorだ。同社は2月15日、従業員エンゲージメント(社員満足度)を可視化するサービス「Refcome Engage(リフカムエンゲージ)」のベータ版をリリースした。またリリースと同時に事前登録も開始している。サービスの利用は無料だ。

リファラル採用に協力的な従業員を可視化

Refcome Engageは従業員にアンケートを配信し、従業員エンゲージメントを可視化するサービス。使い方は非常にシンプル。従業員情報をCSVファイルで追加した後、あらかじめ用意された「eNPS(employee Net Promoter Score:従業員向けの顧客ロイヤルティ指標)」に基づいて作成したアンケートを配信するだけ。その回答によって、従業員が批判者、中立者、推奨者の3つに分類。従業員エンゲージメントを可視化する。

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アンケートの配信は全社はもちろんのこと、部署ごとに絞り込みを行うことも可能。この結果をもとにすることで、批判者の多い部署にリファラル採用の協力依頼をすることなく、推奨者の多い部署からリファラル採用を始めることができる。

リファラル採用、成功のカギは従業員のエンゲージメント

TechCrunchが以前行った取材でCombinator代表取締役の清水巧氏は「社員満足度や組織課題を可視化できるようなプロダクトにしていく」と今後の展望を語っていた。Refcome Engageはその思いを形にしたプロダクトだ。

「Refcomeを半年間運用していく中で、リファラル採用が上手くいく企業と上手くいかない企業がハッキリと分かれてきました。うまくいく企業には何があるのか? そこで重要だったのは『エンゲージメントの高い従業員がどれだけいるか』ということでした」(清水氏)

例えば、非協力的な従業員が多くいる状況にもかかわらず、全社に向けて「リファラル採用の協力をお願いします」と言ってしまっては施策自体がしらけてしまう。極端に言えばかえって会社を嫌いになる人も出てきてしまうだろう。その一方で、協力的な従業員が多い会社であれば、自然と採用に関する話が盛り上がる。であれば、リファラル採用に取り組む前にきちんと自社の環境を分析する方がいいのではないか。そう思って社員のエンゲージメントを把握できるサービスの提供を決めた。

「Refcome Engageはリファラル採用の施策策定をサポートするサービスではありますが、それだけではありません。エンゲージメントを可視化することで退職リスクの高い従業員も浮き彫りになってくるので、事前に対策が打てるようになります」(Combinator取締役 カスタマーサクセス部の石川優氏)

アンケートの回答内容はRefcome Engage内に蓄積されていくため、会社に対する不満の変化も知ることができ、それをもとに面談などが行える。

早期の100社無料登録を目指す

「いきなりRefcomeを使ってもらうのではなく、まずはRefcome Engageを使って社内の環境を分析する。それでリファラル採用が上手くいくかどうかを知ってもらい、その次のステップとしてRefcomeを使ってもらえればと思っています」(清水氏)

まずは100社の無料登録、そして半年後の正式公開を目指すという。一方、従来提供してきたRefcomeに関しては現在、無料ユーザーの募集をいったん停止。有料ユーザーの獲得を狙うことで、MRR(月間経常収益)の向上を目指すとしている。

(左から)取締役 カスタマーサクセス部 石川優氏、代表取締役 清水巧氏

Combinator取締役 カスタマーサクセス部の石川優氏(左)、代表取締役の清水巧氏(右)

[ポッドキャスト]出所者がスタートアップの世界に飛び込むと誰も犯罪履歴を調べないから立ち直りも早い

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[筆者: Ruben Harris]

刑務所で刑期を終えた人は、その“犯罪歴”のゆえに、社会復帰が難しい場合が多い。その犯罪が“非暴力犯罪”だった場合でも、だ。

企業は求職者の経歴調査をするから、就職もほとんど不可能で、最近“釈放された”人も、食べ物にありつくために犯罪に復帰せざるをえない場合がある。

この悪循環のことを累犯性(recidivism)と呼び、今日のゲストDivineは、どうやってこの循環を断ち切ったかを語る。

Divineが著名なVCのBen Horowitzに出会った話は、あなたも読んだと思うし、確かに感動的だけど、今日の彼は、自分の生い立ちを語っている。彼は19歳で月に20万ドルを稼ぐようになり、そして結局は刑務所行きとなった。

その後彼は、再犯の循環を断ち切るには教育が重要と悟り、また、刑務所産業とでも呼ぶべき業態が多くの小企業を潤していることを知る。それと同時にDivineは、テクノロジー業界のリーダーたちが刑事司法の改革やそれ以上のことに取り組んでいることも、知った。

あなたが拘禁の経験者であったり、あるいは友だちや知人に立ち直りに努力している人がいるなら、Divineから、獄屋からイノベーションへの道を学べるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「自前主義の限界感じた」トヨタがオープンイノベーション・プログラムを手がけるワケ

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2016年12月7日に発表された、トヨタ自動車のオープンイノベーション・プログラム「TOYOTA NEXT」。同プログラムは、企業や研究機関が持つユニークなアイデアや技術と、トヨタが持つアセットを組み合わせ、“新たなモビリティサービスの創設”を目指すというもの。運営はデジタルガレージおよび同社傘下でシードアクセラレーターのOpen Network Labが協力する。

募集対象は、技術者や研究機関をはじめ、ベンチャー・中小企業から大企業までの国内の企業。募集期間は2月20日まで。その後は約半年間の選考期間を経て、協業の形を模索していくという。

開催にあたって、募集されているテーマは下記の5つだ。

1. 全ての人の移動の不安を払拭する安全・安心サービス
2. もっと快適で楽しい移動を提供するクルマの利用促進サービス
3. オーナーのロイヤルティを高める愛車化サービス
4. トヨタの保有するデータを活用した ONE to ONE サービス
5. 全国のトヨタ販売店を通じて提供するディーラーサービス

創業から80年、「自前主義の限界」感じた

社内外のリソースを組み合わせ、新たな商品やサービスを開発する“オープンイノベーション”の動きはここ数年で活発になってきている。TechCrunchの読者に関わりそうなところで言えば、大企業が旗振り役となってプログラムを立ち上げ、アクセラレーターがサポートに入ってスタートアップとの橋渡しをする、なんていうケースが多いのではないだろうか。

そんな背景もあって1〜2年ほど前から各所でオープンイノベーションに向けたプログラムが発表されている。例えばCCCグループが手がける「T-VENTURE PROGRAM」などは、採択企業が最終的にCCC傘下に入るといった具体的な事例も出ているようだ。しかし各社のプログラムを見渡してみて、全てが具体的な成果を上げているとは言い切れない状況だ。

ではそんな中でなぜトヨタはTOYOTA NEXTを開始するのか。トヨタ自動車 デジタルマーケティング部 部付 中長期戦略グループ 係長の金岡慶氏は、「自前主義の限界を感じていた」とプログラム立ち上げの経緯について語る。

「創業から80年。我々はずっと自前主義を貫いてきていたのですが、ここ数年、業績だけでは分からないような行き詰まりを最近感じていて。『メーカー目線」ではなく『お客様目線』でのブレークスルーを考えたときに、自前でやっていくことだけが最適解ではないだろうと。いろんんな人の知恵を借りてやっていくことが良いのではないかと思いプログラムを開催することにしました」(金岡氏)

TOYOTA NEXTは同社と取引のあるグループ会社以外を除き、あらゆる人や組織が応募可能なプログラムとなっている。また従来のプログラムのような1企業対1企業の形式は設けず、複数社でアイデアを考えて申し込みをすることもできるとのこと。そのあたりに従来のオープンイノベーション・プログラムとの違いを感じられる。

各アセットごとに担当者をアサイン

これまでにも未来プロジェクト室など、新たなモビリティサービスを生み出すプロジェクトを走らせてきた同社だが、今回のプログラムはトヨタ自動車が持つアセットを幅広く開放している点が大きく異なっているという。

これまでの取り組みでも、テレマティクスサービス「T-Connect」のアセットのみを提供するということはあった。だが今回の取り組みでは、同社の自動車ユーザーの位置情報などのビッグデータ、全国約5200店舗のディーラーネットワーク、レンタカーサービスを提供する約1200店舗・月間1000万UUのオウンドメディア、会員数15万人・友達数2,500万人の LINE 公式アカウントなどのタッチポイント、トヨタのクルマに備わっているスマートキーボックス、TransLog、T-Connect、TC スマホナビアプリなどの製品やサービスを提供するのだという。

「今回、各アセットごとに担当者をアサインしていく予定です。2次選考でアイデアの突き合わせの時間を2カ月半とっており、社内の体制は万全にしているので、通過したアイデアが何にもならなかった……という事態は起きないようにしています」(金岡氏)

プログラムを始めたはいいものの、プログラムの運営チームが社内の別部署の協力を得られずに頓挫するなんていう話も耳にするが、そういった課題も乗り越えているというのが同社の主張だ。選考を通過した後は、事業の規模によってさまざまな協業の形を検討。出資という形式をとることもあれば、ジョイントベンチャーの立ち上げや開発資金のみの提供も考えられるそうだ。

なぜ、トヨタ×デジタルガレージだったのか?

今回の取り組みでトヨタがデジタルガレージとともにプログラムを組んだ背景には、クリエイティブディレクターであるレイ・イナモト氏が関係している。金岡氏によると、TOYOTA NEXTのクリエイティブ統括をレイ・イナモト氏が行っており、イナモト氏の会社であるInamoto & Co.に対してデジタルガレージが出資していることから接点を持ったのだという。

デジタルガレージといえば、DGインキュベーションによるスタートアップ投資に加えて、Open Network LabのSeed Acceleration Programを通じて日本のスタートアップを支援してきたアクセラレーターの先駆けでもある。

「(大企業とスタートアップを結ぶプログラムについて)これまで我々のところにもいくつかお誘いの声はあったのですが、全て断ってきました。もしやるならば、本気の企業とやりたいと思っていました」(DGインキュベーション シニアインベスメントマネージャーの松田崇義氏)良い例、悪い例も知っているデジタルガレージが運営の知見を教えていくことで、1回限りで終わらず、定期的に開催するプログラムにしていくことを目指すという。

TOYOTA NEXTでは、具体的な成果目標は掲げていないという。「応募テーマ数と同程度、5つくらいはサービスが出せたらな、とは思っています」(金岡氏)

トヨタ自動車 デジタルマーケティング部 部付 中長期戦略グループ 係長の金岡慶氏(左)とデジタルガレージのDGインキュベーションの松田崇義氏(右)

トヨタ自動車 デジタルマーケティング部 部付 中長期戦略グループ 係長の金岡慶氏(左)とデジタルガレージのDGインキュベーションの松田崇義氏(右)

500 Startupsの第20期が来週デモ―全スタートアップ一挙紹介

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500 Startupsの最新のクラスが来週プレゼンを行う。これは同時に、500 Startupsではすでに新しいクラスをスタートさせる準備が進んでいるということでもある。以下にバッチの全スタートアップを紹介する。

今回、第20期のスタートアップの大半はヘルス、金融に加えて公共機関に効率化のテクノロジーを供給することを目的としている。つまりこうした分野がトレンドだということだ。今回のバッチの3分の1はアメリカ以外のチームだった。

  • AllVirtuous — オンデマンド、クラウドソーシングで偽造商品を発見、撲滅する
  • Alta5 — 金融市場の取引をイベント・ドリブンで処理するプラットフォーム.
  • BenRevo — 保険会社、保険ブローカー、雇用主をデジタルに接続する
  • Bloom Credit — データ・ドリブンでローン申し込み者の財務状態を把握、改善する
  • Boon — 社員のSNSデータと人工知能を利用した人材リクルート・ネットワーク
  • Cadence — 通訳者と業務依頼者をマッチングさせるためのAPI
  • Clanbeat — 管理職の業務評価を継続的に実行できる フィードバック・ツール
  • Court Buddy — 個人事業主の弁護士を予算に応じて探すテクノロジー・プラットフォーム
  • Digital Mortar — l現実店舗のための経営最適化サービス
  • EquitySim — 金融ビジネスにおける学生の研修を助け機械学習を利用して雇用主とマッチングする
  • FinCheck — 財務サービスに関する会話ボット
  • FriendlyData — データベースの自然言語インターフェイス
  • Funderful — 大学向けオンライン資金集めソフト
  • Govlist — 文書オートメーションとアナリティクスを用いて公共機関の購入を最適化する〔注〕
  • Halo Home — スマートホームのセキュリティー
  • Hyphen — 管理職、人事部向けの機械学習を利用したリアルタイムで匿名化された社員の要望を聞くシステム
  • Littlefund — 子供たちの財政感覚を養うための貯蓄とギフトのためのスマート・ツール
  • Biomarker.io — ユーザーのサプリ服用などをトラッキングできるヘルス・モニター・プラットフォーム
  • Mycroft — SiriやAlexaなどのオープンソース版
  • Nazar — エージェントを用いないデータベースのパフォーマンス監視システム
  • Numina — A センサー・プラットフォーム コンピューター・ビジョンを利用してリアルタイムで都市の活動状況を分析する
  • Obie (Tasytt Inc.) — チームのデータを横断的にアクセスできるSlackbot
  • Optimity — ヘルスコーチングサービスにより社員の健康を改善し雇用者の健康保険負担を軽減する
  • Orderly Health — AIを利用してユーザーの医療コストの質問に答えるコンシェルジュ.
  • Preteckt — ハード、ソフトのデータを機械学習を利用して分析、自動車の故障を予測するオーナードライバーのためのソリューション 
  • Printivo — アフリカ企業、デザイナーのためのワンストップ高品質プリント・サービス
  • Raxar Technology Corporation — 大企業、政府機関向けにインテリジェント・データ管理プラットフォームを利用してワークフロー効率化を提供する
  • Regard — 病気、負傷による収入ダウンを保障するオンライン収入保険
  • SentiSum — 大企業が顧客の要望データを利用するための人工知能アナリティクス・プラットフォーム
  • Shoelace — eコマースの運営者がソーシャルメディア上でリターゲティングを行うことを助ける人工知能アシスタント
  • Skeyecode — 新しい暗号化システムを利用した認証ソフト
  • Text To Ticket — 「メッセージ入力しながら運転」などの危険運転をビデオ撮影して送付すると報酬が支払われるサービス
  • TopDocs — 医師を募集している病院のためのソフトウェア・プラットフォーム〔注〕.
  • TrueCare24 — 家族のためのワンストップ総合医療サービス
  • UrbanLogiq — 機械学習によるアナリティクスを利用して都市計画の精度、スピート、コストパフォーマンスをアップする
  • WellTrack — ストレス、不安、うつ状態改善のためのオンデマンドのオンライン・セラピー・プラットフォーム
  • Win-Win — スポーツ・ゲームのプラットフォーム。プロやセレブと1週間にわたる試合が体験でき、エントリー料金はチャリティーのために寄付される
  • YayPay — 売掛金処理にAIを利用してキャッシュフロー改善する
  • Zyudly Labs — ディープラーニングを利用して金融サービス市場における詐欺と戦いサイバーセキュリティーを確保する
  • VIA Global Health — 途上国市場で入手困難な医薬品を探し必要な人々と結びつけるプラットフォーム
  • Visabot — 人工知能を利用してアメリカのビザ取得プロセスを効率化する
  • Smile Identity — 身分証明書類と「スマート・セルフィー」写真を結びつけてバイオメトリクス認証を可能にするAndroidデバイス.
  • Credit Stacks — クレジットカード履歴のない外国人向けクレジットカード

〔日本版〕原文ではGovListのURLが404、TopDocsのURLが次のTrueCare24と同一だったため、それぞれ正しいと思われるアドレスに訂正してある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

2017年Crunchie賞ベストスタートアップ賞はSlack、なんと3年連続受賞

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Slackは、チームのためのコミュニケーションプラットホームだ。つまり、おしゃれで出来栄えの良いチャットルーム、今やテクノロジーの世界ではたくさんの(ほとんどの?)チームが使っている。あなたが使っていなくても、あなたのお気に入りのアプリやサービスを作っている人たちはきっと使っているだろう。

もちろんSlackがCrunchie賞〔既存のスタートアップに対する部門別年間賞〕をもらうのは、これが初めてではない。2016年には最速成長賞を獲得し、協同ファウンダーたち(Stewart Butterfield, Eric Costello, Cal Henderson, Serguei Mourachov)は2015年の今年のファウンダー賞を共有した。

Slack以外に今年のベストスタートアップ賞にノミネートされたのは、中国のライドシェアサービスDidi、GIFを検索するGiphy、誰もが簡単に支払い決済を実装できるStripe、そしてElon MuskのロケットメーカーSpaceXだ。この中で、準優勝はStripeだった。

勝者を投票で決めたCrunchies Boardは、投資家や業界のリーダー、ファウンダー、そして本誌の編集スタッフから成る120名のグループだ。

今年の各賞一覧(未訳)〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スタートアップピッチの前に理解しておくべき12のKPI

Colorful data graphs on glowing panel of computer screens

【編集部注】著者のPhil Nadel氏はBarbara Corcoran Venture Partnersの共同創業者でディレクター。

創業者たちが、会社の主要業績評価指標(KPI)を良く理解しておくことはとても大切だ。ほとんど取り憑かれたかのようにKPIに集中することなしに、会社が実りある成長を遂げることを望むことはできない。

何故か?なぜなら、もしKPIが正しく設定されていれば、経営者や投資候補者たちに、感情や美辞麗句で汚染されていない、冷静で分析的な会社の現況を伝えてくれるからなのだ。ただそうした集中はKPI自身だけに限定されるべきではない、それらは成果の単なる測定手段に過ぎないのだ。私たちは、創業者たちが、ビジネスを改善するためにはどのレバーを引き、どのような調整が可能かを理解することを望んでいる。そのことが結果的にKPIに反映されることになるのだ。

焦点はKPIそのものではない。その裏にある意味と、何がお互いに影響を与えているのかを知ることが大切だ。

それでは以下に、創業者たちが徹底的に理解し、最適化に向けての戦略(群)を持つべき、重要なKPIのいくつかを紹介しよう。なおいくつかのKPIは、特定の種類のビジネスには適用されないことに留意して欲しい。またここでは、私はそれぞれのメトリックに対しての詳細な解説も計算方法の紹介も行わない。なぜなら(a)それはこの記事のスコープを遥かに超えてしまう、(b)そうした情報は他の情報源からたやすく得ることができる、という理由からだ。

顧客獲得コスト(Customer acquisition cost)(CAC)。CACとは、新しい顧客を1人獲得するために、販売、マーケティング、および関連活動に費やされる平均金額のことだ。これはあなたのマーケティング努力の効率性を示す。とはいえこの数値は、以下に紹介する他の指標と組み合わせたり、競合相手のCACと比較した場合により大きな意味を持つ。

新規顧客を獲得することは大切だが、獲得した顧客を維持し続けることが更に大切だ。顧客定着率(customer retention rate)は、所定の期間料金を払い続けてくれる有料顧客の比率を示している。定着率の逆は、チャーン(離脱率)で、これは一定期間にあなたが失う顧客の率を表したものだ。ある一定の期間に高い定着率を示しているなら、その会社は離れがたい製品を持っていて、顧客を満足させ続けていることがわかる。これは資本効率の指標でもある。

顧客生涯価値(Lifetime value) (LTV)とは、平均的な顧客があなたのビジネスに対して、その関係が続く全期間の中で与えてくれる価値の総額を表すものだ。特にCACとの関係の中でこの数値を理解することが、持続可能な会社を作り上げるためにはとても大切だ。

私たちは、LTVに対するCACの比率を黄金のメトリックであると考えている。これは、企業の持続可能性を示す真の指標の1つだ。ある企業が、予想通りにxを10xにすることを繰り返せるならば(注:10倍にするというのは単なる例であって、最低限とか標準といった意味合いではない)、その企業は持続可能だ。

最も成功した創業者たちは、彼らのKPIと、常にそれらを実験し最適化する動きに集中する傾向を持っている。

CAC回収期間(CAC recovery time)(あるいはCACを回収するのに必要な月数)。このKPIが測定するのは、1人の顧客からの収益がCACを上回るのに必要な期間だ。CAC回収期間はキャッシュフローに直接影響を与えるため、結果的にランウェイ(手持ち資金が枯渇する期限。後述)にも影響する。

CACは顧客獲得に関連する変動費用を測定するが、オーバーヘッドは獲得した顧客数に関係なく出ていく固定費を測定したものだ。収益に対するオーバーヘッドの割合が、企業の資本効率を反映したものとなる(すなわち、他の条件が全て同じだとすると、20万ドルのオーバーヘッドから100万ドルの収益を得る企業は、40万ドルのオーバーヘッドから100万ドルの収益を得る企業よりも2倍効率が良い)。

月々の収益と経費(固定および変動)を理解することで、企業のマンスリーバーン(monthly burn:月に減るキャッシュ量。burnは直接的には「燃やす」という意味で、現金を失うことをお札を燃やす比喩で表現している)を計算することができる。これは正味キャッシュフローがマイナスである場合の、月のキャッシュフローの総額を示す。もしある会社が、ある月初に10万ドルを現金で持っていて、同月の終わりの時点で現金が9万ドルになっていた場合、バーンレート(burn rate)は1万ドルだ。もし会社の総キャッシュフローが正であれば、キャッシュは「燃やされて」いない。

どのスタートアップにとっても、ランウェイに対する集中が、生き残りのためには重要だ。ランウェイとは、ある企業がキャッシュ不足に陥るまでの残存期間を、月数で表現したものである。ランウェイは手持ちのキャッシュをマンスリーバーンで割ることで計算される。現在の収益と予想される経費から計算されるマンスリーバーンを用いてランウェイを見積もることができる。だが私たちはこの見積値に対しては保守的な見方を好んでいる(投資後の経費の増加は織り込み済みとする)。私たちが求めるのは最低12ヶ月のランウェイだが、18ヶ月もしくはそれ以上のランウェイを強く好んでいる。短いランウェイは、起業家を近視眼的にし、必要な調整や繰り返しの自由が失われてしまう。同様に、起業家たちを企業を成長させるのではなく、すぐに次の資金調達に向かわせることになる。

パーセンテージで表される利益率は、実際の製品のコストよりもどれだけ高く売られているかを教えてくれるものだ。別の言い方をすれば、販売価格がどれだけ「上乗せ」されているかを示すものだ。この貴重なメトリックは、製品のコストから投資収益率を考慮することを可能にし、企業のスケーラビリティと持続可能性を理解する上でも重要な指標だ。

私たちはコンバージョンレート(conversion rate)を、企業が製品を消費者に売り込む力と、顧客の製品への熱望を組み合わせた、優れたKPIだと考えている。コンバージョンレートを、継続的に追跡しレビューを行い、定期的にそれを改善するための実験を行うことが特に有益だ。

ある種のビジネスでは、収益は財務パフォーマンスに対する、最も有益な指標ではないかもしれない。これは特に、全体の取引量の少ない1部が収益となっている(手数料など)ような市場で成り立つ。こうした場合には流通総額(Gross merchandise volume )(GMV)が有用なKPIになり得る。GMVは、市場を通じて購入される商品やサービスの販売総額を表す。

アプリや、オンラインゲーム、あるいはソーシャルネットワーキングサイトを提供する企業にとっては、 月間アクティブユーザー(monthly active users) (MAU)は重要なKPIだ。MAUは、あるサイトやアプリを使うユニークユーザー数を30日毎に集計したものだ。MAUを理解することは、ある企業の潜在的な収益力の決定を助け、現在どれ位上手くマネタイズができているかを示してくれる。

私たちが創業者たちに、その会社について知るための質問をするときには、これらのKPIを、彼ら自身の言葉と他の情報で説明して貰う。それは私たちがビジネスの現在の状態を理解するための簡単な方法であり、自身のKPIを知らない創業者たちに対しては深い懸念を抱くことになる。最も成功した創業者たちは、彼らのKPIと、常にそれらを実験し最適化する動きに集中する傾向を持っている。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: OLIVER BURSTON/GETTY IMAGES

シリコンバレーを有効活用するためのサテライトオフィスという選択

Silicon Valley from above

【編集部注】執筆者のAndrew GazdeckiはBizness Appsのファウンダー兼CEO。

スタートアップのエコシステムが、ユタ州シアトルダラスデンバーシカゴニューヨークシティなどアメリカ中の街で根付き始めている中、全ての街がシリコンバレーの成功の法則をコピーしようとしている。SSTIのデータによれば、ベンチャーキャピタルによる投資も以下のようにアメリカ中に広がっている。ニューヨーク州(の企業に対する投資額):44億ドル、コロラド州:8億ドル、ジョージア州:8億3600万ドル、アリゾナ州:1億1300万ドル、デラウェア州:9800万ドル、ネバダ州:4500万ドル、オハイオ州:3億ドル、イリノイ州:10億ドル、アイダホ州:200万ドル、カンザス州:5000万ドル、インディアナ州:5400億ドル、フロリダ州:8億6400万ドル、コネチカット州:5億6300万ドル。

全国のスタートアップエコシステムが広がりを見せている一方で、ベンチャーキャピタルによる投資総額の47%を占める、272億ドルという投資額を誇るシリコンバレーと肩を並べるような街は存在しない

しかし、シリコンバレー以外で事業を展開することにはメリットも多くある。人材獲得や事業の確立のしやすさ、自分のビジネスを脅かすような数十億ドルの評価額を誇る企業がいないことなどが、その例として挙げられる。

とは言っても、シリコンバレー優位の状況は変わらない。そこで、前述の街やこれから自分たちのテクノロジーハブを成長させようと考えている地域は、「どのようにシリコンバレーのリソースを活用して自分たちのエコシステムを成長させることができるのか?」という問いに答えていかなければならない。

シリコンバレーのリソースの活用

次のAppleやGoogle、Facebookを育てることで、各地域は何千というテック系の雇用を創出することができ、短期的には地元経済へも大きな変化をもたらす可能性がある。しかし投資家やメンターから得られる適切なリソース無しでは、その実現は極めて困難だ。

まず投資家は地元企業へ投資したがる傾向にある。地元が同じであれば、スタートアップがプレゼンを行う際のハードルが下がり、投資家も共同出資がしやすくなる。300を超えるベンチャーキャピタルが何千ものエンジェル投資家と共に、ベイエリアに拠点を置いていることを考えると、シリコンバレー以外のスタートアップは資金調達において不利な立場にいると言える。

スタートアップはシリコンバレーにいなくとも、その恩恵にあずかることができる。

かと言って、スタートアップはシリコンバレーでだけ成功できるというわけではない。さらに、エンジニアやベンチャーキャピタルからの投資を必要としている企業は、シリコンバレーに拠点を移さなければならないと言うつもりもない。そもそもそんなことは不可能だ。

スタートアップエコシステムを成長させようとしている地域は、むしろベンチャーキャピタルや投資家の知識をひきつけるような施策をとらなければいけないのだ。

例えばサンディエゴは独自の取り組みを行い、投資誘致に成功した。同市は11億5000万ドルもの投資を受け、そのほとんどが成長著しいバイオテクノロジー企業への投資だった。しかしこれはサンディエゴにとって良い兆候なのだろうか?

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もちろんだ!しかし11億5000万ドルという投資額自体は目を見張る数字である一方、これはアメリカ全体のベンチャーキャピタルによる投資額の2%にしかならない。サンディエゴはこの(ベイエリアと比較した際の)偏りに気づき、シリコンバレーと協力してエコシステムを成長させるための新しい取り組みをはじめた。

究極的には、国中のテクノロジーハブを育てるために重要なのは、各地のテックスタートアップとシリコンバレーのリソースを結びつけるような方法をみつけることなのだ。

シリコンバレーとの溝を埋める

シリコンバレー以外の地域に拠点を置く企業への投資を考えるベンチャーキャピタルにとって、他地域のスタートアップとシリコンバレーとの溝を埋めることがひとつの命題となっている。さらなる経済成長やイノベーションが、シリコンバレー外の企業からもたらされる可能性があるということが明らかになる中、多くの企業はアメリカ中のテクノロジーハブにサテライトオフィスを設立しだした。そしてこれは両者の溝を埋めるための理想的な方法だと考えられている。

他地域の企業とシリコンバレーを繋げる「橋」としてのサテライトオフィスをつくることで、スタートアップは両者の良い所をうまく利用できるのだ。地元でオペレーションを行うことで彼らは(ほぼ間違いなく)オペレーションコストを下げることができ、「橋」を利用してプレゼンスを持つことで、シリコンバレーの恩恵にあずかることもできる。

多くのベンチャーキャピタルが、チャンスさえあればシリコンバレー外のスタートアップにも喜んで投資するとさえ言っている。投資家のKarim Farisは、他地域のスタートアップへの投資は「新鮮な空気を吸い込む」ようだと言い、「各エコシステムは違った考え方を持っています。さらにそれぞれの地域が、他の地域には無い強みを持っているので、そこから新しいことを学んでいくのも魅力のひとつです」と話していた。

San Diego Venture GroupMike Krennは、サンディエゴの企業とシリコンバレーの投資家の結びつきを強めるための新たな施策を打ち出している。彼らはカリフォルニア州南部に拠点を置く企業のために、シリコンバレーにSan Diego Business Hubを開設中で、地元企業が拠点を移さずにシリコンバレーに眠る資本へアクセスできるような仕組みをつくろうとしている。

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他の地域も、このような「サテライトオフィス」をシリコンバレーにつながる窓のようにとらえ、サンディエゴのような施策を検討した方が良いだろう。そうすれば、シリコンバレーの人材やリソースを直接目にすることができ、もしかしたらシリコンバレーの人材や投資家も彼らに目を向けるかもしれない。サンディエゴはシリコンバレーを競合としてではなく、リソースとして見ており、他の地域も彼らに学ぶべきなのだ。

そうすることで、地元企業はシリコンバレーでのオペレーションに伴う多額のコストを負担する必要もなくなり、多額の資本へもアクセスできるようになる。ベンチャーキャピタルやテック系の人材は川のようにシリコンバレーを流れていると知られており、その流れを変えるよりも、直接今ある川にアクセスする方が賢い戦略だと言える。

実際にスタートアップはシリコンバレーにいなくとも、もっと良い方法でその恩恵にあずかることができる。サテライトオフィスを開設して、両方の利点を享受すれば良いのだ。サテライトオフィスを置くことで、どの地域にいるスタートアップも全てをまとめて西に移動することなく、シリコンバレーの人材や資本にアクセスすることができる。

なぜサテライトオフィスがWin-Winの状況を生み出せるのか

他地域の企業に対して、シリコンバレーのリソースにアクセスするための窓を用意するというのは、激化する競争への回答になるかもしれない。評価額は誰かがコントロールできるものではなく、投資家は自分たちが拠点を置く地域以外へも投資を分散させようとしているのだ。

しかしほとんどの投資家は、自ら外に出て投資チャンスを探そうとまではしていない。実際のところ、シリコンバレー外の企業へ投資を行うことに興味を持っている投資家以上に、有能な人材の少なさを理由に他の地域に拠点を置くスタートアップへの出資を嫌がる投資家の数は多い。

つまり各地域のスタートアップは、投資家をわざわざ引っ張ってくるのではなく、彼らが居る所に向かうような戦略をとらなければならない。投資家が他地域のスタートアップと会いやすく、地元の魅力を感じられるような戦略だ。シリコンバレー外のスタートアップは、投資家が自分たちと会うハードルを下げ、彼らが真剣に投資を考られるような施策をとることができる。

そうすることで他地域のスタートアップは、シリコンバレーでのオペレーションにお金をかけずに、人材や投資を狙うことができる。テック系の人材は自然とシリコンバレーに集まるようになっており競争も激しいため、シリコンバレーは人材採用のハブとしても素晴らしい利点を備えている。

サテライトオフィスという手段をとることで、他地域のスタートアップは地元の良さを利用しながら、シリコンバレーのベンチャーキャピタルや人材にもアクセスできるようになる。これこそが新しいエコシステムを成長させるためのレシピであり、投資家もこのようなアドバンテージを持つ企業に目を向けはじめるようになるだろう。

全員にとってWin-Winな状況をつくる

アメリカ中の各地域はシリコンバレーのリソースを活用すべき、というのが本記事の結論だ。そうすることで他地域のスタートアップの道が拓け、投資家をひきつけることができる。その結果、シリコンバレーの影響力がさらに広がり、各地域はその恩恵にあずかることができる。

また各地域をシリコンバレーと結びつけるということは、関係者全員にとって良いことだ。シリコンバレーの投資家にとっては、新たな投資チャンスがまとめて家の前まで来るようなもので、各地域も新たな人材や資本の流入によって地元経済を活性化することができる。

シリコンバレー以外に拠点を置くスタートアップは、自分たちがどのくらいのシェアを握っているのかだけを心配するのではなく、シリコンバレーとの溝を埋めようとすることで、地域経済の成長を促進することができるかもしれない。これこそが、スタートアップ各社が全米に活動範囲を広げ続ける中、現在起きていることなのだ。そして、この動きから全員が何かを得ることができる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

マッチングサービス「Pairs」が会員数500万人突破 —— 今後はアジア5カ国でサービス展開

恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs」(このタイミングでサービス名の表記がpairsからPairsに変更となった)、カップル専用コミュニケーションアプリ「Couples」を展開するエウレカ。同社は1月23日、Pairsが2016年内にユーザー数500万人、マッチング数3200万組(日本と台湾の合計)を突破したことを明らかにした。累計有料会員数は55万人だが、売上金額は非公表としている。

半年前、赤坂優氏から石橋準也氏へ代表取締役CEOが交代したニュースが記憶に新しいが、当時石橋氏が目標に掲げていた「2016年中のユーザー数500万人突破」は達成した形となる。

また、今回の発表に併せてインフォグラフィックスも公開されている。具体的な数値の推移に関しては、そちらをご覧いただきたい。

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Facebookページ上でのグロース施策が成長を牽引

会員数が500万人を突破したことについて、石橋氏は「台湾事業が好調だったことが大きな要因の一つ」と語っている。Pairsの台湾版は2013年10月にリリースされているが、本格的にグローバル展開を推し進めることにしたのは2016年のこと。

エウレカ代表取締役CEOの石橋準也氏

エウレカ代表取締役CEOの石橋準也氏

同年4月に台湾事業部を立ち上げ、グロース施策に力を入れていった結果、毎月のユーザー数が120%で成長。年内の達成に至ったそうだ。これまで広告出稿をメインに新規ユーザーの獲得を推し進めていた同社だが、具体的にどのようなグロース施策を行ったのだろうか?

「『生年月日をFacebookのコメント欄に投稿すると占いの結果を教えてくれる』といったbotを活用した施策やFacebookのライブ配信を活用した投票の施策を行うことで毎月数万人の新規ユーザーを獲得できた。この台湾で培ったグロース施策を国内にも展開することで、国内のユーザー数も順調に推移していったと思います」(石橋氏)。なお、サービス開始当初にあった診断系のFacebookページに「いいね!」を集めるマーケティングは実施していないという。

ユーザーの「男女比率」が強みに

Pairsはユーザー数だけでなく収益面でも好調だという。先週、App Annieが発表した調査レポート「2016年アプリ市場総括レポート」によると、PairsはiOSとGoogle Playの合計収益で国内6位にランクインしている。マッチングサービスが乱立する中でも収益を伸ばしていった理由の1つについて、ユーザー比率の良さを挙げる。

「一般的なマッチングサービスは男性が8割、女性が2割くらいの比率なのですが、Pairsは男性が6割、女性が4割くらい。すごくバランスがいいんです。売上ばかりを追っていってしまうと、男性ばかりが増えていき、サービスとして衰退していく。ただ、Pairsはオンラインデーティング黎明期からサービスをリリースし、国内ナンバーワンの立ち位置を築けているからこそ女性ユーザーの獲得に注力することができています」(石橋氏)

女性の新規ユーザーを獲得していくことで、男性ユーザーがアクティブに。その結果、Pairsの課金率(累計有料会員数55万人)、マッチング率(マッチング数3200万組)、継続率(平均186日)は業界で最も高い数値になっているとのこと。

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ちなみに、2016年アプリ市場総括レポートでPairsの下に「タップル誕生」がランクインしていることについて伺ってみると、「iOSとGoogle Playの収益は、Paris全体からすると一部でしかない」と石橋氏は答えた。

「Pairsは現在、ウェブ版(PC、スマートフォン)、iPhoneアプリ、Androidアプリの4デバイスでサービスを展開しているのですが、最も収益が高いのはウェブ版スマートフォンです。ネイティブアプリのインストール広告はごく一部しか出稿していないので、基本的な集客はWeb版スマートフォンへ流入するようになっています。きちんとWeb版スマートフォンでも使ってもらえるプロダクトになっているのは、他サービスとの差別化要因になっているのかなと」(石橋氏)

2017年内をめどに韓国・香港・シンガポールの3カ国でサービスを展開

国内のみならず、台湾版もトップシェアを争うほどの成長を見せているPairs。今後はオフライン広告にも積極的に投資を行っていく予定だという。

「現在、売上はナンバーワンにも関わらず全然知られていない。そんな状態になっているので、台湾国内での認知拡大を狙っていきたいですね。台湾のオフライン広告は費用対効果が高く、新規ユーザーの獲得、ブランドリフト効果もあるみたいなので積極的に投資していこうと思います」(石橋氏)

台湾での成功を皮切りに、今後Pairsのグローバル展開を本格化。2017年内(第3四半期めど)に韓国、香港、シンガポールでのサービス展開も予定しているという。具体的にはIAC/Matchグループのノウハウを強みに積極的な事業展開を行っていき、2018年にはアジア5カ国における会員数合計1000万人の獲得、フラッグシップのサービスになることを目指していくそうだ。

2016年12月に同じくIAC/Matchグループのマッチングサービス「Tinder」のカントリーマネージャー・日本支社長が就任しているが。競合になるのかというTechCrunchの質問に対しては、「Pairsはシリアスデーティング、Tinderはカジュアルデーティングと棲み分けができているので、直接的な競合に当たらない」と考えているとのこと。

国内に関しては、オンラインデーティング市場をニッチからマスに変えるべく、オンライン・オフライン双方の広告を通して、出会い系サイトとの違いの明確化、Pairsのブランドイメージの変化を狙っていくとしている。

手持ちコントローラーが要らない(足の裏でコントロール)電動スケボーZBoardは慣れると快適

電動スケートボードは効率が悪いし楽しくない、という説には誰も反論しない。最新の電動スケートボードであるBoosted BoardInBoard M1は、手持ちのコントローラーがBluetoothでボードと通信することによって運転する。でもロサンゼルス生まれのZBoardはコントローラーを廃し、ボード本体のセンサーと足の裏の圧力で操作する。

2年前に本誌TechCrunchはZBoardを取り上げ、当時の製品V1に試乗した。走行距離が長いのには感心したが、足でコントロールするアクセルは安定性が悪くて、都市部で乗るのは厳しい、と感じた。

先週のCESには、そのボードのバージョン2であるZBoard 2が出ていた。機種が2種類あって、Blueは走行距離16マイル最高速20MPHで1299ドル、Pearlは24マイル20MPHで1499ドルだ。

どちらもモーターはベルトドライブ、ヘッドライトとテールライトが組み込まれている。もちろん、二つの感圧パッドによって足の動きを感知し、前進と後進をコントロールする。

最初のうち、このボードのコントロールに慣れるのに手間取る。手持ちのコントローラータイプを使っていた人は、とくにそう感じるだろう。でも、20分ぐらい乗ればかなり慣れてくる。数週間も乗れば、一心同体となるだろう。ペダル方式のコントローラーは手持ちBluetooth方式と比べて精度が高くないが、乗り慣れるとむしろ、こっちの方が自然、と感じる。手で持つコントローラーを廃したことによって、ああ今ぼくは(ふつうの)スケボーに乗ってるなぁ、いい気分だなぁ、という感触を味わえる。

手持ちコントローラーがないと、コントローラーとボードの接続が失われる瞬間がない。手持ちタイプでは、めったにないけど、ときとしてそんな瞬間がある。それに、もうひとつ別のデバイスを充電する、という面倒もない。

電動スケボーに乗りたいけど、コントローラーを手で持つやつはいやだ、と思っていた方には、こいつはぴったりだ。CESでぼくらが試乗したときの様子が、上のビデオに写っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ミリ波ビームによる高速インターネット接続網を提供するStarry Internetが新たに$30Mを調達

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今年の初めにステルス状態を脱したStarry Internetは、その後もずっと試行に終始し、そのユニークな技術をボストンの本社周辺で小規模にテストして、一部のメディアにのみ取材を許してきた。

Starryのソリューションはこれまで、多くの人が憶測をめぐらし、あるいは興奮を招(よ)んできた。それはミリ波のビームを使ってブロードバンド級の速さの無線インターネットを空中にはりめぐらし、特定ISPへの閉じ込め状態から人びとを解放しようとする。同社への関心の一部は、ファウンダーがChet Kanojiaであることにも起因している。彼のこの前のスタートアップAereoは最高裁と正面衝突して大破したが、それから間もない2015年にStarryは創業された。

SECへの提出書類によるとStarryは、最近新たに3000万ドルの資金を調達した。投資家の名前は公表されていないが、これまでの調達資金総額が6300万ドルであることは、同社自身が確認した。

今現在同社のサービスは、非常に小規模な非公開ベータだ。それは、先月の半ばに開始している。来年早々にはボストンの比較的広い範囲へ拡大し、その年の終わりまでにはテスト対象都市を増やす予定だ。

参考記事

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleが検索結果に映画やテレビ番組の評価を含めることを実験中

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Googleがまた、ちょっとした軽いサービスを検索結果の中に直接入れることによって、既存の業界を破ろうとしている。今回は、映画格付けのRotten TomatoesやIMDbとGoogleが、検索すると映画の評価も分かる、という機能をテストしている。

GoogleがSearch Engine Landに確認しているところによると、現在この機能は単なる実験であり、現時点では何も発表することはない、ということだ。

そのほかの映画やテレビ番組の格付けプラットホームと違ってGoogleの機能は、1から5までの点数ではなく、[好き][嫌い]の二択だ。

それ自体はおもしろい機能でもないが、でもGoogleはこうやって徐々にインターネットを覆う自分の層を厚くしていくのだ。

天気予報やチケットの購入などは、個々にそれ専門のサイトがやっていた。しかし今では、Googleの検索結果のページにそれらの情報や機能がある。

映画の評価機能でも、これまでのそのほかの機能と同じく、タイトルをクリックすればオリジナルのサイト(今回はRotten TomatoesとIMDbの格付け)へ行ける。

前述のように、今は単なる実験だから、映画やテレビ番組を検索してこの機能が見られないユーザーもいるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

TechCrunch Disrup Londonの最優秀スタートアップはSeenit―ユーザー参加でプロ級ビデオを作るツール

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当初14チームが参加したDisrupt Londonのスタートアップのバトルは、2日にわたる激しい競争の末、ついに最優秀賞が決まった。

Startup Battlefieldの参加者はすべて高い倍率の選考を経たチームばかりだ。 それぞれのチームはベンチャーキャピタリストを始めテクノロジー界のリーダーからなる審査員とオーディエンスの前でプレゼンを行い、4万ポンドの賞金と名誉のDisrupt Cupを争った。

審査員による数時間の議論の後、TechCrunch編集部ではファイナリストをInsideDNALiftIgniterOxehealthPhenixP2PSeenitの6チームに絞った。

ファイナリストのプレゼンの審査にあたったのは次の顔ぶれだ。Barbara Belvisi(Hardware Club)、Luciana Lixandru(Accel) Sean O’Sullivan(SOSV)、 Matthew Panzarino (TechCrunch編集長)、Francesca Warner(Downing Ventures)。

次回、ニューヨークでの開催が近づいているDisruptのStartup BattlefieldについてはStartup Battlefield hubのページをご覧いただきたい。問い合わせや応募は メールでBattlefield EditorのSam O’Keefe(sam@techcrunch.com)まで。

ではTechCrunch Disrupt London 2016の最優秀賞のプレゼンをどうぞ。

最優秀賞: Seenit

Seenitはイベントの主催者やブランドが参加者やファンを組織してプロ級のビデオ・クリップをを製作できるようにするツールだ。Seenitのユーザーはそうしたファンを選んで招待し、ビデオ製作のためのグループを組織することができる。メンバーはSeenitアプリを利用してモバイルでバイスからビデオを撮影してアップロードすることができる。

Seenitについてのさらに詳しい記事はこちら

次点:InsideDNA

InsideDNAは機械学習を応用した大量のDNA情報の解析テクノロジーで、製薬会社のチームが個人向けにカスタマイズされた薬品のデザイんとテストを行うのを助けることを目的としている。

InsideDNAについての記事

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AIを活用してロゴデザインを行うLogojoy

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ロゴをデザインしようと考えたことのある人なら、デザインにあたってはロゴを利用する組織の特徴やテイストの理解、また何年もの経験やさまざまな関連知識が必要であることに同意してもらえることと思う。そうした制作者の負担をすべて取り除いてしまおうとするのがLogojoyだ。AIおよび機械学習のノウハウを活用し、膨大なバリエーションも提示してロゴデザインを助けてくれる。実際に使ってみたが、なかなかのクオリティだ。

使い方はいたって簡単だ。ロゴを作りたい組織(モノ)の名前を入力して、アイコンや色などを選んでボタンを押すだけだ。あとはコンピューターの方が着々と仕事をこなして、できあがったデザインを見せてくれる。その中に最高のできだと思うものがなくても、「more」ボタンを押せば疲れ果ててしまうまで無限にロゴ候補を提示してくれる。

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細かな修正を指示して、コンピューターにそれに基づくバリエーションを提示させることもできる。

お気に入りのものが見つかれば、そのロゴをクリックすると実際にロゴをあしらったビジネスアイテムのサンプルが表示される。

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利用例もおしゃれで使ってみたい気分を盛り上げる。

実際に利用すると決めたなら「Buy」ボタンで即座に購入することができる。Basic版、Premium版、Enterprise版があり、さまざまな用途で使うのであればPremium版を購入することになるだろう。価格は65ドルだ。この価格を高いと思う人もいると思うが、正直な話、このサービスから提供されるもののクオリティは価格に十分見合うものとなっている。Fiverr99designsでデザイナーを探すよりもはるかに簡単で、かつハイクオリティのものを即座に入手できるのがすばらしい。もちろんさまざまなサンプルをみたあとでも購入しないことを選択することもできる。

もしこのサービスから購入しない場合でも、デザイナーに方向性を示すためのツールとして利用することもできるだろう。いくつかサンプルを選んで提示すれば、デザインプロセスに必要な時間を大幅に節約することもできるだろう。

ともかく、ロゴデザインに興味のある人はぜひこのツールを使ってみて欲しい。触ってみるだけで楽しくなることまちがいなしだと思う。

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(翻訳:Maeda, H

AngelListがスタートアップのプロダクト発見サイトProduct Huntを買収

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スタートアップのためのLinkedInと呼べるAngelListは、ユーザーがスタートアップのプロダクトに人気投票できるProduct Huntを買収した。買収額は非公開だ。

ここ数ヶ月、Product Huntは資金調達に動いているという噂があった。だが、AngelListへの売却がProduct Huntの未来にとって最適な道であり、手を組むことにしたとProduct Huntのファウンダー、Ryan HooverはTechCrunchに話す。

Hooverはこのプラットフォームをローンチしたすぐ後に、Product Huntにも投資しているAngelListのNaval Ravikantと知り合った。当初、HooverはAngelListがProduct Huntと同じコンシューマー向けのプロダクト発見プラットフォームになることを危惧していたという。

AngelListの方も、Product Huntは彼らのようなスタートアップのための資金調達プラットフォームに簡単になることができると考え、不安視していたそうだ。両社は話し合いを重ねた結果、そうした不安が現実のものとはなることはなかった。Hooverは、両社が手を組むことでできることが増えると話す。

Hooverは資金調達を実施しようとしていたことに関しては否定しなかった(調達の規模は聞いたところによると700万ドルから900万ドル規模)。この4ヶ月間、Ravikantと売却した場合はどのようになるかを話していたという。

「こちらの方が良い選択でした」とHooverは売却を決めた理由についてに話す。「これが唯一の選択肢だったということではありません」。

Hooverは他の選択肢については言及しなかったが、AngelListとは信頼関係があり、互いに一致する部分があるからこそ成立したという。

「次のステップに進むためにとても重要なことです」とHooverは言う。「Navalと彼のチームを見て、例えばProduct Huntを買収してすぐに閉鎖しないか知る必要がありました。Navalは、Product Huntが描く未来のビジョンを信じていたから私たちに投資したことをはっきりと示しました」。

RavikantもHooverと同意見のようだ。彼はTechCrunchに対し「Product Huntは私たちにとってもぴったりです」と話す。

「私たちはファウンダーが資金調達したり、人材を獲得したりするのを助けています」とRavikantは言う。「Product Huntが加わることで、私たちはファウンダーがローンチしたプロダクトのアーリーアダプターとなるカスタマーを見つける助けもできます。ファウンダーを支援をするという私たちのミッションに沿うプロダクトです。この買収で、私たちはテクノロジー企業のネットワークになることができます」。

Product Huntは過去にテクノロジーの分野に留まらず、メインストリームのプロダクト発見サービスになることに苦しんだ。しかし、彼らはテクノロジーの分野で流行を生み出すプラットフォームに成長した。2013年後半にローンチした時にはプロダクトは1000程度だったが、現在では5万の企業を収録し、1億回のプロダクト発見につながっているという(Product Huntからプロダクトのサイトに飛んでいる人の数を指している)。

「数百万人がテクノロジー業界で働き、テクノロジーは私たちの全員の生活に影響を与えるものです。新たにAngelListとProduct Huntが組むことで、テクノロジー業界を支援することができます。それで私たちのミッションが犠牲になることも、プラットフォームをさらに成長させるという会社のビジョンも持ち続けることができます」とHooverは話す。

AngelListの傘下に入ることで、Product Huntが今後どのように変わるかは分からない。しかしHooverはこれまでと大きな変更はないと話す。HooverはCEOを続け、Facebookが買収したInstagramと同じように、Product Huntは独立した運営を行っていくという。

Hooverと彼のチームは、サンフランシスコのオフィス賃貸の問題に悩まされ、大部分はリモートで働いているという。彼らは、サンフランシスコの金融街にあるAngelListの本社に設けたProduct Huntのためのスペースに入るそうだ。

Hooverにとって今後の課題は両社のチームを一つにまとめることだ。「全員にとってこの変更をスムーズに行うには課題がたくさんあります。100%完璧にはできないかもしれませんが、それでも良いと思います」とHooverは言う。「ホームレスでなくなり、プロダクトの開発に集中することができるようになるのは良いことです」。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

翻訳サービスから東大門市場のファッションアプリまでーー韓国の有望なスタートアップ8社を紹介

日本から韓国まで飛行機で3時間もかからないが、すぐ隣の国のスタートアップについて知る機会は案外少ない。11月28日、韓国のスタートアップ支援を行う官民ネットワークStartup Alliance Koreaと日本のベンチャーキャピタル、グローバルブレインは韓国スタートアップのピッチイベントを共催し、勢いのある韓国スタートアップ8社が登壇した。

ブロックチェーンやVRといった全世界的に注目が集まっている分野のスタートアップがある一方で、韓国の東大門市場のファッションを扱うショッピングアプリなど韓国独自のビジネスを活かすスタートアップもあった。この記事では登壇した8社の概要を紹介したい。

Flitto:翻訳プラットフォーム

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Flittoはクラウドソース翻訳とプロによる専門翻訳を提供するプラットフォームを提供している。Flittoの主な顧客は、観光客向けに案内やメニューを多言語化したいと考える観光スポットや美術館、レストランなどだ。立て看板などを翻訳したい施設は、Flittoのアプリで看板を撮影し、翻訳を発注する。Flittoは画像の情報と訳文を保存しているため、以降施設を訪れた観光客はFlittoのアプリで看板を撮影すると、すぐに訳文を得ることができる。Flittoは観光客が撮影した文字をOCRで読み取って随時翻訳するのではなく、画像解析と位置情報に基づいて以前に翻訳した訳文を取得しているのだ。

クラウドソース型翻訳サービスは海外にも国内にも複数あり、さらにはGoogle翻訳などの機械翻訳も競合になりうるだろう。ただFlittoは翻訳会社ではなく、言語データの会社であるという。Flittoは翻訳時に得た翻訳言語データを収集し、自動翻訳や辞書を作成する会社に販売しているという。

SCATTERLAB:心理学と人工知能を用いた恋愛コンテンツ

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ネットには様々な恋愛コンテンツがあるが、その多くは個人の経験や見解によるものが多い。SCATTERLABは、心理学の論文に基づいた科学的な恋愛アドバイスを「恋愛の科学」ウェブサイトとアプリを通じて提供している。

2016年6月にアプリをローンチし、現在までに25万ダウンロードを達成した。アプリでは、例えばLINEでの恋人同士の会話を分析して相性診断をするテストなども用意している。有料テストの売上は好調で、1ヶ月の売り上げは2~300万円になるという。「恋愛の科学」の日本語版ウェブサイトは今年8月にベータローンチした。2017年初旬にも日本版iOSとAndroidアプリをローンチする予定だ。

10PING:モバイルネイティブな広告ネットワーク

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10PINGのユーザーは、広告主のコンテンツを広めることで収益を得ることができる。まずユーザーは広告主が広めたいコンテンツの一覧から得意なコンテンツを選び、口コミやコメントとともにFacebookやLINEといったSNSに投稿する。投稿を見た友人や他のユーザーがコンテンツをクリックし、5秒以上コンテンツを閲覧すると、広告主に200ウォン(約20円)が課金される。その内およそ半分がコンテンツを投稿したユーザーに支払われる仕組みだ。

10PINGではクリック型、アプリダウンロード型、連絡先取得型などの広告形式を提供している。投稿したコンテンツには法規制に準拠し、「この広告により収益が発生する」などの文言が明記されている。2015年7月にサービスをローンチしたばかりだが、2016年の年間売上は20億ウォン(約2億円)を見込んでいるという。

HUM ON:ハミングで楽曲制作

Appleが提供するGarageBandなど、音楽を作るためのアプリはいくつかあるが、扱うには音楽の知識や楽器の演奏技術が必要なものだ。COOLJAMMが開発するアプリ「HUM ON」は、独自の楽譜生成アルゴリズムで鼻歌やハミングを楽譜に変換することができる。また、バラード、R&B、ロックなどのジャンルを選ぶと、メロディーに最適な伴奏をつけることができる。

2016年5月にAndroidアプリをローンチし、現在までに9万ダウンロードを達成した。MAUは2万5000人ほどだそうだ。現在SNSで簡単に曲をシェアできる機能の開発を行っているという。2017年2月にはiOS版のローンチを予定している。

MOIN:海外送金を効率的に


海外で学ぶ子供のために送金する場合、両親は銀行に出向いて送金手続きをしなければならない。銀行を介した海外送金では、送金から入金まで1週間ほどかかる場合もあり、手数料も送金額の5%から10%と高額だ。モインはブロックチェーンに基づいたシステムで、1時間から24時間以内での送金を実現する。また、手数料も通常の50%から80%に抑えることが可能だ。

現在はウェブサービスのみだが、来月にはモバイルアプリをローンチする予定だという。今後は中国、東南アジアを始めアジア全域にサービスを広めたい考えだ。

Lollicam:動画セルフィーアプリ

SEERSLABはシリコンバレーのアクセラレータープログラムY Combinator、2016年夏季バッチの卒業生だ。彼らは動画のセルフィーアプリLollicamを提供している。Lollicamの特徴は動画を撮影しながらリアルタイムでアニメーション、スタンプ、特殊効果、BGMを加えることができる点だ。

Lollicamは、動画セルフィーをプロモーションの一環に取り入れたい企業との提携も進んでいる。例えば、ディズニーとは映画ズートピアやファインディング・ドリーのアニメーションフィルターを提供している。2015年の夏にアプリをローンチし、現在このアプリで毎日270万の動画クリップが作成されているそうだ。現在までの累計600万ダウンロードを達成し、年末までに1000万ダウンロードを目指すという。

POLARIANT:照度センサーで位置を検出するVR用モーションコントローラー

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POLARIANTはモバイルVR用のモーションコントローラーPolを開発している。POLARIANTが目指すのは、ケーブル接続の必要がなく、誰でも利用しやすいモバイルVRの利用環境を整えることだ。Oculusにもモーションコントローラーがあるがコントローラーだけでも比較的高額で、使用するのにPCの処理容量を多く使う。Polは偏光フィルムと照度センサーを搭載し、偏光LED照明を基準に3次元の位置を割り出している。測定結果はBluetooth経由でモバイルに送られるが、この時の処理のモバイルプロセッサーの占有率はわずか1%だという。Polのモーションコントローラーは2017年に発売予定で、価格は50ドルほどだそうだ。

ZIGZAG:東大門市場のファッションアイテムが購入できる

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Croquisが提供するZIGZAGは、若い女性向けにノーブランドのファッションアイテムを揃えるショッピングアプリだ。韓国の東大門市場はファッションアイテムの卸売と小売の両方を行う市場だが、ZIGZAGには東大門市場のショップが2000以上登録している。アプリには毎日1万点以上の新商品が登録され、月間の取引額は200億ウォン(約20億円)になるという。

東大門市場の競争は激しく、アプリでは最新のトレンドの商品を低価格で手に入れることができるという。今後は、日本でのパートナーを探し、日本市場に商品販売を行うことを視野に入れているそうだ。

POSソリューションのWyndが3170万ドルを調達

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フランスのスタートアップWyndが、シリーズBラウンド(3000万ユーロ)で3170万ドルを調達した。ラウンドはSodexo VenturesOrange Digital Venturesの主導で行われ、Bpifranceも参加した。Orange Digital Venturesは既にシリーズAラウンドでも、Alven Capitalと共に投資している。Wyndはレストランや店舗で使われている既存のPOSサービスを、彼らのSaaSソリューションで置き換えることを狙っている。

Wyndが狙っているのは個々のレストランではない。その代わりに、このスタートアップは大きなレストランチェーンに注力し、彼らの全てのPOSをWyndのものへ置き換えようとしている。現在の大きなユーザーとしては、カルフール、Galeries Lafayette、Quick、Sodexo、Eiffage、Total、Monceau Fleursなどが挙げられる。

ソリューションは、僅かな調整で動かせることを想定している。Wyndは通常のPOSが必要とするタスクの一部またはすべてを管理することのできる、モジュラーサービスだ。とても基本的なものから始めることが可能で、組み合わせることで必要な情報を得ることができる。

例えば、店舗とウェブサイトの両方にWyndをセットアップすることができる。こうすれば、Wyndは両方のプラットフォームの在庫を統一し、全てのチャネルからの注文を受け付けることができる。サービスはまた、顧客のために電子財布を設定することができる。クーポンを提供し、キャッシュバックを行い、残金を管理するチェーンストアの様子を想像することができるだろう。

Wyndのサービスは、CRMサービスとも統合される。例えば、顧客が支払いを行う際に顧客のプロファイルを見ることができるので、定期的にやって来る顧客かどうかを知ることができる。Wyndに対して既存のCRMサービスから更にデータを追加して入力したり、Wynd自身をメインのCRMとして設定することも可能だ。

同社によれば、多くのクライアントが、つま先を浸すように軽いセットアップから始めるそうだ。その後、彼らはより多くのモジュールを追加して行く。セットアップに応じて、POS1台当たり月額30ユーロから300ユーロが請求される。

Wyndは支払いを直接扱わない。同社は、既に多くの支払いサービスプロバイダが存在することを受けて、POSのみに集中することを選択した。

そして、あなたはPOSを携帯電話、タブレット、その他の多くのデバイスから管理できる。これらの機能はすべて当たり前のように聞こえるかもしれないが、しばらく前は多くの企業が、OracleやSAPによってデザインされたソリューションに依存していたのだ。全体として、Wyndは5000のPOSを管理している。

今日の資金調達ラウンドでは、会社は雇用と国際的な拡大を計画している。まず同社はオフィス英国とドバイに開く。既にそれらの国で何件かのクライアントを持っているからだ。この先更なる国際的な展開もあるだろう。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

ヘッドフォンを秘かにマイクロフォンに変えて、盗聴ができる(“実用化”はまだだ)

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イスラエルのベングリオン大学のセキュリティ研究者たちが、ヘッドフォンをマイクロフォンに変えて会話を秘かに録音する方法を見つけた。その技術はまだ概念実証の段階だが“Speake(a)r”と呼ばれ、最初はPCにつないだヘッドフォンをマイクロフォンに変え、そのPC上で録音の音質を本物のマイクロフォンと比較した。その結果ヘッドフォンは、パッシブ(無電源)のマイクロフォンと同じぐらい上手に、室内の音を拾った。

それは、なかなか巧妙なハックだ。多くのデスクトップコンピューターでは、RealTekのオーディオコーデックを出力のところに使っているが、それを入力チャネルに変えてしまうのだ。すると、ヘッドフォーンを出力用らしいジャックにつなぐと、ハッカーが音を聴くことができる。“われわれの実験では、イヤフォンが数メートル先の音を明瞭に拾うことができた”、と研究者のMordecai Guriが書いている。“またチャネルのキャパシティは、かなり広い周波数帯域において1 Kbps弱だった”。

“今日のPCが内蔵しているサウンドカードの多くが、ある程度はこのような改造が可能である。つまりそれは、一つ以上の仕事ができる。カーネルにはジャックを改造できるためのインタフェイスが露呈しているが、誰もそれを使わないし、知る人すら少なかった”、とLinuxのサウンドエンジニアDavid Henningssonが書いている。Speak(a)rは、まさにそこをついたのだ。

これは、ドライバーの書き換えではない。内蔵チップでそんなハックはできないから、単純にイヤーバッドやヘッドフォンが会話を拾い始めることができるだけである。マイクロフォンを使えないコンピューターでも、RealTekのチップがあれば、それをユーザーが知らない間にハックできる。音質は、専用マイクロフォンとヘッドフォンを比べるとほとんど同じだ(下図)。

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“今のPCやラップトップのマザーボードには、オーディオコーデックが最初からあって、それに手を加えればオーディオジャックの機能を出力から入力へ(ソフトウェア内で)変えることができる”、とGuriは語る。“この研究論文では、この問題をサイバーセキュリティの面から考察している。われわれが提示したをソフトウェアSPEAKE(a)Rは、マイクロフォンのないPCでも、盗聴用デバイスに変えることができる。

でもまだ概念実証だから、あなたのヘッドフォンをあわてて壊す必要はない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Spinnが素敵なコーヒーメーカーのプレオーダーを開始

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5月に開催されたDisrupt NYのBattlefieldで、私たちは非常にクールなハードウェアスタートアップに出会う喜びを味わった。それは私の心(と口)に迫るコーヒー業界で、新しい波を探っていた。そして今、Spinnのハイテクコーヒーメーカーのプレオーダーが可能になった。もし5月に興味を惹かれていたならば、自分のための1台の注文を行うチャンスだ。

覚えていない人のために説明すると、Spinnのマシンは完全な自己完結型で、豆を適切な細かさまで挽き、次に水を沸かして、回転するシリンダを使って挽かれた豆から正しい圧力で抽出を行う。これで素晴らしいコーヒーのできあがり。そして抽出済のコーヒーの粉の始末もとても簡単だ。

オリジナルの記事により詳しい解説がある、また彼らの新しいビデオでマシンの最新の外見を見ることができる、それによればマシンにはタッチコントロールが付き、アプリなしでもコーヒーを入れることができるようになっている。

購入に際しては3つのパッケージの中から選択する必要がある:基本的な機能がすべて含まれ、50ドル分のコーヒークーポンのついたオリジナルモデルは299ドル;オリジナルモデルに加えてカラフェと更に50ドル分のコーヒークーポンの付いたオリジナルプラスモデルが399ドル;そしてより大きなコーヒー豆入れとミルク泡立て器、更に合計200ドル分のコーヒークーポンの付いたオリジナルプロが599ドルだ。出荷は2017年の半ばになるということなので、残念ながら今度のクリスマスシーズンには間に合わない。

もちろん、多くのプレオーダーキャンペーンと同様に、その後の価格は躊躇いを感じるほどのものに上昇する。最初に用意された5000台のユニットの残数はあまり多くないが、程なくより多くの台数が追加される筈だ。

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(翻訳:Sako)

イスラエル出身の18歳が350万ドルを調達し、世の中の公開APIを使いやすくする

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サンフランシスコを拠点とする設立2年目のスタートアップRapidAPIが、シードファンディングで350万ドルを調達した。同社は開発者がアプリケーションに取り込みたいと思う多くのAPIを発見し、テストし、そして管理することを可能にする。ラウンドは、Andreessen HorowitzのMartin Casadoによって主導され、FundersClub,、SV Angel、Green Bay Advisors、そして500 Startupsが参加した。RapidAPIは最近500 Startupsのアクセラレータープログラムを通過している。

同社は様々な理由で興味深い — その中でも目立つものの1つは、その創業者である現在18歳のddo Ginoが、昨年いわば「発見」されたときにはイスラエルのHaifa高校の最上級生だったということだ。GinoがDov Moranの注意を惹いたのは、地元のハッカソンでのことだった。このイスラエルの有名なエンジェル投資家がGinoに初期のメンターシップを与え、同時に25万ドルをシードマネーとしてGinoに提供した。Ginoは短期間公的研究機関のTechnionで研究したあと、そのお金を使って米国に移住した。

もちろん、RapidAPIのミッション — 開発者たちが公開されているAPIに、シームレスにコミュニケートすることを許すやりかたで、アクセスし簡単に利用できるようにすること — も投資家たちの大いなる興味を惹いた。

Ginoは、お互いに織り合わせることのできる、これらの機能「ブロック」を配管に用いられるパイプになぞらえて、さらにこのように語った「各企業は、独自の言葉を話しています。なので、[開発者は]Facebookのがどのように話すのかを学び、辞書を使ってそれを自分たちの言葉に翻訳します。そして、[彼または彼女は]この作業を各企業のAPIごとに毎回繰り返さなければなりません。時には同じ会社の異なる部門の間でも同じことが必要になります」。一方RapidAPIは、本質的には巨大な翻訳ユニットのレポジトリを作るので「APIの変換をする必要がなくなるのです、私たちが全てを単一の言語に変換します」。

実際、トレンドの中でRapidAPIが強調しているのは、所謂マイクロサービスだ。そこでは保守しにくいソフトウェアを作る代わりに、既存のソフトウェアとインフラをAPI化する。

Amazonはこの14年間その課題に取り組んできたことで有名だ、このため異なるチーム同士が、こうしたインターフェイスを通して相互にコミュニケーションできるようになっている。そして、ジェフ・ベゾスも先頭集団の先を行きたがる傾向を持っている。しかし、ほとんどの企業では、APIはより行き当たりばったりなやり方で生み出されている、あるチームが企業内でチャットサービスを作り、他のチームはイメージのアップロードとトリミングを行い、また別のグループがサービス管理を行うといった具合、しかし彼らの開発したAPIは、お互いに上手い連携がとれないのだ。

例えばeBayでは、長い年月の間に沢山のAPIが異なる標準とプロトコルを使って作られてきた – その全てがとても難しい言葉を喋り、お互いに対話をさせることがとても難しくなっている。RapidAPIは、APIを接続するためのフリーでオープンソースのアダプタを提供しているが、サービスインテグレータの一種としてお金を稼ぐことを計画している — 現在は企業が沢山の内部APIを管理し接続することの手助けをしている。

そしてRapidAPIはその他にも、市場で明らかに始めようとしているものがある。例えば、一部の開発者はそのテクノロジーをParseになぞらえている、Parseはモバイル開発者のためのツールキットならびにサポートシステムで、Facebookが2013年に買収し、今年の始めに他の領域への集中が決定されてシャットダウンが発表された。一方、他の皆に愛されたAPI管理プラットフォームも大きな買収の中で消えていった、例えばGoogleが9月に6億2500万ドルで買ったApigeeや、 昨年Tibcoに売却される前にインテルに買収されたMasheryなど。

RapidAPIは、現在200以上のAPIをサポートしていると言っている。またGinoは16人の会社で1年のうちに「サポートする数を10倍にしたい」と話している。

ところで、そのプラットフォーム訪問する開発者によって最も使われるAPIは何だか分かるだろうか?答はSpotify APIとGoogle検索APIだ。

rapidapiscreenショット - 2016年11月17日

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(翻訳:Sako)