キーリングに付けられるスマートフォンカメラのリモートシャッター、Muku ShuttrがKickstarterで資金調達中

スマートフォンで自画撮りするのは難しい。ネットは腕をいっぱいに伸ばして撮った顔が妙なぐあいに歪んだ写真で溢れている。現在Kickstarterで出資者を求めているMuku ShuttrはiOSとAndroid向けのBluetoothを利用した小型のリモートシャッターだ。

開発者は香港のスタートアップ、Muku Labs。すでに目標額は集まっているが、99ドルの出資で注文者の名前入りのMuku Shuttr1台が入手できる。出荷は10月の予定。

Muku Labsのファウンダーは香港在住のエンジニア、Kevin Leung. Leung。

厚さ6mmと薄いのでShuttrは撮影時には手の中に隠せるし、キーリングなどに付けておける。 有効距離は9m程度。無線接続なので見通せなくてもよい。つまりポケットの中からシャッターを切ることもできる。

対象はすべてのiOSデバイス、SamsungのGalaxy S3、S4、Note 2、Tab 10.1、LGのNexus 4を始め3.0以降のBluetoothを備えた多数のAndroid4.1以降のデバイスで作動する。またiOSのCamera+、645 Proアプリをサポートしており、iPhoneの内蔵カメラをバイパスして撮影することができる。

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colARは驚異的なAR―子供の塗り絵がiPad/Androidタブレットから飛び出してスーパーリアルに動き出す

もっと早くこの記事を書きたかったのだが、ようやく時間がとれた。このアプリはすごい。

colARは塗り絵帳だが、まさに未来の塗り絵帳だ。伝統的な塗り絵とAR〔拡張現実〕テクノロジーを融合させて、子供(いや大人でも)の絵を魔法のようにフル3Dのアニメに変えててみせる。

ライターが仕事だからこの後もあれこれ説明するが、実は下のビデオさえ見てもらったら言葉はいらなかいくらいだ(BGMはちょっとダサいが)。

colARのアプリは無料で、塗り絵1枚がついてくる(将来は追加の塗り絵は有料になるらしいが、7月28日まではすべて無料)。つまり3D化できるのは、colARがあらかじめ用意した塗り絵パターンに限られる(いくらなんでもユーザーが描いた任意の絵をいきなり3Dアニメ化するのは無理だ)。

パソコンでcolARのサイトを訪問して好みの塗り絵をプリントアウトする。昔使った12色の色鉛筆の箱を探してきて好きなように色を塗る。もちろんマーカーやクレヨンでもよい。

塗り絵が完成したらアプリを開いてPlayボタンを押す。するとタブレットのカメラが起動する。カメラで塗り絵を写すと、なんと、動き出すではないか! 描いた塗り絵が3Dアニメなっている。塗り絵の鳥が3次元モデルになって歩きまわり、虫をついばむ。飛行機だったら雲の間をびゅんびゅん飛ぶ。

実は私自身、以前ちょっとしたARおもちゃを開発したことがある。しかしcolARはダントツで優秀だ。ARの使い方もうまい。つまりARを使わなければまず不可能な現象を見せることに成功している。感心した。

テクノロジーとしては、3DレンダリングにはUnityのエンジン、画像認識にはQualcomm’s Vuforiaフレームワークを使っているようだ。

アプリはiOS App StoreGoogle Playストアで公開されている。どちらも無料だ。

(今日は記事の数が少ないな、と感じたら、それはTechCrunchのスタッフが塗り絵に夢中になっているせいかもしれない。)

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ジェスチャー・インタフェース・テクノロジーがますますホットに―OmekをIntelが買収(確認ずみ)

Googleがイスラエルのクラウドソース・カーナビのWazeを11億ドルで買収したことが記憶に新しいが、今日(米国時間7/16)、ジェスチャーを利用したインタフェースを開発しているイスラエルのスタートアップ、Omek InteractiveIntelが買収したという情報をわれわれは独自の情報源によって確認することができた。Omekに対してIntelは以前から投資していた

また、イスラエルのCalcalistの記事によれば、MicrosoftのKinectに利用されているジェスチャー・テクノロジーを開発したPrimeSenseの買収をAppleが試みているという。

こうした動きを合わせて考えると、Kinect的なジェスチャー・インタフェースの利用が今後大いに進みそうだ。

ただしApple/PrimeSenseの噂はいささか根拠が薄弱で、「まったくのでたらめだ」と否定する関係者もいる。PrimeSenseはこれまでにGeminiIsrael Funds、Canaan Partners、Genesis Partners、Silver Lake Partnersなどから3000万ドル近い資金を調達している。

一方、われわれはOmekを電話で取材したが、その相手はくすくす笑って(本当だ)、「話はIntelに聞いてもらいたい」と言った。

アップデート: Intelは私の取材に対してOmekの買収を確認した。同時に、「報じられている買収価格をIntelとして確認したことはない。またこのテクノロジーを利用した製品計画について現在コメントはできない」と付け加えた。

Omekの買収価格については3000万ドルから5000万ドルと観測されている。Omekはこれまでに1380万ドルの資金を調達しており、うち700万ドルはIntelCapitalからの投資だ。Intelがなぜ戦略的投資の枠を超えて買収に踏み切ったのか、いくつかの説明が出ている。

その一つはVentureBeatの記事で、これによると、両者は今年3月に交渉を始めた。当初、Omekは新たな資金調達をもくろんでいたが、結局エグジットの道を選んだという。

もうひとつの観点は、Intelは3Dヴィジュジュアル化とパーセプチュアル・コンピューティングの実現という野心的な戦略の重要な要素としてジェスチャー・テクノロジーを必要としていたからだというものだ。パーセプチュアル・コンピューティングというのは音声、タッチ、ジェスチャーなどAI解析を必要とする感覚的インタフェース全般を指すIntelの用語だ。この4月にスタートしたIntelの1億ドルの投資ファンドの対象もまさにこの分野だ。

第3の説明はもっと散文的なものだが、それだけに真実をうがっているかもしれない。GeekTimeによれば、この買収はハードウェアのセールスをテコ入れするためだという。IntelはOmekのテクノロジーをチップに焼きこみ、製品の差別化に役立てるつもりだろうという。

PrimeSenseのニュースの真偽はさておき、9to5Macはジェスチャー・テクノロジーを含む知的所有権が、Apple TVのようなユーザーのリビングルームで使われるプロダクト分野をも制覇したいというAppleの野心にとってきわめて重要であるという説得力ある分析をしている。

いずれの説によるにせよ、ジェスチャー・テクノロジーの重要性が増していることは疑いない。近い将来、われわれは手の動きや指のサインでコンピュータを操る時代に入りそうだ。

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「ZOZOTOWN」のスタートトゥデイが「Stores.jp」のブラケットを完全子会社化 – 時価総額は約6億5000万円

ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは「Stores.jp」などを運営するブラケットを簡易株式交換により完全子会社化したことを発表した。

スタートトゥデイはブラケットの1株に対し、350株を割当て、合計31万5000株を割当て交付している。スタートトゥデイの株価は現在(7月16日13時30分)2,071円なので、ブラケットの時価総額は約6億5,000万円となる。

プレスリリースによると、Stores.jpの店舗数は約4万を越え、その内70%以上はアパレルカテゴリー関連のストアだという。ストア開設者からの販売支援や物流サービスに対する需要が高まっていることなどを考慮し、両社のシステム基盤やサービス耐性を連携させ、さらに拡大成長を実現させたいとのこと。

ブラケットというと、最近はStores.jpが話題になることが多かった。昨年8月末にリリースされた同サービスはフリーミアムモデルで、4カ月後には黒字化、黒字化後は無料ロゴデザイン、ストアカード作成、段ボールの提供など、ストア開設者の満足度を向上させるべく、様々な取組みを行ってきた。

また、ブラケットは他にも様々なファッションサービスを展開していて、オンライン上で靴をデザインし、購入できる「Shoes of Prey」、モデルのマッチングサービス「ModelTown」、オンライン上でワンピースをデザインし、購入できる「PrivateRobe+」などがある(一覧はこちら)。

Stores.jp以外にもこうしたファッション系のサービスを多く展開していることから、スタートトゥデイとのシナジー効果は大きいだろう。

後ほど、今後の展開については取材してアップデートする予定だ。


Elon Muskがサンフランシスコとロサンゼルスを30分以下で結ぶ超高速チューブ列車、Hyperloop構想を8月12日に発表へ

イーロン・マスク(Elon Musk)はスタートアップの万能ルネッサンス人間だ。彼は1年ほど前からもう一つの野心的な新交通システムについてヒントを漏らしている。どうやらその構想を詳しく発表できる時期が来たらしい。今日(米国時間7/15)、Muskは「Hyperloop交通システムの暫定案を8月12日までに発表する」とツイートした

ではまず今までに分かっていることを振り返っておこう。Muskが最初にHyperloopプロジェクトについて語ったのはちょうど1年前にPandoDailyのイベントでSarah Lacyと対談したときだった。マスクはこれを第5の輸送モードと名付け、「決して事故を起こさず、天候に影響されず、普通の旅客機の2倍も速い」システムだと述べた。

8月12日にならなければHyperloopが実際にどんなシステムとして構想されているのか確かなことはわからないが、マスクはAllThingsDのD11カンファレンスで「コンコルドとレールガンとエアホッケーのミックスのようなもの」だと述べている。このわずかな情報を元に専門家はさまざまな推測をしているが、有力な説は(空気抵抗を減らすため)減圧されたチューブの中に電磁力で駆動されるカプセルを走らせるシステムだろうというものだ。そうであれば、実のところそれほど目新しいアイディアではない。半生記も前からSFではおなじみだ。またアメリカで似たようなシステムの開発に取り組んでいる会社がすくなくとも1社存在する。これらとマスクの構想がどう違うのか興味あるところだ。

ムスクはこのプロジェクトを「会社の存続にとって決定的に重要な場合を除いてオープンソースで公開する」としている。

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日本のイベント切符販売のスタートアップ、PeatixがシリーズAのラウンドで300万ドル調達―アメリカとシンガポールに進出

東京に本拠を置くオンライン・チケット販売のスタートアップ、Peatixはフィデリティ・ジャパンがリードするシリーズAのラウンドを完了し、300万ドルを調達した。

PeatixはアジアのEventbriteを目指しており、各種イベントの主催者にチケットはんbプラットフォームを提供している。2011年5月のサービスのスタート以来すでに1万件のイベントを処理してきたという。

同社はちょうど1年前に100万ドルのシード資金を調達している。投資家は500 Startups、DG Incubation伊藤忠テクノロジー・ベンチャーズ、SurveyMonkeyのCEO、Dave Goldberg〔FacebookのCOO、シェリル・サンドバーグの夫〕などだった。

500 Startupsと伊藤忠テクノロジーは今回のシリーズAのラウンドにも参加している。またフィデリティ・ジャパンのDavid MilsteinがPeatixの取締役に就任した。

今回の増資を機に、Peatixは海外への進出を行う。共同ファウンダー、竹村詠美取締役は家族ぐるみでシンガポールに移住するという。また今日からサービスをアメリカにも拡大する。日本、シンガポール、アメリカで社員を採用する計画だ。現在Peatixの社員は日本に20人、シンガポールに3人、ニューヨークに6人いる。

竹村氏はわれわれの取材に対し、来年には3万から5万のイベントを取り扱うべく計画していると語った。

シンガポールにはSisticという現地のチケット販売で圧倒的なシェアを誇る手強いライバルが存在する。Sisticは主要なイベント会場やイベント・プロモーターとの間で独占的な販売だり契約を結んでおり、 The Business Timesによれば、2010年にはシンガポール市場の60%から70%を押さえていたという。

竹村氏は「PeatixはSisticに正面から競争を挑むつもりはない。日本でもアメリカでも既存の支配的なチケット販売プラットフォームが存在する。Peatixは日本でこの2年間、そうした大手チケット販売会社と直接競争することなく成長を続けてくることができた。伝統的なイベントに適した既存のチケット販売ルートに乗りにくい、オンライン登録に適した非伝統的なイベントが膨大に存在するからだ」と述べた。

ここでいう非伝統的なイベントとは、インディーの主催者によって小規模な会場で行われる各種イベント、勉強会、パーティーなどだ。竹村氏によれば、こうしたイベントの数は急速に拡大しているという。

〔日本版〕シリーズA資金調達についてのPeatixのブログ記事はこちら。こちらはTechCrunch Japanによる紹介記事[jp]PeaTiXはクレジットカード課金でチケットを発行できるイベント作成・管理ツール。 

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Groopicは集合写真の最大の問題を解決するiPhoneアプリ―画像合成で撮影者を仲間に入れてくれる

スマートフォンの驚くべき点の一つは、カメラとコンピュータを常時持ち歩けるコンパクトなパッケージに収めただけでなく、以前だったらPhotoshopのような高価なソフトウェアを使わなければできなかった高度な画像処理がだれでもできるようにしたところにある。

今日(米国時間7/10)、App Storeで公開されたGroopicがまさにそういったアプリで、集合写真を撮ったときに撮影者もその写真内に合成してくれるという。

7月4日、独立記念日の週末に私がビーチでリラックスしていると、近所でテイーンエイジャーたちが海を背にiPhoneを手から手に渡しながら写真を撮っていた。耳をすますと、1人が「私はあなたと一緒に写りたいの」言っている。するともう1人も同じことを言う。そういうわけでこのグループは際限ない順列組み合わせで写真を写しあっていた。

Groopicはまさにこういう問題を解決するアプリだ。 誰か見知らぬ相手にiPhoneを渡して写真を撮ってくれと頼む気恥ずかしさも、相手が大切なiPhoneを岩の上に落としやしないかとひやひやすることもなくてすむ。

撮影者も含めた集合写真が手軽に合成できるのだ。

開発したのはEyedeus Labsという総勢5人のスタートアップで、Groopicのテクノロジーについて特許を申請中だ。CEO Ali Rehanによれば「博士はほとんど2人いる」(1人は論文の仕上げにかかっているという)。この5人のコンピュータビジョン研究の経験年数を合計すると25年になるという。このスタートアップはコンピュータビジョンを応用した新しカメラアプリの開発に専念している。

最初のプロダクトがiPhone向けアプリのGroopicだ。アプリの使用法はごく簡単で、撮影者が2人交代で2枚の写真を撮り、それぞれの写真で撮影者をタップして指定するだけでよい。するとGroopicが魔法のように撮影者を含めた写真を合成してくれる(もちろんこの場合、写真に写る人物は立つか座わるかじっとしている必要がある)。

Eyedeus Labsでは現在GroopicのAndroid版を開発中だ。現在はGroopic is App Storeで1.99ドルで販売中

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YahooによるXobni買収、買収額はこれまでの調達額(4200万ドル)を上回る6000万ドル台か

電子メールのマネジメントサービスを展開してきたXobniYahooに買収された件については既にお伝えしている。Xobniのブログでも公式にアナウンスされている。最初に流れてきたニュースによると、買収金額は3000万ドル台後半ということだった。しかしその後にTechCrunchが入手した情報によれば、実はその2倍ほどである6000万ドル台後半であるようだ。

Xobniのスタートは2006年のことで、電子メールの世界に新たな切り口を提案することで、これまでに4200万ドルの資金を集めてきた。直近のラウンドは昨年2月のことだった。出資してきたのはFirst Round Capital、Khosla Ventures、RRE Ventures、Baseline Ventures、RBC Venture Partners、Relay Ventures、Cisco、Atomicoなどで、エンジェル投資家も多く名を連ねている。

3000万ドルという額は誤っていて、その2倍ほどにあたるのだという情報は、今回の買収劇に関わった情報源から寄せられたものだ。アーンアウト等の条件が存在することを考えれば、6000万ドル台という金額は桁外れというものでもなさそうだ。とりあえず調達した資金は上回っていることになる。投資家の期待ほどに大きく成長することはできなかったと言えるかもしれないが、一部で言われたように、買収によって投資家たちが損をしたというわけでもないことになる。

依然としてYahooおよびXobniの双方から、今回の買収についての詳細について話を聞きたいと申し入れているところだ。Yahooの製品ラインやカルチャーに、どのように統合していくつもりなのかもぜひ聞きたいところだ。YahooはXobniの技術を活用して、Yahooの運営するメールサービスの改良を行なっていくのだろうと予測されるが、詳細がわからない。

今のところ、買収についてYahooからは買収額などについては明らかにできないと回答がきている。Xobniからは取材申し入れについての返答がないのが現状だ。

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(翻訳:Maeda, H).


メディア・ストリーミングのBoxeeをSamsungが買収―スマートテレビにクラウド・ストリーミング機能がやってくる

イスラエル生まれでニューヨークにもオフィスを持つメディア・ストリーミングのスターアップ、Boxeeが韓国のエレクトロニクスの巨人、Samsungに買収されたもようだ〔Samsungが公式確認ずみ〕。

テルアビブに本拠を置くBoxeeはBoxee Cloud DVR(当初はBoxee TV)というセットトップボックスを販売している。ユーザーはこのデバイスを利用して地上波HDTVをBoxeeの提供するクラウドに録画し、ストリーミングによってさまざまなデバイスで自由に再生することができる。Samsungはインターネット接続機能を備えたスマートテレビの主要メーカーの一つであり、同社のメディア・エコシステムの拡張のために理にかなった買収といえるだろう。

イスラエルのメディア、The MarkerThe Calcalistがこの買収を報じているが、買収価格については一致しない。われわれの独自の取材によれば3000万ドル以下だったようだ。 この価格はBoxeeがハードウェア・メーカーでありこれまでに2650万ドルの資金を調達していることを考えると安すぎるようにも思える。SamsungはBoxeeの全資産と45人の社員を傘下に収めることに成功した。Boxeeは相当数のユーザーを獲得していたとはいえ、ストリーミング・ハードウェアの販売を主な収入源として維持可能なビジネスに育てるためにはさらに巨額の資金を必要とすることが明らかになっていたのかもしれない。

現在Boxeeのハードウェアは初代のBoxee Boxも最新のCloud DVRもD-LinkがOEMしている。BoxeeのCloud DVRは、昨年10月にBoxee TVとして99ドルでWalmart独占で発売された。録画機能は月額10ドルの料金で提供された(最新のCloud DVRでは月額料金は廃止されて無料となった)。サービス対象地域は当初主要都市に限定され、段階的に拡大された。

Boxeeの容量無制限のクラウドDVR機能がSamsungのテレビに組み込まれることになれば、スタンドアローンのBoxee製品がいつまでサポートされるのか、その将来には疑問符がつく。もちろんSamsungはスマートテレビに組み込むだけでなく、セットトップボックスのBoxeeも独立の製品として残す可能性はある。そうなればAndroid携帯でクラウドDVRを楽しめることになる。

アップデート: SamsungはNew York Timesの取材に対してBoxeeの買収を確認した。BoxeeもTechCrunchに対して買収が事実であると認めた。

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クラウド・ホスティングに新星―DigitalOceanはシンプルさと低料金を武器にAWSに挑戦する

DigitalOceanはウェブ・ホスティングの世界で急速に注目を集めつつあるサービスだ。月5ドルでRAMが512MB、SSDで20GBの容量のバーチャル・サーバ(ここではDropletsと呼ばれる)が利用できる。アメリカに2箇所、アムステルダムに1箇所のデータセンターがある。

共同ファウンダー、CEOBen Uretskyは私の取材に対して「われわれはスピートとシンプルさ、そして何より低価格を武器にしてライバルに挑戦している」と語った。

その挑戦はこれまで成功している。この数ヶ月、DigitalOceanはアメリカでもっとも急成長したクラウド・プロバイダーとなっている。現在25万2760のバーチャル・サーバが作成されている(KVM〔カーネル・ベース・バーチャル・マシン〕とSSDを利用しているため、バーチャル・サーバの設定は55秒以下ですむ)。Netcraftによれば、DigitalOceanがホストするIPドメインは2012年12月にはわずか140だったのに、今年の6月には7134に増加した。

出身はTechStars

しかしUretskyによれば、DigitalOceanがここまで来るのにはそれ相当の苦闘を経験している。創立されたのデンバーで開催されたTechStarsの2012年夏期のインキュベーション・プログラムだった。この際、Slicehostのファウンダー、Jason Seats他のTechStarのメンター〔アドバイザー〕の推薦がいに役立った。しかし創立当初はクラウド・ホスティング分野で新たなスターアップが成功すると考える人間はほとんどいなかったという。Uretskyと共同ファウンダーたちはサーバ・ホスティング業界で15年働いており、テクノロジーについても起業についても十分な経験を積んでいた。しかしUretskyたちはあえてTechStarsのアクセラレータ・プログラムに参加することを決めた。それはUretskyの最初の起業では得られなかったメンターのネットワークに入ることが必要だと考えたからだった。

DigitalOceanチームはライバルについて詳しい研究を行い、綿密な競争戦略を立てた。Uretskyは「どんな会社もその核心はマーケティングだ」と考えている。DigitalOceanチームが重視したのは、AmazonWeb ServicesやAzureのようなクラウド・プラットフォームを利用するのは相当に経験を積んだデベロッパーにとってさえ非常に複雑で手間のかかる作業だという点だった。

そこでチームはサーバの立ち上げのシンプルさに重点を置くことにした。DigitalOceanの管理ダッシュボードを見るだけで、そのことはすぐに理解できる。この画面には長いリストやたくさんのボタンが並んではいない。パーツはゆったり配置され、サーバのブートもシャットダウンもわずか2クリックで完了する。現在DigitalOceanがメインのターゲットとしているデベロッパーは個人や少人数のスタートアップだ。そのようなユーザーはシンプルさ、柔軟性、オンデマンドの拡張性を必要としている。

UretskyによればDigitalOceanはすでに黒字化を達成しているという。外部の専門家の多くはこのような低料金で収益性が確保できるかについて懐疑的だったが、Uretskyは「われわれがスケールアップするにつれてハードウェアもネットワーク帯域も大口割引が受けられるようなり、コストダウンに成功できた。われわれは十分なマージンを確保している」という。

近くデータセンターと機能の拡張へ

DigitalOceanはブラジルにデータセンターを建設予定だ。またアジアでもシンガポールか香港にデータセンターを置く準備をしている。その次はインドだ。同社は急成長に対応して最近28名の社員を新規採用している。ベータテスト中の新機能には予めコンフィグレーションをすませ即時に立ち上げ可能なLAMPサーバなどがある。

〔日本版〕実際にUbuntu上のWordPressサーバを新規に立ち上げてみたが、支払い手続きも含めて数分で設定が完了する。支払いにはPayPalが利用できる。 OSはUbuntu、CentOS、Debian、ArchLinux、Fedora。アプリケーションはWordPress、Ruby on Railsなど。

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◆以上◆


スタートアップ企業がロゴをデザインする前に考えるべき7つのこと

スタートアップブームが続く日本ですが、ロゴデザインの需要もそれと同時に高まってきているのか、最近はクラウドソーシングを使った格安のロゴデザインサービスも登場して人気を博しているようです。もちろん安ければ良いというわけではないですし、デザイナーに任せずに事業者側はきっちりとコンセプトやベースのイメージを考えておくことも重要。今回は、スタートアップがロゴデザインする際に気をつけるべきことを、的確にまとめてくれたThe Next Webの記事を紹介します。 — SEO Japan

あなたが一流のデザイン会社と一緒に取り組んでいようと、CS5の埃っぽいコピーを使って一人でそれをやっていようと、ロゴの作成は誰にとっても困難なプロセスになり得る。これは、あなたが自分自身のスタートアップのロゴをデザインしている場合は特に当てはまる―たった1つのロゴにそのアイデンティティ全体を入れることは言うまでもなく、会社を経営するのは十分に難しいことだ。

しかし、全ての企業がロゴデザインを必要とする。そして、もしあなたが顧客を引き寄せることに興味があるのなら、魅力的なものを作りたい。この冒険に乗り出す前に、スタートアップ・ロゴを作る前に考えておくべき7つのことをチェックしよう。

1. 名前は何?

まだ名前さえ確定していない場合は、あなたがPen Islandのような退屈な名前に行き詰る前に、ユーザーテストが最終決定をするのに役立つ。例えば、オンライン眼鏡通販で急成長中のWarby Parkerは、自分たちのニーズに完璧にフィットするものを見つけるまで何百もの名前をテストした。もしあなたがすでにこれを解決しているなら、No.2へ進もう。

2. トレンドに依存するな

デザイントレンドは移り変わるし、インターネットはトレンドの急転を加速化する一方だ。90年代のグランジタイプからWeb 2.0への傾斜から今日のフラットなスタイルまで、今流行っていることにあまりにも依存しているデザインは、ほんの数年で時代遅れに見えるようになる。

流行りから学ぶ代わりに、クラシックなデザインのルールに焦点を合わせ、長く続くものを作るのだ。自分のアイデンティティを最もシンプルな方法で伝える力強いデザインが欲しい。

3. 白黒

Timall68によるロゴデザイン

必要最小限と言えば、かなり多くのデザイナーが、まずは白黒でロゴをデザインし、プロセスの最後に色を付けることを推奨している。

歴史的に見ると、その必要性は印刷の限界に起因する。デザインは、白黒の印刷や忠実性の低いファックスや名刺などでも機能しなければならなかった。最近では、印刷はそれほど重要ではないが、白黒のルールは今でも従うに値する。色を画像から取り除くことによって、デザインの構造と余白に完全に焦点を合わせることができる。デザインプロセスの初期段階では、色がこれらの要素の邪魔になることがあるのだ。

4. 柔軟性

JacobParrによるロゴデザイン

先の白黒のアドバイスと合わせて、ロゴデザインの柔軟性が非常に重要だ。素晴らしいロゴは、壮大なランディングページからプレスリリース上のサムネールサイズのマークまで、様々なサイズで機能する。

私たちは、異なるサイズやさらには明るい背景と暗い背景用にロゴのバリエーションを作ることを推奨する。これを解決することが、長期的にあなたの役に立つだろう。

5. ロゴタイプとロゴマークの違い

JacobParrによるロゴマークとロゴタイプのデザイン

全ての企業が、ロゴタイプ―文字で作られたロゴ―を必要とすると言っても過言ではない。シンボルを使ってブランドを伝えるロゴマークは、いつも必要とされるわけではない。例えば、“Nike”と書かれたロゴはロゴタイプだが、Nikeのチェックマークはロゴマークだ。

特にもしあなたが外部のデザイナーと一緒に取り組んでいるのなら、このような用語を知ることがプロセスをより簡単にする。

6. ロゴタイプが何を伝えるのか?

pfunderによるロゴデザイン

アルファベットを伝える以上に、全ての書体には個性がある。あなたのブランドは大学生向け?それはモダン?それともクラシック?それはティーンエイジャーをターゲットにしている?それとも40代後半の既婚の社会人をターゲットにしている?

自分の会社の全体的なパーソナリティと自分が築きたい印象についてよく考え、それに同調する書体を見つけるのだ。筆記体は、あなたの会社にアーティスティックな感じを与え、セリフ書体は堅苦しく感じることが多く、丸サンセリフ体には遊び心がある。分かっただろうか。

7. インスピレーション

当たり前のことだが、これもリストに含めなければならなかった。好みは人それぞれだが、有名な素晴らしいロゴを研究することが、あなたを正しい決断へと押し出す。

Paul Randのような偉人からDribbble上の驚くほど才能のあるデザイナーまで、できる限り全てのことを吸収し、何が機能するかを学ぶのだ。私たちは特にNiiceのようなサイトを好む。十分にインスパイアされて上記全てのことを検討したなら、美しいものを作り始めようではないか。

ヘッダー画像クレジット: Thinkstock


この記事は、The Next Webに掲載された「7 things to think about before creating a logo for your startup」を翻訳した内容です。

改めて読むと基本的なことばかりですが、ロゴやデザインの基本知識がそもそもないスタートアップ起業家には役立つ内容だったのではないでしょうか?意外とデザイナーでもデザイン優先でこういった基礎知識を理解していない人もいる気がしますし、ロゴデザインを内製・外注するに関わらず基本知識は押さえた上で、外さないデザインをしたいですね。 — SEO Japan [G+]

クレジットカード連携特典サービスを実現するカンム、クレディセゾンと提携

カンムは以前はMarketgeekという株価情報のサイトを運営していたが、ピボットして新たなサービスを提供し始める。CLO(card linked offer、カード連携特典)と呼ばれるサービスがそれだが、クレジットカードの利用履歴に基づいてユーザーに店舗と連動する特典を提供するというものだ。その第一弾はクレディセゾンとの提携によって今日から実現されるようになる。CLOはすでにCardlyticsCarteraなどによって米国でサービスが提供されている。TechCrunch JapanでもCardlyticsについては以前に寄稿によって紹介している。

今回スタートするCLOセゾンは、クレディセゾンのクレジットカード会員に対して、彼らの年齢や性別、クレジットカードの利用履歴などを解析することによって会員それぞれに適した店舗の特典情報を会員サイトで提供するものだ。会員向けサイトには、会員はたとえば毎月のクレジットカードの利用明細を確認するときなどにログインするが、その際に特典とクレジットカードを結びつけるように設定してもらう。スタート時には通販のQVCやディノス、TOHOシネマズ、パルコ、ローソンが特典を提供するが、こういった店舗(通販でもリアルな店舗でも)でクレジットカード会員がクレジットカードで支払いをすると、提供される特典が適用されるようになる。特典はたとえば、クレジットカードで貯まるポイントが通常の利用よりもたくさんもらえるといったものだという。


カンムのビジネスは、店舗に送客するごとに受け取る店舗側からの送客料で、これをクレジットカード会社と折半する。クレジットカード会社から見ると、会員のクレジットカード利用を促進しつつ、店舗からの送客料という新たな収益も受け取れる旨みのあるサービスとなっている。もちろん特典を発行する会社にとっても、クレジットカード会員の情報から得られる、年齢や性別、エリア、年収、来店利用暦などによって緻密なマーケティングができるとカンム代表取締役の八巻渉氏は語っている。O2Oの新たなツールとしても利用されることを彼らは期待している。

こういった話からCLOはインターネットのマーケティングツールのような仕組みのようにも思えるが、カンムではすべての情報はクレジットカード会社のシステム内に閉じられていて外部に持ち出せないようになっているという。またクレジットカードの会員の情報となるクレジットカード番号や個人を特定する名前などについても当然ながら取得していないという。

これまで、こういったシステムはこれまでクレジットカード会社がSIベンダーに多額の開発費を支払って実現するケースが一般的だったが、新たなビジネスモデルによってスタートアップ企業が参入し、導入側は低コストで開始できているのが興味深いと言えるだろう。

カンムは今回のサービスのアナウンスと同時にEast VenturesとANRIおよび個人の三者に対して第三者割り当て増資を実施し、およそ4,300万円の資金を調達したことを発表している。それ以前にはEast Venturesクロノスファンドから500万円の資金を集めている。


Instagram、13種類のフィルタを搭載した15秒間ビデオの共有サービスをアナウンス

しばらく前にFacebookにより10億ドルで買収された、人気写真共有サービスを提供しているInstagramが、サービスの範囲を写真以外にも拡げることとなった。

メンローパークにあるFacebookの本社で行われたプレスイベントにて、Instagramの共同ファウンダー兼CEOであるKevin Systromがビデオの共有機能を発表したのだ。名前はシンプルに「Video On Instagram」というものだそうだ。サービスを使って15秒間の動画を作成することができるようになっている。

プレスイベントはまだ行われている最中であり、詳細はまたこれからアナウンスされることになっている。

ともかく、今回リリースした動画共有機能が、多くの人に影響を与えることは間違いない。Instagramは現在、月間で1億3000万もの人にリーチしており、利用者はこれまでに160億枚の写真をシェアしてきている。アプリケーションのエンゲージメントは非常に高いレベルにある。たとえば日々、10億を超える「いいね」が投稿されつつある。

今回のアナウンスは、TechCrunchのスクープが結局正しかったことを意味する。「ビデオ版Instagram」の地位獲得に多くのスタートアップが名乗りをあげていたが、ついにその戦いにも決着がつくこととなるわけだ。

Instagramの共同ファウンダーであるKevin Systromは以前から、ビデオを取り込むことはあり得ると話をしていた。しかしビデオ機能を実現するにあたっては、写真の場合とはまた異なった難しさと対峙せねばならないとも語っていた。昨年秋に行われたVergeでのインタビューでは、写真と同じような仕組みでビデオサービスも始めれば良いのではないかと質問されていた。Systromは、ビデオサービスを導入するにあたっては、データ処理速度と閲覧にかかる時間をしっかりと考慮しておかねばならないと述べていた。面白いビデオを作ることも、またそれらを閲覧することも、写真の場合とは大いに異なるものであると認識していたわけだ。おそらくはFacebookのリソースが利用可能になったことで、Instagramも動画にチャレンジする準備が整ったということなのだろう。

今回の発表は、FacebookとTwitterの間の争いをより激化させる方向に働くのは間違いないだろう。既にご存知のことと思うが、Twitterの方は昨年、ビデオ共有サービスのVineを買収し、Twitter社としてのサービスを提供してるところだ。Twitterも、本日のアナウンスがInstagram上で動画サービスを提供するものであることを察したのか、Vineに新しい機能を追加してアナウンスしている。

本日のイベントについての招待状が送付されて以来、いったい何が発表されるのかについて、いろいろな憶測がなされていた。そんな中、TechCrunchのIngrid Lundenがビデオサービスのリリースをスクープしたのだった。今月末にGoogle Readerサービスが停止されることもあって、あるいはRSSリーダーがリリースされるのではないかという話もあった。しかし、少なくとも本日のところは、RSSリーダーについての話は出てきていないようだ。

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(翻訳:Maeda, H)


全自動で動作する自転車ライトのVelodroom ― 周囲の状況を判断して電源も自動的にオンオフ


エストニアのタルトゥに拠点を構えるスタートアップのVelodroomが、全世界の自転車乗りがもつ悩みを解決するためのテックプロダクトを開発した。使って便利、簡単に取り付けて手間は無用の自転車ライトだ。名前をVelodroomといい、スマートフォンなどにも利用されている技術を使って、インテリジェントで、非常に便利なライトに仕上げている。

Velodroomでは、従来のライトではマニュアルで調整していた機能が、自動的に行われるようになっている。たとえば電源のオンオフ、ブレーキライト機能の設定、明るさに応じた光度調整などが自動的に行われるようになっているのだ。一連の調整機能は、もちろんバッテリーのことも考えて実装されている。すなわち「動き」が感じられない場合には一切の機能をオフにして、自動的にシャットダウンされるようになっているのだ。ちなみに内部バッテリーは、単四電池2本分の容量をもっており、USBで充電することができる。

Velodroomは、自転車乗りにライトのつけ忘れについてのソリューションを提供するものだ。また自動車と同様にブレーキをかけたときにライトを点灯させ、夜間の安全性を向上させる。交通量の多い都会を走るライダーには非常に役立つだろう。また、外界の明るさに応じて照度を調整する機能により、電池を可能な限り長持ちさせる仕組みも嬉しい。この調整機能によって3ヶ月あるいは最高照度レベルで100時間以上の連続使用を目標としている。

Velodroomを開発したのはSven Sellik、Andri Laidre、Indrek Rebane、Tavvi HeinおよびMihkel Heidelbergのチームだ。それぞれプロダクトデザイン、エレクトロニクス、プログラミング、およびセンサー技術に経験を持つ人物たちだ。今後は他の自転車アクセサリーの開発を行なって行きたいと考えている。デザイン性に優れ、自動的に動作するようなアクセサリを考案していきたいのだとのこと。まずは現在のテクノロジーが自転車乗りにどのようなメリットをもたらしてくれるのかを示そうと、自転車ライトを開発してみることにしたのだそうだ。

本プロダクトはKickstarterのプロジェクトとしてリリースされていて、出資申込みの期限まで2週間ほどとなっている。£34,600(5万4000ドル)の調達を目指しており、£35(55ドル)にてプレオーダーすることができる。目標額に達すれば、2013年9月にも商品の出荷を始めたい考えだ。今回のプロジェクトが予定通りに進めば、次には持てる技術を採用した、新たなる自転車アクセサリが登場してくることになるのだろう。それもまた見てみたいように思う。

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(翻訳:Maeda, H)


CrunchBase(テック系企業データベース)の更新情報を、毎日メールで通知するサービスを開始

TechCrunch読者の皆さんなら、CrunchBaseのチェックを日課にしているという方もいらっしゃるに違いない。競合の資金調達状況などをチェックにも利用できる。そのような形で利用している人に向けて、新たにCrunchBase Dailyを立ち上げた。CrunchBaseに登録された最新投資情報をお知らせするものだ。こちらでメーリングリストに登録できるようになっており、また要約をお伝えするTwitterアカウントも用意している。

(本稿の執筆は、CrunchBaseプレジデントのMatt Kaufman)

このCrunchBase Daily、まずは投資情報のみをお伝えすることとなる。ちなみに情報量は本年初頭と比べて倍以上に増えている。情報量が増えたのはCrunchBase Venture Programを立ち上げたおかげもある。6週間前にDisrupt NYでアナウンスしたもので、今では200以上の投資ファームが参加してくれている。CrunchBaseに今月登録された情報の件数は30ヵ国から417ラウンドにもおよぶ件数となっている。資金総額で見ると34億ドルにものぼる。

CrunchBase Dailyには、買収情報、人材の移動(異動)情報なども加えていく予定だ。

ところでCrunchBaseというのはテック系企業や人材、および投資家などを登録しているフリーのデータベースで、誰でも編集できるようになっている。多くの読者からの情報により、投資情報、人物情報、企業のマイルストン達成情報などが更新されている。

関係者による情報更新やマイルストン達成情報などは、多くの場面で活用されている。たとえばTechCrunchでも記事にCrunchBaseの情報を張っているケースが多いし、他のサイトでもCrunchBaseを活用しているところがある。また投資関連企業やビジネス開発チームなどでも活用してもらっているようだ。TechCrunchでは、CrunchBaseの情報を使った記事なども適宜掲載している。

もちろん、さまざまに活用していただくために、CrunchBaseの情報が正確なものであることが大前提だ。もしCrunchBaseの情報に問題がある際には、feedback@crunchbase.com宛にメールを送って頂きたい。

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(翻訳:Maeda, H)


パーソナルニュースリーダーのVingowが「自動ニュース要約」機能を開始

Vingowは好みのタグを登録(SNSアカウントから分析してリコメンドも可)しておくと、それに関連したニュース記事を配信してくれるサービスだ。2011年末にβ版をリリースして以降、順調に成長しており、現在は約7万人がこのアプリを利用している。

このVingowが新たにニュース記事の自動要約機能の提供を開始した。自動要約といえば、今年3月にYahoo!が買収したSummlyや4月にGoogleが買収したWaviiが有名どころだろう。だが、これらのサービスは日本語には対応していなかったため、アプリ上で日本語のニュース記事を自動要約することは初となる。

Vingowの要約文は3つの文で構成され、本文中から重要な内容を抽出し、合計200字程度で表示してくれる。どのように要約文を構成しているのかは詳しく教えてもらうことは出来なかったが、元々Vingowが使用している本文抽出エンジンを利用し、文章の特徴的な箇所をスコア付けすることで、どの部分が重要かを判断しているようだ。

日本語は英語と違い、単語と単語に区切りがないため言語処理は難しいが、今のところ全体の記事に対して約70パーセントは上手く要約できているとVingowを運営するJX通信社代表取締役社長の米重克洋氏はいう。※記事下部に実際の要約文を掲載した。

米重氏は今回の要約機能によって、モバイルでの情報収集を効率化したいという。モバイル環境からのインターネット・トラフィックは、世界全体で15パーセントを占めるほどに成長してきており、大画面のPCに比べ小さな画面で情報量の少ないモバイルでは、今後ますます効率化が求められている。

モバイルだけではなく、単純にニュース記事の要約・短縮は重要視されているようで、英紙ファイナンシャルタイムズも先日、ニュースを短文で発信する「FastFT」をローンチするなど、ここ最近はこうしたトレンドが目立つように思える。

Vingowのユーザー数は直近2カ月で250パーセント成長しており、今回のアップデートにより、さらに成長を加速させていきたいと米重氏はいう。テストユーザーの利用実績では要約機能を追加後、アプリで読む記事本数が数倍に増えているそうだ。

今後は本文抽出エンジンの改善をするとともに、いくつか新しいアップデートを予定しているとのこと。

※実際の要約文

「FacebookがとうとうTwitter式ハッシュタグを導入する–さらに新機能を準備中」

“私が「友だち限定」の投稿にハッシュタグを含めたとすると、そのハッシュタグ検索で記事を読めるのは私の友だちに限定される”

“ハッシュタグ検索結果やハッシュタグ・フィードから直接あらたな投稿ができる”

“「ハッシュタグをクリックするとそのハッシュタグを含むニュースフィード中のコンテンツを読むことができるようになる」と述べている”


会計事務所向けクラウドシステムのA-SaaSが総額6億円超の資金調達を実施

アカウンティング・サース・ジャパン(以下、A-SaaS)は会計事務所向けのクラウドSaaSシステムを提供している。会計事務所業界は40年程前からコンピュータ化に先駆的に取り組んできた業種であるが、クラウド化に関しては遅れている点を同社は解決しようとしている。

このA-SaaSがセールスフォース・ドットコムグリーベンチャーズモバイル・インターネットキャピタル、既存株主(個人株主)から第三者割当増資で総額6億2500万円を調達した。

A-SaaSは今までは事務所内のPCサーバーや専用機サーバーにあった財務、税務の業務ソフトや顧問先のデータを全てクラウド上で管理する。冒頭でも述べたが、会計事務所業界はクラウド化が遅れているそうで、既存のソリューションではハード・ソフト双方のコストが高くついてしまうし、クライアントと顧問先でデータを共有することにも手間がかかるなど、不満な点が多いとA-SaaS代表取締役社長の森崎利直氏はいう。

そこで、A-SaaSでは会社設立から4年間クラウドによるSaaSシステムの構築に取り組んできた。クラウド上でリアルタイムにやり取りでき、コストも削減できる。現在では会員登録ベースでは1,350件、アクティブに利用しているユーザー(会計事務所)は550件となっている。他のBtoB向けサービスと比べると4年で550件と聞くと、少なく感じてしまうかもしれないが、サービスの特性上、会計事務所がシステムを移行することに時間がかかることに加え、買い替え時期の関係もあることは考慮しておきたい。なお、営業活動をした会計事務所は1万3,200件だというから、そのうちの10パーセント以上が会員になっている。

今後の展開で気になるのは競合との差別化だ。会計事務所向けのサービスを提供している競合としては上場企業であるTKC、JDL(日本デジタル研究所)、MJS(ミクロ情報サービス)などが主である。

だが、森崎氏はこれらの企業がA-SaaSのようなクラウド型のシステムを構築できるか疑問であるという。というのも、彼らがすでに数十年にわたり積み上げてきたものに加えて新たにシステムを構築するとなると二重投資しなくてはならないし、既存の顧客と価格帯の隔たりがあり、この状況で今の収益が成り立っている。そのため、その5分の1ほどの料金で利用できるA-SaaSのような仕組みにすると収益構造がガラっと変わるため、難しいのではないかと森崎氏は予測する。

とはいえ、現状のマーケットでは上記の大手3社が全体の7割から8割ほどのシェアを占めている業界だから、A-SaaS側としてもこれまで慣れ親しんだものから乗換えてもらうには大変だろう。

ユーザーにとって、スタートアップが提供するクラウド上で企業内情報を取り扱うサービスに乗換える際の大きな懸念点の1つはセキュリティだろう。この問題に関して、今回のセールスフォースとの資本業務提携は大きな意味をもつという。セールスフォースはクラウド領域のパイオニアであり社会的な信頼も厚い。そして、A-SaaSは独自に開発していたプラットフォームからセールスフォースのクラウドプラットフォームであるForce.comへの移管をすることで、セキュリティという懸念点は大幅に改善されることになるだろう。

今回調達した資金をA-SaaSのシステム完成に向けての開発費や、プロモーション、Force.comへの移行に伴いカスタマーサポートの人員などに充てるという


GoogleのWaze買収研究―なぜモバイル・ナビのスタートアップに11億ドルも出したのか? その影響は?

Waze買収に関する噂は数ヶ月前から流れていた。最初はAppleが5億ドルを提示し、続いてFacebookが10億ドルという値付けをしたと報じられた。そこに突如Googleがやって来て獲物をさらっていった。イスラエルの経済紙Globesによれば、Facebookの幹部がイスラエルに飛び、真剣な交渉を始めていたという。

この大騒ぎの元のWazeっていったい何だ?

Wazeは2007年に創業され、現在イスラエルとシリコンバレーのパロアルトにオフィスがある。主なプロダクトはiOSとAndroid向けの無料カーナビ・アプリだ。創立の1年後にWazeはシリコンバレー(KleinerPerkinsなど)や香港(Horizons Ventures)の有力ベンチャーキャピタルから6700万ドルの資金を調達し、社員110人の企業に成長した。社員の大部分はイスラエルに住むイスラエル人で、CEOのNoam Bardin他10人程度がパロアルトのオフィスに勤務する。

モバイル地図アプリが無数に生まれている中、Wazeのユーザーは5000万人(昨年10月の3000万人)を超えて着実に増加中だ。強みの一つはユニークなクラウドソースによる地図編集方式にある。自ら現地を回って地理情報を収集する代わりに、Wazeは地図作成にあたって何千万ものユーザーが投稿する情報に頼っている。ユーザー車両の車速や位置などの情報は自動的にアップロードされ、さらにユーザーは新たな交通規制、事故、渋滞などの情報をリアルタイムでWazeに投稿する。

こうしてドライバーからクラウドソースで収集されたデータはユーザー・コミュニティーによって共有、管理される。大勢の熱心な市民地図作成者からの情報は非常に有益であり、何よりリアルタイム性が高い。カーナビ・サービスでは道を間違えたときの経路再検索の処理が非常にやっかいで、Googleでさえ苦闘している。膨大なクラウドソース・データを持つWazeは、経路再検索でも非常に高い能力を発揮する。

ドライバーは単に運転経路だけでなく、ソーシャル・レイヤーを使って沿道のガソリンスタンドの位置と最新のガソリン価格、観光地、レストラン情報などをハンズフリーで受け取ることができる。ソーシャル・サービスはすべてそうだが、規模が大きくなればなるほど有用性も増大する。

ビッグ3すべてが買収を狙ったわけ

Jordan Crook記者も指摘していたとおり、巨大モバイル・テクノロジー企業の間で「マップ戦争」がますます激しくなっている。情報が網羅的で、信頼性が高く、使い勝手のいいナビゲーション・サービスはすべてのモバイル体験のベースになる。地図アプリ、ナビ・アプリが使われる頻度がこれだけ極端に高ければ、Facebook、Apple、Googleのビッグ3がこの分野のユーザー体験の改善に全力を投入するのは当然だ。

Appleの場合、Waze買収に興味を示したのはAppleのCEOのTim Cookが公式に謝罪する破目になった.悪名高い地図アプリの大失敗の後だった。正確さで名高いWazeを買収するという選択は地図で被った悪評を打ち消すために理にかなっていると思われた。.

Facebookもことところ全力を挙げてサービス全体のモバイル化に取り組んできた。モバイル部門は次第にFacebookの決算に直接大きな影響を与えるようになった。Facebookにとって、自社独自の優秀なネーティブ地図アプリを持てば、不人気なFacebook Homeのてこ入れにもなるはずだった。

この2社に対してGoogleの状況は若干異なる。Googleはすでに文句なく世界一の地図プロダクトを持っている。一般ユーザー向けカーナビ・モバイル・アプリの世界標準を確立したのもGoogleだ。Googleはおかしな格好のストリートビューカメラを装備した撮影チームの大部隊を世界に展開し、おかげでわれわれは道路だけでなくグランドキャニオンを下る小道から海の底まで地球上のあらゆる場所をワンクリックで見られるのを当たり前だと思うまでになっている。考えてみればとほうもない偉業だ。

なぜGoogleが勝ったのか?

今日のブログ記事でWazeのCEO、Noam BardinはGoogleと(特にCEOのラリー・ペイジ、ジオ・プロダクト担当副社長のBrian McClendon)の間で長期的ビジョンにおいて共感するところがあったからだと書いている。しかしそれだけではあまり具体性がある情報とはいえない。そこで以下、なぜGoogleが巨額を投じることを決めたのか、Apple、Facebookを始めモバイル・マップ関連業界に激震を走らせることになったのか分析してみたい。

地理情報

WazeがGoogleを選んだ理由は他の2社のようにシリコバレーへの移転を求めなかったからだと言われている。Googleはイスラエルには優秀なITエンジニアを輩出することをよく認識している。GoogleはこれまでにLabpixiesやQuickseeなどイスラエルで生まれたスタートアップを買収しているだけでなく、イスラエルに拠点を持ち、地元の起業家を支援するプログラムを運営するなど存在感を高めていた。Wazeの社員の大部分がイスラエルに居住している。GoogleがWazeにシリコンバレーへの移転を求めなかったのは、イスラエルのエンジニアの人材を獲得するのに現状のままのの方が有利だと判断したからだろう。

5000万ユーザーより、そのビッグデータの方が重要

通常、買収にあたってはサービスのトラクション(ユーザー数、トラフィック)がもっとも重視される。しかしGoogleはすでにアメリカでもっとも人気の高いカーナビ・アプリを持っている。なるほど5000万ユーザーも魅力ではあろうが、喉から手が出るほどトラクションの増加を必要としていたわけではない。.

Googleがもっとも魅力を感じたのはトラクションではないはずだ。Wazeは自らを「地図企業ではなくビッグデータ企業だ」と規定している。Googleは「地球上のあらゆるデータを組織化する」のを使命と考えている。Antonio Regaladoによればビッグデータという概念を生んだのは事実上Google(とその発明になるMapReduceシステム)だ。またGoogleはビッグ・データを地図上に新たなフォーマットで表示する実験に力を入れてきた。もちろんGoogleマップ改善にも常に精力的に取り組んでいる。

巨大なデータ・セットと地図インフラを擁するGoogleは個別のユーザー向けにカスタマイズされた体験を提供しようという努力を始めている。これを実現するにはWazeが得意とするようなソーシャル・レイヤーが必要になってくる。たとえばナビゲーションではGoogleは依然として固定的な経路を事前に設定する方式に頼る傾向が強い。なるほど最新のGoogle Mapsでは渋滞情報のレイヤーも提供されるようになった。しかしWazeのように運転中にリアルタイムで常に渋滞情報がアップデートされ、ドライバーに渋滞を避ける代替ルートが提案されるというレベルにはなっていない。

こうした代替ルートの提案などのWazeの機能は一見ささいに見えるかもしれないが、Googleマップに統合されれば大きなユーザー体験の向上となることは間違いない。またWazeのUIデザインは見て楽しく、対話性にも優れている。Googleは位置情報サービス全体にこのデザインを取り入れることができる。Wazeユーザーは渋滞やネズミ捕りの情報を共有するのに非常に熱心だ。これもまたGoogleにとって大きな価値になる。

ソーシャル・ドライビング

WazeはGoogle+とGoogleマップをソーシャル化するために理想的なプラットフォームを提供できる。昨年、Wazeはソーシャル化を一歩進め、友だちの位置が表示できるようにした。これは待ち合わせに便利だし、さまざまな会話や情報共有の可能が広がる。

WazeにはFacebookへのワンクリック・サインイン機能がある。これはそのままGoogle+の認証に使える。Google+にはユーザーの友だちがいる。Facebookとの連携ではWazeは特定の待ち合わせ場所やそこへの運転経路を友だちの間で共有できる。これらはすべてすぐにGoogle+に生かせるだろう。

ローカル広告にビッグチャンス

言うまでもないが、Googleのビジネスは徹頭徹尾、広告だ。Googleのさまざまなサービスの究極の目的は消費者の前に広告を表示することにある。Wazeもまた非常に有望な広告プラットフォームだ。

当初Wazeは収益化を後回しにしてプロダクトの開発と成長に専念してきた。しかし昨年後半にWazeはローカル・ビジネスと大手ブランド向けに位置情報に基づく運転者向けローカル広告のプラットフォームを発表した。

以前からWazeはガソリンスタンド情報などをタップとスワイプですばやく調べることができる機能を提供しいてが、広告プロダクトはいわばそれの強化版だ。ただでさえ狭いモバイル画面に単にバナー広告を表示するのではなく、Wazeの広告は、たとえばドライバーが「レストラン」を検索した場合に、付近のレストランやファーストフード・チェーンの店舗の広告が表示される仕組みだ。

Wazeの広告プラットフォームを利用すれば、たとえばローカルビジネスだけでなくダンキン・ドーナッツのようなチェーン店もセフルサービスでモバイル広告キャンペーンを実施し、成果を評価できる。これは従来のローカル検索広告や高度なターゲット広告と組み合わせることによって一層効果を高めることができるだろう。

これまでFoursquare、Yelp、Facebookその他有力テクノロジー・サービスはなんとかして効果的なローカル広告プロダクトを作り出そうと苦闘してきた。ここに名前を上げた3社はローカル検索と位置情報を統合したチェックインシステムを提供している。しかしこと検索に関しては3社とも機能、規模いずれをとってGoogleのレベルには御びょばない。.

たしかに今のところGoogle+’のローカルビジネス・ページはFacebookページほど普及していないが、その差は縮まりつつある。Googleはローカルビジネスに関して膨大なデータをすでに保有しており、住所、連絡先、営業内容などを把握している。キーワード検索を通じて適切なターゲットに広告を表示するテクノロジーではGoogleには圧倒的な蓄積がある。

アメリカのローカル・モバイル広告市場はここ数年で爆発的に成長すると見込まれている。Googleの巨大なローカルビジネスのデータベースとWazeが統合されればきわめて強力なソーシャル・モバイル広告のプラットフォームとなるだろう。現在Wazeに欠けている一般的な検索機能をGoogleが補うのも容易だ。

地図戦争はゲーム・オーバー?

GoogleのWaze買収の動機を調べれば調べるほどこれは安い買い物だったと思わざるを得ない。地図サービスの改良を絶望的に必要としているライバル2社ではなく、すでに世界最高の地図サービスを持つGoogleが既存のサービスとは方向の異なる優れた新興サービスを手に入れたのだ。

将来の統合のことはしばらく置くとしても、Greg Kumparak記者も指摘していたとおり、GoogleはすぐにでもWazeのリアルタイム交通情報データと代替経路提案をカーナビ・アプリに取り入れることができる。どちらもGoogleマップの大幅な改良になる上に、Waze側のユーザー体験を損なうこともない。

端的に言って、今回のGoogleによるWaze買収はFacebookとAppleに取って打撃だったと思う。両社はWazeがGoogleの手に落ちるのを防ぐという目的のためだけにでも、もっと真剣に買収の努力をすべきだったのではないか。これでApple、Facebook、その他地図サービスに関わる全員が流れに逆らって上流に泳ぐような苦しい戦いを強いられることになりそうだ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、ソーシャル・カーナビのスタートアップ、Wazeを11億ドルで買収―ライバルに痛打

数ヶ月前から注目の的だったWazeの去就が決まった。このソーシャル・カーナビ・サービスのスタートアップをGoogleが買収したことが明らかになった。すでに二番手を遠く引き離しているGoogleのモバイル・マップ事業が、この買収によってさらに大きく強化されることになる。買収金額は明らかにされていないが、TechCrunchの情報源によると、11億ドルだという。

アップデート: Wazeが公式ブログで買収について発表した。CEOのNoam Bardinは「GoolgeのCEO、Larry Page、ジオ・プロダクト担当副社長、Brian McClendon、Googleマップ・チームは、以前からWazeに注目していた。われわれはGoogleマップ・チームといっしょに働くことができるようになったことに興奮している」と書いている。Bardinはまた、「Wazeは買収後も事実上何も変わらない。ブランド、サービス、会社組織、そして5000万人に上るユーザー・コミュニティーは従来どおり維持される」と述べた。

BardinはまたなぜWazeが株式上場ではなく買収を選んだかについても次のように説明している。「(上場すると)企業はプロダクトよりも決算の数字を優先せざるを得なくなる。注意はユーザーよりも金融機関、投資家、弁護士、ウォールストリートの方に向かいがちだ。しかしわれわれはWazeコミュニティーを最優先する(ためにGoogle傘下に入る道を選んだ)」。

アップデート2: イスラエルのテクノロジー・ブログ、GeekTimeも11億ドルという金額を確認した。それによると、10億3000万ドルは現金で会社とその株主に支払われ、1億ドルが貢献に応じて社員に支払われるという。

今回の買収はGoogleにとって二重に戦略的だ。報道によれば、Googleのライバル2社、FacebookとAppleがWazeの買収を試みていた。Facebookはデューデリジェンス段階で脱落、Appleのアプローチも失敗した(ただし2社ともWazeに買収の申し出をしたことは公式に認めていない)。

GoogleのWazeに対する関心2週間前に報じられ、その後さらに熱意が高まっているとされた。しかしこれまで噂が先行して情報が錯綜していた。

Wazeはこれまでに6700万ドルのベンチャー資金を調達している。投資家はBlue Run Ventures、Magma、Vertex、Kleiner Perkins Caulfield & Byers、Horizon Venturesなどだ。買収代金の大半はこれらの投資家のところに直行するらしい。イスラエルの経済紙、Globesによれば、共同ファウンダーのEhud Shabtai、AmirとGili Shinar、Uri Levine、Arie Gillon、CEOのNoam Bardinが手にするのは2億ドル以下だという。

ソーシャル: ラリー・ペイジがCEOの就任して以来、Googleはソーシャル化を強力に推進してきた。今やGoogleの全プロダクjとはGoogle+を軸としてソーシャルに再編されつつある。

世界最大のクラウドソースの位置情報プラットフォームであるWazeは、Googleのモバイル・マップのソーシャル化を大きく推進することができる。ユーザーは単にウェブ上で訪問した場所(ウェブサイト)を共有するだけなく、物理的に訪問した場所を共有できる。Bardinは4月のAllThingsDカンファレンスで、「“モバイルにとっての地図はウェブにとっての検索と同じ役割を果たす」と述べた。つまりモバイル・ユーザーが行う検索の大部分は位置情報に関連している。Wazeはモバイル・ユーザーの位置情報検索を現実の地図上のソーシャル・レイヤーとして表現できる。世界でもこうしたサービスを大規模に実現している例は数えるほどしかない(ニューヨーク・タイムズは地図をカンバスにしてあらゆるモバイル・アプリを統合するという興味あ実験を紹介している)。

ライバル: Waze買収にはもうひとつの意味がある。Wazeを傘下に収めたことによってGoogleはFacebookがWazeの資産を活用することを効果的に防止することができる。Bardinも述べているとおり、Wazeは単なる地図サービスではなく、位置情報のビッグデータ企業だ。モバイル化に全力を挙げているFacebookにとってインハウスで収集された膨大なソーシャル位置情報を保有するWazeは理想的な統合の相手だった。WazeをGoogleにさらわれたことによってFacebookはサードパーティーからのデータ提供に頼ることを続けるか、あるいは別の、より小さい同種の会社を買収しなければならなくなった。

Wazeが売却の相手にGoogleを選んだのはイスラエルから本拠を移さないという条件をGoogleがのんだことも一因だという。110人の社員のほとんど全員がイスラエルにおり、パロアルトのアメリカオフィスに勤務するのはわずか10人ほどだ。しかしパロアルト・オフィスは規模は小さいものの、CEOのNoam Bardinとプラットフォームおよび提携戦略担当副社長のDi-Ann Eisnorが常駐している。

現在のWazeの主要なターゲットはアメリカだ。4月にBardinが発表したところでは4400万人(当時)のユーザーのうち1200万人はアメリカにいるということだった。今年2月、Wazeはアメリカの事業を拡張し、収益化のため、広告ビジネスの中心地、ニューヨークのマジソン・アベニューにオフィスを開いた。最近、Wazeの社員が頻繁にニューヨークを訪れている。収益化のためには今後なすべきことが多いだろうが、ここでもGoogle poleの巨大な広告マシンが大いに威力を発揮するに違いない。この点でもWazeとGoogleの相性は良さそうだ。

〔日本版〕 Wazeはカーナビをベースにしてユーザーがドライブ中に渋滞、事故、ガソリンスタンドの料金などの情報をリアルタイムで発信し、情報を共有できるサービス。日本語版も公開されている(Android版、iOS版)。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Logitech、KickstarterでTidyTiltを大成功させたTT Design Labsを買収

宿題をきちんとするというのは、思う以上に大切なことであるようだ。宿題に出たデザインワークを一所懸命こなした2人がスタートさせた会社を、大企業が買収するという運びになったのだ。買収したのはLogitech。買収されたのはシカゴのTT Design Labsだ。2011年末、TidyTilt iPhoneケースをクラウドファンディングで世に出した2人が運営する会社だ。買収金額などについては明らかにされていない。

LogitechのSenior Vice President兼Logtech for BusinessのGeneral Managerを務めるEric Kintzは、主力をPCアクセサリーからモバイル用に移す中、デザインとテクノロジーを融合したTidyTiltのようなプロダクトを求めているのだと話している。

「モバイルに注目していこうとする中、TidyTiltのような製品が非常に面白いものであると感じたのです」とKintzは述べている。クラウドファンディングによって実現されるアイデアについては、イノベーションのヒントにもなるものとして着目しているのだそうだ。

冒頭の話に戻るが、TidyTiltはそもそも「宿題」として生まれてきたものだ。ファウンダーのZahra TashakoriniaおよびDerek Tarnowはシカゴ美術館附属美術大学(The School of the Art Institute of Chicago)に在籍していた。そこでKickstarterプロジェクトの立ち上げが課題として出されたのだった。目標額を1万ドルに設定してKickstarterプロジェクトを開始したが、結局22万3000ドルを集める大成功となった。

それを機にTT Design Labsはデザイン業務を本格稼働させ、TidyTilt+およびJustMountというホルダーもリリースしている。Logitechはこれら3つのプロダクトを、7月から自社製品として扱い始める。価格は現在のものを引き継ぐのだそうだ。DerekはプロダクトデザイナーとしてLogitechに入社し、Zahraはコンサルタントとなる。

今回のニュースは、クラウドファンディング・コミュニティにとって、なかなかのビッグニュースと言えるだろう。もちろん今回の事案が史上初めてのものであるというわけではない。Best Buyも、以前にクラウドファンディングによりデビューしたPadPivotを買収している。いずれの場合も、既存企業側はプロダクト自体とともに、ある種のファンをも獲得することを狙ったわけだ。少々下品な言い方をするならば、人気プロダクトの誕生をじっと待っていて、絶好のタイミングで札びらを切ってプロダクトとデザイナーを双方ともに自らの手におさめたということになる。

売れっ子デザイナーを目指すのであれば、実効性のあるポートフォリオとしてクラウドファンディングの活用を考えても良いのだろう。優れているものを発表すれば、多くの人がそれを認めてくれるわけだ。もしも大成功ということにならなくても、経験から得るものも大きいはずだ。いずれにせよ、シリコンバレーという場所はMBAよりも、起業経験を大きく評価する場所でもある。

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(翻訳:Maeda, H)