アマチュア・デベロッパー、Facebookのメンバー情報検索ツールを開発―非力な検索にしびれを切らす

2015-12-03-facebook-search-engine

Facebookには残念ながら使いやすく高度な検索機能がない。 これにしびれを切らしたデベロッパーが “Search Is Back”〔検索が戻ってきた〕と名付けた独自のFacebook向けツールを開発した。ユーザーは馴染みのあるドロップダウン・メニューを開いてユーザーの住む都市名、交際ステータス、出身校、ファーストネーム、その他の情報を検索できる。加えて写真、イベント、投稿などの文字情報も検索できるようなにった。

このツールのいいところは、ユーザーがFacebookの複雑きわまりないグラフ検索の仕組みを知らなくても望みの検索ができるところだ。たとえば「友達の友達」でファーストネームが「Sarah」、「スタンフォード大学出身」などという条件による検索が簡単にできる。Search Is Backのごくシンプルなメニューからいくつか選び、適切な内容を入力して実行するとサイトはFacebookを検索する。Facebookが検索を実行し、結果は公式サイに表示されるが、ユーザーがそれを見るのに改めてログインする必要はない。

現在のところ安定したグラフ検索の結果を見ることができるのは主にアメリカに居住するメンバーのようだ。もし読者のところで正しい検索結果を得られていないようなら、言語設定を英語にしてみると改善されることがある。

Facebook Advanced Search

Search Is Backで検索できる情報には以下のようjなものがある。

  • 同じ都市の出身で、現在独身で、近所に住んでいるメンバー
  • 友達の友達までの範囲で、ユーザーが職に応募しようとしている会社に勤めているメンバー
  • 訪問を予定している都市に住む友達
  • 別のSNSのメンバーでファーストネームがSamまたはSamanthaと名乗り。サンフランシスコに住んでいるUCLA出身者
  • パーティーで会ったことがあり、Googleに勤めていて、友達のDanの友達である人物
ユーザーはそういう人物や物事の写真、関係するイベント、や「いいね!」の数などの情報も入手できる。さらにこんな使い方もあるだろう。
  • 特定の2人の人物yがタグづけされている写真全部(元カレ、元カノをストーカーするのに使うのは厳禁)
  • 今夜予定されるイベントで友達が出席する予定なっているもの(話ができるかもしれない)
  • ロンドンについての友達の投稿(訪問する予定なのでアドバイスがもらいたい)
  • 同じアーティストのファンで、都市に住んでいる誰か(いっしょにコンサートに行く相手を探している)

Search Is Backは、映画製作が本業でサンフランシスコに住むMichael Morgensternが開発した。MorgensternはFacebookで何かを検索しようとすると、ひどく手間がかかったりまったく不可能だったりするのにうんざりしていたという。

私はFacebookに対して「Search Is Back.をどう評価しているのか?」と問い合わせたが返事はなかった。しかしFacebookのPlatform Policiesを丁寧に読んでみたが、Search Is Backが規定のどれかに違反しているとは思えなかった。

ソーシャル・メディア界はGraph Searchを使うと誰かが2013年に何を言ったか分かってしむと言って大騒ぎをしている。これは検索のキーワードに単なる単語でなくまとまったフレーズが使えるところからくる誤解だ。実際、Facebookの検索担当副社長、Tom
Stockyは10月に私と話し合ったとき、「自然言語を利用した対話的検索というのは(伝統的な単語検索に比べて)膨大なユーザー層を対象とした場合、適当ではないだろう」と語っていた。

Screen Shot 2015-12-01 at 3.09.28 PM

なるほどFacebookがフルテキスト検索を提供し始めたとき、 システムはフレーズと単語の区別がつかないことがあるので、グラフ検索が非常に困難になったことがあった。そういうわけで、 Facebookには高度な検索機能は実装されているのだが、目立たない場所にいくつにも分割して隠されている。 「友達を検索」するツールの一部やサイドバーのグラフ検索が導入される前の古いタイプの検索などだ。

Michael Morgenstern

Search Is Back developer Michael Morgenstern

デベロッパーのMorgensternは私の取材に対して、開発の動機について、「Facebookで何か検索しようとするたびにいひどい目に会わされてきたからだ」と語った。Morgensternは適当な既存のツールがないか探したが、どこにも見つからなかったので自作することにした。機能の実現のためにはFacebook APIではなく、一般のユーザーが使うのと同じFacebookが航会しているURLを使っている。Facebookがmorgensternのツールが気にいらなかったとしてもシャットダウンするのはAPIを使ったツールよりはるかに難しいだろう。

良きハッキングの伝統に従って、Morgensternは「モバイル・アプリができなくてもウェブを通じればできること」を試しているにすぎない。それでもFacebookはSearch Is Backをシャットダウンに追い込む方法を見つけるかもしれない。しかし作動している間、このサイトはプライバシー漏えいの懸念なしに安全にさまざまな情報を検索できる興味ある検索ボックスとなっている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

著名選手とファンの今昔―NBAのコービー・ブライアント、TwitterとFacebookで引退を発表

????????????????????????????????????

*お気に入りのナツメロを流しながら読んでいただきたい*

私の若い頃、有名スポーツ選手が引退するときには、テレビカメラの前に座り、家族全員を左右に座らせて記者会見を開いたものだ。

たとえば1993年にマイケル・ジョーダンが最初に引退を表明したときがそうだった。ジャーナリストが黒山のように群がって質問を浴びせていたテレビ画像をよく覚えている。

もしジョーダンが今の時代、つまり「デジタル時代」の選手だったら引退発表はどんな具合になっていただろう? ちなみにジョーダンのTwitterアカウントJumpmanには250万人のフォロワーがいるが、ジョーダンはファンとは交流しない。何か個人的な情報を投稿したのも見たことがない。 パーソナルな要素は一切なしだ。

一方、同じバスケットボールの有名選手でもコービー・ブライアントに792万人のフォロワーと密接に交流している。

今日(米国時間11/30)、ブライアントはお決まりの記者会見を飛ばして(今のところは、ということだが)、ファンに対してNBAから引退すると決めたことを発表した―
つまり、Twitterを通じてだ。

親愛なるバスケットボール・ファンへ:コービー・ブライアント

自分は引退を決めた。皆んなにそのことを今知ってもらいたい。残り少ない時間を共に味わおうではないか。

ブライアントがメッセージに貼ったリンク先は偉大な野球選手だったデレク・ジーターのサイトだ。ヤンキースの現役時代、ジーターはありとあらゆるプレッシャーに打ち勝ってきた。ジーターが引退後にスタートさせたサイトがThe Players’ Tribuneで、スポーツ選手がフィルターを通さず、ファンに対して直接情報を発信できるようにしたものだという。ブライアントの例をみてもこのサイトは機能しているようだ。

Screen Shot 2015-11-29 at 4.14.36 PM

ブライアントのツイートは 3万3796回リツイートされた。これは選手の引退をたとえばESPNのようなスポーツチャンネルの番組で眺めるのとは全く異なった世界だ。レイカーズで20年もプレイしてきたブライアントの引退は早くから予期されていたものでショックではないが、引退を決めたときにまずそのことをソーシャル・ネットワークでファンに知らせようとしたことには驚かされる。

この投稿(テレビは画面にツイートを映した)をフォローして―タイムスタンプによればほんの数分後だ―ブライアントはFacebookにも同内容の簡単な投稿をした。こちらは 23万回の「いいね!」を受けている。.

ブライアントの投稿を読むにつけて、われわれ皆が「行動が起きる場所」を共有する自体に生きていることを感じる。われわれが尊敬し、その尊敬の念を他のファンとも分かちあってきた選手がこれほど身近に感じられる時代はいまだかつてなかったに違いない。

ちなみに、NBAも急いでコメントをTwitterに投稿し、コミッショナーの声明のリンクを貼った。

〔日本版:ブライアントがファンに向かって書いた手紙の全文は原文参照。〕

Featured Image: evergreenkamal/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

どんなトップ5リストにも満足&納得できない人が自作のリストをどうだっ!と投稿できるサイトIntralist

intralist

みんな、リストが好きだ。自分がリストを好きだと自覚していない人ですら、日常的にリストが好きだ。タイトルに“トップ10”とか“トップ5”とあれば、ついついその記事を見ちゃうだろう。人類はみなリストが好きだから、ついに、リスト専門のサイトIntralistが登場した。

Sports IllustratedのクリエイティブディレクターだったJohn Jaxheimerと、協同ファウンダのStuart SchwartzとAlex Ressiは、一般消費者がいろんなものを簡単正確に比較できる方法がないことに気づいた。彼らは、比較のためにいちばん便利な方法がリストだ、と考えた。雑誌にもWebサイトにも、つねにリストがある。でも彼らによると、Intralistはリストを見るだけでなく、ユーザが会話に参加できる場所だ。

“パブリッシャーたちは何十年もリストコンテンツを作ってきたが、今では誰もがコンテンツクリエイターだ”、とJaxheimerは語る。“だから、パブリッシャーから消費者へ、という一方通行のコミュニケーションに限定するやり方は、もはや古い”。

Intralistでは、誰もがトップ5のリストを作れる(そう、5項目だけ)。まったく新しいリストを作ってもよいし、既存のリストのアップデートバージョンを作ってもよい。リストを作るときには、素材となる画像やリンクをサイトが提供してくれる。

ひとつのテーマでいろんなリストが集まったら、Intralistがそれらから“決定版”のリストを作る。たとえばニューヨークのバーガーのベスト5のリストの集まりがある(Jaxheimer自身が作ったリストもある)。そこの赤い”i”のアイコンをクリックすると、決定版を見られる。

一般消費者だけでなく、編集者やパブリッシャーも歓迎している。たとえばMADEというファッション誌はIntralistに、New York Fashion Weekの写真のリストを載せている。こういう‘作品’はIntralistのトラフィック(PV)を上げるし、また作者はIntralistを、もっと長いリストや記事へのイントロやプレビューとして利用できる。そして個々のユーザのプロフィールページには、これまで投稿したリストのリスト(リンク集)が載るから、昔の投稿でも消されることや闇に埋もれることはない。

“ぼくは、コンテンツ提供者の感性を非常に大事にしたい。多くの人が、相当な時間をかけて力作のリストを作っているのだ”、とJaxheimerは言う。だからコンテンツを次々と使い捨てにするのではなく、“ユーザと一緒により魅力的なサイトを作っていきたい”。

Intralistは今はモバイルの上でもリスポンシブな(応答性のある)Webサイトとして利用できるが、来年はモバイルアプリを提供したい、と言っている。

〔参考: 2015年のプログラミング言語トップ10

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

ご注意! 企業向けチャットサービスのSlackに不具合発生中

2015-11-24-slack

企業向けチャットサービスのSlackに現在不具合があるようだ。

Flickrの共同ファウンダー、Stewart Butterfieldが開発したSlackはエンタープライズ・チャットルームとして最近大人気だ。そのSlackに何か問題があるとTechCrunchの社内で判明したが、その後、Twitterのレポートでも確認された。

@SlackHQは公式ツイートで次にように述べている。

〔Slackに間歇的な接続問題が起きている。われわれは全力で問題の所在を調査し、解決を図っている。すぐにアップデートの予定。〕

Slackのシステム・ステータスのページも同様の内容を述べている。.

困っているのはTechCrunchだけではないようだ。

〔SlackがダウンしてるときにSlackの本社では何を使ってコミュニケーションしてるのだろう?〕

われわれはSlackに問い合わせ中だ。何かわかればすぐにアップデートする。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、元カレ元カノの記録を調整するための新ツールを公開

twophones

別れはただでさえ辛いものだが、Facebookにログインする度に元カレや元カノの新たな幸せがあなたの顔に飛び込んでくればなおさらだ。しかし、だからとって昔の相手を友達解除やブロックしたいわけでは必ずしもない。どこか中間地点があるべきだ。

今日(米国時間11/20)Facebookは、ユーザーがこうした複雑な関係にもっとうまく対応するための新ツールを実験中であると発表した。ツールはユーザーが、極端な行動をとることなく、昔の相手とデジタル的に距離を置けるように作られている。

説明によると、Facebookはユーザーが交際ステータスを変更した際にこの新ツールを試すよう勧める。選択すると、その相手を「見ることが減る」と共に、相手が自分について見えるものも制限するオプションが与えられる。過去の投稿や写真の設定に変更を加えることもできる。

別れた後、両者の間に(デジタル的な意味で)一定の間隔を与えようという発想だ。

新しいオプションを使うことで、ユーザーはFacebookに対してその人物を見る頻度を減らしたいことを伝えられる ― つまり、ニュースフィードでその人の投稿を見ることはなくなり、メッセージを送ったり写真にタグ付けするよう自動的に推奨されることもない。これまでFacebookに出来たのは、サイドバーの “Photo Memories” [思い出の写真]モジュールに昔の相手が表示されなくなることだけだった。ありがたい機能だが、十分にはほど遠かった。

自分がこうした変更を行ったことが、相手に通知されることもない。近頃は友達解除されたりブロックされていることを推論するのが容易になり、厄介な状況を作り出してさらに関係を悪くする恐れがあるので、このメリットは大きい。

InPhone_SeeLess

元相方の名前や投稿がニュースフィードから消えるのに加えて、相手が自分について見るものも制限できる、とFacebookは言う。別の画面で、現在のプライバシー設定をそのままにするか、投稿をその相手から隠すかを選択できる。

これは、昔の相手があなたを見られるのは、明示的に相手をタグ付けした場合、全体公開した場合、あるいは共通の友達のタイムラインでシェアした時だけになるという意味だ。このオプションを使うと、自分の投稿以外であっても、あなたがタグ付けされている記事を相手が見ることが制限される。

InPhone_Limit

そして、昔の写真や愛の日記を燃やすことのデジタル版とも思える機能として、このたびFacebookは、過去の投稿を読み返して2人に関わるプライバシー設定を変えたり、自分のタグを外したりできるようにした。

初めてのデート? 〈バシッ、削除〉。週末のお泊り? 〈もういい〉。バレンタインのディナー?〈消滅〉。まるでそんなことは起きなかったかのように。そして、率直に言って、タグを外したりプライバシー設定を調整することは、ちょっとした快感だ。

こうした変更は個別でも一括でもできる。例えば、投稿をタグ付けされた人だけから見えるようにもできる、とFacebookは言っている。

後者のオプションは、投稿や写真のプライバシーを、別れた後 、新しく相手と友達になる前に調整する際にも役立つ。ご想像の通り、当然その新しい相手は初めてあなたをFacebookストーカーする中で、古い写真を探しまくるだろうから。

ChangePastPosts

既に誰かと別れ、Facebookの交際ステータスを変更した後でも、遡って新ツールを使うことができる、とFacebookは言っている ― ヘルプセンターに行けばいつでも利用できる。

新しいツール群は現在米国でモバイルのみにオプションとして展開されている。Facebookは、広くユーザーに公開する前にさらに調整を加えるかもしれない。

ここで強調されているのは、失敗したロマンチックな関係の結果に対処することだが、プライバシー設定に現実社会の人間関係を正しく反映させるのに役立つこの種のツールは、デジタル生活の別の部分にも応用できる。例えば、あなたのどんちゃん騒ぎをおじいちゃん、おばあちゃんに見られたくないときや、ちょっとした知り合いに自分の生活を奥深く覗かれたくないときなど。

ともあれ、この「Facebook破局」するためのオプションは、元カレ、元カノと一定の距離を保ちたいが、デジタル生活から完全に永久に排除する心構えのできていない人たちに歓迎されるに違いない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Appsユーザーに朗報―パスを持たない部外者をビデオハングアウトに招待できる

2015-11-20-hangoutsurveillance

仕事でGoogleハングアウトを使っているユーザーに朗報だ。Google Appsのハングアウトがたいへん便利になった

Google Apps for Workのユーザーは去年から組織外のユーザーをゲストとしてビデオ・ミーティングに招待することができた。この場合、ゲストはGoogleのアカウントを持っている必要があった。今回、ハングアウト・チームはGoogleのパスワードを持っていないユーザーでもビデオチャットに参加できるよう改良した。

今日(米国時間11/19)から、Googleのパスワードを持っていないゲストもハングアウトのビデオ会議に参加できるようになります。ハングアウト・チームは便利さが大きく改善するものと期待しています。手順は次のとおりです。ビデオ会議をスタートさせたユーザーは必要な相手にハングアウト・ミーティングのURLを送ります。Googleアカウントを持っていない場合、その相手は名前を入力し、ハングアウトに参加することを承諾するボタンを押します。

するとゲストの姿がぱっとスクリーンに現れるわけだ。

request-join-guest-hangouts

Apps for Wokrのアカウントとウェブ・ブラウザーさえ持っていればこの機能は世界中で誰でも使える。Appsのメンバーはビデオ会議を開くときに何らかの理由でGoogleのアカウントを持っていない可能性がある1人か2人のゲストを考慮してわざわざハングアウト以外のサービス―Skypeなど―を選ぶ煩わしさがなくなった。
.

〔Googleアカウントを持たないユーザーをハングアウトに招待できる機能は日本語版Google Apps for Workでも実装ずみのようだ。〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、クラウド資金集めのFundraiserをスタート―Kickstarterのライバルに成長するか?

2015-11-19-kickstarter-facebook

Facebookは全インターネットをわが物としたいようだ。この巨人はいまやクラウウド・ファンディングの世界への進出を始めた。今日(米国時間11/18)、FacebookはNPO向けの新しいクラウド資金集めのサイト、Fundraiserを発表した。

NPD組織はこのサイトに資金集めのキャンペーン・ビデオを表示し、目標や実現のための手段を説明することができる。もちろん資金の受け入れも可能だ。資金を提供したユーザーはサイト内の「共有」ボタンを押すことでFacebookの友達にそのことを広く知らせることができる。

NPOが対象という意味ではFacebookの新しいプロダクトはCrowdriseのようなサイトによく似ている。

しかし少し考えていただきたい。NPOというのは「非営利団体」の頭文字だ。だが将来FacebookがこのN―non―を外したらどうなるだろうか。それは間違いなくKickstarterの強力なライバルになるだろう。私が取材した限りでは当面FacebookはNPOの資金集めの手助けに集中するようだ。なるほどそうなのだろう。しかし記憶が正しければ、FacebookはNPO団体がニュースフィードで資金を集められるよう、2013年にチャリティーに寄付するというボタンを設置した。しかしその後で通販でショッピングするボタンが登場した。Fundraiserは今のところNPO向けかもしれないが、このメカニズムはそのまま別の目的に転用できる。

fundraisers-on-desktop-and-mobile-v21

重要なのはクラウド・ファンディングのきわめて大きな部分がソーシャル・ネットワークの力に頼っていることだ。KickstarterやIndiegogoのサイトをわざわざ訪れて興味ある投資先がないか探す人間はほとんどいない。仮にあるプロジェクトがKickstarterなどのサイトのトップに目立つように表示されたとしてもスタートアップへのトラフィックの25%を占めるにすぎない。12%が普通で、場合によっては 3%くらいまで探す。Plinth Agencyのクラウド・ファンディングのコンサルタント、Desi Dangananが私に語ったところでは、クラウドで資金集めを目指す人々の大半はプロジェクトを自分自身のソーシャル・グラフを使って周知させようとする。資金集めを効果的にするためにFacebookのようなサイトが大きな役割を果たしているという。

ところがクラウド・ファンディングにFacebookを利用する上での問題は、ユーザーが資金を提供するつもりになるといったんFacebookサイトを離れてKickstarterやIndiegogoなどのサイトを訪問しなければならないことだ。これは余計な手間―われわれの用語では「フリクション」だ。ユーザーは他のサイトに行って、それが最初の訪問であれば、クレジットカード番号などの支払い情報を登録しなければならない。これもフリクションだ。これこれのプロダクトに出資を約束したことをFacebookの友達に知らせようとすれば、また何度もクリックが必要で、フリクションは増えるばかりだ。

fundraiser-on-mobile-and-shared-with-friends-v4
Facebookはこういうフリクションを嫌ってきた。Facebookほどの巨大サービスになると、フリクションをほんのわずか減少させるだけで莫大な利益が生まれることになる。最近、FacebookメッセンジャーがPhoto Magicという共有を簡単にするサービスを開始した。このサービスの顔認識機能などで節約できるのはせいぜい5秒だろうが、現在Photo Magicは毎月95億枚の写真共有を処理している。スタート以来節約できた時間は延500年分にもなる。.

Facebook上のクラウド資金集めにも発見、支払、バイラル拡散などさまざまな面で大きな可能性がある。ファンドレイザーは大金を払わずにFacebookのリソースを利用して誰がキャンペーンに興味を持ちそうかなど、さまざまな情報を集められる。

Facebook Donation Gif

ひとたびクラウド・ファンディングの仕組みが確立すれば、ファンドレイザーはFacebook上でのキャンペーンの広告に力を入れるだろう。現在でもFacebookでKickstarterやIndiegogoのプロジェクトの広告をたびたび目にする。もしこうした広告をクリックしてもFacebookの外に連れ出され、ユーザー体験が損なわれることがないなら、大いに魅力的だろう。Facebook自身のクラウンド・ファンディング・サービスには十分な可能性が感じられる。【略】

Facebook Fundraiser

KickstarterのFacebook版、いわばFacestarterをスタートさせるのであれば、優秀なプロジェクトに報酬を与えるシステムや有害な詐欺的プロジェクトを監視するシステムなども整備されねばならないだろう。

だがその程度のコストはFacebookにとってほとんど問題になるまい。Facebookほどのサイズがあれば、 どんな事業であろうと自由に実験できる。そこでKickstarterのタイヤを蹴って〔収益性をチェックして〕みるのは有益だ。万一不調であれば次のプロジェクトを考えればよいだけだからだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

今あなたはハッピーか? オックスフォード辞書「今年の単語」は、なんと絵文字

2436625071_9235c00280_b

私は辞書の言うことは全部信じるようにと育てられたが、なんと。いったい世界はどうなっているんだ? 今日(米国時間11/16)BuzzFeedOxford Dictionariesは2015年の “Word Of The Year”[今年の単語]を発表したが、それは単語でも何もなかった。

「うれし涙」の絵文字だ。

これ。

Screen Shot 2015-11-16 at 2.22.18 PM

これだ。

モンスターたち辞書はこう言っている:

その通り ― 史上初めて、Oxford Dictionariesのワード・オブ・ザ・イヤーはピクトグラフ「 」、正式には “Face with Tears of Joy”[うれし涙の顔]絵文字に決まった。別の名前で呼ばれることもあるだろう。幅広い分野から強力な候補が出されたが、 は、2015年の風潮、気分、および関心事を最も反映した「単語」として選ばれた。

全くの たわ言だ。

世界は今ハッピーなのか?

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messengerが読んだら消えるメッセージを実験中…人間の日常生活の会話を模倣

facebook-messenger

Facebook Messengerが、読んだら消えるメッセージをテストしている。今はフランスの一部のユーザに提供されている機能だが、メッセージは送ってから1時間以内に消える。このニュースは、BuzzFeedが最初に報じた。本誌は今Facebookに、全面展開のスケジュールなど詳細を問い合わせている。

短命メッセージでMessenger自身も楽になるが、なにしろ今ユーザが7億もいるMessengerが、一時はFacebookが30億ドルで買うことを検討したと伝えられるSnapchatと、もろに競合することにもなる。Snapchat以外にも、上位のメッセージングアプリの一部が、蒸発するメッセージをサポートしている。

たとえばユーザ数2億1100万のLineは最近、隠れチャット(Hidden Chats)と名づけた暗号化メッセージを立ち上げた。これも一定の時間が経つと消滅する。中国最大のメッセージングアプリWeChat(ユーザ数5億)では、2014年からメッセージのリコールができる。

しかしFacebook Messengerの短命メッセージ機能は、ほかの人に知られたくない情報を送ることだけがねらいではない。本誌ライターのJosh Constineが触れているように、消えるメッセージは人間の実生活における会話の特性でもあり、それをMessengerは読了確認メッセージ(read receipts)や即席自撮りで再現しようとしている。

Facebookは前にも短命メッセージを実験したことがある。2012年の12月には、Snapchatが離陸した直後、FacebookはPokeをローンチした。これは、写真やビデオが消えるサービスだ。

当時Snapchat殺しと騒がれたFacebook Pokeは、しかしユーザが増えなかった。一方Snapchatは月間ユーザ数2億に達し、立派なエコシステムができて、単なる消える写真にとどまらず、Live Storiesのようなリッチな機能も提供するようになった。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebook、 Apple MusicとSpotifyの曲をソーシャル共有できるMusic Storiesを発表

2015-11-06-music-stories

今朝(米国時間11/5)、FacebookはMusic Storiesという新機能を発表した。この機能はユーザーが未知の曲を発見し、友達と共有することを助ける。 簡単にいえば、Facebookにおける新たな記事投稿フォーマットだ。Music StoriesはApple MusicとSpotifyと連動しており、これらのサービス上の曲を簡単に記事として投稿できる。

ユーザーは両サービスから曲またはアルバムを選択すると、各曲の最初の30秒を試聴でき、さらにFacebookへの投稿として公開できる。

当初のソースの選択に応じて楽曲はApple Music〔TechCrunch記事〕ないしSpotifyからストリーミング配信される。楽曲を聞いたユーザーは、その曲を購入したり、それぞれのサービスのプレイリストなどに保存することができる。つまりApple Musicがソースであれば、リンクをクリックしてiTunesから曲を購入できるわけだ。またApple MusicまたはSpotifyの加入者であれば、曲をストリーミングで聞けるよう公開することもできる。

Facebookによれば、サポートするストリーミング・サービスの種類は現在の2種類にとどまらず、今後さらに増やしている計画だという。

Spotifyのグローバル事業開発の責任者、Jorge Espinelは「われわれはFacebookのMusic Storiesに参加できたことを喜んでいる。われわれのメンバーはSpotifyで新しい楽曲を発見しFacebookで友達と共有するのが大いに簡単になる。われわれが配信する曲がFacebookで話題にされるようになればSpotifyの利用も増えるだろう」と声明を発表した。

新機能は当面FacebookのiPhoneアプリからのみ利用可能となる。将来はAndroidなど他のプラットフォームにも拡大されると予想してもよいだろう。ただしAndroid版ではApple Musicのプラットフォームを問わないストリーミングはサポートされるが、iTunesストアからのダウンロードはサポートされないだろう。ただしFacebookは将来の計画について詳しいことを明らかにしていない。

音楽はFacebookがこれまで十分に力を入れていない分野だ。FacebookがMySpaceからSNSの王座を奪った時代からその傾向があった。逆にMySpaceは音楽分野、特に新しい音楽の発見機能では定評があった。スマートフォン上で定評がある有力な音楽ストリーミング・サービスと提携することは、ユーザーがソーシャル共有のために大量の楽曲を投稿することを促し、Facebookのトラフィックを劇的に増大させる可能性がある。

新機能は現在Spotifyが提供しているFacebook関連サービスとは異なる。Music Storyは特定の曲あるいはアルバムを新発見ないしお気に入りとしてFacebookの友達に推薦するものだ。その際、ユーザーはリンクを投稿するだけでなく、問題の楽曲に対する詳しい感想を述べることもできる。Music Storyは音楽に特化しているものの、本質的には一般のFacebookの近況投稿と同じものだ。

ユーザーはApple MusicまたはSpotifyで曲またはアルバムのリンクをコピーし、Facebookの近況ボックスに貼り付けるだけでよい。するとシステムが自動的に魅力的な楽曲のプレビュー画面を作成する。プレビュー画面には回転するレコードのアイコンまで表示され、他のユーザーが曲を再生するためにクリックできる。したがって一般の近況の投稿に対するのと同様、Music Storiesに対してもコメントができる。

Music Storiesはアーティストやバンドにとっても曲をプロモーションする有力なツールとなるだろう。すでにFacebookにアーティストのプロフィールや曲のページが掲載されている場合、相乗効果は大きなものとなる。SoundCloudやこの夏、Apple自身がMusicの一部としてスタートさせたConnectなどのように、音楽分野のソーシャル化も今後は急速に進展し、Facebookとの競争も激しくなるだろう。その際にMusic StoriesはFacebookに大きな優位性をもたらすかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitter、「お気に入り」から「いいね」への変更理由は「愛こそすべて」

twitter-bird-space3

Twitterがブラックホールのように思えるという人がいる。「ソーシャルな世界」が目の前に広がっているのだが、しかしせっかく発したツイートが孤独の中に消え去っていくばかりだと感じるのだという。

これはTwitterの仕組み自体による部分も大きい。たくさんのツイートが無制限に流れ続け、仲良しの友だちや親しいパートナーですら、あなたのツイートに気づきすらしないことも多い。実世界で有名であるとか、注目されている論客であるというような場合でもなければ、ツイートをみてくれるフォロワーを獲得することも非常に難しいものとなる。

そうした状況では「いいね」されたり「リツイート」されるといったような、フィードバックを得られることもほとんどなくなる。これは都会の真ん中で感じる孤独感にも似ているだろう。たとえば東京の繁華街にひとりっきりでいるようなものかもしれない。たくさんの人々に囲まれながら、しかし誰と話をするわけでもなく、呆然と立ちすくむような状況だ。

Twitter Heart Flexible

そのような人に、なんとか満足感を感じて欲しいとTwitterが行ったのがハートマークの「いいね」の提供だ。星だろうがハートだろうが、「お気に入り」だろうが「いいね」だろうが大した違いはないと考える人もいることだろう。しかしTwitterは利用者層の拡大に苦しんでいるのだ。パワーユーザーやジャーナリスト、セレブなど(あるいは迷惑行為を行う「トロール」と呼ばれる人を加えても良いだろう)はTwitterをとても有効に活用しているようだ。しかしその他おおぜいの人は「なんのために使うものなのか」を掴めずに、利用をやめてしまうケースも多いのだ。

Twitterは近年、ますますこの問題に苦しめられつつある。誰も読んでくれないツイートを発することに人々は疲れ果て、人との繋がりが前提にあるFacebookの方に居心地の良さを感じるひとが増え続ける状況となっている様子。

ツイートして、しかし沈黙しか帰ってこなければ、ツイートすることの意味を考えてしまうだろう。Twitterを利用することが無意味だと感じてしまう人も多い。

TwitterおよびVineで、「星」による「お気に入り」を「ハート」の「いいね」に変えたのは、なんとか閲覧者からのレスポンスを増やしたいとする、Twitterの強い願いがこめられたものなのだ。

Twitter Star

もともと「星」を採用していたのは、さまざまな意味に使えるからだった。「お気に入り」に登録することには「いいね」であったり「読んだよ」であったり、あるいは「賛意」を表明したりする意味だった。あるいは「初めて知った」内容を「お気に入り」に登録したり、さらには単にあとで読むために星マークをタップしていたりもした。

しかし、利用者層を広げたいと考えた時、「柔軟性」が「曖昧さ」に変わってしまう可能性もあるとTwitterは考えたわけだ。Twitterは「星マークの意味がよくわからないという人もいました。とくに新しく利用をしてくれるようになった人にその傾向がありました。いろいろな発言に“いいね”と思うものの、“お気に入り”というほどでもないという人も多くいました。そういう人たちは“お気に入り”ボタンを押すのに躊躇いを感じていたようなのです」とツイートしている。

「お気に入り」に登録するよりも「いいね」にした方が多くの人に気軽に使ってもらえるに違いないと考えたわけだ。

何か気になる内容があれば、どんどん「いいね」して欲しいというのがTwitterの考えだ。大した労ではないし、何かしらの資源を消費するわけでもない。しかしひとつの「いいね」が誰かの1日を明るいものとする可能性があるわけだ。そしてそれはTwitterを利用しようとするモチベーションに繋がるはずだと認識しているわけだ。ここしばらく、ユーザー層の拡大に失敗してきたTwitterの努力の現れだとはいえよう。

そもそもTwitterというのは、ソーシャルグラフを活用する場ではなく、いわばイントレストグラフに基づく場ではある。Facebookなどでは、「面白いコンテンツを提示してくれるから」というわけではなく、「友だち」であったり「家族」であるという理由で人々が繋がっている。しかしTwitterではコンテンツがすべてという側面もあるのだ。

そうしたTwitterの特性は、いろいろな人のさまざまな見方を学んだり、楽しんだりする場所として機能するのに有利なものだ。しかし自分の投稿する内容がつまらなければ、何の反応も得られないという状況にもなる。そしてそうした状況を寂しいと感じる人も多いのだ。星よりもハートの方が少しでタップしてもらえる可能性があるのなら、そのおかげで多くのTwitter利用者が感じている「寂しさ」を和らげることが可能になるかもしれないと、Twitterは考えた。「ハート」をタップするちょっとした手間を払うことで、Twitterを続けてる人が増え、そしてTwitterの世界がいっそうおもしろくなるということはあり得るかもしれない。

Twitter Heart

原文へ

(翻訳:Maeda, H

高齢者の孤独化を防ぐStitchは、やりたいことの仲間を見つけてくれるソーシャルネットワーク

slack_for_ios_upload-13-820x400

最近の本誌TC Radio Pitch-Off(インターネットラジオによる売り込みコンテスト)で優勝したStitchは、50歳以上の人たち用のソーシャルネットワークだ。オーストラリアのスタートアップだが、利用はどこからでもよい。高齢者が、ネットを介して友だちを見つけたり、もっとロマンチックな関係を求めたり、何かやってみることを見つけたりする。

Stitchの協同ファウンダMarcie Rogoはこう語る: “高齢者にもやりたいことはたくさんある。でも、それを一緒にやれる人が見つからない。Stitchでは活発なソーシャルネットワークの力によって、同好の士を見つけ、活動や旅行のグループや、1対1の関係を作れる”。

いわゆるデートサイトではなくて、Stichではメンバがグループを作る: たとえばワインの試飲会とか、雑学クイズ大会とか。今アクティブメンバは20000名おり、アクティブなコミュニティ(グループ)は50あまりある。

基本的に無料だが、年額60ドルを払って特別会員になると、プロフィールを無制限に見られる、紹介プロフィールの上位に載せてもらえる、誰かとネット電話で話せる、などの特典がある。だいたい、登録ユーザの10%が特別会員だそうだ。

同社は、電話を使うカスタマサービスがあることが、なかなかおもしろい。ユーザが電話をすると、本物の人間と話せる。ささいなことのようだが、高齢者は声によるコミュニケーションで安心する生き物なのだ〔それが禍(わざわい)と出る場合もあるが!〕。高齢者サービスでは、声という要素がとても重要だ。

同社は500 Startupの9度目のクラスから巣立った。もともとはTapestryというスタートアップからのスピンアウトで、それは高齢者を定年退職者のコミュニティに結びつけるタブレットアプリだった。Stitchは8月に100万ドルのシード資金を獲得し、2016年の前半にはシリーズAを予定している。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

CEO DorseyがTwitterの使いづらさを認める、Momentsなど最近の新機能量産は改善努力の結果だと

456915678

Twitterの2015Q3決算報告でCEOのJack DorseyはCOO Adam BainおよびCFO Anthony Notoと同席した。報告は前回に続き、Periscopeでブロードキャストされた。

決算に示されたTwitterの成長に、ウォール街は納得しなかったが、しかしMomentsやPolls(投票)などの新製品が投入されてからまだ日が浅い。ユーザは今でも10億を超えていて、その中にはTwitterへのログインではなく、ツイートのどこかへの埋め込みからアクセスする者も多い。

〔ここに株価チャートが表示されない場合は、原文を見てください。〕
[graphiq id=”7N9fhkdV1o9″ title=”Twitter Inc. (TWTR) Stock Price – Current Day” width=”600″ height=”519″ url=”https://w.graphiq.com/w/7N9fhkdV1o9″ link=”http://listings.findthecompany.com/l/445483/Twitter-Inc-in-San-Francisco-CA” link_text=”Twitter Inc. (TWTR) Stock Price – Current Day | FindTheCompany”]

Dorseyは、TwitterのチームがTwitter、Periscope、Vineなど主要プロダクト別になっていることを説明した。エンジニアリングにもデザインにも多くの人数を抱えていながら、今でも新規雇用を続けている、とDorseyは言う(最近人減らしもしたけど)。

最新プロダクトの一つMomentsについてDorseyは、好調だとは言ったが、具体的な数字は何も挙げなかった。Momentsにはとくに力を入れたので、オープン直後から人びとが殺到した。ぼくはMomentsを”氷河プロジェクト”と呼んでいたが、それは、そこでTwitterの本来のリアルタイム性が薄れてしまい、熱心でないユーザにも情報をサービスするからだ。それが今後もさらに好調なら、氷河は動き始め、Twitterの成長に貢献するだろう。

Dorseyは、これまでのTwitterが使いづらかったことを、率直に認めた:

フォローしたい人、すべき人を見つけるために、ものすごい苦労をユーザに強いていた。でもMomentsがあれば、もっと有意義な探し方ができる。

壇上の3名は、たとえば#BlackLivesMatterのようなトピックを軸にコミュニティができることを話したが、新製品の発想やコンテンツの新しい表示方法についての説明はなかった。

最近のTwitter上の新製品ラッシュについてDorseyは、ワールドシリーズの間にテレビコマーシャルを流す(今夜からだ)と言った。そのコマーシャルでは“使いやすくなった”Twitterを強調し、人間性の重視を訴えるのだろう。最初のコマーシャルは2012年で、Nascarとの関係やロンドンオリンピックの支援を訴求した。そして最近では、IBMとの関係を宣伝した

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Twitter、Q3決算で株式8%急落―売上見通し弱く、アクティブ・ユーザー数頭打ちに市場は嫌気

2015-10-28-twitter-up

株式取引終了のベルと同時にTwitterは2015年第3四半期の決算を報告した。 今回の財務情報によると、同社の売上は5億6920万ドル、調整済み一株当たり利益は0.10ドルだった。市場はTwitterが5億5960万ドルの売上に対して0.05ドルの一株当たり利益を上げることを期待していたのでこれは上回ったといえる。

しかし財務内容を説明するカンファレンス・コールの後、Twitter株式は時間外取引で約8%急落した。

Twitterは第3四半期の月間アクティブ・ユーザーを3億2000万人と発表した。この数字は前年同期には2億8400万だったが、直前の第2四半期には3億1600万人だった。

現在Twitterについてはアクティブ・ユーザー数の頭打ち傾向が投資家の最大の懸念だ。今日(米国時間10/27)の決算報告でTwitterはこうした懸念を吹き払うことに失敗した。一見したところアナリストの期待を上回る財務情報でありながら、Twitter株が大きく売り込まれたのはそういう理由だ。

売上の伸び率に関してTwitterは問題ない。売上は対前年比で58%も伸びている。しかしユーザー数が横ばいなのはこの企業のキャッシュ・フローを見る上で本質的な弱みだ。読者も記憶しているだろうが、投資家はキャッシュ・フローを見る。

Twitterのモバイル対応は模範的だ。広告収入の86%はモバイル広告の画面から来ている。あの小さいなモバイル・サービスの広告を健全な収益に結びつけることに成功した企業はごく少ない。

にもかかわらず、ユーザー数が増えないことに対する投資家の懸念は晴れなかった。

Twitterが発表した今後のビジネスのガイダンスによると、同社は今期(第4四半期)に6億9500万ドルから7億1000万ドルの売上を予想している。市場では第4四半期の売上は7億3970万ドルに届くだろうと予測されていたので、これを大きく下回るガイダンスの数字は投資家を落胆させることとなった。

通常の会計基準に従えば、今期Twitterは1億3170万ドルの企業価値を失ったことになる。投資家はこれまでTwitterをGAAP基準の財務情報では判断せず、ソーシャルメディアの将来性に賭けてきた。しかし事情がこうであると、市場はもはやTwitterにそのような楽観的基準を適用しないことになりそうだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

本などからの引用文を共有するQuotleはInstagramとOneShotのハイブリッドだ

quotle

Quotleは、OneShotとInstagramのハイブリッドみたいな、おもしろいアプリだ。ただし対象は写真ではなくて、本などからの引用だ。今はiOSだけだが、感銘した言葉をノートにメモしておいて、それをソーシャルに共有する(例: 結婚式のスピーチで利用する)、という人類の古くからの慣習を、デジタル化/ネット化している。

Quotleには三つの機能がある。引用文を作ること、それらを共有すること、そしてほかの人をフォローすること。この三つをすべて使う人は少ないかもしれないが、いずれもこの種のアプリには欠かせない機能だ。

まず引用文の作り方は、スマホ上でテキストを手入力してもよいし、本やeリーダーをスキャンしてテキストをコピーしてもよい。後者に関しては、このアプリにOCR機能がある。そうやって引用テキストができたら、出典を記入する。引用テキストのためのフォントを指定できる(Georgia, Folio, Helvetica Neueなど5種)。

次は共有。その画面はInstagramの共有画面によく似ている。Instagramが短期間で成功したのも、この画面のおかげだ。簡単な説明をつけた引用文を、QuotleだけでなくFacebookやTwitter、Evernoteなどでも共有できる。

共有した引用文は、ソーシャルネットワーク上で、きれいなポスターのような画像になる。これまでの数週間で、FacebookやTwitterでQuotleのポストをたくさん見たが、引用の見せ方としてはなかなか効果的だ。

InstagramはポストするAPIを公開していないが、もしもそのAPIを使ってQuotleのようなアプリを作ったら、Instagramがおもしろい画像引用アプリにもなるだろうし、またディープリンクを有効に活用できるだろう。なかなか便利だし、ほかのソーシャルアプリは、前からこのテクニックを使っている。

Quotle自身が小さなソーシャルネットワークでもある。誰かをフォローしたり、ポストをlikeしたり、コメントも書ける。Quotleのソーシャル機能はまだあまり活発ではないが、アプリのユーザが増えればにぎやかになるだろう。

InstagramがFlickrを陳腐化したのは、Flickrのモバイルアプリがなかったからだ。同じ意味で、QuotleはGoodreadsを陳腐化するかもしれない。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Instagram、1秒(無限ループ)ビデオを撮影するBoomerangをリリース

Instagramは自らのサービスを陳腐化させたいとは思ってないが、しかし機能を盛り込みすぎてアプリケーションを肥大化させたいとも考えていないようだ。そこで今回も新機能を別アプリケーションとしてリリースしてきた。名前はBoomerangで、iOS版Android版がある。

とてもシンプルなアプリケーションで、1秒間に5枚の写真を撮影し、その写真をオートリバースのムービーとして再生するものだ。保存はスマートフォン内に行われるが、FacebookやInstagramなどで簡単にシェアすることができる。Boomerang自体には、写真を共有するソーシャルネットワークとしての機能はない。そのためBoomerangの操作にはInstagramのアカウントも必要なく、またアプリケーションにログインする必要もない。

Boomerang

Boomerangの動作は、連続写真を撮影してGIF化するPhhhotoと同様なものとなっている。ちなみにこのPhhhotoにはInstagram内の友だちを検索する機能がついていたのだが、Instagramは4月より、この友だち検索の機能を利用させないようにしている。またGoogleフォトにもアニメーション機能がある。違いは、Boomerangの方は専用のアプリケーションから撮影したもののみがアニメーション化されるということだろうか。Instagramは流行を取り入れ、自社プロダクトとの親和性を試すためであれば、他プロダクトのコピーと呼ばれることも恐れていないということなのだろう。ちなみにBoomerangは無音声のループビデオとなるもので、その点でVineやApple Live Photosなどとは異なるものとなっていることは記しておく。

IntagramはこれまでにもHyperlapse(タイムラプス動画を撮影)やLayout(コラージュ製作)といったスタンドアロンアプリケーションをリリースしている。これらのアプリケーションに続いて、Boomerangもリリースして5年となるInstagramのフィードを賑わす一助となるのかもしれない。

iOS 1

なお、ティーンエイジャー世代について、InstagramはSnapchatとライバル関係にある。Snapchatの方はセルフィー用のレンズ機能やジオフィルターなどの新機能を次々に追加している。BoomerangもInstagramユーザーに新たな楽しみを提供したいという狙いをもってリリースされたものであることは間違いない。

BoomerangのプロダクトマネージャーであるJohn Barnettによると、このアプリケーションはInstagram内で6月に行われたAndroidエンジニアのハッカソンにより生み出されたものなのだそうだ。「チーム内のメンバーで遊んでみようとして作ってみたものでした」とのこと。しかしInstagramメンバーの多くがとても気に入ってしまったらしい。そこでプロダクトとして世に問うてみようとする考えが生まれてきたようだ。Boomearngを最初に開発したのはほんの5人のメンバーであったとのことだ。

Boomerang Food Gif

Boomerangを初めて使う人は、ボタンの少なさに驚いてしまうかもしれない。画面遷移も2つしかない。ログインも必要なく、ただ単に写真を撮るだけでアプリケーションでできることはすべて完了するのだ。

撮影画面には通常モードとセルフィーモードがある。シャッターボタンをタップすると、1秒間ほどの間に5枚の写真を撮影するようになっている。Barnettによると、iOS版では手ブレ防止の機能を実装していて、撮影した写真もやや見やすくなっているはずだとのことだ。Android版の方では、注意しないと目眩がしそうなビデオになってしまう可能性がある。撮影した写真は無限ループ形式で再生されるのだが、再生速度は倍速となっていて、1秒間で5枚撮影した写真を一往復1秒で再生するようになっている。これにより写真をより面白く、刺激的なものとしているのだ。

標準でInstagramないしFacebookで共有するためのボタンが用意されている。もちろん「More」ボタンをタップして、他の手段(訳注:LineやTwitterなど)で共有することもできるようになっている。ビデオは撮影した写真を5往復4秒で再生する画像としてまとめられいる。撮影した写真はカメラに保存されるので、1シーンを撮影したのち、直ちに次の撮影を行うこともできる。撮影した写真をあとで好きな場所にアップロードすることができる。Instagramにアップロードすれば、いつまでもループさせて見ることができるので、見栄え的にははこれが一番面白いかもしれない。

まとめるならば、Boomearngは手軽に面白い作品を残すのに適したツールだということがいえると思う。お楽しみ目的の写真を、狙い通りに面白く撮影することができる。オートリバースモードで写真シーケンスを繰り返すことで、ループ再生もとてもおもしろくなっている。ビデオでは間延びしてしまうような、瞬間の楽しさを味わうことのできるツールともいえそうだ。

iOS 3

ただひとつ問題は、「ちょっとした愉しみ」を与えてくれるツールだけに、利用者からうっかり忘れられてしまう存在になるかもしれないということだ。「必需」のツールではなく、あくまで「ボーナス」として存在するものだからだ。ただ、個人的にはInstagramを使おうとするときには、きっと「Boomerangを使ったらどうか」と思うようになるのではないかと考えている。またFacebookの動画プロフィールを作成するのにも便利なのではないかと思う。

個人的にはタイマー撮影が欲しいようにも思った。Barnettによれば、近々実装される可能性があるらしい。また、フラッシュ撮影に対応すればさらに便利かもしれない。

ともかく、Boomerangのシンプルさはすなわち利用者の迷いをなくすという意味で非常に有益であると思う。年令が若く、またあまり他のアプリケーションを利用していない人や、あるいはアメリカ外に住んでいる人にも迷いなく使ってもらえるものになっているようだ。敢えてMixbitのような巨大アプリケーションとは一線を画そうとしたものなのだろう。確かにMixbitの機能の中には、ほとんどの人が利用しないようなものも含まれている。

ところで、Instagramは、このBoomearngにどれほどの「本気」を投入してくるのだろうか。たとえばLayoutについては、月間4億ユーザーを集めるInstagramの編集ページからダウンロードページにリンクすることにより、ダウンロード数を増やすことができた。このBoomerangでも同様の仕掛けが為されることになるのかもしれない。

Instagram Boomerang

Boomerang SelfieInstagramはどうやら、親会社のFacebookよりも「スタンドアロン戦略」で成功を収めているように見える。Facebookもいろいろな新機能をスタンドアロンアプリケーションで試してはいるが、しかしFacebookの成長に繋がるような成功は収められないでいる様子。そして結局はアプリケーションの機能をFacebook本体に加えるというような動きを繰り返しているようにも見えるのだ。魅力的な機能は備えつつも、結局RiffやSlingshot、ないしRoomsなどは失敗に終わってしまった感がある。

Instagramの方は、別アプリケーションで作成したコンテンツが、結局オリジナルアプリケーションを潤すという戦略を立てて、それが成功しているように見える。Instagramに用意されたフィルターなどの機能をふやして利用者を混乱させることなく、基本的な機能をわかりやすく利用者に提供することに成功しているといって良いだろう。Instagram自身にさまざまな機能を追加して鈍重にするのではなく、基本的な機能のみを実装するにとどめているのだ。この方針により、オプションの機能を使いたくない人は、ただたんに以前からのツールを使えば良いという形になっている。そうした方針により、利用者は他の人々の投稿した写真を眺めつつ、同時に表示される広告なども消費し続けてきているのだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

スターウォーズのSNS能力はジェダイ級―最新作の予告編を気に入ったというザックに完璧なお礼ビデオ

2015-10-22-starwars

世界中がスターウォーズの最新作の話題で湧いている。読者がスターウォーズのソーシャルメディア担当チームの一員だったとしてみよう。世界最大かつもっとも有名なブランドの一つを代表するのだから責任重大だ。

スターウォーズ・チームが公開した最新の予告編ビデオ〔TechCrunch GIF〕に対して、なんと、マーク・ザッカーバーグ自身が「ぼくはスターウォーズが好きだ!」とコメントしてきた。急げ! 対応を考えろ! このチャンスを無駄にするわけにはいかない。

なんて返事をすればいいだろう? 笑顔の絵文字? 子供っぽい。「ありがとう、マーク」では弱い。見たものすべてがすぐに理解して、しかもスターウォーズ・ファンに賞賛されるような反応が必要とされる。

というわけでこちらがスターウォーズのFacebookチームがマークのために大急ぎで作ったお礼のビデオだ。

sw

スターウォーズのファンなら誰もが喜んだと思う。

特に「帝国の逆襲」を少なくとも100回は見たという筋金入りファンには「完璧な回答」と思えただろう。

解説が必要だとは思わないが…そうそう、まだ「帝国の逆襲」を見ていない読者には「ねたバレ」注意だ。記事を読むのをここで止めてまずは「帝国」をご覧いただきたい。

このビデオに対してFacebookを使っている世界中のスターウォーズ・ファンの反応はたぶん下のGIFアニメのようなものだったと思う。

37KWfB5

オビ=ワン・ケノービは偉大だった。その教えはこうして生きていた!

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、ビデオ発見機能をテスト中―YouTube、スマートTVに対抗、収益化も視野に

2015-10-14-facebook-video-gif-clear-2

Facebookのニュースフィードでは友達が投稿した思いがけないビデオを見るチャンスが多い。Facebookは現在、各種の新機能をテスト中だが、この中にはビデオクリップ共有専用のチャンネルのようなビデオ発見機能を大幅に強化するものも含まれている。

iOSアプリのホームスクリーンの場合、最下部のメッセンジャー・ボタンの代わりにビデオ・ボタンが表示される。現在この機能は比較的少数のユーザーを対象に表示されており、おそらくはこのスタイルのままで実用化されるわけではないだろう。

新しいビデオ・フィードはノンストップでクリップを表示し続ける。寝転がってずっとFacebookを眺めているポテトカウチ族には絶好だ。時折、友達がメインのニュースフィードに投稿したビデオも表示される。 ユーザーはチャンネルクをスクロール・ダウンして好きなクリップを見ることもできる。Facebook側では「われわれはスマートTVのようなまったく別のプラットフォームも(このフォーマットで)実現できる」としている。

Videos section

Facebookはこのビデオ機能にここ2年ほど実験してきたいくつかの発見機能を組み込んでテスト中だ。たとえば、 お勧めにビデオマルチタスクが有効な場合、ピクチャー・イン・ピクチャーでドッキングしたビデオの表示「後で見る」オプションのサポートなどだ。

Facebookではこうした実験を「テキストと写真からビデオへの拡張の自然な道筋」としている。つまり将来のFacebookの仮想現実(AR)化への通過点というわけだ。ビデオの発見機能の強化のテストと同時に、 360度のVRビデオ著名人のビデオのライブストリーミングビデオ・クリエーターに対する権利保護、さらにはクリエーターへの支払機能なども実験される。

Facebookで表示されるビデオは4月時点で1日40億本とされている。現在はおそらく1日50億本になっているだろう。オーガニックな、つまり自然な投稿だけでなく、Facebookはこの強力なビデオ機能を現行各種テレビと張り合えるような収入源に育てていくつもりのようだ。

視聴方法

「お勧めビデオ」は現在、大部分のiOSアプリ・ユーザーに対して表示される。Facebookではこの機能をさらにウェブとAndroidアプリに拡張しようと準備しており、テスト自体は2014年から開始されている。

現在はもっと便利なフル・スクリーン機能がテスト中だ。ニュースフィード中で背景を暗くしたライトボックス・モードに移行してクリップを見た後、ユーザーはそのままスクロール・ダウンするだけで他のビデオを自動再生できる。Facebookではこのようにして「お勧め」による新ビデオの発見とスマートTVのような「連続視聴」の間の橋渡しを試みている。

Suggested videos

面白そうなクリップを見つけたが、ずっと見ている暇がないユーザーのために、Facebookではこの6月からクリップをサムネイル・サイズに縮小してニュースフィード・スクリーンの隅で再生を続ける 機能も提供している。この機能は音楽ビデオの場合、ことに有効だろう。

Watch while multitasking

また「後で見る(Save)」ボタンのデザインも改良されて見やすくなった。「後で見る」ボタンを押すとビデオはユーザーのプロフィール・ページに保存され、後で簡単に再生が可能だ。

Saved

ビデオ・クリエーターの権利を最大限尊重

Facebookは今後も「ただ乗り屋」を厳しく取り締まっていく考えだ。一部のパブリッシャーが他のクリエーターのビデオを勝手に利用して金を儲けようとすることはFacebookでは許されない。これまでもAudible Magic のビデオ指紋抽出ソフトなど、ビデオのただ乗りを防ぐためのサードパーティーのツールは市場に出ていたが、被害を防ぐという点で実効性が低いという不満が出ていた。そこでFacebookが直接乗り出したきたわけだ。Facebookのツールは極めて強力で、内部的構造としてはYouTubeのコンテンツIDに匹敵するという。

こうした措置が取られれば、クリエーターが興味あるクリップやミニ・ムービーをFacebookに投稿するインセンティブは大きく高まるだろう。実はYouTubeやVineがティーンエージャーの間でこれほど人気が高く、運営者にとって大きな収入源になっている理由の一つはこうした権利保護措置にもある。

facebook-mtv

ただし、Facebookのビデオ・フィードはYouTubeが行っているような「検索してサブスクリプションする」というインターフェイスに直接対抗するものではない。Facebookがビデオを強化するのはあくまでメインのニュースフィードの邪魔にならない範囲であり、ソーシャル・ディスカバリーが機能する範囲においてだ。

Facebookが実験中のビデオ強化は、自然にビデオ機能をユーザーに浸透させるという点でYouTubeのように特定のテーマを積極的に検索するモデルの対極にあり、Facebookの本質によく合致していると思われる。ひとたびビデオ機能が受け入れられればFacebookが広告をそこに挿入する余地は無限にあるに違いない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitter、全社員8%規模のリストラを計画中

twitter-logo-sketch

Twitterが、世界中で4100人の従業員中、336名のリストラを計画中だ。率に換算すると8.2%の規模となっている。最近、CEOに返り咲いたジャック・ドーシーが、社員宛にリストラ予定を伝えるメールを発送したそうだ。この内容はSECにも伝達されている。

なお、本件についてはRe/codeも先週の記事で報じている。その記事によると、まずリストラの対象となるのはエンジニアであるとのこと。プロダクトの改善作業などをスピードアップできるスマートな組織に生まれ変わらせたいと考えているようだ。

たとえばTwitterは先週、ヘビーユーザーではない層に向けたプロダクトとして、新たに「モーメント」という機能を立ち上げてもいる。これはある注目を集めている特定の話題に関連した情報(写真やビデオなど)を集めたもので、Twitterを「眺めるだけ」でも楽しめるようにする仕掛けのひとつだ。今後もこうした新たなエクスペリエンスを提供していきたい考えらしく、ドーシーもメールの中でわざわざこの「モーメント」に触れている。いわく「利用者に向けた新たなエクスペリエンス提供の第一弾として、先週にはモーメントの提供を開始した」とのこと。

ただし今回のレイオフにより、企業体質が大きく変化するというようなことはなさそうだ。リストラの主対象がエンジニアリング部門であるにしても、リストラ後も依然としてエンジニアリングチームが大多数を占めることに変わりはない。

Twitterの現在の課題は成長性にある。月間アクティブ利用者数に大きな伸びが見られないのだ。もちろん2015年2月時点の3億1600万のアクティブユーザーが少なすぎるということはない。しかし株式市場がTwitterに期待しているのは「成長」なのだ。Twitter社のリーダーたちも、なんとかしてその期待に応えたいと考えていることだろう。

リストラの発表により、Twitterの株式(NYSE:TWTR)はいくらか値を上げているようだ。

Screen Shot 2015-10-13 at 14.59.36

ジャック・ドーシーから社員に宛てたメールを掲載しておこう(英文)。

From: Jack Dorsey
To: All Employees
Date: October 13, 2015
Subject: A more focused Twitter

Team,

We are moving forward with a restructuring of our workforce so we can put our company on a stronger path to grow. Emails like this are usually riddled with corporate speak so I’m going to give it to you straight.

The team has been working around the clock to produce streamlined roadmap for Twitter, Vine, and Periscope and they are shaping up to be strong. The roadmap is focused on the experiences which will have the greatest impact. We launched the first of these experiences last week with Moments, a great beginning, and a bold peek into the future of how people will see what’s going on in the world.

The roadmap is also a plan to change how we work, and what we need to do that work. Product and Engineering are going to make the most significant structural changes to reflect our plan ahead. We feel strongly that Engineering will move much faster with a smaller and nimbler team, while remaining the biggest percentage of our workforce. And the rest of the organization will be streamlined in parallel.

So we have made an extremely tough decision: we plan to part ways with up to 336 people from across the company. We are doing this with the utmost respect for each and every person. Twitter will go to great lengths to take care of each individual by providing generous exit packages and help finding a new job.

Let’s take this time to express our gratitude to all of those who are leaving us. We will honor them by doing our best to serve all the people that use Twitter. We do so with a more purpose-built team, which we’ll continue to build strength into over time, as we are now enabled to reinvest in our most impactful priorities.

Thank you all for your trust and understanding here. This isn’t easy. But it is right. The world needs a strong Twitter, and this is another step to get there. As always, please reach out to me directly with any ideas or questions.

Jack

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Periscopeは、スクリーンショットをソーシャル体験に変えようとしている

periscope-photorealistic_logo

今日(米国時間9/22)App Storeで公開されたPeriscopeには、視聴者がストリーム閲覧中に撮ったスクリーンショットをシェアする機能が追加されている。画面には小さなスクリーンショットアイコンが現れ、スクリーンショットが撮られたことが全員にわかる。これはPericope版の「リツイート」だと言える。

実に賢い機能でありスムーズに使える、視聴者が自分のフォロワーたちと現状を共有できるところがポイントだ。私はTwitterのフィードで、Perisocpeへのリンクを見かけても無視することが非常に多い。もし誰かが、車椅子でマラソンを完走した男性のことを画像で見せてくれればクリックする可能性は高くなる。

  1. img_5524.png

  2. img_5525.png


スクリーンショットが撮られたことの通知は、有名人等の大規模なストリーミングではともかく、個人がストリームを放送したり宣伝したりする際の意味は大きい。Snapchatのようにスクリーンショット絶対禁止なサービスと異なり、Periscopeはスクリーンショットを完全にソーシャルなもにしたがっている。Twitterの関係グラフを活用できるのはもちろんだ。

すべては、Periscopeをセレブ(ネットおよび主流の両方)御用達のライブストリーミングサービスにするためだ。これは最近発表したウェブプロフィール機能とも相性がいい。人々が撮った自分のストリームのスクリーンショットを全部プロフィール画面で見られれば、本物のソーシャル体験になる。

Perisocpeは、独自のエンターテイメントプラットフォームになりつつあり、それはTwitterの別のビデオ機能であるVineともよく似ている。両サービス共に「スター」が登場し企業はそのスポンサーになっている。ブランドは「完全パッケージ」を切望している

今月本誌は、PeriscopeがApple TVアプリを秘かに開発していることを報じたが、これは近い将来ライブストリームをもっと見るようにになることを意味している。

一方、Periscopeはプライベートなブロードキャスト利用も無視することなく、「mutuals」という機能を導入した。これは相互にフォローしている人全員のリストを見て、ワンタップで全員を招待できる機能だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook