Gmailに新タイプの広告―プロモーション・タブに表示されるがスパムメールではない

Googleがタブ方式のUIをGmailに導入して数週間後、プロモーション・タブに広告が表示され始めた。

TechCrunchのライターの一人がプロモーション・タブの広告に最初に気づいてスクリーンショットを撮ったのは5月31日だった。非公式のGoogleウォッチング・ブログ、Google Operating Systemが これについて書いたのは6月に入ってからだった。ただしそれよりずっと早くベータテスト中にこの新方式が報告されている。

GmailのUIは現在、4つないし5つのセクションに分けられている。メインは重要メッセージ、ソーシャルはソーシャル・ネットワークからのアップデート、プロモーションはプロモーション・メッセージ、新着は注文の確認や請求書など自動的に送信されるメッセージだ。またGoogleグループに参加している場合、フォーラムにグループからのメッセージが表示される。今回の新しい広告はプロモーションのセクションのトップに表示される。

この表示場所は理にかなっている。プロモーション・タブにはユーザーが受取を承認した店舗やサービスからのプロモーション・メッセージが表示されるわけで、このタブを開いて確認するユーザーはショッピングに関心をもっている可能性が高いわけだ。4億2500万人といわれるGmailの巨大なユーザーベースの威力が存分に発揮される場面だ。

この広告は件名にはっきりと「広告」と表示されているし、メッセージの背景色も違う。しかしメールと同様、星印をつけたり友だちと共有したりできる。見た目がメールのようなので、スパム・メールだと勘違いするそそっかしいユーザーもあるらしい。念のためはっきりさせておくが、これはメールではない。Googleがユーザーのメールアドレスを広告主に売り渡して広告主がメールを送ってきたわけではないのだ(そういう誤解が出ている)。

しかし通常のメールと紛らわしいフォーマットであるため当初の反応好意的でないものが多かった。VentureBeatなどはスパムっぽいと書いている。”しかしGoogleはもちろんはるか昔からGmailに広告を掲載している。広告の掲載は新しい試みというわけではまったくない。

Googleはこのプロモーション広告は従来のウェブ・クリップ広告を置き換えると同時に、必要なとき(つまりユーザーがタブを開いたとき)にのみ表示されるというユーザー体験の改善を狙ったものだとしている。

ユーザーの好き嫌いはともあれ、この新方式の広告はすぐになくなることはなさそうだ。Gmailビジネスの「顧客」はもちろん広告主である。このスポンサード・プロモーション(というのが公式名称)は広告主にとってなかなか魅力的だ。広告主はユーザーごとの最初クリック(表示)だけに料金を支払えばよい。しかしMarketingLandが説明しているとおり、ユーザーはこのメッセージに普通のメールのようにスターを付けて後で参照したり、友だちに転送したり、広告主に問い合わせをしたりできる。またリンクを埋め込んでおいて自社サイトのランディング・ページに誘導したり、ビデオを見せたりできる。

Googleはこの広告を一般公開しておらず、一部の広告主でテスト中であるようだ。まだこの広告の効果についての情報はないが、従来のGoogleウェブクリップ広告よりはるかに有効ではないかと思う。

(画像: Frederic Lardinois, MarketingLand)

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleサーベイを使えば誰でも調査専門家になれる

ネイト・シルバーと私は、Googleの消費者サーベイツールの大ファンだ。「おそらく、GallupではなくGoogleが、調査における最も信頼あるブランドになる日は近い」とシルバーは、2012年選挙でGoogleの調査結果が最も正確なうちの一つだったことを説明する中で書いた。

しかし、情報発信源の分析にもこれほど有用であることは、私自身がGallupの選挙以外の調査を1桁安く再現してみるまで知らなかった。先週Gallupは、アメリカ人の(比較的)反移民的な態度に関する重要な調査結果を公表した。それは移民法改訂法案の通過がなぜこれほど困難であるかを示す、これまで見た中で最良の証拠だった。

実は、この非常に重要な民意を知るためには、Gallupを含むどの専門機関を待つ必要もなかった。私がGoogleのサーベイ・ウィザード・ツールを使ってGallupの独自調査を再現するのに要した時間は約10分だった。

「移民は現在のレベルで維持されるべきか、増やすべきか、減らすべきか?」という質問に関して、GallupとGoogleの差異は、2つの分類を除くあらゆる回答に関して数ポイント以内だった(移民を減らしたい共和党持者が15ポイント、「現状維持」の共和党支持者が12ポイント異なっていた)。

詳細結果は以下の通り。

Gallup Google
増やすべき (共和党支持) 16 16
増やすべき (民主党支持) 29 28
増やすべき (中立) 22 21
減らすべき (共和党支持) 46 61
減らすべき (民主党支持) 27 28
減らすべき (中立) 35 41
現状維持 (民主党支持) 36 38
現状維持 (共和党持) 42 20
現状維持 (中立) 41 34

共和党支持者の回答に関してGoogleが〈間違っている〉かどうかは不明だ。インターネットと電話では調査対象の層が当然異なり、インターネットが若者寄り、電話は年長者寄りだ(まだ電話を持っている人がいた?)。また、移民を減らすべきだと電話で答えることには抵抗のある人もいるが、顔の見えないパソコン画面なら内在する外国人嫌いを自由に表現できる。

果たしてGoogleが専門機関の調査に取って代れるかどうかを見極めるためには、まだまだ多くのテストが必要だ。しかし、今すぐ使い始めるに十分な程度には有望と言えそうだ。
この国のジャーナリスト学校では、(非常に難解な)調査方法の理論を教えているに違いないので、これからはより客観的証拠を講義に加えることができる。Googleのおかげで、誰もが調査専門家になる能力を持てるのだから。

このライターを刺激して、さらに情報満載の統計を出させよう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Apple、デベロッパーセンターに不正侵入があった可能性を正式に認める

Appleは、iOSデベロッパーセンターがダウンしている理由に関して3日間沈黙を続けた後、セキュリティー侵害を調査中であることを先ほど正式に認めた。

デベロッパーは下記のメールを受け取り始めたところだ。Appleは、このメールが本物であることを本誌に認めた。

このメールによると、Appleは同社のデベロッパーセンターにセキュリティー侵害があったことを木曜日に発見した。サーバー上のデータの殆どは暗号化されており、Appleはこれを安全であると主張しているが、ハッカー(ら)はデベロッパーの氏名、住所、およびメールアドレスにアクセスした可能性があると同社は言っている。

個々のアカウントが不正に利用されたという報告はまた本誌に届いていないが、侵入者が取得したデータをすでに悪用している可能性はある。デベロッパーセンターが木曜日にダウンして以来、デベロッパーからは未承諾のパスワードリセット要求を受けたという報告が多数に寄せられているからだ。Twitterをざっと見るだけでもさらに数十件見つかる。

アップデート ― Appleの担当者から電話があり、以下の情報が確認された。

  • 侵入の影響を受けたのはデベロッパーのアカウントのみである。一般のiTunesアカウントは侵害されていない
  • クレジットカードデータは侵害されていない
  • デベロッパーへの通知までに3日間かかったのは、影響を受けたデータを正確に把握するためだった
  • デベロッパーセンターの復旧時期は未定

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(翻訳:Nob Takahashi)


Kevin Roseがアライグマから愛犬を救ったビデオが大評判―「この小僧っ子はどうやって43秒でアライグマを放り出せたのか?」

週末のニュース当番はだいたいにおいて退屈な仕事だ。この程度のニュースでも起きればよい方だ。そういうわけでTwitterのストリームをぼんやり眺めていたら、おい、なんだこりゃ、あのケビン・ローズがアライグマを放り投げた、だって?

いや本当にそうだった。

この歴史的「アライグマ放り投げ」は午前1時ごろKevin Roseが愛犬のToasterが階下で痛がって悲鳴を上げるのを聞いたことで始まった。今やGoogle Venturesのゼネラル・パートナーとなっているDiggのファウンダーは愛犬の救助に階段を駆け下りた。Roseはとっさに攻撃的な家宅侵入者のアライグマの胴をつかんで窓から階段の下へはっしとばかりに投げ出した。

無礼なアライグマがかくも見事に懲らしめられたのはインターネット史上初だろう。

動物虐待にうるさい連中に強調しておかねばならないのは、これはあくまで正当防衛(というかRoseの愛犬の防衛)のためだったという点だ。もっともYouTube「喧嘩を売ったのはどちらか不明だ」というコメントが投稿されていた。なるほど、おとなしくしているアライグマにToasterが襲いかかったのではないとは言い切れない。

ともあれ、Toasterは軽い噛み傷、ひっかき傷以外は無事だったようだ。その後インターネットは狂犬病の血清を注射するためにToasterを 獣医に連れていくよう勧める声で沸き返った。

われわれはKevin Roseにさらに取材中なのでなにか判明したらアップデートする。ともあれこういうツイートがあった。

〔ファウンダー諸君。ベンチャーキャピタリストは皆、スタートアップを守るというが、アライグマと取っ組み合ってくれるのはケビン・ローズくらいなものだ。〕

〔原題の"How This Kid Tossed One Raccoon In 43 Seconds"というのはKevin RoseがDiggを売却したとき、Sarah Lacyが書いたHow this kid made 60 million dollars in 18 months(この小僧っ子はどうやって18ヶ月で6000万ドルの財産を作ったのか?)というBusiness Weekのカバーストーリーのパロディ。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


合衆国の音楽の売上は全般的にダウン, しかしストリーミングは24%伸びて半年で510億曲

Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスからアーチストはどうやって収入を得るのか、今の状況を改善するために彼らには何ができるのか、という疑問が依然として渦巻いている中で今日(米国時間7/19)Nielsenが発表した数字は、音楽の売上が下降する中でストリーミングが伸びていることを実証している。2013年の前半では、音楽ストリーミングは24%伸びて提供総数が510億ストリームだったが、アルバムや曲は同期間に前年比4.6%減少し、2億1000万ユニットとなった。しかも、ストリーミングでHarlem Shakeが大差でトップであることは、ビデオの役割が大きいことを物語っている。Baauerのこのトラックはヴァイラルな無料ビデオの広がりを生み、だれもかれも、彼らのお母さんたちもが、自分のバージョンをYouTubeに投稿し、ミームを肥大させた。

6月30日までの6か月で、Harlem Shakeは4億3800万回ストリーミングされ、次位のThrift Shop(Macklemore and Ryan Lewis)の1億8700万を大きく引き離した。総数510億の中で上位がせいぜい億のオーダーだから、これらの数字は音楽ストリーミングがきわめてロングテールであることも示している。

音楽と消費者のマインドシェアがストリーミングへと傾く中で、デジタル音楽も健闘し、それとは対照的にCDの売上は落ち込んでいる。CDの売上は14.2%ダウンして7820万ユニットだったが、デジタル(MP3ダウンロードなど)の売上は6.3%伸びて6080万ユニットとなった。これらの半期レポートを制作提供しているNielsen SoundScanとNielsen BDSによれば、今ではアルバムの全売上の43%がデジタルアルバムである…前年同期では38%だった。ただし2012年の後半に関しては、デジタルのシェアが56%と大きかった。

ストリーミングの影響をいちばん大きく受けているのは、シングルのデジタルダウンロードだろう。Appleのようなダウンロード主体だった企業がこのところストリーミングに傾斜しているのも、そのためだ。シングルのダウンロードは2.3%減少して6億8200万だった(同期間にストリーミングは510億だったことをお忘れなく)。

“2013年前半は売上全体がやや減少したが、その中でデジタルアルバムの売上が伸びたことは同分野の堅調ぶりを物語っている”、Nielsen EntertainmentのSVP David Bakulaがこう書いている。しかし物理メディアの中にも、伸びているものが一つある…それはレコードだ。現時点ではニッチな珍品扱いだが、レコードではアルバムが290万売れて、前年同期比33.5%の増となった。

Nielsenの数字を細かく見ると、デジタルを買う人とCDを買う人とでは、人気曲や人気アルバムにやや違いがある。しかし一方、レーベル(レコード会社)別に見ると、全体的な傾向はどこもほぼ同じだ。どのカテゴリーでもトップであるUniversal Musicに関してNielsenは詳しく分析しているが、同社のマーケットシェアはデジタルでも物理メディアでも35%以上で、Sonyと苦戦していた1年前に比べて業界における立場がより強くなったようだ。

しかし、ストリーミングの人気者が売上でも上位、とはいかない。ヴァイラルなビデオの氾濫でHarlem Shakeはストリーミングの人気トップになったが、シングルの売上ではトップテンに入っていない。売上トップはストリーミングで二位のThrift Shopだ。この曲はラジオの放送でも五位に入っている(ラジオが売上に貢献したとは思えないが)。さらにこれは、デジタルアルバムで三位、物理アルバムで七位だ。

Justin Timberlakeは、アルバムの全カテゴリ(デジタルと物理)でトップだったが、Jay-Zと共演したSuit & Tieはデジタルシングルで七位、ストリーミングではトップテン入りしなかった。今年前半、MySpaceの上では出ずっぱりだったにもかかわらず。

レポートの全文を、下に埋め込んだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、誰もSurface RTを欲しがっていないことをようやく認める

Windows RTは失敗作だ。われわれは最初からそう言っていた。本誌だけではなかった。Windows RT、より具体的には生後9ヵ月のMicrosoft Surface RTに好意的なレビューを探すのは非常に困難だ。そして今Microsoftは、自社の最新収支報告で、ついにわれわれが正しかったことを公に認めた。

同社は前四半期に9億ドルという巨額の減損処理を、売り残ったSurface RTのために行った。もっと多くを物語るのは、Microsoftがこの損失を公表したという事実だ。それほど膨大だった。同社は投資家に向けて、なぜウォール街の予測を達成できなかったかを説明する必要があった。

悲しいかな、悪いのはSurface RTのハードウェアではない。むしろタブレットそのものは美しいマシンだ。スマートで堅牢でまさしく素晴らしい。これを手に取って感心せずにはいられない。Surface RTのデザイナーとエンジニアたちは自分たちの作品に誇りを持つべきだ。彼らの責任ではない。

Windows RTは消費者向け製品として存在すべきではなかった。それは、iPadや市場に溢れる数多のAndroidタブレットに対する反射的行動の産物だ。それは、Microsoftが立ち去るるべきだった戦場に放った一撃だった。Intelが、ARMチップの長所の大部分を迅速に同社のx86ラインに導入しているのに対し、Microsoftは、Windows最大の利点である従来アプリとの互換性を捨てた製品を作るのを我慢できなかった。Surface RTは、この失敗が約束されたエコシステムの不幸な部分だった。

Surface製品群はMicrosoftにとって大きなリスク要因だった。同社にとってオールインワンPCは全く初めての試みだ。そしてある意味で、それは成功した。Surface RTおよびProは、Windows 8タブレットに多くの注目を集めた ― HP、Dell、あるいはSamsungがやるよにもずっと多く。この強力な製品ラインは、多くの消費者向けエレクトロニクス企業に対してメッセージを放った。なにしろMicrosoft ― 歴史的にソフトウェア第一の集団 ― が自身で第一級ハードウェアの製作に取り組んだのだから。

Surface ProとRTがなければ、Windows 8タブレットの世界は陳腐で生気のないものになっていただろう ― Windows 8ノートPCのように。

あらゆる兆候が近々発表される新しいSurface製品ラインを指している。そして今日のニュースにもかかわらず、Microsoftが第2世代のSurface RTをさらに大きく価格を下げて発売する可能性は十分にある。結局Microsoftは、たとえ誰も買いたいと思わない製品であっても、やりたいことは何でもやる会社なのである。

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(翻訳:Nob Takahashi)


犬のためのAirbnb, DogVacayが好調: 創業1年あまりでお泊まり提供10000を超える

犬のお泊まりを提供する/見つけるためのサイトDogVacayがこのところ好調で、高名な投資家たちから結構な額のベンチャー資金を調達したばかりでなく、2012年3月のローンチから1年あまりとなる最近、お宿提供者の数が10000を突破した。

しかもDogVacayは今では、地元のシリコンビーチ で名の知れたスタートアップになっている。先週TechCrunch TVが取材でロサンゼルスを訪れたとき、今はどこがホット?なんて聞いてみたら、真っ先にDogVacayの名が挙がった。そこでスタッフは早速、DogVacayのサンタモニカ本社を訪ねてみた。一体、どれぐらいホットなんだろう?

取材の結果は、上のビデオでご覧いただきたい。CEOで協同ファウンダのAaron Hirschhornが、DogVacayの創業、成長、そして将来のプランについて語っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoftの2013年Q4決算、売上199億ドルで予測に届かず。Surface RTの在庫調整に9億ドル計上

先ほどMicrosoftは、会計2013年第4四半期の決算を発表した。売上は199億ドル、1株当たり利益は0.59ドルだった。これはアナリスト予測の範囲内だが、最近3ヵ月で彼らの予測が下方修正されていたことは留意すべきだ。

ウォール街の合意は、売上207.4億ドル、1株当たり利益0.75ドルだった。

今回のサプライズは、Microsoftが「Surface RT在庫調整に関連して」9億ドルを計上したことだ。これは、プロジェクトに大量のリソースを注ぎ込みながら、可もなく不可もない評価を得て消費者を捕えることのできなかったMicrosoftにとって大きな打撃だ。

1年前の同四半期、Microsoftは売上180.6億ドル、1株当たり0.06ドルの損失を記録した。これは同社史上初の赤字四半期であり、aQuantive買収の失敗による多額の減損処理が原因だった。

「当社の第4四半期は、パソコン市場低落に影響されたが、当社のエンタープライズおよびクラウド製品の需要は依然として高く、今期の前受収益は過去最高を記録した。さらには、Office 365、Outlook.com、Skype、およびXbox LIVEなどのサービスにおける消費者需要も伸びている」とMicrosoftのCFO、Amy Hoodは語った。「今後もやるべきことは残っているが、クラウドサービスをはじめとする長期的成長機会に必要な投資に集中していく」。

Microsoft ― および 半導体巨人のIntelらのPC事業会社 ― を苦しめているのは、 あまり芳しくないWindows 8の評判だ。調査会社Gartnerの報告によると、全世界のパソコン出荷台数はこの四半期に11%下落し、Microsoftは他の事業で補うことによって巨額の利益を上げたが、Windows部門に重くのしかかっていることは間違いない。この打撃を和らげている要素の一つは、多くの会社がようやく古いXP機をWindows 7にアップグレードしたことだ。

多くの評論家が注目する領域の一つが、Microsoftのオンラインサービス部門で、1年前の四半期には81億ドルの赤字だった。しかしそれ以来、同部門は徐々に損失を減らし、昨期は「わずか」2.62億ドルの赤だった。そして今期オンランサービス部門は、売上を9%伸ばしたが、それでも3.72億ドルの損失だった。

会計2013年度通年で、Microsoftの売上、経常利益、および希薄化後1株当たり利益は、それぞれ、778.5億ドル、267.6億ドル、および2.58ドルだった。

主要ビジネスユニットの業績は以下の通り。

  • Windows部門:利益10.9億ドル、売上44.11億ドル
  • サーバーおよびツール:利用23.3億ドル、売上55.02億ドル
  • オンラインサービス:損失3.72億ドル、売上8.00億ドル
  • ビジネス部門:利益48.7億ドル、売上72.31億ドル
  • エンターテイメントおよびデバイス:損失1.10億ドル、売上19.15億ドル

今月Microsoftは、「一つの戦略、一つのMicrosoft」を旗印に、事業部門の大規模な組織変更を行ったことを発表した。会社は機能別(エンジニアリング、マーケティング、事業開発およびエバンジェリズム、先進的戦略および研究、財務、人事、法務、およびCOO)に組織化された。もちろんこの再編は今期の業績には反映されていないが、Microsoftがより敏速になるためにこれを行っていることを踏まえると、今後の四半期で何らかの結果を出すことを同社自身期待しているに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


消費者向けサービスでセキュリティの弱いGoogle Driveに企業利用のための鎧を着せるEgnyte

会社でGoogle Driveを使っている人は多いと思うが、実はGoogle Driveは、同社の‘エンタプライズ’サービスの一環でありながら出自が消費者サービスなのでファイルレベルのセキュリティが完全でない。しかしそこが、独自のファイルサーバ技術を持つEgnyteの出番となる。このたびEgnyteとGoogleが提携して、企業が全社的に利用できアクセスできるプラットホームを提供することになった。

EgnyteのファイルハブがGoogleのドキュメントをクラウドやオンプレミスで読み、それらをフォルダのレベルで保安を図る。たとえば企業は[財務]という名前のフォルダを作り、そのセキュリティを確保できる。パーミッションはサブフォルダのレベルで与えられるから、自分の所属部署の会計情報しか見られない、という状態を作れる。ドキュメントのシンクはEgnyteのファイルハブ全体に対して行われる。ビジネスパートナーにアクセスさせるべきドキュメントはPDFで提供し、PDFレベルのセキュリティ設定を行う。またEgnyteは完全なオーディットトレイルを残すので、個々のファイルのアクセス履歴がすべて分かる。

というわけでEgnyteという層をかぶったGoogle Driveは、企業が安心して使えるファイルシステムになる。ただし、ネットワークに接続されたGoogle Driveのファイルにオフラインでアクセスしようとすると、限界を露呈する…オフラインアクセスにはChromeのプラグインを必要とするので、どのブラウザからでも、とはいかなくなる。今ほかのブラウザへも対応努力中だが、それが実現するまでは利用が制限される。

Egnyteのサービスには、最初から企業向けに作られたプロダクトの強みを見る思いがする。一人のユーザではなく、社内の全員あるいは複数の部署が利用することを、最初から前提として、作られているからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleの2013年Q2決算、予測に届かず。売上141億ドル、純利益32億ドル、1株当たり利益9.56ドル

またこの時期がやってきた ― Googleの会計第2四半期決算が発表され、それは多くの人々の予想とは違っていた。2013年Q2、同社の連結売上は141億ドル(前年同期比19%増)、純利益32.3億ドル、非GAAP1株当たり利益9.56ドルだった。

発表までの日々、アナリストらはウェブの巨人が何か大きい数字を発表することを期待していた ― Yahoo Financeによる総意は、非GAAP1株当たり利益10.78ドル、売上144.2億ドルで、今期のGoogleはいずれの数字も上回ることができなかった。明るい話題を探すとすれば、アナリストはGoogleの売上が前年比20%伸びることを予想し、Googleはそれをわずか1%下回っただけだったことくらいだ。

Googleの株価は、月曜日(米国時間7/15)に史上最高値を記録した後落ち着いていたが、本稿執筆時点で、時間外取引の株価は5%以上下がっている。

もちろん、気の早い一部アナリストがどう思おうとも、すべてが見た目ほど悪いわけではない。Googleの総広告売上は15%増で、これはGoogleの収益構造を踏まえると悪くない。広告と言えば、Googleの有償クリック数とクリック単価の数字に注目している人たちもいた。The Search AgencyおよびAdobe(VentureBeatによる)両社のレポートが、珍しく上昇予想で一致していたことを踏まえるとなおさらだった。結果的に両レポートは必ずしも全体像を描いていなかった ― Googleの有償クリックは前年比約6%減、クリック単価は23%増だった。Googleのトラフィック獲得コストは、前年同期の26億ドルから30.1億ドルに急増した。

そして、いっとき静かだったGoogleのハードウェア部門である。昨年Googleに買収されて以来ほとんど音無しだったMotorola Mobilityは、今月になって近日発売のMoto Xのティーザー広告を始めた。これはミッドレンジと目されるスマートフォンで、低価格と新奇なカスタマイズ・オプションによって波を起こすこと期待されている。おそらく今日この後、Googleが派手にMotorolaを応援する(今や恒例になりつつある)のではないかと私は予想しているが、発表によると同社のモバイルハードウェア子会社は、Googleの全売上に対してわずか9.98億ドルしか貢献していない。これはいくらMotorolaでも低すぎる数字だが、このところあまり新機種を売り込んでこなかったことを考えると強くは責められない ― ただし、MotorolaのGAAP経常損失が3.42億ドルだったことの説明はつく。

いつも通り、Googleは四半期決算に関する電話会見を東時間午後4:30/西時間午後1:30から行う。これは見逃がせない。CEO Larry PageはQ2を「すばらしい四半期」と呼んだが、物見高いアナリストたちの厳しい質問に晒されることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Adobe、ソーシャル・マーケティング・ツールのAdobe Social 3.0をリリース―Instagram、LinkedIn、予測機能などを新たにサポート

Adobeは、ソーシャル・マーケティング・ツールのAdobe Socialのv3.0をリリースした。

先ほど、私はデジタル・マーケティング・プロダクト管理担当副社長のBill Ingramとプロダクト管理担当シニア・マネージャーのEmi Hofmeisterに取材したところだ。2人によると、Adobe Social 3.0はAdobeのマーケティング・アプリの再活性化を図る重要なステップなのだという。去年、Adobeはユーザー調査を実施した。その結果、Ingramの言によれば「われわれは製品を選ぶのが少々難しい 会社だと判明した」。

マーケティング関連だけでも26種類のプロダクトを販売していればそういうことになりがちだ。

そこでAdobeは製品系列を5つに絞った。Adobe Analytics、Adobe Target、Adobe Experience Manager、Adobe Media Optimizer、そして昨秋にローンチされたこのAdobe Sociaだ(1年にならいうちになぜバージョン3が出たのかというのはもっともな疑問だ。実はある込み入った理由から、昨年秋に出た最初のバージョンがSocial 2.0と名付けられていた)。

今回Adobe Socialに新たにFlickr、Foursquare、Instagram、LinkedInという重要なソーシャル・ネットワークがサポートされた(従来からサポートされていたのはFacebook、Google+、Reddit、Tumblr,、Twitter)。

また去る4月に概要が発表されていた最適サービス予測機能も実際に公開された。これはパブリッシャーに対してどのサービスで、いつコンテンツを公開するのが適切か推測して提案する機能だ。Adobe Marketing CloudというAdobeのすべてのマーケティング・プロダクトが横断的にサポートするユーザーインタフェースを利用するので、社内の関連部署との協力もスムーズになる。

Hofmeisterはこの新機能を次のような例でデモしてくれた。オンライン・パブリッシャーが最近人気のあるトピックを発見し、関連するページへのリンクを含む投稿の下書きを用意したとする。AdobeSocialは投稿予約の日程をスキャンし、空いている日時に投稿を予約するか、またはより効果的な日時を提案する。担当者が提案を承認するとその日時で投稿が予約される。

マルチポスト機能があるため、下書きを1度用意するだけでに複数のソーシャル・ネットワークに同一記事を同時に投稿できる。ネットワーク別に修正を加えることももちろん可能だ。そして当然だが、どのネットワークに対するどの投稿がどれほどの反応を呼び起こしたかがモニタされ、次回の貴重な参考となる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Keen On…将来のビジネスは体験の提供がすべて―WTF:What Is The Future Of Business? の著者、Brian Solisインタビュー

シリコンバレーでもっとも切れるアナリストの一人として知られるAltimeter GroupBrian Solisが、TwitterやFacebookへの投稿とは比べ物にならない長い文章を書いた。Solisは「デジタル・ビジネスの本質は共有された体験だ」と主張する。

共有された体験? WTF(そりゃ一体何だ)?

いや実はSolisのイラストをふんだんに使った美しい単行本(それ自体、新しいメディア体験であることは間違いない)はWTF(What’s The Future of Business (WTF): Changing the Way BusinessesCreate Experiences〔WTF(ビジネスの未来とは何か)?:ビジネスは体験の創造を変革しなければならない〕というタイトルなのだ。 Solisはあらゆる新テクノロジーを利用するビジネスは必ず実験的であらねばならないと強調する。

「実験的なビジネスというのは、現在でいえば、FacebookよりむしろUberのようなタイプだ。Uberは〔アメリカの大都市ではタクシーをつかまえにくいという〕問題を解決するだけではなく〔サービス精神旺盛なドライバーによる快適な〕乗車体験を提供する。Uberを利用するたびに私は目を開かせるようなエピソードをドライバーから聞く。Uberの利用は一回ごとに記憶に残る体験だ」とSolisは言う。Fitbitのようなヘルス・テクノロジーも体験だという。「体験、すべては体験に帰着する。優れた体験を提供できるかどうkがビジネスの将来を決める」というのがSolisの主張だ。

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サウンドや音楽をクラウドソースで特注できるAudiodraftが$400Kを調達

企業などが音楽や音響効果の制作を特注できるサービスAudiodraftが、500 StartupsとPromus Venturesによる40万ドルの資金調達ラウンドを完了した。

このスタートアップを一言で言うなら、音のための99Designs*だ。創業は3年前だが、今すでに約2万名のサウンドデザイナーや作曲家が登録していて、彼らが広告代理店などのリクエストに応じて音楽やサウンドを作ってくれる。既存の作品のライブラリもあるので、ユーザはそこからライセンスを買うこともできる。ライセンス料は400ドル以上2000ドルまで。〔*: 99Designs, 利用事例1利用事例2

また利用者が(99Designsのように)コンテストを主催することもできる。たとえばこの例では”Four Hour Work Week”の著者のTim Ferrissが”Four Hour Chef”というビデオの予告編用の音楽を求めている。コンテストの場合は、Audiodraftが賞金の10%と、リスティング料金99ドルを取る。

今回の資金調達に伴って、Truliaの協同ファウンダSami InkinenとTaskRabbitの技術担当VP Yee Leeが同社の顧問になった。資金はサンフランシスコとヘルシンキの増員とともに、Agency Studiosと名づけた新しいサービスの開発に充てられる。このサービスは、企業や広告代理店に制作過程を管理するためのプラットホームを与える。利用料は月額99ドルだ。

同社の現在の登録ユーザは約1000社で一回の平均利用料金は約1200ドル、そのうち1000ドルが作者へ行き、残りがAudiodraftへ行く。

CEOのTeemu Yli-Holloはフィンランドのラッパーだが、彼によると、このプラットホーム上で十分な額の生活費を稼いでいるアーチストも何名かいるそうだ。同社は今、サンフランシスコ勤務のプロダクトマネージャ、ビジネスマネージャ、およびコミュニティマネージャ、そしてヘルシンキ勤務のプロダクトエンジニアを求めている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Puppet LabsがCloudsmithを買収してGitHubからAWSへの開発の流れを高効率化

企業ITのアドミンタスク(アプリケーションの構成、展開等)を自動化するサービスとして定評のあるPuppet Labsが、自動化インフラ構築ツールのプロバイダ Cloudsmithを買収する。たしかにインフラストラクチャの自動化は、今日のクラウドの時代において必須だが、今回の買収の金額条件等は非公開だ。

Puppet LabsのファウンダでCEOのLuke Kaniesがメールで教えてくれたところによると、Cloudsmithは、Eclipseとその関連ツールのエコシステム、およびオープンソース全般に関して、詳しい粒ぞろいのエキスパートを抱えている。また、PuppetとCloudsmithとのこれまでの協働歴も長い。Kaniesによれば、CloudsmithのIDE GepettoをPuppetのインフラストラクチャにくっつけてGitHubからPuppetのモジュールを取り出せるようにし、さらにアプリケーションのAmazon EC2へのインストール・構成・展開を自動化したい。

‘プログラマブルなインフラストラクチャ’の価値が認められつつある今日では、クラウド環境にテストツールを統合することがますます重要になっている。その必要性には、いくつかの理由がある。企業が作るアプリケーションは昔に比べると相当増えているので、アプリケーションをテストし展開する方法にも迅速と簡便が求められる。その課題に対し、古典的なIT部隊はほとんどお手上げであり、低コストなソリューションを提供できない。それに代わって今トレンドになりつつあるのが、インフラストラクチャの自動化によるアプリケーションおよび増大する一方のデータの管理だ。

しかしインフラストラクチャの高度化に伴ってSaltStackのような新しいタイプのサービスが注目され始めている。SaltStackはいわば各種のサービスをモジュール的に扱って、それらの組み合わせにより顧客企業の課題、すなわちインフラストラクチャ環境の管理とモニタリングに応えようとする。したがってそれは、Puppetなどに代わるものだ、とも言われる。

[SaltStackによるリアルタイムクラウド管理]

しかし、企業がデータを正しく扱い、データに正しく対応できるIT体質を身につけていくためには(“データ駆動型企業”になるためには)、コラボレーションが重要な鍵となる。効果的なコラボレーション体制がないなら、どんなデータも無意味だ。そして、コラボレーションが活発になればなるほどアプリケーションのサイクルは速くなり、そして良くなっていく。

そこで、買収案件を見ると企業の方向性が分かることが多い。PuppetによるCloudsmithの買収は、システムアドミニストレータのワークフローにより深く具体的に介入していきたい、そしてまた同時に、現代的で協働的なやり方でアプリケーションを開発したいというデベロッパのニーズをも満たしていきたい、という同社の意思の表れだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Stayfulは、ブティックホテルの宿泊料金をリアルタイムで入札するサイト

新しいトラベルサイトが登場した。ブティックホテルの宿泊料金をリアルタイムで入札する。Stayfulと呼ばれるこのサイトは、ExpediaおよびHotels.com出身の、旅行業界のベテランたちが設立し、シード資金240万ドルを調達して市場に乗り込んできた。

Stayfulを支えるアイデアは、独立系またはブティックホテルの空室の宿泊料金を、ユーザーが交渉できるようにすることだった。そして、そのままのプラットフォームを作った。利用できるホテルの一覧と推奨価格を表示し、利用者がそこに入札する。

これを実現するために、Stayfulは様々なブティックホテルと提携し、空室を探した。その後アルゴリズムを使って部屋ごとの適正市場価格を決定し、推奨入札価格として提示する。ユーザーはこの助言に従う必要はなく、低い金額を提案することができる。

もちろんホテルもその額を受け入れる必要はない。自分なりの金額で対抗入札し、ユーザーがそれを受け入れれば落札する。あるいは、案件そのものを取り下げることもできる。しかし、入札が受領されれば、旅行者はディスカウント料金で泊まれ、ホテルはさもなければ空いたままだった部屋に予約が入り、全員がハッピーになる(イェイ!)。

システムに参加していないホテルについては、ユーザーが参加を要請することができる。これはStayfulにとって、同システムへの参加を期待する声があることをホテルに伝える手段でもある。

それはともかく、なぜ旅行者はディスカウント旅行サイトやHotel Tonightなどへ行かず、わざわざ入札するのか? それはStayfulが、ある種のホテルに泊まろうという旅行者に対して、より透明なサービスを提供するからだ。加えて、自分で料金を提示し、ホテルがそれに屈するところを見るのは快感でもある。

ではホテルにとっては? 彼らは空室を埋める新しい手段を手に入れ、価格のコントロールも維持できる。新しい顧客を得るコストを著しく下げることにもなる。

Stayfulを設立したのは、旅行業界のベテラン、Cheryl RosnerとShariq Minhasだ。RosnerはCEOで、以前はExpedia Corporate TravelおよびHotels.comの社長を務めた。Minhasは、Jigsawでエンジニアリング責任者を務め、旅行サイトのExpediaとHotwireで働いていた。同社はシード資金240万ドルを、Canaan Partersのリードで調達し、Joie de Vivreのファウンダー、Chip ConleyとRoom 77のCEO、Drew Pattersonをアドバイザーに迎えている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Yahoo、売上減でも株価は7%増で過去5年間最高値に

株式市場が開いて間もなく、Yahoo株(NASDAQ:YHOO)は28.91ドルに急騰し、昨日の終値26.88ドルから7.55%値を上げた。しかもこれは、シリコンバレーの老舗にとってこの5年間の最高値だ。Yahooは昨日Q2の収支を発表したが、それはNASDAQで見られるほど明解な内容ではなかった。売上は前年比1%減の10.7億ドル、1株当たり利益(EPS)は微増の35セントだった。

今日の株価でさらに驚かされるのは、同社の株価実績が過去1年間驚くほど好調だったことだ。2012年7月16日の株価、15.65ドルと比べると、今日の最高値は84.7%の上昇だ。この水準に達したのは2008年5月、62ヵ月前以来のことだ。今この会社は全く新しい時代を迎えている。

Yahooは、EPS(30セント)でアナリスト予測を上回ったが、売上面では1000万ドル足りなかった。そしてその前途は多くの投資家を失望させた。2013年の売上予測、+0.7%は、同社が前期の収支報告書で発表した +1.8%を下回っている。言い換えれば、売上は今でもYahooにとって主要な課題である。

しかし投資家たちは、Marissa Mayerなら事態を好転させられると信じている。指揮をとって1年、彼女は既に著しい行動力を見せており、Tumblrを11億ドルで手に入れたのを始め、Stamped、Qwiki、Astrid、Ghostbird Software、Summly、Xobni等の企業を買収した。

財務面では、50億ドル相当の株式買い戻しプログラムを実施し、株価を上げると共に、同社が自社の将来に大きな自信を持っていることを証明した。その株価への影響は、今やYahooを有名にしている連続企業買収以上だったかもしれない。

従業員、幹部、投資家のいずれもが、Yahooは物事を成し遂げられると信じている。しかし、唯一足りないものがある ― 売上成長だ。現在株式市場は、疑わしきは好意的に、という態度に出ている ― まるでYahooが未だにスタートアップであるかのように。しかし、今後もこの株価実績を維持するためには、変化が必要だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


HTML5によるUIフレームワークKendo UIがメジャーアップデート, 新たに‘フラットスタイル’を導入

HTML5によるクロスプラットホームなUI作成を支えるプラットホーム、Telerik社のKendo UIが今日(米国時間7/17)、大幅なアップデートを行い、さまざまなスピード向上策とともに、新たにフラットなUIスタイルを導入した。そのほか、このフレームワークのデータ視覚化機能が改良され、またモバイルアプリケーションでFacebookふうの引き出しメニューを利用できるようになった。

今日のアップデートでいちばん目を引くのは、フラットなUIテーマの導入だろう。TelerikのBrandon Satromによると、ドロップシャドウなどの装飾要素がないのでパフォーマンスが約30%向上するという。しかもテーマの指定を変えるだけで使えるから、Kendo UIを使っている既存のアプリケーションにいっさい手を加えることなく、この最新のUIパラダイムを実装できる。Kendo UIを使うときのデフォルトのテーマは、目的デバイス上のネイティブのスタイルにマッチするものになるが、それをフラットスタイルに変えるのは簡単である。

そのほかのスピード向上策としては、Satromによると、モバイルアプリケーションの遷移が200%速くなり、ビューの遷移もよりきびきびと変わるようになった、という。

このほか、今回のアップデートではHTML5のCanvasを使ってチャートを描けるようになった。今でもサポートしているSVGによるチャートに比べると、描画がかなり速くなった。さらに、QRコードと、9種類のバーコードフォーマットがサポートされた。そしてこれからは、ポーラーチャートやレーダーチャートも描ける。

ウィジェットとしては、本格的なスケジューラウィジェットが新たに加わった。まだ既存のカレンダーとの連携ができないが、次のアップデートではサポートされるとのこと。

今日のデベロッパはクロスプラットホームな開発のためのツールの選択肢がとても多いが、それらの中でもKendo UIは正道を歩んでいると思える。同社によると、これまでのグローバルなダウンロード数は20万あまりに達する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


若きマッドサイエンティスト、シルビアが水彩画ロボットでKickstarterに登場

12歳の「メーカー」、Super Awesome Sylvia(彼女はスーパーイケてる)は、水彩画ロボット、WaterColorBotを作るために5万ドルを集めようとしている。パソコンのお絵描きソフトでデザインしたものならほぼ何でも描くことができる。なぜ、ふつうに筆と絵具と手で描かないのか、というのは愚問だ ― これは、ロボティック水彩プロッターなのだ。何か?

SylviaはEvil Mad Scientist Laboratoriesと協力してこのキットを開発中で、275ドルのプレッジを出せば、昔ながらのプロッターのように動くWaterColorBotが手に入る。完成は間近でEMSLはこう書いている。

キットを組み立てるためには、小と中のプラスドライバーと先の尖ったハサミが必要だ。小学校低学年以下の子供たちは大人と一緒に作って始めるのがよい。

このシステムは、SVG形式のベクターベースのファイルを「筆で描く」ので、サイズ変更の容易な絵を用意する必要がある。しかし、おばあちゃんへの手紙や、飼いネコの美しいベクトルグラフィックを量産するには何の問題もない。

via BoingBoing

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(翻訳:Nob Takahashi)


colARは驚異的なAR―子供の塗り絵がiPad/Androidタブレットから飛び出してスーパーリアルに動き出す

もっと早くこの記事を書きたかったのだが、ようやく時間がとれた。このアプリはすごい。

colARは塗り絵帳だが、まさに未来の塗り絵帳だ。伝統的な塗り絵とAR〔拡張現実〕テクノロジーを融合させて、子供(いや大人でも)の絵を魔法のようにフル3Dのアニメに変えててみせる。

ライターが仕事だからこの後もあれこれ説明するが、実は下のビデオさえ見てもらったら言葉はいらなかいくらいだ(BGMはちょっとダサいが)。

colARのアプリは無料で、塗り絵1枚がついてくる(将来は追加の塗り絵は有料になるらしいが、7月28日まではすべて無料)。つまり3D化できるのは、colARがあらかじめ用意した塗り絵パターンに限られる(いくらなんでもユーザーが描いた任意の絵をいきなり3Dアニメ化するのは無理だ)。

パソコンでcolARのサイトを訪問して好みの塗り絵をプリントアウトする。昔使った12色の色鉛筆の箱を探してきて好きなように色を塗る。もちろんマーカーやクレヨンでもよい。

塗り絵が完成したらアプリを開いてPlayボタンを押す。するとタブレットのカメラが起動する。カメラで塗り絵を写すと、なんと、動き出すではないか! 描いた塗り絵が3Dアニメなっている。塗り絵の鳥が3次元モデルになって歩きまわり、虫をついばむ。飛行機だったら雲の間をびゅんびゅん飛ぶ。

実は私自身、以前ちょっとしたARおもちゃを開発したことがある。しかしcolARはダントツで優秀だ。ARの使い方もうまい。つまりARを使わなければまず不可能な現象を見せることに成功している。感心した。

テクノロジーとしては、3DレンダリングにはUnityのエンジン、画像認識にはQualcomm’s Vuforiaフレームワークを使っているようだ。

アプリはiOS App StoreGoogle Playストアで公開されている。どちらも無料だ。

(今日は記事の数が少ないな、と感じたら、それはTechCrunchのスタッフが塗り絵に夢中になっているせいかもしれない。)

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Android版に引き続きGoogle Maps 2.0がiOSに登場―iPad、屋内ナビもサポート

Appleの地図も気の毒だ。不運なデビューから1年たってやっとマイナー・アップデートを出したものの、もともと優秀だったGoogle Mapsはさらにその先へ進んでいる。

実際、今日(米国時間7/17)、GoogleはiOS向けGoogle Mapsのアップデートをリリースした。iPad、屋内マップのサポートなど最近のAndroid版と同様の新機能満載だ。

Google Mpas 2.0はiPadとiPad miniの画面サイズにフルに対応した。また駅、空港、ショッピング・モールその他、大きなビルの屋内で徒歩ナビをサポートしている。

新しいiOS向けGoogle Mapsはリアルタイムの交通状況、事故情報を利用してナビゲーションの精度を改善している。それに引き換えAppleの地図は依然として乗り換え案内が提供できていない。

Googleマップ2.0は5つ星評価でさまざまな店舗、施設の情報を掲載している。友だちの口コミはZagatの記事も読める。お得なバーゲンを探しているならGoogleオファーによる共同購入割引クーポンの情報も掲載される。

Googleはオンライン地図サービスではいつも先頭を走っていたが、最近のWazeの買収による地図情報のクラウドソース・テクノロジーの取得によってさらにリードを広げていきそうだ。

新しいGoogle MapsはApp Storeで公開ずみ〔日本語〕

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