Arcがソフトウェア開発者向けにリモートキャリアプラットフォームを公開

COVID-19の大流行により、リモートワークが注目されるようになったが、ハイテク企業は人材不足に対応するために、すでに何年も前から遠隔地での採用を行ってきた。Arc(アーク)は台湾時間4月28日、そのリモート採用プラットフォームをすべてのソフトウェア開発者に開放することを発表した。これまでのArcは、認定プロセスを通過した開発者のみに公開されていた。開発者は、他の応募者に対して差をつけるために、引き続き認定を受けることができるが、Arcの求人データベースと検索エンジンは誰でも利用できるようになった。

Arcは、ソフトウェア開発者向けのオンライン教育プラットフォームであるCodementor(コードメンター)のチームが2年前に立ち上げた企業だ。その創業以来Arcは、Spotify(スポティファイ)、Hims(ヒムズ)、Hubspot(ハブスポット)、FiveStars(ファイブスター)といった企業の採用に使われてきた。その投資家には、Techstars、500 Startups、WI Harper、Y Combinatorなどがいる。

創業者で最高経営責任者のWeiting Liu(ワイティン・リュー)氏は、TechCrunchの取材に対し、「私たちは開発者の皆さまにに与えたインパクトを誇りに思うと同時に、そのインパクトをさらに大きなものにしていきたいと考えています」と語った。

新バージョンのArcは、2つの機能を中心にしている。スマートなリモートジョブ検索エンジンと開発者コミュニティだ。Arcは、求人情報サイトなどをクロールしてそのデータベースを構築しており、これまでに1万3000社から、5万4000件の開発者募集情報を集約している。そして、その検索エンジンは、リモートワークの検索に伴う課題を取り除いている。

リュー氏は「たとえば、よく聞かれる不満は、多くの仕事がリモートでありながら、応募が米国内に限定されているということです。あるいは、パンデミックが終わるまでの限定リモート勤務だったりすることです」という。「これに対して、私たちのアルゴリズムが、応募者の状況に応じて最善を尽くします。例えば、アジアや東欧を拠点とする開発者の場合、タイムゾーンによっては残念ながら応募できない求人もあります。ということで、これらの制約を考慮し、応募者の経験や技術的な強みを考慮して、最も関連性の高い仕事を推薦いたします」。

Arcコミュニティは、リモートワークに慣れていないソフトウェア開発者や、海外での仕事のやり方を知りたい人のためのリソースだ。リュー氏は「たとえば米国を拠点とする雇用主のためには私の履歴書はこのフォーマットでなければならないのかとか、使用するツールの種類や文化的規範はどうなっているのか、といった質問があるかもしれません」と語る。「アメリカの会社でポジションを探していらっしゃる方ならなら、一般的な面接のやり方や、どれくらいの会社がSlack(スラック)を使っているのかといった基本的な仕事の慣行についてもお話ししたいでしょう。そこでコミュニティの出番となるわけですが、すでにリモートで仕事をしている開発者が、ご自身の経験を共有できるようにしたいと考えています」。

そして現在はオプションとなっているものの、Arcでは引き続き認定プロセスを推奨している。認定には通常1週間程度かかり、コーディングチャレンジや、Arcのチームメンバーを相手にした行動/技術面接などが行われる。仮に合格しなくても、改善を要する点をフィードバックしてもらい、半年後に再応募することができる。認定と求人検索は無料で、Arcはプラットフォームを通じて採用を行う企業に課金することで収益を得ている。

Arcの開発者認定プロセスのステップ

コミュニティに加えて、Arcは先日Elevate(エレベート)というプログラムを開始した。リュー氏自身がY CombinatorやTechstarsで受けた経験から着想を得たElevateは、リモートワークに移行したい開発者のための「短期人材アクセラレータ」という位置付けだ。プログラムの第1回目には、ラテンアメリカから13名の開発者が参加したが、今後は10名から20名の規模で開催される予定だ。このプログラムには、キャリア準備のためのワークショップ、面接練習、そしてGitLab(ギットラブ)、Zapier(ザピアー)、Dialpad(ダイアルパッド)で働く開発者によるライブメンターシップセッションが含まれている。

現在Arcは、SECの新しい株式クラウドファンディングの規制施行後に、クラウドファンディングキャンペーンを始めていて、これまでに約95万ドル(約1億円)を調達している。

「これは、アクセスを民主化したいという私たちのビジョンと一致しています。もしArcをコミュニティが一部所有するリモートジョブプラットフォームにすることができたなら、非常に興味深いものになりでしょう。私たちは世界最大のリモートジョブサイトになることを目指していますので、もしコミュニティのメンバーの皆さんをプラットフォームの投資家/オーナーにすることができれば、私たちのミッションをより早く実現することができるからです」とリュー氏はいう。

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

安全性重視の暗号資産ウォレットZenGoが約21.7億円調達、デビットカードも近く提供

暗号資産(仮想通貨)を管理するモバイルアプリのZenGoは、Insight Partnersが主導する2000万ドル(約21億7000万円)のシリーズA資金調達ラウンドを実施した。ZenGoは自己管理ウォレット(non-custodial wallet)で、同社がユーザーの暗号資産を管理するのではなく、秘密鍵とデジタル資産の管理は自分で行うことを意味する。

他の投資家には、Distributed GlobalとAustin Rief Venturesが含まれる。また、既存投資家であるBenson Oak、Samsung Next、Elron、Collider Ventures、FJ Labsなどもイスラエル時間4月27日に行われた資金調達ラウンドに参加した。

ZenGoが他のウォレットアプリと異なるのは、シンプルで使いやすく理解しやすい商品を維持しながら、一般的な暗号資産ウォレットよりも安全性の高いものを構築しようとしている点だ。同社はCoinbase Wallet(Coinbase.comとは異なる)やArgentなど、他の自己管理ウォレットと競合している。

具体的には、ZenGoはマルチパーティ計算(MPC)をベースにしている。最初にウォレットを作成する際、ZenGoは複数の秘密鍵(シークレットキー)を生成し、それらを異なる方法で保存・暗号化する。つまり、同社はユーザーのトークンに直接アクセスできず、ユーザーは携帯電話を紛失してもウォレットを復元することができる。

インフラや企業顧客に焦点を当てている他の暗号資産企業も、セキュリティモデルとしてMPCを選択している。最近1億3300万ドル(約145億円)を調達したFireblocksはその一例だ。

関連記事:暗号資産インフラプロバイダーのFireblocksがシリーズCで約145億円を調達、BNYメロンも出資

しかし、ZenGoが作っているのは消費者向けのアプリだ。同社は2020年には、10万人のユーザーから1億ドル(約109億円)以上の暗号資産取引を処理している。ZenGoは2021年の最初の3カ月で同じマイルストーンに到達し、新たに10万人のユーザーを増やしている。

また、ZenGoを通じてDeFiプロジェクト(DeFi:decentralized finance、分散ファイナンス)を閲覧し、貯蓄プールにアクセスすることもできる。同社は、これらの投資から利益を得ている。

今回の資金調達により、ZenGoは同じ哲学を念頭に置いて事業を拡大していく予定だ。より多くのチェーンやアセットのサポート、より多くのパートナーシップ、暗号資産を購入して不換紙幣に変換するオプションなどが期待できるという。

同社は最近、デビットカードの提供を開始する計画を発表した。これにより、ユーザーは暗号資産を変換した後、Visaカードが使える場所であればどこでも支払いに使えるようになる。つまり、ZenGoはセキュリティを重視した暗号資産スーパーアプリを構築しているということだ。

関連記事:仮想通貨ウォレットアプリZenGoが米国でデビットカードを発行

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

【レビュー】2022年のメルセデス・ベンツEQSはラグジュアリーEVの未来に賭ける、ただし賭金は高い

2022年に発売予定のMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)EQSを1日試乗して過ごし、このドイツの自動車メーカーが、電動化に数十億ドル(数千億円)を投じて成し遂げたことの詳細を間近で見ることができた。

EQSは、メルセデス・ベンツのMBUXインフォテインメントシステム、新しいエレクトリックプラットフォーム、および性能の向上を組み合わせた入念に設計されたフラッグシップセダンだ。EVであることを付加的な要素とするフルサイズの高級セダンの新たなベンチマークを確立することは、容赦ない探求といえよう。

この高級セダンは、メルセデスがEVで将来何を提供できるか、そしてその先のさらなる可能性を米国の消費者に示そうとしている。大きな賭けだが、同社は北米でのEQSの展開が成功すると見込んでいる。

画像クレジット:Mercedes-Benz

「これは完全なる新時代の始まりです。当社はこれまでに、ハイブリッド車、ICE、BEVで完全にフレキシブルなプラットフォームを構築してきたからです」とEQブランドの責任者であるChristophe Starzynski(クリストフ・スタジンスキ)氏は語り、メルセデスは2025年までにEQEと2台のSUVを含む3台の電気自動車を米国のポートフォリオに追加すると付け加えた。「私たちが徹底して設計、開発し、すべての技術をバッテリー電気自動車に搭載したのは、これが初めてです」。

EQSは、メルセデス・ベンツの最高級ラグジュアリーセダン、Sクラス(基本価格11万ドル、約1200万円)から派生した全長17フィート(5m超)のフラッグシップモデルだ(これまでのところEQSの価格は公表されていない)。このクルマには同社史上最高の技術が搭載されている。多くの顧客は搭載されているあらゆるオプション機能に関心がないかもしれないが、すべてが広大なインフォテインメントクラウドに保存されているか、1度のソフトウェアアップデートで実現するというのは知って損のない事実である。

ファーストドライブ

フル装備のEQSは飛躍的な前進を遂げており、この新しいSクラスはもはや次の時代を感じさせる。

筆者が試乗したEQS 580 4MATICモデルは、56インチ(142cm)のHyperscreen 、ヘッドアップディスプレイ、音響ガラス、後部座席のエンターテインメント、空気濾過システムを搭載していた。スタジンスキ氏によるとこれらの仕様は新型コロナウイルスのパンデミック発生前から存在したそうだが、その新鮮な輝きを感じずにはいられない。

関連記事:メルセデス・ベンツが高級EVセダンEQSの湾曲56インチ「ハイパースクリーン」発表

本稿執筆時点では、この車の外観の詳細は4月15日に公開されるまで非公開となっている。筆者が試乗した車両には部分的に覆いがかけられていたため、Aピラーの彫刻的なニュアンスについてはあまり説明できない。

画像クレジット:Mercedes-Benz

5歳の娘を連れて、EQSが店頭に並べられたメルセデス・マンハッタンのディーラーに足を運んだ。試乗車に近づくと、運転席のドアが自動的に大きく開いた。ブースターシートの見晴らしの良い場所から、娘は目の前に浮かぶ後部座席のスクリーンで遊び、そして「キラキラした虹の乗り物」と娘が称するピンクと紫の環境照明をキャビンに選んだ。

今後10年のEV販売の中心となる中国において、運転手付き車というのは高級車の前提条件でもあるため、後部座席での体験がどうなのかはかなり重要な要素だ。

画像クレジット:Mercedes-Benz

その一方で、筆者のような背の高い者にとっては、首の付け根を支える枕がアクセントになっている広々とした運転席はこれまでで最も快適な乗り心地だった。シートベルトを締めると車の雰囲気が一気に盛り上がる。照明とサウンドのデザインの魅力にぜひ注目して欲しい。

EVの控えめな駆動音を補うためのソフトな音響の波を楽しむこともできたが、私たちはほどなくして、15台のBurmesterスピーカーから5歳児のお気に入りのBarbieのサウンドトラックを聴くことにした。(5歳の子どもを連れてくることには残念な妥協がともなう。)

EQSで起きていることすべてが56インチのHyperscreenのOLED(有機EL)で映し出される。スクリーンはドアからドアまでの間に3つのディスプレイに分かれているが、実際に見てみると写真で見るほど邪魔には感じない。楕円形の輪郭はゲーマーのコックピットのような雰囲気を醸し出している。

MBUX機能は、ハンドルの右側にある17.7インチ(45cm)のメインOLEDスクリーンに組み込まれている。自分でタッチスクリーンをカスタマイズすることも可能だ。この高性能コンピューターシステムには、24ギガバイトのRAMと46.4ギガバイト / 秒のRAMメモリ、8個のCPUコアが搭載されている。

画像クレジット:Mercedes-Benz

ユーザーエクスペリエンス

Apple製品が象徴するように、シンプルさは優れたデザインの特徴である。それとは対照的に、メルセデスは常に驚くほど多様なユーザーエクスペリエンスのオプションを提供し、情報にアクセスするための複数のアプローチを提供することに力を入れてきた。この傾向は、ハンドル、アームレスト、メインスクリーンのコントロール機能を通じてEQSに引き継がれている。テストドライブでは、コントロールに関する複数のオプションが気になった。スマートフォンの新機能に慣れるのに2週間かかるのと同じように完全に適応する時間がなかったからなのか、それとも単純にやり過ぎなのかはわからない。ヘッドアップディスプレイには気づいたが、車の中で見るには多すぎる感があった。

画像クレジット:Mercedes-Benz

筆者が興味をそそられたのは、MBUXシステムが時間の経過とともにドライバーの行動を学習していることだ。乗車が終わる頃に、スクリーンモジュールがアクティブシートのマッサージをもう一度使いたくないかと筆者に思い出させてくれた。つまり、他のコントロール機能を無視して、最も使いたいものに集中することができた。音声コマンドはまずまずだったが、筆者の高音テノールはこのシステムの足を引っ張った。筆者を常に理解してくれる自動車の音声システムにはまだ出会っていない。

EQSのエクスペリエンスにはアナログの空間は存在しない。グラフィックスはシャープで、立体的かつ鮮明だ。残念だったのは、タッチスクリーンに指紋がついてしまったことだ(写真を撮る前に良質のスクリーンスプレーとクロスを持ってくること)。もう1つの難点は、ハンドルが筆者よりも大きな手を持つ人向けに設計されているようで、ハンドルに内蔵されているすべての機能にアクセスするのが少し面倒に感じられたことが挙げられる。そのため、筆者は下を向いて適切な場所を探さなければならなかった。最終的にはMBUXのセンター画面で設定を調整することに落ち着いた。

EQSのユーザーエクスペリエンスで筆者が最も気に入った点は、レンジに関するメッセージングだ。ダッシュボードの多様なスクリーンには常に残りの走行距離、目的地までの計算が現実的かどうか、充電可能な場所などが表示されていた。

レンジ

そのバッテリーについて。筆者が運転したモデルには107.8kWhのバッテリーパックが搭載されており、全輪駆動システムで使用される2つの電気モーターに電力を供給していた。欧州のテストによると航続距離は470マイル(約750km)だが、米国EPAのテスト基準ではこれより低くなる可能性がある。マンハッタンからビーコンという小さな町まで往復125マイル(約200km)ほど運転し、充電する心配もなく戻ってくることができた。

画像クレジット:Mercedes-Benz

スクリーンを開いてクリック1つで表示されるChargePointオプションを見てみた。200kWのDC急速充電器が設置されているステーションも識別でき、それによると充電時間は15分ほどだという。バッテリー寿命に関する消費者の不安を解消するために、メルセデスは購入後10年間、または15万マイルまでバッテリーの容量低下を補償する保証を付けている。

各種の機能

このドライブ自体は、517馬力と406ポンドフィートのトルクが作動したかのようなパワフルな性能を発揮した。EQSは空気抵抗係数0.20を実現し、競合他社を凌駕している。これはクルマ愛好家にとってうれしい事実だが、一般ドライバーには必須の知識ではないかもしれない。

長いセダンを快適に操れるようになるには往々にして時間がかかるものだが、Sクラス同様、EQSはそのプロポーションを優雅に扱い、標準的な後輪ステアリングのおかげで簡単に方向転換できる。これはSクラスの安全機能とADASシステムを反映している。ドライブの設定にはクラシックとスポーツが用意されていて、ハンドルコントロールやアームレストを介して実現できる。筆者は概してスポーティなドライバーであり、このモードがもたらす軽快なフィードバックが気に入った。

「もちろん、さらに進化させていくつもりです」とスタジンスキ氏は述べ、ADASの機能はソフトウェアアップデートによって改善される予定であると付け加えた。ライト設定などのカスタマイズ可能な更新もダウンロードできる。

EQSドライブの最大の差別化要因は、バッテリー回復システムだろう。インテリジェント回復モードは、バッテリーを最適化し、ドライバーの動作を制御する。通常の回復でインターフェアレンスが減少している。筆者は高速道路でワンペダルドライブを楽しんだ。このサポートをまったく選択しないことも可能である。

画像クレジット:Mercedes-Benz

米国でEVが主流になる時期は間近に迫っており、バイデン大統領のインフラ計画が承認されれば、予想以上に急速に普及する可能性がある。しかし、自動車メーカーが米国の消費者の注目を集め、売り上げを伸ばそうとするなら、テスラを追い抜く以上のことをする必要があるだろう。Automotive Newsに掲載されたExperianの調査によると、2020年の米国自動車販売台数に占めるEVの割合はわずか1.8%だったという。

抜本的な変革には、時間と資金、そして長期的なコミットメントが必要だ。次世代のメルセデス・ベンツEQSは、EVの部分はもはやニュースバリューではなく、ラグジュアリー車への期待という転換点に一歩近づいている。

【追記】筆者は2018年にメルセデス・ベンツが主催したサミットシリーズのプログラムでメルセデス・ベンツEQフェローを務めており、EQのホームページでも紹介されている。

カテゴリー:モビリティ
タグ:メルセデス・ベンツレビュー電気自動車

画像クレジット:Tamara Warren

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(文:Tamara Warren、翻訳:Dragonfly)

eコマースのグローバルな荷物追跡プラットフォームを提供する香港AfterShipが71.2円調達

AfterShipは2012年に、主に中小のネットショップのための荷物追跡サービスとしてローンチしたが、その後同社は、メールによるマーケティングや顧客維持対策などのツールなどショッピング体験の一部始終をカバーする一連のデータ分析ツールを作った。香港に本社を置く同社は米国時間4月22日、Tiger GlobalのリードによるシリーズBのラウンドで6600万ドル(約71億2000万円)を調達したことを発表した。これにはHillhouse CapitalのGL Venturesが参加した。

AfterShipのこの前のラウンドは、2014年の100万ドル(約1億1000万円)のシリーズAだった。共同創業者のAndrew Chan(アンドリュー・チャン)氏によると、同社はローンチ直後から利益があり、主に口コミによる人気とパートナーシップで成長した。特にShopifyの統合で知名度が上がった。しかし同社は最近営業チームを作り、今回の資金も営業のための国際的な雇用とカスタマーサポートに充てるつもりだ。また同社は、新しいプロダクトのローンチを進めると同時に、すでにAfterShipの顧客の約70%がいる米国へさらに拡張していきたい、という。

同社のソフトウェアでセラーは、740社以上もの運送業者に対して荷物を追跡でき、同社は年間60億以上の荷物を扱っている。同社のパートナーは約1万社いて、中には5万店の出店者を抱えるShopifyやMagento、Squarespace、Amazon、eBay、Etsy、Groupon、Rakuten(楽天)、Wish、それにリテールブランドのDysonやInditexなど大物の名もある。

荷物追跡ページはブランドごとにあり、AfterShipのソフトウェアがメールを作る。(画像クレジット:AfterShip)

AfterShipのメインのプロダクトは荷物追跡プラットフォームだが、その他にセルフサービスの返品処理と顧客のためのパッケージ追跡、営業とマーケティングなどのツールも提供していて、マーチャントは荷物からのデータをさらに有効利用できる。チャン氏の説明によると、パッケージ追跡はセラーにとってユーザーエンゲージメントツールでもあり、いろんな商品の推奨や宣伝ができる。AfterShipのツールでマーチャントは、自分のブランド専用の追跡ページや通知を作れる。その他、各輸送業者のパフォーマンスを調べたり、メールによるマーケティングキャンペーンを展開したり、顧客の維持確保を増大したりできる。

CRM的な能力もあるので、AfterShipは他の荷物追跡情報集積企業とは一味違う。

「ビジョンを考えるときは、Salesforceがやってることを見ます。そして、営業の人たちが実際に使えるような、eコマースのためのSalesforceはあるだろうか、と考えます」とチャン氏はいう。

Tiger GlobalのグローバルパートナーであるPengfei Wang(ペンファイ・ワン)氏は、プレス向けの声明で次のように述べている。「AfterShipは、配送のプロセスを消費者と企業の両方にとってもっと透明かつ信頼性の高いものにすることで先頭を走っています。現在、eコマースの成長は急上昇しているため、AfterShipとパートナーできたことはありがたいし、特にそのリーダーシップチームは、この重要かつ拡大を続けている業界で、常にその技術が進歩していることがすばらしい」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AfterShip香港Tiger Globaleコマース資金調達

画像クレジット:athima tongloom/Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

今週の記事ランキング(2021.4.18〜4.22)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「Windows 10の累積アップデート「KB5001330」でパフォーマンス低下やブートループ発生か」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

中国ネット配車大手Didiが自律走行ロボタクシーのグローバル展開にボルボSUVを採用

ボルボはDidiの自動運転車にSUVを供給する(画像クレジット:Didi)

中国で自動運転レースが過熱する中、配車サービス大手のDidi(ディーディー、滴滴出行)はUber(ウーバー)の元パートナーであるスウェーデンの自動車メーカーVolvo(ボルボ)を味方につけてフリートの拡大を急いでいる。

Didiは中国時間4月19日、2010年から中国の自動車会社Geely(ジーリー、吉利汽車)の傘下にあるVolvoのXC90 SUVを、同社ロボタクシーのグローバルネットワークに長期的に使用すると発表した。Didiは2020年、自律走行に特化した子会社を設立し、その後、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド、SVF)やIDG Capitalなどの投資家から約8億ドル(約865億円)を調達している。この子会社は現在、500人以上の従業員を擁する。

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Didiは2012年にライドシェアアプリとしてスタートし、2016年にUber Chinaを買収した。現在では、タクシー配車、自家用車の手配、ライドシェア、自転車シェアリング、スクーターシェアリングなどのモビリティサービスに加え、ドライバー向けの金融サービスも提供している。ロイターが2021年3月に報じたところによると、同社は新規株式公開(IPO)で1000億ドル(約10兆8000億円)を超えるバリュエーションを目指しているという。

Didiの自動運転部門は過去2年間、中国と米国でロボタクシーのテストを行ってきたが、VolvoのXC90モデルは、Didiが開発したばかりのGeminiと呼ばれる自動運転ハードウェアシステムを初めて採用することになる。Geminiには、短距離・中距離・長距離用LiDAR、レーダー、カメラ、サーマルイメージャなどのセンサー、フォールバックシステム、そして5Gネットワークを通じたリモートアシスタンスが含まれている。

Didiは、GeminiプラットフォームとVolvoのステアリング、ブレーキ、電力などのバックアップ機能を組み合わせることで、最終的には同社のロボタクシーが安全ドライバーをなくすことができると述べている。走行中に主要システムのいずれかで障害が発生した場合、Volvoのバックアップシステムが作動して車両を安全に停止させることができるという。

DidiはPony.ai(ポニーAI)やWeRide(ウィーライド)といった、中国の主要都市やカリフォルニア州でのテストを盛んに進めると同時に、自動運転レベル4を目指して多額の研究開発費を投じている、資金力のあるロボタクシースタートアップと競合している。同じく中国のロボタクシー企業であるAutoX(オートX)はつい先週、中国でのテスト走行にホンダのACCORD(アコード)とINSPIRE(インスパイア)のセダンを使用すると発表した。Didiの強みはアジア、ラテンアメリカ、アフリカ、ロシアにまたがるネット配車事業で蓄積された山のような走行データだと指摘する向きもある。

また、Nio(ニオ、上海蔚来汽車)やXpeng(シャオペン、小鵬汽車)といった新興EVメーカーも自動運転レースに参入しており「自分たちも近いうちに安全ドライバーをなくすことができる」と豪語している。一方、従来の自動車メーカーも遅れをとるまいとしており、例えば中国政府系の大手メーカーBAIC(北京汽車)は、Huawei(ファーウェイ)の高度な自動運転システムとスマートコックピットを搭載した新型EVを発表している。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Didi中国Volvoロボタクシー電気自動車

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

Facebookがニュースフィードの投稿に企業の関連コンテンツを表示するテストを米国で開始

Facebook(フェイスブック)は米国時間4月15日、ニュースフィード上で企業を発見するための新しい機能のテストを米国で開始すると発表した。この機能が導入されると、ユーザーはニュースフィード上の投稿や広告の下に表示されるトピックの中から興味のあるものをタップして、企業の関連するコンテンツを探すことができるようになる。Facebookは最近、Apple(アップル)の「App Tracking Transparency(ATT)」導入がどれほど中小企業に影響を与えるかということを巡って論争を続けている。この主張は、多くの人が誤解を招くものとして否定しているが、それにもかかわらず、一部の家族経営のような小規模な店舗は、広告ターゲティング機能への影響を懸念している。今回始まった新しいテストは、Facebookがニュースフィードを調整することで、必要であればより多くのユーザーデータを容易に構築することができると示す一例だ。

同社によると、ユーザーは、美容製品、フィットネス、衣料品などを販売する企業の投稿や広告の下に、この変更を目にすることになるという。

つまりこれは、ユーザーが関連するコンテンツを見つけようと特定のアクションを起こした際に、Facebookがニュースフィード機能を使って関連するビジネスにユーザーを誘導するというものだ。これによってFacebookは、どのユーザーがクリックして関連コンテンツを見ようとしたか、どのような企業に関心を持ったかなど、ユーザーに関する新しいデータのセットを作成できる。将来的には、この機能を広告に転換し、企業が高い掲載率を得られるようにすることも可能だろう。

「人々はすでにニュースフィードをスクロールしながら企業を発見していますが、この機能によって自分では見つけられなかった新しい企業を発見し、検討することが容易になるでしょう」と、Facebookは簡単な発表の中で述べている。

Facebookは今回のテストについて、今後の詳細な計画は発表しなかったが、ユーザーがこの機能をどのように利用するかがわかれば、より多くのユーザーや企業にこの体験を拡大していくと述べている。

画像クレジット:Facebook

このテストのニュースと併せて、Facebookは2021年4月中にビジネスオーナー向けのツールをさらに展開することも発表した。その中には、FacebookとInstagram(インスタグラム)の両方にStories(ストーリーズ)を作成、公開、スケジューリングする機能や、スケジューリングされた投稿を変更・編集する機能などが含まれる。また「Facebook Business Suite(フェイスブック・ビジネス・スイート)」からFacebookの写真やアルバムを作成・管理する機能や、Business SuiteのモバイルアプリからFacebookとInstagramの投稿を作成し、下書きとして保存する機能も、遅れて追加される予定だ。

他のビジネス関連のアップデートとして、Facebookは、Lead Ads(リード獲得広告)、Call Ads(電話発信広告)、Click to Messenger(Messenger誘導広告)や Lead Generations(Messengerでのリード獲得)など、企業と顧客のつながりに焦点を当てた広告製品の機能をアップデートした。

Facebookは2021年初め、企業がビジネスプロフィールを使って投稿、コメント「いいね!」などの活動を行ったり、専用のニュースフィードにアクセスすることができる新デザインのFacebookページを発表した。このリニューアル時には、ページの「いいね!」ボタンが廃止され、フォロワー数に重点が置かれるようになった。

この時期にFacebookが中小企業向けのツールを宣伝しているのは偶然ではない。近い将来、FacebookのiOSアプリでユーザーが追跡を「許可しない」を選ぶようになると、広告ターゲティング機能の精度が低下して、Facebookのプラットフォームが中小企業経営者にとって有益でなくなるのではないかと懸念されているからだ(その多くは、Facebook自身が声高に叫んでいるのだが)。

関連記事:「Facebookページ」がリニューアル、「いいね!」ボタンが消えニュースフィードが追加

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookアメリカ広告SNS

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

今週の記事ランキング(2021.4.11〜4.15)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「マイクロソフトがTeams対応の最新アクセサリーを多数発表」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

「フレンチランドリー」シェフ監修のベジタリアンミールキット「Simple Feast」が米国に進出

Simple Feastは、投資家からの4500万ドル(約48億9000万円)の資金調達を背景に、米国の最も富裕な20%を加工食品から解き放すべく、事業拡大を目指して米国に上陸した。

ヨーロッパ発のスタートアップであるSimple Feastは、LIVEKINDLY Collectiveのプレイブックを参考にして米国市場に挑もうとしている。グルメな調理済みの食事にはグルメなお値段がついており、より風味豊かで美味なベジタリアンメニューを提供することで、米国人の肉食を減らすことをミッションとしている。

LIVEKINDLY Collectiveはこの戦略により、最近の資金調達で3億3500万ドル(約364億3000万円)を獲得し、ベジタリアン食品ブランドの分野で最も資本力のある新規参入企業の1つとなっている。

関連記事:いくつもの植物性食品ブランドを抱えるLIVEKINDLYが約369億円調達

Simple Feastの共同創業者兼CEOであるJakob Jønck(ヤコブ・ヨンク)氏は「一般的な健康問題は、ほとんどが私たちが口に入れるものに起因しています」と語る。

Simple Feastは、カリフォルニアのFrench Laundry(フレンチランドリー)やノルウェーのNoma(ノーマ)など、世界の最高級レストランのシェフが開発したメニューをパッケージ化したミールキットを、財布に余裕のある米国人向けに提供している。こうしたレストランで外食すれば、1人あたりの食事代は350ドル(約3万8000円)ほどかかる。

同社の場合、2〜3人用の3種の調理済みの食事は1週間で約98ドル(約1万700円)、4〜5人家族の場合は1週間で159ドル(約1万7300円)となる。

Simple Feastの米国市場への進出は、同社のサービスのごく一部にすぎない。北欧では、肉食を減らしたい人を対象に、約30種類の商品を提供している。

ヨンク氏が指摘するように、この製品はミールキットというカテゴリーの中で最も高い利益率を実現しているため、投資家たちは同社の製品を高く評価している。

これらの出資者には、ヨーロッパのベンチャーキャピタルであるBaldton CapitalやKinnevik、ニューヨークを拠点とする14Wなどが含まれる。

同社の顧客は子どもを持つ母親が中心で、その収入は人口の上位20%に相当する。彼らは一般の人々よりもはるかに裕福かもしれないが、米国の工業型食糧システムの最悪の側面、つまり糖尿病や肥満などの慢性疾患を爆発的に増加させる原因となっている高度に加工された食品にさらされているのに違いはない、とヨンク氏はいう。

ランド研究所(Rand Institute)などのデータによると、米国では栄養不足やそれに起因する慢性疾患の負担が、低所得者層や中所得者層に偏っていることがわかっている。

米国では健康が大きな問題となっており、2016年から2030年の間に、年間7940億ドル(約86兆3200億円)の生産性が失われると推定されている。学術誌Health Affairsの記事では、公共政策シンクタンクである合同政治経済研究所(Joint Center for Political and Economic Studies)の研究結果を引用し、健康上の不公平や早死には、米国経済に年間3093億ドル(約33兆6200億円)の損失をもたらすと推定している。

しかしこれらのコストは、主に米国の貧困層、特にマイノリティが負担している。「有色人種は白人に比べ、糖尿病、肥満、脳卒中、心臓病、がんの罹患率が高い」とHealth Affairsの記事は述べている。

Simple Feastはこの問題の解決に取り組んでいる、とヨンク氏はいう。欧州の小売店で販売されている同社の調理済みミールキットの価格は、約15ドル(約1630円)だとも。同社は米国の最低賃金をはるかに上回る給料を従業員に提供し、米国の貧富の格差を少しでも改善する役割を果たしていきたいという。

「これは、根本から変わらなければならない業界との駆け引きです。既存のシステムを変える必要があります」とヨンク氏は語った。

カテゴリー:フードテック
タグ:Simple Feastヘルスケア食事

画像クレジット:Caiaimage/Adam Gault / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Aya Nakazato)

ローカルの観光や体験をパッケージ商品化するBandwangoが3.3億円調達

主な顧客が観光案内所であるスタートアップにとって2020年はかなり厳しい年だったとあなたは思うかもしれない。しかしCEOのMonir Parikh(モニール・パリク)氏は、Bandwango(バンドワンゴ)の顧客ベースが75から200へと倍以上に増えたと話した。

パリク氏によると、ユタ州に本社を置くスタートアップMurray(ムレイ)は「事業所とコミュニティをつなげる」ためのDestination Experience Engineと呼ばれるプラットフォームを構築した。これは、地元のレストランや小売業者、ワイナリー、ビール醸造所、州立公園などを「Newport Beach Dine Pass」「Travel Iowa State Passport」といったパッケージディールにまとめ、観光案内所がそれを販売する。

パンデミックが観光業界に大打撃を与えたことは疑う余地はない。しかしそれに応じて観光業界の組織の多くは、地元の人を近所の事業者やアトラクションをサポートしようかという気にさせるかもしれないディールに注力するようになった。パンデミックが収まった後でも観光案内所は「ローカルに照準を当てた観光が取り組むべきことの一部で、地元の人が大使となり、そうした人々は最良のオーガニックマーケットチャンネルだ」と考え続ける、とパリク氏は予想した。

加えて、パリク氏は新しいプライバシー規則がオンラインビジターについてのデータ収集を困難にしていて、観光案内所にとって「経済的影響力を持っていることを出資者に証明する」のはますます難しくなる、と話した。そのため、かつてお得な情報を広告し、実際に購入するサイトに顧客をつなげる役目を担っていた観光局にとって、情報そのものを販売することは自らの価値を証明する新たな方法となった。

Bandwangoの創業者でCEOのモニール・パリク氏(画像クレジット:Bandwango)

2020年の成長を元に、BandwangoはNext Frontier Capitalがリードするシードラウンドで310万ドル(約3億3700万円)を調達した。本ラウンドにはKickstart、Signal Peak Ventures、SaaS Ventures、Ocean Azul Partnersも参加した(Bandwangoが本ラウンド以前に調達した資金はわずか70万ドル、7600万円だ)。

今までBandwangoは主にフルサービスオプションだったとパリク氏は話した。結局のところ、セールスポイントは観光案内所がすでに「ローカルの事業者と良い関係を築いていること」だ。しかしBandwangoはお得な情報を提供し、そうした情報を店舗で受け入れるために「地元の200もの事業者を説き伏せる」困難な仕事をさばくことができる。

「我々のモットーは、当社はあなたのバックオフィスになります、というものです」とパリク氏は付け加えた。しかし新たに調達した資金で、セルフサービス式のプロダクトも構築したいと考えている。「私がチームに話すことはこういうことです。12歳のティーンエイジャーと同様、90歳のおばあさんも当社のプラットフォームに訪れて、『ローカルのセービングプログラム、あるいはエールトレイルを作りたい。それを手伝いなしにエンド・ツー・エンドでやりたい』と言えるべきだと」。

Bandwangoは現在、顧客にホワイトラベルのソリューションを提供することに主眼を置いている一方で、ゆくゆくは自前の「プライベートラベルブランド」を構築することでこうしたディールを広範に展開するつもりだとパリク氏は話した。

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カテゴリー:その他
タグ:Bandwango観光資金調達

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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi

中国が独占禁止にいよいよ本腰、アリババに約3010億円の記録的な罰金

中国の規制当局は、Alibaba(アリババ)が同国最大のインターネット複合企業の支配権を握ろうとしている中、独占禁止法に違反したとして、180億元(約3010億円)という記録的な罰金を科した。

2020年11月、中国はそのインターネット経済を対象とする包括的な独占禁止規制を提案した。12月下旬、国家市場監督管理総局(State Administration for Market Regulation、SAMR)は、当局がAlibabaの金融関連会社であるAnt Groupの新規株式公開を中止した数週間後に、Alibabaに対する反トラスト調査を開始したと発表した。

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中国における最上位の市場規制機関であるSAMRは現地時間4月10日に、Alibabaは2015年以来中国の商業者に、PinduoduoやJD.comなど複数のサービスから自由に選ぶのではなく、1つのeコマースプラットフォーム上でのみ販売すよう強制してその「市場支配力を乱用した」と発表した。ベンダーたちは、Alibabaの巨大なユーザーベースを利用するためにはAlibabaの側につくよう、圧力を受けることが多かった。

2020年の終わりごろより、TencentやAlibabaなどの大手インターネット企業は、過去の買収承認を得なかったなどの理由で、反競走的な行いに対するさまざまな罰金を科せられた。それらの罰金の総額は、テクノロジー企業が彼らの市場集中から得る利益に比べると微々たる額だ。その帝国の分割を命じられた企業は1社もなく、ユーザーは依然として、お互いに他社をブロックするスーパーアプリ間を渡り歩かなければならなかった。

関連記事:中国が独禁法違反でアリババとテンセント子会社に罰金処分

しかし最近の数週間で、中国の独占禁止当局がより深刻になっている兆候がある。Alibabaに対する最新の制裁金の額は、同社の2019年の売上の4%に相当する。

「本日、中国の国家市場監督管理総局から行政処分決定が出されました」とAlibabaは声明で述べた。「私たちは誠意をもってこの刑罰を受け入れ、私たちの決意を確実に遵守します。社会に対する責任を果たすために、法に則り誠実に行動し、コンプライアンス体制を強化し、イノベーションによる成長を目指します」。

テクノロジー企業が互いの間に築いてきた厚い壁も崩れ始めた。Alibabaの幹部Wang Hai(ワン・ハイ)氏が最近認めたところによると、AlibabaはWeChatのミニプログラムプラットフォーム上で同社のショッピング情報アプリを実行するための申請書を提出した。

何年もの間、AlibabaのサービスはTencentの広大なライトアプリのエコシステムに存在しておらず、現在では何百万ものサードパーティーのサービスが存在している。逆に、WeChatは決済手段としてAlibabaのオンライン市場には存在しない。もし承認されれば、WeChatを搭載したAlibabaのミニアプリは、両社の長い対立の前例を破ることになる。

関連記事:中国政府がジャック・マー氏のフィンテック帝国Ant Groupの「修正」計画を発表

カテゴリー:ネットサービス
タグ:中国Alibaba独占禁止法eコマース

画像クレジット:Qilai Shen/Bloomberg via Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)

中国が独占禁止にいよいよ本腰、アリババに約3010億円の記録的な罰金

中国の規制当局は、Alibaba(アリババ)が同国最大のインターネット複合企業の支配権を握ろうとしている中、独占禁止法に違反したとして、180億元(約3010億円)という記録的な罰金を科した。

2020年11月、中国はそのインターネット経済を対象とする包括的な独占禁止規制を提案した。12月下旬、国家市場監督管理総局(State Administration for Market Regulation、SAMR)は、当局がAlibabaの金融関連会社であるAnt Groupの新規株式公開を中止した数週間後に、Alibabaに対する反トラスト調査を開始したと発表した。

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中国における最上位の市場規制機関であるSAMRは現地時間4月10日に、Alibabaは2015年以来中国の商業者に、PinduoduoやJD.comなど複数のサービスから自由に選ぶのではなく、1つのeコマースプラットフォーム上でのみ販売すよう強制してその「市場支配力を乱用した」と発表した。ベンダーたちは、Alibabaの巨大なユーザーベースを利用するためにはAlibabaの側につくよう、圧力を受けることが多かった。

2020年の終わりごろより、TencentやAlibabaなどの大手インターネット企業は、過去の買収承認を得なかったなどの理由で、反競走的な行いに対するさまざまな罰金を科せられた。それらの罰金の総額は、テクノロジー企業が彼らの市場集中から得る利益に比べると微々たる額だ。その帝国の分割を命じられた企業は1社もなく、ユーザーは依然として、お互いに他社をブロックするスーパーアプリ間を渡り歩かなければならなかった。

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しかし最近の数週間で、中国の独占禁止当局がより深刻になっている兆候がある。Alibabaに対する最新の制裁金の額は、同社の2019年の売上の4%に相当する。

「本日、中国の国家市場監督管理総局から行政処分決定が出されました」とAlibabaは声明で述べた。「私たちは誠意をもってこの刑罰を受け入れ、私たちの決意を確実に遵守します。社会に対する責任を果たすために、法に則り誠実に行動し、コンプライアンス体制を強化し、イノベーションによる成長を目指します」。

テクノロジー企業が互いの間に築いてきた厚い壁も崩れ始めた。Alibabaの幹部Wang Hai(ワン・ハイ)氏が最近認めたところによると、AlibabaはWeChatのミニプログラムプラットフォーム上で同社のショッピング情報アプリを実行するための申請書を提出した。

何年もの間、AlibabaのサービスはTencentの広大なライトアプリのエコシステムに存在しておらず、現在では何百万ものサードパーティーのサービスが存在している。逆に、WeChatは決済手段としてAlibabaのオンライン市場には存在しない。もし承認されれば、WeChatを搭載したAlibabaのミニアプリは、両社の長い対立の前例を破ることになる。

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タグ:中国Alibaba独占禁止法eコマース

画像クレジット:Qilai Shen/Bloomberg via Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米議員がInstagramの子ども向けサービスの詳細についてザッカーバーグ氏に質問状

米民主党の議員たちが今週、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏に書簡を送り、子供向けバージョンのInstagramを管理する計画について同CEOに圧力をかけた。2021年3月の議会による聴聞でザッカーバーグ氏は、BuzzFeedの記事を確認して、同社が低年齢ユーザー向けにデザインされた年齢制限バージョンを検討していることを認めている。

書簡に署名している民主党の上院議員Ed Markey(エド・マーキィー)氏(マサチューセッツ州)とRichard Blumenthal(リチャード・ブルーメンソール)氏(コネチカット州)、下院議員のLori Trahan(ロリー・トレーハン)氏(マサチューセッツ州)とKathy Castor(キャシー・カスター)氏(フロリダ州)は、幼いユーザーたちのプライバシーとウェルビーイングを保護する同社の能力について「深刻な懸念」を表明している。

「子どもを対象とする新しいプラットフォームやプロジェクトが、それらのユーザーの福利を最優先していることを確証する義務がFacebookにはある。そして私たちは、Facebookにこの義務を満たす用意があることを疑っている」と議員たちは述べている。

彼らは、子どもたちが自らのプライバシー制限を越えてチャットできる欠陥があったMessenger Kidsといったこれまでの失敗を挙げている。

議員たちはその書簡「ソフトウェアにはバグがつきものだが、この話はオンラインの子どもたちへのプライバシーの脅威が存在することを証明し、同社のプラットフォームへ熱心に招いている子どもたちを保護する能力がFacebookにはないことを実証している」と記している。

「Facebookのプラットフォームにおけるこれらおよびその他のプライバシーとセキュリティに関する問題に鑑み、Instagramの低年齢ユーザー向けバージョンでFacebookが子どもたちのプライバシーを適切に保護できるという確信が、私たちにはない」。

この書簡は、同社が将来の子供向け製品に関する包括的で具体的な質問に解答する期限を4月26日と定めている。

書簡で議員たちは、Facebookの低年齢ユーザーのプライベートデータの扱い方について多くの質問を投げかけ、さらにアカウントが終了したときそのデータは削除されるのか、とも尋ねている。また同社は、子どもたちに広告のターゲティングをしないことと、アプリをより中毒的にするプッシュ通知や特定の行為誘導機能を採用しないことを厳守しているか、とも尋ねている。

2021年3月の下院における大手テクノロジー企業の聴聞会では、両党の議員からなる委員会のメンバーがザッカーバーグ氏を質問攻めにした。下院議員のカスター氏は、現在のInstagramにある年齢ガイドラインをうまくごまかして、大量のアダルト向けポストやビデオ、広告などでいっぱいのプラットフォームを使っている低年齢ユーザーについても、彼に質問をした。

「もちろん、13歳未満の子どもがInstagramにいることを、どの親も知っています。問題は、あなたがそれを知っていることです」とザッカーバーグと述べた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookInstagram子どもマーク・ザッカーバーグ米民主党

画像クレジット:Alexander Koerner/Getty Images/Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

我々を殺すのはAIではなく「何もしないこと」、シリコンバレーは災害やパンデミックといった現実の問題を解決する努力をすべきだ

この1年間、私たちの多くは存亡の危機について考えながら過ごしてきた。非常食セットから核バンカーまで、サバイバル用品の売り上げは増加しており、Twitterで1日中ドゥームスクローリング(ネットで悲観的な情報を読み続けること)をしていると、少なくとも文明崩壊の可能性が話題にならない週はないように感じる。

しかし、テック業界に長くいると、存亡の危機に関する「現実の問題」と「憶測に基づくシナリオ」との間に驚くほどのずれがあることに気づく。

シリコンバレーでは「実は今、偏屈な生物学博士が小さな実験室にこもって、個人あるいは全人類を暗殺できる特別な病原菌を作っているのだ」というようなシナリオが話のネタとしておもしろおかしく話題にのぼっている(ゲノム編集技術の略称「CRISPR」を使って話せば、よりそれっぽく聞こえる)。他にも、コロナガスの噴出や電磁爆弾のようなものが頻繁に発生して、すべての電力供給を停止させる可能性があるというシナリオや、世界中のすべてのCPUが同じコード行に対して脆弱であるという(おそらくMeltdownやSpectreから発想を得た)ある種のハッキングシナリオもよく耳にする。

しかし、ここ1年を振り返ってみると、私たちには、問題を認知する際に偏った思い込みをしてしまう傾向があることに気づく。つまり、憶測にすぎないリスクについては考え過ぎるのに、文明的な生活を脅かしかねないありふれたリスクについてはあまり考えていないのだ。

確かに、先ほどのようなシナリオはおもしろく想像力に富んでいて「仕事は何をしているの?」なんていう話を続けるよりもずっとZoom飲み会を盛り上げてくれる。

しかし、ここ1年を振り返ってみると、私たちには、問題を認知する際に偏った思い込みをしてしまう傾向があることに気づく。つまり、憶測にすぎないリスクについては考え過ぎるのに、文明的な生活を脅かしかねないありふれたリスクについてはあまり考えていないのだ。

新型コロナウイルス感染症は、文字どおり何十年も前から何らかのかたちで予測されてきた、あまりにも明白なパンデミックの例である。しかし「想定済み」だったはずの災害に遭遇した例は他にもある。2021年2月、テキサス州のエネルギー供給網の多くが故障したために数日間にわたって停電し、数百万人の人々が、それまで地元で経験したことのない寒さに耐えなければならなかった。電磁爆弾が落とされたわけではないのに、これだけの被害が生じたのだ。またカリフォルニアの山火事シーズンが拡大し、人命が失われ、大規模な停電や何十億ドル(何千億円)もの損害が発生した。空を象徴的なオレンジ色に染めたのはハリウッドの特殊効果ではない。2021年1月には「ソフトウェアの問題」により東海岸のあちこちでインターネットが使えなくなったし、クリスマス休暇中にはナッシュビルで単独犯による自爆テロのせいで通信施設が破壊され、都市部の通信回線の大部分がダウンした。

関連記事:悪天候や停電が示す米国の電力網最大の問題は再生可能エネルギーではなくインフラそのものにある

ここで問題の認知にずれが生じる。私たちはすでに文明的な生活を脅かされたことがあるのだ。ただ、これまではその期間や範囲が限定されていた。2月はテキサス州、2020年はカリフォルニア州で大規模な停電が発生したが、全土で停電したことはない。同じく、東海岸とナッシュビルでインターネットが使えなくなったが、時間差があったし、全土で同時にインターネットが使えなくなったことはない。パンデミックが発生し、ウイルスの拡散を抑えるために世界の大部分で学校や店舗を定期的に閉鎖しなければならなくなったが、文明的な生活が消滅してしまったわけではない。人口の10%がNetflix(ネットフリックス)を使えている限り、このパンデミックでさえも大した災害ではないと思えるくらいだ。

汎用人工知能や、AIの能力が人類を超えるというシンギュラリティ(特異点)の概念、火星への避難について話している人たちがいるが、目の前の現実では、何千カ所ものダムに信じられないほど大きな負担がかかっており、これらのダムのいくつかが決壊すれば、今後数年間で何百万人もの人々が命を落とす可能性がある。これは仮定の話ではない。ダムの構造物が耐用年数に達し、次第に崩れやすくなると、ダムは予測に違わず決壊する。

私たちはなぜか、このような身近に迫る深刻な事態をリスクとして認識することを避けるようになってしまった。数年前は極度の非難を受けていたAWSの障害が、今ではZoom会議から私たちを解放してくれるものになった。停電は新たな日常にすぎない。パンデミックについては、私たちすべてが期待している回復を変異ウイルスが脅かし始めているとしても、現段階でわざわざマスクをする意味はないと考える人もいる。ある同僚が私に言ったように、電池式のラジオを買うべきだ。すぐに必要になるだろう。インターネット通信が突然使えなくなる可能性を想定すべきである。

シリコンバレーを起業家精神あふれる場所にしているソリューショニズムは、存亡にかかわる非常に日常的な脅威を解決するという方向に向かうことはないようだ。送電網の故障は防ぐことができる。インターネットは、障害を迂回し、わずか数カ所の中央データセンターや電話局のみを拠点することはないように設計されているはずだ。これにより不正なパッチや妨害者が世界のGDPが低下させることはない。医療システムはアウトブレークを制御することができる。私たちはどんな戦略を取るべきかを知っている。ただその戦略を実行できさえすればいいはずだ。

回復力と計画性には、シリコンバレーが得意とする分析力が役に立つ。それなのに、シリコンバレーにはその回復力と計画性が欠如している。そして、それ以上にいら立たしいのは、このような大惨事にあっても行動をまったく起こさないことだ。この1年でわかったことは、政府も会社も一般市民もすべてが完全に無気力状態にあり、災害が起きた場合の備えを明らかにまったくしていないことだ。

私は、人々を病院に案内したり、データを追跡したり、ワクチンを見つけるように人々を指導したり、初期の慌ただしい時期にマスクを探したりする、新型コロナウイルス感染症から生まれたクラウドソーシングのプロジェクトを非難したいわけではない。このようなプロジェクトは、たとえうまくいかなくても重要であり、豊かで新しい市民生活を象徴している。しかし重要なのは、現場での行動の欠如をキーボードで完全に補えると考えないことだ。テック業界では、あらゆる問題を解決するためにウェブアプリを開発することを好むが、Pythonコードだけで対応できる災害などないに等しい。

テックコミュニティで私が見つけた唯一の例外は、Googleの共同創設者であるSergey Brin(セルゲイ・ブリン)氏だ。彼はGlobal Support and Development(GSD)という災害救援チームとともに世界規模の災害対応能力を築くことに時間とリソースを費やしたようだ。Mark Harris(マーク・ハリス)氏は2020年、この取り組みに関して詳細な記事を書いている

GSDはこの5年間、新型コロナウイルス感染症のパンデミックをはじめ、注目を集めたさまざまな災害が発生した際、ひそかにハイテクシステムを使い、迅速な人道支援を行ってきた。ドローンやスーパーヨットから、巨大な新しい飛行船まで、チームが期待する幅広いハイテクシステムを使えば、支援物資を被災地に簡単に輸送できるようなる。

このような取り組みをもっと増やすべきだ、しかも、今すぐに。

存亡リスクは常にハイテク業界の中心にある。ラジオ放送の「宇宙戦争」、マンハッタン計画から、1960年代のAIや人工頭脳工学、80年代のサイバーパンクや気候パンクなどのあらゆるパンク、そして今日の汎用人工知能やシンギュラリティ(特異点)に至るまで、自分たちが作る技術の進歩が、現代の世界に大きな影響を与える可能性があることを私たちは知っている。

今こそ、現在利用できるツールを使って、クレイジーな憶測に基づく未来ではなく、現在の世界が直面している大混乱と課題に目を向けるときである。私たちの主要な課題のほとんどは、単に解決可能であるだけでなく、時間をかければ事態を大幅に改善できるものである。しかしそのためには、恐怖をあおる憶測に対してばかり危機感を感じるのではなく、ありふれた日常的な問題(でも最終的には確実に私たちを苦しめる予測可能な問題)をリスクとして認知するよう、意識的に努力することが必要だ。

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タグ:コラム自然災害新型コロナウイルスGlobal Support and Development

画像クレジット:Allkindza / Getty Images

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(文:Danny Crichton、翻訳:Dragonfly)

注目している2021年の「意外な買収」

2020年の終わりに私は、パンデミック後も価値を失わないために、EdTech(教育テクノロジー)はもっと野心的になるべきだと書いた。ファウンダーたちには講演体験を積むことを考えるよりも、時代遅れなシステムや方法を、新しいITベースのソリューションで置き換えることに力を入れるよう促した。言い換えれば、魅力あるコンテンツを画面に出すだけでなく、画面がどう映り、何を追跡し、何を提供するか革新を起こす必要がある。

2021年に入って数カ月が過ぎ、EdTechスタートアップのイグジット環境では、まさしくそれが起きているように思える。パンデミック下で数十億、数百億ドル(数千億、数兆円)の評価額をつけられていたスタートアップたちが、新たな人材を集め、提供サービスの拡大に努めている。

コーディングのプロになろうとする人たちをブートキャンプ(トレーニングの場)と繋げるプラットフォーム、Career KarmaのファウンダーであるRuben Harris(ルーベン・ハリス)氏は、彼が同僚たちとパンデミックがブートキャンプ市場に与えた影響について話したことをまとめた長大なレポートを公開した

レポートの著者であるJames Gallagher(ジェームズ・ギャラガー)氏は、次のように私に言った。

まず指摘しておくべきなのは、ブートキャンプの可能性はまだフルに発揮されていないということです。たとえば訓練を受ける機会を得られない人々がテック分野で新たなキャリアを積むためのゲートウェイとして、テクノロジーセールスなどのニッチなサービスの試みが登場しています。こういうモデルを大きくするために、新しい会社はベンチャーキャピタルを必要としています。

同氏はさらに、2020年の注目すべき買収として、EdTechのK12がコーディングブートキャンプのGalvanizeを獲得したことを挙げた。「これによってK12は、企業教育やコーディング・ブートキャンプというこれまでと異なる市場に露出される機会を得ました」。

私はこのレポートから2つの兆候を読み取った。ブートキャンプにとっての利害関係者は他のブートキャンプだけではなく(まだそれもあるが)、驚くような提携関係によること。もう1つ、ゲーミングブラットフォームのRoboloxがEdTechのために言語学習ツールを買ったり、フラッシュカードで知られるスタートアップがITチューター・サービスを買うなど、クリエイティブな買収が見られたことだ。

ここまでで読者は、私が「意外な買収」(nonobvious acquisition)を気に入っていることに気づいただろう(なかなかま止まらないこともあるが)。というわけで、EdTechの買収情報を知っている人は、私にSignalまたはTwitterのDMで知らせて欲しい。

関連記事:TikTok買収はマイクロソフトを押しのけオラクル勝利との報道

まとめればこういうことだ。成功するスタートアップのファウンダーは、生来の野心家であり、困難なチャンスを見つけ、自分たちに勝算があると他人を説得する。しかし、野心とはなにかを決める天井はほぼ毎日高くなる。かつて勝利だったものが今や無価値になり、功績が功績であるのはライバルが同じ節目に到達するまでの間だけだ。

買収は、ライバルを手に入れ相乗効果のある人材を引き入れる1つの方法だが、最も重要なのはその次に何が起きるかだ。

本稿はこの後、Clubhouseの競合について、 社内の実験がどうやってフィットネステックの最速成長企業になったのか、および公開市場の冷え込みについて書く。

Clubhouseは数十億ドルの企業価値を生んでも、そこから何も得られないかもしれない

誰もがこぞって「ストーリーズ」について噂していたことを覚えているだろうか?パンデミックのずっと前だ。話題のアプリが消費者はオーディオが大好きだということを発見した後、いくつもの会社が独自のClubhouseを作る計画を発表した。

ここが大切:現時点でClubhouseクローンを作っていないのは誰かの予想を始めるのは簡単だ。我々の予言はすでに始まっているが、冗談はさておき、このクローンブームの高まりは、Clubhouseが収益化以前に資金調達しなくてはならないことを意味するかもしれない(Twitter Spacesが……)。重要な明察の鍵を最初に開けたのがどこのスタートアップなのかは問題ではない。問題はその重要な明察を一番うまく実行したのが誰か、である。

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DiscordがClubhouseのような音声イベント用チャンネルの提供を開始
LinkedInもClubhouse類似機能を開発中
好きな時に楽しめる非同期型音声会話ソーシャルネットワークアプリ「Swell」
Slackはテキストベース以上のプラットフォームになろうとしている、オーディオとビデオ機能追加を検討
Twitterの音声ソーシャルネットワーク機能「Spaces」がClubhouseより先にAndroidで利用可能に
SpotifyもClubhouseに負けじとライブオーディオに参入

画像クレジット:Getty Images

フィットネスの高いユニコーン

フィットネステックのスタートアップ、Tonalが先に新たな資金調達を完了してユニコーンになった。

ここが大切:この新たなステータスは、自宅フィットネスソリューション市場の成長ぶりを如実に表している。そしてTonalのS-1(上場申請書類)はまだないが、我々はTonalのEC-1は持っている。EC-1とはTechCrunchバージョンのS-1であり、企業の奥深い分析である。

画像クレジット:Nigel Sussman

I P … O no

みなさんは、CompassとDeliverooとKalturaよりはよい1週間を過ごしたと思う。3社は公開市場で起こりうるそれぞれの問題を経験した。

何が起きたのか:CompassはIPO株数を減らし価格を下げた。デリバリー会社Deliverooの公開市場デビューは厳しいものとなった。そして期待どおりの評価を得られなかったKalturaはIPOを延期した

その他のニュース:Coinbaseが4月14日に直接上場へ、4月6日に最新の財務情報発表予定

Photo Taken In Arizona, United States

先週のTechCrunch
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ポケモンGOのNianticジョン・ハンケ氏がARメガネ画像をちら見せ、AR OSの責任者募集
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カテゴリー:その他
タグ:教育Clubhouseフィットネス

画像クレジット:alashi / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

和牛、ヘラジカ、羊の細胞株で培養肉を高級化するY Combinatorスタートアップ「Orbillion Bio」

先に、20名の選ばれた従業員とゲストがサンフランシスコ湾のイベントスペースに集まり、ベイブリッジを眺めながら厳選されたヘラジカのソーセージ、和牛のミートローフ、羊肉のハンバーガーを楽しんだ。これらの肉はすべてシャーレで培養されたものだ。

この夕食会は、Y Combinator(Yコンビネーター)の最新デモデイに参加する新しいスタートアップOrbillion Bio(オルビリオン・バイオ)のお披露目パーティーだ。同社はスーパーマーケットではなく、高級精肉専門店で売られるような培養肉の普及を目指している。

Orbillionでは豚肉や鶏肉、牛肉の代わりに、前述のヘラジカ、羊、和牛といったいわゆるヘリテージミートを取り扱う。

Orbillionはより高級な食材に焦点を当てており、培養肉市場の他の企業ほど劇的なコスト削減のプレッシャーはない。

だがその技術は、高級な和牛や選り抜きのヘラジカ、風味のいい羊肉にとどまらない。

「Orbillionでは、小さな組織サンプルを作りだす独自の加速開発プロセスを使い、 最適な組織と培地の組み合わせを常に探しています」とHolly Jacobus(ホリー・ジャコバス)氏。同氏の企業Joyance Partners(ジョイアンスパートナーズ)はOrbillionの初期の投資企業だ。「これは従来の方法よりもはるかに安価で効率的であり、すでに実感している目覚ましい需要に迅速に対応できるようになります」と言及している。

同社では、小型のバイオリアクターシステムを通じて複数の細胞株を培養している。それをハイスループットスクリーニングと機械学習ソフトウェアシステムと結び付け、最適な組織と培地の組み合わせのデータベースを作成している。ジャコバス氏は「培養肉を大規模に生産するうえでのカギは、最も効率的な方法で培養する正しい細胞を選ぶことです」と記している。

Orbillionは、ドイツの製薬大手Boehringer Ingelheim(ベーリンガーインゲルハイム)の研究員であったPatricia Bubner(パトリシア・バブナー)氏が率いる高度な技術と経験豊富な経営陣によって共同創業した。バブナー氏に参加したのは、American Institute of Chemical Engineers(アメリカン・インスティテュート・オブ・ケミカル・エンジニアズ)の元ディレクターGabriel Levesque-Tremblay(ガブリエル・ラベスク・トレンブレイ)氏だ。同氏はバブナー氏とともにバークレーで博士号を取得しており、同社の最高テクノロジー責任者を務めている。そして経営陣を締めくくるのは、最高業務責任者のSamet Yildirim(サメット・ユルドゥルム)氏だ。同氏はBoehringer Ingelheimの役員でバブナー氏の上司であった。

Orbillion Bio共同創業者でCTOのガブリエル・レべスク・トレンブレイ氏、CEOのパトリシア・バブナー氏、COOのサメット・ユルドゥルム氏()(画像クレジット:Orbillion Bio)

バブナー氏のヘリテージミートへのこだわりは、経済的な理由もさることながら、オーストリアの田舎で育った同氏のバックグラウンドが大きく影響している。長年、食通でオタクであることを自称しているバブナー氏は、科学を食品ビジネスに適用したいと思い化学の道に進んだ。同氏はOrbillionでただの肉ではなく、本当に美味しい肉を作りたいと考えている。

これは他の多くの企業が新しいテクノロジーの商品化を検討する際に、市場にアプローチする方法でもある。高価格帯の製品や、ユニークな生産技術で作られた独自の特徴を持つ製品は、一般的な製品と競合するよりも商業的に成功する可能性が高いのだ。はるかにおいしい動物の品種に焦点を当てることができるのに、なぜアンガスビーフに焦点を合わせる必要があるのだろうか?

バブナー氏は、単に豚肉の代替を作るのではなく、最もおいしい豚肉の代わりを作りたいのだ。

「食料の生産方法をより効率的に変えることができるようになると思うと、とてもワクワクします。私たちは今その変わり目にいます。私はオタク的であり、食べ物が大好きなので、私の技術や知識を生かして変革を起こし、食に影響を与えることができるグループの一員になりたかったのです。私はこの先、食べ物の大半が代替タンパク質、つまり植物ベース、発酵品、培養肉になると思っています」と同氏は語る。

バブナー氏にとってBoehringer Ingelheimへの入社は、巨大なバイオプロセスの世界に土台を作り、培養肉に着手するための準備であったという。

「私たちは製品をつくる会社で、最もおいしいステーキを作ることが目標です。最初の製品は塊のステーキ肉ではありません。最初の製品は和牛で、2023年の発売を予定しています」と同氏。「ミンチ肉のような製品で、和牛の刺身みたいな感じでしょうか」。

市場に参入するにあたり、バブナー氏は選択した肉の培養をするための新しいアプローチだけでなく、従来の肉のような大きな切り身を作るために必要な組織のスキャホールド(足場)や、肉の細胞と組み合わせる風味付けのための脂肪など、他の要素を培養する新たな方法の必要性についても認識している。

ということは、Future Fields(フューチャーフィールズ)、Matrix Meats(マトリックスミーツ)、Turtle Tree Scientific(タートルツリー・サイエンティフィック)などの企業にとって、最終的なブランド製品に組み込まれる要素を提供するチャンスがまだあるということだ。

またバブナー氏は製造プロセスにおいて、直接の潜在的なパートナーを超えたサプライチェーンについて考慮している。「私の家族には農家と建設業者がいます。また他にも土木技師や建築家もいます。私は農家を尊敬していますが、耕作や畜産を行う人々は、その仕事が十分に認められていないと感じます」。

同氏は、細胞株を生み出す動物の所有者が、その普及と幅広い商業生産において報酬を得られるようにできる一種のライセンス契約を通じて、農家や畜産家と協力することを想定している。

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またこれは、大規模な農業関連産業や、畜産や家畜の飼育にともなう温室効果ガス排出量を大幅に抑えるというミッションにも貢献する。食肉を生産するための動物が少なくて済むのであれば、農場の環境負荷がそれほど大きくなることはない。

「量産するだけのために動物を畜産するという、私たちが過去に犯した過ちを今後犯さないようにしなければなりません」とバブナー氏はいう。

同社はまだ始まったばかりだが、すでにサンフランシスコで最も有名な精肉店の1つと意向書を交わしている。「肉屋のガイ」として知られるGuy Crims(ガイ・クリムズ)氏は自身の店でOrbillion Bioの和牛培養肉を仕入れる契約内示書に署名している。「クリムズ氏は培養肉の熱心な支持者です」とバブナー氏はいう。

初期段階の技術が実証された今、Orbillionは迅速な拡大を目指している。同社が2022年末までにパイロットプラントを稼働させるには約350万ドル(約3億8000万円)が必要だ。これは、同社がJoyant(ジョイアント)やVentureSouq(ベンチャースーク)などの企業から調達した140万ドル(約1億5000万円)のシードラウンドに加えて必要になる額である。

「私の考える今後の統合モデルは、農家が培養肉用の動物のブリーダーになることです。これにより地球上の牛の数を数十万頭にまで減らすことができます」とバブナー氏は最終目標について語った。「培養肉の需要が増えれば、農家の仕事がなくなるといった話をよく聞きますが、すぐに畜産業が消滅するといったことにはなりません」。

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カテゴリー:フードテック
タグ:Y Combinator培養肉Orbillion Bio

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Dragonfly)

中小企業向け保険テックのNext Insuranceが276.8億円を調達、1年足らずで評価額を4428億円超に倍増

Next Insurance(ネクストインシュアランス)は先日、2億5000万ドル(約276億8000万円)の資金調達ラウンドを実施したと発表し、SMB(中小企業)に特化した保険プロバイダーの評価額は40億ドル(約4428億2000万円)となった。同社は前回、2020年9月にも2億5000万ドル(約276億8000万円)を調達しており、その時の評価額は20億ドル(約2214億1000万円)だった。今回の資金調達は、Next Insuranceが2020年12月にJuniper Labsを買収し、さらに最近では2021年3月初めにAP Integoを買収した後のことだ。

Next Insuranceは、さまざまなクラスの労働者を対象に、多数のカテゴリー(労災、商用自動車、一般賠償責任など)にまたがる中小企業向けの保険を販売している。例えば、フィットネス企業や建設関係などを考えてみて欲しい。つまり同社の狙いは、異なるカテゴリーや業界に対応した保険料を設定できるモデルで無数の中小企業を取り込み、時間をかけて他の商品にアップセルすることで、総収入保険料(GWP:gross written premium)をスケールすることにある。

Next Insuranceの新ラウンドと新しい評価額は、インシュアテック分野全体にとって興味深い時期に来ている。テクノロジーを駆使した次世代保険のニッチ分野で早期に公開されたレンタル保険のユニコーン、Lemonade(レモネード)の株価は当初に比べ落ち着いてきた。

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Lemonadeのデビュー以来、Root Insurance(ルートインシュアランス)のIPOも我々は見てきた。この自動車保険スタートアップの場合は、投資家の予想を上回る成長を遂げたにもかかわらず株価が下落し、訴訟を起こされるなど、デビュー以来苦戦を強いられている。MetroMile(メトロマイル)も自動車保険に特化したネオ保険会社で、SPAC主導の組み合わせで上場したが、取引を開始してから若干の不調が続いている。住宅保険に特化したHippo(ヒッポ)は、50億ドル(約5535億3000万円)の評価額でSPACを介して上場する意向だ

これらの数字の中には、オプティミズムもあれば、精彩を欠いた取引結果もある。どのように捉えるかは、人によって異なるだろう。

しかし、Next Insuranceの投資家たちはゴーサインを出している。そして、同社の市場全体が多少混乱していたとしても、彼らの熱意は見当違いではないと信じられる理由がある。

Nextは、前回のラウンド後の半年間でGWPが2倍になったと述べている。それを踏まえると、評価額が2倍になったのはある程度妥当に思われる。個人投資家がGWPの倍率で株を買ってくれたのなら、倍の価格で再調達し、会社が継続的に成長している間にGWPをさらに倍にしない理由があるだろうか。

では現在のNextの規模はどのくらいなのだろうか?2020年2月に同社のGWPランレートは1億ドル(約110億7000万円)に達した。そして2021年の2月には、GWPランレートが2億ドル(約221億4000万円)に達している。つまり、Next Insuranceとの買収取引が発表された時点で約1億8500万ドル(約204億8000万)の有効保険料を計上していたAP Integoの事業を除き、それより数カ月ぶん大きくなっているということだ。

この数字を明確にするために、TechCrunchはNext Insuranceに連絡を取り、GWPを2倍にした時期と、AP Integoとの契約が数字にカウントされるようになった時期の詳細を聞いた。CEOのGuy Goldstein(ガイ・ゴールドスタイン)氏からのメールによると、GWPの2倍という指標は「2020年の数字に関連しており、AP Integoの買収前に算出されたもの」とのこと。つまり現時点で同社は、以前に発表した2億ドル(約221億4000万円)のGWPランレートをはるかに超えていると推測される。

さらにTechCrunchはSPACブームについて触れ、そのような公開市場への急速な道筋を避けるつもりがあるのかどうか質問した。ゴールドスタイン氏はそれに対し「当社は常に選択肢を検討していますが、今のところはビジネスの成長に主眼を置いています」と答えた。

答えは「ノー」ということか。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Next Insurance資金調達保険

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Aya Nakazato)

NFTはアーティストとミュージシャンだけでなくマネーロンダリングの分野でも注目を浴びる

暗号資産(仮想通貨)業界に注目するメディアが、あるトレンド追っている。Google(グーグル)検索のデータによれば、NFT(非代替性トークン)に対する関心が高まっており、今ではそれが2017年のICO(イニシャル・コイン・オファリング)のブームに匹敵するレベルに達している。

証券取引委員会がICOの周辺を嗅ぎ回り、ある場合にはマネーロンダリングに使用されていたと判断されるに至ったため、ICOが話題に上ることがなくなったのは記憶に新しい。そして今、トークンを追跡できるNFTでも、悪用される可能性があることをブロックチェーン取引の専門家は感じている。トークンを追跡できるからこそ、可能性があるということだ。

NFTがある意味で、デジタル収集品であることをほとんどの読者はすでにご存じだろう(この話題を避けるのは無理がある)。対象はPDFファイルでもツイートでも、デジタル化されたニューヨーク・タイムズのコラムでも構わない。

同じアイテムのコピーがどれだけ存在するとしても、アイテムに英数字の長い文字列が書きこまれることで編集不可能になる。初期段階から暗号資産に投資してきたVenrock(ヴェンロック)のDavid Pakman(デヴィッド・パクマン)氏の説明によれば、このコードはブロックチェーンにも同時に記録されるので、アイテムの所有者に関して記録が恒久的に残るのだ。PDFやツイート、NYタイムズのコラムなどを他の人がスクリーンショットで保存することは可能でも、そのスクリーンショットをなにかに利用することはできないが、NFT所有者はその収集品をさらに高い価格で売ることが(少なくとも理論的には)可能だ。

現時点でのNFT最高額は、約15日前にデジタルアーティストのMike Winkelmann(マイク・ウィンケルマン)が「Everydays:The First 5000 Days(日常:最初の5000日)」という作品で記録した6900万ドル(約76億円)という驚くべき額だ。これは現在活動中のアーティストのうち、Jeff Koons(ジェフ・クーンズ)とDavid Hockney(デヴィッド・ホックニー)に次ぐ3番目のオークション価格である。Beeple(ビープル)という名前を使うウィンケルマンは今回の取引で、自身が2月にクリプトアート作品を売却した際の660万ドル(約7億3000万円)という記録を塗り替えた。(彼は今週の初めに、別の作品も600万ドル、約6億6500万円で売却した)。このような熱狂の中、ビープル自身はメディアに対して、クリプトアートに「注目が集まっている」が、多くのNFTが「最終的に無価値になる」だろうとも語っている。

これほど大きな金額が絡むため、専門家はNFTが犯罪の温床となることを危惧しているが、それに対する対策はまだ講じられていない。

最も現実的に考えられる問題は、取引をベースとしたマネーロンダリングだ。つまり、取引の決済と見せかけて違法な収益を合法的なもののようにするのだ。アートの世界ではこの点がすでに大きな問題になっているが、NFTは芸術作品に類似しているうえ、現在はその金額が安定していない。

ブロックチェーン分析会社Chainalysis(チェーナリシス)で政府関連業務の責任者を務めるJesse Spiro(ジェッセ・スピロ)氏は、次のように説明する。「(従来の)芸術作品を利用した取引ベースのマネーロンダリングを特定する1つの方法は、(鑑定人に)適正な市場価格を提示してもらい、関係している作品の価格と適正価格を比較することで、請求額が過大または過小である取引、つまり本来の価値に対して値段が高すぎたり低すぎたりする取引を(監視)することでした」。

一例としてNBAのハイライトクリップを取り上げるが、数多くのNFTがさまざまな価格で販売されているのは良いことだ。スピロ氏が指摘するように、この状況ではアイテムの平均価格を計算できるため、不審な取引を見つけやすくなる。

一方で、販売履歴を把握できないケースでは、最終的な価格は「購入者が払いたいと思った額になるので」、違法な取引であるとは「断定できなくなってしまう」。スピロ氏によると「当事者同士が(取引を)成立させてしまえばよいのだ」という。

デジタル資産は他の犯罪にも使われることがあり、NFTにもその可能性がある。暗号資産市場の調査会社Solidus Labs(ソリダス・ラボ)の共同創設者兼CEOであるAsaf Meir(アサフ・メイア)氏は、個人や団体が同じ金融商品を同時に売却・購入する仮装売買や、同一組織内の2つのアカウント間が関係するクロス取引などを例に挙げて指摘する。ある資産の価格について虚偽の記録を作り出し、実際の市場価格を反映させないためにそのような手法が使われる。

どちらの手法もマネーロンダリングを防止する法律では違法であるものの、この行為を取り締まることが従来の方法では特に難しい。「市場では小売が一般的なため、複数のアカウントが手を組んで、複数のアドレスを使ってさまざまなアクションを実行できてしまうことが、暗号資産市場のやっかいな点です。利益を受けるオーナーが、別々の組織や機関のアカウントを使うこともあれば、同じ機関のアカウントを使う場合もあります」とメイア氏はいう。同氏と同社の共同創設者はGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)で出会い、株式の電子取引デスクで働くうち、デジタル資産に対する監視に関する問題が解決されていないことにすぐに気づくようになった。

NFTが違法な送金に利用されるものだとすべての人が考えているわけではないことも、覚えておくべきだろう。NFTマーケットプレイスのDapper Labs(ダッパー・ラボ)にも投資しているパクマン氏は「暗号資産の推進派はこのような問題に気を悪くしていますが、政府はマーケットプレイスや取引所に乗り込み、『商売がしたければ、顧客の個人情報とマネーロンダリング防止に関する法律に従い、顧客全員の身元を確認しろ』ということができます。このようにすると、一定額を超える不審な取引については、書類確認の実施が必要になります」と語る。

この2つの手順を踏むことで、不審な取引が見つかった時に当局がマーケットプレイスや取引所を呼び出し、ユーザーの身元確認を強制しやすくなる。

不審な取引が発生してから取り締まるまでに時間が経過してしまった場合、そのプロセスがどれほど効果的かという疑問も残る。それに対するパクマン氏の回答は「どんな情報でもさかのぼって調査することは可能です。今は目をつけられていなくても、1年後にFBIが追跡し始めるのも簡単です」というものだ。

暗号資産を使ってもっと簡単に多額の資金を移転できるのに、マネーロンダリングに手を染める人たちがわざわざNFTを利用するだろうかという別の疑問もある。ブロックチェーン分析プラットフォームElementus(エレメンタス)の共同創設者兼CEOであるMax Galka(マックス・ガルカ)氏は「NFTはマネーロンダリングにもってこいの媒体にならないと私が考える理由の1つは、二次市場の流動性が低いことです」という。つまり、犯罪者が取引に関係する可能性を下げにくいというわけだ。

以前はDeutsche Bank(ドイツ銀行)とCredit Suisse(クレディ・スイス)で証券トレーダーを務めていたGalka(ガルカ)氏は、犯罪者たちがNFTを使わずに、流動性があって代替性の高い(トークン内に一意の情報が書き込まれない)トークンを分散型取引所で購入するのではないか、とも考えている。その方法を使えば、資金を追跡することは非代替性トークンよりも難しくなる。

「NFTがマネーロンダリングに利用される可能性は確かにありますが、その目的に利用できる資産がブロックチェーンの分野にたくさんあることを考えれば、(NFTをその他の方法と比べた時に)ベストな選択とはならないでしょう」とガルカ氏は語る。

チェーナリシス社のスピロ氏も理論上はこの意見に賛成しているが、NFTの作成と販売が急速に増大しているため、必要なプロセスが整備されていないことが多いと警鐘を鳴らす。

「NFTの大部分はイーサリアムのブロックチェーンで動いています。技術的に追跡可能なのは確かです。NFTを運用している組織はコンプライアンスを順守し、ブロックチェーンの犯罪捜査や分析に協力して、資金の流れを把握できるようにしていることになっています」と同氏は語る。

「取引を追跡でき、ユーザーがトークンを流通紙幣などに交換する時点で(個人情報の)提出が義務付けられており」、法執行機関や規制機関がその取引と違法行為との関連性を確認できるのが理想だと同氏はいう。

現時点ではそのような制度が整っていないことが、Nifty Gateway(ニフティー・ゲートウェイ)2021年3月初めに発生した盗難事件で露呈した。泥棒が高尚な趣味を持っていたなら、同社の顧客は収集品を取り戻すことはできなかったかもしれない。

「現在のところ、NFTに関するコンプライアンスには不明瞭な点があります」とスピロ氏はいう。

「マネーロンダリングの手法が簡単であれはよいというわけではありません。犯罪者たちが探している方法というのは、マネーロンダリングする資金を差し押さえられる可能性が最も小さい方法です。NFTがそれにあたるというわけではありませんが、弱点があれば必ずそこを突いてくるでしょう。犯罪者たちはいつでも目を凝らして抜け穴を探しているのです」とも同氏は付け加えている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFTマネーロンダリング暗号資産

画像クレジット:Beeple

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

NFTトレカゲーム「NBA Top Shot」のDapper Labsはマイケル・ジョーダンやハリウッドに支援され評価額2879億円に

Crypto Kitties(暗号仔猫)の初期の成功から「NBA Top Shot(NBAトップショット)」の爆発的な成長まで、Dapper Labs(ダッパー・ラブス)は、NFT(非代替性トークン)として知られる暗号資産コレクターズアイテムの流行の最前線に立ってきた。

そして今、ハリウッド、スポーツそして投資界の大物たちが主導する3億500万ドル(約337億8000万円)の新たな資金調達により、同社は先駆的な役割を果たしたメリットを享受している。

複数のメディアが報じたところによると、NFTが人々の想像力をかき立てている中で行われた今回のラウンドで、同社の評価額は26億ドル(約2879億円)に達したという。

今回の資金調達を主導したのは、レイターステージのテック企業の大規模なラウンドの多くを支援しているCootueだ。それに加え、NBAの伝説的な選手であるMichael Jordan(マイケル・ジョーダン)氏をはじめ、スポーツエンターテインメント界の大物たちが出資している。現役選手ではKevin Durant(ケビン・デュラント)氏、Andre Iguodala(アンドレ・イグダーラ)氏、Kyle Lowry(カイル・ラウリー)氏、Spencer Dinwiddie(スペンサー・ディンウィディー)氏、Andre Drummond(アンドレ・ドラモンド)氏、Alex Caruso(アレックス・カルーソ)氏、Michael Carter-Williams(マイケル・カーター=ウィリアムス)氏、Josh Hart(ジョシュ・ハート)氏、Udonis Haslem(ユドニス・ハスレム)氏、JaVale McGee(ジャベール・マギー)氏、Khris Middleton(クリス・ミドルトン)氏、Domantas Sabonis(ドマンタス・サボニス)氏、 Klay Thompson(クレイ・トンプソン)氏、Nikola Vucevic(ニコラ・ブーチェビッチ)氏、Thaddeus Young(サデウス・ヤング)氏、そしてRichard Seymour(リチャード・シーモア)氏の93 Venturesも出資した。

また、俳優のAshton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏とマドンナやU2のマネージャーGuy Oseary(ガイ・オザリー)氏のSound Ventures、Will Smith(ウィル・スミス)氏と本田圭佑氏のDreamers VC、シンガーソングライターのShawn Mendes(ショーン・メンデス)氏と彼のマネージャーAndrew Gertler(アンドリュー・ジェルトレル)氏のAG Ventures、女優のShay Mitchell(シェイ・ミッチェル)氏、ラッパーの2 Chainz(2チェインズ)など、エンターテインメントや音楽界の大物たちもこのラウンドに参加している。

さらにベンチャー業界からは、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)、The Chernin Group、USV、Version One、Venrockなどの戦略的投資家が参加した。

同社は今回の資金を、NBA Top Shotの継続的な構築に充てるとともに、デジタルトレーディングカードの最新プラットフォームを他のスポーツや幅広いクリエイターコミュニティに拡大するために使用するとしている。

Top Shotは、LeBron James(レブロン・ジェームズ)選手のダンクシュートなどを題材にしたアニメーション・トレーディングカードですでに5億ドル(約553億7000万円)以上の売り上げを記録しており、ブロックチェーンのコレクター向けアプリケーションにおいては、(少なくとも今のところ)上限は青天井であるように思える。

これは仮想通貨が得意とするところであり、スポーツのコレクターズアイテムの世界をはるかに超えて受け入れられている。最近、クリスティーズでデジタルアート作品が6900万ドル(約76億4000万円)で販売されたことも、アート界にとっては画期的な出来事だった。

関連記事:BeepleのNFT作品が75億円で落札、アート界に変革の兆し

Dapper LabsのCEOであるRoham Gharegozlou(ロハム・ガレゴスルー)氏はこう語った。「NBA Top Shotが成功したのは、バスケファンの心を掴んだからです。これは人々が自分の好きなチームや選手とつながるための、よりエキサイティングな新しい方法なのです。当社は、他のスポーツリーグにも同じような喜びを提供するとともに、他のエンターテインメントスタジオや独立系クリエイターがオープンプラットフォームを模索する際に、独自のアプローチを見つけられるように支援したいと思っています。NFTは、広告やスポンサーシップよりもはるかにファンのためになる、新しいマネタイズモデルを提供します」。

Top ShotシステムやDapper Labsの他の製品を支えているのは、Flow(フロー)と呼ばれる新しいブロックチェーンプロトコルで、それは主流の消費者向けアプリケーションを大規模に処理し、大量採用に対応できると同社は主張している。

Dapper Labsの声明によると、Flowは法定通貨やクレジットカードを使った取引を可能にし、仮想通貨の使いやすさを提供するとともに、仮想通貨システムにありがちな詐欺や盗難から顧客を守ることができるという。

Flowは、NFTマーケットプレイスやその他の分散型アプリケーションで、非常に高い取引コスト(「ガス料金」)や環境問題に悩まされることなく、メインストリームの需要に対応するための拡張性を実現することができると、同社は述べている。

Thirty Five Venturesの共同創業者でNBAのBrooklyn Nets(ブルックリン・ネッツ)の選手でもあるKevin Durant(ケビン・デュラント)氏はこう述べた。「NBA Top Shotは、新しい技術がメディアやスポーツファンの状況をいかに迅速に変化させるかを示す、これまでに見た中で最高のデモンストレーションの1つです。Flowブロックチェーン上で起こっているすべてのことの経過を追い、プラットフォームを使って、新しい方法でファンとつながることに興奮しています」。

すでに、Warner Music Group(ワーナーミュージック・グループ)、Ubisoft(ユービーアイソフト)、Warner Media(ワーナーメディア)、UFCなどの企業や、何千ものサードパーティの開発者、アーティスト、その他のクリエイターが、Flowのメインネットを利用して、コレクターズカードの販売やカストディアルウォレットの開発を行っている。

今回のラウンドの他の投資家は以下のとおりだ。MLB選手のTim Beckham(ティム・ベッカム)氏とNolan Arenado(ノーラン・アレナド)氏、NFL選手ではKen Crawley(ケン・クローリー)氏、Thomas Davis(トーマス・デイヴィス)氏、Stefon Diggs(ステフォン・ディグス)氏、Dee Ford(ディー・フォード)氏、Malcom Jenkins(マルコム・ジェンキンス)氏、Rodney McLeod(ロドニー・マクロード)氏、Jordan Matthew(ジョーダン・マシューズ)氏、Devin McCourty(デビン・マコーティー)氏、Jason McCourty(ジェイソン・マコーティー)氏、DK Metcalf(DK・メトカーフ)氏、Tyrod Taylor(タイロッド・テイラー)氏、そしてTrent Williams(トレント・ウィリアムズ)。NBAサクラメント・キングスのチームオーナーとして知られるVivek Ranadivé(ヴィヴェク・ラナディベ)氏や、著名なスポーツ投資家であるBolt Venturesも参加した。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Dapper LabsNFTトレーディングカードNBA資金調達

画像クレジット:NBA Top Shot

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Aya Nakazato)

【告知】TechCrunch Japanによるスタートアップコミュニティ「TC HUB」、3月31日よりサービス開始

僕たちTechCrunch Japanは3月31日、スタートアップとその支援組織、そしてTechCrunch Japan編集部をつなぐコミュニティ「TC HUB」のサービスを開始する。

TC HUBは、参加無料の招待制スタートアップ向けコミュニティだ。スタートアップ業界に関わる各ステークホルダーをつなぎ、それぞれに有益な情報をダイレクトかつスピーティーに共有することで、日本のスタートアップ業界の活性化を目指す。本日3月31日時点で、TC HUBにはすでに約120名以上のコミュニティメンバーが在籍している。

TC HUBの機能は主に3つある。コミュニティメンバーやパートナー、そして編集部との円滑なコミュニケーションを可能にする「Communication HUB(コミュニケーション・ハブ)」、スタートアップを支援する各組織とのパートナーシップにより各種ベネフィットをスタートアップに提供する「Partnership HUB(パートナーシップ・ハブ)」、そして、スタートアップのみなさんがTechCrunch Japanのドメイン上で主体的な情報発信ができるようになる「Information HUB(インフォメーション・ハブ」だ。

それぞれの機能を以下で紹介しよう。

Communication HUB

Communication HUBは、TechCrunch Japan編集部、スタートアップ、そしてスタートアップの支援組織(パートナー)が「Slack(スラック)」上でダイレクトにコミュニケーションができるサービスだ。

これまで、TechCrunch Japan編集部とスタートアップとのコミュニケーションにはさまざまなツールを用いており、かつ属人的な関係構築がなされていた。そのことで、僕たちスタートアップメディアがスタートアップ企業に対して、時に大きなコミュニケーションコストを強いていると長年感じていた。

そこでTC HUBでは、TechCrunch Japan編集部へダイレクトかつスピーディにコミュニケーションがとれるスラックを提供し、その「見えないコスト」をなくしていきたいと考えている。もちろん、スタートアップはTC HUBのパートナーである各支援組織の担当者とも簡単にコミュニケーションできる。

このCommunication HUBをつくった理由は、この業界に存在する余分なコミュニケーションコストを抑えることで、スタートアップが彼らの本来の役割である「世界を変革するプロダクトやサービスを作ること」に1分1秒でも長く集中できる環境づくりに貢献することだ。そのため、僕たちは国内にある他のスタートアップメディア編集部の参加も歓迎する予定だ。TC HUBのコンセプトに興味を持ってくれるメディアがあれば、声をかけていきたいと考えている。

また、今後はコミュニティーメンバー限定のイベントなどを実施し、スタートアップ同士の横のつながりが生まれるような取り組みを行っていく。

Partnership HUB

Partnership HUBは、TC HUBのパートナーであるスタートアップ支援組織や団体などと連携して、各種ベネフィットをスタートアップ向けに提供するサービスだ。3月31日のサービスリリース時点では、立命館大学の起業家育成コミュニティで独自のファンドも組成する「RIMIX(リミックス)」とパートナーシップを結ぶことが決定している。

RIMIXとのパートナーシップにより、TC HUBのスラック内に「大学向け専用窓口」を設置する。その窓口上で、スタートアップは大学組織との人材交流(インターンの募集など)や、大学との実証実験に向けたコミュニケーションが可能になる。

今後、僕たちは積極的にスタートアップ支援組織や団体との連携を加速し、スタートアップに提供するベネフィットの種類を増やしていく。

Information HUB

Information HUBは、通常の編集記事に加えて、スタートアップが主体となってTechCrunch Japanのドメイン上で情報発信できるサービスだ。この機能はまだ準備中で、2021年の第2四半期(4~6月)をめどにサービスをリリースする予定となっている。詳細は改めて発表するが、この機能により、スタートアップが自社のプレスリリースをTechCrunch Japanの読者に対して広く発信できるほか、スタートアップのビジネス概要などの企業データ、TechCrunch Japanの編集記事、そして上記のプレスリリースなどの情報が集約された「カンパニーページ」の提供などを予定している。

TC HUBへの参加は無料だが、招待制で以下の参加資格を設けている。

  • 過去にTechCrunch Japanへの記事掲載実績のある、もしくは掲載の予定が決まっているスタートアップ
  • TechCrunch Japanが主催する「TechCrunch Tokyo」や「Startup Battle」など各イベントへの登壇実績のあるスタートアップ

上記の参加資格を満たし、TC HUBへの参加を希望するスタートアップは以下のフォームから申し込み手続きをしていただきたい。たくさんのご応募をお待ちしている。

TC HUB、参加申し込みフォーム