韓国大手NAVER、可能性に満ちた日本と韓国の大手eコマース販売業者の成長を加速するNew Vesselに投資

eMarketerの推定によれば、2021年の日本のeコマース市場は1440億ドル(約16兆5600億円)、韓国は1210億ドル(約13兆円9200億円)だ。市場規模の大きさにもかかわらず、両国のeコマースアグリゲーターの数は、より市場規模が小さい他の国よりも少ないと、韓国のeコマースアグリゲーターであるNew Vessel(ニューベッセル)は述べている。

同社は現地時間2月15日、韓国と日本での市場獲得をにらみ、非公開のシードラウンドで資金を調達したと発表した。韓国のインターネット大手NAVER(ネイバー)、CKD Venture Capital、Wooshin Venture Investmentが共同でラウンドをリードし、Lighthouse Combined InvestmentとS&C Networksが参加した。

New VesselのCEO、Jaebin Lee(イ・ジェビン)氏はTechCrunchに対し、新たな資金は韓国と日本でのeコマースブランドの買収と、ブランド管理、マーケティング、サプライチェーン管理の専門家の追加採用に充てると語った。同社は現在、年間売上高が少なくとも100万ドル(約1億1500万円)、利益率が15〜30%のブランドを求めており、買収案件の規模は100万〜200万ドル(約1億1500万〜2億3000万円)になるだろうと同氏は付け加えた。同社は2022年上半期に買収を完了した後、6月にシリーズA資金を調達する予定だと同氏は指摘した。

画像クレジット:eMarketer(スクリーンショット).

New Vesselは、弁護士や投資家として10年以上のM&A経験を持つイ氏と、日本のEC「楽天」や韓国のEC「Coupang(クーパン)」で活躍したKyuyong Lee(イ・キュヨン)氏が2021年9月に創業した企業だ。

ここ数年、共同創業者の2人は、ThrasioやPerchなどグローバルなアグリゲーター大手の成長を目の当たりにしてきた。だが、韓国と日本におけるeコマース市場は世界でもトップクラスにあるにもかかわらず、eコマースアグリゲーター業界はまだ始まったばかりであることに気づいた。このことは、両国を拠点とするアグリゲーターにとって大きな可能性だとイ氏は話す。

「単に時間の問題です。韓国と日本のeコマースアグリゲーター市場は、未開拓の可能性に満ちています」と同氏はいう。

New Vesselは、韓国と日本の大手eコマースの販売業者の成長を加速するために彼らと提携し、実績に裏打ちされた最適化戦略と売上拡大戦術を提供するという。同社が目指すのは、米国拠点の販売業者が韓国と日本で事業を拡大するのを支援することと、逆に、韓国と日本のブランドが米国市場へ参入できるようにすることだとイ氏は述べた。同社は最近、米国と韓国に拠点を置く携帯電話アクセサリーメーカー、Spigen(シュピゲン)と戦略的提携関係を結び、オペレーションにおける強みをさらに高めた。

「韓国のオンラインブランド販売業者の大半は、自分のブランドを売り込むことが可能であることさえ認識していません。ブランドオーナーとの提携により、すばらしい製品を手頃な価格で市場に広げ、販売者だけでなく消費者全体にも価値を提供できると信じています」。

一方、グローバルなeコマースアグリゲーターのThrasioは、日本のeコマースブランドを買収するため、2021年3月に日本に事務所を設立し、アジアに進出している。

画像クレジット:Blue Planet Studio / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブックが「ニュースフィード」の名称を「フィード」に変更

Facebook(フェイスブック)のタイムラインが登場する前に、友達の「ウォール」に書き込んでいたことを覚えているだろうか?今度は、Facebookの「ニュースフィード」が私たちの記憶の中のアナクロな用語の墓場に加わる。これから「ニュースフィード」は、単に「フィード」と呼ばれることになった。

この決定は、ニュースフィードから文字通り「ニュース」を取り除いたことから見て、誤報のハブであるという評判からFacebookを切り離そうとする試みとも読める。しかし、アプリの他の領域では、Facebookはニュースソースとしての役割を果たしたいと今まで以上に力を入れている。米国時間2月14日、Facebookは、フランスでFacebook Newsを開始することを発表した。そこで、ニュースフィードの名称を変更することで、友達、グループ、ページ、イベントなどのアップデートを含む投稿を、実際のFacebook Newsセクションと区別できるわけだ。

「Facebook Newsは、Facebookのブックマークセクションに設けられた専用タブで、信頼でき関連性の高い多様なニュースソースからのニュースストーリーにスポットライトを当てます」と同社はブログポストに記している。「ジャーナリズムとコンテンツ制作に対するMeta(メタ)の継続的なコミットメントの一環として、この新しいタブは、ユーザーの皆さまにとって最も重要なストーリーを見つけるための専用スペースを提供するとともに、オリジナルの報道が全国のオーディエンスに広く届くようにします」とも。

フランスのFacebook Newsのキュレーションは独立ジャーナリストのチームが協力し「公開されるニュースの公正な概観」を確保するという。さらに、Facebookは、キュレーションされたニュースレター「Bulletin」を通じて、独自のパブリッシャーとなる。

「今回の変更は、以前から計画していたものです。『フィード』は、人々がスクロールするときに目にする幅広いコンテンツをよりよく反映していると考えています。これは、フランスで発表されたNewsタブとは関係ありません」と、Facebookの広報担当者はTechCrunchに述べている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

STORESプラットフォームのheyが新人事制度WORK LOCAL開始、居住地の制限を撤廃し採用対象エリアを全国各地に拡大

STORESプラットフォームのheyが新人事制度WORK LOCAL開始、居住地の制限を撤廃し採用対象エリアを全国各地に拡大

「お商売のデジタル化」を支援する「STORES」(ストアーズ)プラットフォームを手がけるヘイ(hey)は2月14日、新たな人事制度「WORK LOCAL」を開始すると発表した。「日本全国、どこでも居住可能」「月15万円まで交通費支給」とすることで、採用対象エリアを全国へ拡大し、多様な働き方を推進する。

WORK LOCAL」概要

  • 日本中全国どこでも居住可能
  • 交通費は月15万円まで支給
  • 特急(利用条件あり)、新幹線、飛行機の通勤も可能
  • リモート環境整備の補助金(ホームオフィスサポート)として毎月1万円支給

コロナ禍で中小事業者を取り巻く環境は大きく変化し、首都圏に限らず、ローカル(地域・地元)の事業者がネットショップの開設や、来店予約制の導入など 新たな商売の形に挑戦する機会が増えたという。heyにおいても、ネットショップ開設や予約システムなど複数のサービスを通して、街のお店のデジタル化を支援する機会が増えているそうだ。

また、heyの社員自身も働き方が多様化。都内に引っ越さずに地元から働いたり、自分や家族が望む地域へ移住したりと、社員自身が全国各地へ働く場所を広げ、その地域で暮らすことで、「こだわりや情熱、たのしみによって駆動される経済」を支えることが自然な形になりつつあるという。

同制度実施にあたり、heyの社員を対象に行ったアンケートでは、回答者の約8割が(同制度を)「活用してみたい」、さらに約3割が「すでに移住をした・これから移住を予定している」と回答(アンケート実施期間:2022年2月7日〜2月8日。回答数:72名)。新しい働き方が浸透し始めているという。

heyは、事業成長に伴い採用を強化し、特にエンジニア人材は100名の増員・強化を予定。今後の組織拡大を見据え、全国どこからでも働ける新しい人事制度「WORK LOCAL」を通して、社員の地元・地域に根ざした働き方にも柔軟に対応するとしている。

heyは、「Just for Fun」をミッションに、こだわりや情熱、楽しみにより駆動される経済の発展を支援。ネットショップ開設「STORES」、POSレジ「STORES レジ」、キャッシュレス決済の「STORES 決済」、オンライン予約システム「STORES 予約」など、商売のデジタル化を支援する「STORES プラットフォーム」の展開を通じて、誰もがこだわりをもっと自由に発揮できる社会を目指している。

体外受精治療の支払いを予測しやすくする英GaiaがAtomico主導のシリーズAで約23億円調達

Gaiaの創業者兼CEOナダー・アルサリム氏(画像クレジット:Gaia)

Gaia(ガイア)は、パーソナライズされた保険や支払いプランなどの製品を使って、体外受精(IVF)による不妊治療のプロセス全体の「リスク軽減」を目指すスタートアップだ。赤ちゃんのためのBNPL(後払い決済)に近いが、少し異なる。

このたび同社は、ロンドンのAtomico(アトミコ)がリードするシリーズAラウンドで2000万ドル(約23億円)の資金を調達した。これまでの投資家には、Kindred Capital、Seedcamp、米国のClocktower Technology Venturesが含まれる。これにより、Gaiaの累計調達額は2300万ドル(約26億5000万円)に達した。AtomicoのパートナーであるSasha Astafyeva(サーシャ・アスタフィエバ)氏は、Gaiaの取締役会に参加する。

保険や支払いプランだけでなく、Gaiaは、臨床データセットに基づいて、適切な治療を提供できるクリニックに加えて、カップルが必要と思われるサイクル数を予測する予測技術を持っているという。

Gaiaの創業者兼CEOであるNader AlSalim(ナダー・アルサリム)氏は、声明でこう述べている。「今日の不妊治療モデルは壊れています。なぜなら、不妊治療を受けたい人と、それを受ける余裕のある人との間の格差がかつてないほど大きくなっているからです。不妊治療を受けようとする人の4人に3人は、経済的な負担が大きすぎるという理由で治療を開始しません。英国と米国では、IVFを必要とする人の7人に1人しかアクセスできない状況で、肉体的にも精神的にも負担の大きい治療へのアクセス、体験、支払い方法を見直す必要があります」。

同氏によると、Gaiaのモデルでは、同社の予測技術の対象となるサイクルで生児が生まれなかった人は、治療費を低く抑えることができるという。そして、出産した人は、治療サイクル全体の費用を月々の支払いに分散させることで、全体の費用計画を立てやすくなる。

アスタフィエバ氏はこう付け加えた。「精子率の低下や晩産化など、さまざまな要因が不妊治療サービスへの需要を高めています。不妊治療に取り組む人が増えている中、経済的な理由だけで治療を断念している多くの家族を支援する上で、Gaiaのサービスは重要な役割を果たすことができるでしょう」。

今回の投資は、Atomicoのコンシューマーパートナーであるアスタフィエバ氏が、Felix Capitalからパートナーとして参加して以来、主導する2回目の投資となる(最初の投資は、LightspeedとのZappのシリーズA)。

Gaiaは、アルサリム氏が妻と一緒に自ら体外受精を利用したことで、治療にかかる費用がいかに予測不可能であるかを実感したのがきっかけとなり、2019年に設立された。

彼はこう語った。「最初の子どもを妊娠するための道のりで、IVFのサイクルを5回、2つの国にまたがる3つのクリニックで行い、5万ポンド(約7800万円)を費やしました。私たちの場合、幸運にも子供を授かることができましたが、ほとんどの人はそこにたどり着くことすらできません。そして、痛みは精神的、肉体的なものだけでなく、経済的なものでもあることに気づきました」。

同氏は、今日、15%の人が不妊治療を必要としているにもかかわらず、2%以下の人しか不妊治療を受けられていないという全体像を指摘している。「当社が解決しようとしている問題は、人々に明瞭な情報と可視性を提供し、経済的な不安を感じることなく安心して治療を受けられるようにすることです。そしてそれ以上に重要なのは、十分なサービスを受けていない人々のために市場を開拓したいということです」。

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

投資家はメタバースのキラーアプリを必死で探す、3DソーシャルネットワークアプリBUDが約17.3億円調達

投資家たちはメタバースの次なるキラーアプリを見つけようと必死だ。ユーザーが3Dのコンテンツをカスタマイズして他の人と交流できるアプリのBUDが米国時間2月13日、シリーズA+ラウンドで1500万ドル(約17億3100万円)を調達したと発表した

「どうぶつの森」を思わせるかわいらしいキャラクターが登場するBUDは2021年11月に公開されたばかりだ。調査会社のApp Annieによれば、アプリ公開から数週間で米国など数カ国においてAndroidのソーシャルアプリカテゴリーでトップ10に入ったが、その後は100位台に沈んでいる。

勢いは落ちたが、この新しいアプリに対する中国の積極的な投資家の動きは止まらなかった。「予定オーバー」であるシリーズA+ラウンドを主導したのはQiming Ventures Partnersで、Source Code Capital、GGV Capital、Sky9 Capitalも参加した。シリーズAの調達金額は明らかにされていない。新たに調達した資金は製品の研究開発と国際市場でのユーザー獲得に充てるとBUDは述べている。

SnapのエンジニアだったShawn Lin(ショーン・リン)氏とRisa Feng(リサ・フォン)氏が共同で2019年にBUDを創業し、従業員数100人の企業へと成長させてきた。2022年末までに従業員数を200人にし、グローバルの本社を暗号資産ハブとして台頭するシンガポールに開設することを目指している。

BUDのセールスポイントの1つは、テクニカルな知識がなくてもドラッグ&ドロップで簡単に3Dワールドをカスタマイズできることだ。この点が、人気のクリエイター向けメタバースアプリで韓国インターネット複合企業Naver傘下のZepetoとは異なる。中国では最近、Zheliという新しい3DアバターソーシャルプラットフォームがApp Storeの無料ソーシャルアプリカテゴリーでトップになった。

関連記事:韓国NAVER Zがメタバースクリエイター向けの約115億円ファンドを設立

BUDやRoblox、Zepetoなどはエンドユーザーがメタバースを体験できるアプリだが、メタバースを単なるバズワードではなく現実のものにするためのインフラを開発している起業家も多い。分散型決済システムを開発している人もいれば、クリエイター向けツールを作っている人もいる。後者の例としては、3Dグラフィックス開発者向け共同作業プラットフォームで最近シリーズAで5000万ドル(約57億7000万円)を調達したTachi Graphicsがある。

関連記事:500以上のモバイルアプリが「メタバース」というバズワードを使って新規ユーザーにアピール

画像クレジット:App Storeのスクリーンショット

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(文:Rita Liao、翻訳:Kaori Koyama)

オンライン文房具市場をリードするためPapierは約57.7億円のシリーズCを獲得

テクノロジーを活用して非テックな製品を世に送り出しているスタートアップPapier(パピエ)は、オンラインで販売しているパーソナライズされたノート、手帳、カードなど、紙ベースの文房具に対する強い需要を受けて、事業拡大を続けるために資金調達を行った。このロンドンのスタートアップは、シリーズCで5000万ドル(約57億7000万円)を調達した。今回の資金は、米国への進出と、より多くの紙ベース製品やペン、その他デスク収納、ペンや鉛筆などの文房具、その他の書くことを支援するあらゆる物を含むデスク周りの消耗品などの製品の拡大を継続するために使用する予定だ、とPapierのCEO兼創業者のTaymoor Atighetchi(テイムール・アティゲッチ)氏は述べている。

「世界的な文房具ブランドを作ることが使命です」と彼はインタビューで語っている。「2000億ドル(約23兆円)規模の市場でありながら、強力なオンラインブランドは存在せず、他の業種に見られるようなカテゴリーを定義するようなものはありません。今回の資金調達は、その計画の重要な一部です。グローバルに、そして米国に、私たちを押し出してくれるのです」と述べている。また、Papierは現在のところ非公開を続けるものの「株式上場は絶対にこの先の旅の一部だと考えています」とも付け加えている。

パリのVCであるSingular(シンギュラー)がこのラウンドをリードし、その他にdmg ventures(ディーエムジー・ベンチャーズ)、Lansdowne Partners(ランズドーン・パートナーズ)、Kathaka(カサカ)が新たに出資し、Felix Capital(フェリックス・キャピタル)とBeringa(ベリンガ)が以前から出資している。このスタートアップは現在6500万ドル(約75億円)を調達しており、その評価額は公表していないが、過去2年間で収益は150%成長しているという。

このラウンドにおけるPapierの主要な投資家の1人が、世界有数の新聞社であるDaily Mail Group(デイリー・メール・グループ)のコーポレートベンチャー部門であるというのは興味深いことだ。出版業界など紙媒体の産業がどんどんデジタル化している今、Papierはある意味、アナログ製品の無名から脱却し、収益基盤全体をカニバライズしない興味深いルートを提示していると言えるだろう。

同スタートアップは、伝統的なものを現代の消費者の興味を引くような方法で倍増させることで、単純に成長する機会を見出したのである。つまり、カバーデザインは、InstagramやPinterestなどのサイトで目を引くモダンなグラフィックに寄せているということだ。V&A(ブイ・アンド・エー)、Mother of Pearl(マザー・オブ・パール)、Temperley London(テンパリー・ロンドン)、Rosie Assoulin(ロージー・アズーラン)、Headspace(ヘッドスペース)、Matilda Goad(マチルダ・ゴード)などの有名企業とのコラボレーションにより、購入者の名前とひと言でそのデザインをパーソナライズする方法を提供している。

そして、これらの製品は、若い消費者の間で生まれているある種の美学に対応していると、アティゲッチ氏は考えている。現代の私たちは、何でもできるアプリで埋め尽くされた海の中を泳いでいる。今日の話題は、NFTのような仮想オブジェクトに価値を与え「株」を購入することかもしれない。ミレニアル世代やそれより若い消費者は、デジタルネイティブであるがゆえに、これらをより敏感に感じているのかもしれない。

しかし、プロダクティビティや余暇の過ごし方、そして決定的なのはお金の使い方に関して、彼らは自分たちの生活の大部分を決めているスクリーンに代わるものを積極的に探しているようだ。テクノロジーを使って生産され、販売されるPapierの製品は、現代のデジタル世界に対する保護カバーのようなものでもあるのだ。

ノートの典型的な顧客は高齢者だと思われるかもしれないが、ミレニアル世代は現在Papierの最大の顧客層で、売上全体の53%を占めており、Z世代ユーザーは最も急速に成長しているセグメントであることがわかっている。

アティゲッチ氏によると、同社の成長計画の1つは、すでに販売している製品の市場での認知度を高めることだという。英国ではブランドの認知度は約30%、米国では15%だという。つまり「当社の存在を知らない文房具バイヤー」へのマーケティングに多くの投資を行うことになる。

この点で特に注力するのが米国で、同社は2022年の売上高の40%を占めると予測しており、2019年以降5倍に成長している。

同社は、製品のデジタル版を作る予定はない。書いたメモをアプリに変換するEvernoteのようなスタイルはとらない。しかし、アティゲッチ氏は、消費者がデジタル世界から離れるための方法を提供するという考えにある他のデジタルビジネスと連携したいと述べている。実際、この分野は中小企業だけでなく、iOSに新しいモードを組み込み、通知を最小限に抑え、1日の特定の時間帯にデバイスを使用する方法を合理化することによって、人々が画面から離れるのを助けているApple(アップル)のような大手プラットフォーム企業も推進している技術だ。

「Papierは、このアナログ革命の動きを拡大するものです」とアティゲッティ氏は言い、これはPapierだけではないとも指摘した。ただ他の市場をどう見るか次第だと。「Calm(カーム)もアナログ製品を販売しています。Sleepと呼ばれています」と語っている。

投資家はそのコンセプトと将来性を高く評価している。

「このブランドの魅力は、家庭と一体化したスタイルにあります」と、SingularのNahu Ghebremichael(ナフ・ゲブレミーチェル)氏はいう。「最近では、多くの人がホームオフィスで仕事をするようになりました。以前ほど、仕事と生活を切り離して考えることができなくなっています。Papierは、その両方の領域で何かできるかもしれません」と述べる。彼女はこのラウンドで役員に加わっている。

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Operaが絵文字ベースのウェブアドレスを実現、絵文字入りURLを販売するYatと提携

ウェブブラウザのOpera(オペラ)は、絵文字だけのウェブアドレスを可能にすると、米国時間2月14日に発表した。Operaはこの新しいコラボレーションにより、インターネットに新しいレベルの創造性をもたらすとしている。この新機能は、絵文字入りのURLを販売し、Y.atドメインを所有するスタートアップYat(ヤット)との提携によって可能となった。Yatを通じて、1回購入すれば、同社があなた専用のY.atリンクを提供してくれる。

Operaは、絵文字を中心とした統合により、パーソナライズされた絵文字の文字列からYatが作成される際に生成される独自のドメインであるYatページの検索と誘導が容易になるとしている。この統合により、Opera上のYat絵文字のウェブアドレスは、従来のように「.y.at」をつける必要がなくなった。また、ウェブページに埋め込まれた絵文字は、対応するYatのページに自動的にリンクされるようになる。

「この提携は、インターネットの仕組みに大きなパラダイムシフトをもたらすものです」と、Operaのモバイル担当上級副社長であるJorgen Arnesen(ヨルゲン・アーネセン)氏は声明の中で述べた。「www(ワールドワイドウェブ)が一般に公開されてから約30年が経ちますが、ウェブリンクの分野ではそれほど大きな革新はなく、人々はいまだにURLに.comを含めています。Yatとの統合により、Operaのユーザーは、リンクに.comや単語を使わず、絵文字だけでウェブサイトを表示できるようになりました。これは、新しくて、簡単で、より楽しいことです」。

ユーザーは、Yatのページをカスタマイズしたり、ウェブ上の他の場所にリダイレクトすることができる。何人かの有名人は、Yatページを早くから採用している。例えば米国のDJであるSteve Aoki(スティーブ・アオキ)はYatページを使って自分のウェブサイトに人々を誘導し、ラッパーのLil Wayne(リル・ウェイン)のYatページは彼のレコードレーベルに案内している。Kesha(ケシャ)は、Twitter(ツイッター)のbioにYatのリンクを貼っている。

画像クレジット:Opera

もちろん、ユーザーは絵文字に対応した独自のドメイン名を購入し、Yatのリンクの代わりに使用することもできるが、Yatはこのプロセスを、時間やリソース、技術的な専門知識のない人たちにも迅速かつシンプルに行えるようにした。しかし、この便利さには代償がある。Yatの絵文字の文字数が少なければ少ないほど、高価になる。

Operaは、世界中の46億人のユーザーのうち90%以上が絵文字を使って自分を表現しており、Yatとの新しいパートナーシップは、人々にオンライン上での新しい存在感を示す方法を提供すると指摘している。また、この新しいパートナーシップにより、ユーザーはURLに英数字を入力する必要がなくなり、より充実した機能を利用できるようになると説明している。

「アーティスト、ミュージシャン、クリエイター、ビジネスオーナーあるいはフォロワーを増やしたい人など、Yatの絵文字を使って簡単にコミュニティとつながり、コンテンツを共有できるこの統合は非常に重要です」と、Yatの共同設立者兼CEOであるNaveen Jain(ナヴィーン・ジェイン)氏は述べた。

今回の発表は、Operaが先にWeb3「Crypto Browser」のベータ版を発表したことを受けてのものだ。それには、暗号資産ウォレットの内蔵、暗号資産/NFT取引所への容易なアクセス、分散型アプリ(dApps)のサポートなどの機能が含まれている。このブラウザの目標は、Web3のユーザー体験を簡素化することだ。

関連記事:Operaが暗号資産ウォレットやdAppsサポートを搭載したWeb3「クリプトブラウザ」ベータ版で提供開始

画像クレジット:Opera

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

インドがGarenaのゲーム「 Free Fire」など新たに54の中国関連アプリを禁止

インドは、Tencent(テンセント)の「Xriver」、Garena(ガレナ)の「Free Fire」、NetEase(ネットイース)の「Onmyoji Arena」と「Astracraft」、さらに中国との関連が明らかな50のアプリを禁止した。過去1年半にわたって続いている国家安全保障を理由とした同様の禁止措置の最新の動きだ。

新たに禁止されたアプリの中には「Sweet Selfie HD」「Beauty Camera」「Viva Video Editor」「AppLock」「Dual Space Lite」などが含まれる。これらは、長期にわたる国境紛争をめぐってインドと中国の間で地政学的緊張が高まる中、インド政府が2020年半ばから禁止している中国関連の300以上のアプリの多くのクローンまたはリブランディングしたものだ。

この問題に詳しい人物によると、インドの電子工学・通信技術省は、2000年に制定されたIT法69a条に基づいてこの命令を出したという。

Google(グーグル)の広報担当者は声明の中で、この命令を認め、同社はこれに従っていると述べた。

「IT法第69A条に基づいて下された暫定命令を受け、確立されたプロセスに従って、影響を受ける開発者に通知し、インドのPlay Storeで利用可能なままになっているアプリへのアクセスを一時的にブロックしました」と、Googleの広報担当者は現地時間2月14日に述べた。

画像クレジット:Jakub Porzycki / NurPhoto via Getty Images

Garenaの「Free Fire – Illuminate」は、すでにインドのGoogle Play StoreとApple(アップル)のApp Storeから削除されたが、今回削除の対象となったものの中で最も人気のアプリのようだ。

分析会社App Annie(アップアニー)がTechCrunchに提供したデータによると、東南アジアの大手ゲーム会社Sea(シー)が所有するこのバトルロイヤルゲームの1月の全世界の月間アクティブユーザーは7500万人で、うち4000万人超がインドのユーザーだった。また、SeaはTencentを最大の投資家に数え、インドでソーシャルコマースShopeeのテストもひっそりと行っている。

禁止令のニュースは、インドのGarenaのチームにとって驚きだった。同社は、ゲームをさらに宣伝し、インドでより多くのユーザーや著名なゲーマーを引きつけるために、トーナメント組織との契約を獲得しようとしていたと、この問題に詳しい人物はTechCrunchに語った。Seaはこの展開についてすぐにコメントを出さなかった。

インドにおける一連のアプリ禁止は2020年6月下旬に始まった。世界第2位のインターネット市場であるインドは、国家安全保障上の懸念から「TikTok」、Alibaba(アリババ)の「UC Browser」、Tencentの「WeChat」など中国と関連する数十のアプリを禁止した

関連記事:インド政府がTikTokなど中国企業の59のアプリを禁止すると発表

インド政府は、こうした発表の中で中国について明確に言及したことはなく、2月14日の動きについても公式な声明は発表していない。インド政府はこれまでの禁止措置のほとんどで、アプリがユーザーのデータを収集、採掘、プロファイルする方法は、インドの国家安全保障と防衛にリスクをもたらす、と述べてきた。

過去1年半で、インド政府は人気タイトル「PUBG」を含む300以上の中国関連アプリを禁止してきた。「PUBG」がインドでGoogle Play StoreとAppleのAppStoreに何らかのかたちで復帰したことがわかっている唯一のアプリであることに変わりはない。

関連記事
大ヒットゲーム「PUBG Mobile」のインド復帰をまつわるさまざまな疑問インド政府がTikTokやUC Browserなど59の中国製アプリを引き続き禁止

他にもいくつかの企業やアプリ運営会社がインド政府の懸念に対応しようとしたが、インド政府は2021年初めに対応が不十分と判断し、決定を留保した

アプリのダウンロード数による市場規模、データ期間:2021年(画像・データクレジット:App Annie)

インドは、アプリのインストール数で世界的に見ても圧倒的に大きな市場だ。App Annieによると、2021年にインドは250億回以上のダウンロードを記録した。

米国の大手企業はもちろん、中国や韓国など他の国の企業も、次の大きな成長地域を求めて、過去10年間にインドに積極的に注力してきた。それに比べ、中国で事業を展開しているインド企業はほんの一握りにすぎない。

インドが「TikTok」の禁止令を撤回することを拒否した後「TikTok」の親会社ByteDance(バイトダンス)はインドの従業員の大部分を解雇し、TechCrunchが報じたように最近では同国でのEdtech事業を停止した

「TikTok」がインドで禁止されたことで、いくつかの地元のスタートアップが短編動画アプリを立ち上げて人気を集め、10億ドル(約1155億円)超の資金を調達した。しかしこれは「TikTok」が他のいくつかの海外市場に深く進出したため、ByteDanceの収益にはあまり影響がなかった。インドのソーシャルネットワーク「ShareChat」とオンデマンドストリーミングサービス「MX Player」は2月10日、同国の短編動画アプリを統合すると発表した。これは9億ドル(約1039億円)規模の取引だ。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

スキンケア・コスメティックのD2Cブランドを展開するリバースラボが約2億円調達、新規商品を開発・既存商品改良

スキンケアD2C「sirobari」とコスメティックD2C「sirocos」を展開しているリバースラボは2月10日、第三者割当増資による総額約2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、ダイヤモンドファンタジーおよび複数のエンジェル投資家。2019年11月設立以来初のエクイティファイナンスとなる。調達した資金は、新規商品の開発と既存商品の改良、プロモーション活動にあてる。

スキンケアやコスメティックといった化粧品の多くは、店頭などオフライン販売が主流となっている。これにより大資本による絞り込まれたラインナップの商品が安価に購入できるものの、ニッチな悩みやコンプレックスを解消するための商品は販売チャネルが限られ高価格帯になってしまうという。リバースラボは、「ニッチな悩みやコンプレックスに寄り添ったラインナップの構築」「機能性重視の商品開発」「ポジティブでスタイリッシュな商品パッケージの開発」「継続しやすい価格とサービスの提供」などにより、顧客の心理的・物理的なハードルを抑えたプラットフォームを提供し、共に解決できる企業を目指し、資金調達を実施したという。

2019年11月設立のリバースラボは、「ー戻ることは罪じゃないー RETURN TO INNOCENCE」をコンセプトに、スキンケア・コスメティックのD2Cブランドを運営するほか、他社D2Cブランドの立ち上げ支援コンサルティングを提供。sirobariは発売から1年半経過しており、累計販売数30万枚を超えるという。

バーチャルイベントで急成長したユニコーンHopinが「持続可能な成長」を理由に12%の人員削減

複数の情報筋によると、パンデミックの中で急速に規模を拡大したことでしばしば称賛されるバーチャルイベントプラットフォームのHopin(ホピン)が、スタッフの12%に当たる138名のフルタイム従業員と、一部の契約社員を削減したとのこと。TechCrunchに対しリストラを認めたHopinの広報担当者は、影響を受けた従業員には、3カ月分の報酬、健康保険、およびラップトップを支給することも確認している。また、株式の権利確定条件となっている1年間の対象勤務期間を取り除き、人材紹介会社のRiseSmart(ライズスマート)を利用して就職活動を支援するとのこと。

「前例のない成長といくつかの買収を経て、当社はより効率的で持続的な成長のための目標に沿って組織を再編します」と同社はTechCrunchへの声明で述べている。「チームメイトと別れるのは簡単なことではありませんが、彼らがHopinに与えてくれたインパクトに深く感謝しています」とも。

TechCrunchが入手したスクリーンショットによると、HopinのCEOであるJohnny Boufarha(ジョニー・ブファラート)氏は、同社のSlackにこの組織再編に関する声明を投稿している。

同氏は「当社は必要な財務規律と組織的な厳密さを確保しつつ、より効率的になることを約束します」と記している。また、今回のリストラは、急速な成長と買収に伴い「ビジネスに忍び寄るオーバーラップや重複を解決するため」と指摘している。注目すべきは、HopinはStreamYardを2億5000万ドル(約290億円)で買収したのを含め、2021年だけで5社を買収していることだ。

この声明は、Hopinが56億5000万ドル(約6548億円)の評価額で4億ドル(約464億円)の資金調達を完了したわずか11カ月前とは異なるトーンを示している。当時、ブファラート氏はTechCrunchに対し、彼の会社は「2022年には運用面でIPOの準備を整えていくつもりだ」と述べていた。ベンチャー支援を受けたこのスタートアップは、Crunchbaseによると、Tiger Global(タイガー・グローバル)、Andreessen Horowitz(a16z、アンドリーセン・ホロウィッツ)、General Catalyst(ゼネラル・カタリスト)、Accel(アクセル)、Slack Fund(スラック・ファンド)、Coatue(コートゥ)、Salesforce Ventures(セールスフォースベンチャーズ)などのトップ投資家から、2年間で最大10億ドル(約1159億円)の既知のベンチャーキャピタルを集めている。

このユニコーン企業でリストラが行われているというニュースを最初に報じたレポーターのGergely Orosz(ゲルゲリー・オロッシュ)氏は、記事の中で「Hopinの最大の問題は、パンデミック時の需要に目を奪われ、アフターコロナの世界への準備ができていなかったことだ」と指摘している。

パンデミックで増幅された需要に追いつくために、スタートアップが急成長を求めて規律を失ったというよく似たストーリーは、ここ数週間で他の業界にも波及している。

Peloton(ペロトン)は、この「得やすいものは失いやすい」トレンドを最も顕著に示しており、今週、2800人の雇用を削減し、CEOのJohn Foley(ジョン・フォーリー)氏を会社の指揮から外した。この動きは、フィットネス機器メーカーであるPelotonが、消費者からの需要の低迷により、トレッドミルやバイク製品の生産を停止せざるを得なくなったことを受けての措置だ。

画像クレジット:AndreyPopov / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Aya Nakazato)

アダルト系SNS「OnlyFans」が認証済みNFTをプロフィール画像にできる機能を提供

Twitter(ツイッター)に続き、NFTプロフィール画像の波に乗るのは誰になるとあなたは考えていただろうか。アダルトコンテンツで成長したにも関わらず妙にイメージをクリーンアップしようとしている、NSFW(職場閲覧注意)クリエーター収益化プラットフォームであるOnlyFans(オンリーファンズ)と予想していたなら、大当たり!……と喜ぶのは、今はOnlyFansまでもがNFTをプロフィール画像に使うのかと認識するまでの話で、誰も勝者はいないのかもしれない(暗号資産を愛するとともに、NSFWクリエイターの仕事に報酬を与えたいと思っている人々を除けば)。

OnlyFansは、ユーザーが認証済みNFTをプロフィール画像として表示できるようになったと、英国時間2月10日に発表した。Reutersの報道によると、OnlyFansは2021年12月にこの機能を導入したという。TechCrunchはOnlyFansに連絡を取り、この報道を確認することができた。

OnlyFansでは、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーン上で鋳造されたNFTのみがサポートされ、Ethereumアイコンが表示される。ユーザーはNFTのプロフィール画像をクリックすると、OpenSea(オープンシー)によるそのデジタル資産に関する詳細情報を見ることができる。

新たに就任したOnlyFansのCEO、Ami Gan(アミ・ガン)氏はこう述べている。「この機能は、NFTが当社のプラットフォームで果たすことのできる役割を模索するための第一歩です」。

OnlyFansは2021年、NSFWコンテンツをプラットフォーム上で禁止すると発表し、クリエイターの生活を根底からくつがえす事態になりかけた。このニュースは、MastercardとVisaの規制が変更されたことを受けてのものだった。しかしその後、同社は「OnlyFansがあらゆるジャンルのクリエイターをサポートできることを銀行パートナーが保証したため、変更の必要がなくなった」ことを明らかにし、この決定を撤回した。それでも、OnlyFansのクリエイターたちにとっては、クレジットカード会社の気まぐれによって、いつプラットフォームが崩壊するかわからないという警鐘を鳴らした出来事になった。

セックスワーカーが安定した収入を得られるよう支援することは、実は暗号資産のユースケースとしては悪くない。元OnlyFansのクリエイターであるAllie Rae(アリー・レイ)氏は、現在、暗号資産を中心としたOnlyFansの代替サービスであるWetSpace(ウェットスペース)に取り組んでいる。

クレジットカード会社とは異なり、パブリックブロックチェーンは、気まぐれに変更してポルノの購入を禁止することはできない。しかし、これまで見てきたように、十分な勢いのある中央集権型取引所は、特定の種類のトークンへのアクセスや市場活動を減らすことができる。もちろん、変動が激しく、時には詐欺まがいのこともあるこの分野に手を出したくないファンとクリエイターの両方にとって、暗号資産は障害にもなり得る。しかし、それはともかく、NFTのプロフィール画像を可能にすることで、OnlyFansは暗号資産を含む将来に向けたジェスチャーをしているのかもしれないし、それはポルノビジネスを続ける未来を意味するかもしれない。

TwitterやOnlyFansのほか、Reddit(レディット)もNFTプロフィール画像機能をテストしており、YouTubeも公的にこのアイデアを検討している。

YouTubeのチーフプロダクトオフィサーであるNeal Mohan(ニール・モーハン)氏は10日、Reutersへのアミ・ガン氏の発言を受けて「ブロックチェーンやNFTのような新しい技術によって、クリエイターはファンとより深い関係を築くことができると考えています」と書いている。

「当社の使命は、クリエーターが自分の可能性を最大限に発揮できるようにすることです」とOnlyFansのガンCEOは述べた。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

Netflixがビットコインのボニー&クライド「Bitfinexスキャンダル」を描いた映画制作へ

先にハッキングされて盗まれたとされる36億ドル(約4160億円)相当のBitcoin(ビットコイン)を米司法省が押収したというニュースが流れたとき、我々はいくつかの疑問を抱いた。今回の発表は、政府による暗号資産への介入についてどのような意味を持つのか?このスキャンダルは、長期的に分散型金融の分野に影響を与えるのか?そして最も重要な質問は、いったいどのストリーミングサービスが、ビットコインのボニーとクライドについてのドキュメンタリーを制作するのか?

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少なくとも、疑問の1つは解決した。米国時間2月11日、Netflix(ネットフリックス)は、「FYRE: The Greatest Party That Never Happened(FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー)」や「Tiger King(タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!)」を手がけたChris Smith(クリス・スミス)監督の協力を得て、同社が「史上最大の金融犯罪事件」と形容するこのストーリーを描くことを発表した。スミス監督は、セラノスの没落を描いたHBOのドキュメンタリー映画「The Inventor: Out for Blood in Silicon Valley」をプロデュースしたNick Bilton(ニック・ビルトン)氏とともに製作総指揮を務める。

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Elizabeth Holmes(エリザベス・ホームズ)やBilly McFarland(ビリー・マクファーランド)のストーリーと同様に、スミス監督とビルトン氏が使えるネタはここでもたくさんある。犯罪者とされているIlya “Dutch” Lichtenstein(イリヤ・”ダッチ”・リヒテンシュタイン)容疑者とHeather Morgan(ヘザー・モーガン)容疑者(彼女は「Razzlekhan」という名前でラッパーとしても活動していた)は、米国時間2月8日に約12万ビットコイン(現在50億ドル、約5770億円相当)の資金洗浄を共謀した容疑で逮捕された。現在、この夫婦デュオは裁判を待っているが、検察官が逃亡の危険性があると判断したため、保釈は認められなかった。Bloombergによると、リヒテンシュタイン容疑者は「ペルソナ」と書かれたフォルダを保管しており、パソコンには偽パスポートへのリンクがある「Passport_ideas」というファイルがあった。さらに検察官は、「バーナー電話」と書かれたビニール袋が2人のベッドの下から見つかったと付け加えている。実話をベースにした映画がハリウッドを動かし続けるのは、こんな話を作ろうと思っても作れないからだ。

画像クレジット:Nuthawut Somsuk / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

ハリウッドではすべてがリブートされる、そう散々なサービスだった映画見放題サブスクMoviePassでさえも

MoviePass(ムービーパス)の2.0キックオフ記者会見は、ふわさしく不安定なスタートとなった。近日公開の映画の予告編をモンタージュしたエネルギーにあふれる紹介の後、創業者で新オーナーのStacy Spikes(ステイシー・スパイクス)氏が、音声の問題がある中で登壇し、最終的にはハンドマイクに切り替えることとなった。

スパイクス氏は、これまでの苦労をどうこういうよりも、物事を(少しは)笑い飛ばすことを学んだようで、これまでの経緯の表現として後ろのスライドにある「The Hindengurg(ヒンデンブルグ号)」の画像をすぐにクリックした。

リンカーン・センターで行われたイベントの最初の数分間は、この企業で何が問題だったのかを説明することに費やされた。「まず、基本的に何が起こったかを話します」と彼は笑いながら説明した。スライドは、MoviePassのCEOであるMitch Lowe(ミッチ・ロウ)氏とHelios and Matheson(ヘリオス・アンド・マシソン)のCEOであるTed Farnsworth(テッド・ファーンズワース)氏が笑顔でMoviePassカードを掲げているページに進んだ。スパイクス氏は、和やかな会場からの野次のようなものを振り払った。

「多くの人がお金を失い、多くの人が信頼を失いました。傷つき、失望した人々がたくさんいました。私もその1人でした」と説明した。買収から3年足らずで、Helios and Mathesonは連邦破産法第7条の適用を宣言し、MoviePassの運命はその過程で決まってしまった。

画像クレジット:MoviePass

2022年のスタートアップにふさわしい展開として、スパイクス氏は、MoviePassが再び市場に戻ってきたことを、同社の壮絶な盛衰を描いた映画を制作しているドキュメンタリークルーから知らされたという。入札から21日後、破産裁判所が買収を承認した。2021年11月、このニュースが流れた直後にスパイクス氏に話を聞いたところ、彼はアプリの技術的な問題について、次のような非常に率直な評価をしていた。

あれは技術的な問題ではなく、意図的なものでした。私がCEOだったとき、MoviePassのアプリはちゃんと動いていました。機能していたんです。人々は、そのサービスの使いやすさを気に入っていました。行きたいところどこにでも行けるし、どの映画館にも歩いていけます。私たちは、Fandango(ファンダンゴ)とMovie Tickets(ムービーチケット)を合わせたよりも大きなフットプリントを持っていました。おそらくドライブインやキャッシュオンリー以外ならどの映画館でも、MoviePassを使うことができたのです。その使い勝手の良さとシンプルさは完璧でした。そのために、私たちは何年も働きました。その後の展開は、すべて意図的なものでした。技術的な問題ではありません。AMCシアターの撤退を決めたのも、アプリが完全に動作しないのも、技術的な問題ではなかったんです。

その古傷が一夜にして癒えるものではないことは明らかだが、今日のイベントは、2022年の夏にローンチする(と予定されている)MoviePass2.0の形についてのものだった。また、スパイクス氏が再始動に際して株式クラウドファンディングの呼びかけを行っていることもわかった。同サービスのサイトには、出資に興味のある人向けの登録フォームがある。十分な資金を使えば、生涯会員になることができる。

ある意味、オリジナル版は自身の成功の犠牲者であり、持続不可能な速度で成長していた。スパイクス氏のプレゼンは、控えめな成長計画と、2030年までに全劇場販売数の30%を促進するという「ムーンショット」の間をいこうとするものだった。

画像クレジット:MoviePass

この新サービスの核となるのがクレジットシステムであり、その基盤はWeb3の技術によって培われているという(この点については、あまり詳しい説明はしていない)。例えば、ある映画を火曜日の午後に見るか、金曜日の夜に見るかなど、さまざまな変数に応じて、映画の料金は異なるクレジット数になる。クレジットは、月単位で翌月に繰り越され、取引も可能だ。また、クレジットを消費して友人を連れてくることもできるという。

MoviePassは、これを「暗号資産」と呼んでいる。スパイクス氏が設立したPreshow(プレショー)上で流れる広告を閲覧することで、ユーザーが獲得できる通貨だ。TechCrunchのAnthony(アンソニー)は、2019年に行われたこの機能のデモについて、このように説明していた

スパイクス氏は先週、私のためにこの機能のデモを行い、彼の顔がPreshowアプリのロックを解除する様子を見せてくれました。彼が観たい映画を選ぶと、その映画に合わせて特別に選ばれた動画広告が表示され、彼が画面から目をそらしたり、携帯電話から離れすぎたりすると、広告の再生が停止されるんです。(ユーザーからのフィードバックにより、感度を上げたり下げたりすることができるようだ。)

ユーザーが見るのを止めた瞬間に広告が止まるというビジュアルは、確かに衝撃的であり、すでにディストピアとの比較もされているようだ。しかし、ここで少し正直にいうと、これは広告マネタイズの未来でもあるのだ。さらに、新MoviePassは、このサービスと提携する映画館の登録も開始している。現在、ニューヨークのAngelika(アンジェリカ)をはじめ、いくつもの映画館が参加しているという。

画像クレジット:MoviePass

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(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Disney+は第1四半期に新規加入者1180万人を獲得、Netflixを上回る

Disney(ディズニー)は、2022年第1四半期の決算発表の一環として、Disney+が同四半期に1180万人の新規加入者を獲得して会員数が1億2980万人に達したと発表し、2024年までに会員数2億3000万〜2億6000万人達成という目標に向けて順調だと述べた。前の四半期は200万人の加入者増にとどまっていたが、今期は予想を上回った。

Disneyは、Disney+の全世界の加入者数を、米国内と海外のカテゴリー別に分類した。加入者数は、米国とカナダで4290万人、それ以外では4110万人だった。また、Disney+ Hotstarの加入者数は4590万人で、これはDisneyとStar Indiaの既存ストリーミングサービスとの協業で展開されているサービスだ。

Disney+の成長は、ウォール街が予想した新規加入者約700万人を上回った。また、Netflix(ネットフリックス)は2015年以来最低の加入者増を記録し、予想の850万人に対し新規加入が830万人にとどまるという冴えない四半期だったが、Disney+の成長はストリーミング業界の状況に対する投資家の懸念を和らげたかもしれない。

Disneyの他のストリーミングサービスについては、Huluが660万人の新規加入者を獲得して会員数を4530万人にし、ESPN+は420万人を追加して2130万人に達した。Disneyのストリーミングサービス全体の契約数は1億9640万に達している。

同社の株価は、好決算を受けて8%上昇した。同四半期はパーク事業も回復した

DisneyのCEOであるBob Chapek(ボブ・チャペック)氏は決算説明会で投資家に対し、Disney+の同四半期中の成功は、本業の成長と新しいコンテンツの組み合わせによるところが大きいと述べた。同四半期にDisney+は、オスカーにノミネートされた「Encanto(ミラベルと魔法だらけの家)」「Eternals(エターナルズ)」「Hawkeye(ホークアイ)」「The Book of Boba Fett(ボバ・フェット)」などの有名作品をリリースしている。チャペック氏は、毎週1本、新作品をリリースするという目標を達成し、この目標を2倍にする計画だと述べた。

Disneyは今会計年度に、新規加入者獲得に向けて新コンテンツに330億ドル(約3兆8055億円)を注ぎ、第1四半期の勢いを持続させることを目指している。また、チャペック氏は、Disney+加入者が2024年度末までに2億3000万人〜2億6000万人に達するという軌道を維持していると説明した。

さらにチャペック氏は「Star Wars:Revenge of the Sith(スター・ウォーズ/シスの復讐)」の10年後を描くStar Wars新Disney+シリーズ「Obi-Wan Kenobi(オビ=ワン・ケノービ)」が5月25日に配信されることを明らかにした。このシリーズでは、若き日のオビ=ワンをEwan McGregor(ユアン・マクレガー)氏が再び演じ、その他にHayden Christensen(ヘイデン・クリステンセン)氏、Moses Ingram(モーゼス・イングラム)氏、Joel Edgerton(ジョエル・エドガートン)氏、Kumail Nanjiani(クメイル・ナンジアニ)氏、Indira Varma(インディラ・ヴァルマ)氏、Rupert Friend(ルパート・フレンド)氏らが出演する。

別のStar Wars新Disney+シリーズとして「Andor」が2022年中にスタートする予定だ。このシリーズでは、Diego Luna(ディエゴ・ルナ)氏が「Rogue One(ローグ・ワン)」で演じたCassian Andor(キャシアン・アンドー)役を再び演じる。また、Stellan Skarsgård(ステラン・スカルスゲールド)氏、Adria Arjona(アドリア・アルホナ)氏、Fiona Shaw(フィオナ・ショウ)氏、Denise Gough(デニース・ゴフ)氏、Kyle Soller(カイル・ソラー)氏、Genevieve O’Reilly(ジェネヴィーヴ・オーライリー)氏らが出演する予定だ。

Disney+が目指す会員数は、2022年夏に欧州、中東、アフリカの42カ国と11地域でストリーミングサービスが開始されることにともなうものだ。注目すべきは、南アフリカ、トルコ、ポーランド、アラブ首長国連邦などの新しい国々だ。Disneyは、これらの新しい国でサービスを開始する正確な日付を特定しておらず、地域ごとの価格に関する情報も出していないが、今後数カ月のうちに明らかにするはずだ。現在、Disney+は米国、カナダ、英国を含む64カ国で提供されている。

同社は、2023年会計年度までにDisney+を提供する国を2倍以上の160カ国以上に増やすことも明らかにした。消費者向け直販ストリーミング事業をさらに多くの市場に拡大する計画で、この推進のために新たにInternational Content and Operationsグループを設立する。

Disney+は2019年後半に始まり、過去数年間、Netflix、Amazon Prime Video、その他複数のストリーミングサービスと競合してきた。Disney+は、主にMarvel(マーベル)やStar Warsのコンテンツを有していることで、ストリーミング分野でその名を轟かせることができた。

ESPN+については、チャペック氏はCNBCとのインタビューで、DisneyがNFLの中継Sunday Ticketの放映権に入札するつもりであることを明らかにした。NFLのSunday Ticketの独占プロバイダーとしてのDirecTVの契約は、2022年のNFLシーズン後に切れることになっており、Amazon(アマゾン)やApple(アップル)など多くの企業が契約について初期交渉している。チャペック氏は、スポーツ番組が同社のストリーミング戦略の極めて重要な部分だと概説した。

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッターが2月12日午前2時すぎからダウン、現在は復旧済み

Twitterの翼が切り取られたようだ。Downdetectorに寄せられたユーザーの報告によると、Twitterは日本時間2月12日午前2時15分(米国東部標準時時間2月11日午後12時15分)ごろからダウンしていた。少なくとも45分間は停止しており、一部のユーザーはより多くの問題を抱えているようだ。

この障害はウェブとモバイルアプリの両方に影響を与えているが、Downdetectorによると、より多くのユーザーがウェブの問題を報告しているという。

TechCrunchはTwitterに、障害の原因やその影響がどの程度広がっているかについてのコメントを求めている。

この障害が最初に報告されてから約1時間後、Twitterサポートは以下の声明を発表しており、現在は復旧しているようだ。

タイムラインの読み込みやツイートの投稿を妨げていた技術的なバグを修正しました。現在、正常に動作しています。お待たせして申し訳ありませんでした。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Katsuyuki Yasui)

【コラム】ソーシャルメディアは科学と「根本的に対立」している可能性がある

米国時間2月11日に発行されたScience(サイエンス)に掲載された特別論説が、現在の形式のソーシャルメディアは、事実や道理を提示したり広めたりする目的には根本的に適していないのではないかと論じている。論説は、現在はアルゴリズムが主導権を握っており、システムの優先順位は残念ながら逆になっていると主張している。

ウィスコンシン大学マディソン校のDominique Brossard(ドミニク・ブロサール)氏とDietram Scheufele(ディートラム・ショイフル)氏は、その鋭い(そして無料で読むことができる)意見の中で、科学者が必要とするものとソーシャルメディアプラットフォームが提供するものとの間の基本的な断絶について説得力のある説明を行っている。

彼らは「科学的な議論のルールや、証拠の体系的、客観的、透明な評価は、ほとんどのオンライン空間における議論の実態と根本的に対立している」と述べる。「ユーザーの怒りや意見の相違を収益化するように設計されたソーシャルメディアプラットフォームを、懐疑的な人々を説得するために用いる(たとえば気候変動やワクチンは確立した科学領域では議論の余地はないということ)ことが、生産的な手段であるかどうかには疑問が残る」。

科学者によるコミュニケーションの効果を減少させるソーシャルメディアの最も基本的な特性は、広汎な分類ならびに推奨エンジンの存在だ。これにより、ブロサール氏とショイフル氏が「homophilic self-sorting(同一傾向自己分類)」と呼ぶものが生みだされる。つまり、あるコンテンツを見せられる人は、すでにそのコンテンツに馴染んでいる人なのだ。言い換えるなら、彼らは聖歌隊に向かって説教しているのだ。

「科学に好意的で好奇心旺盛なフォロワーを、科学者のTwitter(ツイッター)フィードやYouTube(ユーチューブ)チャンネルに連れてくるのと同じ営利目的のアルゴリズムツールが、一方では最も緊急に科学を必要としている人たちから、科学者をますます遠ざけることになるだろう」と彼らは書いている。ここには、明らかな解決策は存在しない「その原因は、科学情報のエコロジーにおけるパワーバランスの地殻変動にある。ソーシャルメディアプラットフォームとその基盤となるアルゴリズムは、急速に拡大する情報の流れをふるいにかけようとする受け手の能力を上回り、その過程で感情的・認知的な弱点を利用するようにデザインされている。このような事態になっても不思議はない」。

Scienceの編集長であるH. Holden Thorp(H・ホールデン・ソープ)氏はいう「だがそれはFacebook(フェイスブック)にとって収益化の良い手段なのです」。

このテーマで論説も書いているソープ氏は、私に対して、最近の科学者とソーシャルメディアの関わり方には、少なくとも2つの明確な問題があると話してくれた。

「その1つは、特にTwitterでは、科学者たちがそれを使って、詳しく議論したり、アイデアを公然と広めたり、支持したり、撃墜したりするのが好きだということです。これらはかつて、科学者たちが黒板を囲んだり、会議をしている時にやっていたことです」と彼はいう。「こうしたことはパンデミック以前から行われていましたが、今ではそのようなやりとりが行われる主要な手段となっています。その問題点は、もちろん、今や永久的な記録が残るようになっているということです。そして、通常の科学の検討過程では当然破棄されるような、一度は提出されたものの間違っていることが判明した仮説のいくつかが、私たちのやっていることを台無しにしようとしている人々によって選ばれてしまうのです」。

そして「2つ目は、素朴すぎるアルゴリズムです。特にFacebookのアルゴリズムは、意見の相違や意見の相違を広める非公式な投稿に非常に高い評価を与えています。たとえば『私の叔父はマスクをして教会に行ったが、新型コロナウイルスに感染した』というような情報も、拡散すれば権威ある情報に勝るものとして扱われることになるでしょう」と彼は続けた。

ブロサール氏とショイフル氏が指摘するように、このような状況が重なると、科学者は「明らかに不利な立場に置かれる【略】わかりやすい結論よりも、専門的な規範や倫理的立場から信頼性のある累積的な証拠を優先する、公開討論における少数派のようなものだ」。

関連記事:ソーシャルメディアCEO3人が米下院公聴会で反ワクチン誤情報アカウントを削除するか聞かれ言葉を濁す

残念ながら、科学的な面では誰もができることではない。間違いなく、システムに参加すればするほど、自分の周りのサイロを強化することになる。私たちはあきらめるべきだと主張する者はいないものの、問題は科学コミュニティが、ソーシャルメディア上で偽情報の行商人たちよりも発信力が弱いことだけではないということを認識する必要がある。

ソープ氏は、これは数十年前から続く反事実主義的な傾向と政治化の最新局面に過ぎないと認めていいる。

「人々は、これが非常に単純なことであることを認識せずに、少し感情的になっている傾向があると思います。たとえば政党は同じ立場を取ることはないでしょう、すると片方が科学的に厳格な場合、もう1つは科学に反する立場をとることになります」と彼は説明する。彼は、民主党が科学の側に立つことが多いのは確かだが、遺伝子組み換え作物や原子力では反対側に立ったこともあると指摘した。重要なのは、誰が何に賛成しているかではなく、2つの政党が反対の意見を唱えることで自らを定義していることだ。

「これは、科学に賛成するよりも、科学に反対する方が政治的に有利だということに気づいた政党の振る舞いなのです」と彼はいう。「なので科学者がただ『メッセージが伝わらない』と言っているのは呑気な態度なのです、彼らが直面しているのは、今やFacebookの力を背景にした政治マシーンなのですから」。

ブロサール氏とショイフル氏は、最後の論点として、Deep Blue(ディープ・ブルー)によるGarry Kasparov(ガルリ・カスパロフ)氏の敗北を示した。その敗北後、スーパーコンピュータを出し抜くための特別なトレーニングを追求するひとはおらず、カスパロフ氏のプレイが不十分だと非難するひともいなかった。そのショックが去った後、我々はチェスだけでなく、コンピューティングとアルゴリズムの可能性においても新しい局面を迎えたことは誰の目にも明らかだった(少し前に、カスパロフ氏自身も私に対して、その見解が進化したことを語ってくれた)。

「科学者にも同じ理解が求められている」と彼らは書いている。「公共の場における議論に、事実と証拠を用いた情報を持ち込む新しい時代であり、良い方向に変化しているものもあるのだ」。

画像クレジット:erhui1979 / Getty Images

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(文:Devin Coldewey、翻訳:sako)

リモートワーク用ネットワーキングツールtwine、ビデオチャット内で参加者をマッチングさせるプラットフォームGlimpseを買収

バーチャルイベントやリモートチーム向けのネットワーキングツールを提供するtwine(トゥワイン)は、まもなくZoomにそのサービスを提供する予定だ。これは、バーチャルイベント向けに設計された「スピードマッチング」プラットフォームを開発していたY Combinator(Yコンビネーター)が支援するスタートアップGlimpse(グリンプス)の買収のおかげだ。Glimpseのアイデアは、現実世界のイベントで一般的に行われているつながりを促進する方法を提供することであり、AIを使ってビデオチャット内で参加者をマッチングさせることで、それをオンラインに持ち込むことであった。最近、Glimpseは、イベント主催者がZoomミーティング、ウェビナー、イベントにスピードネットワーキングを追加できるようにするための新しい統合をテストしていた。

関連記事:バーチャルイベントにネットワーキング機能を追加するためにtwineが3.6億円調達、ビデオチャットアプリから方針転換

この統合は、Glimpseと他の数社が早期にアクセスすることができたZoomの新しい「ブレイクアウトルーム」APIによって実現された。両社は、リモートで人をつなぐという同じような分野で仕事をしていたが、GlimpseのZoomとの統合は、製品開発の面でtwineをリードしていた。さらに、twineの共同創業者兼CEOのLawrence Coburn(ローレンス・コバーン)氏は、自社がGlimpseに取引を奪われたこともあったと認めている。

今回の買収で、Glimpseの技術は、より幅広いZoomユーザーへの展開計画も含め、twineの顧客ベースに利用できるようになる。

Zoomの新しいブレイクアウトルームAPIを使って作られたアプリは、今後数週間のうちに、Zoomクライアントの中で動作するように設計された、または他の方法でその機能を拡張するために設計された数十のアプリを収容している同社のアプリストアZoom App Marketplaceに追加される予定だ。近日発売予定の「twine for Zoom」もその1つで、マッチングツールやネットワーキング、バーチャルウォータークーラーツールを利用できるようになる。これはバーチャルイベントだけでなく、社内交流会や全体会議、新入社員の受け入れ、コミュニティのミートアップなど、他のタイプのミーティングにも利用することが可能だ。

「私たちは長い間、Glimpseのチームと製品を賞賛してきました。彼らとチームを組むことに興奮しています」と、コバーン氏は述べている。「彼らがZoomのエコシステムの中で作り上げたものは、リモートチームやバーチャルイベントに画期的なインパクトを与えるものであり、まさに驚くべきものです」。

Glimpseは比較的若い会社で、売上も少ないが、顧客は150社に増え、さらに700社の企業が同社のプラットフォームの利用を希望しているとのことだった。顧客は、EdTech企業、VC、企業顧客など多岐にわたる。Amazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)、eBay(イーベイ)などの大企業に利用されている。

「Glimpseは、Zoom App Marketplaceを活用して顧客体験を向上させた、非常に革新的な企業の好例です」と、Zoom Apps & IntegrationsのプロダクトリードであるRoss Mayfield(ロス・メイフィールド)氏は述べ「Twineチームがtwine for Zoomを市場に投入するのを楽しみにしています」と、加えた。

Glimpseは、スタートアップアクセラレーターであるY Combinatorの2020年冬バッチに参加し、YCとMaven Ventures(メイブン・ベンチャーズ)の両方からシードステージの投資を受けていた。共同創業者のHelena Merk(ヘレナ・メルク)氏とBrian Li(ブライアン・リ)氏は、移行期間中もtwineに対応できるようにリテーナーとして残る予定だ。しかし、3人の従業員からなるチームは、現在16人のフルタイム従業員を抱えるtwineに加わることになる。両社ともまだ初期の会社であることから、これは小さなエグジットであるため、買収条件は公開されていない。ただし、私たちは、7桁台(数億円)のオールストックディールであると理解している。

画像クレジット:Twine

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

暗号資産取引やフィンテック企業で起こる不正を独自のアルゴリズムで見つけるSardine

暗号資産やフィンテックの世界では、詐欺の検出が今や人気のビジネスとなっている。特に暗号資産は最近、注目を浴びる大規模な事件があり、このエコシステムの住人である企業はこぞって、コンプライアンス能力を高め、規制の熱湯を浴びないよう心がけている。

関連記事:米司法省がハッキングで盗まれた4160億円相当のビットコインを押収、ロンダリングの疑いで技術系スタートアップ関係者夫婦を逮捕

フィンテック企業のためのコンプライアンスプラットフォームSardineは、主にネオバンクやNFTのマーケットプレイス、暗号資産取引所、そして暗号資産の新進スタートアップたちに利用されている。同社の50ほどの顧客の中にはBexやFTX、Luno、 Moonpayなどがいる。

CEOで共同創業者のSoups Ranjan(スープ・ランジャン)氏は、TechCrunchのインタビューで「私たちの顧客全員が求めるユースケースは要するに、お金がウォレットにロードされるときに詐欺を防ぎたいということです」という。

SardineのCEOで共同創業者スープ・ランジャン氏(画像クレジット:Sardine)

顧客がマネーをクレジットカードやデビットカードやACH送金などから自分のウォレットに移すとき、Sardineは独自のアルゴリズムを使ってそのカードや銀行口座にリスクスコアを割り当て、そのトランザクションの詐欺被害可能性を評価する。リスクスコアと詐欺検出という2つの機能を同社は長年提供しているが、米国時間2月10日、同社は、即時ACH送金というサービスを発表した。それを利用すると顧客は、これまでのような、自分の資金にアクセスするための3〜7日の待ち時間を回避することができる。Sardineの方法では、消費者の暗号資産による購入に対し事前に資金をロードしておき、待ち時間に起きる詐欺や規制やコンプライアンスのリスクを避ける。

Sardineは2021年3月に450万ドル(約5億2000万円)のシード資金を調達し、今回はAndreessen Horowitz(a16z)や NYCA、Experianなど新しい投資家からの1950万ドル(約22億6000万円)のシリーズAを調達したことを発表した。これまでの投資家も、このラウンドに参加した。ランジャン氏によるとラウンドをリードしたのはa16zとのこと。

ランジャン氏はこれまで、Coinbaseのデータサイエンスとリスクのディレクターや、Revolutの暗号資産部門のトップを務めた。彼によるとSardineのリスク評価アルゴリズムは、ユーザーの行為がそのベースだ。そのアルゴリズムは例えば詐欺の可能性として、名前のような基本的な入力でいろいろなウィンドウを切り替えるなど、分割されたタイピングを検出する。また、ユーザーのスマートフォンの加速度計やジャイロスコープのデータや、ネットワークトラフィックに関する情報などからも、詐欺の脅威を評価する。

Sardineは警察のツールではなく詐欺の検出が仕事なので、いろいろな規制の地域による政治による違いは重視しない。クライアントは世界中にいて、日本やロシアなどの企業の米国進出を手伝ったこともあるとランジャン氏いう。そして同社の技術者は、世界中のすべての標準時間帯に配置されているそうだ。

「詐欺はグローバルなものです。詐欺師の行動には共通したパターンがあります。お金をカナダで盗むか、米国か日本かといった違いは無関係です」とのこと。

今回の資金調達で得た資金は、近い将来、少なくとも30人の従業員を雇用するために使われる予定だとランジャン氏はいう。技術チームの増強に加えて、成長、マーケティング、法務の各チームを率いる幹部も募集している。

ランジャン氏は「新世代のフィンテック起業家はすばらしいアイデアの持ち主たちですが、外国の複雑なコンプライアンスの処理には疎い」という。

「私たちは彼らの詐欺対策やコンプライアンス処理を助けて、彼ら自身がそこで悩まないようにします。彼らには、プロダクトの構築と立ち上げと市場化対策に専念してほしい」。

画像クレジット:RamCreativ

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(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Hiroshi Iwatani)

クラファンIndiegogoが信頼確保に向け正当なキャンペーン運営者に「信頼証明バッジ」発行へ

Indiegogo(インディーゴーゴー)は信頼面で問題を抱えている。それは同社が痛感していることだ。このプラットフォームは長年、Kickstarter(キックスターター)の最初の審査に通らなかったキャンペーンが集まる場所と多くの人に考えられてきた。

CEOのAndy Yang(アンディ・ヤン)氏は、2021年夏のインタビューでこう語った。

私たちのサイトでは、キャンペーンが実現しなかったり、キャンペーンが支援者と不通になったりといった失敗が何度もありましたし、私たちもそれを認めています。この2年間は、信頼と安全の観点から何ができるかを考えることに重点を置いてきました。クラウドファンディングはショッピングではないということを、支援者に理解してもらうための教育から始まりました。私たちの精算サイトでは非常にわかりやすく説明しています。しかし繰り返しになりますが、Amazon(アマゾン)や他の企業では、ボタンをクリックすれば2時間後に商品が届くと人々は教育されています。信頼という点では、これまで被害に遭われた方々のことを考えると、その通りだと思います。私たちはそのことを認めています。

Indiegogoは「支援者がより多くの情報を得た上で意思決定できるようにする」ことを目指し、数々の新しい取り組みによって、これまでの欠点に対処しようとしている。その中で、新しいTrust-Proven Badge(信頼証明バッジ)は大きな変化ではないが、企業と支援者の間に作りたいと同社が考えてきた信頼のようなものを育むための一歩となる。

「過去10年間、我々は何千ものキャンペーンを成功させてきました。そして、これらの起業家と築いた関係は、決して小さな偉業ではありません」と、Indiegogoは新機能を発表したブログポストで述べている。「我々は、Trust-Provenバッジを使用して、キャンペーン運営者の成功の記録を強調し、この情報をキャンペーンページで直接提供することで、支援者がより多くの情報に基づいた意思決定ができるようにしたいと考えています」。

同社によると、現在は最もアクティブなキャンペーン運営者の実績を確認している最中で、履行状況、キャンペーン管理、支援者からの好意的なフィードバックなどに基づいて、バッジの授与を開始する予定だ。この動きはIndiegogoのTrust & Safetyチームのより広範な徹底点検の一部で、サイト全体の関係を改善することを目的としている。今回のニュースは、クラウドファンディングが激変している中でのものだ。12月にはKickstarterがプラットフォーム全体を分散型ブロックチェーン技術に移行する計画について、幅広いユーザーから反発を受けた。直近では、長年のリワードフルフィルメントプロバイダーであるTopatoCoが、独自のクラウドファンディングサービスTopatoGoの立ち上げを発表した。

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TopatoCoの創設者でCEOのJeffrey Rowland(ジェフリー・ロウランド)氏は、新サービスについて次のように語っている。「私たちはこのサービスを長く続けてきましたが、そろそろ中間業者を排除し、自分たちですべてを行うことで関係者全員が楽になる時期だと考えています。長年にわたり、何十万個もの荷物を発送してきた私たちはそれを得意としています。毎日働く優秀な人材と、2つの倉庫、数十台のコンピューター、バン、フォークリフトを有しています。『取り扱い注意』のシールもたくさんあります。クラウドファンディングとフルフィルメントを完全に自社で行うことで、クリエイターはもっと良い取引ができ、社内プロセスを合理化し、コミュニティにより多く投資し、なぜかブロックチェーンを使わないことで環境にも貢献できます」。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

YouTubeがNFTやライブショッピングなどクリエイターツールを拡充へ、TikTokやInstagramに対抗

YouTube(ユーチューブ)のCEOであるSusan Wojcicki(スーザン・ウォジスキ)氏は2022年初め、クリエイターがファンと異なる方法でつながるためのNFT(非代替性トークン)の導入を検討していることを強く示唆するなど、動画界の巨人である同社が今後1年間に計画していることの概要を明らかにした。そして米国時間2月10日、同社の最高製品責任者Neal Mohan(ニール・モナハン)氏は、このアイデアに賭けることをブログに投稿し、2022年全体としてクリエイターのためのツールをより多く構築するというYouTubeの大きな目標について詳細に説明している。

このブログ投稿は多くの項目からなる本当に長いリストだが、YouTubeがいかに大企業になったか、そしてYouTubeの最大の競合他社がビデオによる広告事業を補完するものとしてNFTに独自に取り組んでいるという事実を考えたとき、NFTがおそらくリストの最も興味深い部分であるように思われる。

「NFTは、共通の趣味を持つコミュニティの運営に利用されたり、クリエイターのためのより良い資金調達を可能にしたり、アーティストが自分の作品を検証可能な方法で作って販売し、将来の売上に対するレベニューシェアを獲得できるようにするなど、多くの興味深い応用例を目にしています」と広報担当者は語った。「当社は、この分野で人々がすでに行っていることに、YouTubeが多くのユニークな価値を加えることができると考えています」。

他の新機能には、買い物ができるビデオLive Shopping(ライブショッピング)と「アプリ全体で」多くのショッピングの機会を導入するなど、ショッピングに関するより多くの機能が含まれる、とモナハン氏は書いている。YouTubeの動きを注視している人は驚かないだろう。同社はここ数カ月、こうした機能をテストしている。Walmart(ウォルマート)などとのテストでは、200万回以上の再生と140万件のLive ChatメッセージがあったとYouTubeは説明した。

ライブストリーミングは、新しいひねりが加えられるもう1つの分野だ。そのひねりとは、コラボレーションだ。クリエイターがインタラクティブなストリームで一緒にライブすることができるようになり、これは、非常に型通りのビデオフォーマットになったものを一新したり、新鮮味を加えるための1つの方法だ。

また、クリエイターにとって重要なアップデートとなるのが、ビデオエフェクトとアナリティクスの分野で、ビデオエフェクトは自分の作品をより良いものにするため、そしてアナリティクスは人々が見ているものが好きかどうかを知るためのものだ。モナハン氏は、2022年の新しいツールには、より多くのビデオエフェクトや編集ツールが含まれると話した。これらのツールの多くはすでにYouTubeで構築されているため驚くものではなく、クリエイターがコンテンツを別のところに投稿するもう1つの口実を与えている。YouTubeのネットワークにクリエイターを確実に留めておく興味深い工夫の1つは、近々Shorts(TikTok、Snapchat、Instagramに対抗するYouTubeの短編動画)において動画上でコメントに返信できるようになることだ。

クリエイター経済、そしてより一般的なユーザー生成コンテンツは、今日すべてのアクションがある場所であり、ますますお金がともなうようになっている。YouTubeがこれを追求し、クリエイターを魅了し続けるツールを構築する明確な理由がある。有名なクリエイターだけでなく、より大衆的なユーザー生成ビデオの拠点として非常に人気があるTikTok(ティクトック)は、eコマース企業と緊密に連携しているあるフィンテック企業によると、リファラル数ですでにPinterest(ピンタレスト)やSnapchat(スナップチャット)を上回っていて、そこにYouTubeとMetaのアプリ軍団が続くようだ。

YouTubeにとって、今はまさに板挟み状態だ。というのも、競争の反対側では、Instagram(インスタグラム)とその親会社のMeta(メタ)が、NFTを中心とした大きなビジネスの構築と、それをサポートするための通貨について本腰を入れているとされている(ファイナンシャル・タイムズは1月にこの取り組みが進行中だと報じたが、TechCrunchはこの報道が氷山の一角だと聞いている。いずれにせよ、Metaは問題を抱えたNoviプロジェクトのためにすでに行ってきたすべての仕事にホームを与える)。

広報担当者によると、Google(グーグル)は「クリエイターと視聴者のための最高の場所であるという使命を深めるのに役立つ」NFTやWeb3のような新しい技術を模索しているのだという。「YouTubeの特徴は、クリエイターとファンの関係であり、これらの新しい技術は、それを補強する役割を果たすことができると考えています」。

広報担当者は、Googleがパートナーと協力するか、またはゼロからマーケットプレイスを構築しようとしているかどうかについての「現時点の」コメントを却下した。しかし、アイコン的なYouTubeのコンテンツがすでにNFTの波に乗って、YouTube広告以外でのさらなる収益化に成功している例は非常に多いため、Googleが既存のマーケットプレイスなどと組むのはおもしろいかもしれない。

「我々のクリエイターはすでにNFTと関わっているので、この分野を理解し、クリエイターと視聴者にとって良い方向に導く手助けをすることが重要だと考えています」と広報担当者は述べた。「当社はすでに代替の収益化製品でこれを行いました。人々がアイテムを販売しているのを見て、製品を作りました。クリエイターはすでにNFTと関わっており、我々はそれをより簡単に、より良くする手助けをしたいのです」。

導入されればNFTは、Super ChatやSuper Stickerなど、YouTubeの有料デジタルグッズを含む、広告の代替としてすでに存在する収益化ツールの小さな下支えの輪に加わる。「これらはクリエイターやファンの間で非常に人気があることがわかりました」と広報担当者は話した。「そして、この多くは、支援と、お気に入りのクリエイターを財政的にサポートしたいと考えているファンのためのものです。ですので当社は、クリエイターにお金を稼ぐ新しい方法を提供しつつ、クリエイターとファンとのつながりを深めるもう1つの方法として、NFTを検討しています」。

画像クレジット:Olly Curtis/Future / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi