セキュリティソフト「ノートン360」が暗号資産イーサリアムのマイニング機能「Norton Crypto」を追加

セキュリティソフト「ノートン360」が暗号資産マイニング機能「Norton Crypto」を追加

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NortonLifeLock(旧:Symantec)は、PC環境に高度なセキュリティ環境を提供する「ノートン360」でマルウェア対策だけでなく、VPNや保護者機能、25GBのクラウドバックアップ機能といった総合的なサポートを提供しています。そしてノートンは、このソフトウェアに数週間以内に新機能「Norton Crypto」を追加することを明らかにしました。

「Norton Crypto」という名前から推測できるようにこれは暗号資産の採掘(マイニング)機能で、数ある暗号資産の中でも人気の高いEthereum(イーサリアム)を、PCがアイドル状態のときに自動的に採掘します。

ノートンは、このマイニング機能を「顧客の進化し続けるデジタルライフを守る」ための機能として宣伝しています。通常ならセキュリティソフトはマイニングソフトをブロックしますが、Norton Cryptoの場合はノートン自らが追加した機能なので、ウイルス対策と暗号資産の採掘機能両方を同時に扱うことが可能です。

具体的には、この機能はユーザーのPCのがアイドル状態のときに作動し、GPUリソースを使用してEthereumを採掘します。採掘できたコインはハード的な故障で失われたりしないよう、クラウド上に保管されたウォレットに転送することができます。

NortonLifeLockの最高製品責任者Gagan Singh氏は「Norton Cryptoを使えば、お客様は数回クリックするだけで暗号資産を採掘でき、そのエコシステムにおける多くの参入障壁を回避することができます」と述べています。

Norton Cryptoはまず、6月3日にアーリーアダプタープログラムに参加しているユーザーから提供され、数週間後に全ユーザーに展開されるとのこと。

セキュリティソフト「ノートン360」が暗号資産マイニング機能「Norton Crypto」を追加

NortonLifelock

(Source: BleepingComputerEngadget日本版より転載)

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暗号資産取引所コインチェックが国内初となるIEOを2021夏実施予定と発表

暗号資産取引所コインチェックが国内初となるIEOを2021夏実施予定と発表

コインチェックは5月31日、ブロックチェーン分野のコンサルティングとシステム開発を行うのNFT関連子会社HashpaletteによるIEO(Initial Exchange Offering)を2021年夏実施予定と発表した。Hashpaletteが2021年3月にテストネットをローンチした、NFT特化ブロックチェーン「パレット」(Palette)のユーティリティトークン「PLT」を販売する予定。

またコインチェックは、IEOに関する情報を掲載する公式サイトを公開した。今後、HashpaletteのIEOに関する情報を告知するためのプロジェクト詳細ページの公開を2021年6月頃に予定。今夏のIEO実施に向け準備を進めるとしている。

IEOは、トークン発行によるコミュニティの形成・強化や資金調達を暗号資産取引所が支援するという仕組み。企業・プロジェクトなどの発行体がユーティリティ・トークンを電子的に発行することで資金調達を行う仕組み「ICO」(Initial Coin Offering)の中でも、暗号資産取引所が主体となって発行体のトークンの販売を行うモデルとしている。

企業やプロジェクトによるトークンの発行は、世界中のユーザー・開発者・投資家・サービスプロバイダーなどのネットワーク参加者とオープンな分散型ネットワークを構築することを可能にし、さらにすべてのネットワーク参加者に対しインセンティブを与えることができる手法という。

コインチェックでは、これまで企業やプロジェクトによるトークン発行を支援することで、暗号資産市場の更なる発展に貢献すべくIEO事業への参入を検討し、2020年8月よりHashpaletteとともに日本初のIEO実現に向け取り組んできたそうだ。

暗号資産取引所コインチェックが国内初となるIEOを2021夏実施予定と発表

Hashpaletteによると、パレットは、エンターテイメント領域におけるデジタルコンテンツの発行・管理・流通に特化。マンガ・アニメ・スポーツ・音楽といったコンテンツのNFT形式での流通に最適化されたブロックチェーンネットワークという。

また、クロスチェーン技術を実装しており、発行したNFTはPalette以外のブロックチェーンネットワークでも利用可能。現在、イーサリアム(Ethereum)、ネオ(NEO)、オントロジー(Ontology)mp3つのブロックチェーンネットワークとのクロスチェーンに対応しており、NFTの発行および流通のハブとして対応先を今後順次拡大予定としている。

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Clubhouseのアイコンにもなった芸術家ドゥルー・カタオカ氏が初のNFTをオークション、収益すべてをアジア系米国人のために寄付

Drue Kataoka(ドゥルー・カタオカ)氏の作品は、世界30カ国のみならず、国際宇宙ステーションでも展示された経歴がある。最近ではClubhouseアプリの新しい顔に選ばれたアーティスト兼活動家の同氏は、アジア系米国人の活動を支援するため、同氏にとって初となるNFT作品をリリースすることとなった。このオークションはデジタルアートマーケットプレイスNifty Gatewayにて米国東部時間5月13日午後1時30分に開始され、Clubhouseでのローンチパーティとともに24時間にわたって開催された。Nifty Gatewayはオークション手数料を免除し、すべての収益はAsian Pacific Fundと提携しているビジネスリーダーや活動家の連合体Stand with Asian Americansの助成部門であるCatalyst Fund for Justice(CFJ)に寄付される予定だ。

鏡面仕上げの鋼製の彫刻や、バーチャルリアリティ、脳波、モバイル技術を用いたアートなどの依頼作品で知られているカタオカ氏。同氏の作品の1つでわら紙に墨で描かれた「Up!」は、国際宇宙ステーションで行われた初の無重力アート展示の一部にもなっている。また、活動家やオーガナイザーとしても活躍している同氏は、1968年にCoretta Scott King(コレッタ・スコット・キング)氏が始めた非営利団体The Martin Luther King Jr. Center for Nonviolent Social Changeのため、Clubhouseを通じて#StopAsianHate#Clubhouse4India#24HoursofLoveなどで合計で約30万ドル(約3300万円)の寄付を行っている。

「In the Club:#StopAsianHate」と名づけられたカタオカ氏のNFT作品は、Clubhouse内の活動家コミュニティにインスピレーションを得たものである。同氏は10万2000人のフォロワーを持つClubhouse最大のアートグループ「Art Club」を率いている。

「Clubhouseを社会変革のための媒体として活用することに情熱を注いできました」とカタオカ氏は話す。今回のプロジェクトでは「慈善活動かアートかのどちらかだけでなく、両方に総力を挙げ、目標を達成してアジア系米国人コミュニティにできる限りのインパクトを与えたいと思っています」。

同氏はDrue Kataoka Studiosの創設者兼最高経営責任者を務めており、禅宗、墨絵の修行、そしてシリコンバレーからの影響を結集した作品を制作している。バーチャルリアリティやARなどの技術、コードの書き方、ビジネスの基礎などを学びたかった同氏は、美術大学ではなくスタンフォード大学を卒業している。

「ここ20年間の私の信条は、アートはテクノロジーであり、テクノロジーはアートであるということです」と同氏はTechCrunchに話してくれた。

カタオカ氏にとって初となるNFT作品のリリースについて、同氏は「最初のプロジェクトについてはとても慎重に考えていたので、この作品となってうれしく思っています。私はこれまでもこの分野を注意深く見てきましたし、暗号資産やNFTに対してとても強気です。変動性が高く、衰退するものや時の試練に耐えられないものも多くあることは承知していますが、最終的には創造性や多くの重要なことのためのメカニズムとして未来をかたち作っていくことでしょう」と話している。

Stand with Asian AmericansのCatalyst Fund for Justiceの共同議長を務めるEric Kim(エリック・キム)氏は「彼女が今回の収益の100%をAAPI(アジア・太平洋諸国系米国人)コミュニティに向けて寄付してくれるということに、非常に大きな意味があります。また、ブロックチェーン技術の美しい表現でもあると感じています」と述べている。

キム氏はベンチャー企業Goodwater Capitalの共同創設者兼マネージングパートナーでもある。「私はブロックチェーンの最適なプロダクトマーケットフィットをずっと探してきました。デジタルアートがコード化されて非代替性トークンで証券化され、さらにコミュニティのために活用されてClubhouseなどでもローンチされ、Nifty Gatewayのようなプラットフォームを通じてオークションにまでかけられるというこのプロジェクトは、私がこれまでに見たブロックチェーンの中でも最高の方法の1つであり、複数のコンシューマーテックのプラットフォームが見事に連携した結果の賜物です」。

約1分間の「In the Club:#StopAsianHate」では、Clubhouseの部屋のイメージが金色の背景に重ねられている。ユーザーの写真は取り除かれ、残された空間にはカタオカ氏がバーチャルリアリティで造形した一連のモチーフが流れ動いている。同時に、最近行われた街頭デモの声がカタオカ氏自身の心臓の鼓動の録音に重ねて流されている。最終的にその声が風の音に変わり消えていくのだが、これは多くのアジア文化において生命力の源とされている空気、すなわち「気」「氣」「プラーナ」を象徴している。

「この作品はこの活動に信念と信頼を寄せ、当初からこの問題について声を上げ続けてきた活動家やコミュニティメンバーへの敬意を表したものです。主要メディアが、アジア系米国人コミュニティに起きている多くのヘイトクライムや大きな問題を見て見ぬふりをしたり、包み隠したりしていることがとても気になっていました。Clubhouseでは編集もセンサーシップもなく、2020年の早い段階から私はこのような会話をホストして聞いていました。私たちは真剣にこの会話に取り組み、Twitterとの相乗効果によって広がりが勢いを増していきましたが、当時主要メディアはまったく気にもしていませんでした」とカタオカ氏は振り返る。

キム氏によると、Catalyst Fund for Justiceはデータに基づいたアプローチで助成先を決定するという。初めはヘイトクライムの減少や被害者の支援、職場での差別、政治におけるアジア系米国人の欠如、資金不足の非営利団体の支援などに重点を置く予定だ。また、教育カリキュラムにアジア系米国人の歴史をもっと取り入れることや、職場での偏見によってアジア系米国人が昇進を妨げられているという状況を理解すること、また市民団体にアジア系米国人を増やすことなどを目標としている。

アトランタの銃乱射事件の後、キム氏はGoodwaterの共同設立者であるChi-Hua Chien(チ・ファ・チェン)氏、GGVのマネージングパートナーであるHans Tung(ハンス・タン)氏、Lightspeed VentureのパートナーであるJeremy Liew(ジェレミー・リュー)氏などのベンチャーキャピタリストと協力して有力なベンチャーキャピタルから500万ドル(約5億5000万円)を調達し、AAPIの組織に寄付をしている。

「このような意識の高まりと活性化から、ビジネスリーダー、起業家、投資家はどうすればもっと体系的にこの活動を行うことができるか、自分たちの専門的なスキルセットをこの活動にどう適用することができるかを考え始めました」とキム氏。

こういった議論の結果、Stand with Asian Americansが誕生。2021年3月末にはZoomの創業者兼CEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏、YouTubeの共同創業者であるSteve Chen(スティーブ・チェン)氏、Yahooの共同創業者であるJerry Wang(ジェリー・ワン)氏、Stitch Fixの共同創業者兼CEOのKatrina Lake(カトリーナ・レイク)氏、元ワシントン州知事で米国商務長官のGary Locke(ゲイリー・ロック)氏など、ビジネス界や政治界のリーダーたちが共同で署名したWall Street Journalの全面広告でそのミッションを紹介している。Stand with Asian Americansは、ベイエリアで最も長く活動しているAAPI 非営利団体であるAsian Pacific Fundと提携し、助成金を提供する部門としてCatalyst Fund for Justiceを立ち上げた。同部門には現在8000人近くの署名者と100人以上の献身的なボランティアの力が存在する。

Asian Pacific Fundの会長兼エグゼクティブディレクターのAudrey Yamamoto(オードリー・ヤマモト)氏は声明中で次のように述べている。「家の外に出る度に暴力への恐怖に怯えなければならい今、カタオカ氏によるGenesis NFTドロップの惜しげもない寄付はAAPIコミュニティにとってかけがえのないものです。Catalyst Fund for Justiceは新たな資金源を開拓し、データに基づいたアプローチを用いてAAPIコミュニティが直面する最大の不正に立ち向かうための助成を今後も行っていきます」。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFTオークション寄付アートClubhouse

画像クレジット:Drue Kataoka

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(文:Catherine Shu、翻訳:Dragonfly)

ただ1つのNFT動画を表示するディスプレイでデジタルアートの再構築を目指すInfinite Objects

NFT(Non-fungible token、代替不可能なトークン)とは、デジタル所有権の概念の再構築を目指すものだ。アートハードウェアのスタートアップのInfinite Objects(インフィニット・オブジェクツ)が、デジタルアートやコレクターズアイテムの再構築を目指すことで、そうした資産の物理的なコピーの制作に大きなチャンスを見出そうとしている。

このスタートアップが作るのは、ただ1人のアーティストによるただ1つの動画を表示するだけで、他には何もしないディスプレイだ。このディスプレイには、追加のアプリをダウンロードしたり、自分の写真をアップロードしたり、時間や天気を確認したりすることはできない。たとえInfinite Objectsの別のアート作品が欲しい場合でも、ダウンロードをすることはできず、そのサイトに行って、欲しいアート作品が入った別のディスプレイを購入しなければならない。それぞれのディスプレイの裏面には、作品に関する情報やエディション番号、シリアル番号が刻まれていて、物理的なディスプレイと表示されている作品が密接に結びついている。

Infinite ObjectsのCEOであるJoe Saavedra(ジョー・サアベドラ)氏はTechCrunchに対して、今回の600万ドル(約6億6000万円)のシード調達には、主導したCourtside VCや、NBA Top Shot(NBAトップショット)を開発運営しているDapper Labs(ダッパーラボ)をはじめとする多くの投資家が参加しているという。

長い間Infinite Objectsは、NFTなしで運営されるNFTプラットフォームだった。同社は2018年からアーティストたちと協力して、1人のアーティストのデジタル作品を連続して表示し続ける物理的なディスプレイ(ほとんどの場合数量限定)を制作してきた。もちろん、ユーザーたちはそうしたデジタル作品をInfinite Objectsのウェブサイト上で好きな時に見ることができる。だがその価値はアーティストの作品の公式コピーを所有できる点にある。どこかで聞いたような話では?

2021年初めにNFTが投機的資産として広く認知されたとき、インターネットユーザーがデジタルアートの将来やデジタル希少性について議論し始めたことから、サアベドラ氏はそれを大きなチャンスだと考えた。彼のチームはその時点ですでにNFTに取り組んでいて、2020年の12月にはアーティストのBeeple(ビープル)氏と提携し、彼がNifty Gateway(ニフティゲートウェイ)というプラットフォームで販売していたNFTの「物理的なトークン」をリリースした。これは、ビープル氏がクリスティーズのオークションで6900万ドル(約75億円)の落札価格を達成して、美術界では知らないものがいなくなる数カ月前の出来事だ。

今夜7時(東部標準時間)

サアベドラ氏は、彼の会社が制作するものによって、NFTの世界で活躍する企業やクリエイターが自分たちの資産をより親しみやすく、一般の人たちに理解してもらえるようにできる大きなチャンスがあると考えている。また同時に、購入したデジタルアートを、NFTを単なる盲目的な所有から実際に鑑賞できることに焦点を当てたものに変えるチャンスでもあると考えている。

「所有権がともなうことを考えると、500ドル(約5万5000円)とか5000ドル(約55万円)でNFTを購入すことはエキサイティングですが、それを見せるためにスマートフォンのSafariを開かなければならないという行為はエキサイティングではありません」とサアベドラ氏はTechCrunchに対して語る。「私たちがデザインしたこの物理的な器は、ブロックチェーンをまったく理解していない人でも、限定版の物理的商品を理解している人ならば、とても理解しやすいものです」。

サアベドラ氏は、アート作品をただ循環表示させる他のデジタルディスプレイには否定的だ。彼は、アートの所有者が望めば、そのNFTの画像をテレビに表示させることもできるが、それは単にアートを「豪華なスクリーンセーバー」として使っているだけだという。

Infinite Objectsのチームは、NFTの世界にはもっと大きなチャンスがあると考えているが、具体的にどのような取り組みになるのかについては堅く口を閉ざしている。今回の支援者リストに、興味深いことにNBA Top Shotの生みの親であるDapper Labsが含まれていることは、ヒントになりそうだ。Dapper Labsは、Flow(フロー)と呼ばれる独自のブロックチェーンを構築していて、サアベドラ氏は会話の中で、それがEthereum(イーサリアム)ネットワークよりもスケーラブルで持続可能であると称賛を惜しまなかった。先ごろDapper Labsは、初のサードパーティ向けNFTプラットフォームを発表した。この発表は、今回のラウンドのまた別の投資家でもあるアバタースタートアップのGenies(ジニー)との提携と同時に行われた。Dapper Labsはデジタルアクセサリーのストアを2021年夏に立ち上げる予定である。

今回のラウンドには、erena Ventures、Betaworks、Brooklyn Bridge Ventures、GFR Fund、Kevin Durant & Rich Kleiman、Genie、Ashton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏のSound Venturesも参加している。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Infinite Objects資金調達NFTアートDapper LabsGenies

画像クレジット: Infinite Objects(フレーム内の作品はNatasha Tomchin)

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(文:Lucas Matneyk、翻訳:sako)

NFTマーケットプレイス「nanakusa」が第2期公認クリプトアーティストの審査受付開始

NFT発行・販売・二次流通などを備えた統合型NFT(ノン・ファンジブル・トークン)マーケットプレイス「nanakusa」を運営するスマートアプリは5月27日、第2期nanakusa公認クリプトアーティストの審査受付を開始したと発表した。募集期間は2021年6月9日まで。

nanakusaは、同マーケットプレイス公認コンテンツホルダーやNFT販売事業者、個人活動を行うクリプトアーティストが、制作した作品をNFTとして発行・販売(一次販売)を行えるマーケットプレイス(利用者が保持しているNFTの二次販売も可能)。現在、約80名のクリプトアーティストが公認アーティストとして活動しているという。

第2期nanakusa公認クリプトアーティスト募集では、アーティスト(アナログ・デジタル)、フォトグラファー、イラストレーター、作家、ミュージシャン、声優、動画クリエイターなど、幅広いジャンルでアーティスト活動を行っている方を公認クリプトアーティストとして募集する。今後クリプトアーティストとしての活動を目指している方も対象だ。

応募は、「第2期nanakusa公認アーティスト審査受付フォーム」より行える。審査結果は、6月10日からメールで順次通知する。

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タグ:NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)スマートアプリ(企業)日本(国・地域)

二次創作作品を提供すると公式公認でNFT化、販売・収益還元まで行う個人クリエイター支援プログラムが開始

二次創作作品を提供すると公式公認でNFT化、販売・収益還元まで行う個人クリエイター支援プログラムが開始

オタクコイン協会SSSNOKIDCryptoGamesは5月27日、個人クリエイターの二次創作活動を支援するため、二次創作作品を提供するだけでNFT化・販売・収益還元まで行う公式公認の個人クリエイター支援プログラムを開始すると発表した。参加料は無料。

またその第1弾として、東北支援キャラクター「東北ずん子」「東北イタコ」「東北きりたん」の3姉妹をモチーフにした二次創作作品の公募受付を開始した。応募期限は2021年6月6日23時59分まで。二次創作イラスト・動画は新規作品(未公開作品)、過去に制作したものも対象としている。応募要項などの詳細を掲載している「東北ずん子NFT二次創作還元プロジェクト」より応募できる。

今回4者は、NFT販売所「Rarible」上の東北ずん子の認証アカウントにおいて、公式自ら二次創作作品を販売することで、個人クリエイターの二次創作活動の支援を行うという。

個人クリエイター視点では、好きなキャラクターの二次創作作品を創作し、作品を公式に提供するだけで自身の二次創作作品を販売&収益化できるため、より創作活動に専念できるとしている。また、NFT化にまつわる専門的な知識や、販売時のマーケティング・プロモーション、収益管理のための経理業務など煩雑な手続きは不要。

一次流通の販売はオークション形式を想定しており、最低入札価格は0.05WETH(約1.5万円)からの販売になる。一次流通&二次流通時のクリエイターへの売上還元率は50%を想定しており、日本円での受け取りが可能(仕様上、二次流通時はOpenSeaなど特定のプラットフォームでの取引のみ売上が還元される)。

また今回NFT作品で販売する権利は、その作品の(デジタル)所有権となり、キャラクターの著作権・商標は引き続き、東北ずん子の運営元であるSSSが保持する。なお、二次創作権・商品化権は、東北ずん子のガイドラインに基づき引き続きすべての人が所定のルールのもと活用できる。

東北ずん子は、東北地方一帯で食されているずんだ餅をモチーフとしたキャラクター。青森県のイタコを元にした姉の「東北イタコ」、秋田県のきりたんぽを元にした妹の「東北きりたん」で、東北3姉妹として人気を博している。

SSSは、東北ずん子の運営元。東北ずん子の世界に登場するキャラクターの音声合成ソフト、アニメ、3D CGなどの制作を行っている。

NOKIDは、「クリエイターが居心地のいい世の中へ」を理念に掲げ、VRやアニメーションの制作、YouTube運用事業などのクリエイティブ事業を運営。

オタクコイン協会は、日本のアニメ文化を世界に広げるため、アニメ業界におけるブロックチェーン技術の浸透・導入・活用を目指しており、前身のオタクコイン準備委員会を含め、2017年12月よりアニメ文化発展のため活動。

また、アニメ・マンガ・ゲームなどの日本のカルチャーを愛する世界中の人をつなぐコミュニティ通貨「オタクコイン」を運営。オタクコインが世界中で流通されることで、自分が好きなアニメ・マンガ・ゲームなどの業界の発展に寄与できる「コミュニティ通貨」の実現を目指している。

NFTサービスの開発を⾏うCryptoGamesは、ブロックチェーンゲーム「クリプトスペルズ」を2019年6月25日に正式リリース。2021年3月にクレジットカード決済対応の、クリエイターのNFT販売プラットフォーム「NFTStudio」をリリースし、2021年4月に「NFTStudio OEM」の提供を開始した。

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拡張現実でのNFTの閲覧・共有方法を模索する「Anima」がCoinbaseの支援を受ける

AR(拡張現実)とNFT(非代替性トークン)。これ以上いう必要があるだろうか?イエス?まあ、NFTが2021年にホットな瞬間を迎えたのは確かだ。しかし、投機的なゴールドラッシュがクールダウンし始め、人々がデジタル商品が将来どのように進化していくかを考え始めると、NFTが何の役に立つのか、NFTで何ができるのかという疑問がより頻繁に聞かれるようになってきた。

Animaは、Flipboardが2014年に買収した写真 / 動画アプリ「Ultravisual」の創業者たちによって設立された小規模なクリエイティブ系暗号スタートアップで、ARを利用してNFTアートやコレクターズアイテムの閲覧・共有方法を変えようとしている。同社の最新の取り組みは、アーティストがデジタル作品をより大きなデジタルステージに持っていくことを支援し、ARにおけるNFTの未来がどのようなものになるのかを見出そうとするものだ。

このスタートアップは、Coinbase Ventures、Divergence Ventures、Flamingo DAO、映画作家・写真家のLyle Owerko(ライル・オワーコ)氏、そして著作家Andrew Unger(アンドリュー・アンガー)氏から支援を得て50万ドル(約5500万円)の小規模なプレシードラウンドを実施した。

共同創業者のAlex Herrity(アレックス・ヘリティ)氏はこう語った。「NFTが、購入した商品のリターンを目的とした投機的な市場から離れていくのは健全なことだと思いますし、より親しみやすいものを作りたいと考えている私たちにとっても良いことだと思います」。

同社のより幅広いビジョンは、デジタルオブジェクトが現実世界と相互作用する方法を模索することだ。これはここ数年、ARの世界では最重要課題となっていたが、最近ではApple(アップル)やFacebook(フェイスブック)の新製品に対するクリエイターの様子見の姿勢により、開発が停滞していた。Animaの共同創業者たちは、ARとNFTの分野はどちらも非常に初期の段階にあることを認めているが、どちらの分野もギミックが明るみに出るくらいには成熟したと考えている。

共同創業者のNeil Voss(ニール・ヴォス)氏は、TechCrunchの取材に対しこう語った。「今は体験型のギミックが主流になっていますが、そうではなくARを、自分が集めたものまたはライフスタイルを彩るアクセサリーと触覚的な関係を築くための手段ととらえることで、コンテキストの変化が起こります」。

同社のチームはデジタルアートのオブジェクトをARに導入する初期の実験を行っており、すでに数名のアーティストと協力している。来月末には、ConsenSysのPalmプラットフォームをベースにしたマーケットプレイスを立ち上げ、今後のパートナーシップをより多く紹介していきたいとのこと。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

ネムグループがNEM Symbolを基盤にマンチェスター・シティFCのリヤド・マフレズ選手などのNFT発行

エンタープライズブロックチェーン「NEM Symbol」の開発をサポートするネムグループは5月21日、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)領域に参入すると発表した。

ネムグループは、次世代PoS(Proof-of-Stake)パブリック・ブロックチェーンのNEM Symbolを通して、スポーツ界のスターたちのデジタルコレクション(デジタルコレクタブル)を手がける。その先駆けとして、サッカー界のレジェンド、キング・ケニーことケニー・ダルグリッシュ氏とマンチェスター・シティの現役スター選手、リヤド・マフレズ氏のデジタルコレクションをNEM Symbol上で発行する。

ダルグリッシュ氏はリバプールFCの選手として欧州チャンピオンズリーグを2度制覇し、1985年にはリバプールFCの監督として初めてリーグ戦とカップ戦の2冠を達成。さらに、名誉ある「年間最優秀監督」のタイトルを3度も獲得した経歴を持つ。またマフレズ選手は2016年に「アフリカ年間最優秀選手賞」を受賞し、現在マンチェスター・シティFCの主力メンバーとして活躍している。

NEMのNFT領域への進出は、ファンやサポーターが愛するブランドやアイコンをより身近に感じ取れるプレミアムな製品体験を提供することに重点を置いており、NEM Symbol上で発行されるデジタルコレクションには、ダルグリッシュ氏をはじめ一流のスポーツスターたちが参加するそうだ。

Symbolは、こうした新しいトークン化エコノミー、特にNFTを作成・販売するのに最適なプラットフォームという。個別に設定可能な資産と高速でスムーズな送金を特徴とするほか、唯一無二のデジタル資産の作成において、簡単で安全・信頼性の高い体験を提供するとしている。

ネムグループは、NEM Software、NEM Trading、NEM Venturesという3つの独立した事業体で構成しており、NEM Symbolの開発をサポートしている。NEMはあらゆるビジネスプロセスを効率化し、データとイノベーションの流れを増加させ、資産の創造・交換・保護を促進するという。

NEM Softwareのマネージングディレクターであるマイク・ソティラコス氏は今回のNFT領域への参入について、「ブロックチェーン技術により、クリエイターと消費者との距離を縮め、まったく新しいトークン化エコノミーへのアクセスを促進します」と語っている。

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暗号資産「$ASS」についてツイートしてはいけない

私は要領の良い人間ではない。

米国時間5月20日、私は$ASSについてツイートした。犬の名前が由来の暗号資産(仮想通貨)だ。具体的にはオーストラリアン・シェパード。そしてその明らかに愚かな行動を起こした後、、私のTwitter(ツイッター)フィードは$ASSに関係する山のような画像とミームで溢れかえり、$ASSコイン熱狂者たちは私を罵倒した。

それは非常にうっとうしい状況で、なぜなら私は仕事用のノートパソコンでTweetdeckを動かしているのだが、送られて来るものを考えると、今や非常に危険な状態にある。

ちなみに、$ASSはAustralian Safe Shepherdの略だ。暗号資産であるが、Dogecoin(ドージコイン)と同じくこれはジョークに違いない。

ただし自身のウェブサイトはジョークであるとは捉えていない。例えばAssFinanceに行くと、$ASSの技術基盤の非常に詳しい説明と将来計画が書かれている。

私はとてもおもしろいと思った。だからツイートした。すると$ASSワールドの全員が私のTwitterを攻撃し始めた。プロからのアドバイス:これは真に受けるうまい方法ではない。しかし$ASSが真に受けてもらおうとしていないのに、そんなの関係ある?

このコインは、アーリーアダプターに口コミで広めさせ、そこで持ち続けるように作られた暗号資産だ。その経済はそういうゴールのためだけに作られている。


しかし、それにしてもなぜ$ASSを気にするのか?いくつか理由がある。

  • この手の金融のデタラメはおもしろいが、一般人の中にはやけどする人がいる。
  • $ASS現象は、今の暗号資産世界における憶測のレベルを示唆するものであり、より重要なプロジェクトの信頼性の欠如につながっている可能性が高い。そしてなぜBitcoinが最近価格の上昇を維持しているのかの説明にもなっている。
  • $ASSコインはCoinGeckoによると最近14日間で1794.3%値上がりしている。これが今の最大の魅力であるに違いない。人はタダのお金が大好きで、過去の利得は将来のリターンに対する自分への魅力的な嘘になる。

概念として、$ASSは私のつたない展望とよく一致している。今の20代から30代の人たちは、低賃金で医療不十分で労働に優しくない得今の経済が提供しようとしている生活よりも中流階級の生活に足場を築きたい気持ちが強く、投機的なでたらめの大当たりは、家を買うのがもっと簡単だった米国史の別の時代と比べても、より大きな魅力がある。

そして、犬をテーマにしたインタネットマネーについて真剣になるのは難しいものの、$ASSは、まあ、実に2021年的だ。それにしても、我々は誰に対してBitcoinについて書くよりも意味があるふりをしているのだろう。あざ笑うだけではあるが。

Bloombergが$ASSについてもっと詳しく書いている。もし、不真面目プロジェクトをもっと真面目に考えたいのなら。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

米財務省が暗号資産の報告義務を提示、富裕層の税逃れ対策を強化

バイデン大統領のIRS(内国歳入庁)の権限を強化するというビジョンは、暗号資産(仮想通貨)取引に大きな影響を及ぼす準備ができているようだ。

米財務省の新しい報告書によると、バイデン政権は暗号資産を含む金がどのように動いているかを政府が簡単に把握できるよう、新しい義務を課す考えだ。報告書は、暗号資産が「かなりの検知の問題」を抱え、税金を逃れたい高所得者によって頻繁に使われていると指摘している。

提案されている変更では、納税者が稼いだ利子を申告するのに使っている既存の1099-INTフォームのフレームワークをベースに新たに報告義務を設ける。暗号資産取引と管理者には、口座を通じて動く資金の「全体の流入と流出」についての詳細な情報の報告を義務づける。事業者は、1万ドル(約109万円)以上の暗号資産の送金も報告しなければならない。

「現在の商取引における暗号資産の割合は小さいが、そうした包括的な報告は収入を新たな報告体制からシフトする動機づけや機会を最小限にするために必要だ」と報告書にはある。

財務省は、IRSが現在ディスララプトするリソースを持たない複雑なスキームを通じ、富裕税フィルターは往々にして相応の納税を逃れることができるとも指摘している。報告書によると、IRSは賃金による税金の99%を徴収しているが、この数字は非労働収入に関しては45%と低くなる。これは「見えにくい」収入源を持つ高所得者が大きな恩恵を受けるという矛盾だ。いくつかの報告義務があるものの、規制上グレーゾーンのほぼ見えないところで運用されている暗号資産はかなり懸念されるものだ、と財務省は指摘している。

「そうした機会は特に、オフショアリングや複雑な提携ストラクチャの構築、課税対象資産の暗号資産エコノミーへの移動といった洗練された戦略を通じて税を逃れることができる高所得者が利用できます」と財務省は書いている。

報告書には、向こう10年で税収入を7000億ドル(約76兆円)増やすことにつながる、IRSの執行力強化のための複数年にわたる取り組みの詳細も記されている。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産米財務省IRSアメリカジョー・バイデン

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

ビットコイン暴落、投資家は暗号資産の強気相場終焉を懸念

Bitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、そして多数のAltcoinsは米国時間5月18日の夜と翌19日の朝に大量の下落に見舞われ、数カ月の利益と数千億ドル(数十兆円)の時価総額が失われた。暗号資産トラッカーのCoinMarketCapによると、暗号資産(仮想通貨)市場全体は過去24時間で20%以上縮小したという。

この下落の背景には何があるのだろうか?Dogecoin(ドージコイン)のような投機的で技術的に目立たないプロジェクトに投資家が殺到し、市場が太陽に近づきすぎたというかもしれない。またElon Musk(イーロン・マスク)氏は、Tesla(テスラ)が今後ビットコインを受け付けないと発表したことで、投資家たちは、ビットコインをバランスシートに載せようとしている企業が反発するのではないかと懸念したことも原因の1つとして考えられる。

すべての暗号資産が同じ運命を辿っているわけではない。ビットコインは3万1000ドル()近くまで下落し、史上最高値の半分以上を記録した一方で、イーサリアムは2021年4月初めて到達した価格まで下落しました。最大の損失のいくつかは、DfinityのInternet Computerトークンで、先週で60%近くの価値を失っている。一方、マルチチェーン開発プラットフォームのPolygonは、全体的な暴落の中で急上昇し、今週88%上昇した。

一般市場の投資家は、Coinbaseの株価が米国時間5月19日水曜日の朝に5%下落、一時的に達成した史上最高値から47%以上下落し、直接の上場目標価格よりも10%低くなったことで、暗号市場のボラティリティを味わうことになった。

関連記事:イーロン・マスク氏がビットコインでのテスラ車購入停止を指示、ツイート後ビットコインは下落中

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産BitcoinEthereum

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

埼玉県川越市からJリーグ目指すCOEDO KAWAGOE F.Cがブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン発行

埼玉県川越市からJリーグ目指すCOEDO KAWAGOE F.Cがブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン発行

埼玉県川越市からJリーグを目指すCOEDO KAWAGOE F.Cは5月18日、ブロックチェーンを利用したトークン発行型クラウドファンディング「FiNANCiE」で5月20日よりクラブトークンの発行・売り出しを開始すると発表した。ファンディング実施期間は5月20日11時から6月18日14時59分までの予定。クラブトークンの販売売上は、主にクラブ運営費用に利用する。

COEDO KAWAGOE F.Cは2020年9月に埼玉県川越市をホームとし、20代の起業家2名によって設立された社会人サッカーチームだ。さらに、2030年のJリーグ加入も目指している。

COEDO KAWAGOE F.Cのクラブトークンはブロックチェーンで発行・管理され、ポイントのように数量を持ち、サポーター(トークン保有者)の売買に応じて価格が変動する。

そして販売売上は、主にCOEDO KAWAGOE F.Cのクラブ運営費用に利用される。購入者はクラブの投票企画への参加や、参加型イベントへの招待、特典抽選などへ応募が可能となる。

支援コースでは1万ポイント/3万ポイント/5万ポイント/10万ポイントの販売額が設定されており、それぞれで獲得できるクラブトークンが異なる。

COEDO KAWAGOE F.Cによると、欧州を中心とした海外ではブロックチェーン技術を利用したプロスポーツチームの「クラブトークン」が発行され、オンライン上でのファンサービス・クラブ応援ツールとして注目されているという。バルセロナFCやユベントスなど、主要なサッカープロチームなどがすでに展開しているそうだ。COEDO KAWAGOE F.Cによるクラブトークンの発行が、どのように地域リーグの発展に貢献するのかに注目したい。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:スポーツ(用語)ブロックチェーン(用語)日本(国・地域)

アバターを作るスタートアップGeniesがNFT人気に乗って65億円相当を調達

これまで数年間、全員が同じ夢を追っている新進のアバター企業を私も人並みに取り上げてきた。その夢とは、ゲームやデジタル空間で広く採用される架空の登場人物(ペルソナ)になるための、カスタマイズ可能なプラットホームを作ることだ。これまで私が取り上げたものの中で、生き残っているのは少ない。でもロサンゼルのGeniesは、有名ミュージシャンたちとのパートナーシップを成功させて、とても広い範囲のアバタープラットホームという大きなビジョンの実現に、初めて近づいている。

同社は今日(米国時間5/3)、Mary Meeker氏のBondがリードする6500万ドルのシリーズBを完了したことを発表した。それにはNEAやBreyer Capital、Tull Investment Group、NetEase、Dapper Labs、Coinbase Venturesなどが参加した。Mary Meeker氏はGeniesの取締役会に加わる。同社の最新の評価額は、公表されていない。

この財源は、創業4年目を迎えた同社のちょうど転換期に投じられた。そのことを、NFTデジタルカードNBA Top ShotのメーカーであるDapper Labsや、暗号通貨大手Coinbaseの参加が証明している。先週発表されたように、同社はDapper LabsのFlowブロックチェーン上のNFTプラットホームを展開して同スタートアップと密接に提携している。それによりDapper Labsは、Genesisのアバターアクセサリーのオンラインストアの、バックエンドを構築することになる。Dapper Labsがプロスポーツのリーグと独占契約してNFTとそれらの公式サポートを提供しているように、Genesisもその名簿に載っているJustin Bieber、Shawn Mendes、Cardi Bなどのセレブたちとのパートナーシップを活用して、アバターアクセサリーを大衆的に売買するためのプラットホームを作っていきたい心算だ。

同社は10月にGucciとのパートナーシップを発表して、自分の目の前に大きな新しい市場機会を切り開いた。

関連記事: Genies updates its software development kit and partners with Gucci, Giphy(未訳)

Geniesのビジネスの大半は、まず有名チームや有名タレントなどとパートナーして、それらが提供するエンターテインメントの顧客にアバターというデジタルの存在を与えることが主体だ。顧客はソーシャルメディアなどの上で、アバターによって自分を目立たせることができる。同社はモバイルアプリのベータで全ユーザーにアバターの創造を展開したから、Genesisは彼らよりも前のアバター企業が明確に持っていた夢の一つにフォーカスしてきたことになる。それは、同社のSDKで、アバターのユーザーの大きなネットワークと、同社の形式と互換性のある多くのプラットホームのネットワークを作っていく、という夢だ。


画像クレジット: Genies

GeniesのCEO、Akash Nigam氏は本誌の取材に次のように語った: 「アバターは本来の自分をもっと積極的に見せていくためのメディアだ。それは別の自己の表現だから、現実世界の制約にとらわれる必要はない」。

NFTというトレンドがGenesisに新たな探究の分野を与えているが、同じくパンデミックというもっと大きなトレンドが、ユーザーを何もかもがデジタルという世界に追いやり、そこでお互いが社交し結びつくようになっている。そこでNigam氏は曰く、「パンデミックはあらゆるものを加速した」。

Nigamが念を押すのは、近い将来、NFTという大きな機会があるとしても、Genesiはあくまでもアバター企業でありNFTのスタートアップではないことだ。ただし、暗号技術に支えられたデジタルグッズとその市場は今後長年存在するだろう、と。デジタルグッズをめぐる現在の環境がGenesisの資金調達を助けた、という説には、彼は納得していない。彼によるとそれは、投資家にとって倍率6〜8倍の投資機会であり、スタートアップへの日和見主義的な投資にすぎなかった。「うちは何年も資金調達をせずにやってきた企業だから」、と冷静な言い方をする。

同社によると暗号化製品のマーケットプレースは、早ければ今年の夏ごろにローンチするそうだ。

関連記事: The NFT market is just getting started, but where is it headed?(未訳、有料記事)

(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Genies

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PayPalと提携したPaxosが暗号資産インフラとサービス拡大で約326億円を調達

Paxos(パクソス)はOak HC/FTがリードしたシリーズDラウンドで3億ドル(約326億円)を調達した。これによりPaxosの評価額は現在、24億ドル(約2612億円)だ。同社は顧客に暗号資産(仮想通貨)プロダクトを提供したい法人顧客のためのインフラ構築とホワイトラベルのサービスを手がけてきた。

中でも、Paxosは暗号資産機能でPayPal(ペイパル)と提携した。2020年10月以来、PayPalの顧客はBitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)、Litecoin(ライトコイン)の購入、保持、売却ができる。PayPalの子会社Venmo(ベンモ)はちょうど数日前に同じ暗号資産機能を加えた

関連記事:PayPalが仮想通貨の売買サービスを米国で開始、Paxosと提携

PaxosのシリーズDラウンドにはDeclaration Partners、PayPal Ventures、Mithril Capital、Senator Investment Group、Liberty City Ventures、WestCapが参加した。

Paxosは暗号資産取引や決済、管理、トークン発行能力などさまざまなプロダクトを提供している。専門とする顧客はRevolut、Crédit Suisse、Société Générale、StoneXなど主に大企業だ。

Paxosは可能な限り規則を順守しようとしている。そしていくつかの国や分野の規制に引き続き従うつもりだ。

例えば同社はPaxos National Trust Bankを立ち上げて米国の証券取引委員会の清算機関登録に申し込む計画だ。シンガポールでは、主要決済機関ライセンスに申し込んでいる。この規制関係の取り組みは、安全な暗号資産の機会を求めているより多くの法人顧客との提携を育む。

同社はまた、Paxos Standard (PAX)という自前のステーブルコインも立ち上げた。ステーブルコインはBTCやETHのような暗号資産だ。しかしPAXの価値はUSD(米国ドル)で示される。いつでも1PAXは1USDだ。他の人気のステーブルコインとしてはTetherとUSDCがある。

Paxosはまた、独自ブランドのステーブルコインの発行も可能にしている。例えばBinanceは自社プラットフォームでBUSDを発行するのにPaxosと協業した。想像がつくだろうが、1BUSDの価値は1USDだ。

Paxosは金に支えられたデジタル資産であるPAX Goldでも知られている。Ethereumブロックチェーンで機能する限り効率的であるはずの金ETFの代替だ。

最後にPaxosはitBitという自前の暗号資産取引所を持っている。CoinMarketCapによると、itBitは一握りのものだけを扱う。消費者向けではなく、Paxosの他のプロダクトを動かしている。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Paxos資金調達暗号資産

画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

ブロックチェーンを利用して美術品の独特な所有権管理を行うLobusが6億円相当を調達

ブロックチェーンの実際のユースケースの中でも、美術市場における所有権証明の再編はもっとも明白なもののひとつだった。しかし最近の数か月は、高名なオークションハウスがNFTを採用し、人気アーチストたちがこの暗号媒体を試みるようになるに伴い、その未来がかつてなく現実味を帯びてきたようだ。

クリスティーズとサザビーズの出身者たちが作ったスタートアップLobusは、SuperRareのようなNFTマーケットプレースのクリエイターフレンドリーな仕組みを実物アートの世界に導入した資産管理プラットホームで、ブロックチェーンの技術を日常化しようとしている。彼らはそれによって、美術品のオーナーが彼らが売る作品の部分的な所有権を持ち、今後の取引からも利益を得られる仕組みを実現するつもりだ。実物アートの売り手は、自分の作品を100%売ることと、その価値が今後の取引で増えていくことを、今では当たり前と思うようになっている。しかしLobusの目標は、それらの売買の全過程においてアーチストも所有権の一部を保持し、毎回手数料を得られるようにすることだ。それは、ブロックチェーンを用いる所有権方式によって可能になるラジカルなアイデアであり、悪夢でもある。

LobusのCEO、Sarah Wendell Sherrill氏は本誌の取材に対し次のように語った: 「私たちがやろうとしているのは、NFTが所有権というものに関してもたらした最良のものを利用して、どうやったら所有権の形や構造を多様化してこの資産クラスに介入し制御できるのか、という問に答えることだ」。

彼らのスタートアップはこれらの新しい仕組みをカプセルに収めた対象範囲の広い資産管理プラットホームにより、今日使われている古いレガシーソフトウェアのユーザーを誘い出すことを狙っている。堅固な所有権証明にCRMとアナリティクスのプラットホームと動的プライシングのようなツールを組み合わせてLobusは、美術市場にエクイティ管理のCartaのような独自のソフトウェアプラットホームを導入して、もっと広い市場にアプローチできるようにしたいのだ。

関連記事: The NFT market is just getting started, but where is it headed?(未訳、有料記事)

Lobusによると同社は、Upside Capitalと8VC、Franklin Templeton、Dream Machine、Weekend Fund、およびBoostVCらから600万ドルを調達している。そのラウンドに参加したエンジェルは、Rob Hayes氏、Troy Carter氏、Suzy Ryoo氏、Rebecca/Cal Henderson氏、Henry Ward氏、そしてLex Sokolin氏だ。

チームの大きな目標は、ブロックチェーンの理解をもっと容易にして、それが美術品のオーナーのネットワークにもたらすものに、目を向けさせることだ。過去数か月のNFTブームで巨額の売り上げがが計上されたが、Lobusのような努力が挑戦しているのは、すべての権利者や利害関係者を同じ土俵に乗せて、暗号化アートのさまざまな仕組み(めしべ)をグローバルな美術市場(おしべ、花粉)で他花受粉していくことだ。すでにおよそ300の熱心なアーチストのパートナーがいるLobusは、そのプラットホームを蒐集家やアーチスト共同体、資産マネージャーなどにも売り込んでいる。

今現在、Lobusのデータベースにはおよそ45000点の美術作品物件があり、そのフィジカルとデジタルの物件の全体の価値は約54億ドルに達している。

関連記事: イーサリアムの「最古のNFTプロジェクト」CryptoPunksをめぐる驚くべき熱狂

(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)
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テスラにとってビットコインはすばやく現金にアクセスできる重要な金融ツール

Tesla(テスラ)のBitcoin(ビットコイン)に対する気持ちは戯れではないようだ。同社のCFO(最高財務責任者)で「Master of Coin(コインの達人)」との肩書を持つZach Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏が、米国時間4月26日の決算説明会で述べたコメントによると、テスラはビットコインの変動性にもかかわらず、その長期的な価値を信じているという。

テスラは今四半期に15億ドル(約1624億円)をビットコインに投資し、そのあとポジションを10%切り下げたと、同社の四半期決算説明会でカークホーン氏は語った。その売却により、第1四半期の同社の収益に1億100万ドル(約109億3000万円)の「プラスの影響」があったと、同氏は続けた。テスラは顧客がビットコインで車両代金や予約金を支払うことも可能にしている。

テスラがビットコインに目をつけたのは、現金の保管場所としてすぐにアクセスでき、しかも中央銀行がバックアップする伝統的な安全資産よりも優れた投資収益率を可能にするからだ。もちろん、変動の激しいデジタル資産がもたらす高い利回りには、高いリスクがともなう。

連邦準備制度理事会(FRB)のJay Powell(ジェイ・パウエル)議長は、2021年3月に国際決済銀行がバーチャル開催したサミットで、暗号化された投機的な資産は変動が激しく、価値の保存には適さないとFRBは考えていると指摘したが、このような警戒を高める風潮にテスラは反対している。通貨の基本的な機能は価値を保存する能力であるため、FRBの警告は重要なことだ。また、パウエル議長はデジタル通貨には何の裏づけもないことを指摘し、ドルではなく金に例えた。

カークホーン氏は以下のように述べている。

Elon(イーロン・マスク氏)と私は、すぐに使わない現金を保管する場所を探していました。ある程度のリターンを得ながら、流動性も確保したいと私たちは考えていました。特にオースティンとベルリンに新設した工場の稼働を控え、半導体や港のキャパシティに不安がある中、すぐに現金にアクセスできることは、今の私たちにとって非常に重要なのです。

そしてご存知のように、そのようなことができる伝統的な機会は多くありません。特に余計なリスクを負うことがなく、流動性も犠牲にしないとなると、少なくとも私たちは見つけることができず、他の人に聞いても良い答えは得られませんでした。当時、ビットコインは日常業務にすぐに使用しない、あるいは年末まで必要としない現金を保管する場所に適しており、ある程度のリターンが見込めるように思われました。これまでのところ、その判断が正しかったことが証明されています。

テスラはこのデジタル通貨を注視しており、多くの楽観的な材料があるとカークホーン氏は述べている。

「企業財務の観点から考えると、ビットコイン市場の流動性の高さには非常に満足しています」と、同氏はいう。「最初のポジションは非常に早く構築できました。3月下旬に売却を行った際も、非常に迅速に実行することができました。このように、リスクマネジメントの観点から事業に対するグローバルな流動性を考えると、市場に現金を出し入れできることは、当社にとって非常に重要なことだと思います」。

テスラは2021年3月にポジションを縮小したものの、同社の意図は手持ちのビットコインを長期的に保有し、顧客が車両を購入する際の取引からビットコインを蓄積し続けることだと、カークホーン氏は付け加えた。同社の「Technoking(テクノキング)」を名乗るMusk(マスク)氏は、3月にテスラが米国での支払い手段としてビットコインを受け入れると発表した。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Tesla暗号資産Bitcoinデジタル通貨決算発表イーロン・マスク

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Rebecca Bellan, Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

イーサリアムの「最古のNFTプロジェクト」CryptoPunksをめぐる驚くべき熱狂

2021年3月、小さな帽子をかぶった宇宙人の24×24ピクセルの1組のポートレートがそれぞれ約750万ドル(約8億2000万円)で販売されたのは、Beeple(ビープル)がNFTを6900万ドル(約75億7000万円)で売却したというニュースが全米の新聞の一面を飾る数時間前のことだった。

関連記事:BeepleのNFT作品が75億円で落札、アート界に変革の兆し

この宇宙人のポートレートは片方が売れてからもう片方が売れるまで20時間ほどしかかからなかったのだが、Beepleのオークションのようにメディアをにぎわせることはなかったが、片方がデザインソフトウェアのスタートアップFigma(フィグマ)のCEOであるDylan Field(ディラン・フィールド)氏によって販売されたため、テックメディアで少し取り上げられた。販売後のクラブハウスでの会話で、フィールド氏は、ブロックノイズのように角ばった輪郭で描かれているこの作品が、今から1世紀後には「デジタルアートのモナリザ」になることを願っていると述べた。

Punk #7804、最近4200イーサ(販売時点で約8億2000万円)で販売された

ピクセルで作成された宇宙人のポートレートは、CryptoPunks(クリプトパンク)と呼ばれるNFTプラットフォームで所有されていた。NFTの世界では、このプラットフォームはかなり古い時代のもの、つまりほぼ4年以上前のものだ。登録されている1万体のパンクはすべて手順通りに作成され、プロジェクトが開始された2017年には無料で配布されていた。

それ以来、これらの画像の取引を中心に築かれた経済は、少なくとも数カ月前までは、小さいながらも情熱的なコミュニティとともに成長してきた。それが突然、ピリピリしたシリコンバレーのCEOや著名なベンチャー投資家、有名なYouTuber、ポーカーの有名なプロなど、主要な実業家を巻き込んで急成長した。NFTの追跡サイトCryptoSlam(クリプトスラム)によると、同プラットフォームでは、ローンチ以来、正式な取引で2億ドル(約217億9000万円)相当の取引が行われているという。これは過去数カ月で、NFTの取引の98%が同プラットフォームを経由して行われたということだ。

「パンク」(クリプトパンクで取引される画像)の価格が急上昇したのは、暗号資産の価格上昇、Dapper Labs(ダッパーラボ)のNBA Top Shot(NBAトップショット)の人気上昇、物理的な収集品市場の復活などをきっかけとしてNFTに対する関心が急に高まったことが主な原因だが、こうした状況により、デジタル商品への投資に対する心理的なハードルが低くなった投資家が増えた。

現在、最も安価なパンクはEthereum(イーサリアム)暗号資産で約3万ドル(約329万円)、希少価値が最も高いものになると1000万ドル(約11億円)弱の値が付くようだ。

クリプトパンクは大いに注目を集めている。しかし、あらゆる目がプロジェクトに注がれているにもかかわらず、人々は自分が何に注目しているのか、まだはっきりとわかっていない。

Sotheby(サザビー)のCEOであるCharles Stewart(チャールズ・スチュワート)氏はTechCrunchとのインタビューで「NFTの世界では、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のツイートの販売、トップショット、Beepleが同じ文脈の中で語られています」と話している。「境界線が曖昧になっている可能性があります。クリプトパンクは芸術なのでしょうか。収集品なのでしょうか。正確には何でしょう」と同氏は付け加えた。

画像クレジット:Lucas Matney

「より公正な」株式市場

2017年の初め、John Watkinson(ジョン・ワトキンソン)氏とMatt Hall(マット・ホール)氏は、自分たちが作ったピクセルキャラクター作成ツールで遊び、自分たちが考え出したおもしろい小さなポップアートのポートレートにかなり夢中になっていた。6月までに、新興のイーサリアムブロックチェーンでホストされるクリプトパンクと呼ばれるプロジェクトのために、さまざまなヘアスタイル、帽子、メガネを持つ1万体のキャラクターを作成した。パンクの中にはいくつかの属性を持つものもいれば、属性を持たないものあり、類人猿や宇宙人のパンクもあった。クリエイターはいくつかの要素をキュレートしていたが、どんなパンクになるかはツール次第だった。

クリプトパンクは、ブロックチェーン愛好家の小さなコミュニティからささやかな関心を集めた。イーサリアムの「ガス代」(取引手数料)を数セント(数円)だけ払えば自分のパンクを所有できるからだ。クリプトパンクは、NFTプラットフォームCryptoKitties(クリプトキティ)が誕生する数カ月前、またNBAトップショットが誕生する数年前から存在する斬新なアイデアだったが、イニシャル・コイン・オファリングの初期段階に、2017年の暗号資産の波がやってきた。この頃は詐欺が多く、なかなか注目を集められなかった。ホール氏によると、ローンチの数日後に購入されたパンクは20〜30体だった。

それから1週間後、発足したばかりの暗号アートプロジェクトに関する記事がMashable(マッシャブル)に掲載されると、数時間後にはパンクは売り切れた。

中にはすぐにうまくいかなくなったユーザーもいた。hembaというユーザー名を使い、クリプトパンクコミュニティの要注意人物だったあるユーザーは、ローンチ時に1000体以上のパンクを購入し、この年、市場が上昇する前に1つ残らず売却したため、現在の価格で数千万ドル(数十億ドル)の利益を逃すことになった。mr703という別のユーザーは、ローンチ時に合計で703体ものパンクを購入し、そのうち数百体を数千万ドル(数十億ドル)相当のコレクションとして数年後も保有している。

ペンネームmr703とのディスコードチャットで「もう十分だと感じているか、あるいは、今後もパンクを買う予定か」と尋ねたところ「本当に欲しいパンクはすべて所有している」という答えが返ってきた。彼らが公開しているウォレットを見ると、私たちの質問に答えるまでの数分間で1体のパンクを3万7000ドル(約404万円)以上で購入し、その数時間後には、別のパンクを3万5000ドル(約383万円)で購入していた。

リスクの高い暗号資産を全面的に支援している一部の投資家は、NFTは暗号資産の保有手段を多様化する方法だと考えている。またクリプトパンクをどちらかというとゲームだと捉える投資家もいる。

クリプトパンクのクリエイターであるマット・ホール氏とジョン・ワトキンソン氏

「年々、ギャンブルと投資の違いが曖昧になってきているように思います」と、最近初めてパンクを購入したプロのポーカープレイヤーMike McDonald(マイク・マクドナルド)氏(31歳)は話す。

数万ドル(数百万円)の値が付くパンクもあれば、数百万ドル(数億円)の値が付くパンクもある。それはなぜだろう。盛り上がりを見せるクリプトパンクのディスコードコミュニティのユーザーは、デザイン属性の希少性に対する客観的分析とパンクの「美学」に対する主観的な印象に基づいて、パンクの価格を自分たちで決定する必要があった。

物事は常に予測できるとは限らない。パンクの属性として最も一般的な、イヤリングを付けたパンクは、最もレアな属性であるビーニー帽をかぶったパンクよりもはるかに低い価格で取引されている。しかし3Dメガネをかけた何百ものパンクは、数が少ない緑色のピエロの髪をしたパンクよりも高額のプレミアムを獲得する傾向にある。市場での勢いが不規則に増す属性もある。例えばここ数週間、パーカーを着たパンクの市場が特に過熱している。

「言うまでもなく、これは非常に投機的な市場です。しかし株式市場よりは公正だと思います」とユーザーのMax Orgeldinger(マックス・オゲルディンガー)氏はTechCrunchに語っている。「Elon Musk(イーロン・マスク)氏は称賛に値しますし、私はTesla(テスラ)の大ファンですが、株式市場には株価を支える原理はありません。GameStop(ゲームストップ)を見ても同じです。株式市場には誰も理解できない非常に複雑な数学が存在すると多くの人が考えていますが、NFTコミュニティにはそういう考えに騙される人はいないため、より公正な取引が行われています。つまりNFTコミュニティで人々が行うことは価格の決定だけであり、支払いたければそれが価格になり、支払いたくなければ価格になりません」。

価格が高騰したため、クリプトパンクの限定品を所有していること自体が「デジタル財産」になる。ソーシャルメディアサイトでアバターとして使う場合は特にそうだ、と数人のパンク所有者はTechCrunchに語った。ブロックチェーンの世界以外でも多くの富裕層がパンクを購入している。YouTuberのLogan Paul(ローガン・ポール)氏のようなインフルエンサーは、2021年3月、複数のパンクを17万ドル(約1860万円)で購入したときの動画をアップロードしている。

「パンクを持っていなければ、エコシステムは、このようなアバターを購入する余裕のある1万人のジェントルメンズ・クラブのようなものです」とマクドナルド氏はいう。

コミュニティの間では、このような外部からの注目は価格の暴落が起きる兆候でないかという懸念があるが、多くの投資家はNFTにおけるクリプトパンクの歴史的な価値に安心感を持っている。とはいえ、一部の投資家は、自分たちがやっていることは決して無謀ではないと周囲の人々を説得するのに苦労している。

「ガールフレンドが自分の家よりも高い金額をパンクにつぎこんだことに憤慨していた」というのは、最近6桁の金額のパンクを購入したユーザーであるChris Minter(クリス・ミンテン)氏だ。「彼女によると、パンクを購入する人々はお金の価値を正しく理解していないインターネットオタクの集まりだそうです。そうした人々にとってお金はただのゲームであり、画面上の数字にすぎないのです」と彼はTechCrunchに語った。

クリプトパンクを取り巻くコミュニティは、主にチャットアプリのディスコードの専用グループで活動している。このグループでは、パンク所有者であると確認されたユーザーが会話を盛り上げる傾向にあり、彼らが投資している有望なNFTプロジェクトへの注目を集めることができる。

「これはちょっとしたカルト集団です」とユーザーのthebeautyandthepunkはインタビューの中で述べている。

多くの初期のユーザーと同様に、thebeautyandthepunkは、ローンチ時に数十のパンクを購入してから偽名を使い続けており、数百万ドル(数億円)の価値があると思われるNFTコレクションを所有していることは、自分の会計士以外は誰も気づかないだろう、とTechCrunchに語っている。彼女は最近、圧倒的に男性が多いクリプトパンクコミュニティに、ローンチ当初から参加していた数少ない女性トレーダーの1人であることを公表することを決めた。

「私は現実の生活と暗号資産の生活を完全に分けようとしています」と彼女はいう。「しかし、女性はしばらくこの分野で活躍してきたこと、そして女性がこの分野から去ることはないということを、人々は知る必要があります」。

暗号資産トラッカーのEtherscan(イーサスキャン)によると、現在、1万体のパンクが1889個のウォレットに分散している。これらのアカウントの中には使用されていないものや、失効したと見られているものがあり、その中のパンクはブロックチェーン上で永遠に消えてしまうことになる。現在、パンク用の最大のウォレットを所有しているのは、NFTプラットフォームのクリエイターであり、488ものパンクを持っている。ほとんどの仕組みがすでにでき上がっているブロックチェーンベースのマーケットプレイスにおいて、クリエイターが唯一「所有」できるものがパンクなのだ。

「今は私たちもユーザーにすぎません。私たちのウェブサイトでは、私たちがこのプロジェクトを作ったということに言及していません」とワトキンソン氏はTechCrunchに話す。「所有しているパンクから取得しているものが、私たちの唯一の持ち分です。市場から分け前を取ることはありません」。

画像クレジット:Lucas Matney

巨額の金が動くNFTの世界

現在、クリプトパンクのクリエイターたちはNFTに専念している。クリプトパンクの契約に根本的な変更を加えることはできないが、Discordのグループに参加し、増え続けるユーザーのコミュニティを見守りながら、ウェブサイトのマーケットプレイスを改善しようとしている。

「これを私たちの仕事にしようと思ったことは一度もありませんでした」とワトキンソン氏はいう。

2019年に、ホール氏とワトキンソン氏は、ブロックチェーンにジェネレーティブアートをもたらす「Autoglyphs(オートグリフ)」という後続プロジェクトを発表した。オートグリフは、クリプトパンクのようなポップな美的感覚を備えていないが、ブロックチェーンアートの探求をさらに深めた。ホール氏とワトキンソン氏は、さまざまなプロジェクトを中心としたLarva Labs(ラルバ・ラボ)という会社を発足した。現在、彼らは新しいNFTプロジェクトを立ち上げているが、そのプロジェクトはクリプトパンクやオートグリフよりも参入障壁が低くなると期待されている。

「クリプトパンクはますます高価になり、参入が難しくなっています」とホール氏はいう。

公式マーケットプレイスでのクリプトパンクの販売総額は約2億ドル(約218億円)で、その生涯総売上数は、Dapper Labs(ダッパーラボ)のNBAトップショットが過去数カ月で達成した売上数の約40%に相当する。ただしクリプトスラムによると、クリプトパンクはトップショットの総取引数の0.35%、つまりトップショットの330万件以上の取引に対し1万2000件以下の取引でこの売上を実現したことになる。多数の取引が数百万ものNFTに分散しているため、トップショットの取引当たり価格ははるかに低いが、アクティブユーザーの数ははるかに多いということだ。

3月、ダッパーラボは26億ドル(約2829億円)の評価額で3億500万ドル(約332億円)を調達したと発表した。注目を集めるパートナーシップを通じて、プライベートなフローブロックチェーンを他のブロックチェーンの「ゲーム」に拡大しようとしているためだ。ホール氏とワトキンソン氏は、ダッパーラボの成功の行方を見守っているが、NFTの次のステージを今後も模索するために、ラルバ・ラボにベンチャー資金が必要になるとは考えていない。

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「大企業になってNBAと契約するといったことよりも、技術的な可能性を探求し続けることを楽しみにしています」とワトキンソン氏はいう。「クリプトパンクで気に入っているのは行動です。私たちはそうしたレベルの行動を取り戻す方法を見つけたいと思っています。私たちの次のプロジェクトでは、取引の流れを持続させる方法を見つけます」。

彼らは、2021年「比較的早い時期」に公開すると言っている新しいプロジェクトについて、ほとんど詳細を明らかにしていない。

画像クレジット:Lucas Matney

種の起源

クリプトパンク伝説は、クリプトパンクはイーサリアムブロックチェーンで最古のNFTプロジェクトであるという主張に深く根差している。これは、私が話をしたパンク所有者のほぼ全員が、このプラットフォームに数十万ドル(数千万円)を投資した最大の理由として口にした言葉である。ポール氏は、最近のYouTube動画で、懐疑的な友人たちに「クリプトパンクは初のNFTプロジェクトである。だからクリプトパンクは特別なのだ」と言って価格を正当化した。

しかしここ数週間で、この伝説に穴が開き始めた。「暗号の考古学者」が、イーサリアムの創成期に作成され、後に放棄されたNFTプロジェクトを発掘し始めている。そのうち少なくとも1つはクリプトパンクより前のものだ。私たちは最近「Etheria(イーサリア)」というプロジェクトのクリエイターであるCyrus Adkisson(サイラス・アドキソン)氏に話を聞いた。同氏は、イーサリアムのメインネットが稼働してからわずか3カ月後の2015年にEtheriaを公開した。このプロジェクトでは、ユーザーは大きな地図上で六角形のデジタルの土地を購入、販売し、その上に建築することができた。ローンチ当初はファンがあまり増えず、イーサリアムのブロックチェーンに何年も放置されていたが、アドキソン氏は、NFT周辺での「異様な盛り上がり」を見て、古いアカウントのパスコードを探し始めた。

「私は2月の終わり頃に両親に電話して、金鉱の上に座っているかもしれない、と言ったのを覚えています」とアドキソン氏はTechCrunchに語った。

アドキソン氏は、最終的に自分のEtheriaアカウントにアクセスし、長い間停止していたEtheriaのTwitterアカウントからいくつかのツイートを発信し、外部で取引可能な2つのバージョンの914タイルの大半が入手可能であり、1タイル1エーテルで購入できることを説明した。アドキソン氏によると、その週末の終わりには、空っぽだったウォレットが140万ドル(約1億5000万円)相当のイーサリアムで満たされたという。

古いというだけでEtheriaはヒットしない。ここからの大きな課題は、多くのユーザーを取り込み土地タイルの価格を押し上げる、プロジェクトを中心としたコミュニティを構築することだ。最近では、1枚のタイルが約2万5000ドル(約272万円)相当のイーサーで売り出されたが、早期にEtheriaに参入していた人たちは、市場の発展を待ちながら、新しいユーザーが参入でき、プロジェクトの注目度が上がるようにタイルを調整することに苦労している。

「これらのプロジェクトには、確かに歴史的な流れがありますが、今はコミュニティとの強固な基盤を構築する必要があります。実際の指標は現在にあるのではなく、1年後のコミュニティの状況、規模、エンゲージメントにあるからです」と、NFTの熱心な支持者であるAllen Hena(アレン・ヘナ)氏は語る。同氏は3月、一連のブログ記事を投稿して、Etheriaのコミュニティに注目を集めるのに貢献した。

このプロジェクトが復活してから数日のうちに、若いコミュニティには意見の相違や内輪もめが数多く見られた。アドキソン氏が、すでに多くの人が手を引くことを決めているプラットフォームに対し、ある程度のコントロールを維持しようとしているためだ。オーナーが主に不満を抱いているのは、アドキソン氏が旧バージョンのEtheriaの外部取引を可能にしようとしていることだ。これにより、既存契約の土地タイルの価格が大幅に下落する可能性がある。TechCrunchのインタビューの後、アドキソン氏はEtheria 1.0の方向性を決定するために、Etheriaのディスコードサーバーから退出し、グループの管理者たちは彼抜きで活動を続けることを明言した。

私たちが話を聞いたパンクオーナーたちは、新たに再浮上したプロジェクトに注目しているが、Etheriaの「古さ」がNFTの歴史におけるクリプトパンクの価値に大きな影響を与えるという考えには懐疑的だ。

「理論上はクールに見えますが、実際にはコミュニティのためになることはありませんでした」と、ユーザーのDaniel Maegaard(ダニエル・マエガード)氏はいう。「難しい作業すべてを実行したのはクリプトパンクなのです」。

Punk #6487、最近、ダニエル・マエガード氏が550イーサーで販売(販売時点で約1億1442万円相当)

30歳の暗号投資家であるマエガード氏はオーストラリアのブリスベンを拠点とし、クリプトパンクの価値に誰よりも投資している。彼は最近、特に珍しい「属性のない」女性のパンクを100万ドル(約1億1000万円)以上で販売した。彼は、最も希少なパンクの1つ(最も希少という人もいる)のオーナーでもある。このパンクは、7つのユニークな属性を持つことから「7-atty」という異名を取り、パンク伝説の聖地になっている。2020年、彼がイーサリアムでこのパンクを買った時の値段は、過去最高額の約1万8000ドル(約196万円)だった。彼はすぐには手放す気はないようで、最近、NFTをトークン化し、その一部を他のユーザーに販売したいという投資家グループからの420万ドル(約4億5700万円)のプライベートオファーを断ったと言っている。そのパンクを持っているとさらなる利益が得られる可能性があるというのも理由の1つであるが、本当の理由は、デジタルファイルのコレクションとの感情的な結びつきを感じ始めているからだ。

「この小さなピクセルでできた顔は、簡単に手放せます。私はいくつかのパンクを売ったことがありますが、いつも後悔します。属性のないパンクを売ったときも後悔しました」とマエガード氏はいう。「100万ドル(1億1000万円)はすごい額ですが、私は彼女のことが本当に好きだったみたいです」。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFTCryptoPunksEthereumCryptoKitties暗号資産

画像クレジット:Lucas Matney

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(文:Lucas Matney、翻訳:Dragonfly)

ビットコインを筆頭に暗号資産市場が急降下

Bitcoin(ビットコイン)を筆頭に暗号資産(仮想通貨)の価格は米国時間4月23日の金曜日も下落を続け、同通貨の価格は2021年3月初旬以来初めて5万ドル(約540万円)を下回った。

ビットコインは前週比で約20%、先週初めの史上最高値である約6万5000ドル(約700万円)からは約30%下落した。ビットコインの時価総額は1兆ドル(約110兆円)を下回っている。Ethereum(イーサリアム)は米国時間4月22日に史上最高値を記録したが、その後に市場全体が回復したたため13%の下落となり、下落幅はそれほど大きくなかった。

また、多くのアルトコインも打撃を受けている。Dogecoinは先週末に急上昇した後、今週の猛烈な上昇を帳消しにし、価格がほぼ半減した。XRPは前週比で35%減、Stellarは30%減、Polkadotは25%減となっている。

Coinmarketcapは全体として、過去24時間で世界の暗号市場が約10%縮小したと推定している。

暗号資産の価格は過去数カ月にわたって上昇してきたが、先週は価格上昇を修正する明確な兆候が見られた。しかし多くの人は、Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領がキャピタルゲイン税の引き上げを調整したというニュースが、市場の下落の最も明白な理由であると考えている。投資家はルールの遡及適用によって、自分の利益に影響が出ないことを願ってキャッシュアウトしている。

先週に直接上場したCoinbase(コインベース)は今週に株価を約10%下げたが、金曜日の日中取引ではほとんど影響を受けなかった。

ここ7日間でのBitcoinの価格(グラフ作成:CoinMarketCap)

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産BitcoinEthereumジョー・バイデンCoinbase

画像クレジット:Dan Kitwood / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:塚本直樹 / Twitter

若者がビットコインのかけらに少額投資できる印CoinSwitchをTiger Globalが540億円超の評価で支援

インドの若年層ユーザーが暗号資産(仮想通貨)に投資できるようにするスタートアップCoinSwitch Kuber(コインスイッチ)は、世界第2位のインターネット市場であり、今のところ民間の暗号資産の将来が不透明な場所でもある同国での事業拡大に向けて、新たな資金調達ラウンドで2500万ドル(約27億円)を獲得したとインド時間4月22日に発表した。

関連記事:インド政府がビットコインなどの民間発行仮想通貨を禁止する法律を提出へ

Tiger Global(タイガー・グローバル)は、CoinSwitch KuberのシリーズB資金調達ラウンド全額を出資し、設立3年になるインドの同スタートアップを5億ドル(約540億円)以上と評価した。シリーズBの発表は、CoinSwitchがRibbit Capital、Sequoia Capital India、Kunal Shahから出資を受けた1500万ドル(約16億2000万円)のシリーズAラウンドをクローズしてからわずか3カ月後に行われた。バンガロールを拠点とするCoinSwitchは、これまでに総額4150万ドル(約44億9000万円)を調達している。

TechCrunchは先日、ニューヨークに本社を置くテクノロジーヘッジファンドであるTiger Globalが、CoinSwitchを含む多くのインドのスタートアップへの投資をすでに主導したか、あるいは主導する交渉が進んでいると報じた。

関連記事:【コラム】前代未聞のペースでインドにユニコーン企業を生み出しているTiger Global

CoinSwitch Kuberは現在、暗号資産分野で活動しているひと握りのスタートアップの1つだ。この暗号資産取引所では、ユーザーはいくつかの人気のある暗号資産の小片を購入することができる。例えばCoinSwitchのユーザーは、ビットコインなどの小袋を100インドルピー(約140円)という低価格で購入できる。

同社は450万人以上のユーザーを集めており、その半数以上は25歳以下だという。過去11カ月間で、CoinSwitch Kuberは50億ドル(約5406億円)以上の取引を処理した。

しかし、2021年末までに550万人のユーザーを増やすことを目標としているこのスタートアップが今後どのように業績を上げていくかは、完全に同社次第というわけではない。

インドでは現在、Bitcoin(ビットコイン)といった民間の暗号資産の取引が合法とされているが、政府当局が民間暗号資産をすべて禁止する法律を導入することが広く予想されている。

CoinSwitch Kuberの共同創業者兼CEOであるAshish Singhal(アシシュ・シンハル)氏は、インドが民間暗号資産を禁止しないことを楽観視しているとしながらも、同社がTiger Globalとの資金調達ラウンドをクローズしたのは、政府が法律の策定を示唆する前だったと述べている。

「今回の投資ラウンドにより、当社は世界で最も注目されている暗号資産企業と肩を並べることができ、長期的な展望を持つことができました」とシンハル氏は述べている。

ここ数カ月、インドの一部の暗号資産スタートアップは、同国が国内での暗号資産取引を禁止することになった場合の緊急時対策を検討し始めた。多数のスタートアップが現在インドで事業を展開しているが、その多くは海外の顧客へのサービスに重点を置いている。

Tiger GlobalのパートナーであるScott Shleifer(スコット・シュライファー)氏は、声明の中で次のように述べた。「CoinSwitchは、インドを代表する暗号資産プラットフォームを構築しており、個人投資家の間で高まっている暗号資産への多大な関心をとらえる態勢を整えています。当社は、CoinSwitchがこの新興資産クラスで革新を起こす際にパートナーとなれることを楽しみにしています」。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:CoinSwitch Kuberインド暗号資産資金調達Tiger Global

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

double jump. tokyoが「NBA Top Shot」のDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

doublejump. tokyoがNBA Top ShotやCryptokittiesのDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

ブロックチェーン技術を用いたアプリ開発を行うdouble jump.tokyoは4月22日、「Cryptokitties」(クリプトキティ)や「NBA Top Shot」(NBAトップショット)を手がけるDapperLabs(ダッパーラボ)と提携したと発表した。DapperLabsが開発するブロックチェーン「Flow」(フロー)に関するNFTおよびブロックチェーンゲームなどの対応、トランザクションが正しいかどうかを検証・合意形成を行うValidatorNode(バリデーターノード)の運用を開始する。

Flowは、NFTを世に広めた初のコンテンツ「Cryptokitties」などのDapperLabsが手がけている、新たなブロックチェーン。現在は、Flow上で動作する同社開発・運営のNFTトレーディングカードゲーム「NBA Top Shot」が人気で、サービス開始後の流通取引総額が約400億円となったことから第2のNFTブームを生み出すきっかけのひとつとなっている。

double jump.tokyoは今回のパートナー提携により、Flowを通じたNFT・ブロックチェーンゲームの海外展開の推進、またFlowの日本進出を支援する。同時に、ValidatorNodeの運用を開始することで、Flowチェーンの地理的な分散性に貢献する。

またdouble jump.tokyoが開発してきた、AWS Key Management Service(AWS KMS)を使ったビジネス向け「Flow Wallet SDK」をオープンソース(MITライセンス)として提供開始。すでに「AWS KMS authorizer (signer) for Flow blockchain」としてGitHub上で公開している。Flowでサービス展開を行う企業に広く使用してもらうことでFlowエコシステムに貢献するとしている。

Ethereum上のNFT標準規格「ERC-721」の生みの親「DapperLabs」がFlowを新規開発

Flowは、Cryptokittiesと、Ethereum上のNFT標準規格ERC-721を生み出したDapperLabsが、新たなブロックチェーンとして開発した。

doublejump. tokyoがNBA Top ShotやCryptokittiesのDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

現在のEthereumは、ガス代の高騰をはじめとするスケーリング問題に直面していること、コンシューマー向けのレイヤー1ブロックチェーンが存在しないことなどの課題が広く知られており、これに対してFlowは、DapperLabsがゲームやアプリ、またNFTなどのためにゼロから開発したブロックチェーン基盤と位置付けている。

Flowのユースケースとしては、先のNBA Top Shotが挙げられる。NBA Top Shotでは、ローンチしてから2021年2月末までの5カ月間で2億3000万ドルの取引が行われており、世界中から話題を集めている。

double jump.tokyo

2018年4月設立のdouble jump.tokyoは、ブロックチェーン技術を用いたゲームおよびアセットの開発・運営・販売を手がけるブロックチェーンゲーム専業開発会社。

数多くのゲーム(モバイルソーシャルゲーム、PCオンラインゲーム、家庭用ゲームなど)およびプラットフォームの開発・運営、ブロックチェーン技術および暗号資産を含むファイナンスにおけるノウハウを有するメンバーが参画している。

同社のブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」(マイクリプトヒーローズ)は2019年8月、DappRadarにおいて、ブロックチェーンゲームとして世界No.1のユーザー数、トランザクション数を記録した。

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異なるブロックチェーンやアプリ間でNFTを相互利用するための共通仕様「Oct-Pass」を策定開始

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)Amazon Web Services / AWS(製品・サービス)Ethereum(製品・サービス)ERC-721(用語)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)Dapper Labs(企業)
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