Apple、iOS 8でiPadにマルチタスクと画面分割を導入するらしい

Appleのソフトウェアの動向の予測にかけては数々の実績がある9to5MacのMark Gurmanが、AppleはiOS 8で画面分割とマルチタスクを開発中だと報じた。この画面分割機能は最近のSamsungタブレットやMicrosoft Surfaceのものに似ているという。最近、これとほとんど同一のマルチタスク機能を追加するOS ExperienceというiPad向けジェイルブレーク(脱獄)が発表されている。

画面分割はMicrosoftがiPadに対するSurfaceの優位性を示すものとして広告で強調しているし、多くのユーザー・フォーラムや記事で必要性が指摘されている機能でもある。iOS 8で開発中の画面分割は、2つのアプリを並べて表示し作動させることができるだけでなく、画像やビデオファイルなどを一つのアプリから他のアプリへドラグ&ドロップできるものになる。Appleでは2つのアプリが独立に作動するだけではなく、相互にコミュニケーションを取れる機能も開発中だという。

9to5Macによれば、画面分割のサポートは9.7インチ以上のiPadで横位置のみだという。iPad miniがサポートされるかどうかは不明だ。画面分割とマルチタスクのサポートはiPadによるノートパソコンの代替をさらに大きく進めることになるだろう。

iOS 8にはこの他にも、フィットネス・センサーや医療センサーと連携するHealthbookアプリ、マップへの公共交通機関の乗り換え案内の追加など数々の改良が準備されているようだ。9to5Macによれば、こうした新機能の一部はiOS 8.1アップデートを待つことになるかもしれないと注意している。リリース時期はともあれ、iOS 8はユーザーにとって多数の新機能がパックされたうれしいプレゼントとなりそうだ。

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MS OfficeのiPadアプリ、46日で2700万ダウンロードを達成

4月上旬にMicrosoftはOffice for iPadのダウンロード数が1200万回に達したと発表した。それから1月少々で、さらに1500万ダウンロードが追加され、今日(米国時間5/12)、総数は2700万回となった。

アプリが 公開されてからわずか46日にしてはとんでもない数だ。1日平均、58万7000ダウンロードという計算になる。それだけユーザー側からの要望が強かったということだろう。 あと1月後もすれば洪水のようなダウンロードが収まるのかどうか興味深い。

OfficeアプリのなかではWordがもっとも人気が高く、アメリカでは11位、109カ国でトップ100位に入っている。iPad向けOfficeのリリース後に発表されたGoogleドキュメントのiPad向け生産性アプリはアメリカでは23位に降下している。

Office for iPadは最近Microsoftが強力に推し進めているクロスプラットフォーム化、モバイル化、クラウド化路線の一環だ。統計的に見れば、Wordはローンチ以来の勢いを少しずつ失っている。

タブレット・デバイスが市場に確固とした地位を築いてから相当な期間が経過していることを考えると、タブレット向け生産性ツールが本格的に登場したのは驚くほど最近だ。iPad向けOfficeの提供もDropbox、Box,、Googleなどのライバルを相手にしたプラットフォーム戦争の一つの局面と考えるべきだろう。iOSでダウンロード数を稼ぐことはOneDriveやOffice365の売上増大につながる。 考えすぎだろうか? ともあれ、MicrosoftはAppleを助けるためにiPadのサポートを始めたのでないことは確かだ。

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Twitter、ミュートを正式導入―アンフォローせずに特定の相手を非表示にできる

TwitterはAndroid、iPhone、ウェブの各クライアント向けにミュート機能を正式に導入した。ユーザーはこれによってアンフォローせずにフォローしている相手のツイートを一時的に非表示にできる。

ミュートをオンにした場合、相手の投稿はリツイートも含めてタイムラインに表示されず、プッシュ通知やSMSでの通知にも含まれなくなる。ミュートしていることはユーザー本人以外にはわからない。またいつでもミュートを解除できる。

ミュートは個別のツイートの「その他」を開いて選択する。歯車アイコンから「設定、プロフィール」を開いても設定できる。この機能は今日から数週間かけて全ユーザーに公開される予定だ。

ミュートは一部のサードパーティーのクライアントではすでに実装されている。たとえばTweetbotはネーティブ・ウェブ・クライアントとiOSでミュート機能を提供している。Tweetbotのミュートはユーザーだけでなく特定のキーワードやハッシュタグを対象とすることもできる。これだとうるさいチャットグループや興味のない事件がタイムラインを溢れかえらせるのを簡単に防ぐことができて便利だTwitterにもTweetbotのようなハッシュタグ、キーワードのミュート機能を提供してもらいたい。

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99ドルのFirefox OSスマートフォンOpen CがZTEから発売

オープンソースで、ロックされてなくて、1か月の電話料金よりも安いスマートフォンを欲しい人、この記事を読んでね。携帯電話器の有力メーカーZTEが、初めてのFirefox OS機をEbayでわずか99ドルで売っている。一流メーカーのしっかりした製品で、本当にオープンなOSの機種が欲しかった人には、絶対おすすめだ。

その前には昨年合衆国でリリースされたZTE Openという機種があった。今度の新機種Open Cは、それよりやや高規格になり、お値段も20ドル高くなった。

スペックもまあ、お値段相当で、カメラ3mp、プロセッサ1.2GHz、メモリ4GBは、いくつかのアプリには十分だろう。Rushのディスコグラフィなら全部載るかもしれない。むしろ呼び物はFirefox OSで、Androidとは違い、完全にオープンソースだ。このOSはMozillaのおそらく最後の力作になるかもしれないが、失敗したUbuntuフォーンのように、オープンソースコミュニティのアイドルになっている。

このOpen Cという機種はFirefox OSの最新バージョンが載っていて、適応型アプリ検索(adaptive app search)という機能がある。たとえば”Cafe”と入力すると、カフェを見つけるためのアプリを教えてくれる。そのほか、メジャーなスマートフォンOSにある機能はだいたいすべてある。ないものといえば、ライセンス料金と、Androidにつきまとう“見せかけ的なオープン性”だ。Googleの一種の閉鎖性により、メーカーによってGoogle PlayのストアやそのほかのAndroidのプロプライエタリな機能を使えなかったりする。中国のように、オープンソースのスマートフォンに人気があるけど、Googleのサービスの多くが使えないというところでは、Firefox OSがぴったしだ。99ドルという価格は、世界中どこへ言ってもお買い得だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


電子書籍を月毎の定額で提供するOyster、提供書籍数が50万超となり、Android版も提供開始予定

提供する電子書籍について、月額9ドル99セントで読み放題のサービスを提供しているOysterの提供電子書籍数が50万冊を超えたとのことだ。昨年9月に10万冊からスタートしたサービスだが、順調に規模を拡大しているようだ。

また出版者との提携関係も拡大し、HarperCollinsは1万冊以上の書籍を提供するようになっているとのこと(Jess WalterのBeautiful Ruins、Gretchen RubinのThe Happiness Project、あるいはNeil GaimanのAmerican Godsなども提供中)。さらにMcSweeney’s、Chronicle Books、Grove Atlantic、そしてWileyなどとも新たに提携することになったとのことだ。

規模拡大への意図がうかがえる話であるが、しかしOysterが目指すのは「大量の本を提供する」ことではない。Oysterが利用者に提供したいと考えているのは「最近出版された、人気のある書籍」なのだそうだ。Oyster(およびその競合)のサービスは、しばしばNetflixと比較される。そのNetflixの場合も、不満の声は見られる本数についてのものではないことがほとんどだ。多くの人が見たいと思う人気作品が提供されているかどうかということが、最大の関心事となっている。

Oysterでは新刊がすぐに提供リストに入れられないケースもあるが、共同ファウンダー兼CEOのEric Stormbergは、出版から3ヵ月程度のうちに提供を開始できるように心がけていると述べている。

現在の利用者数などについては教えてもらえなかった。しかし提供される本の範囲を拡大し、また新たな出版社との提携も進めているというのは、逆にいえば読者数についても順調に拡大しつつあるということなのだろう。

競合であるScribdEntitleについても質問してみた。これに対しStormbergは「Oysterとしては人気の書籍を提供し、そしてより良いエクスペリエンスを提供していくまでです」と回答してくれた。

品揃えのについては、Oyster内で人気の100冊を見た場合、そのうち半数は競合他社では提供されていないものなのだそうだ。「そうした点をみても、私たちが人気作品を広く提供しており、そしてそれが利用者にアピールしていることをご理解いただけると思います」とのことだった。

Oysterは現在iOSデバイス版のみが提供されているが、年内にもAndroid版をリリースする予定にしているとのことだった。

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(翻訳:Maeda, H


子どもたちがプログラミングを学べるiPad上のヴィジュアル言語Hopscotchがシードで$1.2Mを調達

次世代のプログラマを育てる、と称するシステムは、今やとても多い。その一つ、ニューヨークのHopscotchが今日(米国時間5/8)、v2.0の発表とともに、昨年8月に120万ドルのシード資金を獲得していたことを公表した。

そのシード資金を出したのは、Resolute VenturesCollaborative FundKapor Capital、それに挙名されていない投資家数社(数名)だ。資金はチームの増員とコミュニティの立ち上げ、そしてアプリのバージョン2の構築に使われた、と協同ファウンダのJocelyn Leavittが言っている。

Hopscotchの特徴は、モバイルデバイスに絞っていることだ。具体的にはiPad。子どもたちはiPadの上で、Hopscotchのグラフィカルなプログラミング言語をドラッグ&ドロップしてプログラミングを学ぶ(上図)。同社はこの言語を“iPadプログラミング言語”と呼んでいる。つまりScratchに似ているけど、ただしiPadsオンリーなのだ。

Leavittはこう説明する: “Hopscotchでは、カラフルなコードブロックをドラッグ&ドロップしてルーチンを作る。それらのルーチンを保存しておき、いろんなオブジェクトにくっつけたり、あるいはiPad上のいろんなイベントによって起動できる(たとえば“iPadを揺すった”、“iPadが大きな騒音を聞いた”、など)。そこでたとえば、手を叩くたびに熊さんが宙返りをするプログラムを作れる。

“Hopscotchはオブジェクト指向プログラミング言語だが、ヴィジュアルな言語だ。ヴィジュアルだから、文字をタイプしていくプログラミング言語のように誤字の心配がない”。

Apple App Storeに出てから1年経つが、これまでに作られたプロジェクトは150万あまり、そのために5700万のコードブロックをコンパイルした。創業は2011年で、これまで百か国あまりの教師や子どもたちに使われてきた。ユーザ数は公表していない。

今度の新バージョンでは、エディタの部分と、プログラムが動くステージの部分を一つの画面にまとめた。また、関数やサブルーチンに相当する”abilities”(アビリティー)というものを導入した。これでユーザは、より高度なプログラミングの概念を用いてアプリケーションを作っていける。

子どものプログラミング教育とその分野での競争について、Leavittはこう言う: “ヴィジュアルプログラミング言語は何百もある。人気があるのはScratchとAliceとBlocklyだ。でもそれらは大学のプロジェクトがほとんどだから、競合他社とは呼びたくない(BlocklyはGoogleだけど)。というか、実はScratchを作りMIT Media LabでScratch 2.0を作ったJohn Maloneyは、私たちのアドバイザーだ”。

“モバイル上の‘子どものためのプログラミング’アプリも最近いろいろ出てきたけど、その多くは、問題が次々と難しくなるパズルみたいで、全然プログラミング言語ではない。つまりそれらは、子どもたちがそれを使って、何かを創造できるツールになっていない。Hopscotchは、それを使ってデジタルトイ(toy(s), 玩具)を作れるデジタルトイだ。21世紀のLegoね”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


開発者のためのGoogle Docsを自称するCodeanywhere、Disrupt NYでも大人気

プログラマーのためのGoogle Docsを自称するCodeanywhereがなかなかの人気だ。どこからでも、いつもと同じ開発環境を利用できるようにしようとするサービスだ。Disrupt NYのStartup Alleyで、観客の投票によるベストカンパニーに選ばれ、共同ファウンダーのIvan BurazinおよびVedran Jukicが、先ほどプレゼンテーションを行った。

このアイデアを思いついたのは、自分のPCがなくても、いつもと同じ環境でプログラム開発が行えないものかと考えたからだった。また開発と言わないまでも、問題点の修正を行うだけであっても、自分の環境一式を持ち歩かないといけないことに疑問を感じたこともあった。そのアイデアを推し進め、出先のPCからウェブ経由で利用できるようにしたのみならず、iOSおよびAndroid版のアプリケーションも提供している。

運営にあたっているのは2名の共同ファウンダーに5名のエンジニアだ。これまでに63万5000ドルの資金を調達しているそうだ。Burazinによれば、日々新たに400名が登録していて、利用者数は20万を超えており、先週のログイン者数は5万人程度になるのだそうだ。

料金はフリーミアムモデルを採用していて、有料版は月額5ドル(年間登録では50ドル)となっている。これによりFTP、FTPS、ないしSFTPサーバーを好きなだけ利用することができる。来月中にはオフラインモードで利用できるようにする予定で、Githubなどとの連携も深めて行きたいとのことだ。

訳注:Codeanywhereの「Features」ページでは以下の機能について説明が掲載されています。

  • ブラウザ内から利用できるコードエディタ
  • ファイルエクスプローラー
  • Dropbox、Github、Driveなどとの連携
  • SSHターミナル
  • リビジョン管理

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(翻訳:Maeda, H


ネットワーク経路の匿名化を行うTorをLinuxボックス化したoRouterが登場

長らくTechCrunchのハッカソンに参加してくれているKay AnarとGilad Shaiが、今回はハードウェア・ハックを見せてくれた。LinuxベースのRaspberry Pi風コンピュータを利用して、Wi-FiによるネットワークアクセスをTor経由で行うようにするものだ。プロダクトを「oRouter」という。ソフトウェアのダウンロードは無用となり、またiPhoneなどのモバイルデバイスでもTorを利用できるようになる。

Kayによると、このプロダクトのアイデアは技術に詳しくない人との会話から生まれたのだそうだ。その友人に「簡単に取り付けられて通信を安全にするツールはないのか」と尋ねられたのだそうだ。その質問を受けて「oRouter」のように簡単に利用できるデバイスがないことに気付いたのだとのこと。

「oRouter」はTexas Instruments製低電力ワンボードコンピュータや低電力USB Wi-Fiドングルなど、ラジオシャックで売っているパーツを使って組み立てられている。5ボルトの電圧で動作し、ポータブル充電器で充分対応可能だ。ハッカソン会場で行われたデモでは、32回線の同時接続にも対応することができた。

「oRouter」の使い方は非常にシンプルだ。何も設定など必要なく、電源を入れてoRouterの提供するWi-Fiネットワークに繋ぐだけだ。ソフトウェア版のTorを使う場合と異なり、追加のソフトウェアなども必要ない。ウェブのブラウズも、オンラインサービスを利用する場合もTor(Wi-Fi経由)を利用することになり、通信の安全性を高めてくれることとなる。安全性をさらに高めるため、oRouterのMACアドレス(ハードウェアに付されるアドレス)も、10分毎に変更されるようになっている。

開発者たちは、さらに進化させてさまざまな設定ができるようにもしたいと考えているようだ。必要に応じた機能強化などを行えるようにしたいということの様子。

もともとは、ハッカソンの課題としてちょうど良いレベルのものだという考えもあったようだ。しかしいざ作ってみるといろいろな可能性も見えてきたようだ。投資を受けたり、あるいはクラウドファンディングによって実際に販売していく方向で考えていきたいと話してくれた。

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Maeda, H


Snapchat、短命テキストチャットとビデオ通話を追加

Snapchatは、大成功している短命メッセージングプラットフォーム上に、ゆっくりと機能を追加してきている。今日の新機能は、古き良きチャットと、FaceTimeライクなビデオ通話機能の2つだ。テキストメッセージは、このアプリの性格を大きく変えるかもしれない。

短命写真は何かおかしな物を送って友人たちとの会話のきっかけにするのに最適だ。何人もの友達からスナップが送り返されチャットのようなやり取りが続く。そしてどうでもいい写真を撮ってそこにキャプションを書き込むことになる。短寿命で文字数も制限されているという事実は実に魅力的だが、時としてひどく腹立たしい。

しかし、このすべては過去のものになった。Snapchatの受信箱で友達の名前を右にスワイプするとチャット画面になる。これは一般的なチャットインターフェースだ。テキストメッセージを書いて、送り、スナップを送り、カメラロールの写真やビデオも送れる。残念なから、スタンプはない。

しかし、画面の下端には新しいボタンがある。これが青くなった時、それは相手が今チャット画面にいてあなたのメッセージを読んでいることを意味している。ボタンを押せば、通話が始まる。相手もその青ボタンを押せば、両方で同時に顔を見ることができる。

スナップを見る時と同じく、ビデオ通話を続けるためには、画面に指を置き続けなくてはならない。指の下には、カメラのサムネイルが見える。画面の他の部分には友達の顔がいっぱいに写っている。親指を離すと、相手の顔だけが見え、自分のカメラは共有されなくなる。

前面カメラから背面カメラに切り替えるには、親指を画面上半分までドラッグするだけで良い。こうした繊細なインターフェースは、Snapchatが非常に効果的なメッセージングアプリであり続ける理由だ。

通話やチャットが終ったら、受信箱に戻ることができる。そうするたびに必ずチャット履歴は消され、あなたはSnapchatの短命性に忠実でいられる。ただし、メッセージ毎にタップして保存することはできる。

テキストチャットへの参入は、Snapchatにとって重要な動きだ。Ansaを始め多くのライバルたちが、テキストメッセージ用Snapchatを作り様々なレベルで成功している。Snapchatの既存ユーザーが果たしてこれらの新機能を喜ぶかどうかは、まだ何とも言えない。もはやSnapchatは、ヘンな自撮りを送るだけのサービスではなくなった。

このアップデートは、まだPlay StoreにもApp Storeにも届いていないようだ ― 今日(米国時間5/1)中には公開されるはずだ。チャットをするためには、おそらく相手もアプリをアップデートしている必要があるだろうから、仲の良い友達と新機能を使えるようになるまでにはしばらく時間がかかるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Foursquare、チェックインを廃止して新アプリに移すと発表―Yelp的な推薦と発見に特化へ

Foursquareはコア機能を2つの新しいアプリに分割する計画を発表した。ひとつはレストランや店舗の推薦アプリだ。もうひとつは、ユーザーがチェックインすると付近でチェックインしている友だちが表示されるアプリで、ある種の「ソーシャル・ヒートマップ」ないし「アンビエント位置情報」のサービスだ。

後者の新アプリはSwarm〔昆虫の群、群衆〕という名だが、まだ公開されていない。ファウンダーのDennis Crowleyによれば、このアプリはInstant Messengerが友だちがオンラインかオフラインかを常に表示していることにヒントを得たのだという。Swarmは近所にいる友だちを表示し、会話を始めることができる。この種のアンビエント位置情報サービスは、以前から話題にはなっていたものの、Foursqureのような有力サービスが真剣に取り上げたことはこれまでなかった。

一方、Foursquareはコア部分のアプリもゼロから作り直している。最大の変更はチェックイン機能をSwarmに全面的に移行し、Foursquareアプリからは削除したことだ。新しいFoursquareはレストランや店舗の推薦と発見のサービスに特化する。

Vergeのインタビューで、Croweeyは「われわれの目的は単にチェックイン・ボタンを作ることではない」と述べている。しかしFoursquareが5年前にスタートしたときはチェックイン・ボタンが必要だった。ユーザーがどこに行き、何を共有し、どう評価するかというデータを収集しなければならかったからだ。そのデータは十分に収集できた。だからもうチェックインは必要ない、ということなのだろう。

その代わりに、FoursqareはYelp的な検索機能を提供する。ただし検索の結果はYelpとは全く異なる。単に「近くのピザ屋ベスト10」を表示するのではなく、Foursquareはユーザーやユーザーの友だちが行ったことがある店とその評価を考慮に入れてリストを作る。つまり個々のユーザーの好みとニーズにマッチした検索結果が提供できるというわけだ。

そういうわけでFoursquareは二分されることになった。しかし、当面の印象に過ぎないが、いろいろと懸念が残る。Foursquareを特徴づけてきたチェックインを今後はSwarmが一手に担い、新たに位置情報共有サービスとしてスタートするという。しかしこういうサービスに多くのユーザーが関心を示すだろうという証拠があるわけではない。似たような試みはHighlight、Circleなどが行ってきたが、どれも実験の域を大きく出るものではなかった。

Vergeのインタビューで、Crowley自身さえ、チェックインありのSwarmの素晴らしさよりチェックインなしのFoursquareの素晴らしさの方を熱心に説いていた。

要するにFoursquareはYelpに直接戦いを挑むという道を選択したということだろう。それ自身は理にかなった戦略だ。しかしSwarmは本気でトップクラスのサービスに成長させようと狙ったというより、チェックインをただ路上に投げ捨てる代わりになんとか再利用できないかと考えた結果のように思える。

新アプリはどちらもまだ公開されていないが、数週間後にはリリースされるようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


モバイル用のプロトタイプを、ネイティブアプリケーション上で動作させるProto.io

ここ数年で大きく成長しつつある、モバイルアプリケーションのプロトタイピング作成サポートツールのProto.ioが、注目すべき新たな機能をリリースした。簡単にモバイルアプリケーションを作成するだけでなく、そのプロトタイプの動作を確認するためのネイティブアプリケーションが登場したのだ。iOS版およびAndroid版があり、双方の環境で、プロトタイプを実際のアプリケーションのように動かしてみることができる。

このアプリケーションを使うことで、フルに動作するアプリケーション風のものをスマートフォン上で動作させながら、プロトタイプに変更を加えていくことができるようになるわけだ。一般的にプロトタイプツールといえば、ブラウザ上で動作を確認するようなものが多いが、そこから比べると大きく進化したものということができよう。

CEOのAlexis Piperides曰く、「フルスクリーンでの動作環境を提供したかったのです」とのこと。以前はProto.ioでもプロトタイプはモバイル版のSafariやChromeなどのブラウザ上で動作させていた。しかしブラウザにはタイトルバーやアドレスバーなど独自のUIが備わっているし、必ずしもプロトタイプ表示に最適であるというわけでもなかったのだ。

また、アプリケーションを媒介することにより、作成したプロトタイプをiPhone、iPad、そしてAndroidデバイスで動かしてみることができるようになった。作成した環境と異なる環境の人に見てもらう場合にも、簡単にアプリケーション経由で見てもらうことができるようになったのだ。

もともとはキプロス発のプロジェクトで、クライアントサイドの開発をいろいろと行っていた。プロトタイピングツールはもともと自分たちで使うためのツールとして開発したものだった。きちんとしたデザインを行って開発をすると費用もかかるので、その前にアプリケーションの「テスト版」を見せて評価を促したいと考えてのものだったわけだ。しかし作ってみると、一般の人も多いに興味を持つツールができあがっていた。そこで2年半ほど前に、このプロダクトのスピンアウトを行ったわけだ。

昨年になって、Piperidesは拠点をアメリカに移し、アメリカの企業としてProto.ioを立ち上げた。今やこのフリーミアムサービスは7万の利用者を抱え、少ないながら1500の有料会員を抱えることとなっている。有料プランは月額24ドルから用意されていて、企業向けにはより高価なプランも用意されている。

また、サービスはいくつかのビッグネームによっても利用されている。たとえばPayPal、eBay、Disney、Sportify、あるいはEvernoteなどもユーザーに含まれる。他にも大小問わずさまざまな企業に利用されているし、もちろんフリーランサーによる利用も多い。

アプリケーションプロトタイプを提供するサービスには、Invision、Flintoなど最近注目を集めているところもある。またAxureやJustinmindなどのように便利なプロトタイプオーサリングツールを提供しているところもある。Proto.ioは、これまでもプロトタイプ作成時の機能や使い勝手のよさで他サービスと競ってきていた。機能比較についてはきっとこちらのサイトも参考になるだろう。

実際に動作するプロトタイプを簡単に作成できれば、たとえばメニューの反応の様子を示すためのPhotoshop画像なども必要なくなる。実装しようとするメニューを配置して、それぞれのメニューからのリンクを設定することで、より簡単に具体的なイメージを掴んでもらうことができるようになる。またもし必要なのであれば、カスタムアニメーションなどを利用することもできるようになっている。

「私たちは非常に強力なアニメーションエンジンを持っています。さまざまなアニメーションを使ってもらえますし、またタイムライン上にて、アニメーションの継続時間などを指定することもできるようになっています」とPiperidesは言っている。

さらに、もともとはスマートフォン用のデザインツールとして開発したのではあったが、smart TVやゲーム機、冷蔵庫、目覚まし時計、車(AppleのCarplayもここに含まれる)などに向けた開発にProto.ioを利用しようとする人も増えてきた。さまざまな環境に対するニーズが高まる中、Proto.ioとしてはAndroid Wearスマートウォッチには対応できるようになっている。

シード資金こそ少額であったものの、シリーズAではサンフランシスコでチーム展開を可能とする人材を得るのに充分な金額を得ようとしている。

Proto.ioのアプリケーションはiTunesのこちらないしGoogle Playで入手できる。

訳注:上のスマートフォン画面はスクロールして見ることができます。

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(翻訳:Maeda, H


目指すは屋外のGoogle、徒歩5分以内の場所を検索する「Pathee」が1.3億円調達

5月にリリース予定のiPhoneアプリ

徒歩5分圏内の場所を検索できるサービス「Pathee(パシー)」を運営するtritrue(トライトゥルー)は4月30日、オプトと大和PIパートナーズを引受先とする1億3000万円の第三者割当増資を実施した。Patheeは屋外でスマートフォンを使って検索する利用シーンに特化したサービス。現在はブラウザーからの利用のみに対応しているが、5月中にiPhoneアプリをリリースする予定。

tritrue代表取締役CEOの寺田真介は、屋外で検索サービスを利用すると、「検索結果が多すぎる」「検索結果が同一の内容ばかりである」「場所に関係ない検索結果が出てくる」という3つの理由で答えが見つかりにくいと指摘する。「例えば、近くのラーメン屋を探そうと思ってスマホと調べるとWikipediaやレシピがヒットしたりする。Googleの検索結果から場所に関係ないページを除けば便利なんじゃないか、という発想からPatheeを開発した」。

Patheeが真価を発揮するのは「土地勘のない場所」だという。ウェブページの情報と位置情報を紐付けて整理しているため、近くの喫煙所や授乳室を探すといったニーズに答えられるという主張だ。

例えば、屋外で急な便意に襲われた際、「トイレ」と検索すると徒歩5分以内の場所から探すことができ、検索結果をタップするとGoogleマップで道順を案内してくれる。同じようなことはGoogleマップでも事足りるようにも思えるが、Patheeではデパートやパチンコ屋など、誰でも利用可能なトイレがある施設のウェブページを検索結果に表示するのが特徴という。この点、Google Mapsでは公共のトイレしか表示されなかったりするそうで、将来的には「屋外のGoogle検索」のようなポジションを目指す。

収益面では、今回出資を受けたオプトの協力を得て、位置情報に基づく検索クエリの解析によって最適化した広告サービス「Patheeアドプレイス」や、エリアマーケティングに活用できるサービス「Patheeロケーショントレンド」を2015年までに提供する。また、詳細は明かされなかったが、住所が記載されていないウェブページにも住所を付加する技術を開発していて、近日中に特許申請する予定なのだという。


2013年のRovio(Angry Birds)、売り上げは横ばいで利益は半分ほどに減少

Angry Birdsで有名なRovioにとって、2013年はやや停滞気味の年となってしまったようだ。社員を大幅に増強して臨んだ年ではあったが、利益が半分ほどとなってしまった。

ヘルシンキに本拠をおくRovioの、昨年の売り上げは2億1590万ドル程度だった。これは2012年の2億1060万ドルをわずかに上回る数字となっている。

しかし従業員数は500名から800名へと増やしており、純利益でみると7680万ドルから3730万ドルへと、半分ほどに縮小してしまっている。ちなみにRovioは非公開企業であるのだが、フィンランドの法律により毎年の収支報告を行う必要がある。

RovioはJami Laesが新たにゲーム部門のエグゼクティブ・バイスプレジデント(EVP)となるなど、組織的な変革も行いつつあるところだ。LaesはDigital ChocolateやEAなど経験を積んできた人物だ。以前のゲーム部門EVPであったPetri JarvilehtoはRovioを去り、やはり元Rovioで戦略的パートナーシップ部門を率いていたAndrew Stalbowと、Seriouslyを創業している。

ところでRovioは、他企業のようにfree-to-playモデルによる収益構造の確立には、さほど熱心でないように見える。関連グッズやライセンス販売の方に力を入れているようなのだ。

同じくヘルシンキ発のSupercellはfree-to-playモデルの中で収益構造を確立し、昨年の年間売上高が8億9200万に達している。

こうした状況を見て、Rovioもfree-to-playの収益化をはかる必要があると考える人は多い。しかし一方で、グッズ販売などを行うことにより、作品がヒットするかどうかというギャンブル的な面のあるゲーム企業に、ある程度の安定性をもたらしていると評価することもできるだろう。昨年の状況をみると、消費者グッズの売り上げが、全体の47%を占めるまでになっている。誕生時からは考えられないほどに大きく成長したHello Kittyやミッキーマウスなどの例もあり、グッズ開発やライセンス販売には確かに大きな魅力があるのも否めないところだ。

また、Rovioはアニメーションスタジオを買収し、長編アニメも製作中だ。こちらの方は2016年半ばにもリリースされる予定なのだとのこと。またYouTubeで短編作品を公開するアニメーションスタジオも買収している。さらにサードパーティーアプリケーションをプロモートするためのプログラムも作っているし、またAngry Birdsテーマパークをヨーロッパや中国に設置してもいる。

Rovio曰く、これからfree-to-playの収益化についても積極的に進めていきたいとのこと。仮想アイテムや仮想通貨などの販売も行っていきたいとのこと。これまでにはAngry Birds Star Wars IIやAngry Birds Go!などでは行っていたわけで、積極的展開することで新たな収益チャネルを構築することに繋がる可能性もあるだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Raspberry Piを利用して作ったDIY携帯電話の「PiPhone」

小さなコンピューターであるという観点から見れば、Raspberry Piも携帯電話も同じ仲間だ。と、いうことは、店でいくつかのパーツを買ってくれば、Raspberry Piをもとに自前の携帯電話が作れるのではないだろうか。そんなことを考えたのがDavid Huntだ。Raspberry PiにGSMモジュールおよび小さなTFTスクリーン、そしてバッテリーモジュールを加えて完璧にDIYな携帯電話を作ってしまった。

製作にかかった費用は158ドルほどだったとのこと。大きなパーツとしては、GSMモジュールが48ドルで、Raspberry Piとスクリーンがそれぞれ40ドルだ。独自に実装した電話機能にて、電話をかけたりあるいは受けることができる。昨今のスマートフォンではプライバシーがいろいろと盗み出されているようだと心配している人に最適なのかもしれない。

驚かされたのは、製作にあたってはハンダ付けなどの作業が無用だったという点だ。また回路設計等の知識も必要ないのだそうだ。ショップで購入してきたパーツをそのまま組み合わせればできあがると言っている。製作時間も1時間未満であったそうだ。但しオーバーヒートの可能性があり(実際、かなり熱くなったそうだ)、ケースに入れて見栄えをよくすることは諦めたらしい。雨の日には利用を諦めた方がよさそうだ。

構成パーツの中で最も複雑なのはGSMモジュール部分だ。小さい外見で変復調の役割を果たす。作者のHuntは次のように言っている。

裏返したところで見えるのはSim900 GSM/GPRSモジュールです。標準のATコマンドを利用して電話の発着呼や切断、テキストメッセージやデータの送受信などを行います。コンパクトながら非常によくできたモジュールです。基板の下の方にはSIMカードがあって、これによりGSMネットワークに繋がっているのです。普通に販売されているプリペイドSIMカードを使っています。近所の店で買ってきたのですが、10ユーロでした。

とても簡単に作ることができたという話ではあるが、しかしほんの数年前まではこのようなものを自作することなど不可能だった。今や、エレクトロニクスデバイスのほとんどが自作可能な時代になっているのだろう。身の回りで、面白いDIYプロジェクトがあればぜひ教えてもらいたい。

via RaspberryPi.org

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(翻訳:Maeda, H


時代は変わった―Microsoft、Nokiaの新CMビデオで「反逆者」イメージを打ち出す

Microsoftが「反逆者」とは驚きだ。しかし最近のNokiaデバイスをプロモーション・ビデオを見ると、それがMicrosoftの打ち出したいイメージのようだ(MSは最近Nokiaの携帯電話事業の買収を完了したところだ)。

このCMビデオのモチーフは、疑いもなく、AppleのThink Differentというキャッチフレーズを思いおこさせる。時代は変わり、少なくともモバイル事業においてはMicrosoftとAppleの役割は逆転している。

世界のモバイル市場でWindows Phoneは依然iOSとしてAndroidに遅れを取っている。しかし最近になって少しずつだがシェアを獲得し始めた。現在のスマートフォンの大部分がつや消しのボディーで色も地味なのに比べて、Nokiaのデバイスは思い切ってカラフルで町でよく目立つのはプロモーション・ビデオが強調しているとおりだ。実際の特徴に基づいたCMとしてなかなかよく出来ていると同時にAppleの有名なCMビデオ(下にエンベッドした)にも少しばかり似ている(まるきりのコピーというわけではない)。

NokiaがMicrosoftの傘下に入って今後どう進歩していくのか注目だが、少なくともこのビデオはスタートとして良い印象を与えることに成功している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookメッセンジャーがアップデート―自撮り写真が速攻で送れる

われわれはプライベートなコミュニケーションでも写真やビデオを使うのが好きだ。Snapchatがいい証拠だ。そこでFacebookはメッセンジャー・アプリにビデオ共有機能を追加し、カメラへのアクセスも素早くできるようにした。今日(米国時間4/28)、iOS版のアップデートが公開されたが、今週中にはAndroid版もリリースされる。

新しいメッセンジャー入力画面にはテキストだけでなく、カメラ、写真ギャラリー、ステッカー〔スタンプ〕、音声メッセージ録音のためのアイコンが並んでおり、ワンタッチでそれぞれの機能が利用できる。

Facebookではステッカーをバイラルに拡散させようとしており、誰かが送ってきたステッカーが気に入った場合はそれを長押しするとそのステッカーが属するパック全体をダウンロードすることができる。またメイン画面に常に検索バーとキーボードが表示されるのでチャットの相手を探すのが楽になった(「友達」画面では下にスワイプすると検索モードになる)。

これまでFacebook Messengerで添付できるのは写真だけで、ビデオは送れなかった。今回のアップデートでビデオの添付ができるようになったが、アプリ内での録画はまだサポートされていない。〔写真ギャラリーを開いてそこに保存された動画を選択する。長押しすると送信前にプレビューできる〕。

最近WhatsAppが発表したところによると、毎日1億本のビデオがやりとりされているという。このこともFacebookがメッセンジャー機能の強化を急いだ理由のひとつだろう。

アプリ内から即座に自撮り写真が送れる新しいシステムは親密感を高める効果が大きい。メッセージ作成画面の下部のカメラ・アイコンをタップすると、画面の半分がフロント・カメラのモニタに変わる。ここで「送信」をタップすれば即座に自撮り写真が相手に送られる〔リアカメラに切り替えることもできる〕。写真を撮ってから送る相手を選ばなければならないSnapchatよりこちらの方がずっと素早い。

新バージョンで下部にアイコンが追加されたため、テキスト入力スペースが多少犠牲になったものの、マルチメディアが速攻で使えるようになったのは大きい。Facebookの2億人のMessengerユーザーは今までよりも活発にコミュニケーションすることになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Kantar調査:Windows Phone、Android価格戦争の中を「つっかえつつ前進」。iPhone 5sはAppleの緩衝材

先週金曜日(米国時間4/25)、MicrosoftがついにNokia端末事業の新オーナーとなったが、モバイル端末メーカーとしての新しいポジションは、Nokiaがここ数年間続けてきた挑戦と変わらず厳しい。

Kantar Worldpanel ComTechによる最近12週間の調査結果によると、Windows Phoneはヨーロッパ上位5ヵ国(英国、フランス、スペイン、イタリア、ドイツ)のスマートフォン販売の8.1%を占め、Androidが70.7%、iOSが19.2%だった。

現時点でヨーロッパはWindows Phoneにとって最良の市場のようだ。米国ではWindows Phoneは5.3%、オーストラリアでは6%弱、中国では1%、そして日本では1%に満たない。

何が起きているのか。簡単に言えば、Nokia等の端末で動いているWindows Phone OSは、ヨーロッパ、米国、およびアジアのスマートフォン販売における、遠く離れた第3位だということだ。

KantarのDominic Sunneboディレクターによると、Windows Phoneにとって大きな課題は、主要OEMであるNokiaが、新しいスマートフォンユーザーにエントリリーレベル端末を売り込む戦略に出ていることにあるという。問題はこれらの機種がAndroid勢と十分戦えていないことだ。

「Nokiaのエントリー機は、Motorola、LG、SamsungのローエンドAndroidスマートフォンとの厳しい戦いに晒されている。低価格市場において、Motorola(Moto G)やSamsung(大きく値引きされたS3およびミニ)がNokiaの領域に食い込み始めている」

「ハイエンドとローエンドの差異は非常に小さくなっている。これはNokia(優れたエントリー機を作っている)にとって有利に働くが、優れたスペックを中低価格で提供しているのはNokiaだけではない」

Appleが依然としてハイエンド機でAndroid勢力と戦っているのは興味深い。Sunneboによると、ヨーロッパ、日本、オーストラリアでは最上位機種の5Sモデルが「好調」で反撃に転じているという。

しかし「反撃」や「好調」というのは相対的な話であり、AndroidとiOSとの差は開き続け、Androidの販売はKantarが調査した内5つの市場で70%以上を占めている。

ただし、AppleがAnroidを圧倒している特別な市場もある。日本ではAppleが依然としてスマートフォンのブランドを支配しており、57%を占めている。具体的には、NTT Docomoのスマートフォンのうち42%、KDDI AUの59%、Softbankの81%がそれぞれiPhoneだ。

なぜか? Appleのデザイン、4G通信、および信頼性が日本の消費者に共鳴したからだろう。「日本のAppleに対する熱愛ぶりは劣えを見せない」とSunneboは言う。さらに、iPadへの波及効果も指摘しており、日本のiPhoneユーザーの1/4近くがApple製タブレットも持っている。

しかし、AppleがiPadとiPhoneの間にかなり大きな空間をあけているのに対して、アジアで起きているのは両者の中間サイズの人気上昇だ。中国では、5インチ以上の画面サイズがスマートフォンの40%を占めている。

「ファブレットは中国消費者のスマートフォン利用形態を変えつつある。ファブレットユーザーの5人に1人以上が毎日モバイルテレビを見ており、半数が月に1度は見ている。これは4Gが普及していない状況でのことだ。中国で4Gが広まれば、キャリアーはデータ通信による売上増を期待できるだろう」

Appleは、事実上旧モデルと低ストレージ機で新スマートフォンユーザーにアプローチする戦略を取っているが、果たして今後は別の方法を取るのか、あるいはiPhabletで市場に飛び込むのか興味深い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


モバイルオンリー時代のFacebookとは

Facebookを利用するユーザーのうちわずか21%(2.68億人)がデスクトップオンリーであり、パーセンテージも人数も、Facebookが成長すると共に下がっていることが、今週のFacebook2014年Q1決算報告でわかった。一方Facebookのモバイルオンリーユーザー数は3.41億人で全ユーザー数の26.7%を占めており、急速に増え続けている。

これが意味するのは、あるFacebook機能がモバイルになければ、それは益々意味のないものになっていく、ということだ。

グラフ検索、イベントの推奨、友達リストおよび興味リストの編集、一括ニュースフィード管理等、Facebookモバイルに存在していない機能はごくわずかだ。これは、Facebookの経営企画担当VP、Vaughan Smithが、もしモバイル版のない製品が提案されれば、その計画は後回しになると2012年初頭に言って以来の傾向だ。

FacebookがIPO時に言われていたのは、モバイルが必要だということだった。そしてそれから数年、同社は「モバイル・ファース」企業になるべく努力を重ねてきた。そしてそれはビジネス面でかなり成功しつつある。今や広告収益の59%がモバイルであり、これも増え続けている。

しかし、2014年Q1収支会見で出された最新の端末統計データ(Benedict Evansが最近指摘した)を見ると、Facebookはどうやって「モバイルオンリー」企業になるかを学ぶ必要がある。デスクトップ版に頼らないサービスを提供する会社だ。

モバイル向け機能を提供する4つの方法

問題は、どうやってあの小さな画面に全機能を押し込むかだ。Facebookは、モバイルで機能を公開する際4つの戦略を試みているが、それぞれに問題を抱えている。

デザイン変更

既存機能をデザイン変更することによって、Facebookはその膨大なモバイルユーザーに対して直ちに新機能を提供できる。しかし、慎重に手順を踏み、人々が間違いなく好むわずかな変化だけを施す必要がある。ショックが大きすぎれば人々を怖がらせかねない。Facebookはこの方法を、ページ、友達リスト、およびコンテンツタイプ別に専用ニュースフィードを見られるマルチフィードセレクターを導入する際に用いた。これは、Facebookスマートフォンアプリの標準フィードの中に存在しているが、これに気付くのは「ニュースフィード」タイトルを引き下ろして実はそれが折畳まれた選択ボタンであることを知った時だ。このカムフラージュされた機能統合はユーザーの邪魔をしない代わりに、気付かれない可能性もある。

作って埋没

Facebookのメインアプリに新機能を投入すれば、直ちにインストールベースは増えるが、ユーザーベースは増えない。インターフェースに埋もれたままだからだ。ユーザーは容易に無視して忘れてしまう。例えば、1年前にFacebookは近くのスポットというYelp競合のモバイル機能を提供したが、それはスマートフォンアプリのナビゲーションメニュー内に置かれていた。伝聞的証拠が示すところによると、殆どの人はその存在すら知らない。今Facebookは、Nearby Friends機能による近接シェアで同じことをしようとしている。私は便利だと認識しているが、これも埋もれているのでついつい忘れてしまう。

スタンドアロンアプリ

スタンドアロンアプリを提供することによって、Facebookは新機能をデザインに因われることなく前面に押し出せるが、ゼロインストール状態から始めなければならない。スタンドアロンアプリが忠実なユーザーと口コミを得るためには、既存のFacebookアプリより優れていることを証明する必要がある。最近Facebookは、スタイリッシュなフィードリーダーアプリ、Paperをリリースした。Facebookは当初の反響を喜んでいると言っていたが、その後の成長の数字は一切公開していない。メインアプリ内でPaperを宣伝することは可能だが、ユーザーにうるさがれる恐れがある。

コンパニオンアプリ

コンパニオンアプリを使えば、中核機能をメインアプリから切り離すことがでるので、アクセスしやすくなりモバイルファースト感もだせる。しかし、フォルダー一杯にFacebookアプリが並ぶことを喜ばないユーザーもいる。Messengerは現在その過程にある。昨年11月、FacebookはMessengerをインストールしているユーザーがメインアプリのメッセージタブをタップするとMessengerアプリと高速に切換わるようにした。そして最近Facebookは、メインアプリのメッセージ機能を完全に取り除き、チャットしたいユーザーはMessengerをダウンロードしなければならなくすると発表した。多くの人々が不満だ。Facebookはスマートフォンアプリの膨大な利用を活用して他のアプリをクロスプロモーションすることもできるが、スパムと感じさせないための分別が必要だ。

来たるべき「モバイルオンリー」時代におけるFacebookの成功は、新機能を提供するたびに、これらのうち適切な配布戦略を選ぶことにある。賢く選択すれば、Facebookは規模を生かして新機能を即席の大ヒットにつなげることができる。選択を誤れば、いくら強力な新機能を作っても使われないか渋々使われるだけで、ライバルにユーザーを奪われるところを見るはめになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


米ドミノピザ、iPad用3Dカスタムピザビルダー付注文アプリを提供

Domino’s Pizzaは、ここ数年間にメニューを改訂し、財務状況を回復させてきた。この期間にモバイル注文の受付も開始した。来週月曜日(米国時間4/28)から、同ピザチェーンはiPadアプリを公開し、自分だけのカスタムメイドピザを作って配達してもらうまでをソファの上でできるようにする。

このアプリで注目なのは、3Dピザビルダーだ。OpenGLを使ってピザの最終形をよりリアルに表現する(もちろん、あらゆる料理写真と同しく、プレビュー画像は玄関に届けられるボックスに入っているものとはかなり違う)。

「この新しいDominoのiPadアプリは、ピザの注文体験を全く新しいレベルに変える」と、Domin’s Pizza最高情報責任者のKevin Vsconiが声明で語る。「これは当社がDomino’s Trackerを提供して以来の最もすばらしいテクノロジーであり、お客様が美しいカスタムピザビルダーを使い、ピザの注文を全く新しい形でビジュアル化できることを非常に喜んでいる」。

Domino’sの他のアプリと同じく、このiPadアプリは同社の全国共通メニュー、クーポン、店舗検索、およびデジタル注文追跡機能を備えている。さらに、お気に入りのカスタムビザを保存しておけるので、次回からわずかなクリックで再注文できる。

デジタルオーダーは、Domono’sにとって極めて重要だ。現在同社の米国内売上の40%をこれが占めている。

新アプリは来週月曜日に公開される。それまでの間はiPhoneまたはAndroid端末から昔ながらの方法でピザを注文するしかない。もちろん、いつでも外へ出かけて本物のピザを食べることもできる ― ただし、殆どのレストランではTitanfallをプレイできないことをお忘れなく。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


病みつきになるアプリの18の要素

隠れたIT&ベンチャー大国イスラエルで開催されたモバイルのマネタイゼーションに関するイベントで発表されたアプリが成功するための18の要素をここに紹介。シンプルながら人気アプリを産み出すヒントが盛り沢山? — SEO Japan

Mattel's Angry Birds board game is on di

モバイルを収入増加につなげるのは、難しい。アプリに広告を掲載する手もあるが、完璧なモバイル広告戦略を編み出した企業は、ゼロに近い。また、アプリに広告を追加する手法は、ユーザーにとっては、迷惑であり、不快そのものである。

アプリに広告を掲載しても、利益にならないとまでは言わないが、それよりも、優れた、病みつきになるアプリを提供する必要がある。なぜなら、アプリをダウンロードし、利用する行為は、ユーザーに手間をかけるものの、消去するのは簡単だからだ。アプリを利用する価値をすぐに分かってもらえなければ、二度と使ってもらえないはずだ。

さて、数週間前にイスラエル・モバイル・マネタイゼーション・サミットが開催され、モバイルのビジネスモデルを学ぶために、私は出席した。第三世界は、高額なコストのかかるラップトップをスキップして、3Gスマートフォンに飛び付いているため、モバイルは、世界を均一化する原動力となりつつある — 従って、この領域で収入を上げる取り組みは、最新の課題と認識されている。

利益をもたらすモバイルアプリを作成していることを、どうすれば把握することが出来るのだろうか?残念ながら、それは不可能である。期待し、計画を立て、世界最高のビジネスモデルでサポートすることも出来る — しかし、単純な運任せよりも確率が高いかどうかを、体系的に確認し、判断することが可能な要素は存在するのだろうか?

エリック・ライス氏(Lean Startupで有名なエリック・ライズ氏とは別人)が、この要素を分かりやすく説明してくれている。ライス氏は、The FatDUX GroupでCEO兼コンテンツストラテジストを務めている。そして、同氏は、UXに特に注目しており、アプリは、その中核において、真の価値を持っていなければならない、と考えている。

それでは、ライス氏が掲げる、アプリの成功を示唆する「モバイルアプリの18点の要素」を挙げていく。

基盤

コンセプト

  • 手頃な価格 – 無料で提供しているなら、それ以上の良心的な価格はない。無料ではないなら、価格に見合う価値を持っているだろうか?
  • 利便性 – Evernote、もしくは、写真をファックスに変えるアプリ等をイメージしてもらいたい。頻繁に利用するわけではないものの、持っている必要がある。ここではゲームは当てはまらないが、Lumosityは例外だ。
  • 使いやすさ – そのアプリは、簡単に、そして、楽に理解し、使うことが出来るか?Instagram並に簡単に使えるだろうか?

コンディション

  • ビジネスに不可欠(仕事に必要) – 会計ソフトが当てはまる。ゲームは該当しない。
  • 依存性 – ゲームは、ビジネスには不可欠ではないものの、病みつきになる。Facebookも病みつきになるアプリであり、個人的にはPinterestにものめり込んでいる。
  • 本質的な価値 – そのアプリは、極めたいと思わせるだろうか?eメールが良い例である — 例えばInbox Zero。これは、あらゆるアプリにとって、究極の目標だと言えるだろう(私自身はまだ到達していない)。

コミュニケーション

プラットフォーム

  • 紹介 – ブログ、Pinterest、Tumblr、LinkedIn、Dribbble – 作品・好み等を見せびらかすものは全て含まれる。
  • ルート – 何かを起こす力を持つ – Bufferは、オーディエンスにとって最高のタイミングで、様々なソーシャルプラットフォームに投稿を配信する。これはルートであり、目的地ではない。
  • ソーシャルシステム – Facebook、Twitter、Snapchat…社交的になる場所。他の人達とのつながりを持つ。

環境

  • マーケットが明白 – そのままだが、例えば、子供用のゲームが該当する。
  • マルチチャンネル機能 – Evernoteは、オンラインおよびオフラインにおいて、ユビキタス化しており、この要素においては、模範的な存在だと言えるだろう。
  • チャンネル間のコンバージョン(ゲームを想像すると良い) – Disneyは巧みにこの取り組みを行っている。Where’s My Waterでは、購入することが可能なキャラクターやバージョン、そして、解除可能なレベルが用意されている。

収益化

手っ取り早い収益化

  • インセンティブ – Dropboxが良い例だ。 友達を参加させると、無料で容量を増やすことが出来る。
  • 見返り – アプリが求める行動を取ったユーザーには、ポイント、クーポン、バーチャルグッズ等で見返りを与える。
  • クロスセル – ここでもゲームが当てはまる。バーチャルグッズやプレミアムゲームをアプリ内で買ってもらおう。

支払いの自動更新

  • 購読 – NYTimes等のメディアは、現在、購読モデルを提供している。
  • アップグレード – Dropboxのプレミアムサービス(例)。フリーミアムモデルでは、アップグレードを自動課金することが出来る。
  • 拡張性 – 例えば、Esty等のマーケットプレイスは、取引に対して少額の手数料を徴収するものの、金額に応じて、収益が変動する。

ライス氏曰く、「問題を解決していないなら、問題を作っている」ことになる。

私が絶対に遊びたくないゲーム、Candy Crush Sagaは、上の18点のうち13点を満たしている。このゲームを開発したKingは、依存性を見事に活用している。スタッツを調べなくても、この点は明らかである。なぜなら毎日のように、Facebookでこのゲームへの招待を受けているからだ(ちなみに、通知を既に無効にしているが、それでも右側のスペースで招待される)。

さらに例を挙げていこう。西欧ではあまり知られていない日本のゲーム「Toshi」は6点の要素を、そして、Angry Birdsは7点の要素を持っている。Angry Birdsにあって、Toshiに欠けているのは、タイミングの良さであった。

ライス氏によると、Rovioは(Angry Birdsのメーカー)、誰よりも早くモバイルを適切に利用し、Appleの寵愛を受けるようになった。これは、Rovioが、他社を圧倒するヒットを達成した理由そのものなのかもしれない。もちろん、これだけヒットすれば、フランチャイズ化が可能になる。

皆さんのアプリと比較してみよう。最後に、コメント欄で考えを聞かせてもらいたい。

画像: ROBYN BECK/AFP/Getty Images


この記事は、The Next Webに掲載された「How to check if your app is addictive enough to make money」を翻訳した内容です。

どれも納得はできるのですが、ここに書いてある多くの要素に該当せずとも成功したアプリもあるでしょうし、これらの要素があるからヒットするというよりは、ヒットするアプリに該当する要素の例、にも聞こえますけどね。とはいえ、リリース前のチェック項目リストとしては参考にしてもヒントがあるかもです。 — SEO Japan [G+]