リモートワークとクラウドの大量導入で1Passwordが約706億円の特大資金獲得、評価額約7740億円に

パスワード管理プラットフォームの1Passwordが6億2000万ドル(約705億7000万円)という巨額のシリーズCを終え、68億ドル(約7739億5000万円)の評価額となった。

この投資をリードしたのはIconiq Growthで、Tiger GlobalやLightspeed Venture Partners、Backbone Angels、そして同社の2億ドル(約227億6000万円)のシリーズA1億ドル(約113億8000万円)のシリーズBをリードしたAccelが参加した。その他の投資家としてCrowdStrikeのCEOであるGeorge Kurtz(ジョージ・カーツ)氏やGeneral MotorsのCEOであるMary Barry(メアリー・バリー)氏、そしてLinkedInの会長Jeff Weiner(ジェフ・ワイナー)氏らも参加した。また、このラウンドでは個人投資家のRyan Reynolds(ライアン・レイノルズ)氏やRobert Downey Jr.(ロバート・ダウニー・Jr.)氏、そしてJustin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)氏らからの投資もあった。

この特大のラウンドは、1Passwordのこの1年間の目覚ましい成長の結果によるものだ。同社はTechCrunchに、2021年7月のシリーズB調達以来、有料ビジネス顧客ベースが9万人から10万人以上に増え、Datadog、Intercom、Snowflakeなどの大企業加入者を加え、社内従業員数を475人から570人に増えたと述べている。この背景には、リモートワークやハイブリッドワークの継続、クラウドアプリの急速な普及、仕事による燃え尽き症候群の加速という3つの要因があると同社はいう。

同社によると、後者の点は特に懸念すべきサイバーセキュリティの脅威となりつつあるという。オフィスワーカーの80%、セキュリティ専門家の84%が、パンデミックの結果、燃え尽きたと感じており、12%が結果的に職場のすべてのものに同じパスワードまたはほんの数種のパスワードを使っていることが判明しているという。

「ストレスや燃え尽き症候群があると、2つのことが起こることがわかっています。まず、人は簡単な方法を探します。過労になると、セキュリティを後回しにするようになるのです。ストレスと燃え尽き症候群のもう1つの副作用は、変化したいという願望であり、それは大量辞職が起こります。IT部門が認識していないアプリやサービスを持ち出すことになるので、セキュリティの問題につながります」と1PasswordのCEOであるJeff Shiner(ジェフ・シャイナー)氏はいう。

1Passwordは、今回調達した資金を継続的な成長のために使用する。同社は、エンジニアリングおよびカスタマーサポートチームを3倍に増やし、サインインの成功と失敗を可視化する、ビジネスに焦点を当てたイベントAPI機能を構築し、さらに買収資金を調達する予定だという。

「戦略的買収を検討しています」とシャイナー氏はいう。「私たちは2021年にSecret Hubを買収しましたが、今後も買収を検討し、それらが私たちのミッションと目標の達成にどのように役立つかを検討していきます」。

最終的に、シリーズCの資金調達ラウンドで1Passwordにかなりの資金が提供されたが、Shiner氏は同社には「まだ」イグジットの計画はないという。

シャイナー氏にとって「資金は、これから大きなことをやろうとするときの安心材料」になるという。

関連記事:企業の秘密を「マシン・ツー・マシン」で保護する1Passwordが110億円調達、約2180億円の評価額に

画像クレジット:Boris Zhitkov/Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Hiroshi Iwatani)

スマートカレンダーツールのClockwiseはAIを活用してリモートワークでの「燃え尽き」をなくす

時間管理とスマートカレンダーツールのClockwiseがシリーズCで4500万ドル(約51億6000万円)を調達した。このラウンドを主導したのはCoatueで、他にAtlassian Venturesとこれまでに投資していたAccel、Greylock Partners、Bain Capital Venturesも参加した。今回のラウンドでClockwiseの調達金額合計は7600万ドル(約87億1700万円)となった。ClockwiseはAIを活用して勤務中の時間の制約をなくし「燃え尽き」などリモートワークやハイブリッドワークに関連する問題の解決を目指す。

2016年にGary Lerhaupt(ゲイリー・ラーハウプト)氏、Matt Martin(マット・マーティン)氏、Mike Grinolds(マイク・グリノルズ)氏がClockwiseを創業した。この3人はRelateIQで働いているときに出会った。RelateIQは2014年にSalesforceに3億9000万ドル(約447億3000万円)で買収された。3人には共通のゴールがあった。それは人々が作業に集中する時間をもっと作れるようにしたいということだ。

ClockwiseのCEOであるマーティン氏はTechCrunchに対してメールで次のように述べた。「Clockwiseは現代の勤務時間のためのソリューションです。チームのスケジュールを最適化して、みんなの毎日にもっと時間を作ります。一緒に働いているときには存在感を得られ、1人で働いているときには集中できます。我々は、人々の時間を心から尊重し健康で持続可能な仕事の未来を作る、新しい働き方を実現します」。

Clockwiseのプラットフォームは2018年に公開され、これまでに400万件の会議を柔軟にリスケジュールしてきた。また邪魔されずに集中する「フォーカスタイム」を200万時間以上生み出してきた。フォーカスタイムはカレンダーを自動でブロックすることで作業に集中する時間の長さを可視化する機能だ。ClockwiseはNetflix、Twitter、Coinbase、Atlassian、Asana、Airtableなど1万以上の組織でカレンダーの最適化に使われている。

画像クレジット:Clockwise

現在、ClockwiseはCalendlyDoodleReclaimなどのスマートカレンダーやスケジューリングのツールと競合している。マーティン氏によれば、Clockwiseは同社が「タイムオーケストレーション」と呼んでいる新しいカテゴリーを作っている点が他のスマートカレンダープラットフォームとは違うという。タイムオーケストレーションとは、組織レベルでスケジュールをまとめる最新のやり方だ。

マーティン氏はこう説明する。「このカテゴリーは始まったばかりです。したがって我々の主な競合は、自分の時間を最適化しようとすると同僚の生産性にマイナスの影響を与えることがあると認識していない人々です。Clockwiseの優れている点は企業の勤務時間を調整することです。最大100万のカレンダーを並べ替えて、どんなチームでも全員にとってできるだけ最適なスケジュールを立てることができます」。

Clockwiseは今回の資金でAIテクノロジーを進化させ、同社プラットフォームを世界中のチームに導入することを目指す。全部門で人材採用を進め、現在は25のポジションを募集中で2022年中にさらに100のポジションを募集する予定だ。

マーティン氏は今後について、Clockwiseは勤務中の時間に関する制約をなくせるように引き続き成長し拡張していくと述べた。同氏は、Clockwiseは現在のところ社内会議の管理のみを対象に設計しているが将来的にはスケジュール機能が劇的に向上するだろうと説明した。

「我々は高度なAIと機械学習のモデルに投資して、フォーカスタイムの創出と質の高いミーティングの実施の両方に取り組んでいます。Clockwiseには、例えばMicrosoft 365を使っている何億人もの人たちに新しい働き方をもたらすような、魅力的な新しいプロダクトと機能拡張が今後たくさん予定されています」とマーティン氏はいう。

Clockwiseは2020年6月にBain Capital Venturesが主導するシリーズBで1800万ドル(約20億6500万円)を調達しており、今回はそれに続くシリーズCとなった。2019年6月にはGreylockとAccelが共同で主導した1100万ドル(約12億6000万円)のシリーズAを発表していた。

画像クレジット:Clockwise

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(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

CES 2022で自分用の在宅勤務製品を眺めて落胆する

私にとって、自宅で仕事をすることは10年以上前から当たり前になっていたが、今では少々陳腐なやり方になってきた。ということなので発表されたCES2022のホットなアイテムを使って、このやり方をリフレッシュする良いタイミングだ。

まず最初に、この2年ほど使ってきた愛らしい27インチのDell(デル)のディスプレイ2台をアップグレードしよう。なにしろこいつらは平べったくて、活きが悪い!その上2台の間にはベゼルがあるなんて…混乱してしまう!私が必要としているのは、ただ頭を突っ込んでTechCrunchの体験に没頭することができる代物だ。

Samsung(サムスン)はこのことをよくわかっている。雪かきのように湾曲した55インチの巨大モニターを発表したのだ。そのThe Odyssey Ark(オデッセイ・アーク)は、ストリーミング、ゲーム、ビデオチャットのすべてを同じ画面上で同時に行うことができる、次世代メディアの実験だ。これがYouTuber(ユーチューバー)のTim Schofield(ティム・スコフィールド)氏を圧倒した様子を見てみよう。

さて、もし倍率750%で表示しているPDFの上部を読むために、後ろに40度ほど傾かなければならないとしたら(そもそもこんなに大きな文書を印刷したことがあるだろうか?テキストは鮮明だが)、ちゃんとした椅子があった方がいいだろう。幸いなことに、Razer(レイザー)が文字通り私の背中を支えてくれた。

このEnki Pro HyperSense(エンキ・プロ・ハイパーセンス)は、Halo: Infinite(ヘイロー:インフィニット)のデスマッチを楽にこなせる快適な椅子というだけではない。基本的には巨大な「振動パック」なのだ。

画像クレジット:Razer

Razerは「6万5000種類の触覚バリエーションにより、±1Gの触覚フィードバックを実現し、シートに1.5インチ(3.8センチ)の垂直および後方傾斜を与えることができます」と説明する。そのため、自分のWarthog(ワートホグ)が攻撃を受けたときには、プライドに傷がつくだけでなく、椅子が人間を跳ね上げるので実際に落ちてしまうのだ。まあ、落ちないかもしれないが、ストリーミング中なら笑いをとれるので、是非身を乗り出してみて欲しい。

とはいえ、遊びながらも仕事をしなければならないので、自分の文章の質に見合ったキーボードが必要となる。私がいつも言っているように、書くことはキーから始まる。昔の作家たちが、なぜあんなに立派で重厚なタイプライターを持っていたのかわかるだろうか?かっこよく書いているように見えなければ、かっこいいキャラクターを書くことはできないからだ。Neal Stephenson(ニール・スティーブンソン)氏がどうやってそれなしで書けているのかは不明だが。

画像クレジット:Keychron

しかし、文章のスタイルはそれぞれ異なる。キーボードはゼロから、そしてしっかりとした基礎を持って作るべきだ。それがKeychron(キークロン)のQ1だ。極めてしっかりとした作りで、様々なスタイルのキートップやスイッチが用意されており、自分で組み立てることができる。WASDキーをゲーミングリニアにして、それ以外はクリッキーなタクタイルにすればいいのでは?(リニアもタクタイルもキータッチ感触の区分)。まあ、実際には変な感じがするだろうけど、気持ちはわかってもらえるだろう。

(冗談はさておき、私も実際にこの製品を手にして試してみたが、なかなかいい感じだった。優れたメカニカルキーボードは、自分のWFH[在宅勤務]環境をアップグレードするための完璧に有用な手段だ)。

そして、そのキーボードは何に接続されているだろう?よく聞いてくれた。私は、PCのパフォーマンスの核心は熱管理だと理解しているが、同時に、優れた遮音材が静かなマシンの核心だ。どうすれば両方を実現することができるだろうか?ただし、液冷式のことは言わないで欲しい。それは単にクレイジーだ。と言いながら、私は最高に手の込んだ方法を紹介しようとしている。

画像クレジット:CyberPowerPC

CyberPowerPC(サイバーパワーPC)のKinetic(キネティック)シリーズは、複雑な折り畳み式の三角形を使用して、ケースの表面に可変のエアフローを発生させ、必要な排熱量の変化に応じて開閉する。なぜ三角形なのか?なぜバルブではなく、このような折り紙スタイルなのか?なぜ結局ホコリが詰まってしまうようなこんな複雑な構造なのか?だってすごいからだ。

あなたの考えていることはわかる。ビデオ通話をしているときに、私の大切なお宝を他のひとはどうやって見ればよいのか?まず最初に、お気遣いに感謝する。あなたは優しい人だ。私もそのことを考えていた。私の新しいZoom環境を見て欲しい。

画像クレジット:LaVitre

どうだろう!?

私のセンスの良いコンピューティング装備を見てもらえるだけでなく、私が…仕事中にプロフェッショナルな服を完全に着こなしている様子も見てもらえる。あとは、角度を変えれば……まあ、なんとかなるだろう。とにかく、この巨大なテレプレゼンス装置はフランスのla Vitre(ラビータ、仏語で「窓」という意味)のもので、同社はこれを「86インチの体験」と宣伝している。他にも様々な機能が搭載されている。

最後に、別室でも明瞭な通信が行えるようにしなければならない、そうしないと、私がゲームの銃撃を避けたときに、すべてパケットロスのせいだと思われてしまう。TP-Link(TPリンク)が用意した答はロボットルーターArcher AXE200 Omni(アーチャーアクス200オムニ)だ。

画像クレジット:TP-Link

これでアンテナの設定を調整するために、わざわざ立ち上がってルーターのところへ行く必要はなくなる。なんだって…そんなことはしていない?友よ、君がリーダーボードに登場しないのは当然だね。これは信号を操る小鬼だ。これが出てくるのを待っていれば、すべてを解決してくれるだろう。ロボカリプスの後には、ハンターキラーの誰もがこの悪戯者のひとつを利用することになるだろう。

そう、これらは私にとっては大層なアップグレードだ。今後10年くらいの間には、ここでの全ての製品を実際に手にすることになると思う。

CES 2022についての記事をTechCrunchで読む。

画像クレジット:TechCrunch
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(文:Devin Coldewey、翻訳:sako)

技術系スタートアップが在宅勤務のソフトウェア開発者を大切に扱うための5つのヒント

先に迎えた世界メンタルヘルスデーを目前に控え、私はテック業界がいかに精神的に良好な状態を保つのが難しい場所であるかを考えていた。特に、前例のない状況でのリモートワークは、困難な状況をさらに悪化させる可能性がある。10年以上にわたってテクノロジー業界でリモートワークをしてきた者として、今回はペースの速い技術系スタートアップ企業がソフトウェア開発の人材を大切に扱うためのヒントを紹介したい。

最高の状態でのソフトウェア開発は、創造的な試みとなる。開発者が質の高い仕事をするためには、ある程度の快適さが必要だ。退屈な作業、騒がしいオフィス、あまりに多い会議などは、生産性が最高の状態であっても影響を及ぼす。

しかし、健康はもっと基本的なものであり、ニーズの階層の中でもほぼ最下層に位置するもので、これには精神的な健康も含まれる。ソフトウェア開発者が仕事をするためには、脳の状態が良好でなければならない。物事がうまくいかないとき、本当の問題を知らなくても、同僚のコードを見ればわかることもある。

リモートで働くスタートアップチームの分散により、健康維持はより困難になっている。リモートで働いていると、チームのウェルビーイングをサポートするためのオフィスの機能が欠落してしまう。無料のフルーツやコーヒー、ビーズソファだけでなく、同僚がつらい思いをしていても気づきにくいこともある。同僚と同じ場所にいないと、誰が遅刻や早退するのか、あるいはやや活力がない感じがするのかを見分けるのが難しくなる。

また、井戸端会議がない場合、同僚がうまくやっているかどうかを確認するのが難しくなる。しかし、もし誰かのことが気になっていて、その人に聞くべきかどうか悩んでいるのであれば、私は常に連絡を取るようにアドバイスする。リモートチームにおいては、コミュニケーションを増やす必要がある。メンタルヘルスに関しては、誰かが1人で限界に達してしまうよりも、言葉を発して、その人が元気であること、何も心配する必要はなかったと知るほうがいい。

自主性を重んじる

私は10年以上にわたり、大企業から中小企業でも、さらには自分のフリーランスのコンサルタントでも、自分の意思でリモートワークを行ってきた。私が在宅勤務で最も重視しているのは、柔軟性だ。特に、ソフトウェア開発者としてメーカーのスケジュールに合わせて仕事をする場合には、柔軟性が重要になる。

私は、最高の仕事をより多く実現するために、一連のライフハックを発見した。例えば、早い時間にオフィスで仕事を始めた後、午前11時にジムでトレーニングをしたり、その日の最後のミーティングの前に夕食をオーブンに入れたりするのだ。このように、仕事と並行して「生活」を送ることができるのは、特に苦しいとき、自分自身の幸福感を高めるのに有効だ。

ダニエル・ピンクの著書『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』では、自律、成長、目的がモチベーションの主な原動力であることを取り上げている。ソフトウェア開発の仕事を成功させるには、モチベーション、承認、自信が重要だ。自分のスキルを使ってより大きな目標に向かって貢献する権限を与えられることは、非常にやりがいのあることであり、通常仕事の選択や優先順位の決定において自由度が高いスタートアップ企業の開発者にとっては、非常に満足のいくことだろう。

しかし、Haystackの調査によると、開発者の83%に燃え尽き症候群が報告されている。そのため、ソフトウェア開発者には現実的な期待を設定するよう注意して欲しい。物理的なオフィスがない場合、適切な時間に帰宅させるのは難しいので、そのような期待は慎重に設定する必要がある。特に、勤務時間がフレキシブルで、大きなプロジェクトを任されやすい場合には慎重になるべきだ。

教育は社員を大切にしているということ

開発者は生涯学習者だ。業界の変化が非常に速いため、開発者はそうならざるを得ない。彼らは常に自分自身、知識、スキルに投資している。

雇用者は、開発者を個人としても投資することができる。企業によっては手厚いトレーニング予算や休暇を提供するところもある。私はかつて小さなソフトウェア会社で働いていた。そこでは学習のための予算は提供されていなかったが、月に1日、学習のための日を予約することができ、そこで教科書を読んだり、新しいテーマについて誰かに1時間のチュートリアルを頼んだりすることができた。会社にとっては大したコストではなかったが、私の成功を願ってくれているように感じた。

働く自由

開発者に金銭的な報酬を与えても、モチベーションの向上にはつながらない。しかし時間を与え、開発者を信じて時間を直接的なプロダクトエンジニアリングの仕事以外に使ってもらうことは、大きな効果が得られる可能性がある。

Googleは、社員の時間の20%を「おもしろいと思ったことに使っていい」というアプローチをとったことで有名だ。それによって便利な製品も生まれたが、重要なのは開発者が仕事に関わっていると感じ、信頼されているということだ。Atlassianも同様のことを行っていることで有名だ。全社員が24時間、自分の好きなプロジェクトに取り組み、他の方法では決して出てこなかったかもしれない驚くべき革新や改善を生み出している。

多くの開発者は、自分の時間の多くをオープンソースプロジェクトに費やしている。このことを他の職業の人に説明しようと何度か試みたことがあるが、ハッカー文化は不可解だということが分かった。

しかし、開発者はこの世界に強く共感し、91%の開発者がオープンソースが自分の将来の道だと答えている。開発者にオープンソースへの貢献を許可することで、彼らはより自分たちが大事にされていると感じることができる。このようなオープンソースコミュニティは、開発者の社会的ネットワークやサポートネットワーク、さらにはアイデンティティの重要な一部となり、開発者のより広い意味での幸福のために欠かせないものとなる。

オープンソースの教訓

現代の職場では、他人がプロジェクトに参加できるという点でオープンソースから学ぶことがたくさんある。オープンソースのプロジェクトは真のリモートワークフローが機能している合理的なモデルとなっている。

ソフトウェアの世界の基礎的な構成要素のいくつかは、メーリングリストやIRCチャンネルでしかお互いを知ることができなかった人々によって作られたものだ。ソフトウェアは作られたが、おそらくそれ以上に重要なのは、強力なコネクションが作られたことだ。

今日のリモートソフトウェアチームは、自らの選択によるものであれ、状況によるものであれ、より優れたツールを利用することができる。ソース管理ツールやコラボレーションツールは、今やメーリングリスト以上のものであり、テキストチャット、オーディオコール、ビデオコールで常に連絡を取り合うことができる。画面共有やVSCode Live Shareのようなツールを使って、遠隔地でプログラムを組み合わせることも可能だ。

しかし、このような接続性の高さは、ストレスや通知疲れの原因となりうる。ソフトウェア開発者はそれぞれが異なる存在であり、ある人の作業スタイルが他の人のそれとまったく同じとはならないことを忘れてはならない。オープンソースのプロジェクトでは、全員の時間を尊重し、特定の時間に誰かがいるということをあまり期待せず、むしろ想定した時間枠内で作業を進める。

高度な技術を要する仕事をしているリモートチームでは、思考時間が長くなるようなミーティングをできるだけ少なくしたり、Slackのメッセージに期待される返信の時間を決めておくと、落ち着いた仕事環境の提供につながる。

ワークライフバランス

新型コロナウイルス感染症の影響で毎日の通勤ができなくなったとき、多くの人は作業環境が理想的ではなくなった。ソファやキッチンテーブルに座って、しかも家族が近くにいるという状況は、当然ながら多くの人にとって困難であり、燃え尽き症候群の増加が広く報告されている。

たとえ開発者が以前から自宅で仕事をしていたとしても、モニターのアップグレードや予備の電源、あるいは新しいキーボードが必要かどうかをチェックするのは良いことだ。現在、多くの企業が在宅勤務の予算を提供しているが、開発者が必要とするツールの確保は少しの予算でできる。

職場で一緒に交流する時間を持つ。恥ずかしいチームビルディングは過去のものとなっていることを願うが、簡単なオンラインゲームで場を明るくすることは可能だ。会社にEAP(従業員支援プログラム)がある場合は、従業員全員がプログラムについてと、アクセス方法を知っていることを確認したい。また、マネージャーには、彼らのチームメンバーだけでなく、マネージャーのためのプログラムもあることを伝えておくとよい。

メンタルヘルスに関して言えば、スタートアップは難しい場所かもしれない。スタートアップ企業はペースが速く、頻繁に変化があり、いくつもの仕事をこなさなければならない。私からの最良のアドバイスは、お互いに気を配ることだ。それは、上司が部下を気遣うだけではなく、私たち全員が他人を気遣い、自分自身を大切にすることで、少しでも貢献することができる。

燃え尽きる時は、その前に兆候が出ている。私たちは、仕事を長期的に持続させ、健康的な生活と並行して行う方法を見つけなければならない。「言うは易し行うは難し」ですが、多忙なスタートアップ企業は、従業員が重要な存在であることを再認識してもらうための時間を取らなくてはならない。

あなたやあなたの知り合いが、うつ病に悩まされていたり、自傷行為や自殺を考えたことがある場合、全米自殺防止ライフライン(1-800-273-8255)では、24時間年中無休で無料サポートを提供しています。また、専門家向けのベストプラクティスや、予防や危機的状況に役立つリソースも提供しています。

編集部注:Lorna Mitchell(ローナ・ミッチェル)氏は、最高のオープンソーステクノロジーとクラウドインフラを組み合わせたソフトウェア企業Aivenのデベロッパーリレーションズ担当責任者。

画像クレジット:Carol Yepes / Getty Images

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(文:Lorna Mitchell、翻訳:Dragonfly)

【レビュー】リモートワークの時代、Opalはウェブカメラの未来を垣間見せてくれる

2021年9月、Alexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏はツイートに姿を変えた観測気球を送り出した。「私たちは密かにチーム(Apple、Beats、Uber出身)を支援し、消費者向けテクノロジーの忘れられた一角を復活させました」と776の創業者は書いている。「ベータ版は本日公開されましたが、その品質には目を見張るものがあります。ウェブカメラたち、2021年へようこそ」。

メッセージにはオープンボックスが付いていて、会社名を含むいくつかの識別情報にモザイクがかかっていた。その情報は、最終的にはそれほど難しくなく、レンズの縁の上の部分に会社名とプロダクト名であるOpal C1が白で印刷されていた。

反応は速かった。「shut up and take my money(いいから受け取ってくれ)のGIFアニメが流れた」。結局のところ、それは少なくとも1つの既知の量に裏打ちされたハンサムな装置だった。そして、さらに差し迫ったことに、それは事実上世界的に認められている技術的ペインポイントの頂点に達した。ウェブカメラたち、端的にいうと、吸引力があるね。

画像クレジット:Brian Heater

それは目新しいものではない。ウェブカメラがそれを吸い上げて解決しようというのも今に始まったことではない。それはつい最近まで、私たちが甘受してきたものに他ならない。しかし、CNN特派員のアパートをCrisco(クリスコ)のコートを通して480pで覗き見ることを50回も繰り返すうちに、世界の本質に疑問を抱くようになる。

もちろん、毎晩ケーブルニュースに出演してアップグレードを求める必要はない。Logitech(ロジクール)を買ったのかもしれないし、もしかしたらデジタル一眼レフの間に合わせとして何かにお金を使ったのかもしれない。どちらの場合も、最終的には巨大で未対応の市場が明らかになる。パンデミックが始まった当初は一瞬の出来事のように思われたかもしれないが、このすべてが終わったとしても、戻ってくるべき通常が実際にあるわけではないことは明白だ。

企業のオフィスがもたついている間に、私たちはリモートワークについての疑問のコーナーを曲がったようだ。すぐに例外というより規則的になり、多くの人が同じ質問をする。ウェブカメラが付いたiPhoneはあるか?とても単純なように思われる。スマートフォンの画像処理から得られたすべての知見を、停滞する市場に応用する。

左2020 iMac ウェブカメラ、右Opal C1(画像クレジット:Brian Heater)

Apple製はないようだ。少なくとも近い将来的には。Appleの功績は、まずM1チップのデジタル画像処理を行い、次に内蔵センサーをアップグレードしたことが挙げられる。しかし、多くの人にとって「良い」だけでは不十分である。それが事実上、Opalの創業者たちに彼らの道を歩ませた。

オハニアン氏のツイートが届いた時には、Opalは7カ月間C1に取り組んでいた。これは基本的にハードウェアのスタートアップ領域では一夜にして実現されるものだが、少なくとも、素敵なパッケージに収められた見栄えの良いハードウェアがあり、VCの神秘的な雰囲気が漂っていた。同社によると、現在1万6000人のウェイトリストを抱えているという。

「(反応は)圧倒的でした」と共同創業者兼プレジデントのStefan Sohlstrom(ステファン・ソールストロム)氏は語っている。「本当に喜ばしいことでした。私たちは自分たちが構築しているものについて最も強気な2人です。明らかに、市場が大きいだけではなく、それは明白なことですが、ニーズが非常に深いものであると感じていました。何百万人もの人々がこれを購入するということだけではありません。仕事のためにそうする人々にとって、重要な意味を持っています。これは人々が世界とコミュニケーションする方法なのです」。

画像クレジット:Brian Heater

Opalのジャーニーは2020年11月から正式に始まったが、それは素朴な疑問によるものだった。

「今日ウェブカメラを作るとするなら、iPhoneを可能な限りデジタル一眼レフに近づけるために利用できる技術にはどのようなものがあるでしょうか」と共同創業者でCEOのVeeraj Chugh(ヴィエラ・チュグ)氏は語る。「私たちは業界の人たちと話をしたり、ユーザーと話をしたり、以前競合他社で働いていた人たちと話をしたりして、多くの調査を行いました。圧倒的な反応は『それは存在すべきであり、その技術は以前のどのウェブカメラとも大きく異なって見える必要がある』というものでした」。

チームは2020年12月までに非公開のシードラウンドで資金を調達し、その1カ月後にはApple、Google(グーグル)、Magic Leap(マジック・リープ)などでの勤務経験を持つデザイナーとエンジニアからなるチームを立ち上げた。

その結果、7.8mm、4Kのソニーセンサーと、ビルトインのビームフォーミングマイクメッシュアレイを備えた、愛情を込めて作られた300ドル(約3万4000円)のハードウェアが完成した。これは間違いなく筆者がテストした中で最高の外観のウェブカメラだ。それ自体は大したことではないと認識しているが、筆者は毎日それをじっと見つめて何時間も過ごしてしまうほどであるから、注目してもいいかもしれない。

画像クレジット:Brian Heater

また、最終的には最も有能となる可能性もある。だがここでは、筆者のこのプロダクトの実地体験は、自身がこのベータ版テストを進める上で効果的な作用を及ぼしているということをお伝えしたい。Opalは、すぐに使えるプラグ&プレイ体験を目指している。そして、つい最近創立1周年を迎えたばかりの会社にとっては、その道のりは順調だ。

一般提供に向けて前進している中で、このプロダクトのレビューをより快適に感じられるようになるだろう。今のところ、他のプロダクトをレビューするよりもC1に長いリードを持たせることに満足している。エキサイティングな新会社のエキサイティングな新デバイスだ。問題を抱えていて、果たされていない約束もあるが、新しい会社の限定ベータ版に期待されるものが多かれ少なかれある。

M1 iMacのスクリーンの上部にあるデバイスが最終的なハードウェアとなる。一方、ソフトウェアはまだベータ版だ。筆者が受け取ったものは、本日から特定の顧客に展開され始めている。以下はOpalからのコメントである。

一般向けの出荷は2021年12月14日から開始されます。順番待ちのお客様は招待状を持ってカメラを購入することが可能です。私たちは、顧客満足度が期待を上回ることを確実にするために段階的にロールアウトを行っています。そこでポジティブな閾値を超え次第、数万単位で展開する予定です。

画像クレジット:Brian Heater

4Kはまだ運用されていない。「ほとんどのビデオ会議アプリと互換性がないため、4Kビデオを一時的に無効にしています」と同社は述べている。「まもなくより強力な警告を追加して再ローンチする予定で、サポートしているアプリケーションやビデオの録画などに利用できるようになります」。

デスクトップでベータ版のコントロールソフトウェアを開くとAudioタブがグレー表示される。前面のマイクアレイと背面のアンビエントマイクを使用することで、同社は将来的にいくつかの大きな計画を立てている。

私たちはノイズキャンセレーションをリードする市場の構築に注力しており、同じ学習を使ってスタジオサウンドと呼ばれるものを構築しています。スタジオサウンドを使用すると、500ドル(約5万7000円)のブームマイクなしで、プロのポッドキャストのようなサウンドを再生できます。ニューラルネットワークを介したMicMesh入力を使用することで、あなたのサウンドをプロ品質にすることができます。

このままだと音が良い。「良い」というのは仕事とミーティング的に良いという意味で、CNNに登場したりポッドキャストを録音したりするには良いとは言えない。これらのいずれかを行う場合は、専用のマイクが必要になるだろう。将来はどうなるかわからない。「スタジオサウンド」は標準的なものかもしれないし、プロが毎月のサービスパックの一部としてアンロックできるものかもしれない。ベータ版が好調な時期を迎えているが、まだ多くの疑問が残されている。

もう1つの疑問は、ユーザーに事前にどれだけのコントロールを与えるかということだ。当たり前のことのように思えるかもしれないが、画像の世界では、コントロールが多すぎると平均的なユーザーにとって必要以上に負担が大きくなる可能性がある。大多数のユーザーにとって理想的な妥協案は、すぐに使える高品質なもので、掘り下げた場合にはユーザーが手動で調整するというものだ。オートホワイトバランスとスキントーンは、いずれも同社にとって今後の課題である。

画像クレジット:Brian Heater

しかし全体的には、箱から出したイメージに満足している。あちこち微調整してみた。リングライトと窓からの自然な照明があれば役に立つが、それでも筆者は、欲しいものを手に入れるために設定をいじくり回している。

このカメラは、最近のスマートフォンのポートレートモードに似た人工的なボケ効果を利用している(ただし同社は自社開発だとしている)。とはいえ、スライダーは今のところ8分の1しかない。強すぎると、デプスカメラが搭載されていないため、耳や顔の横がぼやけてしまう。Opalによると、奥行きを出すためにステレオカメラを試してみたが、デバイスをタイムリーに世に出すためにそれを選ばなかったそうだ。

「結局のところ、ユーザーと話すときには『とにかく何でもいい。もうLogitechは扱えない』と言われます」とチュグ氏。「私たちにとってスピードは最も重要なものでした。本当に良いものを出荷できると感じたからです。優先順位をつけることについては、少し断固とした姿勢が必要です」。

C1の場合、光学ズームがないことも意味する。ウェブカメラにしては妙な不満のように思えるが、筆者はデジタル一眼レフのデスクトップ設定を使っているときに気に入った。画質を劣化させることなく、しっかりと切り抜くことができるのは非常に大きい。

画像クレジット:Brian Heater

「初代カメラでは、機械部品を増やせば増やすほど、サプライチェーン側と製造側のリスクが高まります」とソールストロム氏は説明する。「基本的には壊れることの方が多いです。Canon[キャノン]のレンズが完成するまでには50年もかかっています。それは将来的には間違いなく私たちにも実現の可能性があります」。

今のところ、このシステムは4Kセンサーのおかげで、画像を劣化させることなく1080pで2倍ズームできる。同社によると、理論的には20倍から30倍程度の処理が可能だが、画質はそれに応じて低下するという。筆者は創業者たちとのコールの中で、少し建設的なフィードバックを提供した。1つは、ストレートアップのズーム設定が欲しい。現時点で最も近いのはFacelock(フェイスロック)だ。これはAppleのCenter Stage(日本では「センターフレーム」)やFacebook(フェイスブック)、Google、Amazon(アマゾン)などのスマートディスプレイに似た機能である。

しかし、正直に言ってあまりにも敏感すぎるので、多少船酔いしてしまうかもしれない。将来のバージョンでは、ユーザーが感度を調整したり、単にズームインしたりできるようになることを期待している。これらはどちらも非常に簡単な修正だ。さらに大きな問題もある。「Google Hangouts(ハングアウト)」や「Zoom(ズーム)」といったアプリを見つけたが、カメラの電源を数回切ったり、ソフトウェアを再起動したりしなければならなかった。カメラはアクティブでなくても非常に熱くなる。同社はこれを、システムのオンボード処理と4K画像のダウンスケーリングの両方の問題だとしている。同社は上記の修正に取り組んでいる。

画像クレジット:Brian Heater

新しい会社が1年足らず前に作り始めたプロダクトとしては、比較的小さな欠点のように感じられる。人々にデジタル一眼レフから乗り換えるようにいうのはやめておこうと思う。特に仕事でビデオの品質が重要な場合は。しかし、ここには多くの可能性がある。C1は、マイクロファイバーのクロスとコイル状のUSB-Cケーブルが付いた磁気レンズキャップのようなタッチから、より複雑な加工まで、非常に思慮深いプロダクトだ。

これは確かにウェブカメラの未来のように感じられる。そこに辿り着くために対処すべき方策がまだ残されているとしても。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

リモートでのエンジニア発掘、採用、管理を支援するTuringが約98億円調達、転勤望まぬエンジニアからの需要急増

コーンフェリーの調査によると、テクノロジー業界のエンジニア人材を巡っては需要が供給を上回る深刻な状況が続き、2030年までに乖離は広がり、8500万件のポジションが埋まらない見通しだ。より包括的かつグローバルなアプローチで人材を発掘、採用、管理することでこの流れを食い止めることができると考えるスタートアップが、自社のプラットフォームの構築を継続するため、大規模な資金調達を米国時間12月20日に発表した。

AIを使ってエンジニアの発掘、評価、採用、入社、リモートでの管理(人事やコンプライアンスの面も含む)を「タレントクラウド」という大きなプラットフォームで行うTuring(チューリング)が、シリーズDラウンドで8700万ドル(約98億円)を調達した。このラウンドで11億ドル(約1250億円)のバリュエーションがついた。WestBridge Capitalがこのラウンドをリードし、前回の出資者であるFoundation Capital、新規投資家のStepStone Group、AltaIR Capital、戦略的投資家のHR Tech Investments LLC(Indeedの関連会社)、Brainstorm Ventures, Frontier Ventures, Modern Venture Partners, Plug and Play Scale Fundも参加した。このラウンドは応募超過となったため、同社はバリュエーション40億ドル(4520億円)でSAFEノートも募集した。こちらも応募超過となった。

今回の資金調達の背景には、Turingの力強い成長がある。世界各地にいる、転勤ができない、あるいは転勤を望まないエンジニアからの需要が急増したのだ。創業者でCEOのJonathan Siddharth(ジョナサン・シッダールト)氏はインタビューで、候補者総数が2020年1年間で9倍に増え、140カ国、100万人のエンジニアや開発者が、プロジェクトを探しているか、すでにプロジェクトに携わっていると話した。(2020年、同社が3200万ドル[約36億円]の資金調達を発表したとき、このプラットフォームには18万人の開発者がいるとのことだった)。現在、約100のテクノロジーと15の職種をカバーしており、エントリーレベルからエンジニアリング・ディレクター、CTO候補まで、幅広い職種をカバーしているとシッダールト氏はいう。

関連記事:エンジニアをリモートで調達・管理するAIベースのプラットフォーム開発のTuringが約33億円調達

人気の職種は、フルスタックエンジニア、フロントエンドやバックエンドの言語を専門とするエンジニア、そしてサイトの信頼性を高めるエンジニアだ。近い将来、Turingはプロジェクト管理などの隣接分野にも進出し、新製品への道を開く予定だ。企業がTuringを使って個々人をチームとして管理するのではなく、チーム全体を管理できるような製品だ。

このプラットフォームに対する需要も拡大している。顧客はテクノロジー企業から、ビジネスのさまざまな側面の運営や構築を支援するエンジニアを必要とする非テクノロジー企業まで、多岐にわたっており、Johnson & Johnson、Coinbase、Rivian、Dell、Disney、Plume、VillageMDなどが含まれる。

「私たちは今、リモートファーストの世界に生きており、誰もがその価値を享受しようと競っています」とシッダールト氏は話す。

Turingは、採用とリモートワークに関するいくつかの基本的な前提に基づいて設立された。その前提は現在の市場環境で受け入れられ、新型コロナウイルス感染症がおそらく恒久的に位置づけを変え、姿を変えた。パンデミック以前も、リモートワークが受け入れられることもあったが、多くの場合、企業は実際にインフラを整え、人々がオフィス環境で一緒に働けるようにするだけでなく、できるだけ多くの時間を過ごすよう奨励した。そのために、無料でおいしい食事、ビリヤード台やその他の娯楽、一眠りしたいときの仮眠室さえ用意した。

こうしたことは、オフィスカルチャーに関する凝り固まった考え方の中で広がっただけでなく、募集や採用にも影響を与えた。仕事のためには引っ越すものであったし、会社と従業員は大がかりなビザの手続きを経なければならなかった。しかも、ベイエリアのような特定のハイテク拠点への転居を求められることが多かった。これは、地域のインフラや家賃、市や町の大きな社会構成に大きな負担をかけることを意味した。

新型コロナがゲームを完全に変えた今、私たちはみな、仕事をするために、しかも仕事を首尾よく進めるために、そうしたことが本当に必要だったのかどうかを自問している。

Turingは、そのような問いかけに事実上、響き渡る声で「ノー」と答えるプラットフォームだ。

「Twitter、LinkedIn、Siemensはリモート化を進めており、その理由は明白です」とシッダールト氏は話す(いずれもTuringの顧客ではなく、リモート化を進める企業の例だ)。「今やエンジニアのプールを利用することができます。賢い人々は他の人がいないところに目を向けています。また、分散型チームの成功も証明されています」。

しかし、リモートマネジメントが簡単だというわけではない。エンジニアのパイプラインを構築し、彼らを評価する方法を考え、彼らと連絡を取り続ける必要がある。そのため、Turingが構築されたのは、発掘のためだけではなく、その他のハードスキルやソフトスキル支援のためでもある。シッダールト氏によると、ほとんどの人は有期のプロジェクトで登録するが、中には組織内のもっと長期的な、さらには正社員のポジションで働く人もいる。このような人材不足の問題に取り組んでいるのは、Turingだけではない。

Fiverr、Upwork、LinkedIn、その他多数のプラットフォームで、エンジニアがどこにいても簡単に探し出すことができる。Turingが構築したプラットフォームは、エンジニアと関わる際に生じる、より特殊なエンド・ツー・エンドのニーズに対応する(この点では、先にデザイナーやクリエイターの採用・管理プラットフォームで資金調達を行ったSupersideと少し似ている)。

StepStone GroupのパートナーJohn Avirett(ジョン・アビレット)氏は「世界中の開発者にすばらしい機会を提供するというTuringの野心的なビジョンは刺激的です」と声明で述べた。「『インテリジェント・タレント・クラウド』は、アクセスを民主化し、契約を結ぶ以上の永続的なつながりを作る驚くべき方法です。彼らは、そのプロセスを、個人と採用する企業のための長期的なキャリアプランにまで洗練させました」。

「Turingは、巨大な業界のあらゆる『脚』を製品化しており、その顔と認識を将来にわたって恒久的に変えました」とFoundation CapitalのAshu Garg(アシュ・ガルグ)氏は付け加えた。

画像クレジット:Busakorn Pongparnit / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

記憶定着のための学習プラットフォームMonoxerを手がけるモノグサが約18.1億円のシリーズB調達

記憶定着のための学習プラットフォームMonoxerを手がけるモノグサが約18.1億円のシリーズB調達

記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」(モノグサ。Android版iOS版)を提供するモノグサは12月20日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による総額約18億1000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、新たなリード投資家のGlobal Brain、またZ Venture Capital、米国セールスフォース・ドットコムの投資部門Salesforce Venturesおよび既存株主WiL、UB Ventures。

2016年8月設立のモノグサは「記憶を日常に。」をミッションとして掲げ、人々の知的活動の根幹を担う記憶領域でイノベーションを起こすべく、事業を推進してきた。現在はMonoxerを提供しており、塾や学校を中心とした教育機関において3400以上の教室で活用されているという。

またMonoxerでは通算8億回以上学習されており、ユーザーによって作成されたBook(問題集)の数は26万以上に上る。学習内容も漢字や英語、社会や理科の知識事項を中心に、幅広い科目や分野となっているという。Book活用範囲の広がりとともに、中国語教室などの語学教室、美容・医療系専門学校、従業員のスキルアップに力を入れる一般法人、外国人労働者の就労を支援する人材企業など、国内外の様々な組織で活用されるようになった。記憶定着のための学習プラットフォームMonoxerを手がけるモノグサが約18.1億円のシリーズB調達記憶定着のための学習プラットフォームMonoxerを手がけるモノグサが約18.1億円のシリーズB調達

調達した資金は、プロダクト開発・人材採用への積極投資を行い、Monoxerの提供領域の拡張を推進する。今後は学校と塾といった横の連携に加えて、大学や専門学校、企業など縦の連携を深め、ユーザーを生涯に渡って支援するプラットフォームとなるべく、さらなる事業推進に務めるという。

調達資金の使途

  • 公教育への展開:公立高校で導入され、大阪府羽曳野市・岡山県津山市など複数自治体での実証でも成果が出ていることから、今後より多くの公教育における活用を推進する
  • 専門学校や大学など高等教育領域:看護師・理学療法士の国家資格取得に向けた利用など、専門学校や大学での活用が進んでいることから、より広い分野での専門的な知識習得における活用を推進
  • 社会人教育領域:Monoxerはリモートでの研修が可能であり、各個人のスキル・知識の定着度を可視化できるため、今の時代に合った社員育成プロセスの構築が可能という。また、近年注目が高まるリカレント教育やリスキリングにも応用できるものとしている
  • 日本国外:フィリピン、インドネシア、モンゴルなど日本国外でも活用事例が増えていることから、中長期的には日本国外への展開も推進する

スカウト受領でトークンがもらえる、Web3エンジニア向け採用サービスGuildersが事前登録を受付開始

スカウト受領でトークンがもらえる、Web3エンジニア向け採用サービスGuildersが事前登録受付開始エンジニア特化型人材サービスやシステム開発受託を行うBranding Engineerは、ブロックチェーン、暗号資産といったWeb 3.0(Web3)に関するプロダクトの開発に携わるエンジニア向けの採用プラットフォーム「Guilders(α版)」の事前登録受付を開始すると発表した。サービス自体にもブロックチェーンやNFTの技術を活用するという。同社は2013年10月に設立し、2020年7月にマザーズに上場している。

採用コストが高いブロックチェーン業界エンジニア

スカウト受領でトークンがもらえる、Web3エンジニア向け採用サービスGuildersが事前登録受付開始ブロックチェーン関連のニュースは今も非常に多く、プロジェクトも新設され続け、Web3エンジニアへの需要は高まっている。しかし、プロジェクトの多さやエンジニアのスキル判断者不足から、Web3のプロダクト開発企業とエンジニア同士のマッチングには、工数がかかりがちだ。Guildersでは、求職者が職を探す、採用企業側が優秀なエンジニアを選ぶ、エンジニア同士のコミュニケーションが継続するという3フェーズに分けて、Web3エンジニアの採用を支える。

まず、求職者向けには、数あるプロジェクトの中でも、成長性の高いものや、著名VCから出資を受けているものなど、一定の信頼のおけるプロジェクトを中心に掲載することで、リサーチコストを削減することを目指す。

次に、採用企業側へは、エンジニアのスキルを可視化し採用工数を減らせるように、TOEICなど各種語学検定のような、エンジニアの検定・資格制度を導入していく予定であるという。現在、エンジニアの採用においては、開発チームが自らTwitterなどのSNS上で人材を探してくることが少なくない。さらに、経験年数よりもスキルが物を言う職種であるためプロフィールだけでは判断ができず、開発チームが自ら面談やコーディングテストを行い、本来の業務である開発の時間が奪われるという課題があった。採用・人事部門でもスキルチェックできるようになれば、既存の開発チームの負荷を減らすことができるという狙い。

プラットフォーム内でNFTを流通させコミュニティ化も

Guildersでは、これらのほかに、NFTによる資格証明書の発行や、エンジニアが同プラットフォーム上でスカウトを受けることで、独自トークンがもらえる仕組みを検討しているという。代表取締役の河端保志氏によれば「従来は、優秀な人ほどスカウトが過剰にくることを嫌ってサービスを積極的に利用せず、転職に困っている人ほどプロフィールの充実化を図る傾向がありました。これに対し、Guildersでは、優秀なエンジニアでもスカウトサービスを利用するモチベーションになるよう、エンジニアがスカウトを受けると、インセンティブとして独自トークンをもらえるように設計しようと考えております」とのこと。このほかに、プラットフォーム上でのトークンの流通、運営のDAO(自律分散型組織)化など、Web3に根ざしたコミュニティ化を進め、メタバース領域へも事業展開を考えているという。

同社初のグローバル展開へ

Branding Engineerはこれまで日本国内で事業展開をしてきたが、Guildersは日本国内に限らず、グローバルな展開を視野に入れているという。Web3のトレンドにあわせ、優秀なエンジニアと秀逸なプロダクトをマッチングするボーダレスな世界を生み出すことを見据えている。リモートワークによる就業機会の拡大をとらえ、既存のサービス利用者に対しても、新たな働き方の提供を目指す。

ハイブリッドチームがSlackで各々のオフィスタイムを調整可能に、Officelyが2.3億円を調達

会社が在宅 / 通勤のハイブリッドに移行するんだって?いい話だね!たとえ管理上の決定や、あなたの役割の特殊性によって、毎日は不可能だったとしても、在宅勤務はより主流になっている。

では、誰がいつオフィスに行くかをどのように調整すればよいだろう?毎週同じ日である必要があるだろうか?ランダムに日を選んで、机が使えることを期待するだろうか?もしその日に行ったのがあなただけだったらどうだろう?本当に通勤する必要はあったのだろうか?これらすべてをスプレッドシートで追跡すべきだろうか、それとも追跡するためだけにまったく別のツールが必要だろうか?

Officely(オフィスリー)は、多くのチームがすでに使用しているツールのSlackを介して、それらをすべて上手く処理したいと考えている。彼らは成長を始めるために200万ドル(約2億3000万円)のシードラウンドを行ったところだ。

Officelyの主な売りはデスクの予約機能だ。これにより、どのオフィスにあるデスクか、または多数のデスクがある場合は、オフィス内の「どの付近にあるか」でデスクをグルーピングすることができる。ある日に何人の人がオフィスに行くのか、使えるデスクがあるのかを確認し、もし使えるなら予約することができる。他にもいくつかのカスタマイズ項目がある。例えば誰かが犬をオフィスに連れてくる場合にフラグを立てる機能などだ。アレルギーのためにその日は家にいたい人や、私のようにオフィスに少なくとも1匹は犬がいるときに出社したい人のために役立つ。

画像クレジット: Officely

カスタマイズ可能な健康診断調査表を設定して、熱を持っていなかったり既知の接触履歴がないことを確認したり、出社予定の朝に調査表に記入するように自動的に通知することができる。もし誰かが病気になった場合には、Officelyは連絡先の追跡を支援して、同じ日にオフィスにいた従業員のリストを作成することもできる。

彼らはまた「Officeチャット」機能の実験も行っている。この機能は、1日の初めに新しいSlackルームを自動的に作成し、その日に出社が予定されているすべての人を招待し、1日の終わりにルームをアーカイブする。家にいる同僚を悩ませることなく、ランチプランを計画するのに最適だ。

Officelyのテストインスタンスを起動してみたが、非常に円滑に使うことができた。デフォルトからカスタマイズするためのUIは、少々目立たないように感じられるが、それは主にSlackアプリの範囲内で動作しているからだ。しかしその一方で彼らは私がSlackアプリでできるとは知らなかったすばらしいこともたくさんしてくれている。チームTCは現在、オフィスで多くの時間を費やしていないので、ストレステストを行うことはできなかったが、見た限りでは、この先多くの人たちがオフィスに戻ったときにも上手く機能できるだろう。

Officelyは現在、小規模チーム用は無料だ(10人までの従業員と1カ所のオフィスに限定)。より多くの従業員または複数のオフィスがある場合には、月額でオフィス従業員1人あたり2.50ドル(約280円)が請求される(「Officelyを使用してオフィスを予約する従業員に対してのみ請求します」と彼らはいう)。500人以上の従業員がいる場合には、カスタム料金プランが提供される。

ところで、なぜSlack内ですべてを構築するのだろうか。共同創業者のMax Shepherd-Cross(マックス・シェパード=クロス)氏は私に「デスク予約ツールの興味深い挑戦課題は、ソフトウェアを効果的に使用するには、社内の全員が同じソフトウェアを採用する必要があることです」と語る。だが新しいウェブアプリに参加するように全員を説得するのは困難だ。一方、Slackなら企業のチームあれこれがすでに集まっている。

Officelyはピボット(方向転換)を行った企業だ。同チームは2017年に、ホテルの部屋の予約という別の焦点でスタートした。「私たちは新型コロナに押しつぶされました。一夜にして、私たちはすべての顧客を失ったのです」とシェパード=クロス氏は語る。「数週間眠れない夜を過ごしたあと、私たちはこれからのオフィスがこれまでのホテルのように運営されることに気づきました。【略】過去4年間ホテル用に構築していた予約インフラストラクチャ全体が、今ではオフィスに必要なのです」。

今回のラウンドはTEN13が主導し、エンジェル投資家のVu Tran(ブー・トラン。学習プラットフォームGo1の共同創業者)とAdam Schwab(アダム・シュワブ、travel co. Luxury EscapesのCEO)が参加した。

画像クレジット:Officely

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(文: Greg Kumparak、翻訳:sako)

【コラム】新たなハイブリッド生活、私たちと共存するハードウェアにできること

社会におけるさまざまな場面でハイブリッドモデルが登場しているが、それらは驚くほどの柔軟性がある一方で、仕事とプライベートの境界線はますます曖昧になり、私たちが精神的に疲弊をしていることは明らかだ。

儀式というのは、常に私たちの精神的、感情的な状態を形作る強力な力を持っている。例えば、人の集まり、物理的なトーテム、衣装や空間デザインなどはすべて、その経験を生み出すために機能する。しかし、ハイブリッドで働く人々にとっては、これまで慣れ親しんできた儀式の多くがもはや手の届かないものになっているのだ。彼らの日々の仕事には、人と集まることも、場所の変更も必要なく、服装もほとんど(あったとしても)変える必要がない。

1日に7時間以上も画面を見ている若者は、うつ病や不安症にかかりやすく、仕事をこなすのが難しいという研究結果が出ているにもかかわらず、私たちはハイブリッドなバーチャル体験を増やし続けている。さらに、従業員たちは、複数のタイムゾーンにまたがって行われる会議の連続で、毎日が果てしなく続くような感覚に陥り、疲労や倦怠感を訴えている。

現在、多くの人々が仕事や学校、買い物、銀行、医療など、あらゆる場面でコンピューターデバイスに依存していることを考えると、私たちは、ハイブリッドな仮想世界での新たな儀式に備えて、これらのデバイスをどのように設計・開発しているかを、より注意して見ていかなければならない。

今日「コンピュータデバイス」とは、従来のデスクトップ型ワークステーションから超ポータブルな携帯電話まで、あらゆるシナリオを想定している。しかし、これらのデバイスのデザインが、ユーザーの仕事とプライベートの境界を明確にするのに役立つとしたらどうだろう?

例えば、画面の前にキーボードがあるデバイスは「生産性の高いツール」という印象を与えるが、タッチ式のタブレット端末では、よりカジュアルでエンターテインメントに特化した印象を与える。もし、リモートワーカーがこの2つの様式を切り替えることで「仕事」から「プライベート」への切り替えを知らせることができたらどうだろう。

また、最近注目されているのが、ビデオチャットや会議ツールだ。私たちの多くにとって、人との交流の大半は、ビデオ会議アプリを使ったバーチャルミーティングで行われている。HDウェブカムやリング型ライトの需要は高く、バーチャルな背景やエフェクトの数は日々増加している。

ただ、ハードウェアの設計に大きく依存していることもあり、ビデオ会議の体験にはまだ多くの課題や制限がある。Zoom、Google Hangouts、Teamsなどのツールは、最新のアップグレードに対応しようと競い合っているが、統合された照明源、改良されたオーディオ、さらには触覚フィードバックなどのハードウェア上のハードルに取り組まなければ、ソフトウェアができるのはここまでだ。

しかし、対面からバーチャルへのパラダイムシフトを受け入れることができれば、ユーザーが同僚と直接目を合わせているように見せるために、ディスプレイ内埋め込み型の1ピクセル以下のカメラレンズのようなハードウェアのアップグレードによって、未来の日常に向けたデザインができるようになる。他にも、温度や触覚の技術を応用することで、仮想空間を介してお互いのつながりをより深く感じることもできるだろう。また、没入型の体験が進化していく中で、嗅覚の技術を追求することで、新たな可能性が生まれるかもしれない。

しかし、このようなハードウェアの進化は、実際に生産や消費の面ではどのようなものになるだろう?テクノロジーの便利さには目を見張るものがあるが、その一方で地球への負担も大きい。

消費者は地球を酷使する存在になってしまったのだろうか?

自分が大切にしているものを考えてみると、それらに共通しているのは、どれも古くて希少なものだということだ。もちろん、これは貴重なものに共通することだが、この価値観をハイテク製品にも適用できないだろうか。私はiPhoneを1〜2年ごとに交換しているが、Ducati(ドゥカティ)のバイクはパーツを少しずつアップグレードしていくことに大きな喜びを感じている。新品に交換するために捨てようとは決して思わない。

サステイナブルなソリューションを求める消費者が増えれば、ハードウェアメーカーはサービスを調整しなければならない。Apple(アップル)のような強力なブランドは、環境再生活動の強力なリーダーとなり得るだろう。デスクトップPCを自作することは(特にハードコアゲーマーにとっては)目新しいことではないが、すべてのポータブル機器がアップグレード可能なモジュール式になった未来を想像してみて欲しい。50年後、2025年に購入したスマートフォンが、いまだに機能していて価値の高いビンテージ品になっていたとしたらどうだろう?

私たちの新しい日常の現実は、デバイスの多さが解消されない一方で、ソフトウェアの開発が飛躍的に進んでいることだ。そろそろ私たちは、自分のデバイスを、クルマや家と同じように、最新の進歩に合わせて修理したり、改造したりして、大切にしていく対象として考えていかなければならない。

編集部注:執筆者Francois Nguyen(フランソワ・グエン)氏はfrogのプロダクトデザインのエグゼクティブデザインディレクター。

画像クレジット:Peter Cade / Getty Images

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(文:Francois Nguyen、翻訳:Akihito Mizukoshi)

バーチャル空間oViceとZoomが提携、oVice上からシームレスにビデオ会議を行えるように

バーチャル空間oViceとZoomが提携、oVice上からシームレスにビデオ会議を行えるように

自由に動いて自由に話しかけられるバーチャル空間「oVice」(オヴィス)を開発・提供するoViceは11月29日、ビデオコミュニケーションプラットフォーム「Zoom」を提供するZoom Video Communicationsとの業務提携契約を発表した。

この提携により、ツール間を移動することなく、oVice上からシームレスにZoomビデオ会議を行えるようになった。またoVice上でZoomミーティングを複数立ち上げることで、誰がどこで誰と話しているのかが可視化され、各ミーティングを行き来しやすくなり、よりインタラクティブな交流ができるようになる。

oViceは、ウェブ上で自分のアバターを自由に動かし、相手のアバターに近づけることで話しかけられる2次元のバーチャル空間。テレワーク環境におけるバーチャルオフィスやバーチャルキャンパスとして企業・自治体・教育現場が導入しており、これまでのべ1万件以上利用されているという。

oViceはこれまでもビデオミーティング機能を搭載していたが、ユーザーへのアンケート(回答者数112件)を行ったところ、8割以上が「社外の方とのオンラインミーティングはユーザー数の多いZoomで行うことが多く、Zoomと連携をしてほしい」と回答したという。これを受けて、今回の提携を決定したそうだ。

oViceは、ZoomのISVパートナープログラムに参加し、ハイブリッドな働き方を支援するZoomを活用したサービス・ソリューションの開発・提供に取り組むとしている。

 

「ゾーンに入る」のを助けるアプリ「Centered」、仕事が30%早く終わりストレスも軽減

Centered(センタード)は、ユーザーが1日の流れを確認する手助けをし、仕事が達成できるようにカレンダーを守り、軌道修正に役立つパーソナルアシスタントを追加することができるアプリだ。このアプリでは、仕事を成し遂げるために他の人たちとバーチャルな会合をしたり、仕事に集中するように脳を働かせるための心地よいビートを流したりすることもできる。この会社はまだプロダクトを発売したばかりだが、あなたが健全に仕事に打ち込めるようにするために、390万ドル(約4億5000万円)の資金を調達した。

何かを成し遂げたり、その作業を楽しんだ人であれば、おそらく「フロー状態」(人によっては「ゾーン」と呼ぶこともある)を経験したことがあるだろう。しかし、多くのオフィス環境は、そんな状態になることができないように設定されている。仕事を終わらせるために、早朝出勤や残業、休日出勤といった馬鹿げたことをする人もいる。「朝7時に出社して、電話が鳴り始める前にオフィスで時間を過ごすのが好きだ」なんてセリフを言っている、あなたのことだ。

Centeredのアプリは、チームのメンバーがビデオフィードを介して小さなサムネイルとして表示されるバーチャルなコワーキングセッションを提供する。つまりこれは、同僚があなたの姿を見ることができれば(ただし、音や会話は聞こえない)、あなたはコードをレビューしなければならないときに、スマホをいじったり、6杯目のコーヒーを飲みに行ったりする可能性が低くなるだろうという考えに基づくものだ。また、このアプリには「フローミュージック」と呼ばれる、ゆっくりとしたテンポの環境音楽も鳴らすことができ、脳に仕事をする時間だと納得させるために役立つ。さらにパーソナルアシスタントも用意されており、同社の創業者はこれを「生産性を向上させるSiri」と表現している。

「飛行機の中でヘッドフォンをしていると、突然、気を散らすものが一切ないような感覚になることがあるでしょう? 周囲に邪魔する人がいないため、短時間に今まで書いたことがないほどたくさんの文章を書くことができたりします。これがCenteredで再現しようとしている体験です。フローセッションを開始すると、Noah(ノア)が出迎えてくれます。このボットは、あなたの作業をガイドしてくれます」と、Centeredの創業者兼CEOであるUlf Schwekendiek(ウルフ・シュエッケンディック)氏は説明する。「このアシスタントは、割り当てられた時間の半分を過ぎると知らせてくれます。あなたが気が散っていることに気づいたら、仕事に集中するよう促してくれます。親が宿題をするはずのあなたがゲームボーイに夢中になっていることに気づいて、他のことをするべきだと注意するようなものです」。

Centeredの創業者兼CEO、ウルフ・シュエッケンディック氏(画像クレジット:Centered)

Centeredは米国時間11月17日、Uncork Capital(アンコーク・キャピタル)とYes VC(イエスVC)が主導する投資ラウンドで390万ドルを調達し、JLL Spark(JLLスパーク)、Shrug Capital(シュラッグ・キャピタル)、Basement Fund(ベースメント・ファンド)、AVG Basement(AVGベースメント)、Remote First(リモート・ファースト)の他、多くのエンジェル投資家からも支援を受けたことを発表した。

「この資金調達によって、いくつかのことが可能になりました。もう、私1人ではありません。コーディングやデザインなど、すべてを業者に依頼することはなくなります」と、シュエッケンディック氏は語る。「私たちは、エンジニアリング、デザイン、コンテンツの各チームに人員を配置し始めました。より大きなコンテンツ契約を結び、より良い音楽やボイスオーバーを利用できるようになりました。しかし、本当におもしろいのは我々が持つデータです。私たちはこのデータの活用を始めたばかりです。人々がどのように働いているかを私たちは知っています。他の誰にも真似できません」。

実行中のCenteredアプリ(画像クレジット:Centered)

シュエッケンディック氏は、同社がデータを匿名で集計し、安全に取り扱っていると断言している。今回のラウンドでは、評価額は公表されていない。

「何千人もの人々が当社の製品を利用しています。初期のユーザーは、見積もっていた時間よりも平均30%早く仕事を終えられ、その結果、より幸せになり、ストレスが減ったと報告してくれました」と、シュエッケンディック氏は述べている。「トップユーザーは、Centeredを生産性向上のためのオペレーティングシステムとして1日に3〜5時間ほど使用しています。第1週目以降のユーザー維持率はほぼ100%であることもわかっています」。

画像クレジット:Centered

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【コラム】ユニコーンを多数輩出、高い潜在能力を持つイスラエルのテックが抱える問題

人口がEUの50分の1ほどしかないイスラエルで、EUと同じくらいの数のユニコーンが誕生しているのは一見すばらしいことだ。奇妙に思えるかもしれないが、このギャップはさらに広がる可能性がある。実際、奇妙なことだ。

テック系エコシステムは弾み車のようなものだ。創業者が会社を売却したり上場したりすると、エコシステムに資金が流れ込むが、これには3つの形がある。1つはいうまでもなく、資本家からの流動性の注入だ。

2つ目の効果は新しい投資家の創造だ。新しく富裕層になった創業者たち(および従業員たち)は最初に家を買ってから、スタートアップへの投資を開始するという話には一理ある。3つ目は、ベンチャー資金は以前にイノベーションを成功させた人材に集まる。これは一種のハロー効果で、イスラエルにもサンフランシスコと同様明白に存在する。

こうしたことは、Google(グーグル)、Uber(ウーバー)、Twitter(ツイッター)などの初期の社員で、投資家や創業者になった人たちに起こった。イスラエルでも同じようなことが起こっている。ただし、イスラエルでは、そうした社員が、自分たちに富をもたらした創業者たちよりもうまくやれると確信していることをはっきりと態度に表すことも珍しくない。

Monday.comやSentinelOneなど、イスラエルのサクセスストーリーとなっている企業で創業10人目の社員になることは、ウーバーやインスタグラムで創業15人目の社員になるようなものだ。ハロー効果という点でも、ウーバーやインスタグラムほどはないものの、確かにある。このように社員から創業者になる人たちには、投資家が求めているスキルとバックグラウンドがある。また、イスラエル人独特の図太さも強みだ。

イスラエルに100ものユニコーン企業(評価額10億ドル[約1128億6000万円]以上の多くはテック系の株式非公開企業)が誕生している理由もそこにある。人口ではイスラエルよりも圧倒的に多い欧州だがユニコーン企業は125社しかない。イスラエルのこの成功は奥が深いので説明が必要だろう。

起業家にとっては、欧州のビジネス文化はイスラエルに比べてリスク回避的だ。過去の成功に基づいて評価するからだ。EUの大半の国では、もっと簡単に確実にもうける方法はいくらでもあるが、イスラエルでは、古い考え方にあまり縛られていないため、テック系起業家への道は魅力的だった。

こうしたパラダイムは、真の平和というものを経験したことがなく、大部分が移民とその子どもたちで構成されているまとまりのない社会には適していた。イスラエル人の冒険精神、そしてそれに通じるイノベーションや起業家精神の根本にはこうした要因がある。それに加えて、警備産業や軍事産業によって推進されたテクノロジーもある。これは、戦争、解体後のソビエト連邦からの移民の大量流入などによってもたらされた。

新しい要因としては、新型コロナウイルス感染症がある。イスラエルは、早期にワクチン接種を行ったことと、外部のテック分野(おそらく労働人口の10分の1を占める)がリモートワークに適していたため、パンデミックから何とか強く抜け出すことができた。また、パンデミック期間中、イスラエルには大量のVC資金が流入した。

こうしたことが最高のタイミングで起こっている。イスラエルの企業は、サイバー、フィンテック、SaaSなどの分野ですでに自分より格上の企業と張り合っており、フードテック、アグリテック、宇宙テクノロジー、そしてもちろんワクチンなどの分野でも大きな可能性を示している。

しかし、この辺りから見通しが少し怪しくなってくる。大きな障害がこうしたイスラエルの潜在能力の実現を阻害している可能性がある。

表面上は、イスラエルは産業に供給できる十分な労働力を備えているように見える。実際、このデータが示している通り、この国には1万人ごとに135人の科学者とエンジニアがいる。これは先進諸国中で一番の数字だ。しかし、急成長中のテック分野の需要に応えるにはそれでも足りない。

Israel Innovation Authority and Start-Up Nation Central発行の2020 High-Tech Human Capital Reportによると、テック企業の60%が人材の確保に苦労しており、イスラエル国内には現在、1万3000件のテック関連求人があるという。最近のさまざまな調査で慢性的なエンジニア不足が報告されている。9月現在で、1万4000人のエンジニアの求人があるという。

エンジニア不足のせいでエンジニアの賃金が上がっており、イスラエルのエンジニアの賃金は先進諸国中で最も高くなっている。こうした状況の中、リモートワークの時代にあって、企業側はウクライナやルーマニアなどから労働力を調達している。これは「スタートアップ国家」という特製ソースの瓶詰めを続けるにはあまり良い兆候ではない。

悪い方向に進んでいることは他にもある。イスラエルの学生の国際テストにおける数学、科学、国語の成績が他国と比較して急低下しているのだ。政治的大変動が主な原因だが、後続政権は、数学をまったく教えないことが多い宗教色の非常に強い学校の制限なしの成長を許している。

これは、超伝統派の急速な拡大という広範な問題と関係している。超伝統派では、男性の半分はフルタイムで宗教の研究を行い(残りの半分の多くは膨大な宗教関係の業務をこなしている)、女子は1人平均7人以上の子どもを育てることに専心する。テック経済に相応の寄与をしていないもう1つのセクターとして、イスラエルのアラブ系市民がある。アラブ人コミュニティは伝統的に権限が低く資金不足のコミュニティで、犯罪率も高い。

すぐに思いつくアプローチとして、超伝統的ユダヤ人とイスラエルのアラブ系市民を統合して、より広範なイスラエルを形成し、あらゆる道具を与えるようにすることだろう。イスラエルのアラブ系市民の街と学校の資金不足はなくし(2021年から少しずつ始まっており、アラブ系政党が新連合に参加している)、政府はアラブ系コミュニティで蔓延する犯罪を厳しく取り締まるよう警察に命令する必要がある。数学や科学を教えない学校に対しては資金の提供を拒否すべきだろう(これは超伝統派を統合するために必要な多くのステップの1つだ)。

イスラエル政府は官民協力体制のイニシアチブを取って(過去に有望なスタートアップを生み出し資金を提供したときと同じアプローチ)、教育システムの改善を推し進める必要がある。目標は同じで、経済を加速することだ。イスラエルはアイアンドームを建設し反対派に対処したときと同じ活力で教育問題に取り組む必要がある。

考えられる取り組みとして、STEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)教育の改善がある。具体的には、教師の待遇改善、親による教育への積極介入の制限、さらには、Fullstack Academyや外部のコーディング専門学校などの外部プログラムに奨励金を給付してイスラエル国内に学校を設立する、Wixなどのテック大手と協力してシリコンバレースタイルのキャンパスで自国の人材を育成するといったことが考えられる。

学生にコーディングやプログラミングを教えることを早期に始めてもらうようにすれば、研究開発や認知分野を重視している軍の部門にも役立つ上、新しい人口グループに求人対象が広がり、テック分野の新しい社員が生まれることになるだろう。

これらはどれも簡単ではないが、現状に満足していては高い代償を払うことになる。何もしないで最善を望むのは、ただ何もしないよりなお悪い。それでは、不可思議な運命によってイスラエルに授けられた途方もない才能を無駄にしてしまうことになる。

画像クレジット:matejmo / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

テレスペが平日の空室に悩むホテルなど1万室募集開始、2022年1月中旬公開の法人対象テレワーク個室予約新サービス向け

テレワーク・テクノロジーズは11月9日、空室に悩むホテルなどに上場企業テレワーカーを送客する新サービス「テレスペ」を2022年1月中旬より開始することを発表した。それに先駆け、本日よりホテル施設など1万室を募集している

上場企業専用の法人向け新サービスを2022年1月中旬スタート

テレスペは、上場企業専用の法人向けテレワーク個室予約サービス。利用側の上場企業法人会員6万人を確保しており、オフィス縮小による家賃のコストカット、全国の社員居住地近くに個室を提供する職住近接の実現など、人口減少社会における「上場企業総務部の新しい働き方導入」を支援する。

従来のホテルなどのテレワークプランは、ホテル側主導で空き時間を提供するプロダクトアウト型サービスであり、企業がオフィス代わりに利用するには難しい側面があった。そのため、個人の単発利用に終わり、市場として大きく成長することはできなかったという。

これに対してテレスペでは、実験を重ねて作り上げたマーケット主導型サービスとして提供を行う。ホテル側ではなく、利用する法人側と2021年3月より対話を開始し、利用側の希望に合わせたUX設計を行なったそうだ。法人社員が家の近くで丸1日、毎月2回反復して利用するというスタイルを想定している。コロナ禍をキッカケとしてオフィスを縮小した企業が、削減したオフィス経費で社員の自宅近くに「フレキシブルなオフィス」として使える場所を提供するものとなる。

ホテルなど施設側のメリット

テレスペの予約は、1週間前まで行なえないシステム(火曜日の予約は前週火曜日から予約受付)になっているほか平日の日中だけを利用するため、団体旅行や個人旅行といったホテルの本業を邪魔をしないという。1週間前に売れ残ってしまった部屋やドタキャンで空いた部屋だけを収益化するとしている。

またベッドとシャワーの利用NGという条件で掲載可能なので、ベッドメイキングの手間も必要ない。上場企業総務部もそうした利用法を希望しているとのこと。東京都心部に一極集中するシェアオフィスとは異なる経済圏を生み出し、将来的にはワーケーションや移住など地方との連携も視野に入れているという。

従来のレンタルスペースサービスと異なる4つの特徴

  • 利用が1日単位:1時間単位の時間貸しではなく、1日から数日の利用
  • 法人社員がリピート利用:個人は1回きりだが、法人社員はオフィス代わりに毎週利用
  • 6万人の利用登録:すでに6万人の登録がある。1日6000人の利用が見込める
  • 利用者は上場企業限定:1月中旬のサービス公開時は、利用者は上場企業社員のみ

さらに、ホテル以外の施設も募集しており、旅館、カラオケ、シェアオフィス個室、シェアハウス個室、空きマンション、ワークブース、飲食店の個室なども想定しているという。電源、Wi-Fi、机、良い椅子、ウェブ会議の声が漏れない程度の防音性を満たす個室であれば業種を問わず掲載可能。Wi-Fiや椅子などの手配をテレワーク・テクノロジーズ側が支援する用意もある。ただし、オープンスペースや天井が空いているなど個室ではないスペースは登録不可。1名用がメインとなる。

現在は、東京・神奈川を中心に全国主要都市での募集となる。首都圏南武線沿線、東横線沿線、川崎周辺などを重点エリアとしているものの、東京都以外なら利用したいという声もあるため、全国からの問い合わせを待っている状態とのこと。

テレワークプランの料金は、施設側が自由に設定することが可能。テレワーク・テクノロジーズ側としては、午前8時~午後7時までの1日プランで、3300円から7700円程度を想定している。テレスペへの掲載料は初期費用・月額掲載料は0円、手数料が予約金額の22%となる。ただし、2022年1月中旬のサービス開始前までに掲載完了した部屋については、2022年中の手数料が11%になる。

リモートワーク時代にふさわしい「バーチャルオフィス」を提案するLoungeの新アプリ

Loungeと呼ばれるスタートアップが、リモートワーク時代にふさわしいオフィスとはなにかをもう一度考え直そうと試みている。社員同士がまだ一度も実際に会ったことがない状態で(今後、顔を合せる機会が訪れない可能性もある)企業が企業文化や社員同士の関係を築くにあたり、Slack、Zoom、Teamsといったツールでは不足している要素があるからだ。こうした従来のツールでは、ユーザーの身元はメッセージボードやプロフィールに、写真や短い経歴で記されるだけであったが、Loungeの場合は、その人物のタイムゾーン、天気、場所、所属チーム、会社のイベントへの参加状況など、さまざまな情報が伝えられるようになっている。また、Loungeは社員同士がお互いを知り、個人的に交流を深められるよう、ドロップインオーディオチャット、フォトシェアリングのようなツールも提供している。

Loungeのアイデアは、共同創設者であるCEOのAlex Kwon(アレックス・クウォン)氏とCTOのJason Jardim(ジェイソン・ジャーディム)氏が構想したものだ。両氏はかつてともにLife360で働いていた。2人は、パンデミックの最中、リモートで働きながら、家族向けのタスク管理アプリを開発していた。結局そのプロジェクトは廃止されてしまったが、2人はこの時期にリモートワークとその落とし穴について多くのことを学んだのだ。

クウォン氏はかつて一度もリモートで働いたことがなかったが、実際に経験してみると人とのふれあいの部分で物足りながあることに気がついたという。

「Zoom通話で1日に1回話したり、Slackで1時間遅れでチャットするというやり方を、私はとても寂しいと感じました」と彼は説明する。

そういったオンラインでの会話には、同僚と実際に向き合って交わす会話から得られるきらきらした火花のようなものが欠けていた。そうした火花が新しいアイディアにつながったりすることも少なくない。こうした対面での共同作業こそ、多くの企業がパンデミックの有無に関わらず、スタッフをオフィスに呼び戻したいと望んでいる理由の1つなのだ。

しかし、クウォン氏は、対面でのふれあいだけがチームに仲間意識をもたらし企業文化を育てる唯一の方法ではないと信じている。

「人々はインターネットが普及して以来、オンラインで関係を『育んで』きました。彼らはWorld of Warcraftの中でオンラインで人と出会ったり結婚したりしています。そして、私の友人の多くもパートナーとなる相手をデートアプリで見つけています。それもこれも、始まりはオンラインです」。

友情や愛がオンラインで生まれるなら、仕事がらみの仲間意識だって育むことができる、というのがクウォン氏の考えだ。

画像クレジット:Lounge

両氏は、より繋がりを感じられる方法の模索を始めた。インスピレーションが湧いた時いつでも会話できるよう24時間年中無休のZoom通話を試したりもしたが、それはあまりに圧迫感もあり、子どもが邪魔をすることもしばしばだった。常にオーディオをオンにしていることも、同様の問題があった。このため、最終的には、お互いのプライバシーを尊重しながら、タップするだけでオーディオチャットですばやくつながることのできるシンプルなアプリが開発された。

このアプリが彼らがリモートワークで感じていた問題を解決することができたことを受け、彼らはタスク管理アプリを開発するスタートアップのアイデアを捨て、かわりにLoungeに取り組むことになった。

Loungeでは社員はチームやプロジェクト、さらには趣味や興味ごとにグループ分けされたバーチャルデスクで表示されている。こうすることで、誰がどんな作業をしているのかが簡単にわかる。このバーチャルデスクは、役割的には会社の組織図に似ているが、よりパーソナライズされた情報を伝えることができる。例えば、画像にある小さな窓で夜なのか昼なのか示しタイムゾーンを伝えたり、さらには天気までわかるようになっているのだ。また、社員のプロフィール写真や他のデータも見ることができる。

画像クレジット:Lounge

社員自身の個々のデスクに加え、Loungeには複数の社員からなる「ルーム」コンセプトが導入されている。トピックやプロジェクトのみに焦点を当てているSlackチャンネルとは異なり、ルームはどんな目的にも対応できるようデザインされており、従来のオフィスが提供していた物理的空間のバーチャルバージョン的役割を果たす。例えば、ユーザーは対話集会や、ホワイトボードセッションが開催されているルームに参加したり、会社のカフェテリアのような公共スペースで同僚とバーチャルに交流することもできる。

ルームには鍵をかけることもできるし、それを解除することもできる。プロジェクトに没頭中なら、訪問者に応答する必要はない。ルームに鍵をかければよいのである。その場合、訪問者は、Slackでするのと同様、チャットにプライベートなダイレクトメッセージを残すことができる。しかし、ルームがオープンの場合は、クリックして音声で同僚とその場でやりとりすることができる。これは、誰かの机まで歩いていって「やあ、元気?」と声をかける行為のバーチャルバージョンである。相手はあなたが挨拶するのを聞き、ミュートを解除して音声で会話する。

クウォン氏は「これをZoomとSlackを合わせたようなものだと考えてください」という。

画像クレジット:Lounge

またLoungeは、写真をシェアする機能もある。これはクウォン氏が以前立ち上げたスタートアップ、Oneminuteで得た着想で、人々が撮ったさまざまな写真をシェアすることのできる機能だ。写真をシェアするとしばらくはその写真がバーチャルデスクやアプリ内の他の場所に表示される。これにより周囲の人々に個人的に関心を持っていることや、飼い犬や週末に楽しんでいる趣味など、プライベートな事柄を伝えることができる。これは Slackチャンネルにすでに備わった機能だが、Loungeではこれを一歩進め、これらの共有された写真が1本にまとめられる仕組みになっている。これを新入社員が見てチームメートとの会話のいとぐちを見つけるのに利用することも可能だ。

Loungeは4月以来一部の顧客に対し非公開ベータ版サービスを行ってきたが、ウェイティングリストには何百もの顧客が登録している。現在のところ、同社がターゲットにしているのは社員が20名以下の比較的規模の小さなチームである。

Loungeは、Unusual Ventures、Hustle Fund、Translink、Unpopular Venturesやその他のエンジェル投資家から120万ドル(約1億3000万円)の資金を調達している。

   画像クレジット:Lounge

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

約100種類のサービスを厳選した「テレワークに役立つクラウドサービス カオスマップ2021年度版」公開

  1. 約100種類のサービスを厳選した「テレワークに役立つクラウドサービス カオスマップ2021年度版」公開

議事録・wiki・タスク管理・ファイル共有などを利用できるコラボレーションワークスペース「Huddler」(ハドラー。β版)を運営するmonomode(モノモード)は10月25日、「テレワークに役立つクラウドサービス カオスマップ2021年度版」を作成・公開した。

同カオスマップは、テレワークに役立つクラウドサービスを「コミュニケーション」「バックオフィス」「セールス」の3ジャンルに分類したもの。また、各ジャンル内で「チャットツール」「会議・議事録管理」など11カテゴリーに細分化し、100件近くのサービスを掲載した。

monomodeのHuddlerは、あらゆる情報と仕事をクラウドで管理できるサービス。目的別にHuddler内でグループを作成し、「議事録・wiki・タスク・ファイル」など、必要な機能を組み合わせて使用可能。
Huddlerがクラウド上のチームの仕事場となり、あらゆる業務に関する情報をマネジメントできるという。現在はの提供を行っており、士業・不動産・観光・IT・情報通信などの企業で利用が進んでいるそうだ。

【コラム】未来の仕事場は従業員が自身でデザインする、ハイブリッドワークの試験運用から見えたこと

なぜ私たちはオフィスに行くのか?

これは誇張した意味での質問ではない。他の人と一緒に仕事をするために行くのだろうか?オフィスに行くのは、自分の仕事に集中できる決まった場所だからだろうか?「見られる」ことが必要だから行くのだろうか?ただ、いつもそうしてきたから、仕方なく行くのだろうか?

私たちSAP(サップ)では、これらの質問に対する答えを見つけるだけでなく、社員自身がその答えに一役買うこと、そして未来のハイブリッドな仕事場を築いていくことが重要であると考えている。

この夏、私たちはパロアルトにあるオフィスで、まったく新しいハイブリッドワークの試験運用プログラムを開始した。この数カ月間、私たちはさまざまなフロアプランやセットアップ、多様な勤務体系、最も生産的なスペースの使い方、理想的なミーティングの構成などをテストしてきた。また、この新しい現実に適応するマネージャーやリーダーシップのトレーニング、仕組みづくりなど、たくさんのことを行ってきた。

では、私たちはこれらから何を学んだのか?そして、その教訓をあなたのビジネスにどう生かすことができるのだろうか?

まずはじめに:社員からの声

試験運用プログラムの開始前や開始中に寄せられた社員からのフィードバックによると、利便性が高く、エネルギー効率の高いワークスペースが求められていることがわかった。私たちはただ、必要なときだけでなく、使いたいときに使えるような空間を作る方法を見つけなければならなかった。では、人々がオフィスに来たいと思う要因は何だろう?

調査の結果、主に4つの要因が見つかった。

同僚間の学び合い:当社の社員は自分のネットワークを構築することに情熱を持っており、多くの社員が、自分のキャリアを早く向上させ、SAPがどのように自社製品を構築し、革新を生んでいるのかを学ぶ機会として「同僚からの学び」を挙げた。

入社オリエン、トレーニング、学習の機会の大部分はまだバーチャルで行われているが、社員が希望する場合は直接会う機会を与えるために、現在はハイブリッドオプションを検討している。

コラボレーション:新型コロナの状況が許す限り、多くの人は実際に会って話をしたいと思っている。ビデオ通話は機能的ではあるが、テーブルを挟んで一緒にブレインストーミングをしたり、学んだり、成長したりする効果にはかなわない。

ハイブリッドワーク試験運用プログラムに参加した社員にとって、コラボレーションは大きな推進力となっている。さまざまな社員がホワイトボードを使い、画面を共有して複雑な問題を一緒に解決している。鍵となるのは、高品質のビデオやオーディオ機器が装備されたスペースで、物理的に離れた場所にいるチームメンバーが同じように参加できるようにすることだ。

仲間意識の構築:全員参加型のミーティングやQ&Aセッション、その他のチームビルディング系の機会は全員が同じ物理的なスペースにいることでより効果的になる。私たちが調査した多くの社員は、オフィスにいることの明確な利点として、半年に一度の懇親会を挙げている。

私たちは、オフィスでの社員イベントの開催を試み始めたばかりだが、その環境は以前とは大きく異なる。小規模かつ屋外で、新型コロナ対策が施された環境だ。最初のイベントを開催する前に、私たちは自問した。「社員は来たいと思うだろうか?」その答えは、圧倒的に「イエス」だった。

申し込みを開始すると、数分後には申し込みがいっぱいになり、その倍の人数がキャンセル待ちとなった。ミーティング当日はエネルギーがみなぎっており、社員からのフィードバックも非常にポジティブなものだった。みんな、再び一緒にいられることに感激していた。

意図:多くの人が、オフィスでの当たり前の習慣が恋しいと語っていた。朝、服を着て車で出勤し、チームメンバーと一緒に机に向かうことで、生産性や集中力が格段に向上するという人もいる。

すべての社員がチームワークや仲間意識を求めてオフィスに来ているわけではない。中にはプライベートと仕事のスペースを分けたい人もいて、自分が最も生産性を発揮できる静かな場所を探している人もいる。オフィスではオープンなコラボレーションスペースは不可欠だが、無音スペースや電話ブースも同様に必要不可欠だ。

私たちがこれらの特性を実践しようとしている1つの方法が、オフィス内の「スクラムネイバーシップ」だ。この環境では15〜20のデスクが用意されており、コラボレーションとチームワークを促進するために、美しく創造的で自由なオフィススペースが設けられている。また、このスペースを有効に活用するために、モバイルアプリを開発した。チームはこのアプリを使って、一緒にオフィスに来る時間を調整したり、スペースや電話室を予約することができる。

同時に、私たちはリーダーたちがこの新しい現実の中でメンバーを管理できるように、偏見を避け、典型的なマネージャーと部下という関係を、より人間的で共感し合えるものにするための努力をしてきた。

試験運用プログラムから得られた教訓

これらはまだ始まりに過ぎない。試験運用プログラムは順調に進んでいるが、今後もハイブリッドワークを推進し、最適化するための最良の方法を研究・検証していくつもりだ。

従業員の80%が、将来的には自宅とオフィスの両方で仕事をしたいと考えていることがわかった。また、80%の社員がオフィスの比較的近くに住みたいと考えていることもわかった。

もちろん、このタイミングで戻ることに違和感を覚える人も少なくなかった。しかし、試験運用プログラムでオフィスにきた人の多くは、オフィスでの仕事環境の平穏さと静けさ、対面でのミーティングの生産性、そして無料のコーヒー、スナック、ランチなどのアメニティを、明らかな利点として挙げている。さらに、リーダーやマネージャーは、私たちが彼らとの間で培ったコミュニティの行動指針に基づくことで、この環境で指導や管理を行う準備が整っていると感じている。

これまでの「普通」が完全に戻ることはないため、私たちは何が有効で何がそうでないかを見極めるために、継続的な実験と内省を続けなければならない。なぜなら、ハイブリッドなワークモデルは、理論的に成功するだけではなく、実践的に成功しなければならないからだ。

例えば、2020年、多くの従業員が、家庭や家族の事情に合わせて早朝や深夜に働くなど、勤務時間を大幅に変更できる環境に慣れてしまっていることに気づいた。また、通勤時間やオフィスが不要になったことで、チームの一部の者にとっては大きな時間も生まれていた。一方で、これまで対面式で行っていた施策の中には、全体的な実行力と効果を向上させ、場所を問わず従業員の体験をより包括的なものにするために、再考する必要があるものもある。

私たちが自問すべきことは明らかだ。あとは、その答えを見つけるだけだ。

では次は?「なぜ」と問いて「どうやって」を見つける

同じくして、2020年には、仕事の現実において、一時停止したり、もしくは一気に進めたりしなくてはいけない状況でもあった。これは、私たちの多くがいまだになんとか管理 / 運営しようとしている矛盾でもある。私たちは、ハイブリッドワークの試験運用プログラムで得られた教訓が、未来のオフィスのあり方や生産性の向上に役立つとともに、社員やリーダーがこの変化に対応できるようになることを願っている。2022年に向けて、試験運用プログラムで得られた私たちの知見は、グローバルなフレックスワークポリシーに反映され、世界の各地域で何が最適かを判断するための基準となるだろう。

その答えを考えるのに、今が一番いい時期だ。私たちと一緒に考えてみよう。あなたの「なぜ」を「どうやって」に変え、従業員が自ら未来の仕事場を構築する力を与えよう。

編集部注:本稿の執筆者Anamarie Huerta Franc(アナマリー・ウエルタ・フラン)氏は、米国のSAP Labsのマネージングディレクター。全米の開発部門の従業員を対象とした、企業間コラボレーション、ロケーション戦略、コミュニケーション、従業員エンゲージメントのリーダー。

画像クレジット:Shannon Fagan / Getty Images

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(文:Anamarie Huerta Franc、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Google Meet、ホストが参加者を個別にミュートできるAVロック機能を追加

Google Meetに新しい音声・ビデオロック機能が追加され、主催者が他の参加者のマイクやカメラをオフにできるようになった。この新機能は、特定のユーザーをミュートにし、主催者が許可するまでそのユーザーがミュートを解除できないようにするものだ。

2021年初め、Google(グーグル)は、主催者がグループ通話中に参加者全員を一度にミュートにする機能を提供開始した。今回の機能ではさらに一歩進んで、通話中に参加者が自分のミュートを解除できないようにした。

主催者がメインの会議で音声またはビデオのロックを有効にすると、ブレイクアウトルームにも適用される。ただし、ブレイクアウトルーム内でロック設定を変更しても、他のブレイクアウトルームやメインミーティングの設定には影響しない。

Googleによると、音声ロックとビデオロックを利用することで、主催者はユーザーの参加レベルを必要に応じて変更でき、会議をより細かくコントロールできるようになるという。また、会議の秩序を乱す参加者に対処することも可能になる。

なお、この新機能に対応していないバージョンのAndroidおよびiOSアプリを使用している参加者は、ホストが音声ロックまたはビデオロックをオンにした場合、その会議から削除される。ユーザーがロックを有効にしている会議に参加しようとすると、参加を許可するためにアプリをアップデートするよう促される。しかし、ホストがロックをオフにすると、参加者は再び会議に参加できるようになる。

新しい音声およびビジュアルロック機能は、米国時間10月22日より、すべてのGoogle Workspaceユーザー、およびG Suite BasicとBusinessのユーザーに提供される。

Googleは、パンデミックがもたらしたテレワーク時代の中で、Zoom(ズーム)やMicrosoft Teamsに対抗するために、ここ数カ月の間にMeetのための数多くの機能を展開してきた。例えば同社は、ウェブカメラの明るさを自動的に調整する新機能を2021年9月に発表している。Googleは4月にも、MeetのUIといくつかの機能を刷新した。また、このビデオ会議プラットフォームは、より多くのユーザーを維持・獲得することを目指し、Otter.aiなどの他のサービスと提携している。

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画像クレジット:Google

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

移住やワーケーションを推進するポータルサイト「たびすむ」運営のBeAが6000万円調達

BeAは10月22日、第三者割当増資による6000万円の資金調達を発表した。引受先はコンコードエグゼクティブグループ。調達した資金は、1200以上の自治体が掲載する移住&ワーケーションサイト「たびすむ」における機能の追加開発やプロモーションにあてる。また、これにより自治体とユーザー双方の移住に対する課題解決の利便性を高めていくとしている。

BeAによると、リモートワークの一般化によりこれまでのUIターンによる「目的的な移住」だけでなく、「旅行や趣味を追求した移住」が増えることが想定されるものの、その移住ニーズは現状では顕在化されていないという。

たびすむでは、そうした潜在ユーザーを性格や移住診断などのコンテンツによって発掘。蓄積したユーザーの基本属性や趣味嗜好などのデータをAI診断に活用し、適合する自治体とのマッチングを実現させる機能を備えているという。今後は、移住Q&Aコーナー、情報交換掲示板、スカウトサービス、自治体向けSaaS型CMS、企業誘致情報といった追加コンテンツ・機能を2021年12月にスタートする予定。

2015年3月設立のBeAは、「日本における国内外の移動、移転活動を支援し、地方創生を通して国内活性化に寄与すること」をミッションに掲げるスタートアップ。
インバウンドの誘客や首都圏一極集中化の解消、地方における労働人口の創出など、様々な形で地方創生を目指している。たびすむ以外に、中華圏メディアを活用したインバウンドビジネス、観光情報プラットフォームメディア「夢旅…」を活用した国内観光誘客事業などを手がけている。

リモートでのコラボで活躍するブラウザベースのハードウェア設計ツールFlux、約13.6億円調達

世界がパンデミックで終わってしまわないように、みんながリモートコラボレーションで頑張ろうとしているが、これまでの1年半は疑いの余地なく、人間の労働について考え直す重要な契機になった。それはFluxがもっと前から考えていたものであり、2019年に開発を始めた同社は、AppleやFacebookやNASAなどで正社員として仕事をしている人たちの集まりだった。

同社は、電子回路の設計と工作をウェブ上のリアルタイムのコラボレーションで行なうツールを設計した。米国時間10月13日、FluxはOutsiders Fundがリードするシードラウンドで1200万ドル(約13億6000万円)を調達したことを発表した。これには、Bain Capital Venturesや8VC、そしてLiquid2 VCが参加した。資金の用途は、Fluxの開発チームの拡大と新たな機能を作るための研究開発、およびマーケティングの強化だ。

 

Fluxは、近年における同社の技術への関心の増加の原因として、リモートワーク長期化の見通しと、長く続くチップなどハードウェアの供給の逼迫を挙げる。

共同創業者でCEOのMatthias Wagner(マティアス・ワグナー)氏は、ニュースリリースで次のように述べている。「1970年代と80年代に商用チップの開発企業が初めて誕生して以来、世界は大きく変わりました。今日の半導体不足は、最新の変化の兆候にすぎません。現在、私たちが直面しているサプライチェーンの問題は、パンデミックだけのものではなく、過去何十年間も設計プロセスそのものに注意を向けなかったことの報いです。私たちがFluxを創ったのは、この問題に今になってやっと対応するためですが、今回は多くのすばらしい投資家たちが私たちのビジョンを共有していることがわかり、とても幸運です」。

画像クレジット:Flux

Fluxによれば、同社の技術は「すべてのモダンブラウザー」でサポートされており、ダウンロードは不要だという。システムには、シミュレーター、自動部品調達、バージョン管理などの機能がある。一方、Community Libraryでは、回路図やモデル、オープンソースの部品などにアクセスを提供している。これは、GitHubやMakerbotのThingiverseに似ている。

ワグナー氏がTechCrunchに語ったところによると、同社はGitHubのような収益化の方法を採りたい、という。

私たちはGitHubがその、再利用性のあるコードの、オープンでコミュニティ駆動のリポジトリにより、ソフトウェアのエコシステムを全面的に変えてしまったことを、大いに参考にしています。同様に私たちも、フリーミアムのSaaSモデルで、誰でも容易に取り組みを開始できるようにし、またチームと企業などの組織には、彼らが必要とするタイプの機能を提供しています。このモデルによってハードウェアのコミュニティが一堂に集まって、部品やシミュレーターのモデルや、フォークでき改良できる参照回路図などの再利用性のあるコンポーネントを構築し共有できます。もちろん、共有し公開するものはすべて常に、エンジニアがコントロールできます。私たち自身もエンジニアなので、これからもなるべく多くのエンジニアとチームを力を与えていきたいと考えています。

資金調達に加えて同社は、この機会を利用してベータでローンチしている。

画像クレジット:Flux

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)