OculusでのVR体験をFacebookにシェアできるようになった ― 同時にボイス検索も

VRがどんなものなのかを説明するのは骨の折れる作業だ。そんな中、本日(米国時間10日)FacebookとOculusは、友達や家族にVR体験を簡単にシェアできる機能を発表した。

新しいイベントアプリの追加、そしてOculus Room内での360度ビデオの視聴などのソーシャル機能と同時に本日Oculusが発表したのは、VRゲームをプレイしている様子などを直接facebookにアップロードできる機能だ。

この機能は今日から米国外のユーザー向けに公開される。米国内のユーザーには「今後数週間のうちに」公開される予定だ。これにより、VRコンテンツがより身近になり、VR体験とはどのようなものなのかを友人に見せてあげることが可能になる。

FacebookとOculusが統合機能を発表したのはこれが初めてではない。今週はじめ、Facebookは同社初となるVRアプリ「Facebook 360」を発表している。これはFacebook上の360度フォトや360度ビデオを閲覧できるVRアプリだ。この機能を使い、Facebookは同社がもつコミュニティを活用してVRへのアクセスを向上させ、VRをまだ試したことがないユーザーにVRとは何であるかを教えている。

Oculusが今日発表したビッグニュースは他にもある。RiftおよびGear VR向けのOculus Homeプラットフォームにボイス検索機能を追加すると発表したのだ。ストアに掲載されるコンテンツが増えつつあるなか、より容易な検索機能は同プラットフォームにとって大きな進歩だと言える。仮想現実のスクリーン上に表示されるキーボードは非常に使いづらい。だから、このボイス検索機能によってユーザーのイライラが多少緩和されることになるだろう。彼らはまず、「Oculus Voice」と呼ばれるこの新機能をボイス検索機能とともにローンチする。しかし、友達がオンラインかどうか確かめるなど、よりデジタルアシスタントに近い機能が搭載される日も近いだろう。

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(翻訳:木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

日本のVRスタートアップ、ダズルが2億円を調達 ― VR分析ツール「AccessiVR」を6月に正式リリースへ

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「Dazzle VR ROOM」の様子

「VR元年」と呼ばれた2016年も、あっという間に過ぎ去ってしまった。でも、VR業界の注目度は高いままだ。

VRプロダクト向け分析ツールの開発を手がける日本のダズルは3月1日、施工図作図や技術者派遣を行う夢真ホールディングス、およびグループの夢テクノロジーから総額2億円の資金調達を完了したと発表した。同社は2016年5月に同じく夢真HDから1億5000万円を調達しており、累計調達金額は3億5000万円となる。

これにともない、ダズルの監査役に夢真HDの佐藤義清氏、そしてスマートフォン向けサービス開発を手掛けるアクロディアの永山在郎氏が就任。また、経営顧問にスカイマーク元代表取締役会長の井出隆司氏が就任する。

ダズルはこれまでに、スマホゲームやVRゲームなど数点のゲームコンテンツをリリースしてきた。なかでも、スマホRPGの「ヴァリアントナイツ」は累計140万ダウンロードを達成している。そして、本日からクローズドβを開始するのが、VRプロダクト向け分析ツールの「AccessiVR(アクセシブル)」だ。今回調達した資金もこの開発費用に充てられる。

AccessiVRは、VRプロダクトの分析および運用サポートサービス。同ツールを利用することで、ユーザーがどこでコンテンツから離脱したか、そして、ユーザーがコンテンツのどこを見ているのかをヒートマップで確認することなどが可能だ。このヒートマップは、ユーザーが向いている方向の中心を視点とするかたちで作成されているそうだ。Unity5、Unreal Engine4など、国内外で使用される主要な開発言語に対応していて(Unreal Engineは正式版から)、対応デバイスもOculus Rift、Gear VR、HTC Viveなど幅広い。 data2

具体的な料金プランは未定だが、導入費用と初月利用料は無料で提供される見通しだ。正式版のリリースは6〜7月頃を予定している。

VRプロダクト向け分析ツールの例として挙げられるのが、バンクーバーの「cognitiveVR」だ。また、開発ツールであるInstaVRでもヒートマップ分析機能などが利用できるようになっている。コンテンツメーカーだったダズルがAccessiVRをリリースすることで、それらの分析ツールと直接的な競合関係になるわけだ。代表取締役CEOの山田泰央氏は、「日本企業として地の利を生かし、まずは日本、次に中国、そしてアジア諸国というかたちでアジアのマーケットを素早く獲得していく。アジアはVRにとって重要なマーケットになると思う」と今後の戦略について話す。

また、AccessiVRはプロジェクトの予算やKPI目標の設定、そしてその管理などが可能な「運用サポート機能」が備わっていることも差別化要因の1つだと山田氏は語る。加えて、「ライトなSDKをつくるという点にはかなり注力していて、他の分析ツールと比べてFPSのロスが少なくなるように開発している」そうだ。

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CEOの山田泰央氏(写真左)とCOOの出口雅也氏

今後、コンテンツメーカーだったダズルが分析ツールという新しい分野にビジネスを拡大していく。中長期的には、分析ツール開発事業がダズルの柱になっていくようだ。「分析ツールを開発して提供するためには、僕らでもコンテンツをつくって社内でもPDCAサイクルを回さないと顧客と対話できない。だからこそ、現在はVRゲームの開発も行っている」と山田氏は話す。

それと、TechCrunch Japanの読者であれば、少なくとも1ヶ月に1度くらいは日本のVR企業に関する記事が公開されていることにお気づきのことだろう。この市場に対する注目度は高いし、ポテンシャルも大きい。Goldman Sachs Asset Managementは、2025年にVR/AR市場は約800億ドルへと拡大し、PC・スマートフォンに続く第3のプラットフォームとして市場を形成する可能性があると予測している

僕たちが最近取り上げたものだけでも、CADデータを使ったVRコンテンツの「ワンダーリーク」VRアプリ開発ツールの「InstaVR」ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の「FOVE」VR特化型インキュベーション施設の「Future Tech Hub」VR触覚コントローラーの「H2L」などがあり、日本のVR業界全体の温度が徐々に上がりつつあるように感じる。2016年に約12億円を調達したFOVEや今回のダズルをはじめ、日本のVR業界でも大型の資金調達も増えてきている。

ところで、VR業界全体の構造がある程度形成されるにつれて、「Oculus Store vs SteamVR」というコンテンツプラットフォーム争いの構図が生まれた。これについては、以前FOVEの小島由香氏も言及している。これまでVRコンテンツを製作してきた山田氏に意見を聞くと、「Steamにはコアなゲームユーザーが多く、それだけHMDを持っているユーザーの率も高いと思う。また、長年ゲームプラットフォームとしてやってきただけあってコンテンツメーカーへの対応も優れていて、結果的にリリースまでの時間が短いのもSteamだ」との話があった。多少、Steam有利の感はあるのだろうか。

かつてフリーランスエンジニアだった山田氏が、「クリエイターが楽しく働ける環境を作りたい」という思いで2011年に立ち上げたのがダズルだ。そして、同社は2015年にVR事業を本格化。現在は40人の従業員をもつ。また、「VR元年と呼ばれた2016年を過ぎた今年だからこそ、VRに触れる機会を提供したい」というアイデアがきっかけで、同社は3月22日までオフィスの一部を開放。「Dazzle VR ROOM」と銘打ってVR体験スペースを提供している。

VRベースのソーシャルプロダクティビティアプリBigscreenがAndreessen Horowitzらから$3Mを調達

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VRの“キラーアプリ”(killer app)*をめぐる議論が喧しい中で昨年は、VRが提供する他に類のない優れたコラボレーション機能を活かそうとするソーシャルアプリがいくつか登場してきた。〔*: killer app, ここでは特定のアプリケーションではなく、その分野をメジャーに押し上げるアプリケーションのジャンル。〕

それらの中で、VRの面白さと仕事の生産性(プロダクティビティ, productivity)の二兎を追った初期の試みのひとつがBigscreenだ。それは初期のVRユーザーたちのあいだで、かなりの人気を獲得したが、その製品は過去の同社の、Web上のコンテンツ共有経験がベースになっている。

同社は今日(米国時間2/24)、Andreessen Horowitz率いるラウンドによる300万ドルの資金調達を発表した。そのラウンドにはほかに、True Ventures, Presence Capital, Ludlow Ventures, David Bettner, SV Angelらも参加した。

Andreessen Horowitzがハードウェア以外の分野でAR/VRに投資した例は、あまり多くない。その中で同社のOculusVRへの投資は、同じく投資家の一員であったFacebookによる2014年20億ドルの買収で、VR企業としては初めての大型イグジット(exit, 出口)になった。

VRアプリケーションはVRの最大の特性である3Dのインタフェイスを強調したものが多いが、そんな中でBigscreenは、2DのWebの世界で提供されているコンテンツと、VRが提供する高度なソーシャル体験の両者を、結びつけようとしている。

同社のベータ・アプリケーションは、仮想会議室におけるコラボレーションや、ひとつの部屋に友だちが集まってお互いのアバターとゲームをプレイする、などの使われ方で人気が急伸し、今や15万人のユーザーがいる。まだ費用的にも大衆化しているとは言えないVRの世界でこの数字は、相当なものだ。

Presence CapitalのマネージングパートナーAmitt Maharjanが、Mediumに書いている: “最初からマルチプラットホームに対応しており、そして、体験を他と共有するやり方がきわめてシンプルなため、Bigscreenは知らない人たちが互いに関心を共有してコミュニティを形成する能力に秀でている”。

同社の次のアクションは、Bigscreenの1.0をリリースすること。また、同プラットホームのネイティブアプリケーションや、モバイルのVRヘッドセットへの対応も課題だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Qualcomm、VRヘッドセット・アクセラレーター・プログラムを発表―開発キットも835対応へ

LAS VEGAS, NV - JANUARY 06:  Qualcomm CEO Steve Mollenkopf speaks during a press event at the Mandalay Bay Convention Center for the 2014 International CES on January 6, 2014 in Las Vegas, Nevada. CES, the world's largest annual consumer technology trade show, runs from January 7-10 and is expected to feature 3,200 exhibitors showing off their latest products and services to about 150,000 attendees.  (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

VR〔仮想現実〕が近々モバイル化することは間違いない。そしてモバイル・デバイスの市場を誰よりもしっかり握っているのはQualcommだ。そこでQualcommとしては世界のODM(オリジナル・デザイン・マニュファクチュラー)のコミュニティーにVR開発を普及させることがなにより急務となる。

モバイルVRのヘッドセットはスマートフォンをスロットに挿入して利用するような形式ばかりではない。中国その他の地域でもすでにオールインワン式のVRヘッドセットが強い関心を集めている。昨年QualcommはSnapdragon 820アーキテクチャに基づいたVRヘッドセットのレファレンス・デザインを発表している。今年に入って新しい835チップ用のアップデートも行われている。

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Qualcomm VR 820レファレンス・デザイン

中国のODMの何社かはVRレファレンス・デザインをベースにヘッドセットを開発することに興味を示している。しかしQualcommはさらに広く世界的にユーザーを増やすためにヘッドマウント・ディスプレイ・アクセラレーター・プログラムを準備中だ。このプログラムに参加するVRヘッドセットのメーカーはQualcommのサプライ・チェーン・パートナー各社からの協力が得られる。また開発したプロダクトのマーケティングにおいてQualcommからの助力を期待できる。

Qualcommはまた「当初このプロジェクトはVRヘッドセットのメーカーを対象としているものの、近くAR〔拡張現実〕コミュニティーの各社もメンバーとなってSnapdragon 835チップの効果的な利用法を発見できるだろう」と述べている。

このVRヘッドセット開発加速計画のニュースに加えて、Qualcommはデバイス開発キットのアップデートも発表した。これは新しい835チップへの対応が主となる。新しい開発キットはユーザーのどんな動作にも追随する6DOF〔6自由度〕のモーション・トラッキングを可能にする。これは2台のカメラに加えて新しく視線トラッキングを利用している。こうしたテクノロジーは計算量を減らし、システムへの負荷を大きく軽減するという。

開発キットは今年の第2四半期にリリースされる予定だ。ヘッドセット・アクセラレーター・プログラムはすでにスタートしている。

画像:Justin Sullivan/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleのTilt BrushがOculus Riftに対応

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仮想現実のクリエイターになりたい人は、ツールの少なさを嘆いている。そこで今日Googleは、Oculus Rift用のTilt Brushを発表した。この仮想お絵かきアプリケーションは、これまでHTC Viveでしか経験できなかったけど、これからはRiftのTouch Controllersでより自然な対話ができるから、GoogleはTilt Brushを、Facebookが保有するVRプラットホーム〔==Oculus〕にも提供することに決めたのだ。

コントロールはTouch Controllers用になっているから、この完全にタッチ対応のハードウェアでは指をボタンに乗せただけでツールチップが出る。BrushesはOculusのヘッドフォーンも利用して、おもしろい音をイマーシブなサラウンドモードで出す。音で、今何を描いているかが分かるのだ。

このRiftバージョンのTilt Brushを数分使ってみたが、HTC Viveのころよりずっと成熟したツールになってることが分かる。対話的な操作が、とても軽快だ。OculusにもRift用のクリエイティブなスケッチや彫刻アプリケーションはあるけど、でもBrushesで道具がさらに増える。Touch Controllersがあるために、HTCからRiftに引っ越す仮想アーチストも、きっといるだろうね。

Tilt BrushはOculusのストアで29ドル99セントで買える。〔日本円: 2990円〕。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

混成現実のビデオをもっと自然で親しみやすく見せるGoogleの工夫…ユーザーの顔を画面中に捕捉

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一般消費者向けのVRは1年近く前から出回っているが、その回りには山のように大量の疑問があり、業界の最優秀な人たちですら、ためらいを見せている。しかし、それらの疑問の中である程度答が得られたのは、消費者がVRを実際に体験しなくても、VRとはどういうものかを、知る方法だ。

研究者がそのために手早く作り上げたのが、混成現実(mixed reality, MR)という構成だ。背景にグリーンのスクリーンを張り、いろんな技術的工夫を凝らして、ヘッドセットを装着したVRユーザーを仮想環境の中に‘住まわせる’。

YouTubeにはVRのための混成現実スタジオというものがあり、本誌のこの記事中のビデオでは、著名なテレビ司会者Conan O’BrienがVRをプレイしている。それを見ると、混成現実というものが、お分かりいただけるだろう。

ゲームを作っているOwlchemy LabsRadial Gamesなどは混成現実にもっと深入りしてて、その経験から見つけたことをゲームデベロッパーのコミュニティで共有している。デジタルの世界の中で生きた人間のアバターを見分けることにはいろいろな問題があり、彼らはそのための努力の数々を紹介しているが、しかし今日Googleが発表したブログ記事には、そんなMRビデオをもっとリアルにするための工夫が載っている。それは、ユーザーの実際の顔をビデオの中に入れてしまう、という、ちょっと奇妙なやり方なのだ。

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GoogleのMachine Perception(機械知覚)のチームは、フェイシャルキャプチャ(facial capture, 顔だけを捉える)のプログラムと視線追跡とコンピュータービジョンのちょっとしたトリックを使って、改良型のVRのヘッドセットから顔が“透(す)けて見える”ようにし(右図下)、そして目の動きが参加者のアクションに従うようにした。

もちろんこの“ヘッドセットをなくしてしまう”ソリューションは、VRコンテンツの作者や共有者にとって大事件ではないけど、多くの消費者が問題とは思わなかったような問題の解決に、Googleが時間をかけて取り組んだことはクールだ。VRがユーザーの目を取り戻しただけでも、VR特有のよそよそしさがかなり減って、消費者にとって親しめるものになった、と言えるのではないだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ポケモンGO、新ポケモンのせいで(?)サーバーエラーが頻出

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ポケモンGOの新キャラクターは、すでにゲット完了だろうか。アナウンスしてすぐにあちこちに現れることとなった。

ただ、どうやら「懐かしい現象」も起きてしまっているようなのだ。ゲームの開始時にエラー画面が表示されてしまうのだ。どうやらサーバーの負荷が上がってしまっている様子。ログインできなかったり、突然クラッシュしてしまう現象が頻発しているようなのだ。

新ポケモン登場による、一時的な現象であることを祈るばかりだ(おもしろそうな新機能もいろいろあるだけに、ぜひともふつうに使いたいものだ)。

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(翻訳:Maeda, H

Microsoft、ドローン、自動運転車のシミュレーター・ソフトをオープンソース化

Microsoft AIRO group on January 24, 2017.(Photography by Scott Eklund/Red Box Pictures)

Microsoftはドローン、自動運転車、その他ユーザー独自のガジェットの移動をシミュレーションできる高度な仮想現実のベータ版をオープンソースで公開した。ソースコードはGitHubから入手できる。このソフトでは物体の形状ばかりでなくドローンの運用にあたって困難な問題を引き起こす可能性がある影や反射などの要素も描写できる。レンダリングはきわめてリアルだという。

Microsoftはこのソフトが「ロボティクスの民主化」を進めることを期待している。つまり個人であれ組織であれ、ドローン・テクノロジーを実験したい場合に好適ということだ。現実世界でドローンを動かすのは自他への危険を伴う上にきわめて大量の資源を必要としがちだ。

ドローンその他の自動運転デバイスを仮想空間でテストするメリットは次のような点だろう。衝突を回避しなければならない壁などの固い物体と物体の影を見分けるのは自動運転システムにとって難しい課題になる。現実世界でドローンを動かすのは上で述べたようには非常に高価な上に、通り抜けが不可能な障害と影のように「そう見える」だけの形状を判別させるテストを現実世界で実行した場合、失敗はクラッシュを意味することになる。これはますます高価であり、また危険だ。しかし仮想世界の中では大量に失敗を繰り返すことができる。失うものは少々の時間と電気料金だけだ。

失敗を高速で繰り返すことはAIの訓練のために必須でもある。ただしAIの訓練に本当に役立つためには仮想世界はきわめてリアルに再現できなければならない。Microsoftによればこのシミュレーターは最新の高度なグラフィックス・テクノロジーを用いており、影、きらめき、陽光、霧、路上の水たまりの表面の反射など外界のディテールを精密に再現できるという。

MicrosoftのAshish Kapooはブログで「このシミュレーション・ソフトは自動運転車と飛行するドローンの双方の実験に用いることができるだけでなく、現実の世界を安全に移動する必要のあるロボットのテストに広く利用できる」と述べている。

画像: Scott Eklund/Red Box Pictures

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ケンブリッジ大学が癌の診断治療への3D VR技術の応用を研究中

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テクノロジーが癌の治療に貢献、というお話は、いつ聞いても嬉しいけど、そこに仮想現実が登場するとは、ぼくも含め多くの人が思ってない。でも、今ケンブリッジ大学の研究者たちが100万ポンドの補助事業で研究に取り組んでいるのは、VRと3Dの視覚化を利用する診断と治療の技術だ。

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同大のニュースサイトで、研究チームのリーダーGreg Hannonが語っている: “私たちが作ろうとしているのは、腫瘍の忠実な対話的立体マップで、それを科学者たちが仮想現実で調査研究し、いわば腫瘍の内部を‘歩きまわって’検査できるようにしたい”。

腫瘍の標本として最初は乳がんを用い、きわめて薄い小片にスライスしたそれを画像化し分析する。この方法により、個々の細胞の遺伝子的組成まで分かるようになる。すべてのスライスを再編成して仮想現実のための3Dモデルを作り、その中へ研究者たちが‘飛び込む’。

腫瘍や癌の成長を3Dスキャンする技術はすでにあるが、仮想現実の3Dモデルの中に研究者が入り込めるこの方法には、はるかに幅広い対話性がある。

同大が公開しているビデオの中でHannonはこう述べている: “癌に限らず、有機体の組織の成長発展を理解するための、最先端の方法と言えるだろう。生物の問題はすべて3Dで生じているし、細胞間のコミュニケーションも3Dで行われているから、従来のノン3Dの検査技術では、その詳細な理解が得られなくて当然だ”。

チームはイギリスの任意団体Cancer Research UKの研究補助金を交付されることになり、その総予算2000万ポンドの一部(100万ポンド)を、期間6年の研究事業に使えることになった。6年もあればこの、腫瘍の中を歩いて見て回れる3D VR技術の実用化も可能ではないか、と期待したいところだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ザッカーバーグ、OculusのVR手袋を装着してタイプ入力を披露

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Oculusはユーザーが指で絵を描いたり、スーパーマンのように空を飛んだり、それどころかVR環境でタイプ入力もできるようにすることを狙っている。OculusはすでにTouchコントローラーをテストしている。これはVRピストルを射ったり、VRオブジェクトをつまみ上げたりするのには便利だった。しかし今日(米国時間2/9)、親会社であるFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグはワシントン州レッドモンドのOculus Researchを訪問し、プロトタイプのVR手袋でタイピングしている写真をFacebookに発表した。

Zuckerbergは「われわれは仮想現実、拡張現実でユーザーの手に新しい能力を与えようと開発を行っている。この写真のような手袋を装着するとOculusユーザーはスケッチしたり、VRキーボードでタイプ入力したりできる。それどころかスパイダーマンみたいに指先からクモの糸を飛ばすこともできる。今そういうことを試しているところだ」と書いている。

TechCrunchではこのプロトタイプについてさらに詳しい情報を求めている。写真で見たところでは、Oculusの手袋はあまりかさばるものではない。注目すべきなのは、このデバイスが位置決めにOculus自身のセンサーではなく、OptiTrack Prime 17Wカメラを利用しているように見える点だ。カメラも含めた新たなセンサーを独自開発するより、サードパーティーの既存のシステムを利用したほうが開発期間、コストの両面で有利なのだろう。

Oculusはこれに先立って、手の位置をトラッキングするPebbles Interfacesを買収している。このスタートアップはVR手袋に用いられるテクノロジーを開発していた。

現在多くの企業がハプティック〔触覚フィードバック〕や位置認識の機能を備えたVR手袋の実用化を目指している。Dexta RoboticsのDexmo手袋もその一つで、手に取り付けるメカニカルな外骨格のようなデザインだ。 Manusはもっとスマートでバイク用手袋のような外観だ。しかし昨年のデモではHTV Viveコントローラーを上腕に装着する必要があった。同様のデバイスとしてはNeurodigitalのGloveoneNoitomのHi5がある。

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The Dexmo haptic VR glove

しかし今日のザッカーバーグの発表でOculusもVR/AR手袋という新市場に参入することが明らかになった。少なくとも、VR手袋を効果的に利用するソフトウェアの開発をターゲットとしていることは間違いない。

VR手袋でタイプ入力ができるようになることの意味は大きい。これまでゲームとエンターテインメントが中心だったVRビジネスを生産性ツールなどビジネスに役立つ分野に拡張できる。情報源から聞いたところでは、Facebookのエンジニアの一部はすでにVR環境での開発を実験しているという。現実世界ではディスプレイの面積が限られており、多数のディスプレイを次々に切り替えて忙しい思いをする。VR環境では表示面積は事実上無限だ。

VRはこれまでコンシューマーを主要なターゲットにしていたが、デバイスがケーブルに縛られること、装着がわずらわしいことなどの理由でメインストリームの製品とはなっていない。Facebookのエンジニアの実験は企業内利用の可能性を大きく広げるものとして重要だ。Business Insider は昨日、OculusはBest Buy店舗500ヶ所に設置していたデモ展示のうち、数日にわたって利用者がいなかった200ヶ所を閉鎖するという。

Oculus GlovesはVRがファンタジー世界から飛び出して現実の生産性ツールとなる道を開くかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

美しすぎるVRムービー「Dear Angelica」

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バーチャルリアリティが「技術デモのフェーズ」を終えたようだ。「Dear Angelica」は、VRヘッドセットの特徴を活かしてユーザーを物語の世界に誘い込み、一人称で感動的なストーリーを楽しむことができる純アートの映像作品だ。映画館のスクリーンではDear Angelicaの美しさは伝わらない。

Oculusが新しく発表したこのショートフィルムは必見の作品だ。私はVRの熱狂的なファンである友人の自宅まで行ってDear Angelicaを観たのだが、その労力に見合うだけの価値があった。Sundance Film Festivalでプレミア試写会を行った本作品だが、現在はOculus Riftを通して無料で配信されている。

美しい演出が特徴的なVR作品は既にいくつかある。物語に出てくる電車がはじけ、そのカケラが無数の鳥となって日暮れの空に消えていく。この演出で印象的なChris Milkの「Evolution Of Verse」もその例だ。

感動的なVR作品もある。ユーザーをヨルダンの難民キャンプにいざなうGabo Aroraの「Clouds Over Sidra」では、VRヘッドセットが人々の共感を呼ぶ機械へと進化する。

素晴らしいストーリーをもつ作品もある。Penrose Studioの「The Rose & I」は、宇宙にいる孤独な少年と1本のバラが織りなす友情の物語だ。

しかし、Dear Angelicaはこれらの要素すべてを12分のストーリーに織り込んだ。そして、この作品は20年後もなお観る価値のある作品となるだろう。

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母親との思い出を語る女の子。彼女がこの物語の主人公だ。女優として活躍していた母親は、彼女にアンフェアな世界のなかでも勇気を持つことの大切さを教えてくれた。映画に出演する母親の姿が突然まわりに現れる。すると、悲しみと懐かしさがあなたを包み込む。筆で流れるように描かれた世界は、非の打ち所がないほど美しい。あなたの周りで主人公の世界と記憶が次々と描かれていく。

Dear Angelicaを観ると、それがVRのために生まれてきたような作品だと感じることだろう。それもそのはず、この作品は実際に仮想現実の世界で製作された作品なのだ。Oculusは「Quill」と呼ばれるVRイラストレーション・ツールを開発している。Dear AngelicaのアーティストであるWesley Allsbrookは、このツールを使ってオーディエンスと同じ視点でこの作品の世界を描いたのだ。

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Dear Angelicaでは、VRで描く世界に「時間軸」という新しい次元を取り入れている。情景が一度に表示されるのではなく、勇敢な騎士、凶暴なドラゴンなどのオブジェクトが適切な順番で、そしてカラフルに描かれていく。あらゆる方角で描かれた物語は、それぞれが同時並行で進行していく。しかし、オーディエンスは一度に1つの方角しか見ることはできない。だからこそ、手で掴むことができない「夢」の中に自分がいるかのように感じられ、観るたびに新しい発見がそこにはある。

 

VRクリエーターたちよ、今から話すことを心して聞いてほしい。ディレクターのSaschka Unseldが生み出したDear Angelicaは、今後のVRの在り方を考えるうえで重要な作品である。VRに搭載する新しい機能の実験をするのは良いことだし、将来的に今より大きな価値を生み出すVRのプロトタイプを製作するのも構わない。しかし、このテクノロジーによってオーディエンスを想像の世界に誘うための準備はすでに整っている。「美」、「感情」、「ストーリー」といった、人間がもつ可能性をVRでどのように表現するのか。私たちは今、それを考えるべきフェーズへと突入したのだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Amazonの求人公告を見るとショッピング体験のVR化を計画しているらしい

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Amazonは、VRによるeコマースとかVRプラットホーム一般に関してこれまで、あまり目立つ動きがなかった。同じく大手テクノロジー企業であるFacebookやGoogleが仮想現実にとても多くのリソースを注いでいるだけに、Amazonの沈黙は目立つ。

しかし同社は、VRコンテンツには手を出すつもりだったのだ。先月は元Tribeca Film Festivalの頭目Genna Terranovaをスカウトして、同社のスタジオにおけるVRプロジェクトのトップに据えた。

そして今度は、ショッピング体験にVRを持ち込むつもりのようだ。最近の求人公告を見ると、同社はVRのクリエイティブ・ディレクターを募集している。Varietyの記事によると、それは“AmazonのVRソリューションの未来を構想するため”、とある。

その仕事は同社のA9部門に属する。そこは、製品の検索や広告技術を担当する部門だ。しかしその求人公告によると、この部門は“何百万もの顧客が多様なVRデバイスを用いて行うAmazonのVRショッピング体験を構築する”、となっている。

これ以外に詳しい情報はまだないが、VRは確かに、消費者に商品を立体として詳しく見る機会を与える。でも、実際にVRヘッドセットを装着してからAmazonでの買い物を開始するお客さんは、そもそもどれぐらいおられるだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FoxのVR部門FoxNextが「猿の惑星」新シリーズをVRで製作中、早くも6月に封切り

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大手エンターテインメント企業は徐々に確実に、仮想現実事業に大金を投じつつある。

Foxは6月にWithinの1250万ドルの投資に参加し、そして今では、その“没入的な次世代エンターテインメント”部門FoxNetが、映画界のイノベーターChris Milk(Withinのファウンダー)と組んで、仮想および拡張現実によるオリジナル作品の制作を始めている。

最初の作品は、20世紀フォックスの「猿の惑星」シリーズだ。新シリーズの最初の長編作品War for the Planet of the Apesは、6月〔7月?〕に封切られる。この没入型プロジェクトの詳細はまだ明らかでないが、プレスリリースには、それに使われている新しい技術が、わずかに言及されている:

“このプロジェクトは人工知能を利用してソーシャルな共有体験を提供し、それはWithinのアプリと、さまざまな仮想および拡張現実プラットホームで体験できる”。この言葉の意味はよく分からないけど、Withinが対話性の豊富なコンテンツにどう挑戦しているのか、気になる。たとえそれが、広告の入る「猿の惑星」であったとしても。

FoxNetはほかにも、スタジオAnnapurna Picturesとパートナーして、オリジナルのVR作品、仮題“I Remember You”を制作する。制作にはSpike Jonzeも参加し、Chris Milkがプロデュースと監督を行う。

そのMilkが声明で述べている: “VRはテクノロジーと個人的体験の境界を露呈し探求するためのユニークな機会を与える。ストーリー性のあるVR体験をメジャーなエンターテインメントの路線に載せることには、予想される困難以上の魅力がある。この二つのプロジェクトは、作り方や最終結果が大きく異なると思われるが、この新しいメディアには唯一の正解が存在しないことこそが、制作する者のやる気をそそるのだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CyberPowerPCからVR対応PCが499ドルで発売、Oculus Rift同梱なら1100ドルだ

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高価なゲーム用PCを作っているCyberPowerPCが、AMDのRadeon RX 470を搭載した仮想現実対応PCを、Best BuyやAmazonから499ドルで発売した。VR対応PCとしては新しい安値だが、Oculus Riftを同梱した1099.98ドルの構成もある。二つを別々に買っても、これぐらいにはなる。

VR同梱製品の価格破壊はまだ起きていないが、一流メーカーのVRヘッドセット込みのVR対応機が1000ドルを切るのも、もうすぐだろう。このマシンのプロセッサーはAMD FX 4350クワッドコア、そしてRadeon RX 470はVRの描画を無理なく動かすための専用メモリとして4GBのGDDR5 RAMを使う。システムのRAMは8GB、ハードディスクは1TBと大きいから、いろんなVRタイトルを載せられるだろう。

ぼく自身もCyberPowerPCのこれよりやや高仕様のマシンでOculus RiftやHTC Viveを使っているが、これまでのところ、どのタイトルでも問題ないから、今回のはVRゲームの入門ないし中級機として最適かもしれない。PS4ならゲーム機本体が349ドル、ヘッドセットが399ドルだが、VR体験のクォリティー、とくにグラフィクスの性能は、Oculus+PCが上だ。

Oculus Rift同梱機はBest Buyで買えるが、本格的なVRゲーム体験のためにはTouchコントローラーも持つべきだろう。そのためにさらに199ドルが出て行くけど、とにかくミドルクラスの上の方の人たちにとっては、VR専用PC環境がわりと買いやすいお値段になった、とは言えるだろう。まだまだ小さな一歩にすぎないが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

リコー、360度ビデオストリーミング・カメラ、Rを発表―CES 2017でデモへ

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日本の有力カメラメーカー、リコーのTheta SとSCはすでにヒット製品となっているが、同社は今日(米国時間1/4)、新製品のベールを少しだけ上げてみせた。プレスリリースによれば、新しいカメラは誰でも簡単に360°全周ビデオのストリーミングができるようにする。現在リコーはデベロッパーが独自のアプリを開発するためのキットを準備中だ。開発キットは2017年の第2四半期に出荷の予定。

The new Ricoh R (an artist's rendition)

Ricoh R(3D CGによるイラスト)

このカメラはこれまでコンサートのライブストリーミングのような当然考えつくようなシーンから、もっとクリエイティブクリエイティブなリモート・テレプレゼンスまでさまざまなな条件でテストが重ねられてきた。リコーが紹介する例の一つは学校の入学式だ。生徒は仮想現実ヘッドセットでこのカメラのストリーミングを見ることによってセレモニーに参加できる。

来るべき360°ビデオ時代への入り口

しかしこうした例を聞いても必ずしも興奮しないかもしれない。それには理由がある。リコーはこのカメラをまず開発者向けキットとして発売するが、その理由は、今のことろ360°ライブストリーミング・ビデオがどんな場面で有効なのか知っている人間が少ないからだ。トレンドに先がけて、まずデベロッパー向けキットから始めるというのは慎重かつ賢明な戦略だろう。Theta
Sカメラの大成功の再現を狙っているなら特にそうだ。

リコーではRicoh Rはインターネット接続と外部電源がある限り連続してライブストリーミングが可能だとしている〔リコー・サイトによると24時間の連続作動が可能〕。

リコーの広報担当者は私の取材に対して「全周ビデオ映像のライブストリーミングは、テクノロジーだけでなく、コンテンツ製作や配信、視聴方法などシステムのすべてが始まったばかりだ。
これまだ多様な背景のユーザー・グループを対象にベータテストを繰り返してきた結果、リコーではこのテクノロジーにきわめて大きいビジネスチャンスがあると結論した」と語った。

ストリーミングの解像度は2K、、毎秒30コマだ。VRヘッドセットに圧倒的な臨場感をもたらすというレベルではないが、それでも誰でもコンテンツを作れる360ビデオ体験としては十分だろう。このカメラは全周ビデオで標準的な正距円筒図法(Equirectangular Projection Format)を用いて2基の魚眼レンズが撮影する画像を貼り合わせている。出力はHDMIとUSBが可能だ。オフラインの場合はMicro SDカードへの録画が可能。

〔日本版〕CES 2017のリコー・ブースに実機が出展される。YouTubeによるデモ配信も予定されている。 Rカメラの公式日本語ページはこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Unityの新しいツールEditorVRではマウスとキーボードを使う2DのインタフェイスでVRゲームのデザインワークができる

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VRに大きく賭けているUnityは、仮想現実のゲームを開発する場合も同社のゲームエンジンを使うべき十分な理由がある、とデベロッパーを説得したい。そこで同社は今日(米国時間12/15)、ゲームデザイナーがVRでゲームを制作できるためのツールEditorVRの、プレビューをリリースした。

デベロッパーの日常の物理的ツールがキーボードとマウスであることは、当分変わりそうもないから、EditorVRもそれらの既成の方法でゲームのラフスケッチや細部の仕上げができるようになっている。

先月行われた同社のカンファレンスUniteで、Unityの主席デザイナーTimoni Westが、そのEditorの機能の一部を紹介した。それを、下のビデオで見てみよう。

EditorVRの目標は多様だが、そのひとつは、VRの外では本当はできないことができる、ということ。今現在の仮想現実の多くが、固定的な2Dのインタフェイスで3Dの世界を表現しようとしている。UnityはVRのそのような作り方を、もっと3Dっぽくする。デベロッパーが作り上げたスペースの中にショップをセットアップし、そこへツールバーからいろんなアイテムを投げ込んで、いろんなデザインを試行できる。

現時点でこのエディターは、仮想現実システムとしてOculus RiftとHTC Viveをサポートしている。Unityのチームが苦労したのは、コントローラの仕様がまったく異なるこれらのシステムに対して、標準的と言えるようなコントロールの集合を実装することだった。

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同社は、現状はあくまでもプレビューであり、バグもありえるので、つねに自分の仕事のバックアップを取ってから、このツールを使ってみてほしい、と言っている。Unityを利用しているデベロッパーは、ここでEditorVRのプレビューをダウンロードし、またそのドキュメンテーションを読むことができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モバイルブラウザでもVR、Android用ChromeベータがWebVR APIに対応

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Googleは今日のブログ投稿で、Android用Chromeの最新ベータ版がWebVR API対応になったと発表した。これによりユーザーはVRヘッドセットがあれば、Chrome経由でVRのオンラインコンテンツを楽しむことができるようになる。

これまでのウェブのVRコンテンツでは、ヘッドセットにスマホを装着して視聴した時、固定された視野のVRしか体験できなかった。これではVRの醍醐味がない。最新のアップデートにより、ウェブ開発者はモバイルVRデバイスやコントローラーの入出力、そしてVRと密接に関連するヘッドセットの位置や方向の情報を扱うことが可能になる。

APIやベータ版のアップデートはつまらないニュースと思うかもしれない。だが、これはVRコンテンツがウェブ上に広まるための門戸を開放し、クリエイターがYouTubeやFacebook以外でもVRコンテンツを提供できるようになることを意味する。GoogleのDaydream Viewモバイルヘッドセットなどのデバイスで体験できるコンテンツが格段に増えるだろう。

開発者は、人々が視聴するほとんどのVRコンテンツに対応する標準規格に期待を寄せていた。マルチプラットフォームの性質を持つWebVRは、そんな開発者を喜ばせるものだ。Googleは近い将来、 Chromeのアップデートでデスクトップ、そしてGoogleの低価格なCardboard VRプラットフォームでもWebVR対応を進めるという。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

VR/AR普及の鍵はモバイルとエンタープライズだ

Virtual reality simulator, communnication.

【編集部注】著者のMike Bolandは、インターネット時代におけるシリコンバレー初期のハイテク記者の1人である。現在はBIA/KelseyならびにVR/AR Associationの主任アナリストを務めている。

PCならびにコンソールVRは私たち皆を興奮させるフォーマットだが、近いうちに本当にモバイルもそのレベルに達するのだろうか?これは私が作成中の研究レポートのために、投資家やイノベーターに投げかけている質問だ。

例えば、切迫したHMDのコモディティ化にもかかわらず、IDCは今年の接続されたVRヘッドセットの売上は200万台だと予想している。それはモバイルVRがアプローチできるマーケットである、世界の26億台のスマートフォンに比べるととても少なく見えてしまう。

モバイルVRは、一般に機能を抑えたバージョン(位置追跡がないなど)だが、Google Daydreamなどのように改善され続けている。その大衆に優しい価格とアクセシビリティは、VRが必要としている、ゲートウェイドラッグ(より本格的な利用への誘い水)としての役割を果す。

同じことは、ARにも当てはまる。初歩的な形態 — ポケモンGOの類 — が大衆に、これから何が来るのかの雰囲気を伝えている。それは「真のAR」ではないけれど、同様のゲートウェイドラッグの役割をテクノロジーに対して果す。

シリコンバレーのビジネスストラテジストであるKristie Cuは私に、VRとARは5Gネットワークの展開とともにやって来るだろうということも思い出させた。その大量のデータペイロードが、大きなパイプを活用することを考えると、それは良いタイミングだ。

「2015年から2018年までの間に(Orange社は)このインフラストラクチャのために150億ユーロの投資を行うことを決めています」と彼女は言う。「なので、5Gの背後には膨大な資金が控えていて、VRはその帯域幅を必要とするもののひとつなのです」。

Cuは、現在VRとARを調査し熱心に取り組んでいるComcast Venturesや、Lenovo、その他の企業投資家たちと協力している。そしてデューデリジェンスの過程で彼らは更に多くのものを見ている。

Comcast VenturesのMichael Yangは、VRとARの、長期的な主要コンピューティングプラットフォームとしての地位に基づく投資テーマを抱えている。しかし、もっと重要なことは、それらが地理的な境界や、産業の垣根を超えるほどに成長するということだ。

「それは消費者と企業の両方に関わります、特にARは」とYangは私に語った。「それはまたグローバルへ大きく踏み出しています。私たちが投資している他の部門は、直接的にグローバルなものではありません」。

例えば、CVポートフォリオ企業のNextVRは、VRを大規模なリーチを持つメディア主力商品に持ち込んでいる:スポーツライブ中継だ。消費者の観点を超えて、スポーツライブ中継は視聴者にケーブルテレビの契約解除を思いとどまらせる1手段なのである…そしてVRがその効果を強化する。

これまでLenovoは、この機会に2つのレベルで取組んでいる;VRの重いグラフィカル処理に対応する高性能PC機器を製造すると同時に、Tango技術を採用したPhab 2 ProによるモバイルARの開拓を行っている。

Lenovoの世界技術革新ディレクターであるJoe Mikhailは、ARの未来に対する彼のビジョンを、MetaのシリーズBラウンドにおける彼の主導的役割に触れながら表明した。彼は長期的には、企業のユーティリティにチャンスがあると考えている。

これがARがVRの市場規模を追い越すことになる理由の1つである。Mikhailは、ARの真の価値は、作業場所での生産性から製造現場、そして工業デザインに至るまで(3Dモデリングを考えて欲しい)、あらゆる場所で解放されるだろうと述べている。

このゲームの名前は、運用効率の改善だ、と彼は言う。これは実際の底上げを行う手段を伴う — それ故にARの広い採用が否応なく進むことになるのだ。

Yangは、全プロセスを一貫して扱うアプローチに触れながらこの考えに同意する。「一般作業者にとって、全プロセスを理解することは困難です」と彼は言う。「私は、プロセスをより効率的かつインテリジェントにするためのARオーバーレイを思い描いている、石油/ガス、あるいは航空宇宙、もしくは建設業界の人々を探しています。それが特に私たちが期待している未来なのです」。

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(翻訳:Sako)

マクド(McDonald’s)の新型店Just For YouをGoogle CardboardのVRコンテンツで仮想体験

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McDonaldには、各時代に合ったMcDonaldがある。そして、このどこにでもあるファストフードチェーンはときどき、時代に合わせて自分を作り変える。1990年代のオーストラリアにはコーヒーショップ的なレストランMcCaféがあり、そして数年前には、Shake Shackとの競合を意識して、メニューをカスタマイズできるサービス、Create Your Taste(あなたのお味をお作りください)コンセプトを展開した。帽子をかぶったアマチュアレスラーみたいなキャラクター、Hamburglarも登場した。

同店の最新のモデルが、“Just For You”だ。それは海外でいくつか展開し、その後アメリカにも登場している。まずカリフォルニアとフロリダとニューヨークのレストランに現れ、来年の初めにはサンフランシスコとボストン、シカゴ、D.C.、シアトルにもできる。これまでとの大きな違いは、大型画面のタッチスクリーン・キオスク(小塔)があってオーダーをカスタマイズでき、テーブルサービスがあり、Apple PayやAndroid Payを使えること。

まだこの店舗スタイルを体験できない可哀想な人たちのためにMcDonald’sは、Google Cardboard用のビデオを作った。新しいお店でハンバーガーをオーダーするとどんな感じか、それをVRでシミュレートしている。その店内には、つねに微笑みを絶やさない、すてきな店員さんも、いっぱいいるよ。

それが、今という時代であり、世代なんだな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

映画MartianのVRが11月15日発売、火星の上のサバイバルをHTC ViveとPlayStation VRで体験しよう

あなたは、火星の厳しい状況で生き抜くことが、せめてマット・デイモン(Matt Damon)ぐらいには上手だろうか? 明日、それが分かる。The Martian VR Experience(仮想火星探検)が、HTC ViveとPlayStation VRにやってくる。FoxのInnovation Lab, RSA Films, そしてThe Virtual Reality Companyが共作したこの作品は、映画The Martianのストーリーを、一人称の没入的仮想現実体験として再現する。〔参考記事。〕

これは昨年のCESでOculus Riftのデモで使われていたから、ご存知の方もおられるだろう。でも今回のは完成製品で、PlayStationとSteamで19ドル99セントで売っている。

The Martianのお話はVRゲームに最適だ。没入をうまく利用した謎解きだし、しかも猛烈な動きは要らない。あの赤い星のVRは、人に十分な恐怖感を与えるが、激しい運動で気分が悪くなることはない。そして、あなた自身の生き残りをかけて、十分な緊張感も味わえるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))