イーロン・マスク氏が「次のTwitterを作りたい」と熱望しても心配する必要はない

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が先週末、地震のソーシャルメディアプラットフォームの構築について「真剣に考えている」とツイートした。

「Twitterが事実上、公共の広場として機能していることを考えると、言論の自由の原則を守らないことは民主主義を根本的に損なうことになる。では何をすべきでしょうか?」と、TeslaとSpaceXのCEOで億万長者、連続起業家である彼はツイートした。

このツイートを読んで血圧が上がった人は、あなただけではない。深呼吸をしよう。彼のDogeSociælXアプリが登場するのは、まだ先の話だ。

マスク氏はこれまでにも、Teslaに関するばかげたミームや考え、さらには重要情報までツイートし、米国の規制当局が眉をひそめる以上の反応を示すと、ショックを受けたように振る舞った過去がある。しかし、マスク氏がTwitterで彼の奇抜なアイデアを実行に移すとなると彼の実績はあまり芳しいものではない。

マスク氏が、次のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)になるという幻想を公言するのは、これが初めてではない。

2018年にTeslaのおかしな経営を、ジャーナリストたちに批判されたとき、彼は「Pravda」というウェブサイトを立ち上げると明言した。Pravdaはロシア語で「真実」という意味で、ロシアの歴史的共産主義者新聞(旧:ロシア共産党機関紙)の名前だ。マスク氏によるそのウェブサイトでは、読者がジャーナリストや編集者やメディア紙誌の「真実度」や「信頼度」を格付けできる。ありがたいことに、この彼のアイデアは実現しなかったが、今ではTwitter自身がメディアを評価する場になっており、ジャーナリストたちもそのことをよく知っている。

E.W. Niedermeyer:メディア批評家として有名で、客観的なジャーナリズムの擁護者であるイーロン・マスクは、Washington Postを買えばそれが自分の個人的なPR攻撃部隊になる、考えている。そう考えれば、今回の件も理解できる。

Faiz Siddiqui:マスクの衝動的で頑固な性格は、他社と違って戦闘的な姿勢を持つ自動車メーカー(Tesla)からの買い埋めを確保するための特別な戦略を必要とした。彼の記事へのコメントの求めに応じてマスクは「これで100回目だが、きみの人形使いによろしく」と言った。

E.W. Niedermeyer:公共の広場としてのTwitterの公正に関するマスクによる突然の真剣で本気の懸念は、メディアの正確さと客観性に関する2018年の懸念と同じで、彼(と彼のフォロワー)の不条理な迫害幻想を補強するための深い偽善的な策略だ。

マスク氏のTwitter生まれのアイデアが離陸するとき、それは次のSpaceXのような本物になったためしがない。

また彼の道化ぶりが際立った年である2018年、マスク氏は彼自身の「銀河系メディア帝国」を発表した。それは「Thud」と呼ばれる(最後に感嘆符が付いてもよい)コメディカンパニーだ。2021年、イーロン・マスク氏がサタデー・ナイト・ライブでホストを務めたあと、私はユダヤ教的なジャーナリズムの仕事に着手した。マスク氏がコメディメディアへの進出を企てたことを忘れていたThudの元従業員13人全員に連絡を取ったのだ。

誰もオフレコで話してくれる人はいなかった。「The Onion」の元編集者たちによって運営されたThudは失敗し、その後、履歴書の会話のネタにされました(元Theranos社員なら共感できるはずでだ)。これらのライターやデザイナーが、Thudについて振り返りたくないのも無理はない。同社のミニマリスト向けウェブサイトでは、Thud(Thudとはモノが落ちるときの「ドサッ」という音のこと)は「短命」で「その名のとおり」といわれている。

当初、マスク氏ははThudに200万ドル(約2億5000万円)を注ぎ込んだが、彼は突然その会社を去り、残された編集者たちに収益化の計画はなかった。

当時編集者のCole Bolton(コール・ボルトン)氏はVergeに対して「億万長者がバックにいるプロジェクトが突然、独立のメディアになるんだ。どうなるかわかるだろ」と語る

これまでにも、ネット上で突拍子もない発言をしてはおもしろがっていたこともあり、マスク氏が突然ソーシャルメディア帝国を作ろうとしていることに慌てる必要はないだろう(この帝国は銀河系でもないのだ!)。さらに、新しいプラットフォームの背後に大物がいる場合でも、それが軌道に乗るという保証はない。Donald Trump(ドナルド・トランプ)自身の新しいアプリ「Truth Social」は、メインストリームである4chanになる準備が整っているように思うかもしれないが、ローンチから数週間経っても、97万6985番目の待ちのままだ。また、一度入場しても、パーティーはあまり盛り上がらないようだ(「セクシーな女の子とのゴルフ」が好きな人は別だが)。

kelsey weekman:やっとTruth Socialの待ち行列を抜けたわ。

仮にマスク氏が独自のソーシャルメディアプラットフォームを構築したとしても、Twitterのようなリーチ力はないだろう。彼は7940万人のフォロワーを誇りBarack Obama(バラク・オバマ)やJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)といった人物に負けず劣らず、同サイトで最もフォローされているユーザーのトップ10にしっかりと入っている。しかし、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)やKaty Perry(ケイティ・ペリー)と違い、マスク氏はそのフォロワーを利用してヒトラーのジョークを口にしたり、Twitterの新CEOであるParag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏をJoseph Stalin(ヨシフ・スターリン)に例えたりしている。注目すべきは、自由に発言することを許されないと不満を漏らしているマスク氏だが、これらの不適切なツイートはプラットフォームによって削除されなかった。ヒトラーのミームは彼自身が削除し、アグラワル氏への侮辱はまだ公開されている。

これは言論の自由の問題ではなく、あらゆるかたちの規制を嫌うマスク氏自身の姿勢に他ならない。マスク氏の約8000万人のフォロワーが彼の理論的な新プラットフォームに移行するかどうかは疑問だが、仮に移行したとしても、SECはマスク氏が共有するどのようなインサイダー情報についても責任を問うことができる。

Twitterは常にマスク氏の最も強力なツールであり、トランプ氏のように、SECがいずれ監視することになる新会社を立ち上げようとしても、何も得るものはないように思われるのだ。

これは、熱狂的な夢を実現できるほど裕福で自負心が強い権力者による脅威を心配することはない、ということではない。

結局のところ、マスク氏はトランプ氏より少しばかりビジネスが上手なのだろう。しかし、マスク氏のツイッターでの発言は、偏向的な対話しか生まず、マスク氏のツイートが市場を動かすことがあっても、とには、ただドスンと音を立てて落ちてしまうことを私たちは忘れている。

画像クレジット:Liesa Johannssen-Koppitz/Bloomberg/Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

NFTやDeFiにとっても逆風?米国のステーブルコイン規制の最新情勢と論点整理

NFTやDeFiにとっても逆風?米国のステーブルコイン規制の最新情勢と論点整理

編集部注:この原稿は千野剛司氏による寄稿である。千野氏は、暗号資産交換業者(取引所)Kraken(クラーケン)の日本法人クラーケン・ジャパン(関東財務局長第00022号)の代表を務めている。Krakenは、米国において2011年に設立された老舗にあたり、Bitcoin(ビットコイン)を対象とした信用取引(レバレッジ取引)を提供した最初の取引所のひとつとしても知られる。

今や220兆円を超える市場に成長した暗号資産ですが、2022年、業界全体を揺るがしかねない問題として注目されているのが、ステーブルコインに関する規制です。ステーブルコインに対して厳しい規制がかけられれば、最近ブームとなっているNFT(ノン・ファンジブル・トークン)やDeFi(分散型金融)にとっても逆風になるという見方もあります。

本稿では、クラーケンの本社がある米国におけるステーブルコイン規制の最新情勢と論点の整理を行います。

そもそもステーブルコインとは?

ステーブルコインは、暗号資産エコシステムにおける潤滑油的な存在です。ビットコイン(Bitcoin)のような資産性はありませんが、機関投資家が暗号資産取引を行うときに入れる担保であったり、NFTやDeFiといった新たなサービスにおける決済や担保手段として使われています。

代表的なステーブルコインは、米ドルと連動するUSDT(テザー)とUSDC(USDコイン)です。ブロックチェーンデータ企業CoinMetricsによりますと、ステーブルコイン市場は1400億ドル(約21兆円)。そのうちUSDTとUSDCは90%近いシェアを持っています。

NFTやDeFiにとっても逆風?米国のステーブルコイン規制の最新情勢と論点整理

ステーブルコインの市場規模

「銀行並み」の規制

2021年から米国ではステーブルコインに対する規制の必要性を訴える声が多く聞かれるようになりました。例えば、米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は、2021年9月、ステーブルコインについて「ポーカーのチップのようなもの」と独特の表現でリスクに警鐘を鳴らしました

そして2021年11月、大統領直下の金融市場ワーキンググループ(PWG)がステーブルコインに関するレポートを公開してから、規制をめぐって雲行きが怪しくなりました。PWGのレポートは、米議会議員に対してステーブルコインの発行体を「銀行のような機関」として規制する法律を通すように提案しました。その中で特に注目されているのが、保険加入金融機関(IDI)のみにステーブルコインの発行を許可するという部分です。

2022年2月、PWGレポートの主な執筆者である財務省の幹部が、上院の公聴会で、ステーブルコイン発行体に対する銀行並みの規制案に関して、柔軟に対応すべきであると発言し、これまでのスタンスから軟化したといわれていますが、詳細は明らかになっていません。

暗号資産業界の反応

2021年11月のPWGレポート公開後、米国の暗号資産関連の業界団体ブロックチェーン協会(Blockchain Association)は、すぐにPWGレポートの分析レポートを公表しました。同協会は、ステーブルコインの流動性の向上や担保となる資産の証明といった観点から規制を歓迎する一方、ステーブルコイン発行体を保険加入金融機関として規制することには明確に反対しました。理由として、数多くのステーブルコインがある中で特定のステーブルコインを規制面で優遇することになること、大手銀行などが競争上の優位性を持ってしまうことを挙げています。

「そのような規制はイノベーションを窒息させて、新しいステーブルコインプロジェクトが米国に来なくなり、現在のフィンテック企業に対する規制の流れと逆行することになるだろう」

この他、PWCによる規制案は「ステーブルコイン発行体に必要不可欠な活動をするすべてのエンティティ」も規制の対象としていますが、同協会は、この定義はあいまいであり、「マイナーやソフトウェア開発者」も含まれてしまうのではないかと懸念しています。

クラーケンは、ステーブルコイン規制の動向を注視しています。グローバル市場でUSDT、USDC、DAI、PAXGという4つの主要ステーブルコインを取り扱っており、ステーブルコインの暗号資産市場における役割の大切さを実感しています。ブロックチェーン協会同様に、「古いルール」を新しい市場に無理矢理導入するといったような拙速な対応はするべきではなく、まずはステーブルコインついて正しく理解することが先決と考えています。

また、米国以外で英国やEUでもステーブルコインの規制が検討されていますが、国ごとに異なるルールと基準が設けられる「つぎはぎの規制」を避けるため、国際的な協調関係の強化が重要になるとクラーケンは考えています。

2021年末から日本でもステーブルコインの発行体に対する規制について議論があり、2022年の通常国会に資金決済法改正案の提出を目指すと報じられ、2022年3月に入り実際に提出されました。ただ、米国をはじめ世界各国では規制当局と業界側の対話が続いている状態であり、日本でもステーブルコインの発行体や暗号資産交換業を含む様々なステークホルダーの意見を取り入れて議論を続ける必要があると考えています。

画像クレジット:Tezos on Unsplash
CoinMetrics

中国版Twitterとして知られる「Weibo」が米国で上場廃止のリスクに直面

米国の規制当局は、会計書類の調査ができない中国企業を上場廃止にする可能性のある法律の適用ペースを速めている。中国のTwitter(ツイッター)に相当するWeibo(ウェイボー、微博)が米証券取引委員会(SEC)の上場廃止監視リストに加えられたことは、Alibaba(アリババ)やBaidu(バイドゥ)といった他の中国インターネット大手も同じ圧力に直面することが遠くないことを意味する。

2020年にトランプ政権は外国企業に対する会計基準の厳格化を目的とした法案を成立させた。この法律は、米国に上場する外国企業、特に中国に拠点を置く企業の帳簿を可視化することを求めるものだが、国家安全保障を脅かす可能性のあるデータの引き渡しを警戒する一部の国では機能していない。

中国は、米国で株式を取引する外国企業を監査するために設立されたSECの公開会社会計監視委員会に全面的に協力していない数少ない国の1つだった。しかし、その消極性は薄れつつあり、中国は最近、Alibaba、JD、Baiduといった米国で上場するハイテク大手の寵児たちに、監査の詳細を準備するよう指示したと、ロイター通信が今週報じている

しかし、報道によるとこれらの監査書類に機密データは含まれないという。

米国で上場している中国のハイテク企業の多くは、超大国間の緊張が高まる中、すでに香港での二次上場を追求してきた。しかし、中国政府の最新の措置は、成長志向の強い多くのインターネット企業にとって望ましい米国市場での投資を維持するために、中国政府が譲歩する意思があることを示すものだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

米証券取引委員会が企業に気候変動に関する目標や温室効果ガス排出量の開示を義務づける新規則を提案

米証券取引委員会(SEC)が提案した新しい規則は、上場企業に自社が排出する温室効果ガスの開示を義務づける。これはバイデン政権が、気候変動リスクを特定し、2030年までに排出量を52%も削減するという目標を達成するための取り組みの一部だ。SECの3人の民主党委員はこの提案を承認したが、共和党委員のHester M. Peirce(ヘスター・M・パース)氏は反対票を投じた

「私は本日の提案を喜んで支持します。なぜなら、この案が採用されたら、投資家が投資判断をする際に、一貫性があり、比較可能で、意思決定に有用な情報を提供できるようになり、そして上場企業にも一貫性があり、明確な報告義務を与えることになるからです」と、SECのGary Gensler(ゲーリー・ゲンスラー)委員長は述べている。

この新規則の下では、企業は気候変動リスクが自社の事業や戦略にどのような影響を与えるかを説明しなければならなくなる。企業が排出するCO2を公表することが求められ、大企業はその数値を独立したコンサルティング会社に確認させる必要がある。また、仕入先や顧客からの間接排出が、自社の気候目標にとって「重要」な場合は、その排出量を開示する必要もある。

さらに、カーボンフットプリントの削減を公約している企業は、その目標を達成するための計画を説明する必要がある。これには植林などのカーボンオフセットの利用も含まれるが、Greenpeace(グリーンピース)が最近の報告書で述べているように、実際の排出量削減の代用にはならないとの批判もある。

SECはすでに自主的な排出量ガイダンスを考慮しているが、新規則はこれを義務化するものだ。Ford(フォード)などの多くの企業はすでに、工場の生産過程における排出ガスから、販売した自動車の燃料消費量まで、排出量データを公開している。しかし「義務化されないとやらない企業もたくさんある」と、気候関連財務情報開示タスクフォースのチーフを務めるMary Schapiro(メアリー・シャピロ)氏は、報告書の発表に先立ち、The Washington Post(ワシントン・ポスト紙)に語っている。

この規則案がSECのウェブサイトで公開された後、一般市民は60日の間にコメントを出すことができる。最終的な規則は数カ月後に投票で採用が決まると、数年かけて段階的に導入されることになりそうだ。これに対し、ウェストバージニア州などの共和党員は、企業団体とともに、近い将来において気候変動は投資家にとって重要な問題ではないとして、法廷で争うことになる可能性がある。

しかしながら、専門家たちは時間が非常に重要であると警告している。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は最近、地球温暖化の影響の多くは「不可逆的」であり、最悪の事態を回避するための時間はわずかしかないとする報告書を発表した。Antonio Guterres(アントニオ・グテーレス)国連事務総長は、この報告書を「気候変動に関するリーダーシップの失敗を痛烈に非難するもの」と呼んだ。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のSteve Dent(スティーブ・デント)は、Engadgetの共同編集者。

画像クレジット:Luke Sharrett/Bloomberg / Getty Images

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(文:Steve Dent、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米証券取引委員会「誰かがイーロン・マスク氏のツイートを監視しなくてはならない」

米国時間3月22日、証券規制当局は、自分たちにはTesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏を彼のツイートに関して召喚する権限があると発言し、連邦裁判所に対しこの会社幹部に好き勝手なツイートをさせないよう要請した。

マスク氏は、2018年にTeslaに関する特定のパブリックコミュニケーション、すなわち株価や株主価値に影響を与えるような乱暴なツイートについて事前承認を得るようマスク氏に求めた米国証券取引委員会(SEC)の行為を、「ハラスメント」「不当な行為」と呼んでいる。

当時マスク氏はSECの要求に従うことに同意したが、2021年同氏がTwitter(ツイッター)で自身のフォロワーに対してTeslaの持ち株の10%を売るべきかどうか質問し、その結果Tesla株が急落したことを受け、再び砲火を浴びた。その後マスク氏は160億ドル(約1兆9379億円)相当の株を売却した。そしてその直後の2021年11月にSECは、マスク氏が以前の合意に従っているかどうかを確認するために召喚状を発行している。

SECの調査に対し、マスク氏は2018年の同意判決を終了あるいは修正しようと試み、11月のTwitterでの問いかけに関する記録を要求する召喚状を破棄しようとした。

「2018年、SECによる処置を示談にするために、マスク氏は、Teslaに関連する公開発言の事前承認を必須にするTeslaの義務に従うことに同意しました」とSECのMelissa Armstrong(メリッサ・アームストロング)委員がニューヨーク市連邦裁判所に提出した書類に書いた。「マスク氏は、Teslaの義務が思っていたより不便であるとわかったから、あるいはTeslaの情報開示に関する制御と手続きが実際に維持、遵守されているかどうかをSECに調査されたくない、というだけの理由で修正最終決定を破棄することはできません」。

SECとの対立は2018年8月に遡る。当時マスク氏はTeslaを非公開化するための「資金を確保した」とツイートしたが、実際には買い戻しは行われず「数多くの不測の事態を招いた」とSECは説明している。規制当局は、Teslaの発言は詐欺的であり「虚偽で誤解を招く」ものであったと指摘した。マスク氏は潜在的財政パートナーとの契約条件や価格の交渉を一切しておらず、彼のツイートはTeslaの株価を6%以上急騰させ、著しい市場崩壊を招いたと規制当局は語った。

示談の結果、Teslaとマスク氏はそれぞれ2000万ドル(約24億円)の民事制裁金を支払い、マスク氏はTeslaの会長を辞任した。

その後マスク氏は、政府を批判し憲法修正第1項の下で言論の自由を行使した彼を罰したとしてSECを非難し、2018年から現在までのSECによる「数多くの要求」に対する不満を述べた。

「しかし主張された要求に関するマスク氏自身の歴史は信憑性に欠けるとともに、Teslaとマスク氏による新たな不法行為の可能性についても適切な審理が必要であります。これには、SECの2018年の要請行動を生じさせた行為も含まれます」とアームストロング氏は法廷提出書類で述べている。

それに加えて、同委員は、2018年の最終決定を修正してもマスク氏はTesla関連ツイートに対する監視から逃れられない、なぜなら同社の役員として「マスク氏は今もTeslaの開示に関する制御と手続きの対象だからです」と語った。

「マスク氏とTeslaがマスク氏のTwitterアカウントを使って投資家に情報を開示する限り、SECはTeslaの開示統制と手続きに関連する事項を合法的に捜査することが可能であり、マスク氏のTeslaに関するツイート、およびTeslaによる制御と手続きに関する公開発言の正確性もこれに含まれます」とアームストロング氏は語った。

関連記事:イーロン・マスク、TwitterでSECを挑発

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク氏のインサイダー取引の可能性について米SECが調査開始

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が待ち焦がれている、SECから解放される瞬間はまだ遠いようだ。The Wall Street Journalの情報筋によると、SECはマスク氏と弟のKimbal Musk(キンバル・マスク)氏が、最近の株式売却でインサイダー取引の規制に違反したか否かを捜査しているという。

Tesla株の売却についてイーロン氏はキンバル氏に対して、Twitterのフォロワーに尋ねるつもりだと話した可能性があり、その結果、キンバル氏は11月6日のツイートの前日に8万8500株を売却するよう仕向けたのではないかという点についてSECは調査している。もしそうなら、CEOハ従業員が非公開情報を取引することを禁止する規則を破ったかもしれない。

キンバル氏は、計画的にTesla株を一定期間ごとに頻繁に売買してきた。SECの提出書類によると、彼は11月5日にそうしなかった。

TechCrunchはSECにコメントを求めた。Teslaは、2020年の一時期に広報のチームを解体していたためコメントは得られなかった。マスク氏は当然、SECに対して友好的ではないが、彼によるとSECが始めた彼が思う戦いはそのうち終わるだろう、という。

しかし、この記事が正しければ、長年の確執にさらなる緊張が加わる。それは、2018年にSECが、同社を非上場にするとツイートしたマスク氏に対して動いたときに始まる。マスク氏はそのときの和解に合意して、ソーシャルメディア上の財務関連のポストには承認を要するという要求を飲んだが、それで両者の戦いが終わったわけではなかった。SECは過去数年間、生産関連のツイートが承認されていない懸念からマスク氏のツイートをチェックし、そしてほんの数日前には、2018年の和解の遵守過程に関する情報を求めてTeslaを召喚した

マスク氏はこれらと同時に、SECと大っぴらにやりあってきた。2022年彼はこの規制当局を、その「嫌がらせ作戦」が彼を不公平に特定し、モニタリングから法廷を除外したと非難した。SECは、その非難を否定した。これらの主張の背後にある真実が何であれ、マスク氏がいかなる新しい捜査を歓迎しないことは確実だ。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto/Getty Images

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

イーロン・マスク氏、米証券取引委員会が「嫌がらせキャンペーン」を行ったと告発

Elon Musk(イーロン・マスク)氏がSEC(米証券取引委員会)から頻繁に注意を受けることに腹を立てていると思ったなら……それは正しい推測だ。マスク氏とTesla(テスラ)は、ニューヨーク州南部地区連邦裁判所に、SECが「ハラスメントキャンペーン」を行っていると非難する訴状を出した。SECは、Teslaの非公開化に関するマスク氏のツイートをめぐり、2018年のマスク氏との和解の一環としてTeslaの株主に4000万ドル(約46億円)を支払うという約束を破り、代わりにマスク氏とTeslaに対する「果てしない、根拠のない調査」にリソースを割いた、と主張している。

マスク氏とTeslaは、SECが「一方的に」召喚状を送っており、和解による同意協定をマスク氏が遵守しているかをSECだけでなく裁判所が監視するものだとしている。SECは、マスク氏が「政府に対する率直な批判者」であることを理由に報復しており、法律を公正に執行するよりも、憲法修正第1条の言論の自由を阻害することに関心がある、と主張した。訴状によると、不正行為の発見はない。

マスク氏とTeslaは、SECの不払い疑惑だけでなく、度重なる調査についても話し合う会議を含む「軌道修正」を裁判所に求めた。SECに株主への支払いを強制する一方で、マスク氏らが主張するハラスメントを裁判所が「終わらせる」ことを望んでいる。

我々はSECにコメントを求めた。SECは和解後の数年間、マスク氏のツイートについて何度も問い合わせを行い、2019年と2020年には、懸念される投稿をめぐってTeslaに書簡を送った。SECがそれらのツイートについてマスク氏に落ち度があるとは判断していないのは事実だが、それでもマスク氏が2018年の合意で義務付けられている事前承認なしに主要な財務トピック(生産水準や株式評価など)について議論していた、と主張している。Teslaはこれらのツイートは和解条件の対象外だと主張したが、状況は完全に明確ではない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

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(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

BlockFiの米SECとの約115億円の和解は、今後のDeFiレンディングにとって何を意味するのか?

暗号資産融資プラットフォームBlockFi(ブロックファイ)は、同社が利子口座の提供を通じて証券法に違反したという主張に対する和解で、米国証券取引委員会(SEC)に1億ドル(約115億円)を支払うと規制当局が米国時間2月14日に発表した。この和解は、暗号資産会社が被った中では最も記録的なペナルティにあたるとAxiosは最初に報じている

SECの声明によると、BlockFiはペナルティのうち5000万ドル(約57億6500万円)をSECに直接支払い、残りの5000万ドルは米国32州に罰金というかたちで支払い、同様の容疑を精算するという。

SEC執行ディレクターのGurbir S. Grewal(グルビール・S・グレワル)氏は「暗号資産分野で十分な情報に基づいた投資判断を行うために必要な情報と透明性を投資家に提供するためには、当委員会の登録および開示要件を遵守することが重要です」と述べている。

BlockFiは創業以来、投資家から4億5000万ドル(約518億8400万円)の資金を調達している。最新のラウンドは2021年3月の3億5000万ドル(約403億5400万円)のシリーズDで、Bain Capital Ventures(ベイン・キャピタル・ベンチャーズ)、DST Global(DSTグローバル)、Pomp Investments(ポンプ・インベストメンツ)、Tiger Global(タイガー・グローバル)のパートナーが主導し、同社を30億ドル(約3459億円)と評価した。

関連記事:その流行を裏づける仮想市場の投資家向け金融サービス「BlockFi」が381億円調達、評価額は3300億円

BlockFiのウェブサイトによると、同社の金利口座では、ユーザーは保有する暗号資産に対して最大9.25%APY(年利)に相当する毎月の利息を得ることができたという。今回のSECの判決では、BlockFiの口座は、ユーザーが同社に通貨を貸し出していることになるため、証券とみなされることになる。

また、BlockFiは18カ月間、投資会社として違法に運営されていたとSECは述べている。この間、同社は証券を発行し、投資会社として登録されていないにもかかわらず、投資会社として適格な資産ベースの基準値を満たしていたのだ。

登録の問題に加え、SECはBlockFiがローン・ポートフォリオと融資活動のリスクレベルについて投資家を欺いたと主張している。

和解の一環として、BlockFiは無登録の融資商品の販売を停止することに同意した。また、BlockFiは本日、BlockFi Yieldと呼ばれる、法に準拠した新しい融資商品を登録する意図を発表し、これはSEC登録した最初の暗号資産利付証券になるとしている。

このニュースは、新興の分散型金融(DeFi)エコシステムに大きな打撃を与えると、デジタル資産弁護士のMax Dilendorf(マックス・ディレンドルフ)氏はTechCrunchに語っており、SECはBlockFiに対する措置でDeFi融資ビジネスモデルを本質的に「一掃」したと述べている。

暗号資産企業が有利子DeFi製品の販売を続けようとするならば、S-1登録届出書を提出して実質的に株式公開企業になる必要があるとディレンドルフ氏はいう。S-1登録届出書は新規株式公開(IPO)に相当し、これはコストがかかるプロセスで、DeFi製品を購入する投資家は、特定の免除を求め(そして許可され)ない限り、認定された者でなければならないと彼は付け加えました。

「S-1を提出することは、DeFiとはまったく相性が悪いのです。BlockFiが成功したのは、メタマスク・ウォレットなどをつないで利息を稼いでいるだけの個人ユーザーがたくさんいたからです」と同士は述べた。

この分野の小規模なプレイヤーにとっては、新規則の規制負担とそれにともなうコストが足かせになる可能性がある。

「BlockFiは30億ドル(約3459億円)規模の企業なので、結果が確実でなくても(登録証券を)提供する余裕があるのでしょう」とディレンドルフ氏はいう。「小規模なDeFiプロトコルはどうでしょうか?同様の強制措置の対象になれば、一掃されることになるでしょうね」。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Akihito Mizukoshi)

イーロン・マスクのツイートに関する和解をめぐり米SECがテスラに召喚状

ロイターCNBCによると、Tesla(テスラ)は2021年11月に証券取引委員会(SEC)から召喚状を受け取ったという。

同社が財務文書で公表した情報によると、SECが特に求めているのは「SEC修正和解案へのコンプライアンスをめぐるガバナンスのプロセスに関する」情報だ。11月の召喚状は、同社トップのElon Musk(イーロン・マスク)氏がTwitterのフォロワーに、現在、所有しているテスラの保有株の10%を手放すことになったらどうなるかなと尋ねた直後に発行された。同社の株価は、そのツイートの後で急落している

Teslaは、2018年にSECが「非公開化する」とツイートしたイーロン・マスク氏を訴えたことを皮切りに、何年もSECと対立している。同庁は、テスラが非公開化するための資金をすでに確保しているとツイートしたマスクが、「虚偽かつ誤解を招く」発言であるとして詐欺にあたるとした。

Teslaはその年にSECと和解し、マスク氏はソーシャルネットワークへの重大な情報のポストは、事前に法務が承認したもののみとするという和解条件を受け入れた。しかしそのすぐ後に彼は、それまで非公表だった2019年の生産台数を、その情報が最初にチェックされることなくツイートした。

SECは2018年の合意事項を侮辱したとして彼の拘禁を求めたが、結局、マスク氏が何をツイートできて、何をツイートできないかを正確に把握できるよう修正を加える必要があったた。

テスラのチーフは、Twitterを頻繁に使用することで知られている。彼はミームやランダムなツイートの合間に、彼の会社であるTeslaやSpace Xに関する新しい発表を織り交ぜてきた。Teslaの投資家集団が2019年の訴訟で、事前チェックのないTwitterの使い方をやめさせようとした。そして2021年は、もう1人の投資家がマスク氏と彼の企業を訴訟して、SECとの合意に違反していると非難した。

そのときの原告は、2020年5月の「Teslaの株価は高すぎると思う」という発言を含め、マスク氏はいい加減で未承認のポストをツイートし続けていると主張した。マスク氏はその後、Twitterを数回お休みし、自分のアカウントを削除したとも主張したが、現時点では相変わらずこのプラットフォーム上でとても元気だ。

編集者注記:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella MoonはEngadgetの副編集長。

画像クレジット:SOPA Images/Getty Images

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(文:Mariella Moon、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Airbnbのクルマ版、カーシェアリングのTuroがIPOを申請

ピア・ツー・ピア・カーシェアリングのスタートアップTuro(トゥーロ)が、米国で上場申請したことを正式発表した。2021年8月から密かに進めていた手続きだ。

米国時間1月10日、米国証券取引委員会(SEC)に提出されたS-1書類に、募集条件は書かれていない。

Turoは2010年に設立され、Airbnb(エアビーアンドビー)のクルマ版と言われている会社で、民間の自動車所有者が、同社のウェブサイトを通じて車両を貸し出すサービスを提供している。2021年9月30日時点で、7500以上の都市にアクティブ・ホスト8万5000人、アクティ車両16万台が登録していると同社は言っている。自動車オーナーは保有コストの削減が見込め、ユーザーは、パンデミックによるサプライチェーン問題でレンタカーが値上げされている時期に、短期レンタルを利用できるメリットがある。伝統的レンタカー業界の苦境が、激しい競争にもかかわらずTuroの市場シェア獲得に寄与したことは間違いないが、その人気は時として負担をもたらすことをS-1のリスクファクター記述が示している。

財務状況概要

まず財務状況を見てみよう。

2020年、Turoは純売上1億4990万ドル(約172億9000万円)を計上し、対前年比6%の成長だったとS-1に記載されている。収支は純損失9710万ドル(約112億円)で、2019年の純損失9860万ドル(約113億7000万円)からわずかに改善された。

Turoは売上増加についていくつかの要因を挙げているが、中でもRisk Score(リスク・スコア)と同社が呼ぶデジタルツールが目立っている。2020年4月に提供開始されたこの機能は、利用者が予約する際にTuroが徴収する手数料を動的に調整する。Turoは、このツール、およびホストが車両を貸し出す料金を引き上げたことが、純売上の増加に貢献したという。

2021年、売上と損失が急増。

Turoは2021年最初の9カ月間に3億3050万ドル(約381億2000万円)の純売上を生み出し、2020年同期間の1億780万ドル(約124億3000万円)から207%急増した。純損失も同じく急増した。2021年9月31日までの9カ月間に、Nuroは1億2930万ドル(約149億2000万円)の損失を計上し、2020年の同時期は5170万ドル(約59億6000万円)だった。

その理由?TuroはS-1書類で、レンタル日数の増加および1日当たりの総取扱高の増加によって売上が増えたと書いている。

S-1を精査したところ、Turoは2020年、少ない労力で多くのことを行おうとした結果、この年の財務状況が好転したとみられる。同社は2020年の出費を抑え、事業経費を2019年の1億3390万ドル(約154億4000万円)から2020年は9580万ドル(約110億5000万円)に削減した。

2021年最初の9カ月間の状況は異なる。同期間の事業経費は1億2401万ドル(約143億円)で、前年同期間の7160万ドル(約82億6000万円)を上回った。

リスクファクター

同社が直面するリスクファクターには、当然ながら「人々がTuroを使わなくなったらどうするか」および、類似アプリと伝統的レンタカー会社との「競争に直面する」ことが挙げられる。しかし、他にもいくつか気になる点がある。

まず、Turoは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが同社ビジネスに変動性を加えたことを指摘している。会社は社員の解雇を余儀なくされ、2020年にはドイツでの操業を閉鎖し、なんとか「新型コロナ以前レベルを超える」ところまでこぎつけた。

同社は、ホストに対する犯罪行為の責任問題に直面する可能性を指摘している。これまでに訴訟や罰金が発生した様子はないが、2021年8月、Turoをはじめとする複数のピア・ツー・ピア・レンタル・アプリが人身売買などの犯罪に利用されたことが発覚した。国境付近で増加傾向にあると米国税関・国境警備局が認めている犯罪だ。

Turoは、同社に対してレンタカー許可の取得を義務づけている都市、具体的には空港当局からの訴訟リスクもある。実際この面においては、Turoは訴訟を受け反訴もしている。空港利用に関する訴訟は4件あり、Turoがロサンゼルス市を相手取った訴訟を含め3件は未解決だ。

機会と成長

リスク要素はあるものの、Turoは現在のサービス可能獲得可能市場規模を1460億ドル(約16兆8405億円)、総獲得可能市場規模(TAM)を2300億ドル(約26兆5257億円)と推計している。

「当社の総獲得可能市場規模、2300億ドルのうち1340億ドル(約15億4541億円)は北米、650億ドル(約7兆4969億円)が欧州、310億ドル(約3兆5754億円)がそれ以外(中長期的機会があると当社が考える国々が含まれます)と推計しています」と提出書類にかかれている。

同社が事業を本拠地米国だけでなく世界市場に進出する用意ができているらしいことは注目に値する。さらに同社は、戦略的買収および提携によって「ホストやゲストに現在自社で提供していないサービスや機能を提供する」つもりだ。

画像クレジット:Turo

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(文:Rebecca Bellan、Kirsten Korosec、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Redditが秘密裏にIPOを申請

この8月、Reddit(レディット)はFidelityの主導で4億1000万ドル(約467億9000万円)にものぼる資金を調達し、評価額は100億ドル(約1兆1413億円)となった。そのときは、最大7億ドル(約798億8000万円)でシリーズFラウンドを終わらせる計画だった。

同社のCEOであるSteve Huffman(スティーブ・ハフマン)氏は、ニューヨークタイムズ紙に対して、Fidelityの投資により、いつどのように公開するかを決める時間を稼げると語っていた。

関連記事:RedditがシリーズFで最大770億円調達へ、評価額は1兆円超えに

サイト開設16年の同社は、米国時間12月15日の夕方、証券取引委員会(SEC)に株式公開に向けた登録届出書の草案を秘密裏に提出していたことを公表した。

Redditは、公開する株数やIPOの価格帯をまだ決定してない。

資金力に富む同社が、IPOの準備をしている兆候はあった。3月には、以前SnapのIPOに携わったDrew Vollero(ドリュー・ボレロ)氏を、同社初のCFOとして採用したことを発表していた

公開情報によれば、Redditはこれまでに13億ドル(約1483億6000万円)の資金を調達した。

コンテンツ集約の巨人である同社は、ヘイトスピーチを取り締まろうとする一方で、コミュニティの拠点としての存在感を確立しようとするなどの大きな挑戦に直面している。2021年の初めにはsubreddit(サブレディット、Reddit内のコミュニティ単位)の1つが、GameStopやAMCなどの急激な株価上昇に中心的な役割を果たした

2019年に、Redditの3億ドルのシリーズDをTencent(テンセント)が主導した際には、検閲がコミュニティサイトに入りこむのではないかという憶測が飛び交った。当時の私の同僚のJon Russel(ジョン・ラッセル)記者は、その憶測に異議を唱えている

Redditに関する過剰な期待は、その経済的な成功に貢献している。第2四半期には、Redditは1億ドル(約114億1000万円)の広告収入を達成した。8月の最終実績では、サイトは1日あたり5000万人の訪問者をひきつけ、10万のアクティブなsubredditをホストした。

画像クレジット:TechCrunch

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(文: Rita Liao、翻訳:sako)

ビットコイン「先物」ETFと何が違うのか?SEC、ビットコイン「現物」ETFは拒否

ビットコイン「先物」ETFと何が違うのか?SEC、ビットコイン「現物」ETFは拒否

編集部注:この原稿は千野剛司氏による寄稿である。千野氏は、暗号資産交換業者(取引所)Kraken(クラーケン)の日本法人クラーケン・ジャパン(関東財務局長第00022号)の代表を務めている。Krakenは、米国において2011年に設立された老舗にあたり、Bitcoin(ビットコイン)を対象とした信用取引(レバレッジ取引)を提供した最初の取引所のひとつとしても知られる。

ビットコイン先物ETFがニューヨーク証券取引所に上場してから約2カ月。米資産運用会社プロシェーアズが手がける米国初のビットコイン先物ETFの人気は衰えることはなく、取引量がすべてのETF取引量の2%に到達したとも報じられました。株式投資家にとって親しみのあるETFを通じたビットコイン投資が米国で解禁になったことについて暗号資産業界は大いに盛り上がりました。しかし、もう1つの悲願であったビットコイン現物のETF承認に関しては当局から「待った」がかかりました。11月14日、米証券取引委員会(SEC)が、米資産運用会社ヴァンエックが申請していたビットコイン現物のETFを拒否しました。

「先物」が良くて「現物」がダメな理由には何があるのでしょうか?ETFの基本的な概念を押さえつつ、解説します。

ETFとは?

ETF(上場投資信託)は、現在の株式投資家にとって親しみのある投資商品です。初めて登場したのは1990年ごろで、カナダはトロント証券取引所に上場された、TIPS35という株価指数に連動するETFと言われています。

1990年以前から、金融の世界では、投資家が直接投資を行うことなく、プロ(運用会社など)が代わりに株式や債券などに投資を行ったうえで、その投資損益を投資家が得る「投資信託」が一般的に行われていました。また、個別株や債券への投資ではある程度まとまった金額が必要になりますが、投資信託は少額でも購入可能な場合が多いため、投資信託は一般投資家の投資対象の拡大と利便性の向上に大きく貢献しました。

一方で投資信託は、信託報酬などの手数料が割高であったり、自由に購入・解約ができないこともあったり、市場での流通が限定されているので時価がわかりにくかったりと、いくつかの難点もありました。

こうした難点を投資信託を証券取引所に上場させることで解決したのが、「上場投資信託=Exchange Traded Funds」です。上場商品であるが故の比較的割安な手数料、高い流動性、価格の透明性などが確保されました。

ビットコインETFが証券取引所に上場されれば、証券市場に参加する投資家にとって暗号資産がトヨターやソニー株と大差ないものになり、暗号資産の普及が加速するとみています。ビットコインETFの誕生とは、既存の金融である証券と未来の金融である暗号資産が融合する歴史的な瞬間であるといえます。

ビットコイン先物ETFが承認された理由

2021年10月19日に上場したプロシェアーズのビットコイン先物ETF(BITO)は、シカゴマーカンタイル取引所(CME)に上場するビットコイン先物と連動しています。先物取引とは、将来の取引価格について現時点で約束をする取引です。実は、「CMEに上場するビットコイン先物」という点が非常に重要で、先物と現物の明暗を分けることになりました。

CMEのビットコイン先物は、SECと同様に資本市場の規制機関である米商品先物取引委員会(CFTC)によってすでに規制されており、2017年12月以降でしっかり取引が行われてきたという実績があります。しかも、現在のSECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、CFTCの委員長を務めた経歴があります。

また、ゲンスラー委員長はマサチューセッツ工科大学(MIT)で暗号資産に関する講義を担当したこともあり、暗号資産に対する理解度が高いと業界から期待されています。2020年にSECの委員長に就任したばかりのゲンスラー氏は、実際、ビットコイン先物ETFに関して10月の承認前から好意的な発言をしていました。暗号資産という新たな投資商品であっても、自身が詳しい金融領域において秩序だって規制できるものに関しては規制を開始していくという、ゲンスラー委員長のスタンスの表れかもしれません。

ビットコイン先物の課題

しかし、ビットコイン先物ETFさえあれば事足りるという現状ではなさそうです。ビットコイン先物ETF投資に慎重な機関投資家も少なくないと聞きます。大きな理由の1つが、「コンタンゴ」(contango)です。

コンタンゴは、期日が遠い先物価格の方が期日が近い先物価格よりも価格が高くなる現象を指します。例えば原油や大豆などコモディティには在庫管理が必要であり、長く保管すればするほど倉庫代が高くなることから、期先の先物価格が期近の先物価格より高くなることは想像できます。問題は、在庫管理が必要でないはずのビットコインの先物市場においても、基本的にはコンタンゴが発生してしまっている点です。

先物市場では、取引できる期限の月(限月)が決まっています。ただ、先物型のETFに「期限切れ」というのはありえませんから、運用者は期近の先物を売って期先の先物を買うロールオーバーという行為を繰り返します。ここで、先程のコンタンゴが問題になります。期先の先物価格は割高ですから、先物型のETFの運用は「安く買って高く売る」という運用になってしまい、そのコストが投資家に跳ね返る仕組みになってしまっています。

ビットコイン支持派として知られるアーク・インベストメントのキャシー・ウッド氏も、コンタンゴを理由にビットコイン先物ETFには慎重な姿勢を示しています。

ビットコイン現物ETFが拒否された理由

現物のビットコインには、先物市場に特有のコンタンゴのような問題はありません。そういった意味でもビットコイン現物ETFを待ち望む声も多いのですが、そう簡単にはいかない事情があります。

ビットコイン先物市場とは対照的にビットコインの現物市場は、現在どのキャピタルマーケットの規制も受けていません。このため、規制当局から見れば、究極的にはビットコインという同じ資産が裏付けになっていますが、実質的にはビットコイン先物ETFとビットコイン現物ETFはかなり異なる商品となっているのです。

そして、SECがビットコイン現物のETFに難色を示している理由も、まさに規制されていないマーケットであるという点です。

これまでビットコイン現物のETFは、2017年以降、何度もSECに対して申請されましたが、その度、拒否されてきました。過去にSECがビットコインETFを拒否した際に挙げた主な理由は、1934年証券取引所法のとりわけ6条(b)項5が規定する「証券取引所は詐欺や価格操作を妨げるように作られなければならない」という部分と「投資家と公共の利益を保護する」という部分です。

そして、今回も同じ理由でSECはヴァンエックのビットコイン現物のETFを拒否しました

「委員会は、(ヴァンエックのビットコインETFが)取引所法および取引委員会規則が要求する国の証券取引所は『詐欺や価格操作』を防止し「投資家と公共の利益を保護」しなければならなりという義務を果たせないと結論づけた」

ビットコイン現物のETFを申請する米国資産運用会社はフィデリティを含めてまだ数多くあります。また、世界最大の暗号資産投資会社グレイスケールが、10月、同社のビットコイン投資信託(GBTC)をビットコイン現物のETFに変更するという届けをSECに出しました。

しかし、規制の観点から見たビットコイン現物取引に関する見解が短期間では変わるとは考えられないことから、年末年始にかけて、米国でビットコイン現物ETFが誕生するのは難しいかもしれません。

今後の展望

クラーケンの子会社であるCFベンチマークスは、ビットコイン先物取引を上場しているCMEが参照する指数(BRR)を提供しています。また、現在ウィズダム・ツリー・ビットコイン・トラストなどがSECに申請しているビットコイン現物のETFも、CFベンチマークスの指数を参照しています。

私は、CFベンチマークスのスイ・チャンCEOと密に連絡を取っていますが、ビットコイン先物ETF承認に関して「ビットコイン現物の承認に対して、あまり大きな影響を与えない」と慎重な見方を示していました。このため、先週ヴァンエックのビットコイン現物のETFが拒否されたことはサプライズではありませんでした。

2021年は、カナダやブラジルで初めてビットコイン現物の取引が開始した歴史的な年でした。そして、米国にとって初となるビットコイン先物ETF開始。暗号資産業界にとって大きな分水嶺になる出来事だったとみています。ただ、SECが現物のETF承認を真剣に検討するまでには多くの課題があるのが現状であり、チャンCEOも言うように「ビットコイン先物ETFは、ほんの最初の1歩」と考えています。

画像クレジット:Executium on Unsplash

米証券取引委員会がトランプ氏のSPAC合併話に興味津々

Digital World Acquisition Corp.(DWAC、デジタル・ワールド・アクイジション)は最近の提出種類で、予定されているTrump Media & Technology Group(TMTG、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ)との合併について、米国政府から質問を受けたことを明らかにした。TechCrunchは、このSPAC(特別買収目的会社)と元米国大統領であるDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏と関連のある企業との合併計画についてこちらで報じている。

TechCrunchは、この合併の契約や製品目的や全体的雰囲気すべてに対して非常に懐疑的だった。

  • 10月後半The New York Timesは、トランプ氏がDWACのCEOであるPatrick Orlando(パトリック・オーランド)氏とSPACが作られる前の段階で会話していたことを報じた。「その際、オーランド氏のSPACはセキュリティ法や証券取引規則を回避した可能性がある」と同紙は伝えていた。
  • DWACとTMTGは「合併完了時に10億ドル(約1137億円)分の非貨幣的資本を受け取る契約」を12月4日に結んだとリリースに書かれている。

2件の報道を受けて、Financial Industry Regulatory Authority(FINRA、金融業規制機構)およびU.S. Securities and Exchange Commission(SEC、米国証券取引委員会)が質問していることは驚くに当たらない。

DWACの提出書類に次のように書かれている(強調は筆者による)。

DWACはある予備的な事実確認質問を規制当局から受けており、現在協力している。具体的には、2021年10月後半および11月前半、DWACはFINRAから、2021年10月20日の合併契約公表に先立つ事象(特に取引の見直し)に関する情報要求を受け取った。FINRAによるとその問い合わせは、FINRAが、何らかのNASDAQ規則違反や連邦証券法違反が起きたと断定した、あるいは、関連する証券に関わる利益もしくは当該証券の取引に影響を与えた人物を非難している、と解釈すべきではないという。さらに、2021年11月初めDWACは、SECから任意の情報および文書要求を受けた、具体的にはDWACの取締役会、取引に関わるポリシーと手続き、銀行、電話、およびメールアドレスの識別情報、特定の投資家の識別情報、DWACおよびTMTG間の特定の文書および会話についてである。SECの要求文書によると、その調査はSECが何者かが法律に反したと結論づけたものではなく、SECがDWACあるいはいかなる人物、事象、もしくは証券に対して否定的な意見を持つことを意味するものでもない。

文面からわかるように、同社は不正行為を非難されているのではないことを強調している。とはいえ、それは説明の難しい取引に対する監視としては相当なものであり、大きな疑問をもたざるをえない。

TMTGとDWACの投資家向けプレゼンテーションの内容は薄かった。そして、TMTG製品であるTRUTH Social(トゥルース・ソーシャル)を作るために使われたコードの一部が不正入手されたことがすぐに明らかになった。率直にいってうさん臭い。

このSPACがなぜ、企業というよりアイデアを集めただけのように思われるところと合併したいのかは疑問である。あの評価がどのように決められたのかも謎だ。取引に総額10億ドルを投じた投資家たちも。

一連の出来事は、製品出荷前の企業が通常許されるよりも未熟な状態で上場することを認めた、なんとも奇っ怪なメカニズムがすでに十分白い目で見られているSPACに対する印象をいっそう悪くするものだ。この取引は、ほんの少し前投資家向けに再ブランドだかでSPACと呼ばれるようになった連中に、白紙小切手会社という元の名前を改めて教える出来事だった。

画像クレジット:BRENDAN SMIALOWSKI / Staff / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラ、太陽電池パネルの欠陥疑惑で米証券取引委員会が調査

米国証券取引委員会(SEC)は、Tesla(テスラ)が太陽電池パネルシステムに火災リスクがあることを株主に開示していなかったという内部告発者の疑惑を受け、同社に対する調査を開始した。

Reuters(ロイター)の報道によると、この告発はテスラの元従業員であるSteven Henkes(スティーブン・ヘンクス)氏によるもので、同氏は2019年に米国証券取引委員会に告発状を提出している。この調査が明らかになったのは、ヘンクス氏が当初の内部告発を申し立てた結果について、情報公開法に基づく要求を委員会に提出したためだ。

SECはヘンクス氏に何の記録も提供していないものの、9月24日付けの書簡で「あなたが記録を求めている調査はまだ有効であり、進行中である」ことを認めた。SECはTechCrunchの問い合わせに対し「調査の可能性の有無についてはコメントしない」と述べている。

ヘンクス氏は告発状の中で、テスラと同社が2016年に買収した子会社のSolarCity(ソーラーシティ)が、火災の原因となり得る欠陥が見つかった電気コネクタのことについて、顧客に知らせていなかったと主張している。

LinkedInのプロフィールによると、ヘンクス氏は約4年半にわたってテスラに勤務した後、2020年8月にテスラを解雇されている。解雇される前、同氏は現場の品質管理者だった。また、ヘンクス氏は以前、Toyota North America(北米トヨタ)で品質開発および計画を担当するマネージャーとして働いていたことがある。

ヘンクス氏はその後、テスラを不当解雇で訴え、解雇は安全上の懸念を提起したことへの報復だと主張した。訴状によると、ヘンクス氏はSECに懸念を告発する前に、テスラに火災の危険性を通知していたという。

テスラのソーラーパネルで安全性に関する問題が明るみに出たのは、今回が初めてではない。2019年には、Walmart(ウォルマート)の7つの店舗に設置された屋上のソーラーパネルシステムから火災が発生したとして、契約違反と重過失の疑いでテスラはウォルマートから訴えられた。それから3カ月後に両社は和解に達し、ウォルマートは訴訟を取り下げた。

関連記事:ウォルマートがソーラーパネル火災でテスラと和解

また、Business Insider(ビジネス・インサイダー)は、テスラがコードネーム「Project Titan(プロジェクト・タイタン)」と呼ばれる大規模なプロジェクトを実施し、欠陥のあるソーラーパネルのコネクターを交換していたことを暴露した。

テスラはまた、別の連邦規制機関からの安全性に関する調査にも直面している。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、テスラの先進運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」が作動していた際に発生した事故について調査を行っているところだ。

画像クレジット:Tesla

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

SPAC上場をめぐりEVメーカーLucid Groupを米証券取引委員会が調査

Lucid Group(ルシード・グループ)は、同社の合併による上場を調査している証券当局から召喚された。

Lucidは米国時間12月6日朝に当局に提出した書類の中で、米証券取引委員会(SEC)から調査に関連する特定の文書を要求されたと述べた。

「この問題の範囲や結果について確たるものはありませんが、調査は当社(旧Churchill Capital Corp. IV)とAtievaとの合併、および特定の見通しと声明に関するものと思われます」と規制当局への提出書類には書かれている。

Lucidは、SECの審査に全面的に協力していると述べている。

このニュースを受けて、Lucidの株価は9.5%以上下落した。

Lucid Motorsは2021年2月に、特別買収目的会社Churchill Capital IV Corpとの合併を通じて上場企業になることで合意したと発表した。当時、特別買収目的会社(SPAC)と電気自動車スタートアップとの間で行われる取引としては最大級のものと考えられていた。

関連記事:EVのLucid MotorsがSPAC合併で上場へ、2021年下期に北米でLucid Airの販売開始

株主らは7月下旬、Lucid MotorsとChurchill Capital IVの合併を承認したが、個人投資家の投票数が少なかったため、両社は期限を1日延長した。合併会社は現在、Lucid Groupという社名だ。

Lucid Groupはその後、同社初の高級電気自動車Lucid Airの納入を開始し、アリゾナ州カサグランデにある工場を270万平方フィート(約25万平方メートル)拡張する計画を発表した。その拡張の一部は、2023年に生産開始を予定している高級電気自動車SUV「Project Gravity」に使用される。

SPACは2年前から流行した金融商品で、企業がより早く株式を公開するためのいい手段として位置づけられている。また、多くのベンチャーキャピタリストがSPACに参入し、取引のペースを上げている。しかし、それが原因で規制当局がこれらの合併の一部を詳しく調査することになった。少なくとも3件のモビリティ関連のSPAC合併がSECの精査を受けている。Nikola Motors(ニコラ・モーターズ)に対する規制当局の調査では、創業者が辞任し、3件の詐欺容疑で起訴された。Lordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)はSECと司法省の調査を受けている

関連記事
電動トラックメーカーNikolaの創業者ミルトン氏、詐欺容疑で起訴
米国証券取引委員会が調査中のEVスタートアップLordstown Motorsを米司法省も調査開始

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

EVトラック開発Nikolaが米証券取引委への制裁金支払いに142億円を準備

EVトラック開発のNikola(ニコラ)は、米証券取引委員会(SEC)と、1億2500万ドル(約142億円)の民事制裁金支払いに関して協議中だと第3四半期決算発表で明らかにした。SECは、同社が投資家をミスリードしたかどうかを調査中で、制裁金はその一環だ。

同社は第3四半期決算発表で、支払いは分割して行う予定であり、解決を見越して資金を確保していたと述べた。

2021年10月にSECとの協議が進んだことを踏まえ、同社は「2021年9月30日において発生済みの偶発債務の最善の見積もりとして、1億2500万ドルの損失を計上した」と決算発表で明らかにした。

一方、苦境に立たされている創業者のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏は、自身の刑事訴訟の防戦に忙しい。同氏は異なる2件の告発に直面している。1つは証券取引法違反の疑いでSECから、もう1つは証券詐欺2件、通信詐欺1件の刑事訴訟で米連邦検事局からだ。

Nikolaは引き続きミルトン氏の弁護士費用を負担しており、2021年9カ月間で約1260万ドル(約14億円)に上る。同社は同氏に対し「政府および規制当局の調査に関連した費用および損害」の弁済を求めると述べた。9月末時点で、同氏は同社の株式を約16%保有している。

当会計年度は、同社にとって苦難の連続だったと言っても過言ではない。2020年9月にGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)と20億ドル(約2240億円)の戦略的提携を発表したときには、飛ぶ鳥を落とす勢いだった。提携の内容には、当時スタートアップだったNikolaにGMが11%を出資することと、Nikolaの燃料電池トラックの生産条件が含まれていた(この燃料電池トラックはその後つぶれた)。しかし、そのわずか1カ月後、空売り投資家であるHindenburg Research(ヒンデンブルク・リサーチ)の報告を受け、SECが調査を開始した。その後、GMは契約を解消した

SECに1億2500万ドルを支払う決定は、まず規制当局の承認を得なければならない、とNikolaは投資家に述べた。

画像クレジット:Nikola Motor Company

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

【コラム】フェイスブック「怒りの絵文字」を米証券取引委員会が注視する理由

Facebook(フェイスブック)は新しい名前になったかもしれないが、ブランド名を変えても、同社が社会にとっていかに破壊的であるか、そして自社の投資家にとっていかに有害であるかを示す、最近の複数の情報開示は消えない。

Facebookの内部告発者であるFrances Haugen(フランシス・ハウゲン)氏の暴露は衝撃的だったが、驚きではなかった。大量の文章を報道機関や議員、当局に提出する以前、Facebookの選挙のセキュリティ問題を担当していたハウゲン氏によると、Facebookは、例えば、拒食症の可能性を高めるいわゆる「thin-spiration(シンスピレーション)」を10代の少女たちに押し付けるなどの非難すべき行為とともに、そのアルゴリズムが社会や弱者に害を及ぼしていることを一貫して認識していた。

Facebookの内部文書の最近の分析は、Facebookのエンジニアは、「怒り」の絵文字を含む絵文字のリアクションを「いいね!」の5倍の価値があるものとして扱い、ユーザーを惹きつけて利益を上げるために、物議を醸すような投稿を好んでいたことを示している。

これは、単に企業が公共の利益に反して行動し、自社の消費者に損害を与えているという話ではなく、その投資家に反して行動したという話でもある。ホーゲン氏によれば、同社は、安全性への取り組み方からユーザーベースの規模まで、ビジネスの基本的な事実について株主を欺いていた。

このような重要な情報を連続して投資家に伝えなかったことで、Facebookは米国の証券取引法に違反した可能性がある。また、ハウゲン氏は、Facebookが会社の内部調査に関連する重要な情報を隠していたことで法律に違反していると主張し、少なくとも8件の苦情を証券取引委員会に提出している。

一方、2人目の無名の内部告発者は、Facebookがヘイトスピーチや誤情報よりも成長と利益を優先していると主張する宣誓供述書を米国証券取引委員会に提出した。

内部告発が注目を集めているのにもかかわらず、Facebookを規制・抑制するために米国証券取引委員会が果たしうる役割が最重要視されていないのは驚きだ。Facebookはハイテク企業だが、何よりもまず上場企業であり、それゆえに米国証券取引委員会の規制と監視の対象となる。

株式公開後もMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が会社を完全に実効支配できるような奇妙な特殊クラスの株式が含まれていたにも関わらず、2012年のFacebookの新規株式公開を承認したのは、オバマ政権下の米国証券取引委員会だった。さらに、スキャンダラスなデータ会社であるCambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)が、約3000万人の米国人のFacebookデータにアクセスして悪用したことを知っていたにもかかわらず、それを投資家に適切に開示しなかった件について、Facebookと和解したのはトランプ時代の米国証券取引委員会だった。

過去2年半の間に証券法違反で米国証券取引委員会と和解した企業であるFacebookを詳しく調査するように求めることは、驚くことではなく、合理的なことであり、私たちが証券規制当局に期待することでもある。

バイデン政権が、Gary Gensler(ゲーリー・ゲンスラー)氏とLina Khan(リナ・カーン)氏という強力な規制官をそれぞれ米国証券取引委員会と連邦取引委員会の委員長に任命したことは、米国人にとって幸運なことだ。しかし、Facebookをはじめとするビッグテック企業が、経済、政治、日常生活のあらゆる側面に影響を及ぼすようになったように、これらの企業を適切に規制し、抑制するという課題は、1つや2つの機関では解決できない。

大規模テック企業がもたらす問題や脅威に真に取り組むために必要なのは、政府全体でのアプローチだ。バイデン政権は、競争評議会で良い第一歩を踏み出したが、これは最終的な製品ではなく、最初の切り札でなければならない。また、大規模なテック企業に、フィンテック、通貨、政府との特別契約など新しい市場へのアクセスを与えないことも重要だ。これらの企業は、中小企業や消費者を犠牲に、これらの機会を利用してさらに強力になることはほぼ間違いないからだ。

また、これらの重要な問題については、議会の関与が必要だ。ホーゲン氏が上院の小委員会で証言した同じ日に、下院金融サービス委員会は、米国証券取引委員会の監督に関する公聴会を開催した。ホーゲン氏の扇情的な主張が数日間にわたって報道されたにもかかわらず、公聴会は、Facebookの投資家に対する説明責任を果たす上での米国証券取引委員会の役割について何のコメントも質問もなく何時間も続いた。

この重要な監視の機会が失われたことは、想像力と協調性の欠如を意味している。ビッグテックの危険性に真に対処するためには、すべてのメンバーが、バイデン政権への働きかけを含め、これらの巨大企業に対処するための改善策を考える必要がある。

ホーゲン氏は、フェイスブックから生まれた最初の内部告発者でもなければ、最後の告発者でもない。米国連邦政府が、ビッグテック企業の従業員、株主、下請け業者、さらには創業者が、これらの企業が米国人にもたらす危険性を明らかにするのを黙って見ている時代ではなくなった。

企業の規模、力、そして危険性がましている今こそ、バイデン政権は、大胆に、積極的に、結束して行動すべきだ。そのためには、まず、米国証券取引委員会が、この問題を取り上げ、Facebookを徹底的に調査し、法律を完全に執行することから始める必要がある。

編集部注:本稿の執筆者Lisa Gilbert(リサ・ギルバート)氏は、Public Citizenの副社長。

画像クレジット:Serdarbayraktar / Getty Images

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(文:Lisa Gilbert、翻訳:Yuta Kaminishi)

フェイスブックの内部告発者が身元を明かし、同社は「安全よりも利益を選ぶ」と発言

Wall Street Journalが掲載したFacebookの最近の社内文書によると、同社はVIPたちに同社のルール違反を許し、またInstagramが10代のメンタルヘルスを害していることを知っていた。その情報を暴露したFrances Haugen(フランシス・ホーゲン)と名乗る内部告発者がこのたび、ニュース番組60 Minutesのインタビューに応じ、その内容をThe New York Timesが報じている。

ホーゲン氏は60 Minutesで「いろいろなソーシャルネットワークを見てきたが、Facebookほどひどいところは他にない。Facebookはこれまでに何度も、安全より利益を優先してきた」と語った。

ホーゲン氏のウェブサイトTwitterのアカウントによると、同氏は2019年にFacebookに入社して民主主義と虚偽情報の問題を扱い、また防諜活動も行ってきた。彼女はFacebookのプロダクトマネージャーだったが、5月に退社した。

当初彼女は、Facebookの内部文書「数千ページ」を、内部告発者救援団体Whistleblower Aidの創設者John Tye(ジョン・タイ)氏に渡し、その情報を公開した場合の法的保護と支援を求めた。その膨大な文書には、社内調査の結果やプレゼン用のスライドデッキ、添付文書なども含まれていた。彼女はまた証券取引委員会(SEC)に公益通報者としての告発状を提出し、Facebookの内部的行為が同社の公式声明に反している、と非難している。

内部告発者フランシス・ホーゲンはアイオワ州出身のデータサイエンティストで、コンピューターサイエンスとハーバードのMBAの学位を持つ。彼女によると、Facebookでやりたかった唯一の仕事が虚偽情報対策だったが、それはネット上の陰謀理論で友人を失った経験があるからだ。

SECへの告発状でホーゲン氏は、Facebookの社内調査や文書をCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏やその他の役員が公表している声明と比較している。ある例の中で彼女は、Facebookは選挙の虚偽情報に寄与貢献し、1月6日の国会議事堂の暴動を招いたと述べている。

「Facebookは2020年の選挙と暴動に関連する虚偽情報や暴力的な過激主義と戦ってきたと声明を出しているが、実際のところFacebookは自らのアルゴリズムを把握しており、プラットフォームはこのような有害なコンテンツを実際には奨励していた。そして永続的な対策を社内的に推奨したり展開することをしなかった」と彼女は告発状の添え状に書いている。

続けて「このサイトは、エンゲージメントを奨励することにおいて、対立を生むコンテンツを許容している。同社自身の調査が、憎悪や対立を煽り分断をそそのかすコンテンツがあることを示し、多くの人に怒りを喚起することは他の感情を喚起するより容易だという。Facebookは、アルゴリズムをもっと安全なものに変えれば、人びとがそのサイトで過ごす時間が減り、広告のクリック回数が減り、同社の収益が減ることを知っていた」と60 Minutesで述べた。

SECの告発受付窓口は通常、企業の内部通報者に保護を提供するが、彼女とその法務チームはさらに上院議員のRichard Blumenthal(リチャード・ブルーメンソール)氏(民主党)とMarsha Blackburn(マーシャ・ブラックバーン)氏(共和党)に接触した。彼女はまた、フランス、英国、そしてEUの議会の議員にも話をしている。

最近リークに対して神経質になっているFacebookは、60分のインタビュー放送前にその内容を知り、「視聴者の誤解を招く」と非難した。ポリシーとグローバル問題担当の副社長Nick Clegg(ニック・クレッグ)氏はCNNに「Facebookは人間の善と悪と醜さを表しているが、悪をなるべく減らし善を増やす努力をしている」と述べている。そして彼は、1月6日の事件でソーシャルメディアを非難するのは「馬鹿げている」と付け加えた。

Facebookの広報担当者Lena Pietsch(レナ・ピエッチ)氏は声明で次のように述べている。「あの番組は私たちのプラットフォーム上で人びとの安全を護るために弊社が行っている大きな投資を無視している。私たちが悪質なコンテンツを奨励し、対策を何もしていないというのは端的にいって真実ではない」。また、同社が大衆と規制当局を誤導しているという説に対しては「弊社は弊社が公表している声明を遵守しており、私たちの仕事に関する規制当局からのいかなる質問にも答える用意がある」という。

ホーゲン氏によると、彼女が求めているのはFacebookの改革であり解体ではない。「私たちが進むべきは、透明性と真の統治へ向かう道です。Facebookを粉砕せよという主張ではありません」と放送で述べている。ホーゲン氏は12月5日に、若いユーザーに対するFacebookの影響力について下院で証言する予定だ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。Steve DentはEngadgetの編集者。

画像クレジット:Robert Fortunato, CBS News/60 Minutes

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(文:Steve Dent、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米証取委の訴訟予告を受けCoinbaseが融資商品「Lend」立ち上げを中止

米証券取引委員会(SEC)に対し強硬手段に出ようとしたCoinbase(コインベース)の試みは、長くは続かなかった。暗号資産(仮想通貨)取引所を運営する同社は、暗号資産による融資商品の立ち上げ計画を巡り、規制当局であるSECの怒りを買った。SECは、CoinbaseがLendと呼ばれる暗号資産融資商品を立ち上げた場合にCoinbaseを提訴することを事前に通達する「ウェルズ通知」を同社に送付した。

SECがLendの件で私たちを訴えたいと言ってきました。理由はわかりませんが」と題した反抗的なブログ記事を発表してから2週間足らずで、同社は先週末、結局Lendを立ち上げないことを静かに発表した。

関連記事:米証券取引委はCoinbaseの暗号資産利回り商品を規制したいがCoinbaseは反発

同社は米国時間9月17日、Lendの立ち上げ関する投稿を更新する情報を静かに追加し、その一部を詳しく説明した。

当社は、暗号資産業界全体に対する規制を明確化する取り組みを続けるなか、以下に発表するとおり、USDC APYプログラム(米ドルコインによる融資プログラム)を開始しないという難しい決定を下しました。また、このプログラムのキャンセル待ちも中止し、次の展開に向けて取り組んでいきます。

Lendは、暗号資産取引所の世界では例外的とはいえないものだ。投資家にとっては、Geminiなどのプラットフォームで同様の仕組みがある。Geminiでは、ユーザーが保有する暗号資産を取引所に貸し出し、従来の普通預金よりもはるかに高い金利を得ることができる。Coinbaseは、安定したコインであるUSDC(米ドルコイン)をユーザーが貸し出し、年利4%(開始時のレート)が得られるというLendの立ち上げを計画していた。

SECは、同組織内で利用可能なリソースが限られていることに不満を持っており、これまでも限られた範囲で暗号化商品に対する訴訟を行ってきた。ユーザーがCoinbaseとそのパートナーに対し、自らのコインの保管権を実質的に放棄するという点に納得がいかなかったようだ。また、Coinbaseに対して、Lendには確かに証券としての性質があると指摘している。監督機関との緊密な連携をブランドの一部としているCoinbaseは、Lendが証券ではないという考えにこだわりながら、ゆっくりと事を進めようとしていた。

「SECは、Coinbase Lendが証券としての性質をもつと考えているといいますが、なぜ、どのようにしてそのような結論に達したのかは明らかにしていません。しかし、私たちは落胆することなく、ゆっくりと物事を進めることにしました。6月には、Lendプログラムを公開し、キャンセル待ちを開始しましたが、公の開始日は設定しませんでした。しかし、またしてもSECからの説明はありませんでした。それどころか、彼らは正式な調査を開始しました」と、最近のCoinbaseのブログに書かれていた。

大きな問いは、これが他の暗号資産取引所にとってどのような意味を持つのか、また、この行為は、チーフのGary Gensler(ゲイリー・ゲンスラー)氏が率いるSECが、暗号資産の世界、特にDeFiの仕組みに関して、より積極的な活動を開始するシグナルなのかどうかだ。

Coinbaseの株価は9月20日月曜日の日中取引で下落した。ビットコインやその他の暗号資産の価格も大幅に引き下げた。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

米証券取引委はCoinbaseの暗号資産利回り商品を規制したいがCoinbaseは反発

Coinbase(コインベース)のCEOであるBrian Armstrong(ブライアン・アームストロング)氏は、同社とSEC(米証券取引委員会)との現在の関係に強い反応を示した。同氏によると、SECは、Coinbaseが「Coinbase Lend」と呼ぶ利回り商品の取り扱いを始めた場合、暗号資産取引所である同社を訴えると脅しているという。

Coinbaseはこの新商品で、「Compound」や「Aave」といった人気の分散型金融(DeFi)商品に対抗したいと考えている。同社は、米ドルにペッグされた安定したコインである米ドルコイン(USDC)を取り扱うレンディング(貸し出し)プールを運営したいと考えている。

同社がCoinbase Lendの立ち上げに成功すれば、ユーザーはCoinbase Lendに暗号資産を送り、レンディングプールに拠出することができる。最終的には、集まった暗号資産を貸し出す計画だ。Coinbaseのユーザーは、レンディングプールに拠出した見返りとして高い金利を得る。Coinbaseは、プレビューページで年率4%を約束している。

アームストロング氏によると、同社はリリース前にSECに連絡を取ったという。「彼らは、この貸し出しは証券だと答えた」とツイッターで述べた。

「彼らは、なぜそれが証券だと思うのかを教えてくれず、代わりに私たちに多くの記録を求め(我々はそれに応じました)、私たちの従業員に証言を要求し(それにも応じました)、そして、私たちがこのビジネスを始めるなら、私たちを訴えると言ってきました。その理由については説明せずにです」と付け加えた

また、Coinbaseの最高法務責任者であるPaul Grewal(ポール・グレワル)氏も、同社のブログで今回の出来事について書いている。SECがCoinbaseの貸し出しプログラムは証券だと主張しているにもかかわらず、同社は新機能の事前発表を進めると決めたようだ。

「SECは、Coinbase Lendが証券としての性質をもつと考えていると言いますが、なぜ、どのようにしてそのような結論に達したのかは明らかにしていません。しかし、私たちは落胆することなく、ゆっくりと物事を進めることにしました。6月には、Lendプログラムを公開し、キャンセル待ちを開始しましたが、公の開始日は設定しませんでした」とグレワル氏は書いている。

この記事を読んでいる起業家の方へのアドバイスはこうだ。SECから、それは始められないと言われたら「間もなく」という言葉でウェイティングリストを公開してはならない。

驚きではないが、Coinbaseによると、SECはその後、正式な調査開始を決定したようだ。また、ある従業員はSECの質問に答えるために1日を費やすことになったという。

「彼らは文書や書面での回答を求めてきました。私たちは喜んでそれを提供しました。また、このプログラムについて宣誓証言をしてくれる企業証人の提供も求められました。その結果、当社の従業員の1人が8月に丸1日かけて、Coinbase Lendについて完全かつ透明性のある証言を行いました」とグレワル氏は書いている。

その結果、Coinbaseは頭にきて、SECに対してPRキャンペーンを展開すること選んだ。アームストロング氏の主張は、他社がすでにレンディングプールを提供しているため、一部の企業がそのような商品を提供できて、Coinbaseが提供できない理由はないというものだ。

「他の多くの暗号資産会社は貸し出し機能の提供を続けていますが、どうしたわけかCoinbaseはそれが許されていません」と同氏はツイートした

これは、Coinbaseが暗号資産エコシステム全体を変更することに終わるかもしれないリスクをともなう戦略だ。Sar Haribhakti(サール・ハリブハキ)氏が指摘したように、DeFiに対する監視の目がますます厳しくなり、業界全体により厳しいルールが適用されることになるかもしれない。

「表面上は、SECの目的は投資家を保護し、公正なマーケットを作り出すことです。ですので、この件に関してSECは誰を守り、どこに害があるのでしょうか。人々はこれらのさまざまなプロダクトで利回りを稼ぐことにかなり満足しているようです」とアームストロング氏は述べた

但し書きを読むと、CoinbaseはLendプログラムで投資家を保護しない。Coinbase Lendページの下の方にはこうある。「Lendは高利回りUSD普通預金口座ではなく、Coinbaseは銀行ではありません。あなたの貸し出した暗号資産はFDICやSIPCの保険で保護されません」。

これは投資家にとって、あまり心強いものではない。ツイート合戦は問題を解決しないため、どこかの時点でCoinbaseとSECは暗号資産貸し出しプロダクトを協議するために向き合う必要がある。

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi