AWSのリソースとそれに関する支出の管理を容易にする新しいサービスVantageが、米国時間1月12日にステルスを脱した。このサービスはユーザーに、AWSの複雑なコンソールに代わるものを与え、AWSの標準的なサービスであるEC2のインスタンス、S3のバケット、VPCs、ECS、そしてFargate、およびRoute 53のホストゾーンといったほとんどすべてをサポートしている。
創業者のBen Schaechter(ベン・シェークター)氏はこれまでAWSとDigital Oceanで働き、それ以前はCrunchbaseにいた。しかし、DigitalOceanは彼に個人や小企業向けの開発者体験を構築する方法を示した一方で、基礎となるサービスやハードウェアは単にハイパークラウドほど堅牢ではなかったという。一方、AWSは、デベロッパーがクラウドに望むもののすべて、あるいはそれ以上のものがあるが、ユーザー体験には不満が多かった。
「そこで考えたのは、DigitalOceanのユーザー体験を3つのパブリッククラウドプロバイダー、AWSとGCPとAzureに適用したらどうなるか、ということです。まずAWSから始めようと決めたのは、その体験が最もラフなもので、市場において最大のプレイヤーだからでした。また、GCPやAzureに取るかかる前にAWSを始めたほうが、価値も大きいと考えました」とシェークター氏はいう。
Vantageが重視するのは、デベロッパー体験と費用の透明性だ。シェークター氏によると、一部のユーザーはVantageのことを「AWSのためのMint(予算管理アプリ)」と呼ぶ。ユーザーは最初、自分のAWSサービスのリードパーミッションをVantageに与える。するとVantageは自動的に、ユーザーのアカウントにあるすべてのものをプロファイルする。そのリストは1時間おきにリフレッシュされるが、ユーザーがマニュアルでリフレッシュしてもよい。
現在、自分がどのAWSサービスを実際に利用しているのかが正確にわからないこともよくあるため、それだけでも便利な機能だ。シェークター氏によると「それが最も人気のあるユースケースです。何にいくら払っていて、何を得ているのか把握することができます」。
Vantageの中核的な機能は、いわゆる「ビュー」だ。どのリソースを使っているかを一望できる。おもしろいのは、ビューをユーザーがカスタマイズできる点で、たとえばどこそこのリージョンでどんなアプリケーションのためにどんなリソースを使っているかを確認することもできる。それにはLambdaやストレージのバケット、独自のサブネット、CodePipelineなどが含まれているかもしれない。
費用追跡に関して、現在のところVantageでは特定時点での費用がわかるだけだが、今後は履歴上に現われるトレンドを見たり、クラウドの支出のビューをユーザーがカスタマイズできるようになるといった機能を提供していきたいという。
同社は現在、自己資本のみで動いているが、シェークター氏によると、資金の調達よりもユーザーがお金を払ってくれて売上があることが先決だという。現在は無料プランと、機能の多い有料の「プロプラン」と「ビジネスプラン」が用意されている。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Vantage、AWS、UI / UX
画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)